WO2006106584A1

WO2006106584A1 - 建物生産設計システム及び建物生産設計方法

Info

Publication number: WO2006106584A1
Application number: PCT/JP2005/006347
Authority: WO
Inventors: Tamio Ishibashi
Original assignee: Daiwa House Industry Co., Ltd.
Priority date: 2005-03-31
Filing date: 2005-03-31
Publication date: 2006-10-12
Also published as: CN101151626A

Abstract

　建物生産設計システムＳは、建物の一般図を形成する実施図面作成手段１１と、実施図面作成手段１１によって作成された一般図に基づいて、建物の施工に必要な具体的部品情報が記載された伏図を作成する伏図作成手段２１と、伏図作成手段２１が有している具体的部品情報に基づいて、具体的部品を規格品と、規格品以外の別注品とに分類し、部品分類情報２２ｃを作成する調達準備手段２２と、調達準備手段２２から部品分類情報２２ｃを取得し、規格品及び別注品について、外注が必要な構成部材の判定を行い、外注が必要な場合は調達計画を作成するとともに、規格品及び別注品について生産計画を作成する生産調整手段２３と、を備えている。

Description

明細書

建物生産設計システム及び建物生産設計方法

技術分野

[0001] 本発明は建物の生産及び設計に関するシステムに係り、特に、建物の構成部品を予め工場で加工し、これにより現場での組み立てを最小限にした、いわゆる工業化住宅のための、建物生産設計システム及び建物生産設計方法に関する。

背景技術

[0002] 従来、住宅を含む建築物は、固有の敷地や利用者に対応するため、一軒一軒その形状や仕様が異なるものとされており、一品生産により建設されていた。一品生産では、個々の建物を建設する際に、その都度、一から設計作業を行う必要があった。また、その都度、必要な建築資材を選定し市場から調達する作業を行う必要があった。従って、その都度、設計作業と、建築資材の選定作業及び調達作業に手間を要するという問題点があった。

[0003] また、設計作業や建築資材の選定作業及び調達作業は専門知識と経験を要し、作業担当者の能力が作業内容の良否に反映される。従って、建物を建設する度に一からこのような作業を行うと、担当者の能力によって建物の品質や価格が左右されることになる。つまり、能力の低い担当者がこのような作業を行った場合には、適切な設計や部材の選定を行うことができない。また、適切な価格、品質、納期で建築資材を提供してくれる購買先を選定することができない。従って、完成した建物が納期や顧客の要求する品質を満足することができなかったり、予算内に費用をおさめることができないとレ、う問題点があった。

[0004] このような問題点を改善する方法として、いわゆる工業化住宅のように、建物をシステム化して供給するのが有効な手段である。

システム化された建物は、予め規格化された部品を用いて構成される。また、規格ィ匕された部品を個別の設計条件や設計内容に対してどのように適用するかという設計ルールが予め整備されている。従って、設計作業及び必要な建築資材の選定作業に力かる手間が低減されると共に、担当者の能力に左右されずに一定の品質の建物を提供することが可能となる。

[0005] また、規格化された部品は、工場で一括して生産され、各現場へ供給される。従つて、必要な部品の供給を適切な品質、納期、価格で受けることができる。また、現場工事での作業量を最小限に抑えることができ、現場ェ期の短縮化が実現される。また、現場組立の作業を合理化することが可能である。従って、作業に要する時間及び人員を計算し易ぐ現場工事での無駄を省くことが可能である。

[0006] このように有利な特徴を備えた工業化住宅の建設を更に効率的に行うために、設計から竣工に至る一連の工程において、各工程に必要な情報を適時に作成して供給する情報管理手段及び情報加工手段が求められている。特に、施主のより高度な要望に対応するために建物の仕様を多様化させると、部品の構成が複雑化すると共に、部品の品種や組み合わせのパターンが格段に増大する。従って、部品の発注管理及び生産管理が困難になるという問題が生じる。また、施主に提案した設計内容に対応する部品を過不足なく拾い出す作業が困難になるという問題が生じる。

[0007] 本発明の目的は、上記のような問題に鑑み、システム化された建物の仕様を多様化し、かつ、従来よりも更に効率的に供給する、建物生産設計システム及び建物生産設計方法を提供することにある。

発明の開示

[0008] 本発明の建物生産設計システムは、建物の一般図を作成する実施図面作成手段と、該実施図面作成手段によって作成された一般図に基づいて、前記建物の施工に必要な具体的部品情報が記載された伏図を作成する伏図作成手段と、前記伏図作成手段が有している具体的部品情報に基づいて、前記具体的部品を規格品と、規格品以外の別注品とに分類し、部品分類情報を作成する調達準備手段と、前記部品分類情報を取得し、前記規格品及び別注品について外注が必要な構成部材の判定を行い、外注が必要な場合は調達計画を作成するとともに、前記規格品及び別注品について生産計画を作成する生産調整手段と、を備えたことを特徴とする。

なお、本発明において、部品とは、建物を構成する壁パネルや柱などを含む部品と、壁パネルを構成するフレームゃ面材などを含む子部品と、ねじやナットなどを含む部材と、を含むものとする。 [0009] このように、本発明の建物生産設計システムによれば、特に工業化住宅のように規格化された建物について、建物一般図の作成、伏図の作成、構成部品の抽出及び分類、構成部品の発注管理及び生産管理までを、一連の流れとしてシステム化することにより、各工程に必要な情報を適時に作成して供給することが可能となる。

したがって、通常仕様の場合は勿論のこと、仕様が多様化した場合であっても、部品の発注管理及び生産管理を適切に行い、効率良く且つ適確に建物の生産を行うことが可能となる。

[0010] なお、前記建物の施工に関する売上情報を含む会計情報を集計する会計管理手段をさらに備えていると、建物生産に関する会計処理までをも一連のシステムに組み込むことが可能となり好適である。さらに、前記部品の棚卸情報を収集する棚卸処理手段処理をさらに備えていると、在庫の把握及び検証までをも行うことができ好適である。

