WO2006085411A1 - 免疫応答を惹起するための新規アジュバントおよびその利用 - Google Patents

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Abstract

 本発明は、免疫応答を惹起するためのアジュバントおよびその利用に関するものである。1つの局面において、本発明は、rtTLR5SポリペプチドまたはrtTLR5Sポリヌクレオチドを含むアジュバントを提供する。他の局面において、本発明は、rtTLR5SポリペプチドまたはrtTLR5Sポリヌクレオチドを含むアジュバント成分、および免疫学的有効量の免疫原成分を含むワクチン組成物を提供する。

Description

明 細 書
免疫応答を惹起するための新規アジュバントおよびその利用
技術分野
[0001] 本発明は、免疫応答を惹起するためのアジュバントおよびその利用に関するもので ある。
背景技術
[0002] マクロファージゃ榭状細胞などの自然免疫担当細胞は、ウィルスおよび Zまたは細 菌に対する初期の免疫応答に関与する微生物レセプターと呼ばれるレセプターファ ミリ一を介して外来異物を識別し、サイト力インの放出および Zまたは副刺激分子の 発現を誘導してリンパ球を活性化する。
[0003] Toll様レセプター(Toll— like receptor ;TLR)は、ショウジヨウバエ(Drosophia) にお 、て発生と免疫の両者に関与する膜タンパク質 (Drosophia Toll)のホモログ であり、微生物レセプターの 1つである。 TLRは、ヒトでは 10種類、マウスでは 12種 類見つかっており、これらは、 TLRファミリーと呼ばれる一群のレセプターファミリーを 形成している。
[0004] TLRは、外来性物質を認識し、全身性様式でクリアランスおよび免疫応答を惹起 する(非特許文献 1を参照のこと)。免疫応答に重要な NF— κ Β活性ィ匕経路および I 型 IFN産生経路は、通常、病原体関連分子パターン (ΡΑΜΡ)と称される細菌性構 成物に応答して活性ィ匕される(非特許文献 2を参照のこと)。 TLRは、 catch— upレ セプター (オプノニンレセプターなど)とともに自然免疫(先天性免疫)系に関与する シグナル伝達レセプターであり、 TLRシグナルは、 Tリンパ球および Bリンパ球を含む 獲得免疫 (後天性免疫)系の活性化よりも先に生じる。 自然免疫系 (TLRを含む)は 脊椎動物および無脊椎動物全てにおいて存在する。そのため、 TLRの機能的特性 は、ヒトおよびマウスにおいて広範に調べられている。これらの研究は、総じて Droso philaの相同物と比較されている力 Drosophilaの Tollファミリータンパク質の機能 的特性は、ヒトまたはマウスのものとはかなり異なっている(非特許文献 3を参照のこと )。また、下等脊椎動物における TLRの機能的特性は未だ報告されていない。 [0005] ヒトにおいて、 TLRファミリーの 10個のメンバー(TLR1〜10)が同定されている(非 特許文献 1〜4を参照のこと)。全ての TLRが、 C末端領域に隣接するロイシンリッチ リピート (LRR)を含む細胞外ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメイン (TollZlL - 1レセプターホモロジ一ドメイン (TIR) )を有して!/、る (非特許文献 1〜4を参照のこ と)。各 TIRが、異なるリガンドを認識し、異なる(しかし時折重複する)免疫応答を惹 起する(非特許文献 2を参照のこと)。主要な抗原提示細胞である榭状細胞 (DC)に お!ヽて、種々の免疫応答が TLRを介して誘導される(非特許文献 1を参照のこと)。 抗原提示細胞は、最初に外来物質に遭遇してリンパ球に提示するためにその抗原を マウントする。 DCの活性化は、 TLR、および TLRの TIRドメインを結合するアダプタ 一によつて差示的に調節され、適切なシグナル伝達経路を選択しそして出力を生じ る (非特許文献 2を参照のこと)。
[0006] フグ(Fugu rubripes)ゲノムプロジェクトによると、 TIRドメインの特性は進化を超 えて保存されている(非特許文献 5を参照のこと)。ヒトと比較した場合の主要な 3つの 差異が、フグ Toll— like receptor (fgTLR)において同定された:(1)魚類には TL R5の可溶性形態が存在する力 ヒトには存在しない;(2)魚類において TLR4オルソ ログは同定されなかった;および、(3)TLR21および TLR22と名付けられた TLRが 魚類において新規に見出され、これらは魚類に特異的であった。 fgTLR2、 fgTLR3 、 fgTLR5、 fgTLR7、 fgTLR8および fgTLR9は、哺乳動物 TLRの fgTLR2、 fgTL R3、 fgTLR5、 fgTLR7、 fgTLR8および fgTLR9と構造的に対応する。 TLR1、 TL R2、 TLR3、 TLR4、 TLR5、 TLR7、 TLR8、 TLR9、 TLR21および TLR22が、魚 類および哺乳動物の両方で、共通の祖先ゲノムにぉ 、て存在すると解釈され得る。 TLR4は、魚類系統において欠損する力 TLR21および TLR22は、哺乳動物系統 において欠損する。唯一ホヤ類(Ciona intestinalis)が、 3つの推定の Toll— like タンパク質を有し、この Toll— likeタンパク質は、 Caenorhabditis elegans Tollと 同様に、 Tollファミリーに広がる前の原始形態を示す (非特許文献 6および 7を参照 のこと)。 Drosophilaは 9つの TLRを有し、これらの機能的特性は、ほとんどがボディ パタニング (patterning)および宿主防御に関する(非特許文献 8を参照のこと)。最 近の証拠は、 TLR遺伝子の発生は魚類の発生より早いがホヤ類の発生より遅ぐ哺 乳動物とは分かれているということを示唆する。種々の調査の結果は、哺乳動物の自 然免疫系力 獲得免疫のアセンブリより前またはそれと同時に確立されたということを 結論付ける。
本発明者らは、 -ジマスが、 fgTLR5Sに類似する 2つの TLRァイソフォーム(膜結 合形態 (TLR5M)および可溶性形態 (TLR5S) )を有することを見出して 、る(非特 許文献 9を参照のこと)。しかし、魚類 TLRの機能的特性に関する情報はほとんど得 られていない。
〔非特許文献 1〕
Medzhitov, R. (2001) Nat. Rev. Immunol. 1, 135— 145
〔非特許文献 2〕
Akira, S. , and Takeda, K. (2004) Nat. Rev. Immunol. 4, 499— 511
〔非特許文献 3〕
Hoffmann, J. A. , and Reichhart, J. M. (2002) Nat. Immunol. 3, 1 21 - 126
〔非特許文献 4〕
Akira, S. (2003) J. Biol. Chem. 278, 38105— 38108
〔非特許文献 5〕
Oshiumi, H. , Tsujita, T. , Shida, K. , Matsumoto, M. , Ikeo, K. , and Seya, T. (2003) Immunogenetics 54, 791— 800
〔非特許文献 6〕
Azumi, K. , De Santis, R. , De Tomaso, A. , Rigoutsos, I. , YoshizaKi , F. , Pinto, M. R. , Marino, R. , Shida, K. , Ikeda, M. , Ikeda, M. , Ara i, M. , Inoue, Y. , Shimizu, T. , Satoh, N. , Rokhsar, D. S. , Du Pasquie r, L. , Kasahara, M. , Satake, M. , and Nonaka, M. (2003) Immnog enetics 55, 570- 581
〔非特許文献 7〕
Pujol, N. , Link, E. M. , Liu, L. X. , Kurz, C. L. , Alloing, G. , Tan, M. W. , Ray, K. P. , Solari, R. , Johnson, C. D. , and Ewbank, J. J. (2001) Curr. Biol. 11 , 809— 821
〔非特許文献 8〕
Imler, J. L. , and Hoffmann, J. A. (2001) Trends Cell Biol. 11 , 304
- 31 1
〔非特許文献 9〕
Tsukada, H. , Oshiumi, H. , Fukui, A. , Matsumoto, M. , and Seya, T. (2001) Jpn. Soc. Mol. Biol. 16, 102 (abstr.;)。
[0008] 本発明者らは、 -ジマスにおける TLR5様タンパク質についてその特性を調べたと ころ、 -ジマスの有する 2つの TLR5の形態は、細菌の鞭毛タンパク質であるフラジェ リン (flagellin)を認識することを見出した。本発明者らはさらに、 -ジマスにおける T LR5依存性免疫応答を調べたところ、 2段階のフラジェリン応答が、サカナにおける 細菌感染に対する宿主防御のために生じることを見出した:(a)フラジェリンは先ず膜 TLR5を介して NF— κ Bの基本的な活性ィ匕を誘導し、可溶性 TLR5および最小限 の急性期タンパク質の産生を容易にした;(b)誘導可能な可溶性 TLR5が、ポジティ ブフィードバック様式で、膜 TLR5媒介性細胞応答を増幅する。また、より詳細な検 討を重ねた結果、 -ジマスの可溶性 TLR5はフラジェリンに結合し、 -ジマスの膜 TL R5だけでなくヒトの TLR5 (huTLR5)を媒介する NF— κ Β活性化を顕著に増強す ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、 -ジマス内にお ける TLR5関連シグナル伝達の制御機構を明らかにしたにとどまらず、ニジマスタン ノ^質が種を越えてヒトにおいても機能するという、従来予想し得な力つた画期的な 効果を奏することが見出されたことに基づいて完成されたものである。このように、本 発明は、種を越えて機能する、 TLR5シグナル伝達の増強因子として作動し得る魚 類可溶性形態の TLR5およびその利用に関するものである。
発明の開示
[0009] 本発明に係るアジュバントは、 rtTLR5Sポリペプチドを含むことを特徴として 、る。
本発明において、 rtTLR5Sポリペプチドは、 rtTLR5S活性を有するポリペプチドで あって、(1)配列番号 2に示されるアミノ酸配列力 なるポリペプチド、または、(2)配 列番号 2に示されるアミノ酸配列において、 1個もしくは数個のアミノ酸が欠失、挿入、 置換、もしくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチド、であることが好ましい。 なお、本発明において、 rtTLR5S活性を有するポリペプチドは、(1)配列番号 2に示 されるアミノ酸配列の 29〜597位カもなるポリペプチド、または、(2)配列番号 2に示 されるアミノ酸配列の 29〜597位において、 1個もしくは数個のアミノ酸が欠失、挿入 、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチド、であってもよい。
[0010] 本発明に係るアジュバントは、 rtTLR5Mポリペプチドをさらに含むことが好ましい。
本発明において、 rtTLR5Mポリペプチドは、 rtTLR5M活性を有するポリペプチド であって、(1)配列番号 4に示されるアミノ酸配列力 なるポリペプチド、または、(2) 配列番号 4に示されるアミノ酸配列において、 1個もしくは数個のアミノ酸が欠失、挿 入、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチド、であることが好まし い。なお、本発明において、 rtTLR5M活性を有するポリペプチドは、(1)配列番号 4 に示されるアミノ酸配列の 21〜596位からなるポリペプチド、または、(2)配列番号 4 に示されるアミノ酸配列の 21〜596位において、 1個もしくは数個のアミノ酸が欠失、 挿入、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチド、であってもよい。
[0011] 本発明に係るアジュバントは、 rtTLR5Sポリヌクレオチドを含むことを特徴としてい る。本発明において、 rtTLR5Sポリヌクレオチドは、 rtTLR5S活性を有するポリぺプ チドをコードするポリヌクレオチドであって、(1)配列番号 1に示される塩基配列からな るポリヌクレオチド、(2)配列番号 1に示される塩基配列において、 1個もしくは数個の 塩基が欠失、挿入、置換、もしくは付加された塩基配列力もなるポリヌクレオチド、 (3) 配列番号 1に示される塩基配列において、 1個もしくは数個の塩基が欠失、挿入、置 換、もしくは付加された塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下 でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、または、(4)配列番号 1に示される塩基配列と 相補的な塩基配列と少なくとも 80%同一、より好ましくは少なくとも 85%、 90%、 92 %、 95%、 96%、 97%、 98%または 99%同一である塩基配列力もなるポリヌクレオ チド、であることが好ましい。
[0012] 本発明に係るアジュバントは、 rtTLR5Mポリヌクレオチドをさらに含むことが好まし い。本発明において、 rtTLR5Mポリヌクレオチドは、 rtTLR5M活性を有するポリべ プチドをコードするポリヌクレオチドであって、(1)配列番号 3に示される塩基配列から なるポリヌクレオチド、(2)配列番号 3に示される塩基配列において、 1個もしくは数個 の塩基が欠失、挿入、置換、もしくは付加された塩基配列力もなるポリヌクレオチド、 ( 3)配列番号 3に示される塩基配列において、 1個もしくは数個の塩基が欠失、挿入、 置換、もしくは付加された塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件 下でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、または、(4)配列番号 3に示される塩基配列 と相補的な塩基配列と少なくとも 80%同一、より好ましくは少なくとも 85%、 90%、 92 %、 95%、 96%、 97%、 98%または 99%同一である塩基配列力もなるポリヌクレオ チド、であることが好ましい。なお、本発明において、 rtTLR5M活性を有するポリべ プチドは、(1)配列番号 4に示されるアミノ酸配列力 なるポリペプチド、または、(2) 配列番号 4に示されるアミノ酸配列において、 1個もしくは数個のアミノ酸が欠失、挿 入、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチド、であっても、(3)配 列番号 4に示されるアミノ酸配列の 21〜596位からなるポリペプチド、または、(4)配 列番号 4に示されるアミノ酸配列の 21〜596位において、 1個もしくは数個のアミノ酸 が欠失、挿入、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列力もなるポリペプチド、であって ちょい。
[0013] 本発明に係るアジュバントは、注入可能な形態であることが好ましい。
[0014] 本発明に係るワクチン組成物は、 rtTLR5Sポリヌクレオチドを含むアジュバント成 分、および免疫学的有効量の免疫原成分を含むことを特徴として ヽる。
[0015] 本発明に係るワクチン組成物において、上記免疫原成分は抗原性ペプチドをコー ドするポリヌクレオチドを含むことが好まし 、。
[0016] 本発明に係るワクチン組成物において、上記抗原性ペプチドは鞭毛細菌であること が好ましい。
[0017] 本発明に係るワクチン組成物にぉ 、て、上記ポリヌクレオチドは、配列番号 5または 7に示される塩基配列力もなるポリヌクレオチドであることが好ましい。
[0018] 本発明に係るワクチン組成物において、上記アジュバント成分は、 rtTLR5Mポリヌ クレオチドをさらに含むことが好ましい。
[0019] 本発明に係るワクチン組成物は、 huTLR5ポリヌクレオチドをさらに含むことが好ま しい。本発明に係るワクチン組成物は、 huTLR5ポリヌクレオチドの代わりに huTLR 5ポリヌクレオチドを導入した形質転換細胞を含んでもよい。
[0020] 本発明に係るワクチン組成物は、 rtTLR5Sポリペプチドを含むアジュバント成分、 および免疫学的有効量の免疫原成分を含むことを特徴としている。
[0021] 本発明に係るワクチン組成物において、上記免疫原成分は抗原性ペプチドを含む ことが好ましい。
[0022] 本発明に係るワクチン組成物において、上記抗原性ペプチドは鞭毛細菌であって ちょい。
[0023] 本発明に係るワクチン組成物にぉ 、て、上記抗原性ペプチドは、配列番号 6または
8に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドであってもよい。
[0024] 本発明に係るワクチン組成物にぉ 、て、上記アジュバント成分は、 rtTLR5Mポリ ペプチドをさらに含むことが好ま 、。
[0025] 本発明に係るワクチン組成物は、 huTLR5ポリペプチドをさらに含むことが好まし ヽ
。本発明に係るワクチン組成物は、 huTLR5ポリペプチドの代わりに huTLR5ポリべ プチド発現細胞を含んでもょ ヽ。
[0026] 本発明に係るワクチン用キットは、 rtTLR5Sポリヌクレオチドを含むアジュバント成 分、および免疫学的有効量の免疫原成分を備えて 、ることを特徴として 、る。
[0027] 本発明に係るワクチン用キットにおいて、上記免疫原成分は抗原性ペプチドをコー ドするポリヌクレオチドを含むことが好まし 、。
[0028] 本発明に係るワクチン用キットにおいて、上記抗原性ペプチドは鞭毛細菌であって ちょい。
[0029] 本発明に係るワクチン用キットにおいて、上記ポリヌクレオチドは、配列番号 5または 7に示される塩基配列力もなるポリヌクレオチドであってもよい。
[0030] 本発明に係るワクチン用キットにおいて、上記アジュバント成分は、 rtTLR5Mポリ ヌクレオチドをさらに含むことが好ま 、。
[0031] 本発明に係るワクチン用キットは、 huTLR5ポリヌクレオチドをさらに備えていること が好ましい。本発明に係るワクチン組成物は、 huTLR5ポリヌクレオチドの代わりに h uTLR5ポリヌクレオチドを導入した形質転換細胞を備えて 、てもよ 、。
[0032] 本発明に係るワクチン用キットは、 rtTLR5Sポリペプチドを含むアジュバント成分、 および免疫学的有効量の免疫原成分を備えて 、ることを特徴として 、る。
[0033] 本発明に係るワクチン用キットにおいて、上記免疫原成分は抗原性ペプチドを含む ことが好ましい。
[0034] 本発明に係るワクチン用キットにおいて、上記抗原性ペプチドは鞭毛細菌であるこ とが好ましい。
[0035] 本発明に係るワクチン用キットにお!、て、上記抗原性ペプチドは、配列番号 6また は 8に示されるアミノ酸配列力もなるポリペプチドであることが好ましい。
[0036] 本発明に係るワクチン用キットにおいて、上記アジュバント成分は、 rtTLR5Mポリ ペプチドをさらに含むことが好ま 、。
[0037] 本発明に係るワクチン用キットは、 huTLR5ポリペプチドをさらに備えていることが 好ましい。本発明に係るワクチン組成物は、 huTLR5ポリペプチドの代わりに huTLR
5ポリペプチド発現細胞を備えて 、てもよ 、。
[0038] 本発明に係る薬学的組成物は、ガンまたは感染症を予防するために、 rtTLR5Sポ リヌクレオチドを含むアジュバント成分、および免疫学的有効量の免疫原成分を含む ことを特徴としている。
[0039] 本発明に係る薬学的組成物は、 huTLR5ポリヌクレオチドをさらに含むことが好まし い。本発明に係る薬学的組成物は、 huTLR5ポリヌクレオチドの代わりに huTLR5ポ リヌクレオチドを導入した形質転換細胞を含んでもよ!ヽ。
[0040] 本発明に係る薬学的組成物は、ガンまたは感染症を予防するために、 rtTLR5Sポ リペプチドを含むアジュバント成分、および免疫学的有効量の免疫原成分を含むこと を特徴としている。
[0041] 本発明に係る薬学的組成物は、 huTLR5ポリペプチドをさらに含むことが好まし ヽ
。本発明に係る薬学的組成物は、 huTLR5ポリペプチドの代わりに huTLR5ポリべ プチド発現細胞を含んでもょ ヽ。
[0042] 本発明に係るキットは、ガンまたは感染症を予防するために、 rtTLR5Sポリヌクレ ォチドを含むアジュバント成分、および免疫学的有効量の免疫原成分を備えて 、る ことを特徴としている。
[0043] 本発明に係るキットは、 huTLR5ポリヌクレオチドをさらに備えていることが好ましい 。本発明に係るキットは、 huTLR5ポリヌクレオチドの代わりに huTLR5ポリヌクレオ チドを導入した形質転換細胞を備えて 、てもよ 、。
