WO2007114186A1

WO2007114186A1 - バインディング更新システム、ホームエージェント、通信ノード、モバイルノード並びにバインディング更新要求方法

Info

Publication number: WO2007114186A1
Application number: PCT/JP2007/056709
Authority: WO
Inventors: Tetsuro Morimoto; Takashi Aramaki
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2006-03-31
Filing date: 2007-03-28
Publication date: 2007-10-11

Abstract

　多重トンネルの状態を解消するためのバインディングアップデートメッセージをモバイルノードに送信させて、データ伝送効率の向上及びネットワークリソースの有効利用を図る技術が開示され、その技術によれば、例えばモバイルノード（ＭＮ（２０２））がネットワークの移動を繰り返し行った場合に起こる多重トンネルの状態を検知したホームエージェントや通信相手ノード（ＨＡ／ＣＮ２０１）は、モバイルノードに対して、バインディング更新要求メッセージを送信する（ステップＳ２２）ことによって、バインディング情報の更新を要求する。バインディング更新要求メッセージには、多重トンネルを形成するホームアドレスが指定され、モバイルノードは、そのホームアドレスに現在の気付アドレスがバインディングされるようにバインディング情報を更新し、バインディングアップデートメッセージの送信を行う（ステップＳ２４）。

Description

明細書

バインディング更新システム、ホームエージェント、通信ノード、モバイルノード並びにバインディング更新要求方法

技術分野

[0001] 本発明は、モパイルネットワークにおけるパケット通信を行う通信システムにおいて

、ホームエージェント又は通信相手ノード力モパイルノードにバインディングアップデートメッセージの送信を要求し、ホームアドレス及び気付アドレスによって構成されるバインディング情報を更新するためのノインデイング更新システム、ホームエージェント、通信ノード、モパイルノード並びにバインディング更新要求方法に関する。

背景技術

[0002] 従来のモパイルネットワークにおけるパケット通信システムに関連して、モバイルノード（MN : Mobile Node)の移動にかかわらず、モパイルノードが同じネットワークアドレスを使い続けることができる技術として、モパイル IP (Internet Protocol :インターネットプロトコル)技術 (下記の非特許文献 1及び非特許文献 2を参照）が存在する。

[0003] 非特許文献 2には、 BRR (Binding Refresh Request)メッセージを用いて通信相手ノード（CN： Correspondent Node)がバインディング情報の更新を要求する技術が開示されている。通信相手ノードはモパイルノードに BRRメッセージを送信し、この BR Rメッセージを受信したモパイルノードは、要求元の通信相手ノードに BU (Binding U pdate：バインディングアップデート）メッセージを送信する。この BUメッセージの送信によって、モパイルノードのホームアドレス（Home Address又は HoA)と気付アドレス（ Care-of Address又は CoA)との対応関係が通知される。

[0004] 通信相手ノードは、例えば、自身が保持して!/、るバインディング情報 (すなわち、モパイルノードのホームアドレスと気付アドレスとの対応関係）が不確かな状態になっている場合に、モパイルノードの HoAあてに BRRメッセージを送信することで、モバイルノードに対して、そのモパイルノードのノインデイング情報を要求する。

[0005] また、下記の特許文献 1には、ホームエージェント（HA： Home Agent)間でバインデイング情報を移動させる方法が開示されている。この特許文献 1には、ホームエージェントが通知要求メッセージ（BRM : Binding Request Message)を送信する技術が開示されている。この通知要求メッセージは、上述の非特許文献 2の BRRメッセージに類似している。例えばホームエージェント 1からホームエージェント 2にモパイルノードのバインディング情報を移動させる場合には、ホームエージェント 1がモパイルノードに通知要求メッセージを送信する。モパイルノードは、その通知要求を受信した場合には、要求元のホームエージェント 1に向けて BUメッセージを送信する。

[0006] また、ホームエージェント 1が配置されているネットワークでは、ホームエージェント 1 あてのパケットがホームエージェント 2に届くように、あらかじめルータの設定が変更される。このルータの設定によって、モパイルノードが送信した BUメッセージはホームエージェント 2によって受信される。ホームエージェント 2は、この BUメッセージによつてモノィルノードのバインディング情報を取得することが可能となる。

[0007] また、下記の特許文献 2には、ホームエージェントがモパイルノードに、ノインディング情報の更新を、指定した時間に行わせる技術が開示されている。この特許文献 2 に開示されている技術によれば、ホームエージェントがバインディング情報のライフタィム（Lifetime)を決定し、そのライフタイム情報を BUメッセージへの応答時にモバイルノードに通知する。モパイルノードは、ライフタイムが期限切れになると、ホームエージェントに BUメッセージを送信し直す。特許文献 2に開示されている技術は、ホームエージェントがバインディング情報のライフタイムを決定する際に、ネットワークの状況などを考慮して、そのライフタイムの値を調整するという特徴を有している。

特許文献 1 :特開 2003— 169071号公報

特許文献 2：特開 2003 - 204330号公報

非特許文献 1： IP Mobility Support for IPv4 (RFC3344、 2002年 8月 )

非特許文献 2 : Mobility Support in IPv6 (RFC3775、 2004年 6月）

[0008] しかしながら、従来の技術では、ホームエージェント又は通信相手ノードがモパイルノードに BUメッセージの送信を要求する場合、モパイルノードに、保持されているバインデイング情報に従って BUメッセージの送信を行わせるだけであり、バインディング状態を変更させることはできない。そのため、複数のホームエージェントがモパイルノードと通信相手ノードとの間の経路上に存在し、多重のトンネルが形成されている場合には、ホームエージェント又は通信相手ノード力この多重トンネルを解消することができない。

[0009] 以下、図 1を参照しながら、従来の技術において発生する多重トンネルの状態の一例について説明する。図 1には、モパイルノード（MN) (101)、通信相手ノード (CN) (102)、ホームエージェント 1 (HA1) (103)、ホームエージェント 2 (HA2) (104)が通信装置として存在する。また、ネットワーク 1 (NW1) (105)、ネットワーク 2 (NW2) ( 106)、ネットワーク 3 (NW3) (107)、ネットワーク 4 (NW4) (108)が存在する。

[0010] ネットワーク 1 (105)、ネットワーク 2 (106)、ネットワーク 3 (107)は、モパイルノード

(101)が移動に伴って接続を行ったネットワークである。すなわち、モパイルノード（1 01)は、最初にネットワーク 1 (105)に存在しており、次にネットワーク 2 (106)に移動し、さらにネットワーク 3 (107)に移動を行ったものとする。また、モパイルノード（101) が各ネットワーク（105)〜（107)への接続時に使用したアドレスを、それぞれアドレス 1 (Addrl)、アドレス 2 (Addr2)、アドレス 3 (Addr3)とする。

