WO2007032119A1 - 電源装置およびそれを用いた電子機器 - Google Patents
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Abstract
マイクロプロセッサに供給すべき電源電圧を柔軟に設定する。
マイクロプロセッサ10に対して電源電圧Vddを供給する電源装置100において、システムコントローラ20は、マイクロプロセッサ10から出力される電圧指示信号Dcnfにもとづき、マイクロプロセッサ10に供給すべき電源電圧Vddを設定し、設定した電源電圧に対応した電圧設定信号Dsetを出力する。レギュレータ回路12は、システムコントローラ20から出力される電圧設定信号Dsetにもとづき、システムコントローラ20において設定された電源電圧Vddを生成し、マイクロプロセッサ10に供給する。システムコントローラ20は、マイクロプロセッサ10の使用時間、温度、演算量などの状態を取得し、取得した状態を電源電圧Vddの設定に反映させる。
Description
電源装置およびそれを用いた電子機器
技術分野
[0001] この発明は、 CPUなどのマイクロプロセッサに対して電源電圧を供給する電源装置 に関する。
背景技術
[0002] パーソナルコンピュータやワークステーション、あるいはゲーム機器などに使用され る CPUなどのマイクロプロセッサには、電圧レギユレータ回路(以下、単にレギユレ一 タ回路ともいう)によって安定化された所定の電源電圧が供給される。マイクロプロセ ッサに供給すべき電源電圧は、マイクロプロセッサの半導体製造プロセスなどに応じ て設定され、近年の低電圧プロセスを用いたマイクロプロセッサの電源電圧は 1. 2V 程度となっている。
[0003] 現在、複数のベンダーによって様々なマイクロプロセッサが供給されている。各ベン ダ一力も供給されるマイクロプロセッサは、レギユレータ回路に対し、独自の方式によ つて自身に供給すべき電源電圧を指示している。言い換えれば、レギユレータ回路 は、マイクロプロセッサからの電源電圧の指定を受け付けられるように設計される。図 6は、従来のマイクロプロセッサとレギユレータ回路の構成例を示すブロック図である。
[0004] 図 6に示すように、マイクロプロセッサ 60と、レギユレータ回路 62間は、たとえば 5ビ ットの信号線 64でパラレル接続されている。マイクロプロセッサ 60は、この信号線 64 を介して VID (Voltage ID)信号を送信し、レギユレータ回路 62に対して自身に供 給すべき電源電圧 Vddを指示する。レギユレータ回路 62は、マイクロプロセッサ 60に よって指示された電源電圧 Vddを生成し、電源ライン 66を介してマイクロプロセッサ 6 0に供給する。このような構成をとることにより、たとえばマイクロプロセッサ 60およびレ ギユレータ回路 62が搭載される機器 (以下単にセットとも!、う)の出荷後にお 、て、ュ 一ザが別のマイクロプロセッサ 60に交換した場合にも、交換後のマイクロプロセッサ 6 0に最適な電源電圧 Vddを供給することができる。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] しかしながら、従来の技術では、セットメーカは、使用するマイクロプロセッサ 10の ベンダーを選定するときに、そのベンダー力も供給されるマイクロプロセッサ 10に対 応したレギユレータ回路 12を選択する必要があり、設計の自由度に制約を受けてい た。また、信号線 64によりレギユレータ回路 62に送信される VID信号は、そのビット 数によって電源電圧 Vddの分解能が制限されるため、細かな電圧設定が行えな!/、と いう問題がある。
[0006] 本発明の総括的な目的は、マイクロプロセッサに供給すべき電源電圧を柔軟に設 定可能な電源装置の提供にある。
課題を解決するための手段
[0007] 本発明のある実施の形態では、マイクロプロセッサに対して電源電圧を供給する電 源装置が提供される。この電源装置は、マイクロプロセッサカゝら出力される電圧指示 信号にもとづき、マイクロプロセッサに供給すべき電源電圧を設定し、設定した電源 電圧に対応した電圧設定信号を出力するシステムコントローラと、システムコントロー ラカも出力される電圧設定信号にもとづき、システムコントローラにおいて設定された 電源電圧を生成し、マイクロプロセッサに供給するレギユレータ回路と、を備える。
