力ルバぺネムの合成中間体の製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、力ルバぺネムの合成中間体の製造方法、該製造方法に使用するため の中間体、およびそれを利用した力ルバぺネムの製法に関する。
背景技術
[0002] 1 βーメチルカルボン酸、詳しくは下記の 4 β ~(1 βーメチルー 1 カルボキシ ) 2 ーァゼチジノン(3)は、力ルバぺネム系抗菌剤の重要な合成中間体であり、これまで に多くの合成法が知られている(参考:非特許文献 1)。その中で、市販化合物 4から 安価かつ容易に製造できる公知の 4 18— (1 βーメチルー 2 カルボキシー 2 プロべ 二ル)一 2—ァゼチジノン (1)を出発原料に用いる合成法としては、過マンガン酸塩を 用いる酸ィ匕反応が知られているだけである (参考:特許文献 1、非特許文献 2)。当該 方法は、重金属である過マンガン酸塩を多量に用いるため環境負荷が高ぐまた 1か らの単離収率も 60%以下と低く、工業的製法としては満足の 、く方法ではな!/、。
[化 1]
また 1 13ーメチルカルボン酸のオゾン酸ィ匕を利用した合成法も知られている力 以 下に示すように、いずれも上記化合物 1のビニル基部分が非置換である化合物 7を 酸化する反応である(参照:非特許文献 3〜5、特許文献 2)。
化 7→8 :非特許文献 3
化 7→8→8':非特許文献 4
化 7→8 ':非特許文献 5
化 7→9:特許文献 2、参考例 13
また一般に酸存在下での脱カルボ-ルまたは脱炭酸を伴うオゾン酸ィ匕は、異常分 解反応の一つであると認識されており、以下のような反応が公知であるがあまり例は 多くな!/ヽ (参照:非特許文献 6等)
[化 3]
特許文献 2:特開昭 63 - 112558
非特許文献 l : Berks, A. H. Tetrahedron 1996, 52, 331-375
非特許文献 2 : Itani, H.; Uyeo, S. Synlett 1995, 213
^^特許文献 3 :Aratani, M.; Hirai, H.; Sawada, K.; Yamada, A.; Hashimoto, M. Tetra hedron Lett. 1987, 26, 223.
非特許文献 4 : Ona, H.; Uyeo, S.; Motokawa, K.; Yoshida, T. Chem. Pharm. Bull, 1 985, 33, 4346.
非特許文献 5 : Ponsford, R. J.; Roberts, P. M.; Southgate, R. J. C. S. Chem. Comm., 1979, 847.または Bateson, J. H.; Quinn, A. M.; Southgate, R. Tetrahedron Lett. 19
87, 28, 1561.
非特許文献 6 : Rakhit, S.; Gut, M. J. Org. Chem., 1964, 29, 229.
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0003] 力ルバぺネム類の製造原料等として有用な前記化合物 3に例示される 1 アルキ ルカルボン酸、好ましくは 1 β アルキルカルボン酸を工業的に効率よく製造する方 法が求められている。
課題を解決するための手段
[0004] 本発明者らは鋭意検討した結果、前記化合物 1に例示されるアクリル酸誘導体をォ ゾン酸ィ匕することにより、 1—アルキルカルボン酸を効率よく製造できることを見出し、 以下に示す本発明を完成した。
(1)式:
(式中、 Rは、オゾン酸ィ匕に悪影響を与えない置換基で置換されていてもよい j8—ラ クタム環基; は、水素、またはオゾン酸ィ匕に悪影響を与えない置換基で置換されて V、てもよ 、低級アルキル)で示される化合物(I)またはその塩をオゾン酸ィ匕する工程 を包含する、式:
(式中、 Rおよび Rは前記と同意義)で示される化合物 (III)またはその塩の製造方法
(2)化合物 (I)またはその塩をオゾンで酸ィ匕することにより得られたィ匕合物を、酸ィ匕処 理または塩基処理する工程を包含する、上記 1記載の製造方法。
(3)化合物 (I)またはその塩をオゾンで酸ィ匕することにより得られたィ匕合物を、過酸ィ匕 水素で酸化処理する工程を包含する、上記 1記載の製造方法。
(4)オゾンによる酸ィ匕を酸存在下で行う、上記 1〜 3のいずれかに記載の製造方法。
