明 細 書
電気掃除機
技術分野
[0001] 本発明は、吸込み気流を作る電動送風機が内蔵された掃除機本体の塵分離部と、 この塵分離部の上流側に他の塵分離部を更に備える電気掃除機に関する。
背景技術
[0002] 従来、特開平 10— 85159号公報に示すようにサイクロン分離装置を備えた電気掃 除機が知られている。この掃除機では、ファン装置が内蔵された掃除機本体にダスト コンテナ (ダストバッグ)が内蔵されている。掃除機本体にはホースを介してハンドル 管が接続されている。ハンドル管にはシャフト管を介して吸込みノズルが接続されて いる。シャフト管にはサイクロン分離装置を隣接して配設されている。
[0003] この電気掃除機を用いた掃除では、ファン装置により吸込んだ含塵空気中の比較 的大きな塵が、上流側のサイクロン分離装置で分離され集塵される。サイクロン分離 装置を通過したより小さい塵は、掃除機本体内のダストバッグにより空気力 分離して 集塵される。
[0004] この電気掃除機は、掃除機本体とシャフト管とに夫々集塵部を設けたので、以下の 利点がある。すなわち、シャフト管に集塵部を設けたので、使用者力も遠い位置にあ る掃除機本体の集塵部のごみ捨て回数を減らすことができる。掃除機本体に集塵部 があるから、シャフト管の集塵部を大きくする必要がない。このため、掃除中にシャフト 管が邪魔になることを抑制できる。
[0005] 従来の電気掃除機のサイクロン分離装置は、ハンドル管に接続される上連結管に 連通した渦室を備え、このまわりに概ね円形の第 1通路を設けている。第 1通路の終 端は渦室の入口に連通されている。第 1通路の上連結管側の端は壁部によって閉じ られている。この第 1通路には第 2通路の終端が開口されている。第 2通路の終端部 側は直管状であって、その終端の延長線と直交するように前記壁部が設けられてい る。この第 2通路の上流側は吸込みノズルに連通するシャフト管に接続されている。
[0006] 掃除の際に、第 2通路に吸込まれた含塵空気は、この第 2通路に対向している壁部
に直角に突き当たって力も第 1通路に流入する。これにより含塵空気は、円形の第 1 通路を旋回するように流動して力も渦室に流入し旋回する。渦室を旋回した空気は、 この渦室の中心部から上連結管に流出する。こうした挙動において、直管状の第 2通 路と同方向に向いた軸を中心とした旋回流により遠心力が塵に作用する。これにより 塵と空気とを分離することができる。
発明の開示
[0007] (発明が解決しょうとする課題)
上述した利点があるものの従来の電気掃除機は、吸込みノズルとファン装置との間 に配置したサイクロン分離装置と、掃除基本体内にダストバッグとに含塵空気を順次 通して掃除をする。このように常時 2段階の塵分離を行 、ながら掃除をする従来の電 気掃除機では、塵分離に伴う圧力損失が大きい。このため、吸込みノズルでの吸込 み力を大きくするには不向きである。
[0008] 従来の電気掃除機は、ファン装置 (電動送風機)への印加電力を加減することで、 掃除場所等に応じて吸込み力を強弱に切換えて 、る。
[0009] こうした電気回路的な切換えに加えて、更に吸込み力の強弱調整ができることは好 ましい。つまり、掃除において多様な強さの吸込み力を得られることは、掃除場所に 応じたより適切な対応が可能となる点で好ましい。しかし、こうした要請は特許文献 1 の電気掃除機では満たすことができな 、。
[0010] 本発明の目的は、吸込み気流の上流側と下流側に夫々配置される塵分離部を備 えるにも拘わらず、吸込み力の強弱を電気回路的な構成によらずに切換えることが できる電気掃除機を提供することにある。
[0011] 特許文献 1の電気掃除機は、既述のようにサイクロン分離装置の上流に位置する 直管状の第 2通路と同方向に向いた軸を中心とした旋回流によって塵と空気とを分 離する。このため、第 2通路を直進した含塵空気の流れは、直角に曲げられた後、円 形の第 1通路に導入することによって再度流れが曲げられて旋回流を形成する。
[0012] このように旋回流を形成するために空気の流れを曲げるだけでなぐその上流にお いても空気の流れを直角に曲げている。これによる圧力損失を生じる。し力も、空気 の流れ直角に曲げているので圧力損失はきわめて大きい。このため、旋回流の風速
が遅ぐ分離性能を向上する上では好ましくない。更に、サイクロン分離装置での既 述の圧力損失により、吸込みノズル力 掃除機本体に至る吸気通路全体の圧力損 失も大きくなる。このため、電気掃除機の吸込み性能を向上させる上でも好ましくない
[0013] 本発明の他の目的は、吸込性能及び塵分離部での塵分離性能を向上できる電気 掃除機を提供することにある。
[0014] (課題を解決するための手段)
本発明の電気掃除機は、
電動送風機及びこの上流側に設けられた第 1塵分離部を有する掃除機本体と; 第 1風路を有して前記第 1塵分離部の上流側に設けられた管状部と;
前記第 1風路から分岐される第 2風路を有して、前記管状部のまわりに設けられた 第 2塵分離部と;
この第 2塵分離部を経ずに前記第 1塵分離部に至る含塵空気の流れを形成させる 第 1位置、及び前記第 2塵分離部を経て前記第 1塵分離部に至る含塵空気の流れを 形成させる第 2位置にわたって移動される選択部材を有した風路選択機構と; を具備している。
[0015] 本発明によれば、吸込み気流の上流側と下流側に夫々配置される塵分離部を備え るにも拘わらず、吸込み力の強弱を電気回路的な構成によらずに切換えることができ る。
[0016] 本発明の電気掃除機は、
電動送風機が内蔵された掃除機本体と;
