明 細 書
パイロット信号伝送方法および無線通信装置
技術分野
[0001] 本発明は、無線通信システムに関し、特に、上りリンクにおいて、パイロット信号を伝 送するパイロット信号伝送方法および無線通信装置に関する。 背景技術
[0002] 近年、第 3世代移動体通信(3G)、無線 LANや、第 4世代移動体通信 (4G)を含む 複数の無線通信システムがシームレスかつ安全に接続できる次世代の無線ネットヮ ークとして Beyond 3Gが開発されている。その Beyond 3Gの上りリンクの伝送方 式としては、シングノレキャリア伝送方式が考えられている(例えば、文献「3GPP, "TR 25.814 vl.2.2," March 2006.」(以下、文献 1と称する)参照。)。
[0003] 図 1は、文献 1に示されているシングルキャリア伝送方式の送信機の構成を示す図 である。
[0004] 図 1に示した送信機は、データ送信部 1101と、パイロット送信部 1102と、それらの 出力を多重する MUX部 1103と力 構成されている。
[0005] さらにデータ送信部 1101は、 DFT (離散フーリエ変換: Discrete Fourier Transfo rmation) ¾ l l l :^、サブキャリアマッピング部 1112と、 IFFT (逆高速フーリエ変換: I nverse Fast ourier &113]:01111&1:1011)部1 113と、サ クリックフ フィックス付カ卩部丄
114とから構成されている。
[0006] 図 1に示すデータ送信部 1101は、以下のように動作する。
[0007] まず、
[0008] [数 1]
NTx_d シンボルからなるデータ信号に
[0009] [数 2]
NTx_d ポイントの DFTを DFT部 1111にて適用し、データ信号を周波数領域信号に変換す る。その後、サブキャリアマッピング部 1112において、周波数領域信号をサブキヤリ ァにマッピングする (使用しないサブキャリアには「0」を挿入し、合計
[0010] [数 3]
NFFT_d サブキャリア分のデータを生成する)。
[0011] さらに、サブキャリアマッピング後の周波数領域信号に
[0012] [数 4]
NFFX_d ポィント ?丁を^^丁部1113にて適用し、時間領域信号に変換する。最後に、サイ クリックプレフィックス付加部 1114におレ、て、サイクリックプレフィックスを付加して送 信する。
[0013] 図 2は、図 1に示したサイクリックプレフィックス付加部 1114におけるサイクリックプレ フィックス付加の様子を示す図である。
[0014] 図 1に示したサイクリックプレフィックス付加部 1114におけるサイクリックプレフィック ス付加は図 2に示すように、ブロックの後部をブロックの先頭にコピーすることである。
[0015] なお、サイクリックプレフィックスは、受信側での周波数領域等化を効果的に実行す るために揷入する。なお、サイクリックプレフィックス長は、伝搬路の遅延パスの最大 遅延時間を越えないように設定することが望ましい。
[0016] 次に、図 1に示した送信機に対応する一般的な受信機の構成について説明する。
[0017] 図 3は、図 1に示した送信機に対応する一般的な受信機の構成を示す図である。
[0018] 図 3に示した受信機は、図 1に示した送信機から送信された信号を、データ信号と パイロット信号とに分離する DeMUX部 1301と、データ受信部 1302と、パイロット受
信部 1 303とから構成されている。
[0019] さらにデータ受信部 1302は、サイクリックプレフィックス除去部 1 31 1と、 FFT (高速 フーリエ変換: Fast Fourier Transformation)部 1312と、サブキャリアデマッピング 部 1 31 3と、周波数等化部 1314と、 IDFT (逆離散フーリエ変換: Inverse Discrete Fourier Transformation)部 1 31 5と、データ復調部 1316とから構成されている。
[0020] 図 3に示すデータ受信部 1 302は、以下のように動作する。
[0021] まず、サイクリックプレフィックス除去部 1 31 1において、受信された信号からサイタリ ックプレフィックスを除去する。そして、
[0022] [数 5]
NFFT_d ポイント FFTを FFT部 1312にて適用することにより周波数信号に変換する。その後 、サブキャリアデマッピング部 1 313により各ユーザが使用するサブキャリアにデマツ ピングを行う。デマッピングが行われると、周波数等化部 1 314においてパイロット信 号受信部 1 303の伝送路推定部 1324 (後述)により得られた伝搬路推定値を用いて 、周波数領域等化を行う。その後、
[0023] [数 6]
NTx_d ポイント IDFTを IDFT部 1 31 5にて適用し、時間領域信号に変換し、データ復調部 1 316において受信データの復調を行う。
[0024] 次に、上りリンクのパイロット信号とユーザ多重法とについて説明する。
[0025] 近年、パイロット信号系列として CAZAC (Constant Amplitude Zero Auto-Correl ation)系列が注目されている。例えば、 CAZAC系列の 1つとして、式 1で表される Za doff—Chu系列が考えられている(例えば、文献「B. M. Popvic, "Generalized C hirp-Like Polyphase Sequences with Optimum (correlation Properties, ΙΕαβ Transactions on Information Theory, Vol.38, No.4, pp l406_1409, July 1992.