(5)オゾンによる酸ィ匕を酢酸存在下で行う、上記 1〜3のいずれかに記載の製造方法
(6)以下の工程:
(第 1工程)
式:
(式中、 Rは、オゾン酸ィ匕に悪影響を与えない置換基で置換されていてもよい j8—ラ クタム環基; は、水素、またはオゾン酸ィ匕に悪影響を与えない置換基で置換されて V、てもよ 、低級アルキル)で示される化合物(I)またはその塩をオゾンで酸ィ匕した後、 還元処理することにより、式:
[化 7]
(式中、 Rおよび は前記と同意義)で示される化合物 (Π)またはその塩を得る工程、 および
(第 2工程)
化合物(II)またはその塩を酸ィ匕する工程を包含する、上記 1記載の化合物(III)また はその塩の製造方法。
(7)式:
(式中、 Rは、オゾン酸ィ匕に悪影響を与えない置換基で置換されていてもよい j8—ラ クタム環基; は、水素、またはオゾン酸ィ匕に悪影響を与えない置換基で置換されて V、てもよ 、低級アルキル; R'はカルボキシ保護基)で示される化合物(I, )またはその 塩の R'部分を脱保護して化合物 (I)またはその塩を得る工程を包含する、上記 1〜6 の!、ずれかに記載の製造方法。
(8)化合物 (I)またはその塩を単離せずに行う、上記 7記載の製造方法。
(9)式:
(式中、 Rは、オゾン酸ィ匕に悪影響を与えない置換基で置換されていてもよい j8—ラ クタム環基; は、水素、またはオゾン酸ィ匕に悪影響を与えない置換基で置換されて V、てもよ 、低級アルキル)で示される化合物(II)またはその塩を酸ィ匕する工程を包含 する、上記 1記載の化合物(III)の製造方法。
(10) は低級アルキルである、上記 1〜9のいずれかに記載の製造方法。
(11) Rはメチルである、上記 1〜9のいずれかに記載の製造方法。
(12) Rは 1 /3—メチルである、上記 1〜9のいずれかに記載の製造方法。
(13) Rが式:
(式中、 R1は水素またはオゾン酸ィ匕に悪影響を与えない置換基; R2は水素またはイミ ノ保護基)で示される ι8—ラタタム環基である、上記 1〜9のいずれかに記載の製造
方法。
( 14) Rが式:
(式中、 R1は水素または保護されて 、てもよ 、ヒドロキシで置換されて 、てもよ 、アル キル; R2は水素またはィミノ保護基)で示される j8—ラタタム環基である、上記 1〜9の Vヽずれかに記載の製造方法。
( 15) Rが式:
[化 12]
(式中、 R2は水素またはィミノ保護基; R3はヒドロキシ保護基)で示される β—ラタタム 環基である、上記 1〜9のいずれかに記載の製造方法。
( 16) は低級アルキルであり、 Rが式:
(式中、 R1は水素または保護されて 、てもよ 、ヒドロキシで置換されて 、てもよ 、アル キル; R2は水素またはィミノ保護基)で示される j8—ラタタム環基である、上記 1〜9の
Vヽずれかに記載の製造方法。
( 17) Rは低級アルキルであり、 Rが式:
[化 14]
(R七)
(式中、 R2は水素またはィミノ保護基; R3はヒドロキシ保護基)で示される β—ラタタム 環基である、上記 1 9のいずれかに記載の製造方法。
(18)式:
[化 15]
(式中、 Rは水素または低級アルキル; R1は保護されていてもよいヒドロキシで置換さ れて 、てもよ 、アルキル; R2は水素またはィミノ保護基)で示される化合物(1—1)また はその塩を、所望により酸存在下、オゾンで酸ィ匕することにより得られた化合物を、酸 化処理または還元処理する工程を包含する、式:
[化 16]
(式中、 R° R1および R2は前記と同意義)で示される化合物(III— 1)またはその塩の 製造方法である、上記 1記載の製造方法。
(19)式:
(式中、 Rは、オゾン酸ィ匕に悪影響を与えない置換基で置換されていてもよい j8—ラ クタム環基; は、水素、またはオゾン酸ィ匕に悪影響を与えない置換基で置換されて
V、てもよ 、低級アルキル)で示される化合物(II)またはその塩。
(20)式:
[化 18]
(式中、 Rは低級アルキル; R1は保護されたヒドロキシで置換されていてもよいアルキ ル; R2は水素またはィミノ保護基)で示される化合物(II— 1)またはその塩である、上 記 19記載の化合物。
(21)式:
[化 19]
(式中、 R2は水素; R3はヒドロキシ保護基)で示される化合物(II— 2)またはその塩で ある、上記 19記載の化合物。
(22)式:
[化 20]
