明 細 書
改ざん検出装置,透かし入り画像出力装置,透かし入り画像入力装置, 透かし入り画像出力方法,および透かし入り画像入力方法
技術分野
[0001] 本発明は,文書画像などの画像の改ざん検出に関する。
背景技術
[0002] コピー用紙などの印刷媒体に印字データを印刷し,印刷物を生成すると,その印刷 物に印刷されたテキストや画像などを見ることによって,印刷物に印刷された内容を 把握することができる。
[0003] 一方,画像や文書データなどのディジタルデータにコピー'偽造防止のための情報 や機密情報を目視できな ヽ形式で埋め込む「電子透かし」が存在して ヽる。その「電 子透かし」を文書データ等に埋め込むことで,偽造等の不正行為を未然に防ぐため の技術が存在する。
[0004] 上記「電子透かし」の技術を応用して,上記印刷媒体に印字データを印刷する際に ,上記印字データの他に,上記印字データに対応した電子透力 を一緒に印刷する と,その印刷物を人の目で見ただけで,印刷物に印刷してある電子透力 情報から, 印刷物に印字された文字が改変される等の印刷物の改ざんを発見できる(例えば, 特許文献 1参照)。なお,改ざんされている力否かの判定は印刷結果と電子透かしで 印字されてものを比較することによって行われて 、る。
[0005] 特許文献 1:特開 2000— 232573号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] し力しながら,印刷物に改ざんされた力否かを判定するために,電子透かしから取り 出した印字内容と,印刷物に印刷されている印字内容とを目視によって比較する必 要があった。
[0007] したがって,以下(1)及び(2)に示すような問題があった。 (1)目視による判定であ るため大量の印刷物の改ざんの有無を短時間で処理することは困難であった。 (2)
印字内容を 1文字ずつ読み比べる必要があるため,人為的なミスによって改ざんの 見逃しが起こる可能性があった。
[0008] 本発明は,上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,透かし情報 を自動的に埋め込み,出力画像を生成し,その出力画像力も埋め込まれた透力 情 報を抽出し,出力画像の改ざんを自動的に検出することが可能な,新規かつ改良さ れた改ざん検出装置,透かし入り画像出力装置,透かし入り画像入力装置,透かし 入り画像出力方法,および透かし入り画像入力方法を提供することである。
課題を解決するための手段
[0009] 上記課題を解決するため,本発明の第 1の観点によれば,改ざん検出装置が提供 される。上記改ざん検出装置は,画像を入力し,その入力画像の画像領域のうち改 ざんされた力否かを判定する 1又は 2以上の判定領域に対して特定の形状に強く反 応する 1又は 2種以上の特徴抽出フィルタのうち少なくとも一種の特徴抽出フィルタを 施して出力値を計算する第 1の画像特徴抽出部と;画像の各判定領域を所定の大き さの判定ブロックで分割する第 1の領域分割処理部と;算出された出力値に基づき, 特徴抽出フィルタごとに各判定ブロックの評価値を算出する第 1の画像特徴評価部と ;画像のサイズ情報,画像における判定領域の位置情報,判定領域のサイズ情報, 各判定ブロックの位置情報,各判定ブロックのサイズ情報,または各判定ブロックの 評価値のうち少なくとも一つの情報を透力し情報として画像に埋め込み,出力画像を 少なくとも生成する透力 情報埋め込み部と;出力画像に埋め込まれた透かレ f青報を 抽出する透力 情報抽出部と;少なくとも出力画像を加工し,画像と略同一サイズの 比較画像を生成する画像生成部と;抽出された透かレ f青報に含まれる少なくとも判定 領域の位置情報と,判定領域のサイズ情報と,各判定ブロックの位置情報と,各判定 ブロックのサイズ情報とに基づいて,比較画像における判定領域に対し,特徴抽出フ ィルタを施して比較出力値を計算する第 2の画像特徴抽出部と;比較画像の各判定 領域を判定ブロックで分割する第 2の領域分割処理部と;上記算出された比較出力 値に基づ 、て,各判定領域に施された特徴抽出フィルタごとに判定ブロックの比較 評価値を算出する第 2の画像特徴評価部と;上記透かし情報に含まれる画像におけ る各判定ブロックの評価値を取得し,該画像の各判定ブロックの評価値と比較画像
の各判定ブロックの比較評価値との差分を特徴検出フィルタごとに計算し,該特徴検 出フィルタごとに算出された 1又は 2以上の差分値のうち少なくとも一つが所定値より も大き 、場合,その比較評価値に対応する比較画像の判定領域には改ざんがあつ たと判定する改ざん判定部とを備えることを特徴としている。なお,出力画像から評価 値を計算する際に用いられる上記特徴抽出フィルタは,画像から評価値を計算する 際に用いられた特徴抽出フィルタと同一のものである。
[0010] 本発明によれば,改ざん検出装置は,特定の形状に強く反応する特徴抽出フィル タを用いて,改ざんの有無を判定する対象の領域 (判定領域)について画像の反応 状況を検出するフィルタリング処理を実行し,その結果,出力値が求まる。次に,今度 は判定領域を判定ブロック単位に分割し,その判定ブロックごとに,上記出力値に基 づ 、て評価値を計算する。当該判定ブロックごとの評価値が改ざんの判定基準 (マス タ)となり,透力 情報として出力画像に埋め込まれる。出力画像として出力後,出力 画像を不正に改ざんされたか否かを検出する段階で,出力画像を画像と同じサイズ に加工し,出力画像から評価値を画像における処理と同様に計算し,出力画像にお ける比較評価値と画像における評価値との差分値によって比較対照すれば,出力画 像の判定領域に改ざんの有無を判定することができる。力かる構成によれば,人の目 によらなくとも自動的に改ざんを検出し,改ざんの有無を自動的に判定することがで きる。さらに,人の目による改ざん検出よりも改ざん検出精度を向上させ,処理時間も 短縮化される。さらに,判定ブロックごとに改ざんの有無を判定するため,判定領域 内のどの位置が改ざんされたの力判定ブロックで把握することが可能であるため,利 用者は容易にその改ざんされた該当個所を確認することができる。なお,上記画像 生成部は,出力画像に縮小 Z拡大などの所定処理を施すことで,出力画像に生じる 歪みや汚れなどを補正し,改ざん検出の精度の向上化が図れる。
[0011] 上記出力画像は,紙などの印刷媒体に印刷された印刷物,または画像に透かレ f青 報が埋め込まれた画像データなどで構成してもよい。カゝかる構成により,改ざんの有 無を判定する対象範囲が広く,汎用性を向上させることができる。
[0012] 上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,透かし入り情報出力装 置が提供される。上記透かし入り情報出力装置は,画像を入力し,その入力画像の
画像領域のうち改ざんされた力否かを判定する 1又は 2以上の判定領域に対して特 定の形状に強く反応する 1又は 2種以上の特徴抽出フィルタのうち少なくとも一種の 特徴抽出フィルタを施して出力値を計算する画像特徴抽出部と;画像の各判定領域 を所定の大きさの判定ブロックで分割する領域分割処理部と;算出された出力値に 基づき,特徴抽出フィルタごとに各判定ブロックの評価値を算出する画像特徴評価 部と;画像のサイズ情報,画像における判定領域の位置情報,判定領域のサイズ情 報,各判定ブロックの位置情報,各判定ブロックのサイズ情報,または各判定ブロック の評価値のうち少なくとも一つの情報を透力し情報として画像に埋め込み,出力画像 を生成する透力 情報埋め込み部とを備えることを特徴としている。
[0013] 本発明によれば,透かし入り画像出力装置は,特定の形状に強く反応する特徴抽 出フィルタを用いて,改ざんの有無を判定する対象の領域 (判定領域)について画像 の反応状況を検出するフィルタリング処理を実行し,出力値を求め,さらに判定領域 を判定ブロック単位に分割し,その判定ブロックごとに,上記出力値に基づいて評価 値を計算する。当該判定ブロックごとの評価値を透かレ f青報として出力画像に埋め込 む。カゝかる構成により,改ざんを検出したい対象領域である判定領域の画像を特徴 抽出フィルタによってフィルタリング処理することで,例えばハッシュ値等のような改ざ んされた場合,容易に判定可能な評価値を生成し,画像に埋め込み出力画像を生 成することができる。さらに,改ざん判定時に,上記出力画像から評価値を抽出すれ ば,それらの評価値と,被判定対象である出力画像から求めた比較評価値との差分 に基づき,効率的な改ざん判定処理を実現させることができる。
[0014] 上記評価値は,判定ブロック内に存在する 1又は 2以上の前記出力値の平均値で あるように構成してもよく,また上記評価値は,特徴抽出フィルタごとに設定された所 定値よりも大きい出力値のうち,判定ブロック内に存在する 1又は 2以上の出力値の 平均値であるように構成してもよい (例えば,第 1の実施形態)。
[0015] 上記画像に設定される判定領域は,該判定領域内の領域全てに対して特徴抽出 フィルタが施されるように構成してもよく(例えば,第 1の実施形態),画像に設定され た判定領域は,該判定領域内に文字が存在する領域のみを網羅するように再配置さ れるように構成してもよ ヽ(例えば,第 2の実施形態)。
[0016] 上記特徴抽出フィルタは,画像の特定の方向に傾く直線に強く反応するフィルタで あるように構成してもよい。
[0017] 上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,透かし入り画像入力装 置が提供される。上記透かし入り画像入力装置は,画像に,上記画像のサイズ情報 ,上記画像の画像領域のうち改ざんされたカゝ否かを判定する 1又は 2以上の判定領 域の位置情報,判定領域のサイズ情報,判定領域を分割することで判定領域に構成 される 1又は 2以上の各判定ブロックの位置情報,各判定ブロックのサイズ情報,また は各判定ブロックの評価値のうち少なくとも一つの情報が透力し情報として埋め込ま れることで生成された出力画像から,透力し情報を抽出する透力し情報抽出部と;少 なくとも出力画像を加工し,画像と略同一サイズの比較画像を生成する画像生成部と ;抽出された透力し情報に含まれる少なくとも判定領域の位置情報,判定領域のサイ ズ情報,各判定ブロックの位置情報,または各判定ブロックのサイズ情報のうち少なく とも一つに基づいて,比較画像における判定領域に対し,特定の形状に強く反応す る 1又は 2種以上の特徴抽出フィルタのうち少なくとも一種の特徴抽出フィルタを施し て比較出力値を計算する画像特徴抽出部と;比較画像の各判定領域を判定ブロック で分割する領域分割処理部と;算出された比較出力値に基づいて,各判定領域に 施された特徴抽出フィルタごとに判定ブロックの比較評価値を算出する画像特徴評 価部と;透力し情報に含む画像における各判定ブロックの評価値を取得し,該画像の 各判定ブロックの評価値と比較画像の各判定ブロックの比較評価値との差分を特徴 検出フィルタごとに計算し,該特徴検出フィルタごとに算出された 1又は 2以上の差分 値のうち少なくとも一つが所定値よりも大きい場合,その比較評価値に対応する比較 画像の判定領域には改ざんがあつたと判定する改ざん判定部とを備えることを特徴と している。
[0018] 本発明によれば,透かし入り画像入力装置は,印刷物またはディジタル文書画像 等に沿うとする出力画像を不正に改ざんされたか否かを検出する段階で,出力画像 を画像と同じサイズに加工し,出力画像力も評価値を画像における処理と同様に計 算し,出力画像における比較評価値と画像における評価値との差分値によって比較 対照すれば,出力画像の判定領域に改ざんの有無を判定することができる。かかる
構成によれば,人間の目に頼らなくても透かし入り画像入力装置が自動的に改ざん を検出し,改ざんの有無を自動的に判定することができる。さらに,人による改ざん検 出よりも改ざん検出精度を向上させ,処理時間も短縮化される。さらに,判定ブロック ごとに改ざんの有無を判定するため,判定領域内のどの位置が改ざんされたの力判 定ブロックで把握することが可能であるため,利用者は容易にその改ざんされた該当 個所を確認することができる。
[0019] 上記改ざん判定部は,透力し情報に含む画像における各判定ブロックの評価値を 取得し,画像の各判定ブロックの評価値と比較画像の各判定ブロックの比較評価値 との差分を特徴検出フィルタごとに計算し,該特徴検出フィルタごとの差分値を線形 結合した値が,所定値よりも大きい場合,その比較評価値に対応する比較画像の判 定領域には改ざんがあつたと判定するように構成してもよ 、。
[0020] 上記評価値は,判定ブロック内に存在する 1又は 2以上の出力値の平均値であるよ うに構成してもよく,上記評価値は,特徴抽出フィルタごとに設定された所定値よりも 大きい前記出力値のうち,判定ブロック内に存在する 1又は 2以上の出力値の平均値 であるように構成してもよ 、。
[0021] 上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,透かし入り画像出力方 法が提供される。上記透かし入り画像出力方法は,画像を入力し,その入力画像の 画像領域のうち改ざんされた力否かを判定する 1又は 2以上の判定領域に対して特 定の形状に強く反応する 1又は 2種以上の特徴抽出フィルタのうち少なくとも一種の 特徴抽出フィルタを施して出力値を計算する画像特徴抽出処理と;画像の各判定領 域を所定の大きさの判定ブロックで分割する領域分割処理と;上記算出された出力 値に基づき,特徴抽出フィルタごとに各判定ブロックの評価値を算出する画像特徴 評価処理と;画像のサイズ情報,画像における判定領域の位置情報,判定領域のサ ィズ情報,各判定ブロックの位置情報,各判定ブロックのサイズ情報,または各判定 ブロックの評価値のうち少なくとも一つの情報を透力し情報として画像に埋め込み, 出力画像を生成する透かし情報埋め込み処理とを含むことを特徴とする。
[0022] さらに,上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,透かし入り画像 入力方法が提供される。上記透かし入り画像入力方法は,画像に,当該画像のサイ