」参照。 ) c
[0026] [数 7]
系列長 Lが偶数の場合 系列長 Lが奇数の場合 (式 1)
k:系列番号 (kは Lと互いに素となる整数)
CAZAC系列とは、時間及び周波数両領域において一定振幅でかつ位相差「0」 以外の自己相関値が「0」となる系列のことである。時間領域で一定振幅であることか らピーク対平均雑音電力比(PAPR : Peak to Average Power Ratio)を小さく抑え られ、かつ周波数領域においても一定振幅であることから周波数領域における伝搬 路推定に適する系列である。さらに、完全な自己相関特性があることから受信信号の タイミング検出に適しているという利点を持つことから、 Beyond 3Gの上りリンクのァ クセス方式であるシングルキャリア伝送に適するパイロット系列として注目されている。
[0027] また、上りリンクのパイロット信号系列として CAZAC系列を用いる場合のユーザ多 重法として、符号分割多重(CDM : Code Division Multiplexing)が提案されている( 例えば、文献「3GPP, Rト 051062 , Texas Instruments" On Uplink Pilot in E UTRA SC-OFDMA," Oct. 2005」参照。)。
[0028] パイロット信号の CDMでは各ユーザは同一の系列長の CAZAC系列を使う力 ュ 一ザ毎に固有のサイクリックシフトを付加する。サイクリックシフト時間を想定される最 大遅延時間以上にとれば、マルチパス環境にぉレ、ても全ユーザのパイロット信号を 直交させることができる。これは、 CAZAC系列の自己相関値が位相差「0」以外で常 に「0」となる性質を用いている。
[0029] パイロット信号を CDMしたときのパイロット信号の送信部および受信部について、 図 1および図 3を用いて説明する。パイロット送信部 1102は、基本的な構成や処理 はデータ送信部 1101と同一であるため、データ送信部 1101と異なる部分について 説明する。
[0030] まず、 DFT部 1121および IFFT部 1123のポイント数がそれぞれ
[0031] 園
Ντχ_ρ, NFFT_P となっている(文献 1では
[0032] [数 9]
NTx_p = NTx_d/2, NFFT_p = NFFT_d/2 となっている)。
[0033] また、パイロット信号のユーザ多重を CDMで行う場合、受信部で各ユーザを分離 するためにサイクリックシフト部 1124でユーザ固有のサイクリックシフトをさせる。サイ クリックシフトとは、図 2に示したように、ノ ィロット信号系列がリング状であるように扱わ れるシフトであり、パイロット信号系列は最後部から先頭へ再入される。各ユーザのサ イクリックシフト量は遅延パスの最大遅延間以上、つまりサイクリックプレフィックス長以 上とすることが望ましい。最後に、サイクリックプレフィックス付加部 1125にてサイタリ ックプレフィックスを付加して、生成されたデータ信号とパイロット信号とを MUX部 11 03にて時間多重して送信する。
[0034] 次に、パイロット受信部 1303について説明する。
[0035] パイロット受信部 1303では、データ信号とパイロット信号とを DeMUX部 1301にて 分離した後、サイクリックプレフィックス除去部 1321にてサイクリックプレフィックスを除 去する。そして、パイロット信号に
[0036] [数 10] 上 FFT_p ポイント FFTを FFT部 1322にて行レ、、周波数領域のパイロット信号に変換する。そ 搬路推定部 1324にて伝搬路推定を行う。各ユーザの伝搬路推定値はデータ受信 部 1302の周波数等化部 1314へ出力される。
[0037] また、 CAZAC系列をセルラシステムで用いる場合、相互相関特性も重要となり、他 セル干渉抑圧の観点から相互相関値の小さい系列の組を隣接セル間のパイロット信 号系列として割り当てることが望ましい。なお、 Zadoff— Chu系列の相互相関特性は その系列に大きく依存する。例えば、 Zadoff— Chu系列の系列長 Lが素数や大きい 素数を含む場合、相互相関特性は非常に良い (相互相関値が小さい)。一方、小さ い素数のみから構成される合成数の場合、相互相関特性は大きく劣化する(相互相 関値に大きな値が含まれる)。具体的には、 Zadoff— Chu系列の系列長 Lが素数の 場合、任意の Zadoff— Chu系列同士の相互相関値は常に