[0044] 本発明に係るキットは、ガンまたは感染症を予防するために、 rtTLR5Sポリべプチ ドを含むアジュバント成分、および免疫学的有効量の免疫原成分を備えて 、ることを 特徴としている。
[0045] 本発明に係るキットは、 huTLR5ポリペプチドをさらに備えていることが好ましい。本 発明に係るキットは、 huTLR5ポリペプチドの代わりに huTLR5ポリペプチド発現細 胞を備えていてもよい。
[0046] 本発明に係る検出薬は、被験体サンプル中の鞭毛細菌を検出するために、 rtTLR
5Sポリヌクレオチドを含むことを特徴として 、る。
[0047] 本発明に係る検出薬は、被験体サンプル中の鞭毛細菌を検出するために、 rtTLR
5Sポリペプチドを含むことを特徴として 、る。
[0048] 本発明に係る検出キットは、被験体サンプル中の鞭毛細菌を検出するために、 rtT
LR5Sポリヌクレオチドを備えて 、ることを特徴として!/、る。
[0049] 本発明に係る検出キットは、被験体サンプル中の鞭毛細菌を検出するために、 rtT
LR5Sポリペプチドを備えて 、ることを特徴として!/、る。
[0050] 本発明に係る検出方法は、被験体サンプル中の鞭毛細菌を検出するために、 rtT
LR5Sポリヌクレオチドを導入した細胞を、被験体サンプルとインキュベートする工程 を包含することを特徴として 、る。
[0051] 本発明に係る検出方法は、被験体サンプル中の鞭毛細菌を検出するために、 rtT
LR5Sポリペプチドを、被験体サンプルから単離した血球細胞とインキュベートするェ 程を包含することを特徴として 、る。
[0052] 本発明のさらに他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十 分わ力るであろう。また、本発明の利益は、添付図面を参照した次の説明に明白にな るであろう。
図面の簡単な説明
[0053] [図 lA]rtTLR5Mを単離するための縮重プライマーの設計を示した図である。
[図 lB]rtTLR5Mおよび rtTLR5Sの cDNA配列に基づく推定のアミノ酸配列の整 列を示した図である。
[図 lC]rtTLR5Sおよび rtTLR5Mのドメイン配向を示す模式図である。
[図 lD]rtTLR5Sおよび rtTLR5Mの組織分布を示す RT— PCRの結果を示した図 である。
[図 2A]rtTLR5Sおよび rtTLR5Mのェクソン イントロン構造を示した図である。
[図 2B]プローブ Sによって検出したサザン分析の結果を示した図である。
[図 2C]プローブ Mによって検出したサザン分析の結果を示した図である。
[図 3]死菌 V. anguillarumでの細胞刺激後の rtTLR5M、 rtTLR5Sおよび rtlL— 1 βの mRNAを、 RT— PCRによってモニタリングした、 V. anguillarumに対する RT
H— 149細胞の応答を示した図である。
[図 4A]精製した GST融合フラジェリン(GST— FlaAおよび GST— FlaC)を示した図 である。
[図 4B]GSTをトロンビン消化して除去した rFlaAおよび rFlaCを示した図である。
[図 4C]rFlaAで刺激した RTH— 149細胞および RTG— 2細胞における RT— PCR の結果を示す。
[図 4D]誘導性 rtTLR5Sの定量的 PCR分析を示した図である。
[図 5A]Hela形質転換体における S キメラのシグナル伝達を示す。 Hela S キメラ 形質転換体および huTLR5形質転換体における NF— κ Β活性を測定するための ルシフェラーゼレポーター遺伝子アツセィの結果を示した図である。
[図 5B]Hela S -キメラ形質転換体を種々の TLRリガンドで刺激した際のルシフェラ ーゼレポーター遺伝子アツセィの結果を示した図である。
[図 6A]M キメラを発現する CHO細胞 (左)および Hela細胞 (右)における NF— κ Β活性測定についてのルシフェラーゼレポーター遺伝子アツセィの結果を示した図 である。
[図 6Β]Μ キメラまたは huTLR5を発現する細胞を種々の TLRリガンドで刺激した 結果を示した図である。
[図 6C]M キメラを発現する CHO細胞 (左パネル)または Hela細胞 (右パネル)にお いて、 rtTLR5S発現細胞の上清を添加することによるフラジェリン依存的 NF— κ Β 活性ィ匕の効果を示した図である。
[図 7A]精製した Hisタグ化 rtTLR5Sがフラジェリンと結合することを示した図である。
[図 7B]M—キメラを発現する細胞において、精製した rtTLR5Sを添加することによる フラジェリン依存的 NF— κ B活性ィ匕の効果を示した図である。
[図 8A]rtTLR5Sと huZmoZfgTLR5の細胞外 LRRドメインとを比較したァラインメ ントを示した図である。
[図 8B]rtTLR5の K—Dプロット分析の結果を示した図である。
[図 9A]rtTLR5Sキメラレセプターを発現する Hela細胞におけるキメラレセプターを 介したフラジェリン応答性 NF— κ B活性ィ匕を示す。
[図 9B]キメラレセプターが種々の起源のフラジェリンに応答して NF— κ Bを活性化す ることを示す。
[図 9C]huTLR5および S—キメラを種々の TLRリガンドで刺激した際の NF— κ Βレ ポーター活性を示した図である。
[図 10]rtTLR5Sありまたはなしの条件下で huTLR2, huTLR4または huTLR5の c DNAをトランスフエタトした細胞を種々の TLRリガンドで刺激した際の NF— κ Βレポ 一ター活性を示した図である。
[図 l lA]huTLR5のみを発現する Hela細胞または huTLR5および rtTLR5Sを発現 する Hela細胞をフラジェリン Aで刺激した際の NF— κ Βレポーター活性を示した図 である。
[図 11B]免疫沈降を用いてフラジェリンと rtTLR5Sとの直接的な相互作用を示した図 である。
[図 11C]免疫沈降を用いてフラジェリンと rtTLR5Sとの直接的な相互作用を示した図 である。
発明を実施するための最良の形態
運動性を有する細菌は、スピロヘータを除 、て、鞭毛(flagella) t\、う 1本以上の線 維状の付属物を有する。鞭毛は、その大部分または全部がタンパク質で構成されて いる。鞭毛のタンパク質はフラジェリン (flagellin)と呼ばれ、動物の菌線維の構成タ ンパク質であるミオシンと同種であると考えられている。 [0055] グラム陰性通性嫌気性桿菌である Vibrionaceaeに属する Vibrio anguillarum ( V. anguillarum)は、養殖魚にしばしば大きな被害をもたらす重要な魚病細菌であ る。 V. anguillarumによる感染症は、ビブリオ病と呼ばれ、急性では出血性敗血症、 慢性感染では体表に潰瘍または斑状出血を生じる。
[0056] 哺乳動物 TLRは種々の微生物パターン分子を認識する。例えば、ヒト TLR5 (huT LR5)およびマウス TLR5 (moTLR5)は、フラジェリンを認識し、転写因子 NF— κ Β を活性化するシグナルを送達する(Hayashi F et al. , Nature 410 : 1099— 1 103 (2001)を参照のこと)。 TLR5および TLR4はまた、フラジェリンに応答してイン ターフェロン調節因子 3 (IRF3)を活性化する(Mizel SB et al. , J. Immunol. 1 70: 6217 - 6223 (2003)を参照のこと)。
[0057] フラジェリンはまた、ヒト TLR5またはマウス TLR5を活性ィ匕して榭状細胞応答を惹 起することが知られている。 TLR5は、単独では主に NF— κ Bを、 TLR4と複合体を 形成した場合は IFN— α / βを活性ィ匕して、炎症性サイト力インを惹起する。
[0058] 上述したように、 -ジマスは、フグの fgTLR5Sに類似する 2つの TLRァイソフォー ム (膜結合形態 (TLR5M)および可溶性形態 (TLR5S) )を有する(非特許文献 9を 参照のこと)。これらの知見に基いて、本発明者らは、魚類の TLR5がフラジェリンに 起因する感染症の制御に関与していると考えた。
[0059] 本発明者らは、 TLR5とフラジェリンとの応答を魚類 (ニジマス)において観察すると 、微量のフラジェリン刺激によって、弱いサイト力イン産生が最初に誘起され、 6時間 以上経過すると、強力なサイト力イン産生が生じることを見出した。この機構をニジマ スの細胞株においてさらに調べると、フラジェリン投与後 4時間以内に可溶性形態で ある rtTLR5Sが最初に発現し、続いて強いサイト力イン誘導が生じることが判明した
[0060] さらなる研究によって、本発明者らは、 rtTLR5Sが弱いフラジェリンシグナルを感 知する能力を有し、フラジェリン rtTLR5S複合体が膜結合形態 TLR5を強力に活性 化し、その結果、顕著な NF— κ B活性ィ匕および強いサイト力イン産生誘導が生じるこ とを見出した。すなわち、本発明者らは、魚類の可溶性形態 TLR5は、鞭毛細菌に 対する強力なアジュバントであることを見出した。本発明者らはまた、この魚類の可溶 性形態 TLR5による効果力 魚類における特殊現象ではなぐヒト TLR5発現細胞に おいてもまた同様にもたらされることを見出した。
[0061] 本明細書中において使用される場合、用語「鞭毛細菌」は、鞭毛を有する細菌が意 図される。鞭毛細菌としては、ビブリオ (Vibrio)、サルモネラ(Salmonella)、シグラ( Shigella)などが挙げられる力 これらに限定されない。好ましい鞭毛細菌は、 V. an guillarumである。
[0062] 本明細書中において使用される場合、用語「鞭毛タンパク質」は、鞭毛を構成する タンパク質であり、主にフラジェリンであることが意図される。フラジェリンには、 FlaA、 FlaCなどのァイソフォームがあり、本明細書中において使用される場合、これらのい ずれかに限定されない。
[0063] 〔l〕rtTLR5Sポリペプチドおよびポリヌクレオチド
本発明は、 rtTLR5Sポリペプチドを提供する。
[0064] 本明細書中において使用される場合、「rtTLR5Sポリペプチド」は、配列番号 2に 示されるアミノ酸配列力 なるポリペプチドまたは配列番号 1に示される塩基配列から なるポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、あるいはこれらの変異体が意 図される。本明細書中においてタンパク質またはポリペプチドに関して用いられる場 合、用語「変異体」は、 rtTLR5S活性を有するポリペプチドが意図される。本明細書 中で使用される場合、用語「rtTLR5S活性を有するポリペプチド」は、膜結合形態の TLR5 (huTLR5、 rtTLR5M、 moTLR5など)の活性を増幅する機能(すなわち、 rt TLR5S活性)を有するポリペプチドが意図される。また、用語「rtTLR5M活性を有 するポリペプチド」は、フラジェリンを認識して、強いサイト力イン誘導および Zまたは 榭状細胞の成熟化を引き起こす機能を有するポリペプチドが意図される。なお、「hu TLR5」および「moTLR5」は、それぞれ GenBankァクセッション番号「AB060695 」および「AF186107」によって提供されることを、当業者は容易に認識する。よって 、本明細書中で使用される場合、「huTLR5ポリペプチド」および「moTLR5ポリぺプ チド」は、上記データベース情報に記載のポリペプチドであり、「huTLR5ポリヌクレオ チド」および「moTLR5ポリヌクレオチド」は、上記データベース情報に記載のポリヌク レオチドであることが意図される。 [0065] 本明細書中で使用される場合、用語「ポリペプチド」は、「ペプチド」または「タンパク 質」と交換可能に使用される。また、ポリペプチドの「フラグメント」は、当該ポリべプチ ドの部分断片が意図される。本発明に係るポリペプチドはまた、天然供給源より単離 されても、化学合成されてもよい。
[0066] 用語「単離された」ポリペプチドまたはタンパク質は、その天然の環境から取り出さ れたポリペプチドまたはタンパク質が意図される。例えば、宿主細胞中で発現された 組換え産生されたポリペプチドおよびタンパク質は、任意の適切な技術によって実質 的に精製されている天然または組換えのポリペプチドおよびタンパク質と同様に、単 離されていると考えられる。
[0067] 本発明に係るポリペプチドは、天然の精製産物、化学合成手順の産物、および原 核生物宿主または真核生物宿主 (例えば、細菌細胞、酵母細胞、高等植物細胞、昆 虫細胞、および哺乳動物細胞を含む)力 組換え技術によって産生された産物を含 む。組換え産生手順において用いられる宿主に依存して、本発明に係るポリべプチ ドは、グリコシルイ匕され得るカゝ、または非グリコシルイ匕され得る。さらに、本発明に係る ポリペプチドはまた、いくつかの場合、宿主媒介プロセスの結果として、開始の改変メ チォニン残基を含み得る。
[0068] 本発明に係るポリペプチドは、アミノ酸がペプチド結合して 、るポリペプチドであれ ばよいが、これに限定されるものではなぐポリペプチド以外の構造を含む複合ポリべ プチドであってもよい。本明細書中で使用される場合、「ポリペプチド以外の構造」と しては、糖鎖およびイソプレノイド基等を挙げることができる力 特に限定されない。
[0069] また、本発明に係るポリペプチドは、付カ卩的なポリペプチドを含むものであってもよ い。付カ卩的なポリペプチドとしては、例えば、 His, Myc、 Flag等のェピトープ標識ポ リペプチドが挙げられる。
[0070] 一実施形態にお!、て、本発明に係るポリペプチドは、 rtTLR5Sポリペプチドまたは その変異体であって、ここで当該変異体は、 rtTLR5S活性を有するポリペプチドで あって、配列番号 2に示されるアミノ酸配列において、 1個もしくは数個のアミノ酸が欠 失、挿入、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列力もなるポリペプチドであることが好 ましい。 [0071] このような変異体としては、欠失、挿入、逆転、反復、およびタイプ置換 (例えば、親 水性の残基の別の残基への置換、しかし通常は強く親水性の残基を強く疎水性の 残基には置換しない)を含む変異体が挙げられる。特に、ポリペプチドにおける「中性 」アミノ酸置換は、一般的にそのポリペプチドの活性にほとんど影響しない。
[0072] ポリペプチドのアミノ酸配列中のいくつかのアミノ酸力 このポリペプチドの構造また は機能に有意に影響することなく容易に改変され得ることは、当該分野において周 知である。さらに、人為的に改変させるだけではぐ天然のタンパク質において、当該 タンパク質の構造または機能を有意に変化させない変異体が存在することもまた周 知である。
[0073] 当業者は、周知技術を使用してポリペプチドのアミノ酸配列において 1または数個 のアミノ酸を容易に変異させることができる。例えば、公知の点変異導入法に従えば 、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの任意の塩基を変異させることができる。 また、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの任意の部位に対応するプライマー を設計して欠失変異体または付加変異体を作製することができる。さらに、本明細書 中に記載される方法を用いれば、作製した変異体が所望の rtTLR5S活性を有する か否かを容易に決定し得る。
[0074] 好ま 、変異体は、保存性もしくは非保存性アミノ酸置換、欠失、または添加を有 する。好ましくは、サイレント置換、添加、および欠失であり、特に好ましくは、保存性 置換である。これらは、本発明に係るポリペプチドの rtTLR5S活性を変化させない。
[0075] 代表的に保存性置換と見られるのは、脂肪族アミノ酸 Ala、 Val、 Leu,および lieの 中での 1つのアミノ酸の別のアミノ酸への置換;ヒドロキシル残基 Serおよび Thrの交 換、酸性残基 Aspおよび Gluの交換、アミド残基 Asnおよび Ginの間の置換、塩基性 残基 Lysおよび Argの交換、ならびに芳香族残基 Phe、 Tyrの間の置換である。
[0076] このように、本発明に係る rtTLR5Sポリペプチドは、 rtTLR5S活性を有するポリべ プチドであって、(1)配列番号 2に示されるアミノ酸配列力 なるポリペプチド、または 、(2)配列番号 2に示されるアミノ酸配列において、 1個もしくは数個のアミノ酸が欠失 、挿入、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列力もなるポリペプチド、であることが好 ましい。なお、後述する実施例からも明らかなように、 rtTLR5Sポリペプチドは、(1) 配列番号 2に示されるアミノ酸配列の 29〜597位カもなるポリペプチド、または、(2) 配列番号 2に示されるアミノ酸配列の 29〜597位において、 1個もしくは数個のァミノ 酸が欠失、挿入、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列力もなるポリペプチド、であつ てもよい。
[0077] 他の実施形態にお!、て、本発明に係るポリペプチドは、 rtTLR5Sポリペプチドまた はその変異体であって、ここで当該変異体は、 rtTLR5S活性を有するポリペプチド であって、配列番号 1に示される塩基配列において、 1個もしくは数個の塩基が欠失 、挿入、置換、もしくは付加された塩基配列力もなるポリヌクレオチドによってコードさ れることが好ましい。
[0078] 他の実施形態にお!、て、本発明に係るポリペプチドは、 rtTLR5Sポリペプチドまた はその変異体であって、ここで当該変異体は、 rtTLR5S活性を有するポリペプチド であって、配列番号 1に示される塩基配列において、 1個もしくは数個の塩基が欠失 、挿入、置換、もしくは付加された塩基配列力もなるポリヌクレオチドとストリンジェント な条件下でハイブリダィズするポリヌクレオチドによってコードされることが好ましい。
[0079] ノヽイブリダィゼーシヨンは、 Sambrookら、 Molecular Cloning, A Laboratory
Manual, 2d Ed. , Cold Spring Harbor Laboratory (1989)に記載されて いる方法のような周知の方法で行うことができる。通常、温度が高いほど、塩濃度が 低いほどストリンジエンシーは高くなり(ノヽイブリダィズし難くなる)、より相同なポリヌク レオチドを取得することができる。適切なハイブリダィゼーシヨン温度は、塩基配列や その塩基配列の長さによって異なり、例えば、アミノ酸 6個をコードする 18塩基力もな る DNAフラグメントをプローブとして用いる場合、 50°C以下の温度が好ましい。
[0080] 本明細書中で使用される場合、用語「ストリンジェントなハイブリダィゼーシヨン条件 」は、ハイブリダィゼーシヨン溶液(50%ホルムアミド、 5 X SSC (150mMのNaCl、 1 5mMのクェン酸三ナトリウム)、 50mMのリン酸ナトリウム(pH7. 6)、 5 Xデンハート 液、 10%硫酸デキストラン、および 20 /z gZmlの変性剪断サケ精子 DNAを含む)中 にて 42°Cでー晚インキュベーションした後、約 65°Cにて 0. 1 X SSC中でフィルター を洗浄することが意図される。ポリヌクレオチドの「一部」にハイブリダィズするポリヌク レオチドによって、参照のポリヌクレオチドの少なくとも約 15ヌクレオチド (nt)、そして より好ましくは少なくとも約 20nt、さらにより好ましくは少なくとも約 30nt、そしてさらに より好ましくは約 30ntより長いポリヌクレオチドにハイブリダィズするポリヌクレオチド( DNAまたは RNAのいずれ力)が意図される。このようなポリヌクレオチドの「一部」に ハイブリダィズするポリヌクレオチド (オリゴヌクレオチド)は、本明細書中においてより 詳細に考察されるような検出用プローブとしても有用である。
[0081] 他の実施形態にお!、て、本発明に係るポリペプチドは、 rtTLR5Sポリペプチドまた はその変異体であって、ここで当該変異体は、 rtTLR5S活性を有するポリペプチド であって、配列番号 1に示される塩基配列と相補的な塩基配列と少なくとも 80%同一 、より好ましくは少なくとも 85%、 90%、 92%、 95%、 96%、 97%、 98%または 99% 同一である塩基配列からなるポリヌクレオチドによってコードされることが好ましい。
[0082] 例えば、「本発明に係るポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの参照(QUERY )塩基配列に少なくとも 95%同一の塩基配列力 なるポリヌクレオチド」によって、対 象塩基配列が、本発明に係るポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの参照塩基 配列の 100ヌクレオチチド (塩基)あたり 5つまでの不一致 (mismatch)を含み得るこ とを除いて、参照配列に同一である、ということが意図される。換言すれば、参照塩基 配列に少なくとも 95%同一の塩基配列力もなるポリヌクレオチドを得るために、参照 配列における塩基の 5%まで力 欠失され得る力または別の塩基で置換され得る力、 あるいは参照配列における全塩基の 5%までの多くの塩基力 参照配列に挿入され 得る。参照配列のこれらの不一致は、参照塩基配列の 5'または 3'末端位置または 参照配列における塩基中で個々に力または参照配列内の 1以上の隣接した群にお いてのいずれかで分散されて、これらの末端部分の間のどこでも起こり得る。
