WO2006018953A1 - 熱交換器 - Google Patents

Abstract

ケーシングを有する熱交換器であって、そのケーシングの細目およびコア5とケーシングとの間を隙間なくろう付け固定するものにおいて、ヘッダープレート3の上縁部8の両端で、ケーシング本体1に接する部分の断面を直角に形成し、上蓋2がヘッダープレート3の上縁の全長に渡り接するように被嵌される。

Description

明 細 書

熱交換器 技術分野

本発明は E G R (排気再循環） クーラや各種熱交換器であって、 ケーシングを有 するものに適応されるものである。 背景技術

E G Rクーラとして、 使用されるケーシングタイプの熱交換器は、 特許第 3 0 2 2 9 6 3号として提案されている。 この熱交換器は、 図 5および図 6に示す如く、 並列された多数の偏平チューブの両端部をヘッダープレート 3に貫通させてコア 5 を形成し、 そのコア 5の外周を上下一対に半割された箱状の第 1ケーシング 20, 第 2ケーシング 21で被嵌し、 ケーシングの継目その他を溶接等の手段により、 気密に 固定したものである。 そレて、 ケーシング側とヘッダ側とのうち一方に冷却水を、 他方に排気ガスを流通させて、 それを冷却するものである。

従来の'ケーシング型の熱交換器は、 図 6 (A) ， ( B ) に示す如く、 上下一対の 箱状のケーシングをコアの外周に被嵌していた。 そのケーシングの継目部分は同図 ( B ) の如く、 下側部材の先端部外周に上側部材の下端部が被嵌され、 両者間が溶 接またはろう付けにより接合されるものである。 溶接により両者間が接合される場 合は問題がないが、 それがろう付けにより行われる場合には、 図 6 (B ) の如く、 継目部分に隙間 22が形成されるため、 ろう付け不良を起こすおそれがある。

即ち、 一対の箱状ケーシングおよびコア部品の一方の外表面に、 ろう材が被覆さ れたものが用いられ、 全体が炉内で一体にろう付け固定されるものである。 ところ 力 継目に隙間 22が形成されると、 ろう材が一方側に片寄ることになり、 他方側に ろう材が浸透せず、 ろう切れがおこる。 そのため、 気密性または液密性が保たれな い欠点があった。

そこで本発明は、 従来のケーシングではどうしても生じがちな隙間の発生を可及 的に防止して、 ろう付けの信頼性の高い熱交換器を提供することを課題とする。 発明の開示

請求項 1に記載の本発明は、 プレス加工の深絞り成形により箱状にされて、 その 横断面の隅部が湾曲形成されたケーシング本体（1) と、

外周に縁部 (2a)が僅かに曲折されて皿状に形成され、 前記ケーシング本体（1) の 上端開口を被嵌するように閉塞する上蓋 (2) と、

そのケーシング本体（1) の中間部に内装され、 一対のヘッダープレート（3) に複 数のチューブ (4) の両端が揷通固定されたコア（5) と、

を具備し、

前記ヘッダープレート（3) は、 外周に断面逆 L字状に曲折された下縁部（6) と側 縁部（7) と上縁部 (8) とを有し、 その両側縁部（7) および下縁部（6) がケーシング 本体 (1) の内周面に整合し且つ、 その上縁部 (8) がケーシング本体 (1) の上縁高さ に一致する共に、

その上縁部 (8) の両端で、 前記ケーシング本体（1) に接する部分の断面は直角に 形成され、

前記上蓋 (2) がそのヘッダープレート（3) の上縁に全長に渡り接するように被嵌 され、 各部品の接触部間が一体にろう付け固定されてなる熱交換器である。

請求項 2に記載の本発明は、 請求項 1において、 前記ヘッダープレート（3) は、 その両側縁部（7) および下縁部（6) がプレス加工 により絞られて形成されると共に、

上縁部（8) はその両端部が切断および折り曲げの加工により形成された熱交換器 である。

本発明の熱交換器は以上のような構成からなり、 次の効果を奏する。

本発明の熱交換器は、 その熱交換器コアがケーシングに内装されて一体にろう付 けされるものにおいて、 ケーシング各部とコアのヘッダープレートとの間を精度よ くろう付けすることができると共に、 その製造および組立が容易で、 量産性の高い ものとなる。

即ち、 ケーシング本体 1に内装されるコア 5のヘッダープレート 3は、 上縁部 8 を除きその外周がケーシング本体 1の内周に整合する。 そして、 上縁部 8の両端で は、 ケーシング本体 1に接する部分の断面が直角に形成されているから、 その上縁 部 8と上蓋 2とは全長にわたり隙間なく接触することができ、 それによつてろう付 け後の気密性および液密性を確保できる。 '

上記構成において、 へッダープレート 3の下縁部 6および側縁部 7をプレス加工 により絞り形成すると共に、 上縁部 8はその両端部が切断およぴ折り曲げ加工によ り形成されるものでは、 その両端部を完全な直角に容易に形成することができる。 それにより、 へッダープレート 3の上端縁とケーシング本体 1および、 上縁部 8と 上蓋 2とを完全に隙間なく接触させ、 ろう付けにおける精度をより高く維持するこ とができ.る。 図面の簡単な説明

図 1は本発明の熱交換器の分解斜視図である。 図 2は同要部斜視図およびへッダーブレート 3の斜視図である。

図 3は本発明の熱交換器の組立状態を示すものであって、 図 2の III一 III矢視 断面略図である。

図 4は本発明の熱交換器の他のヘッダープレート 3を示す斜視図であって、 図 2 ( B ) に対応するものである。 .