[0038] [数 11]
に保たれることが考えられている(例えば、非特許文献 3参照。)。
[0039] Beyond 3Gでは、データ信号および制御信号の伝送帯域がユーザごとに異なる 場合が想定される。したがって、データ信号および制御信号の復調に用いるパイロッ ト信号もユーザごとに帯域が異なるため、伝送帯域の異なるユーザのパイロット信号 を多重する必要がある。
[0040] 図 4は、従来の移動無線システムの一構成例を示す図である。
[0041] 図 4に示した移動無線システムには、基地局である BS1001と、 BS1001が形成す るサービスエリアである CL1000において、その BS1001との間でそれぞれ通信を行 う複数の移動局である MS1002〜: 1005とが設けられている。
[0042] 図 5は、図 4に示した移動無線システムにおいてユーザが使用する周波数ブロック および各ユーザが用いるパイロット信号系列の一例を示す図である。
[0043] 図 5に示すように、データ信号または制御信号を周波数の連続した周波数ブロック を使用してシングルキャリア伝送する場合、ノィロット信号も同様にデータ信号または 制御信号と同じ周波数ブロックを使用してシングルキャリア伝送する。
[0044] パイロット信号の多重方法を CDMとした場合、例えば図 5では、 MS 1002〜: 1005 が送信する信号の帯域幅をそれぞれ 3W, W, W, 2W (Wは所定の帯域幅)とすると
、パイロット信号系列としてそれぞれの帯域幅に対応した 3L, L, L, 2Lの系列長を
有する CAZAC系列をそれぞれ使用することになる。
[0045] このような場合、周波数の連続した異なる周波数ブロックを用いてパイロット信号を するユーザ間のパイロット信号は、直交しなくなってしまうという問題点がある。その理 由は、使用する周波数ブロックの異なるユーザ間のパイロット信号の系列長が同一で ないためである。
[0046] また、図 6は、従来の移動無線システムの他の構成例を示す図である。
[0047] 図 6に示した移動無線システムは、基地局である BS1001, 1301と、 BS1001およ び BS1301がそれぞれ形成するサービスエリアである CL1000および CL1300内に おいて、 BS 1001および BS 1301との間でそれぞれ通信を行う複数の移動局である MS1002〜1005および MS1302〜1305と力 S設けられてレヽる。
[0048] 図 7は、図 6に示した移動無線システムの CL1300内においてユーザが使用する 周波数ブロックおよび各ユーザが用いるパイロット信号系列の一例を示す図である。 ここで、 CL1000においてユーザが使用する周波数ブロックおよび各ユーザが用い るパイロット信号系列は図 5に示したものと同一とする。
[0049] 隣接セル間の使用する周波数ブロックをみると、例えば、 MS1003および MS100 4と MS1303との間は同一帯域幅となるため、異なる CAZAC系列を用いることにより セル間干渉を小さくすることが可能である。一方、例えば、 MS1002と MS1302との 間、または MS1002と MS1304との間は使用している周波数ブロックの帯域幅が異 なるため、セル間干渉を小さくすることができない。つまり、パイロット信号として使用 している CAZAC系列の系列長が異なる場合、セル間の干渉小さくすることができな いという問題点がある。その理由は、系列長が異なる CAZAC系列間の相互相関特 十生が劣化してしまうためである。
発明の開示
[0050] 本発明は、上述したような課題を解決するため、移動無線システムにおいて、パイ口 ット信号として CAZAC系列を送信し、ユーザ多重法として CDMを用いる場合にお いて、帯域の異なるユーザのパイロット信号をセル内で直交およびパイロット信号に おける他セルからのセル間干渉を低減することができるパイロット信号伝送方法およ び無線通信装置を提供することを目的とする。
[0051] 上記目的を達成するために本発明は、
