JPWO2008105158A1 - ネットワーク管理装置及びパケット転送装置 - Google Patents

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    • H04W80/04Network layer protocols, e.g. mobile IP [Internet Protocol]

Abstract

ネットワークにおけるパケット伝送の最適化を行う技術が開示され、その技術によれば複数のインタフェースを有するMN(モバイルノード)1000が、それぞれのインタフェースで受信するパケットを設定するため、その設定条件が記載されたフィルタルールを、接続しているMAG(モビリティアクセスゲートウェイ)1060、1080に送信する。MAGは、受信したフィルタルールをLMA(ローカルモビリティアンカ)1010に転送する。LMAは、フィルタルールを解析して、フィルタルールの反映が必要なネットワークノードを特定し、そのネットワークノードに対してのみ、フィルタルールのアップデートを行う。例えば、MNがCN1090からのパケットをパス1002経由で受信することを望んでいる場合には、LMAはMAG1020に対して、CNから送信されたMNあてのパケットをMAG1060に転送するように管理する。

Description

本発明は、パケット交換型データ通信ネットワークのシステムにおける通信技術分野に関連する。特に、本発明は、通信ネットワークドメイン内を移動するモバイルノード(移動端末)の移動管理(位置管理)及びネットワークにおけるパケット転送経路の管理を行うネットワーク管理装置及びパケット転送装置に関する。
モバイルユーザにとっては、移動している場合であっても、インターネットへの接続が常に維持されることが必須要件となってきている。なお、ユーザがネットワーク間を移動する場合に、IP(Internet Protocol:インターネットプロトコル)アドレスの変更が生じるが、この問題に関しては、モバイルIPの導入によって解決されている。
一方、IETF(Internet Engineering Task Force)のMonami6(Mobile Nodes and Multiple Interfaces in IPv6)ワーキンググループでは、複数のインタフェース(マルチインタフェース)を有するモバイルノードに対して、マルチモードの利点を十分に発揮できるような機能が提供されている。マルチインタフェースノードは、インタフェースで取得した複数の気付アドレス(Care-of address)をホームエージェントに登録することができる。これによって、ホームエージェントは、モバイルノードが複数の経路を経由して到達可能であることを把握できるようになる。このマルチインタフェースの技術は、パケットを受信するインタフェースを指定できるようにすることを目的としている。また、データパケットのストリーム(すなわち、フロー)には、どの気付アドレスにパケットが送信されるかを記載するルールが設定されていることがある。
また、最近では、ローカルIPモビリティのサポートが提供されるようになってきている。ローカルIPモビリティは、ネットワークトポロジ(ネットワークの接続形態)が限定されたエリアにおけるIPモビリティである。ローカルモビリティが適用可能な環境としては、例えば、大規模なキャンパス(例えば、大学のキャンパス)における無線LAN(WLAN)の配置が挙げられる。キャンパスのエリア内に居るユーザは、大学構内を移動しながら、例えばeメール、検索、ウェブサーフィンなどのサービスを受けることができる。
しかしながら、キャンパスエリア内のすべてのWLANアクセスポイントを単一のブロードキャストドメインに収容することは、あまり良い拡張とは言えない。また、何らかの理由(例えば、あるリンクで異なるアクセス技術を用いている)で、キャンパスの一部を1つのVLAN(Virtual Local Area Network)でカバーできない場合もある。この場合、キャンパスを、それぞれが1つ以上のアクセスルータによって提供されている最終ホップ(last-hop)のリンクに分割することが望ましい。したがって、大学キャンパスのそれぞれのエリア(アクセスルータによって提供されている各エリア)内で使用可能な不変のIPアドレスを有するためには、何らかの局所モビリティ管理技術(localized mobility management technique)が用いられる必要がある。
IETFでは、ネットワークベースの局所モビリティ管理のワーキンググループ(NetLMM(Network-based Localized Mobility Management)ワーキンググループ)において、局所モビリティ管理のプロトコルが設計されている。
下記の非特許文献1では、アクセスドメイン(あるいは、NetLMMドメインと呼ばれる)内に限定してIPモビリティ管理を行う局所モビリティ管理プロトコルが導入されている。このプロトコルは、アクセスネットワーク内の移動に伴った変更を収容することによって、移動を局所化する。
モバイルノードがNetLMMインフラストラクチャに接続する際、モバイルノードは、まず、ステートフルアドレス構成処理又はステートレスアドレス構成処理を使用して、サービスを提供しているLMA(Local Mobility Anchor:ローカルモビリティアンカ)に関するアドレスを構成する必要がある。したがって、モバイルノードがMAG(Mobile Access Gateway:モバイルアクセスゲートウェイ)に接続すると、MAGは、自身の識別情報(ID)とモバイルノードのIDとを含む位置登録メッセージをLMAに送信する。
LMAは、このメッセージに対して、MAGからモバイルノードへのルータ通知に挿入されるNetLMMプレフィクスを含む位置登録確認メッセージで応答を行う。そして、MAGは、接続されているモバイルノードに対してルータ通知(NetLMMプレフィックスを含む)を送信する。アドレス構成が完了すると、MAGは、MAGのID、MNのID、NetLMMのアドレス、トンネルのIDを含むMNアドレスセットアップメッセージをLMAに送信することによって、モバイルノードのアドレスをLMAに登録する。LMAは、このメッセージに対して、パケットの転送ステートを作成して、パケットセットアップを承認するMNアドレスリプライメッセージをMAGに送信する。MAGは、承認を示すMNアドレスセットアップリプライメッセージを受信すると、モバイルノードあてのパケットに関する転送ステートを作成する。
米国特許公報第6985454号 米国特許公開公報2004/0120502号 Henrik Levkowetz, et al., "The NetLMM Protocol", Internet Engineering Task Force Internet Draft: draft-giaretta-netlmm-dt-protocol-02.txt, Work-In-Progress, 05 Oct 2006.
しかしながら、ローカルなアクセスネットワークドメインに存在する多数のユーザにサービスを提供する場合には、Monami6の手法が持つスケーラビリティに関する問題が生じることになる。マイクロプロセッサの能力が急速に向上してきており、ユーザはゲームや音声通信、データのダウンロードなどを同時に行って、モバイルノードが複数の通信相手と同時に通信を行うようになることが予想される。この場合には、各モバイルノードは、各フローの処理に関して様々なフローフィルタリングルールを設定することになる。
しかしながら、各ユーザが複数のフローフィルタリングルールを有する可能性があるので、多数のユーザが存在する場合には、各ネットワークノードのメモリやルールの処理及び格納に関して非常に高い負荷がかかることになる。このように、現在、オーバレイネットワークの最適化に関する手法は存在しているが、オーバレイネットワークにおいてフローフィルタリングサービスを提供する際の問題の解決策は存在していない。
また、上記の特許文献1に開示されている技術によれば、複数のルートを経由してモバイルノードにパケットを伝送することが可能となる。この技術は、高い信頼性を有しており、ローカルアクセスネットワークドメインのモビリティに有用な効果をもたらすが、多数のモバイルノードが動作してサービスをリクエストしているような状態のネットワークにはスケーラブルではない場合がある。このような場合には、特許文献1に開示されている技術の導入によって、かえって悪影響が出る可能性もある。
また、上記の特許文献2には、中央のソフトスイッチスパニングの複数のアクセスネットワークタイプが開示されている。モバイルノードは、まず発呼位置をソフトスイッチに登録する。また、ソフトスイッチは、複数の異なるアクセスネットワークタイプを経由したモバイルノードへの到達可能性を保証する。
しかしながら、特許文献2に開示されている技術は、ローカルアクセスネットワークドメインの動作には有用であるが、集中管理を行うソフトスイッチの存在がボトルネックになるという問題がある。また、ソフトスイッチは、1箇所で集中的に管理するボトルネック構成を有しているので、複数のインタフェースを有するモバイルノードの処理の分散(例えば、パケット転送パスの分散など)の効果を相殺することになり、また、ソフトスイッチに障害が発生した場合に、システムがリカバリする能力が低いという問題がある。
上記の課題を解決するため、本発明は、ネットワークにおけるパケット伝送の最適化を行うことが可能なネットワーク管理装置及びパケット転送装置を提供することを目的とする。また、本発明は、特に、複数のインタフェースを有するノードがNetLMMドメインのような局所移動管理ドメインに接続した場合に、そのノードによる複数のインタフェースの利用をサポートしながら、ネットワーク側の動作効率を向上させることが可能なネットワーク管理装置及びパケット転送装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明のネットワーク管理装置は、ネットワークに接続可能であり、前記ネットワークにおけるパケットの転送先を管理するネットワーク管理装置であって、
前記ネットワークからパケットを受信するパケット受信手段と、
前記パケット受信手段で受信した前記パケットの中から、移動端末によって設定されたパケット転送時のフィルタルールを抽出するフィルタルール抽出手段と、
前記フィルタルール抽出手段で抽出された前記フィルタルールを検査して、前記ネットワーク内に存在するパケット転送装置の中で、前記フィルタルールによって影響を受ける前記パケット転送装置を特定する転送経路特定手段と、
前記フィルタルールに含まれる情報から前記転送経路特定手段によって特定された前記パケット転送装置に必要な情報を抽出し、前記転送経路特定手段によって特定された前記パケット転送装置に通知するフィルタルール通知手段とを、
有する。
