WO2006008862A1

WO2006008862A1 - 帯板材の曲げ加工方法及びその曲げ加工装置

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Publication number: WO2006008862A1
Application number: PCT/JP2005/007445
Authority: WO
Inventors: Suehiro Mizukawa
Original assignee: Suehiro Mizukawa
Priority date: 2004-07-20
Filing date: 2005-04-19
Publication date: 2006-01-26
Also published as: JP2006055896A

Abstract

　帯板材２の挿通される挿通孔８を有する案内ノズル３と、案内ノズル３の先端部における挿通孔８の出口側開放端近傍の両側に配設された一対の曲げ部材４，５とを備える。曲げ部材４，５は、各先端部４ａ，５ａが、挿通孔８の出口側開放端から突出する帯板材２の厚み方向両側面を挟むように、相対向状に配設される。帯板材２の一側面に当接ないし近接させた一方の曲げ部材４の先端部４ａ回りに、他方の曲げ部材５を回転させ、この他方の曲げ部材５の先端部５ａで帯板材２を所望角度に曲げるようにする。これにより帯板材２を、やや複雑に変形した特殊な曲げ形状にも容易に曲げることができる。

Description

明細書

帯板材の曲げ加工方法及びその曲げ加工装置

技術分野

[0001] 本発明は、トムソン式の打抜き型に使用される帯刃材等の帯板材の曲げ加工方法及びその曲げ加工装置に関する。

背景技術

[0002] この種の帯板材の曲げカ卩ェ方法として、図 22に示すように、帯状刃材 62を加工型部に間欠的に送り込んでこの加工型部により屈曲部が連続する形状に曲げる加工方法において、前記加工型部を軸体 60とこれにまわり対偶状態に外嵌する筒体 61 とから構成し、軸体 60には帯状刃材 62の断面に略一致した断面の揷通孔 63を軸体 60の軸線に対し直角に貫通形成し、筒体 61には、前記揷通孔 63の開放端に対向する部分に第 1開口 64aと第 2開口 64bとを形成し、前記軸体 60における揷通孔 63 の形成部外周面と前記筒体 61における前記開口形成部の内周面との間に所定の間隙 Gを設け、前記第 2開口 64bを介して揷通孔 63から第 1開口 64aに揷通させた帯状刃材 62を前記軸体 60と筒体 61を相対回転させることにより、曲げ加工するようにしたものがある（例えば、特許文献 1参照、以下、「先行技術 1」という。 ) o

[0003] また、切刃の折曲システムとして、図 23に示すように、切刃 65を案内する案内部 66 と、この案内部 66と隣接配置され、案内部 66を通して移送される切刃 65を所定角度に折り曲げる折曲部 67とを備え、折曲部 67は、切刃 65が通過できる大きさの案内口 68を有する折曲用固定胴体 69を備える一方、折曲部材 70を折曲用固定胴体 69の周囲に回転移動するよう備える。折曲部材 70が折曲用固定胴体 69の外周囲を回転移動すると、折曲部材 70は案内口 68から突出している切刃 65と接するので、その切刃 65は折曲部材 70の回転力により折曲用固定胴体 69の先端部の傾斜面 71に沿つて折り曲げられるといった、切刃の折曲システムも提案されている（例えば、特許文献 2参照、以下、「先行技術 2」という。 )₀

[0004] 特許文献 1 :特開平 6— 328133号公報

特許文献 2：特開平 9 - 225534号公報発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] し力しながら、上記した先行技術 1, 2のいずれの曲げカ卩ェ方法では帯刃材の中途部位を直角、鋭角あるいは鈍角等に曲げる単純な曲げ形状に曲げ加工できても、以下のようなやや複雑に変形した特殊な曲げ形状に曲げることは困難ないし不可能でめつに。

すなわち、先行技術 1による帯板材の曲げ加工方法では、帯状刃材 62が軸体 60 の揷通孔 63の出口側開放端 63aと、その開放端 63aに対向する筒体 61の第 1開口 64aの開放端との間で曲げられるようにしてあるので、軸体 60の揷通孔 63の形成部外周面と筒体 61の内周面との間に、少なくとも帯状刃材 62の板厚よりも大きい間隙 Gを設けておく必要があった (前出の特開平 6— 328133号公報中、 [0007]、 [002 0]記載参照)。このため、最初の曲げピッチが帯状刃材 62の板厚より短いときには、図 24に示すように、筒体 61が空打ちすることをやむを得なくされていた。そのため、図 25 (a)のように最初から円弧 621に曲げる加工は避けて、同図（b)のように円弧 62 1に曲げる前に直線部 622を設けることを余儀なくされ、その曲げ加工後に、同図（c )のように直線部 622を切り離すとヽぅ後加工が必要であった。

また、上記した先行技術 2による折曲システムにおいても、同様に、折曲部材 70と折曲用固定胴体 69の外周との間に、少なくとも切刃 65の板厚よりも大きい間隙 Gを設けておく必要があり、上記同様の問題が生じる。

[0006] また、帯状刃材 62を図 26のようにクランク状 (Z字状）に曲げることを要求される場合がある。この場合、カゝかる曲げ加工を先行技術 1による曲げ加工方法で行うとすれば、先ず、図 28 (a)のように筒体 61を M方向に回転させ、第 1開口 64aの開放端一側部で帯状刃材 62を直角に曲げ、次いで、同図（b)のように筒体 61を逆方向 Nに回転させ、その曲げられた帯状刃材 62を第 1開口 64aの開放端他側部で逆方向に直角に曲げることになる力この逆方向への曲げカ卩ェ時に、軸体 60の揷通孔 63の形成部外周面と筒体 61の内周面との間に間隙 Gを設けているため、先に曲げられた先端曲げ片部 623に第 1開口 64aの開放端他側部が干渉し、先に曲げられた先端曲げ片部 623を第 1開口 64aの開放端他側部により突き返して先端曲げ片部 623の曲げ角を拡げてしまうという不具合が生じてその加工を困難にするのであった。先行技術 2による折曲システムにおいてもそれと同様のことが言える。

