明 細 書
無線通信システム
技術分野
[0001] 本発明は、 2種類以上の無線通信ネットワークを用いながらデータ通信を行う際に、 異なる無線通信ネットワークを連続的に切替可能とする技術に関する。特に、ネットヮ ークのハンドオーバと、サービスのハンドオフとを実現するための構成に係る技術で ある。
背景技術
[0002] 無線 LANや Bluetooth等の自営系システム、携帯電話や PHS等の公衆網システム など、今日既に実用に供されている各種多様な無線通信ネットワークは現在独立に 機能しており、用途やエリア、通信速度などに応じてユーザが使い分けている。
これらの無線通信ネットワークは、その種類によって通信速度や提供エリア、通信コ ストなどが多様であり、特定のネットワークを常に利用するのではなぐネットワークに 接続する場所に応じて適宜切替をすることが必要である。
その際に、各システムを統合的に扱い、それぞれのサービスエリアのカバレッジや ユーザの必要としている通信帯域等に応じて、ユーザに意識させることなく適切なネ ットワークを選択して切り替えを行い、通信を中断せずに継続できるシームレスハンド オーバ技術が求められて 、る。
[0003] 例えば、モパイル IPサービスが提案されて 、るが、導入や普及は進んで ヽな 、。こ れはモパイル IPを実現するにはインターネットサービスプロバイダなどがホームエー ジェント (HA)等のサーバを設置する必要があることや、集中管理型であるが故に、サ 一バの耐故障性、信頼性、大容量性を確保するのにコストがかかることなどに起因す ると思われる。
[0004] また、ホームエージェント通信を継続しながら、インターネットサービスプロバイダ間 で移動する場合など IPサブネットが変わることがなければモパイル IPサービスは活か すことができず、現状は、ローミングのみし力利用されていない。
さらに、移動通信を必要とするインターネットアプリケーションが少ないことも普及が
進まない理由と考えられる。
[0005] 現状で提供されている具体的製品として、次のようなものが挙げられる。
その 1つはホームサーバやパーソナルサーバと呼ばれる製品群である。現在、家庭 での xDSLや FTTHによるインターネットアクセスが増加しており、これらのモデムが多 くの家庭に置かれている。そのため、モデムに機能を付加して、付加サービスを提供 することが試みられている。
ホームサーバ等はブロードバンドルータ機能や、無線 LANアクセスポイントの機能 の他に、ファイルサーバやプリントサーノ 、ウェブサーバ、メールサーバなどを搭載し たものが市販されている。キヤプチャ TV映像や蓄積済み映像を PCへ配信する機能 も備えて、外出先から映像を見ることも可能になって 、る。
[0006] しかし、これらのサーバには IP電話の機能や、端末側の状態に合わせて通信を制 御するプレゼンスの機能はな 、。
また、ネットワークハンドオーバ機能、サービスハンドオーバ機能も提供されていな い。すなわち、家庭内ネットワークのみが対象で、内部ネットワーク内で通信を継続し たまま機器を切り替える機能や、通信を継続したまま通信を外部ネットワーク側へ切り 替えることは想定されて 、な 、。
[0007] 類似の製品として、 xDSLモデム内蔵ブロードバンドルータがある。これらは xDSLサ 一ビスプロノくイダ力も提供されているものもあり、無線 LANアクセスポイント機能と共 に IP電話機能が用意されている。もっとも、従来の電話を接続して利用するだけであ り、通信料金が安い点だけに着目した利用形態となっている。
本来の IP電話の特徴を活かして、音声やビデオ通話を IPデータのままで子機に転 送したり、 PCに転送したりすることはできない。同様に、外部力も着信した音声'ビデ ォ通信を内部機器ではなぐ外部ネットワーク上にある機器へ転送することもできな ヽ 。上述したプレゼンス機能にっ 、ても備えて!/ヽな 、。
[0008] さらにモパイル IPを実現するためのサーバも提供されている。これらはインターネッ トサービスプロバイダの他、企業における企業ネットワーク上にホームエージェントサ ーバを設置する。一括して管理するためサーバがダウンすると、全ユーザに影響を与 える。モパイル IPでは、サブネットをまたがるネットワークハンドオーバは可能だ力 端
末間ハンドオーバは実現されて!、な!、。
