WO2006090475A1

WO2006090475A1 - 電位治療装置

Info

Publication number: WO2006090475A1
Application number: PCT/JP2005/003211
Authority: WO
Inventors: Yizhe Chen; Zhuhua Xu; Toshiya Ogawa
Original assignee: Hakuju Institute For Health Science Co., Ltd.
Priority date: 2005-02-25
Filing date: 2005-02-25
Publication date: 2006-08-31

Abstract

全身治療と患部治療とをより効果的に行うことができる電位治療装置を提供する。電極２２、２３を備える電位治療器２と、足部電極２３に高電圧を印加する高電圧発生装置３とを備え、椅子２１に座った被治療者Ｃを高電位にして治療を行う電位治療装置１において、被治療者Ｃの患部Ｃ１に刺される刺鍼４と、通電用アース線５１の一端部５１ａが接地されアース棒５２が刺鍼４と接触通電可能な通電具５とを設け、刺鍼４にアース棒５２を接触させる。

Description

明細書

電位治療装置

技術分野

[0001] 本発明は、人体に高電位を印加して治療を行うための電位治療装置に関し、特に

、全身治療と患部治療とを同時に行うことができる電位治療装置に関するものである背景技術

[0002] 電位治療装置は、絶縁された人体に高電圧を与え、人体周囲に形成された電界による生体刺激作用を利用して、治療を行うものである。このような電位治療装置には、全身治療と患部治療とを同時に行えるものも知られている（例えば、特許文献 1参照。；)。それは、電位治療器本体から 5, OOOV以上の交流高電圧を局所通電布 (電極) に導き、この局所通電布を人体の任意の部位 (患部）に装着する。そして、局所通電布が装着された患部は体内誘導電流の密度が大きぐ筋肉等の近傍組織の血行と新陳代謝の促進が図られ、患部治療が施される。また、局所通電布と人体との接触インピーダンスが大きくないために、高電圧が人体に印加されて人体周囲に電界が形成される。この電界によって人体表面の感覚受容器官が刺激され、自律神経系および内分泌系が調整 (生体刺激作用）されて全身治療が施される、というものである。特許文献 1：特開 2003— 325678号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0003] ところで、上記の特許文献 1に記載されて!ヽるような電位治療装置では、全身治療と患部治療とを同時に行えるものの、その治療効果が低い場合がある。すなわち、上記のような電位治療装置では、電位治療器本体から高電圧を導!ヽて局所通電布を人体の患部に装着し、この局所通電布によって人体周囲に電界を形成するため、電界による電気力線さらには感覚受容器官への刺激作用が弱ぐ全身治療の効果が低ぐかつ、患部が人体の中心力偏位した位置である場合には、電気力線が偏つてしまいアンバランスになってしまう。また、局所通電布が装着された患部での体内誘導電流によって筋肉等の凝りや痛みを緩和するため、体内誘導電流密度によっては特定の患部治療の効果が低、。

[0004] そこで本発明は、全身治療と患部治療とをより効果的に行うことができる電位治療装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0005] 上記目的を達成するために本発明は、 1つまたは複数の電極を備える電位治療器と、電極に高電圧を印加する高電圧発生装置とを備え、電位治療器に配された人体を高電位にして治療を行う電位治療装置において、人体の患部に刺される刺鉞と、一端部が接地され他端部が刺鉞と接触通電可能な通電手段とが設けられていることを特徴としている。

[0006] また、刺鉞と通電手段の他端部とを所定の時間間隔で接触、離隔させる接離手段を設けた構成とする。さらに、通電手段の一端部を高電圧発生装置内のアース端子に接続した構成とする。さらにまた、刺鉞または通電手段の少なくとも一方に電気抵抗器を設けた構成とする。

発明の効果

[0007] 本発明によれば、電位治療器によって人体が高電位にされて全身治療がなされるとともに、患部に刺された刺鉞と通電手段との接触通電によって、特定の患部治療が良好に行われる。すなわち、高電位にされた人体の患部に刺された刺鉞に通電手段の他端部を接触させることで、通電手段を介して刺鉞から接地側に電流が流れる。つまり、患部に瞬間的な電流が流れる。そして、この電流が患部を刺激し、痛みや局部筋肉組織のけいれんなどを取り除き、さらには、局部組織の血液循環などを改善し、患部を治療するものである。