[0083] 任意の特定の核酸分子が、例えば、配列番号 1に示される塩基配列に対して、少 なくとも 80%、 85%、 90%、 92%、 95%、 96%、 97%、 98%、または 99%同一で あるか否かは、公知のコンピュータープログラム(例えば、 Bestfit program (Wisco nsm Sequence Analysis Package, Version 8 for Unix (登 商標) , Gen etics Computer Group, University Research Park, 575 Science Driv e, Madison, WI 53711)を使用して決定され得る。 Bestfitは、 Smithおよび Wat ermanの局所的相同性アルゴリズムを用いて、 2つの配列間の最も良好な相同性セ グメントを見出す(Advances in Applied Mathematics 2 :482〜489 (1981) ) 0 Bestfitまたは任意の他の配列整列プログラムを用いて、特定の配列が、本発明 に従う参照配列に対して、例えば、 95%同一である力否かを決定する場合は、同一 性のパーセントが参照塩基配列の全長にわたって計算され、そして参照配列におけ るヌクレオチド数全体の 5%までの相同性におけるギャップが許容されるように、パラ メーターが設定される。
特定の実施形態では、参照 (QUERY)配列 (本発明に係る配列)と対象配列との 間の同一性(全体的な配列整列ともいわれる)は、 Brutlagらのアルゴリズム(Comp. App. Biosci. 6 : 237〜245 (1990) )に基づく FASTDBコンピュータープログラム を使用して決定される。%同一性を計算するために、 DNA配列の FASTDB整列に おいて使用される好ましいパラメータ一は: Matrix = Unitary, k— tuple=4、 Mis match Penalty = 1 ^ Joining Penalty = d0^ Randomization Group Length =0、 Cutoff Score = 1, Gap Penalty = 5, Gap Size Penalty =0. 05, Win dow Size = 500または対象塩基配列の長さ(どちらかより短い方)である。この実施 形態に従って、対象配列が、 5'または 3'欠失に起因して(内部の欠失が理由ではな く) QUERY配列よりも短い場合、 FASTDBプログラム力 同一性パーセントを算定 する場合に、対象配列の 5 '短縮化および 3 '短縮化を考慮しな!ヽと ヽぅ事実を考慮し て、手動の補正が結果に対してなされる。 QUERY配列と比較して 5'末端または 3' 末端が短縮化された対象配列については、同一性パーセントは、一致 Z整列してい ない、対象配列の 5'および 3'である QUERY配列の塩基数を、 QUERY配列の総 塩基のパーセントとして計算することにより補正される。ヌクレオチドが一致 Z整列し ている力否かの決定は、 FASTDB配列整列の結果によって決定される。次いで、こ のパーセントが、指定されたパラメーターを使用する上記の FASTDBプログラムによ つて計算された同一性パーセントから差し引かれ、最終的な同一性パーセントスコア に到達する。この補正されたスコア力 本実施形態の目的で使用されるものである。 QUERY配列と一致 Z整列して ヽな 、対象配列の 5 '塩基および 3,塩基の外側の 塩基のみが、 FASTDB整列に示されるように、同一性パーセントスコアを手動で調 整する目的で計算される。例えば、 90塩基の対象配列が、同一性パーセントを決定 するために 100塩基の QUERY配列と整列される。その欠失は、対象配列の 5 '末端 で生じ、従って FASTDB整列は、 5'末端の最初の 10塩基の一致 Z整列を示さない 。 10個の不対合塩基は、配列の 10% (整合していない 5'末端および 3'末端での塩 基の数 ZQUERY配列中の塩基の総数)を表し、そのため 10%が、 FASTDBプロ グラムによって計算される同一性パーセントのスコア力 差し引かれる。残りの 90残 基が完全に整合する場合、最終的な同一性パーセントは 90%である。別の例におい て、 90残基の対象配列が、 100塩基の QUERY配列と比較される。この場合、その 欠失は内部欠失であり、そのため QUERY配列と整合 Z整列しない対象配列の 5' 末端または 3'末端の塩基は存在しない。この場合、 FASTDBによって算定される同 一性パーセントは、手動で補正されない。再度、 QUERY配列と整合 Z整列しない 対象配列の 5'末端および 3'末端の塩基のみが手動で補正される。他の手動の補正 は、本実施形態の目的のためにはなされない。
このように、本発明に係る rtTLR5Sポリペプチドは、 rtTLR5S活性を有するポリべ プチドであって、(1)配列番号 1に示される塩基配列力 なるポリヌクレオチド、(2)配 列番号 1に示される塩基配列において、 1個もしくは数個の塩基が欠失、挿入、置換 、もしくは付加された塩基配列からなるポリヌクレオチド、(3)配列番号 1に示される塩 基配列において、 1個もしくは数個の塩基が欠失、挿入、置換、もしくは付加された塩 基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダィズするポリヌ クレオチド、または、(4)配列番号 1に示される塩基配列と相補的な塩基配列と少なく とち 80%同一、より好ましくは少なくとち 85%、 90%、 92%、 95%、 96%、 97%、 98 %または 99%同一である塩基配列からなるポリヌクレオチド、によってコードされるポ リペプチドであることが好ましい。なお、後述する実施例からも明らかなように、 rtTLR 5S活性を有するポリペプチドは、(1)配列番号 1に示される塩基配列の 88〜 1791 位力もなるポリヌクレオチド、(2)配列番号 1に示される塩基配列の 88〜 1791位にお いて、 1個もしくは数個の塩基が欠失、挿入、置換、もしくは付加された塩基配列から なるポリヌクレオチド、(3)配列番号 1に示される塩基配列の 88〜 1791位において、 1個もしくは数個の塩基が欠失、挿入、置換、もしくは付加された塩基配列力もなるポ リヌクレオチドとストリンジヱントな条件下でノヽイブリダィズするポリヌクレオチド、または 、(4)配列番号 1に示される塩基配列の 88〜1791位と相補的な塩基配列と少なくと も 80%同一、より好ましくは少なくとも 85%、 90%、 92%、 95%、 96%、 97%、 98 %または 99%同一である塩基配列からなるポリヌクレオチド、によってコードされるポ リペプチドであってもよい。
[0086] 本発明はまた、 rtTLR5Sポリヌクレオチドを提供する。
[0087] 本明細書中において使用される場合、「rtTLR5Sポリヌクレオチド」は、配列番号 1 に示される塩基配列からなるポリヌクレオチドまたはその変異体が意図される。本明 細書中において DNAまたはポリヌクレオチドに関して用いられる場合、用語「変異体 」は、 rtTLR5S活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが意図される
[0088] 本明細書中で使用される場合、用語「ポリヌクレオチド」は、「遺伝子」、「核酸」また は「核酸分子」と交換可能に使用され、ヌクレオチドの重合体が意図される。本明細 書中で使用される場合、用語「塩基配列」は、「核酸配列」または「ヌクレオチド配列」 と交換可能に使用され、デォキシリボヌクレオチド (A、 G、 Cおよび Tと省略される)の 配列として示される。また、「配列番号 1に示される塩基配列を含むポリヌクレオチドま たはそのフラグメント」とは、配列番号 1の各デォキシヌクレオチド A、 G、 Cおよび Zま たは Tによって示される配列を含むポリヌクレオチドまたはその断片部分が意図され る。
[0089] 本発明に係るポリヌクレオチドは、 RNA (例えば、 mRNA)の形態、または DNAの 形態(例えば、 cDNAまたはゲノム DNA)で存在し得る。 DNAは、二本鎖または一 本鎖であり得る。一本鎖 DNAまたは RNAは、コード鎖(センス鎖としても知られる)で あり得る力 または、非コード鎖 (アンチセンス鎖としても知られる)であり得る。
[0090] 本明細書中で使用される場合、用語「オリゴヌクレオチド」は、ヌクレオチドが数個な いし数十個結合したものが意図され、「ポリヌクレオチド」と交換可能に使用される。ォ リゴヌクレオチドは、短いものはジヌクレオチド(二量体)、トリヌクレオチド (三量体)と V、われ、長 、ものは 30マーまたは 100マーと!/、うように重合して!/、るヌクレオチドの数 で表される。オリゴヌクレオチドは、より長いポリヌクレオチドのフラグメントとして生成さ れても、化合合成されてもよい。 [0091] 本発明に係るポリヌクレオチドはまた、その 5 '側または 3 '側で上述のタグ標識 (タグ 配列またはマーカー配列)をコードするポリヌクレオチドに融合され得る。
[0092] 一実施形態にお!、て、本発明に係るポリヌクレオチドは、 rtTLR5Sポリヌクレオチド またはその変異体であって、ここで当該変異体は rtTLR5Sポリペプチドをコードし、 かつ以下のポリヌクレオチドの!/、ずれであることが好まし!/ヽ:
•配列番号 1に示される塩基配列において、 1個もしくは数個の塩基が欠失、挿入、 置換、もしくは付加された塩基配列からなるポリヌクレオチド
•配列番号 1に示される塩基配列において、 1個もしくは数個の塩基が欠失、挿入、 置換、もしくは付加された塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件 下でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド
•配列番号 1に示される塩基配列と相補的な塩基配列と少なくとも 80%同一、より好 ましくは少なくとも 85%、 90%、 92%、 95%、 96%、 97%、 98%または 99%同一で ある塩基配列力 なるポリヌクレオチド。
[0093] このように、本発明に係る rtTLR5Sポリヌクレオチドは、 rtTLR5S活性を有するポ リペプチドをコードするポリヌクレオチドであって、(1)配列番号 1に示される塩基配列 力 なるポリヌクレオチド、(2)配列番号 1に示される塩基配列において、 1個もしくは 数個の塩基が欠失、挿入、置換、もしくは付加された塩基配列力もなるポリヌクレオチ ド、(3)配列番号 1に示される塩基配列において、 1個もしくは数個の塩基が欠失、挿 入、置換、もしくは付加された塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条 件下でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、または、(4)配列番号 1に示される塩基配 列と相補的な塩基配列と少なくとも 80%同一、より好ましくは少なくとも 85%、 90%、 92%、 95%、 96%、 97%、 98%または 99%同一である塩基配列力もなるポリヌクレ ォチド、であることが好ましい。なお、後述する実施例からも明らかなように、 rtTLR5 Sポリヌクレオチドは、( 1)配列番号 1に示される塩基配列の 88〜 1791位力もなるポ リヌクレオチド、(2)配列番号 1に示される塩基配列の 88〜 1791位において、 1個も しくは数個の塩基が欠失、挿入、置換、もしくは付加された塩基配列力もなるポリヌク レオチド、(3)配列番号 1に示される塩基配列の 88〜 1791位において、 1個もしくは 数個の塩基が欠失、挿入、置換、もしくは付加された塩基配列力もなるポリヌクレオチ ドとストリンジェントな条件下でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、または、(4)配列 番号 1に示される塩基配列の 88〜1791位と相補的な塩基配列と少なくとも 80%同 一、より好ましくは少なくとも 85%、 90%、 92%、 95%、 96%、 97%、 98%または 99 %同一である塩基配列からなるポリヌクレオチド、であってもよい。
[0094] 本発明に係るポリヌクレオチドは、非翻訳領域 (UTR)の配列またはベクター配列( 発現ベクター配列を含む)などの配列を含むものであってもよ!/、。
[0095] 本発明に係るポリヌクレオチドを取得するための供給源としては、特に限定されな!ヽ 力 生物材料 (例えば、ヒトまたはマウスなどの諸器官)であることが好ましい。本明細 書中で使用される場合、用語「生物材料」は、生物学的サンプル (生物体力ゝら得られ た組織サンプルまたは細胞サンプル)が意図される。下述する実施例においては、二 ジマス血球細胞を用いて 、るが、これに限定されな!、。
[0096] 本発明に係るポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、本明細書中にさらに記載され るように、ガンまたは感染疾患に対する免疫応答を惹起するためのワクチンにおける アジュバントとして使用され得る。また、本発明を使用すれば、種々の疾患 (例えば、 ウィルス感染症、細菌感染症もしくは寄生虫感染症、ガン、アレルギー、または自己 免疫疾患など)を罹患する被験体 (好ましくは、哺乳動物、より好ましくは、ヒト)を防御 または治療するために、あるいは上記疾患を予防するために適用することができる。 さらに、本発明を使用すれば、鞭毛細菌感染を検出することができる。
[0097] 本発明の目的は、 rtTLR5Sポリペプチド、および rtTLR5Sポリヌクレオチドを提供 することにあるのであって、本明細書中に具体的に記載したポリペプチド作製方法お よびポリヌクレオチド作製方法等に存するのではない。従って、上記各方法以外によ つて取得される rtTLR5Sポリペプチド、および rtTLR5Sポリヌクレオチドも本発明の 技術的範囲に属することに留意しなければならない。
[0098] 〔2〕ベクター
本発明は、 rtTLR5Sポリペプチドを生成するために使用されるベクターを提供する 。本発明に係るベクターは、インビトロ翻訳に用いるベクターであっても組換え発現に 用いるベクターであってもよ!/、。
[0099] 本発明に係るベクターは、上述した本発明に係るポリヌクレオチドを含むものであれ ば、特に限定されない。例えば、 rtTLR5S活性を有するポリペプチドをコードするポ リヌクレオチドの cDNAが挿入された組換え発現ベクターなどが挙げられる。組換え 発現ベクターの作製方法としては、プラスミド、ファージ、またはコスミドなどを用いる 方法が挙げられるが特に限定されない。
[0100] ベクターの具体的な種類は特に限定されず、宿主細胞中で発現可能なベクターが 適宜選択され得る。すなわち、宿主細胞の種類に応じて、確実に本発明に係るポリヌ クレオチドを発現させるために適宜プロモーター配列を選択し、これと本発明に係る ポリヌクレオチドを各種プラスミド等に組み込んだベクターを発現ベクターとして用い ればよい。また、発現ベクターによる宿主の形質転換もまた、慣用的な手法に従って 行うことができる。
[0101] 上記発現ベクターを用いて形質転換された宿主を、培養、栽培または飼育した後、 培養物等力 慣用的な手法 (例えば、濾過、遠心分離、細胞の破砕、ゲル濾過クロ マトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー等)に従って、 目的タンパク質を回収、精 製することができる。
[0102] 発現ベクターは、少なくとも 1つの選択マーカーを含むことが好ましい。このようなマ 一力一としては、真核生物細胞培養につ 、てはジヒドロ葉酸レダクターゼまたはネオ マイシン耐性、および E. coliおよび他の細菌における培養についてはテトラサイタリ ン耐性遺伝子またはアンピシリン耐性遺伝子が挙げられる。
[0103] 上記発現ベクターを宿主細胞に導入する方法、すなわち形質転換法も特に限定さ れるものではなぐ電気穿孔法、リン酸カルシウム法、リボソーム法、 DEAEデキストラ ン法等の従来公知の方法を好適に用いることができる。また、例えば、本発明に係る ポリペプチドを昆虫で転移発現させる場合には、バキュロウィルスを用いた発現系を 用いればよい。
[0104] 本発明に係るベクターを使用すれば、上記ポリヌクレオチドを生物または細胞に導 入すれば、当該生物または細胞中に rtTLR5S活性を有するポリペプチドを発現させ ることができる。さらに、本発明に係るベクターを無細胞タンパク質合成系に用いれば 、rtTLR5S活性を有するポリペプチドを合成することができる。
[0105] このように、本発明に係るベクターは、少なくとも、本発明に係るポリペプチドをコー ドするポリヌクレオチドを含めばよいといえる。すなわち、発現ベクター以外のベクタ 一も、本発明の技術的範囲に含まれる点に留意すべきである。
[0106] 〔3〕形質転換体
本発明は、 rtTLR5Sポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが導入された形質 転換体を提供する。本明細書中で使用される場合、用語「形質転換体」は、細胞、組 織または器官だけでなぐ生物個体をも含むことが意図される。
[0107] 本発明に係る形質転換体は、 rtTLR5Sポリペプチドが発現されて ヽることを特徴と する。本発明に係る形質転換体は、 rtTLR5Sポリペプチドが安定的に発現すること が好ましい。
[0108] 一実施形態にお!、て、本発明に係る形質転換体は、 rtTLR5Sポリヌクレオチドを 含む組換えベクターを、 rtTLR5Sポリペプチドが発現され得るように生物中に導入 すること〖こよって取得される。本実施形態に係る形質転換体は、原核生物であっても 真核生物であってもよい。本実施形態に係る形質転換体は、 rtTLR5Mポリヌクレオ チドを含む組換えベクターを、 rtTLR5Mポリペプチドが発現され得るように生物中 に導入されてもよい。この場合、 rtTLR5Sポリヌクレオチドおよび rtTLR5Mポリヌク レオチドの導入は、同時であっても別々であってもよい。
[0109] 本明細書中において使用される場合、「rtTLR5Mポリペプチド」は、配列番号 4に 示されるアミノ酸配列力 なるポリペプチドまたは配列番号 3に示される塩基配列から なるポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、あるいはこれらの変異体が意 図される。用語「rtTLR5M活性を有するポリペプチド」は、上述したように、フラジェリ ンを認識して、強いサイト力イン誘導および Zまたは榭状細胞の成熟化を引き起こす 機能を有するポリペプチドが意図される。
[0110] すなわち、本発明において、 rtTLR5Mポリペプチドは、 rtTLR5M活性を有する ポリペプチドであって、(1)配列番号 4に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、 または、(2)配列番号 4に示されるアミノ酸配列において、 1個もしくは数個のアミノ酸 が欠失、挿入、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列力もなるポリペプチド、であるこ とが好ましい。なお、後述する実施例力もも明らかなように、 rtTLR5Mポリペプチド は、(1)配列番号 4に示されるアミノ酸配列の 21〜596位カもなるポリペプチド、また は、(2)配列番号 4に示されるアミノ酸配列の 21〜596位において、 1個もしくは数個 のアミノ酸が欠失、挿入、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列力もなるポリペプチド 、であってもよい。
[0111] また、本発明において、 rtTLR5Mポリペプチドは、 rtTLR5M活性を有するポリべ プチドであって、(1)配列番号 3に示される塩基配列力 なるポリヌクレオチド、(2)配 列番号 3に示される塩基配列において、 1個もしくは数個の塩基が欠失、挿入、置換 、もしくは付加された塩基配列からなるポリヌクレオチド、(3)配列番号 3に示される塩 基配列において、 1個もしくは数個の塩基が欠失、挿入、置換、もしくは付加された塩 基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダィズするポリヌ クレオチド、または、(4)配列番号 3に示される塩基配列と相補的な塩基配列と少なく とち 80%同一、より好ましくは少なくとち 85%、 90%、 92%、 95%、 96%、 97%、 98 %または 99%同一である塩基配列からなるポリヌクレオチド、によってコードされるポ リペプチドであることが好ましい。なお、後述する実施例からも明らかなように、 rtTLR 5M活性を有するポリペプチドは、 (1)配列番号 3に示される塩基配列の 64〜 1788 位力 なるポリヌクレオチド、 (2)配列番号 3に示される塩基配列の 64〜 1788位にお いて、 1個もしくは数個の塩基が欠失、挿入、置換、もしくは付加された塩基配列から なるポリヌクレオチド、(3)配列番号 3に示される塩基配列の 64〜 1788位において、 1個もしくは数個の塩基が欠失、挿入、置換、もしくは付加された塩基配列力もなるポ リヌクレオチドとストリンジヱントな条件下でノヽイブリダィズするポリヌクレオチド、または 、(4)配列番号 3に示される塩基配列の 64〜1788位と相補的な塩基配列と少なくと も 80%同一、より好ましくは少なくとも 85%、 90%、 92%、 95%、 96%、 97%、 98 %または 99%同一である塩基配列からなるポリヌクレオチド、によってコードされるポ リペプチドであってもよい。