[0011] 一方、ネットワーク 4 (108)には通信相手ノード（102)が接続されている。ネットヮーク 4 (108)は、ネットワーク 1 (105)、ネットワーク 2 (106)、ネットワーク 3 (107)とそれぞれ接続している。

[0012] ホームエージェント 1 (103)は、ネットワーク 1 (105)に配置されたホームエージェントである。モパイルノード（101)はネットワーク 1 (105)力もネットワーク 2 (106)に移動するときに、ホームエージェント 1 (103)に BUメッセージを送信し、アドレス 1 (Add rl)あてのパケットをアドレス 2 (Addr2)に転送するように要求する。同様に、ホームエージェント 2 (104)は、ネットワーク 2 (106)に配置されたホームエージェントである。モパイルノード（101)はネットワーク 2 (106)力もネットワーク 3 (107)に移動するときに、ホームエージェント 2 (104)に BUメッセージを送信し、アドレス 2 (Addr2)あてのパケットをアドレス 3 (Addr3)に転送するように要求する。

[0013] 以上のような状況のとき、通信相手ノード（102)が送信したアドレス 1 (Addrl)あてのパケットは、ホームエージェント 1 (103)によって受信され、アドレス 2 (Addr2)あてに転送される。アドレス 2 (Addr2)あてに転送されたパケットはホームエージェント 2 ( 104)によって受信され、さらにアドレス 3 (Addr3)あてに転送されて、モパイルノード (101)に届く。

[0014] ホームエージェント 1 (103)とモパイルノード（101)との間には、トンネル 1 (TL1) ( 112)が存在する。また、ホームエージェント 2 (104)とモパイルノード（101)との間には、トンネル 2 (TL2) (113)が存在する。したがって、通信相手ノード（102)とモバイルノード（101)との間の通信経路上には、トンネル 1 (112)及びトンネル 2 (113)力 S 多重トンネルとなって存在する。このような多重トンネルの状態は、ネットワーク帯域を無駄に消費し、データ伝送効率の低下を招き、ネットワークリソースを無駄に消費することになる。本発明は、この多重トンネルの状態を解消することを目的とする。

[0015] 次に、本発明が目的とする多重トンネルが解消された状態について説明する。本発明が目的とする多重トンネルが解消された状態には、 2つの状態が存在する。第 1の状態は、ホームエージェント 1 (103)がモパイルノード（101)に BUメッセージを要求し、ホームエージェント 1 (103)がアドレス 2 (Addr2)への転送ではなぐアドレス 3 (A ddr3)への転送に変更することによって、ホームエージェント 1 (103)とモバイルノード（101)との間の 2重のトンネルが単一のトンネルとなった状態である。

[0016] 第 2の状態は、通信相手ノード（102)がモパイルノード（101)に BUメッセージを要求し、通信相手ノード（102)がアドレス l (Addrl)へのパケット送信ではなぐァドレス 3 (Addr3)へのパケット送信を行うように変更することによって、パケットがホームェージェント 1 (103)及びホームエージェント 2 (104)を経由しない、トンネルが存在しない状態である。

[0017] なお、第 2の多重トンネルを解消した状態として、通信相手ノード（102)がアドレス 3

(111)に送信する状態を説明したが、アドレス 2 (Addr2)への転送に変更した状態もまた、本発明が目的とする多重トンネルが解消された状態と考える。通信ノード（102 がアドレス 2 (Addr2)にパケットを送信した場合には、ホームエージェント 2 (104)がこのパケットを受信してアドレス 3 (Addr3)に転送する。この結果、ホームエージェント 1 (103)とモパイルノード（101)との間の 2重のトンネルは単一のトンネルに改善される。このようにトンネルの多重度を減少させた状態も、本発明に係る課題が解決された状態である。なお、ここでは、本発明に係る課題に関して、 2重のトンネルが存在する状態を使って説明したが、さらに多重（3重、 4重など）のトンネルが存在する状態に関しても同様である。

[0018] この多重トンネルの状態を解消するためには、モパイルノード（101)力ホームェージェント 1 (103)又は通信相手ノード（102)に、新しい転送先アドレスとしてアドレス 3 (Addr3)を、 BUメッセージを用いて通知すればよい。しかしながら、モバイルノード（101)が BUメッセージを用いて転送先アドレスの変更を行うのではなぐ元の気付アドレス (アドレス 2)を通知した場合には、そのまま多重トンネルの状態が維持されてしまうことになる。すなわち、従来の技術では、ホームエージェント又は通信相手ノードが、モパイルノードに BUメッセージの送信を要求したとしても、モパイルノードが保持する元の状態のバインディング情報に従ってモパイルノードに BUメッセージを送信させるだけであり、バインディング状態を変更させることはできず、多重トンネルの状態を解消することができな、と、う課題がある。

[0019] 例えば、非特許文献 2に開示されてヽるモパイル IPv6では、モパイルノードに BUメッセージを送信するように要求するメッセージ（BRRメッセージ）が定義されて、る。この BRRメッセージは、通信相手ノードが、モパイルノードの気付アドレスが分力もなくなった場合に、モパイルノードのホームアドレスあてに送信されるメッセージである。モノくィルノードは、この BRRメッセージを受信すると、ノインデイング情報力らあて先のホームアドレスに対応する気付アドレスを取り出し、通信相手ノードに BUメッセ一ジを送信する。したがって、非特許文献 2に開示されている技術を用いた場合でも、通信相手ノードには、既に通信相手ノードが知っているはずの気付アドレスを含む B Uメッセージが送信されるだけで、多重トンネルの状態はそのまま残ってしまうことになる。

[0020] なお、非特許文献 2には、ホームエージェントが BRRメッセージを送信する場合については一切記載されていない。その理由は、 BRRメッセージのあて先がホームアドレスあてであるためであり、ホームエージェントは BRRメッセージを送信することはできず、仮に送信したとしても、送信した BRRメッセージはすぐにホームエージェント自身に戻ってきてしまう。

[0021] また、特許文献 1では、ホームエージェントが通知要求メッセージ（BRM)を送信して、モパイルノードに BUメッセージの送信を要求する。この通知要求メッセージは、ホームエージェント間でバインディング情報を移動させることを目的とするものであり、この場合も同様に、ホームエージェントが BUメッセージを受信しても、ホームエージェントのバインディング情報の内容は変更されず、多重トンネルの状態はそのまま残つてしまうことになる。