[0008] また、接離手段を設けることで、患部への通電、停止を所定の時間間隔で自動的に行うことができ、より適正な治療も可能となる。さらに、通電手段の一端部を高電圧発生装置内のアース端子に接続することで、接地が確実に確保され、接地配線も一元化される。さらにまた、刺鉞または通電手段の少なくとも一方に電気抵抗器を設けることで、患部に流れる電流値が調整、緩和され、患部への刺激を調整、緩和することがでさる。発明を実施するための最良の形態

[0009] 以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。

[0010] 図 1は、本発明の実施形態に係る電位治療装置 1の構成図（正面斜視図）である。この電位治療装置 1は、電位治療器 2と高電圧発生装置 3および、刺鉞 4と通電具 5 ( 通電手段）とを備えている。

[0011] 電位治療器 2は、被治療者 Cが座る椅子 21と 2つの電極 22、 23とを備えている。頭部電極 22は絶縁物で覆われた構成で、椅子 21の背もたれ 21aの上方に取り付けられ、図 2に示すように、電極用アース線 24を介して高電圧発生装置 3内のアース端子 31に接続されている。足部電極 23は絶縁物で覆われた平盤状の構造物で、被治療者 Cが足を載せるものであり、この足部電極 23は高耐圧コード 32によって高電圧発生装置 3の高電圧出力端子 33と接続されている。また、被治療者 Cが座る椅子 21 には、床力も絶縁させるための絶縁脚 25が取り付けられて、る。

[0012] 高電圧発生装置 3は、商用電源用の電源コード 34と、電圧を 7, 000— 9, OOOVに昇圧する後述の高圧発生ユニット 36と、高電圧を出力するための高電圧出力端子 3 3とを備えている。また、アース端子 31からアース線 35が接続され、このアース線 35 の先端部が接地されている。なお、本実施形態では、出力される高電圧は交流電圧とする。

[0013] 刺鉞 4は金属製で、図 3に示すように、通常の鉞灸などで使用される刺鉞と同様のものである。また、通電具 5は、通電用アース線 51とアース棒 52と力も構成され、図 2に示すように、通電用アース線 51の一端部 51aが高電圧発生装置 3内のアース端子 3 1に接続されている。このようにアース端子 31に接続することで、接地が確実に確保され、接地配線も一元化される。また、通電用アース線 51の他端部には、外周が絶縁被覆されたアース棒 52が取り付けられ、このアース棒 52の先端 52aは刺鉞 4と接触通電するようになって!/、る。

[0014] このような構成の電位治療装置 1の等価回路を図 4に示す。なお、この回路では、被治療者 Cが椅子 21に座り、患部である肩 C1に刺鉞 4を刺して、る状態を示して!/、る。この図で符号 Vは商用電源で、 36Tは高圧発生ユニット 36内の昇圧トランス（高圧トランス）を示している。また、 Z1は高圧発生ユニット 36内の高インピーダンス素子、 Z 2は足部電極 23と被治療者 Cとの接触インピーダンスである。 Z3は被治療者 Cのインピーダンス、 Z4は椅子 21の絶縁インピーダンスである。さら〖こ、 Z5は肩 C1と刺鉞 4との間のインピーダンス、 Z6は刺鉞 4とアース棒 52 (先端 52a)との間のインピーダンスを示している。

[0015] 次に、このような構成の電位治療装置 1の作動と臨床結果について説明する。

[0016] まず、被治療者 Cを椅子 21に座らせ、患部である肩 C1に刺鉞 4を刺す。次に、高電圧発生装置 3を稼働させ、足部電極 23側を 7, 000— 9, OOOVにする。これにより、頭部電極 22との間で電界が生じ、被治療者 Cが高電位にされるとともに、高電界内に配されることになる。この状態で、高電界外に位置する施術者 Dがアース棒 52の先端 52aを刺鉞 4に瞬時接触させると、被治療者 Cに蓄えられた電荷が刺鉞 4、アース棒 52および通電用アース線 51を通って、アース端子 31さらにはグランドへと流れる ( 放電される）。このように、刺鉞 4を介して患部である肩 C1の内部まで積極的に局部電流を流す点で、従来の電位治療装置とその治療作用が大きく異なるものである。そして、後述するように、アース棒 52を刺鉞 4に接触させない状態では、高電界によつて全身治療が施され、アース棒 52を刺鉞 4に接触させた状態では、刺鉞 4から流れる電流によって患部治療が施されるものである。

