WO2007023629A1 - トランスインピーダンス増幅器 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ピーキングと接地インダクタンスによる特性劣化を解決するものであり、高ゲイン化・広帯域化を図ることができるトランスインピーダンス増幅器を提供する。このためトランスインピーダンス増幅器は、2つ以上の極周波数を有する帰還回路であって、極周波数の中で最小極周波数以下の周波数領域においてフィルター特性が周波数に対して平坦であり、かつ、極周波数の中で最大極周波数以上の周波数領域においてフィルター特性が周波数に対して平坦であり、かつ、最小極周波数と最大極周波数の間の周波数領域では、周波数に対して負の傾き部分を少なくとも一つ含むフィルター特性を有する帰還回路を具備するように構成する。
Description
明 細 書
トランスインピーダンス増幅器
技術分野
[0001] 本発明は、抵抗と容量カゝらなる帰還回路を具備したトランスインピーダンス増幅器 であって、ピーキングを抑制した高ゲイン'広帯域なトランスインピーダンス増幅器に 関する。
背景技術
[0002] DVDドライブの青色化に伴い、受光アンプ回路を構成するトランスインピーダンス 増幅器の特性として、高ゲイン'広帯域が求められている。
[0003] 図 10で示す、帰還回路部に抵抗と容量の並列接続回路を用いたトランスインピー ダンス増幅器では、極周波数は ΐΖ(2 π X抵抗 X容量)と表すことができる。
[0004] トランスインピーダンス増幅器を広帯域化するためには、例えば、並列接続回路か らなる抵抗、もしくは、容量を減少させればよい。
[0005] し力しながら、抵抗を低減した場合、ゲインが低減するため望ましくな 、。そこで容 量を減少させればよいが、図 11で示す、周波数に対して利得が急峻に増加するピー キングという別の問題が生じる。このようなピーキングが生じると、広帯域化が図れる 一方で、その周波数領域で群遅延が悪化するため好ましくない。
[0006] 他の広帯域ィ匕の手段として、例えば、特許文献 1には、図 12で示す帰還回路が開 示されている。この帰還回路では、抵抗と容量の並列接続回路と、抵抗と容量の並 列接続回路を直列に接続した構成としている。しかしながら、この構成の場合も前記 従来例と同様な問題が生じる。
[0007] また、特許文献 1では、図 13で示す帰還回路が同時に開示されている。この帰還 回路では、抵抗と容量の並列接続回路と、抵抗と容量の並列接続回路を直列に接 続し、この並列接続回路同士の接続点と接地間に容量を接続した構成としている。 特許文献 1 :特開 2000— 315922号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] し力しながら、実際に、図 13で示す帰還回路をトランスインピーダンス増幅器に適 用した場合、並列接続回路同士の接続点と接地間に接続した容量には、ボンディン グゃコンタクトホールに起因した寄生接地インダクタンスが直列に付加され、所望の 特性を得ることが難しかった。
[0009] 本発明は、こうした従来技術の課題であるピーキングと接地インダクタンスによる特 性劣化を解決するものであり、高ゲイン化'広帯域ィ匕を図ることができるトランスインピ 一ダンス増幅器を提供することを目的とする。 課題を解決するための手段
[0010] 上記課題を解決するために、本発明のトランスインピーダンス増幅器は、 2つ以上 の極周波数を有する帰還回路であって、前記極周波数の中で最小極周波数以下の 周波数領域においてフィルター特性が周波数に対して平坦であり、かつ、前記極周 波数の中で最大極周波数以上の周波数領域にお!、てフィルター特性が周波数に対 して平坦であり、かつ、前記最小極周波数と前記最大極周波数の間の周波数領域で は、周波数に対して負の傾き部分を少なくとも一つ含むフィルター特性を有する前記 帰還回路を具備するように構成する。
[0011] また、前記帰還回路の最大極周波数とピーキング周波数が同一周波数であること が望ましい。
[0012] また、前記帰還回路の複数のそれぞれの極周波数と前記複数のそれぞれのピーキ ング周波数同士が同一であることが望ましい。
[0013] また、前記帰還回路は、複数個の抵抗と 1つ以上の容量力もなる 2端子の帰還回路 であって、該 2端子間に前記複数個の抵抗を並列に接続し、かつ、前記複数個の抵 抗をそれぞれ 2つ以上に分割し、かつ、前記複数個の抵抗におけるそれぞれの分割 点間を前記容量で接続さて 、るように構成する。
[0014] また、前記分割された抵抗の一部の抵抗が取り除かれていてもよい。
[0015] また、前記分割された抵抗の一部の抵抗が短絡されて!、てもよ!/、。
[0016] また、前記分割された抵抗の一部の抵抗が取り除かれ、かつ、前記分割された抵 抗の一部の抵抗が短絡されて 、てもよ 、。
発明の効果
[0017] 以下に本発明の効果について説明する。
[0018] 本発明によれば、図 14で示すようにピーキングが生じている周波数から高周波領 域のゲインを、周波数に関わらず一定量フィルタリングすることが可能である。