ズ情報,画像の画像領域のうち改ざんされたか否かを判定する 1又は 2以上の判定 領域の位置情報,判定領域のサイズ情報,判定領域を分割することで判定領域に構 成される 1又は 2以上の各判定ブロックの位置情報,各判定ブロックのサイズ情報,ま たは各判定ブロックの評価値のうち少なくとも一つの情報が透力し情報として埋め込 まれることで生成された出力画像から,透かし情報を抽出する透かし情報抽出処理と ;少なくとも出力画像を加工し,画像と略同一サイズの比較画像を生成する画像生成 処理と;抽出された透力し情報に含まれる少なくとも判定領域の位置情報,判定領域 のサイズ情報,各判定ブロックの位置情報,または各判定ブロックのサイズ情報のう ち少なくとも一つに基づいて,比較画像における判定領域に対し,特定の形状に強 く反応する 1又は 2種以上の特徴抽出フィルタのうち少なくとも一種の特徴抽出フィル タを施して比較出力値を計算する画像特徴抽出処理と;比較画像の各判定領域を 判定ブロックで分割する領域分割処理処理と;上記算出された比較出力値に基づ ヽ て,各判定領域に施された特徴抽出フィルタごとに判定ブロックの比較評価値を算 出する画像特徴評価処理と;透かレ f青報に含む画像における各判定ブロックの評価 値を取得し,該画像の各判定ブロックの評価値と比較画像の各判定ブロックの比較 評価値との差分を特徴検出フィルタごとに計算し,該特徴検出フィルタごとに算出さ れた 1又は 2以上の差分値のうち少なくとも一つが所定値よりも大きい場合,その比較 評価値に対応する比較画像の判定領域には改ざんがあつたと判定する改ざん判定 処理とを含むことを特徴として!/、る。
発明の効果
[0023] 以上説明したように,本発明によれば,人間の目で改ざんの有無を検出せずに,装 置単独で改ざんの有無を自動的に判定することができる。また,人間が改ざん検出 するよりも装置が改ざん検出した方が,改ざん検出の精度が向上し,改ざん検出処 理時間も短縮化される。
図面の簡単な説明
[0024] [図 1]透力 画像出力部の概略的な構成を示すブロック図である。
[図 2]透力 画像入力部の概略的な構成を示すブロック図である。
[図 3]本実施の形態にカゝかる原画像の概略的な構成の一例を示す説明図である。
[図 4]画像特徴抽出に用いる特徴抽出フィルタの概略的な構成の一例を示す説明図 である。
[図 5]画像特徴抽出に用いる特徴抽出フィルタの概略的な構成の一例を示す説明図 である。
[図 6]画像特徴抽出に用いる特徴抽出フィルタの概略的な構成の一例を示す説明図 である。
[図 7]画像特徴抽出に用いる特徴抽出フィルタの概略的な構成の一例を示す説明図 である。
[図 8]フィルタ Aを特徴抽出用フィルタとして選択した場合のフィルタリング処理の概 略の一例を示す説明図である。
[図 9]フィルタ Aによるフィルタリング処理の概略的な結果の一例を示す説明図である
[図 10]フィルタ Bによるフィルタリング処理の概略的な結果の一例を示す説明図であ る。
圆 11]改ざん判定領域を判定ブロック単位に分割した場合の改ざん判定領域の概略 的な構成を示す説明図である。
[図 12]改ざん判定領域が複数存在する場合の原画像の概略的な構成の一例を示す 説明図である。
圆 13]図 12に示す各改ざん判定領域の概略的な構成の一例を示す説明図である。 圆 14]判定ブロックで分割された改ざん判定領域の概略的な構成の一例を示す説明 図である。
圆 15]画像特徴データ化処理の概略の一例を示す説明図である。
圆 16]画像特徴データ化処理の概略の一例を示す説明図である。
圆 17]第 1の実施の形態にカゝかる評価値テーブルの概略的な構成の一例を示す説 明図である。
圆 18]第 1の実施の形態にカゝかる評価値テーブルの概略的な構成の一例を示す説 明図である。
[図 19]透力 情報合成部の処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである
圆 20]透かし信号の一例を示す説明図である。
[図 21]図 20 (1)の画素値の変化を arctan (lZ3)の方向から見た断面図である。
[図 22]透かし信号の一例を示す説明図であり, (3)はユニット Cを, (4)はユニット Dを , (5)はユニット Eを示している。
[図 23]図 23 (1)はユニット Eを背景ユニットと定義し,これを隙間なく並べて原画像 11 の背景とした場合を示す説明図である。図 23 (2)は図 23 (1)の背景画像の中にュ- ット Aを埋め込んだ一例を示し,図 23 (3)は図 23 (1)の背景画像の中にユニット Bを 埋め込んだ一例を示して!/ヽる。
[図 24]原画像へのシンボル埋め込み方法の一例を示す説明図である。
[図 25]透力し情報を原画像に埋め込む方法について示したフローチャートである。 圆 26]透力 情報を原画像に埋め込む方法について示した説明図である。
圆 27]透かし入り文書画像の一例を示す説明図である。
[図 28]図 27の一部を拡大して示した説明図である。
[図 29]透力し情報抽出部 22の処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートで ある。
[図 30]第 1の実施の形態における信号検出フィルタリング工程 (ステップ S310)の説 明図である。
圆 31]第 1の実施の形態における信号位置探索工程 (ステップ S320)の説明図であ る。
圆 32]第 1の実施の形態における信号境界決定工程 (ステップ S340)の説明図であ る。
圆 33]情報復元の一例を示す説明図である。
圆 34]データ符号の復元方法の一例を示す説明図である。
圆 35]データ符号の復元方法の一例を示す説明図である。
圆 36]データ符号の復元方法の一例を示す説明図である。
[図 37]画像変形部 23のフローチャートである。
圆 38]検出された信号ユ ット位置の例を示す説明図である。
圆 39]近似直線の検出の例を示す説明図である。
圆 40]直線近似を行った結果の例を示す説明図である。
圆 41]傾きの補正を示す説明図である。
圆 42]位置の補正を示す説明図である。
圆 43]直線の交点の例を示す説明図である。
[図 44]入力画像と補正画像の位置の対応例を示す説明図である。
[図 45]入力画像と補正画像の対応付け方法の例を示す説明図である。
[図 46]改ざん判定部 27による改ざん判定処理の概略の一例を示す説明図である。
[図 47]改ざん判定部 27による改ざん判定処理の概略の一例を示す説明図である。
[図 48]改ざん判定部 27による改ざん判定処理の概略の一例を示す説明図である。
[図 49]改ざん判定部 27による改ざん判定処理の概略の一例を示す説明図である。
[図 50]第 2の実施の形態に力かる透かし画像出力部 1010の概略的な構成の一例を 示すブロック図である。
[図 51]第 2の実施の形態に力かる透かし画像入力部 1020の概略的な構成の一例を 示すブロック図である。
圆 52]第 2の実施の形態に力かる文字領域を抽出する抽出処理の概略の一例を示 す説明図である。
[図 53]第 2の実施の形態にかかる文字領域を分割する分割処理の概略の一例を示 す説明図である。
符号の説明
10 透かし画像出力部
11 原画像
12, 24 画像特徴抽出部
13, 25 領域分割処理部
14, 26 画像特徴データ化部
15 透かし 報合成部
16 出力画像
20 透かし画像入力部
21 入力画像
22 透力し情報抽出部
23 画像変形部
27 改ざん判定部
28 透かし 報
29 補正情報
32 改ざん判定領域
40 特徴抽出フィルタ
発明を実施するための最良の形態
[0026] 以下,本発明の好適な実施の形態について,添付図面を参照しながら詳細に説明 する。なお,以下の説明及び添付図面において,略同一の機能及び構成を有する 構成要素については,同一符号を付することにより,重複説明を省略する。
[0027] 以降の説明では文書は白黒 (背景が白,文字が黒)であることを前提に説明を行う 力 背景と文字の色が異なっていれば,どのような色の組み合わせについても実施 可能である。
[0028] (第 1の実施の形態について)
まず,図 1を参照しながら,第 1の実施の形態に力かる改ざん検出装置に備わる透 力し画像出力部 10について説明する。図 1は,第 1の実施の形態に力かる透力し画 像出力部 10の概略的な構成を示すブロック図である。
[0029] 図 1に示すように,透力 画像出力部 (透かし入り画像出力装置) 10は,原画像 (画 像) 11を入力として,透かし入りの出力画像 16を出力する。上記原画像 (画像) 11は ,複数の画素から構成される画像データである。
[0030] 上記画像データには,例えば,文字,図形,記号,もしくはシンボルまたはそれらの 任意な組合せが少なくとも含まれている。したがって,画像データは小説など文字だ けの場合,または新聞など静止画と文字力もなる場合を例示することができる。なお, 本明細書における図形は,広義の意味として,上記画像データに含まれる文字,図 形,記号,もしくはシンボルまたはそれらの任意な組合せを総称する場合もある。
[0031] 出力画像 16は,上記原画像 11に透力 情報が埋め込まれた画像データであるが
,力かる例に限定されず,例えば,出力画像 16は,プリンタ等の印刷手段によって紙 などの印刷媒体に印刷された印刷物の場合でもよい。
[0032] 画像特徴抽出部 12は,原画像 11の画像領域のうち改ざんの有無の判定をする改 ざん判定領域 (又は,判定領域)内において特徴抽出フィルタを用いて画像特徴を 示す出力値を計算する。なお,改ざんは,出力画像 16の完全性を失うことであり,つ まり出力画像 16を正確かつ完全な状態に維持できなくなることである。したがって, 例えば,出力画像 16に不正の目的でなくとも何らかの改変等があれば改ざんに該当 するものとする。また,上記特徴抽出フィルタを用いた出力値の計算については後程 説明する。
[0033] 領域分割処理部 13は,画像特徴抽出部 12で画像の特徴を計算した改ざん判定 領域について,各改ざん判定領域ごと所定の大きさの判定ブロックに分割する。なお ,上記判定ブロックについては,後程説明する。
[0034] 画像特徴データ化部 (第 1の画像特徴評価部) 14は,領域分割処理部 13で分割し た判定ブロックごとに上記計算した出力値に基づき,各特徴抽出フィルタの評価値を 計算する。なお,上記評価値の計算については,後程説明する。
[0035] 透かし情報合成部 (透力し情報埋め込み部) 15は,上記画像特徴データ化部 14に より計算された各特徴抽出フィルタの各判定ブロックの評価値を少なくとも含む情報 を透カゝし情報として原画像 11に埋め込み,出力画像 16を生成する。なお,出力画像 16に埋め込まれた透力 情報は,出力画像 16が印刷された印刷物などの場合,そ の印刷物の表面に地紋等のように表示される場合等を例示することができる。
[0036] 次に,図 2を参照しながら,第 1の実施の形態に力かる改ざん検出装置に備わる透 力 画像入力部 20について説明する。なお,図 2は,第 1の実施の形態に力かる透 力 画像入力部 20の概略的な構成を示すブロック図である。
[0037] 透力 画像入力部 (透かし入り画像入力装置) 20は,改ざん検出装置に備わり,出 力画像 16又は当該出力画像 16を印刷した印刷物の任意個所が改ざんされた力否 かを判定する。なお,第 1の実施の形態に力かる改ざん検出装置には上記透力し画 像出力部 10及び Ζ又は透力 画像入力部 20が備わる。
[0038] 図 2に示すように,透力し画像入力部 20は,出力画像 16を印刷した透かし入りの印
刷物をスキャナなどの入力デバイス(図示せず。 )により計算機に取り込んだ入力画 像 21から改ざん検出を行う。なお,第 1の実施の形態に力かる透かし画像入力部 20 は,透力 画像出力部 10で生成された出力画像 16を印刷した入力画像 21から改ざ ん検出を行う場合について説明するが,出力画像 16を印刷せずに出力画像 16をそ のまま改ざん検出を行う場合でも実施可能である。その場合は,入力画像 21は出力 画像 16と同一である。また,上記入力画像 21は,出力画像 16,または出力画像 16 を印刷した印刷物をスキャナ等の入力デバイスで画像ィ匕されたものである。
[0039] 透力し情報抽出部 22は,入力画像 21から透力し情報 28を抽出する。なお,透かし 情報 28の抽出処理および透かレ f青報 28の詳細については後程詳細に説明する。
[0040] 画像変形部(画像生成部) 23は入力画像 21の補正を行 ヽ,補正画像 29を生成す る。なお,補正後の補正画像 29は,原画像 11と略同一の大きさの画像であり,当該 補正画像 29と透かし情報 28に基づいて生成される比較原画像 (比較画像)とを対比 することで改ざんを検出するが,詳細については後述する。
[0041] 画像特徴抽出部 24は,透力し情報 28に含まれる改ざん判定領域に関する情報に 基づき,補正画像 29における改ざん判定領域を特定し,その改ざん判定領域に対し て特徴抽出フィルタを用いて画像特徴を示す比較出力値を計算する。なお,上記比 較出力値は,透力し情報 28に含まれる出力値との差分値を計算することで改ざんさ れた力否かを判定するための判定基準となる値である。
[0042] 領域分割処理部 25は,画像特徴抽出部 24で特徴を計算した改ざん判定領域の 比較出力値を,透力し情報 28に含まれた判定ブロックの大きさや,判定ブロックの位 置などに関する情報に基づいて 1又は 2以上の判定ブロックに分割する。
[0043] 画像特徴データ化部 (第 2の画像特徴評価部) 26は,領域分割処理部 25で分割し た判定ブロックごとに上記計算した比較出力値に基づき,各特徴抽出フィルタの比較 評価値を計算する。なお,上記比較評価値の計算については,上記画像特徴デー タ化部 14の評価値の計算と実質的に同一であり,詳細については後述する。
[0044] 改ざん判定部 27は,入力画像 21から抽出された透カゝし情報 28に含む各特徴抽出 フィルタの評価値と,画像特徴データ化部 26で計算した各特徴抽出フィルタの比較 評価値とを比較し,所定の判定基準に基づいて改ざんの有無の判定を行う。上記改
ざん有無の判定については,後程詳述する。
[0045] (原画像 11について)
次に,図 3を参照しながら,本実施の形態に力かる原画像 11について説明する。図 3は,本実施の形態にカゝかる原画像の概略的な構成の一例を示す説明図である。
[0046] 図 3に示すように,本実施の形態に力かる原画像 11には,透かし領域 30と,改ざん 判定領域 32とが存在する画像データである。透かし領域 30は,透カゝし情報が重畳さ れる領域である。透力し情報は,コピー ·偽造防止のための情報や機密情報等であり ,上記透力し情報が透かし領域 30に埋め込まれる。なお,透力し情報を透かし領域 3 0に埋め込む処理につ!、ては後述する。