[0011] 前記伏図作成手段は、前記具体的部品情報を種類別に集計する集計手段を備えており、建物の生産に必要な部品がリストとして作成される。

[0012] また、前記調達準備手段は、前記建物の施主別に、部品準備のための予算情報を作成する。

この予算情報により、施工に着手する前に、事業所及び施主側で、予算についての検証を行なうことが可能となる。

[0013] 前記生産調整手段は、前記建物の着工日情報に基づいて生産計画を作成する。

また、前記生産調整手段は、前記建物の着工日情報に基づいて発注計画を作成する。このように、建物の着工日をふまえて部品の準備がなされるので、着工時に部品が間に合わないとか、部品の調達が早すぎてしまった、等の問題発生を防止することができる。

[0014] 本発明の建物生産設計方法は、建物の各施工段階で必要な情報を提供する建物生産設計方法であって、前記建物の施主に提示する一般図を作成する工程と、該ー般図に基づいて前記建物の施工に必要な具体的部品情報が記載された伏図を作成する工程と、前記具体的部品情報に基づいて、前記具体的部品を規格品と、規格品以外の別注品とに分類する工程と、前記規格品及び別注品について外注が必要な構成部材の判定を行う工程と、外注が必要な場合は調達計画を作成するとともに、前記規格品及び別注品について生産計画を作成する工程と、を備えることを特徴とする。

[0015] 前記建物の施工に関する売上情報を含む会計情報を集計する工程をさらに備えると好適である。また、前記部品及び部材の棚卸情報を作成する工程をさらに備えると好適である。

[0016] 前記生産計画の作成では、前記建物の着工日情報と、前記部品の標準製作期間に基づく生産開始時期の特定がなされる。また、前記注文計画の作成では、前記建物の着工日情報と、前記部品の標準納品期間に基づく注文開始時期の特定がなされる。

図面の簡単な説明

[0017] [図 1]建物の施工工程を示すブロック図である。

[図 2]本実施形態に係る建物設計生産システムの概念図である。

[図 3]本実施形態に係る実施図面作成手段の説明図である。

[図 4]本実施形態に係る伏図作成手段の説明図である。

[図 5]本実施形態に係る調達準備手段の説明図である。

[図 6]本実施形態に係る生産調整手段の説明図である。

[図 7]本実施形態に係る部品設計管理手段により作成されるデータの概略図である。

[図 8]本実施形態に係るの実施図面作成手段の画面構成の一例を示す説明図である。

[図 9]本実施形態に係る伏図作成手段の画面構成の一例を示す説明図である。

[図 10]本実施形態に係る伏図作成手段で作成されるリストの一例を示す説明図である。

[図 11]本実施形態に係る調達準備手段で作成される発注リスト情報の一例を示す説明図である。

[図 12]本実施形態に係る実施図面作成手段での処理の流れを示すフローチャートである。

[図 13]本実施形態に係る伏図作成手段での処理の流れを示すフローチャートである [図 14]本実施形態に係る調達準備手段での処理の流れを示すフローチャートである

[図 15]本実施形態に係る調達準備手段での処理の流れを示すフローチャートである

[図 16]本実施形態に係る生産調整手段での処理の流れを示すフローチャートである

[図 17]建物完成までの間に行われる各種業務の流れを示す流れ図である。

[図 18]建物完成までの間に行われる各種業務の流れを示す流れ図である。

[図 19]建物完成までの間に行われる各種業務の流れを示す流れ図である。

[図 20]建物完成までの間に行われる各種業務の流れを示す流れ図である。

[図 21]建物完成までの間に行われる各種業務の流れを示す流れ図である。

発明を実施するための最良の形態

[0018] 以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する処理ステップ、装置等は本発明を限定するものでなぐ本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。

[0019] 図 1乃至図 21は本発明の建物生産設計システム及び建物生産設計方法の一実施形態例を示すものであり、図 1は建物の施工工程を示すブロック図、図 2は本発明の建物設計生産システムの概念図、図 3は実施図面作成手段の説明図、図 4は伏図作成手段の説明図、図 5は調達準備手段の説明図、図 6は生産調整手段の説明図、図 7は部品設計管理手段により作成されるデータの概略図、図 8は実施図面作成手段の画面構成の一例を示す説明図、図 9は伏図作成手段の画面構成の一例を示す説明図、図 10は伏図作成手段で作成されるリストの一例を示す説明図、図 11は調達準備手段で作成される発注リスト情報の一例を示す説明図、図 12乃至図 16はシステムによる処理を示すフローチャート、図 17乃至図 21は業務の流れを示す流れ図である。

[0020] 1.建物生産設計システム Sの構成

本例の建物生産設計システム Sは、特に工業化住宅の建設を支援するシステムである。

建物は、図 1に示すように、施主からのオーダーを受けると、設計図作成、伏図作成、部品選定、部品発注、施工、の各段階を経て作成される。

本例の建物生産設計システム Sは、これら建物の施工過程で情報をやり取りするために使用されるものであり、各事業所 J、本社 H、各工場 FBに設けられた各コンビュータ装置に組み込まれて構成されてレ、る。

[0021] 事業所 Jは、住宅の受注，販売，建築等、住宅に関する業務を総合的に行う。

本社 Hの商品開発部門 SAは、新しい住宅商品の改良，開発や、部品の改良，開発を行う。

本社 Hの生産購買部門 SBは、新商品の資材調達の面から、審査や検証、或いは生産体制の検証を行う。また、効率的な生産のために、総合的な調整を行う。

工場 FBでは、建物施工に必要な部品の調達や製造が行われる。

[0022] 建物生産設計システム Sは、図 2に示すように、住宅メーカーの事業所 Jと、部品の製造工場 FBと、住宅メーカーの本社 Hと、協力会社 KYとの間に構築されている。協力会社 KYには、部品の仕入先、外注先、輸送業務等の委託先が含まれる。

