JP3538539B2 - アクティブフィルタ回路 - Google Patents
アクティブフィルタ回路Info
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Description
路に使用されるアクティブフィルタに関するものであ
る。
ィルタを集積回路内に内蔵し、増幅回路と組み合わせて
アクティブフィルタを構成することが多くなっている。
しかしながら、急峻で複雑な周波数特性が要求されるア
クティブフィルタは多くの回路素子数を必要とするの
で、集積可能な素子数及びチップ面積が制限される集積
回路にこのようなアクティブフィルタを内蔵すること
は、多くの場合困難である。
波数信号の検波後の信号には、輝度信号(Y信号)、色
信号(C信号)及び音声中間周波信号(SIF信号)の
3つの信号成分が含まれており、これらの信号のゲイン
・周波数特性は図4に示すようになる。この中からSI
F信号のみを取り出すために使用される帯域通過フィル
タはセンター周波数の両側で急峻な減衰特性を有するも
のでなくてはならない。
アクティブフィルタ化する場合の従来の構成例を図5
(a)に示す。低域通過フィルタLPF、帯域通過フィ
ルタBPF、高域通過フィルタHPF、及び帯域阻止フ
ィルタTRAP1〜4等を縦列接続して目標の周波数特
性を有するアクティブフィルタが得られる。図5(a)
のブロック図では、図5(b)に示すような特性を有す
る7個のフィルタが縦列接続されているが、実用上使用
できる素子の値や実現できるQの範囲が限られるので、
実際には目標特性を得るために更に多くのフィルタを縦
列接続する必要がある。低域通過フィルタLPF、帯域
通過フィルタBPF、高域通過フィルタHPF、及び帯
域阻止フィルタTRAP1〜4等を縦列接続して得られ
る特性、すなわち、これら7つのフィルタ関数を掛け合
わせて得られる合成特性の概略は図6に示すようにな
り、これを図5に破線で示す目標特性に近づけるために
は更に複数段のフィルタが必要であることがわかる。
次の帯域通過フィルタ(BPF)、帯域阻止フィルタ
(TRAP)、低域通過フィルタ(LPF)、及び高域
通過フィルタ(HPF)の回路例をそれぞれ図7〜10
に示す。
グ信号処理回路で使用する周波数特性が急峻なアクティ
ブフィルタ回路を設計する場合は、帯域通過フィルタ、
帯域阻止フィルタ、低域通過フィルタ、及び高域通過フ
ィルタを多数段接続しなくてはならないため、素子数が
増え、回路規模が大きくなる。これに伴い、S/N比や
信号歪率が悪化し、消費電流が増大するといった種々の
問題が生ずる。
積が大幅に増大し、半導体集積回路で実現することが事
実上不可能になる場合もある。図4に示したテレビジョ
ン受像機の映像中間周波数信号の周波数アロケーション
において、音声中間周波数信号を取り出すための帯域通
過フィルタの実用レベルの特性をシミュレーションした
例を図11に示す。この周波数特性は、二次の低域通過
フィルタを1段、二次の帯域阻止フィルタを15段、二
次の帯域通過フィルタを3段、そして二次の高域通過フ
ィルタを1段、合計20段のフィルタを使用して調整し
た特性であり、かなり大きな規模のフィルタ回路となる
ことがわかる。
為されたものであり、回路規模を低減しつつ所望の急峻
な周波数特性を得ることができるアクティブフィルタ回
路を提供することを目的とする。
ルタ回路は、入力信号が与えられる第1及び第2の移相
器と、第1の移相器の出力が非反転入力に接続された第
1の差動増幅器と、第1の差動増幅器の出力が非反転入
力に接続された第2の差動増幅器と、第1の差動増幅器
の出力と所定電位(例えば接地電位)との間に接続され
た第1のコンデンサと、第2の差動増幅器の出力と第1
の差動増幅器の非反転入力との間に接続された第2のコ
ンデンサと、第2の差動増幅器の出力と第1の差動増幅
器の反転入力とを接続する第1の帰還線路と、第2の移
相器の出力が反転入力に接続された第3の差動増幅器
と、第3の差動増幅器の出力と所定電位(例えば接地電
位)との間に接続された抵抗と、第3の差動増幅器の出
力と第2の差動増幅器の反転入力とを接続する第2の帰
還線路と、第2の差動増幅器の出力と第3の差動増幅器
の非反転入力とを接続する線路とを備え、第2の差動増
幅器の出力が回路全体の出力となるように構成されてい
る。
回路の基本構成に、2つの移相器と、第3の差動増幅器
及びその負荷抵抗を付加して本発明のアクティブフィル
タ回路が構成される。
の周波数特性、すなわち図13に示すような特性を図1
4に示すようなBPF、TRAP、LPFの特性及びD
