WO2007040074A1 - 空気調節装置及びこれに用いるフィルター - Google Patents

Abstract

　逆Ｖ字状の室内熱交換器２の前方上方側に形成された略三角形状の空間に、フィルター９移動のためのＵ字状の移動経路Ａを設ける。移動経路Ａは、ガイド手段１０により形成され、ガイド手段１０にフィルター９の両端側が保持される。フィルター９を前後方向に往復移動させることができる。また、このガイド手段１０の一部をガイド片に設ける。ガイド片を、上端側に設けられた回動部２５を中心として開回動させることにより、移動経路Ａをケーシング２の前方側に開口させる。フィルター９を移動経路Ａ内に挿入しやすい。また、フィルター９の四方に位置するフィルター枠１４の縦枠１４ａを波形状とすることにより、縦枠１４ａが肉薄となり撓みやすくなるため、フィルター９を湾曲させやすい。

Description

明 細 書

空気調節装置及びこれに用いるフィルター

技術分野

[0001] 本発明は、フィルターの清掃を行うことができる空気調節装置及びこれに用いるフィ ルターに関する。

背景技術

[0002] 空気調和機には、室内機のケーシングの吸込口の内面側に沿ってフィルターが設 けられている。フィルタ一は、吸込口から吸引された空気中の塵埃を除去し、ケーシ ング内に塵埃が侵入するのを防ぐことができる。フィルターが汚れると、 目詰まりにより 空気調和機の空調能力が低下してしまうので清掃する必要がある。

[0003] そこで、フィルター清掃を自動的に行うことのできる空気調和機がある。例えば、特 許文献 1には、吸込口と吹出口とを備えた本体内に、摺動自在に装着されたフィルタ 一と、同フィルターを往復的に移動させる駆動装置と、前記フィルターが通過する通 過口を前後に備え、前記フィルターと接触するように配設されたフィルター清掃部を 内設したダストボックスとを設けてなる空気調和機が開示されて 、る。フィルターを往 復動させることにより、フィルターの全面をフィルター清掃部で自動的に清掃すること ができる。

[0004] また、エンドレス型の輪状のフィルターと、フィルターを回転移動させる駆動装置と、 フィルター清掃手段とを設け、フィルターを回転移動させることにより、フィルターの全 面を清掃することのできる空気調和機もある。

特許文献 1 :特開 2005— 188808号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] し力しながら、特許文献 1記載の空気調和機では、フィルターが空気調和機の本体 前面力 飛び出してくるので、見た目が悪い。また、フィルターを飛び出させるために は、ケーシング前面を覆う前パネルに開口を設ける必要があり、見苦しい。また、ェン ドレス型のフィルターの場合は、フィルター全長が長くなつてしまう。 [0006] また、特許文献 1記載の空気調和機では、本体内にフィルターを湾曲させながら装 着しなければならないので、取付作業が困難である。また、エンドレス型の輪状のフィ ルターを設けた空気調和機では、輪状のフィルターが駆動装置を取り囲むように配さ れているので、フィルターのみの着脱が困難である。

[0007] さらにまた、特許文献 1記載の空気調和機では、フィルターの剛性が高!、ため、フィ ルターを湾曲させにくい。湾曲部分に大きな負荷力かかるため、フィルターに変形や 割れが生じしまう。特に、フィルターに凹凸を設け、駆動手段であるギアと嚙み合わせ て移動させる機構を有する空気調和機では、凸部形成によりフィルターの剛性がより 高くなつてしまう。フィルターの剛性が高 、と歯飛びが発生するおそれがある。

[0008] 本発明は、上記課題に鑑み、フィルター清掃のメンテナンスが容易な空気調節装 置と、これに用いる湾曲させやすいフィルターを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009] 上記目的を達成するため、本発明は、ケーシングの吸込口の内面側に沿って配さ れた板状のフィルターと、フィルターを清掃する清掃手段と、清掃手段に対してフィル ターをケーシング内で移動させるための移動経路とが設けられたことを特徴とする空 気調節装置である。フィルターをケーシング内で移動させる移動経路が確保されて いるので、フィルターを清掃手段に対して移動させても、フィルターがケーシング外へ 突出しない。したがって、前パネルに開口を設ける必要がない。また、フィルターが板 状であるので、ケーシングからフィルターのみを取り外しやすい。板状のフィルターで あれば、少なくとも吸込口と対向する長さがあればいいので、フィルターの長さがェン ドレス型のものに比べて短くてすむ。

[0010] 移動経路の形態は、フィルターをケーシング内で移動させることができればよい。例 えば、吸込口の内面側に沿って形成されると共に、その端部から内側又は外側へ u 字状に折り返して形成してもよいし、吸込口の内面側に沿って形成されると共に、そ の端部力 内側又は外側に渦状に巻き上げる形態としてもよい。

