WO2007069462A1 - ジアルキルカーボネートとジオール類の工業的製造方法 - Google Patents

ジアルキルカーボネートとジオール類の工業的製造方法 Download PDF

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Abstract

 本発明が解決しようとする課題は、環状カーボネートと脂肪族1価アルコールとを原料とし、この原料を触媒が存在する連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該塔内で反応と蒸留を同時に行う反応蒸留方式によってジアルキルカーボネートとジオール類とを、1時間あたりそれぞれ2トン以上及び1.3トン以上の工業的規模で、高選択率・高生産性で長期間安定的に製造できる具体的な方法を提供することにある。反応蒸留法によるジアルキルカーボネートとジオール類の製造方法に関する多くの提案があるが、これらは全て小規模、短期間の実験室的レベルのものであり、工業的規模の大量生産を可能とする具体的な方法や装置の開示は全くなかった。本発明では、ジアルキルカーボネートとジオール類とを、1時間あたりそれぞれ2トン以上及び1.3トン以上の工業的規模で、選択率がそれぞれ95%以上、好ましくは97%以上、さらに好ましくは99%以上で、1000時間以上、好ましくは3000時間以上、さらに好ましくは5000時間以上、安定的に製造できる特定の構造を有する具体的な連続多段蒸留塔と、それを用いる製造法が提供される。

Description

明 細 書
ジアルキルカーボネートとジオール類の工業的製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、ジアルキルカーボネート類とジオール類を高収率で工業的に製造する 方法に関する。さらに詳しくは、環状カーボネートと脂肪族 1価アルコールとを原料と し、この原料を触媒が存在する連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該塔内で反 応と蒸留を同時に行う、反応蒸留方式によってジアルキルカーボネートとジオール類 とを高収率で工業的に大量に長期間安定的に製造する方法に関する。
背景技術
[0002] 環状カーボネートと脂肪族 1価アルコール類の反応から、ジアルキルカーボネートと ジオール類を製造する方法については、いくつかの提案がなされている力 そのほと んどが触媒に関するものである。また、反応方式としては、これまで 4つの方式が提案 されている。これら 4つの反応方式は、最も代表的な反応例であるエチレンカーボネ ートとメタノールからのジメチルカーボネートとエチレングリコールの製造方法におい て用いられている。
[0003] すなわち、第 1の方式は、エチレンカーボネート、メタノール及び触媒をバッチ式反 応容器であるオートクレープに仕込み、メタノールの沸点以上の反応温度にぉ 、て 加圧下で所定の反応時間保持することによって反応を行う完全なバッチ式反応方式 である(特許文献 1、 2、 5、 6)。
[0004] 第 2の方式は、反応釜の上部に蒸留塔を設けた装置を用いるものであって、ェチレ ンカーボネート、メタノール及び触媒を反応容器に仕込み、所定の温度に加熱するこ とによって反応を進行させる。この方式では、生成するジメチルカーボネートと共沸し て留出するメタノールを補うために、反応釜にメタノールを連続的又はバッチ的に添 加することも行なわれている力 いずれにしても、この方式では触媒、エチレンカーボ ネート及びメタノールが存在しているバッチ式の反応釜中でのみ反応を進行させて いる。したがって、反応はバッチ式であり、 3〜20数時間もの長時間をかけて、還流 下で大過剰のメタノールを用いて反応を行っている(特許文献 3、 4、 11)。 [0005] 第 3の方式は、所定の反応温度に保たれた管状リアクターにエチレンカーボネート とメタノールの混合溶液を連続的に供給し、他方の出口より未反応のエチレンカーボ ネートとメタノールと生成物であるジメチルカーボネート及びエチレングリコールとを含 む反応混合物を液状で連続的に抜き出す連続反応方式である。用いる触媒の形態 によって 2つの方法が行われている。すなわち、均一系触媒を用いて、エチレンカー ボネートとメタノールの混合溶液と一緒に管状リアクターを通過させ、反応後、反応混 合物中から触媒を分離する方法 (特許文献 7、 10)と、管状リアクター内に固定させた 不均一触媒を用いる方法 (特許文献 8、 9)がある。エチレンカーボネートとメタノール との反応によるジメチルカーボネートとエチレングリコールの生成反応は平衡反応で あることから、この管状リアクターを用いる連続流通反応方式では、エチレンカーボネ ートの反応率は、仕込組成比と反応温度によって決まる平衡反応率以上に高めるこ とは不可能である。例えば、特許文献 7の実施例 1によれば、仕込みモル比メタノー ル Zエチレンカーボネート = 4Z 1の原料を用いる 130°Cでの流通反応においては、 エチレンカーボネートの反応率は 25%である。このことは、反応混合物中に未反応 で残存する大量のエチレンカーボネート及びメタノールを分離 '回収して反応器へ再 循環させる必要があることを意味しており、事実、特許文献 9の方法では、分離'精製 '回収'再循環のためのたくさんの設備が用いられている。
[0006] 第 4の方式は、本発明者等が初めて開示した反応蒸留方式 (特許文献 12〜21)、 すなわち、多段蒸留塔内にエチレンカーボネートとメタノールをそれぞれ連続的に供 給し該蒸留塔の複数段で触媒の存在下に反応を行なうと同時に生成物であるジメチ ルカーボネートとエチレングリコールを分離する、連続的製造方法である。その後、 他社からも反応蒸留方式を用いる出願 (特許文献 22〜26)がなされて ヽる。
[0007] このように、環状カーボネートと脂肪族 1価アルコールと力 ジアルキルカーボネー トとジオール類を製造するこれまでに提案された方法は、
(1)完全なバッチ反応方式
(2)蒸留塔を上部に設けた反応釜を用いるバッチ反応方式
(3)管式リアクターを用いる液状流通反応方式
(4)反応蒸留方式 の 4方式であるが、それぞれ、以下に述べるような問題点があった。
[0008] すなわち、(1)、 (3)の場合には、環状カーボネートの反応率の上限は仕込み組成 と温度力 決まるため、反応を完全に終結させることはできず、反応率が低い。また、 (2)の場合には環状カーボネートの反応率を高めるためには、生成するジアルキル カーボネートを、極めて大量の脂肪族 1価アルコールを使用して留去しなければなら ず、長い反応時間を必要とする。(4)の場合には、(1)、 (2)、 (3)と比較して、高い 反応率で反応を進行させることが可能である。し力しながら、これまで提案されている (4)の方法は、少量のジアルキルカーボネートとジオール類を製造する方法であるか 、短期間の製造方法に関するものであり、工業的規模での長期間安定製造に関する ものではなかった。すなわち、ジアルキルカーボネートを連続的に大量 (例えば、 1時 間あたり 2トン以上)に、長期間(例えば 1000時間以上、好ましくは 3000時間以上、 より好ましくは 5000時間以上)安定的に製造するという目的を達成するものではなか つた o
[0009] 例えば、エチレンカーボネートとメタノールからジメチルカーボネート (DMC)とェチ レンダリコール (EG)を製造するために開示されて 、る実施例における反応蒸留塔の 高さ(H: cm)、直径 (D: cm)、段数 (n)、ジメチルカーボネートの生産量 P (kg/hr) 、連続製造時間 T(hr)に関する最大値を示す記述は、表 1のとおりである。
[0010] [表 1]
特許文献 H : cm D : cm 段数 : n P : kg/hr T : hr
12 100 2 30 0. 106 400
15 160 5 40 0. 427 (注 5)
16 160 5 40 0. 473 (注 5)
18 200 4 充填塔 (Di xon) 0. 932 (注 5)
19 (注 1) 5 60 0. 275 (注 5)
20 (注 1) 5 60 0. 258 (注 5)
21 (注 1) 5 60 0. 258 (注 5)
22 250 3 充填塔 (Rasch i g) 0. 392 (注 5)
23 (注 2) (注 2) (注 2) 0. 532 (注 5)
24 (注 3) (注 3) 42 (¾4) (注 5)
25 (注 3) (注 3) 30 3750 (注 5)
26 200 15 充填塔 (BX) 0. 313 (注 5)
(注 υ オールダーショウ蒸留塔。
(注 2) 蒸留塔を規定する記述はまったく無い。
(注 3) 蒸留塔を規定する記述は段数のみ。
(注 4) 生産量の記述はまったく無い。
