JP2008303541A - 常温施工アスファルト防水工法および防水積層構造 - Google Patents

常温施工アスファルト防水工法および防水積層構造 Download PDF

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Abstract

【課題】火炎などによるアスファルトの加熱溶融工程や複雑な積層工程を必要としないアスファルト防水工法および防水積層構造を提供する。
【解決手段】防水下地層上に改質アスファルトルーフィングを敷設するアスファルト防水工法において、該改質アスファルトルーフィングが、常温硬化型改質アスファルト組成物を介して常温で積層される常温積層アスファルト防水工法および防水積層構造。
【効果】高温での作業がなく施工され、悪臭や煙を発生がないため環境に優しいアスファルト防水施工法であり、さらに、従来工法と比べて施工効率が向上し、作業の省力化が図れると共に防水性能に優れた防水積層構造を提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、建造物などに防水を施工するとき、施工現場において、加熱や火炎によるアスファルトの溶融工程を必要としないで、改質アスファルトルーフィング防水加工を施工することができる防水工法、および施工された防水積層構造に関するものであり、さらに詳しくは、防水下地層上に改質アスファルトルーフィングを敷設するアスファルト防水工法において、該改質アスファルトルーフィングが、常温硬化型改質アスファルト組成物を介して常温で積層されることを特徴とする常温積層アスファルト防水工法およびこの工法により施工された防水積層構造に関するものである。
従来、アスファルト防水加工としては、施工現場において加熱溶融したアスファルトを使用してルーフィングを積層する工法が広く用いられ、火気を使用することによる火災の危険性や高温度下での作業を余儀なくされると共に、悪臭や煙の発生が避けられず環境汚染を引き起こす要因ともなっていた。本発明は、このような建築物の防水技術分野において、従来のアスファルト熱工法などの問題を解消した新しい常温での施工技術を提供するものであり、優れた防水性能を有する、環境に優しい防水工法を提供するものとして有用な技術である。
アスファルトルーフィングは、アスファルトの持つ独特の特性を生かした防水工法であり、アスファルトの熱可塑性と撥水性を利用してアスファルトルーフィングシート類を張り重ねて一体化した積層防水層を形成することにより、水密性および耐久性に優れた信頼性の高い防水層を形成することができる防水加工法である。
アスファルト防水加工法には、溶融アスファルトを流し、その上にアスファルトルーフィングまたは改質アスファルトルーフィングシート類を張り重ねる熱加工法、溶融アスファルトのかわりに粘着層を設けた改質アスファルトルーフィングを張る自着工法、アスファルトルーフィングの表面をトーチで加熱溶融させて張るトーチ工法や、塗膜防水材料と改質アスファルトル−フィングシートを組み合わせた接着工法などが知られ、施工環境や所望の防水性能に応じて工法を選択して施工されている。
熱施工法は、施工現場でアスファルトを約250℃に加熱して溶融し、これを散布して硬化する前にルーフィングを積層することによる。施工現場において加熱溶融したアスファルトの使用量を減じるために、第1層目のルーフィングは粘着層付きのルーフィングを張り、次いで、第2層目のルーフィングを加熱したアスファルトにより張ることによって積層防水層を形成することが多く行われている。露出アスファルト防水工法では、第2層目のルーフィングには砂付きルーフィングを用いる。また、押さえコンクリート仕上げの工法では、第2層目のルーフィングを張り付けた後に、上掛けとして加熱溶融したアスファルトを塗布し、その上にコンクリートを打設する。第1層目の粘着層付きのルーフィングは、下地の動きなどによる破断を防止するためと、下地からの湿気の影響による防水層の膨れ発生を防止するために、部分粘着層付きのルーフィングを使用するのが好ましい。
加熱工法では、加熱溶融したアスファルトを散布または展延する作業が必要なために、作業効率やコスト的に問題があるばかりか、作業自体にも高温状態にあるアスファルトを取り扱うために、作業者の火傷などの懸念を有している。また、施工現場付近の環境にも、アスファルトの加熱溶融作業に伴う煙や臭気の問題が発生して、周辺住民に悪影響を及ぼすこととなる。
熱加工法の一例として、床版上に一次防水層を形成し、その上に熱溶融接着剤を塗布し、続いて加熱溶融アスファルト表面舗装体を舗設することにより、溶融アスファルトの熱により熱溶融接着剤を溶融流動させて一次防水層とアスファルト表層舗装体を接着することにより、施工性に優れ、長期間に亘って高度の防水機能を維持することができる防水構造を形成することが提案されている(特許文献1参照)。