[0011] 移動経路を U字状に折り返して形成する形態について、その折り返す位置は、ケー シングの前方、後方、側方のいずれであってもよいが、前方が好ましい。前方で折り 返す形態であれば、フィルターを移動経路に挿入しやすい。また、前方に清掃手段 を設けることができるので、フィルターの清掃手段への取付作業がしゃす 、。

[0012] 移動経路の両側端にガイド手段が設けられる。ガイド手段としては、例えば、ケーシ ングに、内レール及び外レールを設け、内レールと外レールとの間にフィルターの側 端を挟持させて誘導するようにしてもよいし、ケーシングに 1本のレールを設け、フィ ルターの側端にレールと嵌合する溝を設けてもよ 、。

[0013] また、ケーシング内においてフィルター設置領域を区画するための区画壁が設けら れる。区画壁は、格子状に形成し、空気の流通を可能とするのが好ましい。区画壁が 、ガイド手段の外レールの一部を構成すれば、部品点数が多くならないですむ。

[0014] フィルターを移動させる駆動手段が設けられる。駆動手段によりフィルターを移動さ せれば、自動的に清掃を行うことができる。

[0015] また、本発明は、ケーシングの吸込口の内面側に沿って配された板状のフィルター と、フィルターを清掃する清掃手段と、清掃手段に対してフィルターを移動させるため の移動経路とが設けられた空気調節装置であって、移動経路の一部を構成するガイ ド片が設けられ、ガイド片は、その一端側に設けられた回動部を中心として他端を回 動させることにより、移動経路をケーシング外に開口させることができる。

[0016] ガイド片を回動させ、移動経路をケーシング外へ開口させることにより、簡単にフィ ルターを移動経路内に挿入することができる。また、フィルターが板状であるので、移 動経路に挿入しやすぐかつ、ケーシンダカ フィルターのみを取り外しやすい。板 状のフィルターであれば、少なくとも吸込口と対向する長さがあればいいので、フィル ターの長さがロール型のものに比べて短くてすむ。

[0017] 移動経路が湾曲している場合であっても、その湾曲部分にガイド片を設けることに より、移動経路を外側へ開口させることができる。簡単にフィルターを挿入することが できる。

[0018] なお、移動経路は、フィルターをケーシング内で移動させる形態であっても、ケーシ ング外へ突出するように移動させる形態であってもよ 、。フィルターをケーシング内で 移動させる形態であれば、フィルターがケーシング外へ突出しないので、外観上好ま しい。移動経路の形態は、たとえば、吸込口の内面側に沿って形成されると共に、そ の端部から内側又は外側へ U字状に湾曲させながら折り返して形成してもよいし、吸 込口の内面側に沿って形成されると共に、その端部から内側又は外側に渦状に巻き 上げる形態としてもよい。

[0019] フィルターを移動させる駆動手段が設けられる。駆動手段によりフィルターを移動さ せれば、自動的に清掃を行うことができる。また、駆動手段は、ガイド片と対向する位 置に設けられる。開回動したガイド片の移動経路にフィルターを挿入した後、ガイド片 を閉回動させれば、ガイド片に位置しているフィルターと駆動手段とが当接するので 、互いを装着させることができる。

[0020] 駆動手段としては、限定されるものではな 、が、ギアが好ま U、。また、フィルタ一は 、フィルタ一網と、フィルタ一網の側方端を支持する縦枠を備え、縦枠の一面側に、 ギアと嚙み合う凹凸が長手方向に形成される。ガイド片とギアとでフィルターを挟み込 み、ギアと縦枠の凹凸とを嚙合させることができる。駆動手段とフィルターとの装着を より簡単に行うことができる。縦枠の凹凸と、ギアの歯とを同一ピッチで形成するのが 好ましい。歯飛びをより効果的に防止することができる。また、縦枠の素材は限定され るものではないが、合成樹脂、ゴム又は紙等の可撓性のある素材が好ましい。フィル ターを屈曲させやすいので、移動経路を移動させやすくなる。また、縦枠の凹凸とギ ァとを嚙み合わせやすくなる。

[0021] ケーシングのフィルター装着用の開口を開閉自在とするパネルを有し、パネルと対 向する位置にガイド片が設けられる。パネルの開姿勢において、ガイド片の操作がし やすい。また、ガイド片は、パネルの閉動作に連動して閉回動する。パネルを閉動作 するだけで、ガイド片を閉回動させることができるので、操作が簡単である。