[0047] また,透かし領域 30の左上の座標(基準座標 31)は,当該透かし領域 30の領域を 示す基準となる座標である。なお,基準座標 31は,図示の通り,例えば, (0, 0)であ るが,力かる例に限定されない。改ざん判定領域 32は改ざんされた力否かを判定す る対象となる領域であり,この改ざん判定領域の始点の座標 33を (Ax, Ay) ,改ざん 判定領域の幅 34を Aw,改ざん判定領域の高さ 35を Ahとする。
[0048] (特徴抽出フィルタについて)
次に,図 4〜図 7を参照しながら,特徴抽出フィルタについて説明する。図 4〜図 7 は,画像特徴抽出に用いる特徴抽出フィルタの概略的な構成の一例を示す説明図 である。
[0049] 図 4〜図 7に示す 1又は 2パターン以上の特徴抽出フィルタ 40は原画像 11のうちの 特定の図形に強く反応するように設計されて!ヽる。
[0050] 図 4に示す特徴抽出フィルタ 40a (フィルタ A)は,特徴抽出フィルタ 40a中心部に 垂直方向に黒とするバーが存在し,その両側に黒よりも明度が高いグレー色のバー が存在し,以降黒バーよりも遠ざかるにつれて徐々に明度等が高まるようなバーが複 数存在すし,それら複数のバーによって濃淡を表わしている。上記特徴抽出フィルタ 40aは,濃淡を表わす複数のバーに対応する図形,即ち原画像 11の画像のうち垂 直方向に伸びるような直線等に強く反応する。なお,垂直方向に伸びる直線の形状 が多少曲がった場合等でも反応する。
[0051] 次に,図 5に示す特徴抽出フィルタ 40b (フィルタ B)は,特徴抽出フィルタ 40b中心
部に水平方向に黒色のバーが存在し,その両側に黒よりも明度が高いグレー色のバ 一が存在し,以降黒バーよりも遠ざかるにつれて徐々に明度等が高まるようなバーが 複数存在し,それら複数のバーによって濃淡を表わしている。上記特徴抽出フィルタ
40bは,濃淡を表わす複数のバーに対応する図形,即ち原画像 11の画像のうち水 平方向に伸びるような直線等に強く反応する。なお,水平方向に伸びる直線の形状 が多少曲がった場合等でも反応する。
[0052] 次に,図 6に示す特徴抽出フィルタ 40c (フィルタ C)は,例えば図示のように右上及 び左下頂点を結ぶ黒色のバーが存在し,その両側に黒よりも明度が高いグレー色の バーが存在し,以降黒バーよりも遠ざかるにつれて徐々に明度等が高まるようなバー が複数存在し,それら複数のバーによって濃淡を表わしている。上記特徴抽出フィル タ 40cは,濃淡を表わす複数のバーに対応する図形,即ち原画像 11の画像のうち右 斜め上方向に伸びるような直線等に強く反応する。なお,右斜め上方向に伸びる直 線の形状が多少曲がった場合等でも反応する。
[0053] また,第 1の実施の形態に力かる特徴抽出フィルタ 40cに構成される濃淡を表わす 複数のバーの角度はフィルタ Cの右上及び左下頂点を黒バーが通過するような場合 を例に挙げて説明したが,力かる例に限定されず,例えば,濃淡を表わす複数のバ 一の角度は, 30度, 45度,または 70度などいかなる角度の場合でも実施可能である
[0054] 次に,図 7に示す特徴抽出フィルタ 40d (フィルタ D)は,例えば図示のように左上及 び右下頂点を結ぶ黒色のバーが存在し,その両側に当該黒よりも明度が高いグレー 色のバーが存在し,以降黒バーよりも遠ざかるにつれて徐々に明度等が高まるような バーが複数存在し,それら複数のバーによって濃淡を表わしている。上記特徴抽出 フィルタ 40d (フィルタ D)は,濃淡を表わす複数のバーに対応する図形,即ち原画像 11の画像のうち右斜め下方向に伸びるような直線等に強く反応する。なお,右斜め 下方向に伸びる直線の形状が多少曲がった場合等でも反応する。
[0055] また,第 1の実施の形態に力かる特徴抽出フィルタ 40dに構成される濃淡を表わす 複数のバーの角度はフィルタ Dの左上及び右下頂点を黒バーが通過するような場合 を例に挙げて説明したが,力かる例に限定されず,例えば,濃淡を表わす複数のバ
一の角度は, 30度, 45度,または 70度などいかなる角度の場合でも実施可能である
[0056] また,第 1の実施の形態に力かる特徴抽出フィルタ 40a〜40dでは,濃淡を表わす 複数のバーが直線の場合を例に挙げて説明したが,力かる例に限定されず,例えば ,特徴抽出フィルタ 40a〜40dには,上記濃淡を表わす複数の円形状のバーが存在 し, 円形状の図形に強く反応するフィルタ等の場合でも良い。
[0057] さらに,第 1の実施の形態に力かる特徴抽出フィルタ 40a〜40dは,例えば,ゥエー ブレットフィルタ,ガボールフィルタ,または画像認識の際に用いられるテンプレート 画像等の場合でもよい。
[0058] (画像特徴抽出部 12の動作について)
画像特徴抽出部 12は, 1又は 2種以上のフィルタ (特徴抽出フィルタ 40a〜40d)か ら画像特徴を抽出するための特徴抽出用フィルタ 40を選択する。選択後,原画像 11 の改ざん判定領域 32に対して特徴抽出フィルタ 40を介した反応状況を検出する処 理 (フィルタリング処理)を行う。その結果として得られた出力値はメモリ等の記録手段 に記録される。
[0059] 次に,図 8を参照しながら,画像特徴抽出部 12によるフィルタリング処理について 説明する。図 8は,フィルタ A (特徴抽出フィルタ 40a)を特徴抽出用フィルタとして選 択した場合のフィルタリング処理の概略の一例を示す説明図である。なお,図 8に示 すフィルタリング処理は,フィルタ Aの場合におけるフィルタリング処理を説明するが, 力かる例に限定されず,他の特徴抽出フィルタ 40の場合のフィルタリング処理も図 8 に示すフィルタリング処理と同様である。
[0060] 図 8に示すように,原画像 11の画像領域のうち改ざんされた力否かを判定するため の改ざん判定領域 32の左上隅力も順に,改ざん判定領域 32上を 1ラインずつラスタ 一方向(図 8に示す矢印の方向)に走査しながら,フィルタ Aと画像との畳み込み積分 を計算する。力かる計算によって,上記説明したフィルタ Aに構成された濃淡を表わ す複数のバーと同一又は類似する水平方向の直線に強く反応する図形を検出する ことができる。なお,上記図形は,広義の意味として,上記画像データに含まれる文 字,図形,記号,もしくはシンボルまたはそれらの任意な組合せを総称する。また,走
查単位は特徴抽出フィルタ 40を 1ブロックとして,当該特徴抽出フィルタ 40をラスター 方向にブロック単位に走査して 、く。
[0061] 次に,上記ラスター方向にフィルタ Aによるフィルタリング処理が実行されると,図 9 に示すような結果となる。なお,図 9は,フィルタ Aによるフィルタリング処理の概略的 な結果の一例を示す説明図である。
[0062] 図 9に示すように,黒色の領域 90は,フィルタ Aに強く反応した領域である。上記黒 色領域 90は,上記計算結果で得られた出力値が所定の閾値 t以上の場合,画像特 徴抽出部 12によって黒色領域 90であると判断される。即ち,フィルタ Aによって黒色 領域 90であると判断された改ざん判定領域 32の画像(図形)は,極めて垂直方向に 伸びる直線に近似しているといえる。
[0063] 次に,図 9に示す黒色領域 90よりも明度が高いグレー色の領域 91は,フィルタ Aに 中程度に反応した領域である。上記グレー色領域 91は,上記計算結果で得られた 出力値が閾値 t以上でかつ閾値 t未満である場合,画像特徴抽出部 12によってグ
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レー色領域 91であると判断される。即ち,フィルタ Aによってグレー色領域 91である と判断された該当するブロックの画像(図形)は,黒色領域 90程に直線に近似してい な 、ものの中程度に直線に近!、と!/、える。
[0064] 次に,図 9に示す明度が最も高い白色領域 92は,フィルタ Aに反応しな力つた領域 である。上記白色領域 92は,上記計算結果で得られた出力値が閾値 t未満である
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場合,画像特徴抽出部 12によって白色領域 92であると判断される。即ち,フィルタ A によって白色領域 92であると判断された該当ブロックの画像(図形)は,垂直方向に 伸びる直線には近似しないといえる。
[0065] 次に,改ざん判定領域 32においてラスター方向にフィルタ Bによるフィルタリング処 理が実行されると,図 10に示すような結果となる。なお,図 10は,フィルタ Bによるフィ ルタリング処理の概略的な結果の一例を示す説明図である。
[0066] 図 10に示すように,黒色領域 100は,フィルタ Bに強く反応した領域である。上記黒 色領域 100は,上記計算結果で得られた出力値が所定の閾値 t以上の場合,画像
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特徴抽出部 12によって黒色領域 100であると判断される。即ち,フィルタ Bによって 黒色領域 100であると判断された改ざん判定領域 32の画像(図形)は,水平方向に
伸びる直線に極めて近 、と 、える。
[0067] 次に,図 10に示す黒色領域 100よりも明度が高いグレー色の領域 101は,フィルタ Bに中程度に反応した領域である。上記グレー色領域 101は,上記計算結果で得ら れた出力値が閾値 t以上でかつ閾値 t未満である場合,画像特徴抽出部 12によつ
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てグレー色領域 101であると判断される。即ち,フィルタ Bによってグレー色領域 101 であると判断された個所 (ブロック)の図形は,直線に極めて近似しているとはいえな V、ものの中程度に水平方向に伸びる直線に近似して!/、ると!/、える。
[0068] 次に,図 10に示す明度が最も高い白色領域 102は,フィルタ Bに反応しな力つた領 域である。上記白色領域 102は,上記計算結果で得られた出力値が閾値 t未満であ
4 る場合,画像特徴抽出部 12によって白色領域 102であると判断される。即ち,フィル タ Bによって白色領域 102であると判断された該当ブロックの画像(図形)は,水平方 向に伸びる直線には近似しな 、と 、える。
[0069] なお,上記図 9および図 10に示すフィルタリング処理の結果は,画像データであり, フィルタ 40を走査することで得られた出力値に基づ 、て,画像データに変換されたも のである。また,上記フィルタリング処理の結果,得られる出力値は実数であるが,か 力る例に限定されない。
[0070] また,第 1の実施の形態に力かるフィルタリング処理では,原画像 11における改ざ ん判定領域 32を拡大 Z縮小処理せずそのままの大きさでフィルタリング処理を行つ ても良いし,予め定められた所定の倍率で縮小または拡大した後にフィルタリング処 理を行ってもよい。力かる拡大処理後にフィルタリング処理をすることで,出力値を微 調整することができる。また,縮小処理後にフィルタリング処理することで,黒画素の 領域を縮小することができるため処理速度を向上化させることができ,または出力画 像が印刷物の場合には印刷面に生じた汚れなどを縮小し目立たなくすることができ るため,改ざん検出の精度を容易に高めることができる。
[0071] 上記改ざん判定領域 32を縮小または拡大した後にフィルタリング処理を行った場 合,フィルタリング処理の結果も縮小または拡大された画像サイズとなる。以下の説 明では改ざん判定領域 32の拡大または縮小を行わな 、ものとするが,拡大または縮 小を行った場合,領域に関する変数を同じ倍率で拡大または縮小することにより,以
下の説明と同じ処理で実施できる。
[0072] (領域分割処理部 13の動作について)
次に,画像特徴抽出部 12によるフィルタリング処理が終了すると,領域分割処理部 13によって,所定の大きさのブロック単位で改ざん判定領域 32を複数のブロックに 分割される。なお上記分割された複数のブロックが判定ブロックであり,上記判定プロ ックが改ざんされた力否かを判定する判定処理単位のブロックである。
[0073] 次に,図 11を参照しながら,改ざん判定領域 32を分割した複数の判定ブロックに ついて説明する。なお,図 11は,改ざん判定領域 32を判定ブロック単位に分割した 場合の改ざん判定領域 32の概略的な構成を示す説明図である。
[0074] 図 11に示すように,改ざん判定領域 32は複数の判定ブロック Block (Block (0) , B lock (l) , · ··, Block (Bn—1) )から構成されている。判定ブロックには,ブロック IDが ,例えば 0, 1, 2, "- 11 1等のように割り振られる。
[0075] 図 11に示す判定ブロックのブロック IDは,改ざん判定領域 32の左上端の判定ブロ ックが判定ブロック Block (0)であり,ブロック IDが" 0"となる。その右隣が判定ブロッ ク Block ( 1 )で,ブロック IDが " 1 "である。
[0076] また,改ざん判定領域 32の右上端の判定ブロックが図 11に示すように,判定ブロッ ク Block (n)であり,ブロック IDが" n"となる。次の行(2行目)の左端の判定ブロックを Block (n+ 1)としているため,ブロック IDが" n+ 1"である。なお,ブロック IDに基づ Vヽて改ざん判定領域 32に構成された判定ブロックを識別可能であれば,ブロック ID の割振り方法は,力かる例に限定されない。
[0077] 上記改ざん判定領域 32に複数の判定ブロックにブロック IDを割振ることで,ブロッ ク IDから改ざん判定領域 32のどの位置に該当するかを認識することができる。例え ば,ブロック ID力 ' 1 "であれば,改ざん判定領域 32の 1行目の左端の判定ブロック B1 ock(O)の右隣の位置であることを把握することができる。つまり,画像入力部 20側で ブロック IDと改ざん判定領域 32における該当位置との対応ができるようにブロック ID の割り振りが行われる。
[0078] 上記説明では,図 11を参照しながら,原画像 11に存在する改ざん判定領域 32が 単数の場合について説明した。ここでは,図 12及び図 13を参照しながら,原画像 11
に存在する改ざん判定領域 32が複数の場合について説明する。なお,図 12は,改 ざん判定領域 32が複数存在する場合の原画像 11の概略的な構成の一例を示す説 明図であり,図 13は,図 12に示す各改ざん判定領域 32の概略的な構成の一例を示 す説明図である。
[0079] 図 12に示すように,原画像 11には,透かし領域 30内に複数の改ざん判定領域 32