加熱工法における施工現場での大規模なアスファルト加熱溶融作業を不要とする工法として、例えば、施工面上にホットメルト層を有する下貼り層を設け、このホットメルト層をバーナーなどにより加熱溶融させて防水シートと下貼り材を接合固定させた防水構造が提案されている(特許文献2参照)。また、表面層、ポリマー改質アスファルト層、基材層、アスファルト系常温粘着層、合成樹脂薄層からなるトーチ工法用改質アスファルトルーフィングは、軽度の加熱により合成樹脂薄層を溶融することにより常温粘着層を露出させ、その接着力により施工することができるため、施工速度を大幅にアップさせることが可能となるが、この方法では、高温の直火を使用しなければならない問題がある。
加熱溶融したアスファルトや高温の直火を使用することなく常温で現場施工することができるアスファルト系ルーフィング材として、自己粘着層を有するものがあり、例えば、アクリル樹脂層、鉱植物質粉粒層、改質アスファルトを浸透させた繊維シートからなる基材層、改質アスファルト層、自己粘着層、剥離シート層を順次積層した下葺材が提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、自己粘着層により施工されるアスファルトルーフィングは、ジョイント部に空隙を発生し易くなり、これが水路となって漏水の原因となる問題がある。
また、アスファルト系防水シートを用いる積層防水工法において、最下層のアスファルト系防水シートを、カチオン系ポリマーセメントモルタルを用いて防水下地に張り付け、さらにその上から第2のアスファルト系防水シートを前記カチオン系ポリマーセメントを用いて張り付ける施工法は(特許文献5参照)、防水下地面が湿潤状態にあっても防水層の施工を可能とするが、ポリマーセメントの硬化には数日を要すること、張り付けた後水分の影響で防水層に膨れを発生するおそれがあるので、屋外の防水に使用することは困難であることが多い。
改質アスファルトルーフィングとウレタン塗膜防水剤からなる複合法では、ウレタン塗膜防水剤を現場で、主剤と硬化剤の2液を混合しなければならない。また、防水剤に溶剤を使用しているため、火気があると引火の危険性があるばかりか、溶剤による作業者への健康障害が懸念される。また、ウレタン防水剤を使用してルーフィングを積層すると、接着不良、溶剤を含有するために膨れなどの問題が発生することがある。例えば、ウレタン防水剤を使用する例として、防水下地に改質アスファルトシートを敷設し、この上に2液速硬化型ウレタン防水剤を吹き付けてウレタン防水膜を形成する防水工法が提案されている(特許文献6参照)。ウレタン系防水剤として、一液性の湿気硬化ウレタン防水剤が使用されることがあるが、これは溶剤を含有しているために、引火の危険性や健康への障害が懸念される。また、溶剤を含まない環境対応の二液性ウレタン防水剤が使用されることがあるが、粘性が大きいため現場で溶剤を添加しないと施工できない場合が多い。こうした、ウレタン防水剤は、イソシアネートを含有しており、この化合物は環境対応表示(GHS)では、毒性の大きな物質に分類されているところから、ウレタン系の物質を使用しない防水工法の開発が望まれていた。
特開2003−90006号公報 特開2006−169874号公報 特開平7−3961号公報 特開2003−206600号公報 特開平11−236752号公報 特開2001−296117号公報
このような状況の中で、本発明者らは、上記の従来技術に鑑みて、アスファルトを使用した防水加工方法において、従来工法のアスファルト防水と同等以上の信頼性を有すると共に、施工現場において火気を全く使用することなく環境に優しいアスファルト防水工法を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、常温硬化型改質アスファルト組成物を使用して防水積層構造を構築することにより所期の目的を達成することができることを見出し、さらに研究を進めることにより本発明を完成するに至った。
本発明の目的は、施工現場において火炎や熱溶融アスファルトを使用することなく施工することができる新しいアスファルト防水施工法、およびそれにより形成された積層防水構造を提供することである。また、本発明の目的は、常温硬化型改質アスファルト組成物を使用して改質アスファルトルーフィングを積層することにより、常温下での現場施工を可能とするアスファルト防水施工法を提供することである。また、本発明の目的は、施工後にアスファルトルーフィングの膨れや接着不良を起こすことがなく漏水を完全に防止することができる常温積層アスファルト防水工法を提供することである。また、本発明の目的は、ルーフィングの重ね合わせ部分やコーナー部での水密性が高く漏水の危険が防止された防水施工法を提供することである。また、本発明の目的は、アスファルトの悪臭、煙の発生を避けることが可能となり、環境衛生に優れたアスファルト施工方法を提供することである。また、本発明の目的は、アスファルトルーフィングの施工に有用な、一液湿気硬化型アスファルト組成物を提供し、常温でのアスファルト防水施工を可能とすることである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)防水下地層上に改質アスファルトルーフィングを敷設するアスファルト防水工法において、該改質アスファルトルーフィングが、常温硬化型改質アスファルト組成物を介して常温で積層されることを特徴とする常温積層アスファルト防水工法。
