明 細 書
切り離しにより機能が変化する ICタグ
技術分野
[0001] 本発明は、 ICタグに関し、特に、タグの一部に切り離しによる機能変更手段を備え た ICタグに関する。
背景技術
[0002] 最近、商品流通'在庫管理、店舗での精算処理及び盗難防止などを目的とし、紙 やプラスチック等の絶縁体上に、アンテナと ICチップとを備えた ICタグと、 ICタグと通 信を行うリーダー Zライター装置とにより構成された、例えば図 8に示すシステムが注 目を集めている。
[0003] 力かるシステムにおいて使用される代表的な ICタグの構成例としては、図 8に示す ように、リーダー Zライター装置 250と ICタグ 200とを有するのが一般的である。図 8 に示すシステムでは、リーダー Zライター装置 250と ICタグ 200との通信に電波を使 用し、図示しない RF部と、変調 Z復調部と、データ記憶部と、を備えた IC20 (210)と アンテナ 201とで構成された非接触型の ICタグ (RFICタグ)が提案されて ヽる(例え ば特許文献 1参照)。
[0004] 図 9は、一般的な ICタグの構成例を示す斜視図である。図 9に示すように、 ICタグ は、紙やプラスチック等の絶縁体基板 90の上に、コイルアンテナ 201と ICチップ 210 とを積層した構造を有して構成された RFICタグである。このような簡単な構造を有す るため、上記のような種々の応用が可能である。
特許文献 1:特開平 9— 62934号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] 商品等に貼付するものであると!/、うタグの性質上、上記背景技術で説明した RFIC タグに代表される ICタグは、小型軽量であることが求められる。この為、 ICタグに搭載 される ICの回路構成は、単純な構成を有することが好ましぐ回路の複雑化、規模の 拡大を必要とするデータ改竄防止用のハードウェアやソフトウェアを ICタグに搭載す
ることは、回路の複雑化、規模の拡大を必要とするため難し力つた。結果として、従来 の ICタグは、データの改竄等が容易であるという問題点を有していた。
[0006] 本発明は、簡単な構成と方法で、タグのデータの改竄等を防止し、セキュリティーを 高めた ICタグを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0007] 本発明は、 ICタグに切り離し可能な部分を設け、この切り離し可能部分をタグ本体 力 切り離すことにより、「ICタグに対するデータ入力、及び ICタグからのデータ出力 に対する制限を変化させる。」ことに代表される「ICタグの機能」を変化させる構成を 有している。そして、この切り離し可能な部分の切り離しによる ICタグに対するデータ 入力及びデータ出力制限、及びタグの機能変化により、 ICタグのデータの改竄を防 止することができる。
[0008] また、前記 ICタグの切り離し可能部分を、タグ本体から人の手等で切り離し可能と することで、前記 ICタグに対するデータ入力及びデータ出力制限、及びタグの機能 変更を、従来の icタグと異なりリーダー Zライター装置を用いることなぐ人の手により 容易に変更できる。
[0009] 更に、切り離し可能部分の切り離しによる ICタグの外観の変化と、 ICタグの機能変 化を連動させることにより、現在の ICタグの機能力 ^、かなる状態にあるかに関して、 従来の icタグと異なりリーダー Zライター装置を用いることなぐ icタグの形状力も現 在の ICタグの機能が 、かなる状態にあるかを、目視で容易に把握できる。
[0010] 加えて、
1)セキュリティを向上させる為に、タグの機能を、複数の ICに分担させて、規定の順 番に従って切り離し可能部分を切り離した場合にのみ、適切な機能変化が生るように する。
[0011] 2)情報の控えとしての「タグ本体から切り離された切り離し可能部分」の使 、勝手を 向上させる為に、切り離し可能部分が、前記タグから切り離された後で、独立した IC タグとして機能できるようにする。
[0012] 3)情報セキュリティを向上させる為に、前記タグの切り離し可能部分を切り離して、初 めて視認できる場所 (例えば、タグの切り離し部分を切り離した跡、或いは切り離した
タグの裏)に、外部入出力装置 (リーダ Zライター)と、タグ (切り離し部分を切り離した 後のタグ本体)間の情報のやり取りに必要な情報 (認証コード)の一部を記す。
[0013] 4) ICタグを添付する物の用途と特性に応じて、切り離し部分の切り離しによって、切 断される信号線路、バイアス線路等の形状寸法、及びそのレイアウトを工夫すること で、使い勝手を向上させる。例えば、外部力 の衝撃が加わった場合、破損等の恐 れがある物品に対しては、外部力も衝撃が加わった場合に、前記信号線路、ノィァ ス線路等の切断が発生し易い形状寸法、及びレイアウトを採用する。或いは、逆に、 手荒く扱われる可能性の高い物品には、切り離し部分を完全に切り離さない限り、前 記信号線路、バイアス線路等の切断が発生しない形状寸法、及びレイアウトを採用 する。
[0014] 5)単一の ICタグで用途に応じた対応が可能となるように、 ICタグの機能の初期設定 を行う機能設定手段を備え、前記初期設定手段が、タグの切り離し部分に設けられ、 この切り離し方により初期設定を行なう手段を有する。
[0015] 6)タグのどの切り離し部分が切り離されるかに応じて、タグ本体力 タグの機能の変 化の仕方を決定する。
[0016] 等の手段を備えることで、様々な用途への対応が可能となる。
発明の効果
[0017] 本発明の ICタグによれば、
1)切り離し可能部分を切り離すことで、従来の単機能型の ICタグとは異なり、機械を 使わずに人の手で ICタグの機能変更を容易に実現できる。特に、切り離し可能部分 を切り離すことで、タグのデータ入出力の制限を変更する場合、タグのデータ改竄に 対するセキュリティを向上できる。
[0018] 2)切り離し可能部分の切り離しによる ICタグの外観の変化と、 ICタグの機能変化を 連動させることにより、現在の ICタグの機能力 ^、かなる状態にあるかに関して、従来 の ICタグと異なりリーダー Zライター装置を用いることなぐ ICタグの形状力も現在の I Cタグの機能が 、かなる状態にあるかを、 目視で容易に把握できる。
[0019] 3)タグの機能を、複数の ICに分担させることにより、規定の順番に従って切り離し可 能部分を切り離した場合にのみ、適切な機能変化が生るようにすることで、セキユリテ
ィを向上させることができる。
[0020] 4) ICタグ本体力も切り離された切り離し可能部分が、独立した ICタグとして機能でき るようにすることで、情報の控えとしての「タグ本体から切り離された切り離し可能部分 」の使 、勝手を向上させることができる。
[0021] 5)「切り離し可能部分を完全に切り離さない限り、切り離し検出に用いる信号線路、 バイアス線路等が切断されない。」、或いは逆に、「外部からの衝撃が加わった場合、 切り離し検出に用いる信号線路、バイアス線路等が容易に切断する。」など、 ICタグ を貼付する物の用途と特性に応じて、 ICタグの切り離し可能部分の切り離し検出に 用いる配線の形状寸法、材質、及び配線のレイアウト等の構成を工夫することで、 IC タグの使い勝手や商品管理機能を更に向上できる。
[0022] 6) ICタグの新たな機能を起動するアクセスコードや、 ICタグのデータ記憶領域への アクセス承認、或いはアクセス制限用の情報等を、タグの切り離し可能部分が切り離 されることにより、 ICタグの利用者に初めて取得可能な位置に表示することで、タグの 情報セキュリティを更に強化できる。
[0023] 7)切り離しにより ICタグの初期設定を行う初期設定手段を備え、前記初期設定手段 の切り離し方により初期設定を行なうことで、 ICタグの汎用性を向上させ、用途に応じ た機能の設定が容易になる。
[0024] 8)どの切り離し可能部分を切り離すかによつて、 ICタグの機能の選択を可能とするこ とで、 ICタグの使い勝手を改善できる。
[0025] 等の効果が得られる。
図面の簡単な説明
[0026] [図 1]タグ本体からの切り離し可能部分の数 n力 n= 2の本実施の形態による ICタグ の構成図である。
[図 2]図 1の ICタグの構造を示す斜視図である。
[図 3]IC1の構成例を示す機能ブロック図である。
[図 4]IC2の構成例を示す機能ブロック図である。
[図 5]IC3の構成例を示す機能ブロック図である。
[図 6a]Al切り離し判定回路 1の構成例を示す機能ブロック図である。
[図 6b]Al切り離し判定回路 2の構成例を示す機能ブロック図である。
[図 6c]A2切り離し判定回路 1の構成例を示す機能ブロック図である。
[図 6d]A2切り離し判定回路 2の構成例を示す機能ブロック図である。
圆 7a]記憶装置 1の構成例を示す機能ブロック図である。
圆 7b]記憶装置 2の構成例を示す機能ブロック図である。
圆 7c]記憶装置 3の構成例を示す機能ブロック図である。
[図 8]従来の ICタグを用いた管理システムの構成例を示す図である。
圆 9]従来の ICタグの構造を示す斜視図である。
[図 10]タグ本体からの切り離し可能部分の数 n力 n= 2の本出願発明の ICタグを用 いた切り離し線 (切り離し部分)の形態と形状の説明図。図 10 (a)は切り離し線部分 の絶縁基板に切れ込みを入れた ICタグ。図 10 (b)は切り離し部を裂けやすい素材に 変更した ICタグ。図 10 (c)は積層型の ICタグである。
[図 11]A1と Bの切断点と配線との位置関係を示す図である。