[0022] また、特許文献 2では、 BUメッセージを送信すべき間隔が、応答メッセージを用いてモノィルノードに通知される力この特許文献 2に開示されている技術においても同様に、モパイルノードが BUメッセージをホームエージェントに送信しても、そのバインデイング情報は元の状態のものであり、ホームエージェントのバインディング情報の内容は変更されず、多重トンネルの状態はそのまま残ってしまうことになる。以上のように、従来の技術では、多重トンネルの状態を解消させるために、モパイルノードに B Uメッセージの送信を要求することはできな、。発明の開示

[0023] 上記の課題を解決するために、本発明は、ホームエージェントとモパイルノードとの間の通信経路で発生し得る多重トンネルの状態を解消することを目的とする。

[0024] 上記の目的を達成するため、本発明のバインディング更新システムは、モパイル IP を利用するパケット通信システムにおけるモパイルノードのホームエージェントが、ノインデイング更新要求メッセージを送信することによって前記モパイルノードにバインデイングアップデートを要求するノインデイング更新システムであって、

前記ホームエージェントは、

前記モパイルノードのホームアドレスを指定した前記バインディング更新要求メッセージを作成するバインディング更新要求メッセージ作成手段と、

前記モパイルノードの気付アドレスあてに前記ノインデイング更新要求メッセージを送信するバインディング更新要求メッセージ送信手段とを有し、

前記モパイルノードは、

前記気付アドレスあての前記バインディング更新要求メッセージを受信するメッセージ受信手段と、

前記ホームアドレスを指定したノインデイング更新要求メッセージを解析するバインデイング更新要求解析手段と、自身のバインディング情報を格納するバインディング情報保存手段と、前記バインディング更新要求解析手段による解析結果に従って、前記バインディング情報保存手段に格納されている前記ノインデイング情報を更新するノインディング情報更新手段と、

前記ノインディング情報更新手段によって更新されたバインディング情報を通知するための前記ノインデイングアップデートを前記ホームエージェントに送信するバインデイングアップデートメッセージ送信手段とを有する。

この構成により、モパイルノードと通信相手ノードとの間（特に、モノくィルノードとホームエージェントとの間）に生成された多重のトンネルを解消（あるいは、多重化の低減）して、モパイルノードと通信相手ノードとの間のデータ伝送効率を向上させ、ネットワークリソースが有効に利用可能となる。

[0025] さらに、本発明のバインディング更新システムは、上記の構成にカ卩えて、前記ホームエージェントは、前記モパイルノードとの通信経路が多重トンネル状態になったことを検知する多重トンネル検知手段を更に有する。

この構成により、ホームエージェントが多重トンネルの存在を検知することによって、すばやく多重トンネルの解消を図ることができ、ネットワークリソースの無駄な使用を避けることができる。

[0026] また、上記の目的を達成するため、本発明のバインディング更新システムは、モバィル IPを利用するパケット通信システムにおけるモパイルノードの通信相手ノード力バインディング更新要求メッセージを送信することによって前記モパイルノードにバインデイングアップデートを要求するバインディング更新システムであって、

前記通信相手ノードは、

前記モパイルノードは、

前記ホームアドレスを指定したノインデイング更新要求メッセージを解析するバインデイング更新要求解析手段と、

自身のバインディング情報を格納するバインディング情報保存手段と、前記バインディング更新要求解析手段による解析結果に従って、前記バインディング情報保存手段に格納されている前記ノインデイング情報を更新するノインディング情報更新手段と、

前記ノインディング情報更新手段によって更新されたバインディング情報を通知するための前記ノインデイングアップデートを前記通信相手ノードに送信するバインデイングアップデートメッセージ送信手段とを有する。

[0027] さらに、本発明のバインディング更新システムは、上記の構成に加えて、前記通信相手ノードは、前記モパイルノードとの通信経路が多重トンネル状態になったことを検知する多重トンネル検知手段を更に有する。

この構成により、モパイルノードの通信相手ノードが多重トンネルの存在を検知することによって、すばやく多重トンネルの解消を図ることができ、ネットワークリソースの無駄な使用を避けることができる。

[0028] また、上記の目的を達成するため、本発明のホームエージェントは、モパイル IPを利用するパケット通信システムにお、て、バインディング更新要求メッセージを送信することによってモパイルノードにバインディングアップデートを要求するホームエージヱントであって、

前記モパイルノードの気付アドレスあてに前記バインディング更新要求メッセージを送信するバインディング更新要求メッセージ送信手段とを、有する。

[0029] さらに、本発明のホームエージェントは、上記の構成に加えて、前記モパイルノードとの通信経路が多重トンネル状態になったことを検知する多重トンネル検知手段を更に有する。

[0030] また、上記の目的を達成するため、本発明の通信ノードは、モパイル IPを利用するパケット通信システムにお、て、バインディング更新要求メッセージを送信することによってモパイルノードにバインディングアップデートを要求する通信ノードであって、前記モパイルノードのホームアドレスを指定した前記バインディング更新要求メッセージを作成するバインディング更新要求メッセージ作成手段と、

前記モパイルノードの気付アドレスあてに前記バインディング更新要求メッセージを送信するバインディング更新要求メッセージ送信手段とを、

有する。

[0031] さらに、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記モパイルノードとの通信経路が多重トンネル状態になったことを検知する多重トンネル検知手段を更に有する。

この構成により、通信ノード（モパイルノードの通信相手ノード）が多重トンネルの存在を検知することによって、すばやく多重トンネルの解消を図ることができ、ネットヮークリソースの無駄な使用を避けることができる。

[0032] また、上記の目的を達成するため、本発明のモパイルノードは、モパイル IPを利用するパケット通信システムにおけるモパイルノードであって、

前記モパイルノードにバインディングアップデートを要求するために前記モバイルノードのホームアドレスを指定した、前記モパイルノードの気付アドレスあての前記バインデイング更新要求メッセージを受信するメッセージ受信手段と、

前記ホームアドレスを指定したバインディング更新要求メッセージを解析するバインデイング更新要求解析手段と、

自身のバインディング情報を格納するバインディング情報保存手段と、前記ノインディング更新要求解析手段による解析結果に従って、前記バインディング情報保存手段に格納されている前記バインディング情報を更新するバインディング情報更新手段と、

前記ノインディング情報更新手段によって更新されたバインディング情報を通知するための前記バインディングアップデートを前記バインディング更新要求メッセージの送信元に送信するバインディングアップデートメッセージ送信手段とを有する。

