WO2007060882A1

WO2007060882A1 - エアドライヤ

Info

Publication number: WO2007060882A1
Application number: PCT/JP2006/322947
Authority: WO
Inventors: Yoshihiro Mitsuhashi
Original assignee: Nabtesco Corporation
Priority date: 2005-11-22
Filing date: 2006-11-17
Publication date: 2007-05-31
Also published as: JP5099833B2; JPWO2007060882A1

Abstract

　【課題】外側カバー７０の耐圧性を向上させる上で有利な技術の提供。　【解決手段】外側カバー７０の高さ方向の途中に、周方向の複数個所に凸部７２を設ける。また、乾燥剤５８を入れる乾燥剤容器５０を下方部分５２の方が大径な特異な形状にする。その下方部分５２の外周に、外側カバー７０側の凸部７２と結合する凹部５２２を設ける。それら凸部７２および凹部５２２の凹凸結合によって、外側カバー７０を乾燥剤容器５０に取付け取外し可能に取り付ける。　

Description

明細書

エアドライャ

技術分野

[0001] この発明は、エア機器の作動源となる圧縮空気を乾燥処理するためのエアドライャに関し、特には、車両に搭載し、定期的にメンテナンスを行う上で有利なエアドライャの技術に関する。

背景技術

[0002] この種のェアドライヤの一つとして、支持ベース上に乾燥剤容器を直立に支持し、乾燥剤容器の外側を外側カバーで取り囲むようにしたものが知られている。支持べースは、乾燥処理すべき圧縮空気を受け入れる入口、および乾燥処理をした処理済みの圧縮空気を送り出す出口を含む。また、外側カバーは、内側の乾燥剤容器との間に圧縮空気を貯える部屋を区画する。

[0003] このようなェアドライヤの 3つの構成要素、つまり、支持ベース、乾燥剤容器、外側カバーの互、の結合ある、は組付けに注目すると、エアドライャを 2つのタイプに大別することができる。第 1のタイプは、乾燥剤容器と外側カバーとを完全に一体化 (後で分離することなど想定しなヽ一体化)し、一体ィ匕した乾燥剤容器と外側カバーとを支持ベースに対し取付けおよび取外し可能に取り付けるようにしたものである。もう一つの第 2のタイプは、乾燥剤容器と外側カバーとをそれぞれ分離可能に支持ベースに取り付けるようにしたものである。第 2のタイプは、乾燥剤が入った乾燥剤容器と外側カバーとを分離可能であるため、それら両者を別個に取り扱うことができ、乾燥剤容器あるいは内部の乾燥剤だけを交換することも可能である。その点、第 1のタイプに比べて部品交換の自由度が大きい。

[0004] たとえば、特許文献 1は、乾燥剤容器および外側カバーの各一端部に外向きフランジを設け、そのフランジ部分を複数本の取付けボルトでそれぞれ締め付け固定するよう取り付けている。また、特許文献 2は、外側カバーについては、外向きフランジ部分を複数本の取付けボルトで取り付けているのに対し、乾燥剤容器の方は、容器の中央を貫通するボルトによって取り付けるようにして、る。、ずれも第 2のタイプである特許文献 1：特許第 3322337号公報

特許文献 2：実公平 5 - 29055号公報

[0005] また、第 1のタイプに属するものとして、特許文献 3や 4がある。特許文献 3は、サブプレートの中央に乾燥剤容器を配置し、その乾燥剤容器を外側カバーとの間のばねでサブプレート上に保持しつつ、外側カバーについては、一端部の外向きフランジ部分を断面コ字型のバンドで締め付けるようにしてサブプレートに取り付けている。そして、サブプレート上に一体ィ匕した乾燥剤容器および外側カバーを、サブプレートの中央を貫通するボルトで支持ベースに対して取り付けるようにしている。一方、特許文献 4は、乾燥剤容器を特許文献 3と同様にばねでサブプレート上に保持した上、外側カバーについては、一端部をサブプレートに巻き込むように取り付けている。特許文献 3：特表平 11— 510757号公報