(32a, 32b, 32c)が割当てられている。なお,原画像 11に改ざん判定領域 32を割 当てる方法としては,例えば,改ざんされた力否かの判定が必要な領域を改ざん判 定領域としてユーザが指定する方法,または改ざん検出装置側で,文字認識によつ て所定のキーワードを検出し,そのキーワードを含む領域を自動的に改ざん判定領 域を設定する方法等を例示することができる。
[0080] 図 12に示す透かし領域 30内の改ざん判定領域 32 (32a, 32b, 32c)を分割すると ,改ざん判定領域 32各々は,図 13に示すような複数の判定ブロック Blockから構成 される。
[0081] 図 12及び図 13に示すように,原画像 11に対して複数の改ざん判定領域 32が設定 されている場合,ブロック IDと改ざん判定領域 32における該当位置との対応をとるた めに,例えば,原画像 11に設定した全ての改ざん判定領域 32が分割された全ての 判定ブロックに対して一意のブロック IDを割り振る(同じブロック IDを持つ改ざん検出 ブロックは 2つ以上存在しない。)か,または各改ざん判定領域 32に一意の番号を割 り振り,それ以降は上記図 11に示した判定ブロックのブロック IDの割振りと同様とす る(改ざん判定領域 32に割り振った番号とその改ざん判定領域 32を分割した各判定 ブロックのブロック IDとの組み合わせにより番号付けを行う。 )等の方法を例示するこ とができるが,係る例に限定されない。
[0082] 図 13 (a)に示すように,改ざん判定領域 32aに構成された判定ブロック Blockのブ ロック IDは, "0"〜"M—1"である。次に,図 13 (b)に示す改ざん判定領域 32bに構 成された判定ブロック Blockのブロック IDは, "M"〜"N—1"であり,同様に図 13 (c) に示すブロック IDは, "N"〜"L— 1"である。以上,図 13 (a)〜図 13 (c)に示したよう に,ブロック IDは,各改ざん判定領域 32の判定ブロックでは重複せず,一意に割振 られているのが分かる。
[0083] また,改ざん判定領域 32を複数ブロックに分割する単位となる判定ブロック Block の大きさは,例えば,固定値でもよいし,改ざん判定領域 32内を N X M (N, Mは自 然数)に分割することが可能な大きさになるよう動的にサイズを決めても良い。
[0084] また,原画像 11に複数の改ざん判定領域 32が設定されている場合,例えば,改ざ ん判定領域 32の判定ブロック Blockの大きさを全て同じの場合でもよく,係る例に限 定されず,原画像 11に設定された改ざん判定領域 32の重要度に応じ,改ざん判定 領域 32ごとに分割する各判定ブロック Blockの大きさを変えても良い。
[0085] 上記判定ブロック Blockの大きさは, 1画素の場合でもよく,いかなる画素数力もな る判定ブロック Blockの場合でも実施可能である。なお,判定ブロック Blockの大きさ 力 ^画素の場合,より詳細な精度の高い改ざん検出を行うことができるが,その分改 ざん検出装置に処理負荷が力かる。
[0086] また,図 11又は図 13等に示すように,第 1の実施の形態に力かる各判定ブロック B1 ockの間は,所定距離だけ間隔を空ける場合を例に挙げて説明したが,かかる例に 限定されない。例えば,各判定ブロック Blockの間を隙間なくシームレスである場合, または図 14に示すように,例えば,判定ブロック Block (0)と判定ブロック Block (1)と がー部重なり合うなど,各判定ブロック Blockがー部重なり合う等の場合でも実施可 能である。なお,図 14は,判定ブロックで分割された改ざん判定領域の概略的な構 成の一例を示す説明図である。
[0087] なお,第 1の実施の形態に力かる改ざん判定領域 32は,例えば,図 3に示すように 原画像 11に 1つだけ設定され,判定ブロック Blockは,図 11に示すように改ざん判 定領域 32に B X n個だけ配置され,図 11で示すように各判定ブロック Blockは,隣り 合う判定ブロック Blockと所定間隔空けて改ざん判定領域 32に配置されるものとする 力 力かる例に限定されない。
[0088] (画像特徴データ化部 14の動作について)
次に,図 15を参照しながら,第 1の実施の形態に力かる画像特徴データ化部 14に よる画像特徴データ化処理について説明する。なお,図 15は,画像特徴データ化処 理の概略の一例を示す説明図である。
[0089] 画像特徴データ化部 14は,上記説明の特徴抽出フィルタ 40を介して計算された
出力値に基づき,改ざん判定領域 32に構成された判定ブロック Blockごとに各特徴 抽出フィルタ 40別の画像特徴データを計算する。
[0090] 上記画像特徴データを計算する画像特徴データ化処理では,画像特徴データ化 部 14は,画像特徴抽出部 12によって計算された出力値に基づいて画像化された特 抽出フィルタ 40a (フィルタ A)のフィルタリング処理結果を示す改ざん判定領域 32 ( 図 9)と,判定ブロック Blockから構成される改ざん判定領域 32 (図 11)を重ね合わせ る。
[0091] 図 15に示すように,画像特徴データ化部 14によって図 9に示すようなフィルタリング 処理結果を視覚的に示す改ざん特徴領域 32と,図 11に示すような判定ブロック Bio ckで分割された改ざん判定領域 32とが重畳的に合成されている。
[0092] 次に,画像特徴データ化部 14は,判定ブロック Blockごとに当該判定ブロック Bloc k領域内の出力値に基づいてその判定ブロック Blockの画像特徴を評価するための 評価値を算出する。
[0093] ここで,図 15に示す各判定ブロック Blockにおいて,どの特徴抽出フィルタ 40でフ ィルタリング処理が行われた評価値であるかを示すため,表記上,判定ブロック Bloc k (n)におけるフィルタ Xの評価値を Bw (X, n)とする。したがって,例えば,判定ブロ ック Block (1)のフィルタ Aの場合の評価値は Bw (A, 1)となる。なお, "X"は,図 4〜 図 7に示すように" A"〜"D"であり, nは図 11に示すように" 0"〜"Bn— 1"であるが, 力かる例に限定されない。
[0094] 図 15に示す判定ブロック Blockの評価値としては,例えば,判定ブロック Block (0) のフィルタ Aによる評価値(Bw (A, 0) )は,判定ブロック Block (0)の領域内における フィルタ Aによるフィルタリング処理結果で得られた出力値の平均値を評価値とする。 また,判定ブロック Block (0)のフィルタ Bによる評価値 (Bw (B, 0) )は,判定ブロック Block (0)の領域内におけるフィルタ Bによるフィルタリング処理結果で得られた出力 値の平均値を評価値とするが,力かる例に限定されない。
[0095] 例えば,図 15に示すように,判定ブロック Block (1)のフィルタ Aによる評価値(Bw
(A, 1) )は,上記判定ブロック Block (1)の領域内に少なくとも黒色領域 90と,グレー 色領域 91aと,グレー色領域 91bと, 白色領域 92とを含んでいるため,当該それらの
領域に対応する出力値を総計し,その総計の平均値が画像特徴データ化部 14によ つて求められ,評価値として算出される。
[0096] 次に,図 16を参照しながら,画像特徴データ化部 14によるフィルタ Bの場合の画像 特徴データ化処理について説明する。なお,図 16は,画像特徴データ化処理の概 略の一例を示す説明図である。また,図 16に示す画像特徴データ化処理は,図 15 に示す画像特徴データ化処理との相違点についてのみ説明し,その他については ほぼ同様であるため詳細な説明を省略する。
[0097] 図 16に示すように,画像特徴データ化部 14は,図 10に示すようなフィルタリング処 理結果を画像化した改ざん特徴領域 32と,図 11に示すような判定ブロック Blockで 分割された改ざん判定領域 32とを重畳的に合成する。
[0098] 図 16に示す判定ブロック Block (n)におけるフィルタ Bの評価値は,上記説明の通 り, Bw (B, n)となる。また,図 16に示すように,例えば,判定ブロック Block (n)の評 価値 (Bw (B, n) )は,上記判定ブロック Block (n)の領域内に少なくとも黒色領域 10
0と白色領域 102を含んでいるため,当該それらの領域 (黒色領域 100, 白色領域 1
02)に対応する出力値を総計し,その総計の平均値が画像特徴データ化部 14によ つて求められ,評価値として算出される。
[0099] 次に,画像特徴データ化部 14によって,フィルタ Aとフィルタ Bを特徴抽出フィルタ として用いた場合の各判定ブロック Blockの評価値が求められると,画像特徴データ 化部 14は,それらの評価値を格納した評価値テーブルを生成する。
[0100] 次に,図 17を参照しながら,第 1の実施の形態に力かる評価値テーブルについて 説明する。なお,図 17は,第 1の実施の形態に力かる評価値テーブルの概略的な構 成の一例を示す説明図である。
[0101] フィルタ Aとフィルタ Bの各判定ブロック Blockの評価値が求められると,図 17に示 すように評価値テーブル 170が画像特徴データ化部 14によって生成される。
[0102] 上記評価値テーブル 170は,図 17に示すように,判定ブロック Blockを一意に示す ブロック番号 nと,フィルタ Aの場合の各判定ブロック Blockの評価値と,フィルタ Bの 場合の各判定ブロック Blockの評価値とから構成されている。
[0103] したがって,図 17に示すように,改ざん判定領域 32においてブロック番号を指定す
れば,各特徴抽出フィルタ 40 (フィルタ A,フィルタ B)による各判定ブロック Blockの 評価値を参照又は取得等することができる。
[0104] なお,図 17に示す評価値テーブル 170は,フィルタ Aとフィルタ Bの各判定ブロック Blockの評価値力も構成される場合を例に挙げて説明するが,かかる例に限定され ず,例えば,評価値テーブル 170は,フィルタ A,フィルタ B,およびフィルタ Cの各判 定ブロック Blockの評価値力も構成される場合など, 1又は 2種以上の特徴抽出フィ ルタ 40の各判定ブロック Blockの評価値力も構成されれば,かかる例に限定されな い。
[0105] 次に,図 18を参照しながら,第 1の実施の形態に力かる評価値テーブルについて 説明する。図 18は,第 1の実施の形態に力かる評価値テーブルの概略的な構成の 一例を示す説明図である。なお,図 18に示す評価値テーブル 170は,図 17に示す 評価値テーブル 170と比較して,図 17に示す評価値テーブル 170に構成される特 徴抽出フィルタ 40は,フィルタ Aとフィルタ Bの 2種類であるが,図 18に示す評価値テ 一ブル 170に構成される特徴抽出フィルタ 40は,フィルタ A〜フィルタ Dの 4種類で あるため,特徴抽出フィルタ 40の種類の点で相違するが,上記以外の点では実質的 に同一であるため,詳細な説明は省略する。
[0106] なお,図 18に示す評価値テーブル 170は,フィルタ A〜フィルタ Bの各判定ブロッ ク Blockの評価値力も構成される場合を例に挙げて説明するが,かかる例に限定さ れず,例えば,評価値テーブル 170は,フィルタ A〜フィルタ Fの各判定ブロック Bloc kの評価値力 構成される場合など, 1又は 2種以上の特徴抽出フィルタ 40の各判定 ブロック Blockの評価値力も構成されれば,かかる例に限定されな!、。
[0107] また,第 1の実施の形態に力かる各判定ブロック Blockの評価値は,判定ブロック B1 ock領域内に含む出力値の平均値によって求められる場合を例に挙げて説明したが ,力かる例に限定されず,例えば,各判定ブロック Blockの評価値は,フィルタ X(Xは フィルタの種類)によるフィルタリング処理結果で得られた出力値に対して,所定の閾 値 Vxを設定し,判定ブロック Blockの領域内において,その Vxより大きい値を示す 出力値のみをピックアップし,ピックアップされたそれらの出力値の平均値を評価値と する場合でもよい。ただし, Vxはフィルタ Xによるフィルタリング処理結果の,改ざん
判定領域 32全体における平均値などである。
[0108] (透力し情報合成部 15の動作について)
透力 情報合成部 15は,後程詳述する処理方法等により,改ざんされた力否かを 判定する際に用いられる改ざん検出データ DATAを原画像 11に透力しとして埋め 込む。なお,改ざん検出データ DATAとは以下に示すデータであるとする。
[0109] 改ざん検出データ DATAO :原画像 11の大きさ,データサイズなどのヘッダ情報 改ざん検出データ DATA1:改ざん判定領域 32の領域情報 (位置座標など) 改ざん検出データ DATA2:評価値テーブル 170 (画像特徴データ化部 14で求め た評価値の一覧)
改ざん検出データ DATA3:各判定ブロック Blockの位置情報およびサイズ情報 [0110] 上記改ざん検出データ DATA2の評価値テーブル 170は,上記説明した図 17又 は図 18に示す評価値テーブル 170をそのまま透力しとして原画像 11に埋め込まれ てもよいし,特徴抽出フィルタ 40ごとに所定値で量子化した後に埋め込まれてもよい
[0111] また,透かし画像出力部 10と透力 画像入力部 20の間で,改ざん判定領域 32に おける各判定ブロック Blockの位置やサイズ等が予め共通であって,上記位置ゃサ ィズ等を求める計算方法が共通である場合,改ざん判定領域 32の位置または大きさ 等から,判定ブロック Blockの位置や大きさを透力 画像入力部 20側で再計算する ことができるため,改ざん検出データ DATA3を省略することができる。したがって, 改ざん検出データ DATA自体のデータ量が軽減され,透かしとして埋め込む処理等 の効率化が図れる。
[0112] ここで,図 19を参照しながら,透力し情報合成部 15の処理について説明する。な お,図 19は,透力し情報合成部 15の処理の概略的な流れの一例を示すフローチヤ ートである。
[0113] 図 19に示すように,まず,改ざん検出データ DATAを N元符号に変換する (ステツ プ S101)。 Nは任意であるが,本実施形態では説明を容易にするため N= 2とする。 従って,ステップ S101で生成される符号は 2元符号であり, 0と 1のビット列で表現さ れるものとする。このステップ S101ではデータをそのまま符号化しても良いし,デー