[0033] また、上記の目的を達成するため、本発明のバインディング更新要求方法は、モバィル IPを利用するパケット通信システムにおけるモパイルノードのホームエージェント力バインディング更新要求メッセージを送信することによって前記モパイルノードにバインディングアップデートを要求するバインディング更新要求方法であって、前記バインディング更新要求メッセージに前記モパイルノードのホームアドレスを指定して、前記モパイルノードの気付アドレスあてに前記バインディング更新要求メッセージを送信する。

この方法により、モパイルノードと通信相手ノードとの間（特に、モノィルノードとホームエージェントとの間）に生成された多重のトンネルを解消（あるいは、多重化の低減）して、モパイルノードと通信相手ノードとの間のデータ伝送効率を向上させ、ネットワークリソースが有効に利用可能となる。

[0034] また、上記の目的を達成するため、本発明のバインディング更新要求方法は、モバィル IPを利用するパケット通信システムにおけるモパイルノードの通信相手ノード力バインディング更新要求メッセージを送信することによって前記モパイルノードにバインデイングアップデートを要求するバインディング更新要求方法であって、

前記バインディング更新要求メッセージに前記モパイルノードのホームアドレスを指定して、前記モパイルノードの気付アドレスあてに前記バインディング更新要求メッセージを送信する。

[0035] 本発明は、モパイルノードと通信相手ノードとの間（特に、モパイルノードとホームェージェントとの間）に生成された多重のトンネルを解消（あるいは、多重化の低減)して、モパイルノードと通信相手ノードとの間のデータ伝送効率を向上させ、ネットワークリソースを有効に利用できるようにすると、う効果を有して、る。

図面の簡単な説明

[0036] [図 1]従来の技術において発生する多重トンネルの状態の一例を示す図

[図 2]本発明の実施の形態における処理全体の流れの一例を示すシーケンスチヤ一卜

[図 3]本発明の実施の形態におけるホームエージェント又は通信相手ノードの処理の流れの一例を示すフローチャート

[図 4]本発明の実施の形態におけるホームエージェント又は通信相手ノードの構成の一例を示すブロック図

[図 5]本発明の実施の形態におけるモパイルノードの処理の流れの一例を示すフローテヤー卜

[図 6]本発明の実施の形態におけるモパイルノードの構成の一例を示すブロック図 [図 7A]本発明の実施の形態におけるノインデイング更新要求メッセージの処理の一例を示す図

[図 7B]従来の技術における BBRメッセージの処理の一例を示す図

[図 8]本発明の実施の形態におけるバインディング更新要求メッセージのメッセージフォーマットの一例を示す図

[図 9]従来の技術における BRRメッセージのメッセージフォーマットを示す図発明を実施するための最良の形態

[0037] 以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳しく説明する。

[0038] まず、本発明の実施の形態について、ホームエージェント 1 (103)とモパイルノード

(101)との間に多重トンネルが存在する状態が図示されている図 1を参照しながら説明する。

[0039] 図 1において、通信相手ノード（102)はアドレス 1 (Addrl)あてにパケットを送信する。送信されたパケットは、ホームエージェント 1 (103)によって受信され、アドレス 2 ( Addr2)あてに転送される。アドレス 2 (Addr2)あてに転送されたパケットはホームェージェント 2 (104)によって受信され、さらにアドレス 3 (Addr3)あてに転送されて、モパイルノード（101)に届く。ホームエージェント 1 (103)とモパイルノード（101)の間には、トンネル 1 (TL1) (112)が存在し、ホームエージェント 2 (104)とモパイルノード (101)の間には、トンネル 2 (TL2) (113)が存在している。このように、通信相手ノード（102)とモパイルノード（101)との間の通信経路上には、トンネル 1 (112)及びトンネル 2 (113)が多重トンネルの状態で存在して!/、る。

[0040] 次に、本発明の実施の形態における処理全体の流れについて、図 2に図示されているシーケンスチャートを参照しながら説明する。ホームエージェント (HA)又は通信相手ノード（CN) (201)は、任意のイベント発生 (ステップ S21)の後、バインディング更新要求メッセージをモパイルノード（MN) (202)に送信する（ステップ S22)。

[0041] なお、ステップ S21における任意のイベントとは、例えば、タイマによる一定時間経過を示すイベントであり、この場合には、ホームエージェント又は通信相手ノード（20 1)は、一定間隔でバインディング更新要求メッセージをモバイルノード（202)に送信する。また、ステップ S21における任意のイベントは、多重トンネルの状態を発見したことを示すイベントであってもよい。多重トンネルの状態の発見方法については、後述する。

[0042] バインディング更新要求メッセージを受信したモパイルノード（202)は、バインディング更新要求メッセージの解析処理を行う（ステップ S23)。このとき、モパイルノード 202は、保持しているノインデイング情報を検索し、バインディング更新要求メッセ一ジに含まれて!/、る情報と照合して、必要ならばバインディング情報の更新を行う。

[0043] さらに、モパイルノード（202)は、モパイルノード（202)のバインディング情報と、ホームエージェント又は通信相手ノード（201)のバインディング情報とがー致するように、ホームエージェント又は通信相手ノード（₂₀₁)に BUメッセージを送信する（ステップ S24)。 BUメッセージを受信したホームエージェント又は通信相手ノード（201) は、 BUメッセージに従ってバインディング情報を更新する（ステップ S25)。

[0044] なお、図 2に図示されているシーケンスチャートの処理で重要な点は、ホームエージェント又は通信相手ノード（201)力多重トンネルの状態であることを発見したとしても、自身のバインディング情報をその時点で更新しないことである。ホームエージェント又は通信相手ノード（201)が、自身が保持しているバインディング情報を、モバイルノード（202)で保持されて、るものと一致させておく必要があり、モパイルノード（2 02)力もの BUメッセージによって更新することが望まし、。

[0045] 次に各通信装置の処理の流れについて説明する。まず、ホームエージェント又は通信相手ノードの処理の流れ及び構成について、図 3に図示されているフローチヤート及び図 4に図示されている構成を用いて説明する。

[0046] 以下、図 3を参照しながら、ホームエージェント又は通信相手ノードの処理の流れについて説明する。図 3は、本発明の実施の形態におけるホームエージェント又は通信相手ノードの処理の流れの一例を示すフローチャートである。

[0047] 図 3において、ホームエージェント又は通信相手ノードは、多重トンネルの状態であることを検知したイベント、あるいはタイマによって一定間隔の時間が経過したィベントなどの任意のイベントの発生を受けて (ステップ S31)、バインディング更新要求メッセージを作成する (ステップ S32)。そして、ホームエージェント又は通信相手ノードは、ステップ S32で作成されたバインディング更新要求メッセージをモパイルノードの気付アドレスに送信する（ステップ S33)。その後、モパイルノードからの BUメッセージの待機状態となる。そして、ホームエージェント又は通信相手ノードは、 BUメッセージを受信した場合 (ステップ S34)には、受信した BUメッセージに従ってバインディング情報を更新する (ステップ S35)。