[0022] パネルの内面側に、凸状に隆起した当接部が形成され、パネルの閉動作において 当接部をガイド片に当接可能とする。当接部でガイド片に当接し、ガイド片を閉回動 させることがでさる。

[0023] また、フィルタ一は、フィルタ一網と、フィルタ一網の側方端を支持する縦枠とを備え 、縦枠の一面側に、フィルターを移動させる駆動手段に嚙合するための凹凸が縦枠 の移動方向に形成され、凹凸により形成された凸部の他面側に、移動方向と直交す る方向に溝部が形成されたものを採用することができる。

[0024] 縦枠に凹凸を設けると、凸部が肉厚となるために剛性が高くなつてしまうので、凸部 の裏面に、移動方向と直交する方向に溝部を設け、縦枠を移動方向に屈曲しやすく している。

[0025] なお、溝部は、スリット状の狭 、ものであってもよ!/、が、縦枠全体として側面視が略 波形状となるように形成するのが好ましい。波形状とすると、縦枠を全体的に薄肉に 形成できるので、可撓性をより高めることができる。なお、「波形状」の凹凸面は、カー ブした形状であってもよ 、し、角張った形状であってもよ 、。

[0026] フィルターの反りや波うちを防止するために、幅方向に延びる横リブをフィルタ一網 に固定した場合には、横リブと縦枠とを不連続とするのが好ましい。横リブと、比較的 剛性の高い縦枠とを連結させると、フィルターの移動方向の屈曲性を低下させてしま うので、横リブと縦枠とを不連続とし、横リブを設けた場合であっても、フィルターの移 動方向の屈曲性を保持できるようにする。

[0027] 縦枠の素材は限定されるものではな 、が、合成樹脂、ゴム又は紙等の可撓性のあ る素材が好ましい。フィルターを屈曲させやすいので、移動経路を移動させやすくな る。

[0028] 上記のようなフィルターを、空気調和機、空気清浄機、イオン発生装置、除湿機、加 湿機あるいはファンヒータ等の空気調節装置に適用することができる。特に、フィルタ 一の位置を移動させる駆動手段を有する空気調節装置に好適に採用することができ る。このとき、駆動手段であるギアに、フィルターの縦枠の凹凸を嚙み合わせて移動 させることがでさる。

[0029] さらには、フィルタ一は移動方向において優れた屈曲性を有するので、フィルター の移動経路 Aが湾曲していてもその湾曲に追随させることができる。特に、移動経路 が空気調節装置のケーシング内に納められ、急な角度を有する移動経路であっても 、この移動経路に沿ってフィルターを移動させることができる。

発明の効果

[0030] 本発明によると、フィルターをケーシング内で移動させる移動経路が設けられて!/ヽ るので、フィルターを移動させてもフィルターがケーシング外へ突出せず、見栄えが 悪くなることはない。前パネルに開口を設ける必要もない。また、フィルターが板状で あるので、ケーシングからフィルターのみを取り外しやすい。フィルターの全長は、ェ ンドレス型のものに比べて短くてすむ。

[0031] また、フィルターを移動させるための移動経路の一部を構成するガイド片を設け、ガ イド片を開回動させることにより、移動経路をケーシング外へ開口させることができる。 簡単にフィルターを移動経路内に挿入することができる。

[0032] さらにまた、フィルターの側方を支持する縦枠の一面側に形成された凸部の他面側 に、移動方向と直交する方向に溝を形成したので、フィルター枠を移動方向に湾曲 させやすい。したがって、屈曲させて空気調節装置に装着しても、耐久性に優れ、変 形や割れを防止することができる。

図面の簡単な説明

[0033] [図 1]本実施形態の空気調和機の室内機の斜視図

[図 2]同じく空気調和機の断面図

[図 3]図 2の要部拡大図

[図 4]前パネルを開 、た状態の空気調和機の断面図

[図 5]本実施形態の空気調和機の要部を示す斜視図

[図 6]同じく空気調和機の要部を示す斜視図

[図 7]フィルターの斜視図

[図 8]図 7の要部拡大図

[図 9]フィルターの正面図

[図 10]A— A断面図

[図 11]B-B断面図

[図 12]他の実施形態のフィルターの縦枠の側面図

符号の説明

[0034] A 移動経路

1 室内機

4 ケーシング

5 前パネル

8 当接部

9 フィルター 10 ガイド手段

11 駆動手段

12 清掃手段

13 フィルタ一網

14 フィルター枠

15 リブ

17 側壁

18 中央体

19 ガイド片

20 ストッパー

21 内レール

22 外レール

23 側板

24 j板

25 回動部

26 係止部

27 凸部

28 係止穴

29 区画壁

30 モーター

34 吸引部

35 吸引装置

36 吸引ダクト

発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図 1は本実施形態の空気調 和機の室内機の斜視図、図 2は同じく空気調和機の断面図、図 3は図 2の要部拡大 図、図 4は前パネルを開いた状態の空気調和機の断面図、図 5は本実施形態の空気 調和機の要部を示す斜視図、図 6は同じく空気調和機の要部を示す斜視図、図 7は フィルターの斜視図、図 8は図 7の要部拡大図、図 9はフィルターの正面図、図 10は A— A断面図、図 11は B— B断面図、図 12は他の実施形態のフィルターの縦枠の側 面図である。