[0019] 従って、ピーキングが生じた周波数より高い周波数でのゲインを著しく低下させるこ となぐピーキングを抑制することが可能になり、加えて、広帯域ィ匕を図ることが可能 になる。
[0020] 上記効果が得られる理由を、図を用いて説明する。
[0021] 図 15に従来例である特許文献 1 (特開 2000— 315922号公報)の帰還回路のフィ ルター特性を示す。本発明では、最小極周波数から減少し、最大極周波数以上で平 坦な特性を得ていたが、従来例の場合、最大極周波数以上の高周波領域において 減少し続ける。
[0022] 図 16に、上記フィルター特性を有する帰還回路をトランスインピーダンス増幅器に 用いた場合を示す。本発明においては、前記フィルター特性により、最大極周波数 以上でのゲインが高くなり、高ゲインィ匕 ·広帯域化がはかれる。
[0023] さらに上記構成によれば、帰還回路を 2端子で構成しているため、接地インダクタン スの影響を受けることは無 、。
図面の簡単な説明
[0024] [図 1]本発明の第 1の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅器の構成例を示す 図である。
[図 2]本発明の第 1の実施形態に係る帰還回路の周波数特性を示す図である。
[図 3]本発明の第 1の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅器の構成例を示す 図である。
[図 4]本発明の第 2の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅器の構成例を示す 図である。
[図 5]本発明の第 2の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅器の構成例を示す 図である。
[図 6]本発明の第 2の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅器の構成例を示す 図である。
[図 7]本発明の第 3の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅器の構成例を示す 図である。
[図 8]本発明の第 3の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅器の構成例を示す 図である。
[図 9]本発明の第 3の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅器の構成例を示す 図である。
[図 10]従来のトランスインピーダンス増幅器の構成例を示す図である。
[図 11]従来のトランスインピーダンス増幅器によるピーキング特性を示す図である。
[図 12]従来のトランスインピーダンス増幅器の構成例を示す図である。
[図 13]従来のトランスインピーダンス増幅器の構成例を示す図である。
[図 14]本発明による帰還回路、並びに、トランスインピーダンス増幅器の周波数特性 を示す図である。
[図 15]従来例による帰還回路の周波数特性を示す図である。
[図 16]本発明と従来例によるトランスインピーダンス増幅器の周波数特性の比較図で ある。
符号の説明
[0025] la、 lb、 lab、 lac、 lad、 lae、 laf トランスインピーダンス増幅器
2a、 2b、 2c、 2d、 2e、 2f、 2g、 2h、 2i 抵抗
3a、 3b、 3c 容量
4a, 4b 増幅器
発明を実施するための最良の形態
[0026] 本発明の実施形態についてさらに詳細に説明すベぐ図面を参照して説明する。
(第 1の実施形態)
まず本発明の第 1の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅器について、図を 参照して説明する。
[0027] 図 1は、第 1の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅器の構成例を示す図で ある。
すなわち、第 1の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅器 laは、抵抗 2a、 2b、 2c
、 2dと、容量 3aからなる帰還回路と、増幅器 4aが配置されている。より具体的には、 4 つの抵抗(2a、 2b、 2c、 2d)と 1つの容量 3a力 なる 2端子の帰還回路であって、抵抗 2 a,2bと、抵抗 2c,2dと、を並列に接続し、かつ、並列接続された抵抗を 2つに分割し、 かつ、当該抵抗が分割された接点間を容量 3aで接続して ヽる。
[0028] このトランスインピーダンス増幅器 laにより、ピーキングを抑制し、広帯域化と高ゲイ ン化が得られると 、う効果がもたらされる。
