明 細 書
硬化性組成物
技術分野
[oooi] 本発明は、天然アスファルトおよび Zまたは石油アスファルトおよび反応性ケィ素 基含有ポリオキシアルキレン系重合体を含有する硬化性組成物に関する。また、そ のような硬化性組成物を用いてなるタイル用接着剤、防水材、道路舗装材、シーリン グ材および制振材料に関する。
背景技術
[0002] アスファルトは粘着性、加工性、防水性に優れ、また安価であるため、使 、やす!/ヽ 材料として、道路舗装材、ルーフイング材、シーリング材、接着剤、水路ライニング材 、制振材、防音材などの分野で幅広く使用されている。
[0003] 例えば、アスファルトをルーフイング材として使用する場合に、複数枚積層して防水 層を形成するいわゆるアスファルト防水熱工法が従来より防水工事の主流として盛ん に使用されている。この工法は、非常に防水信頼性が高いが、アスファルトを溶融す る際に、溶融アスファルトの煙や匂いが大量に発生し周辺の環境を著しく汚染すると いう欠点があるため住宅密集地域や都心中心部では敬遠され、採用される地域が限 定されている。また、作業者が火傷をおう危険があり、作業者にも敬遠される傾向が ある。
[0004] これらの問題を克服するために、冷工法である自着工法がこの分野に定着しつつ あるが、施工時に剥離された剥離紙が廃材として大量に発生し、この処分が大問題と なる。
[0005] また、性能面で検討すると、ルーフイング材用途には、一般に空気吹き込み処理さ れたブローン系のアスファルトが使用される力 主として周囲温度に由来する材料の 破壊やその固い性質力 ブローン系のアスファルトは往々にして脆ぐ低温で割れや すい。逆に、良好な低温特性を示すアスファルトは夏季の間に許容することのできな い流動又は変形を示すことがある。そのような問題を克服するために、エポキシ榭脂 アスファルト系などが開発され、強度付与によって夏場のわだち掘れは改善された
ものの冬場のクラックが生じやす 、と 、う欠点は、 、まだ解決されて ヽな 、。
[0006] 近年、クラックの改善を目的として、天然ゴムやスチレン 'ブタジエンゴム、クロロプレ ンゴムなどのゴム系改質剤を添加し、弾性を付与する試みがなされている(例えば、 特許文献 1参照。 ) oし力しながら、これらのゴム系改質剤はアスファルトとの相溶性に 劣り均一な組成物を得ることが困難で、分散させる際に高温加熱下での長時間攪拌 を要する。そのためゴム系改質剤によるアスファルトの変性が不十分となりやすぐそ の結果、下地への接着性が不十分となり防水 ·止水性能の面で満足できて 、な 、。 特許文献 1:特開平 10— 279808号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] 本発明が解決しょうとする課題は、施工時に煙や臭気を発生せず、溶剤揮散のな V、、モルタルへの耐水接着性が良好な常温硬化型アスファルト組成物を提供するこ とである。
課題を解決するための手段
[0008] 上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、天然アスファルト および Zまたは石油アスファルトに反応性ケィ素基を有するポリオキシアルキレン系 重合体を含有させることにより、上記課題を解決できる硬化性組成物が得られること 見出し、本発明に至った。
[0009] すなわち本発明は、以下の(1)〜(31)を提供する。
(1)
(A)天然アスファルトおよび Zまたは石油アスファルト、および (B)下記一般式(1) で表される反応性ケィ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体を含有する硬化 性組成物。
-SKR1 )Χ
3~a a …ひ)
(式中、 R1は炭素数 1〜20のアルキル基、炭素数 6〜20のァリール基、炭素数 7〜2 0のァラルキル基または (R' O) Si—で表されるトリオルガノシロキシ基を示し、 R1が 2
3
個存在する時、それらは同一であってもよぐ異なっていてもよい。ここで、 R'は炭素 数 1〜20の 1価の炭化水素基であり 3個の R'は同一であってもよぐ異なっていても
よい。 Xは水酸基または加水分解性基を示し、 Xが 2個以上存在する時、それらは同 一であってもよぐ異なっていてもよい。 aは 1、 2または 3を示す。)
(2)
(B)成分の主鎖骨格がポリオキシプロピレンである(1)に記載の硬化性組成物。 (3)
(B)成分の分子末端に対する反応性ケィ素基導入率 ("Η— NMR分析による計算 )が 60%以上、かつ(Β)成分の数平均分子量 (GPC分析におけるポリスチレン換算 での分子量)が 5, 000以上である(1)または(2)に記載の硬化性組成物。
(4)
(G)シランカップリング剤を含有する(1)〜(3)の ヽずれかに記載の硬化性組成物 (5)
(G)成分が、 1分子中に 1つ以上のアミノ基を含有するシランカップリング剤であるこ とを特徴とする (4)に記載の硬化性組成物。
(6)
(Β)成分の分子末端に対する反応性ケィ素基の導入率 — NMR分析による計 算)が 75%以上である(3)に記載の硬化性組成物。
(7)
(B)成分が、分子末端に対する反応性ケィ素基の導入率 — NMR分析による 計算)が 75%以上 85%未満の反応性ケィ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体と 85%以上の反応性ケィ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体の混合物である(3) に記載の硬化性組成物。
(8)
(B)成分の分子末端に対する反応性ケィ素基の導入率 — NMR分析による計 算)が 85%以上である(3)に記載の硬化性組成物。
(9)
(B)成分の数平均分子量 (GPC分析におけるポリスチレン換算での分子量)が 10 , 000以上である(3)に記載の硬化性組成物。
(10)
(B)成分が、下記一般式 (2)および Zまたは下記一般式 (3)で表される反応性ケィ 素基を有する(1)〜(9)のいずれかに記載の硬化性組成物。
-SiX · · · (3)
3
(式中、 Xは前記と同じ。 )
(11)
(B)成分が、下記一般式 (4)で表される基を有する(1)〜(10)の 、ずれかに記載 の硬化性組成物。
-NR2-C ( = 0) - · · · (4)
(式中、 R2は水素原子または炭素数 1〜20のアルキル基、炭素数 6〜20のァリール 基、炭素数 7〜20のァラルキル基を示す。 )
(12)
(B)成分が、一般式 (4)で表される基を少なくとも 1分子中に 2つ以上有する(11) に記載の硬化性組成物。
(13)
(C)可塑剤を含有する(1)〜(12)のいずれかに記載の硬化性組成物。
(14)
(C)成分の可塑剤が、芳香族系オリゴマーまたは芳香族系オリゴマーの完全また は部分水添物である(13)に記載の硬化性組成物。
(15)
(C)成分の可塑剤が、スルホン酸エステル系化合物またはスルホンアミド系化合物 である(13)に記載の硬化性組成物。
(16)
(D)エポキシ榭脂を含有する(1)〜(15)の ヽずれかに記載の硬化性組成物。 (17)
(D)成分のエポキシ榭脂の含有量力 (A)成分の 100重量部に対して、 5〜120
重量部である(16)に記載の硬化性組成物。
(18)
(E) (メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体を含有する(1)〜(17)のいずれか に記載の硬化性組成物。
(19)
(E)成分の (メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体の分子鎖力 (a)炭素数 1 〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位と(b)炭素 数 10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含 む共重合体である(18)に記載の硬化性組成物。
(20)
(E)成分の (メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体が、前記一般式(1)で表さ れる反応性ケィ素基を有する重合体である(18)または(19)に記載の硬化性組成物
(21)
(F)粘着付与榭脂を含有する( 1)〜(20)の ヽずれかに記載の硬化性組成物。 (22)
(F)粘着付与榭脂が、フエノールおよび Zまたはアルキルフエノールで変性された 粘着付与榭脂である(21)に記載の硬化性組成物。
(23)
(A)成分、(B)成分、(C)成分および (F)成分の合計を 100重量部とした場合に、 それぞれの重量部数が (A)成分 30〜60重量部、(B)成分 25〜55重量部、(C)成 分 15〜50重量部、(F)成分 1〜30重量部であることを特徴とする(21)または(22) に記載の硬化性組成物。
(24)
(A)成分 100重量部に含まれるァスフアルテン量が 10重量部以下である(1)〜(2 3)に記載の硬化性組成物。
(25)
(1)〜(24)のいずれかに記載の硬化性組成物であり、
該硬化性組成物に対して 23°C X 3日' 50°C X 4日の養生処理を行って硬化させ、厚 さ 3mmのシート状試験体に成形し、 JIS K 6251に準拠して当該試験体の引張り 試験した時に得られる破断時強度が 0. 4MPa以上、かつ、破断時伸びが 50%以上 である(1)〜(24)の 、ずれかに記載の硬化性組成物。
(26)
(1)〜(25)の ヽずれかに記載の硬化性組成物を用いてなる一液型硬化性組成物 (27)
(1)〜(26)の 、ずれかに記載の硬化性組成物を用いてなるタイル用接着剤。 (28)
(1)〜(26)のいずれかに記載の硬化性組成物を用いてなる防水材。
(29)
(1)〜(26)の 、ずれかに記載の硬化性組成物を用いてなる道路舗装材。 (30)
(1)〜(26)のいずれかに記載の硬化性組成物を用いてなるシーリング材。
(31)
(1)〜(26)の 、ずれかに記載の硬化性組成物を用いてなる制振材料。 発明の効果
[0010] 本発明の硬化性組成物を用いることにより、耐水性、硬化性、貯蔵安定性に優れ、 施工時に加熱溶融の必要がなく煙や臭気を発生しない硬化性組成物を提供するこ とがでさる。
発明を実施するための最良の形態
[0011] 本発明の (A)成分として使用される天然アスファルトおよび Zまたは石油ァスファ ルトは、トリ-ダットェピユレ、ギルソナイト、焦質瀝青などのレーキアスファルトやロック アスファルトのような天然アスファルトおよびそれらのカットバックアスファルト、石油精 製工程により生産されるストレートアスファルトやブローンアスファルトなどの石油ァス フアルトである。また、(A)成分は、重質油接触分解サイクル油、軽質油接触分解サ イタル油、潤滑油およびそれらの留分または他の留分の抽出、精製、水素添加など
の処理を行った石油系プロセスオイルなどの物質との混合物でもよい。特に、石油精 製工程により生産されるストレートアスファルトが(B)成分との相溶性または安定な分 散性が得られる点力 好ましぐさらに、アスファルト成分であるァスフアルテン量が、 アスファルト 100重量部中に 10重量部以下であることがより好ま U、。
[0012] アスファルト成分中のァスフアルテン量は、アスファルトのカラムクロマトグラフィーに よる組成分析法 (石油学会規格、 JPI- 5S- 22-83)基づ 、て測定することができ る。
[0013] また、石炭精製工程により生産されるコールタールは、前記、アスファルト同様に瀝 青質物質に分類されるが、有害なベンゾピレンを含んでおり、しかも作業工程時にお ける臭気の点から好ましくな 、。