事業所 Jには事業所側コンピュータ 10が設けられ、工場 FBには工場側コンピュータ 20力 S設けられ、本社 Hには本社側コンピュータ 30が設けられてレ、る。

[0023] なお、本明細書中で「コンピュータ」とは、演算装置を備えた情報端末全てを含む意味である。コンピュータには、上記演算装置の他に、 ROMや HDDからなる記憶手段、マウスやキーボードからなる入力手段、モニタやプリンタからなる出力手段、通信回線網への接続を行う通信制御手段が設けられている。

[0024] コンピュータには、例えば、スーパーコンピュータ、汎用コンピュータ、オフィスコンビユータ、制御用コンピュータ、ワークステーション、パソコンのほか、携帯情報端末、演算装置を備えた携帯電話等が含まれる。

[0025] 各コンピュータは通信回線網を介して接続され、情報のやりとりが可能とされている。情報通信網としては、インターネット、 LAN, WAN,専用線による通信、携帯端末の公衆情報通信網、その他の公衆情報通信網等を使用することができる。

[0026] 2.システムが保有する各種機能以下、本システム sが保有する各種機能について説明する。これらの機能が連携して稼動することにより、施主の要望に沿った建物を、高い品質で、効率良く施工することが可能となる。

[0027] <実施設計図面作成手段 >

事業所側コンピュータ 10は、実施設計図面作成手段 11を備えている。実施設計図面作成手段 11により、建物の概略形状を示す図面情報が作成される。

実施設計図面は、建物の概要を示す図面であり、建物を構成する壁，屋根，部屋，建具，設備等の各部位ごとに、使用される柱，梁，トラス等の部品と、その部品の位置，大きさ，仕様に関する情報が反映されている。

[0028] 施主側から、例えば「2階にピアノを置きたレ、」などの特別な要望があった場合には、ピアノの設置部屋の床組を強化するなど、通常仕様とは別の設計にする必要がある。

このような特別な注文については、実施図面を作成するときに、規格どおりではなく、注文を盛り込んで図面を作成する。

[0029] 実施設計図面作成手段 11は、図 3に示すように、建物を構成する部品情報を格納した部品情報データベース 1 laを含んで構成されてレ、る。部品情報データベース 11 aに登録される情報は、部品を一意に特定可能な部品記号、部品を構成する子部品や構成部材を特定する子部品記号、部品を含む親部品がある場合には親部品を特定する親部品記号、部品の材質、形状、寸法、加工データ、構造計算に基づく強度データ、重量、部品の割付に基づく接合データ、図面作成時に使用される部品の表示画像データ、等を含む。

また、部品がメーカーからの供給品であって、工場での加工を必要としない場合には、価格、納期、サプライャ名、代理店名、等を登録することができる。

この部品情報データベース 11aと、後述する実施設計図面データベース 11cは、事業所側コンピュータ 10の記憶部 10aに設けられている。

[0030] また、実施設計図面作成手段 11は、図面作成プログラム l ibを備えており、このプログラム 1 lb上では、部品情報データベース 1 laに格納された部品情報が所定位置に配置可能である。 [0031] これにより、図 8に示すように、コンピュータ上で設計図が作成可能となる。事業所側コンピュータ 10の制御部 10bは、図面作成プログラム l ibに従って、図面作成のための各種処理動作を行う。なお、制御部 10bは、処理を行う際、情報読取のために随時記憶部 10aへのアクセスを行う。

[0032] 実施設計図面作成手段 11は、図面上に配置されたアイテムについては、その品目、位置、数量等の情報を、図面情報に含めて、実施設計図面データベース 11cに保持する。

実施設計図面作成手段 11は、図面作成プログラム l ibの他に、適正な耐カ壁量を自動算出する機能を有する耐カ壁量算出プログラム l idを備えている。耐カ壁量は

、建物の階数と、地域特性に基づいて算出される。

[0033] 実施設計図面作成手段 11は、建物の条件ごとに、必要な耐カ壁量に関する情報を保持している。そして、所定の建物について条件が入力されると、その条件に対応する情報を読み取って、適正耐カ壁量を算出する。

[0034] そして、設計図の作成画面上に、必要耐カ壁量を表示する。画面上にて、耐カ壁

，構造柱，耐カ壁線の追加および削除を行う作業や、耐カ壁の分配を行う作業が進むにつれて、表示された適正耐カ壁量が変化する。本例では、表示値がマイナスになったところで、必要な耐カ壁量が確保されたものとしている。

[0035] 図 12は、実施設計図面作成手段 11での図面作成プログラム l ib及び耐カ壁量算出プログラム 1 Idによる処理を示す流れ図である。

まず、図面作成プログラム l ibにより、コンピュータの画面上に図面作成画面と部品情報を表示する処理 (ステップ S1)、操作に従って作成図面を表示する処理 (ステツプ S 2)がなされる。

[0036] この段階で、耐カ壁量算出プログラム l idが起動されると、耐カ壁量を算出する処理が行われる。すなわち、建物の条件を取得する処理 (ステップ S3)、取得条件に基づいて耐カ壁量を算出及び表示する処理 (ステップ S4)、入力された部品情報を確認する処理 (ステップ S5)、適正耐カ壁量から入力された部品による耐カ壁量を減算する処理 (ステップ S6)がなされる。

[0037] 最後に、作成された図面情報を保存する処理 (ステップ S7)、図面情報を伏図作成手段 21に送信する処理 (ステップ S8)がなされ、処理を終了する。

[0038] <伏図作成手段 >

工場側コンピュータ 20は、伏図を作成する伏図作成手段 21を備えている。

本明細書において、伏図とは、表面の仕上げ材を除ぐ建物の構造的な仕組みを示す平面図である。

[0039] 伏図作成手段 21は、図 4に示すように、建物を構成する部品情報を格納した部品情報データベース 21aを含んで構成されている。この部品情報データベース 21aと、後述する伏図データベース 21cは、工場側コンピュータ 20の記憶部 20aに設けられている。