[0036] 本空気調和機は、室内機 1と室外機（図示せず)と力も構成される。室内機 1は、熱 交換器 2や室内ファン 3等が内装されるケーシング 4を備える。図 1〜4に示すように、 ケーシング 4は、その前面開口を開閉自在に支持された前パネル 5と、ケーシング 4 の天面側に、室内空気を吸い込むために格子状に形成された吸込口 6と、ケーシン グ 4の前面下部に、熱交換された冷暖気を吹出すために形成された吹出口 7とを備 える。ケーシング 4の前面開口は、後述するフィルター 9をケーシング 4内へ装着する ための開口となる。前パネル 5は、その上部がケーシング 4の側面に回動自在に固定 され、下部を上方へ引き上げることにより、ケーシング 4前面を開放することができる。 前パネル 5の内面には、凸状に隆起した当接部 8が形成される。この当接部 8は、後 述するガイド片 19の前板 24と対向する部分に形成され、前パネル 5の閉成時におい て前板 24と当接可能とされる。

[0037] 図 2に示すように、ケーシング 4内には、吸込口 6と対向する位置に配された室内熱 交換器 2と、室内空気を吸込口 6から吸い込み、室内熱交換器 2で熱交換された空 気を吹出口 7から吹出すための室内ファン 3とが設けられる。室内熱交翻2は、逆 V 字状に形成され、その前方上方側に略三角形状の空間ができる。この空間からケー シング 4の吸込口 6の内面に沿う位置にかけて、フィルター 9移動のための U字状の 移動経路 Aが設けられる。移動経路 Aは、ガイド手段 10により形成され、ガイド手段 1 0にフィルター 9の両端側が保持される。 U字状の移動経路 Aの内側には駆動手段 1 1が設けられ、フィルター 9を前後方向に往復移動させる。また、移動経路 Aの途中に 清掃手段 12が設けられ、フィルター 9の清掃を行う。

[0038] フィルター 9は、右フィルターおよび左フィルターからなり、吸込口 6から吸い込んだ 空気中のごみや塵を除去する。図 7及び図 9に示すように、フィルター 9は、フィルタ 一網 13と、フィルタ一網 13の四方を支持するフィルター枠 14と力 構成される。フィ ルター枠 14は、側方を支持する縦枠 14aと、上方及び下方を支持する横枠 14bとか ら構成される。 [0039] 図 8及び図 10に示すように、縦枠 14aは、側面視が波形状に形成される。波形状に 形成することにより、縦枠 14aの内面側には、後述する駆動手段 11の従動ギア 32と 嚙み合わせ可能な凹凸が縦方向（移動方向）に形成される。従動ギア 32の回転によ り、フィルター 9が前後に移動可能とされる。また、波形状とすることにより、凸部 14c の外面側に溝部 14dが形成され、凸部 14cが肉厚とならずにすむ。したがって、フィ ルターが縦方向に橈みやすくなるため、フィルター 9を U字状に折り返しやすくなる。

[0040] なお、縦枠 14aの肉厚が全て同一になるように形成した力 図 12 (a)に示すように、 溝部 14dを浅く形成するなどして一部の厚みが異なっていてもよい。また、図 12 (b) に示すように、溝部 14dをスリット状に幅狭に形成してもよ 、。

[0041] 縦枠 14aの内面側に形成される凹凸面の形状は、従動ギア 32の歯と嚙み合わせ が可能であればよいが、凹凸のピッチと従動ギア 32の歯のピッチとを同一にするの が好ましい。歯飛びをより効果的に防止することができる。