(式中、 R3はヒドロキシ保護基)で示される化合物 (I卜 3)またはその塩である、上記 19記載の化合物。
(23) R3はアルキルシリルである、上記 22記載の化合物またはその塩。
発明の効果
本発明は、オゾン酸ィ匕を利用してアクリル酸誘導体から 1—アルキルカルボン酸類
を効率よく製造する方法を提供する。特に酸存在下でオゾン酸化することにより高収 率で目的物が得られる。また、酸化反応後の後処理手段を選択することにより、 1 β アルキルの a体への異性ィ匕を制御することも可能である。また本発明は新規中間 体も提供する。
発明を実施するための最良の形態
本発明中、各用語は特に断らない限り、単独または併用で、以下の意味を示す。 は、水素またはオゾン酸ィ匕に悪影響を与えな 、置換基で置換されて 、てもよ!/ヽ 低級アルキルであり、好ましくは水素または低級アルキル(例: C1〜C6アルキル)で ある。より好ましくは、低級アルキル、特にメチルであり、さらに好ましくは、 β—ラクタ ム環に対する立体配置が j8配位である。よって特に好ましくは 1 j8—メチルである。
Rは、オゾン酸ィ匕に悪影響を与えない置換基で置換されていてもよい j8—ラタタム 環基である。該置換基は同一または異なり、 β ラタタム環上の置換可能な位置に 1 〜3個、好ましくは 1〜2個置換し得る。該置換基は、より好ましくは j8—ラタタム環の 3位の炭素原子に 1個置換し、特に好ましくは、前記の置換されていてもよいアルキ ル(好ましくは C1〜C10アルキル、より好ましくは C1〜C6アルキル)であり、さらに好 ましくは、保護されたヒドロキシで置換されて 、てもよ 、アルキルである。
「オゾン酸ィ匕に悪影響を与えな 、置換基」とは、化合物 (I)のオゾン酸ィ匕を行う上で 、立体環境的または電子環境的にオゾン酸ィ匕に悪影響を与えない基を意味する。好 ましくは、自身もオゾン酸ィ匕によって酸ィ匕されにくい基であり、より好ましくは、オゾン に対して反応性の高い構造や官能基 (例:炭素間不飽和結合、アルデヒド、ァセター ル化アルデヒド、アミ入 1級ァミン、スルフイド、ホスフィン)をその構造中に含まない 基である。但し、保護基で保護された官能基 (例:保護アミノ、保護ヒドロキシ)は存在 していてもよい。「オゾン酸ィ匕に悪影響を与えない置換基」は、より好ましくは、 1)置 換されていてもよいアルキル、好ましくは低級アルキル (例:炭素数 1〜6)、より好まし くは炭素数 1〜4の低級アルキル(例:メチル、ェチル、 n—プロピル、イソプロピル、 n ブチル等)、 2)置換されていてもよいシクロアルキル、好ましくは炭素数 3〜6のシ クロアルキル(例:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル)、 3 )置換されて!、てもよ 、シクロアルキル低級アルキル等である。「置換されて 、てもよ
い」の置換基としては、保護されていてもよいヒドロキシ、保護されたァミノ、保護され ていてもよいカルボキシ、低級アルキル、ハロゲン、低級アルコキシ、ハロゲン化低級 アルキル、ハロゲンィ匕低級アルコキシなどが例示され、より好ましくは、保護されてい てもよぃヒドロキシである。
Rは、より具体的には、
式:
(式中、 R1は水素またはオゾン酸ィ匕に悪影響を与えない置換基; R2は水素またはイミ ノ保護基)で示される β—ラタタム環基である。
R1は好ましくは、水素または前記の置換されていてもよいアルキルであり、さらに好 ましくは、保護されて 、てもよ 、ヒドロキシで置換されて!、てもよ!/、アルキルである。
R2は水素またはィミノ保護基である力 好ましくは水素である。
Rは特に好ましくは式:
[化 22]
(式中、 R2は水素またはィミノ保護基; R3はヒドロキシ保護基)で示される β—ラタタム 環基である。
ヒドロキシの保護基としては、アルキルシリル (例:トリメチルシリル、 t—ブシルジメチ ルシリル)、ァシル(例:ァセチル、ビバロイル)、低級アルキル(例:メチル、ェチル)、 アルコキシアルキル(例:メトキシメチル、メトキシェチル)、低級アルキルスルホ-ル( 例:メタンスルホ -ル)、アルコキシカルボ-ル(例:メトキシカルボ-ル)、が例示され る力 好ましくは、アルキルシリルである。
ィミノの保護基としては、前記アルキルシリル、置換されていてもよい低級アルキル (