部品情報データベース 21aには、前記した部品情報データベース 11aと同様のデータが格納されている。

[0040] また、伏図作成手段 21は、図面作成プログラム 21bを備えており、このプログラム 2 lb上では、部品情報データベース 21aに格納された部品情報が所定位置に配置可能である。

[0041] これにより、図 9に示すように、コンピュータ上で伏図が作成可能となる。工場側コンピュータ 20の制御部 20bは、図面作成プログラム 21bに従って、伏図作成のための各種処理動作を行う。

[0042] 伏図作成手段 21には、上記実施設計図面データベース 11cより、実施設計図面手段 11で作成された実施設計図面情報が取り込まれる。そして、この実施設計図面情報に基づいて、部品の配置などの概略が把握される。

[0043] そして、実施設計図面よりも、さらに細かく部品及びその配置が特定される。

例えば、梁であれば、床大梁，胴差，軒桁，妻桁大梁，屋根大梁など、建物の各部位を構成する梁部品が特定される。

ここでは、各部品について、品番までもが具体的に特定される。

[0044] 伏図作成手段 21は、図面上に配置されたアイテムについては、その品目、品番、位置、数量等の情報を、図面情報に含めて、伏図データベース 21cに保持する。

[0045] 伏図作成手段 21は、さらに、集計プログラム 21dを備えている。

集計プログラム 21dは、作成された伏図データに基づいて、次述する調達準備手段 22へ渡すためのデータ作成を行う。

伏図では、上記したように、建物の構成について細部まで特定され、使用される部品についても、詳細に決定されている。

[0046] 集計プログラム 21dは、部品ごとに集計を行う。そして、どの部品が、レ、くつ必要なのかが特定され、図 10に示すように、必要な部品情報を列挙した部品リスト情報 21e を作成する。

この部品リスト情報 21eは、次述する調達準備手段 22へ送信される。

[0047] 本システム Sにおいて、伏図は工場 FBで作成される。なお、新規に商品開発がなされた場合は、商品開発部門 SAで基本データや、新規に使用される部品データが作成される。これらのデータは工場 FBに送信されて部品情報データベース 21aに登録され、その商品が実際に注文されたときの伏図作成に利用される。

[0048] 図 13は、図面作成プログラム 21b及び集計プログラム 21dによる処理を示す流れ図である。まず、図面作成プログラム 21bにより、コンピュータの画面上に図面作成画面と部品情報を表示する処理 (ステップ S11)、操作に従って作成図面を表示する処理 (ステップ S 12)、作成された図面情報を保存する処理 (ステップ S 13)がなされる。

[0049] 次いで、集計プログラム 21dにより、部品ごとに集計する処理 (ステップ S14)、集計結果からリストを作成する処理 (ステップ S 15)がなされる。

[0050] <調達準備手段 >

伏図に示された部品は、工場で製造されることにより調達される。

工場側コンピュータ 20は、図 5に示すように、部品調達を行うための調達準備手段 22を備えている。

調達準備手段 22は、規格部品情報が格納された部品判定データベース 22aを保有している。また、このデータベース 22aに基づいて、各部品について、規格部品なの力、規格部品ではない別注品なのか、の判断を行う部品判定プログラム 22bを備えている。

[0051] 部品判定データベース 22aは工場側コンピュータ 20の記憶部 20aに記憶され、部品判定プログラム 22bにしたがって、工場側コンピュータ 20の制御部 20bが所定の動作を行う。 [0052] 調達準備手段 22は、伏図作成手段 21から、部品リスト情報 21eを受けとる。

伏図作成手段 21からは、一つの物件に関する部品リスト情報 21eだけではなぐ複数物件に関する部品リスト情報 21eが送信されてくる。

[0053] 調達準備手段 22は、複数の部品リスト情報 21eを取り込み、全ての情報から、規格部材と別注品をそれぞれ抽出し、部品分類情報を作成する。部品分類情報は、図 1 1に示すように、発注リスト情報 22cとして作成する。

発注リスト情報 22cには、部品の品目及び数量が記載されている。

この発注リスト情報 22cにしたがって、工場での製造や、外部への発注が行われる調達準備手段 22により、建物施工に必要な部品を過不足なく拾い出し、部品を適時に調達することが可能となる。

[0054] また、調達準備手段 22は、施工物件別に、部材調達のための予算を算出可能に構成されている。

予算は、設計依頼番号により特定された物件と、この物件に使用される部品、商品別に設定された調達部品の単価、リサイクル費、トラックの種類別に設定された運賃、集積費に基づいて算出される。この処理は、予算算出プログラム 22dによりなされる算出された予算は、検証のため事業所 Jに通知される。

[0055] 調達準備手段 22での処理を図 14及び図 15に示す。図 14の処理は、部品判定プログラム 22bにしたがってなされる。

部品判定プログラム 22bは、伏図作成手段 21からリストを取得する処理 (ステップ S 21)、リストに記載されている部品について、規格部品であるか否かを判定する処理 ( ステップ S22)、規格部品であると判定された場合 (ステップ S22 ; Yes)、規格部品リストに仕分けする処理 (ステップ S23)、ステップ S22で規格部品ではないと判定された場合 (ステップ S22 ; No)、別注品リストに仕分けする処理 (ステップ S24)、規格部品リスト及び別注品リストを生産調整手段 23に送信する処理 (ステップ S25)を行う。

[0056] 図 15に、予算算出プログラム 22dによる処理の流れを示す。

予算算出プログラム 22dは、施主別に調達部品を仕分けする処理 (ステップ S31)、調達部品の単価、リサイクル費、運賃、集積費に関する予算情報を収集する処理 (ステツプ S32)、収集した予算情報を集計する処理 (ステップ S33)、集計結果を事業所