[0042] また、フィルター枠 14内を格子状に区切るようにリブ 15が設けられる。リブ 15は、フ ィルター網 13と固定され、フィルタ一網 13を支持する。フィルター 9の反りや波うちを 防止できる。リブ 15は、縦方向に配される縦リブ 15aと、横方向に配される横リブ 15b とから構成される。縦リブ 15aは肉薄に形成され、横リブ 15bは縦リブ 15aに比べて肉 厚に形成される。この構成により、フィルター 9は、横方向の剛性を維持しつつ、縦方 向には容易に屈曲可能とされる。また、図 8に示すように、横リブ 15bとフィルター枠 1 4の縦枠 14aとの間にはスリット 16が設けられ、両者は不連続とされる。縦枠 14aと、 横リブ 15bとを不連続とすることにより、縦枠 14aが横リブ 15bの影響をほとんど受ける ことがないので、フィルター 9の縦方向における屈曲性を保持できる。また、フィルタ 一枠 14の素材としては、可撓性のあるものであればよぐポリプロピレン（PP)、ポリエ チレンテレフタレート（PET)、軟質榭脂などの合成樹脂、ゴム、紙のいずれを用いて ちょい。

[0043] フィルター 9の上部には、吸込口 6から吸込まれた空気を通過させるフィルタ一網 1 3が張設されている力 フィルター 9の下部には、フィルタ一網 13の代わりに薄い榭脂 製シート状の 13aが形成され、フィルター下部は空気が通過しない構造とされている 。なお、榭脂製シート状の 13aは、縦リブ 15aと同様に厚みが薄く形成されており、こ れによりフィルター 9全体にわたって縦方向の屈曲性が確保されている。なお、フィル ター 9の全面にフィルタ一網 13を張設する形態としてもよ 、。

[0044] フィルター 9の縦枠 14aの上端及び下端の延長部分は、それぞれ縦リブ 15aまたは 榭脂製シート状の 13aに連結されている。すなわち、フィルター 9の縦枠 14aの内側 に隣接するように縦リブ 15aが設けられ、縦枠 14aの上端の延長部分と、縦リブ 15a の上端とが連結されている。また、縦枠 14aの下端の延長部分と、榭脂製シート状の 13aとが連結されている。

[0045] フィルタ一網 13の網素材としては、埃や塵などを除去するプレフィルターと室内の 臭 、を除去するための脱臭フィルターなどを組み合わせたもの力、あるいは 、ずれか 単体のフィルターでも構わな!/、。

[0046] フィルター 9を以上のような構成とすることにより、フィルター 9の全体が柔軟になり、 縦方向への屈曲性及び可撓性の優れたものとすることができる。したがって、フィルタ 一 9を U字状の移動経路に装着しても、耐久性に優れ、フィルター 9の変形や割れを 防止できる。また、駆動手段 11の従動ギア 32と嚙み合わせをさせやすぐ歯飛びが 発生しにくい。

[0047] ガイド手段 10は、ケーシング 4の側壁 17の内面側、ケーシング 4の略中央を前後方 向に橋渡しする中央体 18の両側面及びガイド片 19に設けられる。ガイド手段 10は、 移動経路 Aの内周側をガイドする内レール 21と、移動経路 Aの外周側をガイドする 外レール 22と力も構成される。ガイド手段 10は、ケーシング 4の吸込口 6に沿った位 置 10aから、連結部分 10b及び前パネル 5に沿った位置 10cを介し、その端部から後 方へ折り返された折り返し位置 10dに至るように、 U字状に形成される。また、ガイド 手段 10の前パネル 5に沿った位置 10cと、その上流側に位置する連結部分 10bとは それぞれ略直線状に形成されており、両者の境目で折曲している。このように形成さ れたガイド手段 10の内レール 21と外レール 22との間にフィルター 9の端部を挟持す れば、フィルター 9の移動が略 U字状となるように誘導することができる。なお、移動 経路 Aの長さは、フィルター 9を下側へ移動させたときに、フィルター 9の上側の端部 が清掃手段 12と対向する位置まで達することのできる長さを有するのが好ましい。フ ィルター 9の上側の端部まで清掃することができる。 [0048] また、ケーシング 4の側壁 17及び中央体 18の前端の一部が切除され、ガイド手段 1 0のうち、前パネル 5に沿った位置 10cが分断される。この切除部分にガイド片 19が 設けられる。ガイド片 19は、清掃手段 12よりもケーシング 4の前方側に設けられる。ガ イド片 19は、ケーシング 4の側壁 17又は中央体 18と平行に配される側板 23と、側板 23の前端力も折曲してケーシング 4前面に対向する前板 24とから構成される。この 側板 23の内面に、内レール 21及び外レール 22が形成され、ガイド手段 10の前パネ ル 5に沿った位置 10cを形成する。

[0049] また、ガイド片 19の側板 23の上部は後方側へ延設されて、後述する従動ギア 32の 軸に回動自在に支持される回動部 25が形成される。この構成により、ガイド片 19は、 図 4に示すように、回動部 25を中心として、下部を手前に引き上げることができる（開 回動)。なお、この回動部 25の開回動は、手動で行ってもよいが、上方に引き上げら れるよう付勢手段を設けておいてもよぐまた、フィルター 9の平面状に戻ろうとする復 元力により自然に持ち上がるようにしてもよい。ガイド片 19を開回動させることにより、 ガイド手段 10が分断され、移動経路 Aが前方に開口する。この開口力も移動経路 A にフィルター 9を簡単に挿入することができる。