(2)常温硬化型アスファルト組成物が、常温硬化型ポリマーとアスファルトを主成分とする上記(1)に記載の常温積層アスファルト防水工法。
(3)常温硬化型改質アスファルト組成物が、常温硬化型ポリマーの1重量部に対して、アスファルトを0.5から2.0重量部の割合で含有する上記(2)に記載の常温積層アスファルト防水工法。
(4)常温硬化型改質ポリマーが、一液常温硬化型である上記(2)または(3)に記載の常温積層アスファルト防水工法。
(5)常温硬化型ポリマーが、常温湿気硬化型である上記(2)から(4)のいずれかに記載の常温積層アスファルト防水工法。
(6)常温硬化型ポリマーが、シリル末端ポリエーテルである上記(5)に記載の常温積層アスファルト防水工法。
(7)常温硬化型改質アスファルト組成物が、95重量%以上の固形分と、5重量%以下の揮発成分からなる上記(1)から(6)のいずれかに記載の常温積層アスファルト防水工法。
(8)常温硬化型改質アスファルト組成物に含まれる揮発成分の引火点が100℃以上である上記(1)から(7)のいずれかに記載の常温積層アスファルト防水工法。
(9)1層以上のアスファルトルーフィングおよび/または断熱層を有する上記(1)から(8)に記載の常温積層アスファルト防水工法。
(10)防水下地層と、常温硬化型改質アスファルト組成物を介して常温で積層された改質アスファルトルーフィングとを有することを特徴とする防水積層構造。
(11)常温硬化型改質アスファルト組成物が、常温硬化型ポリマーとアスファルトを主成分とする上記(10)に記載の防水積層構造。
(12)常温硬化型改質アスファルト組成物が、常温硬化型ポリマーの1重量部に対して、アスファルトを0.5から2.0重量部の割合で含有する上記(10)または(11)に記載の防水積層構造。
(13)常温硬化型改質アスファルト組成物が、一液常温硬化型である上記(11)または(12)に記載の防水積層構造。
(14)常温硬化型ポリマーが、常温湿気硬化型である上記(11)から(13)のいずれかに記載の防水積層構造。
(15)常温硬化型ポリマーが、シリル末端ポリエーテルである上記(14)に記載の防水積層構造。
(16)1層以上のアスファルトルーフィングおよび/または断熱層を有する上記(10)から(15)に記載の防水積層構造。
(17)常温硬化型接着剤とアスファルトを主成分とすることを特徴とするアスファルトルーフィングを常温で積層して防水積層構造を形成するための常温硬化型接着組成物。
(18)常温硬化型接着剤が、一液常温硬化型である上記(17)に記載のアスファルトルーフィングを積層して防水積層構造を形成するための常温硬化型接着組成物。
(19)常温硬化型接着剤が、常温湿気硬化型である上記(17)または(18)に記載のアスファルトルーフィングを積層して防水積層構造を形成するための常温硬化型接着組成物。
(20)常温硬化型接着剤が、シリル末端ポリエーテルである上記(19)に記載のアスファルトルーフィングを積層して防水積層構造を形成するための常温硬化型接着組成物。
(21)常温硬化型接着組成物が、シリル末端ポリエーテルの1重量部に対して、アスファルトを0.5から2.0重量部の割合で含有する上記(20)に記載のアスファルトルーフィングを積層して防水積層構造を形成するための常温硬化型接着組成物。
次に、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明は、防水下地層上に改質アスファルトルーフィングを敷設するアスファルト防水工法において、該改質アスファルトルーフィングが、常温硬化型改質アスファルト組成物を介して常温下で積層されることを特徴とする常温積層アスファルト防水工法に関し、現場施工において火気をまったく使用せず、常温下で改質アスファルトルーフィングを積層することができる防水工法である。本発明における常温硬化型改質アスファルト組成物は、常温硬化型ポリマーとアスファルトを主成分とするものであり、両者を組み合わせることによって、アスファルトルーフィングとの親和性が良好となり、水密な積層構造を構築することができる。この常温硬化型改質アスファルトルト組成物は5重量%以下の揮発成分を含有することにより施工後の残留溶剤などの揮発成分に起因する膨れ、密着不良を防止することが可能となる。本発明の常温硬化型改質アスファルト組成物は、例えば、湿気硬化型であっても良い。常温硬化型ポリマーとアスファルトを含有する常温硬化型の組成物は、硬化型ポリマーの1重量部に対して、アスファルトを0.5から2.0重量部の割合で含有することが好適である。