[0014] 本発明の(B)反応性ケィ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体における主 鎖骨格としては、本質的に一般式(5)で表される繰り返し単位を有するのもがあげら れる。
R3— O— · · · (5)
(式中、 R3は 2価の有機基であり、炭素数 1〜14の直鎖または分岐アルキレン基を示 す。)
一般式(5)で表される繰り返し単位の具体例としては、例えば、 -CH CH O—、
2 2
-CH (CH ) CH O—、 -CH (C H ) CH O 、 一C (CH ) CH O 、 一CH CH
3 2 2 5 2 3 2 2 2 2
CH CH O などがあげられる。
2 2
[0015] ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、 1種類だけの繰り返し単位力 なつ ていてもよいし、 2種類以上の繰り返し単位力もなつていてもよい。特に— CH (CH )
3
CH O を繰り返し単位力 なるポリオキシプロピレンが非晶質であり、重合体を適度
2
に低粘度化できる点や硬化物に適度な柔軟性を付与できる点から、特に好ましい。
[0016] ポリオキシアルキレン系重合体の合成法としては、例えば、 KOHのようなアルカリ 触媒による重合法、特開昭 61— 215623号公報に示される有機アルミニウム化合物 とポルフィリンとを反応させて得られる錯体のような遷移金属化合物一ボルフイリン錯 体触媒による重合法、特公昭 46— 27250号、特公昭 59— 15336号、米国特許 32 78457号、米国特許 3278458号、米国特許 3278459号、米国特許 3427256号、
米国特許 3427334号、米国特許 3427335号などの各公報に示される複合金属シ アンィ匕物錯体触媒による重合法、特開平 10— 273512号公報に例示されるポリホス ファゼン塩カもなる触媒を用いる重合法、特開平 11— 060722号公報に例示される ホスファゼンィ匕合物力もなる触媒を用いる重合法などがあげられるが、特に限定され るものではない。
[0017] 本発明の(B)反応性ケィ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体における反 応性ケィ素基は、ケィ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シラノー ル縮合触媒によって、触媒される反応によりシロキサン結合を形成しうる基である。反 応性ケィ素基としては、下記一般式(1)で表される基があげられる。
-SKR1 )Χ …ひ)
3~a a
(式中、 R1は炭素数 1〜20のアルキル基、炭素数 6〜20のァリール基、炭素数 7〜2 0のァラルキル基または (R' ) OSi—で表されるトリオルガノシロキシ基を示し、 R1が 2
3
個存在する時、それらは同一であってもよぐ異なっていてもよい。ここで、 R'は炭素 数 1〜20の 1価の炭化水素基であり 3個の R'は同一であってもよぐ異なっていても よい。 Xは水酸基または加水分解性基を示し、 Xが 2個以上存在する時、それらは同 一であってもよぐ異なっていてもよい。 aは 1、 2または 3を示す。)
上記一般式(1)の Xが加水分解性基であるとき、特に限定されず、従来公知の加 水分解性基であればよぐ具体的には、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキ シ基、ァシルォキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノォキシ 基、メルカプト基、ァルケ-ルォキシ基などがあげられる。これらの内では、加水分解 性が穏やかで取扱いやすいという点でメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプ 口ポキシ基などのアルコキシ基が特に好ましい。
[0018] 上記一般式(1)の R1は特に限定されず、従来公知のもであればよぐ具体的には、 例えば、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基などのアルキル基、フエ二 ル基などのァリール基、ベンジル基などのァラルキル基などがあげられる。これらの 内では、原料入手性の点からメチル基が特に好ま ヽ。
[0019] 上記一般式(1)で表される反応性ケィ素基は特に限定されず、従来公知のもので あればよぐ具体的には、メチルジメトキシシリル基、メチルジェトキシシリル基、メチル
ジイソプロボキシシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキ シシリル基があげられる。
[0020] ポリオキシアルキレン系重合体への反応性ケィ素基の導入は公知の方法で行えば よい。例えば、以下に示す方法があげられる。
[0021] (ィ)分子中に水酸基等の官能基を有する有機重合体に、この官能基に対して反応 性を示す活性基および不飽和基を有する有機化合物を反応させ、不飽和基を含有 する有機重合体を得る。もしくは、たとえばェポキサイドを開環重合して有機重合体 を得る際に不飽和基含有ェポキサイドを開環共重合させ不飽和基含有有機重合体 を得るなど重合反応に関与しない不飽和基を有するモノマーを共重合させて不飽和 基含有有機重合体を得る。ついで、得られた反応生成物に反応性ケィ素基を有する ヒドロシランを作用させてヒドロシリル化する。
[0022] (口)(ィ)法と同様にして得られた不飽和基を含有する有機重合体にメルカプト基と 反応性ケィ素基とを有する化合物を反応させる。
[0023] (ハ)分子中に水酸基、エポキシ基やイソシァネート基などの官能基を有する有機 重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基および反応性ケィ素基を有する 化合物を反応させる。
[0024] 以上の方法のなかで、(口)の方法で得られる重合体はメルカプトシランに起因する 臭気が強いことから、(ィ)の方法、または (ハ)方法が好ましい。
[0025] さらに、(ハ)の方法のうち、末端に水酸基を有する重合体とイソシァネート基および 反応性ケィ素基を有する化合物を反応させる方法は、比較的短!、反応時間で高 ヽ 転化率が得られるために好まし ヽ。このような反応で得られるォキシアルキレン系重 合体は、反応性ケィ素基とともに、下記一般式 (4)で表される基を有する重合体とな る。
-NR2-C ( = 0) - · · · (4)
(式中、 R2は水素原子または炭素数 1〜20のアルキル基、炭素数 6〜20のァリール 基、炭素数 7〜20のァラルキル基を示す。 )
なお、上記一般式 (4)で表される基を有する(B)成分は、上記方法以外の方法で も得られる。具体例を挙げると、トルエン(トリレン)ジイソシァネート、ジフエ-ルメタン
ジイソシァネート、キシリレンジイソシァネートなどの芳香族系ポリイソシァネート類、ィ ソホロンジイソシァネート、へキサメチレンジイソシァネートなどの脂肪族系ポリイソシ ァネート類などのジイソシァネートイ匕合物と、前記一般式(5)の繰り返し単位を有する ポリオールとの鎖延長反応力 得られるものは、反応性ケィ素基の導入方法に係わ らず一般式 (4)の基を 2つ以上有するものとなる。
[0026] 反応性ケィ素基の導入方法について言えば、(ィ)の方法と (ハ)の方法は一長一短 である。 (ィ)の方法で得られた反応性ケィ素基を有する有機重合体は (ハ)の方法で 得られる重合体よりも低粘度で作業性の良 、組成物となる点にぉ 、て好ま 、。一 方、(ハ)の方法は水酸基含有重合体へのシリル基の導入が 1ステップで出来るので (B)成分を生産性良く準備できる点にお ヽて好ま ヽ。
[0027] 一般式 (4)で表される基は、 1分子中に 1つ以上有することが好ましぐ 2つ以上有 することがより好まし!/、。
[0028] (ィ)の方法にぉ 、て、反応性ケィ素基を高!、導入率で導入するためには、 CH =
2
C (R4)— CH—または CH (R4) =CH— CH - (式中、 R4は水素、または炭素数 1
2 2 2
〜10の炭化水素基)で表される不飽和基を含有する有機重合体にヒドロシラン化合 物を付加させることにより導入することが好ましい。より好ましくは、 R4が水素またはメ チル基であり、反応性ケィ素基の導入率を 85%以上にするためには R4カ^チル基で あることが特に重要である。
[0029] (ィ)の方法において用いるヒドロシランィ匕合物の具体例としては、例えば、トリクロ口 シラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、フエニルジクロロシランのようなハ ロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジェトキシシラン、メチ ルジメトキシシラン、フエ-ルジメトキシシランのようなアルコキシシラン類;メチルジァ セトキシシラン、フエ-ルジァセトキシシランのようなァシロキシシラン類;ビス(ジメチ ルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロへキシルケトキシメート)メチルシランのよう なケトキシメートシラン類などがあげられる力 これらに限定されるものではない。これ らのうちではとくにハロゲンィ匕シラン類、アルコキシシラン類が好ましぐ特にアルコキ シシラン類は、得られる組成物の加水分解性が穏やかで取扱やす!/、ために最も好ま しい。
[0030] (口)の合成法としては、たとえば、ラジカル開始剤および Zまたはラジカル発生源 存在下で、メルカプト基および反応性ケィ素基を有する化合物をラジカル付加反応 によって有機重合体の不飽和結合部位に導入する方法などがあげられるが、特に限 定されるものではな ヽ。前記メルカプト基および反応性ケィ素基を有する化合物の具 体例としては、たとえば、 γ—メルカプトプロピルトリメトキシシラン、 γ—メルカプトプ 口ピルメチルジメトキシシラン、 γ —メルカプトプロピルトリエトキシシラン、 γ —メルカ プトプロピルメチルジェトキシシランなどがあげられる力 これらに限定されるものでは ない。
[0031] (ハ)の合成法のうち末端に水酸基を有する重合体とイソシァネート基および反応 性ケィ素基を有する化合物を反応させる方法としては、たとえば、特開平 3— 47825 号公報に示される方法などがあげられるが、特に限定されるものではない。前記イソ シァネート基および反応性ケィ素基を有する化合物の具体例としては、たとえば、 γ —イソシァネートプロピルトリメトキシシラン、 γ—イソシァネートプロピルメチルジメトキ シシラン、 γ —イソシァネートプロピルトリエトキシシラン、 γ —イソシァネートプロピノレ メチルジェトキシシランなどがあげられる力 これらに限定されるものではない。
[0032] (Β)成分は直鎖状、または分岐を有してもよぐその数平均分子量はゲルパーミエ イシヨンクロマトグラフィー(GPC)におけるポリスチレン換算において 3, 000以上が 好ましく 100, 000以下力 S現実的である。より好ましくは 5, 000以上、 70, 000以下 であり、さらに好ましくは 10, 000以上であり、 50, 000以下である。数平均分子量が 5, 000未満では、組成物の硬度が高く不都合な傾向があり、 70, 000を越えると高 粘度となるために作業性の点で不都合な傾向があるからである。