[0048] 次に、図 4を参照しながら、ホームエージェント又は通信相手ノードの各構成要素における処理について説明する。図 4は、本発明の実施の形態におけるホームエージェント又は通信相手ノードの構成の一例を示すブロック図である。図 4に図示されているホームエージェント又は通信相手ノード (401)は、多重トンネル検知部（402)、タイマ（403)、イベント処理部（404)、バインディング更新要求メッセージ作成部（40

5)、ノインデイング情報保存部 (406)、ノインデイング更新要求メッセージ送信部 (4 07)、メッセージ受信部 (408)、バインディング情報設定部 (409)を有して、る。

[0049] 多重トンネル検知部 (402)は、多重トンネル状態を検知する機能を有して!/ヽる。なお、多重トンネル検知部 (402)における多重トンネル検知方法に関しては、後述する。また、タイマ (403)は、多重トンネル状態である可能性を考え、一定間隔ごとにバインデイング更新要求メッセージを作成するためのイベントを発生させる処理部である。多重トンネル検知部 (402)やタイマ (403)におけるイベント発生に係る信号は、ィべント処理部（404)に送られる。なお、ホームエージェント又は通信相手ノードは、多重トンネル検知部（402)及びタイマ（403)の!、ずれか一方のみを有して!/、てもよく、両方共を有していてもよい。

[0050] 多重トンネル検知部 (402)又はタイマ (403)からのイベント発生に係る信号が供給されたイベント処理部 (404)は、バインディング更新要求メッセージ作成部 (405)に対して、ノインディング更新要求メッセージの作成の指示を送出する。

[0051] ノインディング更新要求メッセージ作成部 (405)は、バインディング情報保存部 (4

06)力もバインディング情報を取り出し、取り出した情報を基にしてバインディング更新要求メッセージを作成する。なお、バインディング更新要求メッセージのメッセージフォーマットについては後述する。

[0052] バインディング更新要求メッセージ作成部（405)によって作成されたバインディング更新要求メッセージは、バインディング更新要求メッセージ送信部 (407)によって、モノくィルノードあてに送信される。

[0053] 一方、モパイルノードから送信される BUメッセージは、メッセージ受信部（408)で受信される。受信された BUメッセージはバインディング情報設定部 (409)によって処理され、その処理結果に基づいて、新しいバインディング情報がバインディング情報保存部 (406)に設定、保存される。

[0054] ノインデイング情報保存部 (406)に保存されたバインディング情報は、ノインディング更新要求メッセージ作成部（405)においてバインディング更新要求メッセージ作成時に利用される。また、モパイルノードあてのパケットを送信するときにおいても、モパイル IPの処理を行うために利用される。なお、モパイル IPの処理とは、モバイルノードのホームアドレスあてのパケットを気付アドレスあてに転送する処理である。

[0055] 次に、モパイルノードの処理の流れ及び構成について、図 5に図示されているフロ一チャート及び図 6に図示されて、る構成を用いて説明する。

[0056] 以下、図 5を参照しながら、モパイルノードの処理の流れについて説明する。図 5は、本発明の実施の形態におけるモパイルノードの処理の流れの一例を示すフローチヤートであり、図 6は、本発明の実施の形態におけるモパイルノードの構成の一例を示すブロック図である。

[0057] モパイルノード（601)は、メッセージ受信部（602)にお!/、て、バインディング更新要求メッセージを受信する (ステップ S51)。ノインディング更新要求解析部（603)は、受信したノインディング更新要求メッセージを解析し、バインディング更新要求メッセージに含まれる情報と、バインディング情報保存部（604)に保存されているバインデイング情報とを比較して、バインディング情報の内容を確認する (ステップ S52)。そして、多重トンネル状態などの改善すべき状況が確認された場合には、バインディング情報保存部（604)に保存されているバインディング情報の更新が行われる (ステップ S53)。

[0058] 例えば、図 1に図示されている多重トンネルの状態が発生している場合には、ホームエージェント 1 (103)には、ホームアドレス =Addrl (109)、対応する気付アドレス = Addr2 (110)のバインディング情報が登録されて!、る。モパイルノード（101)が、ホームエージェント（103)からバインディング更新要求メッセージを受信した場合には、モパイルノードは、バインディング更新要求メッセージに従ってバインディング情報を調べて、ホームアドレス =Addrlに対応する気付アドレスが Addr2であること、さらにホームアドレス = Addr2に対応する気付アドレスが Addr3であることを発見し、ホームアドレス =Addrlに対応する気付アドレスを Addr3に変更する。すなわち、変更されたノインデイング情報の状態は、ホームアドレス =Addrl、対応する気付アドレス =Addr3となる。

[0059] そして、更新されたバインディング情報に合わせて、 BUメッセージ作成部（605)が BUメッセージを作成する（ステップ S54)。作成された BUメッセージは、 BUメッセ一ジ送信部（606)によって、ノインディング更新要求メッセージの送信元の通信装置（ホームエージェント又は通信相手ノード）に送信される（ステップ S55)。上記のバインデイング更新情報メッセージの処理にっ、ては、後述のバインディング更新情報メッセージのメッセージフォーマットの説明と共に詳細に説明する。

[0060] 次に、図 7A及び図 7Bを参照しながら、本発明のノインデイング更新要求メッセ一ジと、非特許文献 2に記載の BRRメッセージとの違いについて説明する。図 7Aに図示されているように、ノインデイング更新要求メッセージは、ホームエージェント又は通信相手ノード（701)力モパイルノード（702)の気付アドレス（CoA)あてに送信される。一方、図 7Bに図示されているように、 BRRメッセージは、通信相手ノード（703 )カもモパイルノード（705)のホームアドレス（HoA)あてに送信される。

[0061] 本発明のバインディング更新要求メッセージと、非特許文献 2に記載の BRRメッセージとは、下記の 2つの点において大きく異なっている。 1つ目は、気付アドレスあてに送信されているか、ホームアドレスあてに送信されているかという点であり、 2つ目は、ホームエージェントが送信することがあるかどうかという点である。

