ひ一スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含むァニオン界面活性剤の製 造方法、ァニオン界面活性剤及びこれを含む洗浄剤組成物
技術分野
[0001] 本発明は、 α スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含むァ-オン界面活性剤の製 造方法、ァニオン界面活性剤及びこれを含む洗浄剤組成物に関する。
本願は、 2004年 5月 19日に出願された特願 2004— 149254号に基づき優先権を 主張し、その内容をここに援用する。
背景技術
[0002] 脂肪酸アルキルエステルのスルホン化物の中和塩は、一般に ex スルホ脂肪酸ァ ルキルエステル塩とも呼ばれ、耐硬水性、生分解性が良好であるうえ、洗浄力に優れ 、皮膚にマイルドな界面活性剤であり、資源面からも再生可能な天然原料系でコスト 的にも有利であり、地球環境保護の面からも重要視されている。
[0003] a スルホ脂肪酸アルキルエステル塩は、脂肪酸アルキルエステルを SOによりス
3 ルホン化して α スルホ脂肪酸アルキルエステルを得た後に、アルカリによって中和 すること〖こよって得られる。
脂肪酸アルキルエステルのスルホン化メカニズムは、 Smith and Stirton: JAOCS vol.44,P.405(1967)、 Schmia, Baumann, Stein, Dolhaine: Proceeding of the world surfactants congrees Munchen, vol.2, P.105, Gelnhausen, Kurle(1984)、及び、 H.Yoshimura:油化学 (JJOCS), 41卷, 10頁 (1992)に示されるように、以下の反応スキ ームによって説明されている。
[0004] [化 1] o
Ri_CH2-C-0-R2 (脂肪酸アルキルエステル)
i so3
o
II
R1 - CH2- C-O- S02— O— Ft2 (S O —分子付加体)
I so3
o
II
R - CH - C - O - S02 - O - R2 (S03二分子付加体)
S03H
-S03
o
II
Ri-CH-C-O-R2 (a一スルホ脂肪酸アルキルエステル)
S03H
(式中 R 1, R 2はアルキル基を表す) [0005] すなわち、まずエステルのアルコキシ基部分に SOが挿入され、 SO一分子付カロ
3 3
体 (以下、「一分子付加体」という)が生成する。次に、 α位にさらに SO
3が導入され S
O二分子付加体 (以下、「二分子付加体」という)が生成する。
3
そして、最後にアルコキシ基部分に挿入された SOが脱離して α スルホ脂肪酸
3
アルキルエステルが生成する。
この反応スキームにおいては、前記二分子付加体の生成段階までは反応が速やか に進行するが、二分子付加体から α スルホ脂肪酸アルキルエステルを生成する段 階は反応速度が非常に遅い。
そのため、実際は SOガスなどのスルホンィ匕ガスを過剰に用いたり、また、二分子
3
付加体の生成段階まで反応が進んだ後に熟成工程を設けて SOの脱離を促進させ
3
ることが行われることが多 、。
そして、前記熟成工程の後にアルカリで中和することによって、 a—スルホ脂肪酸 アルキルエステル塩は製造されて 、る。
[0006] しかしながら、 a スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を主成分とするァ-オン界面 活性剤を用いた洗浄剤組成物にぉ ヽては、臭気が問題となることがある。
そこで、以下の様な臭気低減のための手段が提案されて 、る。
[0007] 例えば、特許文献 1 (特開昭 62— 43499号公報)には、 oc—スルホ脂肪酸アルキ ルエステル塩と、ゼォライトと、ギ酸またはその塩とを含有する洗浄剤組成物が開示さ れている。
特許文献 2 (特開平 7— 197080号公報)には、 oc—スルホ脂肪酸アルキルエステ ル塩と、炭酸塩または炭酸水素塩と、ゼォライトと、酢酸と、シユウ酸またはこれらの塩 とを配合した洗浄剤組成物が開示されて ヽる。
また、特許文献 3 (特開平 7— 197081号公報)には、 oc -スルホ脂肪酸アルキルェ ステル塩を含む洗浄剤組成物にお!、て、 Feの含有量を 200ppm以下にした洗浄剤組 成物が開示されている。
し力しながら特許文献 1〜3の方法では、臭気を充分に低減することができない。
[0008] 一方、このようにして得られた ex スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を主成分とす るァ-オン界面活性剤には、下記のような構造を持つ α スルホ脂肪酸ジ塩 (以下、 「ジ塩」と略記することがある)が比較的多量に含まれて 、る。
[0009] [化 2]
0
II
R1 - CH - C - 0 - Na
S03Na
(な一スル木脂肪酸ジ塩)
[0010] この α—スルホ脂肪酸ジ塩は水に難溶で、かつ界面活性能に乏しいものであるた め、洗浄剤にこれが多量に含有されていると、洗浄力が低下するという欠点がある。