[0033] (Β)成分中の反応性ケィ素基は、ポリオキシアルキレン系重合体の末端あるいは内 部に結合していてもよいし、また、末端と内部の両方に結合していてもよい。とくに、 反応性ケィ素基が分子末端にのみ結合しているときは、組成物に含まれる重合体成 分の網目が効率的に構築されるため、少量の反応性ケィ素基量で有効量の網目を 得ることができること力 好まし!/、。
[0034] (Β)成分における反応性ケィ素基の導入率を測定する方法としては種々の方法が 考えられるが、 iH— NMRスペクトルにより、反応性ケィ素基の導入された末端等の
積分値から算出することができる。反応性ケィ素基の導入率とは、分子中に存在する 反応性ケィ素基の数を分子末端の数で除して百分率で表した数値である。つまり、 1 分子中平均して 2個の反応性ケィ素基を有する直鎖状の重合体 (即ち分子末端数が 2個の重合体)の場合の導入率は 100%と計算される。従って、分子末端以外の部 位に反応性ケィ素基が多数存在する重合体の場合は導入率の計算値が 100%を越 える場合ちある。
[0035] (B)成分の反応性ケィ素基の導入率は、 60%以上が好ましぐ 75%以上がより好 ましぐ 85%以上がさらに好ましい。導入率が 60%未満では、本発明の硬化性組成 物中における(B)成分の架橋が不十分になって硬化物の強度不足を招く虞がある。 また、反応性ケィ素基の導入率が 85%以上の重合体と、 75%以上 85%未満の重合 体とを混合使用する実施態様も推奨される。
[0036] (B)成分の重合体 1分子中の反応性ケィ素基の数は平均して 1個以上が好ましぐ
1. 1〜5個であることが好ましい。分子中に含まれる反応性ケィ素基の数が 1個未満 になると、硬化物の硬化性が不十分になり、良好なゴム弾性が得られなくなることがあ り、また 5個を越えると硬化物が硬くもろくなり、ゴム弾性が乏しくなるため好ましくない
[0037] (B)成分の使用量は (A)成分 100重量部に対して、 10〜500重量部であり、より好 ましくは 10〜300重量部であり、特に好ましくは 30〜200重量部である。
[0038] 一般式(1)で表される反応性ケィ素基は、 Xで表される水酸基または加水分解性基 を 1〜3個有するが、 1個だと硬化性が不十分となりやすいので、下記一般式(2)また は(3)で表される反応性ケィ素基が好ま 、。
- SiX · · · (3)
3
(式中、 Xは前記と同じ。 )
特に、硬化性組成物に対して高い硬化性、および Zまたは硬化物に対して耐クリ 一プ性を求める場合には一般式 (3)で表される反応性ケィ素基を有する重合体を (B )成分として用いることが好ま 、。
[0039] 本発明に使用される(C)可塑剤としては、特に限定されず、公知のものが使用でき る。具体例としては、例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2—ェ チルへキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート、ジ n—ォクチルフタレート、 ジイソノ-ルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジゥンデシルフタレートなどのフタル 酸エステル類;ジ(2—ェチルへキシル)アジペート、ジー n—ォクチルアジペート、ジ イソノ-ルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジ(2—ェチルへキシル)セバシケー ト、テトラヒドロフタル酸ジ 2 -ェチルへキシルなどの非芳香族 2塩基酸エステル類;パ ラフィン基油、ナフテン基油、ァロマ基油などのプロセスオイル;亜麻仁油、大豆油、 桐油などの脂肪酸油;トリメリット酸トリ 2—ェチルへキシル、トリメリット酸トリイソデシル などの芳香族系エステル類;ォレイン酸ブチル、ァセチルリシノール酸メチル、ペンタ エリスリトールエステルなどの脂肪酸エステル類;ポリブテン、水添ポリブテン、水添 α ーォレフインオリゴマーなどのポリビュル系オリゴマー;水添液状ポリブタジエンなどの 水添ポリブタジエン系オリゴマー:パラフィン油、塩ィ匕パラフィン油などのパラフィン; ナフテン油などのシクロパラフィン;ビフエ-ル、トリフエ-ルなどの芳香族系オリゴマ 一;芳香族系オリゴマーの完全または部分水添物;アルキルスルホン酸フエニルエス テルなどのスルホン酸エステル系化合物;トルエンスルホンアミド、 Ν ェチルトルェ ンスルホンアミド、 Ν シクロへキシルトルエンスルホンアミドなどのスルホンアミド系化 合物などを挙げることができる。これらは、単独で用いてもよぐ 2種類以上併用しても よい。
[0040] (C)可塑剤の添カ卩により、組成物の粘度が低下し作業性が良くなる。また、芳香族 系オリゴマーまたは芳香族系オリゴマーの完全または部分水添物、スルホン酸エステ ル系化合物、スルホンアミド系化合物などは、本願発明の (Α)成分と (Β)成分の分散 安定性を顕著に向上させる傾向があるので好ましい。
[0041] (C)成分を含有させる場合の (C)成分の使用量は、(Α)成分 100重量部に対して 5〜300重量部が好ましぐより好ましくは 10〜200重量部であり、もっとも好ましくは 25〜120重量部である。 5重量部未満では、組成物の粘度低下効果や、(Α)成分と (Β)成分の相溶性、分散性改善効果が不十分な場合がある。また、 300重量部を越 えると十分な力学物性が得られな 、場合がある。
[0042] 本発明の硬化性組成物には必要に応じて (D)エポキシ榭脂を添加しても良 ヽ。ェ ポキシ榭脂の添カ卩により硬化物の強度が増し、夏場のわだち掘れ等の改善が期待さ れる。また、モルタルなどの基材への耐水接着性が向上する。(D)エポキシ榭脂とし ては、ェピクロルヒドリン一ビスフエノール A型エポキシ榭脂、ェピクロルヒドリン一ビス フエノール F型エポキシ榭脂、テトラブロモビスフエノール Aのグリシジルエーテルなど の難燃型エポキシ榭脂、ノボラック型エポキシ榭脂、水添ビスフエノール A型エポキシ 榭脂、ビスフエノール Aプロピレンォキシド付カ卩物のグリシジルエーテル型エポキシ榭 脂、 p—ォキシ安息香酸グリシジルエーテルエステル型エポキシ榭脂、 m—ァミノフエ ノール系エポキシ榭脂、ジアミノジフエ二ルメタン系エポキシ榭脂、ウレタン変性ェポ キシ榭脂、各種脂環式エポキシ榭脂、 N, N—ジグリシジルァ二リン、 N, N—ジグリシ ジルー o—トルイジン、トリグリシジルイソシァヌレート、ポリアルキレングリコールジグリ シジルエーテル、グリセリンなどのごとき多価アルコールのグリシジルエーテル、ヒダ ントイン型エポキシ榭脂、石油榭脂などのごとき不飽和重合体のエポキシィ匕物などが 例示されるが、これらに限定されるものではなぐ一般に使用されているエポキシ榭脂 が使用されうる。エポキシ基を少なくとも分子中に 2個含有するものが、硬化に際し反 応性が高ぐまた硬化物が 3次元的網目をつくりやすいなどの点力も好ましい。さらに 好ましいものとしてはビスフエノール A型エポキシ榭脂類またはノボラック型エポキシ 榭脂などがあげられる。
[0043] (D)成分を添加する場合は、その使用割合は (A)成分 100重量部に対して、 5〜1 20重量部であるのが好ましい。より好ましくは 5〜: LOO重量部である。特に 20〜: LOO 重量部がもっとも好ましい。 120重量部を超える場合は、貯蔵安定性が不十分となる 傾向がある。また、 5重量部未満では、強度向上の添加目的を果たさない虞がある。
[0044] 本発明の組成物に(D)エポキシ榭脂を添加する場合には、エポキシ榭脂を硬化さ せるための硬化剤を併用しても良い。使用できるエポキシ榭脂硬化剤としては、特に 限定はなぐ公知のエポキシ榭脂硬化剤が使用できる。具体的には、例えば、トリエ チレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジェチルァミノプロピルァミン、 N—ァミノ ェチルビペリジン、 m—キシリレンジァミン、 m—フエ二レンジァミン、ジアミノジフエ二 ルメタン、ジアミノジフエ-ルスルホン、イソホロンジァミン、ァミン末端ポリエーテルな
どの一級、二級アミン類; 2, 4, 6 トリス(ジメチルアミノメチル)フエノール、トリプロピ ルァミンなど三級アミン類、及び、これら三級アミン類の塩類;ポリアミド榭脂類;イミダ ゾール類;ジシアンジアミド類;三弗化硼素錯ィ匕合物類、無水フタル酸、へキサヒドロ 無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ドデシニル無水琥珀酸、無水ピロメリット酸 、無水クロレン酸などの無水カルボン酸類;アルコール類;フエノール類;カルボン酸 類;アルミニウムまたはジルコニウムのジケトン錯ィ匕合物などの化合物を例示すること ができる力 これらに限定されるものではない。また、硬化剤は単独でも 2種以上併用 してちよい。
[0045] エポキシ榭脂の硬化剤を使用する場合、その使用量はエポキシ榭脂 100重量部に 対し、 0. 1〜300重量部の範囲が好ましい。
[0046] エポキシ榭脂の硬化剤としてケチミンィ匕合物を用いることができる。ケチミンィ匕合物 は、水分のない状態では安定に存在し、水分によって一級ァミンとケトンに分解され 、生じた一級ァミンがエポキシ榭脂の室温硬化性の硬化剤となる。ケチミンィ匕合物を 用いると 1液型の組成物を得ることができる。このようなケチミンィ匕合物としては、ァミン 化合物とカルボニル化合物との縮合反応により得ることができる。
[0047] ケチミン化合物の合成には公知のァミン化合物、カルボ二ルイ匕合物を用いればよ いが、たとえばァミン化合物としてはエチレンジァミン、プロピレンジァミン、トリメチレ ンジァミン、テトラメチレンジァミン、 1, 3 ジアミノブタン、 2, 3 ジアミノブタン、ペン タメチレンジァミン、 2, 4 ジァミノペンタン、へキサメチレンジァミン、 p—フエ二レン ジァミン、 p, p,ービフエ-レンジァミンなどのジァミン; 1, 2, 3 トリァミノプロパン、ト リアミノベンゼン、トリス(2—アミノエチル)ァミン、テトラ(アミノメチル)メタンなどの多 価ァミン;ジエチレントリァミン、トリエチレントリァミン、テトラエチレンペンタミンなどの ポリアルキレンポリアミン;ポリオキシアルキレン系ポリアミン; γ—ァミノプロピルトリエト キシシラン、 Ν—( β—アミノエチル) Ί—ァミノプロピルトリメトキシシラン、 Ν— ( j8 アミノエチル) Ίーァミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノシラン;など が使用されうる。また、カルボ-ル化合物としてはァセトアルデヒド、プロピオンアルデ ヒド、 η ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ジェチルァセトアルデヒド、グリオ キサール、ベンズアルデヒドなどのアルデヒド類;シクロペンタノン、トリメチルシクロべ
ンタノン、シクロへキサノン、トリメチルシクロへキサノンなどの環状ケトン類;アセトン、 メチルェチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチ ルケトン、ジェチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジブチルケトン、ジ イソブチルケトンなどの脂肪族ケトン類;ァセチルアセトン、ァセト酢酸メチル、ァセト 酢酸ェチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジェチル、マロン酸メチルェチル、ジベンゾ ィルメタンなどの 13ージカルボ-ル化合物;などが使用できる。