[0062] BRRメッセージの場合、ホームアドレスあてに送信されるため、ホームエージェント力 ¾RRメッセージを送信することはない。このような違いが生じている理由は、 BRRメッセージが、気付アドレス (CoA)を確認したい状態にある通信相手ノード（703)によつて使用されることを想定したメッセージであるためである。すなわち、非特許文献 2 に係る技術では、通信相手ノード（703)は、知らない又は不確かな気付アドレス (Co A)に BRRメッセージを送信することはなぐ確かなホームアドレス（HoA)に対して B RRメッセージを送信する。通信相手ノード（703)によって送信された BRRメッセージは、いったんホームエージェント（704)に届き、ホームエージェント（704)によって気付アドレス（CoA)あてにカプセル化されて転送され、モパイルノード（705)に届く。

[0063] 一方、本発明では、ノインデイング更新要求メッセージを送信するホームエージェント又は通信相手ノード（701)は、ホームアドレスと気付アドレスの対になる情報を持つて、る状態で、気付アドレスあてにバインディング更新要求メッセージを送信することが可能である。

[0064] また、モパイルノードに届、た後のメッセージの処理も、バインディング更新要求メッセージと BRRメッセージとでは異なって!/、る。

[0065] BRRメッセージの場合には、ホームエージェント (704)によってカプセル化されたメッセージは、まずデカプセルィ匕され、通信相手ノード（703)が送信した BRRメッセ一ジが取り出される。この BRRメッセージは、送信元アドレスが通信相手ノード（703)のアドレスであり、あて先アドレスがホームアドレス（HoA)である。この 2つの情報からモバイルノード（705)は、バインディング情報保存部からバインディング情報を検索して取り出す。すなわち、ホームアドレスをバインディング情報の検索キーとして利用している。そして検索によってノインデイング情報保存部から取り出したホームアドレス (H oA)に対応する気付アドレス（CoA)を、 BUメッセージを用いて通信相手ノード（703 )に通知する。

[0066] 一方、本発明のバインディング更新要求メッセージの場合には、送信元アドレスは同じく通信相手ノード（又はホームエージェント）（701)のアドレスであるが、あて先ァドレスがモパイルノード（702)の気付アドレス（CoA)である。このため、ノインディング更新要求メッセージの送信元アドレス及びあて先アドレスから、モパイルノード（70 2)のホームアドレスを知ることはできな!、。

[0067] ホームアドレスと気付アドレスとの対応が必ず 1対 1であれば、気付アドレスからホームアドレスを調べることは可能だが、 1つのホームアドレスに対して複数の気付アドレスが対応する場合や、その逆も考えられる。また、新しく機能を開発することを考えた場合、従来の技術に係る BRRメッセージの処理で、バインディング情報を検索する処理部が既に一般に使われているため、もし、バインディング更新要求メッセージの受信及び解析処理の際に、ホームアドレスを検索キーとして利用できるならば、ノィンデイング更新要求メッセージの受信処理機能の実装は比較的容易になると言える

[0068] これらの理由から、バインディング更新要求メッセージは、ホームアドレスの情報をメッセージ内部に含む。これに関しては後述のメッセージフォーマットの説明のところで詳細に説明する。モパイルノード（702)は、バインディング更新要求メッセージを受信すると、メッセージ内のホームアドレスの情報を用いて、保存しているバインディング情報を検索し、必要ならばバインディング情報を変更、更新し、 BUメッセージをホームエージェント又は通信相手ノード（701)に送信する。以上が本発明のバインディング更新要求メッセージと、非特許文献 2の BRRメッセージとの違!、である。

[0069] 次に、図 8を参照しながら、バインディング要求メッセージのメッセージフォーマットについて説明する。また、比較のために、非特許文献 2に開示されている BRRメッセージのメッセージフォーマットを図 9に示す。

[0070] 図 8において、 Payload Proto (801)、 Header Len(802)、 MH Type (803) 、 Checksum (804)は、それぞれペイロードプロトコルタイプを示す領域、ヘッダ長を示す領域、モパイルヘッダタイプを示す領域、チェックサムの値を示す領域である。なお、これらは、非特許文献 2で定義されている BRRメッセージ（図 9に図示）のものと同一である。

[0071] Option Type (805)と Option Length (806)は、非特許文献 2では Mobility Optionsとして定義されている。 Option Type (805)には、バインディング更新要求メッセージのホームアドレスを示すオプションであることを示す値が設定される。また、 Option Length (806)にはオプション領域の大きさが設定される。

[0072] また、 Number (807)には、バインディング更新要求メッセージ内に含まれるホームアドレスの数が示される。なお、図 8の一例では、 2つのホームアドレスが設定されている場合が図示されており、そのため、 Number (807)には『2』が設定されている。

[0073] また、 Address (808、 809)は、ホームアドレスを設定する領域である。図 8では、一例として、 Addrl及び Addr2の 2つのホームアドレスが設定されている。なお、図 8 に図示されているメッセージの一例は、図 1に図示されている多重トンネルの状態のときに、ホームエージェント 1 (103)がモパイルノード（101)に送信するバインディング更新要求メッセージである。

[0074] ホームエージェント 1 (103)は、ホームエージェント 1 (103)に登録されているホームアドレスと気付アドレスとの組が（Addrl、 Addr2)であることを知っており、 Addr2 あてに、このバインディング更新要求メッセージを送信する。ホームエージェント 1 (10 3)は、このバインディング更新要求メッセージを用いて Addrlをホームアドレスとしたときの気付アドレスを要求している。さらに、ホームエージェント 1 (103)は、バインデイング更新要求メッセージに Addrlの気付アドレスである Addr2を挿入することで、 A ddr2をホームアドレスとするバインディング情報が存在することを示唆し、 Addr2をホームアドレスとしたバインディング情報の気付アドレスを、 Addrlの気付アドレスとして要求している。

[0075] 図 8に図示されて、るバインディング更新要求メッセージを受信したモパイルノード

(101)は、自身が保存しているバインディング情報を検索して、メッセージの情報を確認する。まず、 Addrlをホームアドレスとするノインデイング情報を探し、気付アドレスが Addr2であることを確認する。さらに、 Addr2をホームアドレスとするバインディング情報が存在する力否かを確認する。図 1に図示されている状態の場合には、 Ad dr2をホームアドレスとするバインディング情報が存在しており、その気付アドレスは A ddr3である。そのため、モパイルノード（101)は、ホームアドレス（Addrl)の気付アドレスを Addr3に変更し、 Addrlをホームアドレスとし Addr3を気付アドレスとするバインデイング情報を含む BUメッセージを、ホームエージェント 1 (103)に送信する。このように、バインディング更新要求メッセージは、モノくィルノードに対して、バインディング情報をどのように変更して欲 U、かと、う要求元の意図を伝えることができる。

