WO2007080641A1

WO2007080641A1 - 送信波除去装置

Info

Publication number: WO2007080641A1
Application number: PCT/JP2006/300299
Authority: WO
Inventors: Yoshinori Takahashi
Original assignee: Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha
Priority date: 2006-01-12
Filing date: 2006-01-12
Publication date: 2007-07-19

Abstract

　送信波除去成分の位相を調整する可変移相器と、送信波除去成分の振幅を調整する可変利得増幅器とを備え、送信波漏洩成分が受信側の特性に影響を与えない場合に、可変移相器及び可変利得増幅器の電源供給を停止させる。

Description

明細書

送信波除去装置

技術分野

[0001] この発明は、共通のアンテナで送信及び受信の同時動作を行う無線通信装置にお V、て、送信側から受信側への送信波漏洩成分を除去する送信波除去装置に関するものである。

背景技術

[0002] 第 1図は共通のアンテナで送信及び受信の同時動作を行う従来の無線通信装置の構成を示すブロック図である。この第 1図では、無線通信装置におけるアンテナ 20 1、アンテナ共用器 202、受信低雑音増幅器 203、段間帯域フィルタ 204、受信ミキサ 205及び送信高出力増幅器 206を図示している。

[0003] 次に動作について説明する。

第 1図において、送信側の送信高出力増幅器 206から出力された送信波はアンテナ共用器 202を介してアンテナ 201から空中に送信される力一部の送信波はアンテナ共用器 202を介して受信側の受信低雑音増幅器 203の入力に漏れて送信波漏洩成分として入力される。この送信波漏洩成分は受信低雑音増幅器 203で増幅されて次段に出力され受信ミキサ 205の特性を劣化させる。そこで、受信低雑音増幅器 2 03と受信ミキサ 205の間に段間帯域フィルタ 204を接続して、送信波漏洩成分を減衰させることにより、受信ミキサ 205の特性劣化を防いでいる。

[0004] なお、段間帯域フィルタ 204を使用せずに、アンテナ共用器 202で送信機カも受信機へ回り込む送信波漏洩成分を削減しょうとすると、アンテナ共用器 202の構成が複雑になり、特に小型 ·軽量ィ匕が要求される無線通信装置の場合には、アンテナ共用器 202で送信波漏洩成分を削減することは困難である。

[0005] この無線通信装置において、送信波漏洩成分と受信帯域外の妨害波が混変調して受信帯域に不要波を発生させることにより生じる受信感度劣化を防ぐためには、受信低雑音増幅器 203に高い線形性が必要になり、受信低雑音増幅器 203の消費電流が増大する原因となる。また、段間帯域フィルタ 204は急峻な減衰特性を要求されるために集積回路への置き換えが困難になり、部品点数の増加及び実装面積の増大の原因となっている。

[0006] なお、段間帯域フィルタ 204の減衰特性に関する仕様として、例えば W— CDMA ( Wideband し ode Division Multiple Access)ンスアムでは、 Out of— band Blockingといつ仕様があり、これは送信機側が 20dbmの送信電力を出力した状態で、 1MHzから 1 2. 75GHzまで ΙΜζ間隔で、ずらしながら妨害波を受信機に注入しても、ビットエラ一レートが 0. 1%になる受信信号レベルが基準感度点 + 3dBより低い必要がある。

[0007] また、妨害波除去に関連する技術として、例えば特許文献 1に示す妨害波除去装置がある。ここでは、複数の送信機と受信機が個別のアンテナに接続され近接配置された無線装置において、送信機とそれに接続されたアンテナとの間から送信電波成分を導出し、その位相とレベルの少なくとも一方を調整した後、受信機とそれに接続されたアンテナとの間に注入することで、送信用アンテナから発射され、受信用ァンテナを経て受信機に流入する送信波漏洩成分を相殺除去している。

[0008] 特許文献 1 :特開平 7— 30459号公報 (段落 0008、図 1、図 2)

[0009] 従来の無線通信装置は以上のように構成されているので、受信低雑音増幅器 203 と受信ミキサ 205の間に段間帯域フィルタ 204が必要となり、集積ィ匕が困難で実装面積の小型化が困難という課題があった。

[0010] また、送信波の漏れと受信帯域外の妨害波が混変調して受信帯域に不要波を発生させることにより生じる受信感度劣化を防ぐために、受信低雑音増幅器 203に高い線形性が必要になり、受信低雑音増幅器 203の消費電流が増大するという課題があつた o

[0011] この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、送信側力受信側に回り込む送信波漏洩成分を除去し、小型で低消費電力の無線通信装置を実現できる送信波除去装置を得ることを目的とする。

発明の開示

[0012] この発明に係る送信波除去装置は、送信波の一部を受信側に回り込む送信波漏洩成分を除去するための送信波除去成分として抽出する第 1の方向性結合器と、該第 1の方向性結合器により抽出された送信波除去成分の位相を調整する可変移相器と、上記第 1の方向性結合器により抽出された送信波除去成分の振幅を調整する可変利得増幅器と、上記送信波漏洩成分と、上記可変移相器及び上記可変利得増幅器により位相及び振幅が調整された送信波除去成分を合成する第 2の方向性結合器と、該第 2の方向性結合器から出力される送信波漏洩成分が最小になるように、上記可変移相器の位相及び上記可変利得増幅器の利得を設定する制御部とを備え、送信波漏洩成分が受信側の特性に影響を与えない場合に、上記制御部は上記可変移相器及び上記可変利得増幅器の電源供給を停止させることを特徴とするものである。