[0050] また、この回動部 25は、ガイド手段 10の前パネル 5に沿った位置 10cと、その上側 に位置する連結部分 10bとの境目である折曲部分に形成される。ガイド手段 10の前 パネル 5に沿った位置 10cと、その上側に位置する連結部分 10bとは、それぞれ略直 線状に形成されているので、ガイド片 19を開回動させて両者を直線状に配すること ができる。さらにまた、ガイド片 19の開回動時に、ガイド片 19に形成されたガイド手段 10 (前パネル 5に沿った位置 10c)と、ケーシング 4に形成されたガイド手段 10 (連結 部分 10b)とが直線状に位置した時点で止まるように、ガイド片 19の開回動を規制す るストッパー 20が、ガイド片 19の上方に設けられている。ガイド手段 10を直線状に配 すれば、フィルター 9を挿入しやすい。

[0051] また、ガイド片 19の回動部 25と対向する部分には、内レール 21が形成されていな い。前パネル 5を閉めると、前パネル 5の当接部 8がガイド片 19の前板 24に当接し、 ガイド片 19が後方に押されて閉回動し、ガイド片 19が閉姿勢となる。このとき、ガイド 片 19の内レール 21の一部が形成されていないと共に、ガイド片 19と対向して駆動ギ ァ 31が設けられているので、ガイド片 19と駆動ギア 31とでフィルター 9を挟み込み、 自動的にフィルター枠 14の縦枠 14aの凹凸と駆動ギア 31の歯とを嚙合させることが できる。したがって、前パネル 5を閉めるだけで、ガイド片 19の閉成と駆動ギア 31との 装着とを連動して行えるので、フィルター 9の装着が簡単である。

[0052] さらにまた、ガイド片 19の側板 23の下部は後方側へ延設され、係止部 26が設けら れる。係止部 26の内面側には、突出した凸部 27が形成され、ケーシング 4の側壁 17 または中央体 18の壁面に設けられた係止穴 28に嵌合し、係止される。ガイド片 19を ケーシング 4に固定することができる。

[0053] ケーシング 4内において、フィルター 9の設置領域を区画するための区画壁 29が設 けられる。室内熱交 2にフィルター 9が接触するのを防げる。また、前パネル 5開 放時に誤って使用者が触れるのを防ぐことができる。区画壁 29は、空気の流通を可 能とするために格子状に形成される。区画壁 29は、ガイド手段 10の外レール 22の一 部を構成する。詳しくは、区画壁 29は、ガイド手段 10の折り返し位置 10dの外レール 22を構成する。このように、区画壁 29をガイド手段 10として併用することにより、部品 点数が多くならないですむ。

[0054] 駆動手段 11は、 U字状のガイド手段 10の内レール 21の内側であって、ガイド片 19 と対向する位置に設けられる。駆動手段 11は、駆動源であるモーター 30と、モータ 一 30の出力軸に連結されて回転する駆動ギア 31と、駆動ギア 31と嚙み合って回転 する従動ギア 32と、駆動ギア 31と嚙み合って回転するローラーギア 33とから構成さ れる。なお、ゴムローラギア 33の回転軸には、図示しないギアが取り付けられており、 これによりローラーギアは回転可能とされる。従動ギア 32、駆動ギア 31、ローラーギ ァ 33の順に上方力も配置される。従動ギア 32は、フィルター枠 14の凹凸と嚙み合わ せることにより、フィルター 9を前後移動可能とする。また、ローラーギア 33は、その口 一ラー面で、 U字状に折り返されてきたフィルター 9と接触して摩擦によりフィルター 9 の移動を補助する。駆動手段 11は、ガイド片 19と対向する位置に設けられているの で、ガイド片 19を開回動させてフィルター 9を移動経路 Aに挿入した後、ガイド片 19 を閉成する操作を行うだけで、フィルター枠 14に形成された凹凸と従動ギア 32の歯 とを簡単に嚙み合わせることができる。 [0055] 清掃手段 12は、フィルター 9の移動経路 Aの途中であって、ケーシング 4の吸込口 6の前端に対向する位置よりも下側に設けられる。吸込口 6に対向しているフィルター 9の全面を清掃手段 12により清掃することができる。また、清掃手段 12は、ガイド手 段 10の連結部分 10bに設けられる。連結部分 10bは直線状に形成されているので、 清掃手段 12にフィルター 9を取付けやすい。さらに、清掃手段 12がケーシング 4の前 面側に設けられるので、清掃手段 12にフィルター 9を取付けやすい。