Cとその付近のみを減衰させる低域減衰特性の4つの特
性を兼ね備えたフィルタ特性を得る事ができる。しか
も、図14にa,b,cで示すように減衰特性を変化さ
せることができる。従来技術で、図15に示すような特
性のLPF、BPF及びTRAPを使用している箇所に
本発明のフィルタを使用することにより、その3つのフ
ィルタ特性又はBPFとTRAPの2つのフィルタ特性
を本発明のフィルタ回路1つで生成することができる。
その結果、フィルタ回路全体の規模を低減しながら、削
減前と同等の特性を得ることができる。
アクティブフィルタの回路構成を示す。図1において、
1及び2は非反転入力と反転入力とを有する第1及び第
2の差動増幅器である。第1の差動増幅器1の伝達コン
ダクタンスgm1は第1の抵抗R1の逆数で表され、第
2の差動増幅器2の伝達コンダクタンスgm2は第2の
抵抗R2の逆数で表される。3は第1のコンデンサ(静
電容量C1)、4は第2のコンデンサ(静電容量C2)
である。第1及び第2の差動増幅器1,2と第1及び第
2のコンデンサ3,4によって、図8に例示した帯域阻
止フィルタ(以下、TRAP回路という)に類似したT
RAP回路8が構成されている。
る。6はTRAP回路8の出力であると共に本実施形態
のアクティブフィルタの出力端子でもある。7はTRA
P回路8の伝達関数上の零点(ωn)を制御するための
フィードバック端子、9は図2に例示する回路で構成さ
れた第1の移相器、10は図3に例示する回路で構成さ
れた第2の移相器である。11は第3の差動増幅器であ
り、その伝達コンダクタンスgm3が第3の抵抗R3の
逆数で表される。12は第4の抵抗、13は入力端子で
ある。
タにおいて、入力端子13から入力された信号は第1及
び第2の移相器9,10に入力される。入力信号をv
i、第1及び第2の移相器9,10の伝達関数をH1及
びH2とすると、第1及び第2の移相器9,10の出力
信号vop1及びvop2は式(数1)及び式(数2)
のように表される。
入力5に与えられ、第2の移相器10の出力は第3の差
動増幅器11の反転入力に接続されている。第3の差動
増幅器11の非反転入力には第2の差動増幅器2の出力
が与えられている。第3の差動増幅器の出力は第2の差
動増幅器2の反転入力端子であるフィードバック端子7
に接続されると共に、第4の抵抗12(抵抗値R4)を
介して接地されている。第4の抵抗12は第3の差動増
幅器11の出力電流に対する負荷抵抗となる。この第4
の抵抗12にコンデンサを直列又は並列に接続してもよ
い。
9の伝達関数H1は式(数3)で表される。
1))/(Rx1/(Rx1×sCx1+1)+Rx2
/(Rx2×sCx2+1)) 同様に、図3に例示した回路を有する第2の移相器10
の伝達関数H2は式(数4)で表される。
1))/(Ry1/(Ry1×sCy1+1)+Ry2
/(Ry2×sCy2+1)) TRAP回路8のフィードバック端子7の信号電圧v7
は式(数5)で表される。
第1の差動増幅器1の出力をv’として、式(数6)及
び式(数7)のようになる。
o)/sC2=0 これらの式(数4)〜(数7)を用い、更に、gm1=
1/R1、gm2=1/R2、gm3=1/R3を代入
して、本実施形態のアクティブフィルタの伝達関数H0
を求めると式(数8)のようになる。
(C1×C2×R1×R2)+H2×R4/R3×s/
(C2×R2)))/(s×s+R4/R3×s/(C
2×R2)+1/(C1×C2×R1×R2)) 式(数8)において、1/(C1×C2×R1×R2)
は極点(ωo)を表す項である。
を式(数9)示す。
2))/(s2+s/(C2R2)+1/(C1×C2
×R1×R2)) この式(数9)と上記の式(数8)とを比較すると、極
点(ωo)には変化が無く、第1及び第2の移相器の影
響が無いことが分かる。
の動作上の特徴を説明する。前述のような音声中間周波
数(SIF)信号を取り出すことを目的とするフィルタ
は高QのBPFを特に必要とする。図7に示した従来の
帯域通過フィルタ(BPF)回路において高Qを得るた
めには通常、3通りの方法がある。
を大きくする方法である。しかし、コンデンサの容量値
の実用範囲を考慮すると得られるQの上限はせいぜい2
程度である。
ている差動増幅器の反転入力端子に減衰器を接続し、反
転入力信号を減衰させる方法である。減衰器の減衰量を
大きくするほどQが大きくなるが、反面、小さい信号を
扱うことになるので、ノイズ又はクロストークによりフ
ィルタ性能が低下する。このため、より高い設計精度が
要求され設計効率が低下することになる。