[0112] 本明細書中において使用される場合、「rtTLR5Mポリヌクレオチド」は、配列番号 3に示される塩基配列力 なるポリヌクレオチドまたはその変異体が意図され、ここで 当該変異体は rtTLR5Mポリペプチドをコードし、かつ以下のポリヌクレオチドのいず れであることが意図される:
•配列番号 3に示される塩基配列において、 1個もしくは数個の塩基が欠失、挿入、 置換、もしくは付加された塩基配列からなるポリヌクレオチド
•配列番号 3に示される塩基配列において、 1個もしくは数個の塩基が欠失、挿入、 置換、もしくは付加された塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件 下でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド
•配列番号 3に示される塩基配列と相補的な塩基配列と少なくとも 80%同一、より好 ましくは少なくとも 85%、 90%、 92%、 95%、 96%、 97%、 98%または 99%同一で ある塩基配列力 なるポリヌクレオチド。
[0113] すなわち、本発明において、 rtTLR5Mポリヌクレオチドは、 rtTLR5M活性を有す るポリペプチドをコードするポリヌクレオチドであって、(1)配列番号 3に示される塩基 配列からなるポリヌクレオチド、(2)配列番号 3に示される塩基配列において、 1個もし くは数個の塩基が欠失、挿入、置換、もしくは付加された塩基配列からなるポリヌクレ ォチド、(3)配列番号 3に示される塩基配列において、 1個もしくは数個の塩基が欠 失、挿入、置換、もしくは付加された塩基配列力もなるポリヌクレオチドとストリンジェン トな条件下でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、または、(4)配列番号 3に示される 塩基配列と相補的な塩基配列と少なくとも 80%同一、より好ましくは少なくとも 85%、 90%、 92%、 95%、 96%、 97%、 98%または 99%同一である塩基配列力もなるポ リヌクレオチド、であることが好ましい。なお、本発明において、 rtTLR5Mポリヌクレ ォチドは、(1)配列番号 3に示される塩基配列の 64〜 1788位力もなるポリヌクレオチ ド、(2)配列番号 3に示される塩基配列の 64〜 1788位において、 1個もしくは数個の 塩基が欠失、挿入、置換、もしくは付加された塩基配列力もなるポリヌクレオチド、 (3) 配列番号 3に示される塩基配列の 64〜 1788位において、 1個もしくは数個の塩基が 欠失、挿入、置換、もしくは付加された塩基配列力もなるポリヌクレオチドとストリンジ ェントな条件下でノ、イブリダィズするポリヌクレオチド、または、(4)配列番号 3に示さ れる塩基配列の 64〜 1788位と相補的な塩基配列と少なくとも 80%同一、より好まし くは少なくとも 85%、 90%、 92%、 95%、 96%、 97%、 98%または 99%同一である 塩基配列からなるポリヌクレオチド、であってもよ!/、。
[0114] 〔4〕アジュバント
本発明はまた、 rtTLR5Sポリペプチドまたは rtTLR5Sポリヌクレオチドを含むアジ ュバントを提供する。
[0115] 「アジュバント」は、「免疫賦活剤」とも呼ばれ、抗原と混合または組み合わせること によって、抗体産生の増大または免疫応答の増強を生じさせる物質の総称であり、 [ 1]抗原を不溶ィ匕することによって組織に長く貯留し、抗原を徐々に長時間遊離させ る; [2]抗原をマクロファージに貪食されやすい状態にする;または、 [3]免疫に関す る細胞を非特異的に活性化する、の少なくともいずれか 1つの性質を有する。抗原ま たは他の免疫原性物質を投与する際に用いられるアジュバントの有用性は、以前か ら認められている。なお、本明細書中で使用される場合、用語「アジュバント」は「アジ ュバント成分」と交換可能に使用され得る。
[0116] 種々のアジュバントが、宿主種に依存して、免疫学的応答を増加させるために使用 され得る。このようなアジュバントとしては、以下が挙げられる力 これらに限定されな Vヽ:フロイント(完全および不完全)、水酸化アルミニウムのようなミネラルゲル (miner al gel)、リゾレシチンのような表面活性物質、プル口ニック(pluronic)ポリオール、 ポリア-オン、ペプチド、油乳濁液、キーホールリンペットへモシァニン、ジニトロフエ ノール、ならびに BCG (カルメット一ゲラン杆菌)および Corynebacterium parvum のような潜在的に有用なヒトアジュバント。また、このようなアジュバントは当該分野で 周知である。
[0117] アジュバントは、生成される抗体の量を増加させるとともに、注射に必要な抗原量、 すなわち、注射回数を低減させる。ヒトにおいて使用されているアジュバントとしては、 日本ではアルミニウム化合物(水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム)のみであり、 破傷風トキソイド、ジフテリア '百日咳'破傷風混合ワクチン、 B型肝炎ワクチン、およ び蛇毒トキソイドにおいて使用されている。また、フランスでは、リン酸カルシウムが、 ジフテリア '百日咳'破傷風混合ワクチンやポリオワクチンなどに使用されている。
[0118] 本発明者らは、上述したように、 rtTLR5Sが弱いフラジェリンシグナルを感知する 能力を有し、フラジェリン rtTLR5S複合体が膜結合形態 TLR5を強力に活性化し、 その結果、顕著な NF— κ Β活性ィ匕および強いサイト力イン産生誘導が生じることを 見出した。すなわち、本発明者らは、魚類の可溶性形態 TLR5は、鞭毛細菌に対す る強力なアジュバントであることを見出した。 [0119] 本発明に係るアジュバントは、 rtTLR5Sポリペプチドを含むことが好ましい。一実施 形態において、本発明に係るアジュバントは、 rtTLR5Mポリペプチドをさらに含むこ とが好ましい。
[0120] 本発明に係るアジュバントは、 rtTLR5Sポリヌクレオチドを含むことが好ましい。本 発明に係るアジュバントは、当該ポリヌクレオチドによってコードされる rtTLR5Sポリ ペプチドが発現することによってアジュバント能を発揮する。一実施形態において、 本発明に係るアジュバントは、 rtTLR5Mポリヌクレオチドをさらに含むことが好ましい
[0121] 本明細書中において使用される場合、「rtTLR5Mポリヌクレオチド」は、配列番号 3に示される塩基配列力 なるポリヌクレオチドまたはその変異体が意図される。本明 細書中において DNAまたはポリヌクレオチドに関して用いられる場合、用語「変異体 」は、 rtTLR5M活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが意図される
[0122] 後述する実施例から明らかなように、 rtTLR5Sが有するアジュバント能によっても たらされる効果は、魚類における特殊現象ではなぐヒト TLR5発現細胞においても また同様にもたらされる。すなわち、本発明に係るアジュバントを使用すれば、これま で困難であったヒトへの応用が可能となる。
[0123] 〔5〕ワクチン
本発明は、 rtTLR5Sポリペプチドまたは rtTLR5Sポリヌクレオチドを含むアジュバ ント成分を含むワクチン組成物を提供する。一実施形態において、本発明に係るワク チン組成物は、免疫原成分をさらに含むことが好ま 、。
[0124] 本明細書中において使用される場合、用語「ワクチン」は、生体の免疫系を刺激す ることによって疾病 (疾患、障害)を予防するために使用される薬剤が意図される。用 語「免疫系」は、例えば、インターフェロン産生のような、多細胞生体が生体細胞また は生体外液に侵入した抗原性物質に対して抗体を産生する機構を含み、このように して産生された抗体は、免疫グロブリン A、 D、 E、 Gまたは M (IgA、 IgD、 IgE、 IgG または IgM)という免疫学的分類のいずれかに属する。 IgAが温血動物の分泌系統 力 得られる主要免疫グロブリンであることに注目すれば、特に興味あるワクチンは Ig Aの産生を刺激するワクチンである。しかし、本明細書中において使用される場合、「 ワクチン」は IgAの産生を刺激するワクチンに限定されない。すなわち、「ワクチン」は 、広範な免疫反応を起こし得る。
[0125] 脊椎動物は、魚類、両生類、爬虫類、鳥類および哺乳類を含む脊椎動物亜門の一 員であり、いずれも軟骨性脊柱を有することが特徴であり、全ての脊椎動物が免疫系 を有する。従って、本明細書中において使用される場合、「ワクチン」の適用対象は、 哺乳動物に限定されない。
[0126] 動物において免疫応答を誘発することができる抗原(主に細菌成分、すなわち、ポ リペプチド)を動物系中へ導入することによって動物を感染から防御する伝統的なヮ クチン接種技術が長年にわたって知られて 、る(本明細書中にぉ 、て使用される場 合、このようなワクチンをペプチドワクチンという)。近年、プラスミド DNAを動物細胞 にインビボで直接導入することができるようになり、その結果、抗原性ペプチドをコー ドする DNAを動物中に直接導入することによって動物において免疫応答を誘発する ワクチン接種技術が開発されている。このような技術は、「DNA免疫化(DNA imm unisation)」または「DNAワクチン接種(DNA vaccination)」と呼ばれており、本 明細書中にぉ 、て使用される場合、このようなワクチンを DNAワクチンと 、う。
[0127] 本発明に係るワクチン組成物は、ペプチドワクチンであっても DNAワクチンであつ てもよい。
[0128] 一実施形態にお!、て、本発明に係るワクチン組成物は、 rtTLR5Sポリペプチドを 含むアジュバント成分、および免疫学的有効量の免疫原成分を含む、いわゆるぺプ チドワクチンであり得る。本実施形態に係るワクチン組成物において、上記免疫原成 分は抗原性ペプチドを含むことが好まし 、。上記抗原性ペプチドは鞭毛細菌である ことが好ましぐ配列番号 6または 8に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド (すな わち、 FlaAタンパク質または FlaCタンパク質)であることがより好まし 、。
[0129] 本発明に係るワクチン組成物は、 huTLR5ポリペプチドをさらに含んでいてもよい。
また、本発明に係るワクチン組成物は、 huTLR5ポリペプチドの代わりに huTLR5ポ リペプチド発現細胞を含んで 、てもよ 、。
[0130] 他の実施形態にお!、て、本発明に係るワクチン組成物は、 DNAワクチンであり得る 。 DNAワクチンは、通常、強力なプロモーターが挿入される細菌プラスミドベクター、 免疫原をコードする目的の遺伝子およびポリアデニルイ匕 Z転写停止配列力 構成さ れる。 目的の遺伝子がコードする免疫原は、タンパク質であっても、病原体もしくは腫 瘍または防御されることを意図される他の作用物質に関連する抗原性ペプチドであ つてもよい。プラスミドは、細菌(例えば、 E. coli)において増殖させた後に単離され、 宿主に投与される前に、意図される投与経路に応じて適切な培地中にて調製される 。 DNAワクチン接種は、 Donnelly, Jら、 Annual Rev. Immunol. 15 : 617— 648 ( 1997) (その開示の全てが本明細書中において参考として援用される)を参照のこと
[0131] 本実施形態に係るワクチン組成物は、 rtTLR5Sポリヌクレオチドを含むアジュバン ト成分、および免疫学的有効量の免疫原成分を含み得る。本実施形態に係るワクチ ン組成物にぉ 、て、上記免疫原成分は抗原性ペプチドをコードするポリヌクレオチド を含むことが好ましい。上記抗原性ペプチドは鞭毛細菌であることが好ましぐ配列 番号 5または 7に示される塩基配列力もなるポリヌクレオチド (すなわち、 FlaAまたは FlaCの cDNA)によってコードされることがより好まし!/、。
[0132] 本発明に係るワクチン組成物は、 huTLR5ポリヌクレオチドをさらに含んでいてもよ い。また、本発明に係るワクチン組成物は、 huTLR5ポリヌクレオチドの代わりに huT LR5ポリヌクレオチドを導入した形質転換細胞を含んでもよい。
[0133] フラジェリンは自然免疫のアジュバント機能を介する抗ガン活性および Zまたは抗 感染活性を有する。従って、抗原性を有する物質と組み合わせて rtTLR5Sをヒトに 投与すれば、感作増強されたワクチンを提供することができる。ヒトには可溶性形態 の TLR5は存在しない。にもかかわらず、魚類由来の可溶'性形態の TLR5によって、 ヒト TLR5 (huTLR5)の機能が増強されるという知見は全く予想し得ないものであつ た。後述する実施例から明らかなように、 rtTLR5Sはフラジェリンと複合体ィ匕するの で、本発明に係るワクチン組成物は、その投与形態にかかわらず huTLR5に基づく 免疫応答を首尾よく増強し得る。
[0134] 本発明に係るワクチン組成物は、アジュバント成分および免疫原成分以外に薬学 的に受容可能なキャリアを含んでもょ 、。ワクチン組成物中に使用される薬学的に受 容可能なキャリアは、ワクチン組成物の投与形態および剤型に応じて選択することが できる。
[0135] 本明細書中で使用される場合、薬理学的に受容可能なキャリアとしては、製剤素材 として使用可能な各種有機または無機のキャリア物質が用いられ、固形製剤におけ る賦形剤、滑沢剤、結合剤、または崩壊剤、あるいは、液状製剤における溶剤、溶解 補助剤、懸濁剤、等張化剤、緩衝剤、または無痛化剤などとして配合される。
[0136] 賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、 D-マン-トール、キシリトール、ソルビトール 、エリスリトール、デンプン、結晶セルロースなどが挙げられ、滑沢剤としては、例えば 、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙 げられる。
[0137] 結合剤としては、例えば、 α化デンプン、メチルセルロース、結晶セルロース、白糖 、 D-マンニトール、トレノヽロース、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキ シプロピルメチルセルロース、ポリビュルピロリドンなどが挙げられる。
[0138] 崩壊剤としては、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、低置換度ヒドロ キシプロピノレセノレロース、カノレボキシメチノレセノレロースカノレシゥム、クロスカノレメロース ナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウムなどが挙げられる。
[0139] 溶剤としては、例えば、注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール 、ゴマ油、トウモロコシ油、トリカプリリンなどが挙げられる。
[0140] 溶解補助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、 D-マ ン-トール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスァミノメタン、コレステ ロール、トリエタノールァミン、炭酸ナトリウム、クェン酸ナトリウムなどが挙げられる。
[0141] 懸濁剤としては、例えば、ステアリルトリエタノールァミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラ ゥリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコ-ゥム、塩化べンゼトニゥム、モ ノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤、あるいは、ポリビニルアルコール、ポリビ ニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ メチノレセノレロース、ヒドロキシェチノレセノレロース、ヒドロキシプロピノレセノレロースなどの 親水性高分子が挙げられる。
[0142] 等張化剤としては、例えば、塩ィ匕ナトリウム、グリセリン、 D-マン-トールなどが挙げ られる。
[0143] 緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クェン酸塩などの緩衝液など が挙げられる。
[0144] 無痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
[0145] 防腐剤としては、例えば、ノラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベン ジルアルコール、フエネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる
[0146] 抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸塩、ァスコルビン酸などが挙げられる。
[0147] 本実施形態に係るワクチン組成物は、製剤技術分野において慣用的な方法に従つ て製造することができる。
[0148] 本実施形態に係るワクチン組成物の形態は、血中にて高濃度をもたらすことができ る形態、すなわち、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下、および関節内の注射に 適切な「注入可能な形態」であることが好ましいがこれらに限定されず、例えば、錠剤 、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む力 徐放性であることが好まし い)、散剤、顆粒剤、シロップ剤などの経口剤、あるいは、注射剤、坐剤、ペレット、点 滴剤などの非経口剤であってもよい。本発明に係るワクチン組成物は、毒性が低い ので経口的または非経口的に投与することができる。用語「非経口」は、本明細書中 で使用される場合、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下、および関節内の注射 および注入を含む投与の様式を 、う。
[0149] また、 DNAワクチンとしての本発明に係るワクチン組成物の形態は、リボソームまた はボリラクチドコグリコリド粒子内に封入した経口、経鼻または経気管支での投与に適 した形態が好まし 、。 DNAワクチンとしての本発明に係るワクチン組成物およびワク チン用キットのさらに好ましい投与形態は、遺伝子銃を用いる形態である。遺伝子銃 を用いる DNA導入技術は当該分野において公知であり、例えば、 Haynesら、 J. Bi ◦technology 44 : 37— 42 (1996) (この全体が本明細書中に参考として援用され る)に記載されている。
[0150] 本実施形態に係るワクチン組成物の投与量は、投与対象、投与経路、症状などに よっても異なるが、当業者は、これら投与対象、投与経路、症状などに応じて、最適 な条件を適宜設定することができる。
[0151] 本実施形態に係るワクチン組成物は、製剤形態に応じた適当な投与経路で投与す ることができる。投与方法も特に限定はなぐ内用、外用および注射によって適用す ることができる。注射剤は、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、皮内等に投与することが できる。
[0152] 本明細書において使用される場合、「ワクチン組成物」は、アジュバント成分および 免疫原成分を単一形態中に含む。従って、当該 2成分を別々に投与することが意図 される場合、「ワクチン組成物」は、アジュバント成分および免疫原成分を別個に備え るワクチン用キットとして提供される。
[0153] 一実施形態において、本発明に係るワクチン用キットは、 rtTLR5Sポリペプチドを 含むアジュバント成分、および免疫学的有効量の免疫原成分を備え得る。好ましくは 、これら 2成分はそれぞれ別個の容器中に収容され得る。本実施形態に係るワクチン 用キットにおいて、上記免疫原成分は抗原性ペプチドを含むことが好ましい。上記抗 原性ペプチドは鞭毛細菌であることが好ましく、配列番号 6または 8に示されるァミノ 酸配列からなるポリペプチド (すなわち、 FlaAタンパク質または FlaCタンパク質)であ ることがより好まし!/、。
[0154] 本発明に係るワクチン用キットは、 huTLR5ポリペプチドをさらに備えていてもよい。