[0056] 清掃手段 12は、吸引部 34と、吸引装置 35と、吸引部 34及び吸引装置 35を連結 するための筒状の吸引ダクト 36とから構成される。吸引部 34は、断面形状が略コの 字状の上ケース 37及び下ケース 38から構成され、上ケース 37及び下ケース 38の凹 部を対向させた状態で、ケーシング 4の前方を横方向に橋渡しするようにしてケーシ ング 4に固定される。上ケース 37と下ケース 38との間には隙間があり、この隙間をフィ ルター 9が走行可能とされる。上ケース 37及び下ケース 38とフィルター 9表面との間 は、きわめて狭い間隔を保っている。吸引部 34の左右両端は開口されている。

[0057] 吸引装置 35は、吸引ファン（図示せず）と、吸引ファンの周囲を覆う吸引カバー 39 とから構成される。吸引カバー 39には、吸引口（図示せず）と排気口 40とが開口され 、この吸引口と吸引部 34の開口とが吸引ダクト 36で連結される。排気口 40は、室外 と連通するダクト（図示せず）に連結される。吸引ファンを回転させることにより、吸引 力が発生し、吸引部 34でフィルター 9の塵埃を吸引することができる。吸引した空気 は排気口 40より外部に排気される。

[0058] また、上ケース 37及び下ケース 38のそれぞれの側壁の間隔は、フィルター 9の横リ ブ 15bの間隔と略同一に設定される。上ケース 37及び下ケース 38の側壁と、横リブ 1 5bとが重なった場合、吸引部 34内が略密閉した空間となるので、吸引力がアップす る。なお、清掃手段 12として、吸引式のものを用いたが、ブラシによる力きとり式のも のであってもよい。

[0059] 以上の構成によると、フィルター 9の清掃時には、駆動手段 11によりフィルター 9が 前方に移動される。このとき、ケーシング 4前方で U字状に折り返すようにガイド手段 1 0により移動経路 Aが形成されているので、前方移動に伴い、湾曲しながらフィルター 9の前端が後方側（下流側）へ誘導される。このように、フィルター 9をケーシング 4内 で移動させる移動経路 Aが設けられて!/、るので、フィルター 9がケーシング 4外へ突 出しない。したがって、清掃時に前パネル 5を開放する必要もない。また、フィルター 9が板状であるので、ケーシング 4からフィルター 9のみを取り外しやす!/、。

[0060] また、フィルター 9のフィルター枠 14が波状に形成されているので、フィルター枠 14 が橈みやすくなり、 U字状に折り返しやすい。したがって、湾曲した移動経路 Aに追 随させることができる。

[0061] さらにまた、ガイド手段 10の一部は、回動自在なガイド片 19に設けられているので 、ガイド片 19を開回動させることにより、ガイド手段 10が分断され、移動経路 Aが前 方に開口する。この開口力 フィルター 9を着脱することができるので、フィルタ一着 脱しやすい。

[0062] また、ガイド片 19を開回動させことにより、ガイド片 19に形成されたガイド手段 10 ( 前パネル 5に沿った位置 10c)と、ケーシング 4に形成されたガイド手段 10 (連結部分 10b)とが、直線状に配されるので、フィルター 9をより簡単に挿入することができる。 また、清掃手段 12は、直線状に形成されたガイド手段 10の連結部分 10bに設けられ て 、るので、清掃手段 12にもフィルター 9を着脱しやす 、。

[0063] また、前パネル 5を閉める際には、前パネル 5の当接部 8がガイド片 19の前板 24に 当接し、ガイド片 19が後方に押されて閉回動し、ガイド片 19が閉姿勢となる。このとき 、ガイド片 19と対向して駆動ギア 31が設けられているので、自動的にフィルター枠 1 4の凹凸と駆動ギア 31の歯とが嚙み合わされる。したがって、前パネル 5を閉めるだ けで、ガイド片 19の閉成と駆動ギア 31との装着とを連動して行えるので、フィルター 9 の装着が簡単である。尚、本実施例では前パネル 5が回動することで説明したが、ケ 一シング 4に対して平行移動させるようにしてもょ 、。

[0064] また、ガイド片 19は上方へ回動するよう付勢されるようにしておき、前パネル 5の開 閉とともに回動するような構成としておけば、ガイド片 19を引き上げたり押し込んだり することなく、前パネルの開閉動作のみでフィルター 9とギア 32と嚙合させることがで きる。