[0048] ケチミン化合物中にィミノ基が存在する場合には、イミノ基をスチレンオキサイド;ブ チルダリシジルエーテル、ァリルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル;グリ シジルエステルなどと反応させてもよい。これらのケチミンィ匕合物は、単独で用いても よぐ 2種類以上を併用して用いてもよぐ(D)エポキシ榭脂 100重量部に対して、 1 〜 100重量部使用され、その使用量はエポキシ榭脂およびケチミン化合物の種類に よって異なる。
[0049] 本発明の硬化性組成物には、(E) (メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体を含 有させても良い。「(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体」とは、下記一般式(6 );
CH =C (R5) COOR6 · · · (6)
2
(式中、 R5は水素原子またはメチル基、 R6は炭素数 1〜30のアルキル基を示す) で表されるメタクリル酸アルキルエステルおよび Zまたはアクリル酸アルキルエステル を主たるモノマー成分とする重合体であり、単独モノマーの重合体あるいは複数モノ マーの共重合体を意味する用語である。この )(メタ)アクリル酸アルキルエステル 系重合体を本発明の硬化性組成物に含有させることにより、組成物の接着性の改善 や、耐候性の改善が期待される。
[0050] 一般式(6)の R6としては、例えば、メチル基、ェチル基、プロピル基、 n—ブチル基 、 tert—ブチル基、 2—ェチルへキシル基、ノ-ル基、ラウリル基、トリデシル基、セチ ル基、ステアリル基、ベへ-ル基などがあげられる。なお一般式(3)で表される単量 体は 1種類でもよぐ 2種以上を用いてもよい。
[0051] 2種類以上の単量体を用いる場合、一般式 (6)の R6の炭素数 1〜8である単量体 (a )と炭素数 10以上の単量体 (b)を併用すると、その使用比率により硬化性組成物の
相溶性の調整が行 、やすくなり好ま U 、。
[0052] (メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル 酸メチル、(メタ)アクリル酸ェチル、(メタ)アクリル酸 n—プロピル、(メタ)アクリル酸 n —ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸 tert—ブチル、(メタ)アタリ ル酸 n—へキシル、(メタ)アクリル酸へプチル、(メタ)アクリル酸 2—ェチルへキシル、 (メタ)アクリル酸ノエル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ゥンデシル、(メタ) アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)ァク リル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベへ-ルなどがある。
[0053] (E)成分の分子鎖は、実質的に 1種または 2種以上の (メタ)アクリル酸アルキルェ ステル単量体単位力 なる力 ここでいう実質的に上記の単量体単位力 なるとは、( E)成分中に存在する (メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位の割合が 50重 量%を超えること、好ましくは 70重量%以上であることを意味し、(E)成分には (メタ) アクリル酸アルキルエステル単量体単位のほかに、これらと共重合性を有する単量体 単位が含有されていてもよい。例えば、(メタ)アクリル酸などのカルボン酸基、(メタ) アクリルアミド、 N—メチロール (メタ)アクリルアミドなどのアミド基、グリシジル (メタ)ァ タリレートなどのエポキシ基、ジェチルアミノエチル (メタ)アタリレート、アミノエチルビ -ルエーテルなどのアミノ基を含む単量体などは、湿分硬化性、内部硬化性の点で 共重合効果が期待できる。その他アクリロニトリル、スチレン、 —メチルスチレン、ァ ルキルビュルエーテル、塩化ビュル、酢酸ビュル、プロピオン酸ビュル、エチレンな どに起因する単量体単位などがあげられる。
[0054] さらに (E)成分の重合体中には下記一般式(1)で表される反応性ケィ素基を含ん でいてもよい。
-SKR1 )Χ …ひ)
3~a a
(式中、 R1は炭素数 1〜20のアルキル基、炭素数 6〜20のァリール基、炭素数 7〜2 0のァラルキル基または (R' O) Si—で表されるトリオルガノシロキシ基を示し、 R1が 2
3
個存在する時、それらは同一であってもよぐ異なっていてもよい。ここで、 R'は炭素 数 1〜20の 1価の炭化水素基であり 3個の R'は同一であってもよぐ異なっていても よい。 Xは水酸基または加水分解性基を示し、 Xが 2個以上存在する時、それらは同
一であってもよぐ異なっていてもよい。 aは 1、 2または 3を示す。)
(E)成分の重合体中に反応性ケィ素基を導入する方法としては、例えば、重合性 不飽和結合と反応性ケィ素基とを併せ持つ化合物を (メタ)アクリル酸アルキルエステ ル単量体単位と共重合させる方法があげられる。重合性不飽和結合と反応性ケィ素 基とを併せ持つ化合物としては、一般式 (7)および Zまたは一般式 (8)で表される単 量体があげられる。
CH =C (R5) COOR7— S R1 )X …(7)
2 3-a a
(式中、 R5は前記に同じ。 R7は炭素数 1〜6の 2価のアルキレン基を示す。 R1, X, aは 前記に同じ。 )
CH =C (R5)— S R1 )X · · · (8)
2 3-a a
(式中、 R5, R1, X, aは前記に同じ。 )
一般式(7)および Zまたは一般式 (8)で表される単量体としては、公知のものが使 用でき、具体的には、例えば、 γ—メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、 γ—メタ クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、 Ί—メタクリロキシプロピルトリエトキシシラ ンなどの γ—メタクリロキシプロピルポリアルコキシシラン、 γ—アタリロキシプロビルト リメトキシシラン、 γ—アタリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、 γ—アタリ口キシプ 口ピルトリエトキシシランなどの Ύ—アタリロキシプロピルポリアルコキシシラン、ビニル トリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニ ルアルキルポリアルコキシシランなどがあげられる。
[0055] (Ε)成分は、通常のビニル重合の方法、例えば、ラジカル反応による溶液重合法に より得ることができる。重合は、通常、前記の単量体およびラジカル開始剤や連鎖移 動剤などをカ卩えて 50〜150°Cで反応させることにより行われる。この場合一般的に分 子量分布は 1. 8より広いものが得られる。
[0056] 前記ラジカル開始剤の例としては、 2, 2'ーァゾビスイソブチ口-トリル、 2, 2'ーァ ゾビス(2—メチルブチ口-トリル)、 4, 4,—ァゾビス(4 シァノバレリック)アシッド、 1
, 1,—ァゾビス( 1 シクロへキサンカルボ-トリル)、ァゾビスイソ酪酸アミジン塩酸塩 、 2, 2,—ァゾビス(2, 4 ジメチルバレ口-トリル)などのァゾ系開始剤、過酸化ベン ゾィル、過酸ィ匕ジ tert ブチルなどの有機過酸ィ匕物系開始剤があげられる力 重
合に使用する溶媒の影響を受けない、爆発などの危険性が低いなどの点から、ァゾ 系開始剤の使用が好ま U、。
[0057] 連鎖移動剤の例としては、 n—ドデシルメルカプタン、 tert—ドデシルメルカプタン、 ラウリルメルカプタン、 γ メルカプトプロピルトリメトキシシラン、 γ メルカプトプロピ ルメチルジメトキシシラン、 γ メルカプトプロピルトリエトキシシラン、 γ メルカプト プロピルメチルジェトキシシラン等のメルカプタン類や含ハロゲンィ匕合物などがあげら れる。
[0058] 重合は溶剤中で行なってもよい。溶剤の例としては、エーテル類、炭化水素類、ェ ステル類などの非反応性の溶剤が好まし 、。
[0059] (Ε)成分は、 GPC測定によるポリスチレン換算での数平均分子量が 500〜100, 0 00のもの力取り扱いの容易さの点力ら好ましい。さらに 1, 500〜30, 000のもの力 S 硬化物の耐候性、作業性が良好であることからより好ましい。
[0060] (Ε)成分を含有させる場合の(Β)成分との使用比率は、 (Β) / (Ε)の重量比が 95 /5〜 10/90力好ましく、 80/20〜60/40力より好まし!/ヽ。
[0061] また、(Α)成分に対する(Β) + (Ε)成分の使用割合は、(Α)成分 100重量部に対 して ) + (Ε)成分が 10〜500重量部であり、より好ましくは 10〜300重量部であり 、特に好ましくは 30〜200重量部である。
[0062] 本発明に使用される (F)粘着付与榭脂としては、特に限定されず、公知のものが使 用できる。具体例としては、脂肪族系石油榭脂 (C— 5榭脂)、芳香族系石油榭脂 (C 9榭脂)、脂肪族 Ζ芳香族混合型石油榭脂 (C 5ZC— 9榭脂)、フエノール変性 C 5ZC— 9榭脂、ジシクロペンダジェン系石油榭脂などの石油系榭脂;ロジン酸、 不均化ロジン酸、水添ロジン酸、重合ロジン酸とグリセリンやペンタエリスリトールとの エステルイ匕合物などのロジンエステル系榭脂;テルペン榭脂、水添テルペン榭脂、芳 香族変性テルペン榭脂、芳香族変性水添テルペン榭脂、フエノール変性テルペン榭 脂(テルペンフエノール榭脂)、アルキルフエノール変性テルペン榭脂などのテルべ ン系榭脂;スチレン榭脂;キシレン榭脂、フエノール変性キシレン榭脂、アルキルフエ ノール変性キシレン榭脂などのキシレン系榭脂;ノボラック型フエノール榭脂、レゾー ル型フエノール榭脂、アルキルフエノール榭脂、ロジン変性フエノール榭脂、カシュ一
オイル変性フエノール榭脂、トール油変性フエノール榭脂等のフエノール系榭脂;こ れらの榭脂をエポキシ榭脂ゃアクリルモノマーにより変性した変性榭脂などを挙げる ことができる。これらは単独で使用しても良ぐ必要に応じて 2種類以上を混合して使 用しても良い。特に、フエノールやアルキルフエノールで変性された各種榭脂を使用 するのが、(A)成分と (B)成分の相溶性や分散安定性を向上させるという点で好まし い。
[0063] (F)成分を使用する場合、その使用量は(B)成分 100重量部に対して 5〜: LOO重 量部であり、より好ましくは 5〜30重量部であり、特に好ましくは 5〜20重量部である 。 5重量部未満では、(A)成分と (B)成分の相溶性、分散性改善効果が不十分な場 合がある。また、 100重量部を越えると粘度が高くなり作業性が低下する。
[0064] さらに、(A)成分、(B)成分、(C)成分および (F)成分の合計を 100重量部とした場 合に、それぞれの重量部数が (A)成分 30〜60重量部、(B)成分 25〜55重量部、( C)成分 15〜50重量部、(F)成分 2〜30である場合が、(A)成分と (B)成分の相溶 性、分散性の点でより好ましい。
