明 細 書
美白剤
技術分野
[0001] 本発明は、美白剤に関し、詳細には、皮膚のシミ、ソバカス等の発生原因ともされて いる黒色 (メラニン)色素の生成沈着を予防乃至は治療すること及び沈着した当該色 素の減少を促すことに有効なリオ二レシノール類を美白有効成分とする美白剤に関 するものである。カロえて、当該美白有効成分を含有することによってチロシナーゼの 働きを阻害し、及び Zまたは紫外線により皮膚で産生されるメラニン細胞刺激ホルモ ンによるメラノサイトの活性を阻害し、黒色 (メラニン)色素の生成を抑制し、また、沈着 した当該色素の減少を促すことができる性能を備えた、飲食品、香粧品、医薬品に 関する。
背景技術
[0002] 皮膚のシミ 'ソバカスは、重大な肌の悩みとされている。特に、シミ 'ソバカス及び日 焼け後の肌への黒色色素沈着は、加齢に伴って発生、増加すると共に、消失しに《 なってくるので、中高年齢層にとっては避けられない悩みとなっている。皮膚へ沈着 する黒色色素は、殆どがメラニン色素であるとされ、これは、表皮と真皮との間にある メラニン細胞 (メラノサイト)内のメラニン生成顆粒 (メラノソーム)において生産され、生 成したメラニンが、浸透作用により隣接細胞へと拡散するとされてレ、る。
[0003] 従来、メラノサイト内で営まれている生化学反応は、次のように説明されている。即 ち、必須アミノ酸であるチロシンがチロシナーゼの作用を受けて、ドーパキノンとなり、 これが酵素的又は非酵素的酸化作用を受けて赤色色素及び無色色素を経て黒色 のメラニンへと変化する。この過程力 Sメラニン色素の主な生成原因である。従って、こ の反応の第一段階でおこるチロシナーゼの作用を阻害乃至は抑制することがメラ二 ン生成を抑制することにつなげることができるので、チロシナーゼの作用を阻害乃至 は抑制する作用を持った薬物の探索は、チロシナーゼの働きを原因とするメラニンの 生成を阻止乃至は抑制する上で、極めて重要な事項である。
[0004] 斯カる観点から、多くの化合物について研究、開発がなされ、美白効果が期待でき
るとして、美白剤の名の下に、市場に出されている薬物がある。
これらの中には、例えば、エラグ酸に関するもの(特許文献 1参照)、ァスコルビン酸 ゃァスコルビン酸誘導体(特許文献 2参照)のように主として黒くなつたメラニンを還元 することにより色黒をうすくするもの、コウジ酸(特許文献 3参照)、ハイドロキノン (非特 許文献 1参照)及びアルブチンのようにメラニン生成細胞に直接働きかけてチロシナ ーゼ活性を阻害してメラニンの生成を阻害して色黒を抑制するもの、胎盤抽出液 (プ ラセンタエキス)のように新陳代謝を促進して黒レ、メラニン色素を体外へ排出するもの 等が知られてレ、る(特許文献 4参照)。
[0005] 近年、紫外線により皮膚で産生されるメラニン細胞刺激ホルモン(ひ -melanocyt e stimulating hormone、以下「ひ _MSH」という)力 S、シミ 'ソバカスの原因となる ことが報告されている。このひ一MSHは、メラノサイト活性化因子の一つであり、メラ ノサイト上のレセプター MC1R (melanocortin- 1 receptor)を介してメラニン合成 を促進する(非特許文献 2〜5参照)。また、 α— MSHの産生及び MC1Rの発現は 紫外線照射により増加することが確認されてレ、る(非特許文献 6〜7参照)。これらの 知見から、 a—MSHによるメラノサイト活性化を阻害する作用を有するものは、細胞 外から効率的に働きかけることができ、高い美白効果を発揮すると考えられている。 そして、このタイプの美白剤として、カントンニンジン等が知られている(特許文献 5参 照)。
[0006] 一方、( + )—リオ二レシノール及び/または(―)—リオ二レシノールは、抗菌作用 、抗酸化作用、香気増強作用を有する化合物として知られ (特許文献 6参照)、抗菌 性化粧料として利用されている(特許文献 7参照)。更に、リオ二レシノール配糖体に は表皮細胞増殖促進作用があることから、抗酸化作用と共に、その性能を利用した 老化 (シヮ、肌荒れ)防止用化粧料としても利用されている(特許文献 8参照)。更に、 過酸化脂質生成抑制、ラジカル補足活性、酸素ラジカル消去活性等様々な抗酸化 活性を有していることが知られている。し力、しながら、リオ二レシノールの美白作用(メ ラニン生成を抑制又は阻害する作用)については何ら知られていなかった。
特許文献 1 :特開昭 64— 79103号公報
特許文献 2:特開平 2— 45408号公報
特許文献 3:特開昭 53— 3538号公報
特許文献 4:特開平 8— 104616号公報
特許文献 5:再公表 WO2004/017980
特許文献 6 :特開 2003— 128568号公報
特許文献 7 :特開平 10— 139601号公報
特許文献 8:特開平 10— 236940号公報
特許文献 9 :特開平 11一 255639号公報
非特許文献 1 JAMA.、第 194卷、 p. 965 - 967, 1965年
非特許文献 2 :J. Cell Sci.、第 105卷、 p. 1079 - 1084, 1993年
非特許文献 3 :J. Cell Sci.、第 107卷、 p. 205 - 211 , 1994年
非特許文献 4 : Anal. Biochem.、第 159卷、 p. 191— 197, 1986年
非特許文献 5 : Pro Natl. Acad. Sci. USA、第 92卷、 p. 1792— 1793、 1995 年