圆 12]「意図しない部分的な切り離しに起因する ICタグの誤動作」を回避する為の第 1の配線パターンの構成例を示す図である。
圆 13]「意図しない部分的な切り離しに起因する ICタグの誤動作」を回避する為の第 2の配線パターンの構成例を示す図である。
[図 14]IC1と IC2間の配線を、面で接続するタグの構成説明図である。
[図 15] (a)、 (b)は積層型の ICタグの構成図である。
圆 16]「意図しない部分的な切り離しに起因する ICタグの誤動作」を回避する為の第 2の配線パターンの図 15の積層型 ICタグへの適用例を示す図である。
[図 17a]「切り離し判定に用いる線路を、故意に容易に切断される。」ように構成した本 出願発明の ICタグの配線の構成例を示す図である。
[図 17b]「切り離し判定に用いる線路を、故意に容易に切断される。」ように構成した本 出願発明の ICタグの配線の構成例を示す図である。
[図 18]ジグザグ状に配置された配線の一例を示す平面図である。
圆 19]切り離し線近傍とそれ以外の領域とで異なる材質を有する例を示す図である。
[図 20]瓶の封印に、図 17の ICタグを適用した場合を示す図。
圆 21] (a)から (c)までは、切り離し可能部分を切り離すと、情報が開示される本出願 発明の ICタグの概略構成図である。
[図 22]ICタグの断面図である。
[図 23]ICタグの断面図である。
[図 24]ICタグの断面図である。
[図 25]A1、 A2、 Bの寸法 '形状が異なる ICタグの例を示す図である。
[図 26] (a)、 (b)は情報の一部が認識可能なタグの構成例を示す図である。
[図 27]本出願発明の ICタグの記憶領域に格納されるデータ形式の構成例を示す図 である。
圆 28]ICタグの状態とその機能の間に前記表 4の関係が成り立つが成り立つように する場合の情報 1 (401)、情報 2 (402)、及び情報 3 (403)の内容の構成例を示す 図である。
[図 29]タグ ID (1301)とデータ読み出し用アクセスコード(1303)を共用する場合の、 情報 1 (401)、情報 2 (402)、及び情報 3 (403)の構成を示す図である。
[図 30]本実施の形態による ICタグの出力要求に対する処理の流れを示すフローチヤ ート図である。
[図 31a]本実施の形態による ICタグの入力要求に対する処理の流れを示すフローチ ヤート図である。
[図 31b]本実施の形態による ICタグの商品流通過程での処理の流れを示すフローチ ヤート図である。
[図 32]AutoIDデータフォーマットの構成例を示す図である。
[図 33]ュビキタス IDデータフォーマットの構成例を示す図である。
圆 34]タグ本体力もの切り離し可能部分の数 nが n= 2の、初期条件設定手段として の切込み線を 4本備えた ICタグの基本構成図である。
[図 35]図 34の ICタグの立体構造を示す斜視図である。
[図 36]図 34の IC1の機能ブロック図である。
[図 37]タグ本体からの切り離し可能部分の数 nが n= 2の、集中制御型の本出願発明 の ICタグの基本構成図である。
[図 38]図 37の ICタグの IC1の機能ブロック図である。
[図 39]図 37の ICタグの IC2の機能ブロック図である。
[図 40]図 37の ICタグの IC3の機能ブロック図である。
[図 41]図 38の IC1の A1切り離し判定回路 1の機能ブロック図である。
[図 42]図 40の IC3の A1切り離し判定回路 2の機能ブロック図である。
[図 43]図 39の IC2の A2切り離し判定回路 1の機能ブロック図である。
[図 44]ICタグの商品流通過程での処理の流れを示すフローチャート図である。
[図 45]集中制御型の本出願発明の ICタグを利用したクーポン券の形状の例を示す 平面図である。
発明を実施するための最良の形態
[0027] 本発明の ICタグは、基本的に、「ICタグ全体として、第 kの機能を実現すること。」を 前提とする。 ICタグ全体としての、第 kの機能の実現方法として、以下の 2通りの方法 が代表例となる。
[0028] 1)個々の ICkが、第 kの機能を単独で実現する能力を有する。切り離された後でも、 Akがなんらかの機能を有した独立した ICタグとして動作する場合には、少なくとも A kの ICkが、その機能を単独で実現する能力を有することが必要条件となる。
[0029] 2) 10^と他の10 (j :k<j≤n+l)力 共同で第 kの機能を実現する。 ICkは、第 kの機 能の一部を司り、 ICk単独では第 kの機能を実現する能力を有さない。
[0030] 尚、 1)、 2)の構成が 1つの ICタグ内で混在するケースも本発明に含まれるものであ る。
[0031] 以下に図面を参照しつつ、本発明の実施の形態による ICタグ及びその関連技術に ついて説明を行う。図 1は、タグ本体からの切り離し可能部分の数 n力 n= 2の場合 の切り離し可能部分を切り離すことにより機能が変化する ICタグの一構成例を示す 図である。
[0032] 図 1に示す ICタグは、切り離し可能な Al、 A2部分と非切り離し部分 B (タグ本体)と の 3つの部分カゝら構成されている。部分 Al、 A2、及び Bは、それぞれ IC1、 IC2、及 び IC3と、タグと外部(タグとの間でデータのやり取りを行うリーダー Zライター装置) のインタフェースとしての、アンテナ 1、アンテナ 2、及びアンテナ 3を備えている。
[0033] そして IC1 (10)と IC2 (20)とは、 IC1 (10)と IC2 (20)間の信号伝送用の信号線路 L1により、 IC2 (20)と IC3 (30)とは、 IC2 (20)と IC3 (30)間の信号伝送用の信号線 路 L2により、それぞれ繋がれている。 A1が切り離し線 1 (5)で、タグ本体から切り離さ れた場合に、信号線路 L1も切断されるように配線され、同様に信号線路 L2も、 A2が 切り離し線 2 (6)で、タグ本体から切り離された場合、切断されるようなレイアウトで配 線されている。
[0034] 尚、 IC1、 IC2、及び IC3から、共通 GNDに接続されている線路 SL12、 SL21は A 1部分がタグ本体力も切り離された場合に、線路 SL23、 SL32は A2部分がタグ本体 から切り離された場合に、それぞれ切断されるように、 A1と A2の切り離し境界線、或 いは A2と Bの切り離しのための境界線に跨るようにレイアウトされて配線されて 、る。 線路 SL12、 SL21、 SL23、及び SL32は、線路切断によって発生する線路のインピ 一ダンスの変化を検出し、 A1部分、或いは A2部分の切り離し判定に用いるために 設けられた切り離し判定用線路である。
[0035] 図 2は、図 1に示す ICタグの立体構造を示す斜視図である。図 2に示すように、本実 施の形態による ICタグは、紙、プラスチック等の絶縁体基板 90上に設けられている。 絶縁体基板 90の一辺に沿って共通 GND91が設けられており、この共通 GND91は 、 IC1、 2、 3を接地するとともに、線路 SL12、 SL21、 SL23、 SL32も接地する。
[0036] 図 3は、 IC1 (10)の構成例を示すブロック図である。図 3に示すように、 IC1 (10)は 、アンテナ 1からの受信信号の一部を電力に変換する電源回路 11と、タグの外部ィ ンタフエースであるアンテナ 1に対して信号の受信 ·送信を行なう送受信回路 12と、 エンコードされたデータを変調する変調回路 13と、受信信号を復調する復調回路 14 と、送信データのエンコード、及び受信データのデコードを行なうエンコード Zデコー ド回路 15と、エンコード Zデコード回路 15、或いは信号線 L1を介して送られてきた データの処理を行なうデータ処理回路 1 (16)及び記憶装置 1 (18)と、データ処理回 路 1 (16)及び記憶装置 1 (18)の動作をタグの状態に応じて制御する制御回路 1 (17 )と、部分 A1が部分 A2から切り離された力否かを、部分 A1自身が判定する A1切り 離し判定回路 2 (19)と、を有している。電源回路 11は共通電源線に接続され、デー タ処理回路 1 (16)は IC1 (10)と IC2 (20)とを結ぶ線路 L1に接続され、 A1切り離し
判定回路 2 (19)は、線路 SL12と接続されている。
[0037] 図 4は、 IC2 (20)の構成例を示す図である。図 4に示すように、 IC2 (20)は、受信 信号の一部を電力に変換する電源回路 11と、タグの外部インタフェースであるアンテ ナ 2に対して信号の受信'送信を行なう送受信回路 12と、エンコードされたデータを 変調する変調回路 13と、受信信号を復調する復調回路 14と、データのエンコード及 びデコードを行なうエンコード Zデコード回路 15と、データの処理を行なうデータ処 理回路 2 (21)と、記憶装置 2 (23)と、データ処理回路 2 (21)と記憶装置 2 (23)との 動作を、タグの状態に応じて制御する制御回路 2 (22)と、部分 A1が部分 A2から切り 離されたか否かを、部分 A2が判定する「A1切り離し判定回路 1」(24)と、部分 A2が 部分 Bから切り離されたか否かを、部分 A2自身が判定する「A2切り離し判定回路 2」 (25)と、を有している。