a スルホ脂肪酸ジ塩は α -スルホ脂肪酸アルキルスルホエステルを中和すること によって生成するものであり、また α -スルホ脂肪酸アルキルスルホエステルは、脂肪 酸アルキルエステルをスルホンィ匕する際に必然的に生成するものである。
[0011] そこで、スルホン化することによって生成する α -スルホ脂肪酸アルキルスルホエス テルを、スルホンィ匕後に除去または減少させる方法として、以下のような方法が提案 されている。
[0012] 即ち、スルホン化し、熟成した後中和工程前にスルホン化混合物にアルキルアルコ ールを添カ卩して、 α -スルホ脂肪酸アルキルスルホエステルとアルキルアルコールと の間でエステル交換し、 α -スルホ脂肪酸アルキルスルホエステルを α—スルホ脂肪 酸アルキルエステルに転換する方法である [例えば特許文献 4 (特開平 5 - 58428 号公報)、特許文献 5 (特開平 7— 247259号公報) ]。
エステル交換に使用されるアルキルアルコールとしては、炭素数 1〜6程度の短鎖 アルキルアルコールが挙げられる。
[0013] エステル交換を行うと、得られる反応生成物中には、エステル交換のために添カロし た未反応の低級アルコールやエステル交換によって副生した低級アルキルサルフエ ートが残存する。そして、この低級アルコールや低級アルキルサルフェートを除去し て臭気を低減するため、特許文献 5においては、スルホン化後の反応液を薄膜蒸発 機等の装置を用いることにより、これら低級アルコールや低級アルキルサルフェートを 除去する工程が必須である。よって、この工程によってプロセスが複雑になり、また新 たに設備が必要となるという問題がある。
[0014] なお、臭気低減の観点からではないが、アルキルサルフェートの低減については以 下の様な提案がある。
特許文献 6 (特開昭 58— 157762号公報)においては、スルホン化反応後の反応 液を減圧下で熟成して、余剰の SOを除去することにより、副生物であるアルキルサ
3
ルフェート塩および硫酸塩の生成を抑制する方法が記載されている。
特許文献 7 (特開昭 59— 25368号公報)においては、低級アルコール存在下にて 漂白剤を用いて a -スルホ脂肪酸エステルを漂白すると、アルキルサルフェートが生 成し、 a—スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含むァ-オン界面活性剤の吸湿性を 低下させることが記載されている。そして、その解決のために、漂白工程に先だって a -スルホ脂肪酸エステルにアルキルベンゼンを添カ卩することにより、余剰の SOを
3 除去すると、アルキルサルフェートの副生を低減できることが記載されて 、る。
特許文献 1:特開昭 62— 43499号公報
特許文献 2 :特開平 07— 197080号公報
特許文献 3:特開平 07 - 197081号公報
特許文献 4:特開平 5 - 58428号公報
特許文献 5:特開平 07 - 247259号公報
特許文献 6:特開昭 58 - 157762号公報
特許文献 7:特開昭 59 - 25368号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0015] しカゝしながら、本発明者の検討によると、特許文献 5〜7の方法で得られる a—スル ホ脂肪酸アルキルエステル塩を主成分とするァ-オン界面活性剤は、長期保存、特 に 60〜80°C程度の高温における臭気劣化が大きいことがある。
この 60〜80°C程度の温度条件における臭気安定性は、以下の様な観点から必要 とされる。すなわち、当該温度条件は、 OC スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を水分 を含むペーストとしてハンドリング可能な条件である。また、海外輸送及び保管状態 の面力 十分にケアしなければ 、けな 、温度条件である。
[0016] そのため、臭気が改善され、長期保存安定性が良好で、特に高温保存条件下にお いても臭気劣化が生じにくい α—スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含むァ-オン 界面活性剤の提供が求められる。
[0017] 本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、臭気が改善され、長期保存安定 性が良好で、特に高温保存条件下においても臭気劣化が生じにくい α スルホ脂 肪酸アルキルエステル塩を含むァニオン界面活性剤、及びこれを含む洗浄剤組成 物を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
[0018] 前記課題を解決するために、本発明においては以下の手段を提供する。
第 1の発明は、 a スルホ脂肪酸アルキルエステル塩 50〜 95質量%、メチルサル フェート 3質量%以下、炭素数 2以上のアルキルサルフェート 0. 5〜8質量%、芳香 族系スルホンィ匕物塩 0. 1〜20質量%であることを特徴とするァ-オン界面活性剤で ある。
