WO2006135048A1

WO2006135048A1 - ヒートセット型オフセット印刷用インキ組成物

Info

Publication number: WO2006135048A1
Application number: PCT/JP2006/312130
Authority: WO
Inventors: Yuichi Kataura; Tomohide Katoh; Naoki Kodaira; Kousuke Naganuma
Original assignee: Sakata Inx Corp.
Priority date: 2005-06-17
Filing date: 2006-06-16
Publication date: 2006-12-21
Also published as: CN101189313B; CN101189313A; JPWO2006135048A1; US20090298983A1; US8309628B2; EP1892272A1; JP5053843B2

Abstract

本発明の目的は、乾燥性が良好で且つオフセット印刷用インキ組成物の保存中に皮張りが起こらず、印刷機上安定性も良好なヒートセット型オフセット印刷用インキ組成物を提供することである。本発明は、顔料、バインダー樹脂、石油系溶剤と、植物油及びその脂肪酸エステルから選択される少なくとも１種の植物油成分とを含有するヒートセット型オフセット印刷用インキ組成物において、当該インキ組成物中に、前記植物油成分を２０質量％以下、さらに、金属石鹸型ドライヤーを、ドライヤー中に含まれる金属の質量に基づいて０．００８～０．７質量％、多価カルボン酸及びその誘導体、トコフェロール並びにトコトリエノールからなる群から選択される少なくとも１種を０．００８～１２質量％、及びフェノール系酸化防止剤を０．０８～１２質量％含有させることを特徴とするヒートセット型オフセット印刷用インキ組成物である。

Description

明細書

ヒートセット型オフセット印刷用インキ組成物

技術分野

[0001] 本発明は、乾燥性が優れるヒートセット型オフセット印刷用インキ組成物に関し、より詳しくは、従来のインキより低温で乾燥でき、保存中の皮張りや印刷適性の低下が起こらないヒートセット型オフセット印刷用インキ組成物に関するものである。

背景技術

[0002] 従来から使用されているヒートセット型オフセット印刷用インキ組成物は、着色剤、バインダー樹脂、乾性油等の植物油、低沸点石油系溶剤等で構成されている。そして、このタイプのインキは、印刷後に加熱して、インキ中の低沸点石油系溶剤の蒸発により乾燥させる印刷形態 (ヒートセットオフ輪印刷）に利用される。

通常、ヒートセットオフ輪印刷における乾燥システムは、紙面温度が 100°C以上になるまで印刷機に隣接される乾燥装置 (熱風吹き付け型、直火バーナー型およびそれらコンビネーションなどの方式がある）によって加熱し、強制的に低沸点石油系溶剤を蒸発させ、印刷媒体 (多くは紙）にバインダー樹脂と着色剤等を短時間で固着させることにより非常に生産性の高い印刷システムを確立している。

[0003] し力、しながら、上記のように、紙面温度を 100°C以上にすると、紙にしわが発生したり

、エネルギーコストが多くかかる等の問題を有しており、それを防止するために乾燥時の紙面温度を極力低くして印刷したいとの要望がある。また、近年、印刷効率を向上させるために印刷の高速化が進んでおり、印刷物が乾燥機を通過する時間も短くなっている。したがって、このような印刷条件で良好な印刷物を得るために、より少ない熱エネルギーの付加で乾燥するヒートセット型オフセット印刷用インキ組成物が要求されている。

従来、ヒートセット型オフセット印刷用インキ組成物の乾燥性を向上させる方法として、沸点の低い溶剤の増量が図られている力沸点の低い溶剤の含有量が増加すると、インキの機上安定性が低下する等の問題が発生し、乾燥性の向上には限界があつ [0004] また、蒸発以外の乾燥形態を利用する方法として、酸化重合によりインキの乾燥性を向上させる金属石鹼等の乾燥剤と、インキの保存中の皮張りを防止するためのプチルヒドロキシトルエン（BHT)等の酸化防止剤を併用する方法が知られている。しかしながら、この方法でインキの乾燥性を向上させると乾燥剤の効果が酸化防止剤の効果より大きくなるため皮張りの発生は不可避であり、この皮張りの発生を従来と同等のレベルになるまで酸化防止剤を使用して抑制すると酸化防止剤の効果が乾燥剤の効果より大きくなるため今度は求められる乾燥性が得られなくなる。