[0013] この発明により、小型で低消費電力の無線通信装置を得ることができるという効果が得られる。

図面の簡単な説明

[0014] [図 1]従来の無線通信装置の構成を示すブロック図である。

[図 2]この発明の実施の形態 1による送信波除去装置を適用した無線通信装置の構成を示すブロック図である。

[図 3]この発明の実施の形態 1による送信波除去装置のベースバンド処理部の構成を示すブロック図である。

[図 4]この発明の実施の形態 1による送信波除去装置の処理の流れを示すフローチヤートである。

[図 5]この発明の実施の形態 1による送信電力変化時の送信波除去装置の動作制御を説明する図である。

[図 6]この発明の実施の形態 2による送信波除去装置を適用した無線通信装置の構成を示すブロック図である。

[図 7]この発明の実施の形態 3による送信波除去装置を適用した無線通信装置の構成を示すブロック図である。

[図 8]この発明の実施の形態 3による送信波除去装置のベースバンド処理部の構成を示すブロック図である。

[図 9]この発明の実施の形態 4による送信波除去装置を適用した無線通信装置の構成を示すブロック図である。 [図 10]この発明の実施の形態 5による送信波除去装置を適用した無線通信装置の構成を示すブロック図である。

[図 11]この発明の実施の形態 5による送信波除去装置のベースバンド処理部の構成を示すブロック図である。

[図 12]この発明の実施の形態 6による送信波除去装置を適用した無線通信装置の構成を示すブロック図である。

発明を実施するための最良の形態

[0015] 以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための最良の形態について、添付の図面に従って説明する。

実施の形態 1.

第 2図はこの発明の実施の形態 1による送信波除去装置を適用した無線通信装置の構成を示すブロック図である。

この無線通信装置は、アンテナ 1、アンテナスィッチ 2、アンテナ共用器 3、方向性結合器 4、受信低雑音増幅器 5、受信ミキサ 6、ベースバンド処理部 7、送信変調器 8 、送信可変利得増幅器 9、送信高出力増幅器 10、方向性結合器 11、可変移相器 1 2、可変利得増幅器 13、電源部 14、受信用局部発振器 15、送信用局部発振器 16 及び局部発振器用スィッチ 17を備えている。

[0016] 第 2図において、アンテナスィッチ 2、方向性結合器 4、ベースバンド処理部 7、方向性結合器 11、可変移相器 12、可変利得増幅器 13、電源部 14及び局部発振器用スイッチ 17により送信波除去装置 101を構成している。

なお、第 2図では、受信低雑音増幅器 5、受信ミキサ 6及びベースバンド処理部 7により受信側を構成し、ベースバンド処理部 7、送信変調器 8、送信可変利得増幅器 9 及び送信高出力増幅器 10により送信側を構成している。

[0017] 第 3図はベースバンド処理部 7の構成を示すブロック図である。第 3図において、ベースバンド処理部 7は、受信信号処理部 51、送信波除去信号電力制御用 DAC (Dig ital Analog Converter) 52、送信波除去信号位相制御用 DAC53、送信用 IQ信号源 54、検査用信号源 55、入力信号用スィッチ 56、送信電力制御用 DAC57及び制御部 58を備えている。 [0018] 次に動作について説明する。

第 2図において、受信用局部発振器 15は受信ミキサ 6で使用する受信用の局部発振信号を出力し、送信用局部発振器 16は送信変調器 8で使用する送信信号用の局部発振信号を出力する。送信変調器 8はベースバンド処理部 7からの送信信号 TXを、送信用局部発振器 16からの送信用の局部発振信号を使用して、無線帯域に送信可能な送信波に変調する。

[0019] 送信可変利得増幅器 9は、ベースバンド処理部 7の制御部 58からの送信電力制御用 DAC57を介してからの制御電圧 Vcに基づき、送信変調器 8からの送信波を増幅し、送信高出力増幅器 10は送信可変利得増幅器 9からの送信波を増幅して方向性結合器 11に出力する。

[0020] 方向性結合器 11は送信高出力増幅器 10から出力される送信波の一部を、アンテナ共用器 3から受信機に回り込む送信波漏洩成分を除去するための送信波除去成分として抽出する。可変移相器 12は、ベースバンド処理部 7の制御部 58からの送信波除去信号位相制御用 DAC53を介しての制御電圧 Vpに基づき、方向性結合器 1 1からの送信波除去成分の位相を調整する。

[0021] 可変利得増幅器 13は、ベースバンド処理部 7の制御部 58からの送信波除去信号電力制御用 DAC52を介しての制御電圧 Vgに基づき、可変移相器 12により位相が調整された送信波除去成分の振幅を調整する。方向性結合器 4は、アンテナ共用器 3から回り込んだ送信波漏洩成分と、可変移相器 12及び可変利得増幅器 13により位相及び振幅が調整された送信波除去成分を合成する。