また、本発明に係るワクチン用キットは、 huTLR5ポリペプチドの代わりに huTLR5ポ リペプチド発現細胞を備えて 、てもよ 、。
[0155] 他の実施形態において、本発明に係るワクチン用キットは、 rtTLR5Sポリヌクレオ チドを含むアジュバント成分、および免疫学的有効量の免疫原成分を備え得る。好 ましくは、これら 2成分はそれぞれ別個の容器中に収容され得る。本実施形態に係る ワクチン用キットにおいて、上記免疫原成分は抗原性ペプチドをコードするポリヌクレ ォチドを含むことが好まし 、。上記抗原性ペプチドは鞭毛細菌であることが好ましぐ 配列番号 5または 7に示される塩基配列力 なるポリヌクレオチド (すなわち、 FlaAま たは FlaCの cDNA)によってコードされることがより好ましい。
[0156] 本発明に係るワクチン用キットは、 huTLR5ポリヌクレオチドをさらに備えていてもよ い。また、本発明に係るワクチン用キットは、 huTLR5ポリヌクレオチドの代わりに huT LR5ポリヌクレオチドを導入した形質転換細胞を備えて 、てもよ 、。
[0157] 本発明に係るワクチン用キットにおけるアジュバント成分は、異なる種々の投与経路
(例えば、経口、鼻、肺、筋肉内、皮下、皮内または局所経路)によって投与すること ができる。好ましくは、成分は皮内または局所経路により投与される。当該アジュバン ト成分は、免疫原成分と異なる経路によって、異なる時期に投与されてもよいが、実 質的に同時に同一部位に投与される場合力 Sもっとも好ましい。「実質的に同時」とは、 アジュバント成分の投与と免疫原成分の投与とが好ましくは同時、またはいずれかの 投与の前後少なくとも数時間以内であることが意図される。
[0158] 本発明に係るワクチン組成物およびワクチン用キットは、種々の疾患 (例えば、ウイ ルス感染症、細菌感染症もしくは寄生虫感染症、ガン、アレルギー、または自己免疫 疾患など)を罹患する被験体 (好ましくは、哺乳動物、より好ましくは、ヒト)を防御また は治療するために、あるいは上記疾患を予防するために適用することができる。
[0159] 従来のワクチンには、病原性死菌、病原性細菌から精製された特異成分、生ワクチ ンとしての病原性細菌の無毒誘導体、または生ワクチンを事前に希釈ホルマリン処理 によって弱毒化される力もしくは部分的に不活性ィ匕された、いわゆる弱毒化ワクチン などが使用されている。しかし、細菌を不活性ィ匕させるホルマリン処理は、細菌の一 時的な弱毒化に過ぎないので、細菌が途中で回復すると、予防というよりは感染とい う重大な問題を招くおそれがある。
[0160] さらに、投与経路として最も好ましい経口投与形態を用いると、有効成分のほとんど 力 抗原の大部分が胃腸内の酵素によって死滅したり、そのまま体外に放出されたり 、または非免疫形態で吸収されてしまう。その結果、有効免疫反応を刺激することの できる物質量が少なくなる。従って、経口投与を用いる場合、必要な抗原の投与量は 多くする必要がある。
[0161] 本発明に係るワクチン組成物またはワクチン用キットを用いれば、極微量の免疫原 物質を用いるだけで所望の免疫効果を得ることができ、上述のような従来のワクチン の有する問題点を克服することができる。本発明に係るワクチン組成物またはヮクチ ン用キットを用いて所望の免疫効果を得ることができた力どうかを確認するための手 段は、当該分野において公知の検出方法を用いればよいが、例えば、皮内注射後 に免疫反応に基づく腫脹を確認する方法が最も簡便かつ好ましい。
[0162] このように、本発明に係るワクチン組成物は、少なくとも、 rtTLR5Sポリペプチドまた は rtTLR5Sポリヌクレオチドを含むアジュバント成分を含んで!/、ればよ!/、と!/、える。ま た、本発明に係るワクチン用キットは、少なくとも、 rtTLR5Sポリペプチドまたは rtTL R5Sポリヌクレオチドを含むアジュバント成分を備えて 、ればよ ヽと 、える。本発明が 上記構成を採ることによって、任意の鞭毛細菌感染に対して有効な免疫効果を得る ことができる。なぜなら、列挙した疾患は、本発明に係るアジュバント(すなわち、 rtT LR5Sポリペプチドまたは rtTLR5Sポリヌクレオチド)を含むワクチンが予め投与され ていると、該アジュバントが榭状細胞を有意に活性ィ匕するので、鞭毛細菌が侵入だけ で種々の免疫担当細胞 (NK細胞、細胞障害性 Tリンパ球 (CTL)、抗体産生細胞な ど)が有効に活性化され、 目的の免疫効果を得ることができる力もである。本明細書 を読んだ当業者は、このことを容易に理解することができる。また、鞭毛細菌侵入以 外に起因する疾患に対してもまた、免疫原成分を別途投与することによって同様に 種々の免疫担当細胞が有効に活性化され、 目的の免疫効果を得ることができること を当業者は容易に理解する。またこの場合でも特定の疾患に限定されず、本発明に 係るワクチン組成物およびワクチン用キットは、あらゆるウィルス感染症、細菌感染症 および寄生虫感染症、ガン、アレルギー、ならびに自己免疫疾患などの疾患に対し て有効な免疫効果をもたらすことができることを、本明細書の記載を読んだ当業者は 容易に理解する。
[0163] 〔6〕ガンまたは感染症を予防するための薬学的組成物、キットおよび方法
本発明は、 rtTLR5Sポリペプチドまたは rtTLR5Sポリヌクレオチドを含むアジュバ ント成分を含む、ガンまたは感染症を予防するための薬学的組成物およびキットを提 供する。一実施形態において、本発明に係る薬学的組成物およびキットは、免疫原 成分をさらに含むことが好ましい。さらに本発明は、 rtTLR5Sポリペプチドまたは rtT LR5Sポリヌクレオチドを含むアジュバント成分を用いる、ガンまたは感染症を予防す るための方法を提供する。一実施形態において、本発明に係る方法は、さらに免疫 原成分を用いることが好まし 、。
[0164] 一実施形態にお!、て、本発明に係るガンまたは感染症を予防するための薬学的組 成物は、 rtTLR5Sポリヌクレオチドを含むアジュバント成分、および免疫学的有効量 の免疫原成分を含み得る。本実施形態に係る薬学的組成物において、上記免疫原 成分は抗原性ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むことが好まし 、。上記抗原 性ペプチドは鞭毛細菌であることが好ましぐ配列番号 5または 7に示される塩基配列 力 なるポリヌクレオチド(すなわち、 FlaAまたは FlaCの cDNA)によってコードされ ることがより好まし!/、。
[0165] 本発明に係る薬学的組成物は、 huTLR5ポリヌクレオチドをさらに含んで 、てもよ い。また、本発明に係る薬学的組成物は、 huTLR5ポリヌクレオチドの代わりに huT LR5ポリヌクレオチドを導入した形質転換細胞を含んでもよい。
[0166] 他の実施形態にお!、て、本発明に係るガンまたは感染症を予防するための薬学的 組成物は、 rtTLR5Sポリペプチドを含むアジュバント成分、および免疫学的有効量 の免疫原成分を含み得る。本実施形態に係る薬学的組成物において、上記免疫原 成分は抗原性ペプチドを含むことが好まし 、。上記抗原性ペプチドは鞭毛細菌であ ることが好ましぐ配列番号 6または 8に示されるアミノ酸配列力 なるポリペプチド (す なわち、 FlaAタンパク質または FlaCタンパク質)であることがより好まし!/、。
[0167] 本発明に係る薬学的組成物は、 huTLR5ポリペプチドをさらに含んで 、てもよ 、。
また、本発明に係る薬学的組成物は、 huTLR5ポリペプチドの代わりに huTLR5ポリ ペプチド発現細胞を含んで!、てもよ ヽ。
[0168] 本明細書において使用される場合、「薬学的組成物」は、アジュバント成分および 免疫原成分を単一形態中に含む。従って、当該 2成分を別々に投与することが意図 される場合、「薬学的組成物」は、アジュバント成分および免疫原成分を別個に備え るキットとして提供される。
[0169] 本発明に係る薬学的組成物は、アジュバント成分および免疫原成分以外に薬学的 に受容可能なキャリアを含んでもょ 、。薬学的組成物中に使用される薬学的に受容 可能なキャリアは、薬学的組成物の投与形態および剤型に応じて選択することがで きる。薬学的に受容可能なキャリア、投与形態、剤型などについては、上記「ワクチン 」の項を参照のこと。
[0170] 一実施形態において、本発明に係るガンまたは感染症を予防するためのキットは、 rtTLR5Sポリヌクレオチドを含むアジュバント成分、および免疫学的有効量の免疫 原成分を備え得る。好ましくは、これら 2成分はそれぞれ別個の容器中に収容され得 る。本実施形態に係るキットにおいて、上記免疫原成分は抗原性ペプチドをコードす るポリヌクレオチドを含むことが好ま 、。上記抗原性ペプチドは鞭毛細菌であること が好ましぐ配列番号 5または 7に示される塩基配列力 なるポリヌクレオチド (すなわ ち、 FlaAまたは FlaCの cDNA)によってコードされることがより好ましい。
[0171] 本発明に係るガンまたは感染症を予防するためのキットは、 huTLR5ポリヌクレオ チドをさらに備えていてもよい。また、本発明に係るガンまたは感染症を予防するため のキットは、 huTLR5ポリヌクレオチドの代わりに huTLR5ポリヌクレオチドを導入した 形質転換細胞を備えて 、てもよ 、。
[0172] 他の実施形態において、本発明に係るガンまたは感染症を予防するためのキットは 、 rtTLR5Sポリペプチドを含むアジュバント成分、および免疫学的有効量の免疫原 成分を備え得る。好ましくは、これら 2成分はそれぞれ別個の容器中に収容され得る 。本実施形態に係るキットにおいて、上記免疫原成分は抗原性ペプチドを含むことが 好ましい。上記抗原性ペプチドは鞭毛細菌であることが好ましぐ配列番号 6または 8 に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド (すなわち、 FlaAタンパク質または FlaC タンパク質)であることがより好ま 、。
[0173] 本発明に係るガンまたは感染症を予防するためのキットは、 huTLR5ポリペプチド をさらに備えていてもよい。また、本発明に係るガンまたは感染症を予防するための キットは、 huTLR5ポリペプチドの代わりに huTLR5ポリペプチド発現細胞を備えて いてもよい。
[0174] フラジェリンは自然免疫のアジュバント機能を介する抗ガン活性および Zまたは抗 感染活性を有する。従って、抗原性を有する物質と組み合わせて rtTLR5Sをヒトに 投与すれば、フラジェリン依存性の榭状細胞療法、抗ガン免疫療法などという、安全 かつ効果的な療法を提供することができる。また、本明細書の記載に基づけば、本発 明に係る薬学的組成物またはキットを用いるガンまたは感染症を予防するための方 法もまた、本発明の技術的範囲に属することを、当業者は容易に理解する。
[0175] 〔7〕被験体サンプル中の鞭毛細菌を検出するための検出薬、キットおよび方法 本発明に係る rtTLR5Sポリペプチドは、鞭毛細菌、特に、鞭毛タンパク質のフラジ エリンを認識して、ヒトまたはマウスのような哺乳動物が有する rtTLR5を活性ィ匕し、フ ラジェリンに起因する NF— κ B活性ィ匕およびサイト力イン産生を増強させる。従って 、 NF— κ B活性ィ匕およびサイト力イン産生を指標にすれば、 rtTLR5を発現している 脊椎動物の被験体サンプル中における鞭毛細菌の存在を、本発明に係る rtTLR5S ポリペプチドを用いて検出することができる。
[0176] すなわち、本発明は、被験体サンプル中の鞭毛細菌を検出するための検出薬、キ ットおよび方法を提供する。
[0177] 被験体サンプル中の鞭毛細菌を検出するために、 rtTLR5Sポリペプチドを含む試 薬を被験体サンプルに添カ卩してインキュベートし、当該被験体サンプル中に産生さ れたサイト力インの量を測定し、試薬添加前における被験体サンプル中のサイトカイ ンの量と比較することによって、被験体サンプル中における鞭毛細菌の存在を検出 することができる。
[0178] 一実施形態において、本発明に係る検出薬は、被験体サンプル中の鞭毛細菌を 検出するために、 rtTLR5Sポリペプチドを含み得る。
[0179] 本発明に係る検出薬はまた、キットの形態で提供され得る。すなわち、一実施形態 において、本発明に係る検出キットは、被験体サンプル中の鞭毛細菌を検出するた めに、 rtTLR5Sポリペプチドを備え得る。
[0180] 本明細書中の記載に基づけば、 rtTLR5Sポリヌクレオチドを含む試薬もまた、本発 明に係る被験体サンプル中の鞭毛細菌を検出するための検出薬の技術的範囲に属 することを、当業者は容易に理解する。さらに、 rtTLR5Sポリヌクレオチドを備えるキ ットもまた、本発明に係る被験体サンプル中の鞭毛細菌を検出するための検出キット の技術的範囲に属することを、当業者は容易に理解する。
[0181] 本発明は、以下の実施例によってさらに詳細に説明される力 これに限定されるべ きではない。
[0182] 〔実施例 1: rtTLR5Sおよび rtTLR5Mのクローユングおよび組織分布〕
V. anguillarumに曝露した-ジマス由来の ESTクローン(AF281346)をクロー- ングし、 SMART RACE cDNA Amplification Kit (BD Biosciences)を使 用して 3 '—RACEおよび 5,一RACEを行レヽ、その結果、 rtTLR5S cDNAの全長 を、クローニングした。
[0183] 具体的には、肝臓 cDNAテンプレート、および、プライマー 1特異的エンドプライマ 一またはプライマー 2特異的エンドプライマー(BD Biosciences)の 、ずれかと対の rtTLR5S遺伝子特異的内部プライマー(5,一 RACEにつレ、て: S— GSPZF (配列 番号 9)および S— NGSPZF (配列番号 10)、 3,一 RACEにつ 、て: S— GSP/R ( 配列番号 11) ) (表 1)を用いて、 PCRを行った。 PCR産物を pGEM— T Easy vec tor (Promega, Madison, WI)に直接クロー-ングし、レ、くつかの別個の形質転換 体を、 ABI3100 sequencer (PE Applied Biosystems, Foster City, CA)を 使用する DNA配列決定に供して、配列精度を評価した。プライマー SF (配列番号 1 2)および SR (配列番号 13) (表 1)を用いる RT— PCRによって、肝臓 cDNAライブラ リーより rtTLR5Sの cDNA全長を得た。シグナル配列を除く rtTLR5Sをコードする c DNAを、 pFLAG一 CMVプラスミドの Hindlll - Sail部位に挿入した。
[0184] [表 1]
(表 1 : クローニングに使用したプライマー) プライマー名 プライマー配列
rtTLR5S S-GSPVF 5' -ATTTCCTCTCCTCTCCTGACCCAG-3' (配列番号 9 )
S-NGSPb/F 5' -TCGCTTCCACTGTGACGGTGGCCTG-3' (配列番号 10:
S-GSP/R 5' -TGCCATCTGGGAGAGCCCTCAGCGA-3' (配列番号 1 1 :
SF 5' -CAGTGCTTCAAGTTATCTGCGAGG-3' (配列番号 12:
SR 5' -TGTATCATTCACTGGTCATTCAGC-3' (配列番号 13: rtTLR5M GSPF 5' -CTACAAGTGGGTAGAAACCGCCC-3' (配列番号 14
MNGSPF 5' -CTAGACTCTCAGTTCGCGGAGCG-3' (配列番号 15'
MGSPR 5' -CCAGCCGTCCTTGAGGAACCCTT-3' (配列番号 16
MNGSPR 5' -GTCTTCCTGCTCCCCCATATGGC-3' (配列番号 17
MF 5' -TGCTAAACGAACGCGCTC-3' (配列番号 18
MR 5' -AGGCTGTGGAAAAATGAGTCA-3' (配列番号 19
HuTLR5 hu5F 5' -TCTGCCCCTAGAATAAGAAC-3' (配列番号 20
Hu5R 5' -GTGAAGAGTTATTTGTGGCTTGAGAT-3' (配列番号 21
GSP ; 遺伝子特異的プライマー
NGSP ; —群の遺伝子特異的プライマ一 モ 9 "一フ検索、 Kyte and Doolittle plot、および Clustal W比較の結果は、 アミノ酸配列がヒト TLR5の細胞外 LRRドメインに対応し、驚くことに、膜貫通領域ま たは TIRドメインを含まないことを示した(図 IB)。 SMART分析は、このタンパク質中 に 10個の LRRを規定した(図 1C)。これらの結果に基づいて、本発明者らは、この推 定のタンパク質を-ジマスの可溶性形態の TLR5 (rtTLR5S)と名付けた。また、 mR NAならびに SFプライマー(配列番号 12)および SRプライマー(配列番号 13) (表 1) を使用して、 rtTLR5Sについて 7つの別々の RT— PCR産物をクローユングした。
[0185] 次いで、 -ジマスにおける膜結合形態の TLR5を同定するために、ヒト TLR5、マウ ス TLR5および fgTLR5の TIRの間で保存されて!、る配列に従って、縮重プライマー を設計した(図 1A)。縮重プライマーを使用する PCR、引き続く RACE法によって、さ らなる TLR5様 cDNA(rtTLR5Mの部分配列)をクローユングした。得られたフラグメ ントの配列を、 Clustal W(clustalw. genome, ad. jpZ)を使用して整列させた( 図 1A)。
[0186] 図 1Aは、 rtTLR5Mを単離するための縮重プライマーの設計を示す。ヒト TLR5 (G enBankァクセッション番号 AB060895)、マウス TLR5 (GenBankァクセッション番 号 AF186107)およびフグ TLR5 (Akira, S. , and Takeda, K. Nat. Rev. Im munol. 4, 499— 511 (2004)を参照のこと)の TIMドメインを、 ClustalWプログラ ムによって整列させた。縮重プライマーを、高度に保存された領域(四角で囲む)を 参照して設計した。縮重プライマーの配列を整列の下に示す (配列番号 36および 37 ;)。 huはヒト; moはマウス; fgはフグを示す。
[0187] H-MLV (-) reverse transcriptase (Promega)を使用して、 -ジマス肝臓より 調製したランダムにプライムした RNAテンプレートから第 1鎖 cDNAを逆転写した。 次に、 Marathon RACE cDNA amplification kit (BD Biosciences)を使 用して、 rtTLR5M全長配列を得た。肝臓 cDNAテンプレート、およびアダプタープ ライマー 1 (API)または AP2特異的末端プライマー(BD Biosciences)を使用した 。 PCR産物を pGEM—T Easy Vectorに直接連結し、いくつかの別個の形質転 換体を以下に記載のように DNA配列決定に供した。最終的に、プライマー MF (配 列番号 18)および MR (配列番号 19) (表 1)を使用する RT— PCRによって肝臓 cD NAから全長 rtTLR5M cDNAを得た。シグナル配列を欠失した rtTLR5Mをコー ドする cDNAを、 pFLAG - CMVプラスミドの Sail - Notl部位の間に挿入した。 [0188] 相同性検索分析によって、この cDNA力ヒト TLR5のオルソログであることがわかつ た。このオルソログは、推定のシグナルペプチド、 11個の LRR(LRR C末端隣接領 域を含む)、および TIRドメインを含んだ(図 1Bおよび C)。また、 MFプライマー(配列 番号 18)および MRプライマー(配列番号 19) (表 1)を使用して、 rtTLR5Mについ て 4つの別々の RT—PCR産物をクローユングした。
[0189] rtTLR5Mおよび rtTLR5Sの cDNA配列に基づく推定のアミノ酸配列の整列を、 図 1Bに示す。ここで、 2つの型の rtTLR5細胞外ドメインの間の相同性を示す。推定 のシグナル配列に太い下線を付す。 ESTクローン (AF281346. 1)の位置に下線を 付す。縮重プライマーを用いて得た cDNAフラグメントに二重下線を付す。保存され たシスティンを四角で囲む。 rtTLR5Mおよび rtTLR5Sの LRR領域は、 81. 0%の 相同性を示した。
[0190] rtTLR5Sの総合的な配列は、 1992bpのオープンリーディングフレーム(ORF)お よび 1168bpの 3'— UTRからなる。 3つのポリアデュル化シグナルを 3'— UTR中に 見出した。その最後の 1つの後ろにポリ(A)テールが続く。この cDNAの推定のァミノ 酸配列は、 664アミノ酸である。 rtTLR5Sは、ヒト TLR5およびマウス TLR5とそれぞ れ 35. 6%および 37. 1%の相同性を有する。 rtTLR5Sは、他のヒト TLRまたはマウ ス TLRの細胞外ドメインと 25%未満の相同性を示した。 moZhuTLR5の LRRドメイ ン中のシスティン 11個中 9個が、 rtTLR5Sにお!/、て保存されて 、た。