[0005] 結局、従来より知られた方法では、乾燥性の向上と、機上安定性の維持や皮張りの抑制という相反する性能を両立させることはできず、保存安定性や印刷適性を低下させずに、要求される乾燥性を得ることが困難なものであった。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] そこで、本発明の課題は、乾燥性が良好で且つオフセット印刷用インキ組成物の保存中に皮張りが起こらず、印刷機上安定性も良好なヒートセット型オフセット印刷用ィンキ組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007] 本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、ヒートセット型オフセット印刷インキ組成物中に金属石鹼型ドライヤー、フエノール系酸化防止剤と、多価カルボン酸及びその誘導体、トコフエロール並びにトコトリェノールからなる群から選択される少なくとも 1種とをそれぞれ特定量含有させることにより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに到った。

[0008] すなわち、本発明は、（1)顔料、バインダー樹脂、石油系溶剤と、植物油及びその脂肪酸エステルから選択される少なくとも 1種の植物油成分とを含有するヒートセット型オフセット印刷用インキ組成物において、当該インキ組成物中に、前記植物油成分を 20質量％以下、さらに、金属石鹼型ドライヤーを、ドライヤー中に含まれる金属の質量に基づいて 0. 008〜0. 7質量％、多価カルボン酸及びその誘導体、トコフエ口ール並びにトコトリェノールからなる群力選択される少なくとも 1種を 0. 008〜12質量％、及びフエノール系酸化防止剤を 0. 08〜： 12質量％含有させることを特徴とするヒートセット型オフセット印刷用インキ組成物に関する。

また、本発明は、（2)上記多価カルボン酸及びその誘導体が、クェン酸、ァスコルビン酸、コハク酸、アジピン酸及びそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも 1種であることを特徴とする上記（1)項に記載のヒートセット型オフセット印刷用インキ組成物に関する。

以下、本発明について詳細に説明する。

[0009] 本発明のヒートセット型オフセット印刷用インキ組成物は、印刷後、過熱により溶剤を蒸発させる乾燥形態を有する印刷方式で利用され、金属石鹼型ドライヤーとフエノール系酸化防止剤と、多価カルボン酸及びその誘導体、トコフヱロール並びにトコトリエノールからなる群から選択される少なくとも 1種とをそれぞれ特定量含有し、且つ植物油成分をオフセット印刷用インキ組成物中に 20質量％以下含有するものである。以下、本発明のヒートセット型オフセット印刷用インキ組成物（なお、以下では「ヒートセット型オフセット印刷用インキ組成物」を、単に「オフセット印刷用インキ組成物」と記載することもある）の構成材料にっレ、て説明する。

[0010] 本発明のオフセット印刷用インキ組成物を構成する顔料としては、オフセット印刷インキに一般的に用いられる無色または有色の、無機または有機顔料が使用でき、具体的には、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、有機ベントナイト、ァエロジル、酸化鉄、カーボンブラックなどの無機顔料;ァゾ顔料、レーキ顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料などの有機顔料等が例示できる。これらの顔料は、単独で又は 2種以上を混合して使用することができる。オフセット印刷用インキ組成物中の顔料の含有量は 5〜50質量％が適量である。

[0011] 本発明のオフセット印刷用インキ組成物を構成するバインダー樹脂としては、オフセット印刷インキに一般的に用いられるバインダー樹脂が使用でき、具体的には、ロジン変性フヱノール樹脂、石油樹脂変性フヱノール樹脂等の各種フヱノール樹脂、石油樹脂、各種アルキッド樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリエステル樹脂、これらの乾性油変性樹脂等が例示できる。これらの化合物は、単独で又は 2種以上を混合して使用すること力 Sできる。

オフセット印刷用インキ組成物中のバインダー樹脂の含有量は 10〜40質量％が適量である。

[0012] 上記バインダー樹脂は、必要に応じて、ゲル化剤の適量 (バインダー樹脂に対して 1 5質量％以下程度）を使用し、樹脂を架橋させることができる。このような場合に使用するゲル化剤としては、アルミニウムアルコラート類、アルミニウムキレートイ匕合物等が挙げられ、好ましい具体例としては、アルミニウムトリイソプロポキシド、モノ一sec—ブトキシアルミニウムジイソプロポキシド、アルミニウムトリ— sec—ブトキシド、ェチルァセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド、アルミニウムトリスェチルァセトアセテートなどが例示できる。