[0038] 図 5は、 IC3 (30)の構成例を示す機能ブロック図である。図 5に示すように、 IC3 (3 0)は、受信信号の一部を、電力に変換する電源回路 3 (11)と、タグの外部インタフエ ースであるアンテナ 3に対して信号の受信 ·送信を行なう送受信回路 12と、ェンコ一 ドされたデータを変調する変調回路 13と、受信信号を復調する復調回路 14と、デー タのエンコード及びデコードを行なうエンコード Zデコード回路 15と、データの処理を 行なうデータ処理回路 3 (31)と、記憶装置 3 (33)と、データ処理回路 3 (31)と記憶 装置 3 (33)との動作をタグの状態に応じて制御する制御回路 3 (32)と、部分 A2が 部分 Bから切り離された力否かを部分 Bが判定する「A2切り離し判定回路 1」 34と、を 有している。
[0039] 図 6aは、 IC2 (40)の A1切り離し判定回路 1 (24)の構成例を示す機能ブロック図 である。図 6aに示すように、 A1切り離し判定回路 1 (24)は、信号線路 L1の切り離し 判定回路 1 (40)と、線路 SL21のインピーダンスの変化を検出するインピーダンス変 化検出回路 1 (50)とから構成されている。表 laから表 Idまでは切り離し判定表であ る。
[表 la]
A1切り離し判定回路 1判定表
[表 lb]
A1切り離し判定回路 2判定表
[表 lc]
A2切り離し判定回路 1判定表
[表 Id]
信号線路 L1の切り離し判定回路 1 (40)は、 IC1 (10)カゝら信号線 L1を介して送ら れた識別用データと、照合用データ 42との照合を行い、表 laに示すように信号線 L1 を介して IC1から送られた識別用データと照合用データ 42とが一致した場合は、「0」
を出力し、識別用データと照合用データ 42とが一致しな力 た場合は、「1」を出力す る。
[0040] 同様に線路 SL21のインピーダンスの変化を検出する「インピーダンス変化検出回 路 1」50は、線路 SL21力 共通 GNDに接地された状態にある力否かを検出し、表 1 aに示すように、線路 SL21が共通 GNDに接地された状態では「0」を出力し、線路 S L21が切断され開放状態となった場合には「1」を出力するように構成されている。そ して、 A1切り離し判定回路 1 (24)は、表 laに示すように「信号線路 L1の切り離し判 定回路 1」の出力と、「インピーダンス変化検出回路 1」の出力と、の論理積を算出し、 この論理積が「1」となった場合に、 A1がタグ力も切り離されたと判定する。
[0041] 尚、信号線路 L1の切り離し判定は、 ICl (lO)と IC2 (20)とに予め記憶させておい たデータを、それぞれ識別用データと照合用データとして照合する方式を採用しても 良いし、 IC2 (20)から信号線路 L1を介して任意の照合用データを IC1 (10)へ送信 し、 IC1 (10)が受信した任意の照合用データを識別用データとして返信し、これを「 信号線路 L 1の切り離し判定回路 1」 40にお 、て照合する方式を採用しても良!、。
[0042] また、前記 L1切り離し判定回路 1 (40)の動作説明においては、「信号線路 L1の切 り離し判定回路 1」40の出力と、「インピーダンス変化検出回路 1」 50の出力との論理 積を AND回路 54により算出し、論理積が「1」となった場合に、 A1がタグ力 切り離 されたとものと判断している力 判定方法はこれに限定されるものではない。例えば、 「信号線路 L1の切り離し判定回路 1」40の出力と、「インピーダンス変化検出回路 1」 50の出力との論理和が「1」となった場合、すなわち信号線路 Ll、或いは線路 SL21 のいずれか 1つが切断された場合に、部分 A1がタグ本体力も切り離されたと判定す る方式を採用してもよ 、。この場合には AND回路 54の代わりに OR回路を用いる。 尚、図 6aの線路 SL21のインピーダンス変化検出装置 50を例に、インピーダンス変 化検出装置の動作を説明すると、以下のようになる。 AND回路 53においては、 2つ の入力が共通化されている。 A1が切り離し線 1で切り離される前には線路 SL21が切 断されておらず、 AND回路 53の 2つの入力は、 GNDの電位となっている。このため 、 AND回路 53の 2入力は" Low"となり、 AND回路 53の出力は" 0"となる。一方、 A 1が切り離し線 1で切り離されると線路 SL21も切断されるため、 AND回路 53の 2入
力の電位は、 R2 XVcc/ (Rl +R2)の" Hi"となり、 AND回路 53出力は" 1"となる。 このようにして、インピーダンス変化検出装置 50は、 A1が
切り離し線 1で切り離されることによる、 SL21のインピーダンスの変化を検出すること ができる。
[0043] A1切り離し判定回路 1 (24)以外の残る 3つの切り離し判定回路の構成を、図 6b、 図 6c、及び図 6dに示すとともに、各切り離し判定回路の切り離し判定表を表 lb、表 1 c、及び表 Idに示す。尚、上記 3つの切り離し判定回路の構成、及び動作原理は、基 本的に上述した A1切り離し判定回路 1と同じであるため、ここでは説明を省略する。
[0044] 図 7a、図 7b、及び図 7cは、記憶装置 1 (18)、記憶装置 2 (23)、及び記憶装置 3 (3 3)の構成例を示す機能ブロック図である。
[0045] 図 7aに示すように、記憶装置 1 (18)は、データ処理回路 1 (16)からの記憶領域 1 ( 64)および書き込み制御回路 61、読み出し制御回路 62、読み取り専用化回路 63を 有している。書き込み制御回路 61は、制御装置 1からの書き込み要求の制御データ に基づいて、 ICタグの持つ第 1の機能の動作に基づくデータ処理回路 1 (16)からの 書き込みデータを記憶領域 1 (64)に記録する。読み出し専用化回路 62は、制御回 路 1 (17)力 の読み取り専用化要求の制御データに基づいて、記憶領域 1 (64)へ データの書き込みを妨げる。これによつてデータの書き込みを行うことができなくなり、 記憶領域 1 (64)は読み取り専用となる。読み出し制御回路 62は、制御装置 1 (17) 力 の読み出し要求の制御データに基づいて、記録領域 1 (64)に記録されているデ ータをデータ処理装置 3 (31)へと送り出す。
[0046] 図 7bは、 IC2の記憶装置 2の構成を示す図である。図 7bに示すように、記憶装置 2
(23)は、記憶装置 1 (18)と同様に構成されており、記憶領域 2 (65)に対して第 2の 機能の動作に基づく記録の書き込み処理および読み出し処理、読み取り専用化処 理を行う。
[0047] 図 7cは、 IC3の記憶装置 3 (33)の構成例を示す図である。図 7cに示すように、記 憶装置 3 (33)は、書き込み処理および読み出し処理、読み取り専用化処理について は記憶装置 1 (18)と同様の処理を行う。但し、記憶装置 3 (33)は、第 3の機能の動 作に基づくデータを記録する記憶領域 3 (66)にカ卩えて、 IC1および IC2がそれぞれ
司る第 1の機能および第 2の機能の動作を記録するための、記憶領域 1 (64)および 記憶領域 2 (65)力 構成されて 、る。
[0048] 図 1に示す ICタグに関して、以下のように流通過程に沿って処理を行う。 1)部分 A 1、部分 A2、及び部分 Bが全て揃っている状態で、タグに製品識別コード、製造番号 、製造年月日、出荷日時等のデータの入力し (記憶装置に記憶させ)、製品に添付 する。 2)工場出荷時点でタグ力も部分 A1を切り離し、販売店へ出荷する。ここで、切 り離された部分 A1は、出荷元控えとして残す。 3)販売店において、販売日時、販売 店名等のデータを入力する。その上で、部分 A2を切り離し、部分 Bだけとなったタグ の付いた製品を購入者へ渡す。この際、切り離された部分 A2は、販売店控えとして 残す。 4)製品と共に購入者へ渡された部分 Bだけのタグは、購入者控えとなる。この ような商品の流通管理に本実施の形態によるタグを利用した場合タグの状態変化と、 それに伴うタグの機能変化との対応関係の一例を表 2に示す。
[表 2] タグの機能変化と各 [cの機能対応表 1
[0049] 尚、表 2では、第 1の機能を実現する制御の全てを IC1 (10)が、第 2の機能を実現
する制御の全てを IC2 (20)力 それぞれ司っている。
[0050] すなわち、工場出荷時においては、 IC1 (10)は、タグ外との通信制御、 IC2 (20)、 IC3 (30)との通信、記憶装置 1から 3までの記憶領域 1のアドレスを指定、記憶装置 1 から 3までの記憶領域 1へのデータ 1の書き込み命令の送出、記憶装置 1の記憶領域 1へのデータ 1の書き込み、読み出しを含む機能を有しており、これにより、製品識別 コード、製造番号、製造年月日、出荷日時等のデータ (データ 1)の入出力を行う第 1 の機能を発揮する。 IC2 (20)は、 IC1、 IC3との通信、 IC3 (30)の記憶装置 3へ記憶 領域 1以外への書き込み禁止命令の送出、記憶装置 2の記憶領域 1へのデータ 1の 書き込みを含む機能を有している。 IC3 (30)は、 IC1 (10)、 IC2 (20)との通信、記 憶装置 3の記憶領域 1へのデータ 1の書き込みを含む機能を有している。
[0051] 販売店では、部分 A1は切り離されており、 IC2 (20)は、タグ外との通信制御、 IC3
(30)との通信、記憶装置 2と 3の記憶領域 2のアドレスを指定、記憶装置 2の記憶領 域 2へのデータ 2の書き込み、読み出し、記憶装置 2の記憶領域 1の読み出し専用化 (リードオンリー)を含む機能を有しており、これにより、データ 1の出力と、販売日時、 販売店名等のデータ (データ 2)の入出力とを含む第 2の機能を発揮する。
[0052] IC3 (30)は、 IC2 (20)との通信、記憶装置 3の記憶領域 1の読み出し専用化、記 憶装置 3の記憶領域 2へのデータ 2の書き込みを行う。