Jに通知する処理 (ステップ S34)を行う。

[0057] <生産調整手段 >

工場側コンピュータ 20は、調達が必要な部品について、総合的な管理を行う生産調整手段 23をさらに備えている。

[0058] 生産調整手段 23は、調達が必要な部品について、外部から調達するの力、工場での加工が必要なのかを判断する処理を行う。

部品は、調達先から購入して、現場に納めるだけのものと、材料を購入後に工場で加工または組み立ててから現場に納めるもの、とがあるためである。

[0059] また、生産調整手段 23は、建物の施工計画に基づいて、調達，加工，出荷時期を判断し、進涉状況の管理を行う。

すなわち、着工日ゃェ期情報に基づいて部品が必要になる時期を特定し、部品を作成するための必要期間から、材料調達日、部品作成着手日、部品出荷日を特定する。

[0060] このようにして、部品の生産計画及び発注計画が立てられる。なお、計画は受注建物一棟ごとにそれぞれ作成することができる。また、一定期間内に工場投入の手続きが行われた、複数の建物に使用される部品を集計し、これらを取りまとめて製造するように計画を作成しても良い。

[0061] このように、生産調整手段 23による管理を行うことにより、施工時に部品が間に合わなくなるという問題が解消される。また逆に、工場に不要な部品が滞留することがなくなり、効率よく部品の製造を行うことが可能となる。

[0062] 生産調達手段 23は、図 6に示すように、内製部品情報と外注部品情報が格納された内製部品判定データベース 23aを保有している。また、このデータベース 23aに基づいて、各部品について、内製可能な部品なのか、外注が必要な部品なのかの判断を行う内製部品判定プログラム 23bを備えている。

さらに、部品を注文してから調達できるまでのスケジュール情報から構成される、部品調達スケジュールデータベース 23cを備えている。このデータベース 23cには、ェ場や外注先によつて、調達時期に差がある場合にはその情報も記録されており、至急案件の場合などには、最も早い調達先が選定される。

[0063] 内製部品判定データベース 23aは工場側コンピュータ 20の記憶部 20aに記憶され、内製部品判定プログラム 23bにしたがって、工場側コンピュータ 20の制御部 20bが所定の動作を行う。

[0064] 生産調整手段 23での処理を図 16に示す。この処理は、内製部品判定プログラム 2 3bにしたがってなされる。

生産調整手段 23は、調達準備手段 22からリストを取得する処理 (ステップ S41)、リストに記載されている部品について、内製部品であるか否力を判定する処理 (ステツプ S42)、内製部品であると判定された場合 (ステップ S42 ; Yes)、内製部品リストに仕分けする処理 (ステップ S43)、ステップ S42で内製部品ではないと判定された場合 (ステップ S42； No)、外注部品リストに仕分けする処理 (ステップ S44)を行う。

[0065] さらに、各部品に係る建物の着工日及びェ期を確認する処理 (ステップ S45)、部品調達スケジュールデータベース 23cを参照し、部品が必要になる時期を特定する処理 (ステップ S46)、必要時期に基づいて工場や外注先への発注時期を特定する処理（ステップ S47)を行う。

[0066] <部品設計管理手段 >

生産購買側コンピュータ 30，工場側コンピュータ 20は、部品設計管理手段 24を備えている。

建物の構成部品は、種類がたいへん多いため、部材の一つ一つをデータとして所有していると、その容量は非常に大きなものになってしまう。また、その管理コストが膨大なものとなる。

[0067] 部品設計管理手段 24は、部品情報，部材情報，材質情報，色情報，柄情報、などの各種仕様情報を、番号情報として保持しており、番号の組み合わせに基づいて、部品の設計を行うものである。

[0068] 図 7は、部品設計管理手段 24により作成される部品設計データ 24aの概略図である。この部品設計データ 24aは、ドアパネル、外壁パネル、柱、梁、各種設備などの部品ごとに作成されている。図示されているように、例えば部品がドアパネル Aであれば、まず、子部品としてのパネル部材 aとフレーム部材 bの各部材に細分化されている。さらに、パネル部材 aについて材質による細分化がなされている。例えば材質について 3種類が存在するのであれば、符号 1 , 2, 3のいずれかにより材質が特定される。

[0069] そして、さらに、材質以外の特徴に基づく細分化がなされている。例えば、所定の材質について 3色のパターンが存在するのであれば、符号 7， 8， 9のいずれかにより色が特定される。

部品設計管理手段 24により、部品及び部品を構成する部材について、その特徴を数字の組み合わせで特定することができる。

[0070] <実行予算システムと会計システム >

さらに、本例の建物生産設計システム Sは、予算及び会計に関する機能も具備している。

予算及び会計に関する機能としては、事業所側コンピュータ 10に、建物施工の実行予算を管理する実行予算管理手段 12が設けられている。

[0071] 事業所では、施主から受注を受けた案件について、予算計画を立てている。

予算計画は、受注した建物について、部品調達の予算をだいたいこれくらいにしておけば利益が確保できる、という試算の元に作成されている。

[0072] 実行予算管理手段 12は、予算計画に関する情報を保持しており、工場の調達準備手段 22から部品調達の予算情報が送信されてきたときに、予算計画と実行予算との照合を行う。

実行予算管理手段 12は、予算計画と実行予算との差異がどれくらいであれば部品調達を実施してょレ、かの基準を持ってレ、る。

[0073] 予算計画と実行予算との差異が、基準内であれば、実行予算について承認する判断を行う。予算計画と実行予算との差異が、基準外であれば、工場に向けて、もう一度実行予算を作成する要請を行う。

[0074] また、事業所側コンピュータ 10,工場側コンピュータ 20には、本社側コンピュータ 3 0には、会計管理手段 15， 25, 35が設けられている。