この構成により、移動端末がリクエストしたフィルタルールに基づいてパケット伝送を行うパケット転送装置に対してのみ、フィルタルールに関する情報を通知することで、最小限のシグナリング量で、ネットワークにおけるパケット伝送が最適化されるようになる。
さらに、本発明のネットワーク管理装置は、上記の構成に加えて、前記フィルタルールで規定されている前記パケットの新たな転送先を、前記転送経路特定手段によって特定された前記パケット転送装置に通知するパケット転送先通知手段を有する。
この構成により、移動端末がリクエストしたフィルタルールに基づいて、ネットワーク管理装置自身を経由しない最適化されたパケット伝送経路を設定されるようになる。
さらに、本発明のネットワーク管理装置は、上記の構成に加えて、前記フィルタルールで規定されている前記パケットの新たな転送先を取得する転送先取得手段を有する。
この構成により、ネットワーク管理装置は、例えば、ローカル又はリモートの情報サービスによって提供される情報を参照して、最適化された経路を実現するパケットの転送先を特定することが可能となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明のパケット転送装置は、ネットワークに接続可能であり、前記ネットワークにおけるパケットの転送を行うパケット転送装置であって、
特定のパケットの転送条件を定めたフィルタルールを格納するフィルタルール格納手段と、
前記フィルタルール格納手段に格納されている前記フィルタルールに基づいて、前記パケットを転送するパケット転送手段と、
前記ネットワークに接続されており前記パケットの転送先を管理するネットワーク管理装置から、特定のパケットの転送条件を定めたフィルタルールを受信するフィルタルール受信手段と、
前記フィルタルール受信手段で受信した前記フィルタルールを用いて、前記フィルタルール格納手段に格納されている前記フィルタルールのアップデートを行うフィルタルールアップデート手段とを、
有する。
この構成により、ネットワーク管理装置から受信したフィルタルールに関する情報をアップデートすることで、最小限のシグナリング量で、ネットワークにおけるパケット伝送が最適化されるようになる。
さらに、本発明のパケット転送装置は、上記の構成に加えて、移動端末から、特定のパケットの転送条件を定めたフィルタルールを受信するフィルタルールリクエスト受信手段と、
前記フィルタルールリクエスト受信手段で受信した前記フィルタルールを、前記ネットワークに接続されており前記パケットの転送先を管理するネットワーク管理装置に転送するフィルタルール転送手段とを、
有する。
この構成により、ネットワークにおけるパケットの転送先を管理するネットワーク管理装置に、移動端末がリクエストしたフィルタルールを集約することが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送装置は、上記の構成に加えて、前記フィルタルールで規定されている前記パケットの新たな転送先を取得するパケット転送先取得手段と、
前記パケット転送先取得手段で取得した前記新たな転送先を、前記フィルタルールと関連付けて記憶する転送先記憶手段とを有し、
前記パケット転送手段が、前記フィルタルールに基づいて前記パケットを転送する際に、前記フィルタルールに関連付けられている前記新たな転送先に前記パケットをトンネルするように構成されている。
この構成により、移動端末がリクエストしたフィルタルールに基づいて、最適化された経路でパケット伝送が行われるようになる。
本発明は、上記の構成を有しており、ネットワークにおけるパケット伝送を最適化するという効果を有している。
従来の技術及び本発明に共通するネットワーク構成の一例を示す図 本発明の実施の形態におけるフィルタメッセージのフォーマットの一例を示す図 本発明の実施の形態におけるLMAの構成の一例を示す図 本発明の実施の形態におけるMAGの構成の一例を示す図 本発明の実施の形態におけるLMAの動作の一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態におけるMAGの動作の一例を示すフローチャート
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明が適用されるネットワーク構成の一例について説明する。図1には、本発明の実施の形態におけるネットワーク構成の一例が図示されている。図1において、MN1000は、ローカルアクセスネットワークドメインのモビリティサービスに加入している。
図1に図示されているドメインネットワークは、このドメインネットワークを管理するローカルモビリティアンカ(LMA:Local Mobility Anchor)1010と、複数のモバイルアクセスゲートウェイ(MAG:Mobile Access Gateway)1020〜1080によって構成されている。
MN1000は、2つのコレスポンデントノード(CN1090、CN1100)からデータストリームを受信している。なお、MN1000は、Monami6プロトコルスタックを使用して、複数のインタフェース(パス1001、1002を利用する2つのインタフェース)を登録することが可能である。
また、MN1000は、CN1090、1100のそれぞれからのデータストリームの転送方法を指定することが可能である。ここでは、MN1000は、CN1090からのデータストリームにはパス1001を利用し、CN1100からのデータストリームにはパス1002を利用しようとしているものとする。例えば、MN1000は、CN1090から到達するフローはパス1001を経由して自身(MN1000)に到達するようにし、その他のすべてのフローに関してはパス1002を経由して到達するようにフローを分離することを決定する。なお、ここでは、MN1000に対してCN1090及びCN1100がそれぞれ1つのフローを持っている例を示しているが、実際には1つのMNに対して1つのCNが、複数の異なるパスを経由するフローを持つこともある。
上述のようなフローフィルタルールをNetLMMドメインで実現するためには、Monami6ワーキンググループで定義されているようなフィルタルール交換処理を、ここでも利用できるようにすればよい。本発明では、LMAの機能とホームエージェントの機能とが類似していることに着眼し、フローフィルタルールがLMAに登録されるようにする。すなわち、本発明に係るLMAは、従来定義されているLMAに対して、さらにフローフィルタルールの処理機能(フローフィルタルールの格納やフローフィルタルールに基づく処理の実行など)が追加された構成を有している。
したがって、MN1000あてのパケット(例えば、グローバルインターネット1110から到来したパケット)がドメイン内に入ると、NetLMMドメイン内でルーティングが行われるように、パケットは、まずLMA1010に転送される。
そして、LMA1010は、登録されているフィルタルールを参照して、受信したパケットの入力フローと一致するフィルタルールが存在するか否かをチェックする。一致するフィルタルールが存在する場合には、LMA1010は、フィルタルールによって関連付けられているMAGに向けて、そのフローに属するパケットのトンネル処理を行う。
なお、上述の本発明に係る構成及び動作では、LMA1010にフローフィルタルールの機能を統合することにより、NetLMMにおけるパケット転送に対してフィルタルールの適用が容易に行えるようになるという利点を有している。一方、上述の本発明に係る構成及び動作には、第1に、あるNetLMMドメインに到来するパケットは、まずLMA1010に渡され、LMA1010においてその転送先(次ホップ)が決定されるので、LMA1010がボトルネックとなる可能性がある。なお、1つのNetLMMには多数のMNが存在し得る。また、各MNは膨大な数のフローフィルタを維持する可能性がある。
したがって、LMA1010へのパケット転送に遅延が生じたり、LMA1010の処理に負荷が生じて処理遅延が発生したりするおそれがある。また、LMA1010で消費されるリソースは膨大な量となる。LMA1010は、例えば、NetLMMドメインに加入しているすべてのMNのフィルタルールを格納したり、膨大なフィルタリストに対してすべてのデータパケットのチェックを行ったりする必要がある。
以上の事項に鑑みて、さらに本発明では、LMA1010にフローフィルタルールの機能を統合して、NetLMMにおけるパケット転送に対するフィルタルールの適用を容易に行えるようにすることに加え、複数のインタフェースを有するノードがNetLMMドメインのような局所移動管理ドメインに接続した場合に、そのノードによる複数のインタフェースの利用をサポートしながら、ネットワーク側の動作効率を向上させることを試みる。
以下では、本発明によってLMA1010に新たに追加されたフィルタルールの処理機能に対して、ネットワーク側の動作効率を向上させることを目的とした更なる機能が追加される。本発明に係るLMA1010は、MN1000から受信したフィルタルールによって関連付けられているMAGに対してのみ、そのMN1000から受信したフィルタルールの一部の情報(そのMAGがパケットの転送に必要なフィルタルールの一部の情報)を選択してアップデートを行うことが可能である。
また、本発明のLMA1010に係る処理に伴って、MAGにも機能が追加される。本発明に係るMAGは、LMA1010から受信したフィルタルールの一部の情報に基づいて、パケットの転送処理を行うことが可能である。
例えば、図1の例では、本発明の動作において、MAG1020は、CN1090に関連するフィルタルールに関してアップデートされる。また同様に、MAG1030においても、CN1100やその他のあらゆるデフォルトのトラフィックに関連するフィルタリストのアップデートが行われる。
以下、より詳細に本発明の動作について説明する。
本発明の好適な実施例では、MN1000は、接続されているMAGの1つ(すなわち、MAG1060又はMAG1080)に対して、そのインタフェースのフローフィルタリングルール(パケットのフローとそのパケットの転送方法との対応関係)を含むメッセージを送信する。このメッセージを受信したMAGは、LMA1010にそのメッセージを転送する。LMA1010は、MN1000からリクエストされたフローフィルタリングルールを取得し、NetLMMドメイン内のどのMAGが、リクエストされたフローフィルタリングルールに関連しているかを判断する。
なお、フローフィルタリングルールに関連するMAGの判断には、単に、パケットの転送経路が最適化されるようなMAGが選択されるだけではなく、例えば、ネットワークトポロジやネットワークノード間の伝送形式、各MAGの処理能力などが考慮されてもよい。
また、LMA1010は、フローフィルタリングルールの一部の情報要素(例えば、フローフィルタリングルールの送信元アドレス)を参照して、適切なMAGを選択してもよい。例えば、LMA1010は、CN1090からのデータストリームがMAG1020を経由してNetLMMドメイン内に入ることを把握していれば、CN1090に対応するフィルタルールに関連するMAGとして、MAG1020を特定することが可能である。
