WO2006001311A1

WO2006001311A1 - 紙の表層を剥離させる紙製品

Info

Publication number: WO2006001311A1
Application number: PCT/JP2005/011461
Authority: WO
Inventors: Hideaki Oki; Kazuhiro Oki; Misako Satou; Seisyu Yano
Original assignee: Kazuhiro Oki; Misako Satou; Hideaki Oki; Seisyu Yano
Priority date: 2004-06-23
Filing date: 2005-06-22
Publication date: 2006-01-05
Also published as: EP1767695A1; US20080026169A1; JPWO2006001311A1

Description

紙の表層を剥離させる紙製品

技術分野

[0001] 本発明は、複数層からなる一枚の紙における最も外側の層を剥離させることが可能な紙製品に関する。

背景技術

[0002] 紙製包装容器の一例として特開平 7— 257559に開示されているものがある。

[0003] この紙製包装容器は、容器本体と蓋とからなり、容器本体と蓋の一部とが接着部において相互に接着され、内部を封止するようになっている。接着部はハーフカット領域内に配置されている。ハーフカット領域とは、紙材層の肉厚のほぼ半分程度の深さまで切り込みを入れた領域である。このハーフカット領域の内部において、紙層間の剥離を惹起させ、開封を行う。また、容器本体にもハーフカット領域が形成されており、このハーフカット領域に対応する蓋の内面に、蓋が紙層間剥離を起こすことを防止するための補強構造が設けられている。

[0004] すなわち、特開平 7— 257559は、紙材層の切り込みを入れた箇所から層間剥離を起こさせるものであり、紙性質の繊維層を起点に剥離させるものである。

[0005] また、特開 2000— 318357が開示する複葉葉書においては、基材面上に、接着後に再剥離可能な再剥離性接着剤層を形成し、基材と再剥離性接着剤層とを層間剥離させている。

特許文献 1 :特開平 7— 257559

特許文献 2：特開 2000— 318357

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] 上記の紙製包装容器及び複葉葉書は、 V、ずれも、紙材層からなる基材面上に接着剤ゃ榭脂フィルムなどによる層を形成する必要があるものであった。

[0007] このため、接着剤層ゃ榭脂フィルム層の形成に高いカ卩ェコストを要し、また、加工工程も長時間かつ複雑なものにならざるを得な力つた。 [0008] さらに、特開平 7— 257559のように、紙性質の繊維層を起点に剥離させる場合、層間剥離の範囲が限定され、利用用途が限定されるという欠点があった。

[0009] 本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、接着剤層ゃ榭脂フィルム層などの加工コストが高ぐ加工工程も複雑な層の形成を行うことなぐさらに、範囲が限定されずに層間剥離を行うことが可能な紙製品を提供することを目的とする。課題を解決するための手段

[0010] 上記の目的を達成するため、本発明は、基材層と、前記基材層の上に形成された素材層とからなり、一枚の紙として構成されている紙製品であって、前記素材層は前記基材層に対して層間剥離が可能であるように形成されており、上方から見て、前記素材層は前記基材層よりも外側に突出している突出領域を有していることを特徴とする紙製品を提供する。

[0011] 本発明は、さら〖こ、基材層と、前記基材層の上に形成された素材層とからなり、一枚の紙として構成されて！ヽる紙製品であって、前記素材層は前記基材層に対して層間剥離が可能であるように形成されており、上方から見て、前記素材層は前記基材層よりも外側に突出している突出領域を有しており、前記素材層には、その厚さ方向の全長にわたって、切り込み線が設けられており、前記切り込み線により画定された閉じた領域が層間剥離により剥離されることを特徴とする紙製品を提供する。

[0012] 前記切り込み線により画定された領域は、前記突出領域の外縁の少なくとも一部を含むものであることが好まし!/、。

[0013] 前記切り込み線により画定された領域は前記基材層上に形成されていることが好ましい。

[0014] 本発明に係る紙製品は、前記切り込み線により画定された領域の内側と外側とにわたって貼り付けられている剥離用シールをさらに備えることができ、この場合、前記剥離用シールと前記素材層との間の接着力は、前記基材層と前記素材層との間の接着力よりも大きい。

[0015] 前記切り込み線により画定された領域の内部には、前記基材層と前記素材層とが相互に剥離されてヽる剥離領域が形成されてヽることが好ま Uヽ。

[0016] 例えば、前記紙製品は郵便葉書として構成される。 [0017] 本発明は、さらに、対象物を収納する本体と、前記本体に対して開閉可能な蓋とからなる容器であって、前記容器は、基材層と、前記基材層の上に形成された素材層とからなる一枚の紙でつくられており、前記素材層は前記基材層に対して層間剥離が可能であるように形成されており、前記蓋には、前記本体と前記蓋とを接合する接着剤が塗布されており、前記接着剤が塗布されている領域の周囲には、前記素材層の厚さ方向の全長にわたる切り込み線が設けられており、前記蓋を前記本体力剥がすときに前記切り込み線により画定された領域が層間剥離により剥離されることを特徴とする容器を提供する。

