JP5420853B2 - 熱交換器の熱交換部ユニット - Google Patents
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Description
しかし、アルミニウム又はアルミニウム合金(以下「アルミ合金等」と言う。)の薄板は、波数が多ければ多いほどコルゲート成形するのが難しくなるため、最近はコルゲートに代えて、以下説明するように多数の袋状のヒートシンクを用いた熱交換部ユニットが提案されている(特許文献1)。
第1のヒートシンクは、二枚の薄板金の一方を袋状に曲げ加工し、他方の薄板金の一辺へ鍔部を曲げ加工し、両方の薄板金を圧接ないし溶着して開口部の長さ方向に沿う一辺へ前記鍔部を有するように全体を袋状に形成している。
第3のヒートシンクは、二枚の薄板金の一方を袋状に曲げ加工するとともに、その開口側一辺へ鍔部を曲げ加工し、両薄板金を圧接ないし溶接して開口部の長さ方向に沿う一辺へ鍔部を有するように全体を袋状に形成している。
隣合うヒートシンクは、前記組み合せ状態において相互の対応する鍔部が互いに重なった状態となるように固定されて熱交換部ユニットを構成している。
前記熱交換部ユニットは、各ヒートシンク内を一端部から他端部方向へ流体が流れるように高温流体の流路が形成され、隣合うヒートシンク相互の間を他端部から一端部方向へ流体が流れるように低温流体の流路が形成される状態で熱交換器内へ組み込まれる。
また、各薄板金を加工するため少なくとも四種のプレス金型が必要(第1ヒートシンクの一方の薄板金加工用、第1,第2ヒートシンクの他方の薄板金加工用、第2,第3ヒートシンクの一方の薄板金加工用、及び第3ヒートシンクの他方の薄板金加工用)で、この点も製造コストアップの要因であった。
さらに、各ヒートシンクを前記カバー内へ保持,固定するために、前記櫛状のガイドにより保持させるので、ヒートシンク相互の接合部の密着性が悪く熱交換効率を低下させていた。
断面が深いU字状を呈し開口側両側部に長さ方向に沿って鍔部が一体に形成され、長さ方向両端部が封止されており、一枚のアルミニウム又はアルミニウム合金(以下「アルミ合金等」と言う。)の薄板からなる多数の袋状要素と、前記各袋状要素の長さ以内の距離を置いて導入孔と排出孔を形成したアルミ合金等のベース板と、を具備し、前記各袋状要素は、前記導入孔と排出孔とにまたがって伏せられた状態で平行し、かつ隣合う袋状要素相互の対応するフラットな鍔部が互いに重なった状態で前記ベース板の一面に溶融されて接合され、前記ベース板の導入孔から各袋状要素の内部を経て前記ベース板の排出孔へ通じる経路が第1の流体流路を構成し、前記各袋状要素相互間が第2の流体流路を構成し、
前記各袋状要素を構成する薄板は皮材が袋状要素の内側に面する状態であり、隣合う袋状要素の重なり合う鍔部相互の中のベース板と接する鍔部の外縁部は、当該鍔部へ重なる隣の袋状要素の鍔部側開口縁から内側方向に突入する、
ことを特徴としている。
図1はベース板上のカバーを取り除いた状態の熱交換部ユニットの部分破断平面図、図2はカバーを取り付けた状態で図1の矢印B−B線に沿って切断した部分拡大断面図、図3はカバーを取り付けた状態で図1の矢印A−A線に沿って切断した部分拡大断面図である。
熱交換部ユニットaは、多数の袋状要素1とそれらの袋状要素1が平行に取り付けられたベース板2とから構成されている。
各袋状要素1は、断面が深いU字状を呈し開口側両側部に長さ方向に沿って鍔部10,11が一体に形成され、長さ方向両端部が封止されており、一枚のアルミ合金等の薄板から構成されている。
各袋状要素1は、前記導入孔20と排出孔21とにまたがって伏せられた状態で平行し、かつ隣合う袋状要素1相互の対応する鍔部10,11が互いに重なった状態で前記ベース板2の上面へろう付け接合されている。