[0022] また、アンテナスィッチ 2は、ベースバンド処理部 7の制御部 58からの制御信号 Ant SWに基づき、アンテナ 1とアンテナ共用器 3を接続又は遮断する。局部発振器用スイッチ 17は、ベースバンド処理部 7の制御部 58からの制御信号 LoSWに基づき、受信ミキサ 6に受信接続される局部発信器を受信用局部発振器 15又は送信用局部発信器 16に切り換える。電源部 14は、ベースバンド処理部 7の制御部 58からの制御信号 Vrに基づき、可変移相器 12及び可変利得増幅器 13に電源を供給したり停止する。

[0023] 第 3図のベースバンド処理部 7において、受信信号処理部 51は受信ミキサ 6からの受信信号 RXの受信レベルを検出すると共に、受信信号 RXをディジタル信号に復調する。

[0024] また、ベースバンド処理部 7において、制御部 58は、局部発振器用スィッチ 17を切り換えるための制御信号 LoSWを出力し、電源部 14を制御するための制御信号 Vr を出力し、送信電力制御用 DAC57を介して送信可変利得増幅器 9の利得を制御するための制御電圧 Vcを出力し、アンテナスィッチ 2を切り換えるための制御信号 Ant SWを出力すると共に、受信信号処理部 51により検出された受信レベルに対応して、送信波除去信号位相制御用 DAC53及び送信波除去信号電力制御用 DAC52を介して制御電圧 Vp, Vgを出力し、可変移相器 12の位相及び可変利得増幅器 13の利得を設定する。

[0025] さらに、ベースバンド処理部 7において、送信用 IQ信号源 54は、送信するディジタル信号を所定の変調方式に対応するアナログ信号に変換して、同相（In-phase)成分 (I成分）と直角位相 (Quadrature)成分 (Q成分）とからなる送信信号 TXを出力し、検査用信号源 55は検査用信号を出力し、入力信号用スィッチ 56は制御部 58の指示に基づき送信信号 TX又は検査用信号を切り換えて送信変調器 8に出力する。

[0026] 第 4図はこの発明の実施の形態 1による送信波除去装置 101の処理の流れを示すフローチャートである。

ステップ ST11にお、て、ベースバンド処理部 7の制御部 58は可変移相器 12及び可変利得増幅器 13を動作させるための制御信号 Vrを電源部 14に出力し、可変移相器 12及び可変利得増幅器 13に電源を供給させる。ステップ ST12において、ベースバンド処理部 7の制御部 58は、アンテナ 1を遮断させるための制御信号 AntSW をアンテナスィッチ 2に出力し、アンテナ 1とアンテナ共用器 3との接続を遮断する。

[0027] ステップ ST13において、ベースバンド処理部 7の制御部 58は送信用局部発振器 1 6を接続させるための制御信号 LoSWにより局部発振器用スィッチ 17を送信用局部発振器 16側に設定し、送信用局部発振器 16と受信ミキサ 6を接続し、受信ミキサ 6を使用して送信帯域の復調が可能な状態にする。ステップ ST14において、ベースバンド処理部 7の制御部 58は、入力信号用スィッチ 56を検査用信号源 55側に設定して、検査用信号源 55からの検査用信号を送信変調器 8に出力させる。 [0028] 送信変調器 8は、入力信号用スィッチ 56からの検査用信号を、送信用局部発振器 16からの送信用の局部発振信号を使用して、無線帯域に送信可能な検査波に変調する。送信可変利得増幅器 9を介して送信高出力増幅器 10から出力された検査波は、方向性結合器 11を介してアンテナ共用器 3に入力される力アンテナスィッチ 2 により遮断されているためアンテナ 1には出力されず、検査波漏洩成分が方向性結合器 4に出力される。

[0029] また、送信高出力増幅器 10から出力された検査波は、方向性結合器 11によりアンテナ共用器 3から受信機に回り込む検査波漏洩成分を除去するための検査波除去成分として抽出され、可変移相器 12を介して可変利得増幅器 13に入力される。

[0030] ステップ ST15において、ベースバンド処理部 7の制御部 58は、送信波除去信号電力制御用 DAC52を介しての制御電圧 Vgにより、可変利得増幅器 13の利得を徐々に上げてゆき、調整開始時の利得から、例えば 3dB程度上昇させることにより、可変利得増幅器 13の利得の初期設定を行う。可変利得増幅器 13は、ベースバンド処理部 7からの制御電圧 Vgに基づき、可変移相器 12からの検査波除去成分の振幅を調整し、方向性結合器 4は、アンテナ共用器 3から回り込んだ検査波漏洩成分と、可変利得増幅器 13からの検査波除去成分を合成する。合成された検査波漏洩成分と検査波除去成分は、受信低雑音増幅器 5及び受信ミキサ 6を介して、ベースバンド処理部 7の受信信号処理部 51に入力される。

[0031] ステップ ST16において、受信信号処理部 51は受信ミキサ 6からの受信レベルを確認する。ステップ ST17において、制御部 58は、受信信号処理部 51の受信レベルの確認結果に基づき、方向性結合器 11から出力され受信低雑音増幅器 5に入力される検査波漏洩成分が最小になるように、すなわち、方向性結合器 4に入力されるアンテナ共用器 3から回り込んだ検査波漏洩成分と可変利得増幅器 13から入力される検查波除去成分が逆位相になるように、送信波除去信号位相制御用 DAC53を介して制御電圧 Vpを出力し、可変移相器 12の位相を設定する。