また、本発明は、防水下地層に、常温硬化型改質アスファルト組成物を介して常温で積層された改質アスファルトルーフィングを有する防水積層構造に特徴を有するものである。さらに、本発明は、例えば、シリル末端ポリエーテルとアスファルトを含有し、95重量%以上の固形分濃度と5重量%以下の揮発成分からなる常温湿気硬化型改質アスファルト組成物を介してアスファルトルーフィングを常温下で積層し防水積層構造を形成するための接着組成物に関する。この接着組成物は、シリル末端ポリエーテル1重量部に対して、アスファルトを0.5から2.0の重量割合で含有することが好適であり、湿気の存在下に常温硬化性を発現すると共に、アスファルトルーフィング類との優れた接合力を示すものである。
本発明の常温積層アスファルト防水工法は、適用される下地層が限定されることはなく、新しいコンクリート下地層上への防水層の形成、既存防水層の改修、室内の防水など種々のケースに施工することができる。例えば、既存または新築のコンクリートスラブ、既存のコンクリート押さえ防止層、砂つき仕上げ防水層や、断熱押さえ防水層の上にも本発明の防水工法を施工することが可能である。また、本発明の常温積層アスファルト防水工法を施工するに際しては、下地面のプライマー処理、シール処理などの通常の表面処理が行われる。
また、本発明で積層される改質アスファルトルーフィングとしては何ら限定されるものではなく、各種の市販アスファルトルーフィングを使用することができる。本発明の常温硬化型改質アスファルト組成物は、常温硬化型ポリマーとアスファルトを主成分とするものである。この組成物の構成成分であるアスファルトとしては特に限定されることはなく、例えば、針入度が40から250のストレートアスファルト、針入度が10から40のブローンアスファルト、針入度が20から50の防水工事用アスファルト、針入度が30から60の改質アスファルトなどが使用されるが、好適には、針入度が80〜250のストレートアスファルトが挙げられる。また、常温硬化型ポリマーとしては、アスファルトルーフィングとの親和性が良好なものが好適であるが特に限定されることはなく、例えば、一液硬化型ポリマー、湿気硬化型ポリマー、光硬化型ポリマー、熱硬化型ポリマー、紫外線硬化型ポリマーなどが挙げられる。例えば、一液湿気硬化型改質アスファルト組成物としては、シリル末端ポリエーテル(通称 シリコーン変成ポリエーテル)を含有することが好適である。シリル末端ポリエーテルは、一液性湿気硬化シーリング材として市販され広く使用されている。例えば、エクセスター(旭硝子社製)、MSポリマー(カネカ社製)などの市販されている製品が使用できる。本発明の一液湿気硬化型改質アスファルト組成物は、通常の作業温度下において周囲環境下に存在する湿気と反応して硬化し、改質アスファルトルーフィングを、防水下地層あるいは防水下地層上に設けられた他のアスファルトルーフィングや断熱材などの各種部材との積層するために有用であり、防水層構造を構成するこれらの素材との接着性に優れている。
本発明の常温硬化型改質アスファルト組成物は、常温硬化型ポリマーとアスファルトを含み、前者1重量部に対し後者を0.5から2.0重量部の割合で含んでいることが好適である。両者の配合において、アスファルトの割合が上述の範囲を外れた大きい値となると強度の低下が生じるので好ましくなく、また、上述の範囲より小さい値となるとコストの上昇となるので好ましくない。さらに好適には、常温硬化型ポリマー1重量部に対し、アスファルトを1.0から1.5重量部含むことが推奨される。シリル末端ポリエーテルを用いた一液湿気硬化型改質アスファルト組成物であっても同様の配合範囲が好適である。また、本発明の常温硬化型改質アスファルト組成物には、必要に応じて、可塑剤、充填剤、合成樹脂類、硬化触媒などを添加してもよい。
本発明の常温硬化型改質アスファルト組成物には、95重量%以上の固形分と5重量%以下の揮発成分を含有することが好適である。揮発成分を5重量%超えて含有すると、アスファルト組成物が硬化した後に残留する揮発成分によりアスファルトルーフィングの膨れ、密着不良や水漏れの原因となる恐れがある、また、揮発成分による健康障害の危険性がある。
本発明の常温硬化型改質アスファルト組成物を用いて防水施工を実施するにあったっては、火炎を用いる必要がなく、常温で作業することが可能であるが、このアスファルト組成物には引火点が100℃以下の揮発成分を含まないようにすることにより、引火および火災の危険性を確実に回避することができる。