非特許文献 6 : Biochem. Biophys. Acta.、第 1313卷、 p. 130— 138, 1996年 非特許文献 7: British J. Darmatol、第 139卷、 p. 216— 224、 1998年 発明の開示
発明が解決しょうとする課題
上記のように、美白剤として種々の薬物が提案されているが、これら美白剤を配合 しただけの美白化粧料の多くは期待できる効果が弱ぐ製剤の安定性や皮膚刺激と レ、つた安全性の面においても不十分な点があり、満足のいくものではな力 た。例え ば、ァスコルビン酸は安定性が悪く皮膚炎を誘発することが知られ、コウジ酸及びそ の誘導体は、美白作用は強いものの光や熱によって分解されやすいことが知られて いる。また、ハイド口キノンも美白作用は強いが不安定でミセル及びェマルジヨンとい つた化粧品の製法において脱色しやすいという問題を有し、さらに、低濃度であって もアレルギー性の接触性皮膚炎を誘発するひ. Ind. Med.、第 45 (6)卷、 ρ· 376 — 80、 1988年)という問題がある。また、カンントンニンジン等の生薬については、原 生薬自体が高価であり、廉価な美白剤として生活者に提供することは難しいといった 問題もある。
[0008] 本発明は、低配合量でも優れた美白効果を有する美白剤で、皮膚刺激等の安全 性に優れ、且つ安定性に優れた化合物を提供するものであり、併せて、当該化合物 の摂取乃至は投与を容易にするための飲食品、香粧品、医薬品を提供するものであ る。
課題を解決するための手段
[0009] 本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、オーク類などの ブナ科コナラ属植物を特にエタノール等の低級アルコールの水溶液で抽出した抽出 物を含有させることによって、美白用組成物が得られることを発見し、特許出願してい る(国際公開 W〇2005/28126)。この組成物についてさらに鋭意検討した結果、 奇しくも、美白の有効成分がリオ二レシノール及びその異性体であることを見出した。 そして、さらに検討を重ねた結果、 ( + ) リオ二レシノールが a—MSHによるメラノ サイト活性化に対し高い阻害作用を有すること、(一) リオ二レシノールがチロシナ ーゼ活性阻害作用を有する性質を持つこと、これら作用機序の異なる美白素材であ る(+ )—リオ二レシノールと(一) リオ二レシノールの混合物がメラニン生成を抑制 又は予防し、美白剤として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
[0010] すなわち、本発明は、
(1)次の式 (Α)〜(Η)
[化 1]
( E ) ( F ) ( G ) および ( H )
(式中、 Meはメチル基を示す。 )
で表されるリオ二レシノール類の少なくとも 1種を美白有効成分として含有することを 特徴とする美白剤、
(2)美白有効成分が式 (A)
[化 2]
( E )
(式中、 Meはメチル基を示す。 )
で表されるリオ二レシノールであることを特徴とする前記(1)に記載の美白剤、
(3)美白有効成分がチロシナーゼ活性阻害作用を有することを特徴とする、前記(1) または(2)に記載の美白剤、
(4)チロシナーゼ活性阻害作用の有効成分が式 (E)
[化 4]
( E )
(式中、 Meはメチル基を示す。 )
で表される(一) リオ二レシノールであることを特徴とする前記(3)に記載の美白剤、
(5)美白有効成分力 Sメラニン生成阻害作用を有することを特徴とする、前記(1)また は (2)に記載の美白剤、
(6)メラニン生成阻害作用の有効成分が式 (A)
[化 5]
( A )
(式中、 Meはメチル基を示す。 )
で表される(+ )—リオ二レシノールであることを特徴とする前記(5)に記載の美白剤、
(7)前記(1)または(2)に記載されてレ、る少なくとも 1種の化合物を美白有効成分とし て含んでいることを特徴とする香粧品、飲食品又は医薬品、
(8)外用である前記(7)記載の香粧品又は医薬品、
(9)経口用である前記(7)記載の香粧品又は医薬品、
(10)美白作用、チロシナーゼ活性阻害作用および/またはメラニン生成阻害作用 のために用いられるものである旨の表示を付した前記(7)記載の飲食品、
( E ) ( F) (G ) および ( H )
(式中、 Meはメチル基を示す。 )
で表されるリオ二レシノール類の少なくとも 1種を美白有効成分として含有する美白剤 を哺乳動物に投与することを特徴とする皮膚の美白方法、
(12)美白有効成分が式 (A)
[化 7]
(A)
(式中、 Meはメチル基を示す。 )
及び/又は式 (E)
( E )
(式中、 Meはメチル基を示す。 )
で表されるリオ二レシノールであることを特徴とする前記(11)に記載の美白方法、
(13)美白有効成分がチロシナーゼ活性阻害作用を有することを特徴とする、前記 ( 11)または(12)に記載の美白方法、
(14)チロシナーゼ活性阻害作用の有効成分が式 (E)
[化 9]
( E )
(式中、 Meはメチル基を示す。 )
で表される(一)一リオ二レシノールであることを特徴とする前記(13)に記載の美白方 法、
(15)美白有効成分がメラニン生成阻害作用を有することを特徴とする、前記(11)ま たは(12)に記載の美白方法、
(16)メラニン生成阻害作用の有効成分が式 (A)
[化 10]