[0032] このとき、制御部 58は、可変移相器 12に設定する位相と入力される受信レベルを対応付けて内部のメモリ（図示せず）に記憶し、可変移相器 12の位相の設定を複数回行ヽ、最も受信レベルが小さヽ位相を最終的な可変移相器 12の位相として設定する。

[0033] ステップ ST18において、制御部 58は、受信信号処理部 51の受信レベルの確認結果に基づき、方向性結合器 4力も出力され受信低雑音増幅器 5に入力される検査波漏洩成分が最小になるように、すなわち、方向性結合器 4に入力されるアンテナ共用器 3から回り込んだ検査波漏洩成分と可変利得増幅器 13から入力される検査波除去成分が等振幅になるように、送信波除去信号電力制御用 DAC52を介して制御電圧 Vgを出力し、可変利得増幅器 13の利得を設定する。

[0034] このとき、制御部 58は、可変利得増幅器 13に設定する利得と入力される受信レべルを対応付けて内部のメモリ（図示せず）に記憶し、可変利得増幅器 13の利得の設定を複数回行って、最も受信レベルが小さい利得を、最終的な可変利得増幅器 13 の利得として設定する。

[0035] ステップ ST19において、ベースバンド処理部 7の制御部 58は、入力信号用スイツチ 56を送信用 IQ信号源 54側に設定し、送信用 IQ信号源 54からの送信信号 TXを送信変調器 8に出力する。ステップ ST20において、制御部 58は制御信号 LoSWに基づき局部発振器用スィッチ 17を受信用局部発振器 15側に設定し、受信用局部発振器 15と受信ミキサ 6を接続し、受信ミキサ 6を使用して受信帯域の復調が可能な状態にする。ステップ ST21において、制御部 58はアンテナ 1を接続するための制御信号 AntSWをアンテナスィッチ 2に出力し、アンテナ 1とアンテナ共用器 3とを接続する

[0036] このように、検査用信号を使用して、送信波除去装置 101における可変移相器 12 の最適な位相と可変利得増幅器 13の最適な利得を調整することができる。

[0037] 実際に、送信信号 TXを使用してアンテナ 1から空中に送信される場合に、送信波除去装置 101による送信波漏洩成分の低減処理は、検査信号を使用した場合と同様である。この場合、ベースバンド処理部 7の制御部 58は、入力信号用スィッチ 56を送信用 IQ信号源 54側に設定し、制御信号 LoSWに基づき局部発振器用スィッチ 1 7を受信用局部発振器 15側に設定し、アンテナ 1を接続するための制御信号 AntS Wをアンテナスィッチ 2に出力する。

[0038] 第 5図は送信電力変化時の送信波除去装置の動作制御を説明する図である。送信電力はベースバンド処理部 7から送信可変利得増幅器 9に与える制御電圧 Vcにより変化するが、第 5図では、変化させたときの送信電力（縦軸)と送信可変利得増幅器 9に与える制御電圧 Vc (横軸）との関係を示している。第 5図において、最大送信電力を Pl、受信機の特性上送信電力の漏れが問題にならない電力を P2、それぞれの電力に対応する送信可変利得増幅器 9に与える制御電圧を Vc 1 , Vc2とする。

[0039] 送信電力が受信機の特性に影響を及ぼす制御電圧 Vcが Vclから Vc2の間は送信波除去動作が必要になるため、制御部 58は電源部 14に対して可変移相器 12及び可変利得増幅器 13を動作状態にする制御信号 Vrを出力し、可変移相器 12及び可変利得増幅器 13に電源を供給して動作状態にする。制御電圧 Vcが Vc2以下の場合は送信波除去動作が不要になるため、制御部 58は電源部 14に対して可変移相器 12及び可変利得増幅器 13を停止状態にする制御信号 Vrを出力し、可変移相器 12及び可変利得増幅器 13の電源供給を停止させ電力消費を抑える。

[0040] 以上のように、この実施の形態 1によれば、可変移相器 12及び可変利得増幅器 13 力制御部 58からの設定に基づき、方向性結合器 4力出力され受信低雑音増幅器 5に入力される送信波漏洩成分が最小になるように、送信波除去成分の位相及び振幅を調整し、送信側から受信側に回り込む送信波漏洩成分を除去することにより、段間帯域フィルタが不要となり、受信低雑音増幅器 5に高い線形性が不要となるので、小型で低消費電力の無線通信装置を得ることができるという効果が得られる。

[0041] また、この実施の形態 1によれば、送信波漏洩成分が受信側の特性に影響を与えない場合に、制御部 58は電源部 14に対して可変移相器 12及び可変利得増幅器 1 3の電源供給を停止させることにより、電力消費を抑えることができるという効果が得られる。

[0042] さらに、この実施の形態 1によれば、制御部 58が検査用信号を使用して可変移相器 12の最適な位相と可変利得増幅器 13の最適な利得を調整することにより、無線通信装置の実使用状態前に、送信波除去装置 101を最適な状態に設定することができるという効果が得られる。

[0043] 実施の形態 2.