[0018] 本発明は、さらに、対象物を収納する本体と、前記本体に対して開閉可能な蓋とからなる容器であって、前記容器は、基材層と、前記基材層の上に形成された素材層とからなる一枚の紙でつくられており、前記素材層は前記基材層に対して層間剥離が可能であるように形成されており、前記蓋には、前記基材層上に、前記本体と前記蓋とを接合する接着剤が塗布されており、前記蓋には、前記接着剤が塗布されている領域内に、前記基材層の厚さ方向の全長及び前記素材層の厚さ方向の一部にわたる切り込み線が設けられており、前記蓋を前記本体から剥がすときに前記切り込み線により画定された領域が層間剥離により剥離されることを特徴とする容器を提供する

[0019] 例えば、前記容器は封筒を構成する。

[0020] 本発明は、さらに、対象物を収納する本体と、前記本体に対して開閉可能な蓋とからなり、破断可能な材料カゝらなる容器であって、前記容器は、基材層と、前記基材層の上に形成された素材層とからなる一枚の紙カゝら構成されており、前記素材層は前記基材層に対して層間剥離が可能であるように形成されており、前記本体と前記蓋との境界線に隣接し、かつ、前記境界線に沿って切り込み線が形成されており、前記切り込み線は前記素材層の厚さ方向の全長にわたって設けられていることを特徴とする容器を提供する。

[0021] 前記切り込み線は、前記境界線の両側に形成されていることが好ましい。

[0022] 本発明は、さらに、対象物を収納する本体と、前記本体に対して開閉可能な蓋とからなり、破断可能な材料カゝらなる容器であって、前記容器は、基材層と、前記基材層の上に形成された素材層とからなる一枚の紙カゝら構成されており、前記素材層は前記基材層に対して層間剥離が可能であるように形成されており、前記容器を所望のラインに沿って破断させるための一対の相互に平行な破断線と、前記一対の破断線の各々に隣接し、かつ、前記一対の破断線に沿って、前記一対の破断線の少なくとも一方の外側に形成された一対の切り込み線と、が形成されており、前記切り込み線は前記素材層の厚さ方向の全長にわたって設けられていることを特徴とする容器を提供する。

発明の効果

[0023] 本発明は、製紙された紙材が特性として有している層間の破断剥離を利用し、紙の表層を剥離させるものである。従来は、紙材の基材面上に剥離用接着剤ゃ榭脂フィルムなどによる層を形成する高価な力卩ェを必要としていた力本発明によれば、そのような加工を行う必要がなくなる。

[0024] また、紙性質の繊維層を起点に剥離させる従来の方法では、層間剥離の範囲が限定されていた力本発明によれば、層間剥離の範囲が限定されることはない。本発明によれば、製紙された紙材の表層を任意の範囲で剥離させることができ、このため、紙製品における印刷面を増やすことができる。

図面の簡単な説明

[0025] [図 1]図 1 (A)は本発明の第一の実施形態に係る紙製品の平面図であり、図 1 (B)は図 1 (A)の A— A線における断面図である。

[図 2]図 2 (A)は本発明の第二の実施形態に係る紙製品の平面図であり、図 2 (B)は図 2 (A)の B— B線における断面図である。

[図 3]図 3 (A)は本発明の第三の実施形態に係る紙製品の平面図であり、図 3 (B)は図 3 (A)の C— C線における断面図である。

[図 4]図 4 (A)は本発明の第四の実施形態に係る紙製品の平面図であり、図 4 (B)は図 4 (A)の D— D線における断面図である。

[図 5]図 5 (A)は本発明の第五の実施形態に係る紙製品の平面図であり、図 5 (B)は図 5 (A)の E—E線における断面図である。

[図 6]図 6 (A)は本発明の第六の実施形態に係る紙製品の平面図であり、図 6 (B)は図 6 (A)の F—F線における断面図であり、図 6 (C)は図 6 (A)の G— G線における断面図である。

[図 7]図 7は本発明の第七の実施形態に係る紙製品の平面図である。

[図 8]図 8は本発明の第八の実施形態に係る紙製品の平面図である。

[図 9]図 9 (A)は本発明の第九の実施形態に係る紙製品の平面図であり、図 9 (B)は図 9 (A)の H— H線における断面図である。

圆 10]図 10は本発明の第十の実施形態に係る紙製品の斜視図である。

圆 11]図 11は本発明の第十の実施形態の変形例に係る紙製品の斜視図である。符号の説明

100 第一の実施形態に係る紙製

101 基材層

102 素材層

103、 103A 突出領域

200 第二の実施形態に係る紙製

201 切り込み線

300 第三の実施形態に係る紙製

301 剥離領域

400 第四の実施形態に係る紙製

401 剥離領域

402 剥離用シール

500 第五の実施形態に係る紙製

501 切り込み線

502 切り込み領域

510 切手

600 第六の実施形態に係る紙製

601 切り込み線

602 剥離領域

700 第七の実施形態に係る紙製 702 蓋

703 糊

704 切り込み線

800 第八の実施形態に係る紙製品

801 切り込み線

900 第九の実施形態に係る紙製品

903 糊

904 切り込み線

1000 第十の実施形態に係る紙製品

1001 本体

1002 蓋

1004 粘着テープ

1005a, 1005b 切り込み線

1100 第十の実施形態の変形例に係る紙製品

1006a, 1006b 破断線

1007 破断帯

1008a, 1008b 切り込み線

発明を実施するための最良の形態

[0027] [第一の実施形態]