(A)
(式中、 Meはメチル基を示す。 )
で表される(+ )—リオ二レシノールであることを特徴とする前記(15)に記載の美白方 法、
(17)美白剤が香粧品、飲食品又は医薬品であることを特徴とする前記(11)または( 12)に記載の美白方法、
(18)美白剤が外用であることを特徴とする前記(11)または(12)に記載の美白方法
(19)美白剤が経口用であることを特徴とする前記(11)または(12)に記載の美白方 法、
(20)美白剤を製造するための、次の式 (A)〜(H)
[化 11]
( E ) ( F) (G ) および (H )
(式中、 Meはメチル基を示す。 )
で表されるリオ二レシノール類の少なくとも 1種の使用、
(21)リオ二レシノール類が式 (A)
[化 12]
( E )
(式中、 Meはメチル基を示す。 )
で表されるリオ二レシノールであることを特徴とする前記(20)に記載の使用、
(22)美白剤がチロシナーゼ活性阻害作用を有することを特徴とする前記(20)また は(21)に記載の使用、
(23)リオ二レシノール類力 式 )
[化 14]
( E )
(式中、 Meはメチル基を示す。 )
で表される(一) リオ二レシノールであることを特徴とする前記(22)に記載の使用、
(24)美白剤がメラニン生成阻害作用を有することを特徴とする、前記(20)または(2 1)に記載の使用、
(25)リオ二レシノール類が式 (A)
[化 15]
( A )
(式中、 Meはメチル基を示す。 )
で表される(+ )—リオ二レシノールであることを特徴とする前記(24)に記載の使用、
(26)美白剤が香粧品、飲食品又は医薬品であることを特徴とする前記(20)または ( 21)に記載の使用、
(27)美白剤が外用であることを特徴とする前記(20)または(21)に記載の使用、お よび
(28)美白剤が経口用であることを特徴とする前記(20)または(21)に記載の使用、 に関する。
発明の効果
[0011] 本発明により提供される美白剤は、上記したメラニン生成原因における第一段階に 当たるチロシナーゼの作用を阻害乃至は抑制する、及び Zまたは紫外線により皮膚 で産生されるメラニン細胞刺激ホルモン(ひ -MSH)によるメラノサイトの活性を阻害 することによって、メラニン色素それ自体の生成を抑えると共に、生成沈着した色素 の量の減量化に功を奏するものである。特に、作用機序の異なる美白素材、すなわ ちチロシナーゼ活性阻害作用を有する(一) リオ二レシノールとメラノサイト活性阻 害作用を有する(+ )—リオ二レシノールとの混合物は、低濃度で配合しても優れた 美白効果を得ること力 Sできる。また、本発明により提供される美白剤は、従来から飲食 用として摂取されているウィスキーや梅酢等に含有されるリオ二レシノール及びその 異性体を美白有効成分として含有するものであり、皮膚刺激ばかりか、経口摂取した 場合にも安全である。さらに、本発明により提供される美白剤は、安定性にも優れて レ、るという特徴をも有している。さらにまた、本発明により提供される美白剤は、化学 合成により製造することもできるため、廉価な美白剤として生活者に提供できるという 利点をも有している。
図面の簡単な説明
[0012] [図 1]図 1は、アメリカンホワイトオーク及びスパニッシュオーク(新材、古材)を種々の 濃度のエタノール水溶液で抽出した抽出液のリオ二レシノール含量を示す図である。 図中、△印は 40容量%エタノール、▽印は 60容量%エタノール、口印は 70容量% エタノール、〇印は 96容量%エタノールを示す。
[図 2]図 2は、ブナ科コナラ属植物のエタノール抽出物(ウィスキー)から、チロシナー ゼ活性阻害の有効成分を同定する工程を示す。
[図 3]図 3は、 ( + ) リオ二レシノール及び(一) リオ二レシノールのチロシナーゼ阻 害活性を示すものである。縦軸は阻害率(%)を示す。
[図 4]図 4は、リオ二レシノール (ラセミ体)、( + )—リオ二レシノール及び(一)一リオ二 レシノールのマウス細胞内のメラノーマ細胞におけるメラニン産生量を示す図である。
[図 5]図 5は、被験サンプル塗布と紫外線照射に対するモルモット皮膚の明度の推移 状況を示すものである。縦軸には被験サンプル塗布直前の L値を 0としたとき、紫外
線照射前から被験サンプル塗布開始後における L値の差(A L)力 横軸には、 日数 が示されている。
発明を実施するための最良の形態
[0013] 次の式 (A)〜(H)
[化 16]
( A ) ( B ) ( C ) ( D )
( E ) ( F ) ( G ) および (H )
(式中、 Meはメチル基を示す。 )
で表される化合物の少なくとも 1種のリオ二レシノール類を美白有効成分として含有 することを特徴とする美白剤である。上記式 (A)〜(H)は立体異性体であり、上記式 中、(A)で表される化合物は( + ) _リオ二レシノール(( + ) _ Lyoniresinol)として、 (E)で表される化合物は(一)一リオ二レシノール((一)一Lyoniresinol)として知ら れている。従って、リオ二レシノールとは式 (A)及び(E)で表される化合物である。