特許文献 4：特開平 11― 309332号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] 発明者は、外側カバーの取付け形態に着目した。今までのものでは、外向きフランジゃ卷込みなど、カバーの開口側の一端部をかなり大きぐし力も周方向全体にわたつて曲げ加工するため、曲げ加工した部分に応力集中を生じやすい。そのような応力集中は、外側カバーの耐圧性を向上させる点から好ましいことではない。

[0007] そこで、この発明は、外側カバーの耐圧性を向上させる上で有利なェアドライヤの技術を提供することを目的とする。

また、この発明は、外側カバーと乾燥剤容器との結合部分が、乾燥剤容器および外側カバーの高さ方向の途中に位置するという、斬新な特徴をもつェアドライヤの技術を提供することを他の目的とする。この発明のさらにその他の目的については、今後の説明から明らかになるであろう。

課題を解決するための手段

[0008] この発明では、外側カバーと乾燥剤容器との結合部分を乾燥剤容器および外側力バーの高さ方向の途中に配置すると、う考え方を基本とする。その考え方によれば、開口を形作る外側カバーの一端部あるいは周縁部を大きく曲げ加工することをなくすことができ、耐圧性で有利な外側カバー形状を得る。

[0009] 外側カバーと乾燥剤容器との実際の結合手段 (つまり、第 1の取付け手段）は、凹部と凸部とによる凹凸結合である。この凹凸結合のため、互いに結合ないしは取付けを行うべき一方に凹部、他方に凸部を設ける。第 1の取付け手段である凹凸結合は、結合を解除できないような形態にすることもできるし、結合を解除可能な形態にすることもできる。分離を想定しない前記した第 1のタイプにする場合には、両方に凹部および凸部を設け、一方の凹部と他方の凸部との凹凸結合に加え、一方の凸部と他方の凹部との凹凸結合をすることもできる。

[0010] 外側カバーと乾燥剤容器との好ましい結合形態は、結合させるべき凹部および凸部を周方向に間隔をおいてそれぞれ複数設け、それらの凹部および凸部について、乾燥剤容器と外側カバーとを軸回りに回転させることにより互いに凹凸結合し、かつ回転を戻すことにより凹凸結合を解除可能になるように構成した形態である。このような結合 Z解除が可能な凹凸結合には、バョネット結合のように回転の終端で結合を強固にするような結合を利用することもできるし、そのほか、一端が開き他端が閉じた凹部のいずれの箇所でも凸部がある程度のクリアランスをもつような結合を利用することができる。クリアランスをもつ後者の結合は、凹凸結合を解除し乾燥剤容器と外側カバーとを分離することが容易である一方、結合を強固に保持するための付加的な手段が必要である。強固にする手段としては、ねじやピンなどの止め部材を利用する方法もあるが、凹凸結合の周囲に圧縮空気を閉じ込めるようにし、その閉じ込めた圧縮空気の作用で外側カバーを乾燥剤容器に部分的に当てることにより、クリアランスに起因するガタツキをなくす方法を適用することができる。圧縮空気はエアドャィャに付き物であり適用が容易である上、ガタツキを確実になくすことができることから、圧縮空気を利用する方法は特に好ましヽ。

[0011] 外側カバーと乾燥剤容器とを凹凸結合するのと同様に、互いに一体にした外側力バーおよび乾燥剤容器を支持ベースに対し同様の凹凸結合によって取付けおよび取外し可能に取り付けることができる。支持ベースに対する取付けについては、メンテナンスおよび部品交換の観点から、取付けおよび取外しを可能にすることが必要である。この支持ベースに対する取付けを凹凸結合以外の手段 (たとえば、中央を貫通するボルトなど）によって行うこともできるが、耐圧性を考慮すると、結合部分が外周側に位置する手段が好ましい。その点、より外周側に結合部分を配置することができる凹凸結合は最適な方法である。さらに好ましくは、外側カバーと乾燥剤容器とを結合する第 1の凹凸結合と、支持ベースと外側カバー Z乾燥剤容器とを結合する第 2 の凹凸結合との 2つの凹凸結合部分を共に外周側に配置した上、それら 2つの凹凸結合部分を乾燥剤容器の高さ方向の途中に上下に位置させると良い。