図 1 (A)は本発明の第一の実施形態に係る紙製品 100の平面図であり、図 1 (B)は図 1 (A)の A— A線における断面図である。

[0028] 本実施形態に係る紙製品 100は、矩形状の基材層 101と、基材層 101の上に形成された矩形状の素材層 102とからなり、全体としては、矩形状の一枚の紙として構成されている。

[0029] 基材層 101は紙力なる層である。例えば、基材層 101は上質紙力なる。

[0030] 素材層 102は、例えば、基材層 101の表面に薬品を塗布し、その薬品を固化または乾燥すること〖こより、形成される。あるいは、素材層 102は、他の既存の層を基材層 101に接合させることにより、形成される。この場合には、素材層 102は基材層 101とは異なる素材性質を有しており、紙製品 100は全体として複合紙と呼ばれる。

[0031] また、素材層 102は、 0. 2乃至 0. 8ミクロンの上薬 (薬品）を基材層 101上に塗布することにより、形成することもできる。このように、上薬を塗ることによりつや出しされた紙製品 100はコーテイツド紙を構成し、一般に、アート紙やダロス紙などと称される

[0032] あるいは、紙製品 100は、複数の素材層を多層抄きすることにより、構成される。この場合には、紙製品 100は、抄造された板紙あるいは高坪量の厚紙などと称される。

[0033] 素材層 102は基材層 101に対して層間剥離が可能である。すなわち、素材層 102 は基材層 101から剥がすことが可能である。ただし、ー且、素材層 102を剥がしたあとは、素材層 102を基材層 101に再び接合させることはできな、。

[0034] また、図 1 (A)及び図 1 (B)に示すように、上方から見て、素材層 102は基材層 101 よりも外側に突出している突出領域 103を有している。

[0035] 突出領域 103は、基材層 101の長辺 101aに沿って、一定の幅を維持して、長方形状に延びている。

[0036] 本実施形態に係る紙製品 100においては、突出領域 103を持って、基材層 101と素材層 102とが剥がれる方向に引っ張ることにより、素材層 102を基材層 101から剥離させることができる。

[0037] このように、本実施形態に係る紙製品 100によれば、製紙された紙の特性としての層間の破断剥離性を利用し、紙製品 100の表層である素材層 102を剥離させることができる。このため、従来の紙製品のように、基材層上に剥離用接着剤ゃ榭脂フィルムなど力なる層を形成する必要はなぐ高コスト及び長時間を要する加工を省くことができる。

[0038] また、本実施形態に係る紙製品 100によれば、素材層 102の表面のみならず、基材層 101の表面もユーザーの目に触れることになるため、素材層 102及び基材層 10 1の双方の表面を印刷面として利用することができ、印刷を施すことができる領域を増大させることができる。

[0039] なお、本実施形態において、突出領域 103の形状は図 1 (A)及び図 1 (B)に示した形状に限定されるものではなく、基材層 101から外側に突出して、る限りにお、ては

、任意の形状をとることができる。

[第二の実施形態]

図 2 (A)は本発明の第二の実施形態に係る紙製品 200の平面図であり、図 2 (B)は図 2 (A)の B— B線における断面図である。

[0040] 本実施形態に係る紙製品 200は、第一の実施形態に係る紙製品 100と比較して、切り込み線 201、 201cが設けられている点が異なる。

[0041] 図 2 (A)に示すように、切り込み線 201は、突出領域 103の外縁 103aから水平方向に相互に平行に延びる一対の水平切り込み線 201aと、一対の水平切り込み線 20 laの各端部を連結する垂直切り込み線 201bと、力も構成されている。図 2 (B)に示すように、切り込み線 201は、素材層 102の全厚さ (厚さ方向における全長）にわたる切り込みとして形成されて！ヽる。

[0042] 突出領域 103の外縁 103aと一対の水平切り込み線 201aと垂直切り込み線 201b とで囲まれた閉じた領域が切り込み領域 202を形成しており、この切り込み領域 202

、て、素材層 102が基材層 101から剥離される。

[0043] さらに、基材層 101においても、切り込み腺 201cが設けられており、この切り込み腺 201cに沿って、基材層 101を剥離することにより、突出領域 103が形成される。ただし、必ずしも、基材層 101を切り込み腺 201cに沿って破断させる必要はない。

[0044] 本実施形態に係る紙製品 200によれば、素材層 102を基材層 101から剥離させる領域を切り込み線 201により任意に画定することができる。

[0045] なお、本実施形態において、切り込み線 201により画定される切り込み領域 202の位置及び形状は図 2 (A)及び図 2 (B)に示したものに限定されるものではなぐ任意の位置及び形状を選択することが可能である。