[0007] また、帯状刃材 62を図 27のように小さなアールで U字状に曲げた屈曲部分 624を更に逆方向へ曲げることが要求されることがある。この場合、力かる曲げ力卩ェを先行技術 1による曲げカ卩ェ方法で行うとすれば、予め、図 29 (a)のように小さなアールで U字状に曲げた帯状刃材 62を、次、で同図 (b)のように第 1開口 64aの開放端一側部で逆方向へ曲げようとしても、このとき、やはり、軸体 60の揷通孔 63の形成部外周面と筒体 61の内周面との間に間隙 Gを設けているため、第 1開口 64aの開放端一側部が先に曲げられた屈曲部分 624に乗り上がり、その屈曲部分 624の弹発力で第 1 開口 64aの開放端一側部が破損する事故を惹き起こすのであった。図 29 (b)中、その破損箇所は Cで示す。この問題発生は、先行技術 2による折曲システムにおいてもそれと同様のことが言える。

[0008] 本発明は、上記問題点を解決する為になされたものであり、その目的とするところは、帯板材の中途部を直角、鋭角あるいは鈍角等に曲げる単純な曲げ形状はもとより、上記のようなやや複雑に変形した多種多様な曲げ形状にも容易に曲げることのできる帯板材の曲げ加工方法及びその曲げ加工装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0009] 上記目的を達成するために、本発明の帯板材の曲げ加工方法は、帯板材 (2)の挿通される揷通孔（8)を有する案内ノズル (3)の先端部における前記揷通孔（8)の出口側開放端力突出する帯板材を曲げる帯板材の曲げ加工方法にぉ、て、前記案内ノズルの先端部における前記揷通孔の出口側開放端近傍の両側に、一対の曲げ部材 (4) (5)が各先端部を前記揷通孔の出口側開放端から突出する前記帯板材の厚み方向両側面にそれぞれ近接ないし当接するよう配設され、前記一対の曲げ部材のうち一方の曲げ部材を、前記揷通孔の出口側開放端力突出する帯板材の厚み方向一側面に当接な、し近接して、る他方の曲げ部材の先端部回りに回転させな力前記一方の曲げ部材の先端部で前記帯板材を曲げることに特徴を有するものである。

[0010] 上記目的を達成するために、本発明の帯板材の曲げ加工装置は、帯板材 (2)の挿通される揷通孔（8)を有する案内ノズル（3)の先端部における前記揷通孔の出口側開放端力も突出する帯板材を曲げる帯板材の曲げ加工装置において、前記案内ノズルの先端部における前記揷通孔の出口側開放端近傍の両側に、一対の曲げ部材 (4) (5)が各先端部 (4a) (5a)を前記揷通孔の出口側開放端力突出する前記帯板材の厚み方向両側面にそれぞれ近接ないし当接するよう配設されており、前記一対の曲げ部材は、互いに相手側の曲げ部材の先端部回りに個別に回転するよう設けられて、ることに特徴を有するものである。

[0011] 一つの好適な態様として、本発明による帯板材の曲げ加工装置は、例えば図 1のように、前記帯板材を前記揷通孔に送り込む一対の送りローラ（20)と一方の送りローラを回転駆動する送りモータ（21)よりなる移送機構 (22)を備えることができる。また、前記曲げ部材は、例えば図 1のように、正逆駆動する曲げ部材駆動用モータ (42)の回転をギヤ伝動機構 (43)を介して伝達される一対の従動ギヤ（34) (35)の回転により回転するように構成することができる。この場合、前記従動ギヤと前記曲げ部材との間に、前記従動ギヤの回転を前記曲げ部材に伝達する揺動腕（32) (33)を設けることができる。また、前記一対の曲げ部材 (4) (5)の各先端部 (4a) (5a)の各断面は、例えば図 2、図 6のように、先狭まり状に形成することができる。さらに、前記一対の曲げ部材の各背面側には逃がし凹部（28)を設けることができる。前記一対の曲げ部材 (4) (5)は、例えば図 21のように、それぞれを断面円形に形成することができる。

[0012] また、本発明による帯板材の曲げカ卩ェ装置には、例えば図 18のように、前記一対の曲げ部材 (4) (5)の先端部 (4a) (5a)どうしの間隔を前記帯板材の厚みに合わせて可変調整できる曲げ部材間隔調整装置 (57)と、前記一対の曲げ部材の各先端部の回転半径を可変調整できる回転半径調整装置（58)とを備えることができる。前記曲げ部材間隔調整装置 (57)は、前記一対の曲げ部材のそれぞれの揺動腕 (32) (3 3)の基部（32a) (33a)を回転可能に支持する第 1偏心軸（38)と第 2偏心軸（39)を有し、これら第 1偏心軸と第 2偏心軸を互いに逆方向に任意角度に回転させることのできる偏心軸回転調整機構を備えることができる。前記回転半径調整装置 (58)は、前記一対の曲げ部材とそれぞれの揺動腕 (32) (33)の先端部（32b) (33b)との間に、所定厚の L字形状のシム（96)を着脱可能に挟むように構成することができる。発明の効果

[0013] 上記構成の帯板材の曲げ加工方法及び曲げ加工装置によれば、案内ノズル（3) の揷通孔 (8)の出口側開放端力も突出する帯板材 (2)の一側面に当接ないし近接して、る一方の曲げ部材 (4)又は（5)の先端部回りに、他方の曲げ部材（5)又は (4) を回転させながら該曲げ部材 (5)又は (4)の先端部を帯板材 (2)の他側面を滑らすことにより該帯板材を一方の曲げ部材 (4)又は（5)の先端部に沿って折ったり、曲げたりすることができ、これにより帯板材（2)の中途部を直角、鋭角あるいは鈍角等に容易に折り曲げることができる。

[0014] 本発明はこのような帯板材の中途部を直角、鋭角あるいは鈍角等に曲げる単純な曲げ形状はもとより、次のようなやや複雑に変形した特殊な曲げ形状にも容易に曲げることがでさる。

たとえば、図 12 (a) (b)のように案内ノズル（3)の揷通孔（8)の出口側開放端力も帯板材 (2)を少しずつ間欠的に突出させながら該帯板材 (2)の一側面に当接ないし近接して、る一方の曲げ部材 (4)の先端部回りに、他方の曲げ部材 (5)を回転させな力 Sら該曲げ部材 (5)の先端部を帯板材 (2)の他側面に滑らすことにより該帯板材 (2) を最初から円弧（21)に曲げることができる。したがって、図 25に示す従来の曲げカロェのように円弧に曲げる前に直線部を設けると、う無駄が無くなり、曲げ加工後に直線部を切り離す後加工が不必要になり、最初から円弧に曲げる加工を材料ロス無く経済的にかつ合理的に可能にするに至った。