本発明は常温硬化型改質アスファルト組成物を用い、改質アスファルトルーフィングを積層することにより防水層を形成する。本発明の常温積層アスファルト防水工法が適用される下地層は何ら限定されることはなく、新規な防水層の形成、既存防水層の改修、室内の防水など種々のケースに施工することができる。例えば、既存または新築のコンクリートスラブ面、既存のコンクリート押さえ防止層面、既存の砂つき仕上げ防水層や断熱押さえ防水層面の上に本発明の防水工法を施工することが可能である。また、本発明の工法により施工される防水積層構造は特に限定されることはなく、公知の防水構造から適宜選択して施工される。例えば、砂つきルーフィング仕上げの露出防水工法、コンクリート押さえ防水工法、砂つきルーフィング仕上げの断熱露出防水工法やコンクリート押さえ断熱防水工法においてアスファルトルーフィングを積層する際に本発明の工法が適用される。
次に、本発明の常温積層アスファルト防水工法について具体的に説明すると、例えば、防水下地へ通常使用しているアスファルト系プライマーを塗布し、その上に第1層として部分粘着層付き改質アスファルトルーフィングを貼り付ける。このとき、第1層目の改質アスファルトルーフィングは全面的に粘着層が設けられているものであってもよい。次に、本発明の常温硬化型アスファルト組成物を塗布しながら第2層目の改質アスファルトルーフィングを貼り付ける。露出防水工法を適用する場合は、砕石、スレートチップなどを表面に圧着した砂付きルーフィングが第2層として用いられることが多い。また、押さえ工法を適用する場合には、砂付きルーフィングの代わりに、細かな珪砂を付着させたルーフィングを用いその上にコンクリートを打設する。こうして防水積層構造が構築される。
次に、本発明の一液湿気硬化型改質アスファルト組成物を使用した具体例について図面を参照にして説明する。
コンクリートスラブの下地上に、歩行用屋上、室内および水槽などの防水工法としてよく知られている押さえ防水工法に本発明を応用した例を図1に示し説明する。まず、コンクリート下地(1)上に通常のアスファルト防水に使用される水性アスファルトプライマー(AQプライマー、日新工業社製)を0.2kg/mの割合で塗布した。プライマーが乾燥した後、第1層目の粘着層付き改質アスファルトルーフィング(2)を張り付けた。次に、シリル末端ポリエーテル(MSポリマー、カネカ社製)1重量部に対して、アスファルト(コスモ石油社製)1重量部を混合した組成物を主成分とする一液湿気硬化型組成物(3)を1.0から1.5kg/mの割合で塗布しながら、第2層目の改質アスファルトルーフィング(4)(シェーン20、日新工業社製)を張り付けた。さらに、一液湿気硬化型組成物(5)を1.0から1.5kg/mの割合で塗布した。この上掛けの一液湿気硬化型組成物が硬化した後、フラットヤーンクロス(6)を敷き込みその上にコンクリート(7)を打設して防水積層構造を形成した。
このようにして、コンクリート下地表面に、2層からなる改質アスファルトルーフィング層、フラットヤーン層、コンクリート層からなる防水積層構造を形成した。
また、断熱露出防水工法に本発明を応用した例を図2に示し説明すると、まずコンクリートの下地(8)の表面をプライマー処理した。次いで、厚さ35mmのウレタン系断熱材(10)(シェーンボード、日新工業社製)を通常の接着剤(9)により貼り付けた。次に、部分粘着層付き改質アスファルトルーフィング(11)を積層し、さらに、シリル末端ポリエーテル(MSポリマー、カネカ社製)1重量部に対して、アスファルト(ストレートアスファルト、コスモ石油社製)1重量部を混合した組成物を主成分とする一液湿気硬化型組成物(12)を0.5kg/m程度塗布しながら、常温下で砂付き改質アスファルトルーフィング(13)を張り付けて順次各層を形成することにより断熱露出防水層を形成した。
このようにして、コンクリート下地表面に、ウレタン系断熱層、改質アスファルトルーフィング層、砂付き改質アスファルトルーフィング層からなる防水積層構造を形成した。
本発明の防水積層構造は、防水下地層と、常温硬化型改質アスファルト組成物を介して常温で積層された改質アスファルトルーフィング層を有することを特徴とするものであり、建造物の外壁、床など防水加工を必要とする如何なる箇所にも適用することが可能であり、好適には、アスファルトルーフィングが一液湿気硬化型ポリマーとアスファルトを主成分とする組成物により積層されている。さらに好適には、本発明の防水積層構造は、改質アスファルトルーフィングと、95重量%以上の固形分と5重量%以下の揮発成分を含有する、シリル末端ポリエーテルとアスファルトからなる一液湿気硬化型アスファルト組成物の硬化物層を有している。