さらに、プレゼンスサーバも提供されている力 各ユーザのプレゼンス情報を集中 管理するため、サーバがダウンすると全ユーザに影響を与える。またプライバシ保護 の観点力 嫌悪感を抱くユーザもいる問題がある。
[0009] 本件出願人は特許文献 1ないし 3などにおいて、ネットワーク間ハンドオーバと、サ 一ビスハンドオフを実現する様々な手法を提案してきた。
[0010] 特許文献 1: PCT/JP03/14727
特許文献 2: PCT/JP03/14724
特許文献 3: PCT/JP03/14723
[0011] 特許文献 1では、少なくとも 2種類以上の無線通信ネットワークを用いて、基本ァク セスネットワークと無線アクセスネットワークを同時に確立する無線通信システムを提 案した。基本アクセスネットワークでは、連続的な通信切替制御に係るシグナリング通 信を行う一方、無線アクセスネットワークではシグナリング通信以外のデータ通信を行 う。本システムによると、基本アクセスネットワークにデータを一時的に流すマルチキヤ スト設定を行うことで、連続的なネットワークの切替を実現することができる。
[0012] 特許文献 2では、上記の無線システムと同様の構成において、無線通信端末に位 置取得手段を備えて位置情報をサーバに送出することにより、最適なネットワークへ の切替を可能にする技術を提案した。
[0013] 特許文献 3では、上記の無線システムと同様の構成において、基本アクセスネットヮ ークでは連続的な通信切替を実現するために端末の位置情報に基づいて利用可能 なネットワーク情報を取得するシグナリング通信と、端末間の購読要求信号の交換や 通信のネゴシエーションを行う SIP (Session Initiation Protocol)による通信を行う方法 を提案した。本構成によって端末間でメディアアプリケーションによるピア ·ツー ·ピア の接続が可能になる。
[0014] これらの各システムは現在の製品群の問題点を解消するものである力 ネットワーク 間ハンドオーバとサービスハンドオフの両機能は別個の端末によって制御されており 、両者を一体的に動作させることが不可能であった。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0015] 本発明は上記の従来技術における問題点を解消するものであり、様々な場所に移 動するに伴ってユーザが接続設定や切替設定を行わずに、簡単でスムーズな異種 ネットワーク間のハンドオーバ技術と、物理的に近 、位置にある端末間でサービスを ハンドオフさせるハンドオフ技術と共に提供する。さらにこれらを統合することを課題と する。
課題を解決するための手段
[0016] 上記課題を解決するため、本発明では従来提案してきた基本アクセスネットワーク を活力しながら、ユーザが常に携行する基本アクセスネットワーク端末を用いてシグ ナリング通信を行 、、サービスを利用する無線通信端末における通信切替制御等を 行うことを提案する。そのために、基本アクセスネットワーク端末及び無線通信端末と 通信するネットワークサーバを設ける。
[0017] 具体的には、無線通信ネットワークを含む少なくとも 2種類以上の通信ネットワーク を用い、連続的な通信切替制御に係るシグナリング通信が可能な基本アクセスネット ワークと、該シダナリング通信以外のデータ通信を行うアクセスネットワークとを同時に 接続確立可能な無線通信システムを提供する。無線通信システムが無線通信端末、 基本アクセスネットワーク端末、及びネットワークサーバを備える。
[0018] そして、無線通信端末の構成は、無線通信ネットワークを含む少なくとも 2種類以上 の通信ネットワークと通信可能なアクセス通信処理部と、各通信ネットワークに対応す る各ネットワークデバイスと、基本アクセスネットワーク端末との通信経路及びその通 信デバイスと、通信経路を介して取得する少なくともアクセスネットワークとの接続'切 断処理要求に係るシグナリング通信におけるクライアント機能を有する基本アクセス ネットワーククライアント処理部とを備えるものである。
ここで、通信経路としてはブルートゥースなどの近距離間無線通信システムが望まし ぐ無線通信端末と基本アクセスネットワーク端末との間でプライベートエリアネットヮ ーク(PAN)を構成する。
[0019] また、ネットワークサーバの構成は、ユーザ情報及び基本アクセスネットワーク端末 に係るデバイス情報を有する管理情報データベースと、アクセスネットワークを連続