また、LMA1010は、CN1090からの入力パケットを待機してもよい。MAG1020は、NetLMMドメインあてのパケット(CN1090からのパケット)を受信すると、このパケットをLMA1010に転送する。LMA1010は、この転送パケットを受信し、CN1090に関連するフィルタルールに適したMAGがMAG1020であることを判断する。例えば他のすべてのトラフィックに関するルールなどのように広い範囲に渡るフィルタルールに関しては、このようなMAGとパケットとの相関を判断する方法が、より有用かつスケーラブルである。また、MAG1020が複数のフィルタルールに関連していると判断された場合には、LMA1010は、複数のフィルタルールによってMAG1020のアップデートを行ってもよい。以上のように、MAG1020において、CN1090に関連したフィルタルールのアップデートが行われ、例えば、LMA1010は、MAG1020に対して、CN1090からMN1000あてに送信されたパケットに関しては、MAG1060に転送するように設定する。
上述のようにフローフィルタリングルールのアップデートが行われた状態で、CN1090からMN1000あてのパケットがMAG1020に届くと、MAG1020は、LMA1010にパケットを転送する代わりに、MAG1060にパケットをトンネルする。そして、パケットは、MAG1060からパス1001を経由して、リクエストに従って(MN1000が送信したフローフィルタリングルールに従って)MN1000に届く。なお、トンネルエンドポイントであるMAG1060の情報に関しても、LMA1010からMAG1020に提供されてもよい。
また、CN1100からMN1000あてのパケットがMAG1030に届くと、パケットは、まずLMA1010に転送される。LMA1010は、MN1000からリクエストされたフィルタルールを参照し、CN1090からのデータストリーム以外のすべてのトラフィックはパス1002を経由して送信されるようにするためには、MAG1030が適切であると判断して、MAG1030のアップデートを行う。
MAG1030は、CN1100からMN1000へのデータパケットを受信した場合、LMA1010にパケットを転送する代わりに、MAG1080にパケットをトンネルする。そして、パケットは、MAG1080からパス1002を経由して、リクエストに従って(MN1000が送信したフローフィルタリングルールに従って)MN1000に届く。なお、トンネルエンドポイントであるMAG1080の情報に関しても、LMA1010からMAG1030に提供されてもよい。
次に、本発明で使用される新たなメッセージ(フィルタルールを伝送するフィルタメッセージ)について説明する。なお、ここで説明する新たなメッセージは一例であり、新たなメッセージが必ずしも必要なわけではない。ここで説明するメッセージには、本発明の動作にとって重要となる情報が含まれているが、これらのメッセージは例えばNetLMMプロトコルなどの既存のプロトコルのメッセージと統合されたり、置き換えられたりしてもよい。なお、既存のメッセージに統合されたり置き換えられたりして、本発明に係るメッセージが実現された場合も、ここで説明する新たなメッセージを使用する場合と同様の目的が達成され、同様の効果が得られる。また、本発明に係るメッセージとして、Monami6のフローフィルタリングプロトコルや、その他の任意の適用可能なフローフィルタリングプロトコルに記載されている関連するアップデートメッセージを再利用してもよい。
図2には、本発明の実施の形態におけるフィルタメッセージのフォーマットの一例が図示されている。このフィルタメッセージは、MN1000にからリクエストされた特定のフローフィルタリングルールを、LMA1010からアップデートすべきMAGに運ぶ際に使用される。
フィルタメッセージタイプフィールド200は、このメッセージがフィルタメッセージであることを示している。
また、フィルタルールペイロード210は可変長であり、フィルタルールペイロード210には、MN1000からリクエストされたフローフィルタリングルールが含まれる。
また、あて先MAGフィールド220は、オプションのフィールドである。このあて先MAGフィールド220がLMA1010によって挿入された場合には、このあて先MAGフィールド220によって、フィルタルールペイロード210で運ばれるフィルタルールに当てはまるパケットが転送される際のあて先となるMAGのアドレス(あるいは、識別情報)が伝送される。なお、LMA1010は、1つのフィルタメッセージで複数のフィルタルールを送信してもよく、各フィルタルールのあて先MAGフィールド220には、異なる値(アドレス)が設定されてもよい。また、フィルタルールを受信したMAGが、あて先MAGに含まれる情報を任意の方法(例えば、NetLMMドメイン内の情報サービスに問い合わせる方法)によって取得することができるのであれば、LMA1010は、あて先MAG内に転送先を設定しなくてもよい。
なお、既存のフローフィルタリングプロトコルメッセージを再利用して、上述のフィルタメッセージと同様の効果を実現してもよい。
本発明に係る解決方法を実現するためには、LMA及びMAGには新たな機能が追加される必要がある。以下、本発明に係るLMA及びMAGのそれぞれの構成について説明する。
図3には、本発明の実施の形態におけるLMAの構成の一例が図示されている。図3に図示されているLMA1010は、下位レイヤインタフェース300、NetLMMプロトコル310、フローフィルタリングプロトコル320、フローマネージャ330、ポリシエンジン340、情報サービス350を有している。
下位レイヤインタフェース300は、物理ネットワークアクセスカードや、それぞれに対応したドライバー、ソフトウェアAPI(Application Programming Interface:アプリケーションプログラミングインタフェース)を有している。ネットワークに送受信されるメッセージは、下位レイヤインタフェース300を通じてNetLMMプロトコル310やフローフィルタリングプロトコルスタック320で処理される。
また、NetLMMプロトコル310は、NetLMMプロトコルの機能であるが、NetLMMプロトコル以外の任意の移動管理プロトコルの機能であってもよい。また、フローフィルタリングプロトコル320は、フローフィルタリングの処理や設定などを行う機能であるが、例えばMonami6の機能の一部によって実現されてもよい。なお、フローフィルタリングプロトコル320は、各モバイルノードからリクエストされたフィルタルールを格納するフィルタルール格納部も有している。
また、フローマネージャ330は、本発明に係る上述の動作(例えば、フローフィルタの分析処理、フィルタルールが関連しているMAGの判断処理、フィルタルールの分離処理、分離されたフィルタルールを各MAGに分配する処理など)を行う機能を有している。
フローマネージャエンティティ330は、NetLMMプロトコル310からはパス311を通じて、フローフィルタリングプロトコル320からはパス321を通じて、関連するメッセージを受け取る。なお、フローマネージャ330は、パス331を通じてポリシエンジン340に接続されていてもよい。なお、このポリシエンジン340はリモートサイトに存在してもよい。
LMA1010が、MAGから転送されてきたモバイルノードからのフローフィルタリングルールを受信すると、フローマネージャ330が動作を開始する。フローマネージャ330は各フィルタルールを検索し、どのMAGがアップデートされるべきかを選択する。そして、フローマネージャ330は、選択されたMAGに関連するフィルタルール(フィルタルールの一部の情報)を抽出し、適切なフローフィルタリングプロトコルを用いて、抽出されたフィルタルールによって、選択されたMAGのアップデートを行う。このとき、フローマネージャ330は、アップデートする情報を含むフィルタメッセージ(図2参照)を生成して、選択されたMAGに送信する。
なお、フローマネージャ330は、あるプロトコルから別のタイプのプロトコルにフィルタルールの翻訳を行ってもよい。このフィルタルールの翻訳は、ポリシや処理効率を理由とするほか、選択されたMAGではフローフィルタリングプロトコル32がサポートされていない場合に、このMAGで解釈可能な別のタイプのプロトコルに変換するためのものである。
また、ポリシエンジン340は、本発明を動作させるか否かなどを定めたルールやポリシのリポジトリである。なお、ポリシエンジン340は、ローカルのリポジトリであってもよく、リモートのリポジトリであってもよい。
また、情報サービス350は、例えばネットワークトポロジやネットワーク特性などの静的又は準静的なネットワーク情報を提供するローカルデータベース又はリモートデータベースである。なお、リモートの情報サービス350として、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)802.21ワーキンググループにおいて規定されているものを利用することが可能である。
また、図4には、本発明の実施の形態におけるMAGの構成の一例が図示されている。図4に図示されているMAG1020は、下位レイヤインタフェース400、フィルタルールマネージャ410、NetLMMプロトコル420、フローフィルタリングプロトコル430を有している。なお、ここでは、図1のMAG1020の構成について説明するが、基本的には、その他のMAG1030〜1080も同一の構成を有している。
下位レイヤインタフェース400は、物理ネットワークアクセスカードや、それぞれに対応したドライバー、ソフトウェアAPIを有している。ネットワークに送受信されるメッセージは、下位レイヤインタフェース400を通じてフィルタルールマネージャ410にパス401経由で渡される。
また、フィルタルールマネージャ410は、モバイルノードからのフローフィルタルールをLMA1010に転送する機能を有している。また、フィルタルールマネージャ410は、LMA1010からフィルタメッセージを受信した場合に、パス412を通じてフローフィルタリングプロトコル430のアップデートを行う機能を有している。また、NetLMMプロトコル420、フローフィルタリングプロトコル430は、上述のNetLMMプロトコル310、フローフィルタリングプロトコル320と同一の機能を有している。
フィルタメッセージがNetLMMメッセージに含まれている場合には、フィルタルールマネージャ410は、通常のメッセージ処理が行われるNetLMMプロトコル420にパス411を通じてパケットを渡す前に、このメッセージ内からフィルタルールの情報を抽出する機能を有している。抽出されたフィルタルール情報はフローフィルタリングプロトコル430に適切なフォーマットで渡されて、更に処理される。