[0191] rtTLR5Mの総合的な配列は、 2687bpの ORFおよび 544bpの 3,—UTRからな る。 3 '—UTR中のポリアデ-ル化シグナルの後ろにポリ(A)テールが続く。この cD NAの推定のアミノ酸配列は、 879アミノ酸である(図 1B)。 rtTLR5Mは、ヒト TLR5、 マウス TLR5および fgTLR5とそれぞれ 40. 1、 40. 5%および 48. 5%の相同性を 有する。 rtTLR5Mは、他のヒト TLR5、マウス TLR5および fgTLR5と 25%未満の相 同性を示した。マウス TLR5およびヒト TLR5の細胞外ドメイン中に存在する 10個の システィンが、 rtTLR5Mにお!/、て保存されて 、た。
[0192] 図 1Cは、 rtTLR5Sおよび rtTLR5Mのドメイン配向を示す模式図である。各ドメイ ンを、 SMARTプログラムを用いて予測した。 LRR— CTは、ある LRRドメインと類似 する C末端隣接領域を示す。 [0193] さらに、表 1に示す特異的プライマーセットを使用して、 rtTLR5M特異的メッセ一 ジおよび rtTLR5S特異的メッセージについて、 7つの組織を調べた。 rtTLR5Sおよ び rtTLR5Mの組織分布を示す RT—PCRの結果を図 1Dに示す。 rtTLR5Mは全 ての組織で普遍的に発現して 、たが、 rtTLR5Sは肝臓に優勢に存在した。
[0194] なお、 cDNAのアラインメントおよびモチーフ分析を、 Macintosh G4上で、 GEN ETYX, Clustal Wを用いて行った。 -ジマス(rt)の遺伝子配列(IL— 1 j8 (AJ004 821)、TNF— a (AJ277604)、および j8—ァクチン (AJ438158)を、 NCBIより得 た。
[0195] 〔実施例 2 :rtTLR5Sおよび rtTLR5Mの遺伝子特性〕
rtTLR5Sおよび rtTLR5Mの遺伝子特性を調べた。 rtTLR5Sおよび rtTLR5M のェクソン一イントロン構造を、図 2Aに示す。黒バーは、 rtTLR5Sおよび rtTLR5M のコード領域を示す。挿入領域でのイントロンを、灰色のバー(757bp)で示す。
[0196] 図 2Aに示すように、 rtTLR5S遺伝子は、シグナルペプチドの近く(ATG開始コド ンカら 20bp)に 757bpのイントロンを有した力 rtTLR5Mの遺伝子は、イントロンを 有さない。
[0197] 次!、で、サザンブロット分析を行うために以下のようなプローブを設計した: rtTLR5 Mの TIR領域をカバーするプローブ(プローブ M :rtTLR5Mの 1867〜2707nt、 8 41bp);ならびに、 rtTLR5Sおよび rtTLR5Mに大きく共通する LRR領域をカバー するプローブ(プローブ S: rtTLR5Sの 354〜 1314nt、 96 lbp)。
[0198] サザンブロットを以下のように行った。 -ジマス肝臓力も抽出した 10 /z gのゲノム DN Aを、種々の制限エンドヌクレアーゼで消化し、標準的な電気泳動分離法によって 1 . 0%ァガロースゲル上で分離した。製造業者の指示書に従って、ァガロースゲルか らナイロン膜(Hybond N + , Amersham Biosciences)上に DNAを転写した。 MegaPrime DNA labeling system (Amersham Biosciences) 使用し飞、 PCR増幅したプローブ Sおよび M (図 2A)を、 [ α—32 P] dCTPで標識した。 Expres sHyb Solution (BD Sciences)中で 1時間、ハイブリダィゼーシヨンを行った。ノヽ イブリダィゼーシヨン後、ブロットを、 0. 1% SDSを含む 0. 1 33。中にて50。。で2 0分間を 2回洗浄した。ブロットを、イメージングプレートに供して、 FLA imaging a nalyzer (Fuji Film, Japan)を使用して分析した。
[0199] 図 2Bおよび図 2Cは、サザン分析の結果を示す。プローブ Sおよびプローブ Mを、 それぞれ図 2Bおよび図 2Cでのサザン分析に使用した。 10 gのニジマスゲノム DN Aを、示した制限酵素によって消化した。消化物を、ァガロースゲル電気泳動に供し 、そして Hi— bond N+ nylon membraneに転写した。プローブ S (図 2B)および プローブ M (図 2C)によって検出したバンドをそれぞれ示す。マーカーを左側に示す
[0200] rtTLR5の DNAの ORF、イントロン、および 3, 一 UTのヌクレオチド配列に基づけ ば、 rtTLR5S中においてプローブ Sの下流に EcoRI、 Hindlllおよび Pstlが各々 1 つ存在する(図中、制限部位を、 E (EcoRl)、 H (Hindlll)および Ps (Pstl)で示す) 。従って、制限フラグメントの長さに基づけば、フラグメントのサイズは 2. 4kbpより長 いはずである。各レーンにおいて予想された 2つのフラグメントに加え、サザンブロット において得られた実際のフラグメントは、 2. 4kbp未満であった(図 2B)。このことは、 同様の配列ではあるが異なる配列を有するさらなる遺伝子の存在を示唆する。 Pstl および EcoRIで消化した場合に、プローブ Sを用いて約 1. 5kbpのフラグメントを検 出した。このことは、さらにこの点を確認する。
[0201] 図 2Cに示すように、 EcoRIで消化したレーンまたは Pstlで消化したレーンにおい て、約 lkbpのフラグメントを検出した。このことは、 rtTLR5M遺伝子の存在を反映す る。 Hindlll消化の際に得た 3. 5kbpのフラグメントは、 rtTLR5M遺伝子に対応し得 る。さらに上のバンド (薄いバンド)は、同様の TIR配列を含むさらなる配列の存在を 示唆する。さら〖こ、本発明者らはまた、 rtTLR5Mに類似のペプチドをコードする推定 のコード領域中に多くの終始コドンを有する偽遺伝子 (第 3の遺伝子)を配列決定し た (データは示さず)。
[0202] 〔実施例 3 :rtTLR5Sは V. anguillarumに反応して誘導される〕
次に、 rtTLR5Sが V. anguillarumでの感染によって上方制御されるか否かを調 ベた。具体的には、死菌 V. anguillarumでの細胞刺激後の rtTLR5M、 rtTLR5S および rtIL— 1 j8の mRNAを、 RT—PCRによってモニタリングして、 V. anguillaru mに対する RTH— 149細胞の応答を調べた。 V. anguillarumは、 Dr. Takaji lid s (National Research Institute of Aquaculture, Fisheries Research A gency)より供与された。
[0203] RT— PCRを以下のように行った。 TRIsol試薬を使用して、総 RNAを、 RTH— 14 9細胞から単離した。精製した RNAサンプルを、逆転写反応のテンプレートとして使 用した。各タイプの rtTLR5、 rtIL- 1 ]3、 rtTNF— a、およびコントロールとしての rt βーァクチンについて特異的なプライマーを使用して、以下の条件を用いて PCRを 行った: 94°Cで 2分間の最初の変性、 94°Cで 30秒間、 55°Cで 30秒間および 72°C で 1分間を 25〜40サイクル。 RT—PCRに用いたプライマーの配列を表 2に示す。 P CR産物を、 1. 5% (wZv)ァガロースゲルで分離し、ェチジゥムブロミド(1 /z gZml) で可視化した。 3回の独立した実験を行レ、、代表的な一例を図 3に示した。
[0204] [表 2]
(表 2 : R T— P C Rに使用したフライマ一) rtTLR5M 5' -CCTTCTGCTGATGGGCCTCG-3' (配列番号 22)
5' -GCTTAAGCATACAGGCTGTGGAA-3' (配列番号 23) rtTLR5S 5' -CAGTGCTTCAAGTTATCTGCGAGG-3' (配列番号 24)
5' -TCCACATCGTTTCCAGTCAAAACC-3' (配列番号 25) rt I L-1 β 5' -GGCGCGGGGGTTACCATGGGAACCG-3' (配列番号 26)
5' -GGCGGTTGGGGGCTGCCTTCTGACA-3' (配列番号 27) rtTNF-ひ 5' -GACACCTGAAGACATGGAGAGG6GC-3' (配列番号 28)
5' -TCGGTCAGTCGATTGGTCTCAGTCC-3' (配列番号 29) rt - / S -ァクチン 5' -ATTCGCCGGAGATGACGCGCCTCG-3' (配列番号 30)
5' -CCTTCTGCATCCGGTCAGC6ATGC-3' (配列番号 31 ) 図 3に示すように、休止期の RTH— 149細胞において、 rtTLR5S mRNAはわず かに検出可能であった。 rtTLR5S mRNAは、細菌刺激 4時間後に誘導された。 m RNAレベルは、 6時間で最大となり、次いで、徐々に減少した。一方、 rtTLR5Mの mRNAは、この細胞株において刺激に関係なく構成的に発現した。同一の条件下 で、急性期のサイト力インである rtIL一 1 j8は、 1時間以内に上方制御されそして 3〜 10時間にわたるピークを示した。
[0205] これらの結果より、 rtTLR5Sは、刺激に応答する急性期のタンパク質であることが わかった。生殖系のリンパ細胞株である RTG— 2において rtTLR5Sの誘導プロファ ィルを観察し、定量的 PCRによって確認したところ、 RTH— 149細胞において得ら れた結果と同様であった (データは示さず)。
[0206] 以上のことから、 rtIL - 1 βおよび rtTLR5Sの急性期の応答は、主に細菌刺激に よって生じ、おそらく rtTLR5の膜結合形態を介すると考えられた。
[0207] 〔実施例 4 :リコンビナント V. anguillarumフラジェリンの精製〕
リコンビナント GST— FlaAおよび GST— FlaCを E. coliにおいて生成し、これらの タンパク質を、 glutathione— Sepharoseを用いて精製した(図 4A)。
[0208] 具体的には、リコンビナントフラジェリンの産生を以下のように行った。 V. anguillar umのゲノム DNAを、 Sambrookらの方法(Sambrook et al. , Molecular Clon ing : A Laboratory Manual, 3rd Ed. , Cold Spring Harbor Laboratory , Cold Spring Harbor, NY (2001) )によって単離した。 flaA (AAB06995)お よび flaC (U52119)を GSTとインフレームで融合させるために、ゲノム DNAからコ ード領域を増幅した。 flaAをクローユングするためにプライマー(5, - ccggatccatga ccattacagtaaatactaacgtctcagcaatg― a (目己列 ¾·号 32)および 5 — atcccgggtt actgcaatagtgacattgcagaatttggcaactg― 3 ' (酉己歹 U番号 33) )を、 flaCをクロー- ンクする 7こめにフフィマ1 ~~ (5 ― ccggatccatggcggttaatgtaaacactaacgtttcagc― 3 (酉己列番号 34)および 5 ― ccgaattcttaaccaagcaaaccaagagcagcattagg― 3 (配列番号 35) )を使用した。得られた PCR産物を PCR— Blunt vector (Invitroge n)に先ずクロー-ングし、次いで、 pGEX— 2T vector (Amersham Biosciences )の BamHlZSmal部位(flaA)および BamHlZEcoRI部位(flaC)にクロー-ング し、それぞれ pGEX2TZFlaAおよび pGEX2TZFlaCと名付けた。 E. coli BL21 (DE3) pLysE細胞を、 pGEX2TZFlaAまたは pGEX2TZFlaCで形質転換し、 G STタグ化フラジェリン A (GST— FlaA)および GSTタグ化フラジェリン C (GST— Fla C)を、 glutathione― sepharose (Amersham Biosciences)を^造業者の指 書に従って使用して、可溶ィ匕した細胞カゝら精製した。精製した GST— FlaAおよび G ST— FlaCを、製造業者の指示書に従ってトロンビンで消化して、リコンビナントフラ ジエリン A (rFlaA)およびリコンビナントフラジェリン C (rFlaC)と名付けた。これら産物 の純度を、 SDS— PAGEによって確認した。
[0209] リコンビナントフラジェリン調製物中の LPS夾雑は、 LPS検出キットの検出限界未満 であった(< 0. 02pM)。 LPSの影響のわずかな可能性を完全に排除するために、 精製した物質を、ポリミキシン Bでさらに試験した。
[0210] 精製した rFlaAおよび rFlaCを SDS— PAGE ( 10%ゲル)によって分離し、 Bio— S afeTMクーマシーブルーで染色した結果を、図 4Aおよび図 4Bに示す。図 4Aは、 GS T—フラジェリン融合タンパク質を示し、図 4Bは、トロンビンによって GSTが除かれた フラジェリンタンパク質を示す。精製した GST融合タンパク質は 60kDaであり、これは 、フラジェリン配列 + GSTタグ力 予測される分子量に一致した。
[0211] 〔実施例 5:リコンビナントフラジェリンタンパク質による RTH— 149細胞または RTG
2細胞の刺激〕
血球細胞において rtTLR5Mがフラゲリンを認識するか否かを試験するために、 R TH— 149細胞を精製した rFlaAで刺激した。
[0212] RTH— 149細胞および RTG— 2細胞(American Typr Culture Collection , Manassas, VA)を、 minimal Eagle s medium (MEM, issui, ToKyo, Jap an)、 0. ImM MEM 非必須アミノ酸溶液および ImM MEM ピルビン酸ナトリ ゥム溶液中で培養し、 6cmディッシュプレート中に播種し、 2日毎に培地を交換した。 細胞(1 X 107細胞)を、凍結融解した rFlaA ( 1 μ g/ml)で刺激した。総 RNAを、 R Neasy mini kit (Qiagen, Valencia, CA)を使用して単離し、上述したように RT PCRを行った。 PCR産物を、 1. 5% (wZv)ァガロースゲルで分離し、ェチジゥム ブロミドで染色した。 iQ SYBER Green Supermixを用いて定量的 PCRを行い、 増幅した PCR産物を iCycler iQ real-time PCR analyzing system (Bio - Rad)によって測定した。
[0213] rFlaAで刺激した RTH— 149細胞および RTG— 2細胞における種々の mRNAに ついての RT— PCRの結果を、図 4Cに示す。図 4C〖こ示すよう〖こ、精製した rFlaAで の細胞刺激後の rtTLR5M、 rtTLR5S、 rtIL— 1 βおよび rtTNF— aの mRNAを 、 RT— PCRによってモニタリングした。 rt— β—ァクチンをコントロールに使用した。 PCR産物を、ゲル電気泳動(1. 5% ΤΑΕァガロース)によって分析し、ェチジゥム プロミド(Ι /z gZml)で可視化した。 3回の独立した実験のうち、代表的な一例を示し [0214] rFlaA刺激は、 V. anguillarum刺激の場合と同様に、 rtTLR5Sおよび rtIL 1 β の誘導を導いた。 rtTLR5Sおよび rtIL— 1 j8の mRNAレベルは、実施例 3で示した 細菌感染によって生じるプロファイルと同様のプロファイルでフラゲリンによって誘導 された。し力し、精製した rFlaAを用いて rtTLR5Mを誘導することはできなかった。 RTG— 2細胞を用いた場合もまた、 rFlaAに反応するサイト力インおよび rtTLR5S に関する同様の誘導プロファイルを観察した。
[0215] これらの結果を定量的 PCRによってさらに確認した結果を、図 4Dに示す。図 4Dに お!、て、 rFlaA刺激 48時間後までの示した時間点における rtTLR5Sおよび rtTLR 5Mの mRNAレベルを示した。図 4Dに示すように、 V. anguillarum媒介性の rtTL R5Sの上方制御が観察された。
[0216] 以上のように、魚類において、血球細胞によるフラゲリン認識は、 V. anguillarum 媒介性の rtTLR5S上方制御の主要な原因であると考えられる。 rtTLR5Mはこれら の細胞株において構成的に発現しているので、 rtTLR5Mはこれらの細胞株におけ る最初のフラゲリン認識に関与し得る。実際に、 RTH— 149細胞でのフラゲリンによ るサイト力イン誘導の持続時間は、ヒト榭状細胞において観察されるものと一致した。 従って、細菌感染に起因する rtTLR5Sの誘導は、外因的に添加されたフラゲリンに よって模倣され得る。
[0217] 〔実施例 6:レポーターアツセィのための構築物〕
フラジェリンはヒト TLR5およびマウス TLR5に対するリガンドであるので、 rtTLR5S がフラジェリンを認識するか否かを試験するために、 rtTLR5Sと、ヒト TLR5の膜貫通 ドメインおよび TIRドメインとからなる融合レセプター cDNAを作製した。
[0218] 具体的には、 FLAGタグ化した rtTLR5S細胞外ドメイン(アミノ酸 29〜597位)をコ ードする cDNAを、 huTLR5の C末端隣接領域、膜貫通領域および細胞内ドメイン( アミノ酸 574〜858位)をコードする cDNAに融合することによって、 S キメラを構築 した。この構築物を、 pEFBOS発現ベクター中にクローユングした。
[0219] 全長 huTLR5を、プライマー hu5F (配列番号 20)および hu5R (配列番号 21) (表 1)を使用する RT— PCRによって、ヒト単球 cDNAから得た。 huTLR5の cDNAを p EFBOSプラスミド中に挿入した。 [0220] ヒト E—セレクチン(ELAM)のプロモーター領域(一241〜一 54)を、 pGV— E2 (T oyo Inc, Tokyo, Japan)の ΚρηΙ—HindIII部位に連結した。このプラスミド(pEL AM— lucと名付けた)を、 NF— κ Β活性化についてのレポーターとして、以下の実 験において使用した。 phRL— ΤΚベクター(Promega)を内部標準として使用した。
[0221] 〔実施例 7 : S—キメラタンパク質によるフラジェリンの認識〕
NF- κ Bについてのレポーター遺伝子アツセィを以下のように行って、 NF— κ B 活性化を試験した。
[0222] Hela細胞(Japanese Cell Resource, Osaka, Japan)を、 5〜: L0%の熱非働化 ゥシ胎仔血清(FCS ;JRH biosciences, Lenexa, KS)を含む Dulbecco' s modi fied Eagle' s medium (Invitrogen)中で培養し、 24ゥエルプレート(1 X 10°細胞 Zゥエル)に播き、 12時間インキュベートした。次いで、 S—キメラ、 huTLR5 (100ng )の発現のための pEFBOS、またはコントロールとしてのベクター単独を、 pELAM— lucレポーター遺伝子(lOOng)とともに LipofectAMINE Plus reagent (Invitro gen)を使用して、上記細胞に一過性にトランスフエタトした。トランスフエタトした DNA の総量 (400ng)を、空ベクターを添加することによって調整した。 phRL—TK(0. 1 ng)を内部標準として使用した。 36時間培養した後、トランスフエクシヨンを行った。
[0223] 次いで、細胞を、 rFlaA(0. 01、 0. 1、 1 gZml)で、 37°Cで 5時間処理した。
[0224」 糸田胞 lysis buffer (Promega)で溶解し、 dual— lucif erase reporter gene assay kit (Promega)の試薬およびプロトコルを使用して、 luminometer (model: BLR- 201, Aloka, Tokyo, Japan)で、ルシフェラーゼレポーターアツセィを行つ た。 Renila lusiferase内部標準を用いる光強度測定より比活性を算出した。値を、 別々の 3回の実験での最小値力 の相対刺激平均士 S. D.として示した。
[0225] ネイティブな Hela細胞は、 TLR5を発現せず、フラジェリンに反応しな 、(データは 示さず)。このキメラの cDNAを Hela細胞にトランスフエタトし、キメラタンパク質の発 現を、抗 FLAG抗体を用いるィムノブロッテイングによって確認した(データは示さず) 。 rtTLR5Sがフラジェリンに反応する能力を有している場合、このキメラレセプターは 、ェクトドメインによってフラジェリンの存在を認識し、 Hela細胞において TIRを介して NF— κ Βを活性ィ匕し得る。 [0226] Hela S -キメラ形質転換体および huTLR5形質転換体における NF - κ Β活性 を測定するためのルシフェラーゼレポーター遺伝子アツセィの結果を、図 5Αに示す 。図 5Αにおいて、 Hela細胞に、 ELAM—ルシフェラーゼレポータープラスミドととも に、空ベクター (左)、 S—キメラ(中央)、または huTLR5 (右)をトランスフエタトした。ト ランスフエクシヨンの 36時間後、細胞を、示した濃度の FlaAで 5時間刺激した。 NF— κ B活性化の程度を、細胞溶解物でのルシフェラーゼアツセィによって測定した。