[0015] 帯板材を図 26のようにクランク状 (Z字状）に曲げる場合は、図 13 (a)のように、案内ノズル (3)の揷通孔 (8)の出口側開放端力も突出する帯板材 (2)の一側面に当接な V、し近接して、る一方の曲げ部材（5)又は (4)の先端部回りに、他方の曲げ部材 (4 )又は（5)を 90度回転させながら該曲げ部材 (4)又は（5)の先端部を帯板材 (2)の他側面に滑らすことにより該帯板材 (2)を直角に曲げ、次いで、同図 (b)のように他方の曲げ部材 (4)又は (5)を原位置に戻し、直角に曲げられた帯板材 (2)を揷通孔（ 8)の出口側開放端力所定長さだけ突出させ、次いで、先の加工の場合とは反対に、同図（c)のように他方の曲げ部材 (4)又は（5)の先端部回りに一方の曲げ部材 (5) 又は (4)を逆方向に 90度回転させながら帯板材 (2)の突出した一側面を滑らすことにより直角に曲げることができる。したがって、前述した従来の図 28 (b)のように先に曲げられた部分 623を突き返すような問題なぐ帯板材 (2)をクランク状に難なく簡単に曲げカ卩ェすることができる。

[0016] 帯板材（2)を図 14 (a)のように小さなアールで U字状に曲げた屈曲部分 22を更に逆方向へ曲げる場合は、案内ノズル (3)の揷通孔 (8)の出口側開放端力も突出する帯板材 (2)の屈曲部分 22の曲がり方向とは反対側の一側面に当接な、し近接して V、る一方の曲げ部材（5)又は (4)の先端部回りに、他方の曲げ部材 (4)又は（5)を回転させながら該曲げ部材 (4)又は（5)の先端部を帯板材 (2)の他側面に滑らすことにより、前述した従来の図 29 (b)のように曲げ部材の破損事故を起こすことなぐ安全かつ簡単に行うことができる。

図面の簡単な説明

[0017] [図 1]本発明の一実施例を示す帯板材の曲げ加工装置の正面図である。

[図 2]図 1における A— A線断面図である。

[図 3]図 1における B—B線断面図である。

[図 4]図 1の曲げ加工装置の分解斜視図である。

[図 5]図 1の曲げカ卩ェ装置の案内ノズルの斜視図である。

[図 6]図 1の曲げ加工装置の一対の曲げ部材の斜視図である。

[図 7]図 1の曲げ加工装置の曲げ部材の取外し態様を示す側面図である。

[図 8]他の実施例の曲げ部材及び案内ノズルの各先端部を示す縦断側面図である。

[図 9]曲げ加工の一例を示す説明図である。

[図 10]曲げ加工の他例を示す説明図である。

[図 11]曲げ加工の更に他例を示す説明図である。

[図 12] (a) (b)は曲げ加工の更に又、他例を示す説明図である。

[図 13] (a) (b) (c)は曲げ加工の更に又、他例を示す説明図である。

[図 14] (a) (b)は曲げ加工の更に又、他例を示す説明図である。

[図 15] (a) (b)は曲げ加工の更に又、他例を示す説明図である。

[図 16]他の実施例を示す左右のホルダーの斜視図である。

[図 17]図 16に示す一方のホルダーの分解斜視図である。 [図 18]他の実施例の曲げ部材間隔調整装置及び回転半径調整装置を図 2に相応して示す説明図である。

[図 19] (a)は薄い帯板材の加工説明図、 (b)は厚い帯板材の加工説明図である。

[図 20]更に他の実施例を図 18に対応して示す説明図である。

[図 21]曲げ部材の他の変形例を示す縦断側面図である。

[図 22]従来例の帯板材の曲げ加工装置の概略図である。

[図 23]他の従来例の帯板材の曲げ加工装置の概略図である。

[図 24]図 22の従来例の曲げ加工装置による曲げ加工の不具合例を示す説明図である。

[図 25] (a) (b) (c)は図 22の従来例の曲げ加工装置による曲げ加工の不具合例を示す説明図である。

[図 26]クランク状に曲げた帯板材を示す側面図である。

[図 27]小さなアールに折り曲げた部分を更に逆方向へ曲げた形状の帯板材を示す側面図である。

[図 28] (a) (b)は図 22の従来例の曲げ加工装置による曲げ加工の不具合例を示す説明図である。

[図 29] (a) (b)は図 22の従来例の曲げ加工装置による曲げ加工の更に別の不具合例を示す説明図である。

符号の説明

2 帯板材

3 案内ノズル

4, 5 曲げ部材

4a, 5a 曲げ部材の先端部

8 揷通孔

8a 出口側開放端

20 送りローラ

21 送りモータ

22 移送機構部 28 逃がし凹部

32, 33 揺動腕

32a, 33a 揺動腕 32, 33の基部

32b, 33b 揺動腕 32, 33の先端部

34, 35 従動ギヤ

38 第 1偏心軸

39 第 2偏心軸

42 曲げ部材駆動用モータ

43 ギヤ伝動機構

57 曲げ部材間隔調整装置

58 回転半径調整装置

96 シム

発明を実施するための最良の形態

[0019] 以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づき説明する。

[0020] 図 1は本発明の一実施例を示す帯板材の曲げ加工装置の正面図、図 2は図 1における A— A線断面図、図 3は図 1における B— B線断面図、図 4は図 1の曲げ力卩ェ装置の分解斜視図、図 5は図 1の曲げ加工装置の案内ノズルの斜視図、図 6は図 1の曲げ加工装置の一対の曲げ部材の斜視図である。

[0021] 本発明の帯板材の曲げ加工装置は、図 1ないし図 4に示すように、幅方向一側に刃先 1を付けた帯状刃材等の帯板材 2が挿通されながら保持される案内ノズル 3と、この案内ノズル 3の先端部の近傍に配置され帯板材 2に折り曲げ加工を加える前後一対の曲げ部材 4, 5とを備える。