このように構成された熱交換部ユニットaは、図2のように全部の袋状要素1を断面コ字状のカバーで覆って熱交換器4を構成した状態では、ベース板2の導入孔20から各袋状要素1の内部を経て前記ベース板1の排出孔21へ通じる経路が第1の流体流路bとなり、前記各袋状要素1相互の空間が第2の流体流路cとなるように構成してある。
なお、この実施形態では袋状要素1をベース板2へろう付け接合しているが、ろう付けは高温(例えば600℃)下で行われるため、製品について種々の制約が発生するので、製品である熱交換器の仕様上ろう付けが適さない場合には、接着接合,熱圧着接合,シール剤接合又はかしめ等の他の接合手段を用いることができる。
心材(母材、3003合金、厚み0.45mm)の裏面に皮材(ろう材、4045合金、厚み50μm)をクラッドした板厚0.5mm程度のブレージングシートを用い、例えば図4で示すような平面形状のブランク1aを打抜く。皮材は図4のブランク1aの裏面に位置している。
ブランク1aの長さ方向に沿う両側には、両端部を所定範囲で除く位置に、鍔部形成片10aと当該鍔部形成片10aよりも幅の狭い(10aの幅よりもブレージングシートの板厚の倍程度幅が狭い)鍔部形成片11aが形成されており、長さ方向の鍔部形成片10a,11aを除く両端部には全幅にわたって封止部形成片12a,12aが形成されている。また、各封止部形成片12a,12aへ連続するように、一方の側部に寄せてブランク1aの幅の半分よりもやや小さい長さの折り返し部形成片13aがそれぞれ形成されている。
次いで、図7のブランク1aを、その幅方向中央部よりも僅かに(ブレージングシートの板厚分程度)鍔部形成片11a側寄りの部分から全体としてU字状となるようにプレスにより曲げ加工する(図8及び図9)。このときブランク1aは、一方の鍔部10よりも他方の鍔部11が板厚分程度U字折り曲げ部方向へ浮上した状態で袋状に曲げ加工される(図8)。また、両端部の封止部形成片12aは図9のように一半部が合掌状に重なった封止部12となる。
この実施形態のようにブレージングシートを用いた場合、各袋状要素1の皮材は当該袋状要素1の内側に面している。
この状態では、図2及び図3で示すように、各袋状要素1の幅の広い各鍔部10がベース板2へ接し、当該鍔部10の上には、幅が狭く各袋状要素1相互の間隔を保つスペーサの作用も負担する隣接の幅の狭い鍔部11が重なっている。
また、幅の広い一方の鍔部10の外縁部14は、当該鍔部10へ重なる隣の袋状要素1の鍔部11側開口縁から内側方向へやや突入した状態となっている。
このろう付け処理により、各袋状要素1は、前記導入孔20と排出孔21とにまたがって伏せられた状態で平行し、かつ隣合う袋状要素1相互の対応する鍔部10,11が互いに重なった状態でベース板2の一面へろう付け接合される。同時に、各袋状要素1の両端の封止部12はろう付けによって隙間なく完全に密着する。
図11において、密閉筐体5の内部は隔壁52により機器の収容空間50と熱交換器の収容空間51とに区分されており、機器の収容空間50には電子機器6が収容され、他の収容空間51には図2の熱交換器4が収容されている。
熱交換器の収容空間51の外壁53には、外気の導入口53aと排出口53bとが形成され、当該収容空間51内には排出口53bの近傍にファンユニット56が設置されている。
一方筐体1の外部における低温の空気は、導入口53a,熱交換部ユニットaの第2の流体流路cを各矢印ロのように連続的に経由して排出口53bより排出される。
そして、前記のように循環する高温の空気は、熱交換部ユニットaの第1の流体流路bを通過する過程で第2の流体流路cを逆方向に流れる低温外気と熱交換されて冷却されるから、収容空間50内の温度のさらなる加熱が抑制され、電子機器の6の発熱も抑制される。
ベース板2と各袋状要素1及び隣合う袋状要素1の重なり合う鍔部10,11相互はろう付け接合され、それら相互間の隙間は溶融したろう材によって潰されるので、部品相互間の密着性に優れていて熱交換効率を低下させない。