前記電動送風機の上流側に設けられて、第 1風路を形成する真っ直ぐな管状部と; この管状部のまわりに設けられ、含塵空気が導入される入口とこの入口より下流の 位置で前記第 1風路に連続する出口とを連通する第 2風路を備えて、この第 2風路を 流れる空気と塵とを慣性を利用して分離する塵分離部であって、分離された塵を溜 める取外し可能な集塵ケースを備え、前記管状部に沿って設けられ前記塵力 分離 された空気を前記出口に導く戻し風路部を前記第 2風路が有している塵分離部と; 前記管状部に設けられ前記第 1風路を通る含塵空気を前記入口に導入させる導風
部材と;
を具備している。
[0017] 本発明によれば、吸込性能及び塵分離部での塵分離性能を向上させることができ る。
図面の簡単な説明
[0018] [図 1]図 1は、本発明の一実施形態に係る電気掃除機を示す斜視図である。
[図 2]図 2は、図 1の電気掃除機の第 2塵分離部まわりを示す斜視図である。
[図 3]図 3は、図 2の第 2塵分離まわりを示す縦断側面図である。
[図 4]図 4は、図 3中 F4—F4線に沿って示す断面図である。
[図 5]図 5は、図 3中 F5— F5線に沿って断面して示す第 2塵分離部まわりの斜視図 である。
[図 6]図 6は、図 2の第 2塵分離部をその集塵ケースとこの集塵ケースが取付けられる 部分とを分離した状態で示す側面図である。
[図 7]図 7は、図 2の第 2塵分離部の集塵ケースが取付けられる部分を示す斜視図で ある。
[図 8]図 8は、図 2の第 2塵分離部の集塵ケースを示す斜視図である。
[図 9]図 9は、図 2の第 2塵分離部を一部省略して示す斜視図である。
発明を実施するための最良の形態
[0019] 図 1から図 9を参照して本発明の一実施形態を説明する。
[0020] 図 1中符号 1はキヤ-スタ型の電気掃除機 (vacuum cleaner)を示して!/、る。この電気 掃除機 1は、掃除機本体 2と、吸気通路部材 (suction air path member) 3と、第 2塵分 離部 4と、風路選択機構 5とを備えている。
[0021] 掃除機本体 2は床面等の被掃除面上を移動自在である。掃除機本体 2の例えば後 部に電動送風機 (motor blower)6が内蔵されている。電動送風機 6は吸込み気流を 形成する。この電動送風機 6の上流側に位置した掃除機本体 2の前面壁に吸込み口 2aが設けられている。
[0022] 吸込み口 2aと電動送風機 6との間は集塵室となっている。この集塵室に、第 1塵分 離部が配置されている。この第 1塵分離部は、例えば通気性を有するフィルタ、好ま
しくは集塵機能を有するために袋状をなした紙製等の集塵袋 7で形成されて ヽる。集 塵袋 7は電動送風機 6の上流側に位置して掃除機本体 2に内蔵されている。この集 塵袋 7は、掃除機本体 2が有する開閉可能な本体蓋 2bが開かれた状態で、集塵室 に着脱される。
[0023] 吸気通路部材 3は、ホース 11と、接続部 12と、パイプ 13と、吸込み口体 14とを備え ている。吸込み口体 14は吸込みノズルとも称される。
[0024] ホース 11は蛇腹状をなして自在に可撓変形ができる。ホース 11はその一端部に連 結筒部 11aを有する。接続部 12はホース 11の他端部に連結されている。連結筒部 1 laを有したホース 11と接続部 12とはホース組立を形成している。
[0025] 連結筒部 11aは吸込み口 2aに取外し可能に接続される。この接続により、吸気通 路部材 3は電動送風機 6及び集塵袋 7の上流側に配置される。吸気通と部材 3は、そ の吸込み口体 14から吸込まれた含塵空気を集塵袋 7内に導くように設けられる。
[0026] 図 5から図 7に示すように接続部 12は、管状部 15と、握り部 16とを備えている。管 状部 15によってその内部に第 1風路 15aが形成されている。第 1風路 15aは吸気通 路部材 3の一部に設けられている。本実施形態で管状部 15は第 1風路 15aでの風路 抵抗を低減するために真っ直ぐな管状をなしている。しかし、管状部 15及び第 1風路 15aは曲がって、ヽても差し支えな!/、。
[0027] 握り部 16は、掃除操作の際に吸気通路部材 3を握り持っために使用される。握り部 16は、管状部 15の例えば後部力も突設されたノヽンドルで形成されている。しかし、こ れに限らず、握り部 16は、管状部 15の例えば前部などを直接握り持つように形成す ることもできる。前記ハンドル力もなる握り部 16には、電動送風機 6等に対する運転の 指令をする操作パネル 16aが設けられて 、る。
[0028] 図 1に示すように管状部 15の後端部 15bにはホース 11の他端部が連結されて!、る 。管状部 15の前端部 15cには、パイプ 13の後端部又は吸込み口体 14が選択的に 取外し可能に接続される。パイプ 13は、例えば第 1パイプ部材 13aと第 2パイプ部材 13bとを摺動可能に嵌合させてなり、その摺動により伸縮可能である。
[0029] 吸込み口体 14は、ヘッド部 14aと、接続管 14bとを備えている。ヘッド部 14aの下面 に床面等の被掃除面に対向する横長な吸塵口(図示しない)が開口されている。接
続管 14bはヘッド部 14aの後部に自在継手構造を介して回動自在に取付けられて!/ヽ る。接続管 14bは管状部 15の前端部 15c又はパイプ部材 13bの前端部に選択的に 取外し可能である。
[0030] 第 2塵分離部 4は第 1風路 15aを形成した管状部 15のまわりに設けられている。し たがって、第 2塵分離部 4は掃除機本体 2内の電動送風機 6及び集塵袋 7に対してそ の上流側に配置されている。第 2塵分離部 4は、ケース受け部 21と、集塵ケース 22と 、フィルタ 23と、塵プレス機構 24とを備えている。集塵ケース 22は、第 2集塵部をなし て 、て、ケース受け部 21に取外し可能に組合わされて 、る。