第 6図はこの発明の実施の形態 2による送信波除去装置を適用した無線通信装置の構成を示すブロック図である。この無線通信装置は、上記実施の形態 1の第 2図に示す方向性結合器 4と受信低雑音増幅器 5の接続順序を入れ換えたものであり、その他の構成は図 1と同じである。

また、この実施の形態 2におけるベースバンド処理部 7の構成を示すブロック図は上記実施の形態 1の第 3図に示すベースバンド処理部 7と同じである。

[0044] 上記実施の形態 1では、受信低雑音増幅器 5の入力側に方向性結合器 4を接続して送信波漏洩成分の除去を行っていたが、この実施の形態 2では、受信低雑音増幅器 5の出力側に方向性結合器 4を接続して送信波漏洩成分の除去を行うものである

[0045] 無線通信装置によっては非常に低い電力の受信感度を要求される場合があり、受信低雑音増幅器 5の入力側に方向性結合器 4を接続することによる損失が無視できない場合には、第 6図に示すように、受信低雑音増幅器 5の出力側に方向性結合器 4を接続することにより、受信ミキサ 6に入力される送信波漏洩成分を除去することができる。

[0046] 次に動作について説明する。

方向性結合器 4は受信低雑音増幅器 5からの送信波漏洩成分と、可変移相器 12 及び可変利得増幅器 13により位相及び振幅が調整された送信波除去成分を合成する。

[0047] ベースバンド処理部 7の制御部 58は、方向性結合器 4から出力され受信ミキサ 6に入力される送信波漏洩成分が最小になるように、すなわち、アンテナ共用器 3から回り込み受信低雑音増幅器 5で増幅された送信波漏洩成分と可変利得増幅器 13から入力される送信波除去成分が等振幅でかつ逆位相になるように、送信波除去信号位相制御用 DAC53及び送信波除去信号電力制御用 DAC52を介して制御電圧 V p, Vgを出力し、可変移相器 12の位相及び可変利得増幅器 13の利得を設定する。その他の動作は上記実施の形態 1と同様である。

[0048] 以上のように、この実施の形態 2によれば、可変移相器 12及び可変利得増幅器 13 力制御部 58からの設定に基づき、方向性結合器 4から出力され受信ミキサ 6に入力される送信波漏洩成分が最小になるように、送信波除去成分の位相及び振幅を調整し、送信側から受信側に回り込む送信波漏洩成分を除去することにより、段間帯域フィルタが不要となり、受信低雑音増幅器 5に高い線形性が不要となるので、小型で低消費電力の無線通信装置を得ることができるという効果が得られる。

[0049] 実施の形態 3.

第 7図はこの発明の実施の形態 3による送信波除去装置を適用した無線通信装置の構成を示すブロック図である。この無線通信装置は、アンテナ 1、アンテナ共用器 3 、方向性結合器 4、受信低雑音増幅器 5、受信ミキサ 6、送信変調器 8、送信可変利得増幅器 9、送信高出力増幅器 10、可変利得増幅器 13、受信用局部発振器 15、送信用局部発振器 16、ベースバンド処理部 21、除去成分変調器 22及び加算器 23 を備えている。

[0050] 第 7図において、方向性結合器 4、可変利得増幅器 13、ベースバンド処理部 21、除去成分変調器 22及び加算器 23により送信波除去装置 102を構成している。

[0051] 第 8図はベースバンド処理部 21の構成を示すブロック図である。第 8図において、ベースバンド処理部 21は、受信信号処理部 51、送信電力制御用 DAC57、送信電力オフセット DAC61、位相調整機能付送信用 IQ信号源 62及び制御部 63を備えている。

[0052] 次に動作について説明する。

ベースバンド処理部 21において、受信信号処理部 51の処理は上記実施の形態 1 の図 3に示す受信信号処理部 51の処理と同じである。制御部 63は、送信電力制御用 DAC57を介して送信可変利得増幅器 9の利得を制御するための制御電圧 Vcを出力すると共に、受信信号処理部 51により検出された受信レベルに対応して、送信電力オフセット DAC61を介して制御電圧 Vfを出力し、送信信号 TXに対して位相をオフセットさせた送信信号 TX'を発生するよう位相調整機能付送信用 IQ信号源 62 に指示する。

[0053] また、ベースバンド処理部 21にお、て、位相調整機能付送信用 IQ信号源 62は、送信するディジタル信号を所定の変調方式に対応するアナログ信号に変換して、同相（In-phase)成分 (I成分）と直角位相 (Quadrature)成分 (Q成分）とからなる送信信号 TXを出力すると共に、制御部 63からの指示に基づき、送信信号 TXに対して、受信信号処理部 51により検出された受信レベルに対応して、位相をオフセットさせた送信信号 TX'を出力する。

[0054] 受信用局部発振器 15は受信ミキサ 6で使用する受信用の局部発振信号を出力し、送信用局部発振器 16は送信変調器 8及び除去成分変調器 22で使用する送信信号 TX用及び位相をオフセットさせた送信信号 TX'用の局部発振信号を出力する。

[0055] 送信変調器 8は、位相調整機能付送信用 IQ信号源 62からの送信信号 TXを、送信用局部発振器 16からの送信用の局部発振信号を使用して、無線帯域に送信可能な送信波に変調する。

[0056] 送信可変利得増幅器 9はベースバンド処理部 21からの制御電圧 Vcに基づき利得を調整して送信変調器 8からの送信波を増幅する。送信高出力増幅器 10、アンテナ共用器 3及びアンテナ 1の動作は上記実施の形態 1と同様である。