[0022] 案内ノズル 3は、図 5に示すように、先端部の前後面に先方に行くに従い互いに近づき合う傾斜面 6, 7を設けることにより先端部の断面が先狭まり状に形成され、また帯板材 2の断面形状に略一致した断面形状の揷通孔 8がこの出口側開放端 8aを先端部で開放するよう上下貫通状に形成されている。案内ノズル 3の左右両端には座部 9をそれぞれ前後方向へ一体に張り出す形に形成して、る。

[0023] 案内ノズル 3は、図 1、図 2に示すように、ノズル支持台 11の上に固定される。ノズル支持台 11は、図 1、図 4に示すように、帯刃材 2を案内ノズル 3の揷通孔 8の入口側開放端 8bへ導入する導通路 12を上下貫通状に形成した案内筒部 13を有し、この案内筒部 13の左右両側の上端にノズル載置面 14を設け、左右のノズル載置面 14の各外側にホルダー載置面 16を設けている。図 1に示すように、ノズル支持台 11の導通路 12内には、帯板材 2の幅方向一端を受けるベアリング 18と、帯板材 2の幅方向他端を押える押えローラ 19を組込み、これにより帯板材 2を上方へ真直ぐに安定よく送り込むように案内する。ノズル支持台 11の下方位置には一対の送りローラ 20 (図 1では一方の送りローラのみを示す）と、一方の送りローラ 20を回転駆動する送りモータ 2 1よりなる移送機構部 22を設置し、帯板材 2を送りローラ 20, 20間に通し、送りモータ 21の駆動により帯板材 2をノズル支持台 11の導通路 12内に送り込むようにして、る。送りモータ 21の駆動はコンピュータ（図示せず）によって制御され、帯板材 2の各種曲げ加工の内容に対応したプログラムを作成し、このプログラムの指令に基づく信号を前記コンピュータ力も送りモータ 21に入力させるようにして、る。

[0024] 案内ノズル 3は、図 1、図 2に示すように、揷通孔 8の入口側開放端 8bが導通路 12 の開口上端に一致するよう左右の座部 9, 9をノズル載置面 14, 14に載置し、それぞれをノズル取付ボルト 23で締付けることによりノズル支持台 11に固定される。

[0025] 前後一対の曲げ部材 4, 5は、図 6に示すように、それぞれ力断面が一組の対辺が平行な四辺形に形成され、先端部 4a, 5aが先狭まり状に形成された曲げ部材本体 24, 25と、この曲げ部材本体 24, 25の各左右両端に一体に形成した左右の腕部 26, 27とを有する正面視において門形状に形成している。前側の曲げ部材 4の背面側の腕部 26, 26間、及び後側の曲げ部材 5の背面側の腕部 27, 27間には、それぞれ同じ様に、帯板材 2が 180度程度に大きく曲げられる場合、その曲げられる部分と干渉するのを防止するための逃がし凹部 28を設けている。

[0026] 前後一対の曲げ部材 4, 5は、図 2に示すように、各先端部 4a, 5aが案内ノズル 3の揷通孔 8の出口側開放端 8aから突出する帯板材 2の厚み方向一側面及び他側面にそれぞれ近接ないし当接するよう前後に対向配備する。なお、図 2に示すものでは前後一対の曲げ部材 4, 5の各先端部 4a, 5aが案内ノズル 3の先端部より更に先の方で相対向するよう配備されるが、図 8に示すように前後一対の曲げ部材 4, 5の各先端部 4a, 5aと案内ノズル 3の先端部とを同一線 L上で略一致させるもよい。

[0027] 曲げ部材 4, 5の各先端部 4a, 5aを帯板材 2の厚み方向両側面に近接させる場合、曲げ部材 4, 5の各先端部 4a, 5aは帯板材 2の厚み方向両側面にできる限り隙間の少ないように最も近付けておく。したがって、曲げカ卩ェ時に一方の曲げ部材 4又は 5が回転して帯板材 2を他方の曲げ部材 5又は 4に押し付けたときにその他方の曲げ部材 5又は 4が直ぐに帯板材 2を受け止める。

曲げ部材 4, 5の各先端部 4a, 5aを帯板材 2の厚み方向両側面に当接させる場合は、曲げ部材 4, 5の各先端部 4a, 5aを帯板材 2の厚み方向両側面に強い接触圧で当接させるのではなぐ帯板材 2が曲げ部材 4, 5の先端部 4a, 5a同士間を通過するのを許容する程度に弱ヽ接触状態で接触させる。

[0028] そして、図 1に示すように、前後一対の曲げ部材 4, 5は、ノズル支持台 11の左右のホルダー載置面 16, 16に相対向状に載置されてそれぞれのホルダー取付ボルト 29 で締め付け固定された左右一対のホルダー 30, 31間に、互いに相手側の曲げ部材 4又は 5の先端部を中心にして個別に回転できるようにそれぞれの左右一対の揺動腕 32, 32、 33, 33を介して左右一対の従動ギヤ 34, 35と共に支持される。

[0029] 左右一対のホルダー 30, 31は両者共に同じ様に、各内面側に、従動ギヤ 34, 35 、前後の曲げ部材 4, 5の各左右一対の揺動腕 32, 32、 33, 33のそれぞれを回転中心を相異して支持する段付き支持軸 36を突設している。各段付き支持軸 36は、従動ギヤ 34, 35を回転可能に支持するギヤ支軸 37と、このギヤ支軸 37の端面の偏心位置に一体に突設され後側の曲げ部材 5の揺動腕 33を回転可能に支持する第 1 偏心軸 38、及び第 1偏心軸 38の端面の偏心位置に一体に突設され前側の曲げ部材 4の揺動腕 32を回転可能に支持する第 2偏心軸 39と、を有する段付き状に形成している。尤も、左右のホルダー 30, 31のギヤ支軸 37, 37どうし、第 1偏心軸 38, 38 どうし、及び第 2偏心軸 39, 39どうしはそれぞれ同一軸線上に位置する。なお、ギヤ支軸 37の中心は第 1偏心軸 38又は第 2偏心軸 39のいずれか一方の中心とは一致していてもよい。