無線通信システムにおいて、位相差が 0であるの自己相関のピークに対して位相差 力 ¾以外の自己相関値が所定の閾値以下となる第 1の性質と、系列長が異なる系列 間の相互相関値よりも系列長が等しい系列間の相互相関値の方が小さな値となる第 2の性質との少なくともいずれか一方の性質を有するパイロット信号系列を送信し、ュ 一ザ多重法の少なくとも 1つに符号分割多重を用いるパイロット信号伝送方法であつ て、
システムで使用可能な周波数帯域であるシステム帯域を複数の種類の帯域幅の複 数の周波数ブロックに分割する処理と、
前記複数の周波数ブロックにそれぞれ対応した系列長を有する前記パイロット信号 系列を用いて、前記複数の周波数ブロックのそれぞれのパイロット信号をシングノレキ ャリアで生成する処理と、
生成された前記パイロット信号を各ユーザに対応するパイロット信号として前記複数 の周波数ブロックのうち任意の数の周波数ブロックを用いてマルチキャリア伝送する 処理とを有する。
[0052] また、すべての隣接セルの同一帯域を複数の種類の帯域幅の複数の周波数ブロッ クに分割する処理と、
前記周波数ブロックでパイロット信号を送信する異なるセル間にて、前記複数の周 波数ブロックの帯域幅にそれぞれ対応した前記系列長を有する前記パイロット信号 系列の中で異なる系列を用いる処理とを有することを特徴とする。
[0053] また、前記システム帯域を同一の帯域幅の複数の周波数ブロックに分割する処理 を有することを特徴とする。
[0054] また、前記パイロット信号系列として CAZAC系列を使うことを特徴とする。
[0055] また、データ信号または制御信号を、周波数の連続した前記周波数ブロックを用い てシングルキャリア伝送する処理を有することを特徴とする。
[0056] また、無線通信システムにおいて、位相差が 0であるの自己相関のピークに対して 位相差が 0以外の自己相関値が所定の閾値以下となる第 1の性質と、系列長が異な る系列間の相互相関値よりも系列長が等しい系列間の相互相関値の方が小さな値と
なる第 2の性質との少なくともいずれか一方の性質を有するパイロット信号系列を送 信し、ユーザ多重法の少なくとも 1つに符号分割多重を用いて信号を伝送する無線 伝送装置であって、
システムで使用可能な周波数帯域であるシステム帯域を複数の種類の帯域幅に分 割された複数の周波数ブロックにそれぞれ対応した系列長を有する前記パイロット信 号系列を生成し、生成された前記パイロット信号系列を用レ、てパイロット信号をシング ルキャリアで生成し、生成された前記パイロット信号を各ユーザに対応するパイロット 信号を前記複数の周波数ブロックのうち任意の数の周波数ブロックを用いてマルチ キャリア伝送する。
[0057] また、前記系列長が同一である前記パイロット信号系列を生成することを特徴とする
[0058] また、前記パイロット信号系列として CAZAC系列を生成することを特徴とする。
[0059] また、データ信号または制御信号を周波数の連続した前記周波数ブロックを用いて シングノレキャリア伝送することを特徴とする。
[0060] 上記のように構成された本発明においては、位相差が 0であるの自己相関のピーク に対して位相差が 0以外の自己相関値が所定の閾値以下となる第 1の性質と、系列 長が異なる系列間の相互相関値よりも系列長が等しい系列間の相互相関値の方が 小さな値となる第 2の性質との少なくともいずれか一方の性質を有するパイロット信号 系列を送信し、ユーザ多重法の少なくとも 1つに符号分割多重を用いる場合、システ ムで使用可能な周波数帯域であるシステム帯域が複数の種類の帯域幅の複数の周 波数ブロックに分割され、複数の周波数ブロックにそれぞれ対応した系列長を有する パイロット信号系列を用いて、複数の周波数ブロックのそれぞれのパイロット信号がシ ングノレキャリアで生成され、生成されたパイロット信号が各ユーザに対応するパイロッ ト信号として複数の周波数ブロックのうち任意の数の周波数ブロックを用いてマルチ キャリア伝送される。
[0061] このため、パイロット信号系列に用いる系列長をすベて同一にすることができ、相互 相関特性が良好な系列を選択して使用することができる。
[0062] 以上説明したように本発明においては、位相差が 0であるの自己相関のピークに対