(注 5) 長期間の安定製造に関する記述はまったく無い。 なお、特許文献 25 (第 0060段落)には、「本実施例は上記の図 1に示した好ましい 態様と同様のプロセスフローを採用し、エチレンカーボネートとメタノールの接触転ィ匕 反応によりエステル交換させてジメチルカーボネート及びエチレングリコールを製造 する商業的規模装置の操業を目的になされたものである。なお、本実施例で下記す る数値は実装置の操作にも十分適用可能である。」と記載され、その実施例として、 3 750kgZhrのジメチルカーボネートを具体的に製造したとの記載がなされて!/、る。実 施例に記載のこの規模は年産 3万トン以上に相当するので、特許文献 25の出願当 時 (2002年 4月 9日)としては、この方法による世界一の大規模商業プラントの操業 が実施されたことになる。しかしながら、本願出願時においてすら、このような事実は 全くない。また、特許文献 25の実施例では、ジメチルカーボネートの生産量は理論 計算値と全く同一の値が記載されている力 エチレングリコールの収率は約 85. 6% で、選択率は約 88. 4%であり、高収率 ·高選択率を達成しているとはいい難い。特 に選択率が低いことは、この方法が工業的製造法として、致命的な欠点を有している ことを表している。 (なお、特許文献 25は、 2005年 7月 26日、未審査請求によるみな し取下処分がなされている。 ) [0012] 反応蒸留法は、蒸留塔内での反応による組成変化と蒸留による組成変化と、塔内 の温度変化と圧力変化等の変動要因が非常に多ぐ長期間の安定運転の継続させ ることは困難を伴うことが多ぐ特に大量を扱う場合にはその困難性はさらに増大する 。反応蒸留法によるジアルキルカーボネートとジオール類を高収率 ·高選択率を維持 しつつ、それらの大量生産を長期間安定的に継続させるためには、反応蒸留装置に 工夫をすることが必要である。し力しながら、これまでに提案されている反応蒸留法に おける、長期間の連続安定製造に関する記述は、特許文献 12及び 13の 200〜400 時間のみであった。
[0013] 特許文献 1 米国特許第 3642858号明細書
特許文献 2特開昭 54- -48715号公報 (米国特許第 4181676号明細書) 特許文献 3特開昭 51 - - 122025号公報 (米国特許第 4062884号明細書) 特許文献 4特開昭 54- - 48716号公報 (米国特許第 4307032号明細書)
特許文献 5特開昭 54- — 63023号公報
特許文献 6特開昭 54- — 148726号公報
特許文献 7特開昭 63 - -41432号公報 (米国特許第 4661609号明細書) 特許文献 8特開昭 63 - — 238043号公報
特許文献 9特開昭 64- - 31737号公報 (米国特許第 4691041号明細書) 特許文献 10 :米国特許第 4734518号明細書
特許文献 11 :米国特許第 3803201号明細書
特許文献 12 :特開平 4 198141号公報
特許文献 13:特開平 4 230243号公報
特許文献 14:特開平 9 176061号公報
特許文献 15 :特開平 9 183744号公報
特許文献 16:特開平 9 194435号公報
特許文献 17 :国際公開 W097Z23445号公報 (欧州特許第 0889025号明細書、 米国特許第 5847189号明細書)
特許文献 18 :国際公開 W099Z64382号公報(欧州特許第 1086940号明細書、 米国特許第 6346638号明細書) 特許文献 19:国際公開 WO00Z51954号公報(欧州特許第 1174406号明細書、 米国特許第 6479689号明細書)
特許文献 20:特開 2002— 308804号公報
特許文献 21:特開 2004— 131394号公報
特許文献 22 :特開平 5— 213830号公報 (欧州特許第 0530615号明細書、米国特 許第 5231212号明細書)
特許文献 23 :特開平 6— 9507号公報 (欧州特許第 0569812号明細書、米国特許 第 5359118号明細書)
特許文献 24:特開 2003— 119168号公報(国際公開 WO03Z006418号公報) 特許文献 25:特開 2003 - 300936号公報
特許文献 26:特開 2003 - 342209号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0014] 本発明が解決しょうとする課題は、環状カーボネートと脂肪族 1価アルコールとを原 料とし、この原料を均一系触媒が存在する連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該 塔内で反応と蒸留を同時に行う反応蒸留方式によって、ジアルキルカーボネートとジ オール類とを工業的に大量 (例えば、ジアルキルカーボネートを 1時間あたり 2トン以 上、ジオール類を 1時間あたり 1. 3トン以上)に製造するにあたり、それらが高選択率 •高生産性で、長期間(例えば、 1000時間以上、好ましくは 3000時間以上、より好ま しくは 5000時間以上)安定的に高収率で製造できる具体的な方法を提供することに ある。
課題を解決するための手段
[0015] 本発明者らが連続多段蒸留塔を用いるジアルキルカーボネートとジオール類の連 続的製造方法を初めて開示して以来、この方法の改良に関する多くの提案があるが 、これらは小規模、短期間の実験室的レベルのものであり、実際の実施によって得ら れた知見に基づく工業的規模での大量生産を長期間安定的に可能とする具体的な 方法や装置の開示は全くな力つた。そこで、本発明者等は、例えば、ジアルキルカー ボネートを 1時間あたり 2トン以上、ジオール類を 1時間あたり 1. 3トン以上の工業的 規模で、高選択率 ·高生産性で長期間安定的に高収率で製造できる具体的な方法 を見出すべき検討を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の第 1の態様では、
1. 環状カーボネートと脂肪族 1価アルコールとを原料とし、この原料を均一系触媒 が存在する連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該塔内で反応と蒸留を同時に行 Vヽ、生成するジアルキルカーボネートを含む低沸点反応混合物を塔上部よりガス状 で連続的に抜出し、ジオール類を含む高沸点反応混合物を塔下部より液状で連続 的に抜出す反応蒸留方式によって、ジアルキルカーボネートとジオール類を連続的 に製造するにあたり、
該連続多段蒸留塔が、長さ L (cm)、内径 D (cm)の円筒形の胴部を有し、内部に 段数 nのトレイを有する構造をしており、塔頂部又はそれに近い塔の上部に内径 d (c m)のガス抜出し口、塔底部又はそれに近い塔の下部に内径 d (cm)の液抜出し口、
2
該ガス抜出し口より下部であって塔の上部及び Z又は中間部に 1つ以上の第 1の導 入口、該液抜出し口より上部であって塔の中間部及び Z又は下部に 1つ以上の第 2 の導入口を有するものであって、
(1)長さ L (cm)が式(1)を満足するものであり、
2100 ≤ L ≤ 8000 式(1)
(2)塔の内径 D (cm)が式(2)を満足するものであり、
180 ≤ D ≤ 2000 式(2)
(3)長さ L (cm)と塔の内径 D (cm)の比が、式(3)を満足するものであり、
4 ≤ L/D ≤ 40 式(3)
(4)段数 nが式 (4)を満足するものであり、
10 ≤ n ≤ 120 式(4)
(5)塔の内径 D (cm)とガス抜出し口の内径 d (cm)の比力 式(5)を満足するもので あり、
3 ≤ D/d ≤ 20 式(5)
(6)塔の内径 D (cm)と液抜出し口の内径 d (cm)の比力 式(6)を満足するものであ
2
り、 5 ≤ D/d ≤ 30 式(6)
2
(7)各トレイの開口比が 1. 5〜10%の範囲である、
ことを特徴とするジアルキルカーボネートとジオール類の工業的製造方法、
2. 製造されるジアルキルカーボネートが 1時間あたり、 2トン以上であることを特徴と する前項 1に記載の方法、
3. 製造されるジオール類が 1時間あたり、 1. 3トン以上であることを特徴とする前項 1又は 2に記載の方法、
4. 該 dと該 dが式(7)を満足することを特徴とする前項 1〜3のいずれか一項に記
1 2
載の方法;
1 ≤ d /d ≤ 5 式(7)、
1 2
5. 該連続多段蒸留塔の L、 D、 LZD、 n、 D/d、 D/d 力 それぞれ、 2300≤
1 2
L≤6000, 200≤D≤1000, 5≤L/D≤30, 30≤n≤100, 4≤D/d≤1
5. 7≤D/d≤25であることを特徴とする前項 1〜4のいずれか一項に記載の方法
2
6. 該連続多段蒸留塔の L、 D、 LZD、 n、 D/d、 D/d 力 それぞれ、 2500≤
1 2
L≤5000, 210≤D≤800, 7≤L/D≤20, 40≤n≤90, 5≤D/d≤13、 9≤D/d≤ 20であることを特徴とする前項 1〜5のいずれか一項に記載の方法、
2
7. 各トレイの開口比が、 1. 7〜8. 0%の範囲であることを特徴とする前項 1〜6の
V、ずれか一項に記載の方法、
8. 各トレイの開口比が 1. 9〜6. 0%の範囲であることを特徴とする前項 1〜7のい ずれか一項に記載の方法、
9. 該トレイが多孔板部とダウンカマー部を有する多孔板トレイであることを特徴とす る前項 1〜8のいずれか一項に記載の方法、
10. 該多孔板トレイが該多孔板部の面積 lm2あたり 100〜: L000個の孔を有するも のであることを特徴とする前項 9記載の方法、
11. 該多孔板トレイの孔 1個あたりの断面積が 0. 5〜5cm2であることを特徴とする 前項 9又は 10記載の方法、
12. 該多孔板トレイの開口比(孔部の面積を含む多孔板部の全面積に対する全孔 断面積の割合)が 1. 9〜6. 0%の範囲であることを特徴とする前項 10又は 11に記 載の方法、
を提供する。
また、本発明の第 2の態様では、
13. 環状カーボネートと脂肪族 1価アルコールとのエステル交換反応及び蒸留を 行うための連続多段蒸留塔であって、