[0014] なお、チロシナーゼ活性阻害剤として、リグナン類又はノルリグナン類の炭素骨格を 有し、置換基を有する 2個のベンゼン環の少なくとも一方を 4位置換レゾシノール骨 格とし、これに続くベンジル位の炭素原子が置換基を持っていなレ、リグナン類誘導体 及び/又はカレリグナン誘導体を美白有効成分として含有するチロシナーゼ活性阻 害剤 (特許文献 9参照)が提案されてレ、るが、上記の式 (A)〜 (H)で表される本発明 に係る化合物は、ァリールテトラリン骨格を持つリグナン類であるから、上記のレゾシ ノール骨格を有するリグナン類とは異なるものである。
[0015] 本発明において使用されるリオ二レシノール類、即ちリオ二レシノール及びその異 性体は、天然に存在するものであるが、化学合成によっても得ることができ、いずれ によって得られたものであっても、本発明に支障なく使用することができる。天然物を 用いる場合、精製されたリオ二レシノールに限定されず、リオ二レシノールを含有する 原料の抽出物、粗精製品も本発明の美白剤として用いることができ、例えば、ブナ科 (Fagaceae)コナラ属(Quercus)植物、これら植物の低級アルコール水溶液抽出物、 またはその精製品を用いることができる。また、梅酒や梅干の製造に際し大量に副生 する梅酢、その抽出物、または梅酢抽出物からの精製品を用いることができる。
[0016] 上記コナラ属植物としては、例えば、ミズナラ(Q. mongolica Fisch. )、カシヮ(Q uercus dentate Thunb)、コアフ (Quercus serrata Thunb)、クヌキ (Quercu s acutissima Carmth)、シフカシ (Quercus myrsinaefolia Bl. )、ホワイトォ ーク (Quercus alba L. )、コモンオーク (Quercus robur L. ;リムーザンオーク 、フレンチオークまたはスパニッシュオークとも呼ばれる)、セシルオーク(Quercus oetraea L. )、コルクオーク(Quercus suber L. )等を挙げることができる。植物 の産地や収穫時期、抽出条件等によっても異なる力 上記コナラ属植物のなかでも、 ウィスキーやブランデー等の製造、貯蔵用の樽の原料として用いられる植物群 (ォー ク類と呼ばれる植物)は、リオ二レシノールを高濃度で含有することから好ましぐ特に 、コモンオークやミズナラはリオ二レシノールを高濃度で含有することから好適に用い ること力 Sできる。
[0017] 上記コナラ属植物の低級アルコール水溶液抽出物の製造に用いる抽出溶媒として は、例えば、炭素数が 1〜4の低級アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロ パノール、ブタノール等)水溶液等を挙げることができる。水溶液中の低級アルコー ルの濃度は、リオ二レシノールが効率的に抽出できる濃度とすることが肝要であり、具 体的には、低級アルコール水溶液中の低級アルコール濃度が、約 10〜: 100容量% 、好ましくは約 30〜70容量%、さらに好ましくは約 40〜60容量%である。上記低級 アルコールのなかでも、最終的に飲食品等にも配合できることを考慮すると、抽出溶 媒としては、安全性の観点からエタノール水溶液を用いることが好ましい。またここで レ、う抽出溶媒には、低級アルコールのほか、抽出効率を大きく損わない範囲で他の
成分、例えば糖類、塩類、酸類、アルカリ類またはアミノ酸などの水溶性成分や、酢 酸ェチル、アセトン等の各種他の溶媒が含まれていてもよい。なお、抽出時間は適宜 設定すればよいが、一般には抽出時間が長いほどリオ二レシノールが多く抽出できる
[0018] 上記のコナラ属植物抽出物や梅酢抽出物からリオ二レシノールを精製する方法に ついては特に限定はなレ、が、カラムクロマトグラフィーにより精製するのが好ましぐ特 にゲル濾過クロマトグラフィーにより精製するのが効率的で好ましい。精製に用いる 樹脂担体としては、 Pharmacia社製のセフアデックス(登録商標)やポリアクリルアミド ゲル (Bio - Gel)など汎用されてレ、る樹脂を目的の純度に応じて選択し利用すること ができる。これらの樹脂を用い精製を行う場合、展開液としては、ァセトニトリル、エタ ノール、メタノーノレ、アセトン又はベンゼンなどの溶媒及びそれらの水溶液を用いるこ とが好ましい。
[0019] さらに、本発明に係るリオ二レシノール類は、化学的合成により製造することもでき、 その合成は概ね次のようにして、行うことができる。即ち、 4—ヒドロキシ一 3, 5—ジメト キシフエニルプロピン酸を原料として、インデアン ジャーナル ケミストリ、 1976年、 第 14卷8、第 128ページ(INDIAN J. CHEM. , VOL. 14B, FEBRUARY, 19 76年,第 128ページ)などに記載の方法に倣って造ることができる。
[0020] なお、上記天然物抽出物または化学合成によるリオ二レシノールから、式 (A)
[化 17]
( A )
(式中、 Meはメチル基を示す。 )
で表される (+ ) -リオ二レシノール及び式 (E)
[化 18]
( E )
(式中、 Meはメチル基を示す。 )
で表される(一)一リオ二レシノールの単離精製は、キラルカラムを用いて、高速液体 クロマトグラフィー(HPLC)により行うことができる。上記の(+ )—リオ二レシノール及 び(一)一リオ二レシノールは、いずれも美白剤として有用な素材である力 その作用 機序は異なる。具体的には、 ( + ) _リオ二レシノールはメラニン細胞刺激ホルモン( a -MSH)によるメラノサイト活性化に対し高い阻害作用を有し細胞外から効率的 に美白作用を働きかけるのに対し、(一)一リオ二レシノールはメラニン生成細胞に直 接働きかけてチロシナーゼ活性を阻害してメラニンの生成を阻害するものである。本 発明の美白剤では、これら精製された( + ) _リオ二レシノール及び(一)—リオ二レシ ノールを目的に応じた任意の割合 [約 1: 99乃至約 99: 1 (WZW) ]で混合することに より、用いることちできる。