[0008] この実施の形態に係る電源装置によれば、電源装置にシステムコントローラを設け 、レギユレータ回路ではなぐシステムコントローラにおいて、電源電圧の設定を行うこ とにより、さまざまな状況に応じて適切な電源電圧をマイクロプロセッサに供給するこ とがでさる。
[0009] なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を、方法、装置、システム、 などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
発明の効果
[0010] 本発明によれば、マイクロプロセッサに供給すべき電源電圧を柔軟に設定すること ができる。
図面の簡単な説明
[0011] [図 1]第 1の実施の形態に係るマイクロプロセッサおよびマイクロプロセッサに対して
電源電圧を供給する電源装置の構成を示すブロック図である。
[図 2]システムコントローラの内部構成を示すブロック図である。
[図 3]デジタルの電圧指示信号 Dcnf、経過時間 τ、および最適な電源電圧 Vddの 関係図であり、電圧設定テーブルの内容を示す図である。
[図 4]第 2の実施の形態に係る電源装置の構成を示すブロック図である。
[図 5]第 3の実施の形態に係る電源装置の構成を示すブロック図である。
[図 6]従来のマイクロプロセッサとレギユレータ回路の構成例を示すブロック図である。 符号の説明
[0012] 10 マイクロプロセッサ、 12 レギユレータ回路、 14 第 1信号線、 16 第 2信 号線、 18 電源ライン、 20 システムコントローラ、 100 電源装置、 110 電源 装置、 22 インターフェース部、 24 電源電圧設定部、 26 電圧設定テーブル 、 28 電力算出部、 30 DZ Aコンバータ、 40 レギユレータ回路、 50 ローバ スフイノレタ、 52 AZDコンノ ータ、 54 パフォーマンスモニタ。
発明を実施するための最良の形態
[0013] はじめに、本発明の実施の形態に係る電源装置の概要について説明する。この電 源装置は、パーソナルコンピュータやゲーム機器などの電子機器に搭載され、マイク 口プロセッサに対して電源電圧を供給する電源装置である。
[0014] ある態様の電源装置は、マイクロプロセッサから出力される電圧指示信号にもとづき 、マイクロプロセッサに供給すべき電源電圧を設定し、設定した電源電圧に対応した 電圧設定信号を出力するシステムコントローラと、システムコントローラから出力される 電圧設定信号にもとづき、システムコントローラにおいて設定された電源電圧を生成 し、マイクロプロセッサに供給するレギユレータ回路と、を備える。
[0015] この態様〖こよると、システムコントローラにおいて、電源電圧の設定を行うことにより、 さまざまな状況に応じて適切な電源電圧をマイクロプロセッサに供給することをできる
[0016] システムコントローラは、電圧指示信号と、マイクロプロセッサに供給すべき電源電 圧との関係を保持する電圧設定テーブルを備えてもよい。また、電圧設定テーブル は、その保持するデータが、更新可能に構成されてもよい。
[0017] システムコントローラは、マイクロプロセッサの状態を取得し、取得した状態を電源電 圧の設定に反映させてもょ 、。
マイクロプロセッサの状態は、マイクロプロセッサの使用時間、温度、演算量 (演算 負荷)などである。これらをパラメータとすることにより、マイクロプロセッサのそのときど きの状態に応じて最適な電源電圧を設定することができる。
[0018] システムコントローラと、マイクロプロセッサとは、バスを介して接続されてもよ! 、。 ノ スとしては、 SPI (Serial Peripheral Interface)バスや I2Cバスを好適に用いるこ とができ、多くの情報を送受信することが可能となる。
[0019] マイクロプロセッサは、ノ スを介して通信を行い、電源電圧を動的に設定してもよい
。「動的に設定」とは、一度システムコントローラにおいて設定された電源電圧をマイ クロプロセッサに対して固定的に供給し続けるのではなぐマイクロプロセッサゃ本電 源装置が搭載される機器の状態に応じて、電源電圧を設定することをいう。