[0057] 除去成分変調器 22は、位相調整機能付送信用 IQ信号源 62からの位相がオフセットされた送信信号 TX'を、送信用局部発振器 16からの送信用の局部発振信号を使用して、無線帯域に送信可能な送信波除去成分に変調する。

[0058] 力!]算器 23は、制御部 63からの送信電力オフセット DAC61を介しての制御電圧 Vf と、制御部 63からの送信電力制御用 DAC57を介しての制御電圧 Vcとを加算して、加算した制御電圧 Vgを可変利得増幅器 13に出力する。

[0059] 可変利得増幅器 13は、加算器 23からの制御電圧 Vgに基づき利得を調整し、除去成分変調器 22からの送信波除去成分を増幅する。方向性結合器 4はアンテナ共用器 3から回り込んだ送信波漏洩成分と、位相調整機能付送信用 IQ信号源 62及び可変利得増幅器 13により位相及び利得が調整された送信波除去成分を合成する。

[0060] 方向性結合器 4からの送信波漏洩成分は受信低雑音増幅器 5及び受信ミキサ 6を介して受信信号 RXとしてベースバンド処理部 21に入力される。ベースバンド処理部 21において、受信信号処理部 51は受信ミキサ 6からの受信信号 RXの受信レベルを検出すると共に、受信信号 RXをディジタル信号に復調する。

[0061] 制御部 63は、受信信号処理部 51により検出された受信レベルの確認結果に基づき、送信波漏洩成分が最小になるように、すなわち、方向性結合器 4に入力されるァンテナ共用器 3からの送信波漏洩成分と可変利得増幅器 13からの送信波除去成分が逆位相になるように、位相調整機能付送信用 IQ信号源 62に、位相をオフセットさせた送信波 TX'を発生させる。

[0062] また、制御部 63は、受信信号処理部 51により検出された受信レベルの確認結果に基づき、送信波漏洩成分が最小になるように、すなわち、方向性結合器 4に入力されるアンテナ共用器 3からの送信波漏洩成分と可変利得増幅器 13からの送信波除去成分が等振幅になるよう、送信電力オフセット DAC61を介して制御電圧 Vfを設定する。加算器 23は制御電圧 Vfと制御部 63からの送信電力制御用 DAC57を介しての制御電圧 Vcとを加算した制御電圧 Vgを可変利得増幅器 13に出力する。

[0063] 以上のように、この実施の形態 3によれば、位相調整機能付送信用 IQ信号源 62及び可変利得増幅器 13が、方向性結合器 4カゝら出力され受信低雑音増幅器 5に入力される送信波漏洩成分が最小になるように、送信波除去成分の位相及び振幅を調整し、送信側から受信側に回り込む送信波漏洩成分を除去することにより、段間帯域フィルタが不要となり、受信低雑音増幅器 5に高い線形性が不要となるので、小型で低消費電力の無線通信装置を得ることができるという効果が得られる。

[0064] また、この実施の形態 3によれば、位相調整機能付送信用 IQ信号源 62を使用することにより、上記実施の形態 1で使用したアナログ型の可変移相器 12に比べて温度環境の影響を受けにく、と、う効果が得られる。

[0065] 実施の形態 4.

第 9図はこの発明の実施の形態 4による送信波除去装置を適用した無線通信装置の構成を示すブロック図である。この無線通信装置は、上記実施の形態 3の第 7図に示す方向性結合器 4と受信低雑音増幅器 5の接続順序を入れ換えたものであり、その他の構成は第 7図と同じである。

また、この実施の形態 4におけるベースバンド処理部 21の構成を示すブロック図は上記実施の形態 3の第 8図に示すベースバンド処理部 21と同じである。

[0066] 上記実施の形態 3では、受信低雑音増幅器 5の入力側に方向性結合器 4を接続して送信波漏洩成分の除去を行っていたが、この実施の形態 4では、受信低雑音増幅器 5の出力側に方向性結合器 4を接続して送信波漏洩成分の除去を行うものである [0067] 無線通信装置によっては非常に低い電力の受信感度を要求される場合があり、受信低雑音増幅器 5の入力側に方向性結合器 4を接続することによる損失が無視できない場合には、第 9図に示すように、受信低雑音増幅器 5の出力側に方向性結合器 4を接続することにより、受信ミキサ 6に入力される送信波漏洩成分を除去することができる。

[0068] 次に動作について説明する。

方向性結合器 4は受信低雑音増幅器 5からの送信波漏洩成分と、位相調整機能付送信用 IQ信号源 62及び可変利得増幅器 13により位相及び振幅が調整された送信波除去成分を合成する。

[0069] ベースバンド処理部 21の制御部 63は、方向性結合器 4から出力され受信ミキサ 6 に入力される送信波漏洩成分が最小になるように、すなわち、アンテナ共用器 3から回り込み受信低雑音増幅器 5で増幅された送信波漏洩成分と可変利得増幅器 13から入力される送信波除去成分が等振幅でかつ逆位相になるように、位相調整機能付送信用 IQ信号源 62の位相及び可変利得増幅器 13の利得を設定する。

その他の動作は上記実施の形態 3と同様である。

[0070] 以上のように、この実施の形態 4によれば、位相調整機能付送信用 IQ信号源 62及び可変利得増幅器 13が、制御部 63からの設定に基づき、方向性結合器 4から出力され受信ミキサ 6に入力される送信波漏洩成分が最小になるように、送信波除去成分の位相及び振幅を調整し、送信側から受信側に回り込む送信波漏洩成分を除去することにより、段間帯域フィルタが不要となり、受信低雑音増幅器 5に高い線形性が不要となるので、小型で低消費電力の無線通信装置を得ることができるという効果が得られる。

[0071] また、この実施の形態 4によれば、位相調整機能付送信用 IQ信号源 62を使用することにより、上記実施の形態 2で使用したアナログ型の可変位相器 12に比べて温度環境の影響を受けにく、と、う効果が得られる。

[0072] 実施の形態 5.