[0076] 次に、バインディング更新要求メッセージに設定されるホームアドレスの数が 2以外の場合について説明する。例えば、図 1では、 HA1 (103)及び HA2 (104)の 2つのホームエージェントが存在し、それぞれのホームエージェントに登録されたホームアドレスは Addrl、 Addr2であるが、さらに数を増やして、例えば HA1、 HA2、 HA3の 3 つのホームエージェントが存在し、それぞれのホームエージェントに登録されたホームアドレスが Addrl、 Addr2、 Addr3であるとする。また、モパイルノード（101)の気付アドレスは Addr4であるとする。

[0077] この場合には、図 8に図示されているバインディング更新要求メッセージの Numbe r (807)の領域には 3が設定され、 Addrl、 Addr2、 Addr3の 3つのアドレスがホームアドレスを設定する領域にホームアドレスとして設定される。なお、ホームエージェント力 S3つのアドレスをホームアドレスとして設定するための情報を取得する方法については、後述の多重トンネルの発見方法と共に説明する。

[0078] また、ホームエージェントは、図 8に図示されているバインディング更新要求メッセ一ジの Number (807)の領域に 1を設定し、 1つのホームアドレスを指定して、そのホームアドレスに対応する気付アドレスを要求することも可能である。この使、方によれば、例えば、モパイルノードが複数のホームアドレスを登録しているときに、どのホームアドレスに対応する気付アドレスを要求しているのかを明確に指示することが可能となる。

[0079] また、バインディング更新要求メッセージは、モパイルノードの処理を考慮し、複数のホームアドレスをモパイルノードに示すことで、多重トンネルの状態を解消することを目的としたメッセージである。ホームエージェントが知り得る多重トンネルの状態は、全体のごく一部である可能性がある。そのため、モノィルノードは、要求された以上に多重トンネルの状態を低減してもよ、。

[0080] 例えば、先に示した 3重のトンネルの状態のときに、図 8に図示されているバインデイング更新要求メッセージ（2重のトンネル状態を示したメッセージ）を受信した場合に、モパイルノードは、 Addrlをホームアドレスとするバインディング情報の気付アドレスを Addr4とし、そのバインディング情報をホームエージェントに BUメッセージを用いて送信してもよい。また、 Number (807)の値を 1とし、 Addrlだけをホームアドレスとして指定したノインデイング更新メッセージを受信した場合に、モパイルノードは、気付アドレスを Addr3又は Addr4に変更するバインディング情報の更新を行、、 BUメッセージを送信してもよい。このように、多重トンネルの状態を解消するバインディング更新要求メッセージの受信によって、モパイルノードは、要求元からの要求以上に、多重トンネルの状態を解消することも可能である。

[0081] 次に、バインディング更新要求メッセージの作成のタイミングについて説明する。ホームエージェント又は通信相手ノードは、例えばタイマ（403) (図 2を参照）などの計時によって定期的にノインデイング更新要求メッセージを送信してもよヽ。この場合、モノィルノードは、バインディング更新要求メッセージの受信に応じて、指定されたホームアドレスに対応する気付アドレスを BUメッセージを用いて定期的に通知することになる。

[0082] また、ホームエージェント又は通信相手ノードは、例えば多重トンネル検知部（402 ) (図 2を参照）によって多重トンネルの状態であることを検知した場合に、この多重トンネルを解消するためにバインディング更新要求メッセージを送信することが望ましい。以下に、多重トンネルの状態を発見する方法の例を 3つ挙げる。

[0083] 多重トンネルの状態を発見する第 1の方法は、経路 MTU (Maximum Transmis sion Unit)探索を利用する方法である。経路 MTU探索は、例えば、 RFC1191や RFC 1981に記載されて、る技術であり、あて先までの経路 MTUの値を調べることを可能とする技術である。図 1に図示されている構成の場合、モノィルノード（101) がネットワーク 2 (106)力もネットワーク 3 (107)に移動したとき、ホームエージェント 1 (103)力 Addrlあてのモパイルノード（101)へのパケットを Addr2に転送することに変更はないが、 Addr2あてのパケットの経路 MTUは、トンネル 2 (113)が新しくできたことにより/ J、さくなる。

[0084] このように、ホームエージェント又は通信相手ノードは、経路 MTU探索を行うことによって経路 MTUが小さくなつたことが検知された場合に、多重トンネルの状態になつたことを検知することができる。特に、多重トンネルの状態になったときには、今まで届いていたパケット長のパケットが急に届かなくなり、経路上のルータから ICMPメッセージ（Packet Too Big)が送信されるため、多重トンネルになったことは容易に検知される。

[0085] 多重トンネルの状態を発見する第 2の方法は、ホームエージェントに対して、そのホームエージェントが保持して、るバインディング情報を問、合わせる方法である。具体的には、ホームアドレスに対応する気付アドレスの問い合わせが行われる。問い合わせるメッセージの送信先には、例えばホームエージェント専用の Anycastアドレスが用いられる。 [0086] 例えば、図 1に図示されている構成において、ホームエージェント 1 (103)力 Addr 2をホームアドレスとして登録して!/、るホームエージェントが存在するかどうか知りた!/ヽときには、 Addr 2のアドレスのネットワークプレフィックスを用いた Anycastアドレスあてに問い合わせのメッセージを送信する。ホームエージェント専用の Anycastァドレスはホームエージェント（ホームエージェント 2 (104) )に受信され、受信したホームェージェントによってホームアドレス (Addr2)に対応する気付アドレス（すなわち、 Addr 3)が応答として返される。この問い合わせの処理を順番に行うことによって、多重トンネルの状態となっているホームアドレスの組み合わせを求めることができる。

[0087] ホームエージェント 1 (103)力この多重トンネルの状態となるホームアドレスを把握したとしても、ホームエージェント 1 (103)だけがこの情報を持っていたのでは、多重トンネルの状態は解消されない。ノインデイング情報は、モパイルノード（101)も保持しており、それぞれで保持されているノインデイング情報の内容は同一でなければならないからである。この場合、ホームエージェント 1 (103)は、バインディング更新要求メッセージをモパイルノード（101)に送信し、バインディング情報の更新と BUメッセージの送信を要求することで、多重トンネルの状態が解消される。

[0088] また、このように、ホームエージェント間でバインディング情報の問、合わせを行う方法では、収集した情報をホームエージェント間で共有し、それぞれのホームエージェントがバインディング更新要求メッセージを作成及び送信する際に利用できるようにしてもよい。