[0227] 図 5Aに示すように、 S—キメラ分子は、 Hela細胞において、同様の発現レベルのヒ ト TLR5と同程度にまで NF— κ Bレポーター遺伝子を活性化した。また、 rFlaAおよ び rFlaCは、同一の S—キメラ刺激能を有した (データは示さず)。
[0228] 特異性を試験するために、 S—キメラを、 MALP— 2 (TLR2のリガンド)、 poly (l : C ) (TLR3のリガンド)、 LPS (TLR4のリガンド)、非メチル化 CpG— ODN (TLR9のリ ガンド)および rFlaA (TLR5のリガンド)で刺激した結果を、図 5Bに示す。 LPSを BD Biosciences (San 】056,じ八)ょり購入し7こ。 01 (1 :じ)を、八1116 5]1&111 Biosci ences (Buchinghamshire, UK)より入手した。 MALP— 2を Biologica (Nagoya, Japan)にお!/、て合成した。ペプチドグリカン(PGN)を Staphylococcus aureus力 ら精製した。 Polymyxin Bを Sigmaより入手した。ヌクレオチドプライマーおよび Cp Gモチーフを含むオリゴヌクレオチド(ODN) (CpG - ODN)の全てを Hokkaido S ystem sciences (¾apporo, j apan)で合成し 7こ。
[0229] 図 5Bは、 rFlaA l /z gZml LPS O. 1 μ g/ml) , PGN ( 10 μ g/ml) , poly (I
: C) (2 /z gZml)または CpG— ODN (2 /z M)で細胞を 6時間刺激し、図 5A同様に NF— κ Β活性を測定した結果を示す。実験を三連で行い、結果を平均士 S. D.で 示した。 3回の実験のうち 1つを示した。
[0230] S—キメラまたは huTLR5を発現する細胞は、排他的に rFlaAを認識して NF— κ Βレポーター遺伝子を活性ィ匕した力 MALP— 2 ( 100ηΜ) (データは示さず)だけ でなく他の 、ずれの刺激にも応答しな力つた。
[0231] 以上の結果より、 rFlaAと rtTLR5Sとの間に機能的な相互作用が存在することが わかった。
[0232] 〔実施例 8 : M—キメラタンパク質は rtTLR5Sと組み合わせることによってフラジェリ ンを認識する〕
全長 rtTLR5Mを発現させた Hela細胞および CHO細胞において、 NF— κ Β応答 を検出しなかった(データは示さず)。そこで、 rtTLR5Mの LRRと huTLR5の ΤΜお よび TIRとからなるキメラを用いて、 NF— κ B活性ィ匕を測定した。
[0233] S—キメラと同様に、 FLAGタグ化した rtTLR5M細胞外ドメイン(アミノ酸 21〜596 位)をコードする cDNAを、 huTLR5の C末端隣接領域、膜貫通領域および細胞内 ドメイン(アミノ酸 574〜858位)をコードする cDNAに融合することによって、 M—キ メラを構築した。
[0234] チャイニーズノヽムスター卵巣細胞(CHO細胞、 Japanese Cell Resource, Osak a, Japan)を、 Ham, s F12 medium (Nissui)中で培養した。
[0235] Hela細胞または CHO細胞を、 24ゥエルプレート(1 X 106細胞 Zゥエル)に播き、 1 2時間インキュベートした。次いで、 M—キメラ、 huTLR5の発現のための pEFBOS ( lOOng)、またはコントロールとしてのベクター単独を、 pELAM—lucレポーター遺 伝子(lOOng)とともに LipofectAMINE Plus reagent (Invitrogen)を使用して 、上記細胞に一過性にトランスフエタトした。トランスフエタトした DNAの総量(400ng )を、空ベクターを添加することによって調整した。 phRL -TK (0. lng)を内部標準 として使用した。 36時間培養した後、トランスフエクシヨンを行った。また、示したように 、 M—キメラ発現細胞における NF— κ Βプロモーター活性に対する外因的に添加し た rtTLR5Sの効果を測定した。すなわち、 M—キメラでトランスフエタトした 24時間後 、 M—キメラ発現細胞の培養培地を、 pEFBOSZrtTLR5S cDNA ( l、 10、 100η g)を一過性にトランスフエタトして 12時間培養した CHO細胞または Hela細胞の馴化 培地と置換した。
[0236] 次いで、細胞を、 rFlaA (0. 01、 0. 1、 1 gZml)、 LPS (0. 1 gZml)、 PGN ( 10 g/ml)、 polu (l : C) (2 μ g/ml)、または CpG— ODN (2 μ M)で、 37°Cで 5 時間処理した。必要に応じて、リコンビナント rtTLR5S ( l、 10、 lOOngZml)を、 M —キメラ発現細胞培地に、 rFlaAの刺激 12時間前に直接添加した。細胞を rFlaAで 5時間刺激した。細胞を lysis buffer (Promega)で溶解し、 dual— lucif erase rep orter gene assay kit (Promega)の試薬お びプロトコノレ 使用して、 luminom eter (model : BLR— 201 , Aloka, Tokyo, Japan)で、ルシフェラーゼレポーターァ ッセィを行った。 Renila lusifemse内部標準を用いる光強度測定より比活性を算出 した。値を、別々の 3回の実験での最小値からの相対刺激平均士 S . D.として示した
[0237] ELAM—ルシフェラーゼレポータープラスミドとともに空ベクター(左バー)または M —キメラ (右バー)をトランスフエタトした CHO形質転換体および Hela形質転換体に おける M—キメラのシグナル伝達を、図 6に示す。図 6Aは、 M—キメラを発現する C HO細胞(左)および Hela細胞(右)における NF— κ Β活性測定についてのルシフエ ラーゼレポーター遺伝子アツセィの結果であり、トランスフエクシヨンの 36時間後、細 胞を、示した濃度の FlaAで 5時間刺激した。 NF - κ Β活性化の程度を、細胞溶解 物でのルシフェラーゼアツセィによって測定した。
[0238] Μ—キメラの rFlaA ( l μ g/ml)に対する応答(図 6A)および rFlaCに対する応答( データは示さず)を、 CHO系における NF— κ B活性ィ匕として検出した力 応答の程 度は低力つた。また、 M—キメラ発現 Hela細胞において検出されたフラジェリン媒介 性 NF— κ Β活性ィ匕はわずかであった力 これはおそらぐトランスフエクシヨン効率が 低いことに起因すると考えられた。
[0239] Μ—キメラまたは huTLR5を発現する細胞を種々の TLRリガンドで刺激した結果を 、図 6Bに示す。 CHO (上パネル)または Hela (下パネル)を、 rFlaA ( l μ g/ml)、 L PS (0. 1 μ g/ml) , PGN ( 10 μ g/ml) , poly (I: C) gZml)または CpG— O DN (2 /z M)で 6時間刺激し、図 6A同様に NF— κ B活性を測定した。
[0240] 図 6Bに示すように、 TLRリガンド(LPS (0. 1 μ g/ml) , PGN ( 10 μ g/ml) , pol y (l : C) (2 μ g/ml)および CpG— ODN (2 M) )は、これらの最適な濃度にお!ヽて でさえ NF— κ Bの活性ィ匕を誘導しな力つたことから、 M—キメラ発現細胞における N F - κ Bの活性ィ匕は、 rFlaAに特異的であることがわかった。
[0241] 以上のことから、哺乳動物のアダプター分子に対して rtTLR5Mの TIRが適合しな いので NF— κ B応答を生じないと考えられた。
[0242] 次!、で、 rtTLR5Mと rtTLR5Sとを組み合わせた効果を調べた。 rtTLR5S発現 C HO細胞の馴化培地 (rtTLR5Sを含む)を、 M—キメラ発現細胞に添カ卩して、 rFlaA でこの細胞を処理した。 M—キメラを発現する CHO細胞 (左パネル)または Hela細 胞 (右パネル)において、 rtTLR5S発現細胞の上清を添加することによるフラジェリ ン依存的 NF— κ B活性化の効果を、図 6Cに示す。実験を三連で行い、結果を平均 士 S . D.で示した。
[0243] M—キメラ発現 CHO細胞は、 rFlaA (左から 2番目)にわずかに応答した力 空べ クタ一を有する細胞(コントロール;左)では効果はなかった。種々の量の rtTLR5Sプ ラスミド(1〜: LOO μ g)をトランスフエタトした CHO細胞の培養上清を、刺激 12時間前 に M—キメラ発現細胞に添加した。 rFlaA刺激後 5時間のインターバルをおいて、細 胞を回収し、細胞溶解物での NF— κ B活性を、ルシフェラーゼアツセィによって測 定した (左パネル)。 M—キメラ発現 Hela細胞において、同様の実験を行った。 M— キメラを有する Hela細胞は、わずかに rFlaAに応答したが (左から 2番目)、馴化培 地存在下で、 rFlaAに有意に応答した (右パネル)。
[0244] 以上のように、 M—キメラ発現細胞において、トランスフエタトされた rtTLR5S (CH O細胞培地中に存在する)の cDNAの用量に比例する NF— κ B活性ィ匕を生じた。 同一の系において M—キメラ発現細胞の上清を添カ卩しても、このような NF— κ Β活 性ィ匕の上方制御を生じな力つた (データは示さず)。 Μ—キメラ発現 Hela細胞にぉ ヽ て、フラジェリン媒介性 NF— κ B活性ィ匕は、 rtTLR5S発現 Hela細胞の馴化培地の 存在下でより強く生じた。
[0245] 〔実施例 9:フラジェリンに対する rtTLR5Sの物理的な結合〕
NF - κ B活性化における rtTLR5Mに対する rtTLR5Sの協同効果を確認するた め【こ、 Bac— To— Bac baculovirus expression system (Invitrogen) 用 ヽて 、バキュロウィルス系においてリコンビナント rtTLR5Sを生成し、 rtTLR5Sタンパク 質の GST— FlaAに対する物理的な結合を調べた。
[0246] 具体的には、 Hisタグを C末端に有する rtTLR5S全長を、 PCRを用いて作製した
6
。 cDNAを、 pFastBac lプラスミドの Sail— Notl部位の間に挿入し、 pFast— Bac l ZrtTLR5Sと名付けた。 Hisタグを有する rtTLR5Sをコードする Bacmid DNAを
6
作製するために、 E. coli DHlOBac細胞を、この細胞のトランスポジション活性を用 いて pFast— BaclZrtTLR5Sで形質転換した。標準的方法によって細胞力 bac mid DNAを得、 UniFECTOR (B— Bridge International, San Jose, CA)に よって Sf21細胞に移入してリコンビナントウィルスを作製した。このリコンビナントウイ ルスを使用して、多重度 5で無血清培地中にて単層の Sf21細胞を感染させた。 3日 [¾,培養した後、 nickel— nitrilotriacetic acid beads (Qiagenリおよび Mono Q イオン交換カラム(Amersham Biosciences)を使用して、 rtTLR5Sタンパク質を 培地力も精製した。抗 Hisタグ抗体を使用するィムノブロッテイングによってタンパク
6
質を同定した。この手順で、 500mlの培養培地から 5 §の rtTLR5Sを得た。
[0247] 次いで、フラジェリンに対する rtTLR5Sの物理的な結合を、 His標識 rtTLR5Sの
6
GST— FlaAに対する結合能を指標にする GST—プルダウンアツセィによって評価 した。
[0248] 簡単には、 300 μ 1の PBS (pH8. 0)中に 20ngの rtTLR5Sおよび示した量(0〜5 μ g)の GSTまたは GST— FlaAを、 4°Cで 2時間インキュベートし、 10 μ 1の glutathi one— Sepharose 4Bとともに穏やかに振騰させながら 4°Cでインキュベートした。 G1 utathione— Sepharoseを、遠心分離によって回収し、 PBSで 4回洗浄した。還元 条件下で Sepharoseからタンパク質を溶出した。溶出物を、抗 His抗体 (0. 2 μ g/
6
ml)を用 ヽてィムノブロッテイングに供した。 horseradish peroxidase― labeled g oat anti- rabbit IgG second antibody (BIO - SOURCE, Camarillo, CA) および ECL kit (Amersham Biosciences)を用いて発色させた。結果を、図 7A に示す。
[0249] また、結合タンパク質の量を、 GST— FlaAとは結合しない lamprey complemen t3 (AY359861)の量と比較したところ、 rtTLR5Sと GST—FlaAとの結合は特異的 であることがわかった(データは示さず)。すなわち、この結合アツセィは、 rtTLR5S 力 Sフラジエリンに対する親和性を有することを示した。
[0250] 〔実施例 10 : rtTLR5Sの機能的特性〕
次いで、 rtTLR5Sの機能的特性を、 M—キメラ発現細胞において試験した。
[0251] 上述したように、 M—キメラ発現 CHO細胞および M—キメラ発現 Hela細胞を作製 した。バキュロウィルス系を用いて作製した上述のリコンビナント rtTLR5Sをこれらの 細胞に添カ卩して、上述の NF— κ Βレポーターアツセィを用いて rFlaAに対する感受 性を調べた。
[0252] M—キメラを発現する細胞において、精製した rtTLR5Sを添加することによるフラ ジエリン依存的 NF— κ Β活性ィ匕の効果を。図 7Βに示す。 Μ—キメラを発現する CH Ο細胞(上パネル)または Hela細胞 (左パネル)は、空ベクターを有する細胞(白バー 、コントロール)と比較して、わずかに rFlaAに応答した (斜線バー、右)。種々の量の 精製 rtTLR5S ( lngZml、 lOngZmlおよび lOOngZml)を、刺激 12時間前に M —キメラ発現細胞に添加した。 rFlaA刺激後 5時間のインターバルをおいて、細胞を 回収し、細胞溶解物での NF— κ B活性を、ルシフェラーゼアツセィによって測定した 。実験を三連で行い、結果を平均士 S. D.で示した。
[0253] 図 7Bに示すように、可溶性形態である rtTLR5Sタンパク質(1〜: LOOngZml)は、 NF - κ Bレポーターアツセィにおいて、 M—キメラ発現 CHO細胞および M—キメラ 発現 Hela細胞を rFlaAに対してより感受性にした。特に、 rtTLR5Mを有する Hela 細胞は、 rtTLR5Sに対して顕著に応答した。すなわち、リコンビナント rtTLR5Sの 外因的な添加が、 M—キメラ発現細胞における rFlaA依存的 NF— κ Β活性ィ匕を誘 導した。
[0254] 以上の結果より、 rtTLR5Mによるフラジェリンの最初の認識力 rtTLR5Sおよび 炎症性サイト力インを肝臓における基底レベルまで誘導し、次に、 rtTLR5Mと誘導 された循環系 rtTLR5Sとの組み合わせ力 強い NF— κ Β活性化を刺激し、全身で のフラジェリンに対する完全な応答を導くと考えられる。
[0255] 〔実施例 11 :可溶性形態の-ジマス Toll— like receptor 5オルソログ〕
可溶性形態の Toll— like receptor 5オルソログ (TLR5S)は、魚類にのみ存在 し、哺乳動物においてはこのような分子は存在しない。このような独特の分子種であ る-ジマス TLR5S (rtTLR5S)について、さらなる解析を行った。
[0256] rtTLR5Sの推定のアミノ酸配列、および rtTLR5Sと他の種の TLR5とのァラインメ ントを図 8に示す。
[0257] 図 8Aは、 rtTLR5Sと huZmoZfgTLR5の細胞外 LRRドメインとを比較したァライ ンメントを示す。 cDNAのアラインメントおよびモチーフ分析を、 GENETYX, Clusta 1 Wを用いて行った。 -ジマス (rt)の遺伝子配列を、 NCBIより得た。 BLAST検索 分析を、 Fugu BLASTサ―ノ — (http : //fugu. hgmp. mrc. ac. uk/blast Z)にて tblastnプログラムを使用して行った。ェクソン Zイントロン境界を予測するた めに、 GeneMark, nmm (nttp: / / opal, biology, gatech. eduZ GeneMarkz )プログラムおよび GeneScan (http : ZZgenes. mit. eduZGeneMarkZ)プログ ラムを使用した。得られた結果を、哺乳動物 TLRと手動で比較することによってさら に改善した。ドメイン構造を、 SMARTプログラムを使用して予測した。さらに、 TMH MM (http: Z / www. CDs. dtu. dk/ services/ ΓΜΗΜΜ— 2. 0/ )フ—ログフム を使用して、 rtTLR5S中の膜貫通ドメインを予測した。このプログラムはまた、 rtTLR 5S中に膜貫通ドメインが存在しな ヽことを支持した。 TLRタンパク質配列のァラインメ ントを、 DDBJの WWWサーバー(http : //hypernig. nig. ac. jp)において Clust al Wを使用して行った。
[0258] 図 8Aにおいて、哺乳動物および魚類を超えて保存されているシスティンを四角で 囲む。 TMは膜貫通ドメイン、 TIRは TIRドメインを示す。星印は、保存されたアミノ酸 を示す。 huTLR5、ヒト11^5 (配列番号39); moTLR5、マウス TLR5 (配列番号 41 ); rtTLR5、 -ジマス可溶性形態 TLR5 (配列番号 2); fgTLR5、 fugu TLR5 (配 列番号 43); fgTLR5S、 fugu可溶性形態 TLR5 (配列番号 45)。各ドメインを、 SM ARTプログラムを使用して予測した。 V、くつかの膜貫通領域を TMHMMプログラム によって予測した。
[0259] その結果、 rtTLR5のアミノ酸一次配列(AB062504)は、 1992bpの ORFおよび 1223bpの 3,一 UTRからなる。 SMART分析は、このタンパク質中の 11個の LRRが 、可溶性形態の fgTLR5と高い相同性(58%)を有することを示した。 rtTLR5Sは、 した。 rtTLR5Sは、ヒトまたはマウスの他の TLRの LRRドメインとは 25%未満の相同 性を示した。 moZhuTLR5の LRRドメイン中のシスティン 11個中 9個力 rtTLR5S において保存されていた。 BLAST検索解析は、このタンパク質が哺乳動物ではマウ ス TLR5に最も類似することを示唆した。
[0260] 図 8Bは、 rtTLR5の K—Dプロット分析の結果を示す。モチーフ検索、 K—Dプロッ トおよび Clustal W比較は、この魚類 LRRタンパク質が膜貫通部分および TIRを有 さないことを示した。
[0261] 〔実施例 12 : rtTLR5Sとヒト TLR5の TIRとのキメラによるフラジェリンの認識〕
フラジェリンは、 huZmoTLR5のリガンドであるので、 rtTLR5Sが種々の細菌由来 のフラジェリンを認識する力否かを試験した。
[0262] 本試験のために、本発明者らは、 rtTLR5Sの cDNAと huTLR5の膜貫通ドメイン および TIRドメインの cDNAとのキメラレセプター cDNA (S キメラ)を作製した。
[0263] rtTLR5S cDN Aの全長を、 SMART RACE cDNA Amplification Kit (B D Biosciences)を使用して、ロイシンリッチリピートを含む ESTクローン (AF28134 6)よりクローユングした。肝臓 cDNAテンプレート、および、プライマー 1特異的エンド プライマーまたはプライマー 2特異的エンドプライマー(BD Biosciences)の!、ずれ 力と対の rtTLR5S遺伝子特異的内部プライマーを用いて、 PCRを行った。 PCRァ ンプリコンをクローニングして配列精度を評価した。最終的に、プライマー F2 (cagtg cttcaagttatctgcgagg (酉己歹 U番号 24) )およびプライマー R2 (tccacatcgtttccagtca aaacc (配列番号 25) )を用いる RT— PCRによって、肝臓 cDNAライブラリーより rtT LR5Sの cDNA全長を得た。シグナル配列を除く rtTLR5Sをコードする cDNAを、 p FLAG - CMVプラスミドの Hindlll - Sail部位に挿入した。