[0030] 図 4に示すように、前側の曲げ部材 4の左右一対の揺動腕 32, 32は、第 2偏心軸 3 9に回転可能に挿通される軸孔 40aを有する基部 32aと、この基部 32aに連設されて前側の曲げ部材 4の腕部 26に取付けられる先端部 32bとを備える形に形成している。図 2に示すように、この揺動腕 32の先端部 32bは前側の曲げ部材 4の腕部 26の前側に重ね合わし腕取付ボルト 41を腕部 26の後側から締付けて該曲げ部材 4と一体的に結合される。

後側の曲げ部材 5の左右一対の揺動腕 33, 33は、第 1偏心軸 38に回転可能に挿通される軸孔 40bを有する基部 33aと、この基部 33aに連設されて後側の曲げ部材 5 の腕部 27に取付けられる先端部 33bとを備える形に形成している。図 2に示すように、この揺動腕 33の先端部 33bは後側の曲げ部材 5の腕部 27の後側に重ね合わし腕取付ボルト 41を腕部 27の前側力も締付けて該曲げ部材 5と一体的に結合される。

[0031] このように組み立てられた曲げ部材 4, 5は、摩耗、破損等により交換するときは、図 7に示すように、前側の曲げ部材 4を揺動腕 32ごと 180度回転させて腕取付ボルト 4 1を外すと、該曲げ部材 4を取り外すことができる。これによれば、本装置を分解するという煩わしい作業や時間を費やすことなぐ簡単に曲げ部材 4, 5を交換することができる。

[0032] 図 1に示すように、左右の従動ギヤ 34, 35には正逆駆動する曲げ部材駆動用モータ 42の回転がギヤ伝動機構 43を介して伝達される。ギヤ伝動機構 43は、モータ 42 の軸上に固定された原動ギヤ 44と、ノズル支持台 11の内部にモータ 42の軸と平行になるよう架設した中間軸 45に固定された全て同一径の第 1〜3ピ-オン 46〜48とからなり、原動ギヤ 44と第 1ピ-オン 46とを嚙合わせ、第 2ピ-オン 47と左側の従動ギヤ 34とを嚙合わせ、第 3ピ-オン 48と右側の従動ギヤ 35とを嚙合わしている。モータ 42の駆動は前記コンピュータによって制御され、帯板材 2の各種曲げ力卩ェの内容に対応して作成したプログラムの指令に基づく信号を前記コンピュータ力モータ 42 に入力させるようにしている。

[0033] 左側の従動ギヤ 34と曲げ部材 4の左側の揺動腕 32との間には、左側の従動ギヤ 3 4の回転を前後の曲げ部材 4, 5のいずれか一方に伝達するための左側伝達機構が設けられ、また、右側の従動ギヤ 35と曲げ部材 5の右側の揺動腕 33との間には、前記左側伝達機構の構造と同様に、左側の従動ギヤ 34と同時に同方向に回転する右側の従動ギヤ 35の回転を前後の曲げ部材 4, 5のいずれか一方に伝達するための右側伝達機構が設けられる。

[0034] 図 3に示すように、前記左側伝達機構は、左側の従動ギヤ 34の内側面の外周寄り部位に、該従動ギヤ 34の円周方向に沿う円弧状に形成した伝動突起 51を固定し、この伝動突起 51の前端面 51aに前側の揺動腕 32の先端部 32bに設けた受動部 52 を当接し、伝動突起 51の後端面 51bに後側の揺動腕 33の先端部 33bに設けた受動部 53を当接する。そして前後の揺動腕 32, 33間には、ねじりコイルばね等のばね部材 54を掛け、このばね部材 54のばね付勢力で常に前記した前後の当接状態が保持されるように構成してヽる。

また、前側の揺動腕 32の先端部 32bに設けた受動部 52は、前述のように伝動突起 51の前端面 51aに当接すると同時に、図 2に示すように、案内ノズル 3の左側の前方へ張り出した座部 9に設けた受け突起 55 (図 4参照）にも当接するようにしている。また後側の揺動腕 33の先端部 33bに設けた受動部 53は、伝動突起 51の後端面 51b に当接すると同時に案内ノズル 3の左側の後方へ張り出した座部 9に設けた受け突起 56 (図 4参照）にも当接するようにしている。これにより、前後の曲げ部材 4, 5の一方が他方の静止側の曲げ部材 4又は 5の先端部回りに回転するとき、その静止する側の曲げ部材 4又は 5が従動ギヤ 34の回転に伴い回転せずに定位置に確実に停止するようにしている。

[0035] 前記右側伝達機構においても同様に、右側の従動ギヤ 35の内側面の外周寄り部位に、左側の従動ギヤ 34と同じように、従動ギヤ 35の円周方向に沿う円弧状に形成した伝動突起 51を固定し、この伝動突起 51の前端面 51aに前側の揺動腕 32の先端部 32bに設けた受動部 52を当接し、伝動突起 51の後端面 51bに後側の揺動腕 3 3の先端部 33bに設けた受動部 53を当接する。そして前後の揺動腕 32, 33間には、ねじりコイルばね等のばね部材 54を掛け、このばね部材 54のばね付勢力で常に前記した前後の当接状態が保持されるように構成している。

この場合においても同様に、前側の揺動腕 32の先端部 32bに設けた受動部 52は、伝動突起 51の前端面 51aに当接すると同時に案内ノズル 3の右側の前方へ張り出した座部 9に設けた受け突起 55にも当接するようにしている。後側の揺動腕 33の先端部 33bに設けた受動部 53は、伝動突起 51の後端面 51bに当接すると同時に案内ノズル 4の右側の後方へ張り出した座部 9に設けた受け突起 56にも当接するようにして、る。これにより静止する側の曲げ部材 4又は 5が従動ギヤ 35の回転に伴い回転せずに定位置に確実に停止するようにして、る。