[0020] レギユレータ回路は、デジタル信号として入力される電圧設定信号にもとづいて、電 源電圧を生成するものであり、システムコントローラとレギユレータ回路は、デジタル信 号線を介して接続されてもょ 、。
この場合、従来のマイクロプロセッサへの電源供給へ用いられるレギユレータ回路 を用いることができる。
[0021] レギユレータ回路は、アナログ信号として入力される電圧設定信号にもとづいて、電 源電圧を生成するものであり、システムコントローラから出力されるデジタルの電圧設 定信号をアナログの電圧設定信号に変換して、レギユレータ回路に出力するデジタ ルアナログ変翻をさらに備えてもよい。
この場合、アナログ入力される電圧にもとづいて出力電圧を設定する汎用的なレギ ユレータ回路を用いることができる。
[0022] マイクロプロセッサに供給される電源電圧をアナログデジタル変換するアナログデ ジタル変^ ^をさらに備えてもよい。システムコントローラは、アナログデジタル変換 器の出力信号と、レギユレータ回路に出力する電圧設定信号から、マイクロプロセッ サでの消費電力を算出する電力算出部を含んでもよい。
[0023] システムコントローラにおいて設定したマイクロプロセッサに供給すべき電源電圧と
、実際にマイクロプロセッサに供給される電圧を比較することにより、電源ラインのイン ピーダンスが既知である場合、マイクロプロセッサに流れる電流を計算することができ る。
[0024] 以下、本発明の実施の形態に係る電源装置の詳細を、図面を参照しつつ説明する (第 1の実施の形態)
図 1は、第 1の実施の形態に係る電子機器 1000の構成を示すブロック図である。電 子機器 1000は、 CPUやグラフィックプロセッサなどのマイクロプロセッサ 10と、マイク 口プロセッサ 10に対して電源電圧 Vddを供給する電源装置 100を含む。以降の図に おいて、同一または同等の構成要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略するも のとする。電源装置 100により駆動されるマイクロプロセッサ 10は、典型的には 1. 2V 程度の電源電圧で動作するものである。し力しながら、実際には、実行する演算処理 の内容、マイクロプロセッサ 10の温度、あるいは、実装されてからの使用年月などの さまざまな要因によって、最適な電源電圧 Vddは変化する。以下、いくつかの実施の 形態にもとづ ヽて、マイクロプロセッサ 10に最適な電源電圧 Vddを供給する電源装 置 100について説明する。
[0025] 以下、第 1の実施の形態に係る電源装置 100の構成について説明する。電源装置 100は、レギユレータ回路 12およびシステムコントローラ 20を含む。システムコント口 ーラ 20とマイクロプロセッサ 10とは、第 1信号線 14を介して接続される。このシステム コントローラ 20には、第 1信号線 14を介してマイクロプロセッサ 10から出力される電 圧指示信号 Dcnfが入力される。システムコントローラ 20は、この電圧指示信号 Dcnf にもとづき、マイクロプロセッサ 10が要求する最適な電源電圧 Vddを設定する。後述 するように、システムコントローラ 20は、マイクロプロセッサ 10の状態を取得し、取得し た状態を電源電圧 Vddの設定に反映させる。
[0026] システムコントローラ 20とレギユレータ回路 12は、 nビットの第 2信号線 16により接続 される。システムコントローラ 20は、電圧指示信号 Dcnfにもとづいて設定した最適な 電源電圧を、 nビットのデジタル電圧設定信号 Dsetとしてレギユレータ回路 12に出力 する。
[0027] レギユレータ回路 12は、 nビットの入力端子 44を備え、入力端子 44に入力される信 号に応じたアナログの電源電圧 Vddを生成し、出力端子 42から出力する。本実施の 形態において使用するレギユレータ回路 12は、図 6に示す従来のレギユレータ回路 6 2と同等の機能を有するものである。
[0028] レギユレータ回路 12の入力端子 44には、第 2信号線 16を介して電圧設定信号 Ds etが入力されている。すなわち、レギユレータ回路 12は、システムコントローラ 20から の指示を受け、システムコントローラ 20において設定された最適な電源電圧 Vddを 生成する。レギユレータ回路 12の出力端子 42から出力される電源電圧 Vddは、電源 ライン 18を介してマイクロプロセッサ 10に供給される。