[0012] 乾燥剤容器との結合部分が高さ方向の途中に位置する外側カバーを見ると、開口側の一端部あるいは周縁部が、高さ方向途中の凹凸の大きさに比べて凹凸が小さく、外側カバーの軸線方向に滑らかに伸びる。この滑らかに伸びる部分の形状については、所定以上の変形をさせない範囲で設計的な変更が可能である。たとえば、わずかながら湾曲させることによって、取付けを容易にすることができるし、また、型抜きを容易にするような形状にすることができる。

図面の簡単な説明

[0013] [図 1]この発明のェアドライヤの一実施例を示す断面構造図である。

[図 2]図 1のェアドライヤの中の外側カバーを示す縦断面図である。

[図 3]図 2の外側カバーを底面力も見た図である。

[図 4]図 1のェアドライヤの中の乾燥剤容器を示す上面図である。

[図 5]図 4の 5— 5線に沿う断面図である。

[図 6]図 4および図 5の外側カバーを底面から見た図である。

[図 7]この発明のェアドライヤの他の実施例を示す部分的な断面構造図である。

[図 8]この発明のエアドライャのさらに他の実施例を示す外観図である。

[図 9]図 8のェアドライヤの外側カバーを示す縦断面図である。

[図 10]図 9の外側カバーを底面力も見た図である。

符号の説明

[0014] 10 エアドライヤ

12 支持ベース

124 内佃 jリング部 126 外側リング部

14 人口

16 出口

50 乾燥剤容器

52 下方部分

522 凹部

58 乾燥剤

60 凹凸結合部分

70, 700 外側カバー

72, 720 凸部

74 周縁部分

75 部屋

752 第 2の部屋

100 背圧用逆止弁

発明を実施するための最良の形態

[0015] 図 1は、この発明によるェアドライヤの一実施例であり、縦方向に割った断面構造を示している。エアドライャ 10の底部には肉厚な支持ベース 12がある。支持ベース 12 は、アルミニウムあるいはその合金など力もなる金属成型品である。支持ベース 12の一方の側面には空気圧縮機（図示しない）の吐出口に連絡される入口 14があり、他方の側面にはメインタンク（図示しない）に連絡される出口 16がある。これら出口 16および入口 14は、配管接続口でもあり、ねじ孔から構成される。

[0016] 入口 14は、径方向に伸びる入口孔 142から中央の縦孔 18を通し支持ベース 12の上面に連絡している。また、出口 16は、出口孔 162およびバルブ収容孔 164を通して支持ベース 12の上面に連絡している。出口 16側のノレブ収容孔 164には、支持ベース 12上面から出口 16に向力う方向を順方向とする逆止弁 20が入っている。

[0017] 支持ベース 12は、下面側にハブ状の突起部 122を一体に備えているのに対し、上面側には、内側リング部 124および外側リング部 126を同心状に備えて、る。外側リング部 126は、内側リング部 124に比べて背が高ぐし力も肉がより厚い。内側リング部 124と外側リング部 126との間にわたって支持ベース 12の上面は大きくえぐられ、そこにリング状の空間 128が形作られている。後で明らかになるであろうが、このリング状空間 128は、乾燥処理を終えた圧縮空気を貯える空間として利用される。したがつて、逆止弁 20を収容したノレブ収容孔 164は、リング状空間 128に開口する。