また、Monami6のフローフィルタリングプロトコルに関連して、MN1000が2つのフィルタルール(例えばCN1090からのデータストリームをパス1001経由で受信する旨を規定する第1のフィルタルールと、その他のすべてのトラフィックに関してはパス1002経由で受信する旨を規定する第2のフィルタルール)を送信してもよい。
第1のフィルタルールに関しては、例えば、CN1090のアドレスを使用して対象のフローが特定される。また、第2のフィルタルールに関しては、例えば、フローフィルタリングプロトコルと同様の方法によってフィルタルールの設定が可能である。
フィルタルールリクエストを受信した後、LMA1010のフローマネージャ330は、まずパス331を通じてポリシエンジン340に問い合わせを行い、例えば本発明に係る動作を行うか、あるいは、通常のNetLMMプロトコル処理を実行するかなどの動作方法を決定する。
なお、ポリシエンジン340では、例えば、CN1090に関する第1のフィルタルールに関しては上述の解決方法を使用し、その他のすべてのトラフィックに係る第2のフィルタルールに関しては、実際のパケットを受信してからフィルタルールを通知するパッシブモードが取られるように規定されているかもしれない。
また、フローマネージャ330はパス332を通じて情報サービス350を使用し、CN1090と関連のあるMAG(すなわち、CM1090からのデータストリームがNetLMMドメインに入力される場所)に関する問い合わせを行ってもよい。このとき、情報サービス350は、CN1090からのデータストリームはMAG1020で受信している旨を返答する。
そしてフローマネージャ330は、パス321を通じてフローフィルタリングプロトコル320に対して、あて先MAGの値がMAG1060にセットされたフィルタメッセージ(CN1090からのデータストリームに関するフィルタルールを含むメッセージ)を生成して、MAG1020に送信するように指示する。これにより、MAG1020は、CN1090からのデータストリームをMAG1060に転送するようになる。
また、CN1100からMN1000にデータパケットの送信が開始された場合、MAG1030は、そのデータパケットを受信すると、NetLMMプロトコルの処理に従ってLMA1010にデータパケットを転送するか、あるいは、LMA1010に対して問い合わせを行う。LMA1010は、MN1000がすべての他のトラフィックに対して既存のルールを設定し、フィルタルール及びMAG1080のあて先MAG値を有するフィルタメッセージによって、MAG1030のアップデートのみを行う。
なお、パッシブモードの動作では、NetLMMドメインに対して実際には使用しないかもしれないフィルタルールによる負荷をかけず、上述の解決方法のスケーラビリティが増加するという利点がある。
また、必ずしもすべてのフィルタルールをMAGに通知しなければならないという訳ではなく、特定のMAGの処理負荷が大きくこれ以上処理負荷を上げるべきではない場合や、LMA自身の処理能力に余裕がある場合は、LMAがフィルタルールを適用したデータパケットの転送を行うようにしてもよい。さらに、LMA及びMAGの状況に応じて、LMAとMAGとの間において分担する処理量を動的に変更してもよい。この状況確認のためにLMA及びMAGは、互いに現在の処理量について問い合わせ/通知のメッセージを交換するようにしてもよい。
また、図5には、本発明の実施の形態におけるLMAの動作の一例が図示されている。LMAは、モバイルノードによってリクエストされたフローフィルタリングルールを受信すると(ステップS510)、このフローフィルタリングルールが含まれているメッセージの正当性及び真正性を検証した後、ポリシエンジン340に問い合わせを行って、ポリシによって規定されている正しい動作方針を特定する。
ここで、ポリシによって、LMAが本発明に係る解決方法を行うと規定されている場合、LMAはモバイルノードによってリクエストされている各フローフィルタリングルールを検査して、それぞれのフローフィルタリングルールによって影響を受けるMAGを決定する(ステップS520)。なお、LMAは、情報サービス350からの情報を参照して、それぞれのフローフィルタリングルールによって影響を受けるMAGを決定してもよい。
LMAは、影響を受けるオーバレイネットワークノード(MAG)や関連するフィルタルールのリストを取得した後、対応するフィルタルール(あるいはフィルタルールの一部の情報)を選択して、関連のあるMAG(影響を受けるMAG)のみアップデートすることが可能である(ステップS530)。また、例えばあて先MAGの値(アドレス)を指定して、特定のパケットの転送先を指示することも可能である。
また、図6には、本発明の実施の形態におけるMAGの動作の一例が図示されている。MAGは、フローフィルタリングルールを含むパケットが到着すると、まずパケットがモバイルノードから送信されたものか否かをチェックする(ステップS610)。パケットがモバイルノードから送信されたものであれば、MAGは、そのフローフィルタリングルールを含むパケットをLMAに転送する(ステップS620)。
パケットがモバイルノードから送信されたものではなく、LMAから送信されたものである場合には、MAGは、フィルタメッセージの存在をチェックする(ステップS630)。ここで、フィルタメッセージのフォーマットが見つからなかった場合には、MAGは、エラー通知(エラーリカバリ処理)を行う(ステップS640)。
一方、フィルタメッセージが見つかった場合には、MAGは、例えばフローフィルタリングプロトコル430におけるフィルタルールのアップデートや各ルールに対するあて先MAGを記憶する処理など、フィルタメッセージに対応した適切な処理を行う(ステップS650)。
なお、本発明は、フローフィルタリングルールの選択的なアップデートに限定されず、任意の機能(例えば、モバイルノードが使用するスケーラブルではない他の機能)のアップデートに利用されてもよい。このような機能の一例としては、QoS(Quality of Service)保証されたパス情報や、その他の種類のトポロジ依存情報(ネットワークトポロジに依存した情報)などが挙げられる。
QoS保証のパス情報の例の場合、MN1000は、CN1090から自身(MN1000)までのQoS保証されたパスの確立をリクエストする可能性がある。このとき、本発明によって、すべてのMAGがこのパスのネットワークリソースの予約を行う必要はなく、その代わり、CN1090からMN1000までのパス上の通信装置(MAG1020、1040、1060)においてのみ選択的にリソース予約が行われる。
また、フローマネージャ330は、ネットワークのどこに配置されていてもよく、例えば、離れた場所に存在するセントラルサーバであってもよい。また、セントラルサーバは、NetLMMアーキテクチャの一部であってもよく、またそうでなくてもよい。フローマネージャの機能を有するセントラルサーバが存在する場合、MAGは、すべてのフィルタルールをセントラルサーバに転送する。そして、フローマネージャの機能を有するセントラルサーバは、フィルタルールを反映させるMAGを選択し、各MAGに関連する必要なフィルタルールの情報を選択された各MAGに分配する。
また、フィルタルールマネージャ410も、物理的に離れた場所に存在していてもよい。また、フローマネージャ330及びフィルタルールマネージャ410が、1つのエンティティ内に共存していてもよい。
また、本明細書では、NetLMMインフラストラクチャの構成としてLMAとMAGによるローカルIPモビリティのサポートを採用した例について示したが、PMIP−HAとPMA(Proxy Mobile Agent)によるローカルIPモビリティのサポート(PMIP:Proxy Mobile IP)を採用した場合でも同様に本発明が適用できる。この場合、PMIP−HAはLMAに相当し、PMAはMAGに相当する。また、それぞれのメッセージのタイミング、組み合わせ、分割はPMIPのメッセージ体系の中で用いられるように改変され得ることは、当業者にとっては明らかである。
また、本発明によれば、局所移動管理プロトコル(例えば、NetLMMなど)において伝送されるパケットの転送先を管理する通信装置(例えば、LMAなど)において、移動端末によって設定されたパケット転送時のフィルタルールが登録されることを特徴とする通信装置も提供される。これにより、例えばLMAなどのパケットが集まるポイントでパケットに対してフィルタルールが一括して適用されるようになり、フィルタルールが確実に適用されるようになるとともに、NetLMMにおけるパケット転送に対してフィルタルールの適用が容易に行えるようになる。
なお、本明細書では、MNのネットワークインタフェースが複数であることを前提に説明を行っているが、本発明を実施するうえでの論理的なインタフェースが複数あればよい。例えば、1つの無線部を複数の接続方式で共用し、ネットワークインタフェースの観点からはその変化が問題にならない程度の速度で切り替えたり、レイヤ2で論理的なリンクを維持したりすることにより、ネットワーク部からは複数のインタフェースを介してネットワークに接続している場合と同等に動作できるよう構成されていてもよい。
また、MNのネットワークインタフェースが1つであっても、通信のためのデータフローを制御できれば本発明の方法を使用することができる。
なお、本明細書では、本発明が最も実用的かつ好適な実施例となるように考慮されて図示及び説明されているが、当業者であれば、フローマネージャ330やその他の構成要素に係る設計やパラメータの詳細において、発明の範囲から逸脱しない程度に様々な変更が行われてもよいことは明白である。
なお、上記の本発明の実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
本発明は、ネットワークにおけるパケット伝送を最適化するという効果を有しており、パケット交換型データ通信ネットワークのシステムにおける通信技術分野に適用可能である。また、特に、本発明は、通信ネットワークドメイン内を移動するモバイルノードの移動管理(位置管理)及びネットワークにおけるパケット転送経路の管理を行う技術に適用可能である。
本発明は、パケット交換型データ通信ネットワークのシステムにおける通信技術分野に関連する。特に、本発明は、通信ネットワークドメイン内を移動するモバイルノード(移動端末)の移動管理(位置管理)及びネットワークにおけるパケット転送経路の管理を行うネットワーク管理装置及びパケット転送装置に関する。
モバイルユーザにとっては、移動している場合であっても、インターネットへの接続が常に維持されることが必須要件となってきている。なお、ユーザがネットワーク間を移動する場合に、IP(Internet Protocol:インターネットプロトコル)アドレスの変更が生じるが、この問題に関しては、モバイルIPの導入によって解決されている。