[0021] 本発明の美白剤は、美白有効成分としてリオ二レシノール類を配合することによつ て、製造され、例えば優れた美白効果を有する飲食品、香粧品及び医薬品が得られ る。当該本発明の飲食品、香粧品及び医薬品へのリオ二レシノール類の配合量は、 その形態や用途によって異なる力 通常約 0. 0001〜: 10重量%が好ましぐ約 0. 0 5〜5重量%が特に好ましい。
[0022] 本発明における美白有効成分を含有する飲食品としては、例えば、スポーツドリン ク、炭酸飲料、果汁を含む各種ジュース又は紅茶飲料等の清涼飲料水類、ケーキ、 ビスケット、パン、飴又はアイスクリーム等の菓子類、うどん、そば、ラーメン、ノスタ、 そうめん等のめん類、みそ、醤油、酢、サラダ油、ごま油、バター、チーズ、豆乳又は
牛乳等々種類や形態を問わずおよそ食品として摂取できるものが挙げられる。これら は、本発明の美白有効成分を食品に溶解、混合等して製造することができる。
次に,香粧品としては、例えば、化粧水、ジエル、ローション、クリーム、パック斉 IJ、乳 液、乳液状又はクリーム状ファンデーション、 口紅、パウダー、洗顔料、ヘアートニック 等液状であるもの、固形状であるもの、ゾル状であるもの、ペースト状であるものを問 わず外用に適したもの、 口中破壊する軟カプセル又は口中にスプレーするもの等が 本発明の香粧品として挙げられる。これらは、本発明に係る美白有効成分の他に通 常使用されている他の材料を使用して、 自体公知の方法により製造することができる 。通常使用されている他の材料としては、例えば、油脂類 (例えば、ミツロウ及びカル ナバロゥ等のロウ、ホホバ油、ミンク油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴ マ油、ヒマシ油、ォリーブ油等)、界面活性剤(例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポ リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、 ポリオキシエチレンセチルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン 硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル等)、低級又は高級アルコール類 (例え ば、セタノール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、へキサデシルアルコ ール、ベへニルアルコール、オタチルドデカノール等)、脂肪酸類(例えば、ラウリン 酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ゥンデシレン酸、ォレイン酸等)、水溶 性高分子、(例えば、カルボキシビ二ルポリマー、アルキル変性カルボキシビエルポリ マー、セルロース、アルギン酸カルシウム等)、多糖類(例えば、ヒアルロン酸、コンド ロイチン硫酸等)、ペプチド類 (例えば、コラーゲン等)、防腐剤 (例えば、安息香酸及 びその塩類、イソプロピルメチルフエノール、塩酸クロルへキシジン、オルトフエエルフ エノーノレ、グノレコン酸クロノレへキシジン、クロノレクレゾ一ノレ、クロノレフエネシン、クロロブ タノ一ノレ、ソルビン酸及びその塩類、デヒドロ酢酸及びその塩類、パラォキシエチレン 安息香酸エステル、ハロカルバン等)、増粘剤(例えば、カルボキシメチルセルロース ナトリウム、アルギン酸カルシウム、多糖類等)、保湿剤(例えばグリセリン、キシリトー ノレ、ソノレビトーノレ、ジプロピレングリコーノレ、ブチレングリコーノレ、プロピレングリコーノレ
、ポリエチレングリコーノレ 200〜600、ポリオキシエチレンメチルダルコシド、マルチト ール、マンニトール等)、色素、香料、水又は pH調整剤等が挙げられる。
[0024] 更に医薬品としては、例えば、リニメント、貼付剤、軟膏剤、ゾル状塗布剤等の外用 のもののほカゝ、経口的に摂取する顆粒剤、細粒剤、錠剤、カプセル剤、シロップ剤又 は液剤等が挙げられる。これらは、本発明に係る美白有効成分の他に通常使用され ている他の材料を使用して、 自体公知の方法により製造することができる。通常使用 されている他の材料としては、各種の添加剤、例えば、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、 ブドウ糖、デンプン、結晶セルロース等)、結合剤(例えば、デンプン糊液、ヒドロキシ プロピルセルロース液、カルメロース液、アラビアゴム液、ゼラチン液、アルギン酸ナト リウム液等)、崩壊剤(例えば、デンプン、カルメロースナトリウム、炭酸カルシウム等) 、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸カル シゥム等)、界面活性剤(例えば、ポリソルベート 80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 等)又は増粘剤(例えば、ヒドロキシェチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース 、ポリビュルアルコール、ポリエチレングリコール等)などが挙げられる。又、 口中用医 薬品、香粧品の剤形としては、例えば、チユアブル錠又はトローチなどが挙げられる。