[0029] 図 2は、システムコントローラ 20の内部構成を示すブロック図である。システムコント ローラ 20は、インターフェース部 22、電源電圧設定部 24、電圧設定テーブル 26を 含む。インターフェース部 22は、システムコントローラ 20の外部に接続されるマイクロ プロセッサ 10およびレギユレータ回路 12などのブロックと、電源電圧設定部 24間の 信号の送受信を制御する。たとえば、マイクロプロセッサ 10とシステムコントローラ 20 を接続する第 1信号線 14は、 SPIバスであってもよい。この場合、マイクロプロセッサ 10とシステムコントローラ 20は、データイン、データアウト、クロック、チップセレクトに 対応した 4本の信号線で接続される。マイクロプロセッサ 10およびシステムコントロー ラ 20間を SPIバスで接続した場合、インターフェース部 22は、 SPIに対応した信号処 理を行い、電圧指示信号 Dcnfを電源電圧設定部 24に転送する。なお、 SPIバスに 代えて、 I2Cバスなどを用いてもよい。
[0030] 電源電圧設定部 24には、マイクロプロセッサ 10から出力されるデジタルの電圧指 示信号 Dcnfが入力されている。また、電源電圧設定部 24は、電圧設定テーブル 26 と接続される。電圧設定テーブル 26は、デジタルの電圧指示信号 Dcnfと、マイクロ プロセッサ 10に供給すべき最適な電源電圧 Vddとの関係を、本電源装置 100を含 む機器の状態をパラメータとして保持して 、る。
[0031] システムコントローラ 20の電源電圧設定部 24は、電圧指示信号 Dcnfをもとに、電 圧設定テーブル 26を参照し、セットがおかれる状況に応じて最適な電源電圧 Vddを 設定する。以下に、システムコントローラ 20における電圧指示信号 Dcnfにもとづく電
源電圧 Vddの設定方法につ 、て説明する。
[0032] (設定方法 1)
たとえば、電圧設定テーブル 26には、電圧指示信号 Dcnfとマイクロプロセッサ 10 に供給すべき電源電圧 Vddの関係が、本電源装置 100が搭載されるセットの出荷後 の経過時間てをパラメータとして記憶されている。
[0033] マイクロプロセッサ 10は、ゲートと呼ばれる無数のトランジスタ素子が集積ィ匕されて 構成される。このトランジスタ素子が安定に動作する電源電圧レベルは、経時劣化に よって、徐々に上昇することが知られている。そこで、従来のマイクロプロセッサに対 する電源供給技術では、このような経年劣化を踏まえて、初期状態において本来必 要な電源電圧よりも高い電圧を供給する必要があった。このことは、マイクロプロセッ サ 10にお 、て余分な電力を消費して!/、ることを意味する。
[0034] 一方、本実施の形態に係る電源装置 100では、システムコントローラ 20において、 出荷後の経過時間てを管理し、経過時間に応じて、マイクロプロセッサ 10に供給す べき電源電圧 Vddの設定値を徐々に上昇させる。図 3は、デジタルの電圧指示信号 Dcnf,経過時間て、および最適な電源電圧 Vddの関係図であり、電圧設定テープ ル 26の内容を示す図である。
[0035] マイクロプロセッサ 10からは、品種ごと、ロットごと、あるいは個別のプロセッサごとに 予め定められたデジタルの電圧指示信号 Dcnfが出力される。システムコントローラ 2 0は、セット出荷後の経過時間 τと、電圧指示信号 Dcnfにもとづき、電圧設定テープ ル 26を参照して、最適な電源電圧 Vddを決定する。たとえば、あるマイクロプロセッ サ 10から電圧指示信号 Dcnflが出力されており、経過時間が τ 1であった場合、最 適な電源電圧は Vdd 1となる。電圧設定テーブル 26には、最適な電源電圧 Vddの値 力 ¾ビットのデジタル値として記憶されており、電源電圧設定部 24は、このデジタル値 をデジタル電圧設定信号 Dsetとしてレギユレータ回路 12に出力する。
[0036] このように、本設定方法によれば、セットの出荷後の経過時間てに応じて、電源電 圧 Vddを調節することにより、必要以上に高い電源電圧を供給する必要がなくなるた め、消費電力を低減することが可能となる。
[0037] なお、セット出荷後の経過時間 τは、システムコントローラ 20自身で管理して取得