置換基の例:保護されていてもよいカルボキシ)等が含まれる。好ましくは、低級アル ケ-ルォキシカルボ-ル(例:ァリルォキシカルボ-ル)、置換されて 、てもよ 、ァラル キルォキシカルボ-ル(例: p -トロベンジルォキシカルボ-ル)が例示される。 R2の ィミノ保護基は、好ましくは CH CO R4 (R4は、力ルバぺネムの 4位カルボキシの保
2 2
護基 (例:ァリル、 p—-トロベンジル)である。
本発明は、化合物 (I)またはその塩をオゾン酸ィ匕する工程を包含する、化合物 (III) またはその塩の製法を提供する。
本発明の「オゾン酸化」とは、化合物 (I)のビュル部分をオゾンで酸ィ匕して開裂する ことにより目的物に導く反応を意味する。より詳しくは、該酸化反応により生ずる各種 中間体 (例:モルォゾニド、ォゾニド)を安定な生成物に変換するために通常、所望 により行われる後処理 (例:酸化、還元、塩基処理、加水分解等)も含めた工程を意 味する。
オゾン酸ィ匕は、基本的には、当業者に周知のオゾン酸ィ匕の反応条件に従って行え ばよい。当該酸化は、酸化源としてはオゾンを発生させるための電力と酸素のみを必 要とし、重金属などの廃棄物を発生することがないので、環境面で非常に優れた酸 化方法である。具体的には、通常、オゾン発生機力も約 1〜10%のオゾンを含んだ 酸素を反応液中に通じて行う。
使用される溶媒としては、炭化水素(例:ペンタン、へキサン、ヘプタン、シクロへキ サン、石油エーテル)、ハロゲン化炭化水素(例:ジクロロメタン、クロ口ホルム、四塩化 炭素)、アルコール(例:メタノール、エタノール)、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酢酸ェ チル、アセトン、ホルムアミド、ニトロメタン、ァセトニトリル、エーテル(例:テトラヒドロフ ラン、ジェチルエーテル)、水それらの混合溶媒等が例示されるが、好ましくは、酢酸 、酢酸ェチルまたはメタノールである。
反応温度は、通常、 78°C〜室温、好ましくは 78°C〜0°Cである。
酸化反応自体の時間は、通常、数分〜数時間であり、より好ましくは数分〜 30分で ある。
酸ィ匕反応の進行は溶液の色の変化により判断でき、通常、青に着色すればオゾン の導入を停止し、好ましくは窒素置換を行う。
次に、生成した中間生成物を含む溶液を後処理することにより、目的の酸化物へ変 換できる。該酸化物は、化合物(III)である力、またはその中間体である化合物(II)で ある。
本発明は詳しくは、オゾン酸ィ匕時の酸の併用や後処理の方法等によってその態様 が異なる、少なくとも 2ルートの製法を包含する。以下、各ルートについて説明する。
[化 23]
Route A
(ルート A)
本ルートは、化合物(I)またはその塩をオゾン酸ィ匕することにより直接、化合物(III) またはその塩を得る方法である。
具体的には、化合物 (I)またはその塩をオゾンで酸ィ匕することにより得られた中間生 成物を後処理することにより、化合物 (III)またはその塩が得られる。反応温度はより 好ましくは— 50〜0°C、さらに好ましくは— 45〜― 35°Cである。酸化は、反応促進剤 の存在下または非存在下に行われる。反応促進剤としては酸が例示され、好ましくは 酸存在下で酸化が行われる。本反応は酸の添加なしでも進行するが、これは原料化 合物(I)および生成物(III)ともにカルボン酸の構造を持っているためと考えられる。 併用する酸としては、有機酸または無機酸が例示される。
有機酸としては、ギ酸、酢酸、トリフルォロ酢酸、メタンスルホン酸、 p—トルエンスル ホン酸、プロピオン酸、乳酸、マレイン酸、フマール酸、酒石酸、リンゴ酸、クェン酸、 ァスコルビン酸、蓚酸、コハク酸などが例示される。
無機酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが例示される。
好ましくは酢酸またはそれと同程度の酸性度を有する酸 (例:プロピオン酸、コハク 酸)である。特に好ましくは酢酸であり、溶媒の役目も兼ねる。
酸の使用量は、化合物(I)に対して、通常 0. 1〜50当量、好ましくは 1〜30当量、
より好ましくは 3〜20当量、特に好ましくは 5〜15当量である。
上記酸ィ匕により得られた中間生成物 (オゾンィ匕物)の構造は定かではなぐまた一 般に生成するォゾニド以外の中間体が複数が混在している可能性がある。
後処理方法は、中間生成物 (オゾンィ匕物)を化合物 (III)に変換できる種々の方法を 包含するが、好ましくは酸化処理または塩基処理である。