長さ L (cm)、内径 D (cm)の円筒形の胴部と、
該胴部の内部に配設される段数 nのトレイと、
塔頂部又はそれに近 、塔の上部に設けられた内径 d (cm)のガス抜出し口と、 塔底部又はそれに近 、塔の下部に設けられた内径 d (cm)の液抜出し口と、
2
該ガス抜出し口より下部であって、該塔の上部及び Z又は中間部に少なくとも 1つ の第 1の導入口と、
該液抜出し口よりも上部であって中間部及び Z又は下部に少なくとも 1つの第 2の 導入口と、を備え、
(1)長さ L (cm)が式(1)を満足するものであり、
2100 ≤ L ≤ 8000 式(1)
(2)塔の内径 D (cm)が式(2)を満足するものであり、
180 ≤ D ≤ 2000 式(2)
(3)長さ L (cm)と塔の内径 D (cm)の比が、式(3)を満足するものであり、
4 ≤ L/D ≤ 40 式(3)
(4)段数 nが式 (4)を満足するものであり、
10 ≤ n ≤ 120 式(4)
(5)塔の内径 D (cm)とガス抜出し口の内径 d (cm)の比力 式(5)を満足するもので あり、
3 ≤ D/d ≤ 20 式(5)
(6)塔の内径 D (cm)と液抜出し口の内径 d (cm)の比力 式(6)を満足するものであ
2
り、
5 ≤ D/d ≤ 30 式(6) (7)各トレイの開口比が 1. 5〜10%の範囲である、
ことを特徴とする連続多段蒸留塔、
14. 該 dと該 dが式 (7)を満足することを特徴とする前項 13に記載の連続多段蒸
1 2
留塔;
1 ≤ d /d ≤ 5 式(7)、
1 2
15. 該連続多段蒸留塔の L、 D、 LZD、 n、 D/d、 D/d 力 それぞれ、 2300
1 2
≤L≤6000, 200≤D≤1000, 5≤L/D≤30, 30≤n≤100, 4≤D/d ≤15、 7≤D/d≤ 25であることを特徴とする前項 13又は 14に記載の連続多段蒸
2
留塔、
16. 該連続多段蒸留塔の L、 D、 LZD、 n、 D/d、 D/d 力 それぞれ、 2500
1 2
≤L≤5000, 210≤D≤800, 7≤L/D≤20, 40≤n≤90, 5≤D/d≤1 3、 9≤D/d≤20であることを特徴とする前項 13〜15のいずれか一項に記載の
2
連続多段蒸留塔、
17. 各トレイの開口比が、 1. 7〜8. 0%の範囲であることを特徴とする前項 13〜1 6の 、ずれか一項に記載の連続多段蒸留塔、
18. 各トレイの開口比が 1. 9〜6. 0%の範囲であることを特徴とする前項 13〜17 の!、ずれか一項に記載の連続多段蒸留塔、
19. 該トレイが多孔板部とダウンカマー部を有する多孔板トレイであることを特徴と する前項 13〜18のいずれか一項に記載の連続多段蒸留塔、
20. 該多孔板トレイが該多孔板部の面積 lm2あたり 100〜: L000個の孔を有するも のであることを特徴とする前項 19記載の連続多段蒸留塔、
21. 該多孔板トレイの孔 1個あたりの断面積が 0. 5〜5cm2であることを特徴とする 前項 19又は 20記載の連続多段蒸留塔、
22. 該多孔板トレイの開口比(孔部の面積を含む全多孔板部の面積に対する全孔 断面積の割合)が 1. 9〜6. 0%の範囲であることを特徴とする前項 20又は 21に記 載の連続多段蒸留塔、
を提供する。
発明の効果 [0018] 本発明を実施することによって、環状カーボネートと脂肪族 1価アルコールとから、 ジアルキルカーボネートとジオール類力 それぞれ 95%以上、好ましくは 97%以上、 さらに好ましくは 99 %以上の高収率 ·高選択率で、ジアルキルカーボネートを 1時間 あたり 2トン以上、好ましくは 1時間あたり 3トン以上、さらに好ましくは 1時間あたり 4ト ン以上、ジオール類を 1時間あたり 1. 3トン以上、好ましくは 1時間あたり 1. 95トン以 上、さらに好ましくは 1時間あたり 2. 6トン以上の工業的規模で、 1000時間以上、好 ましくは 3000時間以上、さらに好ましくは 5000時間以上の長期間、安定的に製造 できることが見出された。
発明を実施するための最良の形態
[0019] 以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の反応は、環状カーボネートと脂肪族 1価アルコール類とから、ジアルキル カーボネートとジオール類が生成する下記式 (I)で表わされる可逆平衡なエステル交 換反応である。
[0020] [化 1]
Figure imgf000013_0001
(八) (B) (C) (D)
[0021] (式中、 R1は 2価の基—(CH ) m- (mは 2〜6の整数)を表わし、その 1個以上の水
2
素は炭素数 1〜10のアルキル基ゃァリール基によって置換されていてもよい。また、 R2は炭素数 1〜12の 1価の脂肪族基を表わし、その 1個以上の水素は炭素数 1〜10 のアルキル基ゃァリール基で置換されていてもよい。 )
[0022] 本発明で原料として用いられる環状カーボネートとは、式 (I)において (A)で表され る化合物であって、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアル キレンカーボネート類や、 1, 3—ジォキサシクロへキサー2—オン、 1, 3—ジォキサ シクロヘプター 2—オンなどが好ましく用いられ、エチレンカーボネート及びプロピレ ンカーボネートが入手の容易さなどの点力 更に好ましく使用され、エチレンカーボ ネートが特に好ましく使用される。
[0023] また、もう一方の原料である脂肪族 1価アルコール類とは、式 (I)において (B)で表 わされる化合物であって、生成するジオールより沸点が低いものが用いられる。した がって、使用する環状カーボネートの種類によっても変わり得る力 例えば、メタノー ル、エタノール、プロパノール(各異性体)、ァリルアルコール、ブタノール(各異性体) 、 3 ブテン 1 オール、ァミルアルコール(各異性体)、へキシルアルコール(各異 性体)、ヘプチルアルコール (各異性体)、ォクチルアルコール (各異性体)、ノニルァ ルコール(各異性体)、デシルアルコール(各異性体)、ゥンデシルアルコール(各異 性体)、ドデシルアルコール(各異性体)、シクロペンタノール、シクロへキサノール、 シクロへプタノール、シクロォクタノール、メチルシクロペンタノール(各異性体)、ェチ ルシクロペンタノール(各異性体)、メチルシクロへキサノール(各異性体)、ェチルシ クロへキサノール(各異性体)、ジメチルシクロへキサノール(各異性体)、ジェチルシ クロへキサノール(各異性体)、フ ニルシクロへキサノール(各異性体)、ベンジルァ ルコール、フエネチルアルコール(各異性体)、フエ-ルプロパノール(各異性体)など が挙げられ、さらにこれらの脂肪族 1価アルコール類において、ハロゲン、低級アルコ キシ基、シァノ基、アルコキシカルボ-ル基、ァリーロキシカルボ-ル基、ァシロキシ 基、ニトロ基等の置換基によって置換されていてもよい。
[0024] このような脂肪族 1価アルコール類の中で、好ましく用いられるのは炭素数 1〜6の アルコール類であり、さらに好ましいのはメタノール、エタノール、プロパノール(各異 性体)、ブタノール (各異性体)の炭素数 1〜4のアルコール類である。環状カーボネ ートとしてエチレンカーボネートやプロピレンカーボネートを使用する場合に好ましい のはメタノール、エタノールであり、特に好ましいのはメタノールである。
[0025] 本発明の方法においては、反応蒸留塔内に均一系触媒を存在させる。均一系触 媒を存在させる方法はどのような方法であってもよいが、反応蒸留塔内に連続的に 触媒を供給することにより、反応蒸留塔内の液相に触媒を存在させることが好ましい
[0026] 均一系触媒を反応蒸留塔内に連続的に供給する場合には、環状カーボネート及 び Z又は脂肪族 1価アルコールと同時に供給してもよ 、し、原料とは異なる位置に供 給してもよい。該蒸留塔内で実際に反応が進行するのは触媒供給位置から下の領 域であることから、塔頂から原料供給位置までの間の領域に該触媒を供給することが 好ましい。そして該触媒が存在する段は 5段以上あることが必要であり、好ましくは 7 段以上であり、さらに好ましくは 10段以上である。
本発明において用いられる触媒としては、これまでに知られている種々のものを使 用することができる。例えば、
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、スト ロンチウム、ノ リウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属類;
アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水素化物、水酸化物、アルコキシド化物類、 ァリ一口キシド化物類、アミドィ匕物類等の塩基性ィ匕合物類;
アルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭酸塩類、重炭酸塩類、有機酸塩類等の塩 基性化合物類;
トリエチルァミン、トリブチルァミン、トリへキシルァミン、ベンジルジェチルァミン等の 3級ァミン類;
N—アルキルピロール、 N—アルキルインドール、ォキサゾール、 N—アルキルイミ ダゾール、 N—アルキルピラゾール、ォキサジァゾール、ピリジン、アルキルピリジン、 キノリン、アルキルキノリン、イソキノリン、アルキルイソキノリン、アタリジン、アルキルァ クリジン、フエナント口リン、アルキルフエナント口リン、ピリミジン、アルキルピリミジン、 ピラジン、アルキルビラジン、トリアジン、アルキルトリァジン等の含窒素複素芳香族化 合物類;