してもよいし、マイクロプロセッサ 10において管理しておき、第 1信号線 14を介して取 得してもよぐあるいは、外部の処理ブロックから取得してもよい。
また、システムコントローラ 20は、出荷後の経過時間 τに代えて、マイクロプロセッ サ 10の積算使用時間を管理して、電源電圧 Vddを設定してもよい。
[0038] (設定方法 2)
設定方法 2では、マイクロプロセッサ 10の演算処理量 (演算負荷)をモニタし、演算 負荷に応じて電源電圧 Vddを最適な値に設定する。マイクロプロセッサ 10の演算負 荷は、電圧指示信号 Dcnfとともに、第 1信号線 14を介してマイクロプロセッサ 10から 入力される。上述のように、第 1信号線 14を SPIバスや I2Cバスとした場合には、この ような付加的な情報の送受信が可能となる。
[0039] この設定方法では、マイクロプロセッサ 10から電源電圧設定部 24に対して、電圧 指示信号 Dcnfおよび演算負荷を表す演算負荷信号 SigLが出力される。電圧設定 テーブル 26には、演算負荷信号 SigLおよび電圧指示信号 Dcnfと、電源電圧 Vdd の関係が記憶される。電源電圧設定部 24は、電圧設定テーブル 26を参照して、現 在の演算負荷信号 SigLと、電圧指示信号 Dcnfにもとづいて、設定電圧 Dsetを決定 し、レギユレータ回路 12へと指示する。
[0040] この設定方法によれば、マイクロプロセッサ 10の演算量や動作クロックに応じて、電 源電圧 Vddを好適に制御することができる。
[0041] (設定方法 3)
本設定方法では、システムコントローラ 20は、マイクロプロセッサ 10の温度 THをモ ユタし、マイクロプロセッサ 10の温度に応じてマイクロプロセッサ 10に供給すべき電 源電圧 Vddを調節する。マイクロプロセッサ 10の温度 THは、たとえばサーミスタなど を用いた温度検出回路によって、電圧信号 (以下、温度検出電圧 Vthという)として 取得することができる。温度検出電圧 Vthは、インターフェース部 22、あるいは外部 の AZDコンバータによりデジタル値に変換された後、電源電圧設定部 24へと入力 される。
[0042] 電圧設定テーブル 26には、電圧指示信号 Dcnfと電源電圧 Vddの関係が、マイク 口プロセッサ 10の温度 THをパラメータとして記憶されており、電源電圧設定部 24は
、電圧設定テーブル 26を参照することにより、最適な電源電圧 Vddをレギユレータ回 路 12に対して指示することができる。
[0043] (設定方法 4)
セットの低消費電力化の観点からみると、マイクロプロセッサ 10に供給すべき電源 電圧 Vddは、マイクロプロセッサ 10が動作可能な範囲で、なるべく低く設定すること が望ましい。そこで、設定方法 4では、電源電圧設定部 24とマイクロプロセッサ 10が 双方向通信を行いながら、最適な電源電圧 Vddを動的に設定する。
[0044] 具体的には電源電圧設定部 24とマイクロプロセッサ 10は、以下の動作を行うことに よって最適な電源電圧 Vddを設定する。
まず、電源電圧設定部 24は、初期電源電圧 VddlNITを設定する。この初期電源 電圧 VddlNITは、マイクロプロセッサ 10が確実に動作する値に設定することが望ま しい。
電源電圧設定部 24は、設定した初期電源電圧 VddlNITに対応する電圧設定信 号 Dsetをレギユレータ回路 12に対して出力する。レギユレータ回路 12は、入力され た電圧設定信号 Dsetにもとづいて、初期電源電圧 VddlNITを生成し、マイクロプロ セッサ 10へと出力する。
[0045] マイクロプロセッサ 10は、初期電源電圧 VddlNITが印加された状態で安定に動作 可能かどうかを表すイネ一ブル信号 ENを、第 1信号線 14を介して電源電圧設定部 2 4へと出力する。ィネーブル信号 ENはハイレベル(1)のとき動作可能、ローレベル(0 )のとき動作不能を表すものとする。電源電圧設定部 24は、ィネーブル信号 ENがハ ィレベルのとき、電圧設定信号 Dsetを、電源電圧 Vddが低下する方向にシフトし、レ ギユレータ回路 12へと出力する。その結果、マイクロプロセッサ 10には、初期電源電 圧 VddlNITよりも低 、電源電圧が供給される。