的に通信切替する際に、基本アクセスネットワーク端末との間で少なくとも基本ァクセ スネットワーク端末の登録 ·更新処理を含む通信制御に係るシグナリング通信を司る 基本アクセスネットワークサーバ処理部と力もなる。
[0020] 基本アクセスネットワーク端末の構成は、ネットワークサーバの基本アクセスネットヮ ークサーバ処理部との間、及び無線通信端末の基本アクセスネットワーククライアント 処理部との間でシグナリング通信を行う基本アクセスネットワークシグナリング処理部 と、少なくとも通信デバイスの制御を行うデバイス制御部とを備えるものである。
[0021] 請求項 2に記載の発明では、モパイル IPのホームエージェント機能をネットワークサ ーバに実装することにより、 IPベースでのシームレスなハンドオーバを提供する。 すなわちネットワークサーバ力 アクセスネットワークを用いて前記無線通信端末と 通信可能であって、無線通信端末に送信されるデータストリームパケットを中継する パケット中継処理部を備える。同時に、無線通信端末がアクセスネットワークの通信 時にネットワークサーバのパケット中継処理部を介してパケットを受信するシームレス 信号処理部を備えて IPレベルで連続的な通信切替を行う構成である。
[0022] 従来提案した技術では、サービスハンドオフに対して専用の端末を備えてブルート ウースなどで端末発見を行うようにしたり、プロキシを事前に設定して利用するように 構成していた。本発明では、端末発見はネットワークサーバと基本アクセスネットヮー ク端末において行うため、アプリケーションとしてサービスハンドオフを提供して動的 にプロキシを起動させることも可能になった。
[0023] そのための構成として請求項 3の構成では、ネットワークサーバ内に、ネットワークサ ーバの基本アクセスネットワークサーバ処理部との通信を行うサービス制御通信部と
、無線通信システムにおいて音声や映像等の任意のサービスの情報が通信される際 に、該サービスを起動するサービス提供端末との間で該情報を中継するサービス中 継処理部とを備える。
サービス中継処理部では、サービス提供端末の情報を保持するサービス提供端末 データベースと、サービス提供端末データベースを参照して少なくとも使用するアブ リケーシヨン'アプリケーションに引き渡すパラメータ '通信方法を設定すると共に、サ 一ビス制御通信部で取得された少なくともサービスの起動 ·停止 ·中継の起動に係る
要求に基づいてサービス提供端末に制御情報を通信する。
[0024] 請求項 4の構成は、ネットワークサーバ内に置くのではなぐネットワーク上にサービ ス中継端末を配置する構成を提供する。設置方法としては従来の構成と類似するも のである力 動的に配置して起動や停止をさせることができる点で異なる。
[0025] さらに、本発明にお 、て通話などのサービスを提供するためにピアツーピアの通信 を実現する方法を提供する。
すなわち、請求項 5の発明では、無線通信システムを用い、無線通信端末及び他 の端末との間で購読要求信号の交換や通信のネゴシエーションを行う SIP (Session Initiation Protocol)による通信を行う構成を提案する。
基本アクセスネットワーク端末に、少なくとも前記デバイス制御部によって制御され る位置情報取得部から取得する位置情報及び、前記基本アクセスネットワークシグナ リング処理部から取得したシグナリング情報を送信する SIPクライアント処理部を備え る。同時にネットワークサーバに、他の端末の SIPクライアント処理部に向けて各情報 をそのまま転送する SIP中継処理部を備えるものである。
[0026] 以上の無線通信システムでは、基本アクセスネットワーク端末と無線通信端末とを 別個に設けて、通信経路で接続したが、これらを一体的に構成し、前記通信経路が 内部にお 、て直接接続されて 、る構成でもよ!/、。
[0027] 本発明は以上の無線通信システムを提供するものであり、さらにこれらを構成する 基本アクセスネットワーク端末やネットワークサーバ単体での提供も可能である。これ らは無線通信システムとして無線 LANや有線 LANなどの複数の経路を介したインタ 一ネット接続を用いることができる。また、基本アクセスネットワークとしては携帯電話 や PHSの既存公衆回線網が好適である。
発明の効果