[0025] 以下に実施例を記述して、本発明を更に詳しく説明するが、これによつて本発明が 限定的に解釈されるものではない。
実施例 1
[0026] リオ二レシノール含有抽出物の製造(1)
原料植物として、オーク材(アメリカンホワイトオーク及びスパニッシュオークの新材 、古材)を用いた。工業用エタノールを水と混合して 40、 60、 70、 96容量%エタノー ル水溶液を調製し、このエタノール水溶液に上記オーク材のチップ(1 X I X 2cm) 2 40gを添カ卩し、 85°Cで 5分間加熱した後、 24時間室温で放置し、再度 85°Cで 5分間 加熱した。得られた抽出液のリオ二レシノール含量を測定した。測定条件は、以下の とおりである。
カラム: Cosmosil 5C18AR-II
カラムサイズ: 3 X 250mm
移動相:ァセトニトリル/水/ギ酸 = 20/80/0. 1 (v/v/v)
流速: 0. 5mL/分
測定波長: 280nm
結果を図 1に示す。リオ二レシノールは、 40〜60容量%エタノール、特に 60容量 %エタノールで最も多く抽出されることがわかった。 実施例 2
[0027] リオ二レシノール含有抽出物の製造(2)
ウィスキーの貯蔵用原酒として用レ、られるニューポットを調製した。すなわち、発芽 した大麦 (麦芽)を粉砕し、温水と混合し、糖化させ、濾過した糖液に酵母を加え発酵 させ、アルコール度数が 7· 0〜7· 5容量%の醪 (もろみ)を得た。醪を銅製のポットス チル(単式蒸留器)に入れて二度蒸留し、アルコール濃度 60容量%の組成物(ニュ 一ポット)を得た。次に、ウィスキー製造用の樽 (ホワイトオーク、スパニッシュオーク、 ミズナラの新樽)を用い、これらの樽に上記ニューポットを入れて栓をし、貯蔵庫にて 5年間保存し樽材抽出液を得た。 5年後、得られた樽材抽出液のリオ二レシノール含 量を測定した。
種々の樽材抽出液のリオ二レシノール含量は、ホワイトオーク: 4. 9mg/L、スパニ ッシュオーク: 11 · 39mg/L、ミズナラ: 10· 7mg/Lであった。
実施例 3
[0028] リオ二レシノール含有抽出物の製造(3)
ウィスキー製造用のアメリカンホワイトオークの樽(古材)を用レ、、実施例 2と同様に して製造したニューポットを入れて樽材抽出液を製造した。経時的(0、 4、 8、 12年) に樽材抽出液を採取し、該抽出液のリオ二レシノール含量を測定した。
経時的に採取した樽材抽出液のリオ二レシノール含量は、貯蔵 0年: Omg/L、 4年 : 0. 68mg/L、 8年: 1. 13mg/L、 12年: 2. 15mg/Lであった。
実施例 4
[0029] リオ二レシノール及びその異性体の精製
ブナ科コナラ属植物からの低級アルコール水溶液抽出物として市販のウィスキー( サントリー株式会社製『山崎 18年』、アルコール濃度 60。/。)(樽材:シェリーヴアット、リ ォニレシノール含量:7. 7mg/Uを用いた。ウィスキー 400mLをエバポレーシヨン した後、凍結乾燥し、乾燥物(ウィスキーコンジェナ一) 1. Omgを得た。この乾燥物に 純水を加え、得られた純水画分を n—へキサン、酢酸ェチルまたは n—ブタノールで
抽出し、以下の方法により、チロシナーゼ阻害活性を測定した(図 2— 1)。活性の高 力つた酢酸ェチル画分に純水を加え、ゲル濾過クロマトグラフィーに供した。ゲル濾 過クロマトグラフィーには Pharmacia社製のセフアデックス(登録商標) LH— 20の力 ラム(Φ 1. 3 X 90cm)を用レ、、 lmL/lOminの流速のメタノールで展開して分別し た。:!〜 3の画分 [分酉己係数(Kd) =0— 0. 5、 0. 5 - 1. 0、 1. 0— 1. 5]を分画した。 それら画分のうち、最も活性の高かった画分について、さらに 1〜5の画分(Kd = 0. 4-0. 5、 0. 5 -0. 6、 0. 6 -0. 7、 0. 7— 0. 8、 0. 8— 0. 9)を分画し、チロシナー ゼ阻害活性を測定した(図 2 _ 2)。測定した結果、チロシナーゼ阻害活性は、 Kd = 0 . 6 -0. 7で最も高かった。
[0030] 上記の Kd = 0. 6 -0. 7における活性画分を、 HPLCにより分取した。カラムには、 YMC-Pack ODS—AM (10 X 300mm)を用レヽ、移動層: 38% (v/v)メタノール 水溶液、流速: 2. OmL/min、検出波長: 280nmで分画した。その結果、チロシナ ーゼ阻害活性は、ピーク No. 2で最も高かった(図 2— 3)。この画分は、 HPLC上の 単一ピークに精製されていた。該画分の上記 HPLC条件におけるリテンションタイム は約 17. 5分であった。
[0031] (チロシナーゼ阻害活性の測定方法)
B16マウスメラノーマ細胞は、 10% (W/W)ゥシ胎児血清を含む DMEM (ダルべ ッコ一変法イーグル)培地を用レ、、 5% (v/v) CO、 37°Cの条件下で培養した。測定
2