ジァザビシクロウンデセン(DBU)、ジァザビシクロノネン(DBN)等の環状アミジン 類;
酸ィ匕タリウム、ハロゲンィ匕タリウム、水酸ィ匕タリウム、炭酸タリウム、硝酸タリウム、硫酸 タリウム、タリウムの有機酸塩類等のタリウム化合物類;
トリブチルメトキシ錫、トリブチルエトキシ錫、ジブチルジメトキシ錫、ジェチルジェト キシ錫、ジブチルジェトキシ錫、ジブチルフエノキシ錫、ジフエ-ルメトキシ錫、酢酸ジ ブチル錫、塩化トリブチル錫、 2—ェチルへキサン酸錫等の錫化合物類;
ジメトキシ亜 10、ジエトキシ亜 10、エチレンジォキシ亜鈴、ジブトキシ亜鈴等の亜鈴 化合物類;
アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシ ド等のアルミニウム化合物類;
テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン、ジクロロジメトキシ チタン、テトライソプロポキシチタン、酢酸チタン、チタンァセチルァセトナート等のチ タン化合物類;
トリメチルホスフィン、トリェチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフエニルホスフィ ン、トリブチルメチルホスホニゥムハライド、トリオクチルブチルホスホニゥムハライド、ト リフエ-ルメチルホスホ-ゥムハライド等のリンィ匕合物類;
ハロゲン化ジルコニウム、ジルコニウムァセチルァセトナート、ジルコニウムアルコキ シド、酢酸ジルコニウム等のジルコニウム化合物類;
鉛及び鉛を含む化合物類、例えば、 PbO、 PbO、 Pb oなどの酸ィ匕鉛類;
2 3 4
PbS、 Pb S、 PbSなどの硫ィ匕鉛類;
2 3 2
Pb (OH) 、Pb O (OH) 、 Pb [PbO (OH) ]、Pb O (OH) などの水酸化鉛類;
2 3 2 2 2 2 2 2 2
Na PbO、 K PbO、 NaHPbO、 KHPbOなどの亜ナマリ酸塩類;
2 2 2 2 2 2
Na PbO、 Na H PbO、 K PbO、 K [Pb (OH) ]、 K PbO、 Ca PbO、 CaPb
2 3 2 2 4 2 3 2 6 4 4 2 4
Oなどの鉛酸塩類;
3
PbCO、2PbCO -Pb (OH) などの鉛の炭酸塩及びその塩基性塩類;
3 3 2
Pb (OCH ) 、 (CH 0) Pb (OPh)、 Pb (OPh) などのアルコキシ鉛類、ァリールォ
3 2 3 2
キシ鉛類;
Pb (OCOCH ) 、 Pb (OCOCH ) 、 Pb (OCOCH ) -PbO - 3H Oなどの有機酸
3 2 3 4 3 2 2 の鉛塩及びその炭酸塩や塩基性塩類;
Bu Pb、 Ph Pb、 Bu PbCl、 Ph PbBr、 Ph Pb (又は Ph Pb ) , Bu PbOH、 Ph P
4 4 3 3 3 6 2 3 2 bOなどの有機鉛ィ匕合物類 (Buはブチル基、 Phはフエ二ル基を示す);
Pb— Naゝ Pb— Ca、 Pb— Ba、 Pb— Sn、 Pb— Sbなどの口、の合金類;
ホウェン鉱、センァェン鉱などの鉛鉱物類、及びこれらの鉛化合物の水和物類; これらの化合物は、反応原料や、反応混合物、反応副生物などに溶解する場合に は、そのまま均一系触媒として用いることができるし、これらの化合物を反応原料や、 反応混合物、反応副生物などで事前に溶解させたり、あるいは反応させることによつ て溶解させた混合物を均一系触媒として用いることも好ま 、方法である。
[0029] 本発明で用いられる触媒の量は、使用する触媒の種類によっても異なるが、供給 原料である環状カーボネートと脂肪族 1価アルコールの合計質量に対する割合で表 わして、通常 0. 0001〜50質量0 /0、好ましくは 0. 005〜20質量0 /0、さらに好ましくは 0. 01〜: L0質量%で使用される。
[0030] 本発明において反応蒸留塔である連続多段蒸留塔に、環状カーボネート及び脂 肪族 1価アルコールを連続的に供給する方法については、特別な限定はなぐそれ らが該蒸留塔の少なくとも 5段以上、好ましくは 7段以上、より好ましくは 10段以上の 領域において触媒と接触させることができるような供給方法であれば如何なる方法で あってもよい。すなわち、該環状カーボネートと該脂肪族 1価アルコールは、連続多 段蒸留塔の上記の条件を満たす段に必要な数の導入口から連続的に供給すること ができる。また、該環状カーボネートと該脂肪族 1価アルコールは該蒸留塔の同じ段 に導入されてもょ ヽし、それぞれ別の段に導入してもよ 、。
[0031] 原料は液状、ガス状又は液とガスとの混合物として該蒸留塔に連続的に供給される 。このようにして原料を該蒸留塔に供給する以外に、付加的にガス状の原料を該蒸 留塔の下部力 断続的又は連続的に供給することも好ましい方法である。また、環状 カーボネートを触媒の存在する段よりも上部の段に液状又は気液混合状態で該蒸留 塔に連続的に供給し、該蒸留塔の下部に該脂肪族 1価アルコールをガス状及び Z 又は液状で連続的に供給する方法も好ましい方法である。この場合、環状カーボネ ート中に、脂肪族 1価アルコールが含まれていても、もちろん構わない。
[0032] 本発明にお 、て、供給原料中に、生成物であるジアルキルカーボネート及び Z又 はジオール類が含まれていてもよい。その含有量は、ジアルキルカーボネートが、脂 肪族 1価アルコール Zジアルキルカーボネート混合物中のジアルキルカーボネート の質量%で表わして、通常、 0〜40質量%、好ましくは 0〜30質量%、さらに好ましく は 0〜20質量%であり、ジオール類が環状カーボネート Zジオール混合物中の重量 %で表わして、通常、 0〜10質量%、好ましくは 0〜7質量%、さらに好ましくは 0〜5 質量%である。 [0033] 本反応を工業的に実施する場合、新規に反応系に導入される環状カーボネート及 び Z又は脂肪族 1価アルコールに加え、この工程及び Z又は他の工程で回収された
、環状カーボネート及び Z又は脂肪族 1価アルコールを主成分とする物質力 これら の原料として使用できることは好ましいことである。本発明はこのことを可能にするも のであり、これは本発明の優れた特徴である。他の工程とは、例えば、ジアルキル力 ーボネートと芳香族モノヒドロキシィ匕合物力もジァリールカーボネートを製造する工程 があり、この工程では、脂肪族 1価アルコールが副生し、回収される。この回収副生脂 肪族 1価アルコールには、通常ジアルキルカーボネート、芳香族モノヒドロキシ化合 物、アルキルァリールエーテルなどが含まれる場合が多ぐさらには少量のアルキル ァリールカーボネート、ジァリールカーボネートなどが含まれる場合がある。副生脂肪 族 1価アルコールはそのままで本願発明の原料とすることもできるし、蒸留等により該 脂肪族 1価アルコールよりも沸点の高い含有物質量を減少させた後に原料とすること ちでさる。
[0034] また、本願発明に用いられる好ま 、環状カーボネートは、例えば、エチレンォキシ ド、プロピレンォキシド、スチレンォキシドなどのアルキレンォキシドと二酸化炭素との 反応によって製造されたものであるので、これらの原料ィ匕合物などを少量含む環状力 ーボネートを、本願発明の原料として用いることもできる。
[0035] 本発明において、反応蒸留塔に供給する環状カーボネートと脂肪族 1価アルコー ル類との量比は、エステル交換触媒の種類や量及び反応条件によっても異なるが、 通常、供給される環状カーボネートに対して、脂肪族 1価アルコール類はモル比で 0 . 01〜: LOOO倍の範囲で供給することができる。環状カーボネートの反応率を上げる ためには脂肪族 1価アルコール類を 2倍モル以上の過剰量供給することが好ましい 力 あまり大過剰に用いると装置を大きくする必要がある。このような意味において、 環状カーボネートに対する脂肪族 1価アルコール類のモル比は、 2〜20が好ましぐ より好ましくは 3〜15、さらに好ましくは 5〜12である。なお、未反応環状カーボネート が多く残存していると、生成物であるジオール類と反応して 2量体、 3量体などの多量 体を副生するので、工業的に実施する場合、未反応環状カーボネートの残存量をで きるだけ減少させることが好ましい。本発明の方法では、このモル比が 10以下であつ ても、環状カーボネートの反応率を 98%以上、好ましくは 99%以上、より好ましくは 9 9. 9%以上にすることが可能である。このことも本発明の特徴のひとつである。
[0036] 本発明においては、好ましくは 1時間あたり 2トン以上のジアルキルカーボネートを 連続的に製造するのであるが、そのために連続的に供給される環状カーボネートの 最低量は、製造すべきジアルキルカーボネートの量 (Pトン Zhr)に対して、通常 2. 2 Pトン Zhr、好ましくは、 2. 1Pトン Zhr、より好ましくは 2. OPトン Zhrである。さらに好 ましい場合は、 1. 9Pトン Zhrよりも少なくできる。
[0037] 図 1は、本発明に係る製造法を実施する連続多段蒸留塔の一例を示す概略図であ る。ここで、本発明において用いられる連続多段蒸留塔 10とは、長さ L (cm)、内径 D (cm)の円筒形の胴部 7の上下に鏡板部 5を有し、内部に段数 nのトレイ 6を有する構 造をしており、塔頂部又はそれに近い塔の上部に内径 d (cm)のガス抜出し口 1と、 塔底部又はそれに近い塔の下部に内径 d (cm)の液抜出し口 2と、該ガス抜出し口 1