一方、IETF(Internet Engineering Task Force)のMonami6(Mobile Nodes and Multiple Interfaces in IPv6)ワーキンググループでは、複数のインタフェース(マルチインタフェース)を有するモバイルノードに対して、マルチモードの利点を十分に発揮できるような機能が提供されている。マルチインタフェースノードは、インタフェースで取得した複数の気付アドレス(Care-of address)をホームエージェントに登録することができる。これによって、ホームエージェントは、モバイルノードが複数の経路を経由して到達可能であることを把握できるようになる。このマルチインタフェースの技術は、パケットを受信するインタフェースを指定できるようにすることを目的としている。また、データパケットのストリーム(すなわち、フロー)には、どの気付アドレスにパケットが送信されるかを記載するルールが設定されていることがある。
また、最近では、ローカルIPモビリティのサポートが提供されるようになってきている。ローカルIPモビリティは、ネットワークトポロジ(ネットワークの接続形態)が限定されたエリアにおけるIPモビリティである。ローカルモビリティが適用可能な環境としては、例えば、大規模なキャンパス(例えば、大学のキャンパス)における無線LAN(WLAN)の配置が挙げられる。キャンパスのエリア内に居るユーザは、大学構内を移動しながら、例えばeメール、検索、ウェブサーフィンなどのサービスを受けることができる。
しかしながら、キャンパスエリア内のすべてのWLANアクセスポイントを単一のブロードキャストドメインに収容することは、あまり良い拡張とは言えない。また、何らかの理由(例えば、あるリンクで異なるアクセス技術を用いている)で、キャンパスの一部を1つのVLAN(Virtual Local Area Network)でカバーできない場合もある。この場合、キャンパスを、それぞれが1つ以上のアクセスルータによって提供されている最終ホップ(last-hop)のリンクに分割することが望ましい。したがって、大学キャンパスのそれぞれのエリア(アクセスルータによって提供されている各エリア)内で使用可能な不変のIPアドレスを有するためには、何らかの局所モビリティ管理技術(localized mobility management technique)が用いられる必要がある。
IETFでは、ネットワークベースの局所モビリティ管理のワーキンググループ(NetLMM(Network-based Localized Mobility Management)ワーキンググループ)において、局所モビリティ管理のプロトコルが設計されている。
下記の非特許文献1では、アクセスドメイン(あるいは、NetLMMドメインと呼ばれる)内に限定してIPモビリティ管理を行う局所モビリティ管理プロトコルが導入されている。このプロトコルは、アクセスネットワーク内の移動に伴った変更を収容することによって、移動を局所化する。
モバイルノードがNetLMMインフラストラクチャに接続する際、モバイルノードは、まず、ステートフルアドレス構成処理又はステートレスアドレス構成処理を使用して、サービスを提供しているLMA(Local Mobility Anchor:ローカルモビリティアンカ)に関するアドレスを構成する必要がある。したがって、モバイルノードがMAG(Mobile Access Gateway:モバイルアクセスゲートウェイ)に接続すると、MAGは、自身の識別情報(ID)とモバイルノードのIDとを含む位置登録メッセージをLMAに送信する。
LMAは、このメッセージに対して、MAGからモバイルノードへのルータ通知に挿入されるNetLMMプレフィクスを含む位置登録確認メッセージで応答を行う。そして、MAGは、接続されているモバイルノードに対してルータ通知(NetLMMプレフィックスを含む)を送信する。アドレス構成が完了すると、MAGは、MAGのID、MNのID、NetLMMのアドレス、トンネルのIDを含むMNアドレスセットアップメッセージをLMAに送信することによって、モバイルノードのアドレスをLMAに登録する。LMAは、このメッセージに対して、パケットの転送ステートを作成して、パケットセットアップを承認するMNアドレスリプライメッセージをMAGに送信する。MAGは、承認を示すMNアドレスセットアップリプライメッセージを受信すると、モバイルノードあてのパケットに関する転送ステートを作成する。
米国特許公報第6985454号 米国特許公開公報2004/0120502号 Henrik Levkowetz, et al., "The NetLMM Protocol", Internet Engineering Task Force Internet Draft: draft-giaretta-netlmm-dt-protocol-02.txt, Work-In-Progress, 05 Oct 2006.
しかしながら、ローカルなアクセスネットワークドメインに存在する多数のユーザにサービスを提供する場合には、Monami6の手法が持つスケーラビリティに関する問題が生じることになる。マイクロプロセッサの能力が急速に向上してきており、ユーザはゲームや音声通信、データのダウンロードなどを同時に行って、モバイルノードが複数の通信相手と同時に通信を行うようになることが予想される。この場合には、各モバイルノードは、各フローの処理に関して様々なフローフィルタリングルールを設定することになる。
しかしながら、各ユーザが複数のフローフィルタリングルールを有する可能性があるので、多数のユーザが存在する場合には、各ネットワークノードのメモリやルールの処理及び格納に関して非常に高い負荷がかかることになる。このように、現在、オーバレイネットワークの最適化に関する手法は存在しているが、オーバレイネットワークにおいてフローフィルタリングサービスを提供する際の問題の解決策は存在していない。
また、上記の特許文献1に開示されている技術によれば、複数のルートを経由してモバイルノードにパケットを伝送することが可能となる。この技術は、高い信頼性を有しており、ローカルアクセスネットワークドメインのモビリティに有用な効果をもたらすが、多数のモバイルノードが動作してサービスをリクエストしているような状態のネットワークにはスケーラブルではない場合がある。このような場合には、特許文献1に開示されている技術の導入によって、かえって悪影響が出る可能性もある。
また、上記の特許文献2には、中央のソフトスイッチスパニングの複数のアクセスネットワークタイプが開示されている。モバイルノードは、まず発呼位置をソフトスイッチに登録する。また、ソフトスイッチは、複数の異なるアクセスネットワークタイプを経由したモバイルノードへの到達可能性を保証する。
しかしながら、特許文献2に開示されている技術は、ローカルアクセスネットワークドメインの動作には有用であるが、集中管理を行うソフトスイッチの存在がボトルネックになるという問題がある。また、ソフトスイッチは、1箇所で集中的に管理するボトルネック構成を有しているので、複数のインタフェースを有するモバイルノードの処理の分散(例えば、パケット転送パスの分散など)の効果を相殺することになり、また、ソフトスイッチに障害が発生した場合に、システムがリカバリする能力が低いという問題がある。
上記の課題を解決するため、本発明は、ネットワークにおけるパケット伝送の最適化を行うことが可能なネットワーク管理装置及びパケット転送装置を提供することを目的とする。また、本発明は、特に、複数のインタフェースを有するノードがNetLMMドメインのような局所移動管理ドメインに接続した場合に、そのノードによる複数のインタフェースの利用をサポートしながら、ネットワーク側の動作効率を向上させることが可能なネットワーク管理装置及びパケット転送装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明のネットワーク管理装置は、ネットワークに接続可能であり、前記ネットワークにおけるパケットの転送先を管理するネットワーク管理装置であって、
前記ネットワークからパケットを受信するパケット受信手段と、
前記パケット受信手段で受信した前記パケットの中から、移動端末によって設定されたパケット転送時のフィルタルールを抽出するフィルタルール抽出手段と、
前記フィルタルール抽出手段で抽出された前記フィルタルールを検査して、前記ネットワーク内に存在するパケット転送装置の中で、前記フィルタルールによって影響を受ける前記パケット転送装置を特定する転送経路特定手段と、
前記フィルタルールに含まれる情報から前記転送経路特定手段によって特定された前記パケット転送装置に必要な情報を抽出し、前記転送経路特定手段によって特定された前記パケット転送装置に通知するフィルタルール通知手段とを、
有する。
この構成により、移動端末がリクエストしたフィルタルールに基づいてパケット伝送を行うパケット転送装置に対してのみ、フィルタルールに関する情報を通知することで、最小限のシグナリング量で、ネットワークにおけるパケット伝送が最適化されるようになる。
さらに、本発明のネットワーク管理装置は、上記の構成に加えて、前記フィルタルールで規定されている前記パケットの新たな転送先を、前記転送経路特定手段によって特定された前記パケット転送装置に通知するパケット転送先通知手段を有する。
この構成により、移動端末がリクエストしたフィルタルールに基づいて、ネットワーク管理装置自身を経由しない最適化されたパケット伝送経路を設定されるようになる。
さらに、本発明のネットワーク管理装置は、上記の構成に加えて、前記フィルタルールで規定されている前記パケットの新たな転送先を取得する転送先取得手段を有する。
この構成により、ネットワーク管理装置は、例えば、ローカル又はリモートの情報サービスによって提供される情報を参照して、最適化された経路を実現するパケットの転送先を特定することが可能となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明のパケット転送装置は、ネットワークに接続可能であり、前記ネットワークにおけるパケットの転送を行うパケット転送装置であって、
特定のパケットの転送条件を定めたフィルタルールを格納するフィルタルール格納手段と、
前記フィルタルール格納手段に格納されている前記フィルタルールに基づいて、前記パケットを転送するパケット転送手段と、
前記ネットワークに接続されており前記パケットの転送先を管理するネットワーク管理装置から、特定のパケットの転送条件を定めたフィルタルールを受信するフィルタルール受信手段と、
前記フィルタルール受信手段で受信した前記フィルタルールを用いて、前記フィルタルール格納手段に格納されている前記フィルタルールのアップデートを行うフィルタルールアップデート手段とを、
有する。
この構成により、ネットワーク管理装置から受信したフィルタルールに関する情報をアップデートすることで、最小限のシグナリング量で、ネットワークにおけるパケット伝送が最適化されるようになる。
さらに、本発明のパケット転送装置は、上記の構成に加えて、移動端末から、特定のパケットの転送条件を定めたフィルタルールを受信するフィルタルールリクエスト受信手段と、