[0028] 以上の発明により次の効果を奏する。
すなわち、本発明のネットワークサーバを各家庭や企業など毎に配置することにより 、モパイル IPホームエージェント機能が各サーバに分散されるため、集中制御型で の問題は解消する。
さらに、ユーザのプレゼンス情報は基本アクセスネットワーク端末とネットワークサー
ノ との間だけで処理されるので、ネットワーク側に通知する必要がなくなり、プライバ シ保護と処理負荷の分散が図られる。
[0029] そして、基本アクセスネットワーク端末からの制御により通信を継続したまま通信機 器を切り替えるハンドオーバ機能と、サービスハンドオフを同時に提供することができ る。これにより本発明の最大の課題を解決することができる。
例えば、ホームネットワークに置かれたネットワークサーバに属する機器宛に到着し た通信またはその機器が発信した通信及びサービスを継続したまま、機器がホーム ネットワーク力 外部ネットワークへ移動したり、複数の外部ネットワーク間を移動する ことがでさるよう〖こなる。
図面の簡単な説明
[0030] [図 1]本発明に係る通信システムの全体構成図
[図 2]本発明に係るネットワークサーバの構成図
[図 3]本発明に係るモパイル端末の構成図
[図 4]本発明に係るモパイル PCの構成図
[図 5]ネットワークサーバ(10)におけるモパイル端末(20)の認証を示すシーケンス [図 6]PAN構築のシーケンス
[図 7]中継サーバを用いずにサービスを起動するシーケンス
[図 8]中継サーバを用いてサービスを起動するシーケンス
[図 9]中継サーバを用いずにサービスをハンドオフするシーケンス
[図 10]SIP通信においてモパイル PC力 発信する際のシーケンス
[図 11]SIP通信においてモパイル PC力も発信後に切断する際のシーケンス
[図 12]SIP通信においてモパイル PCから通話をノヽンドオフする際のシーケンス 符号の説明
[0031] 1 :通信システム、 10 :ネットワークサーノ 、 20 :モパイル端末、 30 :モパイル PC、 40 : 固定端末
発明を実施するための最良の形態
[0032] 以下、本発明の実施形態を図面に示しながら説述する。なお、本発明の実施にお いては、以下に限定されることなぐ任意に変形、応用等を行うことが可能である。
図 1は本発明の無線通信システム(1)の全体図である。本システムはュビキタスな 無線通信環境を実現するためのネットワークサーバ(10)と、基本アクセスネットヮー ク端末 (以下、モパイル端末と呼ぶ。)(20)、無線通信端末 (以下、モパイル PCと呼 ぶ。)(30)力も基本的に構成される。
[0033] ネットワークサーバ(10)は有線 LANによりネットワークに接続される。モパイル端末
(20)力 基本アクセスネットワークで接続されるシグナリング通信と、 SIP中継処理と を主に司る。
また、モパイル端末(20)からの位置取得要求があった場合には、無線 LANァクセ スポイントの情報力 各モパイル端末 (20)の位置を特定し、提供する。
同時に該サーバのハードディスクにはデータベースを備えて、ユーザ情報、モノくィ ル端末 (20)情報、アクセス権情報などを保持して 、る。
[0034] モパイル端末(20)は、ユーザが 1人につき 1台のみ常時携行することを想定した端 末装置である。現在、携帯電話が普及しており、本発明では携帯電話に本機能を実 装するのが好適である。
モパイル端末(20)は例えば 3Gや無線 LANにてネットワークサーバ(10)と基本ァ クセスネットワークを構成して常時接続する。
[0035] モパイル PC (30)は、モパイル端末(20) 1台に対して同時に 1台のみ対応するノー トパソコンなどで構成される。本発明では通信システムとして少なくとも無線通信シス テムを含み、無線 LANデバイスや基本アクセスネットワークとは異なる PHS網などの 通信手段を備えている。同時に、有線 LANを有して、利用可能な場合にはアクセス ネットワークとして有線 LANを用いてもよ 、。 さらに、ブルートゥースや無線 LANなど、モパイル端末との通信経路を有する。これ により、シグナリング通信は該通信経路を介して行われる。
[0036] モパイル PC (30)はユーザと共に移動することが前提とされており、上記モパイル 端末の位置がモパイル PCの位置として扱われる。そのためモパイル端末と接続して いない間は、一切のシグナリング通信が行えないため、本発明による無線通信は動 作しない。