[0046] マイクロプロセッサ 10は、現在の電源電圧 Vddで安定に動作可能かを判定し、イネ 一ブル信号 ENを電源電圧設定部 24へと送信する。このとき、電源電圧設定部 24は 、ィネーブル信号 ENがハイレベルであればさらに電源電圧 Vddを低下させ、逆に口 一レベルであれば、電源電圧 Vddを上昇させる。
[0047] 本設定方法では、マイクロプロセッサ 10とシステムコントローラ 20が上記手順を繰り
返すことによって、マイクロプロセッサ 10が動作可能な最小の電源電圧 Vddを設定 することができる。さらに、この方式を用いる場合、電圧設定テーブル 26は設けなくて ちょい。
[0048] このように、本実施の形態に係る電源装置 100によれば、レギユレータ回路 12では なぐシステムコントローラ 20において、電源電圧 Vddの設定を行うため、セットがお かれる状況に応じて適切な電源電圧をマイクロプロセッサ 10に供給することができる
[0049] また、マイクロプロセッサ 10とシステムコントローラ 20間を SPIバスや I2Cバスで接 続する場合、図 6に示す従来の電源装置のように、マイクロプロセッサ 10から nビット の信号線を出力する必要がないため、マイクロプロセッサ 10のピン数を減らすことが できる。
[0050] なお、設定方法 1〜設定方法 4で説明した設定方法は、単独で用いても良いし、任 意で組み合わせてもよい。システムコントローラ 20において、セット出荷後の経過時 間 τ、マイクロプロセッサ 10の温度 ΤΗ、あるいはマイクロプロセッサ 10の演算負荷な どの複数の要素を統合的に解析することにより、より最適な電源電圧 Vddを設定する ことができる。
[0051] システムコントローラ 20に設けられた電圧設定テーブル 26は、アップデート可能に 構成されていても良い。たとえば、本電源装置 100が搭載されるセットがパーソナル コンピュータやゲーム機器などのネットワーク機能を備える場合、 LAN (Local Area Network)などを介して、ネットワークに接続することにより、新たな設定テーブルの データをダウンロードすることができる。システムコントローラ 20は、ダウンロードした データをもとに、電圧設定テーブル 26の内容を書き換える。電圧設定テーブル 26を 必要に応じて更新することによって、不具合の修正や、より適切な電源電圧の設定が 可能となる。なお、電圧設定テーブル 26の更新は、 CD— ROMやフレキシブルディ スクなどのメディアなどによって行ってもよい。
[0052] (第 2の実施の形態)
第 1の実施の形態では、出力電圧の設定をデジタル信号によって行うタイプのレギ ユレータ回路 12を用いた電源装置 100について説明した。以下で説明する第 2の実
施の形態では、アナログ電圧によって出力電圧を設定可能なレギユレータ回路を用
Vヽた電源装置 110について説明する。
[0053] 図 4は、第 2の実施の形態に係る電源装置 110の構成を示すブロック図である。電 源装置 110は、レギユレータ回路 40、 DZ Aコンバータ 30、システムコントローラ 20を 備える。システムコントローラ 20の構成およびマイクロプロセッサ 10との接続態様に ついては、第 1の実施の形態と同じであるため、説明を省略する。
[0054] システムコントローラ 20から第 2信号線 16を介して出力される nビットのデジタルの 電圧設定信号 Dsetは、 DZAコンバータ 30へと入力される。 DZAコンバータ 30は、 電圧設定信号 Dsetをデジタルアナログ変換し、アナログの電圧設定信号 Vsetに変 換する。 DZAコンバータ 30から出力される電圧設定信号 Vsetは、レギユレータ回路 40の入力端子 44に入力される。
[0055] レギユレータ回路 40は、入力端子 44に入力された電圧設定信号 Vsetに応じて、 電源電圧 Vddを生成し、電源ライン 18を介してマイクロプロセッサ 10へと出力する。
[0056] 本実施の形態によれば、汎用的なレギユレータ回路を利用することができる。さらに 、システムコントローラ 20から出力されるデジタルの電圧設定信号 Dsetのビット数を 増やすことにより、レギユレータ回路の出力電圧、すなわちマイクロプロセッサ 10に供 給する電源電圧 Vddを従来の電源装置に比べて、より細力べ調節することができる。