前記フィルタルールリクエスト受信手段で受信した前記フィルタルールを、前記ネットワークに接続されており前記パケットの転送先を管理するネットワーク管理装置に転送するフィルタルール転送手段とを、
有する。
この構成により、ネットワークにおけるパケットの転送先を管理するネットワーク管理装置に、移動端末がリクエストしたフィルタルールを集約することが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送装置は、上記の構成に加えて、前記フィルタルールで規定されている前記パケットの新たな転送先を取得するパケット転送先取得手段と、
前記パケット転送先取得手段で取得した前記新たな転送先を、前記フィルタルールと関連付けて記憶する転送先記憶手段とを有し、
前記パケット転送手段が、前記フィルタルールに基づいて前記パケットを転送する際に、前記フィルタルールに関連付けられている前記新たな転送先に前記パケットをトンネルするように構成されている。
この構成により、移動端末がリクエストしたフィルタルールに基づいて、最適化された経路でパケット伝送が行われるようになる。
本発明は、上記の構成を有しており、ネットワークにおけるパケット伝送を最適化するという効果を有している。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明が適用されるネットワーク構成の一例について説明する。図1には、本発明の実施の形態におけるネットワーク構成の一例が図示されている。図1において、MN1000は、ローカルアクセスネットワークドメインのモビリティサービスに加入している。
図1に図示されているドメインネットワークは、このドメインネットワークを管理するローカルモビリティアンカ(LMA:Local Mobility Anchor)1010と、複数のモバイルアクセスゲートウェイ(MAG:Mobile Access Gateway)1020〜1080によって構成されている。
MN1000は、2つのコレスポンデントノード(CN1090、CN1100)からデータストリームを受信している。なお、MN1000は、Monami6プロトコルスタックを使用して、複数のインタフェース(パス1001、1002を利用する2つのインタフェース)を登録することが可能である。
また、MN1000は、CN1090、1100のそれぞれからのデータストリームの転送方法を指定することが可能である。ここでは、MN1000は、CN1090からのデータストリームにはパス1001を利用し、CN1100からのデータストリームにはパス1002を利用しようとしているものとする。例えば、MN1000は、CN1090から到達するフローはパス1001を経由して自身(MN1000)に到達するようにし、その他のすべてのフローに関してはパス1002を経由して到達するようにフローを分離することを決定する。なお、ここでは、MN1000に対してCN1090及びCN1100がそれぞれ1つのフローを持っている例を示しているが、実際には1つのMNに対して1つのCNが、複数の異なるパスを経由するフローを持つこともある。
上述のようなフローフィルタルールをNetLMMドメインで実現するためには、Monami6ワーキンググループで定義されているようなフィルタルール交換処理を、ここでも利用できるようにすればよい。本発明では、LMAの機能とホームエージェントの機能とが類似していることに着眼し、フローフィルタルールがLMAに登録されるようにする。すなわち、本発明に係るLMAは、従来定義されているLMAに対して、さらにフローフィルタルールの処理機能(フローフィルタルールの格納やフローフィルタルールに基づく処理の実行など)が追加された構成を有している。
したがって、MN1000あてのパケット(例えば、グローバルインターネット1110から到来したパケット)がドメイン内に入ると、NetLMMドメイン内でルーティングが行われるように、パケットは、まずLMA1010に転送される。
そして、LMA1010は、登録されているフィルタルールを参照して、受信したパケットの入力フローと一致するフィルタルールが存在するか否かをチェックする。一致するフィルタルールが存在する場合には、LMA1010は、フィルタルールによって関連付けられているMAGに向けて、そのフローに属するパケットのトンネル処理を行う。
なお、上述の本発明に係る構成及び動作では、LMA1010にフローフィルタルールの機能を統合することにより、NetLMMにおけるパケット転送に対してフィルタルールの適用が容易に行えるようになるという利点を有している。一方、上述の本発明に係る構成及び動作には、第1に、あるNetLMMドメインに到来するパケットは、まずLMA1010に渡され、LMA1010においてその転送先(次ホップ)が決定されるので、LMA1010がボトルネックとなる可能性がある。なお、1つのNetLMMには多数のMNが存在し得る。また、各MNは膨大な数のフローフィルタを維持する可能性がある。
したがって、LMA1010へのパケット転送に遅延が生じたり、LMA1010の処理に負荷が生じて処理遅延が発生したりするおそれがある。また、LMA1010で消費されるリソースは膨大な量となる。LMA1010は、例えば、NetLMMドメインに加入しているすべてのMNのフィルタルールを格納したり、膨大なフィルタリストに対してすべてのデータパケットのチェックを行ったりする必要がある。
以上の事項に鑑みて、さらに本発明では、LMA1010にフローフィルタルールの機能を統合して、NetLMMにおけるパケット転送に対するフィルタルールの適用を容易に行えるようにすることに加え、複数のインタフェースを有するノードがNetLMMドメインのような局所移動管理ドメインに接続した場合に、そのノードによる複数のインタフェースの利用をサポートしながら、ネットワーク側の動作効率を向上させることを試みる。
以下では、本発明によってLMA1010に新たに追加されたフィルタルールの処理機能に対して、ネットワーク側の動作効率を向上させることを目的とした更なる機能が追加される。本発明に係るLMA1010は、MN1000から受信したフィルタルールによって関連付けられているMAGに対してのみ、そのMN1000から受信したフィルタルールの一部の情報(そのMAGがパケットの転送に必要なフィルタルールの一部の情報)を選択してアップデートを行うことが可能である。
また、本発明のLMA1010に係る処理に伴って、MAGにも機能が追加される。本発明に係るMAGは、LMA1010から受信したフィルタルールの一部の情報に基づいて、パケットの転送処理を行うことが可能である。
例えば、図1の例では、本発明の動作において、MAG1020は、CN1090に関連するフィルタルールに関してアップデートされる。また同様に、MAG1030においても、CN1100やその他のあらゆるデフォルトのトラフィックに関連するフィルタリストのアップデートが行われる。
以下、より詳細に本発明の動作について説明する。
本発明の好適な実施例では、MN1000は、接続されているMAGの1つ(すなわち、MAG1060又はMAG1080)に対して、そのインタフェースのフローフィルタリングルール(パケットのフローとそのパケットの転送方法との対応関係)を含むメッセージを送信する。このメッセージを受信したMAGは、LMA1010にそのメッセージを転送する。LMA1010は、MN1000からリクエストされたフローフィルタリングルールを取得し、NetLMMドメイン内のどのMAGが、リクエストされたフローフィルタリングルールに関連しているかを判断する。
なお、フローフィルタリングルールに関連するMAGの判断には、単に、パケットの転送経路が最適化されるようなMAGが選択されるだけではなく、例えば、ネットワークトポロジやネットワークノード間の伝送形式、各MAGの処理能力などが考慮されてもよい。
また、LMA1010は、フローフィルタリングルールの一部の情報要素(例えば、フローフィルタリングルールの送信元アドレス)を参照して、適切なMAGを選択してもよい。例えば、LMA1010は、CN1090からのデータストリームがMAG1020を経由してNetLMMドメイン内に入ることを把握していれば、CN1090に対応するフィルタルールに関連するMAGとして、MAG1020を特定することが可能である。
また、LMA1010は、CN1090からの入力パケットを待機してもよい。MAG1020は、NetLMMドメインあてのパケット(CN1090からのパケット)を受信すると、このパケットをLMA1010に転送する。LMA1010は、この転送パケットを受信し、CN1090に関連するフィルタルールに適したMAGがMAG1020であることを判断する。例えば他のすべてのトラフィックに関するルールなどのように広い範囲に渡るフィルタルールに関しては、このようなMAGとパケットとの相関を判断する方法が、より有用かつスケーラブルである。また、MAG1020が複数のフィルタルールに関連していると判断された場合には、LMA1010は、複数のフィルタルールによってMAG1020のアップデートを行ってもよい。以上のように、MAG1020において、CN1090に関連したフィルタルールのアップデートが行われ、例えば、LMA1010は、MAG1020に対して、CN1090からMN1000あてに送信されたパケットに関しては、MAG1060に転送するように設定する。
上述のようにフローフィルタリングルールのアップデートが行われた状態で、CN1090からMN1000あてのパケットがMAG1020に届くと、MAG1020は、LMA1010にパケットを転送する代わりに、MAG1060にパケットをトンネルする。そして、パケットは、MAG1060からパス1001を経由して、リクエストに従って(MN1000が送信したフローフィルタリングルールに従って)MN1000に届く。なお、トンネルエンドポイントであるMAG1060の情報に関しても、LMA1010からMAG1020に提供されてもよい。
また、CN1100からMN1000あてのパケットがMAG1030に届くと、パケットは、まずLMA1010に転送される。LMA1010は、MN1000からリクエストされたフィルタルールを参照し、CN1090からのデータストリーム以外のすべてのトラフィックはパス1002を経由して送信されるようにするためには、MAG1030が適切であると判断して、MAG1030のアップデートを行う。
MAG1030は、CN1100からMN1000へのデータパケットを受信した場合、LMA1010にパケットを転送する代わりに、MAG1080にパケットをトンネルする。そして、パケットは、MAG1080からパス1002を経由して、リクエストに従って(MN1000が送信したフローフィルタリングルールに従って)MN1000に届く。なお、トンネルエンドポイントであるMAG1080の情報に関しても、LMA1010からMAG1030に提供されてもよい。