また、本発明は、例えば、シリル末端ポリエーテルとアスファルトを含有し、95重量%以上の固形分濃度と5重量%以下の揮発成分からなる一液湿気硬化型改質アスファルト組成物からなるアスファルトルーフィングを常温下で接着積層するための接着組成物に関するものであり、ポリウレタン系などの接着剤が有する接着不良や溶剤に起因する問題点およびイソシアネートなどの有害成分を含有している問題点を解決して、アスファルトルーフィングとの接着性を改善すると共に、優れた防水性能を発揮する防水積層構造を構築する上で特に有用な接着組成物剤である。また、本発明の接着組成物は、従来の接着剤と対比して、常温下での施工が可能であること、一液湿気硬化型のため硬化剤などを使用する必要がなく、二液混合型と比較して施工が効率的に行えること、常温接着性のポリマーとアスファルトの特性が組み合わされていること、有害なポリウレタンを含まないこと、などの特徴を有している。
さらに、常温硬化型ポリマーと改質アスファルトからなる本発明の接着組成物は、溶剤の含有量が少ないことから、溶剤による作業者への健康障害や、火気の引火のおそれがないこと、防水施工後に残留する溶剤による防水層の膨れが発生しないこと、などの効果が発揮される。また、可塑剤、充填剤、硬化助剤などの成分を適宜添加することにより、その特性を改善してアスファルトルーフィングとの親和性、接着強度、防水特性などを改善することができる。
本発明により次のような効果が奏される。
(1)施工現場において溶融アスファルトを使用しないため、高温での作業を必要としないで施工できるアスファルト防水施工法を提供することができる。
(2)常温硬化型改質アスファルト組成物を使用して改質アスファルトルーフィングを積層する常温で現場施工を可能とするアスファルト防水施工法、それにより構築された防水構造、およびアスファルト防水施工用の接着組成物を提供することができる。
(3)常温硬化性ポリマーとアスファルトを組み合わせた接着組成物は、アスファルトルーフィングの積層において、優れた接着性を示し、従来にない防水性能および施工特性を発揮した防水構造を構築することができる。
(4)シリル末端ポリエーテルを有する一液湿気硬化型の接着組成物は、硬化工程が簡便であり、作業性が向上する。
(5)溶剤をほとんど使用しないため、施工後のアスファルトルーフィングの膨れや接着不良を防止することができる。
(6)ルーフィングの重ね合わせ部分やコーナー部での水密性が完全となり漏水の危険がない信頼性の高い防水を簡便に施工することができる。
(7)施工時に火炎などを使用する必要がないため、溶融アスファルトの悪臭、煙の発生を避けることが可能となり、環境衛生面に優れたアスファルト施工方法を提供することができる。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
本実施例では、砂付きルーフィング仕上げの露出防水層からなる既存防水層上に本発明の防水層を形成した。まず、既存防水層の表面を清掃し、下地処理材(マルエスシーラー、日新工業社製)を1.5kg/mの割合で塗布した。乾燥後、シリル末端ポリエーテル(MSポリマー、カネカ社製)1重量部に対して、ストレートアスファルト(日本石油社製)1重量部を混合した組成物を主成分とする一液湿気硬化型組成物を用意した。この組成物を、通常の接着剤の塗布に使用するクシ目刷毛やスポンジ刷毛を用いて既存防水層上に塗布しながら砂付き改質アスファルトルーフィング(シェーンサンド30F、日新工業社製)を常温で張り付けた。一液湿気硬化型組成物の塗布量は1.0から1.5kg/mであった。これを常温下で、約30分間放置することによりアスファルトルーフィングを接合し、積層した。通常接着剤のように塗布のために溶剤を使用しないため膨れを防止できた。施工後のアスファルトルーフィングの接着不良を発生することなく形成されたこの防水積層構造は、水密性が高く、優れた防水性能を示した。
下地がコンクリートスラブあるいはコンクリート押さえ層の露出防水層上に本発明の防水構造を形成した。最初に、通常アスファルト防水に使用される水性アスファルトプライマー(AQプライマー、日新工業社製)を0.2kg/mの割合で塗布した。プライマーが乾燥した後、第1層目の部分粘着層付き改質アスファルトルーフィング(ピロウエルドE、日新工業社製)を張り付けた。次に、シリル末端ポリエーテル(エクセスター、旭硝子社製)1重量部に対して、改質アスファルト(メルタンコンパウンド改質アスファルト、日新工業社製)0・9重量部を混合した組成物を主成分とする一液湿気硬化型組成物を用意した。この一液湿気硬化型組成物を1.0から1.5kg/mの割合で塗布しながら、第2層目の砂付き改質アスファルトルーフィングを常温で張り付けた。形成された防水積層構造は、水密性が高く、優れた防水性能を示した。