[0018] エアドライヤ 10は、そのような支持ベース 12のほ力支持ベース 12上に位置する乾燥剤容器 50および外側カバー 70を備える。乾燥剤容器 50は、内部に乾燥剤 58 を収容した容器である。ここでは、乾燥剤容器 50は、今までのものとは異なり、下方部分 52が上方部分 51に比べて大径である、また、外側カバー 70は、乾燥剤容器 50 の外側を取り囲み、その乾燥剤容器 50との間に圧縮空気を貯える部屋 75を区画するカバーである。大径な下方部分 52は外側カバー 70の内径に適う大きさであり、それら両者が互いにはまり合う。はまり合う部分には、密閉するためのシールリング 80、および互いを結合するための特定の凹凸結合部分 60がそれぞれある。大径な下方部分 52は、外側カバー 70と特異な結合を可能にするほか、乾燥剤容器 50の重心を低くし、取付けや取扱いの安定性をも高める。

[0019] 乾燥剤容器 50の大径な下方部分 52は、リング状の内部空間 528を備える。内部空間 528は、支持ベース 12側のリング状空間 128と一緒になつて、乾燥処理を終えた圧縮空気を貯えるための第 2の部屋 752を区画する。第 2の部屋 752と上方の部屋 75とは、下方部分 52の上部に開けた複数の連通孔 54を通して互いに連通する。

[0020] 大径な下方部分 52のリング状内部空間 528は、幅が広い部分と幅が狭い部分とが連続した形態である。それに応じ、乾燥剤容器 50の容器内部には、底部に小容積の収容部分があり、その上に大容積の収容部分がある。底部の小容積の収容部分にはフィルタエレメント 57が充填され、その上の大容積の収容部分に再生可能な粒状の乾燥剤 58が充填されてヽる。容器内部の乾燥剤 58およびフィルタエレメント 57は、複数の取付けボルト 560をゆるめ乾燥剤容器 50の上部のふた部材 56を取り外すことによって交換可能である。ふた部材 56には、逆止弁 563が閉じる比較的に大きな通路 562、および再生サイクル時に絞りとなる小さな通路 561がある。

[0021] そこで、乾燥処理すべき圧縮空気は、入口 14から入りまずフィルタエレメント 57によつてコンプレッサオイルやダストが除去され、ついで乾燥剤 58の中を通過することにより除湿される。除湿され乾燥した圧縮空気は、逆止弁 563を開いて通路 562から外側カバー 70内周の部屋 75、およびそれに連通する第 2の部屋 752に流入する。流入した圧縮空気は、一部が再生用として部屋 75および第 2の部屋 752内に貯えられ、残りは支持ベース 12内の逆止弁 20から出口 16を通して外部のメインタンク内に貯えられる。メインタンク内の乾燥圧縮空気は、たとえばエアブレーキ系統の各機器の作動に利用される。

[0022] 支持ベース 12の中央の縦孔 18の中に、よく知られたドレン弁 90が設置されている。ドレン弁 90は、ドレンを排出するための弁、および乾燥剤の再生サイクル時における外気への開放弁を兼ねている。ドレン弁 90は、乾燥剤 58を乾燥処理する時には閉じているが、メインタンク内の圧力が所定値に達すると、プレツシャガバナ（図示しな!、)からの指令信号によってピストン 92を下げ弁を開く。水分やオイルを含むドレンは、ドレン弁 90の開閉に応じて、圧縮空気と一緒に勢いよく外部へ放出される。そのため、放出に伴う騒音を低減するため、ドレン弁 90の排出口にはサイレンサ 94が設けられる。

[0023] すでに述べたとおり、支持ベース 12に対し乾燥剤容器 50と外側カバー 70とを取付けおよび取外し可能に取り付けるようにするのが好ましい。エアドライャ 10では、乾燥剤容器 50と外側カバー 70とを取付けおよび取外し可能に取り付ける上、一体にした乾燥剤容器 50と外側カバー 70とを支持ベース 12に取付けおよび取外し可能に取り付けるようにしている。