[第三の実施形態]

図 3 (A)は本発明の第三の実施形態に係る紙製品 300の平面図であり、図 3 (B)は図 3 (A)の C— C線における断面図である。

[0046] 本実施形態に係る紙製品 300は、第二の実施形態に係る紙製品 200と比較して、矩形状の剥離領域 301が形成されている点が異なる。 [0047] 剥離領域 301は、例えば、以下のようにして形成される。

[0048] 例えば、素材層 102を、薬剤を塗布し、その薬剤を乾燥させることにより、薬剤層として形成する場合、予め定めた領域においては、その薬剤を塗布しない。これにより、その薬剤が乾燥したときに、薬剤が塗布されていない領域が剥離領域 301として形成される。

[0049] あるいは、素材層 102を基材層 101に対して接合させる際に、予め定めた領域においてのみ、素材層 102を基材層 101に対して接合させない。これにより、素材層 1 02が基材層 101に対して接合されて、な、領域が剥離領域 301として形成される。

[0050] 図 3 (A)に示すように、剥離領域 301は、切り込み領域 202の内部であって、かつ、基材層 101の表面上に形成される。

[0051] 剥離領域 301には、例えば、予め、印刷を施しておくことができる。本実施形態に係る紙製品 300によれば、素材層 102を切り込み領域 202において基材層 101から剥離させたときに、剥離領域 301に印刷されていた図柄がユーザーの目に入ることになる。このため、剥離領域 301を宣伝広告用または情報告知用のスペースとして活用することが可能である。

[0052] なお、本実施形態にぉ、て、剥離領域 301の位置及び形状は図 3 (A)及び図 3 (B )に示したものに限定されるものではなぐ任意の位置及び形状を選択することが可能である。

[第四の実施形態]

図 4 (A)は本発明の第四の実施形態に係る紙製品 400の平面図であり、図 4 (B)は図 4 (A)の D— D線における断面図である。

[0053] 本実施形態に係る紙製品 400にお、ては、第三の実施形態に係る紙製品 300と比較して、切り込み線 201により画定される切り込み領域 401の位置が変わって、る。すなわち、第三の実施形態に係る紙製品 300においては、切り込み領域 202は突出領域 103の外縁 103aを一辺とするように形成されていた力本実施形態における切り込み領域 401は、突出領域 103の外縁 103aからは離れて、その全体が基材層 10 1上に位置するように形成されて!、る。

[0054] さらに、本実施形態に係る紙製品 400は剥離用シール 402を備えている。 [0055] 剥離用シール 402は切り込み領域 401の内側と外側にわたって素材層 102上に貼り付けられている。剥離用シール 402と素材層 102との間の接着力は、基材層 101と素材層 102との間の接着力よりも大きく設定されている。このため、剥離用シール 40 2を引き剥がすと、切り込み領域 401は剥離用シール 402に貼りついたまま、剥離用シール 402とともに基材層 101から剥離される。

[0056] 第三の実施形態における剥離領域 301と同様に、剥離領域 401には、例えば、予め、印刷を施しておくことができ、剥離領域 401を宣伝広告用または情報告知用のスペースとして活用することが可能である。

[0057] なお、本実施形態にぉ、て、剥離領域 401の位置及び形状は図 4 (A)及び図 4 (B )に示したものに限定されるものではなぐ任意の位置及び形状を選択することが可能である。

[第五の実施形態]

図 5 (A)は本発明の第五の実施形態に係る紙製品 500の平面図であり、図 5 (B)は図 5 (A)の E—E線における断面図である。

[0058] 第五の実施形態に係る紙製品 500は、図 2に示した第二の実施形態に係る紙製品

200の応用例に当たる。

[0059] 本実施形態に係る紙製品 500は郵便葉書として構成されている。

[0060] 本実施形態に係る紙製品 500は、第一の実施形態に係る紙製品 100と同様に、矩形状の基材層 101と、基材層 101の上に形成された矩形状の素材層 102とからなり

、全体としては、矩形状の一枚の紙として構成されている。

[0061] 素材層 102は基材層 101に対して層間剥離が可能である。すなわち、素材層 102 は基材層 101から剥がすことが可能である。ただし、ー且、素材層 102を剥がしたあとは、素材層 102を基材層 101に再び接合させることはできな、。

[0062] 図 5 (A)に示すように、素材層 102には左上のコーナーにおいて三角形状の切り欠き 102aが形成されており、この切り欠き 102aに対応して、素材層 102は基材層 101 よりも外側に突出している突出領域 103Aを有している。

[0063] 本実施形態に係る紙製品 500には、その左上のコーナーを含むように L字状に切り込み線 501が設けられており、この切り込み線 501と紙製品 500の外縁とで囲まれる領域が切り込み領域 502として画定されて、る。

[0064] この切り込み領域 502は突出領域 103Aをその一部として含んでいる。このため、切り込み領域 502を基材層 101から剥離させる際には、素材層 102の突出領域 103 を指でつまんで、切り込み領域 502を基材層 101から引き剥がすことができる。