クタンスgm1及びgm2の比を大きくする方法であ
る。しかし、この方法は、複数のフィルタ回路を使用し
た場合に、他のフィルタ回路との整合性を保つ観点から
実現が困難である。
F回路において高Qを得ることはかなり困難であった。
これに対して、図1に示した本発明のフィルタ回路によ
れば、第1及び第2の移相器9,10と第3の差動増幅
器11の第3のコンダクタンスと第4の抵抗12の抵抗
値の比を適当に調整することにより、TRAP回路8の
Qは1であり、図17に示すようなQが10程度のBP
F特性を容易かつ安定して得ることができる。
F特性と比べて低域での減衰量が少ないが、低域を減衰
させるためのフィルタとして従来技術の高域通過フィル
タ(HPF)を別途用いることにより、設計効率を低下
させることなく容易に所望の減衰特性を得ることができ
る。
からSIF成分を取り出すBPFを設計する際に、SI
F信号から所定周波数だけ離れた低域及び高域の成分を
減衰させるために、HPF、低域通過フィルタ(LP
F)やQの小さいBPFを用いることになるが、HPF
とLPFを1つずつ使用して低域及び高域を減衰させる
よりもBPFを1つ使用したほうが効率が良いことは明
らかである。しかし、たとえQが小さくても、BPFの
使用段数が増すと全体のBPFとしての通過帯域が狭く
なってしまう。これを防ぐためにBPFのQを更に小さ
くすると、中心周波数からかなり離れた低域及び高域で
しか減衰しなくなり、フィルタ全体の効率が悪くなる。
小さい特性のBPFに代えて、図19示す本発明の特性
を有するフィルタを使用することにより、低域の減衰域
をDC付近から遠ざけることができる。更に、図20に
a,b,cで示すように、DCとωo点との間の任意の
周波数に移動させることができるので、DCとωoとの
間の帯域を効率良く減衰させることができる。DCとω
oとの間の帯域にはY成分とC成分が存在するので、特
に厳しい減衰特性が要求される。
Cとωoとの間の任意の周波数に減衰点を設定する本発
明の特性に類似の特性が得られる技術として、図8に示
したTRAP回路の伝達関数の極点を一定に維持しなが
ら零点を変化させる方法があるが、この方法では本発明
のように零点付近の周波数特性の微調整をすることがで
きない。更に、この方法で得られる特性は図21に示す
ように、零点周波数を移動させた後に残る極点付近の特
性はBPFの特性から大きく異なる。Qを大きくすると
BPFの特性に近づくが、Qが大きくなるほど極点周波
数での利得が大きくなり入力ダイナミックレンジがそれ
に反比例して狭くなる。多段フィルタ回路において、こ
のような利得が0dBを超える部分が存在するフィルタ
が1段でもあると、利得配分やダイナミックレンジの確
保の点でフィルタ設計が困難になると共に、設計効率が
急激に低下する。本発明のフィルタ回路ではこのような
問題は発生しない。
タ回路を使用して、図11に示した従来技術のフィルタ
特性と同様の特性を得るように再調整した後のフィルタ
特性を図12に示す。図11と図12を比較するとわか
るように、図12のフィルタ特性は全体的に滑らかであ
り、図11と同等の特性が得られている。
ルタ回路に構成上必要な差動増幅器の数に基づいてフィ
ルタ全体の規模を概略的に比較する。従来の図11の特
性に調整するために使用したフィルタは、差動増幅器を
2個含む従来のフィルタ回路20段から構成されている
ので、フィルタ全体に含まれる差動増幅器の数は40で
ある。
調整するために使用したフィルタは従来のTRAP回路
5段と本発明のフィルタ回路5段、そして、従来のHP
F1段、合計11段のフィルタ回路で構成されている。
本発明のフィルタ回路は3個の差動増幅器を含み、他の
従来のフィルタ回路は2個の差動増幅器を含むので、フ
ィルタ全体に含まれる差動増幅器の数は27である。
/3の回路規模で同等のフィルタ特性を得ることができ
る。フィルタ回路の消費電力のほとんどは差動増幅器が
消費するので、フィルタ全体の消費電力も約2/3に削
減される。更に、フィルタ特性全体の特性を調整する際
にTRAP、HPF等の調整が必要な個別のフィルタ回
路の段数は従来の20段に対して本発明では半分近く低
減されて11段であるので、設計効率が2倍近くまで向
上することになる。
図11の特性に比べて通過帯により近い両側箇所で大き
い減衰量が得られるので、従来に比べて高性能のBPF
を得ることができる。一般に、このような大規模のフィ
ルタ回路にあっては、信号の通過経路が長くなるため歪
率やSN比の劣化を伴うが、本発明のフィルタ回路は回
路規模が削減されるので、歪率やSN比に関しても有利