会計管理手段 15， 25, 35は、システム内でやりとりされる情報から、会計情報に関する情報を拾い上げ、会計に関する処理を行う。

なお、会計管理手段は、本社経理部に設けられた会計管理手段 35と連携して作動するように構成されている。

[0075] <追加部材システム >

また、事業所側コンピュータ 10は、施工途中で発生した追加部品に関する情報を記憶し、工場への発注を行う追加部品管理手段 13を備えている。

追加部品に関する情報は、生産調整手段 23に送信される。

[0076] なお、事業所 Jでの総合作業については、業務管理手段 16で行っている。

[0077] 生産調整手段 23では、追加部材について、材料調達日、部品作成着手日、部品出荷日を特定し、納品日を事業所に通知する。

[0078] 3 ·業務フロー

次に、新規商品開発から受注、そして建物完成までの間に行われる各種業務の流れについて図 17乃至図 21に基づいて説明する。なお、図中に表示される「仕切」とレ、う語は、本例での部品の調達準備業務を言うものである。

この業務のなかで、本例の建物生産設計システム Sが利用される。業務の流れのなかでは、建物生産設計システム Sに新規商品の情報を組み込む処理がなされる。業務のなかで、建物生産設計システム Sが稼動することにより、設計から部品調達、会計までの処理が効率よく行われる。

[0079] 主な業務の流れは、（1)商品開発'製造要素準備、（2)生産購買部門での生産準備、（3)計画立案及び管理、（4)工場での生産準備、（5)実行計画作成、（6)部品の購買、（7)部品の製造、（8)部品の集積 ·出荷、（9)売上計上、（10)棚卸、となつている。

上記流れのなかで、建物の施工は、部品の集積 ·出荷の後に開始される。

[0080] 建物生産設計システム Sによる業務は、事業所 Jと、本社 Hで商品の企画開発を行う商品開発部門 SAと、本社 Hで生産性の検証や、部品及び部材の調達を行う生産購買部門 SBと、部品及び部材の製造を行う工場 FBと、が連携して遂行される。

[0081] (1)商品開発 ·製造要素準備

住宅メーカーの商品開発部門 SAでは、日々新しい商品の企画及び開発や、商品の改良が行われている（工程 SA_01、工程 SA_02)。

新しい商品が開発されると、新たな部品が使用されることがある。新たな部品に関する情報は、例えば部品記号に関連付けられて、順次、実施図面作成手段 11の部品情報データベース l la、及び伏図作成手段 21の部品情報データベース 21aに蓄積される。

[0082] なお、研究開発及び商品企画がなされるときには、生産購買部門 SBで生産体制が検討される（工程 SB— 01)。

このとき、工場 FBでは、既存部品及び既存部材については、生産購買部門 SBに対して内製化の検討を依頼する。これは、製造実績のある部品については、外注ではなぐ内製化したほうがコスト的に有利なためである。

また、工場 FBは、集中的に生産ができる場合はその旨を通知する。逆に、一工場で対応しきれない場合には、応援の検討を依頼する（工程 FB— 01)。

生産購買部門 SBは、内製するのか、或いは外部に発注するのかを検討し、内製する場合は、生産工場が選定される（工程 SB— 02)。

[0083] 部品を内製する場合、その部品が規格部品となるのか、或いは、別注品となるのかが検討される。部品が、規格部品或いは別注品のどちらに属するのかを判定する情報は、調達準備手段 22に送信され、部品判定データベース 22aに記録される。この情報は、調達準備手段 22が発注リスト情報 22cを作成する際の判断基準となる。

[0084] 商品開発部門 SAでは、企画内容が確認され、開発計画が立てられる（工程 SA_

03)。

このとき、生産購買部門 SBで、生産性の評価がなされる（工程 SB _ 03)。生産性について、特に問題がないようであれば、生産購買部門 SBにて、製造要素の準備計画が立てられる（工程 SB— 04)。

[0085] 製造要素の準備計画は、商品開発部門 SAと生産購買部門 SBとの間で調整され、商品開発部門 SAにて製品設計がなされる（工程 SA_04)。

製品設計は、生産購買部門での設計審査 (工程 SB— 05a)と、設計検証 (工程 SB _05b)を経て、最終的なものが作成される。

[0086] 製造要素の準備計画と製品設計は、製造要素準備規定 Kにまとめられる。製造要素準備規定 Kはデータ化されており、どのコンピュータからも参照可能とされている。工場では、製造要素準備規定 κに基づいて、製造要素を製造するための人、物、設備、方法からなるいわゆる 4Μの手配がなされる（工程 FB_ 02)。

[0087] (2)生産購買部門での生産準備

次に、生産準備に係る業務フローについて説明する。

生産準備は、生産購買部門 SBと工場 FBで行われる。まず先に、生産購買部門 S Bでの処理が行われる。

[0088] まず、生産購買部門 SBにおいて、新商品について、必要な部品が特定され、新たに必要になった部品の情報が作成される。

部品情報を作成する際は、部品設計管理手段 24が使用される（工程 SB— 06)。

[0089] さらに、生産購買部門 SBでは、上記工程 SB— 06の処理と並行して、生産準備情報の作成が行われる（工程 SB— 07)。

例えば、新しいひとつの規格部品が必要になったとき、その規格部品の部品図と仕様などの基本データが、部品情報データベース 11a, 21aに登録され、新しい部品を使用して、実施設計図面や伏図が作成できるようにする（工程 SA— 05)。

[0090] さらに、新しい部品が出てきたときに、既存の工場設備では作成できない場合がある。そういった場合には、新しい設備を作ることとなる。

新しい設備が必要になった場合は、生産準備情報として、工場設備の設計図が作成される。

[0091] また、新しい材料を使うことになると、その材料をどこから調達する力、コストの面、調達先の能力などが確認された上で、最適な材料が入るように準備がなされる（工程 SB_08)。

[0092] (3)計画立案及び管理

ここで作成される計画とは、建物を建築するのに必要な部品を生産するための計画である。計画として、中長期計画、半期計画、月次計画が立てられる。

これらの計画は、商品開発部門 SA、生産購買部門 SB、工場 FBの各部門において作成され、それぞれのコンピュータに格納される。

[0093] 商品開発部門 SAでは、中長期利益計画が作成される (工程 SA— 06)。中長期利益計画は、商品開発部門 SAで開発した建物について、中長期的に、どのくらいの売上や利益が見込まれるのかが検討される。