サンプルと B16マウスメラノーマ細胞より調製したチロシナーゼ粗酵素液を混和し、 基質として L ドーパを濃度 0· 05% (W/W)になるように添加した。 37°Cで 20分間 反応させ、 492nmにおける吸光度 A (ドーパクローム量に比例する)を測定した。コン トロールとして、同じ反応系に被験サンプノレを添カ卩しないで、同様の操作を行い、 49 2nmにおける吸光度 Bを測定し、下記の式からチロシナーゼ阻害率を算出した。
阻害率(%) = (1一吸光度 AZ吸光度 B) X 100
実施例 5
[0032] 活性物質の構造決定
実施例 4で単離精製した活性物質 (画分)について、定法に従い質量分析 (FAB MASS)及び核磁気共鳴 NMR、 13C— NMR)を実施し、スペクトル解析を
行った。活性物質を DMSO— Dに溶解して FAB— MASSを実施した結果、分子ィ
6
オンとして、質量/電荷 (m/z)が 443(M + Na)+となり、分子量は 420を有するも のであることが判明した。次に、核磁気共鳴 ^H— NM^ 13C— NMR)を実施し、ス ぺクトル解析を行った。測定には、 Bmker Biospin社 DMX-750 ('H-NMR) または DMX— 500(13C— NMR)を用いた。その測定の結果、上記単離精製した活 性物質の炭素原子の Chemical shift (ppm)ならびに分子量は Magn. Reson. C hem., 1985年、第 23卷、 ρ·369に記載のものと完全に一致した。
[0033] 従って、質量分析スペクトル(FAB— MASS)及び核磁気共鳴スペクトル — Ν MR、 13C— NMR)解析の結果、チロシナーゼ活性阻害を示す活性物質の化学構造 は、下記式 (A)〜(H)の一種又は二種以上の混合物であることが判明した。
[化 19]
(A) ( B ) (C) ( D)
( E ) ( F) (G ) および (H )
(式中、 Meはメチル基を示す。 )
実施例 6
[0034] リオ二レシノールの合成
リオ二レシノールは、 INDIAN J. CHEM. , VOL.14B, FEBRUARY, 1976 年、第 128ページ(以下、文献 Aと略記する)に記載された自体公知の方法に従って 製造した。より詳しくは、下記反応式により下記実施例 7〜: 13で使用されたリオ二レシ ノールを製造した。即ち、
[化 20]
(式中、 Acはァセチル基を、 Meはメチル基を示す。)
文献 Aにおける式 (1 (11 (111 (IV)の代わりに、それぞれ上記式(1 (2 ( 3 (4)が使用された以外は、文献 Aと全く同様にして、式 (5)の化合物を得た。 このリオ二レシノールの核磁気共鳴及び質量分析は実施例 5のものと完全に一致し た。また、円偏光二色性 (CD)スペクトル解析を行った結果、合成品が(+ )—リオ二 レシノール及び(一)一リオ二レシノールの混合物(ラセミ体)であることが判明した。 実施例 7
( + )—リオ二レシノール及び(一)—リオ二レシノールの精製
キラルカラムを用いて、実施例 6で合成されたリオ二レシノール (ラセミ体)の高速液 体クロマトグラフィー(HPLC)による分離を実施した。 HPLCの分析条件は、以下の とおりである。
カラム: CHIRALCEL AD— H
カラムサイズ: 0. 461. D X 25cm
移動相:メタノール/エタノール Z酢酸 = 50Z50Z0. 1 (ν/ν/ν
流速: 1. OmL/分
測定波長: 254nm
得られた分取物(+ )—リオ二レシノール及び(一) リオ二レシノールの光学純度 は、それぞれ 98%ee以上であった。また、得られた(+ )—リオ二レシノール及び(一 )—リオ二レシノールの割合は、約 1: 1 (w/w)であった。
実施例 8
[0036] チロシナーゼ阻害活性(IC )の測定
50
被験物質として、実施例 7で分取された(+ )—リオ二レシノール及び(一) リオ二 レシノールを用いた。被験物質 5mgをそれぞれ DMSO (ジメチルスルホキシド)に溶 解し、実施例 4と同様にチロシナーゼ阻害活性の測定を行った。また、陽性対照とし て、チロシナーゼ活性阻害を有するものとして市場で広く使用されているアルブチン を用い、上記と同様にしてサンプノレを調製し、チロシナーゼ阻害活性の測定を行つ た。
[0037] 結果を図 3に示す。 (+ )—リオ二レシノール及び(一) リオ二レシノールともにチロ シナーゼ阻害活性を有することがわかった。
また、被験物質のチロシナーゼ阻害活性の IC を算出した。結果を表 1に示す。 (
50
―)—リオ二レシノールの IC は、アルブチンの IC より低く、 (―)—リオ二レシノール
50 50
力アルブチンよりもチロシナーゼ阻害活性が高いことを示した。
[0038] [表 1]
[0039] メラニン産生量の測定
披験物質として、実施例 7で分取された(+ )—リオ二レシノール及び(一)—リオ二 レシノールおよびおよび実施例 4で調製したリオ二レシノール類含有のウィスキーコ ンジェナーを用い、 DMSO (ジメチルスルホキシド)に溶解して、それぞれ最終濃度 力 S100 μ g/mLとなるよう調製した。