[0053] 購入者 (購入後)は、部分 Al, A2は切り離されており、 IC (30)は、 A2切り離し済 み、タグ外との通信制御、記憶装置 3の記憶領域 1と 2の読み出し専用化(リードオン リー)、記憶装置 3の記憶領域 3に対するデータ 3の書き込み、読み出し、を含む機能 を有しており、データ 1及びデータ 2の出力と、購入者によるメモ等の任意のデータ( データ 3)の入出力とを含む第 3の機能を発揮する。
[0054] 読み出し専用化を行うのは、それぞれの ICタグにおいて、ある領域が切り離された 後は、切り離されたタグが担っていた機能の一部(そのタグに専用の記憶領域への 情報の書き込み等)ができな 、ようにするのが好ま 、からである。
[表 3]
タグの機能変化と各 [Cの機能対応表 2
[0055] これに対して、表 3のように第 1の機能を実現する制御機能の一部を IC1 (10)と IC2
(20)とが、第 2の機能を実現する制御機能の一部を IC2 (20)と IC3 (30)とが、それ ぞれ分担するようにしてもよい。また、第 3の機能である記憶装置 3の記憶領域 3への データの書き込みを、 IC2が阻害するようにしても良 、。
[0056] すなわち、工場出荷時においては、 IC1 (10)は、タグ外との通信制御、 IC2、 IC3 との通信、記憶装置 1から 3の記憶領域 1へのデータ 1の書き込み命令の送出、記憶 装置 1の記憶領域 1へのデータ 1の書き込み、読み出しを行い、 IC2 (20)は、 IC1、 I C3との通信、記憶装置 1から 3の記憶領域 1のアドレスを指定、 IC3の記憶装置 3へ 記憶領域 1以外への書き込み禁止命令の送出、記憶装置 2の記憶領域 1へのデータ 1の書き込みを行う。表 2の場合と比較すると明らかなように、 ICl (lO)の一部の機能 (第 1の機能)を IC2 (20)に分担させている。
[0057] 表 3のように 1つの機能を実現するための機能を複数の ICに分散した場合、 ICを含 むタグを切り離す順序を無視して切り離すと、タグが正常に動作しないため、使い物
にならず、不正使用を抑制できるという効果がある。
なお、前記表 3では、 A1の ICl (lO)の一部の機能(第 1の機能)を、 A2の IC2 (20 )に分担させている力 IC2 (20)だけでなぐ Bの IC3 (30)にも分担させてもよい。
[表 4]
表 4に図 1の ICタグを前記の流通管理に適用した場合の、本発明のタグの状態変 化と、それに伴うタグの機能変化の対応関係、及び前記記憶装置 1から 3の各記憶 領域に格納された情報と、各記憶領域の状態の関係を示す。表 4に示すように、例え ば、記憶領域 1の格納データに関して、工場においては(出荷前)、製品識別コード、 製造番号、製造年月日、出荷日時等のデータに関するデータの書き込み、読み出し が可能であるのに対して、販売店(工場出荷時力も販売前まで)においては、製品識 別コード、製造番号、製造年月日、出荷日時等のデータに関して、データの読み出 しのみ可になっている。このように流通過程におけるタグの状態変化に応じて、記憶 装置 1から 3の各記憶領域に格納された情報への書き込みが制限されるため、情報
の改竄に対する耐性が向上する。
[表 5]
タグ本体から切り離し後の A1、A2及び Bの機能と
各 の機能対応表
[0060] 表 5は、図 1の ICタグを流通管理に適用した場合の、タグ本体から切り離された後 の Al、 A2の ICタグとしての機能を示す。部分 Al、 A2は、外部インタフェースと、電 源回路を独立して備えているため、表 5に示すように、部分 Al、 A2は、 ICタグとして の機能を備え、データの管理が容易となる。すなわち、切り離し後のタグ (A1)は、外 との通信制御、記憶装置 1の記憶領域 1の読み出し専用化、記憶装置 1の記憶領域 1からのデータ 1の読み出し、を行うことができる。切り離し後のタグ (A2)は、タグ (A2 )外との通信制御、記憶装置 2の記憶領域 1、及び 2の読み出し専用化、記憶装置 2 の記憶領域 1及び 2からのデータ 1及び 2の読み出しを行うことができる。切り離し後 のタグ (B)は、タグ (B)外との通信制御、記憶装置 3の記憶領域 1と 2の読み出し専用 ィ匕、記憶装置 3の記憶領域 3に対するデータ 3の書き込み、読み出しを行うことができ る。
[0061] 尚、上記実施の形態においては、タグと外部との情報のやり取りを、電波に代表さ れる無線を用いて行う非接触型のタグを例にして説明したが、情報のやりとりを行う媒
体は電波に限定されるものではなぐ磁気を用いても良い。また、非接触型に限定さ れるものではなぐ接触型のタグを用いてもよい。
[0062] また、上記実施例においては、 Akが切り離された場合は信号線路 Lkが物理的に 切断される例を挙げて説明した。し力しながら、 Akが切り離されることによって、 ICkと ICk+ 1の間の電気な信号接続が切断されることが本質であり、信号線路が切断され ることが本質ではない。従って、信号線路 Lkの構成はタグの切り離し線を跨いでいる 構成に限定されるものではなぐ例えば、切り離し線を間の近傍において対向する線 路パターン間を、誘導性結合或いは容量性結合を用いて、 ICkと ICk+ 1との間の電 気な信号接続が行われており、タグを切り離すことでこの結合が弱まる、或いはなくな るように構成しても良い。
[0063] また、タグの切り離しにより線路を切断する代わりに、タグの部分 Aと部分 Bとが一部 領域で重なっており、この重なりを分離することで電気的接続がなくなるように構成し ても良い。この場合には、重なり部分を粘着性のテープなどを貼り付けておき、適宜、 はがすことができるようにしても良!、。
[0064] 次に、本実施の形態による ICタグ力も上記切り離し可能部分 Akを、タグ本体から切 り離す為の切り離し線 (切り離し部)の構成について、タグ本体からの切り離し可能部 分の数 nが、 n= 2の本出願発明の ICタグを例に説明する。
[0065] 図 10 (a)は、絶縁基板 90に切り離し線 1 (5)及び切り離し線 2 (6)に沿って 93のよう な切り込み(貫通孔および Z又は端部の切り込み)を入れて、切り離し可能部分 Al、 A2のタグ本体力 の切り離しを容易にした ICタグの構造を示す図である。
[0066] 図 10 (b)は、 A1と A2、 A2と Bの切り離し線 1 (5)及び切り離し線 2 (6)近傍の絶縁 基板の素材を、 Al、 A2、及び Bのほかの部分の絶縁基板の基板素材 901と異なる 素材 902とすること〖こより、 Al、 A2のタグ本体力 の切り離しを容易にした ICタグで ある。この基板素材 901と 902としては、 1) 901 :コーティングありの紙、 902 :コーティ ングなしの紙。
[0067] 2) 901 :ビュル系素材、 902 :紙素材。
[0068] の組み合わせが考えられる。尚、基本的に素材 901と素材 902の組み合わせは、素 材 902の強度(引っ張り強度)が、素材 901より小さければよぐ上記例に限定される
ものではない。
[0069] 図 10 (c)は、 A1、A2、 Bが水平方向に接続されている図 10 (a)、図 10 (b)と異なり 、 Al、 A2、 Bを垂直方向に重ね合わせて構成した積層型 ICタグである。 Al、 A2、 B を結ぶ配線は、左端の接続部 105において、基板に対して垂直方向に接続されてい る。なお、図 10 (c)のような積層型 ICタグでは、 Al、 A2の切り離しは、切り離すと言う より、引き剥がす形をとることになる。
[0070] 先に述べた本実施の形態による ICタグでは、 A1と A2、及び A2と Bを跨ぐ配線の 電気的な切断で、タグの切り離しを検出する方法を採用している。この為、本実施の 形態による ICタグを、実際に物品に貼付して使用する場合には、タグを貼付した物 品や、 ICタグの取り扱いによっては、タグの切り離し部分 (タグの切り離し線部分)の 一部に、「利用者の意図しない切り離し」が発生する可能性がある。
[0071] この「利用者の意図しない切り離し」と、これに起因する問題点について、図 11のタ グ本体力もの切り離し可能部分の数 n力 n= lの ICタグを例に説明する。 図 11に 示す ICタグ力 ICl (lO)と IC2 (20)を結ぶ線路 101の切断の有無で、 A1のタグか らの切り離しを判定する場合、何らかの原因により、「利用者の意図しない切り離し」
1S 図 11に示した切断点 (切り離し線と配線 101が交差する位置)で発生した場合に は、線路 101が切断され、 ICタグは A1が B力も切り離されたと判断して、利用者の意 図しな 、ICタグの機能の切替が発生してしまう。
[0072] なお、先の切り離し判定回路の動作について述べたように、線路 101の切断だけで A1が B力も切り離されたと判断せずに、線路の配置が異なる線路 101と線路 102の 2つが切断された場合に、 A1が B力も切り離されたと判断する場合には、上記の問題 をある程度回避できる。しかしながら、「ICタグの切り離し部分 (タグの切り離し線部分 )に発生した、利用者の意図しない切り離しに起因する ICタグの誤動作」への対策と しては必ずしも充分なものではなカゝった。
[0073] このような「ICタグの切り離し部分 (タグの切り離し線部分)に発生した、利用者の意 図しない部分的な切り離しに起因する ICタグの誤動作」を回避する工夫を備えた本 発明の ICタグを以下に示し説明する。
[0074] 図 12に、切り離し線 1 (5)の近傍において意図せぬ切断が生じやすいことを考慮し