[0065] 図 5 (B)に示すように、切り込み線 501は、素材層 102の全厚さ（厚さ方向における全長）にわたる切り込みとして形成されている。

[0066] 切手 510は、切り込み領域 502の内部において、素材層 102上に貼られている。

[0067] 本実施形態に係る紙製品 500によれば、葉書としての紙製品 500を受け取った後、切り込み線 501により画定される切り込み領域 502を基材層 101から剥離させることにより、切り込み領域 502内に貼られている消印済みの切手 510をも同時に取り出すことができる。このように、本実施形態に係る紙製品 500によれば、極めて容易に消印済みの切手 510を回収することができる。

[0068] また、図 5 (A)に示すように、本実施形態に係る紙製品 500には差出人の欄にも切り込み線 501と同様の切り込み線 503を設けることが可能である。差出人の欄には差出人の住所及び氏名が記載されている。このため、切り込み線 503を設けておくことにより、差出人の欄を基材層 101から剥離させることができ、差出人の欄をそのまま住所リストに貼り付けることができる。

[第六の実施形態]

図 6 (A)は本発明の第六の実施形態に係る紙製品 600の平面図であり、図 6 (B)は図 6 (A)の F—F線における断面図であり、図 6 (C)は図 6 (A)の G— G線における断面図である。

[0069] 第六の実施形態に係る紙製品 600は、第五の実施形態に係る紙製品 500と同様に、図 2に示した第二の実施形態に係る紙製品 200の応用例に当たる。

[0070] 本実施形態に係る紙製品 600は郵便葉書として構成されている。

[0071] 本実施形態に係る紙製品 600は、第一の実施形態に係る紙製品 100と同様に、矩形状の基材層 101と、基材層 101の上に形成された矩形状の素材層 102とからなり、全体としては、矩形状の一枚の紙として構成されている。

[0072] 素材層 102は基材層 101に対して層間剥離が可能である。すなわち、素材層 102 は基材層 101から剥がすことが可能である。ただし、ー且、素材層 102を剥がしたあとは、素材層 102を基材層 101に再び接合させることはできな、。

[0073] 図 6 (C)に示すように、基材層 101には切り込み腺 102bが設けられており、この切り込み腺 102bに沿って、基材層 101を剥離することにより、突出領域 103bが形成される。すなわち、図 6 (A)に示すように、切り込み腺 102bに沿って基材層 101を剥離すると、基材層 101の左側の外縁には矩形状の切り欠き 102bが形成されることとなり、この切り欠き 102bに対応して、素材層 102は基材層 101よりも外側に突出している突出領域 103bが形成されることとなる。

[0074] ただし、必ずしも、基材層 101を切り込み腺 102bに沿って破断させる必要はない。

[0075] 本実施形態に係る紙製品 600には、紙製品 600の短辺の方向に相互に平行に延びる一対の切り込み線 601が設けられており、この一対の切り込み線 601で囲まれる領域が切り込み領域 602として画定されて、る。

[0076] この切り込み領域 602は突出領域 103bをその一部として含んでいる。このため、切り込み領域 602を基材層 101から剥離させる際には、素材層 102の突出領域 103b を指でつまんで、切り込み領域 602を基材層 101から引き剥がすことができる。

[0077] 切り込み線 601は、第五の実施形態における切り込み線 501と同様に、素材層 10 2の全厚さ（厚さ方向における全長）にわたる切り込みとして形成されている。

[0078] 例えば、切り込み領域 602の範囲内において、基材層 101には印刷を施しておくことができる。このため、葉書としての紙製品 600を受け取った後、切り込み線 601により画定される切り込み領域 602を基材層 101から剥離させることにより、基材層 101が施された印刷が表出する。このため、切り込み領域 602に対応する基材層 101の領域を宣伝広告用または情報告知用のスペースとして活用することが可能である。

[第七の実施形態]

図 7は本発明の第七の実施形態に係る紙製品 700の平面図である。

[0079] 本実施形態に係る紙製品 700は、図 5に示した第五の実施形態に係る紙製品 500 の応用例に当たる。

[0080] 本実施形態に係る紙製品 700は封筒として形成されてヽる。

[0081] 本実施形態に係る紙製品 700は、前述の第一乃至第六の実施形態に係る紙製品 100— 600と同様に、基材層 101と、基材層 101の上に形成された矩形状の素材層 102とからなる紙素材で構成されており、素材層 102は基材層 101に対して層間剥離が可能である。

[0082] 封筒としての紙製品 700は、手紙を入れる本体 701と、本体に対して開閉自在の蓋

702と、から構成されている。

[0083] 蓋 702の裏面には接着剤としての糊 703が矩形状の領域に塗布されており、蓋 70

2を本体 701に向力つて折り曲げ、蓋 702を本体 701に重ね合わせることにより、糊 7

03を介して蓋 702が本体 701に対して接着された状態となる。すなわち、封筒は封をされた状態になる。

[0084] 本実施形態に係る紙製品 700にお、ては、糊 703が塗布されて、る矩形状の領域の周囲に、第五の実施形態における切り込み線 501と同様の切り込み線 704が設けられている。