2
より下部であって塔の上部及び Z又は中間部に 1つ以上の第 1の導入口 3 (a、 e)と、 該液抜出し口 2より上部であって塔の中間部及び Z又は下部に 1つ以上の第 2の導 入口 3 (b、 c)、 4 (a、 b)と、を有するものであるが、蒸留だけでなく反応も同時に行つ て、 1時間あたり好ましくは 2トン以上のジアルキルカーボネート及び Z又は 1時間あ たり、好ましくは 1. 3トン以上のジォール類を長期間安定的に製造できるものとする には種々の条件を満足させることが必要である。なお、図 1は、本発明に係る連続多 段蒸留塔の一の実施態様であるため、トレイ 6の配置は、図 1に示す構成に限定され るものではない。
[0038] 本発明に係る連続多段蒸留塔は、単なる蒸留機能力 の条件だけではなぐ安定 的に高反応率でしかも高選択率で反応を進行させるために必要な条件を複合したも のであり、
具体的には、
(1)長さ L (cm)が式(1)を満足するものであり、
2100 ≤ L ≤ 8000 式(1)
(2)塔の内径 D (cm)が式(2)を満足するものであり、
180 ≤ D ≤ 2000 式(2) (3)長さ L (cm)と塔の内径 D (cm)の比が、式(3)を満足するものであり、
4 ≤ L/D ≤ 40 式(3)
(4)段数 nが式 (4)を満足するものであり、
10 ≤ n ≤ 120 式(4)
(5)塔の内径 D (cm)とガス抜出し口の内径 d (cm)の比力 式(5)を満足するもので あり、
3 ≤ D/d ≤ 20 式(5)
(6)塔の内径 D (cm)と液抜出し口の内径 d (cm)の比力 式(6)を満足するものであ
2
り、
5 ≤ D/d ≤ 30 式(6)
2
(7)各トレイの開口比が 1. 5〜10%の範囲である、
であることが必要である。
[0039] なお、本発明で用いる用語「塔頂部又はそれに近い塔の上部」とは、塔頂部から下 方に約 0. 25Lまでの部分を意味し、用語「塔底部又はそれに近い塔の下部」とは、 塔底部から上方に約 0. 25Lまでの部分を意味する。また、「L」は、前述の定義とおり である。
[0040] 式(1)〜(6)を同時に満足し、かつ上記第(7)項記載の各トレイの開口比が 1. 5〜 10%の範囲にある連続多段蒸留塔を用いることによって、環状カーボネートと脂肪 族 1価アルコール類とから、ジアルキルカーボネートを 1時間あたり好ましくは 2トン以 上、及び Z又はジオール類を 1時間あたり好ましくは 1. 3トン以上の工業的規模で、 高反応率 ·高選択率 ·高生産性で、例えば 1000時間以上、好ましくは 3000時間以 上、さらに好ましくは 5000時間以上の長期間、安定的に製造できることが見出され たのである。本発明の方法を実施することによって、このような優れた効果を有するェ 業的規模でのジアルキルカーボネートとジオール類の製造が可能になった理由は明 らかではないが、式(1)〜(6)及び各トレイの開口比の条件が組み合わさった時にも たらされる複合効果のためであると推定される。
[0041] 本発明でいう各トレイの開口比とは、多段蒸留塔を構成する各トレイにおいて、ガス 及び液体が通過できる各トレイの開口部の全面積と、その開口部を有するトレイの面 積との比を意味する。なお、ダウンカマー部のあるトレイについては、その部分を除い た実質的にパブリングの起こっている部分の面積をトレイの面積とする。
[0042] 本発明は、単なる蒸留だけではなぐ反応も同時に行う反応蒸留法であって、しか も高反応率'高選択率 (高収率)を達成しているが、そのためには、上記式(1)〜(6) に加えて、この開口比を特定の範囲にすることが重要であることが見出されたのであ る。なお、各々の要因の好ましい範囲は下記に示される。
[0043] L (cm)が 2100より小さ 、と、反応率が低下するため目的とする生産量を達成でき ないし、目的の生産量を達成できる反応率を確保しつつ設備費を低下させるには、 L を 8000以下にすることが必要である。より好ましい L (cm)の範囲は、 2300≤L ≤6 000 であり、さらに好ましくは、 2500≤L≤5000 である。
[0044] D(cm)が 180よりも小さいと、目的とする生産量を達成できないし、目的の生産量 を達成しつつ設備費を低下させるには、 Dを 2000以下にすることが必要である。より 好ましい D (cm)の範囲は、 200≤D≤1000 であり、さらに好ましくは、 210≤D≤8 00 である。
[0045] LZDが 4より小さい時や 40より大きい時は安定運転が困難となり、特に 40より大き いと塔の上下における圧力差が大きくなりすぎるため、長期安定運転が困難となるだ けでなぐ塔下部での温度を高くしなければならないため、副反応が起こりやすくなり 選択率の低下をもたらす。より好ましい LZDの範囲は、 5≤LZD≤30 であり、さら に好ましくは、 7≤LZD≤20 である。
[0046] nが 10より小さ 、と反応率が低下するため目的とする生産量を達成できな 、し、目 的の生産量を達成できる反応率を確保しつつ設備費を低下させるには、 nを 120以 下にすることが必要である。さらに、 nが 120よりも大きいと塔の上下における圧力差 が大きくなりすぎるため、長期安定運転が困難となるだけでなぐ塔下部での温度を 高くしなければならないため、副反応が起こりやすくなり選択率の低下をもたらす。よ り好ましい nの範囲は、 30≤n≤100 であり、さらに好ましくは、 40≤n≤90 である
[0047] D/d力^より小さいと設備費が高くなるだけでなく大量のガス成分が系外に出や すくなるため、安定運転が困難になり、 20よりも大きいとガス成分の抜出し量が相対 的に小さくなり、安定運転が困難になるだけでなぐ反応率の低下をもたらす。より好 ましい DZdの範囲は、 4≤D/d≤15 であり、さらに好ましくは、 5≤D/d≤13 である。
[0048] DZd 2力 より小さいと設備費が高くなるだけでなく液抜出し量が相対的に多くなり
、安定運転が困難になり、 30よりも大きいと液抜出し口や配管での流速が急激に速く なりエロージョンを起こしやすくなり装置の腐食をもたらす。より好ましい DZdの範囲
2 は、 7≤D/d≤25 であり、さらに好ましくは、 9≤D/d≤20 である。
2 2
[0049] さらに本発明では該 dと該 dが式(7)を満足する場合、さらに好ましいことがわかつ
1 2
た。
1 ≤ d /d ≤ 5 式(7)
1 2
[0050] 各トレイの開口比は、 1. 5〜10%の範囲であることが必要である。開口比が 1. 5% より小さいと、必要とする生産量に対して装置が大きくなり、設備費が高くなるだけで なぐ滞留時間が長くなり副反応 (たとえば反応生成物であるジオール類と未反応環 状カーボネートの反応)が起こりやすくなる。また、開口比が 10%より大きいと各トレイ での滞留時間が短くなるので、高反応率を達成するためには段数を増加させる必要 があり、上記の nを大きくしたときの不都合が生じる。このような意味で、好ましい開口 比の範囲は、 1. 7〜8. 0%であり、さらに好ましくは 1. 9〜6. 0%の範囲である。
[0051] なお、本発明においては、各トレイの開口比は全て同じであってもよいし、異なって いてもよい。本発明においては、通常、上部のトレイの開口比が下部のトレイの開口 比より大きい多段蒸留塔が好ましく用いられる。
[0052] 本発明でいう長期安定運転とは、 1000時間以上、好ましくは 3000時間以上、さら に好ましくは 5000時間以上、フラッデイングやウィービングや、配管のつまりやエロ 一ジョンがなぐ運転条件に基づいた定常状態で運転が継続でき、高反応率 ·高選 択率 ·高生産性を維持しながら、所定量のジアルキルカーボネートとジオール類が製 造されて!ヽることを意味する。
[0053] 本発明は、好ましくは 1時間あたり 2トン以上の高生産性でジアルキルカーボネート 及び Z又は 1時間あたり 1. 3トン以上の高生産性でジオール類とを、それぞれ高選 択率で長期間安定的に生産することを特徴として 、るが、ジアルキルカーボネート及 びジオールを、より好ましくはそれぞれ 1時間あたり 3トン以上及び 1. 95トン以上、さ らに好ましくはそれぞれ 1時間あたり 4トン以上及び 2. 6トン以上生産することにある。 また、本発明は、該連続多段蒸留塔の L、 D、 LZD、 n、 D/d、 D/d 力 それぞ
1 2
れ、 2300≤L≤6000, 200≤D≤1000, 5≤L/D≤30, 30≤n≤100, 4 ≤D/d≤15、 7≤D/d≤25、各トレイの開口比が 1. 7〜8. 0%の場合は、 1時
1 2
間あたり 2. 5トン以上、好ましくは 1時間あたり 3トン以上、さらに好ましくは 1時間あた り 3. 5トン以上のジアルキルカーボネートと、 1時間あたり 1. 6トン以上、好ましくは 1 時間あたり 1. 95トン以上、さらに好ましくは 1時間あたり 2. 2トン以上のジオール類と を製造することを特徴とするものである。さらに、本発明は、該連続多段蒸留塔の L、 D、: LZD、 n、 DZd、 DZd 力 それぞれ、 2500≤L≤5000、 210≤D≤800
1 2
、 7≤L/D≤20, 40≤n≤90, 5≤D/d≤13, 9≤ DZd≤ 20、各トレイの