次に、本発明で使用される新たなメッセージ(フィルタルールを伝送するフィルタメッセージ)について説明する。なお、ここで説明する新たなメッセージは一例であり、新たなメッセージが必ずしも必要なわけではない。ここで説明するメッセージには、本発明の動作にとって重要となる情報が含まれているが、これらのメッセージは例えばNetLMMプロトコルなどの既存のプロトコルのメッセージと統合されたり、置き換えられたりしてもよい。なお、既存のメッセージに統合されたり置き換えられたりして、本発明に係るメッセージが実現された場合も、ここで説明する新たなメッセージを使用する場合と同様の目的が達成され、同様の効果が得られる。また、本発明に係るメッセージとして、Monami6のフローフィルタリングプロトコルや、その他の任意の適用可能なフローフィルタリングプロトコルに記載されている関連するアップデートメッセージを再利用してもよい。
図2には、本発明の実施の形態におけるフィルタメッセージのフォーマットの一例が図示されている。このフィルタメッセージは、MN1000にからリクエストされた特定のフローフィルタリングルールを、LMA1010からアップデートすべきMAGに運ぶ際に使用される。
フィルタメッセージタイプフィールド200は、このメッセージがフィルタメッセージであることを示している。
また、フィルタルールペイロード210は可変長であり、フィルタルールペイロード210には、MN1000からリクエストされたフローフィルタリングルールが含まれる。
また、あて先MAGフィールド220は、オプションのフィールドである。このあて先MAGフィールド220がLMA1010によって挿入された場合には、このあて先MAGフィールド220によって、フィルタルールペイロード210で運ばれるフィルタルールに当てはまるパケットが転送される際のあて先となるMAGのアドレス(あるいは、識別情報)が伝送される。なお、LMA1010は、1つのフィルタメッセージで複数のフィルタルールを送信してもよく、各フィルタルールのあて先MAGフィールド220には、異なる値(アドレス)が設定されてもよい。また、フィルタルールを受信したMAGが、あて先MAGに含まれる情報を任意の方法(例えば、NetLMMドメイン内の情報サービスに問い合わせる方法)によって取得することができるのであれば、LMA1010は、あて先MAG内に転送先を設定しなくてもよい。
なお、既存のフローフィルタリングプロトコルメッセージを再利用して、上述のフィルタメッセージと同様の効果を実現してもよい。
本発明に係る解決方法を実現するためには、LMA及びMAGには新たな機能が追加される必要がある。以下、本発明に係るLMA及びMAGのそれぞれの構成について説明する。
図3には、本発明の実施の形態におけるLMAの構成の一例が図示されている。図3に図示されているLMA1010は、下位レイヤインタフェース300、NetLMMプロトコル310、フローフィルタリングプロトコル320、フローマネージャ330、ポリシエンジン340、情報サービス350を有している。
下位レイヤインタフェース300は、物理ネットワークアクセスカードや、それぞれに対応したドライバー、ソフトウェアAPI(Application Programming Interface:アプリケーションプログラミングインタフェース)を有している。ネットワークに送受信されるメッセージは、下位レイヤインタフェース300を通じてNetLMMプロトコル310やフローフィルタリングプロトコルスタック320で処理される。
また、NetLMMプロトコル310は、NetLMMプロトコルの機能であるが、NetLMMプロトコル以外の任意の移動管理プロトコルの機能であってもよい。また、フローフィルタリングプロトコル320は、フローフィルタリングの処理や設定などを行う機能であるが、例えばMonami6の機能の一部によって実現されてもよい。なお、フローフィルタリングプロトコル320は、各モバイルノードからリクエストされたフィルタルールを格納するフィルタルール格納部も有している。
また、フローマネージャ330は、本発明に係る上述の動作(例えば、フローフィルタの分析処理、フィルタルールが関連しているMAGの判断処理、フィルタルールの分離処理、分離されたフィルタルールを各MAGに分配する処理など)を行う機能を有している。
フローマネージャエンティティ330は、NetLMMプロトコル310からはパス311を通じて、フローフィルタリングプロトコル320からはパス321を通じて、関連するメッセージを受け取る。なお、フローマネージャ330は、パス331を通じてポリシエンジン340に接続されていてもよい。なお、このポリシエンジン340はリモートサイトに存在してもよい。
LMA1010が、MAGから転送されてきたモバイルノードからのフローフィルタリングルールを受信すると、フローマネージャ330が動作を開始する。フローマネージャ330は各フィルタルールを検索し、どのMAGがアップデートされるべきかを選択する。そして、フローマネージャ330は、選択されたMAGに関連するフィルタルール(フィルタルールの一部の情報)を抽出し、適切なフローフィルタリングプロトコルを用いて、抽出されたフィルタルールによって、選択されたMAGのアップデートを行う。このとき、フローマネージャ330は、アップデートする情報を含むフィルタメッセージ(図2参照)を生成して、選択されたMAGに送信する。
なお、フローマネージャ330は、あるプロトコルから別のタイプのプロトコルにフィルタルールの翻訳を行ってもよい。このフィルタルールの翻訳は、ポリシや処理効率を理由とするほか、選択されたMAGではフローフィルタリングプロトコル32がサポートされていない場合に、このMAGで解釈可能な別のタイプのプロトコルに変換するためのものである。
また、ポリシエンジン340は、本発明を動作させるか否かなどを定めたルールやポリシのリポジトリである。なお、ポリシエンジン340は、ローカルのリポジトリであってもよく、リモートのリポジトリであってもよい。
また、情報サービス350は、例えばネットワークトポロジやネットワーク特性などの静的又は準静的なネットワーク情報を提供するローカルデータベース又はリモートデータベースである。なお、リモートの情報サービス350として、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)802.21ワーキンググループにおいて規定されているものを利用することが可能である。
また、図4には、本発明の実施の形態におけるMAGの構成の一例が図示されている。図4に図示されているMAG1020は、下位レイヤインタフェース400、フィルタルールマネージャ410、NetLMMプロトコル420、フローフィルタリングプロトコル430を有している。なお、ここでは、図1のMAG1020の構成について説明するが、基本的には、その他のMAG1030〜1080も同一の構成を有している。
下位レイヤインタフェース400は、物理ネットワークアクセスカードや、それぞれに対応したドライバー、ソフトウェアAPIを有している。ネットワークに送受信されるメッセージは、下位レイヤインタフェース400を通じてフィルタルールマネージャ410にパス401経由で渡される。
また、フィルタルールマネージャ410は、モバイルノードからのフローフィルタルールをLMA1010に転送する機能を有している。また、フィルタルールマネージャ410は、LMA1010からフィルタメッセージを受信した場合に、パス412を通じてフローフィルタリングプロトコル430のアップデートを行う機能を有している。また、NetLMMプロトコル420、フローフィルタリングプロトコル430は、上述のNetLMMプロトコル310、フローフィルタリングプロトコル320と同一の機能を有している。
フィルタメッセージがNetLMMメッセージに含まれている場合には、フィルタルールマネージャ410は、通常のメッセージ処理が行われるNetLMMプロトコル420にパス411を通じてパケットを渡す前に、このメッセージ内からフィルタルールの情報を抽出する機能を有している。抽出されたフィルタルール情報はフローフィルタリングプロトコル430に適切なフォーマットで渡されて、更に処理される。
また、Monami6のフローフィルタリングプロトコルに関連して、MN1000が2つのフィルタルール(例えばCN1090からのデータストリームをパス1001経由で受信する旨を規定する第1のフィルタルールと、その他のすべてのトラフィックに関してはパス1002経由で受信する旨を規定する第2のフィルタルール)を送信してもよい。
第1のフィルタルールに関しては、例えば、CN1090のアドレスを使用して対象のフローが特定される。また、第2のフィルタルールに関しては、例えば、フローフィルタリングプロトコルと同様の方法によってフィルタルールの設定が可能である。
フィルタルールリクエストを受信した後、LMA1010のフローマネージャ330は、まずパス331を通じてポリシエンジン340に問い合わせを行い、例えば本発明に係る動作を行うか、あるいは、通常のNetLMMプロトコル処理を実行するかなどの動作方法を決定する。
なお、ポリシエンジン340では、例えば、CN1090に関する第1のフィルタルールに関しては上述の解決方法を使用し、その他のすべてのトラフィックに係る第2のフィルタルールに関しては、実際のパケットを受信してからフィルタルールを通知するパッシブモードが取られるように規定されているかもしれない。
また、フローマネージャ330はパス332を通じて情報サービス350を使用し、CN1090と関連のあるMAG(すなわち、CM1090からのデータストリームがNetLMMドメインに入力される場所)に関する問い合わせを行ってもよい。このとき、情報サービス350は、CN1090からのデータストリームはMAG1020で受信している旨を返答する。
そしてフローマネージャ330は、パス321を通じてフローフィルタリングプロトコル320に対して、あて先MAGの値がMAG1060にセットされたフィルタメッセージ(CN1090からのデータストリームに関するフィルタルールを含むメッセージ)を生成して、MAG1020に送信するように指示する。これにより、MAG1020は、CN1090からのデータストリームをMAG1060に転送するようになる。
また、CN1100からMN1000にデータパケットの送信が開始された場合、MAG1030は、そのデータパケットを受信すると、NetLMMプロトコルの処理に従ってLMA1010にデータパケットを転送するか、あるいは、LMA1010に対して問い合わせを行う。LMA1010は、MN1000がすべての他のトラフィックに対して既存のルールを設定し、フィルタルール及びMAG1080のあて先MAG値を有するフィルタメッセージによって、MAG1030のアップデートのみを行う。
なお、パッシブモードの動作では、NetLMMドメインに対して実際には使用しないかもしれないフィルタルールによる負荷をかけず、上述の解決方法のスケーラビリティが増加するという利点がある。