4 X 104個のマウス B 16メラノーマ細胞を 60mmプラスティックシャーレに播種し、前 培養を行った。 24時間の前培養後、上記披験物質を添加して混和し、さらに 37°Cで 3日間培養した。この細胞を PBS洗浄し、 1 X 106個の遠心残查にっき lmLの 1M NaOHを添加して溶解し、 470nmにおける吸光度を測定した。また、前培養後に、 0 . ImMの Nle α— Phe ― a—melanocyte stimulating hormone (NDP— a _ MSH)及び被験物質を添加して混和し、さらに 37°Cで 3日間培養したものについ ても、同様に 470nmにおける吸光度を測定した。披験物質及び NDP— a—MSH のいずれも添加していないサンプルの 470nmにおける吸光度を細胞内メラニン量 1 00%とし、これに対する各サンプノレの比を算出した。また、陽性対照としてアルプチ ンを用い、上記と同様にしてサンプノレを調製し、細胞内メラニン量を測定した。
結果を図 4に示す。 (+ )—リオ二レシノールおよびリオ二レシノール類含有のゥイス キーコンジェナ一では、 NDP— a—MSHの添加有無に関わらず、メラニン産生が 著しく抑制された。この効果は、アルブチンの効果よりも高かった。
実施例 10
[0040] モルモットを使ったメラニン生成抑制の測定
( 1 )被検動物及び飼育方法
ヴアイサーメイプル (weiser maples)系雄性褐色モルモット 4週齢を購入し、室温 23. 5。C、相対湿度 50 ± 10%、換気回数 10— 15回/時、照明時間 7: 00から 19: 0 0に設定された飼育室にて、ポリカーボネート製ゲージ(幅 29. 2cm,高さ 20cm、奥 行 44cm)で個別に 1週間予備飼育をした。市販の固形飼料と水 (公共水道水)は自 由に摂取させた。試験期間中、体重は週 1回測定した。
[0041] (¾被験サンプノレ
実施例 6に記載したとおりの化学的に合成されたリオ二レシノール (ラセミ体)を 60 % (W/W)エタノール水溶液に 10/0 (W/W)濃度で溶解し、リオ二レシノールを含 む被験サンプノレとして試験に供した。また、陽性対照としてアルブチンを用い、 60% (W/W)エタノール水溶液に 7% (W/W)濃度に溶解したものを使用し、上に得た 本発明のリオ二レシノール (ラセミ体)を含む被験サンプノレと比較した。コントロールに は、 60% (W/W)エタノール水溶液を被験サンプノレとして使用した。
[0042] (3)紫外線照射による色素沈着
上記予備飼育したモルモットを一群 12尾使用し、それぞれの背部を電気バリカン 及び電気シェバーで除毛し、正中を挟んで上下 2力所、計 4力所を測定部位とした。 モルモットは背部に型紙を置き、スミペック 010 (UV透過性アクリル)製の補定器に固 定して、紫外線照射を行った。紫外線照射には UV照射器(CS&TOREX DERM ARAY 医療用紫外線照射装置 M— DMR 80型)及び UV—Bランプ (TOREX FL20S -E- 30/DMR 20WAT TOSHIBA MEDICAL SUPPLY)を用 レヽ、 11¥_8を1. 46mWZcm2の強度で 6分間照射した(0. 526j/cm2) 0紫外線 強度は紫外線強度計(DERMARAY UVR— 3036ZS2)を用いて測定した。試 験 1日目から、一日 1回、 3日間連続で紫外線照射を行い、色素を沈着させた。
[0043] (4)被験サンプルの塗布
試験 3日目の紫外線照射を終えた直後から、被験サンプノレの塗布を開始した。 1日 1回、 40 / Lを各部位に塗布した。
[0044] (5)メラニン色素沈着抑制効果の評価
測定部位を色差計(コニ力ミノルタ COLOR READER CR— 10)を用いて、 5 回測定し、皮膚色について Lab表色系で表示し、 L値(明度)を評価に用いた。 L値 の平均値(A L値)を算出し、指標とした。
[0045] (6) L値の評価結果
被験モルモットの紫外線 (UV— B)照射時の皮膚色( A L値)の推移を図 5に示した 。紫外線照射開始後、色素沈着による L値の低下が認められた。紫外線照射量の変 動による測定を避けるため、被験サンプル塗布開始直前の L値の値を 0として、解析 を行った。
本発明に係るリオ二レシノールを含む被験サンプルを塗布した群は、アルブチンを 含む被験サンプルと同等のメラニン色素沈着抑制の効果を示した。本発明に係るリ ォニレシノールを含む被験サンプノレの濃度が、アルブチンを含む被験サンプノレの濃 度の 7分の 1であることを考慮すると、本発明に係るリオ二レシノールのメラミン色素沈 着抑制効果の優秀さが判った。
なお、本発明に係るリオ二レシノールを含む被験サンプルは、外見上、皮膚炎等の
症状は観察されなかった。
実施例 11
[0046] 皮膚用ゲルの調製
精製水 80gに、ポリアクリル酸ソーダ 0. 5gを溶かし、これに、実施例 6で得たリオ二 レシノール(ラセミ体) lgをエチルアルコール 18. 5gと共にカ卩え、柑橘系のエッセンス を少量カ卩えて、ゲルを調製した。
実施例 12
[0047] ゼリー状ピールオフパックの調製
精製水 65gに、カルボキシメチルセルロース 5g及びポリビエルアルコール 10gを加 えて、加温しながら溶解し、これに、実施例 4で得たウィスキーから精製したリオユレ シノール(ラセミ体) lgをェチノレアノレコーノレ 19gと共にカ卩え、柑橘系のエッセンスを少 量加えて、ゼリー状ピールオフパックを調製した。
産業上の利用可能性
[0048] 本発明は、メラニン色素の生成に関与するチロシナーゼ活性を阻害する、及び/ま たは a—MSHによるメラノサイトの活性を阻害ことによって、メラニン生成を阻害する リオ二レシノール類を含有する美白剤を提供するものである。従って、本発明は、美 白を目的に提供される飲食品、香粧品、医薬品等種々の製品に利用される。