[0024] まず、乾燥剤容器 50と外側カバー 70との取付け構造を説明する。図 2および図 3 が外側カバー 70を示している。外側カバー 70は、プレスによる金属加工品であり、プレスは二段階にわたる。一段目は外側カバー 70の全体形状を得るためのプレス、二段目が結合用の凸部 72を得るためのプレスである。外側カバー 70は、下方に開いたカップ形状である。開口を形作る周縁部分 74は、それに続く外側カバー 70のその他の部分に比べてわずかに径が大きい。周縁部分 74の径は、支持ベース 12の外側リング部 126にはまり合う大きさであり、し力もまた、乾燥剤容器 50の下方部分 52との組付けを容易にする大きさである。結合用の凸部 72は、外側カバー 70自体の加工により内側に突き出た突起である。凸部 72は、互いに等間隔に隔てた周方向の 4個所に位置し、その高さ（突き出る大きさ）は外側カバー 70の板厚 (たとえば 3. 2mm) の 2倍程度である。凸部 72自体の占める領域力 S小さぐ高さも小さいことから、凸部 7 2の加工に伴う応力は小さい。このような複数の凸部 72は、それぞれが独立した形態で外側カバー 70の高さ方向途中に位置するため、耐圧性に悪影響を及ぼすおそれは小さい。し力も、外側カバー 70は、凸部 72から開口部に至る周縁部分が滑らか（少なくとも凸部 72の凹凸変形の大きさよりも小さな変形)であるので、内在する応力が小さく耐圧性にすぐれて、る。

[0025] 外側カバー 70の複数の凸部 72は、乾燥剤容器 50の下方部分 52の外周の凹部 5 22にはまり合うように凹凸結合する。図 4〜6が乾燥剤容器 50を示している。図 4〜6 、特には図 4から分力るように、乾燥剤容器 50の下方部分 52の外周には、外側カバ一 70の凸部 72がはまり合い凹凸結合する溝（凹部） 522がある。凹部 522は、乾燥剤容器 50の下方部分 52の外周面上ほぼ全体にわたり、一個所がストッパ 523となつている。凹部 522の深さは凸部 72に適う大きさであることは勿論である。また、乾燥剤容器 50の下方部分 52の外周面上、凹部 522上のフランジ部分 524は、凸部 72に対応して互いに等間隔に隔てた周方向の 4個所に位置している。隣り合うフランジ部分 524の切欠き 525は、凸部 72を入り込ませる（下方に落とすように入れる）のに充分な大きさである。したがって、外側カバー 70の複数の凸部 72を乾燥剤容器 50の下方部分 52の切欠き 525を通して下方に落とし込み、その後に外側カバー 70と乾燥剤容器 50の下方部分 52とを相対的に回転させ、凸部 72の一つを凹部 522側のストッパ 523に当てることによって、凸部 72と凹部 522とを凹凸結合させることができる。一方、この凹凸結合は、回転を戻すことにより、凸部 72と凹部 522との結合を容易に解除することができる。

[0026] また、同様の凹凸結合を適用することによって、一体にした乾燥剤容器 50と外側力バー 70とを支持ベース 12に取り付けるようにすることができる。そこで、エアドライャ 1 0では、乾燥剤容器 50の下方部分 52の外周面上、外側カバー 70との結合用凹部 5 22よりも下方位置に、支持ベース 12との結合用凸部 5212を設け、それに応じて、支持ベース 12の外側リング部 126の内周に、結合用凹部 17を設けている。こちらの方の凸部 5212および凹部 17の数はそれぞれ 8としている。

[0027] 一体にした乾燥剤容器 50と外側カバー 70とを支持ベース 12に取り付けるとき、乾燥剤容器 50の下方部分 52を外側リング部 126の内周、内側リング部 124の内周、さらに外側カバー 70の開口周縁部 74を外側リング部 126の外周にそれぞれはまり合わせる。したがって、それらのはまり合い部分を密閉するため、シールリング 80を間に入れる。