[0031] 詳しくは、ケース受け部 21は管状部 15と一体に形成されている。図 5及び図 7など に示すようにケース受け部 21は、第 1風路 15aをなした管状部 15より短ぐかつ、この 管状部 15の幅より広く形成されている。ケース受け部 21は管状部 15長手方向と同 方向に延びる開口を有して 、る。この開口は好ま U、例として上方に開放して!/、る。
[0032] 管状部 15はケース受け部 21に通されている。好ましい例として管状部 15は、図 4 及び図 5に示すようにケース受け部 21の幅方向中央部に配置されている。この配置 により、管状部 15及びケース受け部 21の夫々が、それらの幅方向(吸込み口体 4側 力も見て左右方向)に、管状部 15の中心軸線を対称線として線対称に設けられる。
[0033] それにより、管状部 15に対するケース受け部 21、ひいては第 2塵分離部 4の重量 バランスがよい。したがって、握り部 16を握って吸気通路部材 3を操作する上で好ま しい。更に、後述する集塵ケース 22から第 1風路 15aに戻る風の流れが、ケース受け 部 21の幅方向片側に偏ることを抑制できる点でも好ましい。これとともに、集塵ケース 22での集塵も、その幅方向片側に偏らずに、幅方向にバランスよく集塵できる点でも 好ましい。
[0034] 既述のように第 1風路 15aをなす管状部 15は、ケース受け部 21の幅方向中央に配 置されて、ケース部 21に通されている。これにより、管状部 15に沿った左右一対の戻 し風路部 25が、管状部 15とケース受け部 21との間に形成されている。戻し風路部 2 5は、第 1風路 15aの左右方向に並べられて!/、て第 1風路 15aの上下方向に重なつ ていない。このため、第 1風路 15aをなす管状部 15に対して第 2塵分離部 4を上下方 向にコンパクトに設けることができる点で好ましい。
[0035] 図 5に示すように戻し風路部 25の前端は閉じている。戻し風路部 25の後端部は、 出口 26 (図 3及び図 5参照)を通じて第 1風路 15aに連続されている。これにより、戻 し風路部 25は第 1風路 15aに合流されている。出口 26は管状部 15の後端寄りの位 置に開口されている。この出口 26は、第 1風路 15aを通る含塵空気の流れ方向を基 準に後述する入口 34よりも下流の位置に設けられて 、る。
[0036] 図 4から図 7に示すようにケース受け部 21の前記開口の縁には、この縁に沿って、 シールパッキン 27が装着されて!、る。シールパッキン 27はゴムなどの軟質シール材 料力もなる。この配置のシールパッキン 27には、集塵ケース 22から塵を捨てる場合 に、排出される塵が付着しない点で好ましい。シールパッキン 27は集塵ケース 22の 開口縁〖こ装着することちできる。
[0037] 図 2、図 5、及び図 7に示すように管状部 15の外面に前側凸部 15dが設けられてい る。この前側凸部 15dはケース受け部 21の前端に連続している。前側凸部 15dには 、ケース係止部例えば係止穴 15f (図 3参照)が設けられている。係止穴 15fは後方 に向けて開口されている。
[0038] 図 3、図 6、及び図 7に示すように管状部 15の外面に後側凸部 15eが設けられてい る。後側凸部 15eは、ケース受け部 21の後端に連続していて、握り部 16の根元をな している。この後側凸部 15eにケース係止部材 28が取付けられている。
[0039] ケース係止部材 28は前後方向に移動可能に設けられている。ケース係止部材 28 は図示しないばねで前方に付勢されている。このケース係止部材 28は、指で操作す ることにより前記ばねの力に杭して後方向に引き動かすことができる。
[0040] 図 3、図 6、図 8等に示すように集塵ケース 22は、ケース本体 31と、ケース蓋 32と、 フィルタ支持枠 33とを備えている。ケース本体 31の一面、好適には下面は開口され ている。ケース本体 31はその前部を覆う本体カバー 3 IVを有している。ケース蓋 32 はケース本体 31の開口の前部を開閉して設けられている。フィルタ支持枠 33はケー ス本体 31の後部に設けられている。
[0041] ケース本体 31及びケース受け部 21の開口は、第 1風路 15aをなした管状部 15の 軸方向に延びている。ケース本体 31の下面開口の幅はケース受け部 21の開口の幅 に合致して 、る。図 3及び図 8に示すようにケース本体 31の長手方向前端には係止
片 31cが突設されている。この係止片 31cは係止穴 15fにその後方カも揷脱できる。 ケース本体 31の長手方向後端部には係止部材受け 31 d (図 3参照)が設けられて 、 る。係止部材受け 3 Idは凹部など力 なる。この係止部材受け 3 Idにはその後方から 前記ケース係止部材 28の前部が挿脱できる。
[0042] 以下の手順で第 2塵分離部 4の集塵ケース 22を接続部 12に取付けることできる。ま ず、管状部 15のケース係止部材 28を後向きに引いた状態で、係止片 31cを管状部 15の係止穴 15fに挿入しつつ、ケース本体 31をケース受け部 21に被せる。この状 態で、ケース本体 31とケース受け部 21との開口を互に合わせる。次に、ケース係止 部材 28を、前方に移動させて、ケース本体 31の係止部材受け 31dに引っ掛ける。こ れにより、ケース本体 31が外れ止めされる。この取付けと、逆の手順によって、接続 部 12から集塵ケース 22を外すことができる。
[0043] 接続部 12に取付けられた集塵ケース 22は、その長手方向を、管状部 15の中心軸 線が延びる方向と一致させて配置される。この配置では、管状部 15の幅方向への集 塵ケース 22の突出が小さいので、吸気通路部材 3を操作する際のノ ランスが良い。 更に、この操作において管状部 15が被掃除面の視界を遮る要素となることが抑制さ れる点で好ましい。