[0085] 本実施形態に係る紙製品 700は以下のように使用される。

[0086] 封筒としての紙製品 700を受け取った状態においては、蓋 702は糊 703を介して本体 701に対して接着されて！、る。

[0087] 従前の封筒では、蓋 702を任意の箇所で破くことにより、開封が行われていた。このため、封筒が汚く破れたり、あるいは、破断が他の箇所にも波及して思わぬ箇所も破けてしまうということがあった。

[0088] これに対して、本実施形態に係る紙製品 700においては、糊 703の周囲に切り込み線 704が設けられて!/、るため、本体 701に対して糊付けされて!/、る蓋 702を本体 7

01から引っ張ることにより、蓋 702における素材層 102が切り込み線 704に沿って破断し、切り込み線 704に囲まれている領域は糊 703に貼りついたまま、本体 701側に残ることとなる。

[0089] このように、本実施形態に係る紙製品 700によれば、蓋 702を汚く破ることなぐ開封することが可能である。さらに、開封時の破断が切り込み線 704を越えて他の領域に破断することがなヽため、見た目よく開封することができる。

[0090] さらには、ー且開封すると、糊 703には切り込み線 704に囲まれた蓋 702側の素材層 102力 S貼りつ、て、るので、蓋 702を本体 701に対して再び接着させることは不可能となる。従って、正当な受取人以外の者が開封したことをただちに知ることができる

[第八の実施形態]

図 8は本発明の第八の実施形態に係る紙製品 800の平面図である。

[0091] 本実施形態に係る紙製品 800は第七の実施形態に係る紙製品 700の変形例である。

[0092] 本実施形態に係る紙製品 800は、切り込み線が設けられている位置について、第七の実施形態に係る紙製品 700と異なる。

[0093] 第七の実施形態に係る紙製品 700においては、切り込み線 704は糊 703の周囲に設けられていた力本実施形態に係る紙製品 800においては、切り込み線 704に代えて、本体 701に切り込み線 801が設けられている。

[0094] 切り込み線 801は、糊 703を介して蓋 702を本体 701に貝占り付けたときに、糊 703 の周囲に位置するように、設けられている。

[0095] 本実施形態に係る紙製品 800においては、切り込み線 801は本体 701に設けられているため、本体 701に対して糊付けされている蓋 702を本体 701から引っ張った場合、本体 701における素材層 102が切り込み線 801に沿って破断し、切り込み線 80

1に囲まれて、る領域は糊 703に貼りつ、たまま、蓋 702側に残る。

[0096] 本実施形態に係る紙製品 800によっても、第七の実施形態に係る紙製品 700と同様の効果を得ることができる。

[第九の実施形態]

図 9 (A)本発明の第九の実施形態に係る紙製品 900の平面図であり、図 9 (B)は図 9 (A)の H— H線における断面図である。

[0097] 本実施形態に係る紙製品 900は第七の実施形態に係る紙製品 700の変形例である。

[0098] 本実施形態に係る紙製品 900においては、蓋 702の裏面の基材層 101上の一定領域に糊 903が塗布されており、さらに、糊 903が塗布されている領域内に二つの円形の切り込み腺 904が並列に設けられている。

[0099] 本実施形態における切り込み腺 904は、第五の実施形態における切り込み線 501 とは異なり、基材層 101を貫通し、さらに、素材層 102の厚みのほぼ半分に達している。

[0100] 本実施形態に係る紙製品 900の使用時には、糊 903を介して、蓋 702と本体 701 とを貼り合わせる。紙製品 900をー且開封すると、すなわち、蓋 702を本体 701から剥がすと、素材層 102の切り込み腺 904が達していない領域において、素材層 102 が破断する。このため、切り込み線 904に囲まれている領域は、糊 903に貼りついたまま、本体 70 : 則〖こ残ることとなる。

[0101] このため、本実施形態に係る紙製品 900をー且開封したことが容易に判明し、正当な受取人以外の者が開封した場合であっても、ただちにそれを知ることができる。

[0102] なお、切り込み線 904の形状、数及び配列は本実施形態における形状、数及び配列に限定されるものではなぐ任意に設定することができる。例えば、切り込み線 904 の形状は閉じた領域を画定するものであればいかなる形状をも選択することができる。例えば、円形以外に、矩形状、楕円形、星型などを選択することができる。また、切り込み線 904の数も 2個に限定されるものではなぐ 1個または 3個以上の数を選択することができる。切り込み線 904を複数個つくる場合の配列も、図 9に示した直線状の配列に限定されるものではなぐマトリクス状その他種々の配列を選択することができる。

[0103] また、切り込み線 904は、連続した線のみならず、破断線として形成することも可能である。

[第十の実施形態]

上述の第七乃至第九の実施形態は応用例として封筒を例示したが、応用例は封筒には限定されない。第七乃至第九の実施形態は通常の箱や容器にも応用が可能である。すなわち、対象物を収納可能な本体とその本体に対して開閉可能な蓋とを有する構造の容器であれば、第七乃至第九の実施形態は、かなる容器に対しても応用することができる。