[0017] 本発明者らは、本電位治療装置 1による治療効果を確認するために、次のような臨床試験を行った。臨床試験の対象者は、けんしょう炎 (肩痛)を患っている患者 (被治療者） 100人とし、そのうち男性が 45名、女性が 55名で、最年長者は 78歳、最年少者は 22歳であった。また、疾病の経過は最長 1年、最短 2日で、右肩の疾病者が 58名、左肩の疾病者が 42名であった。そして、このような対象者を無作為に 2つの治療方法組に分けた。

[0018] すなわち、本電位治療装置 1による治療 (本治療）を施す 50名の組と、刺鉞のみを施す 50名の組とに分けた。本治療では、まず、患者の肩の痛いところ（患部）を消毒し、刺鉞 4を患部に刺す。そして、患者を椅子 21に座らせ、高電圧発生装置 3の出力交流電圧を 9, OOOVにし、刺鉞 4にアース棒 52の先端 52aを接触させる。この接触は、 1秒間接触させることを連続 5回行い、これを 1回の治療とする。そして、 1日おきに 1 回の治療を行い、 5回の治療で一治療工程とする。また、刺鉞のみの治療では、患者の患部に三針および阿是穴 (あぜけつ）を選び、消毒して刺鉞を刺す。そして、 1回の治療では 20分間留針し、 1日おきに 1回の治療を行い、 5回の治療で一治療工程とする。

[0019] 治療効果の判断基準は、次のように定める。すなわち、治療後に、肩関節の上転、後転、内曲げ、外曲げ等の機能が正常に快復し、肩周辺の痛みが基本的に緩和された場合を「治癒」とする。また、治療後に、治療前に比べて、肩関節の上転、後転、内曲げ、外曲げ等の機能が 30%以上快復し、肩周辺の局部の痛みが改善された場合を「効果大」とする。一方、治療後に、治療前に比べて、肩関節の上転、後転、内曲げ、外曲げ等の機能が 30%未満で快復し、肩周辺の局部の痛みが改善されない場合を「効果小」とする。ここで、肩関節の機能の快復度は、患者の正常な肩関節と正常でない肩関節との上転、後転、内曲げ、外曲げ等の動きの差を測定することで定量化する。また、肩周辺の痛みの度合いは、無痛を 0等級、軽度の痛みを 1等級、中度の痛みを 2等級、重度の痛みを 3等級とする。すなわち、「治癒」では痛みが 0— 1 等級で、「効果大」では痛みが 1一 2等級で、「効果小」では痛みカ^ー 3等級となる。

[0020] このような臨床試験を行った結果を図 5に示す。本電位治療装置 1による治療 (本治療)では、 24名に対して「治癒」、 22名が「効果大」で、 4名が「効果小」となり、総有効率は 92%であった。これに対し、刺鉞のみの治療では、 4名に対して「治癒」、 21名力 ^効果大」で、 25名が「効果小」となり、総有効率は 50%にとどまった。また、本電位治療装置 1による治療では、疾病の経過が短ぐ局部の痛む箇所が明らかで、病変が比較的限られる患者においては、肩関節の局部組織の痛みが比較的早く緩和し、肩関節機能も早く改善あるいは快復した。その一方、疾病の経過が長ぐ局部の痛む箇所が明らかでなぐ病変が広がっている患者においては、治療効果に多少の差が見られた。なお、両治療ともに、病状が悪ィ匕することはなかった。

[0021] 以上の臨床結果から、本電位治療装置 1による治療力けんしょう炎の治癒、改善に高い効果を発揮することが確認された。特に、刺鉞のみの治療に比べて、「治癒」効果が大きいことが確認された。このような高い効果が得られる理由は、次のように推察される。すなわち、高電位にされた被治療者 Cの肩 C1に刺された刺鉞 4にアース棒 5 2の先端 52aを接触させることで、肩 C1に瞬間的な局部電流が流れる。そして、この電流がけんしょう炎を引き起こしている患部を刺激し、神経の局部の痛みや局部筋肉組織のけいれんなどを取り除く。さらには、局部組織の血液循環などを改善し、局部組織の浮腫を除去し、同時に癒着した局部組織を開放させて、患部を治療する。一般に、鉞灸には、陰陽を調整し、扶正去邪 (正気を助け、邪気を取り除く）、経脈の疎通作用があり、このような刺鉞 4による効果と、高電界による治療効果と、通電具 5による通電効果との相乗効果によって、けんしょう炎の局部の痛みを軽減、さらには除去し、関節機能を改善、さらには快復させる。