して位相差が 0以外の自己相関値が所定の閾値以下となる第 1の性質と、系列長が 異なる系列間の相互相関値よりも系列長が等しい系列間の相互相関値の方が小さ な値となる第 2の性質との少なくともいずれか一方の性質を有するパイロット信号系列 を送信し、ユーザ多重法の少なくとも 1つに符号分割多重を用いる場合、システムで 使用可能な周波数帯域であるシステム帯域を複数の種類の帯域幅の複数の周波数 ブロックに分割し、複数の周波数ブロックにそれぞれ対応した系列長を有するパイ口 ット信号系列を用いて、複数の周波数ブロックのそれぞれのパイロット信号をシングノレ キャリアで生成し、生成されたパイロット信号を各ユーザに対応するパイロット信号とし て複数の周波数ブロックのうち任意の数の周波数ブロックを用いてマルチキャリア伝 送する構成としたため、帯域の異なるユーザのパイロット信号をセル内で直交および パイロット信号における他セルからのセル間干渉を低減することができる。
図面の簡単な説明
[図 1]文献 1に示されているシングノレキャリア伝送方式の送信機の構成を示す図であ る。 付加の様子を示す図である。
[図 3]図 1に示した送信機に対応する一般的な受信機の構成を示す図である。
[図 4]従来の移動無線システムの一構成例を示す図である。
[図 5]図 4に示した移動無線システムにおいてユーザが使用する周波数ブロックおよ び各ユーザが用いるパイロット信号系列の一例を示す図である。
[図 6]従来の移動無線システムの他の構成例を示す図である。
[図 7]図 6に示した移動無線システムの CL内においてユーザが使用する周波数ブロ ックおよび各ユーザが用いるパイロット信号系列の一例を示す図である。
[図 8]本発明の無線通信装置が用いられる移動無線システムの第 1の実施の形態を 示す図である。
[図 9]図 8に示した移動無線システムにおいて各ユーザがパイロット信号を送信する 帯域とそのとき用いる CAZAC系列を示す図である。
[図 10]本発明の無線通信装置の第 1の実施の形態に係るパイロット信号送信部の一
構成例を示す図である。
[図 11]図 10に示したパイロット信号送信部に対応するパイロット信号受信部の一構成 例を示す図である。
[図 12]図 11に示した伝搬路推定部の一構成例を示す図である。
[図 13]図 12に示した IDFT部にて得られる時間領域の信号の例を示す図である。
[図 14]本発明の無線通信装置が用いられる移動無線システムの第 2の実施の形態を 示す図である。
[図 15]図 14に示した移動無線システムにおいて各ユーザがパイロット信号を送信す る帯域とそのとき用いる CAZAC系列を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
[0064] 以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第 1の実施の形態)
図 8は、本発明の無線通信装置が用いられる移動無線システムの第 1の実施の形 態を示す図である。
[0065] 図 8に示すように本形態には、基地局である BS101と、 BS101が形成するサービ スエリアである CL100において、 BS101との間でそれぞれ通信を行う複数の移動局 である MS102〜: 105と力 S設けられてレヽる。ここで、 BS101および MS102〜: 105は 本発明の無線通信装置である。
[0066] 図 9は、図 8に示した移動無線システムにおいて各ユーザ力 Sパイロット信号を送信 する帯域とそのとき用いる CAZAC系列を示す図である。
[0067] 図 9に示すように、システムで使用可能な周波数帯域であるシステム帯域力 周波 数ブロック B1,B2に分割されている。また、データ信号または制御信号をユーザごと に異なる帯域を使用してシングノレキャリア伝送するものとする。このとき、それぞれの ユーザは周波数ブロック帯域幅 W1 =W, W2 = 2に対応した系列長 LI , L2をもつ 同一 CAZAC系列を用いる。
[0068] したがって、 MS102は CAZAC系列長 L1 =Lおよび L1 = 2Lに対応する 2つの周 波数ブロック Bl , B2を用いて同時伝送するマルチキャリア伝送することになる。また 、 MS103および MS104は CAZAC系列長 L1 =Lに対応する帯域幅 W1を使用し
たシングルキャリア伝送することになる。また、 MS105は CAZAC系列長 L2 = 2Lに 対応する帯域幅 W2を使用したシングルキャリア伝送することになる。ここで、同一帯 域で伝送する各ユーザは同一 CAZAC系列をユーザ固有のサイクリックシフトした系 歹 IJを用いる。