酸化処理の酸化剤としては、過酢酸、過ギ酸、過酸化水素、アルカリ性酸化銀、ク ロム酸、ペルォキシトリフルォロ酢酸、 m-クロ口過安息香酸、さらし粉、ペルォキソホ ゥ酸ナトリウムなどが例示される力 好ましくは過酸化水素、より好ましくは約 10〜30 %の過酸化水素水である。
塩基処理する場合の塩基としては、無機塩基または有機塩基が例示される。
無機塩基としては、水酸ィ匕アルカリ金属(例: LiOH、 NaOH、 KOH)、炭酸アル力 リ金属(例: Li CO、 Na CO、 K CO )、炭酸水素アルカリ金属(例: LiHCO、 Na
2 3 2 3 2 3 3
HCO、KHCO )、水酸化アルカリ土類金属(Mg (OH) 、Ca (OH) 炭酸アル力
3 3 2 2
リ土類金属(MgCO、 CaCO )が例示される。
3 3
有機塩基としては、脂肪族ァミン (例:トリメチルァミン、トリェチルァミン、ジシクロへ キシルァミン、エタノールァミン、ジエタノールァミン、トリエタノールァミン、ブロカイン) 、芳香族ァミン (例:ピリジン、ピコリン、キノリン、ァ-リン)が例示される。
後処理方法によっては、化合物 (I)の 1 j8—メチルの a体への異性化が起きる場合 もあるが、化合物 (III)の単離時の精製 (例:結晶ィ匕)によって分離可能である。該異 性ィ匕をできるだけ防ぐためには、後処理は好ましくは酸ィ匕処理によって行われる。ま た後処理が長すぎると中間生成物または最終物が分解する恐れもある。後処理に要 する時間は通常、数時間〜数十時間、好ましくは 1〜: L0時間、より好ましくは 2〜8時 間、特に好ましくは 3〜6時間である。
本ルートの反応機構は現時点で明らかではなぐまた複数の反応経路をたどってい る可能性も考えられる力 参考までにその 1例を以下に示す。但し、これはあくまで推 測であり本発明を何ら制限するものではない。
(注: AcOH :酢酸(酸の 1例)、 Base :塩基、 Oxidation:酸化)
(ルート B)
本ルートは、化合物 (I)から化合物 (II)を得て、化合物 (III)を得る方法であり、詳しく は以下の工程を包含する。
(第 1工程)
化合物(I)またはその塩をオゾンで酸ィヒ後、発生した中間生成物を還元処理するこ とによりィ匕合物(II)またはその塩を得る工程、および
(第 2工程)
化合物 (II)またはその塩を酸ィ匕または加水分解する工程を経て、化合物 (III)また はその塩を得る工程。
以下、ルート Bの各工程について説明する。
(第 1工程)
[化 25]
化合物 (I)またはその塩をオゾンで酸ィ匕することにより、中間生成物を得る。酸ィ匕条 件は前記の通りである力 本工程は、特に酸などの反応促進剤を添加しなくてもスム ーズに進行する。また反応温度は A/レートに比べて低温が好ましぐより好ましくは 78°C〜― 50°Cである。次に得られた中間生成物を還元反応で後処理することにより 化合物(II)が得られる。該中間生成物は単離していないが、一般のオゾン酸化の反 応機構に照らして、上記 (Γ )で示されるォゾニドを経由していると推測される。
還元処理の方法としては、一般にォゾニドの還元分解反応に使用されるものであれ ば種々のものが使用可能である。例えば、亜鉛末、接触水素化法 (水素 Z金属触媒
(例:白金、ノ《ラジウム、ニッケル、ロジウム))、リンィ匕合物(例:亜リン酸エステル、トリ フエ-ルホスフイン)、ジメチルスルフイド、ヨウ化ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、塩 ィ匕スズ、硫酸鉄等による還元が例示されるが、好ましくはジメチルスルフイドによる還 元である。
還元反応の温度は、通常、 78°C〜50°C、好ましくは 0°C〜室温である。
反応時間は、数十分〜数時間である。
還元処理は、オゾンィ匕に引き続いて、中間生成物を単離することなく速やかに行う のが望ましい。
(第 2工程)
化合物 (II)またはその塩を酸ィ匕または加水分解して、化合物 (III)またはその塩を得 る。
酸化法としては、一般にケトカルボン酸を酸ィ匕してカルボン酸に変換できる方法で あれば、種々の方法が使用できる。酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過塩素酸 、次亜塩素酸、さらし粉、 m-クロ口過安息香酸、ペルォキソホウ酸ナトリウム、過ヨウ素 酸またはその塩、ョードソベンゼン、オゾン、過酸ィ匕カリウムなどが例示される。また臭 化水素酸や光を用いた加水分解などによりカルボン酸に変換してもよい。