[0037] 以下、通信システム(1)における各ノードの動作を詳述する。図 2—図 4はそれぞれ
本発明に係るネットワークサーバ(10)、モパイル端末(20)、モパイル PC (30)の構 成図である。
ネットワークサーバ(10)には、ユーザ情報、ユーザ情報及び基本アクセスネットヮ ーク端末に係るデバイス情報を有する管理情報データベース(11)と、基本アクセス ネットワークの通信処理を行うための基本アクセスネットワークサーバ処理部(12)とを 備えている。
[0038] さらに、基本アクセスネットワークの管理を行うためのユーザインターフェース(13) を有する。該インターフェースによる設定はハードディスク(11)に格納される。
基本アクセスネットワークサーバ処理部(12)では 3G網との通信デバイス(121)と、 そのシグナリング通信を行う通信処理部(122)が配設されて、モパイル端末(20)と 通信が可能である。
[0039] アクセスネットワークを用いて無線通信端末と通信可能であって、無線通信端末に 送信されるデータストリームパケットを中継するパケット中継処理部として、モパイル I Pエージェント(14)を備える。これによりモパイル PC (30)が IPベースで連続したシ ームレス通信を行うことができる。
[0040] 図 3に示すようにモパイル端末(20)には、基本アクセスネットワークシグナリング処 理部(21)と、デバイス制御部(22)とを備える。基本アクセスネットワークシグナリング 処理部(21)には、ネットワークサーバ(10)の基本アクセスネットワークサーバ処理部 (12)との通信を行うサーバ通信処理部(211)と、モパイル PC (30)との PAN通信を 行うモパイル PC通信処理部(212)とを備える。これらはコントロール部(213)により 相互に連携動作する。
[0041] デバイス制御部(22)には通信デバイス (221)と端末の位置を取得するためのセン サ(222)を備えている。そして、通信デバイス(221)では例えば 3Gによる携帯電話 の利用を実現する。センサ(222)としては加速度及び方位センサ、 GPS受信機等を 備えて、ユーザの位置 ·向きなどを取得する。
さらに、モパイル端末(20)にはウェブの閲覧のためのウェブクライアント(23)を備 えて、端末自体でのウェブ閲覧が可能である。
[0042] 図 4に示すように、モパイル PC (30)にはモパイル端末(20)の基本アクセスネットヮ
一クシダナリング処理部(21)と通信を行う PAN通信処理部(31)を設けて!/、る。本 P AN通信処理部(31)により、モノ ィル端末(20)のモパイル PC通信処理部(212)と の間で PANを形成し、シグナリング情報を通信できるようにしている。また、モパイル I P処理部(32)は、ネットワークサーバのモパイル IPエージェント(14)と接続する。 また、無線 LANを利用する場合にはアクセスポイントの SSIDを一定周期でスキヤ ンし、利用可能なアクセスポイントを把握すると共に、モパイル端末(20)に PANを通 して通知するようにして 、る。
さらに、複数の無線通信ネットワークを含むアクセスネットワークと接続するための物 理層を構成する通信デバイス(33)が設けられている。
[0043] 以上の構成を用いた、具体的なシーケンスを次に説述する。
図 5は、ネットワークサーバ(10)におけるモノくィル端末(20)の認証を示すシーケン スである。まずモパイル端末が起動すると、 3G等の基本アクセスネットワークの接続 処理(S10)を行い、ネットワークサーバ(10)に対してモパイル端末のアドレス登録要 求(S 11)を行う。
[0044] ネットワークサーバ(10)では、管理情報データベース(11)を参照して、当該ユー ザが登録されて 、るか確認(S 12)し、されて!/、る場合はアドレスをデータベース(11) 上に登録する。そして、要求に対する応答を返信 (S13)する。
[0045] 次!、で、モパイル端末(20)とモパイル PC (30)間の PAN構築のシーケンスを図 6 に示す。本発明では両者において無線 LANを公知の adhocモードにより起動し、互 いに周期的な探索(S21)を繰り返すようにして 、る。