タを暗号ィ匕したものを符号ィ匕しても良い。
[0114] 次に,符号語の各シンボルに対して透かし信号を割り当てる (ステップ S102)。透 力し信号とはドット(黒画素)の配列によって任意の波長と方向を持つ波を表現したも のである。透かし信号については,さらに後述する。
[0115] さらに,符号化されたデータのビット列に対応する信号ユニットを原画像 11上に配 置する(ステップ S 103)。
[0116] 上記ステップ S102において,符号語の各シンボルに対して割り当てる透かし信号 について説明する。図 20は透かし信号の一例を示す説明図である。
[0117] 透かし信号の幅と高さをそれぞれ Sw, Shとする。 Swと Shは異なっていても良い力 S ,本実施形態では説明を容易にするため Sw=Shとする。長さの単位は画素数であ り,図 20の例では Sw=Sh= 12である。これらの信号が紙面に印刷されたときの大き さは,透力し画像の解像度に依存しており,例えば透力し画像が 600dpi (dot per inch:解像度の単位であり, 1インチ当たりのドット数)の画像であるとしたならば,図 2 0の透かし信号の幅と高さは,印刷文書上で 12Z600 = 0. 02 (インチ)となる。
[0118] 以下,幅と高さが Sw, Shの矩形を 1つの信号の単位として「信号ユニット」と称する 。図 20 (1)は,ドット間の距離が水平軸に対して arctan (3) (arctanは tanの逆関数) の方向に密であり,波の伝播方向は arctan (— 1Z3)である。以下,この信号ュ ッ トをユニット Aと称する。図 20 (2)はドット間の距離が水平軸に対して arctan (— 3)の 方向に密であり,波の伝播方向は arctan(lZ3)である。以下,この信号ユニットをュ ニット Bと称する。
[0119] 図 21は,図 20 (1)の画素値の変化を arctan(lZ3)の方向力も見た断面図である 。図 21において,ドットが配列されている部分が波の最小値の腹 (振幅が最大となる 点)となり,ドットが配列されて 、な 、部分は波の最大値の腹となって 、る。
[0120] また,ドットが密に配列されている領域はそれぞれ 1ユニットの中に 2つ存在するた め,この例では 1ユニットあたりの周波数は 2となる。波の伝播方向はドットが密に配列 されて!/、る方向に垂直となるため,ユニット Aの波は水平方向に対して arctan ( - 1/ 3) ,ユニット Bの波は arctan(lZ3)となる。なお, arctan (a)の方向と acrtan(b)の 方向が垂直のとき, a X b=— lである。
[0121] 本実施形態では,ユニット Aで表現される透かし信号にシンボル 0を割り当て,ュ- ット Bで表現される透かし信号にシンボル 1を割り当てる。また,これらをシンボルュ- ットと称する。
[0122] 透かし信号には図 20 (1) , (2)で示されるもの以外にも,例えば図 22 (3)〜(5)で 示されるようなドット配列が考えられる。図 22 (3)は,ドット間の距離が水平軸に対し て arctan(lZ3)の方向に密であり,波の伝播方向は arctan(— 3)である。以下,こ の信号ユニットをユニット Cと称する。
[0123] 図 22 (4)は,ドット間の距離が水平軸に対して arctan (— 1Z3)の方向に密であり ,波の伝播方向は arctan (3)である。以下,この信号ユニットをユニット Dと称する。 図 22 (5)は,ドット間の距離が水平軸に対して arctan(l)の方向に密であり,波の伝 播方向は arctan (— 1)である。なお,図 22 (5)は,ドット間の距離が水平軸に対して arctan ( 1)の方向に密であり,波の伝播方向は arctan (1)であると考えることもで きる。以下,この信号ユニットをユニット Eと称する。
[0124] このようにして,先に割り当てた組み合わせ以外にも,シンボル 0とシンボル 1を割り 当てるユニットの組み合わせのパターンが複数考えられるため,どの透かし信号がど のシンボルに割り当てられて!/ヽるかを秘密にして第三者 (不正者)が埋め込まれた信 号を簡単に解読できな 、ようにすることもできる。
[0125] さらに,図 19に示したステップ S 102で,改ざん検出データ DATAを 4元符号で符 号化した場合には,例えば,ユニット Aに符号語のシンボル 0を,ユニット Bにシンポ ル 1を,ユニット Cにシンボル 2を,ユニット Dにシンボル 3を割り当てることも可能であ る。
[0126] 図 20,図 22に示した透かし信号の一例においては, 1ユニット中のドットの数をす ベて等しくしているため,これらのユニットを隙間なく並べることにより,見かけの濃淡 が均一となる。したがって印刷された紙面上では,単一の濃度を持つグレー画像が 背景として埋め込まれて 、るように見える。
[0127] このような効果を出すために,例えば,ユニット Eを背景ユニット(シンボルが割り当 てられていない信号ユニット)と定義し,これを隙間なく並べて原画像 11の背景とし, シンボルユニット(ユニット A,ユニット B)を原画像 11に埋め込む場合は,埋め込もう
とする位置の背景ユニット(ユニット E)とシンボルユニット(ユニット A,ユニット B)とを 入れ替える。
[0128] 図 23 (1)はユニット Eを背景ユニットと定義し,これを隙間なく並べて原画像 11の背 景とした場合を示す説明図である。図 23 (2)は図 23 (1)の背景画像の中にユニット Aを埋め込んだ一例を示し,図 23 (3)は図 23 (1)の背景画像の中にユニット Bを埋 め込んだ一例を示している。本実施形態では,背景ユニットを原画像 11の背景とす る方法について説明するが,シンボルユニットのみを配置することによって原画像 11 の背景としても良い。
[0129] 次に,符号語の 1シンボルを原画像 11に埋め込む方法について,図 24を参照しな がら説明する。
[0130] 図 24は,原画像 11へのシンボル埋め込み方法の一例を示す説明図である。ここで は,例として「0101」というビット列を埋め込む場合について説明する。
[0131] 図 24 (1) , (2)に示すように,同じシンボルユニットを繰り返し埋め込む。これは文 書中の文字が埋め込んだシンボルユニットの上に重なった場合,信号検出時に検出 されなくなることを防ぐためであり,シンボルユニットの繰り返し数と配置のパターン( 以下,ユニットパターンと称する。 )は任意である。
[0132] すなわち,ユニットパターンの一例として,図 24 (1)のように繰り返し数を 4 (1つのュ ニットパターン中に 4つのシンボルユニットが存在する)にしたり,図 24 (2)のように繰 り返し数を 2 (1つのユニットパターン中に 2つのシンボルユニットが存在する)にしたり することができ,あるいは,繰り返し数を 1 (1つのユニットパターン中には 1つのシンポ ルユニットだけが存在する)としてもより、。
[0133] また,図 24 (1) , (2)は 1つのシンボルユニットに対して 1つのシンボルが与えられて いる力 図 24 (3)のようにシンボルユニットの配置パターンに対してシンボルを与えて も良い。
[0134] 1ページ分に何ビットの情報量を埋め込むことができるかは,信号ユニットの大きさ, ユニットパターンの大きさ,原画像の大きさに依存する。原画像の水平方向と垂直方 向にいくつの信号を埋め込んだかは,既知として信号検出を行っても良いし,入力装 置力も入力された画像の大きさと信号ユニットの大きさから逆算しても良い。
[0135] 1ページ分の水平方向に Pw個,垂直方向に Ph個のユニットパターンが埋め込める とすると,画像中の任意の位置のユニットパターンを U (x, y) , x= l〜Pw, y= l〜P hと表現し, U (x, y)を「ユニットパターン行列」と称することにする。また, 1ページに 埋め込むことができるビット数を「埋め込みビット数」と称する。埋め込みビット数は Pw X Phである。
[0136] 図 25は,改ざん検出データ DATAを原画像 11に埋め込む方法について示したフ ローチャートである。ここでは,例えば印刷物として換算すると 1枚(1ページ分)の原 画像 11に,同じ情報を繰り返し埋め込む場合について説明する。同じ情報を繰り返 し埋め込むことにより,原画像 11と改ざん検出データ DATAを重ね合わせたときに 1 つのユニットパターン全体が塗りつぶされるなどして埋め込み情報が消失するような 場合でも,埋め込んだ情報を取り出すことを可能とするためである。
[0137] まず,改ざん検出データ DATAを N元符号に変換する (ステップ S201)。図 19のス テツプ S101と同様である。以下では,符号化されたデータをデータ符号と称し,ュ- ットパターンの組み合わせによりデータ符号を表現したものをデータ符号ユニット Du と称する。
[0138] 次 、で,データ符号の符号長(ここではビット数)と埋め込みビット数から, 1枚の画 像にデータ符号ユニットを何度繰り返し埋め込むことができるかを計算する (ステップ S202)。本実施形態ではデータ符号の符号長データをユニットパターン行列の第 1 行に挿入するものとする。データ符号の符号長を固定長として符号長データは埋め 込まないようにしても良い。
[0139] データ符号ユニットを埋め込む回数 Dnは,データ符号長を Cnとして以下の式で計 算される。
[0141] ここで剰余を Rn (Rn=Cn— (PwX (Ph—l) ) )とすると,ユニットパターン行列に は Dn回のデータ符号ユニットおよびデータ符号の先頭 Rnビット分に相当するュ-ッ トパターンを埋め込むことになる。ただし,剰余部分の Rnビットは必ずしも埋め込まな
くても良い。
[0142] 図 26の説明では,ユニットパターン行列のサイズを 9 X 11 (11行 9列),データ符号 長を 12 (図中で 0〜: L 1の番号がついたものがデータ符号の各符号語を表わす)とす る。
[0143] 次いで,ユニットパターン行列の第 1行目に符号長データを埋め込む (ステップ S2 03)。図 26の例では符号長を 9ビットのデータで表現して 1度だけ埋め込んで 、る例 を説明しているが,ユニットパターン行列の幅 Pwが十分大きい場合,データ符号と同 様に符号長データを繰り返し埋め込むこともできる。
[0144] さらに,ユニットパターン行列の第 2行以降に,データ符号ユニットを繰り返し埋め込 む(ステップ S204)。図 26で示すようにデータ符号の MSB (most significant bit )または LSB (least significant bit)力 順に行方向に埋め込む。図 26の例では データ符号ユニットを 7回,およびデータ符号の先頭 6ビットを埋め込んで 、る例を示 している。
[0145] データの埋め込み方法は図 26のように行方向に連続になるように埋め込んでも良 V、し,列方向に連続になるように埋め込んでも良!、。
[0146] 以上,透力し情報合成部 15における,原画像 11と改ざん検出データ DATAの重 ね合わせについて説明した。
[0147] 上述のように,透力し情報合成部 15は,原画像 11と改ざん検出データ DATAを重 ね合わせる。透かし入り文書画像の各画素の値は,原画像 11と改ざん検出データ D ATAの対応する画素値の論理積演算 (AND)によって計算する。すなわち,原画像 11と改ざん検出データ DATAのどちらかが 0 (黒)であれば,透かし入り原画像の画 素値は 0 (黒),それ以外は 1 (白)となる。
[0148] 図 27は,透かし入り文書画像の一例を示す説明図である。図 28は,図 27の一部を 拡大して示した説明図である。ここで,ユニットパターンは図 24 (1)のパターンを用い ている。透かし入り原画像 11 (出力画像 16)は,例えば,透カゝし情報合成部 15のイン タフエース(図示せず。 )により出力される。
[0149] (透かし画像入力部 20について)
以降の説明では,出力画像 16は紙等の印刷媒体に印刷された後に配布されるも
のとし,入力画像 21はその出力画像 16の透かし入りの印刷書面をスキャナ等の入力 デバイスにより画像ィ匕したものとするが,カゝかる例に限定されず,出力画像 16は印刷 されな 、ディジタルデータそのままの場合であってもよ!/、。
[0150] また,透かし画像出力部 10において,特徴抽出フィルタ 40としてフィルタ A,フィル タ B,フィルタ C,およびフィルタ Dを用いるものとする。特徴抽出フィルタ 40としてどの ようなフィルタを用いるかは,透カゝし画像出力部 10と透カゝし画像入力部 20の間で既 知であるとする。
[0151] (透力し情報抽出部 22の動作について)
透かし情報抽出部 22の処理は,後程詳述する処理方法によって原画像 11に埋め 込まれた改ざん検出データ DATAを抽出し,復元する。この処理により透力し情報 抽出部 22から出力される透力し情報 28 (改ざん検出データ DATA)は,上記説明し た通り,改ざん検出データ DATAO,改ざん検出データ DATA1,改ざん検出データ DATA2,改ざん検出データ DATA3である。なお,改ざん検出データ DATA3は, 上記説明の通り省略可能である。
[0152] 改ざん検出データ DATA2が量子化されている場合は,量子化誤差を含んだデー タとなっているため,元の値に復元する。また,改ざん検出データ DATA3が記録さ れて 、な 、場合,各判定ブロック Blockの位置とサイズを再計算する。
[0153] 次に,図 29を参照しながら,透力 情報抽出部 22の処理について説明する。図 29 は,透力し情報抽出部 22の処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである
[0154] 図 29に示すように,まず,スキャナなどの入力デバイス 31によって透かし入り原画 像を計算機のメモリ等に入力する (ステップ S301)。この画像を入力画像と称する。 入力画像は多値画像であり,以下では 256階調のグレイ画像として説明するが,力 力る例に限定されず,フルカラー画像などの場合でもよい。また入力画像の解像度( スキャナ等の入力デバイス(図示せず。)で読み込むときの解像度)は,上記透かし画 像出力部 10で作成した透かし入り原画像と異なっていても良いが,ここでは上記透 力し画像出力部 10で作成した画像と同じ解像度であるとして説明する。また, 1つの ユニットパターンが 1つのシンボルユニットから構成されている場合について説明する