[0036] 次に、上記構成の帯板材の曲げ加工装置を用いて帯板材を多種多様な形状に曲げる加工にっ、て説明する。

たとえば、図 9のように、帯板材 2を直角に曲げるには、案内ノズル 3の揷通孔 8の出口側開放端 8aから突出する帯板材 2の一側面に当接な、し近接して、る一方の曲げ部材（図示例では後側の曲げ部材) 5の先端部 5a回りに、他方の曲げ部材（図示例では前側の曲げ部材) 4を回転させながら該曲げ部材 4の先端部 4aを帯板材 2の他側面に滑らすことにより該帯板材 2を直角に曲げることができる。このときの一方の曲げ部材（図示例では後側の曲げ部材） 5は後側の揺動腕 33の先端部 33bの受動部 53が案内ノズル 3の後方へ張り出した座部 9の受け突起 56に当接することにより回転せずに静止し、他方の曲げ部材（図示例では前側の曲げ部材) 4は、曲げ部材駆動用モータ 42、ギヤ伝動機構 43、左右の従動ギヤ 34, 35、および前側の左右一対の揺動腕 32, 32による伝動を介して回転する（以下、同様である。 ) o

[0037] また、図 10のように、帯板材 2を 130度ほど折り曲げるには、案内ノズル 3の揷通孔 8の出口側開放端 8aから突出する帯板材 2の一側面に当接ないし近接している一方の曲げ部材（図示例では後側の曲げ部材) 5の先端部 5a回りに、他方の曲げ部材（図示例では前側の曲げ部材) 4を上記のように直角に曲げる場合よりも更に大きく回転させながら該曲げ部材 4の先端部 4aを帯板材 2の他側面に滑らすことにより該帯板材 2を一方の曲げ部材 5の先端部 5aに沿って 130度に折り曲げることができる。

[0038] また、図 11のように、帯板材 2を 180度曲げるには、移送機構部 22の送りモータ 21 の駆動により帯板材 2を案内ノズル 3の揷通孔 8の出口側開放端 8aから少し突出させながら該帯板材 2の一側面に当接な、し近接して、る一方の曲げ部材（図示例では後側の曲げ部材) 5の先端部 5a回りに、他方の曲げ部材（図示例では前側の曲げ部材) 4を所定角度回転させて該曲げ部材 4の先端部 4aで帯板材 2を僅かに曲げ、次に帯板材 2を更に少し突出させながら他方の曲げ部材 4を所定角度回転させて該曲げ部材 4の先端部 4aで帯板材 2を僅かに曲げるという動作を数回、繰り返すことにより帯板材 2を所望の曲率で 180度に曲げることができる。

この場合、帯板材 2の曲げられる部分 23は、静止側の曲げ部材 5の背面側に設けた逃がし凹部 28に逃げ込むため、該曲げ部材 5と干渉することはない。

[0039] 図 12 (a) (b)のように、帯板材 2を案内ノズル 3の揷通孔 8の出口側開放端 8aから少しずつ突出させながら該帯板材 2の一側面に当接な、し近接して、る一方の曲げ部材（図示例では前側の曲げ部材) 4の先端部 4a回りに、他方の曲げ部材（図示例では後側の曲げ部材) 5を回転させながら該曲げ部材 5の先端部 5aを帯板材 2の他側面に滑らすことにより該帯板材 2を最初力も円弧 21に曲げることができる。

[0040] 図 13 (a)〜（c)のように、帯板材 2をクランク状 (Z字状）に曲げることもできる。この場合は、まず、図 13 (a)のように案内ノズル 3の揷通孔 8の出口側開放端 8aから突出する帯板材 2の一側面に当接な、し近接して、る一方の曲げ部材 (図示例では後側の曲げ部材) 5の先端部 5a回りに、他方の曲げ部材（図示例では前側の曲げ部材) 4 を 90度回転させながら該曲げ部材 4の先端部 4aを帯板材 2の他側面に滑らすことにより帯板材 2を直角に曲げる。次いで、同図 (b)のように、他方の曲げ部材 4を原位置に戻し、直角に曲げられた帯板材 2を揷通孔 8の出口側開放端 8aから更に所定長さだけ突出させる。次いで、先の加工の場合とは反対に、同図（c)のように他方の曲げ部材 4の先端部 4a回りに一方の曲げ部材 5を逆方向に 90度回転させながら該曲げ部材 5の先端部 5aを帯板材 2の突出した一側面に滑らすことにより直角に曲げる。これにより帯板材 2をクランク状に難なく簡単に曲げることができる。なお、図 13 (c)に示す曲げ加工時における一方の曲げ部材 5は、曲げ部材駆動用モータ 42、ギヤ伝動機構 43、左右の従動ギヤ 34, 35、および後側の左右一対の揺動腕 33, 33による伝動を介して回転し、他方の曲げ部材 4は前側の揺動腕 32の先端部 32bの受動部 52が案内ノズル 3の前方へ張り出した座部 9の受け突起 55に当接することにより回転せずに静止する。

[0041] 図 14 (a) (b)のように、帯板材 2を小さなアールに曲げカ卩ェした屈曲部分 22を更に逆方向へ曲げることもできる。この場合は、先に小さなアールに曲げ加工した帯板材 2の一側面に当接な、し近接して、る一方の曲げ部材 5の先端部 5a回りに、他方の曲げ部材 4を小さなアールの曲げ加工部分とは逆方向に回転させながら該曲げ部材 4の先端部 4aを帯板材 2の他側面に滑らすことにより逆方向に曲げることができる。これにより曲げ部材 4の破損事故を起こすことなぐ安全かつ簡単に行うことができる。

[0042] 図 15 (a) (b)のように、帯板材 2を図 14の曲げカ卩ェ例の場合よりも大きいアールで長い U字状に曲げるとともに、この曲げ部分を更に逆方向へ曲げることもできる。この場合は、まず、図 11の曲げカ卩ェ例の場合と同様に、すなわち図 15 (a)に示すように案内ノズル 3の揷通孔 8の出口側開放端 8aから帯板材 2を少しずつ突出させながら該帯板材 2の一側面に当接な、し近接して、る一方の曲げ部材（図示例では前側の曲げ部材) 4の先端部 4a回りに、他方の曲げ部材（図示例では後側の曲げ部材) 5を所定角度ずつ回転させながら該曲げ部材 5の先端部 5aで帯板材 2を僅かに曲げる動作を繰り返すことにより該帯板材 2を大きいアールで長い U字状に曲げ加工する。次いで、同図（b)のように、他方の曲げ部材 5を原位置に戻し、次いで先の加工の場合とは反対に一方の曲げ部材 4を他方の曲げ部材 5の先端部 5a回りに逆方向に回転させながら該曲げ部材 4の先端部 4aを帯板材 2の突出した一側面に滑らすことにより U字状の曲げ部 23を直角に曲げることができる。