[0028] ところで、凹凸結合によって一体にした乾燥剤容器 50と外側カバー 70との結合、ならびにそれらと支持ベース 12との結合のガタツキをなくすため、ここでは、エアドラィャ 10が貯える圧縮空気を利用する。乾燥剤容器 50の下方部分 52の上部に背圧用逆止弁 100を設け、その逆止弁 100によって、 2つの凹凸結合部分の周囲に圧縮空気を閉じ込め、その圧縮空気に基づく作用力で結合すべき一方の部材を他方の部材に押し当てるようにしている。背圧用逆止弁 100は、たとえば、カップ状ゴム部材 110およびゴム部材 110を支えるスライド弁体 120、ならびに弁を閉じるようにスライド弁体 120を押すコイルスプリング 130など力も構成することができる。また、各結合部分の周囲への通路は、乾燥剤容器 50の下方部分 52に設けた内部通路および結合部分の遊びを用いることができる。背圧用逆止弁 100は、エアドライャ 10が再生サイクルに入り、部屋 75, 752内の圧縮空気を外部に放出する段階でも、圧縮空気を結合部分の周囲に閉じ込めたままである。したがって、各凹凸結合によるガタツキを常時なくすことができる。なお、一体にした乾燥剤容器 50と外側カバー 70とを支持べ一ス 12から取り外す場合、結合部分の周囲に閉じ込めた圧縮空気を解放することが必要である。その解放を考慮し、この実施例では、シールリング付き止めねじ 150を利用している。止めねじ 150は、外側カバー 70の切欠きに位置し、外側カバー 70を回転止めする機能をもつ。また、止めねじ 150は、取り付けた状態で圧縮空気を閉じ込め、取り外した状態で圧縮空気を解放 (つまり、残圧を解除)する。そのような止めねじ 150を外す作業は、取外し作業に先立って必ずなされる作業であるので、その作業に応じて取外し時に必然的に残圧を解除することができる。

[0029] 図 7は、圧縮空気を閉じ込めるための別の実施例である。この例では、逆止弁 20から出口 16に至る途中に内部通路 170を設けることにより、背圧用逆止弁 100を省略するようにしている。別にいうと、出口 16近くの逆止弁 20を背圧用としても兼ねている。なお、この例でも残圧解除のための止めねじ 150は必要である。

さらにまた、先に述べた実施例では、乾燥剤容器 50と外側カバー 70との凹凸結合部をカバーの周方向 4個所に配置している力そのような結合部をより多くの個所に配置し、凹凸結合部自体の全体数を増やすことができる。図 8は、凹凸結合部を全体で 10個にしたェアドライヤの外観図であり、図 9および図 10はそれに用いる外側力バーを示している。これらの図に示す例の場合、外側カバー 700は、周方向に等間隔に配置した、 10個の結合のための第 1の凸部 720のほ力、それら第 1の凸部 720 の互いに隣り合うものの間に配置した背の低い第 2の凸部 722を備えている。第 1の凸部 720の高さは、板厚 (たとえば 3. 2mm)の 2倍程度であるのに対し、第 2の凸部 722の高さは板厚をわずかに越える程度である。このように、より大きな凸部 720の間に小さな凸部 722を設けることにより、プレス加工に伴う応力集中を有効に分散させることができる。応力集中を分散させるため、予め一周にわたる背の低い凸部（つまり、外側カバーの内周に向かうくぼみ）を設け、その後そのくぼみに沿うように、結合のための凸部をカ卩ェすることもできる。なお、各凸部 720, 722をプレスカ卩ェするとき、外側カバー 700の軸中心を挟んで径方向に対向する位置にあるものを同時にプレス加工するのが良い。それによつて、プレス力卩ェに伴う歪みの発生を最小限に抑えることができるからである。たとえば、凸部が 10個であるとき、周方向に等間隔に配置した 4個の凸部をプレスカ卩ェした後、加工位置を変化させてさらに 4個の凸部、そして、残りの 2個の凸部という順にプレス加工する。