[0044] 図 8に示すようにフィルタ支持枠 33は、ケース本体 31の幅方向に並んだ一対の壁 33aと、隔壁 33bを有している。一対の壁 33aは、ケース本体 31の後端壁 31aからケ ース本体 31の長手方向中間位置にわたつて前向きに延びている。一対の壁 33aの 前部には円形孔 35が夫々形成されている。隔壁 33bは一対の壁 33aの前部を一体 に連続している。隔壁 33bは、壁 33aの下端面と面一に連続する隔壁底部と、これか ら上向きに湾曲された湾曲部とからなる。
[0045] 隔壁底部には前側に向力つて先細となる略 V字状の切欠き 33cが設けられている。
この切欠き 33cと、これに連続した一対の壁 33aの下端面間とによって、例えば略船 底形形状の開口が形成されて!、る。この開口は第 2塵分離部 4に対する含塵空気の 入口 34として用いられる。
[0046] この入口 34にケース本体 31の後端壁 31aが連続されている。後端壁 31aは、第 1 風路 15aが延びる方向に対して略直角に交差する方向に沿った壁力もなる。この後
端壁 31aは垂直状に起きている。
[0047] 第 1風路 15aの下流側部位をなす管状部 15の後部には、分岐口 36が形成されて いる。分岐口 36は図 7に示すようにケース受け部 21の開口に向けて例えば上向きに 開口されている。この分岐口 36は、集塵ケース 22が接続部 12に既述のように取付け られた状態で入口 34と連続される。
[0048] 図 3及び図 7中符号 37は位置決め部を示している。位置決め部 37は、分岐口 36 の上流側の縁から起立されている。位置決め部 37にはその後側から隔壁 33bの湾 曲部が接する。それにより、分岐口 36と入口 34とが適正に位置決めされる。
[0049] 図 4及び図 9等に示すように前記フィルタ 23は、フィルタ枠体 23cにフィルタ要素 23 bを取付けてなる。フィルタ枠体 23cは両端が開放された円筒状をなしている。フィル タ枠体 23cは長孔状の窓孔を周方向に一定間隔ごとに有している。これら窓孔は円 筒の軸方向に延びて 、る。フィルタ枠体 23cの両端部外周面には夫々周方向に沿う 歯 23aが形成されている。フィルタ要素 23bはネットフィルタ力もなり、これは前記各 窓孔を塞 、でフィルタ枠体 23cの外周面に装着されて!、る。このフィルタ要素 23bの 端は歯 23aには掛かって!/ヽな!ヽ。
[0050] フィルタ 23はフィルタ支持枠 33の壁 33aに両端支持されている。このフィルタ 23の 両端部は円形孔 35に回転可能に揷通されている。フィルタ 23の両端の歯 23aは、フ ィルタ支持枠 33の壁 33aとケース本体 31の側壁との間に配置されている。後述する ケース蓋 32を開放した状態で、この開放部を通して差し入れた手の指先を歯 23aに 掛けて、フィルタ 23を回転させることができる。
[0051] フィルタ支持枠 33の壁 33aとケース本体 31の側壁との間の空間は、集塵ケース 22 が接続部 12に取付けられた状態で戻し風路部 25に連続する。これにより、円筒状フ ィルタ 23の下流側領域をなすフィルタ 23の内部空間力 フィルタ 23の両端開口を通 じて接続部 12の戻し風路部 25と連通されている。
[0052] ケース本体 31に対して以上のように配置されたフィルタ 23によって、集塵ケース 22 内力 塵溜め室 41と、分離室 42とに分けられている。塵溜め室 41は、フィルタ 23に 対してその前側に隣接されている。分離室 42は、フィルタ 23に対してその後側に隣 接されている。これら両室 41, 42はフィルタ 23の上方空間を通じて連通されている。
集塵ケース 22が接続部 12に取付けられた状態で、塵溜め室 41は第 1風路 15aの上 流側部位に寄せて配置される。同状態で分離室 42は塵溜め室 41に対して第 1風路 15aの下流側部位に寄せて配置される。
[0053] 分離室 42を仕切った壁の内でフィルタ 23の外周面に対向する壁は、ガイド壁 43 ( 図 3参照)をなしている。このガイド壁 43は前記入口 34力も塵溜め室 41にわたつてい る。ガイド壁 43の入口側部分は前記後端壁 3 laで形成されている。ガイド壁 43は、フ ィルタ 23の外周面の一部と略相似形状をなすように入口 34から塵溜め室 41にわた つて湾曲している。
[0054] 第 2塵分離部 4は、入口 34から分離室 42、塵溜め室 41、戻し風路部 25を介して出 口 26に至る風路を備えている。この風路の内の戻し風路部 25は第 1風路 15aをなす 管状部 15に沿っている。
[0055] 図 3及び図 4等に示すように塵溜め室 41は、ケース本体 31の前部天井壁と、一対 の隔壁 31bと、ケース蓋 32とで区画されている。ケース本体 31の前部天井壁は、円 弧状に湾曲されたガイド壁 43に一体に連続している。一対の隔壁 31bは、ケース本 体 31の前部内側にこのケース本体 31の天井壁から一体に突設されて!/、る。これらの 隔壁 31bは平行である。ケース蓋 32は、隔壁 31bの先端 (下端)に接離して、塵溜め 室 41を開閉可能である。
[0056] ケース蓋 32はその後端部に枢軸部 32aを一体に有している。枢軸部 32aの両端部 は左右の隔壁 31bに貫通して支持されている。それによつて、枢軸部 32aを中心とし てケース蓋 32が回転可能に取付けられている。このケース蓋 32の回転によって、ケ ース本体 31の前部開口、つまり、一対の隔壁 31bの下端間が開閉される。
[0057] 図 3及び図 9等に示すように枢軸部 32aはフィルタ 23の前部外周面に対し至近距 離に配置されている。枢軸部 32aにはその軸方向に延びるリブ 32c (図 3参照)がー 体に突設されている。このリブ 32cは先細状である。