[0043] 次に、帯板材 2の厚みが大小に異なる場合にも本装置を使用可能にする他の実施例を図 16〜図 20を参照して説明する。

[0044] この他の実施例では、帯板材 2の厚みが大小に異なる場合にも本装置を使用可能にするために、上記実施例の曲げ加工装置に、更に、一対の曲げ部材 4, 5の先端部 4a, 5aどうしの間隔を帯板材 2の厚みに合わせて可変調整できる曲げ部材間隔調整装置 57と、その間隔調整に伴い曲げ加工上必然的に必要とされるところの、曲げ部材 4, 5の相手側の先端部 5a, 4aを中心にして回転する各先端部 5a, 4aの回転半径を可変調整できる回転半径調整装置 58とを備える。以下、曲げ部材間隔調整装置 57及び回転半径調整装置 58について具体的に説明する。

[0045] 曲げ部材間隔調整装置 57は、図 16、図 17に示すように、左右のホルダー 30, 31 上の各段付き支持軸 36において、一対の曲げ部材 4, 5のそれぞれの揺動腕 32, 3 3の基部 32a, 33aを回転可能に支持する第 1偏心軸 38と第 2偏心軸 39を互いに逆方向に任意角度に回転させることのできる偏心軸回転調整機構を備える。この偏心軸回転調整機構は、図 17に示すように、ギヤ支軸 37を中空状に形成し、第 1偏心軸 38に中心孔 381を設けると共に第 1偏心軸 38の一端面に筒状の中心軸 382を一体に突設し、第 2偏心軸 39の一端面に中心軸 391を一体に突設する。そして、第 1偏心軸 38の中心軸 382をギヤ支軸 37に揷通し、第 2偏心軸 39の中心軸 391を第 1偏心軸 38の中心孔 381及び中心軸 382に揷通し、第 1偏心軸 38の中心軸 382のギヤ支軸 37から突出する端部に第 1ウォームギヤ 80をスプラインやキー等を介して固着し、第 2偏心軸 39の中心軸 391の第 1偏心軸 38より突出する端部に、第 1ウォームギャ 80と同径の第 2ウォームギヤ 81を第 1ウォームギヤ 80に並べてスプラインやキー等を介して固着する。一方、図 16に示すように、第 1ウォームギヤ 80及び第 2ウォームギヤ 81にそれぞれ嚙合する同径の第 1, 2ウォーム 82, 83をホルダー 30, 31に、第 1, 2ウォーム 82, 83の各上下端を支持する上下一対のウォーム支持板 84, 85と共に組み込む。第 1ウォーム 82と第 2ウォーム 83は互いに各々の上下端に付けたピ- オン 86, 87同士を嚙合させる。第 1ウォーム 82と第 2ウォーム 83のいずれか一方（図示例では第 2ウォーム 83)の上端面には角穴 88を設け、この角穴 88をホルダー 30, 31の各上部に開口した操作口 89に臨ませている。

[0046] しかるときは、レンチを操作口 89から入れ該レンチの先端を第 1ウォーム 82又は第 2ウォーム 83の一方の角穴 88に係合させて該ウォームを回転させると、第 1ウォームギヤ 80と第 2ウォームギヤ 81とは互いに逆方向に回転し、この回転に伴い第 1偏心軸 38と第 2偏心軸 39は互いに逆方向に回転し、この回転と共に同行回転する揺動腕 32, 33を介して曲げ部材 4, 5の先端部 4a, 5aどうしの間隔を可変調整できる。

[0047] 一方、上記曲げ部材間隔調整後に一対の曲げ部材 4, 5の各回転半径を可変調整する回転半径調整装置 58は、図 18に示される各曲げ部材 4, 5の腕部 26, 27と揺動腕 32, 33の先端部 32b, 33bとの間に設けられる。すなわち、図 18に示すように、揺動腕 32, 33の各先端部 32b, 33bに、曲げ部材 4, 5の各腕部 26, 27の背面 26a , 27a側を受ける第 1受け面 90, 91と、腕部 26, 27の各背面 26a, 27aと直交する下端面 26b、 27bを受ける第 2受け面 92, 93とを有する断面 L字形状の切欠部 94, 95 を設ける。

力べして、揺動腕 32, 33の各先端部 32b, 33bの切欠部 94, 95にそれぞれ曲げ部材 4, 5の腕部 26, 27を金属製の所定厚を有する L字形状のシム 96を挟んで腕取付ボルト 41で固定する。そのシム 96を挟むことにより曲げ部材 4, 5は、図 18のように D 方向に動かす力と E方向に動かす力との合成により F方向へ動かすことができて、各先端部 4a, 5aどうしが互いに近づく方向に動力される。これにより得られる曲げ部材 4, 5の回転軌跡 C1を図 19 (a)に示すがその回転軌跡 C1の半径は rlである。いま、図 19 (a)に示す帯板材 2の厚み（例えば、 0. 45mm厚）よりも厚い図 19 (b)に示すような帯板材 (例えば、 1. 5mm厚） 2の曲げ加工に変えるときは、その厚い方の帯板材 2の厚みに対応すべく上記曲げ部材間隔調整装置 57によって曲げ部材 4, 5の先端部 4a, 5aどうしの間隔を調整した後に、腕取付ボルト 41を緩め、シム 96を取り外して腕取付ボルト 41を締め直す。シム 96を取り外すことにより曲げ部材 4, 5は、図 19 (b) のように各先端部 4a, 5aどうしが互いに離れる方向に動力される。これにより曲げ部材 4, 5の各先端部 4a, 5aは前記曲げ部材間隔調整に対応した回転半径 r2 (r2 >r 1)の回転軌跡 C2を描くことができる。

[0048] 回転半径調整装置 58において、シム 96は厚みの異なる数種のものを用意しておくことにより、厚みの異なる各種の帯板材 2の曲げ力卩ェに適用できる。

シム 96に代えて、図 20のように 2本の調整ねじ 97, 98を用いることもできる。 2本の調整ねじ 97, 98は揺動腕 32, 33の先端部 32b, 33bにそれぞれ互いに直交する方向からねじ込まれ、一方の調整ねじ 97の先端部 97aは第 1受け面 90, 91に突出させこの突出先端部を曲げ部材 4, 5の腕部 26, 27の背面 26a, 27a側に当接させ、他方の調整ねじ 98の先端部は第 2受け面 92, 93に突出させこの突出先端部を曲げ部材 4, 5の腕部 26, 27の下端面 26b, 27bに当接させる。