ろう付け接合の前において、幅の広い一方の鍔部10の外縁部14は、当該鍔部10へ重なる隣の袋状要素1の鍔部11側開口縁から内側方向へやや突入した状態となっているので、袋状要素1の内面を形成するろう材はろう付け時に溶融状態で流下し、当該ろう材が鍔部10の外縁部14の上面を伝って当該鍔部10とその上に重なっている隣の袋状要素1の鍔部11との間に円滑に入り込むため、当該部分の密着性が一層高められる。
各袋状要素1を加工する前のブランク1aは、同じ形状で同じ寸法であるのが加工費軽減のために望ましい。
しかし、製造コストの若干の増大が許容される場合には、例えば図12で示すように、開口側両側部に幅の広い鍔部10,10を有する袋状要素1と、開口側両側部に前記鍔部10よりも幅の狭い(材料の板厚のほぼ倍程度狭い)鍔部11,11を有する袋状要素1とをベース板2上へ交互に配置し、幅の広い鍔部10の上に隣の袋状要素1における幅の狭い鍔部11を重ね、この状態で接合処理を施しても実施することができる。
袋状要素1の両端部における封止部12は折り返し部13を形成せず、例えば図13(d)図で示すように封止部12を伸ばして接着その他の手段により接合したり、あるいは、(e)図で示すように封止部12へアルミ合金板等のU字状の封止カバー15を接合して封止しても実施することができる。
隣合う袋状要素1の鍔部10,11相互を、例えば図14で示すように巻き締め状部16に形成してベース板2へ接合すると、この部分の機密性が高まるので好ましい。
この場合、熱交換器4の全体において第1の流路と第2の流路は密閉循環系となる。
10,11 鍔部
12 封止部
13 折り返し部
14 一方の鍔部の外縁部
1a ブランク
10a,11a 鍔部形成片
12a 封止部形成片
13a 折り返し部平成片
2 ベース板
20 導入孔
21 排出孔
22 突起
3 カバー
4 熱交換器
5密閉筐体
a 熱交換部ユニット
b 第1の流体流路
c 第2の流体流路
Claims (4)
- 断面が深いU字状を呈し開口側両側部に長さ方向に沿って鍔部が一体に形成され、長さ方向両端部が封止されており、一枚のアルミニウム又はアルミニウム合金(以下「アルミ合金等」と言う。)の薄板からなる多数の袋状要素と、前記各袋状要素の長さ以内の距離を置いて導入孔と排出孔を形成したアルミ合金等のベース板と、を具備し、
前記各袋状要素は、前記導入孔と排出孔とにまたがって伏せられた状態で平行し、かつ隣合う袋状要素相互の対応するフラットな鍔部が互いに重なった状態で前記ベース板の一面に溶融されて接合され、
前記ベース板の導入孔から各袋状要素の内部を経て前記ベース板の排出孔へ通じる経路が第1の流体流路を構成し、前記各袋状要素相互間が第2の流体流路を構成し、
前記各袋状要素を構成する薄板は皮材が袋状要素の内側に面する状態であり、
隣合う袋状要素の重なり合う鍔部相互の中のベース板と接する鍔部の外縁部は、当該鍔部へ重なる隣の袋状要素の鍔部側開口縁から内側方向に突入する、
ことを特徴とする熱交換器の熱交換部ユニット。 - 隣合う各袋状要素相互において、一つの袋状要素における一方側の鍔部上には当該一方側に隣接する袋状要素の鍔部が重なり、当該一つの袋状要素における他方側の鍔部は当該他方側に隣接する袋状要素の鍔部上に重なっている、請求項1に記載の熱交換器の熱交換部ユニット。
- 各袋状要素の長さ方向両端部では当該部分の薄板相互が重ねられ、当該重ね部には当該部分における薄板の端部の一方が折り返し状に被さるように重ねられて接合されている、請求項1又は2の何れかに記載の熱交換器の熱交換部ユニット。
- 前記各袋状要素は、開口側の一部が前記ベース板へ櫛歯状に切り起こされた突起と嵌合されている、請求項1〜3の何れかに記載の熱交換器の熱交換部ユニット。
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