[0264] FLAGタグ化した rtTLR5S細胞外ドメイン(アミノ酸 29〜597位)をコードする cDN Aを、ヒト TLR5の C末端隣接領域、膜貫通領域および細胞内ドメイン (アミノ酸 574 〜858位)をコードする cDNAに融合することによって、キメラ cNDAを構築した(S— キメラを名付けた)。この構築物を、 pFLAG— CMV発現ベクター中にクローユングし た。実施例 6と同様に、 RT—PCRによってヒト単球 cDNAより全長 huTLR5を得た。 ヒト E セレクチン(ELAM)のプロモーター領域( 241〜一 54)を、 pGV— E2 (To yo Inc, Tokyo, Japan)の Kpnl— Hindlll部位に連結した。このプラスミド(pELA M— lucと名付けた)を、 NF— κ B活性化についてのレポーターとして使用した。 p— 1251uc (IFN— j8 )レポータープラスミドを使用するレポーターアツセィによって、 IF Ν - βプロモーターの活性ィ匕を測定した。
[0265] ヒト子宮頸癌細胞株 Helaにおいて、 NF— κ Βレポーターアツセィを行った。
[0266] Hela細胞および HEK293FT細胞(Japanese Cell Resource, Osaka, Japan )を、 5〜10%の熱非働化ゥシ胎仔血清(FCS ;JRH biosciences, Lenexa, KS) 3む Dulbecco s modified Eagle s medium (Invitrogen)中で; i¾r した。
[0267] E. coli DH5 aを Invitrogenより購入した。 P. avenaeのフラジェリンを Nara Ins titute of Science and Technologyにて精製した。組換えフラジェリン Aおよび 組換えフラジェリン Cを、 V. anguillarumの cDNAより精製した。 LPSを BD Biosci ences (San 】056,じ八)ょり購入した。 01 (1 : を、八1116 5]1&111 Biosciences (B uchinghamshire, UK)より入手した。 MALP— 2を Biologica (Nagoya, Japan) にお 、て合成した。 Staphylococcus aureusのペプチドグリカン(PGN)および Pol ymyxin Bを Sigma—Aldrich (St. Louis, MO)より入手した。ヌクレオチドプライ マーの全てを Hokkaido System Sciences (Sapporo, Japan)で合成した。
[0268] 使用した Hela細胞のサブラインは、細胞表面上に TLR2、 TLR3、 TLR4および T LR5を発現していない。 Hela細胞を、 24ゥエルプレート(1 X 105細胞 Zゥエル)に播 いた。 24時間後に、 S—キメラ、 huTLR5、 rtTLR5S ( lOOng)の発現のための pFL AG - CMVまたはコントロールとしてのベクター単独を、 pELAM - lucレポーター 遺伝子(lOOng)とともに LipofectAMINE Plus reagent (Invitrogen)によって 上記細胞に一過性にトランスフエタトした。トランスフエタトした DNAの総量 (400ng) を、空ベクターを添加することによって調整した。 phRL— TK ( lng)を内部標準とし て使用した。
[0269] トランスフエクシヨンの 36時間後、細胞を、フラジェリン A ( lOOOngZml)、フラジェリ ン C (1000ngZml)、 LPS (100ngZml)、 poly (I : C) ( lOOOngZml)または MAL Ρ - 2 ( 1 μ M)を用いて、 37°Cで 5時間処理した。これらは、それぞれ TLR5、 TLR4 、 TLR3および TLR2のリガンドである。
[0270] IFN - βプロモーター活性化の測定のために、 24ゥエルプレート中の ΗΕΚ293細 胞(2 X 105細胞)に、 LipofectAMINE2000 (Invitrogen)を使用して、 p - 1251u c (IFN - β )レポータープラスミド(lOOng)を、示した量の試薬またはプラスミドととも にトランスフエタトした。
[0271] Hela細胞に、 pFLAG— CMV/huTLR5 ( lOOng)、種々の量(0〜50ng)の pF LAG— CMVZrtTLR5S、 pELAM— lucまたは p— 1251uc (各 lOOng)および ph RL—TK ( lng)をトランスフエタトした。 24時間後、細胞を 96ゥエルプレートに移し、 次いで、 0〜: LOOOngのフラジェリン Aで刺激した後、 5時間静置した。 Dual lucifer ase reporter gene assay kit (Promega)の試薬およびプロトコノレ 使用し飞、 1 uminometer (model: BLR—201 , Aloka, Tokyo, Japan)で、以前に記されたよ うにルシフェラーゼレポーターアツセィを行った。
[0272] 上記の手順に従って、 S キメラタンパク質を Hela細胞に首尾よく発現させた。また 、この発現を、抗 Hisタグ Abを使用して確認した。 rtTLR5Sはフラジェリンを認識す る能力を有する場合、このキメラレポーターは、ェクトドメインによってフラジェリンの存 在を認識し、そしてヒト TIRを介して Hela細胞において NF— κ Βを活性化する。この キメラ発現 Hela細胞を使用した代表的な結果を、図 9Aに示す。
[0273] 図 9Aは、キメラ形質転換体および huTLR5形質転換体における NF— κ Β活性化 の測定のためのルシフェラーゼレポーターアツセィを示す。 ELAM— luciferaseレポ 一タープラスミドを、空ベクター(ベクターコントロール:左)、 huTLR5 (中央)またはキ メラ (右側)とともに Hela細胞に同時トランスフエタトした。 36時間後、細胞をフラジェリ ン Aで示した濃度にて 5時間刺激した。 NF- κ B活性化の程度を、細胞溶解物中の ルシフェラーゼアツセィによって決定した。
[0274] 図 9Aに示すように、 S—キメラ分子は、 Hela細胞において huTLR5と同程度に NF κ Bレポーター遺伝子を活性ィ匕した。ここで、これらの発現レベルはほぼ同一であ つた。フラジェリン Aおよびフラジェリン Cは、同一の rtTLR5刺激能を有した。
[0275] S—キメラが種々の起源のフラジェリンに応答することを図 9Bに示す。 huTLR5ま たはこのキメラを発現する細胞を、フラジェリン A ( lOOOngZml)、フラジェリン C ( 10 OOngZml)または P. avenaeフラジェリンで 6時間刺激した。 NF— κ Β活性化を、図 9Αと同様に決定した。
[0276] 図 9Βに示すように、他の植物細菌 P. avenaeのフラジェリンは、同様にこのキメラを 刺激した。これらの結果は、別の細胞株 HEK293において再現可能であった (デー タは示さず)。一方、 rtTLR5Sおよび huTLR5は、その LRRドメインを介して広範な 種々のフラジェリンと相互作用した。
[0277] これらの相互作用の特異的を試験するために、本発明者らは、 huTLR5および S —キメラを、 MALP— 2 (TLR2のリガンド)、 poly (I : C) (TLR3のリガンド)、 LPS (T LR4のリガンド)およびフラジェリン C (TLR5のリガンド)で刺激した(図 9C)。このキメ ラ分子およびヒト TLR5は、排他的にフラジェリンを認識して NF— κ Βレポーター遺 伝子を活性化した。
[0278] 次いで、 Hela細胞における rtTLR5Sのパートナーの特異性を試験した。 rtTLR5 Sありまたはなしの条件下で huTLR2, huTLR4 (MD— 2ぉょびCD14とー緒に)ま たは huTLR5の cDNAをトランスフエタトした細胞を、種々の TLRリガンドで刺激した (図 10)。 huTLR2発現細胞において、 MALP— 2および Pam3によって NF— κ Β レポーター活性を示し、 huTLR4発現細胞において LPSによって、 NF— κ Βレポ一 ター活性を示した。しかし、この活性は、 rtTLR5Sの同時発現によってもたらされた ものではなかった。 huTLR5とフラジェリンを発現する細胞においてのみ TLR5S媒 介性レポーター増幅を観察した(図 10)。よって、 rtTLR5Sの活性は、 huTLR5およ びフラジェリンに特異的であることがわ力つた。
[0279] 〔実施例 13 : rtTLR5Sは、形質転換体における huTLR5媒介性 NF— κ Β活性化 を増大させる〕
実施例 10に従うと、 rtTLR5Sが rtTLR5による NF— κ Β活性ィ匕を誘導した。そこ で、この可溶性形態の TLR5が、ヒト膜結合形態 TLR5によって誘導されたフラジェリ ン媒介性 NF— κ Β活性ィ匕を増大し得る力否かを試験した。
[0280] 実施例 12に記載した細胞およびアツセィ方法を用いて、 huTLR5のみを発現する Hela細胞、または huTLR5 +rtTLR5Sを発現する Hela細胞を、フラジェリン Aで刺 激した。図 11に示すように、 Hela細胞に示した組み合わせのベクターをトランスフエ タトし、この細胞を、フラジェリン A (示した用量)またはコントロール GSTタンパク質(1 OOOngZml)で刺激した。間をおいて(典型的には 5時間)、 NF— κ Bレポーターァ ッセィを行った。
[0281] 図 11Aに示すように、 NF- κ Βレポーターは、 rtTLR5Sが同時トランスフエタトさ れた細胞にぉ 、て有意に増大された。 huTLR5 (他の TLR5ではな!/、)を種々のフラ ジエリン種とともに天然に発現する HEK293細胞を用いて、同様の結果を得た(デー タは示さず)。し力し、 p— 125— lucを使用する同様のレポーターアツセィにおいて、 Hela細胞における IFN— βプロモーターの活性ィ匕をわずかに検出した。
[0282] このフラジェリンの機能的様式を物理的に確認するために、本発明者らは、 GSTタ グ化フラジェリンと FLAGタグィ匕 rtTLR5Sとの直敵的な相互作用を GST—プルダウ ンおよびィムノブロッテイングによって調べた。 pFLAG— CMV/rtTLR5Sを HEK 293FT細胞にトランスフエタトし、この細胞および上清からのフラジェリン結合タンパ ク質を、抗 FLAG Abでプローブした。あるいは、このタンパク質を、抗 FLAG Ab で免疫沈降させて抗 GST Abを使用するィムノブロッテイングによって分析した。
[0283] 具体的には、 60mmディッシュにて、 pFLAG— CMVZrtTLR5Sまたは huTLR2
(コントロール)を、 LipofectAMINE2000試薬を使用して HEK293FT細胞に一過 性にトランスフエタトし、 24時間静置させた。細胞を溶解し、 GST—フラジェリン Aまた はコントロール GST(lOOOng)をこの溶解物または培養上清に添カ卩した。 GST—フ ラジェリンに結合した FLAG標識タンパク質を、抗 GST Ab (NeoMarkers, Fremo nt, CA)を用いて免疫沈降した。免疫沈降物を洗浄し、 SDS— PAGE (7.5%ゲル) で分離し、示した抗体を使用するィムノブロッテイングによって可視化した。
[0284] 図 11 A (内側のパネル)に示すように、 huTLR5の発現を、 SDS - PAGE, Iき続 く抗 FLAG Abを用いるィムノブロッテイングによって確認した。 rtTLR5Sと huTLR 5との同時トランスフエクシヨンは、 huTLR5発現レベルにほとんど影響を与えなかつ た。 rtTLR5Sのバンドは、細胞溶解物または上清中には検出されな力つた。
[0285] フラジェリンのこの機能的態様を物理的に確認するために、免疫沈降を用いて、 G STタグ化フラジェリンと FLAGタグ化 rtTLR5Sとの直接的な相互作用をチェックした 。 HEK293T細胞を、 pFLAG— CMVZrtTLR5Sでトランスフエタトし、細胞および 上清からのタンパク質を、ブロッテイング分析によって抗 FLAG Abでプローブした。 あるいは、これらのタンパク質を、抗 GST Abで免疫沈降し、抗 FLAG Abを使用 するィムノブロッテイングにより分析した(図 1 IB)。 rtTLR5S (矢頭)と 77kDaのマー カーとの位置を示す。これらの結果は、さらなる実験において確認された(図 11C)。 これらのことより、 rtTLR5Sはフラジェリンとアセンブリすることによって宿主 TLR5応 答を増幅する、ということを示す。
[0286] これらの結果は、 rtTLR5Sの生理学的役割力 TLR5の種を超えて生じるフラジェ リン ZTLR5依存的 NF— κ Β応答を増強することであることを示す。すなわち、魚類 の可溶性形態 TLR5は、細胞種に関係なく膜結合形態 TLR5ポジティブ細胞におけ る強い NF— κ Β活性ィ匕を導くフラジェリン応答についてのポジティブフィードバック ノレープに従う。
[0287] 尚、発明を実施するための最良の形態の項においてなした具体的な実施態様また は実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような 具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなぐ本発明の精神と次に記 載する特許請求の範囲内で、いろいろと変更して実施することができるものである。 産業上の利用の可能性
[0288] 本発明は、免疫応答 (特に、ガンまたは感染疾患に対する)を惹起するためのワク チンにおけるアジュバントとして使用することができるので、種々の疾患 (例えば、ウイ ルス感染症、細菌感染症もしくは寄生虫感染症、ガン、アレルギー、または自己免疫 疾患など)を罹患する被験体 (好ましくは、哺乳動物、より好ましくは、ヒト)の治療の開 発に貢献できる。特に、従来のワクチンの有する不利益を克服した新規ワクチンを提 供することができる。

Claims

請求の範囲
[I] 配列番号 1に示される塩基配列力 なるポリヌクレオチドを含むアジュバント成分、 および免疫学的有効量の免疫原成分を含む、ワクチン組成物。
[2] 前記免疫原成分が抗原性ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む、請求項 1 に記載のワクチン組成物。
[3] 前記抗原性ペプチドが鞭毛細菌である、請求項 2に記載のワクチン組成物。
[4] 前記抗原性ペプチドをコードするポリヌクレオチド力 配列番号 5または 7に示され る塩基配列力もなるポリヌクレオチドである、請求項 2に記載のワクチン組成物。
[5] 前記アジュバント成分力 配列番号 3に示される塩基配列力 なるポリヌクレオチド をさらに含む、請求項 1に記載のワクチン組成物。
[6] huTLR5ポリヌクレオチドをさらに含む、請求項 1に記載のワクチン組成物。
[7] huTLR5ポリヌクレオチドを導入した形質転換細胞をさらに含む、請求項 1に記載 のワクチン組成物。
[8] 配列番号 2に示されるアミノ酸配列力 なるポリペプチドを含むアジュバント成分、 および免疫学的有効量の免疫原成分を含む、ワクチン組成物。
[9] 前記免疫原成分が抗原性ペプチドを含む、請求項 8に記載のワクチン組成物。
[10] 前記抗原性ペプチドが鞭毛細菌である、請求項 9に記載のワクチン組成物。
[II] 前記抗原性ペプチドが、配列番号 6または 8に示されるアミノ酸配列力 なるポリべ プチドである、請求項 9に記載のワクチン組成物。
[12] 前記アジュバント成分力 配列番号 4に示されるアミノ酸配列力 なるポリペプチド をさらに含む、請求項 8に記載のワクチン組成物。
[13] huTLR5ポリペプチドをさらに含む、請求項 8に記載のワクチン組成物。
[14] huTLR5ポリペプチド発現細胞をさらに含む、請求項 8に記載のワクチン組成物。
[15] 配列番号 1に示される塩基配列力 なるポリヌクレオチドを含むアジュバント成分、 および免疫学的有効量の免疫原成分を備えている、ワクチン用キット。
[16] 前記免疫原成分が抗原性ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む、請求項 15 に記載のワクチン用キット。
[17] 前記抗原性ペプチドが鞭毛細菌である、請求項 16に記載のワクチン用キット。
[18] 前記ポリヌクレオチド力 配列番号 5または 7に示される塩基配列力 なるポリヌクレ ォチドである、請求項 16に記載のワクチン用キット。
[19] 前記アジュバント成分力 配列番号 3に示される塩基配列力 なるポリヌクレオチド をさらに含む、請求項 15に記載のワクチン用キット。
[20] huTLR5ポリヌクレオチドをさらに備えている、請求項 15に記載のワクチン用キット
[21] huTLR5ポリヌクレオチドを導入した形質転換細胞をさらに備えている、請求項 15 に記載のワクチン用キット。
[22] 配列番号 2に示されるアミノ酸配列力 なるポリペプチドを含むアジュバント成分、 および免疫学的有効量の免疫原成分を備えている、ワクチン用キット。
[23] 前記免疫原成分が抗原性ペプチドを含む、請求項 22に記載のワクチン用キット。
[24] 前記抗原性ペプチドが鞭毛細菌である、請求項 23に記載のワクチン用キット。
[25] 前記抗原性ペプチドが、配列番号 6または 8に示されるアミノ酸配列力 なるポリべ プチドである、請求項 23に記載のワクチン用キット。
[26] 前記アジュバント成分力 配列番号 4に示されるアミノ酸配列力 なるポリペプチド をさらに含む、請求項 22に記載のワクチン用キット。
[27] huTLR5ポリペプチドをさらに備えている、請求項 22に記載のワクチン用キット。
[28] huTLR5ポリペプチド発現細胞をさらに備えている、請求項 22に記載のワクチン用 やット。
[29] 配列番号 1に示される塩基配列力 なるポリヌクレオチドを含むアジュバント成分、 および免疫学的有効量の免疫原成分を含む、ガンまたは感染症を予防するため薬 学的組成物。
[30] huTLR5ポリヌクレオチドをさらに含む、請求項 29に記載の薬学的組成物。
[31] huTLR5ポリヌクレオチドを導入した形質転換細胞をさらに含む、請求項 29に記載 の薬学的組成物。
[32] 配列番号 2に示されるアミノ酸配列力 なるポリペプチドを含むアジュバント成分、 および免疫学的有効量の免疫原成分を含む、ガンまたは感染症を予防するため薬 学的組成物。
[33] huTLR5ポリペプチドをさらに含む、請求項 32に記載の薬学的組成物。
[34] huTLR5ポリペプチド発現細胞をさらに含む、請求項 32に記載の薬学的組成物。
[35] 配列番号 1に示される塩基配列力 なるポリヌクレオチドを含むアジュバント成分、 および免疫学的有効量の免疫原成分を備えて 、る、ガンまたは感染症を予防するた めキット。
[36] huTLR5ポリヌクレオチドをさらに備えている、請求項 35に記載のキット。
[37] huTLR5ポリヌクレオチドを導入した形質転換細胞をさらに備えている、請求項 35 に記載のキット。
[38] 配列番号 2に示されるアミノ酸配列力 なるポリペプチドを含むアジュバント成分、 および免疫学的有効量の免疫原成分を備えて 、る、ガンまたは感染症を予防するた めキット。
[39] huTLR5ポリペプチドをさらに備えている、請求項 38に記載のキット。
[40] huTLR5ポリペプチド発現細胞をさらに備えている、請求項 38に記載のキット。
[41] 配列番号 1に示される塩基配列力 なるポリヌクレオチドを含む、被験体サンプル中 の鞭毛細菌を検出するための検出薬。
[42] 配列番号 2に示されるアミノ酸配列力 なるポリペプチドを含む、被験体サンプル中 の鞭毛細菌を検出するための検出薬。
[43] 配列番号 1に示される塩基配列力 なるポリヌクレオチドを備えて 、る、被験体サン プル中の鞭毛細菌を検出するための検出キット。
[44] 配列番号 2に示されるアミノ酸配列力もなるポリペプチドを備えている、被験体サン プル中の鞭毛細菌を検出するための検出キット。
[45] 配列番号 1に示される塩基配列力 なるポリヌクレオチドを導入した細胞を、被験体 サンプルとインキュベートする工程を包含する、被験体サンプル中の鞭毛細菌を検 出するための検出方法。
[46] 配列番号 2に示されるアミノ酸配列力もなるポリペプチドを、被験体サンプルとイン キュペートする工程を包含する、被験体サンプル中の鞭毛細菌を検出するための検 出方法。
[47] 配列番号 1に示される塩基配列力 なるポリヌクレオチドを含む、アジュバント。 配列番号 3に示される塩基配列力 なるポリヌクレオチドをさらに含む、請求項 47に 記載のアジュバント。
配列番号 2に示されるアミノ酸配列力 なるポリペプチドを含む、アジュバント。 配列番号 4に示されるアミノ酸配列力 なるポリペプチドをさらに含む、請求項 49に 記載のアジュバント。
注入可能な形態である、請求項 47〜50の!、ずれか 1項に記載のアジュバント。
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