[0104] 一例として、第六の実施形態を箱に応用した例を第十の実施形態として以下に説明する。

[0105] 図 10は、本発明の第十の実施形態に係る紙製品の斜視図である。 [0106] 本実施形態に係る紙製品は段ボール箱 1000として形成されている。段ボール箱 1 000は、対象物を収容可能な本体 1001と、本体 1001に対して開閉可能な蓋 1002 と力も構成されており、本体 1001と蓋 1002とは境界線 1003において相互に接している。

[0107] 使用時においては、本体 1001と蓋 1002とは相互に開力ないように、境界線 1003 に沿って、本体 1001及び蓋 1002の双方にわたって、粘着テープ 1004が貼り付けられている。

[0108] 粘着テープ 1004の両外側には、粘着テープ 1004と所定の距離をおいて、粘着テープ 1004とほぼ平行に切り込み線 1005a、 1005b (第六の実施形態における切り込み線 601に対応するもの）が設けられて！/、る。

[0109] 本体 1001と蓋 1002とを開く場合には、粘着テープ 1004が本体 1001及び蓋 100 2の双方から剥がされる。切り込み線 1005a、 1005bが設けられていない従来の段ボール箱においては、粘着テープ 1004に段ボール箱の表層が付着することにより、粘着テープ 1004を剥がすにつれて、段ボール箱の表層が同時に破れてしまい、意図しない範囲まで表層の破れが拡大することがあった。例えば、本体 1001それ自体を使用する目的で本体 1001に何らかの模様の印刷が施されているような場合、段ボール箱の表層の破れが拡大すると、その模様の印刷までもが破れてしまい、本体 10 01の使用価値を損ねることがあった。

[0110] これに対して、本実施形態における段ボール箱 1000においては、粘着テープ 100 4の両外側に切り込み線 1005a、 1005bが設けられているため、粘着テープ 1004の剥離に伴って、表層（第六の実施形態における素材層 102に対応するもの）に破断が生じても、その破断は切り込み線 1005a、 1005bにおいて止まり、切り込み線 100 5a、 1005bを越えて拡大することはない。このため、本体 1001に施された印刷模様が損なわれることもなぐ本体 1001の使用に支障を生じることがなくなる。

[0111] なお、本実施形態においては、二つの切り込み線 1005a、 1005bを設けた力二つの切り込み線 1005a、 1005bを設けることは必ずしも必要ではなぐ必要に応じて、 V、ずれか一方の切り込み線 1005aまたは 1005bのみを設けることも可能である。

[0112] また、本実施形態においては、本体 1001と蓋 1002とは境界線 1003において既に分離しているものとして構成した力本体 1001と蓋 1002とは接合されており、境界線 1003において破断することにより、本体 1001と蓋 1002とを分離するような構成であってもよい。

[0113] 図 11は、第十の実施形態に係る紙製品としての段ボール箱 1000の変形例を示す斜視である。

[0114] 本変形例に係る段ボール箱 1100は、段ボール箱 1000と同様に、本体 1001と蓋 1

002と力ら構成されている。

[0115] 本体 1001と蓋 1002との間には、相互に平行に延びる一対の破断線 1006a、 100

6bが形成されており、この一対の破断線 1006a、 1006bに沿って、段ボール箱 110

0を構成する紙素材 (第六の実施形態における基材層 101及び素材層 102に対応するもの）を破断することにより、本体 1001と蓋 1002とが分離される。

[0116] 一対の破断線 1006a、 1006bの内部の領域として画定される破断帯 1007の端部には把っ手 1007aが形成されており、ユーザーはこの把っ手 1007aを持って、破断帯 1007を引っ張ることにより、一対の破断線 1006a、 1006bに沿って、段ボール箱

1100を構成する紙素材を破断させることができる。

[0117] このように、破断帯 1007を使って、本体 1001と蓋 1002とを分離する場合にも、一対の破断線 1006a、 1006bから派生した破断が拡大することがある。

[0118] このため、本変形例に係る段ボール箱 1100には、一対の破断線 1006a、 1006b の外ィ則【こ一対の破断線 1006a、 1006b【こ平行【こ一対の切り込み線 1008a、 1008b が設けられている。

[0119] このため、破断帯 1007による段ボール箱 1100を構成する紙素材の破断に伴って、段ボール箱 1100の表層（第六の実施形態における素材層 102に対応するもの）に破断が生じても、その破断は切り込み線 1008a、 1008bにおいて止まり、切り込み線 1008a, 1008bを越えて拡大することはない。このため、本体 1001に施された印刷模様が損なわれることもなぐ本体 1001の使用に支障を生じることがなくなる。

[0120] なお、本変形例においては、二つの切り込み線 1008a、 1008bを設けた力二つの切り込み線 1008a、 1008bを設けることは必ずしも必要ではなぐ必要に応じて、いずれか一方の切り込み線 1008aまたは 1008bのみを設けることも可能である。 [0121] なお、本実施形態にぉ、ては段ボール箱 1000を例示した力本実施形態を上述の実施形態と同様に封筒に応用することも可能である。