Claims

請求の範囲

[1] 乾燥処理すべき圧縮空気を受け入れる入口および乾燥処理をした処理済みの圧縮空気を送り出す出口を含む支持ベースと、

その支持ベース上に直立に支持される容器であって、内部に乾燥剤を収容し、前記入口からの圧縮空気を乾燥剤を通して乾燥処理可能な乾燥剤容器と、

前記支持ベース上、乾燥剤容器の外側を取り囲み、その乾燥剤容器との間に圧縮空気を貯える部屋を区画する外側カバーと、

その外側カバーと前記乾燥剤容器とを互いに取り付ける第 1の取付け手段と、その第 1の取付け手段によって互いに一体に結合した外側カバーおよび乾燥剤容器を前記支持ベース上に取付けおよび取外し可能に取り付ける第 2の取付け手段とを備えるエアドライャであって、

前記外側カバーと前記乾燥剤容器との前記第 1の取付け手段による結合部分を乾燥剤容器および外側カバーの高さ方向の途中に配置するため、次のように構成したことを特徴とするエアドライャ。

(A)前記乾燥剤容器の下方部分を上方部分に比べて大径とし、その大きさを前記外側カバーの内径に適うようにする

(B) Aに応じて互いにはまり合う前記乾燥剤容器の下方部分と前記外側カバーとは、それぞれの高さ方向の途中の一方に凹部、他方に凸部をもち、それらの凹部および凸部によって互いに凹凸結合する

[2] 前記凹部および凸部が、次の (C)をも満足する、請求項 1のエアドライャ。

(C)前記凹部および凸部は周方向に間隔をおいてそれぞれ複数あり、し力も、それらの凹部および凸部は、前記乾燥剤容器と外側カバーとを軸回りに回転させることにより互いに凹凸結合し、かつ回転を戻すことにより凹凸結合を解除可能になっている

[3] 前記 (C)における凹凸結合部分の周囲に、前記処理済みの圧縮空気を閉じ込めることができ、その閉じ込めた圧縮空気によって、前記凹凸結合した段階で存在するクリアランスをなくし、そのクリアランスに起因するガタツキをなくすようにした、請求項 2のエアドライャ。

[4] 前記乾燥剤容器の下方部分は、前記乾燥剤容器の下方部分と前記外側カバーとを凹凸結合する第 1の凹部あるいは凸部に加えて、前記乾燥剤容器を前記支持べースに取り付けるための第 2の凹部あるいは凸部を備え、それに応じて、前記支持べースが、その凹部あるいは凸部に凹凸結合する相手となる第 2の凹部あるいは凸部を備え、それらの第 2の凹部および凸部も、周方向に間隔をおいてそれぞれ複数あり、し力も、前記乾燥剤容器と外側カバーとを軸回りに回転させることにより互いに凹凸結合し、かつ回転を戻すことにより凹凸結合を解除可能になっている、請求項 2のェアドライヤ。

[5] 前記第 1の凹部および凸部、ならびに第 2の凹部および凸部による 2つの凹凸結合部分が、前記乾燥剤容器の高さ方向の途中に上下に位置する、請求項 4のエアドラィャ。

[6] 前記 2つの凹凸結合部分の周囲両方に、前記処理済みの圧縮空気を閉じ込めることができ、その閉じ込めた圧縮空気によって、前記凹凸結合した段階で存在するタリァランスをなくし、そのクリアランスに起因するガタツキをなくすようにした、請求項 5のエアドライャ。

[7] 前記支持ベースは、前記外側カバーの開口にはまり合う外径をもつ、リング状の立ち上がり部分を含み、その立ち上がり部分に前記第 2の凹部あるいは凸部があり、その支持ベース側の第 2の凹部あるいは凸部と前記乾燥剤容器側の第 2の凹部あるいは凸部とが凹凸結合するとき、前記支持ベースの立ち上がり部分が前記外側カバーの開口にはまり合う、請求項 5のエアドライャ。

[8] 前記開口を形作る外側カバーの周縁部が、前記外側カバーの高さ方向途中の凹凸の大きさに比べて凹凸が小さぐその外側カバーの軸線方向に滑らかに伸びる、請求項 7のエアドライャ。