[0058] リブ 32cは、図 3のようにケース蓋 32が閉じた状態でフィルタ 23の前部外周面から 離れている。しかし、ケース蓋 32が開かれた状態では、枢軸部 32aの回動によってフ ィルタ 23の前部外周面に軽微に接して配置される。このため、既述のようにフィルタ 2 3が回転させた場合には、フィルタ要素 23bの表面に付着した塵を、リブ 32cで搔きと
つてケース蓋 32側に落とすことができる。
[0059] 円筒状のフィルタ 23には、その外側から内側に分離室 42内を通る含塵空気中の 空気が流通する。このため、流れが遅いフィルタ 23の下部には特に塵が付着し易い 。集塵ケース 22からの塵捨ての際などに、既述のようにフィルタ 23を手で回転させて フィルタ 23の全周にわたる塵落としができる。これにより、前記付着特性にかかわら ず、フィルタ 23の延命措置、つまり、目詰まりを解消する作業を手軽にできる。
[0060] 図 3及び図 9に示すようにケース蓋 32はその自由端にフック 32bを有している。フッ ク 32bは、ケース本体 31とその本体カバー 31Vとの間、つまり、塵溜め室 41の外部 に設けられている。
[0061] このフック 32bはフック受け 44に係脱できる。フック受け 44はケース本体 31を覆つ た本体カバー 3 IVの前端部内側に設けられている。フック受け 44に押し付けられた フック 32bはフック受け 44に係合できる。この係合によりケース蓋 32は閉じ状態に保 持される。フック受け 44からフック 32bを外すことによりケース蓋 32を開くことができる
[0062] フック受け 44はその中間部を支点に回転可能に設けられている。このフック 32bが 弓 Iつ掛かる保持位置に図示しないばねで付勢されて ヽる。図 3及び図 9に示すように フック受け 44からフック 32bを外すために、ケース本体 31の上面部にスライド部材 45 が移動可能に取付けられて 、る。
[0063] つまり、ケース本体 31の上面部に凹溝が前後方向に延びて形成されている。スライ ド部材 45は、棒状であり、凹溝内に前後方向に移動可能に取付けられて、塵溜め室 41から隔離されている。このスライド部材 45の先端は、ケース本体 31の上面部と本 体力バー 31Vとの間に挿入されている。
[0064] スライド部材 45は、その先端がフック受け 44のフック端部と反対側の端部力も離れ る位置を保持するように図示しないばねで付勢されて 、る。スライド部材 45はケース 本体 31の外部から操作可能である。スライド部材 45が前後方向に移動されることに より、スライド部材 45の先端がフック受け 44のフック端部と反対側の端部に接離され る。
[0065] したがって、スライド部材 45を指で押し込んで前方に移動させることに伴って、スラ
イド部材 45の先端が、フック受け 44のフック端部と反対側の端部を押圧する。それに より、フック受け 44を回転させて、フック端部をフック 32bから外すことができる。この 逆に、スライド部材 45の押し込みが解放されると、このスライド部材 45が元の位置に 押戻される。それにより、フック受け 44がフック 32bを引っ掛け得る位置に戻される。
[0066] 図 4に示すようにケース蓋 32の幅はケース本体 31の前部両側壁間の幅寸法より狭 い。ケース蓋 32は、図 3に示すように側面視略円弧状をなす開口部を有している。こ の開口部にはネットフィルタ 47が装着されている。ネットフィルタ 47のメッシュは、フィ ルタ 23のフィルタ要素 23bのメッシュと同じかそれよりも粗い。
[0067] 前記開口部の外面には図 3、図 6、図 8に示すように多数の短冊状の板 48がー体 に設けられている。これら板 48はケース蓋 32の前後方向に所定の間隔を空けて一 定角度で傾けられている。各板 48は、斜め前方に突出していて、ネットフィルタ 47を 通って塵溜め室 41から流出する空気を前方に導くようになって 、る。各板 48の突出 長さは、開口部を外側力もみた場合に、図 8に示すようにネットフィルタ 47の視認を妨 げることができる長さに設定されて!、る。
[0068] 各板 48による塵溜め室 41内を通過する空気の流れ方向の規制により、塵溜め室 4 1内に溜められた塵力 塵溜め室 41内の前部に集められて圧縮される。このため、塵 溜め室 41に集塵される塵をさほど嵩張らずに溜めることができる。更に、塵捨て時な どにお 、て、ネットフィルタ 47及びこれに付着した塵の視認を各板 48で妨げることが できる。これととともに、ネットフィルタ 47に付着した塵に手等が接して汚されることも 各板 48で妨げることができる。
[0069] 集塵ケース 22には塵プレス機構 24が設けられている。この機構 24は、プレス部材 51と、歯車 52と、ラック部材 53とを備えている。ケース本体 31の前部天井側部分と 本体カバー 31Vとの間には回動軸 54が取付けられている。この回動軸 54の両端部 は塵溜め室 41内に気密に挿入されて ヽる。
[0070] 塵溜め室 41に収納されたプレス部材 51のアームは、塵溜め室 41内に位置した回 動軸 54の両端部に連結されている。塵溜め室 41の外部に位置された回動軸 54の 中間部に歯車 52が固定されている。この歯車 52にラック部材 53が嚙み合わされて いる。ラック部材 53は、スライド部材 45の上面に開放した長溝に沿ってスライド可能
に設けられている。このラック部材 53はばね 55で後向きに付勢されている。