1 2
開口比が 1. 9〜6. 0%の場合は、 1時間あたり 3トン以上、好ましくは 1時間あたり 3. 5トン以上、さらに好ましくは 1時間あたり 4トン以上のジアルキルカーボネートと、 1時 間あたり 1. 95トン以上、好ましくは 1時間あたり 2. 2トン以上、さらに好ましくは 1時間 あたり 2. 6トン以上のジオール類とを製造することを特徴とするものである。
[0054] 本発明でいうジアルキルカーボネート及びジオール類の選択率とは、反応した環状 カーボネートに対するものであって、本発明では通常 95%以上の高選択率であり、 好ましくは 97%以上、さらに好ましくは 99%以上の高選択率を達成することができる 。また本発明でいう反応率とは、通常、環状カーボネートの反応率を表し、本発明で は環状カーボネートの反応率を 95%以上、好ましくは 97%以上、より好ましくは 99 %以上、さらに好ましくは 99. 5以上、さらにより好ましくは 99. 9%以上にすることが 可能である。このように高選択率を維持しながら、高反応率を達成できることも本発明 の優れた特徴のひとつである。
[0055] 本発明で用いられる連続多段蒸留塔は、 n段のトレィを有する蒸留塔である。このよ うなトレイとしては、例えば、泡鍾トレイ、多孔板トレイ、リップルトレイ、バラストトレイ、 バルブトレイ、向流トレイ、ュ-フラックストレイ、スーパーフラックトレイ、マックスフラッ タトレイ、デュアルフロートレイ、グリッドプレートトレイ、ターボグリッドプレートトレイ、キ ッテルトレィ等が好ましい。この連続多段蒸留塔において触媒が存在せず、実質的 に反応が起こらない段 (例えば、触媒導入段より上部の段)がある場合、この段に充 填物を充填した蒸留塔、すなわち、トレイ部と充填物の充填された部分とを合わせ持 つ多段蒸留塔とすることも好ましい。このような充填物としては、ラシヒリング、レツシン グリング、ポールリング、ベルルサドル、インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マ クマホンパッキング、ヘリパック等の不規則充填物やメラパック、ジェムパック、テクノ ノ ック、フレキシパック、スノレザーパッキング、グッドロールパッキング、グリッチグリッド 等の規則充填物が好ましい。なお、本発明でいう用語「段数 n」とは、トレイの場合は、 トレイの数を意味し、充填物の場合は、理論段数を意味する。したがって、トレイ部と 充填物の充填された部分とを合わせ持つ多段蒸留塔の場合の段数 nは、トレイの数 と理論段数の合計である。
[0056] 本発明の方法においては、 n段の上記のトレイのいずれを用いても、高反応率'高 選択率 ·高生産性を達成することができるが、該トレイが多孔板部とダウンカマー部を 有する多孔板トレイが機能と設備費との関係で特に優れていることが見出された。そ して、該多孔板トレイが該多孔板部の面積 lm2あたり 100〜: LOOO個の孔を有してい ることが好ま U、ことも見出された。より好まし 、孔数は該面積 lm2あたり 120〜900 個であり、さらに好ましくは、 150〜800個である。また、該多孔板トレイの孔 1個あた りの断面積が 0. 5〜5cm2であることが好ましいことも見出された。より好ましい孔 1個 あたりの断面積は、 0. 7〜4cm2であり、さらに好ましくは 0. 9〜3cm2である。さらに は、該多孔板トレイが該多孔板部の面積 lm2あたり 100〜: LOOO個の孔を有しており 、かつ、孔 1個あたりの断面積が 0. 5〜5cm2である場合、特に好ましいことが見出さ れた。また、該多孔板部の孔数は、全ての多孔板において同じであってもよいし、異 なるものであってもよい。
[0057] そして、これら各多孔板トレイにおいて、各トレイの開口比は、通常 1. 5〜10%の 範囲であり、好ましくは 1. 7〜8. 0%であり、 1. 9〜6. 0%の範囲である場合、特に 好ましいことが見出された。連続多段蒸留塔に上記の条件を付加することによって、 本発明の課題が、より容易に達成されることが判明したのである。
[0058] 本発明を実施する場合、原料である環状カーボネートと脂肪族 1価アルコール類と を触媒が存在する連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該塔内で反応と蒸留を同 時に行!ヽ、生成するジアルキルカーボネートを含む低沸点反応混合物を塔上部より ガス状で連続的に抜出し、ジオール類を含む高沸点反応混合物を塔下部より液状 で連続的に抜出すことによりジアルキルカーボネートとジオール類が連続的に製造さ れる。
[0059] また、本発明にお 、て、原料である環状カーボネートと脂肪族 1価アルコール類を 連続多段蒸留塔内に連続的に供給するには、蒸留塔の上部のガス抜出し口よりも下 部であるが塔の上部又は中間部に設置された 1箇所又は数箇所の導入口から、原 料混合物として、又はそれぞれ別々に、液状及び Z又はガス状で供給してもよいし、 環状カーボネート又はそれを多く含む原料を蒸留塔の上部又は中間部の導入口か ら液状で供給し、脂肪族 1価アルコール類又はそれを多く含む原料を蒸留塔の下部 の液抜出し口よりも上部であって塔の中間部又は下部に設置された導入口からガス 状で供給することも好まし 、方法である。
[0060] 本発明で行われるエステル交換反応の反応時間は連続多段蒸留塔内での反応液 の平均滞留時間に相当すると考えられるが、これは蒸留塔のインターナルの形状や 段数、原料供給量、触媒の種類や量、反応条件などによって異なるが、通常 0. 1〜 20時間、好ましくは 0. 5〜15時間、より好ましくは 1〜10時間である。
[0061] 反応温度は、用いる原料ィ匕合物の種類や触媒の種類や量によって異なるが、通常 、 30〜300°Cである。反応速度を高めるためには反応温度を高くすることが好ましい 力 反応温度が高いと副反応も起こりやすくなる。好ましい反応温度は 40〜250°C、 より好ましくは 50〜200°C、さらに好ましくは 60〜150°Cの範囲である。本発明にお いては、塔底温度として 150°C以下、好ましくは 130°C以下、より好ましくは 110°C以 下、さらにより好ましくは 100°C以下にして反応蒸留を実施することが可能である。こ のような低い塔底温度であっても高反応率 ·高選択率 ·高生産性を達成できることは 、本発明の優れた特徴のひとつである。また、反応圧力は、用いる原料ィ匕合物の種 類や組成、反応温度などにより異なる力 減圧、常圧、加圧のいずれであってもよぐ 通常 lPa〜2 X 107Pa、好ましくは 103Pa〜107Pa、より好ましくは 104〜5 X 106の範 囲で行われる。
[0062] 本発明で用いられる連続多段蒸留塔を構成する材料は、主に炭素鋼、ステンレス スチールなどの金属材料である力 製造するジアルキルカーボネートとジオール類の 品質の面からは、ステンレススチールが好ましい。
[0063] 以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例 に限定されるものではない。
実施例 1
[0064] <連続多段蒸留塔 >
図 1に示されるような L = 3300cm、 D = 300cm, L/D= l l, n=60、 D/d = 7 . 5, D/d = 12 である連続多段蒸留塔を用いた。この蒸留塔のトレィは多孔板トレ
2
ィであり、多孔板部の孔 1個あたりの断面積 =約 1. 3cm2,孔数 =約 180〜320個 Z m2を有していた。各トレイの開口比は、 2. 1〜4. 2%の範囲であった。
<反応蒸留 >
液状のエチレンカーボネート 3. 27トン Zhrが下から 55段目に設置された導入口( 3— a)力 蒸留塔に連続的に導入された。ガス状のメタノール (ジメチルカーボネート を 8. 96質量0 /0含む) 3. 238トン/ hrと液状のメタノール(ジメチルカーボネートを 6. 66質量%含む) 7. 489トン Zhr力 下から 31段目に設置された導入口(3— b及び 3 c)から蒸留塔に連続的に導入された。蒸留塔に導入された原料のモル比は、メタ ノール Zエチレンカーボネート =8. 36であった。
触媒は KOH (48質量%の水溶液) 2. 5トンにエチレングリコール 4. 8トンを加え、 約 130°Cに加熱し、徐々に減圧にし、約 1300Paで約 3時間加熱処理し、均一溶液 にしたものを用いた。この触媒溶液を、下カゝら 54段目に設けられた導入口(3— e)か ら、蒸留塔に連続的に導入した (K濃度:供給エチレンカーボネートに対して 0. 1質 量%;)。塔底部の温度が 98°Cで、塔頂部の圧力が約 1. 118 X 105Pa、還流比が 0. 42の条件下で連続的に反応蒸留が行われた。
[0065] 24時間後には安定的な定常運転が達成できた。塔頂部 1からガス状で抜き出され た低沸点反応混合物は熱交換器で冷却され液体にされた。蒸留塔から 10. 678トン Zhrで連続的に抜き出された液状の低沸点反応混合物中のジメチルカーボネート ίま 4. 129トン/ hrで、メタノーノレ ίま 6. 549トン/ hrであった。塔底咅 力ら 3. 382ト ン Zhrで連続的に抜出された液中の、エチレングリコールは、 2. 356トン Zhrで、メ タノールは 1. 014トン Zhr、未反応エチレンカーボネート 4kg/hrであった。原料に 含まれるジメチルカーボネートを除 、た、ジメチルカーボネートの 1時間あたりの実質 生産量は 3. 340トン、触媒溶液に含まれるエチレングリコールを除いた、エチレング リコールの 1時間あたりの実質生産量は 2. 301トンであった。エチレンカーボネート の反応率は 99. 88%で、ジメチルカーボネートの選択率は 99. 99%以上で、ェチレ ングリコールの選択率は 99. 99 %以上であつた。