[0069] このように、パイロット信号の周波数ブロックの帯域幅を統一、つまり使用する CAZ AC系列長を統一することにより、パイロット信号の送信帯域が異なるユーザ間を直交 させること力できる。
[0070] 図 10は、本発明の無線通信装置の第 1の実施の形態に係るパイロット信号送信部 の一構成例を示す図である。
[0071] 本構成は図 10に示すように、複数の DFT部 601—:! 601— nと、複数のサブキヤ リアマッピング咅 — :!〜 602_nと、 IFFTき 603と、サイクリックプレフィックス付カロ 部 604と、サイクリックシフト部 605とから構成されている。
[0072] 図 10に示したパイロット信号送信部は、以下のように動作する。
[0073] まず、周波数ブロックの帯域幅に対応した系列長の CAZAC系列がそれぞれ DFT 部 601—:!〜 601— nに挿入され、周波数領域のパイロット信号に変換される。ここで
、 DFT部 601—:!〜 601— nのポイント数
[0074] [数 12]
ΝΤχ一 p一 ι〜ΝΤχ_ρ_η は、それぞれのキャリアの帯域幅に対応した系列長に対応する。ここで、 n (n= l N
)は同時送信するキャリア数である。
[0075] そして、周波数変換されたパイロット信号がそれぞれサブキャリアマッピング部 602
602—nに挿入され、サブキャリアマッピングが行われる。サブキャリアマツピン グが行われると、サブキャリアマッピングされた周波数領域のパイロット信号に
[0076] [数 13]
NFFX_p
ポイント FFTを IFFT部 603にて適用し、時間領域のパイロット信号に変換される。
[0077] その後、サイクリックシフト部 605において、ユーザ固有のサイクリックシフトが行わ される。
[0078] 以上のように生成されたパイロット信号は、従来例と同一の処理により生成されたデ ータ信号に時間多重される。
[0079] 以上、説明した処理は本発明のパイロット信号伝送方法における送信側の処理で ある。
[0080] 図 11は、図 10に示したパイロット信号送信部に対応するパイロット信号受信部の一 構成例を示す図である。ここでデータの受信部は、従来のものと同一の構成であるた め、データ信号とパイロット信号とをマルチプレクサで分離したパイロット信号の受信 部にっレ、てのみを図 11に示す。
[0081] 図 11に示したパイロット信号受信部は、サイクリックプレフィックス除去部 701と、 FF T部 702と、複数のサブキャリアデマッピング部 703—:!〜 703— nと、複数の伝搬路 推定部 704—:!〜 704— nとから構成されている。
[0082] 図 11に示したパイロット信号受信部は、以下のように動作する。
[0083] まず、サイクリックプレフィックス除去部 701において、受信された信号からサイクリッ クプレフィックスが除去される。そして、
[0084] [数 14]
ポイント FFTを FFT部 702にて適用することにより周波数領域の受信信号に変換さ れる。その後、サブキャリアデマッピング部 703—:!〜 703— nにより各ユーザが使用 するサブキャリアにデマッピングされる。サブキャリアデマッピングされた後、サブキヤ リアデマッピングされた周波数信号が伝搬路推定部 704—:!〜 704— nに挿入される
[0085] 図 12は、図 11に示した伝搬路推定部 704—:!〜 704— nの一構成例を示す図で ある。
[0086] 図 11に示した伝搬路推定部 704—:!〜 704— nは図 12に示すように、パイロット乗 算部 801と、パイロット信号生成部 802と、 IDFT部 803と、伝搬路フィルタ 804と、 D FT部 805とから構成されている。
[0087] パイロット乗算部 801では、サブキャリアデマッピングされた周波数領域の受信信号 とパイロット信号生成部 802により生成された周波数領域表現のパイロット信号との複 素共役を乗算する。パイロット信号生成部 802は、パイロット信号の周波数表現を記 憶しているメモリや生成式を用いて計算する回路でもあってもよい。
[0088] その後、乗算された信号に周波数ブロックの帯域幅に対応した
[0089] [数 15] 丄、 fx― p― n ポイント IDFTが IDFT部 803にて行われ、時間領域の信号に変換される。