[0071] それにより、プレス部材 51は、その非使用時に、図 3に示すように塵溜め室 41の天 井に沿って寝た待機位置に保持される。図 3中符号 31gはカバー突起を示している。 このカバー突起 31gは前記待機位置のプレス部材 51の後端を覆っている。それによ り、ガイド壁 43に沿って導かれる含塵空気を斜め前下方に導くことができる。したがつ て、塵が待機位置のプレス部材 51に引っ掛力 ないようにできる。
[0072] 回動軸 54を中心とするプレス部材 51の先端の回動軌跡は、閉じたケース蓋 32の 内面の湾曲形状に略一致している。したがって、プレス部材 51が図 3中前側に回動 されると、このプレス部材 51の先端によりネットフィルタ 47が掃かれるようにタリーニン グされる。プレス部材 51は、塵溜め室 41の天井に沿って寝た待機位置力も既述のよ うに前側へ回動する。この回動により、塵溜め室 41内の塵が塵溜め室 41内の前部に 集められて圧縮される。
[0073] 集塵ケース 22には、第 2塵分離部 4を選択的に使い分ける風路選択機構 5が設け られている。風路選択機構 5は、図 8等に示すように選択部材 61と、操作部材 62と、 位置決め部 63とを備えて 、る。
[0074] 選択部材 61は導風部材として機能している。この選択部材 61は、バタフライ弁で 形成されていて、前記入口 34の形状に対応する形状をなしている。選択部材 61を ノタフライ弁とすることは、その風路選択機構 5の構成を単純にできる点で好ましい。
[0075] 選択部材 61の基端部 61aをなす後端部は枢軸 64を一体に有している。この枢軸 6 4の両端部を前記一対の壁 33aに支持させることによって選択部材 61が回動可能に 取付けられている。選択部材 61の基端部 61aは入口 34に連続されている。選択部 材 61は、その回動により、第 1位置と第 2位置とにわたつて移動できる。
[0076] 第 1位置は、第 2塵分離部 4を経ずして集塵袋 7に至る含塵空気の強い流れを形成 させるために選択部材 61が配置される位置である。第 1位置に配置された選択部材 61は、図 3中二点鎖線で示すように、第 1風路 15aの分岐口 36及び第 2塵分離部 4 の入口 34を閉じるとともに、第 1風路 15aを塞き止めない。この状態では、入口 34へ の第 1風路 15aからの含塵空気の導入が止められるとともに、第 1風路 15aから集塵 袋 7への含塵空気の流れが許される。
[0077] 第 2位置は、第 2塵分離部 4を経て集塵袋 7に至る含塵空気の弱 ヽ流れを形成させ るために選択部材 61が配置される位置である。第 2位置に配置された選択部材 61 は、図 3中実線で示すように第 1風路 15aの分岐口 36及び第 2塵分離部 4の入口 34 を開くとともに、第 1風路 15aを塞き止める。この状態では、第 1風路 15aから入口 34 への含塵空気の導入が許されるとともに、第 1風路 15aから集塵袋 7への直接の含塵 空気の流れが止められる。
[0078] この第 2位置での選択部材 61は、この選択部材 61の基端部 61aから斜状をなして 第 1風路 15aの上流側に向けてせり出している。これにより、第 1風路 15aに流れ込ん だ含塵空気が斜状の選択部材 61に導かれて入口 34に導入される。つまり、含塵空 気の流れ方向が円滑に変えられて、この流れ方向の変更に伴う乱流の発生を抑制 できる。したがって、第 2位置の選択部材 61により、圧力損失を抑制しつつ、含塵空 気を円滑に入口 34に導入させることができる。
[0079] ノタフライ弁力もなる選択部材 61の枢軸 64側の基端部 61aは、例えば平坦状をな している。この基端部 6 laと、これより先端側の部分とは、相互間に折り曲げによる角 を形成することなぐ緩やかな湾曲面をもって連続されている。これは、入口 34に導 入される含塵空気の流れが乱れることを抑制して圧力損失を更に抑制できる点で好 ましい。
[0080] 選択部材 61が第 2位置に配置された状態で、基端部 61aは、ガイド壁 43の入口 34 側部分、言い換えればケース本体 31の後端壁 31aと面一に連続する。この状態で、 後端壁 31aと基端部 61aとが風路抵抗となる段差等を形成することがない。
[0081] そのため、第 1風路 15aから分離室 42の入口 34への含塵空気の導入における乱 流の発生に伴う圧力損失が抑制され、含塵空気を円滑に入口 34に導入させることが できる。したがって、真っ直ぐな第 1風路 15a内に斜状にせり出して第 2位置に配置さ れた選択部材 61によって、第 1風路 15aから分離室 42に導入される含塵空気中の 塵に、大きな慣性力を与えることができる。その上、前記圧力損失の抑制により、吸 込み風路体 3が先端部に有した吸込み口体 14での吸込み力を向上できる。
[0082] 枢軸 64の一端部は分離室 42の一側壁を貫通している。この一端部に操作部材 62 が連結されている。操作部材 62はアーム状をなしている。この操作部材 62は集塵ケ
ース 22の外部力も指で掴んで回動させることができる。操作部材 62が往復回動され ることにより、選択部材 61が第 1位置と第 2位置とにわたつて移動される。
[0083] 図 2及び図 8等に示すように枢軸 64が貫通した分離室 42の一側壁の外面には、位 置決め部 63がー体に設けられている。位置決め部 63は第 1溝 63aと第 2溝 63bとを 有している。これら第 1溝 63aと第 2溝 63bには操作部材 62の先端部が選択的に係 脱される。第 1溝 63aは、これに操作部材 62が係合された時に、選択部材 61を第 1 位置に保持する。第 2溝 63bはこれに操作部材 62が係合された時に、選択部材 61 を第 2位置に保持する。