[0013] 本発明のオフセット印刷用インキ組成物を構成する石油系溶剤としては、オフセット印刷用溶剤として使用されている水と相溶しない沸点 160°C以上、好ましくは 200°C 以上のものが好適に使用できる。具体的には、 n—パラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、ナフテン系溶剤、芳香族系溶剤、 a—ォレフイン系などの石油系溶剤；軽油、スピンドル油、マシン油、シリンダー油、テレビン油、ミネラルスピリットなどの鉱物油が例示でき、これら溶斉 IJは、単独でまたは 2種以上を併用して使用できる力近年の環境問題等から非芳香族系溶剤を使用することが好ましい。

オフセット印刷用インキ組成物中の石油系溶剤の含有量は 20質量％以上で、好ましくは 40〜53質量％である。

[0014] 本発明のオフセット印刷用インキ組成物を構成する植物油成分としては、オフセット印刷インキに一般的に用いられている植物油及びその脂肪酸エステルから選択される少なくとも 1種以上が使用でき、具体的には、アマ二油、桐油、大豆油等の植物油及びそれらの脂肪酸エステル等が例示できる。

オフセット印刷用インキ組成物中の植物油成分の含有量は、 20質量％以下、好ましくは 7〜： 15質量％、更に好ましくは 7〜： 10質量％である。

尚、石油系溶剤と植物油成分の合計使用量は、オフセット印刷用インキ組成物中、 3 0〜60質量％となるように使用する。

[0015] 本発明のオフセット印刷用インキ組成物を構成する金属石鹼型ドライヤーとしては、ォクチル酸、ナフテン酸、樹脂酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ヒドロキシ高級脂肪酸等のコバルト、マンガン、鉛、亜鉛、銅、鉄、カルシウム、ジノレコニゥム、アルミニゥムなどの金属塩、又はセリウムなどの希土類金属塩の様なオフセット印刷用インキに従来から使用されているものが使用できる。具体的には、ォクチル酸マンガン、ォクチル酸コバルト、ォクチル酸ジルコニウム、ォクチル酸カルシウム、ォクチル酸鉄、ォクチル酸銅、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸鉄、ナフテン酸銅等が挙げられる。これらの化合物は、単独で又は 2種以上を混合して使用することができる。

オフセット印刷用インキ組成物中の金属石鹼型ドライヤーの含有量は、ドライヤー中に含まれる金属の質量に基づいて、 0. 008-0. 7質量％である。

[0016] 通常、ドライヤーは金属石鹼溶液の形態で添加される場合が多ぐ「ドライヤー中に含まれる金属の質量に基づく」とは、ドライヤー中の金属成分のみに換算した質量、すなわち、金属石鹼型ドライヤーの固形分の質量に、ドライヤー分子に占める金属の質量割合を乗じて計算される質量に基づくことを意味する。例えば、インキ 100g中に、金属石鹼型ドライヤーとしてォクチル酸マンガン〔Mn (C H COOMn) 、分子量 3

7 15 2

41、 Mn= 55〕の 10%溶液が 2g含まれる場合、インキ中の「金属の質量に基づくドラィヤーの含有量」は、

(2 X 0. 1 X 55/341) /100 X 100 = 0. 032〔質量⁰ /₀〕

となる。

上記の含有量が 0. 008質量％未満では紙面温度を 100°Cより低くした条件での乾燥が不十分となり、 0. 7質量％を越える量では、オフセット印刷用インキ組成物が保存中に皮張りする。好ましくは、 0. 01-0. 5質量％である。

[0017] 本発明のオフセット印刷用インキ組成物を構成する多価カルボン酸及びその誘導体、トコフエロール、トコトリェノールとしては、多価カルボン酸及びその誘導体として、クェン酸、ァスコルビン酸、コハク酸、アジピン酸、クェン酸塩、ァスコルビン酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩、ァスコルビン酸パルミチン酸エステル、ァスコルビン酸ジパノレチミン酸エステル等力トコフエロールとして、ひ一トコフェローノレ、 β—トコフェローノレ、 _Ύ—トコフエロール、 §—トコフエロールが、トコトリエノールとして、ひ一トコトリエノール、 β—トコトリエノール、 y—トコトリエノーノレ、 δ—トコトリエノールが挙げられ、これら化合物は、単独で又は 2種以上を混合して使用することができる。多価カルボン酸塩としては、ァスコルビン酸ナトリウム、クェン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム等が挙げられる。