[0049] 次に、前後一対の曲げ部材 4, 5の他の変形例を図 21を参照にして説明する。この変形例の曲げ部材 4, 5の曲げ部材本体 24, 25は、図 2、図 6に示す上記実施例の曲げ部材 4, 5の曲げ部材本体 24, 25が断面四辺形に形成されているに代えて、図 21に示すように、断面円形に形成するものである。この場合、曲げ部材 4, 5の各先端部 4a, 5aは断面円弧状を呈することになる。尤も、この断面円形の曲げ部材 4, 5 の各左右端には、揺動腕 32, 33の各先端部 32b, 33bと一体的に結合される腕部 2 6, 27がー体に形成されることは上記実施例の場合と同様である。

ただし、断面円形の曲げ部材本体 24, 25と腕部 26, 27とは両者を一体に形成するに代えて、曲げ部材本体 24, 25のそれぞれをピン部材で形成し、各ピン部材の左右端にそれとは別体の腕部 26, 27を溶接や力しめ付け等で一体的に結合するものであってもよい。

Claims

請求の範囲

[1] 帯板材の揷通される揷通孔を有する案内ノズルの先端部における前記揷通孔の出口側開放端力突出する帯板材を曲げる帯板材の曲げ加工方法にぉ、て、前記案内ノズルの先端部における前記揷通孔の出口側開放端近傍の両側に、一対の曲げ部材が各先端部を前記揷通孔の出口側開放端から突出する前記帯板材の厚み方向両側面にそれぞれ近接ないし当接するよう配設され、前記一対の曲げ部材のうち一方の曲げ部材を、前記揷通孔の出口側開放端から突出する帯板材の厚み方向一側面に当接な、し近接して、る他方の曲げ部材の先端部回りに回転させながら前記一方の曲げ部材の先端部で前記帯板材を曲げることを特徴とする、帯板材の曲げカロェ方法。

[2] 帯板材の揷通される揷通孔を有する案内ノズルの先端部における前記揷通孔の出口側開放端力も突出する帯板材を曲げる帯板材の曲げ加工装置にぉ、て、前記案内ノズルの先端部における前記揷通孔の出口側開放端近傍の両側に、一対の曲げ部材が各先端部を前記揷通孔の出口側開放端から突出する前記帯板材の厚み方向両側面にそれぞれ近接ないし当接するよう配設されており、前記一対の曲げ部材は、互いに相手側の曲げ部材の先端部回りに個別に回転するよう設けられて、ることを特徴とする、帯板材の曲げ加工装置。

[3] 帯板材の揷通される揷通孔を有する案内ノズルの先端部における前記揷通孔の出口側開放端力も突出する帯板材を曲げる帯板材の曲げ加工装置にぉ、て、前記案内ノズルの先端部における前記揷通孔の出口側開放端近傍の両側に、一対の曲げ部材が各先端部を前記揷通孔の出口側開放端から突出する前記帯板材の厚み方向両側面にそれぞれ近接ないし当接するよう配設されており、前記一対の曲げ部材は、互いに相手側の曲げ部材の先端部回りに個別に回転するよう設けられており、前記一対の曲げ部材はそれぞれが断面円形に形成されていることを特徴とする、帯板材の曲げ加工装置。

[4] 前記帯板材を前記揷通孔に送り込む一対の送りローラと一方の送りローラを回転駆動する送りモータよりなる移送機構を備えている、請求項 2又は 3記載の帯板材の曲げ加工装置。

[5] 前記曲げ部材は、正逆駆動する曲げ部材駆動用モータの回転をギヤ伝動機構を介して伝達する一対の従動ギヤの回転により回転するように構成されている、請求項 2ないし 4のいずれ力 1項に記載の帯板材の曲げカ卩ェ装置。

[6] 前記従動ギヤと前記曲げ部材との間に、前記従動ギヤの回転を前記曲げ部材に伝達する揺動腕を設けて!/ヽる、請求項 5記載の帯板材の曲げ加工装置。

[7] 前記一対の曲げ部材の各先端部の断面は先狭まり状に形成されている、請求項 2 記載の帯板材の曲げ加工装置。

[8] 前記一対の曲げ部材の各背面側に逃がし凹部が設けられている、請求項 2記載の帯板材の曲げ加工装置。

[9] 前記一対の曲げ部材の先端部どうしの間隔を前記帯板材の厚みに合わせて可変調整できる曲げ部材間隔調整装置と、前記一対の曲げ部材の各先端部の回転半径を可変調整できる回転半径調整装置とを備えている、請求項 2ないし 8のいずれか 1 項に記載の帯板材の曲げ加工装置。

[10] 前記曲げ部材は、正逆駆動する曲げ部材駆動用モータの回転をギヤ伝動機構を介して伝達する一対の従動ギヤの回転により回転するように構成されており、前記従動ギヤと前記曲げ部材との間に、前記従動ギヤの回転を前記曲げ部材に伝達する揺動腕を設けており、前記曲げ部材間隔調整装置が、前記一対の曲げ部材のそれぞれの前記揺動腕の基部を回転可能に支持する第 1偏心軸と第 2偏心軸を有し、これら第 1偏心軸と第 2偏心軸とを互いに逆方向に任意角度に回転させることのできる偏心軸回転調整機構を備える、請求項 9記載の帯板材の曲げ加工装置。

[11] 前記曲げ部材は、正逆駆動する曲げ部材駆動用モータの回転をギヤ伝動機構を介して伝達する一対の従動ギヤの回転により回転するように構成されており、前記従動ギヤと前記曲げ部材との間に、前記従動ギヤの回転を前記曲げ部材に伝達する揺動腕を設けており、前記回転半径調整装置が、前記一対の曲げ部材とそれぞれの揺動腕の先端部との間に、所定厚の L字形状のシムを着脱可能に挟んでなる、請求項 9記載の帯板材の曲げ加工装置。