本実施例では、コンクリートスラブの下地上に、押さえ防水層(歩行用屋上、室内、あるいは水槽の防水にて起用される)を形成した。最初に、コンクリートスラブ上に通常のアスファルト防水に使用される水性アスファルトプライマー(AQプライマー、日新工業社製)を0.2kg/mの割合で塗布した。プライマーが乾燥した後、第1層目の粘着層付き改質アスファルトルーフィングを張り付けた。次に、シリル末端ポリエーテル(エクセスター、旭硝子社製)1重量部に対して、アスファルト(アスファルトマルエスコンパウンド6号、日新工業社製)1重量部を混合した組成物を主成分とする一液湿気硬化型組成物を用意した。この一液湿気硬化型組成物を1.0から1.5kg/mの割合で塗布しながら、第2層目の改質アスファルトルーフィング(シェーン20、日新工業社製)を張り付けた。さらに、一液湿気硬化型組成物を1.0から1.5kg/mの割合で塗布した。これは、通常のアスファルト防水の場合の上掛けアスファルトに対応するものである。上掛けの一液湿気硬化型組成物が硬化した後、フラットヤーンクロスまたはポリエチレンフィルムを敷き込みその上にコンクリートを打設して防水積層構造を形成した。形成された防水積層構造は、水密性が高く、優れた防水性能を示した。
新築コンクリートを下地とし、この表面をプライマー処理した。シリル末端ポリエーテル(MSポリマー、カネカ社製)1重量部に対して、アスファルト(ブロンアスファルト、日本石油社製)1重量部を混合した組成物を主成分とする一液湿気硬化型組成物を用意した。この一液湿気硬化型組成物を、0.5kg/m程度で厚さ35mmのウレタン系断熱材(シェーンボード、日新工業社製)の表面に塗布し、常温下で下地層上へ張り付けた。次に、実施例2と同様にして第1層目の部分粘着層付き改質アスファルトルーフィングを張り付け、さらに一液湿気硬化型組成物により第2層目の砂付き改質アスファルトルーフィングを常温下で張り付けることにより断熱露出防水層を形成した。一液湿気硬化型組成物により積層されたウレタン系断熱材および砂付き改質アスファルトルーフィングの接合は完全であり水密性は高度に保たれていた。
本実施例では断熱押さえ防水層を形成した。下地コンクリートスラブへ、実施例3と同様にしてアスファルトルーフィングを施工した。プライマー処理した下地には一液湿気硬化型組成物を塗布後、アスファルトルーフィングおよび35mm厚さの押し出し発泡スチレンボード(BKボードE、カネカ社製)を敷き込み、硬化後、保護シート(フラットヤーンクロス)を張り、その上にコンクリートを打設し、断熱押さえ防水層を形成した。
上記の実施例はいずれにおいても改質アスファルトルーフィング類のジョイント部へも一液湿気硬化型組成物を塗布してルーフィング同士を一体化させた。
比較例1
一液溶剤型接着剤を用いた防水施工を行った。まず、既存防水層の表面を清掃し、下地処理材(マルエスシーラー、日新工業社製)を1.5kg/mの割合で塗布した。乾燥後、固形分80%の溶剤型接着剤(ダービーボンド、日新工業社製)を塗布し、次いでその上に砂付き改質アスファルトルーフィングを張り付けた。この施工では、溶剤の揮発により接着力が発現するため、十分な接着力を得るには1ヶ月以上の期間を要した。このため、ジョイント部へはこの接着剤を使用できなかった。ジョイント部は、トーチバーナーで加熱溶融させて一体化を図らねばならなかった。このような多量の溶剤を含有する接着剤の使用に際しては、溶剤への引火の危険性があり、また、溶剤の人体への影響が懸念された。
比較例2
湿気硬化型一液性ウレタン防水剤を用いて防水施工を行った。まず、既存防水層の表面を清掃し、下地処理材(マルエスシーラー、日新工業社製)を1.5kg/mの割合で塗布した。乾燥後、湿気硬化型一液性ウレタン防水剤(フラットワン、大日本インキ社製)を塗布し、砂付き改質アスファルトルーフィングを張り付けた。ウレタン系防水材は、改質アスファルトルーフィングとの接着性が悪く、一体化することは困難であった。また、防水材に含まれる溶剤の影響で砂付き改質アスファルトルーフィングに膨れが発生した。
比較例3
ゴムアスファルトエマルジョンと硬化剤を併用する接着剤を用いて防水施工を行った。まず、既存の防水層の表面を清掃し、下地処理材(マルエスシーラー、日新工業社製)を1.5kg/mの割合で塗布した。乾燥後、ゴムアスファルトエマルジョンと硬化剤(ハルeコート、イーテック社製)を混合した後、この混合物を塗布しながら砂付き改質アスファルトルーフィングを張り付けた。アスファルトエマルジョンを使用した場合は、初期接着力がなくルーフィングの末端に浮き上がりが多く発生した。また、エマルジョンの水分に起因して防水層に膨れが多数発生した。