て、切り離し線 1 (5)のタグ切り離し用のミシン目近傍にお!、て、 A1の切り離し検出に 用いる IC1と IC2を接続する線路 101の幅を、ほぼタグの幅と等しくした ICタグを示す
[0075] 図 12に示すように、切り離し線 1 (5)のタグ切り離し用のミシン目近傍において、線 路 101の幅を、 101aのようにほぼタグの幅と等しい程太くすることにより、仮に切り離 し線 1 (5)の一部 (切り離し線のタグの端よりの場所等)で意図しない切断が生じても、 線路 101の全幅にわたって切断されることはまれであるため、線路 101の電気的な 接続は維持される。また、切り離し線 1 (5)において、 A1が Bカゝら完全に切り離されな い限り、線路 101の電気的な切断が生じないという利点を有する。
[0076] 図 13に、切り離し線 1 (5)近傍において、 A1の切り離し検出に用いる IC1と IC2を 接続する、線路 101を 101bのように複数に分岐させて、分岐した線路 101bと切り離 し線 1 (5)力 異なる複数の場所で切り離し線 1 (5)と交差するように、線路 101をレイ アウトした ICタグを示す。
[0077] 図 12と同様に、図 13の ICタグにおいても、仮に切り離し線 1 (5)の一部 (切り離し線 のタグの端よりの場所等)で意図しない切断が生じても、切断されるのは分岐した線 路 101bの分岐線の一部だけとなり、線路 101の電気的な接続は維持される。 A1が Bからほぼ完全に切り離され、切り離し線 1 (5)において、線路 101bの分岐線の全て が切断された場合にのみ、線路 101の電気的な切断が生じないという利点がある。
[0078] 図 12において説明した「切り離し部分とその近傍で、切り離し判定に使用する線路 の幅を太くする。」ことにより、「ICタグの切り離し部分に発生した、利用者の意図しな Vヽ部分的な切り離しに起因する、タグの切り離し判定の誤動作」を回避する手法を、 タグ本体力 の切り離し可能部分の数 n力 n= 1の積層型 ICタグに適用した場合の 斜視図を図 14に示す。尚、図 14では、本発明のキイポイントの 1つである A1の切り 離し検出に用いる線路 103の配線レイアウトを明確にするため、本来存在する共通 電源線等は省略してある。
[0079] 図 14の n= lの積層型 ICタグは、図 15 (a)と(b)の 2層力も構成され、図 15 (b)の上 に図 15 (a)が積層されている。図 14の IC1 (10)と IC2 (20)は、 A1の切り離し検出に 用いる線路 103によって接続されている。そして線路 103は、図 15 (a)と図 15 (b)に
示すように、 A1の B側に接続面 104を、 Bの A1側に接続面 105を備え、 A1と Bの積 層面での線路 103の接続面積が大きくなるように構成されて 、る。
[0080] 同様に、図 13において説明した「切り離し部分とその近傍で、切り離し判定に使用 する線路を複数に分岐する。」ことにより、「ICタグの切り離し部分に発生した、利用 者の意図しな 、部分的な切り離しに起因するタグの誤動作」を回避する手法を、切り 離し部分の数 nが n= 1の積層型 ICタグに適用した場合の斜視図を図 16に示す。尚 、図 16では、本発明のキイポイントの 1つである A1の切り離し検出に用いる線路 106 と線路 107との配線レイアウトを明確にするため、本来存在する共通電源線等を省略 してある。
[0081] 図 16の積層型 ICタグは、図 17aに示す A1層を図 17bに示す B層の上に積層して 作られる。その際、 3つに分岐した線路 106と線路 107とは、 A1と Bとのそれぞれ 10 6a、 106b, 106c, 107a, 107b, 107cの同一の番号力 S付与された線路力 接続咅 150において、 A1の絶縁体基板に設けられたスルーホール等の線路接続手段によ り接続される構成を有して 、る。
[0082] 尚、図 16においては、接続部 150が左端に配置されている例を示した力 接続部 1 50の位置は限定されるものではない。例えば、タグが重なる部分全体を接続面として も良い。また、本実施の形態による配線パターンの配置は、すべて規則的かつ均等 に配置して 、るが、不規則 ·不均等な配置でも良 、。
[0083] このような「ICタグの切り離し部分に発生した、利用者の意図しな 、部分的な切り離 し」の発生を回避する工夫を、本実施の形態による ICタグに適用することで、 ICタグ、 及び ICタグを貼付した物品の取り扱いに起因する「ICタグの切り離し部分 (タグの切 り離し線部分)に発生した、利用者の意図しない部分的な切り離しに起因する、タグ の誤動作」を防止できる。
[0084] 次に、図 12から図 17までを参照して説明した「ICタグの切り離し部分 (タグの切り離 し線部分)に発生した、利用者の意図しない部分的な切り離しに起因する、タグの切 り離し判定の誤動作を防止する。」工夫を備えた ICタグとは異なり、「切り離し判定に 用いる線路を、故意に容易に切断される。」ように構成した ICタグの構成例を図 18に 示す。
[0085] 図 18は、「切り離し判定に用いる線路を、故意に容易に切断されるようにする。」と 言う上記目的に適するように、基板 90上に設けられた切り離し線 1 (5)と A1の切り離 し判定に用いる線路 1010、 1020、 1030の交差回数と、交差する領域を広くする為 、線路 1010、 1020、 1030を切り離し線 1 (5)に対してジグザグに配置している。カロ えて、切り離し線 1 (5)に沿って、孔部 1050が断続的に設けられている。図 18のよう な配線レイアウトを採用することにより、タグに外部力 力が加わって、 A1と Bの間に 切り離し線 1 (5)に沿って、僅かな断裂が発生した場合でも、孔部 1050を設けたこと により A1の切り離し判定に用いる線路(1010、 1020、及び 1030)が切断することが 可能となり、 ICl (lO)と IC2 (20)の電気的な接続が切断される確率が高くなる。
[0086] 図 19に、図 10 (b)のように、切り離し線 1 (5)近傍のタグの基板素材 902と切り離し 線 1 (5)近傍以外の部分の基板素材 901の材質が異なる「故意に切り離し判定に用 いる線路が、容易に切断されるように構成にした ICタグ」の構成例を示す。図 19に示 すように、この ICタグは、 A1と Bの二つ力も構成され、 A1と Bは、基板素材が 902の 切り離し部 310を介して接続され、タグ A1とタグ Bとを結ぶすべての線路は、この切り 離し部 310を通過している。そして、この切り離し線近傍のタグの基板素材 902には 、化学反応等で基板素材 901より機械的強度が劣化し易い素材が選択されている。 この為、特定の環境や条件下では、基板素材 902の機械的強度が劣化し、故意に 切り離し判定に用いる線路が、容易に切断されるようになる。
[0087] 前記図 18、図 19に代表される「切り離し判定に用いる線路が、容易に切断されるよう に構成にした意図的に (故意に) ICタグ」を、瓶の封印として使用した応用例を図 20 に示す。
[0088] ICタグ 310、 313、 315は、瓶 305と蓋 303の 2つに跨るように貝占付されている。な お、前記 ICタグは、蓋 303への力の印加や、開封が確実に検出できるように、 ICタグ の切り離し線(310a、 313a, 315a)力 瓶 305と蓋 303の境界部分と一致するように 貼付することが望ましい。また、図 20のように、瓶等の容器の封印として、図 19の IC タグを使用する際には、切り離し部 310の基板素材 902に、 ICタグを貼付した容器の 内容物と反応し溶解する素材を使用することが、容器からの内容物の漏出等を検出 する際に効果的である。
[0089] そして図 20のように、開封等によって切り離し判定に用いる線路が切断されるとリー ダ Zライタ装置に対する返信データが変化する (機能が変化する) ICタグを、貼付し た瓶を梱包箱 308に収納することで、この瓶の封印として使用される ICタグは、外部 力 ICタグの機能変化の有無を確認することにより、梱包箱 308を開けること無ぐ瓶 の破損や内容物の漏れの有無を確認することができる。
[0090] 以上のように、「切り離し判定に用いる線路力 容易に切断されるように意図的に( 故意に)構成にした ICタグ」の構成例として、線路の配線レイアウトや、 ICタグの基板 素材について工夫した実施例を挙げて説明した。し力しながら、故意に切り離し判定 に用いる線路力 容易に切断されるように構成にした ICタグ」の実現方法は、前記実 施例に限定されるものではない。切り離し判定に使用する線路自体を、機械的強度 の小さい「導電性インク」、或いは腐食等の化学反応による機械的強度の劣化や、電 気抵抗の増大が発生する亜鉛やアルミ-ユウム等の素材を採用するなどしても良い。
[0091] 図 21(a)から ( までに、 ICタグの切り離し可能部分 A1或いは A2を、タグ力も切り 離して、初めて取得可能となる位置に、個別の ICタグの識別と ICタグの機能変更に 必要な情報 (データの入出力承認のアクセスコード、或いはデータの入出力制限の 変更の設定コード等)が配置された、切り離し可能部分の数 n= 2の本発明の ICタグ の構成例を示す。
[0092] 図 21のタグは、
1)情報 2 (402)は、 A1が A2から切り離されて、初めて情報の取得が可能。
[0093] 2)情報 3 (403)は、 A2が B力も切り離されて、初めて情報の取得が可能。