[0022] 一方、被治療者 Cは電位治療器 2によって高電位にされ、高電界内にさらされているため、この高電界による全身治療をも受けることができる。すなわち、人体表面に作用する電界によって、人体表面の感覚受容器官が刺激され、被治療者 Cの自律神経系および内分泌系が徐々に調整されていく。このように、本電位治療装置 1によれば、全身治療と局部治療とがより効果的に行われることとなる。

[0023] ところで、本実施形態では、被治療者 Cに蓄えられた電荷がそのまま刺鉞 4、通電具 5を通って、グランドへと流れるようにしている力刺鉞 4または通電具 5の少なくとも一方に電気抵抗器を設け、この電気抵抗器を介して電流 (電荷)を流すようにしてもよい。例えば、図 6に示すように、通電具 5に抵抗 5R (電気抵抗器)を設けるようにしてもよい。そして、この抵抗 5Rによってグランドへ流れる地絡電流値、すなわち肩 C1に流れる電流値が調整、緩和され、肩 C1への刺激を調整、緩和することができる。ここで、この抵抗 5Rの抵抗値は、電極 22、 23間の電圧値、患部（肩 C1など）へ与える刺激の度合いなどに基づいて調整すればよい。また、刺鉞 4または通電具 5の少なくとも一方の抵抗値自体を高く設定することで、実質上、電気抵抗器を設けた構成にするようにしてちょい。

[0024] また、本実施形態では、肩 C1を患部として、肩 C1に刺鉞 4を刺している力肩 C1に限らず、腰や膝などの患部に刺鉞 4を刺し、上述のようにして、アース棒 52を接触させることで、同様の治療効果が得られる。また、通電具 5の通電用アース線 51の一端部 51aを高電圧発生装置 3内のアース端子 31に接続させているが、他の接地箇所に接続させてもよいことは勿論である。さらに、本実施形態では、電位治療器 2が 2つの電極 22、 23を備えている力椅子 21の座部に第 3の電極を配置させたり、別の部位に複数の電極を配置させた構成であってもよヽ。

[0025] また、本実施形態では、刺鉞 4とアース棒 52との接触を施術者 Dによって行ってヽる力自動的に行うようにしてもよい。すなわち、刺鉞 4とアース棒 52とを所定の時間間隔で接触、離隔させる接離手段を設け、接離時間（間隔)および接触回数を入力、設定できるようにしてもよい。そしてこれにより、患部への通電、停止を所定の時間間隔で自動的に行うことができ、各患者の病状などに応じたより適正な治療が可能となる。

産業上の利用可能性

[0026] 以上のように、本発明に係わる電位治療装置は、全身治療と患部治療とをより効果的に行える装置として極めて有用である。

図面の簡単な説明

[0027] [図 1]本発明の実施形態に係る電位治療装置の構成図 (正面斜視図)。

[図 2]本発明の実施形態に係る電位治療装置の背面斜視図。

[図 3]本発明の実施形態において、患部に刺した刺鉞にアース棒の先端を接触させている状態を示す図。

[図 4]本発明の実施形態に係る電位治療装置によって被治療者を治療している状態での概略等価回路図。

[図 5]本発明の実施形態における臨床試験結果を示す図。

[図 6]本発明の実施形態に係る電位治療装置において、通電具に電気抵抗器を設けた場合の図 4に相当する概略等価回路図。

符号の説明

[0028] 1 電位治療装置

2 電位治療器

21 椅子

22 頭部電極

23 足部電極

3 高電圧発生装置

31 アース端子 35 アース線

4 刺鉞

5 通電具 (通電手段）

51 通電用アース線

51a 一端部

52 アース棒

C 被治療者 (患者） C1 肩 (患部）

D 施術者

Claims

請求の範囲

[1] 1つまたは複数の電極を備える電位治療器と、前記電極に高電圧を印加する高電圧発生装置とを備え、前記電位治療器に配された人体を高電位にして治療を行う電位治療装置において、前記人体の患部に刺される刺鉞と、一端部が接地され他端部が前記刺鉞と接触通電可能な通電手段とが設けられていることを特徴とする電位治療装置。

[2] 前記刺鉞と前記通電手段の他端部とを所定の時間間隔で接触、離隔させる接離手段が設けられて、ることを特徴とする請求項 1に記載の電位治療装置。

[3] 前記通電手段の一端部が、前記高電圧発生装置内のアース端子に接続されていることを特徴とする請求項 1または請求項 2のいずれかに記載の電位治療装置。

[4] 前記刺鉞または前記通電手段の少なくとも一方に電気抵抗器を設けたことを特徴とする請求項 1から請求項 3のいずれか 1項に記載の電位治療装置。