そして、発見すると所定の接続手順にて adhoc接続 (S22)を行う。接続後、モバイ ル端末(20)から PANの認証要求(S23)を行 、、その時には記憶してあるユーザ名 及びパスワードをモパイル PC (30)に送出する。
[0046] モパイル PC (30)では事前に設定されたユーザ名 'パスワードと照合し、一致した 場合には認証 (S24)し、同時に自己が記憶しているモパイル PC名とパスワードを、 認証結果と共に返信 (S25)する。
返信を受けてモパイル端末(20)では接続許可をして!/、るモパイル PC及びパスヮ ードと照合し、一致すれば認証 (S26)して、 PANの構築が完了する。一致しない場
合には通信を切断する。
このようにモパイル PCとモパイル端末とを相互に認証することで秘匿性を高め、セ キユリティの向上に寄与させている。
[0047] 次に、サービスハンドオフの方法について説述する。本発明では上述したように中 継サーバを用いずにサービスハンドオフを行う構成と、用いる構成との 、ずれも可能 である。まず前者におけるサービス起動のシーケンスを説明する。図 7は該シーケン スである。
[0048] ユーザがモパイル端末(20)のキー操作等により、サービスの起動操作を行うと、モ パイル端末(20)はサービス起動要求(S31)をネットワークサーバ(10)に送信する。 シグナリング情報であるから、基本アクセスネットワークを用いる。以下、特に記載しな V、ものは 、ずれもシグナリング情報である。
サービス起動要求にはサービス起動端末や、コンテキスト情報、その他のユーザ情 報などを含めて送信する。
[0049] ネットワークサーバ(10)では、データベース(11)を参照して、起動する端末のユー ザ権限や、起動する端末の能力(例えば表示能力、通信速度など)等を確認 (S32) し、指定されたサービス起動端末 (40)にサービス起動要求 (S33)を通信ネットヮー クを介して送信する。
[0050] 本発明ではサービス起動端末としては様々な端末を想定して 、る。本実施例では 例えば有線 LANで接続された固定端末 (40)を用いて説明するが、後述するサービ スモピリティエージェント処理機能を備えて 、れば、如何なる端末でも用いることがで きる。例えば、有線 LANに限らず無線 LANで接続されていてもよいし、デスクトップ ノ ソコン、ノートパソコン、 PDAの他、 SIP電話、本件出願人が特許文献 4で開示した スピーカシステムなどを用いてもよ 、。
また、端末にはモパイル PC (30)を用いるのも一般的な用法である。
[0051] 特許文献 4: PCT/JP03/14721
[0052] サービス起動端末 (40)が要求を受信すると、サービスを起動する。ネットワークサ ーバ(10)力 データストリームを受信し、例えば動画や音声の再生を実行する。 同時に、ネットワークサーバ(10)に対して応答(S 34)を返信する。ネットワークサー
バ(10)ではサービスが起動状態となったことをデータベース(11)に記録 (S35)し、 さらに、モパイル端末(20)〖こもその応答を返す (S36)。
[0053] 以上の構成は、サービスモビリティエージェント処理機能がサービス起動端末 (40) 自体に設けられて 、る場合の例である。このように本発明では複数のサービスモビリ ティエージェント処理機能を備えた端末をネットワークサーバ(10)が管理情報データ ベース(11)に従って選択することができる。
しかし、上述したスピーカシステムなどの場合には、高度な情報処理を行うことが難 しい場合もある。そこで、サービスモビリティエージェント処理部を備えた端末をネット ワーク上に配置することも可能である。
[0054] 本実施例では一例としてネットワークサーバ(10)上に本機能を実装する例を説明 する。ここでは上記よりも詳しく構成を示すが上述した固定端末 (40)においても本構 成と同様である。図 2に示すように、サービスモビリティエージェント処理機能を実現 するサービス中継処理部(15)を備える。
[0055] サービス中継処理部(15)には、基本アクセスネットワークサーバ処理部(12)と通 信する通信部(151)が設けられる。また、サービスを実行するための各種のアプリケ ーシヨン(152)を備える。これにより、配信元や通話先力も送られてくる情報をそのま まサービスとして提供する機能がない固定端末などでサービスを実行する場合に、そ の情報を中継し、変換することでその固定端末でサービスを実行させることができる ようになる。このように、固定端末で再生可能な情報への変換は上記アプリケーション (152)で変換処理されてから固定端末に通信ネットワークを介して転送される。