[0094] となるように、図 21の断面図である図 22に示すように、 1次元バーコードで構成され た情報 1 (401)はタグ A1上に、アルファベットと数字で構成された情報 2 (402)は A 2の A1により覆い隠された部分に、 2次元バーコードで構成された情報 3 (403)は B の A2により覆 、隠された部分に配置されて!、る。
[0095] なお、情報 1、情報 2 (402)、及び情報 3 (403)の配置については、情報 1 (401) は A1上に、情報 2 (402)は A2の表側 (A1に面した側)に、情報 3 (403)は Bの表側 (A2に面した側)に配置する図 22以外にも、
1)情報 1 (401)は A1上に、情報 2 (402)は A1の裏側 (A2に面した側)に、情報 3 (4
03)は A2の裏側(Bに面した側)に配置する。(図 23)
2)情報 2を情報 2a (402a)と情報 2b (402b)に、情報 3 (403)を情報 3a (403a)と情 報 3b (403b)に分割して、情報 2a (402a)を A1の裏側 (A2に面した側)、情報 2b (4 02b)を A2の表側 (A1に面した側)、情報 3a (403a)を A2の裏側(Bに面した側)、 情報 3b (403b)を Bの表側 (A2に面した側)のように、分割した情報を、異なる位置 に分割配置する。(図 24)
等を採用してもよい。
[0096] なお、情報 2や情報 3の配置は、 ICタグの形態 (Al、 A2、及び Bの形状寸法とその 配置)に応じて、少なくともタグの切り離し可能部分 (Al、 A2)を切り離して、情報 2や 情報 3の全てが、初めて取得可能となるように構成されていれば良ぐ必ずしも前記 図 22、図 23、および図 24のように、情報 2 (402)や情報 3 (403)の全てを、タグの切 り離し可能部分が隠す形態に限定するものではない。
[0097] 例えば、 Al、 A2、及び Bの寸法形状が等しい前記図 21の積層型 ICタグに対して、 Al、 A2、及び Bの寸法形状が異なる図 25のような構成の積層型 ICタグの場合、図 2 6 (a) , (b)のように、 A1、A2を切り離さない状態においても、情報 2 (402)や情報 3 ( 403)の一部を確認できるように配置しても良い。いずれかの情報は全て明らかであ つても良い。
[0098] 尚、情報 1 (401)は 1次元バーコード、情報 2 (402)は数字とアルファベット、情報 3
(403)は 2次元バーコードで表記してある。し力しながら、情報 情報 2、情報 3の表 記は、機械で読み取ることが可能なデータ表示形式、或いは数字、文字、記号等の 人間が読み取ることが可能な表示形式の、 、ずれかの表示形式で表記されて 、れ ばよぐ前記図 21の表記例に限定されるものではない。一部領域が上層から露出し ていても良い。
[0099] 次に、図 27に示すデータ構造の「データの読み出し要求信号」、及び「データの書 き込み要求信号」で、 ICタグに対するデータの読み出し Z書き込みを行なうリーダ Z ライター装置と図 21の本発明の ICタグを用いて、 ICタグの状態とその機能の間に前 記表 4の関係が成り立つが成り立つようにする場合の情報 1 (401)、情報 2 (402)、 及び情報 3 (403)の内容の構成例を図 28に示す。
[0100] 図 28に商品流通の管理ステップ (ICタグの切り離し状態)に合わせて、タグ ID (13 01 )、データ書き込み用アクセスコード(1305)及びデータ読み出し用アクセスコード (1303)の全てが、変化する場合の情報 1 (401)、情報 2 (402)、及び情報 3 (403) の構成を示す。
[0101] 尚、データ書き込み用アクセスコード(1305)力 商品流通の管理ステップに合わ せて変化すれば、一応のデータ改竄防止効果が得られる為、タグ ID (1301)、デー タ書き込み用アクセスコード(1305)、及びデータ読み出し用アクセスコード(1303) の全てを、商品流通の管理ステップに合わせて変化させる必要は無い。
[0102] また、タグ ID (1301)、及びデータ読み出し用アクセスコード(1303)を、別々に設 定する必要は無 、為、タグ ID (1301)とデータ読み出し用アクセスコード( 1303)を 共用する場合には、情報 1 (401)、情報 2 (402)、及び情報 3 (403)の構成を図 29 のようにしても良い。
[0103] 尚、図 28と図 29では、
1) A1に対して割り振ったタグ IDを、情報 1のタグ ID (1301)
2) A2に対して割り振ったタグ IDを、情報 2のタグ ID (1303)
3) Bに対して割り振ったタグ IDを、情報 3のタグ ID (1305)
としている。これは、商品流通の管理ステップ (ICタグの切り離し状態)に合わせて、タ グ ID (1301)を変化させることで、 ICタグの情報のセキュリティを向上させると共に、 タグ本体力 切り離された A1、A2及び Bを独立したタグとして動作させる場合を考慮 したためである。なお、タグ本体から切り離された Al、 A2を独立した ICタグとして動 作させるのでなければ、情報 1のタグ ID (1301)、情報 2のタグ ID (1303)、情報 3の タグ ID (1305)の全てを同じとしても良い。
[0104] 尚、商品流通の管理ステップ (ICタグの切り離し状態)に合わせたタグ ID (1301)、 データ書き込み用アクセスコード(1305)、及びデータ読み出し用アクセスコード( 13 03)は、 ICタグのそれぞれ ICに、以下のように ICタグの作成時に予め書き込んでおく ものとする。
[0105] 以下、 ICタグの作成過程の一例を示す。
[0106] 1) Bのみの状態で、 Bの IC3の記憶装置 3に、 Bに対して個別識別用として割り振ら
れたタグ ID3 (1305)と、 Bの記憶装置の記憶領域 3に対するデータ入力用アクセス コード 3 ( 1306)を書き込む。
[0107] 2)タグ ID3 (1305)とデータ入力用アクセスコード 3 (1306)のデータを情報 3として、 タグ B上に表示する。
[0108] 3) A2のみの状態で、 A2の IC2の記憶装置 2に、 A2に対して個別識別用として割り 振られたタグ ID2 ( 1303)と、 A2と Bの記憶装置の記憶領域 2に対するデータ入力用 アクセスコード 2 ( 1304)を書き込む。
[0109] 4)タグ ID2 (1303)とデータ入力用アクセスコード 2 (1304)のデータを情報 2として、 タグ A2上に表示する。
[0110] 5) A1のみの状態で、 A1の IC1の記憶装置 1に、 A1に対して個別識別用として割り 振られたタグ ID1 (1301)と、 Al、 A2及び Bの記憶装置の記憶領域 1に対するデー タ入力用アクセスコード 1 (1302)を書き込む。(ステップ 1904)
6) Bの上に A2を、 A2の上に A1を積層して、全ての線路を接続し、 ICタグを完成す る。
[0111] なお、先に Al、 A2、 Bに、情報 情報 2、及び情報 3を貼付し、 Al、 A2、 Bを積層 、全ての線路を接続した後で、情報 1、情報 2、及び情報 3を、それぞれ Al、 A2、 B の ICに書き込んでも良い。
[0112] 本実施の形態による ICタグの、外部からの入力要求、出力要求に対する ICタグで の処理の流れを、 A1が切り離された図 21の本実施の形態による ICタグの動作を例 に説明する。 A1が切り離された時点での図 21の本出願発明の ICタグに対して、デ ータの出力(読み出し)要求が出された際の動作に関して図 30に示すフローチャート 図を参照しつつ説明を行う。
[0113] 1)データ処理回路が外部からデータの読み出し要求(出力要求)を受信。(ステップ 201)
2)読み出し要求に含まれるタグ ID (1201)と読み出し用アクセスコード( 1203)、 IC 2の記憶装置 2に格納されているタグ ID (1303)と読み出し用アクセスコード(1308) の、 2種類のデータが一致するか否かをチェックする。 (ステップ 202)
3) 2種類のデータが一致した場合は、データ出力要求を受諾 (ステップ 203 : S203)
し、 ICタグの記憶装置の記憶領域 1と 2からデータを読み出し、これをリーダ Zライタ 側に送信 (ステップ 204: S204)した後、処理を終了する。
[0114] 4)これに対して、ステップ 202で、 2種類のデータが一致しない場合は、データ出力 要求を拒否 (ステップ 205: S205)し、データ読み出し拒否をリーダ Zライタ側に送信
(ステップ 206: S206)して処理を終了する。
[0115] 次に、本実施の形態による ICタグの、外部からの入力要求、出力要求に対するタグ における処理の流れを、 A1が切り離された図 21の本出願発明の ICタグの動作を例 に説明する。 A1が切り離された時点での図 21の本出願発明の ICタグに対して、デ ータの入力(書き込み)要求が出された際の動作に関して図 31aに示すフローチヤ一 ト図を参照しつつ説明を行う。
[0116] 1)データ入力(書き込み)要求を受信。(ステップ 211 : S211)
2)読み出し要求に含まれるタグ ID (1201)、読み出し用アクセスコード(1205)と、 I C2の記憶装置 2に格納されているタグ ID (1303)、書き込み用アクセスコード(1304 )の 2種類のデータが、一致するか否かをチェックする。 (ステップ 212)
3) 2種類のデータが一致した場合は、 ICタグが正しい状態(「A1は、タグ力も切り離 され、 A2は Bと接続されている。」)にある力否かを確認する。(ステップ 213)