[0057] (第 3の実施の形態)
図 5は、第 3の実施の形態に係る電源装置 120の構成を示すブロック図である。本 実施の形態に係る電源装置 120は、マイクロプロセッサ 10の消費電流、消費電力を 算出する機能を備える。
[0058] 本実施の形態に係る電源装置 120は、システムコントローラ 20,、レギユレータ回路 12、ローパスフィルタ 50、 AZDコンバータ 52を備える。
[0059] 一般的なレギユレータ回路 12は、制御対象の電圧、すなわち電源電圧 Vdd力 電 圧設定信号 Dsetによって指示される目標値に近づくように帰還制御を行って 、る。 本実施の形態では、実際にマイクロプロセッサ 10に印加されている電源電圧 Vddが 、帰還電圧 Vfbとしてレギユレータ回路 12に帰還されている。レギユレータ回路 12は 、帰還電圧 Vfbが目標値に近づくように電圧生成を行う。
[0060] 帰還電圧 Vfbは、ローパスフィルタ 50を介して A/Dコンバータ 52へと入力される。 帰還電圧 Vfbは、高周波成分の除去によって平滑ィ匕された後、 AZDコンバータ 52 によってデジタルの帰還信号 Dfbに変換される。帰還信号 Dfbは、システムコントロー ラ 20へと入力される。
[0061] 本実施の形態に係るシステムコントローラ 20'は、図 2に加えて、電力算出部 28を 備える。電力算出部 28には、電源電圧設定部 24から出力される電圧設定信号 Dset および AZDコンバータ 52から出力される帰還信号 Dfbが入力されており、 2つの信 号にもとづき、マイクロプロセッサ 10における消費電流および消費電力を算出する。
[0062] レギユレータ回路 12によって生成した電源電圧 Vddは、電源ライン 18を介してマイ クロプロセッサ 10に印加される。ここで電源ライン 18は、微小な抵抗成分 RLを有して いるため、負荷電流 ILが流れることによって電圧降下 Δνが発生する。電圧降下 Δν と、抵抗成分 RL、負荷電流 ILの間には、 IL= AVZRLの関係式が成り立つ。
[0063] 本実施の形態において、電源ライン 18での電圧降下 Δνは、 AV=Vdd— Vfbに よって求めることができる。ここで、 Vddは、電圧設定信号 Dsetにより指示された電圧 値であり、 Vfbは、実際にマイクロプロセッサ 10に印加される電圧である。電力算出 部 28は、 Vddに対応する電圧設定信号 Dsetと、 Vfbに対応する帰還信号 Dfbによ つて、電圧降下 Δνを算出する。
[0064] 電源ライン 18の抵抗成分 RLは予め測定しておく。電力算出部 28は、電圧設定信 号 Dsetおよび帰還信号 Dfbから求めた電圧降下 Δνと、抵抗成分 RLから上記関係 式を用いて、マイクロプロセッサ 10に流れる電流を算出する。
[0065] たとえば、電圧設定信号 Dsetが 1. 2Vに対応した値を示しており、帰還信号 Dfbが 、 1. 08Vに対応した値を示しているとすると、電圧降下 Δν=0. 12Vとなる。また、電 源ライン 18の抵抗値が RL= 1. 2πι Ωであったとすると、マイクロプロセッサ 10におけ る消費電流 ILは、 IL = 0. 12V/1. 2πι Ω = 100Αとなる。さらに消費電力は、 Ρ=Ι· V= 100AX 1. 2V= 120Wとなる。
[0066] 電力算出部 28はこのようにして算出したマイクロプロセッサ 10の消費電流および消 費電力を、外部に接続されるパフォーマンスモニタ 54へと出力する。ユーザは、パフ オーマンスモニタ 54から、マイクロプロセッサ 10の動作状態を知ることができる。
[0067] このように、本実施の形態に係る電源装置 120によれば、システムコントローラ 20, に、電力算出部 28を設け、マイクロプロセッサ 10の駆動経路上の一点の電圧を入力 して電圧降下を測定することにより、マイクロプロセッサ 10の消費電流あるいは消費 電力を算出することができる。
[0068] さらに、本実施の形態に係る電源装置 120において算出したマイクロプロセッサ 10 の消費電流あるいは消費電力を、第 1の実施の形態で説明したように、マイクロプロ セッサ 10に供給する電源電圧 Vddの設定に反映してもよい。