[0065] 本発明の硬化性組成物には、その用途に応じて (G)シランカップリング剤を配合し ても良い。シランカップリング剤の具体例としては、 γ—イソシァネートプロピルトリメト キシシラン、 γ —イソシァネートプロピルトリエトキシシラン、 γ —イソシァネートプロピ ルメチルジェトキシシラン、 γ—イソシァネートプロピルメチルジメトキシシラン、 (イソ シァネートメチル)トリメトキシシラン、 (イソシァネートメチル)ジメトキシメチルシラン等 のイソシァネート基含有シラン類; γ—ァミノプロピルトリメトキシシラン、 γ—ァミノプロ ピルトリエトキシシラン、 Ί—ァミノプロピルトリイソプロポキシシラン、 γ—ァミノプロピ ルメチルジメトキシシラン、 γ—ァミノプロピルメチルジェトキシシラン、 γ—(2—ァミノ ェチル)ァミノプロピルトリメトキシシラン、 γ— (2—アミノエチル)ァミノプロピルメチル ジメトキシシラン、 γ - (2—アミノエチル)ァミノプロピルトリエトキシシラン、 γ - (2- アミノエチル)ァミノプロピルメチルジェトキシシラン、 γ—(2—アミノエチル)アミノプ 口ピルトリイソプロポキシシラン、 γ - (2- (2—アミノエチル)アミノエチル)ァミノプロ ピルトリメトキシシラン、 γ— (6—ァミノへキシル)ァミノプロピルトリメトキシシラン、 3— (Ν—ェチルァミノ)一 2—メチルプロピルトリメトキシシラン、 γ—ウレイドプロピルトリメ
トキシシラン、 γ—ウレイドプロピルトリエトキシシラン、 Ν フエ二ノレ一 γ—ァミノプロ ピルトリメトキシシラン、 Ν ベンジル一 γ—ァミノプロピルトリメトキシシラン、 Ν ビニ ルベンジル一 γ—ァミノプロピルトリエトキシシラン、 Ν シクロへキシルアミノメチルト リエトキシシラン、 Ν シクロへキシルアミノメチルジェトキシメチルシラン、 Ν—フエ二 ルアミノメチルトリメトキシシラン、(2—アミノエチル)アミノメチルトリメトキシシラン、 Ν, Ν,一ビス [3— (トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジァミン等のアミノ基含有シラン 類; Ν— (1, 3 ジメチルブチリデン) - 3- (トリエトキシシリル)— 1—プロパンァミン 等のケチミン型シラン類; y—メルカプトプロピルトリメトキシシラン、 y—メルカプトプ 口ピルトリエトキシシラン、 Ί—メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、 Ί—メルカ プトプロピルメチルジェトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン等のメルカプト 基含有シラン類; Ύ—グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、 γ—グリシドキシプロピ エポキシシクロへキシノレ)ェチノレトリメトキシシラン、 j8 (3, 4—エポキシシクロへキシ ル)ェチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類; β—カルボキシェチルトリ エトキシシラン、 13 カルボキシェチルフエ-ルビス(2—メトキシエトキシ)シラン、 Ν — β— (カルボキシメチル)アミノエチル一 γ—ァミノプロピルトリメトキシシラン等の力 ルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、 γ—メタクリロイ ルォキシプロピルメチルジメトキシシラン、 γ—アタリロイルォキシプロピルメチルトリエ トキシシラン等のビュル型不飽和基含有シラン類; γ—クロ口プロピルトリメトキシシラ ン等のハロゲン含有シラン類;トリス(トリメトキシシリル)イソシァヌレート等のイソシァヌ レートシラン類等を挙げることができる。また、上記シラン類を部分的に縮合した縮合 体も使用できる。さらに、これらを変性した誘導体である、ァミノ変性シリルポリマー、 シリル化ァミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フエ-ルァミノ長鎖アルキルシラン、 アミノシリルイ匕シリコーン、シリルイ匕ポリエステル等もシランカップリング剤として用いる ことができる。
[0066] モルタルやコンクリート等の多孔質基材への接着性の点から、 1分子中に 1つ以上 のアミノ基を含有したシラン類が好ま 、。
[0067] 本発明にシランカップリング剤を用いる場合は、通常、反応性ケィ素基を有する重
合体 (B) 100重量部に対して、 0. 1〜20重量部の範囲で使用される。特に、 0. 5〜 10重量部の範囲で使用するのが好ましい。
[0068] 本発明の硬化性組成物は、以下の特性を有する硬化物を与えるうるよう調整されて 用いるのが好ましい。
[0069] すなわち、本発明の硬化性組成物に対して 23°C X 3日 · 50°C X 4日の養生処理を 行って硬化させ、厚さ 3mmのシート状試験体に成形し、 JIS K 6251に準拠して当 該試験体の引張り試験した時に得られる破断時強度が 0. 4MPa以上、かつ、破断 時伸びが 50%以上である硬化物が得られるように調整されるのが好まし!/、。
[0070] その調整は、既に述べたような配合により達成されうる。また、必要に応じて、以下 に記す成分の添カ卩によって達成されうる。
[0071] 本発明の硬化性組成物には、さらに必要に応じて、シラノール縮合触媒、充填材、 揺変剤、老化防止剤、その他各種添加剤などを添加することができる。
[0072] シラノール縮合触媒としては、特に限定されず、公知のものが使用できる。具体例と しては、例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネートなどのチタン酸ェ ステル類;ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジァセテ ート、ォクチル酸スズ、ナフテン酸スズ、ジブチルスズオキサイドとフタル酸エステルと の反応物、ジブチルスズビスァセチルァセトナートなどの有機スズィ匕合物類;アルミ- ゥムトリスァセチルァセトナート、アルミニウムトリスェチルァセトアセテート、ジイソプロ ポキシアルミニウムェチルァセトアセテートなどの有機アルミニウム化合物類;ジルコ 二ゥムテトラァセチルァセトナート、チタンテトラァセチルァセトナートなどのキレートイ匕 合物類;ォクチル酸鉛;ブチルァミン、ォクチルァミン、ジブチルァミン、ラウリルアミン 、モノエタノールァミン、ジエタノールァミン、トリエタノールァミン、ジエチレントリァミン 、トリエチレンテトラミン、ォレイルァミン、シクロへキシルァミン、ベンジルァミン、ジェ チルァミノプロピルァミン、キシリレンジァミン、トリエチレンジァミン、グァニジン、ジフ ェニルダァ-ジン、 2, 4, 6 トリス(ジメチルアミノメチル)フエノール、モルホリン、 N メチルモルホリン、 2 ェチルー 4ーメチルイミダゾール、 1, 8 ジァザビシクロ [5, 4, 0]ゥンデセン 7などのァミン化合物、あるいはこれらァミン化合物のカルボン酸 などとの塩;酸性リン酸エステル;酸性リン酸エステルとァミンの反応物;飽和若しくは
不飽和の多価カルボン酸又はその酸無水物;過剰のポリアミンと多塩基酸と力 得ら れる低分子量ポリアミド榭脂;過剰のポリアミンとエポキシィ匕合物との反応生成物; γ —ァミノプロピルトリメトキシシラン、 Ν—( β—アミノエチル) Ί—ァミノプロピルメチ ルジメトキシシランなどのアミノ基を有するシランカップリング剤;などのシラノール縮 合触媒、さらには他の酸性触媒、塩基性触媒などの公知のシラノール縮合触媒など 力 Sあげられる。これらの触媒は単独で使用してもよぐ 2種類以上併用してもよい。
[0073] シラノール縮合触媒は、 (Β)成分 100重量部( (Ε)成分を添加する場合には (Β)成 分と (Ε)成分の合計 100重量部)に対し、 0. 01〜15重量部使用することが好ましく 、特に 0. 1〜: LO重量部使用することがより好ましい。 0. 01重量部未満では組成物 の硬化性が低下し、 15重量部を超えると貯蔵安定性や接着性の低下などが起こるた め好ましくない。特に硬化速度や貯蔵安定性の点より、 4価のスズ触媒が好ましい。
[0074] 充填材としては、特に限定されず、公知のものが使用できる。具体例としては、例え ば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、フライアッシュ、硅砂、砕石、砂 利、カーボンブラック、溶融シリカ、沈降性シリカ、けいそう土、白土、カオリン、クレー 、タルク、木粉、タルミ殻粉、もみ殻粉、無水ケィ酸、石英粉末、アルミニウム粉末、亜 鉛粉末、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、ガラスビーズ、アルミナ、ガラスバルーン 、フライアッシュバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、酸化ケィ素などの無機 充填材ゃ、パルプ、木綿チップなどの木質充填材、粉末ゴム、再生ゴム、熱可塑性あ るいは熱硬化性榭脂の微粉末、ポリエチレンなどの中空体などが有機充填材として あげられる。これら充填材は単独で使用してもよぐ 2種類以上併用してもよい。
[0075] 充填材は、(Β)成分 100重量部に対し、 50〜: LOOO重量部使用することが好ましく 、特に 60〜900重量部使用することがより好ましい。充填材の使用量が 50重量部未 満では充填剤を使用する目的を果たさない虞がある。一方、 1000重量部を超えると 粘度が上がり作業性が低下する虞がある。充填材としては、特にフライアッシュバル ーンや、炭酸カルシウムがより好ましい。
[0076] 揺変剤としては、特に限定されず、公知のものが使用できる。具体例としては、例え ば、水添ヒマシ油、有機アミドワックス、有機ベントナイト、ステアリン酸カルシウムなど 力 Sあげられる。これらの摇変剤は、単独で使用してもよぐ 2種類以上併用してもよい
[0077] 摇変剤は、(B)成分 100重量部に対して 0. 1〜50重量部使用することが好ましぐ 特に 1〜30重量部使用することがより好ましい。揺変剤の使用量が 0. 1重量部未満 の場合は十分な揺変が得られない場合があり、また 50重量部を越える場合はコスト が上昇するなどの点で好ましくな 、。
[0078] 老化防止剤としては、特に限定されず、公知のものが使用できる。具体的には、例 えば、フエノール系酸ィ匕防止剤、芳香族ァミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リ ン酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、 ベンゾエート系紫外線吸収剤、ベンゾフエノン系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系 光安定剤、ニッケル系光安定剤などが挙げられる。
[0079] 老化防止剤は、(B)成分 100重量部に対して 0. 01〜20重量部使用することが好 ましぐ特に 0. 1〜: LO重量部使用することが好ましい。
[0080] 前記フエノール系酸化防止剤の具体例としては、 2, 6 ジー tert ブチルフエノー ル、 2, 4 ジー tert ブチルフエノール、 2, 6 ジー tert—ブチルー 4 メチルフエ ノール、 2, 5 ジ一 tert—ブチルヒドロキノン、 n—ォクタデシルー 3— (3, 5 ジ一 te rt ブチル 4 ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート、ペンタエリスリチルーテトラキス [3- (3, 5 ジ—tert—ブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、 2, 2, 一 メチレンビス(4ーメチルー 6— tert ブチルフエノール)、 4, 4,ーブチリデンビス(3 ーメチルー 6—tert ブチルフエノール)、 4, 4,ーチォビス(3—メチルー 6—tert— ブチルフエノール)などが例示できる。