[0089] 多重トンネルの状態を発見する第 3の方法は、多重トンネルの発生を把握するためのサーバ装置をネットワーク (網側）に配置する方法である。ホームエージェント又は通信相手ノードは、バインディング情報を生成又は更新する際に、このサーバ装置にその情報を通知するようにする。サーバ装置は、通知されたバインディング情報を調ベ、多重トンネルの状態になっていないかを監視する。もし、多重トンネルの状態になって、る場合には、バインディング情報を通知したホームエージェント又は通信相手ノードに対してそのことを通知する。通知を受けたホームエージェント又は通信相手ノードは、この情報を用いてバインディング更新要求メッセージをモノくィルノードに送信する。また、可能ならば、サーバ装置が、モパイルノードに対して直接、多重トンネルの状態を解消するようにメッセージを送信してもよ、。

[0090] なお、ここでは、バインディング更新要求メッセージを作成するタイミングの説明として、多重トンネルの状態を発見する 3つの方法について説明した力多重トンネル検知部 402は、これらの方法の 1つ又は組み合わせを実行する機能を有することで、多重トンネルの状態を検知することが可能である。また、多重トンネル検知部 (402)は、上述の 3つの方法以外の任意の方法を実行することよって、多重トンネルの状態を検知してちょい。

[0091] 以上、説明したように、本発明の実施の形態によれば、ネットワーク側に存在するノード（例えば、コレスポンデントノードやホームエージェント）主導で、モパイルノードあてのパケットが複数のホームエージェントで転送される場合に発生する、ホームエージェントとモバイルノードとの間の多重トンネルの状態を解消（あるいは多重化の低減 )することが可能であり、これによつて、モノィルノードと通信相手ノードとの間のデータ伝送効率を向上させ、ネットワークリソースを有効に利用できるようにすることが可能となる。

[0092] なお、上記の実施の形態では、各通信装置の機能はブロック図によって図示されているが、これらの各機能は、ハードウェア及び Z又はソフトウェア（プログラム）をコンビユータによって実行させることによって実現可能である。

[0093] また、上記の実施の形態の説明に用いた各機能は、典型的には集積回路である L SI (Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に 1チップ化されてもよいし、一部又はすベてを含むように 1チップ化されてもよい。ここでは、 LSIとしたが、集積度の違いにより、 IC (Integrated Circuit)、システム LSI、スーパー LSI、ウルトラ LSIと呼称されることちある。

[0094] また、集積回路化の手法は LSIに限るものではなぐ専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。 LSI製造後に、プログラムすることが可能な FPGA (Field Program mable Gate Array)や、 LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブノレ ·プロセッサを利用してもよ、。

[0095] さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術により LSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積ィ匕を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。

産業上の利用可能性

本発明は、モパイルノードと通信相手ノードとの間（特に、モパイルノードとホームェージェントとの間）に生成された多重のトンネルを解消（あるいは、多重化の低減)して、モパイルノードと通信相手ノードとの間のデータ伝送効率を向上させ、ネットワークリソースを有効に利用できるようにするという効果を有しており、モパイルネットワークにおけるパケット通信技術 (特に、モパイル IP技術）に適用可能である。

Claims

請求の範囲

[1] モパイル IPを利用するパケット通信システムにおけるモパイルノードのホームエージェントが、バインディング更新要求メッセージを送信することによって前記モパイルノードにバインディングアップデートを要求するバインディング更新システムであって、前記ホームエージェントは、

前記モパイルノードは、

前記ノインディング情報更新手段によって更新されたバインディング情報を通知するための前記ノインデイングアップデートを前記ホームエージェントに送信するバインデイングアップデートメッセージ送信手段とを有するバインディング更新システム。

[2] 前記ホームエージェントは、前記モパイルノードとの通信経路が多重トンネル状態になったことを検知する多重トンネル検知手段を更に有する請求項 1に記載のバインデイング更新システム。

[3] モパイル IPを利用するパケット通信システムにおけるモパイルノードの通信相手ノード力バインディング更新要求メッセージを送信することによって前記モバイルノードにバインディングアップデートを要求するバインディング更新システムであって、前記通信相手ノードは、前記モパイルノードのホームアドレスを指定した前記バインディング更新要求メッセージを作成するバインディング更新要求メッセージ作成手段と、

前記モパイルノードは、

前記ノインディング情報更新手段によって更新されたバインディング情報を通知するための前記ノインデイングアップデートを前記通信相手ノードに送信するバインデイングアップデートメッセージ送信手段とを有するバインディング更新システム。

[4] 前記通信相手ノードは、前記モパイルノードとの通信経路が多重トンネル状態になつたことを検知する多重トンネル検知手段を更に有する請求項 3に記載のバインディング更新システム。

[5] モパイル IPを利用するパケット通信システムにおいて、バインディング更新要求メッセージを送信することによってモパイルノードにバインディングアップデートを要求するホームエージェントであって、

有するホームエージェント。

[6] 前記モパイルノードとの通信経路が多重トンネル状態になったことを検知する多重トンネル検知手段を更に有する請求項 5に記載のホームエージェント。

[7] モパイル IPを利用するパケット通信システムにおいて、バインディング更新要求メッセージを送信することによってモパイルノードにバインディングアップデートを要求する通信ノードであって、

有する通信ノード。

[8] 前記モパイルノードとの通信経路が多重トンネル状態になったことを検知する多重トンネル検知手段を更に有する請求項 7に記載の通信ノード。

[9] モパイル IPを利用するパケット通信システムにおけるモパイルノードであって、前記モパイルノードにバインディングアップデートを要求するために前記モバイルノードのホームアドレスを指定した、前記モパイルノードの気付アドレスあての前記バインデイング更新要求メッセージを受信するメッセージ受信手段と、

前記ノインディング情報更新手段によって更新されたバインディング情報を通知するための前記バインディングアップデートを前記バインディング更新要求メッセージの送信元に送信するノインデイングアップデートメッセージ送信手段とを有するモバイルノード。

[10] モパイル IPを利用するパケット通信システムにおけるモパイルノードのホームエージェントが、バインディング更新要求メッセージを送信することによって前記モパイルノードにバインディングアップデートを要求するバインディング更新要求方法であって前記バインディング更新要求メッセージに前記モパイルノードのホームアドレスを指定して、前記モパイルノードの気付アドレスあてに前記バインディング更新要求メッセージを送信するバインディング更新要求方法。

モパイル IPを利用するパケット通信システムにおけるモパイルノードの通信相手ノード力バインディング更新要求メッセージを送信することによって前記モバイルノードにバインディングアップデートを要求するバインディング更新要求方法であって、前記バインディング更新要求メッセージに前記モパイルノードのホームアドレスを指定して、前記モパイルノードの気付アドレスあてに前記バインディング更新要求メッセージを送信するバインディング更新要求方法。