である。
次TRAPフィルタ回路の基本構成に、2つの移相器と
第3の差動増幅器及びその負荷抵抗を追加したことによ
り、図14に示すようなBPF、TRAP、LPFの特
性を兼ね備えたフィルタ特性、及びDCとその付近のみ
減衰させる低域減衰特性を備えたフィルタを得ることが
できる。したがって、従来、LPF、BPF、及びTR
AP縦列接続している箇所、又はBPF及びTRAPを
縦列接続している箇所を本発明のフィルタ1つで置き換
えることができる。その結果、アクティブフィルタ回路
を設計する上で、回路規模及び消費電流の大幅な削減を
図ることができると共に、設計効率及び性能の向上が可
能となる。
回路図
器の回路構成例を示す図
器の回路構成例を示す図
波後の信号に含まれるY信号、C信号及びSIF信号の
ゲイン・周波数特性を示すグラフ
成例を示すブロック図 (b)各フィルタのゲイン・周波数特性を示すグラフ
ラフ
帯域通過フィルタの実用レベルの特性をシミュレーショ
ンした例を示すグラフ
の特性をシミュレーションした例を示すグラフ
性及びDCとその付近のみを減衰させる低域減衰特性の
4つの特性を兼ね備えたフィルタ特性を示すグラフ
性を示すグラフ
衰域を移動させる様子を示すグラフ
を一定に維持しながら零点を変化させた場合の特性を示
すグラフ
子) 7 TRAP回路のフィードバック端子 8 TRAP回路 9 第1の移相器 10 第2の移相器 11 第3の差動増幅器 12 第4の抵抗 13 入力端子
Claims (2)
- 【請求項1】 入力信号が与えられる第1及び第2の移
相器と、 前記第1の移相器の出力が非反転入力に接続された第1
の差動増幅器と、 前記第1の差動増幅器の出力が非反転入力に接続された
第2の差動増幅器と、 前記第1の差動増幅器の出力と所定電位との間に接続さ
れた第1のコンデンサと、 前記第2の差動増幅器の出力と前記第1の差動増幅器の
非反転入力との間に接続された第2のコンデンサと、 前記第2の差動増幅器の出力と前記第1の差動増幅器の
反転入力とを接続する第1の帰還線路と、 前記第2の移相器の出力が反転入力に接続された第3の
差動増幅器と、 前記第3の差動増幅器の出力と所定電位との間に接続さ
れた抵抗と、 前記第3の差動増幅器の出力と前記第2の差動増幅器の
反転入力とを接続する第2の帰還線路と、 前記第2の差動増幅器の出力と前記第3の差動増幅器の
非反転入力とを接続する線路とを備え、前記第2の差動
増幅器の出力が回路全体の出力となるアクティブフィル
タ回路。 - 【請求項2】 前記第1のコンデンサの一端及び前記抵
抗の一端が共に接地電位に接続されている請求項1記載
のアクティブフィルタ回路。
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---|---|---|---|
JP13292698A JP3538539B2 (ja) | 1998-05-15 | 1998-05-15 | アクティブフィルタ回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13292698A JP3538539B2 (ja) | 1998-05-15 | 1998-05-15 | アクティブフィルタ回路 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11330907A JPH11330907A (ja) | 1999-11-30 |
JP3538539B2 true JP3538539B2 (ja) | 2004-06-14 |
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---|---|---|---|
JP13292698A Expired - Fee Related JP3538539B2 (ja) | 1998-05-15 | 1998-05-15 | アクティブフィルタ回路 |
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---|---|---|---|---|
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-
1998
- 1998-05-15 JP JP13292698A patent/JP3538539B2/ja not_active Expired - Fee Related
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