[0090] 図 13は、図 12に示した IDFT部 803にて得られる時間領域の信号の例を示す図で ある。
[0091] 図 10に示したサイクリックシフト部 605にて、ユーザ固有のサイクリックシフトすること により、図 13に示すように各ユーザの伝搬路のインパルス応答が時間シフトした信号 が得られる。
[0092] そして、得られた伝搬路のインパルス応答を各ユーザに対応した伝搬路フィルタ 80 4に通すことにより、各ユーザに対応する伝搬路のインパルス応答が得られる。得ら れた各ユーザのインパルス応答に
[0093] [数 16]
ポイント DFTを DFT部 805にて適用することより、周波数領域の伝搬路推定値に変 換され、周波数等化に用レ、る伝搬路の周波数応答を得ることができる。
[0094] 以上、説明した処理は本発明のパイロット信号伝送方法における受信側の処理で ある。
[0095] 本発明の第 1の実施の形態においては、パイロット信号系列として CAZAC系列を
送信し、ユーザ多重法として符号分割多重を用いる場合を例に挙げて説明した。こ の場合、システム帯域が周波数ブロックに分割され、それぞれの周波数ブロックの帯 域幅に対応した系列長を有する同一のパイロット信号系列のユーザ固有のサイクリツ クシフトした系列を用いてシングノレキャリアでパイロット信号が生成され、各ユーザに 対応するパイロット信号は周波数ブロックのうち任意の n周波数ブロックを用いる nマ ルチキャリア伝送するように構成されている。したがって、各ユーザの同一帯域にお いて、同一の系列長の CAZAC系列を用いることができるため、ユーザのパイロット 信号を直交させることができる。
(第 2の実施の形態)
図 14は、本発明の無線通信装置が用いられる移動無線システムの第 2の実施の形 態を示す図である。
[0096] 図 14に示すように本形態には、基地局である BS101 , 301と、 BS101および BS3 01がそれぞれ形成するサービスエリアである CL100および CL300内において、 BS 101および BS301との間でそれぞれ通信を行う複数の移動局である MS102〜: 105 および MS302〜305と力 S設けられている。ここで、 BS101 , 301および MS102〜1 05, 302〜305は本発明の無線通信装置である。
[0097] 図 15は、図 14に示した移動無線システムにおいて各ユーザがパイロット信号を送 信する帯域とそのとき用いる CAZAC系列を示す図である。ここで、従来同様、デー タ信号または制御信号は、周波数の連続した周波数ブロックを用いるシングノレキヤリ ァ伝送するものとする。
[0098] 第 1の実施の形態においては、それぞれのユーザがパイロット信号をシングノレキヤリ ァで送信する帯域を同一のものとした力 第 2の実施の形態においては、他セルのュ 一ザも含めて、パイロット信号をシングルキャリアで送信する帯域を同一のものとする
[0099] したがって、図 15を参照すると、 CL100の MS102は CAZAC系列長 L1 =L2 = L 3 = Lに対応する 3つのキャリア(帯域幅 Wl =W2=W3 =W)を同時伝送するマル チキャリア伝送することになる。また、 MS103および MS104は CAZAC系列長 L1 =Lに対応する帯域幅 W1を使用したシングルキャリア伝送することになる。また、 M
S105は CAZAC系列長 L2 = L3 =Lに対応する 2つのキャリア(帯域幅 W2=W3 =
W)を同時伝送するマルチキャリア伝送することになる。
[0100] 一方、 CL300の MS302は CAZAC系列長 L1 =L2=Lに対応する 2つのキャリア
(帯域幅 W1 =W2=W)を同時伝送するマルチキャリア伝送することになる。また、 M
S303は CAZAC系列長 L1 =Lに対応する帯域幅 W1を使用したシングルキャリア伝 送することになる。また、 MS304および MS305は CAZAC系列長 L3 = Lに対応す る帯域幅 W3を使用したシングルキャリア伝送することになる。