この条件で長期間の連続運転を行った。 500時間後、 2000時間後、 4000時間後 、 5000時間後、 6000時間後の 1時間あたりの実質生産量は、ジメチルカーボネート 力 3. 340トン、 3. 340トン、 3. 340トン、 3. 340トン、 3. 340トン、エチレングリコー ルカ 2. 301卜ン、 2. 301卜ン、 2. 301卜ン、 2. 301卜ン、 2. 301卜ンであり、ェチレ ンカーボネー卜の反応率は 99. 90%、 99. 89%、 99. 89%、 99. 88%、 99. 88% 、で、ジメチルカーボネー卜の選択率は 99. 99%以上、 99. 99%以上、 99. 99%以 上、 99. 99%以上、 99. 99%以上で、エチレングリコールの選択率は 99. 99%以 上、 99. 99%以上、 99. 99%以上、 99. 99%以上、 99. 99%以上であった。
実施例 2
[0066] 実施例 1と同じ連続多段蒸留塔を用いて、下記の条件で反応蒸留を行った。
液状のエチレンカーボネート 2. 61トン Zhrが下から 55段目に設置された導入口(3 -a)から蒸留塔に連続的に導入された。ガス状のメタノール (ジメチルカーボネート を 2. 41質量0 /0含む) 4. 233トン/ hrと液状のメタノール(ジメチルカーボネートを 1. 46質量%含む) 4. 227トン Zhr力 下から 31段目に設置された導入口(3— b及び 3 c)から蒸留塔に連続的に導入された。蒸留塔に導入された原料のモル比は、メタ ノール Zエチレンカーボネート = 8. 73であった。触媒は実施例 1と同様にして、蒸留 塔に連続的に供給された。塔底部の温度が 93°Cで、塔頂部の圧力が約 1. 046 X 1 05Pa、還流比が 0. 48の条件下で連続的に反応蒸留が行われた。
[0067] 24時間後には安定的な定常運転が達成できた。塔頂部 1からガス状で抜き出され た低沸点反応混合物は熱交換器で冷却され液体にされた。蒸留塔から 8. 17トン Z hrで連続的に抜き出された液状の低沸点反応混合物中のジメチルカーボネートは 2 . 84トン Zhrで、メタノールは 5. 33トン Zhrであった。塔底部 2から 2. 937トン Zhr で連続的に抜出された液中の、エチレングリコールは、 1. 865トン Zhrで、メタノー ルは 1. 062トン Zhr、未反応エチレンカーボネート 0. 2kg/hrであった。原料に含ま れるジメチルカーボネートを除 、た、ジメチルカーボネートの 1時間あたりの実質生産 量は 2. 669トン、触媒溶液に含まれるエチレングリコールを除いた、エチレングリコー ルの 1時間あたりの実質生産量は 1. 839トンであった。エチレンカーボネートの反応 率は 99. 99%で、ジメチルカーボネートの選択率は 99. 99%以上で、エチレングリ コールの選択率は 99. 99%以上であった。
この条件で長期間の連続運転を行った。 1000時間後、 2000時間後、 3000時間 後、 5000時間後の 1時間あたりの実質生産量は、ジメチルカーボネートが 2. 669ト ン、 2. 669卜ン、 2. 669卜ン、 2. 669卜ンであり、エチレングジ 一ノレ力 S、 1. 839卜ン、 1. 839卜ン、 1. 839卜ン、 1. 839卜ンであり、エチレンカーボネー卜の反応率は 99. 9 9%、 99. 99%、 99. 99%、 99. 99%で、ジメチルカーボネー卜の選択率は 99. 99 %以上、 99. 99%以上、 99. 99%以上、 99. 99%以上で、エチレングリコールの選 択率は 99. 99%以上、 99. 99%以上、 99. 99%以上、 99. 99%以上であった。 実施例 3
[0068] 図 1に示されるような L = 3300cm、 D = 300cm, L/D= l l, n=60、 D/d = 7 . 5, D/d = 12 である連続多段蒸留塔を用いた。この蒸留塔のトレィは多孔板トレ
2
ィであり、多孔板部の孔 1個あたりの断面積 =約 1. 3cm2,孔数 =約 220〜340個 Z m2を有していた。各トレイの開口比は、 2. 5〜4. 5%の範囲であった。液状のェチレ ンカーボネート 3. 773トン Zhrが下から 55段目に設置された導入口(3— a)力も蒸 留塔に連続的に導入された。ガス状のメタノール (ジメチルカーボネートを 8. 97質量 %含む) 3. 736トン/ hrと液状のメタノール(ジメチルカーボネートを 6. 65質量0 /0含 む) 8. 641トン Zhrが、下から 31段目に設置された導入口(3— b及び 3— c)力も蒸 留塔に連続的に導入された。蒸留塔に導入された原料のモル比は、メタノール Zェ チレンカーボネート =8. 73であった。触媒は実施例 1と同様にして、蒸留塔に連続 的に供給された。塔底部の温度が 98°Cで、塔頂部の圧力が約 1. 118 X 105Pa、還 流比が 0. 42の条件下で連続的に反応蒸留が行われた。
[0069] 24時間後には安定的な定常運転が達成できた。塔頂部からガス状で抜き出された 低沸点反応混合物は熱交換器で冷却され液体にされた。蒸留塔から 12. 32トン Zh rで連続的に抜き出された液状の低沸点反応混合物中のジメチルカーボネートは 4. 764トン Zhrで、メタノールは 7. 556トン Zhrであった。塔底部力も 3. 902トン Zhr で連続的に抜出された液中の、エチレングリコールは、 2. 718トン Zhrで、メタノー ルは 1. 17トン Zhr、未反応エチレンカーボネート 4. 6kg/hrであった。原料に含ま れるジメチルカーボネートを除 、た、ジメチルカーボネートの 1時間あたりの実質生産 量は 3. 854トン、触媒溶液に含まれるエチレングリコールを除いた、エチレングリコー ルの 1時間あたりの実質生産量は 2. 655トンであった。エチレンカーボネートの反応 率は 99. 88%で、ジメチルカーボネートの選択率は 99. 99%以上で、エチレングリ コールの選択率は 99. 99%以上であった。
この条件で長期間の連続運転を行った。 1000時間後、 2000時間後、 3000時間 後、 5000時間後の 1時間あたりの実質生産量は、ジメチルカーボネートが 3. 854ト ン、 3. 854トン、 3. 854トン、 3. 854トンであり、エチレングリコール力 S、 2. 655トン、 2. 655卜ン、 2. 655卜ン、 2. 655卜ンであり、エチレンカーボネー卜の反応率は 99. 9 9%、 99. 99%、 99. 99%、 99. 99%で、ジメチルカーボネー卜の選択率は 99. 99 %以上、 99. 99%以上、 99. 99%以上、 99. 99%以上で、エチレングリコールの選 択率は 99. 99%以上、 99. 99%以上、 99. 99%以上、 99. 99%以上であった。 実施例 4
図 1に示されるような L = 3300cm、 D = 300cm, L/D= l l, n=60、 D/d = 7 . 5, D/d = 12 である連続多段蒸留塔を用いた。この蒸留塔のトレィは多孔板トレ
2
ィであり、多孔板部の孔 1個あたりの断面積 =約 1. 3cm2,孔数 =約 240〜360個 Z m2を有していた。各トレイの開口比は、 3. 0〜5. 0%の範囲であった。液状のェチレ ンカーボネート 7. 546トン Zhrが下から 55段目に設置された導入口(3— a)力も蒸 留塔に連続的に導入された。ガス状のメタノール (ジメチルカーボネートを 8. 95質量 %含む) 7. 742トン/ hrと液状のメタノール(ジメチルカーボネートを 6. 66質量0 /0含 む) 17. 282トン Zhr力 下から 31段目に設置された導入口(3— b及び 3— c)から 蒸留塔に連続的に導入された。蒸留塔に導入された原料のモル比は、メタノール Z エチレンカーボネート =8. 36であった。触媒は実施例 1と同様にして、蒸留塔に連 続的に供給された。塔頂部の温度が 65°Cで、塔頂部の圧力が約 1. 118 X 105Pa、 還流比 0. 42の条件下で連続的に反応蒸留が行われた。
[0071] 24時間後には安定的な定常運転が達成できた。塔頂部 1からガス状で抜き出され た低沸点反応混合物は熱交換器で冷却され液体にされた。蒸留塔から 24. 641トン Zhrで連続的に抜き出された液状の低沸点反応混合物中のジメチルカーボネート は 9. 527トン Zhrで、メタノールは 15. 114トン Zhrであった。塔底部 2力も 7. 804ト ン Zhrで連続的に抜出された液中の、エチレングリコールは、 5. 436トン Zhrで、メ タノールは 2. 34トン Zhrで、未反応エチレンカーボネート 23kg/hrであった。原料 に含まれるジメチルカーボネートを除 、た、ジメチルカーボネートの 1時間あたりの実 質生産量は 7. 708トン、触媒溶液に含まれるエチレングリコールを除いた、エチレン グリコールの 1時間あたりの実質生産量は 5. 31トンであった。エチレンカーボネート の反応率は 99. 7%で、ジメチルカーボネートの選択率は 99. 99%以上で、ェチレ ングリコールの選択率は 99. 99 %以上であつた。