オフセット印刷用インキ組成物中の多価カルボン酸及びその誘導体、トコフェローノレ並びにトコトリェノールの合計含有量は、 0. 008〜12質量％である。上記の含有量が 0. 008質量％未満では、オフセット印刷用インキ組成物が保存中に皮張りし、 12 質量％を越える量では、紙面温度を 100°Cより低くした条件での乾燥が不十分となる。好ましくは、 0.：!〜 3質量⁰ /₀である。

[0018] 本発明のオフセット印刷用インキ組成物を構成するフエノール系酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン（BHT)、ブチルヒドロキシァ二ソール（BHA)、ハイド口キノン（HQ)、 t _ブチルハイドロキノン (TBHQ)、メチルハイドロキノン等が使用できる。これらの化合物は、単独で又は 2種以上を混合して使用することができる。

オフセット印刷用インキ組成物中のフヱノール系酸化防止剤の含有量は 0. 08-12 質量％である。上記の含有量が 0. 08質量％未満ではオフセット印刷用インキ,組成物が保存中に皮張りし、 12質量％を越える量では、紙面温度を 100°Cより低くした条件での乾燥が不十分となる。好ましくは、：!〜 3質量％である。

[0019] 本発明のオフセット印刷用インキ組成物には、上記の構成材料以外に必要に応じて、顔料分散剤、整面助剤、耐摩擦性向上剤、裏移り防止剤、非イオン界面活性剤等の添加剤を適宜使用することができる。

[0020] 次に、上記構成材料を含有するオフセット印刷用インキ組成物の製造法について説明する。

本発明のオフセット印刷用インキ組成物を製造するには、従来公知の製造方法（ドラィグラインド法、フラッシング法等）が使用できる。

例えば、（1)バインダー樹脂、植物油成分及び Z又は石油系溶剤、必要に応じてゲル化剤とを加熱することであらかじめ油性印刷インキ用ワニスを調製しておく。次レ、で、油性印刷インキ用ワニスに、乾燥した顔料、必要に応じて植物油成分、石油系溶剤、顔料分散剤を加え、ビーズミルや 3本ロールミル等で練肉分散させることにより油性印刷インキ用ベースを得る。さらに、油性印刷インキ用ベースに、金属石鹼型ドラィヤー、フヱノール系酸化防止剤と、多価カルボン酸及びその誘導体、トコフェロール並びにトコトリェノールからなる群から選択される少なくとも 1種とを添カ卩し、必要に応じて油性印刷インキ用ワニス、植物油成分、石油系溶剤、添加剤を加え所定の粘度に調整する方法、（2)バインダー樹脂、植物油成分及び/又は石油系溶剤、必要に応じてゲル化剤とを加熱することであらかじめ油性印刷インキ用ワニスを調製しておく。顔料の水懸濁液 (含水ケーキ、乾燥顔料に水を加えて水懸濁液としたもの）に油性印刷インキ用ワニスをカ卩えて、フラッシャー（ニーダー）又は脱溶媒する機構を有する攪拌装置等でフラッシングし、フラッシングした組成物中の水の含有量力好ましくは 2質量％以下となるまで、脱水させる。次いで、脱水した組成物に、必要に応じて、油性印刷インキ用ワニス等を加え、ビーズミルや 3本ロールミルなどで練肉分散させることにより油性印刷インキ用ベースを得る。さらに、油性印刷インキ用ベースに、金属石鹼型ドライヤー、フエノール系酸化防止剤と、多価カルボン酸及びその誘導体、トコフエロール並びにトコトリェノールからなる群から選択される少なくとも 1種とを添加し、必要に応じて油性印刷インキ用ワニス、植物油成分、石油系溶剤、添加剤を加え所定の粘度に調整する方法等が挙げられる。

発明の効果

[0021] このような構成材料と製造方法から得られた本発明のオフセット印刷用インキ組成物は、保存時の皮張りが防止でき、且つ良好な印刷機上安定性を有するもので、ヒートセット型オフ輪印刷機を用いて印刷を行った場合、 100°Cより低い紙面温度になる条件にぉレ、ても乾燥が可能となる。

発明を実施するための最良の形態

[0022] 以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではなレ、。なお、特に断りのない限り、「％」は「質量％」を意味し、「部」は「質量部」を意味するものとする。