溶媒としては、炭化水素(例:ペンタン、へキサン、ヘプタン、シクロへキサン、石油 エーテル)、ハロゲンィ匕炭化水素(例:ジクロロメタン、クロ口ホルム、四塩化炭素)、ァ ルコール(例:メタノール、エタノール)、エーテル(例:テトラヒドロフラン、ジェチルェ 一テル)、酢酸ェチル、アセトン、ホルムアミド、ニトロメタン、ァセトニトリル、水、または それらの混合溶媒等が使用される。
反応温度は、通常、 _78°C〜100°C、好ましくは 0°C〜50°Cである。
反応時間は、数十分〜数時間である。
また、酸化剤に Ca(ClO)等を使用すると、 |8ラタタム環の NHがクロル化 (N-C1)され
2
た化合物が生成する場合もある力 このものを引き続き NaHSO等で還元することによ
3
り、容易に化合物 (III)に誘導できる。このような態様も本発明に包含される。
本製法は、さらに以下の態様を包含する。
[化 26]
化合物 (Γ )またはその塩の R'部分を脱保護して化合物 (I)またはその塩を生成さ せた後、前記の通りルート Aまたは Bの方法によりィ匕合物(III)を得る。化合物(I)また はその塩は、ー且、単離してもよいが、完全に単離せずに反応を行うこともできる。好 ましくは、化合物 (Γ )を脱保護した後の反応液を後処理 (例:水洗、抽出、乾燥)し、 濃縮して得られる残渣に、溶媒を添加し、オゾンを導入すればよい。より好ましくは、 化合物(I ' )から化合物(I)を経由してルート Aに進む反応である。
R'としては、種々のカルボキシ保護基が使用可能であり、例えば低級アルキル (例 :ェチル)、ァラルキル (例:ベンジル)、置換シリル (例:トリメチルシリル)が例示される 。脱保護は、通常のカルボキシの脱保護反応の条件に従って行えばよい。例えば、 アルカリ(例: NaOH)で加水分解すればよい。反応温度は、通常- 20°C〜50°C、好ま しくは氷冷下〜室温である。
化合物(II)は、好ましくは前記化合物(II 1)、より好ましくは化合物(II 2)、特に 好ましくは化合物(II 3)であり、 、ずれも化合物(III)の合成中間体として有用であ る。
本明細書における塩としては、塩基性塩として、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等 のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモ- ゥム塩;トリメチルァミン塩、トリェチルァミン塩、ジシクロへキシルァミン塩、エタノール アミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ブロカイン塩、メダルミン塩、 ジエタノールアミン塩またはエチレンジァミン塩等の脂肪族ァミン塩; Ν,Ν-ジベンジル エチレンジァミン、ベネタミン塩等のァラルキルアミン塩;ピリジン塩、ピコリン塩、キノリ
ン塩、イソキノリン塩等のへテロ環芳香族ァミン塩;テトラメチルアンモ -ゥム塩、テトラ ェチルァモ -ゥム塩、ベンジルトリメチルアンモ -ゥム塩、ベンジルトリェチルアンモ- ゥム塩、ベンジルトリブチルアンモ -ゥム塩、メチルトリオクチルアンモ -ゥム塩、テトラ ブチルアンモ-ゥム塩等の第 4級アンモ-ゥム塩;アルギニン塩、リジン塩等の塩基 性アミノ酸塩等が挙げられる。酸性塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リ ン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、過塩素酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、プロピオン酸塩 、乳酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、クェン酸塩、ァスコ ルビン酸塩等の有機酸塩;メタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン 酸塩、 P-トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;ァスパラギン酸塩、グルタミン酸塩 等の酸性アミノ酸等が挙げられる。
化合物(1)、 (II)はそのままで、または塩として、前記反応に使用される。また化合物 (II)や (III)はフリー体としてまたは塩として得られる。またフリー体は、公知の塩形成 反応に付すことにより容易に各種塩に変換できる。