[0094] 生産購買部門 SBでは、中長期における生産計画及び設備投資計画が作成される

(工程 SB_09)。この計画は、商品開発部門 SAで作成された中長期利益計画に基づいて作成される。

[0095] さらに、工場 FBでも、中長期の生産計画及び設備投資計画が作成される（工程 FB 一 03)。この中長期生産計画及び設備投資計画は、生産購買部門 SBで作成された計画に基づいて作成される。

工場 FBでは、さらに、上記中長期生産計画及び設備投資計画に基づいて、工場内のレイアウト計画が作成される（工程 FB— 04)。

[0096] 工場 FBでは、さらに生産及び出荷について、半期計画が作成される（工程 FB— 0

5)。半期計画は、上記中長期計画よりも短期で、具体的な内容になっているものである。

半期計画は、新商品について事業所 Jが立てている半期計画情報を取得し、その情報に基づいて作成される。

[0097] 工場 FBでは、事業所 Jの計画情報を受け取り（ェ 01)、この事業所計画情報に基づいて、新商品について、半期にどれくらいの生産がなされるかをまとめた計画を作成する。

[0098] 次いで、工場 FBでは、設備投資計画が立てられる（工程 FB_06)。この設備投資計画は、生産購買部門 SBで照査される（工程 SB _ 10)。

生産購買部門 SBでは、工場 FBで作られた設備投資計画が実態に合っているか、中長期利益計画，中長期生産計画，中長期設備計画に合致しているかどうか、について検証を行う。

照査の結果、設備投資計画が適正なものであった場合は、その内容が製造要素準備規定 Kに記入される。

[0099] さらに、工場 FBでは、工場カレンダーが作成される（工程 FB_07)。工場カレンダ一は、生産購買部門 SBで作成された半期生産カレンダ一案に基づいて作成されるものであり、生産購買部門 SBから、半期生産カレンダ一案に関する情報が工場 FB に送信される (工程 SB— 11)。工場カレンダーとは、工場の稼動日や休日を示すカレンダ一であり、生産計画にあわせて、稼働日や休日が設定されている。

[0100] 半期計画が作成されると、次に、新商品に関する生産及び出荷について月次計画が作成される（工程 FB— 08)。

月次計画は、上記半期計画よりも、さらに具体的な内容になっているものである。月次計画は協力会社 KYにも通知され、協力会社側では生産のための人員計画や生産計画の作成、及び、人，物，設備，方法の手配が行われる。

月次計画は、事業所 Jが立てている月次事業所計画情報を取得して、その情報に基づいて作成される（ェ禾¾[ 02)。

[0101] 作成された月次計画に関する情報は、工場 FBから、生産購買部門 SBに送信され

、受領される（工程 SB— 12)。

[0102] 工場 FBでは、月次生産及び出荷計画が作成されると、次レ、で、業務計画が作成される（工程 FB— 09)。

業務計画は、事業所 Jから投入計画情報を取得して作成される（ェ ¾ 03)。

投入計画情報には、建物の建築に必要な部品の種類、生産量、納期に関する情報が含まれている。工場 FBで業務計画が立てられると、事業所 Jではこの業務計画に関する情報を取得し、閲覧及び確認する（ェ 04)。

[0103] 次に、工場 FBでは、部品を適正に生産することができるように、生産する部品にあわせて条件整備を行う（工程 FB— 10)。

そして、事業所 Jから工場投入情報を受けて（ェ禾 ¾[_05)、投入受付がなされ (ェ程 FB_ 11)、出荷予定日が決定される（工程 FB_ 12)。出荷予定日情報は事業所 J に送信され、報告される。

[0104] (4)工場での生産準備

ここ力らは、事業所 Jから実際にオーダーがあった場合の処理を示す。

事業所 Jから工場 FBへ数量情報や予算情報、実施設計図面情報が送信される。この段階では、新商品については、商品開発部門 SAで作成された部品情報の受け入れが行われている。

[0105] まず、工場 FBで、伏図の作成が行われる（工程 FB— 13)。このとき、検証のために、伏図情報を事業所にフィードバックしても良い (ェ禾 ¾[_07)。

次いで工場 FBでは、伏図に基づいて、部品の調達業務が実行される（工程 FB— 1

4)。この業務処理は、伏図作成手段 21及び調達準備手段 22によって行われる。

[0106] 部品の調達情報についても、ー且、事業所 Jにフィードバックされる（ェ禾 ¾[_08)。

情報が確定されたら、情報の整備が行われる（工程 FB_ 15)。

[0107] 調達内容に変更がある場合は、事業所 Jから工場 FBに変更情報が送付され (ェ ¾

— 09)、工場 FBで調達内容の修正がなされる（工程 FB— 16)。修正された情報は、再度事業所に通知される（ェ禾¾1 10)。

[0108] さらに、部品構成の整備（工程 FB— 17)，製造条件の整備 (工程 FB— 18),購買条件の整備（工程 FB— 19)がなされ、部品構成や各条件について検証される（工程 F B— 20)。

構成部材ゃ各条件について最終的な承認がなされたら、発注を受けた邸別に所要量を確定する（工程 FB— 21 )。

[0109] (5)実行計画作成

次に、搬入日計画を立てる（ステップ FB— 22)。搬入日は、事業所から通知された出荷日（着工日）から計算される。出荷日に関する情報が各事業所 Jから工場 FBに通知される（ェ ¾1 11)。