第 10図はこの発明の実施の形態 5による送信波除去装置を適用した無線通信装置の構成を示すブロック図である。この無線通信装置は、アンテナ 1、アンテナ共用器 3、方向性結合器 4、受信低雑音増幅器 5、受信ミキサ 6、送信変調器 8、送信可変利得増幅器 9、送信高出力増幅器 10、可変利得増幅器 13、受信用局部発振器 15 、除去成分変調器 22、加算器 23、ベースバンド処理部 31、シンセサイザ 32及び可変移相器 33を備えている。

[0073] 第 10図において、方向性結合器 4、可変利得増幅器 13、除去成分変調器 22、加算器 23、ベースバンド処理部 31及び可変移相器 33により送信波除去装置 103を構成している。

[0074] 第 11図はベースバンド処理部 31の構成を示すブロック図である。第 11図において、ベースバンド処理部 31は、受信信号処理部 51、送信用 IQ信号源 54、送信電力制御用 DAC57、送信電力オフセット DAC61、局部発振信号位相制御用 DAC71及び制御部 72を備えている。

[0075] 次に動作について説明する。

ベースバンド処理部 31において、受信信号処理部 51及び送信用 IQ信号源 54の処理は、上記実施の形態 1の図 3に示す受信信号処理部 51の処理及び送信用 IQ 信号源 54の処理と同じである。

[0076] 制御部 72は、送信電力制御用 DAC57を介して送信可変利得増幅器 9の利得を制御するための制御電圧 Vcを出力すると共に、受信信号処理部 51により検出された受信レベルに対応して、送信電力オフセット DAC61を介して、送信波漏洩成分が最小になるように、すなわち、方向性結合器 4に入力されるアンテナ共用器 3からの送信波漏洩成分と可変利得増幅器 13からの送信波除去成分が等振幅になるように制御電圧 Vfを出力し、局部発振信号位相制御用 DAC71を介して、送信波漏洩成分が最小になるように、すなわち、方向性結合器 4に入力されるアンテナ共用器 3からの送信波漏洩成分と可変利得増幅器 13からの送信波除去成分が逆位相になるように制御電圧 Vsを出力する。

[0077] シンセサイザ 32は送信変調器 8で使用する送信信号 TX用の局部発振信号を出力する。送信変調器 8は、送信用 IQ信号源 54からの送信信号 TXを、シンセサイザ 32 力もの送信用の局部発振信号をそのままの位相で使用して、無線帯域に送信可能な送信波に変調する。 [0078] 送信可変利得増幅器 9はベースバンド処理部 31からの制御電圧 Vcに基づき利得を調整して送信変調器 8からの送信波を増幅する。送信高出力増幅器 10、アンテナ共用器 3及びアンテナ 1の動作は上記実施の形態 1と同様である。

[0079] 可変移相器 33は、ベースバンド処理部 31の制御部 72からの局部発振信号位相制御用 DAC71を介して制御電圧 Vsに基づき、シンセサイザ 32からの送信用の局部発振信号の位相をオフセットさせる。

[0080] 除去成分変調器 22は、送信用 IQ信号源 54からの送信信号 TXを、可変移相器 33 力もの位相がオフセットされた送信用の局部発振信号を使用して、無線帯域に送信可能な送信波除去成分に変調する。

[0081] 加算器 23、可変利得増幅器 13、方向性結合器 4、受信低雑音増幅器 5、受信用局部発振器 15及び受信ミキサ 6の処理は、上記実施の形態 3の図 7に示す加算器 2 3、可変利得増幅器 13、方向性結合器 4、受信低雑音増幅器 5、受信用局部発振器 15及び受信ミキサ 6の処理と同じである。

[0082] 以上のように、この実施の形態 5によれば、可変移相器 33及び可変利得増幅器 13 力方向性結合器 4カゝら出力され受信低雑音増幅器 5に入力される送信波漏洩成分が最小になるように、送信波除去成分の位相及び振幅を調整し、送信側から受信側に回り込む送信波漏洩成分を除去することにより、段間帯域フィルタが不要となり、受信低雑音増幅器 5に高い線形性が不要となるので、小型で低消費電力の無線通信装置を得ることができるという効果が得られる。

[0083] 実施の形態 6.