[0056] このように中継サーバを用 、る場合のサービス起動シーケンスを図 8に示す。
ユーザがモパイル端末(20)のキー操作等により、サービスの起動操作を行うと、モ パイル端末(20)はサービス起動要求(S41)をネットワークサーバ(10)に送信する。 ネットワークサーバ(10)では、データベース(11)を参照して、起動する端末のユー ザ権限や、起動する端末の能力(例えば表示能力、通信速度など)等を確認 (S42) し、中継サーバ (40' )にサービス起動要求(S43)を通信ネットワークを介して送信す る。
[0057] 中継サーバ (40' )が要求を受信すると、ネットワークサーバ(10)に対して応答(S4
4)を返信する。さらにネットワークサーバ(10)は当該起動する端末に対してサービス 起動を要求(S45)し、これに対して端末 (40)は応答(S46)する。
ネットワークサーバ(10)ではサービスが起動状態となったことをデータベース(11) に記録 (S47)し、さらに、モパイル端末(20)にもその応答を返す (S48)。
[0058] 以上のシーケンスにより、起動する固定端末 (40)は中継サーバ (40' )から変換さ れたデータストリームを受信することで自己の能力に応じて再生処理を行うことができ るよつになる。
[0059] サービスの停止については 、ずれの場合にお!、てもサービス起動(図 7)と同様の 処理によって行う。すなわちサービス起動要求に替えてサービス停止要求を行い、ネ ットワークサーバ(10)はデータベース(11)にサービスが停止したことを記録して終 了する。
[0060] 本発明の特徴である固定端末間のハンドオフについて図 9にシーケンスを示して説 明する。
まずユーザの操作があると、モパイル端末(20)は転送先の端末名を含むハンドォ フ要求をネットワークサーバ(10)に送信(S51)する。管理情報データベース(11)を 参照(S52)した後、転送元の端末 (40a)に対してサービス中のコンテキストを問い合 わせるためのコンテキスト取得要求を発信(S53)する。
[0061] これに対して転送元端末 (40a)はサービスコンテキスト(閲覧中の URLや再生時間 など)をネットワークサーバに応答(S54)する。
この情報を含めて、ネットワークサーバ(10)は転送先端末 (40b)に向けてサービス 起動要求 (S55)を発信する。
以降は、上記の起動手順と同様であり、ネットワークサーバ(10)はデータベースに 転送元端末 (40a)のサービスの停止及び、転送先端末 (40b)のサービス起動を記 録 (S56)する。
[0062] 本発明では以上に加えて、モパイル PC間同士でのピアツーピアの通信を行う構成 を提供することもできる。すなわち、端末間で購読要求信号の交換や通信のネゴシェ ーシヨンを行う SIP (Session Initiation Protocol)による通信を行う。
以下 SIP通信について詳述する。ネットワークサーバ(10)においては SIP中継処
理部(16)を配設すると共に、モパイル端末(20)には SIPクライアント処理部(24)を 設ける。
[0063] そして、周知の SIPによる通信を基本アクセスネットワークを用いて行うことにより、 上記 SIP中継処理部(16)は単なる中継サーバとして作用し、端末間で直接の音声- 映像通話などが行えるようになる。これらの各処理部の動作について、モパイル PC からの発信、モパイル PCへの着信、通話ハンドオフの 3つの場合についてそれぞれ シーケンスを示す。
[0064] 図 10において、ユーザが SIP通話を発信したい場合に、発信操作をモパイル端末
(20)上で行うと、モパイル端末(20)は PANを介してモパイル PC (30)に対して RA N (Radio Access Network)接続を要求(S61)する。なお、本発明では必ずしも無線 通信端末はアクセスネットワークとして無線ネットワークを用いる必要はないが、少なく とも無線通信を必ず行う構成であるから、以下 RAN接続と呼ぶ。