調整の上、出荷日が確定されたら、出荷日に関する情報が工場 FBから事業所 Jに通知される（ェ禾 ¾[_ 12)。

[0110] さらに、日々の出荷を一定量にするために、週間日程計画が立てられる（工程 FB

— 23)。さらに、製造日程計画が立てられる（工程 FB— 24)。ここでの処理は、生産調達手段 23により行われる。

[0111] (6)部品の購買

さらに、内製を行わない部品について、外注の段取りを行う。

まず、購買品のオーダーを確定する（工程 FB_ 25)。そして、購買品の受け入れ準備をし（工程 FB_ 26)、その後受け入れを行う（工程 FB_ 27)。

[0112] (7)部品の製造

また、内製品のオーダーを確定し（工程 FB— 28)、製造準備をする（工程 FB— 29 ) o

このとき、品質検査のために、検査情報の準備（工程 FB— 30)、工程検査の実施（工程 FB_ 31)、製品検査の実施（工程 FB— 32)をそれぞれ行う。

[0113] (8)部品の集積'出荷

所定の部品の生産がなされたら、集積作業準備がなされる（工程 FB_ 33)。

図 21の例では、集積作業を外部業者に委託して行っている（工程 KY_01)。ここでも、品質管理のために、集積検査を実施する（工程 FB_ 34)。

[0114] さらに、配車計画を立て（工程 FB— 35)、配車が整い次第、出荷許可を行う（工程 FB— 36)。さらに、積込.出荷を行レ、（工程 FB— 37)、出荷検収をする（工程 FB— 3 8)。

輸送の委託業者は、輸送業務を行い（工程 KY— 02)、現場で荷卸作業を行う（ェ程 KY— 03)。

[0115] (9)売上計上

出荷がなされたら、その後売上計上を行う。売上計上に関する情報は、工場 FBから各事業所 Jに通知される。本システムでは、会計管理手段 15, 25, 35によって会計処理が行われる。

[0116] (10)棚卸処理

棚卸処理では、定期的に、実際の部品の在庫確認を行う（工程 FB_40)。そして、実際の在庫量と、帳簿上の在庫量とを比較し、差異を分析する（工程 FB_41)。さらに、その他の処理として、通常フロー以外の原価処理（工程 FB_42)、発生原価の確認 ·分析と原価評価が行われる（工程 FB— 43)。

[0117] 本発明の建物生産設計システム及び建物生産設計方法によれば、工業化住宅などの規格化された建物の施工において、建物一般図の作成、伏図の作成、構成部品の抽出及び分類、構成部品の注文管理及び生産管理までを、一連の流れとしてシステム化することにより、各工程に必要な情報を適時に作成して供給することが可能となり、通常仕様の場合は勿論のこと、仕様が多様化した場合であっても、部品の発注管理及び生産管理を適切に行い、効率良く且つ適確に建物の生産を行うことが可能となる。すなわち、本発明の建物生産設計システム及び建物生産設計方法によれば、設計図の作成から部品の調達までがー連でシステム化されているので、施主から特別な要望があつたとしても、一般図を作成する段階で、その情報が盛り込まれていれば、その後の部品の拾い出しや調達がシステムにより一連の流れでなされる。したがって、一般図に記載された建物について、効率良く且つ正確に施工を行うことが可能となる。

Claims

請求の範囲

[1] 建物の一般図を作成する実施図面作成手段と、

該実施図面作成手段によって作成された一般図に基づいて、前記建物の施工に必要な具体的部品情報が記載された伏図を作成する伏図作成手段と、

前記伏図作成手段が有している具体的部品情報に基づいて、前記具体的部品を規格品と、規格品以外の別注品とに分類し、部品分類情報を作成する調達準備手段と、

前記部品分類情報を取得し、前記規格品及び別注品について外注が必要な構成部材の判定を行い、外注が必要な場合は調達計画を作成するとともに、前記規格品及び別注品について生産計画を作成する生産調整手段と、を備えたことを特徴とする建物生産設計システム。

[2] 前記建物の施工に関する売上情報を含む会計情報を集計する会計管理手段をさらに備えたことを特徴とする請求項 1記載の建物生産設計システム。

[3] 前記部品の棚卸情報を収集する棚卸処理手段処理をさらに備えたことを特徴とする請求項 1記載の建物生産設計システム。

[4] 前記伏図作成手段は、前記具体的部品情報を種類別に集計する集計手段を備えたことを特徴とする請求項 1記載の建物生産設計システム。

[5] 前記調達準備手段は、前記建物の施主別に部品準備のための予算情報を作成することを特徴とする請求項 1記載の建物生産設計システム。

[6] 前記生産調整手段は、前記建物の着工日情報とェ期情報に基づいて前記生産計画を作成することを特徴とする請求項 1記載の建物生産設計システム。

[7] 前記生産調整手段は、前記建物の着工日情報とェ期情報に基づいて前記発注計画を作成することを特徴とする請求項 1記載の建物生産設計システム。

[8] 建物の各施工段階で必要な情報を提供する建物生産設計方法であって、

前記建物の施主に提示する一般図を作成する工程と、

該一般図に基づいて前記建物の施工に必要な具体的部品情報が記載された伏図を作成する工程と、

前記具体的部品情報に基づいて、前記具体的部品を規格品と、規格品以外の別注品とに分類する工程と、

前記規格品及び別注品について外注が必要な構成部材の判定を行う工程と、外注が必要な場合は調達計画を作成するとともに、前記規格品及び別注品について生産計画を作成する工程と、を備えることを特徴とする建物生産設計方法。

[9] 前記建物の施工に関する売上情報を含む会計情報を集計する工程をさらに備えることを特徴とする請求項 8記載の建物生産設計方法。

[10] 前記部品及び部材の棚卸情報を作成する工程をさらに備えることを特徴とする請求項 8記載の建物生産設計方法。

[11] 前記生産計画の作成では、前記建物の着工日情報及びェ期情報と、前記部品の標準製作期間に基づいて生産開始時期の特定がなされることを特徴とする請求項 8記載の建物生産設計方法。

[12] 前記注文計画の作成では、前記建物の着工日情報及びェ期情報と、前記部品の標準納品期間に基づいて注文開始時期の特定がなされることを特徴とする請求項 8記載の建物生産設計方法。