[0084] 図 1に示した電気掃除機 1を用いた真空吸引式の掃除は、握り部 16を握り、電動送 風機 6を駆動した上で、吸気通路部材 3を動力して吸込み口体 14を床面などの被掃 除面に沿って移動させて行われる。この場合、操作パネル 16aの強及び弱のスイツ チ釦の操作で電動送風機 6の運転を制御することにより、強い吸込みと、弱い吸込み とを選択できる。これにカ卩えて、以下の手順で吸込みの強弱に切換えることができる 。したがって、これらの組合せにより多様な吸込み力を得ることができる。
[0085] 操作パネル 16aでの操作によらずして吸込み力を強くするには、風路選択機構 5の 操作部材 62を位置決め部 63の第 1溝 63aに引っ掛ければよい。これにより、選択部 材 61が上向きに回動して第 1位置に配置される。そのため、吸込み口体 14から吸込 まれた含塵空気は、選択部材 61に妨げられることなぐ吸気通路部材 3の第 1風路 1 5aを直進して通過できる。この場合、第 1風路 15aを通る含塵空気が集塵ケース 22 に導入することは、入口 34を閉じた選択部材 61によって妨げられる。
[0086] したがって、吸込み口体 14から吸込まれた含塵空気は、第 2塵分離部 4を経ずして 吸気通路部材 3を流通する。この後、含塵空気は、掃除機本体 2内にその吸込み口 2aから流入して、集塵袋 7によって塵と空気とに分離される。分離された塵は集塵袋 7内に溜められる。集塵袋 7で塵力 分離された空気は、電動送風機 6に吸い込まれ てから、掃除機本体 2の外部に排出される。
[0087] この掃除形態では、第 2塵分離部 4が風路抵抗となることがない。そのため、電動送 風機 6の上流側での集塵部による風路抵抗は、集塵袋 7だけとなる。したがって、強 い吸込みを実現できる。
[0088] 一方、操作パネル 16aでの操作によらずして吸込み力を弱くするには、風路選択機 構 5の操作部材 62を位置決め部 63の第 2溝 63bに引っ掛ければよい。これにより、 選択部材 61が下向きに回動して第 2位置に配置される。そのため、吸込み口体 14か ら吸込まれた含塵空気が、吸気通路部材 3の第 1風路 15aを直進して通過することが 選択部材 61で妨げられる。こうして通過を妨げられた含塵空気は、選択部材 61をガ イドとして、集塵ケース 22の入口 34に導入される。集塵ケース 22に導入された含塵 空気は、ガイド壁 43に沿って導かれる。
[0089] 分岐口 36から第 1風路 15aに入り込んで前方にせり出して 、る斜状の選択部材 61 とガイド壁 43とは、図 3に示されるように半円状に連続している。このため、第 1風路 1 5aに流入した含塵空気は、第 1風路 15aに対する流動方向と反対側、つまり上流側 に戻されるように導かれる。これに伴い集塵ケース 22内に導入された含塵空気中の 塵の慣性力が遠心方向に作用する。それにより、重い塵は、ガイド壁 43に寄せられ て一部の空気とともに集塵ケース 22の塵溜め室 41に導入される。
[0090] この一方で、電動送風機 6の運転に基づく吸込み圧が、分離室 42に臨んでいる円 筒状のフィルタ 23の内部に波及している。この吸込み圧の波及は、出口 26が戻し風 路部 25を経てフィルタ 23の内部に連通していることで実現されている。この場合、出 口 26は、第 1風路 15aを直進して通り抜けようとしている含塵空気の流れを遮ってい る選択部材 61より下流の位置にある。戻し風路部 25は出口 26に上流側から連続さ れている。更に、戻し風路部 25はフィルタ 23の両端開口を通じてフィルタ 23の内部 に連通されている。
[0091] このため、分離室 42内を通る空気の多くが、前記ガイド壁 43から遠ざ力る方向にフ ィルタ 23に吸込まれる。フィルタ 23を通過した空気は、戻し風路部 25に流出された 後、第 1風路 15aでの流れを遮っている選択部材 61より下流の位置にある出口 26を 通って第 1風路 15aに流入して、掃除機本体 2に吸込まれる。
[0092] 入口 34を有した分離室 42、フィルタ 23、戻し風路部 25、及び出口 26は、第 2塵分 離部 4の第 2風路 Pをなしている。この第 2風路 Pにより、以上説明したように選択部材 61を迂回して入口 34から出口 26にわたつて風が導かれる。
[0093] 以上のように第 2塵分離部 4では、導入された含塵空気中の重い塵をその慣性によ
りガイド壁 43に寄せて沿わせながら軽い空気を吸引している。これに伴い、分離室 4 2にお ヽて塵と空気とが分離される。
[0094] 分離された塵は既述のように塵溜め室 41に一部の空気とともに流入して、この塵溜 め室 41に溜められる。塵溜め室 41に入った一部の空気は、ケース蓋 32のネットフィ ルタ 47を通過し、更に、板 48相互間を通って戻し風路部 25に排出される。これによ り、この戻し風路部 25内でフィルタ 23から流出してくる空気と合流される。こうして合 流された空気は、既述のように出口 26を通って第 1風路 15aでの流れを遮って 、る 選択部材 61より下流の位置において、第 1風路 15aに流入して、掃除機本体 2に吸 込まれる。
[0095] 入口 34を有した分離室 42、ネットフィルタ 47、戻し風路部 25、及び出口 26も、第 2 塵分離部 4の第 2風路 Pをなしている。この第 2風路 Pにより以上説明したように選択 部材 61を迂回して入口 34から出口 26にわたつて風が導かれる。
[0096] この掃除形態での集塵部による風路抵抗は、第 2塵分離部 4とその下流側の集塵 袋 7との双方である。カ卩えて、既述のように慣性力を利用して空気と塵とを分離する第 2塵分離部 4での分離形態は、集塵袋 7に比較して圧力損失が大きい。このため、弱 い吸込みを実現できる。