[0155] く信号検出フィルタリング工程 (ステップ S310) >
ステップ S310では,入力画像 21全体に対してフィルタリング処理を行い,フィルタ 出力値の計算とフィルタ出力値の比較を行う。フィルタ出力値の計算は,以下に示す ガボールフィルタと称されるフィルタを用いて,入力画像 21の全画素においてフィル タと画像間のコンボリューシヨンにより計算する。
[0156] 以下にガボールフィルタ G (x, y) , x=0〜gw— 1, y=0〜gh— 1を示す。 gw, gh はフィルタのサイズであり,ここでは上記透力し情報埋め込み装置 10で埋め込んだ 信号ユニットと同じ大きさである。
[0157] [数 2]
G(x, y) x exp [- 2m{u(x - x0) + v(y一 y0)}]
i:虚数単位
x = 0〜gw— 1, y = Q〜gh -l, xO = gw / 2, y0 = gh / 2
A:水平方向の影響範¾ B:垂直方向の影響範囲
tan— ! (" / v) :波の方向, Vi2 + v2:周波数
[0158] 入力画像中の任意の位置でのフィルタ出力値はフィルタと画像間のコンボリューシ ヨンにより計算する。ガボールフィルタの場合は実数フィルタと虚数フィルタ (虚数フィ ルタは実数フィルタと半波長分位相がずれたフィルタ)が存在するため,それらの 2乗 平均値をフィルタ出力値とする。例えば,ある画素 (X, y)における輝度値とフィルタ A の実数フィルタとのコンボリューシヨンが RC,虚数フィルタとのコンボリューシヨンが Ic であったとすると,フィルタ出力値 F (A, X, y)は以下の式で計算する。
[0159] [数 3]
F(A,x, y) = + /cz 上記のように各信号ユニットに対応するすべてのフィルタに対してフィルタ出力値を 計算した後,各画素において上記のように計算したフィルタ出力値を比較し,その最
大値 F(x, y)をフィルタ出力値行列として記憶する。また,値が最大であるフィルタに 対応する信号ユニットの番号をフィルタ種類行列として記憶する(図 30)。具体的に は,ある画素(X, y)において, F(A, X, y) >F(B, x, y)の場合には,フィルタ出力 値行列の(X, y)の値として F(A, X, y)を設定し,フィルタ種類行列の(x, y)の値とし て信号ユニット Aを示す「0」を設定する(本実施形態では,信号ユニット A, Bの番号 を「0」, 「1」としている)。
[0161] なお,本実施形態ではフィルタの個数が 2つであるが,フィルタの個数がそれより多 い場合も,同様に複数のフィルタ出力値の最大値とその際のフィルタに対応する信 号ユニット番号を記憶すればょ 、。
[0162] く信号位置探索工程 (ステップ S320)>
ステップ S320では,ステップ S310で得られたフィルタ出力値行列を用いて,信号 ユニットの位置を決定する。具体的には,まず,信号ユニットの大きさが ShXSwで構 成されていたとすると,格子点の垂直方向の間隔が Sh,水平方向の間隔が Sw,格 子点の個数が Nh X Nwの信号位置探索テンプレートを作成する(図 31)。そのように 作成したテンプレートの大きさは, Th(Sh*Nh) XTw(Sw*Nw)となる力 Nh, N wには信号ユニット位置を探索するために最適な値を用いればよ!、。
[0163] 次に,フィルタ出力値行列をテンプレートの大きさごとに分割する。さらに,各分割 領域で,隣接する領域の信号ユニットに重複しない範囲 (水平方向士 SwZ2,垂直 方向士 ShZ2, )でテンプレートをフィルタ出力値行列上で画素単位に移動させなが ら,テンプレート格子点上のフィルタ出力値行列値 F(x, y)の総和 Vを以下の式を用 いて求め(図 31) ,その総和が一番大きいテンプレートの格子点をその領域の信号 ユニットの位置とする。
[0164] 画
Nw-\Nh-\
V(x, y) = > YF(x + Sw*u,y + Sh*v)
«=0 v=0
Xs-Sw/2<x<Xe + Sw/2 s-Sh/2+<y<Ye + Sh/2 (Xs s):分割領域の左上座標, ( ,:^):分割領域の右下座標
[0165] 上記の例は,ステップ S310で全画素に対して,フィルタ出力値を求めた場合であり ,フィルタリングを行う際,ある一定間隔の画素に対してのみフィルタリングを行うことも できる。例えば, 2画素おきにフィルタリングを行った場合は,上記の信号位置探索テ ンプレートの格子点の間隔も 1Z2とすればよい。
[0166] <信号シンボル決定工程 (ステップ S330) >
ステップ S330では,ステップ S320で決定した信号ユニット位置のフィルタ種類行 列の値 (フィルタに対応した信号ユニット番号)を参照することで,信号ユニットが Aか Bを決定する。
[0167] 上記のようにして,決定した信号ユニットの判定結果をシンボル行列として記憶する
[0168] く信号境界決定工程 (ステップ S340) >
ステップ S320では,信号ユニットが埋め込まれているかにかかわらず,画像全面に 対してフィルタリング処理を行っているので,どの部分に信号ユニットが埋め込まれて いたかを決定する必要がある。そこで,ステップ S340では,シンボル行列からあらか じめ信号ユニットを埋め込む際に決めておいたパターンを探索することで信号境界を 求める。
[0169] 例えば信号ユニットが埋め込まれている境界には,必ず信号ユニット Aを埋め込む としておけば,ステップ S330で決定したシンボル行列の横方向に信号ユニット Aの 数を計数し, 中心から上下にそれぞれ,信号ユニット Aの個数が一番多い位置を信 号境界の上端 Z下端とする。図 32の例では,シンボル行列における信号ユニット A は「黒」(値でいうと「0」)で表現されているので,シンボル行列の黒画素数を計数する ことで,信号ユニット Aの数を計数することができ,その度数分布により,信号境界の 上端 Z下端を求めることができる。左端 Z右端もユニット Aの個数を計数する方向が 異なるだけで, 同じように求めることができる。
[0170] 信号境界を求めるためには上記方法に限らず,シンボル行列力 探索することがで きるパターンをあら力じめ埋め込み側と検出側で決めておくだけでよい。
[0171] 再び,図 29のフローチャートに戻り,以降のステップ S305について説明する。ステ ップ S305では,シンボル行列のうち,信号境界内部に相当する部分力も元の情報を
復元する。なお,本実施形態では, 1つのユニットパターンは 1つのシンボルユニット で構成されているので,ユニットパターン行列は,シンボル行列と等価になる。
[0172] く情報復号工程 (ステップ S305) >
図 33は情報復元の一例を示す説明図である。情報復元のステップは以下の通りで ある。
(1)各ユニットパターンに埋め込まれているシンボルを検出する(図 33 (1) )。
(2)シンボルを連結してデータ符号を復元する(図 33 (2) )。
(3)データ符号を復号して埋め込まれた情報を取り出す(図 33 (3) )。
[0173] 図 34〜図 36はデータ符号の復元方法の一例を示す説明図である。復元方法は基 本的に図 26の逆の処理となる。
[0174] まず,ユニットパターン行列の第 1行力も符号長データ部分を取り出して,埋め込ま れたデータ符号の符号長を得る (ステップ S401)。
[0175] 次いで,ユニットパターン行列のサイズとステップ S401で得たデータ符号の符号長 をもとに,データ符号ユニットを埋め込んだ回数 Dnおよび剰余 Rnを計算する (ステツ プ S402)。
[0176] 次いで,ユニットパターン行列の 2行目以降からステップ S203と逆の方法でデータ 符号ユニットを取り出す (ステップ S403)。図 35の例では U (l, 2) (2行 1列)から順 に 12個のパターンユニットごとに分解する(U (l, 2)〜U (3, 3) , U (4, 3)〜U (6, 4 ) , · ' · )。 ϋη= 7, Rn=6であるため, 12個のパターンユニット(データ符号ユニット) は 7回取り出され,剰余として 6個(データ符号ユニットの上位 6個に相当する)のュ- ットパターン (U (4, 11)〜U (9, 11) )が取り出される。
[0177] 次いで,ステップ S403で取り出したデータ符号ユニットに対してビット確信度演算 を行うことにより,埋め込んだデータ符号を再構成する (ステップ S404)。以下,ビット 確信度演算について説明する。
[0178] 図 36のようにユニットパターン行列の 2行 1列目力も最初に取り出されたデ—外符 号ユニットを Du(l, l)〜Du (12, 1)とし,順次 Du (l, 2)〜Du(12, 2) , · · · ,と表 記する。また,剰余部分は Du (l, 8)〜Du(6, 8)とする。ビット確信度演算は各デー タ符号ユニットの要素ごとに多数決を取るなどして,データ符号の各シンボルの値を
決定することである。これにより,例えば,文字領域との重なりや紙面の汚れなどが原 因で,任意のデータ符号ユニット中の任意のユニットから正しく信号検出を行えなか つた場合 (ビット反転エラーなど)でも,最終的に正しくデータ符号を復元することがで きる。
[0179] 具体的には例えばデータ符号の 1ビット目は, Du (l, 1) , Du (l, 2) , · · · , Du (l , 8)の信号検出結果が 1である方が多い場合には 1と判定し, 0である方が多い場合 には 0と判定する。同様にデータ符号の 2ビット目は Du (2, 1) , Du (2, 2) , · · · , Du (2, 8)の信号検出結果による多数決によって判定し,データ符号の 12ビット目は Du (12, 1) , Du(12, 2) , · · · , Du(12, 7) (Du (12, 8)は存在しないため Du ( 12, 7) までとなる)の信号検出結果による多数決によって判定する。
[0180] ここではデータ符号を繰り返し埋め込む場合について説明したが,データを符号化 する際に誤り訂正符号などを用いることにより,データ符号ユニットの繰り返しを行わ な 、ような方法も実現できる。
[0181] 以上説明したように,入力画像 21全面にフィルタリング処理を施し,信号位置探索 テンプレートを用いて,フィルタ出力値の総和が最大になるように,信号ユニットの位 置を求めることができるので,用紙のゆがみなどにより画像が伸縮していたりする場合 にでも,信号ユニットの位置を正しく検出でき,透かし入り原画像 (入力画像 21)から 正確に改ざん検出データ DATAを検出することができる。
[0182] (画像変形部 23の動作について)
画像変形部 23では,後程詳述する画像補正処理などの方法により,入力画像 21 の歪みなどを補正し,図 3に示す原画像 11の基準座標 31を原点とし,サイズが透か し領域 30に等しい二値化済みの補正画像 29を作成する。
[0183] ここで,図 37を参照しながら,画像変形部 23の処理について説明する。なお,図 3 7は画像変形部 23のフローチャートである。以下,このフローチャートに従って説明を 行う。
[0184] <信号ユニットの位置検出(ステップ S610) >
図 38は第 1の実施形態で検出された信号ユニット位置を入力画像 (透かし入り原画 像 11) 21上に表示したものである。図 38において,信号ユニットを U (x, y) , x= l〜
Wu, y=l〜Huと表記する。 U(l, y)〜U(Wu, y)は同じ行にある信号ユニット(図 38の符号 710)とし, U(x, l)〜U(x, Hu)は同じ列にある信号ユニット(図 38の符 号 720)とする。 U(l, y)〜U(Wu, y)および U(x, l)〜U(x, Hu)などは,実際に は同じ直線上には並んでおらず,微小に上下左右にずれている。
[0185] また信号ユニット U (X, y)の入力画像上の座標値 Pを (Px (x, y) , Py(x, y)), χ= l〜Wu, y=l〜Huと表記する(図 38の符号 730, 740, 750, 760)。ただし入力画 像に対して縦横 N画素おき (Nは自然数)にフィルタリングを行うものとする。このフィ ルタリングについては,第 1の実施形態のく信号位置探索工程 (ステップ S320) >と 同様に行う。 Pは信号出力値行列における各信号ユニットの座標値を単純に縦横 N 倍した値である。
[0186] く信号ユニット位置の直線近似 (ステップ S620) >
信号ユニットの位置を行方向,列方向に直線で近似する。図 39は行方向の直線近 似の例である。図 39において,同じ行にある信号ユニット U(l, y)〜U(Wu, y)の位 置を直線 Lh(y)で近似している。近似直線は,各信号ユニットの位置と直線 Lh(y)と の距離の総和が最も小さくなるような直線である。このような直線は,例えば最小二乗 法や主成分分析などの一般的手法によって求めることができる。行方向の直線近似 はすべての行につ 、て行 、,同様にして列方向の直線近似をすベての列につ!/、て 行う。
[0187] 図 40は行方向,列方向に直線近似を行った結果の例である。図 40において,信 号ユニットを U(x, y), x=l〜Wu, y=l〜Huと表記する。 Lh(y)は U(l, y)〜U( Wu, y)を近似した直線(図 40の符号 810)であり, Lv(x)は U(x, l)〜U(x, Hu)を 近似した直線(図 40の符号 820)である。
[0188] <直線の均等化 (ステップ S630) >
ステップ S620で近似した直線は,検出された信号ユニットの位置が,ある程度まと まってずれているなどの理由により,個別に見ると直線の傾きや位置が均等ではない 。そこで,ステップ S630では,個々の直線の傾きや位置を補正して均等化を行う。
[0189] 図 41は行方向の近似直線 Lh(y)の傾きを補正する例である。図 41 (a)は補正前 であり,図 41(b)は補正後である。図 41(&)にぉける01( )の傾きを丁11( )としたとき
, Lh (y)の傾きは Lh (y)の近傍の直線の傾きの平均値となるように補正する。具体的 には,
〜Th(y+Nh) )とする。ただし, AVERA GE (A〜B)は A〜Bまでの平均値を計算する計算式とし, Nhは任意の自然数とする 。 y— Nhく 1の場合は Th (y) =AVERAGE (Th (l)〜Th(y+Nh) )とし, y+Nh> Huの場合は Th (y) = AVERAGE (Th (y-Nh)〜Th (Hu) )とする。図 41は Nhを 1としたときの例であり,図 41 (b)は Lh(y)力Lh(y— 1)〜Lh (y+ 1)の直線の傾きの 平均値によって補正されて 、る例を示して 、る。