4)ステップ 213で ICタグが正しい状態にあると確認された場合は、データ入力要求 を受諾 (ステップ 214: S 214)し、 ICタグの記憶装置の記憶領域 2に対して書き込み データ( 1206)を入力(書き込み)。 (ステップ 215: S215)
5)データ入力(書き込み)が行なわれたことをリーダ Zライタ側に送信 (ステップ 216: S216)した後、処理を終了する。
[0117] 6)ステップ 212で、 2種類のデータが一致しない場合は、データ入力要求を拒否 (ス テツプ 217: S217)し、データ読み出し拒否をリーダ Zライタ側に送信 (ステップ 218:
S218)して処理を終了する。
[0118] 7)ステップ 213で ICタグが正しい状態にないと確認された場合は、データ入力要求 を拒否 (ステップ 217: S217)し、データ読み出し拒否をリーダ Zライタ側に送信 (ス テツプ 218: S218)して処理を終了する。
[0119] 尚、ステップ 213の ICタグの状態確認は、 IC2の B切り離し判定回路 2の判定結果
と、 IC2の Al切り離し判定回路 1の判定結果を用いて確認するものとする。
[0120] 以上のように、 ICタグの状態 (切り離し状態)に対応したタグ ID、 ICタグの状態に対 応したデータ書き込み用アクセスコード、及びデータ読み出し用アクセスコードを、 IC タグに表示された情報力も取得しない限り、 ICタグに対するデータの書き込みデータ 読み出しができな 、ようになって 、る。
[0121] 図 31bは、本実施の形態による ICタグの商品流通過程での処理の流れを示すフロ 一チャート図である。
[0122] 1)メーカーは、商品を出荷する前に、上記切り離し可能な部分を供えたタグを貼り付 ける。
[0123] 2)タグを貼り付けた後で、タグの表面 (A1)に表示されている情報 1をリーダー Zライ ター装置で読み取り、リーダー Zライター装置を使用して、メーカーコード(1814)、 型名(1815)、バージョン(1816)、製造番号(1817)、修理履歴(1818)等のデー タを、 ICタグの記憶装置のメーカー用の記憶領域に書き込む。なお、 ICタグを貼り付 ける場所は、カードリーダー Zライター等の装置を使用して読み書き可能な位置であ ればどこでもよ ヽ。 (ステップ 1901 : S1901)。
[0124] 3)メーカーは、必要なデータを書き込んだ (ステップ 1901 : S1901)の後、タグから A 1を切り離し、情報 2が取得可能な状態として、商品を販売店へと出荷する。(ステツ 7°1902 : S1902)
4)販売店は、入荷した商品に貼付された ICタグから、情報 2をリーダー Zライター装 置で読み取り、これ用いて販売店用記憶エリアに入荷日、販売店コード等のデータ を書き込む。(ステップ 1903 : S 1903)
5)販売時に商品を消費者へ渡す際、販売店は、販売店用記憶エリアに購入日付、 販売価格、販売店独自の保証内容があればその内容等を書き込む (ステップ 1904 : S1904)。
[0125] 6)販売店では販売店用記憶エリアにデータを書き込んだ後、 ICタグから A2を切り取 り、情報 3が取得可能な状態として、消費者に商品を渡す。これにより、商品に貼り付 けられているタグは、タグ Bのみの構成となる。(ステップ 1905 : S1905)
7)商品を購入した消費者は、 ICタグのデータをタグ Bに表示された情報 3をリーダー
Zライター装置で読み取り、リーダー Zライター装置を使用して、必要に応じてユー ザ用記憶エリアにデータを書き込むことが可能である。(ステップ 1906: S 1906)。
[0126] 尚、本実施の形態による ICタグの説明では、データの格納や、外部のリーダ Zライ ターとのやり取りに用いるデータの形式や構造を、予め特定の 1種類に固定して使用 することを前提とした場合を挙げて説明している。しかしながら、 ICタグで使用されて いるデータフォーマットには、図 32の Auto- IDデータフォーマット(96ビットの EPCコ ード体系)や図 33のュビキタス ID (128ビットの Ucode)等、複数のデータフォーマット が存在する為、用途や情報の種類に応じて、 ICタグで使用するデータフォーマットを 簡単に変更できる ICタグが望まれて 、た。
[0127] 以下に、使用に際して ICタグで使用するデータフォーマットを簡単に変更できる「初 期設定手段」を備えた、タグ本体 Bからの切り離し可能部分の数 nが、 n= 2の本発明 の ICタグを図 34に示す。
[0128] 尚、図 34の ICタグの構成は、「初期設定手段」を備えた切り離し可能部分 A1を除 き、先に説明した図 1と同じである。
[0129] 図 34の切り離し可能部分 A1に設けられた「初期設定手段」は、 IC1 (10)から出て 各々共通電源線 4に接続されている配線 Sl、 S2、 S3、 S4と、交差するように設けら れている切込み線 C1〜C4である。この切込み線 C1〜C4は、人間の力で容易に切 断できる程度の切込みが形成されており、切込み線 C1〜C4の切断に応じて、
1)切込み線 C 1は配線 S 1のみ
2)切込み線 C 2は配線 S1及び S 2
3)切込み線 C3は配線 S1から S3まで
4)切込み線 C4は配線 S1から S4までの全て
が切断されるように構成されて 、る。
[0130] 図 35は、紙、プラスチック等の絶縁体上に構成された、図 34の ICタグの構造を示 す斜視図である。図 35に示すように、切込み線 C1〜C4までは、絶縁性基板 90の上 面から下面まで断続的に形成された貫通孔を有しており、これにより、ユーザの意志 に基づいて任意の切込み線 C1から C4までを切断することができる。
[0131] 図 36は、図 34の IC1 (10)の構成例を示す機能ブロック図である。 IC1 (10)のデー
タ処理回路 1は、線路 S1から S4までのぞれぞれに対応した入力を備え、上記 Cl〜 C4切り込み線による SIから S4の配線の切断の有無に応じて、 S1から S4によるデー タ処理回路 1への入力電位が変化するように構成されている。
[0132] 具体的には、図 34の上記 C1〜C4切り込み線を利用して、配線 S1から S4のいず れかを切断すると、少なくとも図 36のデータ処理回路 1の入力 S1から S4のいずれか の入力電位の 1つが「H」→「L」に変化し、 ICタグ種類設定モードとなる。そして、図 3 6のデータ処理回路 1では、データ処理回路 1の入力 S1から S2の入力電位に応じて ICタグで証するデータフォーマットの種類を決定し、 IC1はこれをタグの他の IC (IC2 、 IC3)に通知する。なお、 ICタグの種類等をどのように設定するかに関しては、予め 記憶回路 1 (18)に格納していたデータフォーマットと処理プログラムを、データ処理 回路 1の S1から S4の入力電位の組み合わせに応じて選択する程度でよい。
[0133] 以上のように、 ICkと ICk+1が電気的に接続され、 ICタグ力も Α1、 Α2· ··Αηと順次 切り離していくことで、タグに所望の機能変化を生じさせる ICタグについて説明してき た。
[0134] 次に、本発明の他の実施の形態による ICタグであって、非切り離し部 Βを中心に、 その周囲にタグの切り離し可能部分 A1から Anを配置して、切り離し可能部分の ICk と非切り離し部分 Bの ICn+1が、電気的に接続された ICタグの構成と構造を、タグ本 体 (B)からの切り離し可能部分の数 n力 n= 2である ICタグについて、図 37を参照し つつ説明を行う。
[0135] 図 37に示す ICタグは、図 1の ICタグと以下の点で異なる。
[0136] 1)切り離し可能な部分 A2と非切り離し部分 B (タグ本体)の配置が入れ替わり、非切 り離し部分 B (タグ本体)を中心として、これに切り離し可能な部分 Al、部分 A2が接 続配置されている。
[0137] 2)信号線路 L1が、 ICl (lO)と IC3 (30)を結ぶ。(信号線路 L1は、 A1が B力も切り 離された場合、切断される。 )
3)信号線路 L2が、 IC2 (20)と IC3 (30)を結ぶ。(信号線路 L2は、 A2が B力も切り 離された場合、切断される)
4) IC3 (30)が中心となり、 ICl (lO)と IC2 (20)を制御するいわゆる集中制御型の構
成を有している。
[0138] ことと、配線の呼称等を除き基本構成は同じである。
[0139] 尚、 IC1 (10)、 IC2 (20)、及び IC3 (30)から、共通 GNDに接続されている線路 S L13、 SL31は、 A1部分が切り離された場合に、線路 SL23、 SL32は、 A2部分が 切り離された場合に、それぞれ切断されるように、部分 A1と部分 Bとの切り離し境界 線、或 、は部分 A2と部分 Bとの切り離し境界線に跨るレイアウトで配線されて 、る。 線路 SL13、 SL31、 SL23、及び SL32は、線路切断によって発生する線路のインピ 一ダンスの変化を検出し、 A1部分、或いは A2部分の切り離し判定に用いる為に設 けられた線路である。
[0140] また、図 37の ICタグを、必要に応じて任意のタグの切り離し可能部分 Akを切り離 すことで、 ICタグの機能を選択する場合には、図 38に示すように、 ICタグの機能を選 択指定する為の情報 (情報 1〜3)を、 ICタグ上に表示することが望ましい。また、図 3 9は、図 37の構造に対応する ICタグの斜視図である。