[0097] 以上のように本発明の電気掃除機によれば、掃除機本体 2内の第 1塵分離部 (集 塵袋 7)と、これより上流側の第 2塵分離部 4とを持つことによる利点を有する。それば 力りでなぐ第 2塵分離部 4に設けた風路選択機構 5を操作して、その選択部材 61を 第 1位置又は第 2位置に選択して配置できる。それによつて、電動送風機 6に対する 入力制御をしたリ、集塵ケース 22を外すことなぐ強い吸込みと弱い吸込みとを切換 えることができる。このため、掃除場所に応じた吸込み力に切換えることができる。本 発明は、電動送風機に対する電力制御をしない電気掃除機にも適用できる。
[0098] し力も、選択部材 61を第 2位置に配置して第 2塵分離部 4を用いた塵分離を行わせ る掃除形態では、第 2塵分離部 4での塵分離性能を向上できる。
[0099] すなわち、この掃除形態では、第 2塵分離部 4の第 2風路 Pに、含塵空気が真つ直 ぐな第 1風路 15aから直接に導かれる。そのため、第 2風路 Pに至るまでの流路抵抗 が小さい。し力も、第 1風路 15aの中間部に斜状に配置された選択部材 61により、第
1風路 15aを真っ直ぐに通り抜けようとする含塵空気を遮って、この含塵空気を第 2塵 分離部 4の入口 34に円滑に導入させている。
[0100] この場合、第 1風路 15aの入口側風路部分、つまり、管状部 15の前端部 15cからこ れに対向して斜状に配置されている選択部材 61まで第 1風路部分は、真っ直ぐであ り、そこを流れる含塵空気の流れ方向が変わることがない。このため、含塵空気に対 する風路抵抗がきわめて小さぐ前記第 1風路部分を流れる含塵空気の速度が速い 。したがって、真っ直ぐな第 1風路部分は、第 2塵分離部 4からみれば、その入口 34 に導入される含塵空気の速度を速めるための助走路とみなすことができる。
[0101] これにより、掃除機本体 2に向けて含塵空気を導く吸込み風路体 3の一部を利用し て得た高速の含塵空気力 既述のように選択部材 61で第 2塵分離部 4の入口 34に 円滑に導入される。このため、分離室 42に流入した含塵空気中の塵に対してより大 きな慣性力が与えられる。したがって、塵の慣性を利用した塵と空気との分離性能を 向上できる。
[0102] 前記第 1、第 2の風路選択を行うためには、第 1風路 15aから分岐して曲がる風路を 第 2塵分離部 4に設ける必要がある。一方、第 2塵分離部 4では、含塵空気を曲げて 流すことにより、塵の慣性を利用して遠心力を発生させて、この塵と空気とを分離を する構成を採用している。このため、風路選択を行うために曲げた風路を、塵分離を させる風の流れを作ることに利用できる。したがって、第 1風路 15aに対する第 2塵分 離部 4の配置が合理的で、全体としての構成を簡素化できる。
[0103] 第 2位置に配置された選択部材 61は、入口 34に向力 含塵空気の流れを円滑に 案内する。更に、第 2位置に配置された選択部材 61は、第 2塵分離部 4で塵の慣性 を利用した塵分離を行わせるためのガイド壁 43に連続する。したがって、第 2の位置 に配置された選択部材 61によって、塵分離をするための風の流れが円滑に変更さ れる。
[0104] 弱い吸込みとした場合は、第 1風路 15aの分岐口 36が開放される。このとき、分岐 口 36と、出口 26及び戻し風路部 25とを通じてケース受け部 21に吸込み圧が作用す る。このため、集塵ケース 22がケース受け部 21に引き付けられて、これら両者間の気 密が確保される。
[0105] 強い吸込みとした場合にも、出口 26及び戻し風路部 25を通じてケース受け部 21 に吸込み圧が作用する。このため、集塵ケース 22がケース受け部 21に引き付けられ て、これら両者間の気密が確保される。
[0106] 第 2塵分離部 4の塵溜め室 41は所定量の塵溜め容積を確保する大きさに設定され ている。そのために、塵溜め室 41の幅は、第 1風路 15aの幅より必然的に大きくなつ ている。一方、塵溜め室 41を有する集塵ケース 22を取外し自在に支持するケース受 け部 21は、第 1風路 15aをなす管状部 15に一体に設けられている。それにより、ケー ス受け部 21の幅は、管状部 15の幅より大きぐ集塵ケース 22の幅と同じである。
[0107] このため、管状部 15とケース受け部 21との幅寸法差を利用して、戻し風路部 25a が形成される。よって、戻し風路部 25aを形成するために特別な構成を要しない。戻 し風路部 25aは、管状部 15に沿って、ケース受け部 21と管状部 15との間に形成され る。
[0108] 以上の強弱切換えを担う風路選択機構 5が設けられた第 2塵分離部 4は、吸気通 路部材 3を操作するための握り部 16を有した接続部 12に設けられて 、る。それにより 、握り部 16に近い位置に風路選択機構 5の操作部材 62が配置されている。このため 、操作上の取扱いが容易であるとともに、第 2塵分離部 4で分離された塵埃を捨てる 場合にも有利である。
[0109] 第 2塵分離部 4で分離した塵を捨てるには、必要に応じて塵プレス機構を操作した 後に、接続部 12から集塵ケース 22を取外す。次に、この集塵ケース 22を塵捨て場 所に運んで、ケース蓋 32を開 、て塵溜め室 41内の塵を排出すればょ 、。
[0110] この場合、掃除機本体 2外の接続部 12に集塵ケース 22が取付けられているので、 使用者は掃除機本体 2の位置まで移動する必要がない。このため、集塵ケース 22を 容易に外すことができる点で作業上好まし 、。
[0111] 本発明は前記一実施形態には制約されない。例えば第 2集塵部で第 1、第 2の風 路選択をしない電気掃除機として本発明を適用できる。この場合、導風部材を第 1風 路に斜めに入り込んだ位置に動かないように設けて、掃除の際第 2集塵部に必ず含 塵空気が流通するようにして実施することができる。