この条件で長期間の連続運転を行った。 1000時間後の 1時間あたりの実質生産 量は、ジメチルカーボネートが 7. 708トンであり、エチレングリコールが 5. 31トンであ り、エチレンカーボネートの反応率は 99. 8%で、ジメチルカーボネートの選択率は 9 9. 99%以上で、エチレングリコールの選択率は 99. 99%以上であった。
産業上の利用可能性
[0072] 本発明によれば、環状カーボネートと脂肪族 1価アルコールとから、ジアルキルカー ボネートとジオール類力 それぞれ 95%以上、好ましくは 97%以上、さらに好ましく は 99%以上の高選択率で、ジアルキルカーボネートを 1時間あたり 2トン以上、好まし くは 1時間あたり 3トン以上、さらに好ましくは 1時間あたり 4トン以上、ジオール類を 1 時間あたり 1. 3トン以上、好ましくは 1時間あたり 1. 95トン以上、さらに好ましくは 1時 間あたり 2. 6トン以上の工業的規模で、 1000時間以上、好ましくは 3000時間以上、 さらに好ましくは 5000時間以上の長期間、安定的に高収率で製造できることが見出 された。
図面の簡単な説明
[0073] [図 1]本発明を実施する連続多段蒸留塔の一例を示す概略図である。胴部内部には n段のトレィ (本図では、トレィを模式的に表す)が設置されている。 なお、図 1中に 示す符号の説明は、以下のとおりである。 1:ガス抜出し口、 2:液抜出し口、 3— aから 3— e:導入口、 4— a力ら 4—b:導入口、 5:鏡板部、 6:トレイ、 7:胴体部分、 10:連続 多段蒸留塔、 L:胴部長さ (cm)、 D:胴部内径 (cm)、 d:ガス抜出し口の内径 (cm) 、 d:液抜出し口の内径(cm)、

Claims

請求の範囲 環状カーボネートと脂肪族 1価アルコールとを原料とし、この原料を均一系触媒が 存在する連続多段蒸留塔内に連続的に供給し、該塔内で反応と蒸留を同時に行い 、生成するジアルキルカーボネートを含む低沸点反応混合物を塔上部よりガス状で 連続的に抜出し、ジオール類を含む高沸点反応混合物を塔下部より液状で連続的 に抜出す反応蒸留方式によって、ジアルキルカーボネートとジオール類を連続的に 製造するにあたり、 該連続多段蒸留塔が、長さ L (cm)、内径 D (cm)の円筒形の胴部を有し、内部に 段数 nのトレイを有する構造をしており、塔頂部又はそれに近い塔の上部に内径 d (c m)のガス抜出し口、塔底部又はそれに近い塔の下部に内径 d (cm)の液抜出し口、 2 該ガス抜出し口より下部であって塔の上部及び Z又は中間部に 1つ以上の第 1の導 入口、該液抜出し口より上部であって塔の中間部及び Z又は下部に 1つ以上の第 2 の導入口を有するものであって、
(1)長さ L (cm)が式(1)を満足するものであり、
2100 ≤ L ≤ 8000 式(1)
(2)塔の内径 D (cm)が式(2)を満足するものであり、
180 ≤ D ≤ 2000 式(2)
(3)長さ L (cm)と塔の内径 D (cm)の比が、式(3)を満足するものであり、
4 ≤ L/D ≤ 40 式(3)
(4)段数 nが式 (4)を満足するものであり、
10 ≤ n ≤ 120 式(4)
(5)塔の内径 D (cm)とガス抜出し口の内径 d (cm)の比力 式(5)を満足するもので あり、
3 ≤ D/d ≤ 20 式(5)
(6)塔の内径 D (cm)と液抜出し口の内径 d (cm)の比力 式(6)を満足するものであ
2
り、
5 ≤ D/d ≤ 30 式(6)
2
(7)各トレイの開口比が 1. 5〜10%の範囲である、 ことを特徴とするジアルキルカーボネートとジオール類の工業的製造方法。
[2] 製造されるジアルキルカーボネートが 1時間あたり、 2トン以上であることを特徴とす る請求項 1に記載の方法。
[3] 製造されるジオール類が 1時間あたり、 1. 3トン以上であることを特徴とする請求項
1又は 2に記載の方法。
[4] 該 dと該 dが式 (7)を満足することを特徴とする請求項 1〜3のいずれか一項に記
1 2
載の方法;
1 ≤ d /d ≤ 5 式(7)。
1 2
[5] 該連続多段蒸留塔の L、 D、 LZD、 n、 D/d、 D/d 力 それぞれ、 2300≤L
1 2
≤6000、 200≤D≤1000, 5≤L/D≤30, 30≤n≤100, 4≤D/d≤15 、 7≤D/d≤25であることを特徴とする請求項 1〜4のいずれか一項に記載の方
2
法。
[6] 該連続多段蒸留塔の L、 D、 LZD、 n、 D/d、 D/d 力 それぞれ、 2500≤L
1 2
≤5000、 210≤D≤800, 7≤L/D≤20, 40≤n≤90, 5≤D/d≤13、 9≤D/d≤ 20であることを特徴とする請求項 1〜5のいずれか一項に記載の方法。
2
[7] 各トレイの開口比が、 1. 7〜8. 0%の範囲であることを特徴とする請求項 1〜6のい ずれか一項に記載の方法。
[8] 各トレイの開口比が 1. 9〜6. 0%の範囲であることを特徴とする請求項 1〜7のい ずれか一項に記載の方法。
[9] 該トレイが多孔板部とダウンカマー部を有する多孔板トレイであることを特徴とする 請求項 1〜8のいずれか一項に記載の方法。
[10] 該多孔板トレイが該多孔板部の面積 lm2あたり 100〜: L000個の孔を有するもので あることを特徴とする請求項 9記載の方法。
[11] 該多孔板トレイの孔 1個あたりの断面積が 0. 5〜5cm2であることを特徴とする請求 項 9又は 10記載の方法。
[12] 該多孔板トレイの開口比(孔部の面積を含む全多孔板部の面積に対する全孔断面 積の割合)が 1. 9〜6. 0%の範囲であることを特徴とする請求項 10又は 11に記載の 方法。
[13] 環状カーボネートと脂肪族 1価アルコールとのエステル交換反応及び蒸留を行うた めの連続多段蒸留塔であって、
長さ L (cm)、内径 D (cm)の円筒形の胴部と、
該胴部の内部に配設される段数 nのトレイと、
塔頂部又はそれに近 、塔の上部に設けられた内径 d (cm)のガス抜出し口と、 塔底部又はそれに近 、塔の下部に設けられた内径 d (cm)の液抜出し口と、
2
該ガス抜出し口より下部であって、該塔の上部及び Z又は中間部に少なくとも 1つ の第 1の導入口と、
該液抜出し口よりも上部であって中間部及び Z又は下部に少なくとも 1つの第 2の 導入口と、を備え、
(1)長さ L (cm)が式(1)を満足するものであり、
2100 ≤ L ≤ 8000 式(1)
(2)塔の内径 D (cm)が式(2)を満足するものであり、
180 ≤ D ≤ 2000 式(2)
(3)長さ L (cm)と塔の内径 D (cm)の比が、式(3)を満足するものであり、
4 ≤ L/D ≤ 40 式(3)
(4)段数 nが式 (4)を満足するものであり、
10 ≤ n ≤ 120 式(4)
(5)塔の内径 D (cm)とガス抜出し口の内径 d (cm)の比力 式(5)を満足するもので あり、
3 ≤ D/d ≤ 20 式(5)
(6)塔の内径 D (cm)と液抜出し口の内径 d (cm)の比力 式(6)を満足するものであ
2
り、
5 ≤ D/d ≤ 30 式(6)
2
(7)各トレイの開口比が 1. 5〜10%の範囲である、
ことを特徴とする連続多段蒸留塔。
[14] 該 dと該 dが式 (7)を満足することを特徴とする請求項 13に記載の連続多段蒸留
1 2
塔; 1 ≤ d /d ≤ 5 式(7)。
1 2
[15] 該連続多段蒸留塔の L、 D、 LZD、 n、 D/d、 D/d 力 それぞれ、 2300≤L
1 2
≤6000、 200≤D≤1000, 5≤L/D≤30, 30≤n≤100, 4≤D/d≤15 、 7≤D/d≤ 25であることを特徴とする請求項 13又は 14に記載の連続多段蒸留
2
塔。
[16] 該連続多段蒸留塔の L、 D、 LZD、 n、 D/d、 D/d 力 それぞれ、 2500≤L
1 2
≤5000、 210≤D≤800, 7≤L/D≤20, 40≤n≤90, 5≤D/d≤13、 9≤D/d≤ 20であることを特徴とする請求項 13〜 15のいずれか一項に記載の連
2
続多段蒸留塔。
[17] 各トレイの開口比が、 1. 7〜8. 0%の範囲であることを特徴とする請求項 13〜16 の!、ずれか一項に記載の連続多段蒸留塔。
[18] 各トレイの開口比が 1. 9〜6. 0%の範囲であることを特徴とする請求項 13〜17の
V、ずれか一項に記載の連続多段蒸留塔。
[19] 該トレイが多孔板部とダウンカマー部を有する多孔板トレイであることを特徴とする 請求項 13〜18のいずれか一項に記載の連続多段蒸留塔。
[20] 該多孔板トレイが該多孔板部の面積 lm2あたり 100〜: L000個の孔を有するもので あることを特徴とする請求項 19記載の連続多段蒸留塔。
[21] 該多孔板トレイの孔 1個あたりの断面積が 0. 5〜5cm2であることを特徴とする請求 項 19又は 20記載の連続多段蒸留塔。
[22] 該多孔板トレイの開口比(孔部の面積を含む全多孔板部の面積に対する全孔断面 積の割合)が 1. 9〜6. 0%の範囲であることを特徴とする請求項 20又は 21に記載の 連続多段蒸留塔。
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