[0081] 前記芳香族ァミン系酸ィ匕防止剤の具体例としては、 N, N'—ジフエ-ル— p フエ 二レンジァミン、 6 エトキシ 2, 2, 4 トリメチルー 1, 2 ジヒドロキノリンなどが例 示できる。
[0082] 前記硫黄系酸化防止剤の具体例としては、ジラウリル 3, 3' チォジプロビオネ ート、ジトリデシルー 3, 3, 一チォジプロピオネート、ジステアリル一 3, 3,ーチォジプ 口ピオネート等が例示できる。
[0083] 前記リン系酸ィ匕防止剤の具体例としては、ジフエ-ルイソォクチルホスフアイト、トリ フエ-ルホスファイト等が例示できる。
[0084] 前記べンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例としては、 2— (3, 5 ジ— tert —ブチルー 2 ヒドロキシフエ-ル)—5 クロ口べンゾトリァゾール、 2— (3— tert— ブチル 5—メチル 2 ヒドロキシフエ-ル) 5 クロ口べンゾトリァゾール、 2— (3 , 5 ジ— tert—ブチル—2 ヒドロキシフエ-ル)ベンゾトリァゾール、 2— (5—メチ ルー 2—ヒドロキシフエ-ル)ベンゾトリアゾールなどが例示できる。
[0085] 前記サリシレート系紫外線吸収剤の具体例としては、 4 tert ブチルフエ-ルサリ シレートなどが例示される。
[0086] 前記べンゾエート系紫外線吸収剤の具体例としては、 2, 4 ジー tert—ブチルフ ェ-ル 3, 5—ジー tert ブチル 4 ヒドロキシベンゾエートなどが例示できる。
[0087] 前記べンゾフエノン系紫外線吸収剤の具体例としては、 2, 4ージヒドロキシベンゾフ ェノン、 2 ヒドロキー 4ーメトキシベンゾフエノン、 2 ヒドロキー 4 n—オタトキシベン ゾフエノン、 2 ヒドロキ一 4— n—ドデシルォキシベンゾフエノン、 2 ヒドロキ一 4 ベ ンジロキシベンゾフエノンなどが例示できる。
[0088] 前記ヒンダードアミン系光安定剤の具体例としては、ビス(2, 2, 6, 6, ーテトラメチ ルー 4 ピペリジル)セバケート、ビス(1, 2, 2, 6, 6, —ペンタメチル一 4 ピベリジ ル)セバケート、 1— { 2— [3— (3, 5 ジ— tert—ブチル—4 ヒドロキシフエ-ル)プ 口ピオ-ルォキシ]ェチル }ー4 [3— (3, 5—ジ tert—ブチルー 4ーヒドロキシフ ェ -ル)プロピオ-ルォキシ ] 2, 2, 6, 6, ーテトラメチルピペリジン、 4 ベンゾィル ォキシ 2, 2, 6, 6, —テトラメチルピペリジンまどが例示できる。
[0089] 前記ニッケル系光安定剤の具体例としては、ニッケルジブチルジチォカルバメート 、 [2, 2,ーチォビス(4—tert—ォクチルフエノレート)] 2 ェチルへキシルァミン ニッケル(11)、 [2, 2,ーチォビス(4— tert—ォクチルフエノレート)] n—ブチルアミ ン-ッケル (Π)などが例示できる。
[0090] これらの老化防止剤は、単独で使用してもよぐ 2種以上併用してもよい。単独で使 用した場合と比較して、併用することによってより有効に機能することがある。
[0091] 本発明の硬化性組成物は、土木、建築、工業用途などの幅広!、範囲でシーリング 材、接着剤、粘着剤、注入材、防水材、制振材、防音材などとして使用することがで きる。
[0092] 具体的には、内外壁、床、各種コンクリート、金属などの目地シール、船舶用シーラ ント、プール用目地材、防蟻用シーラント、床材、壁材、屋根材、シート防水材用接 着剤、内外壁へのタイル、石材、化粧パネルなどの接着剤、土管、マンホール、ケー ブル等のシール接着剤、ポッティング材、各種粘着剤、一般道路、高速道路、空港 滑走路用の舗装材、補修材、目地材、ビル地下防水材ゃ立体駐車場の防水材、屋 根用防水材、床板防水材、屋根用コーティング材、車両、船舶および家電製品の制 振材、防音材、型枠材、防鲭剤などの用途が挙げられる。また、これらは一液型硬化 性組成物としても用いられ得る。
[0093] これらの用途の中で、本発明の硬化性組成物は、特に、タイル用接着剤、防水材、 道路舗装材、シーリング材および制振材の用途に好適である。以下、防水材、タイル 用接着剤、道路舗装材、シーリング材および制振材の用途について説明する。 <防水材>
防水工事の主流は、ブローンアスファルトを施工現場で溶解し、それによつてァスフ アルトルーフイングを貼りつけていく作業を 3〜4回繰り返し行いながら防水層を形成 するいわゆるアスファルト防水熱工法である。この他にも、アスファルトルーフイングシ ートの裏面を専用のトーチバーナーであぶり、裏面のアスファルトを溶融させながら 下地に固定するトーチ工法、アスファルトルーフイングシートの裏面に設けた粘着材 により、下地に固定する常温 (粘着)工法、アスファルトルーフイングシートをァスファ ルト系の接着剤で下地に固定する接着工法などがあるが、防水信頼性 (下地との接 着性)の点でアスファルト防水熱工法が従来から主流の座を占めている。
[0094] しかし、アスファルト防水熱工法は、アスファルトを溶融する際に、溶融アスファルト の煙や匂いが大量に発生し周辺の環境を著しく汚染するという欠点があるため住宅 密集地域や都心中心部では敬遠され、採用される地域が限定されている。また、作 業者が火傷をおう危険があり、作業者にも敬遠される傾向がある。
[0095] これらの問題を克服するために、アスファルトルーフイングシートを貼りつける前に、 アスファルトを溶剤で希釈したカットバックアスファルトをプライマーとして使用し、下 地との接着性を改善させているが、溶剤が揮散するため環境を著しく汚染する。
[0096] このような問題に対して、本発明の硬化性組成物を用いてなる防水材は、作業工程
において、アスファルトの煙や臭気、溶剤臭を発生することなぐ十分な室温硬化性 を示すととも〖こ、良好なモルタルへの耐水接着性を示すことから、防水材、ァスフアル トルーフイングシート用接着剤およびプライマーとしても有効である。
[0097] <タイル用接着剤 >
タイル用接着剤は、建築物の壁、風呂場、トイレ、台所周辺の壁にタイルを貼る際 に用いられる。その場合の具体的な被着体としては、セメントモルタル、珪カル板、セ メント板、 ALC板、窯業系サイデイングボードなどの無機下地板もしくは合板などの 木質下地板に陶器質、磁気質もしくはせっ器質タイルなどが挙げられる。
[0098] 従来、タイルの接着は団子状に練ったセメントモルタルを用いた団子貼り工法が主 流であつたが、最近では、有機系接着剤が使用されるケースが増えている。タイル用 接着剤の反応型では、ウレタン榭脂系、またはエポキシ榭脂系などが代表的なタイル 接着剤として用いられて ヽるが、ウレタン榭脂系にお ヽては系中のイソシアナートゃ 有機溶剤の危険性および人体への悪影響が、エポキシ榭脂系においては、アミン硬 ィ匕剤によるカブレ、有機溶剤の危険性および人体への悪影響が問題視されている。
[0099] さらに、エポキシ榭脂系では、外力が加えられた場合の歪みを吸収することができ ず、地震などの振動によるタイルの剥がれが問題となっている。これらの問題を解決 するために、ゴム系有機重合体や変成シリコーン化合物を配合することにより、ェポ キシ榭脂硬化物の脆さが改善され、柔軟な硬化物が得られることが報告されている ( 特開平 06— 101319号公報)。し力しながら、タイルや石材などの意匠材が頻繁に 水に濡れる箇所などにおいては、それらが剥れ落ちることもあり、耐水接着性は必ず しも十分とは言えな力つた。
[0100] このような問題に対して、本発明の硬化性組成物を用いてなるタイル用接着剤は、 優れた耐水接着性、特にアルカリ耐水接着性を示し、また、無溶剤でも使用が可能 なことから、臭気、引火性、人体への悪影響の懸念もない。
[0101] <道路用舗装材>
従来、アスファルトを道路舗装材として使用する場合に、加熱アスファルト舗装が一 般的に用いられて 、るが、加熱アスファルトの煙ゃ匂 、が大量に発生し周辺の環境 を著しく汚染するという欠点がある。また、加熱アスファルト舗装は、伸縮性および接
着力が不十分であり、夏期には温度の上昇に伴って舗装路面が流動化し、これによ つて亀裂やべとっきなどの問題が生じている。さらに、冬期においては、アスファルト 舗装材中の骨材粘結力の低下によるアスファルト舗装の表層部の劣化並びに寒暖 温度差に伴うひび割れ、剥離が発生する。
[0102] このような問題に対して、本発明の硬化性組成物を用いてなる道路舗装材は、舗装 時に煙や臭気を発生させることなく舗装および補修することができる。
[0103] なお、本発明の硬化性組成物を道路舗装材として用いる場合には、補強性を上げ る目的で骨材を配合することが好ましい。
[0104] 骨材は、アスファルト舗装に使用されて 、る粗骨材、細骨材、フィラーなどである。
粗骨材には砕石が使用されている力 玉砕、砂利、スラグなども使用できる。細骨材 では、川砂、海砂、山砂などの砂が使用される力 鉄砂や砕石のスクリーニングスな ども使用できる。そのほか、明色骨材、硬質骨材を使用することができる。フイラ一は 、石灰石や火成石類を粉砕した石粉が用いられるが、その他の岩石粉、炭酸石灰粉 、石灰、石こう、フライアッシュ、フライアッシュノ レーン、セメント、焼却灰なども使用 できる。また、カーボンブラック、顔料などを使用することができる。更にまたフィラー の一部に石綿、ガラス繊維、岩綿、合成繊維、炭素繊維などの短繊維や雲母粉など を使用することができる。
[0105] <シーリング材>
土木'建築、船舶、自動車などの分野において、水密、気密の目的で目地部や亀 裂部分を充填したり、シールするために各種シーリング材が使用されているが、耐候 性、硬化性および作業性の観点から反応性ケィ素基を含有する有機重合体を用い たシーリング材が一般に広く使用されている(例えば、特開平 08— 003537号公報) 。し力しながら、該シーリング材に用いられる有機重合体は、それ自身の耐水性が十 分ではないことから、長期間水に浸漬された場合等においては、水分の透過や接着 界面力の低下等が起こり、十分な止水性や接着性が得られない等の問題があった。 また、該シーリング材は耐候性も十分とは言えず、屋外で長期間暴露された場合等 においては、表面や内部に亀裂等が生じ、十分な止水性や接着性が確保できない ことも問題であった。
[0106] このような問題に対して、本発明の硬化性組成物を用いてなるシーリング材は、耐 候性、耐水性、接着性に優れたものである。
[0107] <制振材>
制振材は、車両用、建築物、家電製品などに使用されている。
[0108] 制振材料は、振動発生源に直接又は間接的に貼着され、振動を制御することによ り防音用に供するものであった。例えば、自動車のエンジンルームと車室内を隔てる ダッシュパネル、フロアー、トランクルームなどの鋼板部位、マンションの各戸の床な どの建築物、エアコン、コンプレッサー、掃除機などの騒音を発生する家電製品など 使用されている。
[0109] ところが、アスファルトを自動車の床面などに制振シートとして貼り合わせる場合に、 アスファルトは加熱溶融させる必要があり、熱流動性についての問題、つまりシートを 均一厚みに維持することが難しいという問題があった。その結果、制振効果にばらつ きが生じたり、且つ基材の凹凸部へのなじみ性が悪ぐ基材と均一に密着した熱融着 を達成し難いなどの技術的問題が生じている。これらの問題を克服するために、繊維 充填材をシート基材に混入するなどの方法 (例えば、特開平 07— 323791号公報) がなされている。しかしながら、アスファルトを熱融着する点で、上記の物性を満足す るに至っていない。また、作業工程の効率化および凹凸部分への密着性を改善する ためにも、常温硬化型が切望されている。