また、必ずしもすべてのフィルタルールをMAGに通知しなければならないという訳ではなく、特定のMAGの処理負荷が大きくこれ以上処理負荷を上げるべきではない場合や、LMA自身の処理能力に余裕がある場合は、LMAがフィルタルールを適用したデータパケットの転送を行うようにしてもよい。さらに、LMA及びMAGの状況に応じて、LMAとMAGとの間において分担する処理量を動的に変更してもよい。この状況確認のためにLMA及びMAGは、互いに現在の処理量について問い合わせ/通知のメッセージを交換するようにしてもよい。
また、図5には、本発明の実施の形態におけるLMAの動作の一例が図示されている。LMAは、モバイルノードによってリクエストされたフローフィルタリングルールを受信すると(ステップS510)、このフローフィルタリングルールが含まれているメッセージの正当性及び真正性を検証した後、ポリシエンジン340に問い合わせを行って、ポリシによって規定されている正しい動作方針を特定する。
ここで、ポリシによって、LMAが本発明に係る解決方法を行うと規定されている場合、LMAはモバイルノードによってリクエストされている各フローフィルタリングルールを検査して、それぞれのフローフィルタリングルールによって影響を受けるMAGを決定する(ステップS520)。なお、LMAは、情報サービス350からの情報を参照して、それぞれのフローフィルタリングルールによって影響を受けるMAGを決定してもよい。
LMAは、影響を受けるオーバレイネットワークノード(MAG)や関連するフィルタルールのリストを取得した後、対応するフィルタルール(あるいはフィルタルールの一部の情報)を選択して、関連のあるMAG(影響を受けるMAG)のみアップデートすることが可能である(ステップS530)。また、例えばあて先MAGの値(アドレス)を指定して、特定のパケットの転送先を指示することも可能である。
また、図6には、本発明の実施の形態におけるMAGの動作の一例が図示されている。MAGは、フローフィルタリングルールを含むパケットが到着すると、まずパケットがモバイルノードから送信されたものか否かをチェックする(ステップS610)。パケットがモバイルノードから送信されたものであれば、MAGは、そのフローフィルタリングルールを含むパケットをLMAに転送する(ステップS620)。
パケットがモバイルノードから送信されたものではなく、LMAから送信されたものである場合には、MAGは、フィルタメッセージの存在をチェックする(ステップS630)。ここで、フィルタメッセージのフォーマットが見つからなかった場合には、MAGは、エラー通知(エラーリカバリ処理)を行う(ステップS640)。
一方、フィルタメッセージが見つかった場合には、MAGは、例えばフローフィルタリングプロトコル430におけるフィルタルールのアップデートや各ルールに対するあて先MAGを記憶する処理など、フィルタメッセージに対応した適切な処理を行う(ステップS650)。
なお、本発明は、フローフィルタリングルールの選択的なアップデートに限定されず、任意の機能(例えば、モバイルノードが使用するスケーラブルではない他の機能)のアップデートに利用されてもよい。このような機能の一例としては、QoS(Quality of Service)保証されたパス情報や、その他の種類のトポロジ依存情報(ネットワークトポロジに依存した情報)などが挙げられる。
QoS保証のパス情報の例の場合、MN1000は、CN1090から自身(MN1000)までのQoS保証されたパスの確立をリクエストする可能性がある。このとき、本発明によって、すべてのMAGがこのパスのネットワークリソースの予約を行う必要はなく、その代わり、CN1090からMN1000までのパス上の通信装置(MAG1020、1040、1060)においてのみ選択的にリソース予約が行われる。
また、フローマネージャ330は、ネットワークのどこに配置されていてもよく、例えば、離れた場所に存在するセントラルサーバであってもよい。また、セントラルサーバは、NetLMMアーキテクチャの一部であってもよく、またそうでなくてもよい。フローマネージャの機能を有するセントラルサーバが存在する場合、MAGは、すべてのフィルタルールをセントラルサーバに転送する。そして、フローマネージャの機能を有するセントラルサーバは、フィルタルールを反映させるMAGを選択し、各MAGに関連する必要なフィルタルールの情報を選択された各MAGに分配する。
また、フィルタルールマネージャ410も、物理的に離れた場所に存在していてもよい。また、フローマネージャ330及びフィルタルールマネージャ410が、1つのエンティティ内に共存していてもよい。
また、本明細書では、NetLMMインフラストラクチャの構成としてLMAとMAGによるローカルIPモビリティのサポートを採用した例について示したが、PMIP−HAとPMA(Proxy Mobile Agent)によるローカルIPモビリティのサポート(PMIP:Proxy Mobile IP)を採用した場合でも同様に本発明が適用できる。この場合、PMIP−HAはLMAに相当し、PMAはMAGに相当する。また、それぞれのメッセージのタイミング、組み合わせ、分割はPMIPのメッセージ体系の中で用いられるように改変され得ることは、当業者にとっては明らかである。
また、本発明によれば、局所移動管理プロトコル(例えば、NetLMMなど)において伝送されるパケットの転送先を管理する通信装置(例えば、LMAなど)において、移動端末によって設定されたパケット転送時のフィルタルールが登録されることを特徴とする通信装置も提供される。これにより、例えばLMAなどのパケットが集まるポイントでパケットに対してフィルタルールが一括して適用されるようになり、フィルタルールが確実に適用されるようになるとともに、NetLMMにおけるパケット転送に対してフィルタルールの適用が容易に行えるようになる。
なお、本明細書では、MNのネットワークインタフェースが複数であることを前提に説明を行っているが、本発明を実施するうえでの論理的なインタフェースが複数あればよい。例えば、1つの無線部を複数の接続方式で共用し、ネットワークインタフェースの観点からはその変化が問題にならない程度の速度で切り替えたり、レイヤ2で論理的なリンクを維持したりすることにより、ネットワーク部からは複数のインタフェースを介してネットワークに接続している場合と同等に動作できるよう構成されていてもよい。
また、MNのネットワークインタフェースが1つであっても、通信のためのデータフローを制御できれば本発明の方法を使用することができる。
なお、本明細書では、本発明が最も実用的かつ好適な実施例となるように考慮されて図示及び説明されているが、当業者であれば、フローマネージャ330やその他の構成要素に係る設計やパラメータの詳細において、発明の範囲から逸脱しない程度に様々な変更が行われてもよいことは明白である。
なお、上記の本発明の実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
本発明は、ネットワークにおけるパケット伝送を最適化するという効果を有しており、パケット交換型データ通信ネットワークのシステムにおける通信技術分野に適用可能である。また、特に、本発明は、通信ネットワークドメイン内を移動するモバイルノードの移動管理(位置管理)及びネットワークにおけるパケット転送経路の管理を行う技術に適用可能である。
従来の技術及び本発明に共通するネットワーク構成の一例を示す図 本発明の実施の形態におけるフィルタメッセージのフォーマットの一例を示す図 本発明の実施の形態におけるLMAの構成の一例を示す図 本発明の実施の形態におけるMAGの構成の一例を示す図 本発明の実施の形態におけるLMAの動作の一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態におけるMAGの動作の一例を示すフローチャート

Claims (6)

  1. ネットワークに接続可能であり、前記ネットワークにおけるパケットの転送先を管理するネットワーク管理装置であって、
    前記ネットワークからパケットを受信するパケット受信手段と、
    前記パケット受信手段で受信した前記パケットの中から、移動端末によって設定されたパケット転送時のフィルタルールを抽出するフィルタルール抽出手段と、
    前記フィルタルール抽出手段で抽出された前記フィルタルールを検査して、前記ネットワーク内に存在するパケット転送装置の中で、前記フィルタルールによって影響を受ける前記パケット転送装置を特定する転送経路特定手段と、
    前記フィルタルールに含まれる情報から前記転送経路特定手段によって特定された前記パケット転送装置に必要な情報を抽出し、前記転送経路特定手段によって特定された前記パケット転送装置に通知するフィルタルール通知手段とを、
    有するネットワーク管理装置。
  2. 前記フィルタルールで規定されている前記パケットの新たな転送先を、前記転送経路特定手段によって特定された前記パケット転送装置に通知するパケット転送先通知手段を有する請求項1に記載のネットワーク管理装置。
  3. 前記フィルタルールで規定されている前記パケットの新たな転送先を取得する転送先取得手段を有する請求項1に記載のネットワーク管理装置。
  4. ネットワークに接続可能であり、前記ネットワークにおけるパケットの転送を行うパケット転送装置であって、
    特定のパケットの転送条件を定めたフィルタルールを格納するフィルタルール格納手段と、
    前記フィルタルール格納手段に格納されている前記フィルタルールに基づいて、前記パケットを転送するパケット転送手段と、
    前記ネットワークに接続されており前記パケットの転送先を管理するネットワーク管理装置から、特定のパケットの転送条件を定めたフィルタルールを受信するフィルタルール受信手段と、
    前記フィルタルール受信手段で受信した前記フィルタルールを用いて、前記フィルタルール格納手段に格納されている前記フィルタルールのアップデートを行うフィルタルールアップデート手段とを、
    有するパケット転送装置。
  5. 移動端末から、特定のパケットの転送条件を定めたフィルタルールを受信するフィルタルールリクエスト受信手段と、
    前記フィルタルールリクエスト受信手段で受信した前記フィルタルールを、前記ネットワークに接続されており前記パケットの転送先を管理するネットワーク管理装置に転送するフィルタルール転送手段とを、
    有する請求項4に記載のパケット転送装置。
  6. 前記フィルタルールで規定されている前記パケットの新たな転送先を取得するパケット転送先取得手段と、
    前記パケット転送先取得手段で取得した前記新たな転送先を、前記フィルタルールと関連付けて記憶する転送先記憶手段とを有し、
    前記パケット転送手段が、前記フィルタルールに基づいて前記パケットを転送する際に、前記フィルタルールに関連付けられている前記新たな転送先に前記パケットをトンネルするように構成されている請求項4に記載のパケット転送装置。
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