[0190] 図 42は行方向の近似直線 Lh (y)の位置を補正する例である。図 42 (a)は補正前 であり,図 42 (b)は補正後である。図 42 (a)について,垂直方向に任意の基準直線 1 130を設定し,この直線と Lh(y)との交点の y座標を Q (y)としたとき, Q (y)が Lh (y) の近傍の直線位置の平均となるように補正する。具体的には, Q (y) = AVERAGE (
とする。ただし Mhは任意の自然数とする。 y— Mhく 1ま たは y+Mh>Huの場合は変更を行わないものとする。図 42は Mhを 1としたときの 例であり,図 42 (b)は Lh (y)力 SLh (y— 1)と Lh(y+ 1)の直線の位置の中点(平均) によって補正されている例を示している。なお,この処理は省略可能である。
[0191] <直線の交点計算(ステップ S640) >
行方向の近似直線と列方向の近似直線の交点を計算する。図 43は行方向の近似 直線 Lh (l)〜Lh(Hu)と,列方向の近似直線 Lv(l)〜Lv(Wu)の交点を計算した 例である。交点の計算は一般的な数学的手法で行う。ここで計算した交点を補正後 の信号ユニット位置とする。すなわち,行方向の近似直線 Lh (y)と列方向の近似直 線 Lv(x)の交点を,信号ユ ット U (x, y)の補正後の位置 (Rx (x, y) , Ry(x, y) )と する。例えば信号ユニット U (l, 1)の補正後の位置は, Lh (l)と Lv(l)の交点とする
[0192] <補正画像作成 (ステップ S650) >
ステップ S640により計算した信号ユニット位置を参照して,入力画像から補正画像 を作成する。ここでは透カゝし画像出力部 10で出力した透かし入り原画像を印刷する 際の解像度を Doutとし,透かし画像入力部 20に入力する入力画像 21を取得する 際の解像度を Dinとする。また補正画像 29の大きさは,入力画像 21と同じ倍率であ
るとする。
[0193] 透力し画像出力部 10において信号ユニットの大きさが幅 Sw,高さ Shであるとする と,入力画像 21における信号ユニットは幅 Tw=SwXDinZDout,高さは Th=Sh XDinZDoutとなる。したがって,信号ユニットの数が横方向に Wu個,縦方向に Hu 個である場合には,補正画像 29のサイズは幅 Wm=TwXWu,高さ Hm=ThXHu となる。また,補正画像 29における任意の信号ユニット U(x, y)の位置を (Sx(x, y) , Sy(x, y))とすると,信号ユニットが均等に並ぶように補正画像 29を作るため, Sx =TwXx, Sy=ThXyが成り立つ。なお,最も左上の信号ユニット U (1, 1)の位置 は(0, 0)であり,これが補正画像 29の原点となる。
[0194] 補正画像上の任意の位置 (Xm, Ym)の画素値 Vmは,入力画像上の座標(Xi, Yi )の画素値 Viにより求める。図 44はこれらの座標の対応例であり,図 44 (a)は入力画 像 1310 (入力画像 21)を,図 44 (b)は補正画像 1320 (補正画像 29)を示して 、る。 この図を用いて (Xm, Ym)と (Xi, Yi)の関係を説明する。
[0195] 図 44(b)の補正画像 1320〖こおいて, (Xm, Ym)を中心としてみたときの左上,右 上,左下の領域で,最も近い信号ユニットをそれぞれ U(x, y) (座標値は(Sx(x, y) , Sy(x, y)), 1360), U(x+1, y) (1370), U(x, y+1) (1380)とし,それらとの 距離をそれぞれ El, E2, E3とする(具体的には, Xは XmZTw+1を超えない最小 の整数, yは XmZTw+1を超えない最小の整数)。このとき,図 44 (a)の入力画像 1 310における U(x, y) (座標値は(Rx(x, y), Ry(x, y)), 1330), U(x+1, y) (13 40), U(x, y+1) (1350)と(Xi, Yi)との距離がそれぞれ Dl, D2, D3であって, D 1〜D3の比 Dl: D2: D3が El: E2: E3と等し!/、ときに(Xm, Ym)の画素値 Vmは, 入力画像 1310上の座標(Xi, Yi)の画素値 Viにより求める。
[0196] 図 45はこのような (Xi, Yi)の具体的な計算方法を示している。図 45 (a)の符号 14 30は(Xm, Ym)を U(x, y)と U(x+1, y)を結ぶ直線上に射影した点で Fx =Xm— Sx(x, y)である。また,符号 1440は(Xm, Ym)を U(x, y)と U(x, y+1)を結ぶ直 線上に射影した点で Fy=Ym— Sy(x, y)である。同様に,図 45 (b)の符号 1450は (Xm, Ym)を U(x, y)と U(x+1, )を結ぶ直線上に射影した点で0 = 1!1 3 ( x, y)である。同様に,符号 1460は (Xm, Ym)を U(x, y)と U(x, y+1)を結ぶ直線
上に射影した点で Gy=Ym— Sy(x, y)である。このとき,図 45 (a)の入力画像 141 0における Fxは, Fx/ (Rx (x+ 1, y) -Rx(x, y) ) =ExZTwより, Fx = Ex/Tw X (Rx(x+ 1, y) -Rx (x, y) )となる。同様に, Fy=Ey/Th X (Ry(x, y+ 1)— Ry (x, y) )となる。これより, Xi=Fx+Rx(x, y) , Yi=Fy+Ry(x, y)となる。
[0197] 以上により,図 45 (b)の補正画像 1420上の任意の点(Xm, Ym)の画素値には, 入力画像上の点 (Xi, Yi)の画素値をセットする。ただし, (Xi, Yi)は一般的に実数 値であるため,入力画像上で (Xi, Yi)に最も近い座標における画素値とするか,そ の近傍 4画素の画素値とそれらとの距離の比から画素値を計算する。
[0198] 以上,画像変形部 23の動作について説明した。
[0199] 以上説明したように,本実施形態によれば,印刷時に埋め込んだ信号の位置情報 を元に,印刷書面を取り込んだ画像を補正するため,印刷物から取り込んだ画像か ら印刷前の画像を歪みや伸び縮みなく復元できるので,それらの画像間の位置の対 応付けを高精度で行うことができ,さらには高性能の改ざん検出を行うことができる。
[0200] (画像特徴抽出部 24〜画像特徴データ化部 26の動作にっ ヽて)
次に,画像変形部 22によって入力画像 21が補正された補正画像 29が出力される と,画像特徴抽出部 24は,補正画像 29に対して画像特徴を示し,改ざんの有無を 判定するための比較出力値を出力する。なお,比較出力値を出力する方法について は,上記画像特徴抽出部 12にお 、て説明したのと実質的に同様であるため詳細な 説明は省略する。
[0201] 上記画像特徴抽出部 24と同じように,領域分割処理部 25と画像特徴データ化部 2 6につ 、ても ,上記領域分割処理部 13及び画像特徴データ化部 14にお ヽて説明し たのと実質的に同様であるため詳細な説明は省略する。なお,画像特徴データ化部 26で出力される比較評価値は,補正画像 29に対する各判定ブロック Blockの画像 特徴データである。
[0202] (改ざん判定部 27の動作について)
ここで,上記説明した通り,透力し情報 28 (改ざん検出データ DATA)に含まれる 改ざん検出データ DATA2において,判定ブロック Block (n)のフィルタ Xによる評価 値を Bw(X, n)とする(Xは A, B, C,または Dのうちいずれ力, nは 0〜: Bn—1)。
[0203] また,上記画像特徴データ化部 26が計算し,改ざん判定部 27に出力する比較評 価値を Bd (X, n)と表記する。さらに, Bw (X, n)と Bd (X, n)の差の絶対値を Df (X, n)と表記すると,以下に示す式になる。
[0204] Df (X, n) = | Bw(X, n)— Bd (X, n) |…(式 1)
[0205] このとき,改ざん判定部 27は,各判定ブロック Blockの評価値と比較評価値との絶 対値の差 (Df (X, n) )を計算し,さらに改ざん判定部 27は,その Df (X, n)が以下に 示す"判定基準 1"〜"判定基準 4"のいずれかを満たす場合,入力画像 21の判定ブ ロック Block (n)に相当する位置に改ざんがあつたとみなす。
[0206] (判定基準 1): Df (A, n) >T
a
(判定基準 2) : Df (B, n) >T
b
(判定基準 3) : Df (C, n) >T
(判定基準 4) : Df (D, n) >T
d
なお,上記判定基準 1は,フィルタ Aにおける評価値と比較評価値との絶対値の差 力 よりも大きいことを示し,上記判定基準 2は,フィルタ Bにおける評価値と比較評 a
価値との絶対値の差が Tよりも大きいことを示し,上記判定基準 3は,フィルタ Cにお
b
ける評価値と比較評価値との絶対値の差が τよりも大きいことを示し,上記判定基準
4は,フィルタ Dにおける評価値と比較評価値との絶対値の差が Tよりも大きいことを
d
示している。
[0207] ここで,図 46〜図 49を参照しながら,改ざん判定部 27による改ざんされた力否か を判定する判定処理について説明する。図 46〜図 49は,改ざん判定部 27による改 ざん判定処理の概略の一例を示す説明図である。なお,図 46〜図 49は原画像 11 の改ざん判定領域 32内の画像領域 190— 1に存在した" X"という文字が入力画像 2 1の改ざん判定領域 32内の画像領域 190— 2で" L"という文字に書き換えられた場 合の改ざん判定処理について説明した図である。
[0208] 図 46に示すように,原画像 11の改ざん判定領域 32内の画像領域 190—1に" X"と いう文字に対して特徴抽出フィルタ 40のフィルタ A〜フィルタ Dによるフィルタリング 処理が行われた結果が示されて 、る。
[0209] 図 46に示す画像領域 190a— 1は,画像領域 190— 1についてフィルタ Aによるフィ
ルタリング処理結果であり,画像領域 190b— 1は,画像領域 190— 1についてフィル タ Bによるフィルタリング処理結果であり,画像領域 190c— 1は,画像領域 190— 1に ついてフィルタ Cによるフィルタリング処理結果であり,画像領域 190d— 1は,画像領 域 190— 1につ!/、てフィルタ Dによるフィルタリング処理結果を示して!/、る。
[0210] "X"という文字は右斜め上方向の直線と左斜め上方向の直線とから主に構成され ているため,図 46の画像領域 190a— 1と画像領域 190b— 1に示すように,水平方 向と垂直方向の直線に対する反応が弱く,画像領域 190c— 1と画像領域 190d— 1 に示すように,斜め方向の直線に対する反応は強い。
[0211] 図 47は,上記" X"文字を含んだ画像領域 190— 1を複数の判定ブロック Blockに 分割した場合の概略的な構成の一例を示す説明図である。図 47に示すように,特に ,画像領域 190c— 1の判定ブロック Block (M)と判定ブロック Block (N+ 1)の評価 値(Bw(C, M) , Bw (C, N+ l) )や,画像領域 190d— 1の判定ブロック Block (M + 1)と,判定ブロック Block (N)と,判定ブロック Block(N+ l)との評価値(Bw(D, M+ 1) , Bw (D, N) , Bw(D, N+ 1) )などが特に大きい値となり,それ以外の評価 値は小さな値となる。
[0212] 次に,図 48には,改ざん判定領域 32の画像領域 190— 1に含まれていた" X"とい う文字と同じ位置(画像領域 190— 2)に対して上記フィルタ A〜フィルタ Dによるフィ ルタリング処理を行った結果の一例を示している。なお,何らかの行為により,入力画 像 21にお 、て" X"が" L"と 、う文字に置き換えられて 、るものとする。
[0213] 画像領域 190a— 2は,画像領域 190— 2にフィルタ Aでフィルタリング処理した結 果を示し,画像領域 190b— 2は,画像領域 190— 2にフィルタ Bでフィルタリング処 理した結果を示し,画像領域 190c— 2は,画像領域 190— 2にフィルタ Cでフィルタリ ング処理した結果を示し,画像領域 190d— 2は,画像領域 190— 2にフィルタ Dでフ ィルタリング処理した結果を示して 、る。
[0214] "L"という文字は,垂直方向の直線と水平方向の直線とから主に構成されているた め,図 48の画像領域 190a— 2と画像領域 190b— 2に示すように,水平方向と垂直 方向の直線に対する反応が強く,画像領域 190c— 1と画像領域 190d— 2に示すよ うに,斜め方向の直線に対する反応は弱い。
[0215] 図 49は,上記文字" L"を含んだ画像領域 190— 2を複数の判定ブロック Blockに 分割した場合の概略的な構成の一例を示す説明図である。図 49に示すように,特に ,画像領域 190a— 2の判定ブロック Block (M+1)と,判定ブロック Block (N+ 1)の 評価値(Bd(A, M+1), Bd(A, N+1))や,画像領域 190b— 2の判定ブロック Bio ck(N)と,判定ブロック Block (N+1)の比較評価値(Bd(B, N) , Bd(B, N+1))な どが特に大きい値となり,それ以外の評価値は小さな値となる。
[0216] 改ざん判定部 27は,例えば,図 47と図 49に示す各判定ブロック Blockの評価値及 び比較評価値に基づ 、て,改ざんされた力否かの判定処理を行う。
[0217] 改ざん判定部 27は,例えば,図 47に示す原画像 11の改ざん判定領域 32内の判 定ブロック Blockの評価値の方力 原画像 11の判定ブロック Blockに対応する図 49 に示す入力画像 21の判定ブロック Blockの比較評価値よりも大きい場合の評価値の ペア(Bw(C, M)と Bd(C, M))の差分である絶対値 Df(C, M)や, Bw(C, N+1) と Bd(C, N+1)の差分の絶対値 Df(C, N+1)などが閾値 Tcを超えるため,判定ブ ロック Block(M),判定ブロック Block(N+l)などに相当する位置に改ざんがあった と判定することができる。