[0110] このような問題に対し、本発明の硬化性組成物を用いてなる制振材は、作業性が 良好で、施工時のふくれがなぐ凹凸部への接着性に優れる。
実施例
[0111] 本発明をより一層明らかにする為に、以下に具体的な実施例を揚げて説明するが
、本発明はこれらに限定されるものではない。
[0112] (合成例 1)
数平均分子量 2, 000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤とし、亜鉛へキサシ ァノコノ レテートグライム錯体触媒を用いてプロピレンォキシドを重合することにより 数平均分子量 30, 000 (GPCより求めたポリスチレン換算分子量)のポリオキシプロ ピレングリコールを得た。得られたポリプロピレングリコールとナトリウムメトキシドを反
応させた後、塩ィ匕ァリルを反応させて、末端水酸基を不飽和基に変換した。この不飽 和基末端ポリオキシアルキレンの不飽和基 1モルに対してジメトキシメチルシラン 0. 8 2モルを塩ィ匕白金酸の存在下反応させて、分子末端にジメトキシメチルシリル基を 80 % — NMR分析)有する数平均分子量 30, 200のポリオキシプロピレン系重合体 を得た (ポリマー Α)。
[0113] (合成例 2)
数平均分子量 2, 000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤とし、亜鉛へキサシ ァノコノ レテートグライム錯体触媒を用いてプロピレンォキシドを重合することにより 数平均分子量 26, 000 (GPCより求めたポリスチレン換算分子量)のポリオキシプロ ピレングリコールを得た。得られたポリプロピレングリコールとナトリウムメトキシドを反 応させた後、塩ィ匕ァリルを反応させて、末端水酸基を不飽和基に変換した。この不飽 和基末端ポリオキシアルキレン重合体の不飽和基 1モルに対して、 HSi(CH ) (CH
3 3
) OSi (CH ) (CH ) CH CH Si(OCH ) で表されるヒドロシラン化合物 0. 77モルを
3 3 2 2 3 3
塩化白金酸の存在下反応させて、分子末端にトリメトキシシリル基を 75% ^Η— ΝΜ R分析)有する数平均分子量 26, 300のポリオキシプロピレン系重合体を得た (ポリ マー B)。
[0114] (合成例 3)
数平均分子量 2, 000のポリプロピレングリコールを開始剤とし、亜鉛へキサシァノコ バルテートグライム錯体触媒を用いてプロピレンォキシドを重合することにより数平均 分子量 15, 000 (GPCより求めたポリスチレン換算分子量)のポリオキシプロピレング リコールを得た。得られたポリプロピレングリコールとナトリウムメトキシドを反応させた 後、 3—クロ口— 2—メチル— 1—プロペンを添加して末端の水酸基をメタリル基に変 換した。このメタリル基末端ポリオキシアルキレン重合体のメタリル基 1モルに対してジ メトキシメチルシラン 1. 2モルを、酸化防止剤 2, 6—ジ—tert—ブチルー p—クレゾ ール、塩化白金酸、硫黄 [leqZPt]の存在下反応させることにより、分子末端にジメ トキシメチルシリル基を 97% (^H—NMR分析)有する数平均分子量 15, 300のポリ ォキシプロピレン系重合体を得た (ポリマー C)。
[0115] (合成例 4)
数平均分子量 2, 000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤とし、亜鉛へキサシ ァノコノ レテートグライム錯体触媒を用いてプロピレンォキシドを重合することにより 数平均分子量 16, 000 (GPCより求めたポリスチレン換算分子量)のポリオキシプロ ピレングリコールを得た。得られたポリプロピレングリコールとナトリウムメトキシドを反 応させた後、塩ィ匕ァリルを反応させて、末端水酸基を不飽和基に変換した。この不飽 和基末端ポリオキシアルキレンの不飽和基 1モルに対してジメトキシメチルシラン 0. 6 5モルを塩ィ匕白金酸の存在下反応させて、分子末端にジメトキシメチルシリル基を 65 % — NMR分析)有する数平均分子量 16, 200のポリオキシプロピレン系重合体 を得た (ポリマー D)。
[0116] (合成例 5)
数平均分子量 3, 000のポリオキシプロピレンジオールとナトリウムメトキシドを反応 させた後、塩ィ匕ァリルを反応させて、末端水酸基を不飽和基に変換した。この不飽和 基末端ポリオキシアルキレンの不飽和基 1モルに対してジメトキシメチルシラン 0. 77 モルを塩化白金酸の存在下反応させて、分子末端にジメトキシメチルシリル基を 75 % ( — NMR分析)有する数平均分子量 5, 200 (GPCより求めたポリスチレン換算 分子量)のポリオキシプロピレン系重合体を得た(ポリマー E)。
[0117] (合成例 6)
数平均分子量 5, 200のポリオキシプロピレングリコール 800g、イソホロンジイソシァ ネート 50. 2gを攪拌機付耐圧反応容器に入れて混合した後、錫触媒 (ジブチル錫ジ ラウレートの 10%DOP溶液) 0. 8gを添加した。 80°Cで 4時間攪拌することにより、分 子量約 15, 000のイソシァネート基末端重合体を得た (分子量はイソシァネート基の 滴定値 (0. 579%)より算出)。 60°Cまで冷却した後、 γ —ァミノプロピルトリメトキシ シラン 1. 0[eqZNCO基]を加えて約 30分間攪拌することにより、分子末端にトリメト キシシリル基を有する数平均分子量 17, 000 (GPCより求めたポリスチレン換算分子 量)のポリオキシプロピレン系重合体を得た(ポリマー F)。
[0118] (合成例 7)
数平均分子量 2, 000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤とし、亜鉛へキサシ ァノコノ レテートグライム錯体触媒を用いてプロピレンォキシドを重合することにより、
数平均分子量 25, 500 (GPCより求めたポリスチレン換算分子量)のポリオキシプロ ピレンダリコールを得た。得られたポリプロピレングリコール 100重量部に対し、 y - イソシァネートプロピルトリメトキシシラン 1. 8重量部を加え、 90°Cで 5時間反応させる ことにより、分子末端にトリメトキシシリル基末端ポリオキシプロピレン系重合体を得た (ポリマー G)。
[0119] (合成例 8)
数平均分子量 2, 000のポリオキシプロピレンジオールと数平均分子量 3, 000のポ リオキシプロピレントリオールの 1Z1 (重量比)混合物を開始剤とし、亜鉛へキサシァ ノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンォキシドの重合することにより数平均 分子量 19, 800 (GPCより求めたポリスチレン換算分子量)のポリプロピレンォキシド を得た。得られたポリプロピレンォキシドとナトリウムメトキシドを反応させた後、塩ィ匕ァ リルを反応させて、末端水酸基を不飽和基に変換した。この不飽和基末端ポリオキシ アルキレンの不飽和基 1モルに対してジメトキシメチルシラン 0. 72モルを塩ィ匕白金 酸の存在下反応させて、分子末端にジメトキシメチルシリル基を 70% ( — NMR分 析)有する数平均分子量 20, 000のポリオキシプロピレン系重合体を得た(ポリマー I
) o
[0120] (合成例 9)
110°Cに加熱したトルエン 43g中にアクリル酸ブチル 6. 0g、メタクリル酸メチル 66g 、メタクリル酸ステアリル 13g、 γーメタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン 5. 4g 、 γ メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン 7. Ogおよびトルエン 23g混合物に重 合開始剤としてァゾビスイソプチ口-トリル 2. 6gを溶かした溶液を 4時間かけて滴下 した後、 2時間後重合を行い、固形分濃度 60%で、 GPC (ポリスチレン換算)による 数平均分子量が 2, 200の共重合体を得た。(ポリマー H)
合成例 1〜5、 8で得られたポリマー A〜E、 Iと合成例 9で得られたポリマー Hとを固 形分比(重量比) 70Z30でブレンドし、エバポレーターを用い、減圧下、 110°C加熱 条件で脱揮を行 ヽ、固形分濃度 99%以上の透明で粘稠な液体を得た。
以下に実施例で用いた各種材料を記す
(A)成分
'ストレートアスファルト 1;ストレートアスファルト 150〜200 (コスモ石油(株)製)、ァス フアルテン濃度 9. 1重量部 (JPI— 5S— 22— 83法により測定)
'ストレートアスファルト 2 ;PLANTA—2 (180〜200) (PDVSA社製)、ァスフアル テン濃度 13. 9重量部 (JPI— 5S— 22— 83法により測定)
.ブローンアスファルト;ブローンアスファルト 20〜30 (コスモ石油(株)製)
'カットバックアスファルト;ブローンアスファルト 20〜30をトルエンにて希釈したもの( 固形分: 60%)
.コールタール;コスモ石油(株)製
(B)成分
'上記合成例で得たポリマー A、ポリマー B、ポリマー C、ポリマー Dおよびポリマー E
(C)成分
• DIDP;ジイソデシルフタレート (新日本理化 (株)製)
• Mesamol II;アルキルスルホン酸フエ-ルエステル(バイエル製)
• HB— 40;部分水添ターフェ-ル(ソルチア製)
'トップサイザ一 3号; N ェチルー oZp トルエンスルホンアミド(富士アミドケミ 力 ル (株)製)
(D)成分
.ェピコート 828;エポキシ榭脂(ジャパンエポキシレジン (株)製)
(E)成分
上記合成例で得たポリマー (F)
(F)成分
• PM— 100;フエノール変性 C 5/C 9系石油榭脂 (東邦化学工業 (株)製)
• FTR— 8100; C— 9系石油榭脂 (三井化学 (株)製)
• HP— 70;アルキルフエノール変性キシレン榭脂(フドー (株)製)
• YSポリスター T— 30;フエノール変性テルペン榭脂(ヤスハラケミカル (株)製)
.マイティエース G - 125 ;フエノール変性テルペン榭脂(ヤスハラケミカル (株)製) (ブロック共重合体)
•SBS ;スチレン 'ブタジエン 'スチレンブロック共重合体
(ゴム成分)
•SBR;スチレン ブタジエンゴム
(シランカップリング剤)
•A- 1310 ; γ—イソシァネートプロピルトリエトキシシラン(東レダウコ一-ングシリコ ーン (株)製)
• A— 171;ビュルトリメトキシシラン (東レダウコ一-ングシリコーン (株)製) •A- 187 ; γ—グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レダウコーユングシリコーン (株)製)
•A- 1120 ;N- ( j8—アミノエチル) γ—ァミノプロピルトリメトキシシラン(東レダウ コ一二ングシリコーン (株)製)
(充填剤)
•炭酸カルシウム;白石カルシウム (株)製
•フライアッシュバルーン;微小中空球体 (アルミナ珪酸質、東海工業 (株)製) •セピオライト S;珪酸マグネシウム(日本タルク (株)製)
•珪砂:丸尾カルシウム (株)製
•タルク:ミクロエース Ρ4 (平均粒径 4. 5 /ζ πι、日本タルク(株)製)