[0023] 製造例 1

くヒートセットオフ輪印刷用インキ用ワニスの製造 >

コンデンサー、温度計及び撹拌機を装着した四つ口フラスコに、ロジン変性フエノール樹脂、大豆油、石油系溶剤（日本石油製ァロマーフリーソルベント 7号)を下記配合となるように仕込み、 200°Cに昇温し、同温度で 1時間加熱撹拌し、ヒートセットオフ輪印刷用インキ用ワニスを得た。

(配合比率）

ロジン変性フエノール樹脂 (KG— 2212 :荒川化学工業製）：50、大豆油： 10、石油系溶剤： 40 合計 100

[0024] 製造例 2

<ヒートセットオフ輪印刷用ベースインキ組成物の製造 >

カーミン 6B (住化カラー製顔料）、製造例 1で得られたヒートセットオフ輪印刷用インキ用ワニスを下記配合で混合し、ビーズミル、 3本ロールで順次混練した。次いで、大豆油、石油系溶剤を下記配合となるように仕込み、撹拌し、ヒートセットオフ輪印刷用ベースインキ組成物を得た。

(配合比率）

ヒートセットオフ輪印刷用インキ用ワニス： 54. 6、顔料： 16、大豆油： 1. 5、石油系溶剤： 27. 9 合計： 100

[0025] 実施例:!〜 19、比較例:!〜 8

<ヒートセットオフ輪印刷用インキ組成物の製造 >

ヒートセットオフ輪印刷用ベースインキ組成物に、金属石鹼型ドライヤー、多価カルボン酸及びその誘導体、トコフエロール、トコトリエノール、フエノール系酸化防止剤を、得られるヒートセットオフ輪印刷用インキ組成物中に表 1の配合％となるように仕込み、撹拌し、実施例:!〜 19、比較例 1〜8のヒートセットオフ輪印刷用インキ組成物を得た。

なお、表 1中の「ァスコルビン酸誘導体」「ァスコルビン酸塩」は、それぞれァスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、ァスコルビン酸ナトリウムである。

[0026] <評価試験 >

[皮張り試験]

実施例:!〜 19、比較例 1〜8のヒートセットオフ輪印刷用インキ組成物をメンタム缶（直径約 3cm、深さ約 lcm)に 10g入れて蓋をして、 100°Cで保存し、表面に皮が張り、ヒートセットオフ輪印刷用インキ組成物が指に付かなくなったら、皮が張ったと判定した。皮が張るまでの日数を表 1に示す。 [0027] [乾燥温度]

実施例:!〜 19、比較例 1〜8のヒートセットオフ輪印刷用インキ組成物の 0. Iceをコート紙に RI展色機（明製作所製、機械番号 RI— 2)により展色した後、コンベア一式乾燥装置 (旭科学機器製）内を 2回通過させる。その後、コート紙の展色面に白紙をのせて RI展色機のゴムローラーと金属ローラーの間に挟み一定の圧力を 2分間かけて、白紙にヒートセットオフ輪印刷用インキ組成物が移らなくなったときの紙面温度を乾燥温度として判定した。結果を表 1に示す。

[0028] [表 1]

産業上の利用可能性

このような構成材料と製造方法から得られた本発明のオフセット印刷用インキ組成物は、保存時の皮張りが防止でき、且つ良好な印刷機上安定性を有するもので、ヒートセット型オフ輪印刷機を用いて印刷を行った場合、低い紙面温度になる条件においても乾燥が可能となる。

Claims

請求の範囲

[1] 顔料、バインダー樹脂、石油系溶剤と、植物油及びその脂肪酸エステル力選択される少なくとも 1種の植物油成分とを含有するヒートセット型オフセット印刷用インキ組成物において、当該インキ組成物中に、前記植物油成分を 20質量％以下、さらに、金属石鹼型ドライヤーを、ドライヤー中に含まれる金属の質量に基づいて 0. 008-0 . 7質量％、多価カルボン酸及びその誘導体、トコフヱロール並びにトコトリェノール力なる群から選択される少なくとも 1種を 0. 008〜12質量％、及びフエノール系酸化防止剤を 0. 08〜： 12質量％含有させることを特徴とするヒートセット型オフセット印刷用インキ組成物。

[2] 前記多価カルボン酸及びその誘導体が、クェン酸、ァスコルビン酸、コハク酸、アジピン酸及びそれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも 1種であることを特徴とする請求項 1記載のヒートセット型オフセット印刷用インキ組成物。