[0218] 同様に,改ざん判定部 27は,例えば,図 47に示す原画像 11の判定ブロック Block の評価値の方が,入力画像 21の判定ブロック Blockの比較評価値よりも小さ 、場合 の評価値'比較評価値ペア(Bw(A, M+1), Bd(A, M+1))の差分である絶対値 Df(A, M+1)や,評価値'比較評価値ペア(Bw( A, N+1), Bd(A, N+1))の差 分の絶対値 Df (A, N+1)などが閾値 Taをこえるため,判定ブロック Block (M+1) ,判定ブロック Block (N+ 1)などに相当する位置に改ざんがあつたと判定することが できる。
[0219] なお,上記説明した判定基準 1〜判定基準 4からなる判断基準に,以下に示す判 定基準 5の式を,さらに追加してもよいし,以下に示す"判定基準 5"のみ力 なる判 断基準の場合でも実施可能である。
[0220] (判定基準 5): C XDf(A, n)+C XDf (B, n)+C XDf (C, n)+C XDf (D, n
a b e d
) >Tall…(式 2)
[0221] ただし,上記"判定基準 5"において, C〜Cは任意の定数である。また, C〜Cが
a d a d
すべて 1の場合,上記判定基準 5は Df (A, n)〜Df(D, n)の単純な和に対する判定 基準となる。
[0222] また,あるブロック αの差分の絶対値の組(Df (A, a), Df (B, a), Df(C, a), D f(D, α))を,要素数力 つのベクトル(四次元ベクトル)とみなし(これを差分ベクトル と呼ぶ),サンプル画像により原画像 11と入力画像 21の間で改ざんのない判定プロ ック Blockの評価値と比較評価値の差分 Df(X, n),および改ざんのある判定ブロッ ク Blockの評価値と比較評価値の差分 Df(X, n)のサンプルデータを取得し,さらに 改ざんのな!、場合と改ざんのある場合の差分ベクトルの分布を計算し,この分布の第 1主成分を示す主軸を計算した後, C〜Cを各差分ベクトルを主軸へ写像するため
a d
の係数としてもよい。
[0223] また,判定ブロック Block (n)の近傍領域に含まれる判定ブロック Block (η+ Δη) から, Df(X, n)の値を以下に示す式から求める場合でもよい。
[0224] Df(X, n)=MAX{ | Bw(X, η+ Δη)— Bd(X, η+ Δη) | }…(式 3)
[0225] ただし, MAX{}はすべての Δηに対する | Bw(X, η+ Δη)—Bd(X, n+ Δη) | の最大値である。
[0226] 以上から,第 1の実施の形態に力かる透力し画像出力部 10と透力し画像入力部 20 の説明を終了する。上記透力 画像出力部 10又は透力 画像入力部 20によって, 印刷された書面に対する改ざんの有無を自動的に判別することができる。
[0227] (第 2の実施の形態について)
次に,第 2の実施の形態に力かる改ざん検出装置では,例えば,文書画像中の文 字領域の特徴データのみを透力し情報とすることによって,データ量を削減すること を目的としている。なお,第 2の実施の形態に力かる改ざん検出装置の説明では,第 1の実施の形態に力かる改ざん検出装置との相違点について特に詳細に説明し,そ の他の点については実質的に同様であるため省略する。
[0228] まず,図 50を参照しながら,第 2の実施の形態に力かる改ざん検出装置に備わる 透力し画像出力部 1010について説明する。なお,図 50は,第 2の実施の形態にか 力る透かし画像出力部 1010の概略的な構成の一例を示すブロック図である。
[0229] 図 50に示すように,第 2の実施の形態に力かる透力し画像出力部 1010と第 1の実
施の形態に力かる透力 画像出力部 10とが相違する点は,第 2の実施の形態に係る 透力し画像出力部 1010に文字領域抽出部 1017が,さらに追加された点である。
[0230] 上記文字領域抽出部 1017は,原画像 1011から文字領域を抽出する。なお,第 2 の実施の形態にカゝかる原画像 1011は,文書作成ツール等により作成された文書画 像である。
[0231] 領域分割処理部 1013は,上記文字領域抽出部 1017で抽出された文字領域を任 意の大きさのブロックに分割する。上記文字領域が分割されると,文字領域は複数の 判定ブロック Blockから構成される。
[0232] 次に,図 51を参照しながら,第 2の実施の形態に力かる改ざん検出装置に備わる 透力し画像入力部 1020について説明する。なお,図 24は,第 2の実施の形態にか 力る透かし画像入力部の概略的な構成の一例を示すブロック図である。
[0233] 図 51に示すように,第 2の実施の形態に力かる透力し画像入力 1020は,第 1の実 施の形態に力かる透力 画像入力部 20に備わる各部の構成と実質的に同様である ため,詳細な説明を省略する。なお,第 2の実施の形態に力かる改ざん検出装置に は上記透力し画像出力部 1010及び Z又は透力し画像入力部 1020が備わる。
[0234] (第 2の実施の形態に係る改ざん検出装置に備わる各部の動作について)
次に,図 52および図 53を参照しながら,第 2の実施の形態に力かる透力し画像出 力部 1010による処理について説明する。図 52は,第 2の実施の形態に力かる文字 領域を抽出する抽出処理の概略の一例を示す説明図であり,図 53は,第 2の実施の 形態にカゝかる文字領域を分割する分割処理の概略の一例を示す説明図である。
[0235] なお,以降の説明では,第 1の実施の形態と相違する相違点について説明し,その 他の点については,実質的に同様であるため,詳細な説明は省略する。
[0236] まず,文字領域抽出部 1017は,原画像 1011の画像領域のうち,改ざん判定領域 32に対して文字領域 1251を識別し,改ざん判定領域 32から文字領域 1251を抽出 する。
[0237] 文字領域抽出部 1017が上記文字領域 1251を抽出すると,図 52に示すように,改 ざん判定領域 32のうち文字である部分だけが認識され,文字領域 1251 (1251a, 1 251b, 1251c)として抽出されている。なお,例えば,文字領域 1が文字領域 1251a
,文字領域 2が文字領域 1251b,文字領域 3が文字領域 1251cとするが,かかる例 に限定されない。
[0238] なお,図 52に示す文字領域 1251には,横書きの文字が含まれている場合を例に 挙げて説明しているが,力かる例に限定されず,例えば,文字領域 1251には,縦書 きの文字が含まれる場合等でも実施可能である。上記の場合,その文字領域 1251 に含まれる文字を 90度回転することで,横書きの場合と同じように後続処理を実行す ることがでさる。
[0239] ここで,文字領域抽出部 1017の文字領域抽出処理について説明すると,まず文 字領域抽出部 1017は,改ざん判定領域 32のうち黒画素からなる領域 (黒画素領域 )に対して膨張処理を実行する。なお,膨張処理については一般的に用いられる画 像処理によって行われる。
[0240] 次に,文字領域抽出部 1017は,膨張処理が行われた文字領域に対して,ラベル 付けを実行し, 1文字又は 2文字等の各文字を囲む最小矩形からなる文字領域を, まず抽出する。なお,ラベル付けは,連続的に集まった黒画素の集合を 1つのグルー プとして定義付ける,いわゆる黒画素のグルーピング処理である。上記ラベル付けす ることで, 1文字または 2文字力 なる最小矩形力 なる文字領域を抽出することがで きる。
[0241] また,文字領域抽出部 1017が,膨張処理を行うのは,上記ラベル付け処理を効率 化するためであり,力かる膨張処理によって,ラベル付け処理の処理時間を短縮する ことができる。
[0242] 次に,文字領域抽出部 1017は,ラベル付けを行った最小矩形力もなる文字領域 の存在位置を把握し,その文字領域の左右に存在する最小矩形からなる文字領域 同士を結合させる。その結果,文字領域抽出部 1017は,複数文字が含まれる文字 領域 1251を抽出することができる。なお,上記結合処理の結果,文字領域 1251に は, 1文字だけの文字が含まれる場合もあり得る。
[0243] なお,第 2の実施の形態にカゝかる文字領域抽出部 1017は,文字領域 1251を抽出 する際に,改ざん判定領域 32には,文字以外,直線等,特に存在しない場合を例に 挙げて説明したが,力かる例に限定されず,例えば,水平方向又は垂直方向の鄞線
が改ざん判定領域 32に存在する場合であっても,実施可能である。上記の場合,改 ざん判定領域 32を含む原稿画像 11に存在する鄞線を除去した後,文字領域の抽 出を行う。
[0244] また,上記文字領域抽出部 1017による文字領域 1251が抽出された後の処理に ついては,第 1の実施の形態に力かる透力し画像出力部 10の処理と,ほぼ同様であ るため詳細な説明は省略する。
[0245] なお,画像特徴抽出部 1012による出力値を出力するためのフィルタリング処理で は,第 1の実施の形態に力かる画像特徴抽出部 12と同様に,改ざん判定領域 32の 全体につ 、てフィルタリング処理を実行してもよ 、し,または処理時間短縮を目的とし て,文字領域抽出部 1017で抽出された文字領域 1251についてのみフィルタリング 処理を実行してもよい。
[0246] (領域分割処理部 1013の動作にっ 、て)
次に,図 53に示すように,領域分割処理部 1013は,文字領域抽出部 1017によつ て抽出された文字領域 1251に対して,判定ブロック Block単位に分割処理を実行 する。したがって,文字領域 1251には, 1又は 2以上の判定ブロック Blockが存在す る。
[0247] 図 53に示すように,文字領域 1251は,まず上下に 2つに分割し,さらに水平方向 に n分割されている。したがって,判定ブロック Blockの高さは,文字領域 1251を縦 方向に 2分割した値であり,文字領域 1251ごとに異なる。また,判定ブロック Block の幅は予め定められた固定値としているが,力かる例に限定されず,例えば,判定ブ ロック Blockの幅を,文字領域 1251を水平方向に N分割した値に動的に変更する場 合でもよいし,または幅,高さ共に予め定められた固定値の場合でもよい。
[0248] 上記領域分割処理部 1013によって文字領域 1251が分割されると,画像特徴デ 一タ化部(第 1の画像特徴評価部) 1014によって,フィルタリング処理が実行され, 出力値が生成される。なお,第 2の実施の形態に力かる画像特徴データ化部 1014 の処理は,第 1の実施の形態に力かる画像特徴データ化部 14と実質的に同様であ るため,詳細な説明は省略する。
[0249] (透力し情報合成部 1015の動作について)
次に,透かレ f青報合成部 1015は,第 1の実施の形態に力かる改ざん検出データ D ATAに含まれる改ざん検出データ DATAO〜DATA3に加え,さらに以下に示す改 ざん検出データ DATA4が改ざん検出データ DATAに含まれる。
[0250] DATA4:文字領域の位置情報およびサイズ情報
[0251] なお,上記改ざん検出データ DATA4の他にも,例えば,文字領域抽出部 1017に おいて,鄞線を除去する処理が行われた場合等には,改ざん検出データ DATAに, 改ざん検出データ DATA5を,さらに追加する。
[0252] DATA5:鄞線領域 (鄞線がひかれた個所)を特定ための位置情報およびサイズ情 報
[0253] (透かし画像入力部 1020について)
第 2の実施の形態に力かる透かし画像入力部 1020は,第 1の実施の形態にかかる 透力 画像入力部 20とほぼ同様の構成であるため詳細な説明は省略する。なお,画 像変形部 1023については,透力し情報 1028 (改ざん検出データ DATA)に改ざん 検出データ DATA5 (鄞線領域情報)が含まれている場合,画像変形部 1023は,原 画像 11の画像領域のうち鄞線領域のみを除去する。
[0254] 上記画像領域のうち鄞線領域の除去については,例えば,画像変形部 1023は, 画像領域の水平方向又は垂直方向に走査しながら,黒画素が連続的に存在する個 所を検索する。上記黒画素が所定値以上連続して検出した場合,上記黒画素の存 在する領域を鄞線領域であると判断する。さらに画像変形部 1023は,その黒画素を 白画素に変更することで,上記鄞線領域を除去する。
[0255] さらに,領域分割処理部 1025については透力し情報 1028に改ざん検出データ D ATA3が格納されていない場合,領域分割処理部 1025は,改ざん検出データ DA TA4を取得し,その改ざん検出データ DATA4が示す文字領域情報に基づき判定 ブロック Blockの位置とサイズを再計算する。
[0256] 以上で,第 2の実施の形態に力かる透力し画像出力部 1010又は透かし画像入力 部 1020の一連の動作についての説明は終了する。力かる処理によって,特に入力 画像 1201として文書画像中に存在する文字領域 1251に係る評価値のみを透かし 情報として,原画像 1021に埋め込むことができる。したがって,改ざん判定領域 32よ
りも文字領域 1251の方が狭いため,第 1の実施の形態に力かる効果に加えて,原画 像 1021に埋め込む必要がある透力し情報のデータ量を削減することができる。
[0257] 以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本 発明は力かる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技 術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例を想定し得ることは明らかで あり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
[0258] また,本実施形態においては,透かレ f青報が埋め込まれた入力画像 21を紙などの 印刷物に印刷し,その印刷書面をスキャナ等のインタフェース力 取り込んだ画像を 用いて改ざんの判定を行う場合を例に挙げて説明したが,力かる例に限定されない 。例えば,入力画像 21を印刷せず,そのまま改ざんの判定を行う場合等でも実施可 能である。
産業上の利用可能性
[0259] 本発明は,文書画像等の改ざんを検出することが可能な改ざん検出装置,透かし 入り画像入力装置,透かし入り画像出力装置,および検索情報提供システムに適用 可能である。