RANの接続は、モパイル端末による位置情報などカゝら最適な RANを選択してモ パイル PC (30)に通知することにより接続が行われる。本選択方法については上記 特許文献 1一 3にお ヽて開示される技術を適用すればよ!ヽ。
[0065] モパイル PCは接続要求に対して RAN接続後に応答(S62)を返信する。これを受 けてモパイル端末(20)の SIPクライアント処理部(24)は、 SIP中継処理部(16)に向 けてセッション確立要求(S63)を送信する。ここにはユーザが指定した発信先 SIP? URIと共に、モパイル端末の URIなど諸情報を含む。
まず SIP中継処理部(16)が発信先のモパイル端末から暫定応答を受信すると、そ のままモパイル端末に暫定応答を返し (S64)、次いで発信先のモパイル端末とモバ ィル PCが RAN接続して応答をすると通知応答が SIP中継処理部(16)を介して返さ れる(S65)。
[0066] 発信先でユーザが応答操作をすることにより、 SIP中継処理部(16)を介して成功 応答(S66)が返され、これに対しモパイル端末(20)から最終応答(S67)を送信する さらに、モパイル端末力 ネットワークサーバ(10)の基本アクセスネットワークサー バ処理部(12)にサービス起動要求 (S68)を行い、発信先の起動を行う。ここから先
は上記サービス起動シーケンスと同様であり、両モパイル PC (30)間で通話が可能と なる。
[0067] 通話の終了後、通話切断のシーケンスは図 11の通りである。ユーザがモパイル端 末(20)上で切断操作を行うと、 SIP中継処理部(16)にセッション終了要求(S71)が 発信される。
発信先のモパイル端末が成功応答を返すと SIP中継処理部(16)を介してモバイ ル端末 (20)に応答が着信 (S72)する。着信後にモパイル端末 (20)はサービス停 止をネットワークサーバ(10)に要求(S73)し、以降は停止シーケンスが実行される。
[0068] さらに、ネットワークサーバ(10)からモバイノレ PC (30)に上記サービスモビリティ要 求としてサービス停止が送信 (S74)されて、応答(S75)後にモパイル端末に向けて サービス停止の要求応答が送信 (S76)される。
これを受信したモノィル端末(20)は、 PANにより RANの切断を指示(S77)する。 モノくィル PCではこれにより RAN接続を切断し、それらの通信デバイスはスリープ状 態となる。
最後に応答(S78)を介して通話は終了する。
[0069] 着信手順については、上述した発信手順の発信先操作に該当するので省略する 力 同様にモノくィル PC、モパイル端末、 SIP中継処理部、ネットワークサーバが連携 動作する。
次に、 SIP通話のハンドオフについて説明する。これは通話中のハンドオフ元端末 力もハンドオフ先端末に通話を連続して引き継ぐ技術である。
[0070] 図 12に示すように、最初はハンドオフ元端末(30a)が通話状態にある。
そしてユーザモパイル端末上でノ、ンドオフ操作を行うと、モパイル端末(20)は SIP 中継処理部(16)に再セッション確立の要求を発信(S81)し、ハンドオフ先力もの暫 定応答 (S82)、成功応答 (S83)を受信する。
[0071] これを受けて、最終応答(S84)を発信した後に、モパイル端末(20)はサービス起 動要求をネットワークサーバ(10)に送信(S85)してハンドオフ先のサービス起動を 要求する。以降は、ネットワークサーバ(10)力 ハンドオフ先へのサービス起動処理 が行われ、終了するとモパイル端末に応答(S86)が返される。
[0072] 以上のシーケンスによって、 SIP通話のハンドオフが実現する。
同時に、モパイル端末(20)はネットワークサーバにサービス停止要求(S87)を送り 、これを受けてハンドオフ元のモパイル PC (30a)にはサービス停止要求(S88)を送 る。この後は通常の通話切断と同様である。
[0073] 本発明は最小限の構成として、ネットワークサーバ及びモパイル端末、モパイル PC 力もなる力 以上に示したようにサービスモビリティに係る処理機能や、 SIP通信に係 る処理機能を実装することによって様々なサービスを提供することが可能になる。ァク セスネットワークの切替とサービスハンドオフをモパイル端末を用いて統合したことに より、ユーザがこれを携行するだけで、さまざまな端末を自在に用いることができ、好 適である。