本発明は、建築物や橋梁などの施工現場で防水加工を施すための新しい技術に係るものであり、施工現場において、加熱や火炎によるアスファルトの溶融工程を必要としないで、改質アスファルトルーフィング防水を施工することができる工法、および同工法により施工された新しい防水積層構造に係るものである。また、本発明は常温で施工することができる常温硬化型ポリマーとアスファルトからなる組成物を介してアスファルトルーフィングを積層する工法であり、例えば、一液硬化型アスファルト組成物を使用することにより優れた積層構造を形成することができ、従来の二液硬化型接着剤などの接着剤を単独で使用する工法と比較して、施工効率が向上し、作業の省力化を図ることができる。また、本発明のアスファルトルーフィング積層のための一液湿気硬化型の接着組成物により、防水加工の作業効率の向上と防水性能の改善をさらに図ることができる。本発明の工法は、施工の対象または施工方法を選ばず、広範囲の建造物に適用が可能な優れた防水工法であり、アスファルトルーフィングによる防水層を形成する際に有用な積層技術を提供するものである。
本発明を押さえ防水工法に応用した防水積層構造を示す。 本発明を断熱露出防水工法に応用した防水積層構造を示す。
符号の説明
図1について
1:コンクリート下地
2:部分粘着層付き改質アスファルトルーフィング
3、5:一液湿気硬化型改質アスファルト組成物
4:改質アスファルトルーフィング
6:フラットヤーンクロス
7:押さえコンクリート
図2について
8:コンクリート下地
9:通常の接着剤
10:ウレタン系断熱材
11:部分粘着層付き改質アスファルトルーフィング
12:一液湿気硬化型改質アスファルト組成物
13:改質アスファルトルーフィング

Claims (21)

  1. 防水下地層上に改質アスファルトルーフィングを敷設するアスファルト防水工法において、該改質アスファルトルーフィングが、常温硬化型改質アスファルト組成物を介して常温で積層されることを特徴とする常温積層アスファルト防水工法。
  2. 常温硬化型アスファルト組成物が、常温硬化型ポリマーとアスファルトを主成分とする請求項1に記載の常温積層アスファルト防水工法。
  3. 常温硬化型改質アスファルト組成物が、常温硬化型ポリマーの1重量部に対して、アスファルトを0.5から2.0重量部の割合で含有する請求項2に記載の常温積層アスファルト防水工法。
  4. 常温硬化型ポリマーが、一液常温硬化型である請求項2または3に記載の常温積層アスファルト防水工法。
  5. 常温硬化型ポリマーが、常温湿気硬化型である請求項2から4のいずれかに記載の常温積層アスファルト防水工法。
  6. 常温硬化型ポリマーが、シリル末端ポリエーテルである請求項5に記載の常温積層アスファルト防水工法。
  7. 常温硬化型改質アスファルト組成物が、95重量%以上の固形分と、5重量%以下の揮発成分からなる請求項1から6のいずれかに記載の常温積層アスファルト防水工法。
  8. 常温硬化型改質アスファルト組成物に含まれる揮発成分の引火点が100℃以上である請求項1から7のいずれかに記載の常温積層アスファルト防水工法。
  9. 1層以上のアスファルトルーフィングおよび/または断熱層を有する請求項1から8に記載の常温積層アスファルト防水工法。
  10. 防水下地層と、常温硬化型改質アスファルト組成物を介して常温で積層された改質アスファルトルーフィングとを有することを特徴とする防水積層構造。
  11. 常温硬化型改質アスファルト組成物が、常温硬化型ポリマーとアスファルトを主成分とする請求項10に記載の防水積層構造。
  12. 常温硬化型改質アスファルト組成物が、常温硬化型ポリマーの1重量部に対して、アスファルトを0.5から2.0重量部の割合で含有する請求項10または11に記載の防水積層構造。
  13. 常温硬化型ポリマーが、一液常温硬化型である請求項11または12に記載の防水積層構造。
  14. 常温硬化型ポリマーが、常温湿気硬化型である請求項11から13のいずれかに記載の防水積層構造。
  15. 常温硬化型ポリマーが、シリル末端ポリエーテルである請求項14に記載の防水積層構造。
  16. 1層以上のアスファルトルーフィングおよび/または断熱層を有する請求項10から15に記載の防水積層構造。
  17. 常温硬化型接着剤とアスファルトを主成分とすることを特徴とするアスファルトルーフィングを常温で積層して防水積層構造を形成するための常温硬化型接着組成物。
  18. 常温硬化型接着剤が、一液常温硬化型である請求項17に記載のアスファルトルーフィングを積層して防水積層構造を形成するための常温硬化型接着組成物。
  19. 常温硬化型接着剤が、常温湿気硬化型である請求項17または18に記載のアスファルトルーフィングを積層して防水積層構造を形成するための常温硬化型接着組成物。
  20. 常温硬化型接着剤が、シリル末端ポリエーテルである請求項19に記載のアスファルトルーフィングを積層して防水積層構造を形成するための常温硬化型接着組成物。
  21. 常温硬化型接着組成物が、シリル末端ポリエーテルの1重量部に対して、アスファルトを0.5から2.0重量部の割合で含有する請求項20に記載のアスファルトルーフィングを積層して防水積層構造を形成するための常温硬化型接着組成物。
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