,骨材
(硬化触媒)
• U— 220;有機錫化合物(日東化成 (株)製)
• SCAT- 1;有機錫化合物 (三共有機合成 (株)製)
• SCAT- 27;有機錫化合物 (三共有機合成 (株)製)
(エポキシ榭脂硬化剤)
• H— 30;ケチミン型硬化剤(ジャパンエポキシレジン (株)製)
•TAP ; 2, 4, 6 トリス (ジメチルアミノメチル)フエノール (ィ匕薬ァクゾ (株)製) (酸化防止剤)
'ィルガノックス 245;ヒンダードフエノール系酸化防止剤(チノく'スペシェルティ ·ケミカ ルズ (株)製)
(紫外線吸収剤)
•チヌビン 213;ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チノく'スペシェルティ ·ケミカルズ (株)製)
(光安定剤)
•サノール LS765;ヒンダードアミン系光安定剤(三共 (株)製)
(物性評価)
評価は下に示す項目について実施した。
<臭気 >
組成物を塗布する際に、溶剤臭やアスファルトの煙や臭気が発生するかを判断し た。臭気や煙の発生がな力つた場合を良好、煙もしくは臭気の発生があった場合を 不良とした。
<硬化性 >
組成物を塗布した後、経時で表面をスパチュラで触り、組成物力 Sスパチュラに付着 しなくなるまでの時間を測定した。(23°C、 50%R. H. ) 0 30分以内に表面が硬化し た場合を良好、硬化しな力つた場合を不良とした。
<貯蔵安定性 >
硬化性組成物を密閉し、それぞれ 5°C、 23°C、 50°Cで 30日間放置した時の分離 状態を目視にて評価した。 30日間分離が見られな力つた場合を A、 20日間分離が 見られな力つた場合を B、 10日以内で分離した場合を Cとした。
<硬化物の引張物性 >
組成物を厚さ約 3mmのシート状にして 23°C X 3日、 50°C X 4日の養生を行って硬 化させた後、 JIS K 6251に準拠した 3号形ダンベル試験片を打ち抜いた。島津( 株)製オートグラフを用いて引張速度 200mmZ分で引張試験(23°C、 50%R. H. ) を行い、破断時の強度 (Tb)、破断時の伸び (Eb)を測定した。 Tb値が 1. OMPa以 上を A、 0. 4〜1. OMPaを B、 0. 4MPa以下を Cとした。また、 Eb値が 100%以上の 場合を A、 50〜100%を 、 50%以下を Cとした。
<接着性 >
モルタル基材へ組成物をビード状に塗布し、 23°C、 50%R. H.下で 7日間養生し た。その後硬化物とモルタルの間にナイフで切れ目を入れ、硬化物を引き剥がして
接着状態を観察した。モルタル側へ接着剤が完全に残った場合を A、半分ほど残つ た場合を B、全く残らな力 た場合を Cとした。
モルタル: 50 X 50 X 15mm,エンジニアリングテストサービス製。
<耐水接着性 >
上記要領で作製養生した試験片を 23°Cで 7日間水に浸漬させた。水から取り出し た後すぐに、硬化物とモルタルの間にナイフで切れ目を入れ、硬化物を引き剥がして 接着状態を観察した。モルタル側へ接着剤が残った場合を A、モルタル側へ一部接 着剤が残った場合を B、残らな力 た場合を Cとした。
モルタル: 50 X 50 X 15mm,エンジニアリングテストサービス製。
<耐候性試験 >
硬化性組成物を充填して厚さ 3mmのシートを作成し、 23°Cで 3日放置した後、 50 °Cで 4日間加熱し、ゴム状シートを得た。このゴム状シートを lmm厚のアルミ板上に 乗せ、サンシャインゥェザオメ一ター (スガ試験機 (株)製)に設置して耐候性を評価し た。サンシャイン 1500時間までに劣化が生じない場合を A、 1000時間までに劣化 が生じない場合を B、 1000時間以内に劣化が生じた場合を Cとした。
<作業性>
BH形粘度計を用いて組成物の粘度を測定した。(ローター: No. 7、回転数: 10rp m、温度: 23°C)。粘度が 500Pa' s以下の場合を良好、 500Pa' s以上の場合を不良 とした。
<タイル接着試験 >
接着剤を 70 X 70 X 20mmのモルタル板へ塗布し、くし目ゴテで均一にした後、 45 X 45 X 7mmの磁器質タイルを貼り合わせ、 7日間養生した(23°C、 50%R. H.;)。 試験片のタイル表面へ引張り治具をエポキシ系接着剤で取り付けた後、オートグラフ により引張り試験を行った(引張り速度: 5mmZmin)。また、上記試験片を 60°C温 水および 60°C水酸ィ匕カルシウム飽和水溶液中に 7日間浸漬し、取り出し後、直ぐに 引張り試験を実施し、耐水接着強度を求めた。なお、このときの常態の接着強度に対 する 60°C温水浸漬後および 60°C水酸ィ匕カルシウム飽和水溶液浸漬後の接着強度 の比を、それぞれ耐水保持率、耐アルカリ保持率として求めた。
(実施例 1 13、比較例 1 3)
表 1に示す組成で各種配合材を、 5Lミキサーにより混練し、実施例 1 13、比較例 1 3の硬化性組成物を作製した。
[0121] 評価結果を表 1に示す。
[0122] [表 1]
実施例の硬化性組成物は、作業工程において、アスファルトの煙や臭気、溶剤臭 を発生することなぐ十分な室温硬化性を示すとともに、良好なモルタルへの接着性 を示し、分散安定性も問題ないレベルであった。一方、比較例では、これらの特性を バランス良く示す系は見られな力つた。
(実施例 14 26、比較例 4 6)
(C)可塑剤についての比較実験を行った。結果を表 2に示す。
[0124] [表 2]
[0125] (実施例 27 45、比較例 7〜: LO)
(D)エポキシ榭脂の添加効果を調べた。結果を表 3 4に示す。
[0126] [表 3]
実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 比較例 比較例 成分
ブロ
成分 ポリマ
ポリマー
ポリマー
ポリマ一
ポリマ一
ポリマ一
成分 成分 ェピコ一ト
成分
成分
ブロック共重合体
エポキシ硬化剤 水
充填剤 炭酸カルシウム 硬化触媒
作業性 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 不良 良好 臭 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 不良 良好 硬化性 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 引張物性 破断時の強度(
破断時の伸び(<½)
貯蔵安定性 保存
接着性
表 4]
実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 比較例 比較例 成分 ストレートアスファルト
成分 ポリ
ポリ
ポリ
ポリ
ポリ
剤 ポリ
成分
成分
成分 エポキシ硬化剤
輔 炭酸カルシウム
成分
成分
剤 成分 ェピコ一ト
充填剤 炭酸カルシウム
硬化触媒
耐水接着性
[0128] (実施例 46〜54、比較例 11)
(E)成分についての検討を行った。結果を表 5に示す。
[0129] [表 5]
実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 比較例 成分
ブロ
成分 ポリ
ポリマー
ポリ
ポリ
ポリ
ポリ
成分 成分 ポリ
成分
成分 ブロック共重合体
紫外線吸収剤 チヌビン
光安定剤 サノーレ
充填剤 炭酸カルシウム
アッシュバル一ン
硬化触媒
作業性 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 不良 臬 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 不良 硬化性 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 引張物性 破断時に強度〔
破断時の伸ぴ(%)
貯蔵安定性 保存
耐候性
[0130] (実施例 55〜57、比較例 12, 13)
-NR2-C ( = 0)一基を有する重合体について実験を行った。結果を表 6に示す。
[0131] [表 6]
実施例 55 実施例 56 実施例 57 比較例 1 2 比較例 1 3
(A)成分 ストレートアスファルト 1 70 50 70
ブローンアスファルト 100
カットバックアスファルト 100
(B)成分 ポリマー F 50 50
ポリマー G 50
(C)成分 Mesamol H 50 30 50
HB -40 20
(F) 成分 PM-100 5 5 5
(G)成分 A- 1 71 1 1 1
A— 1 1 20 2 2 2
ブロック共重合体 SBS 10 10 充填剤 炭酸カルシウム 200 100 200 100 100
フライアッシュバル一ン 100 100 100 硬化触媒 SCAT- 1 2 2 2
作業性 良好 良好 良好 不良 良好 臭: 5ΪΙ 良好 良好 良好 不良 X 硬化性 良好 良好 良好 良好 不良 貯蔵安定性 50°C保存 A A A C A 接着性 A A A C C
[0132] (実施例 58〜62、比較例 14〜16)タイル用接着剤としての性能比較
表 7に示す組成で各種配合材を 5Lミキサーにより混練し、実施例 58〜62、比較例 14〜16の接着剤を作製した。
[0133] 評価結果を表 7に示す。
[0135] 実施例では常態、水浸漬後、水酸化カルシウム水溶液浸漬後とも良好な接着強さ が発現し、十分な接着性と耐久性をもつことが示された。一方、比較例は常態では十 分な接着強度を示したが、水浸漬により接着強度は大幅に低下した。
(実施例 63〜68、比較例 17、 1、 18)防水剤としての性能比較
表 8に示す組成で各種配合材を 5Lミキサーにより混練し、実施例 63〜68、比較例 17、 1、 18の防水剤を作製した。
[0136] 評価結果を表 8に示す。
[0138] 実施例の防水材組成物は、作業工程にお!、て、アスファルトの煙や臭気、溶剤臭 を発生することなぐ低粘度で作業性が良好であり、十分な室温硬化性を示すととも に、貯蔵安定性も問題ないレベルであった。一方、比較例では、これらの特性をバラ ンス良く示す系は見られな力つた。
(実施例 69〜74、比較例 19〜21)シーリング材組成物としての性能比較 表 9に示す組成で各種配合材を 5Lミキサーにより混練し、実施例 69〜74、比較例 19〜 21のシーリング材組成物を作製した。
[0139] 評価結果を表 9に示す。
[0140] [表 9]
実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 実施例 比較例 比較例 比較例 成分
成分 ポリマー
ポリマ一
ポリマ一
ポリマー
成分 成分 ェピコ一ト
成分 ポリマ一
成分
成分
充填剤 炭酸カルシウム
酸化防止剤 ィルガノックス
紫外線吸収剤 チヌ
光安定剤
硬化触媒
エポキシ樹脂用硬化剤 ェビキュア
耐候性
接着性
[0141] 実施例のシーリング材組成物は、良好な耐水接着性と耐候性を示したが、比較例 の組成物は!、ずれも不十分な結果であった。
(実施例 75〜80、比較例 22〜24)制振材料としての性能比較
表 10に示す組成で各種配合材を 5Lミキサーにより混練し、実施例 75〜80、比較 例 22〜24の制振材料を作製した。
[0142] 評価結果を表 10に示す。
[0144] 実施例の制振材料は、施工時にアスファルトを加熱溶融することがな 、ため、熱流 動性についての問題がなぐ低粘度で作業性が良好であり、十分な室温硬化性を示 すとともに、貯蔵安定性も問題な 、レベルであった。
(道路舗装材の配合例)
本発明の硬化性組成物を道路舗装材として用いる場合の配合例を表 11に記す。