[0141] 図 40は、 IC1の機能ブロック図である。 IC1 (10)は、受信信号の一部を、電力に変 換する電源回路 11と、タグの外部インタフェースであるアンテナ 1に対して信号の受 信'送信を行なう受信回路 12と、エンコードされたデータを変調する変調回路 13と、 受信信号を復調する復調回路 14と、送信データのエンコード、及び受信データのデ コードを行なうエンコード Zデコード回路 15と、エンコード Zデコード回路 15、或いは 信号線 L1を介して送られてきたデータの処理を行なうデータ処理回路 1 (16)と、記 憶装置 1 (18)と、データ処理回路 1 (16)と記憶装置 1 (18)との動作をタグの状態に 応じて制御する制御回路 1 (17)と、部分 A1が部分 Bから切り離されたか否かを、部 分 A1自身が判定する A1切り離し判定回路 1 (19)と、を有している。
[0142] 図 41に、 IC2 (20)の構成例を示す機能ブロック図を示す。図 41に示すように、 IC 2 (20)は、受信信号の一部を、電力に変換する電源回路 11と、タグの外部インタフ エースであるアンテナ 2に対して信号の受信 ·送信を行なう送受信回路 12と、ェンコ ードされたデータを変調する変調回路 13と、受信信号を復調する復調回路 14と、デ ータのエンコード及びデコードを行なうエンコード Zデコード回路 15と、データの処 理を行なうデータ処理回路 2 (21)と、記憶装置 2 (23)と、データ処理回路 2 (21)と
記憶装置 2 (23)との動作を、タグの状態に応じて制御する制御回路 2 (22)と、部分 A2が部分 B力 切り離された力否かを、部分 A2が判定する A2切り離し判定回路 1 ( 24)と、を有している。
[0143] 図 42は、 IC3 (30)の構成例を示す機能ブロック図である。図 42に示すように、 IC3
(30)は、本実施の形態による ICタグの中核をなし、 2つの切り離し可能な部分の IC1 (10)と IC2 (20)とを集中的に制御している。 IC3 (30)は、受信信号の一部を電力に 変換する電源回路 11と、タグの外部インタフェースであるアンテナ 3に対して信号の 受信'送信を行なう送受信回路 12と、エンコードされたデータを変調する変調回路 1 3と、受信信号を復調する復調回路 14と、データのエンコード及びデコードを行なう エンコード Zデコード回路 15と、データの処理を行なうデータ処理回路 3 (31)と、記 憶装置 3 (33)と、データ処理回路 3 (31)と記憶装置 3 (33)との動作を、タグの状態 に応じて制御する制御回路 3 (32)と、部分 A1が部分 B力 切り離されたか否かを、 部分 Bが判定する A1切り離し判定回路 2 (34)と、部分 A2が部分 Bから切り離された か否かを、部分 Bが判定する A2切り離し判定回路 2 (35)とを有している。尚、切り離 し可能な部分がさらに多く設けられている場合には、その数だけの切り離し判定回路 が設けられる。
[0144] 尚、 IC1 (10)、 IC2 (20)、 IC3 (30)の記憶装置 1 (18)、記憶装置 2 (23)、記憶装 置 3 (23)の構成は、切り離し可能な部分の切り離しの順序力 Al、 A2と決まってい る場合は、図 7a、図 7b、図 7cと同じでよい。しかし、切り離し可能な部分の切り離しの 順序力 決まっていない場合には、 IC2 (20)記憶装置 2は、図 43のようにしても良い
[0145] 図 44は、本実施の形態による切り離し可能な部分の切り離しの順序が決まってい ない ICタグに関する処理の流れを示すフローチャート図である。 処理を開始し (ステ ップ S2001)、ステップ S2002において、リーダ/ライタからの要求を ICタグが受信す る。ステップ S 2003において、要求信号のデータに含まれる IDコードを確認する。ス テツプ S2004において、 IDコードは、 Al、 A2、 Bの何れかに関して判定を行う。その 結果、 A1と判定された場合には、ステップ S2005に進み、 Bと A1とが接続されてい るカゝ否かを判定する。
[0146] 接続されている場合には (YES)ステップ S2006に進み、記憶領域 1に対するデー タ読み出しと書き込み要求とに従い、処理を終了する (ステップ S 2007)。ステップ S2 005において、 NOの場合には、ステップ S2008に進み、記憶領域 1のデータ読み 出し要求には従うが、書き込み要求は拒否し、ステップ S2007に進む。
[0147] ステップ S2004において、 A2であった場合には、ステップ S2009において Bと A2 が接続されているか否かを判断する。接続されていれば (YES)、ステップ S2010に 進み、記憶領域 2に対するデータ読み出しと書き込み要求に従い、ステップ S 2007 に進む。 NOの場合には、ステップ S 2011に進み、記憶領域 2のデータ読み出し要 求には従うが、書き込み要求は拒否し、ステップ S2007に進む。
[0148] ステップ S2004において、 Bの場合には、ステップ S2012に進み、 Bだけであるか 否かを判定する。 Bだけの場合には (YES)、ステップ S2013に進み、記憶領域 1と 2 とのデータ読み出し要求には従うが、書き込み要求は拒否し、記憶領域 3のデータ読 み出し'書き込み要求には従い、ステップ S2007〖こ進む。 NOの場合には、ステップ S2014に進み、記憶領域 1と 2のデータ読み出し要求には従うが、書き込み要求は 拒否する。記憶領域 3のデータ読み出しと書き込み要求は拒否し、ステップ S2007 に進む。前記図 44のように、 IDコード (ICタグの機能を選択指定するための情報)を 用いて、 ICタグの利用する機能と、それに対応するタグを指定することで、 ICタグを A kの切り離し順序に囚われずに使用できる。なお、前記図 44の動作を実現するため には、非切り離し部分 Bが、 A1から Anの切り離し可能部分の IC (IC1から ICn)を、 集中管理 (制御)することが望ま U、。
[0149] 次に、より具体的なタグの応用例について説明する。図 45は、本実施の形態による ICタグを利用したクーポン券の構成例を示す図であり、簡単のため形状がわ力るよう に上面力も見た図を示している。図 45に示すように、 ICタグ本体は部分 Bであり、こ の部分 Bをノヽブとして、他の切り離し可能な部分 A1から A5までを集中管理している
[0150] 図 45に示すように、 ICタグを利用したクーポン券は、遊園地などで良く利用され、 アトラクションに乗る度に切り離されていぐいわゆる切り離しが可能なチケットセットの ように平面的に配置されている。部分 A1〜A5までは、クーポン用 ICタグとして、各々
のクーポン券が識別可能なクーポンコードを記憶領域内に保持している。
[0151] まず店舗においてクーポン券を受け取りこれの使用を開始する時に、初期化処理と して部分 A1〜A5およびタグ本体 Bの記憶領域に使用者のプロファイル情報を設定 する。ここで言う使用者のプロファイル情報とは、例えば性別や年齢、職業などのクー ボン使用者の傾向が分析できるような情報を指す。使用者がクーポンを初めて使用 する時、例えば部分 A1を使用可能な店舗で A1のクーポン券が切り離されると、配線 Lのうち切り離された部分 A1のクーポンコードがタグ本体 Bの記憶領域に保存される 。これ以降、使用者はタグ本体 Bをリーダ Zライタ装置などにかざすことによって、部 分 A1のクーポン券によるメリットを享受することができるようになる。また部分 A1は店 舗側に残るため、集まった ICタグをタグリーダにかけることによって店舗側では部分 A 1の記録装置に記録されているユーザのプロファイル情報に基づいて、来店者等の 傾向を把握 ·分析すること可能となり、マーケティング戦略を立案する際等に役立てる ことが可能となる。尚、 Al、 B、 A5、 A2、 A4の順番に部分タグが切り離された場合に は、タグ本体 Bがその切り離しを順次検知し、切り離し順序を記憶しておくことも可能 である。従って、タグ本体 Bをリーダ/ライタにかざすことで、クーポン券が使用された 川頁番ち知ることができる。
[0152] また、タグ本体 Bを中心に集中制御されることにおり、タグがシリーズに接続され、端 部のタグがタグ本体となる場合に比較して構成が簡単になる。また、タグ本体 Bがハ ブのように機能して他のクーポン券 A1から A5までを管理するため、タグ A1から A5ま での使用順序に関係なぐ切り離し可能なタグとしての機能を発揮することができる。
[0153] 尚、ここではクーポン券として使用する例について説明した力 同様な機能を果た すものであれば、適用可能である。例えば種々の箇所を移動する際に用いられる周 遊券や遊園地等の各種チケットなどに適用が可能である。
[0154] また、ここでは図 9に示す例を ICタグの形状として説明した力 これに限定されるも のではなぐ Akは Bを介して接続されて ヽればどのような形をして ヽても良!、。
[0155] 以上のように、 A1から Anの切り離し可能部分の IC (IC1から ICn)力 非切り離し部 分 Bが集中管理 (制御)することで、 Akの切り離し順序にとらわれない用途に用いるこ とがでさる。
産業上の利用可能性
本発明の ICタグは、データの改竄に対する耐性 (セキュリティ)に優れ、商品の貼付 した場合、商品毎の流通履歴の把握が容易にできる。また、 ICタグを貼付する物品 の種類 (取り扱いに注意が必要力否かの種別)に応じて、 ICタグの切り離し可能部分 の切り離しによる機能変更を、 ICタグを貼付された物品の破損の有無の確認にも利 用できる。このような特徴から、本発明の ICタグは、商品の流通管理システム、在庫 管理システム、品質管理システム、盗難防止システム、及び電子チケット等に広く適 用できる。