以下に実施例を示す。実施例 1〜4は Bルート、実施例 5〜8は A/レートの例である 。 a l は、 1 j8—メチルの異性体比を示す。
(略号)
TBS: t -ブチノレジメチノレシリノレ
実施例 1
アクリル酸 l(lO.Og)のジクロロメタン メタノール溶液 (60mL— 15mL)を- 78°Cに冷却 した後、オゾンを 15分間導入し、溶液が青く着色したのを確認した後に窒素置換した 。ジメチルスルフイド (8. lmL)をカ卩えて昇温し、室温下 3時間攪拌した。反応液を水、 N aHSO水溶液、飽和食塩水で洗浄し、 MgSOで乾燥した後濃縮した。へキサン—ジ
3 4
イソプロピルエーテル、次にトルエンージイソプロピルエーテルより結晶化することで ケトカルボン酸 2が得られた (2.7g, 27%)。
Anal. Calcd for C H NO Si: C, 54.68; H, 8.26; N 4.25. Found: C, 54.50; H, 8.23
15 27 5
; N4.51.
JH-NMR (CDC1 ); 0.05 ( 3H, s ), 0.07 ( 3H, s ), 0.86 ( 9H, s ), 1.07—1.24 ( 6H, m ),
3
2.96-2.98 ( 1H, m ), 3.91—4.01 ( 2H, m ), 4.17-4.23 ( 1H, m ), 7.00 ( 1H, s ) ppm
uidd ( s Ήΐ )
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0CZ9T0/S00Zdf/X3d 0簡 900Z OAV
Anal. Calcd for C H NO Si(H O) : C, 55.12; H, 9.05; N 4.59. Found: C, 55.10; H
14 27 4 2 0.2
, 8.74; N4.79.
[化 29]
[0019] 実施例 4
ケトカルボン酸 2(200mg)のジクロロメタン一ァセトニトリル溶液 (1.OmL— 2.0mL)を室 温下攪拌し、さらし粉 (289mg)と酢酸 (0.3mL)を水 3mLに溶解させたものを滴下した。 2. 5時間攪拌した後、反応溶液をジクロロメタンと Na SO水溶液の混液中に注加した。
2 3
溶液の pHを 2に調整して力も有機層を分取し、飽和食塩水で洗浄した。 MgSOで乾
4 燥した後濃縮することで N-クロ口 1 βーメチルカルボン酸 10が無色油状液体として得 られた (167mg, 79%)。
HRMS(FAB+): Calcd for C H NO ClSi: 335.1398; Found: 336.1393
14 26 4
'H-NMR (CDCl ); 0.07 ( 3H, s ), 0.08 ( 3H, s ), 0.88 ( 9H, s ), 1.19 ( 3H, d, J=6.3H
3
z ), 1.36 ( 3H, d, J=6.9Hz ), 2.95 ( IH, qd, J=5.4Hz, 7.2Hz ), 3.25 ( IH, dd, J=2.7H z, 5.7Hz ), 4.16 ( IH, dd, J=5.1Hz, 2.1Hz ), 4.25 ( IH, qd, J=4.8Hz, 6.3Hz ) ppm こ :のの I1I0を NaHSOにより還元することで 1 βーメチルカルボン酸 3を得た c
[化 30]
[0020] 実施例 5
アクリル酸 l(l.OOg)の酢酸ェチル溶液 (8.0mL)に酢酸 (1.74mL)をカ卩えて- 40°Cで攪 拌した。オゾンを 15分間導入し、溶液が薄青く着色したのを確認した後に窒素置換し た。 30%過酸ィ匕水素水 (1.56mL)をカ卩えて氷冷下 1時間攪拌し、室温下でさらに 2時間 攪拌した後、反応液を酢酸ェチルと Na S 0水溶液 (10当量)の混液に注加した。分取
2 2 3
した有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、 MgSOで乾燥した後濃縮した。残渣をト
4
ルェン一へキサンより結晶化することで 1 βーメチルカルボン酸 3が白色結晶として得 られた (710mg, 71%[ α体検出せず])。 Anal. Calcd for C H NO Si(H 0) : C, 55.45;
14 27 ' "
H, 9.04; N 4.62. Found: C, 55.34; H, 8.90; N4.69.