第 12図はこの発明の実施の形態 6による送信波除去装置を適用した無線通信装置の構成を示すブロック図である。この無線通信装置は、上記実施の形態 5の第 10 図に示す方向性結合器 4と受信低雑音増幅器 5の接続順序を入れ換えたものであり、その他の構成は第 10図と同じである。

また、この実施の形態 6におけるベースバンド処理部 31の構成を示すブロック図は上記実施の形態 5の第 11図に示すベースバンド処理部 31と同じである。

[0084] 上記実施の形態 5では、受信低雑音増幅器 5の入力側に方向性結合器 4を接続して送信波漏洩成分の除去を行っていたが、この実施の形態 6では、受信低雑音増幅器 5の出力側に方向性結合器 4を接続して送信波漏洩成分の除去を行うものである

[0085] 無線通信装置によっては非常に低い電力の受信感度を要求される場合があり、受信低雑音増幅器 5の入力側に方向性結合器 4を接続することによる損失が無視できない場合には、第 12図に示すように、受信低雑音増幅器 5の出力側に方向性結合器 4を接続することにより、受信ミキサ 6に入力される送信波漏洩成分を除去することができる。

[0086] 次に動作について説明する。

方向性結合器 4は受信低雑音増幅器 5からの送信波漏洩成分と、可変移相器 33 及び可変利得増幅器 13により位相及び振幅が調整された送信波除去成分を合成する。

[0087] ベースバンド処理部 31の制御部 72は、方向性結合器 4から出力され受信ミキサ 6 に入力される送信波漏洩成分が最小になるように、すなわち、アンテナ共用器 3から回り込み受信低雑音増幅器 5で増幅された送信波漏洩成分と可変利得増幅器 13から入力される送信波除去成分が等振幅でかつ逆位相になるように、可変移相器 33 の位相及び可変利得増幅器 13の利得を設定する。

その他の動作は上記実施の形態 5と同様である。

[0088] 以上のように、この実施の形態 6によれば、可変移相器 33及び可変利得増幅器 13 力制御部 72からの設定に基づき、方向性結合器 4力出力され受信ミキサ 6に入力される送信波漏洩成分が最小になるように、送信波除去成分の位相及び振幅を調整し、送信側から受信側に回り込む送信波漏洩成分を除去することにより、段間帯域フィルタが不要となり、受信低雑音増幅器 5に高い線形性が不要となるので、小型で低消費電力の無線通信装置を得ることができるという効果が得られる。

産業上の利用可能性

[0089] 以上のように、この発明に係る送信波除去装置は、例えば、送信側から受信側に回り込む送信波漏洩成分を除去するものに適している。

Claims

請求の範囲

[1] 送信波の一部を受信側に回り込む送信波漏洩成分を除去するための送信波除去成分として抽出する第 1の方向性結合器と、

該第 1の方向性結合器により抽出された送信波除去成分の位相を調整する可変移相器と、

上記第 1の方向性結合器により抽出された送信波除去成分の振幅を調整する可変利得増幅器と、

上記送信波漏洩成分と、上記可変移相器及び上記可変利得増幅器により位相及び振幅が調整された送信波除去成分を合成する第 2の方向性結合器と、

該第 2の方向性結合器から出力される送信波漏洩成分が最小になるように、上記可変移相器の位相及び上記可変利得増幅器の利得を設定する制御部とを備え、送信波漏洩成分が受信側の特性に影響を与えな!/ヽ場合に、上記制御部は上記可変移相器及び上記可変利得増幅器の電源供給を停止させることを特徴とする送信波除去装置。

[2] 第 2の方向性結合器を受信側の受信低雑音増幅器の前に接続することを特徴とする請求項 1記載の送信波除去装置。

[3] 第 2の方向性結合器を受信側の受信低雑音増幅器の後に接続することを特徴とする請求項 1記載の送信波除去装置。

[4] 送信波の代わりに検査波を使用して、制御部が可変移相器の位相及び可変利得増幅器の利得を設定することを特徴とする請求項 1記載の送信波除去装置。

[5] 送信信号に対して位相をオフセットさせた送信信号を発生する位相調整機能付 IQ 信号源と、

上記位相がオフセットされた送信信号を無線帯域に送信可能な送信波除去成分に変調する除去成分変調器と、

該除去成分変調器により変調された送信波除去成分の振幅を調整する可変利得増幅器と、

受信側に回り込む送信波漏洩成分と上記可変利得増幅器力の送信波除去成分を合成する方向性結合器と、該方向性結合器から出力される送信波漏洩成分が最小になるように、上記位相調整機能付 IQ信号源の位相及び上記可変利得増幅器の利得を設定する制御部とを備えた送信波除去装置。

[6] 方向性結合器を受信側の受信低雑音増幅器の前に接続することを特徴とする請求項 5記載の送信波除去装置。

[7] 方向性結合器を受信側の受信低雑音増幅器の後に接続することを特徴とする請求項 5記載の送信波除去装置。

[8] 送信用の局部発振信号の位相をオフセットさせる可変移相器と、

該可変位相器により位相がオフセットされた局部発振信号により、送信信号を無線帯域に送信可能な送信波除去成分に変調する除去成分変調器と、

受信側に回り込む送信波漏洩成分と上記可変利得増幅器力の送信波除去成分を合成する方向性結合器と、

該方向性結合器力出力される送信波漏洩成分が最小になるように、上記可変移相器の位相及び上記可変利得増幅器の利得を設定する制御部とを備えた送信波除去装置。

[9] 方向性結合器を受信側の受信低雑音増幅器の前に接続することを特徴とする請求項 8記載の送信波除去装置。

[10] 方向性結合器を受信側の受信低雑音増幅器の後に接続することを特徴とする請求項 8記載の送信波除去装置。