[0101] また、パイロット信号に使用する系列は、セル内の同一帯域では同一の CAZAC系 列のユーザ固有のサイクリックシフトした系列を、また、異なるセルの同一帯域では異 なる CAZAC系列を用いる。 CAZAC系列は同一系列長でのみ相互相関関数が小 さい系列が存在するという性質をもつので、すべてのセルの同一帯域でパイロット信 号の周波数ブロックの帯域幅を統一することができる。つまり、 CAZAC系列の系列 長を同一とすることで、セル間干渉を低減することができる。
[0102] 第 2の実施の形態のパイロット信号送信部及び受信部は第 1の実施の形態にて説 明した図 10〜: 12と同一の構成であるので説明は省略する。
[0103] 本発明の第 2の実施の形態においては、隣接するサービスエリアである隣接セルの 同一帯域における周波数ブロックの分割が同一である。分割された周波数ブロックで パイロット信号を送信する異なるセル間のユーザによって、当該周波数ブロックの帯 域幅に対応した系列長を有する CAZAC系列の中で異なる CAZAC系列を用いて パイロット信号がシングルキャリアで生成される。そして、各ユーザに対応するパイロッ ト信号は周波数ブロックのうち任意の n周波数ブロックを用レ、る nマルチキャリア伝送 される。したがって、セル内および他セルにおいて各ユーザの同一帯域において、 同一の系列長の CAZAC系列を用いることができる。そのため、セル内のユーザのパ ィロット信号を直交かつセル間干渉を低減させることができる。
[0104] なお、第 2の実施の形態においては、セル内の異なる帯域ではセル内で同一の C AZAC系列を用いる場合について説明した力 異なる CAZAC系列を使用しても同 様の効果が期待できる。
[0105] また、本発明の第 2の実施の形態においては、サービスエリアであるサービスセル
力 ¾セルの場合について説明した力 サービスセルが 3セル以上の場合においても 同様の効果が期待できることは言うまでもない。
[0106] また、本発明の第 2の実施の形態においては、隣接するサービスセルのシステム帯 域が同一の場合について説明したが、 P 接するサービスセルのシステム帯域が異な る場合においても、同一帯域において周波数ブロックの分割が同一の場合であれば 同様の効果が期待できる。
[0107] また、本発明の実施の形態においては、周波数ブロックの帯域幅が違う場合 (W1
≠W2)について説明した力 周波数ブロックの帯域幅が同一の場合 (W1 =W2)に ぉレ、ても同様の効果が期待できる。
[0108] また、本発明の実施の形態においては、システム帯域を 3つの周波数ブロックに分 割した場合について説明したが、周波数ブロックが 2つ以上の場合においても同様 の効果が期待できる。
[0109] また、本発明の実施の形態においては、ノ ィロット信号を送信する周波数ブロック が帯域幅 Wとその整数倍の帯域幅とのみで構成される場合について説明したが、帯 域幅 Wの整数倍でない周波数ブロックを含む場合であっても同様の効果が期待でき る。
[0110] また、本発明の実施の形態においては、各ユーザのパイロット信号を周波数の連続 した周波数ブロックを用いるマルチキャリア伝送する場合において説明したが、周波 数が不連続である周波数ブロックを用いてマルチキャリア伝送した場合においても同 様の効果が期待できる。
[0111] また、上記の説明にぉレヽて、 BS101 , 301および MS102〜: 105, 302〜305ίま、 上述したパイロット信号送信部およびパイロット信号受信部を有し、信号を伝送する 無線通信装置として説明した。
[0112] また、第 1および第 2の実施の形態においては、パイロット信号系列として CAZAC 系列を使用した場合を例に挙げて説明した。位相差が 0であるの自己相関のピーク に対して位相差が 0以外の自己相関値が所定の閾値以下となる第 1の性質と、系列 長が異なる系列間の相互相関値よりも系列長が等しい系列間の相互相関値の方が 小さな値となる第 2の性質との少なくともレ、ずれか一方の性質を有するパイロット信号
系列を使用したものであっても良い。この場合、例えば、復調するデータ信号が QPS Kのような動作点が低い(Eb/N0 = 0〜5dB)場合、位相差が 0の自己相関のピーク に対して位相差が 0以外の自己相関値の閾値を— 20dB (10%)とすると、特性劣化 はしない。ただし、復調するデータ信号が 16QAMや 64QAMのように動作点が高 い場合、 自己相関関数値の閾値をさらに低く設定する必要がある。