[0029] これはトランスインピーダンス増幅器 laにおける帰還回路力 図 2で示す 2つの極周 波数を有し、かつ前記極周波数の中で低 ヽ極周波数以下の周波数領域にぉ ヽてフ ィルター特性が周波数に対して平坦であり、かつ、前記極周波数の中で高い極周波 数以上の周波数領域においてフィルター特性が周波数に対して平坦であり、かつ、 前記 2つの極周波数間の周波数領域で、周波数に対して負の傾きを有するフィルタ 一特性を有して 、る力 である。
[0030] 本実施形態の効果を式を用いてさらに説明する。
[0031] 第 1の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅器 laにおける帰還回路の抵抗値 を、抵抗 2aを Rl、抵抗 2bを R2、抵抗 2cを R3、抵抗 2dを R4とし、容量 3aの容量値をじと した場合、帰還回路の通過インピーダンスは下式 (1)で与えられる。ここで ω=2π X 周波数、である。
[0032] [数 1]
R _ {R + R2 X +¾)+ c ?3 ( (R, + R3 )}
(R, +R2 +R3 +R4)+ J oCiR, +R3)R2 +RA) " さらに低周波領域では下式 (2)、高周波領域では下式 (3)で、通過インピーダンスが 与えられる。
[0034] [数 3] h'sh (R1 +R3lR2 +R4) …
次に、図 13に示した帰還回路の抵抗値を、抵抗 2aを Rl、抵抗 2bを R2、容量 3aを C1 、容量 3bを C2、容量 3cを C3とした場合、帰還回路の通過インピーダンスは下式 (4)で 与えられる。
[0035] [数 4]
R = -7 ^ ...(4)
{Α1 +Α1 )+ ]ωΟ^ΑιΑ2 ただし、
[0036] [数 5]
A A - 八 2
1 1 + ]ωειϋ1 1 + ]ω02 2 である。
[0037] さらに低周波領域では下式 (5)、高周波領域では下式 (6)で、通過インピーダンスが 与えられる。
[0038] [数 6]
i?tow = i?1 +i?2 ...(5)
[0039] [数 7]
上式力も明らかなように、トランスインピーダンス増幅器に従来例の帰還回路を適用 した場合、高周波側で帰還回路の通過インピーダンスがゼロになるため、高周波側 での利得が低下する。他方、第 1の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅器 la における帰還回路では、式 (3)から明らかなように、高周波側で周波数に対して、一定 値となるため、高周波側での著しいゲインの低下を抑制することが可能になる。
[0040] また本実施形態にぉ ヽて望ま U、前記帰還回路の極周波数は、ピーキング周波数 と同一の周波数である。
[0041] また本実施形態において、図 3に示すように、複数の増幅器 (アンプ) 4a,4bを用い て多段の構成としてもよい。
[0042] (第 2の実施形態)
次に、本発明の第 2の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅器について、図
を参照して説明する。
[0043] 図 4は、第 2の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅器の構成例を示す図で ある。すなわち、第 2の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅器 labは、抵抗 2a、 2b、 2cと、容量 3aからなる帰還回路と、増幅器 4aが配置されている。つまり、第 2の実 施形態に係るトランスインピーダンス増幅器 labにおける帰還回路は、第 1の実施形 態に係るトランスインピーダンス増幅器 laから抵抗 2dを除去して開放した回路である
[0044] 本実施形態の効果を式を用いてさらに説明する。
[0045] 第 2の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅器 labにおける帰還回路の抵抗 値を、抵抗 2aを Rl、抵抗 2bを R2、抵抗 2cを R3とし、容量 3aの容量値を Cとした場合、 帰還回路の通過インピーダンスは下式 (7)で与えられる。
[0046] [数 8]
q _
さらに低周波領域では下式 (8)、高周波領域では下式 (9)で通過インピーダンスが与 えられる。
[0047] [数 9]
w = + … (8)
[0048] [数 10] p _ + 上式力も明らかなように、第 1の実施形態と同様に、高周波側で周波数に対して、 一定値となるため、高周波側での著しいゲインの低下を抑制することが可能になる。
[0049] また本実施形態において、図 5で示すように、図 4に示す帰還回路における抵抗 2c を短絡した帰還回路でもよ 、。
[0050] また本実施形態にぉ ヽて望ま U、前記帰還回路の極周波数は、ピーキング周波数 と同一の周波数である。
[0051] また本実施形態において、図 6に示すように、複数の増幅器 (アンプ) 4a,4bを用い
て多段の構成としてもよい。
[0052] (第 3の実施形態)
次に、本発明の第 3の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅器について、図 を参照して説明する。