産業上の利用可能性

[0122] 本発明に係る紙の表層を剥離させる紙製品は、実施形態に例示した郵便葉書や封筒の他に、 DMカタログのナンバリング、紙製容器の製品番号シール、封筒の切手回収用の剥離シールとして利用することができる。

[0123] また、素材層が基材層に対して接合されて!ヽな!、領域 (実施形態における剥離領域 301)を設け、製紙時にその領域に印刷を施すことにより、その領域が表出したときに、その印刷をユーザーに対して表示することができる。すなわち、その領域を宣伝広告用または情報告知用のスペースとして活用することが可能である。このように、例えば、葉書に本発明を適用することにより、広告ツールとしての DMや販促商品として活用することができる。

[0124] なお、本発明は紙製品の一面のみならず、両面に対して適用することも可能である

Claims

請求の範囲

[1] 基材層と、前記基材層の上に形成された素材層とからなり、一枚の紙として構成されている紙製品であって、

前記素材層は前記基材層に対して層間剥離が可能であるように形成されており、上方から見て、前記素材層は前記基材層よりも外側に突出している突出領域を有して、ることを特徴とする紙製品。

[2] 基材層と、前記基材層の上に形成された素材層とからなり、一枚の紙として構成されている紙製品であって、

前記素材層は前記基材層に対して層間剥離が可能であるように形成されており、上方から見て、前記素材層は前記基材層よりも外側に突出している突出領域を有しており、

前記素材層には、その厚さ方向の全長にわたって、切り込み線が設けられており、前記切り込み線により画定された閉じた領域が層間剥離により剥離されることを特徴とする紙製品。

[3] 前記切り込み線により画定された領域は、前記突出領域の外縁の少なくとも一部を含むものであることを特徴とする請求項 2に記載の紙製品。

[4] 前記切り込み線により画定された領域は前記基材層上に形成されていることを特徴とする請求項 2に記載の紙製品。

[5] 前記切り込み線により画定された領域の内側と外側とにわたつて貼り付けられている剥離用シールをさらに備えており、前記剥離用シールと前記素材層との間の接着力は、前記基材層と前記素材層との間の接着力よりも大きいことを特徴とする請求項 4 に記載の紙製品。

[6] 前記切り込み線により画定された領域の内部には、前記基材層と前記素材層とが相互に剥離されている剥離領域が形成されていることを特徴とする請求項 2乃至 5の何れか一項に記載の紙製品。

[7] 前記紙製品は郵便葉書として構成されていることを特徴とする請求項 1乃至 6の何れか一項に記載の紙製品。

[8] 対象物を収納する本体と、前記本体に対して開閉可能な蓋とからなる容器であって、前記容器は、基材層と、前記基材層の上に形成された素材層とからなる一枚の紙でつくられており、

前記素材層は前記基材層に対して層間剥離が可能であるように形成されており、前記蓋には、前記本体と前記蓋とを接合する接着剤が塗布されており、前記接着剤が塗布されている領域の周囲には、前記素材層の厚さ方向の全長にわたる切り込み線が設けられており、

前記蓋を前記本体力剥がすときに前記切り込み線により画定された領域が層間剥離により剥離されることを特徴とする容器。

[9] 対象物を収納する本体と、前記本体に対して開閉可能な蓋とからなる容器であって、前記容器は、基材層と、前記基材層の上に形成された素材層とからなる一枚の紙でつくられており、

前記素材層は前記基材層に対して層間剥離が可能であるように形成されており、前記蓋には、前記基材層上に、前記本体と前記蓋とを接合する接着剤が塗布されており、

前記蓋には、前記接着剤が塗布されている領域内に、前記基材層の厚さ方向の全長及び前記素材層の厚さ方向の一部にわたる切り込み線が設けられており、前記蓋を前記本体力剥がすときに前記切り込み線により画定された領域が層間剥離により剥離されることを特徴とする容器。

[10] 前記容器は封筒を構成するものであることを特徴とする請求項 8または 9に記載の容

[11] 対象物を収納する本体と、前記本体に対して開閉可能な蓋とからなり、破断可能な材料力もなる容器であって、

前記容器は、基材層と、前記基材層の上に形成された素材層とからなる一枚の紙から構成されており、

前記素材層は前記基材層に対して層間剥離が可能であるように形成されており、前記本体と前記蓋との境界線に隣接し、かつ、前記境界線に沿って切り込み線が形成されており、

前記切り込み線は前記素材層の厚さ方向の全長にわたって設けられていることを特徴とする容器。

[12] 前記切り込み線は、前記境界線の両側に形成されていることを特徴とする請求項 11 に記載の容器。

[13] 対象物を収納する本体と、前記本体に対して開閉可能な蓋とからなり、破断可能な材料力もなる容器であって、

前記素材層は前記基材層に対して層間剥離が可能であるように形成されており、前記容器を所望のラインに沿って破断させるための一対の相互に平行な破断線と前記一対の破断線の各々に隣接し、かつ、前記一対の破断線に沿って、前記一対の破断線の少なくとも一方の外側に形成された一対の切り込み線と、が形成されており、