[0065] なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなぐ本発明の範囲内で上記 実施形態に多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記の実施 形態では、空気調和機としては、室内機 1と室外機とが分離したセパレート型のもの に限らず、一体型のものであってもよい。また、空気調節装置としては、空気調和機 に限らず、空気清浄機、イオン発生装置、除湿機、加湿機あるいはファンヒータのい ずれであってもよい。

産業上の利用可能性

本発明は、フィルターの清掃を行うことができる空気調節装置及びこれに用いるフィ ルターに有用に利用することができる。

Claims

請求の範囲

[I] ケーシングの吸込口の内面側に沿って配された板状のフィルターと、該フィルターを 清掃する清掃手段と、該清掃手段に対して前記フィルターをケーシング内で移動さ せるための移動経路とが設けられたことを特徴とする空気調節装置。

[2] 前記移動経路は、前記吸込口の内面側に沿って形成されると共に、その端部から U 字状に折り返されて形成されることを特徴とする請求項 1に記載の空気調節装置。

[3] 前記移動経路の両側端にガイド手段が設けられたことを特徴とする請求項 1に記載 の空気調節装置。

[4] 前記移動経路を形成する区画壁が、空気の流通を可能とする格子状に形成されたこ とを特徴とする請求項 1に記載の空気調節装置。

[5] 前記フィルターを移動させる駆動手段が設けられたことを特徴とする請求項 1に記載 の空気調節装置。

[6] 前記移動経路の一部を構成するガイド片が設けられ、ガイド片は、その一端側に設 けられた回動部を中心として他端を回動させることにより、移動経路をケーシング外 に開口させることを特徴とする請求項 1に記載の空気調節装置。

[7] 前記移動経路が湾曲して、その湾曲部分に前記ガイド片が設けられたことを特徴と する請求項 6に記載の空気調節装置。

[8] ケーシングのフィルター装着用の開口を開閉自在とするパネルを有し、該パネルと対 向する位置にガイド片が設けられ、該ガイド片は、前記パネルの閉動作に連動して閉 回動することを特徴とする請求項 6に記載の空気調節装置。

[9] 前記パネルの内面側に、凸状に隆起した当接部が形成され、パネルの閉動作にお いて該当接部がガイド片に当接可能であることを特徴とする請求項 8に記載の空気 調節装置。

[10] 前記フィルターを移動させる駆動手段が設けられ、該駆動手段は、前記ガイド片と対 向する位置に設けられたことを特徴とする請求項 6に記載の空気調節装置。

[II] 前記駆動手段はギアを備え、前記フィルタ一は、フィルタ一網と、該フィルタ一網の側 方端を支持し前記ギアと嚙み合う凹凸が形成された縦枠とを有し、前記ガイド片と前 記ギアとでフィルターを挟み込み、ギアと縦枠の凹凸とを嚙合させることを特徴とする 請求項 10に記載の空気調節装置。

[12] 前記フィルタ一は、フィルタ一網と、該フィルタ一網の側方端を支持する縦枠とを備え 、該縦枠の一面側に、フィルターを移動させる駆動手段に嚙合するための凹凸が移 動方向に沿って形成され、凹凸により形成された凸部の他面側に、移動方向と直交 する方向に溝部が形成されたことを特徴とする請求項 1に記載の空気調節装置。

[13] 前記縦枠は、側面視波形状に形成されることを特徴とする請求項 12記載の空気調 節装置。

[14] 前記フィルタ一網に、幅方向に延びる横リブが固定され、該横リブと前記縦枠とが不 連続であることを特徴とする請求項 12に記載の空気調節装置。

[15] 前記縦枠は、可撓性を有することを特徴とする請求項 12に記載の空気調節装置。

[16] 前記フィルタ一は、フィルタ一網と、該フィルタ一網の四方に設けられたフィルター枠 とから構成され、前記フィルター枠は、合成樹脂、ゴム又は紙力もなることを特徴とす る請求項 1に記載の空気調節装置。

[17] フィルタ一網と、該フィルタ一網の側方端を支持する縦枠とを備え、該縦枠の一面側 に、フィルターを移動させる駆動手段に嚙合するための凹凸が移動方向に沿って形 成され、凹凸により形成された凸部の他面側に、移動方向と直交する方向に溝部が 形成されたことを特徴とするフィルター。

[18] 前記縦枠は、側面視波形状に形成されることを特徴とする請求項 17に記載のフィル ター。

[19] 前記フィルタ一網に、幅方向に延びる横リブが固定され、該横リブと前記縦枠とが不 連続であることを特徴とする請求項 17に記載のフィルター。

[20] 前記縦枠は、可撓性を有することを特徴とする請求項 17に記載のフィルター。