[0053] 図 7は、第 3の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅器の構成例を示す図で ある。すなわち、第 3の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅器 ladは、抵抗 2a、 2b、 2c、 2d、 2e、 2fと、容量 3a、 3bからなる帰還回路と、増幅器 4aが配置されている。よ り具体的には、 6つの抵抗(2a、 2b、 2c、 2d、 2e、 2f)と 2つの容量 3a、 3bからなる 2端子 の帰還回路であって、抵抗 2a,2b,2cと、抵抗 2d,2e,2fと、を並列に接続し、かつ、並列 接続された抵抗を 3つに分割し、かつ、当該抵抗が分割された夫々の接点間を容量 3a,3bで接続している。
[0054] 本実施形態の効果を式を用いてさらに説明する。
[0055] 第 3の実施形態に係るトランスインピーダンス増幅器 ladにおける帰還回路の抵抗 値を、抵抗 2aを Rl、抵抗 2bを R2、抵抗 2cを R3、抵抗 2dを R4、抵抗 2eを R5、抵抗 21¾R 6とした場合、通過インピーダンスは、低周波領域では下式 (10)、高周波領域では下 式 (11)で与えられる。
[0056] [数 11]
R +R6 ) (10
[0057] [数 12]
_ i? 4(i?2 +R5 X ?3 +R6 )+R2R5 (i?3 +R6 +R +R,R6 (A +R4 +R5 ) 、 h'Sh (R1 +R4 lR2 +Rs lR3 +R6 ) 〜( ) 上式力も明らかなように、第 1の実施形態と同様に、高周波側で周波数に対して、 一定値となるため、高周波側での著しいゲインの低下を抑制することが可能になる。
[0058] また本実施形態において、前記帰還回路の最大極周波数とピーキング周波数が同 一周波数であることが望まし 、。
[0059] また本実施形態において、前記帰還回路の複数の極周波数と複数のピーキング周 波数が同一周波数であることが望ま 、。
[0060] また本実施形態において、図 8に示すトランスインピーダンス増幅器 laeのように、図 7に示す帰還回路における抵抗 2eを短絡した帰還回路でもよい。
[0061] また本実施形態において、図 9に示すトランスインピーダンス増幅器 lafのように、図 7に示す帰還回路における抵抗 2eを短絡し、かつ、抵抗 2dを取り除いて開放した帰 還回路でもよい。
[0062] 以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明の具体的な構成は、上記第 1乃 至第 3の実施形態に限られるものではなぐこの発明の要旨を逸脱しない範囲の設 計変更等があっても、本発明の範囲に含まれる。
Claims
[1] 2つ以上の極周波数を有する帰還回路であって、前記極周波数の中で最小極周 波数以下の周波数領域においてフィルター特性が周波数に対して平坦であり、かつ 、前記極周波数の中で最大極周波数以上の周波数領域においてフィルター特性が 周波数に対して平坦であり、かつ、前記最小極周波数と前記最大極周波数の間の 周波数領域では、周波数に対して負の傾き部分を少なくとも一つ含むフィルター特 性を有する前記帰還回路を具備することを特徴とするトランスインピーダンス増幅器。
[2] 請求項 1に記載のトランスインピーダンス増幅器であって、前記帰還回路の最大極 周波数とピーキング周波数が同一周波数であることを特徴とするトランスインピーダン ス増幅器。
[3] 請求項 1に記載のトランスインピーダンス増幅器であって、複数のピーキング周波 数を有するトランスインピーダンス増幅器であって、前記帰還回路の複数のそれぞれ の極周波数と前記複数のそれぞれのピーキング周波数同士が同一である、ことを特 徴とするトランスインピーダンス増幅器。
[4] 請求項 1乃至 3の何れか一項に記載のトランスインピーダンス増幅器であって、複 数個の抵抗と 1つ以上の容量力もなる 2端子の帰還回路であって、該 2端子間に前 記複数個の抵抗を並列に接続し、かつ、前記複数個の抵抗をそれぞれ 2つ以上に 分割し、かつ、前記複数個の抵抗におけるそれぞれの分割点間を前記容量で接続 したことを特徴とするトランスインピーダンス増幅器。
[5] 請求項 4に記載のトランスインピーダンス増幅器であって、前記分割された抵抗の 一部の抵抗を取り除いたことを特徴とするトランスインピーダンス増幅器。
[6] 請求項 4に記載のトランスインピーダンス増幅器であって、前記分割された抵抗の 一部の抵抗を短絡させたことを特徴とするトランスインピーダンス増幅器。
[7] 請求項 4に記載のトランスインピーダンス増幅器であって、前記分割された抵抗の 一部の抵抗を取り除き、かつ、前記分割された抵抗の一部の抵抗を短絡させたことを 特徴とするトランスインピーダンス増幅器。
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