図 5は従来型の熱交換器の分解斜視図である。

図 6は同熱交換器の組立状態を示し、 （A) は図 5における A— A矢視断面略図、 ( B ) は図 6 (A) の B部拡大図である。 発明を実施するための最良の形態

次に図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。 図 1は本発明の熱交換 器の分解説明図であり、 （A) は、 それら各要部を分離した状態を示し、 （B ) は、 そのコア 5をケーシング本体 1に収納した状態を示す斜視図である。 また図 2

(A) は、 図 1 ( B ) の要部斜視図を示し、 （B ) は、 ヘッダープレート 3の製造 工程を示す説明図である。 さらに図 3は、 同熱交換器の組立状態を示す説明図であ り、 図 2の III一 ΙΠ矢視断面略図である。

この熱交換器は、 ケーシング本体 1とコア 5と上蓋 2とからなる。 ケーシング本 体 1は、 プレス加工により箱状に深絞り形成されてなり、 その側部下縁は図 3に示 す如く、 湾曲部 13が形成されている。 また、 図 1に示す如く、 ケーシング本体 1の 中間部外周には凹陥部 17が曲折され、 相対的にその部分が内面側に突出している。 さらに、 ケーシング本体 1の長手方向両端面および側面にそれぞれ一対づっ第 1パ ィプ 10および第 2パイプ 11の接続孔が開口している。

次に、 コア 5は多数の偏平なチューブ 4を積層すると共に、 その両端を一対のへ ッダープレート 3に図 2 (A) の如く揷通したものである。 そのヘッダープレート 3は、 図 2 ( B ) の如くその外周に下縁部 6と側縁部 7とが設けられ、 それがケー シング本体 1内周に整合する。 また上縁部 8は、 図 2 ( B ) の如くヘッダープレー ト 3の平面方向に形成され、 それを 90度に折返して図 2 (A) の如く形成したもの である。 なお、 図 2 ( B ) に代えて、 図 4の如く、 上縁部 8の幅を両側縁部 7の外 面まで延長して、 それを 90度に折返してもよい。 いずれにしても、 ヘッダープレー ト 3の上縁部 8がその折り曲げ状態で図 2 (A) の如くケーシング本体 1の上縁に 整合する。

各チューブ 4は、 この例では偏平チューブよりなる。

次に上蓋 2は、 ケーシング本体 1の外周縁に整合する縁部 2 aを有する。

なお、 互いに接触する各部品の間にはペーストろうを塗布し、 あるいは少なくと も一方側外表面にはろう材が被覆されたものを用いる。 一例としてアルミニウム製 熱交換器においては、 それぞれの各部品を構成するアルミニウム板の少なくとも一 方の外表面にはアルミニウム合金のろう材がクラッドされたブレージングシートを 用いることもできる。

ケーシング本体 1の両端開口おょぴ側部開口には、 第 1パイプ 10および第 2パイ プ 11が接続され、 ケーシング本体 1内にコア 5が挿入される。 このとき、 図 2

(A) に示す如くその上縁部 8の上面および側縁部 7の上端縁はケーシング本体 1 の上縁に整合する。 この状態で、 上蓋 2がケーシング本体 1に被嵌される。 このと き上蓋 2の下面が上縁部 8およぴ側縁部 7の上端並びにケーシング本体 1の上端縁 に接触する。 このように組立てられた熱交換器は高温の炉内に挿入され、 各部品表 面のろう材を溶融させ、 次でそれを冷却固化することにより、 図 3の如く、 一体に ろう付け固定される。 上蓋 2の内面とケーシング本体 1の上端縁とは密着すると共 に、 へッダープレート 3の上縁部 8の上面および側縁部 7の上端縁とも上蓋 2に接 触する。 係る状態では、 各部品間には隙間が生じない。 そのため、 ろう付け後のへ ッダープレート 3と上蓋 2およぴケーシング本体 1との間は、 均一にろう材が浸透 し、 気密性および液密性を保つことができる。

この例では、 一方の第 1パイプ 10から第 1の流体が流入し、 各チューブ 4間を流 通して他方の第 1パイプ 10にそれが導かれる。 また、 第 2の流体が一方の第 2パイ プ 11から流入し、 各チューブ 4外面側を流通して他方の第 2パイプ 11からそれが流 出し、 両流体間に熱交換が行われる。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . プレス加工の深絞り成形により箱状にされて、 その横断面の隅部が湾曲形成さ れたケ一シング本体（1) と、

外周に縁部（2a)が僅かに曲折されて皿状に形成され、 前記ケーシング本体（1) の 上端開口を被嵌するように閉塞する上蓋 (2) と、

• そのケーシング本体（1) の中間部に内装され、 一対のヘッダープレート（3) に複 数のチューブ (4) の両端が挿通固定されたコア（5) と、

を具備し、

前記ヘッダープレート（3) は、 外周に断面逆 L字状に曲折された下縁部（6) と側 縁部（7) ·と上縁部（8) とを有し、 その両側縁部（7) および下縁部（6) がケーシング 本体（1) の内周面に整合し且つ、 その上縁部（8) がケーシング本体（1) の上縁高さ に一致する共に、

その上縁部（8) の両端で、 前記ケーシング本体（1) に接する部分の断面は直角に 形成され、

前記上蓋 (2) がそのヘッダープレート（3) の上縁に全長に渡り接するように被嵌 され、 各部品の接触部間が一体にろう付け固定されてなる熱交換器。

2 . 請求項 1において、

前記ヘッダープレート（3) は、 その両側縁部（7) およぴ下縁部（6) がプレス加工 により絞.られて形成されると共に、

上縁部（8) はその両端部が切断および折り曲げの加工により形成された熱交換器。