[化 31]
[0021] 実施例 6
アクリル酸 l(500mg)の酢酸ェチル溶液 (4.0mL)に酢酸 (l.OmL)をカ卩えて- 10°Cで攪拌 した。オゾンを 15分間導入し、溶液が薄青く着色したのを確認した後に窒素置換した 。飽和 NaHCO水溶液 (40mL)に反応溶液を氷冷下滴下し、室温で攪拌した。反応液
3
に 1N塩酸をカ卩えて酸性にし、酢酸ェチルにより抽出した。飽和食塩水で洗浄し、 MgS 0で乾燥した後濃縮した。残渣をへキサンより結晶化することで 1 13ーメチルカルボン
4
酸 3が白色結晶として得られた (356mg, 76.9%[ α / β = 7/93])。
[化 32]
[0022] 実施例 7
アクリル酸 l(l.OOg)の酢酸ェチル溶液 (7.0mL)に酢酸 (2.60mL)をカ卩えて- 10°Cで攪 拌し、オゾンを 15分間導入し、溶液が薄青く着色したのを確認した後に窒素置換した 。 30%過酸ィ匕水素水 (1.56mL)を加えて室温で 2.5時間攪拌した後、反応液を酢酸ェチ ルと Na S 0水溶液 (10当量)の混液に注加した。分取した有機層を飽和食塩水で洗
2 2 3
浄し、 MgSOで乾燥した後濃縮した。残渣をトルエン一へキサンより結晶化することで
l j8—メチルカルボン酸 3が白色結晶として得られた (677mg, 76%[ α体検出せず])。 Anal. Calcd for C H NO Si: C, 55.78; H, 9.03; N 4.65. Found: C, 55.49; H, 8.90; N4.63.
[化 33]
実施例 8
アクリル酸エステル 6(2.00g)のアセトン溶液に氷冷下で IN水酸ィ匕ナトリウム水溶液 (8 .4mL)を加えた後、室温で終夜攪拌した。反応液中のアセトンを濃縮した後塩酸をカロ えて pH 10に調整し、酢酸ェチルにより 2度洗浄した。さらに塩酸をカ卩えて pH4とし、酢 酸ェチルにより抽出した。分離した有機層は水洗し、 MgSOで乾燥した後濃縮した。
4
化合物 1を含む濃縮残渣に、酢酸ェチル (14.4mL)と酢酸 (3.22mL)をカ卩えて- 10°Cで 攪拌し、オゾンを 15分間導入し、溶液が薄青く着色したのを確認した後に窒素置換し た。 30%過酸ィ匕水素水 (3.0mL)をカ卩えて室温で 3.5時間攪拌した後、 5°Cで終夜放置し た。反応液を Na S 0水溶液 (10当量)の混液に注加した。分取した有機層を飽和食
2 2 3
塩水で 2度洗浄し、 MgSOで乾燥した後濃縮した。残渣をトルエン一へキサンより結
4
晶化することで l j8—メチルカルボン酸 3が白色結晶として得られた (1.33g, 78%[ α体 検出せず])。
Anal. Calcd for C H NO Si(H O) : C, 55.12; H, 9.05; N 4.59. Found: C, 55.21; H , 8.78; N4.67.
産業上の利用可能性
本発明は、力ルバぺネム系抗菌剤の工業的製造方法として有用である