[0069] 以上、本発明につ 、て、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であ り、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せに 、ろ 、ろな変形例が可能なこ と、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである
[0070] 実施の形態において、システムコントローラ 20は、レギユレータ回路 12を制御する 処理を行った力 このシステムコントローラ 20に、その他の処理を実行させてもよい。 たとえば、システムコントローラ 20において、マイクロプロセッサ 10の温度情報を取得 する場合には、システムコントローラ 20により、マイクロプロセッサ 10を冷却するファン を制御してもよい。その他、システムコントローラ 20をその他のブロックと接続すること により、統合的な処理を行うことができる。
産業上の利用可能性
[0071] 本発明は、マイクロプロセッサなどを備える電子装置に利用することができる。
Claims
[1] マイクロプロセッサに対して電源電圧を供給する電源装置であって、
前記マイクロプロセッサから出力される電圧指示信号にもとづき、前記マイクロプロ セッサに供給すべき電源電圧を設定し、設定した電源電圧に対応した電圧設定信 号を出力するシステムコントローラと、
前記システムコントローラから出力される前記電圧設定信号にもとづき、前記システ ムコントローラにおいて設定された電源電圧を生成し、前記マイクロプロセッサに供給 するレギユレータ回路と、
を備えることを特徴とする電源装置。
[2] 前記システムコントローラは、
前記電圧指示信号と、前記マイクロプロセッサに供給すべき電源電圧との関係を保 持する電圧設定テーブルを備えることを特徴とする請求項 1に記載の電源装置。
[3] 前記システムコントローラは、前記マイクロプロセッサの状態を取得し、取得した状 態を前記電源電圧の設定に反映させることを特徴とする請求項 1または 2に記載の電 源装置。
[4] 前記マイクロプロセッサの状態は、前記マイクロプロセッサの使用時間であることを 特徴とする請求項 3に記載の電源装置。
[5] 前記マイクロプロセッサの状態は、前記マイクロプロセッサの温度であることを特徴 とする請求項 3または 4に記載の電源装置。
[6] 前記マイクロプロセッサの状態は、前記マイクロプロセッサの演算量であることを特 徴とする請求項 3から 5のいずれかに記載の電源装置。
[7] 前記電圧設定テーブルは、その保持するデータが、更新可能に構成されることを 特徴とする請求項 2に記載の電源装置。
[8] 前記システムコントローラと、前記マイクロプロセッサとは、バスを介して接続されるこ とを特徴とする請求項 1または 2に記載の電源装置。
[9] 前記マイクロプロセッサは、前記ノ スを介して通信を行 、、前記電源電圧を動的に 設定することを特徴とする請求項 8に記載の電源装置。
[10] 前記レギユレータ回路は、デジタル信号として入力される電圧設定信号にもとづい
て、前記電源電圧を生成するものであり、
前記システムコントローラと前記レギユレータ回路は、デジタル信号線を介して接続 されることを特徴とする請求項 1または 2に記載の電源装置。
[11] 前記レギユレータ回路は、アナログ信号として入力される電圧設定信号にもとづい て、前記電源電圧を生成するものであり、
前記システムコントローラから出力されるデジタルの電圧設定信号をアナログの電 圧設定信号に変換して、前記レギユレータ回路に出力するデジタルアナログ変換器 をさらに備えることを特徴とする請求項 1または 2に記載の電源装置。
[12] 前記マイクロプロセッサに供給される電源電圧をアナログデジタル変換するアナ口 グデジタル変 をさらに備え、
前記システムコントローラは、前記アナログデジタル変換器の出力信号と、前記レギ ユレータ回路に出力する電圧設定信号から、前記マイクロプロセッサでの消費電力を 算出する電力算出部を含むことを特徴とする請求項 1または 2に記載の電源装置。
[13] マイクロプロセッサと、
前記マイクロプロセッサに電源電圧を供給する請求項 1から 3のいずれかに記載の 電源装置と、
を備えることを特徴とする電子機器。
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