第 2の発明は、脂肪酸アルキルエステルをスルホンィ匕してスルホンィ匕物を得る工程 と、スルホン化物に芳香族化合物を添加する芳香族化合物添加工程と、該芳香族化
合物添カ卩工程後または同時に、スルホンィ匕物に炭素数 2以上のアルコールを添加し て、当該アルコールと反応させるエステルイ匕工程とを有することを特徴とするァ-オン 界面活性剤の製造方法である。
第 3の発明は、前記第 2の発明のァ-オン界面活性剤の製造方法において、芳香 族化合物の添加量を、スルホンィ匕物 100質量部に対して 0. 5〜20質量部とし、炭素 数 2以上のアルコールの添カ卩量をスルホン化物 100質量部に対して 1〜15質量部と することを特徴とするァ-オン界面活性剤の製造方法である。
第 4の発明は、前記第 2または第 3の発明のァ-オン界面活性剤の製造方法によつ て得られるァニオン界面活性剤である。
第 5の発明は、前記第 1または第 4の発明のァ-オン界面活性剤を含有することを 特徴とする洗浄剤組成物である。
なお、本発明において、「ァ-オン界面活性剤」とは、活性剤成分として a—スルホ 脂肪酸アルキルエステル塩を主成分とし、例えばその他生成過程等に生成するアル キルサルフェート、芳香族系スルホンィ匕物塩等を含む組成物を指すものとする。 発明の効果
[0019] 本発明においては、臭気が改善され、長期保存安定性が良好で、特に高温保存条 件下においても臭気劣化が生じにくい α—スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含む ァニオン界面活性剤、及びこれを含む洗净剤組成物を提供することができる。 発明を実施するための最良の形態
[0020] 以下、便宜上、ァ-オン界面活性剤の製造方法、ァ-オン界面活性剤、洗浄剤組 成物の順に説明する。
[ァニオン界面活性剤の製造方法]
本発明の a スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含むァ-オン界面活性剤の製 造方法は、脂肪酸アルキルエステルをスルホンィ匕してスルホンィ匕物を得る工程と、ス ルホン化物に芳香族化合物を添加する芳香族化合物添加工程と、該芳香族化合物 添カ卩工程後または同時に、スルホンィ匕物に炭素数 2以上のアルコールを添カ卩して、 当該アルコールと反応させるエステルイ匕工程とを有することを特徴とする。
[0021] これにより、 a スルホ脂肪酸アルキルエステル塩、炭素数 2以上のアルキルサル
フェート、芳香族系スルホンィ匕物塩を含有するァ-オン界面活性剤が得られる。そし て、例えば原料の脂肪酸アルキルエステルカ チルエステルである場合等であつても 、メチルサルフェートは大幅に低減される。
[0022] 本発明の製造方法は、好ましくは、下記の (A)〜(D)の工程を順次行って a—ス ルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含むァ-オン界面活性剤を得るものである。
(A)脂肪酸アルキルエステルをスルホン化しスルホン化物を得るスルホン化工程(B) スルホンィ匕物に芳香族化合物を添加して加熱熟成をする芳香族化合物添加工程 (C )スルホン化物に炭素数 2以上アルキルアルコールにてエステル化するエステル化工 程(D)アルカリで中和することにより α—スルホ脂肪酸アルキルエステルから α—ス ルホ脂肪酸アルキルエステル塩を得る中和工程
[0023] 前記 (Α)工程にお!、ては、原料の脂肪酸アルキルエステルを、少なくともスルホン 化ガス等のスルホン化を促す物質と接触させてスルホン化反応を行えばよい。
そして、本発明の製造方法においては、特に好ましくは、当該スルホンィ匕反応によ つてスルホンィ匕物を得た後、(Α' )熟成工程を行うことが好ま 、。
(Α)スルホンィ匕工程を行うと、通常一分子付加体と二分子付加体を含むスルホンィ匕 物が得られるが、(Α' )熟成工程を行うと、副生する二分子付加体力も SOを脱離さ
3 せることにより、 α -スルホ脂肪酸アルキルエステルの純度を高めることができる。
(Α' )熟成工程は、(1)前記 (Α)工程と、(Β)工程との間;(2) (Β)工程と (C)工程 の間に挿入することができる。
中でも、副生物抑制、及び臭気抑制の観点から、好ましくは、(1)前記 (Α)工程と、
(Β)工程との間である。
[0024] なお、前記 (Β)芳香族添加工程と、前記 (C)エステルイ匕工程の順序は、同時でもよ いが、(Β)工程の後に (C)工程を行うことが、メチルサルフ ート、炭素数 2以上のァ ルキルサルフェートの量の調整の点等から好ましい。
[0025] 以下、各工程について詳細に説明する。
(Α)スルホンィ匕工程、 (Α' )熟成工程
(Α)スルホン化工程は、原料の脂肪酸アルキルエステルを、少なくともスルホン化 ガス等のスルホン化を促す物質と接触させてスルホン化反応を行うものである。
そして、特に好ましくは、当該スルホンィ匕反応によってスルホン化物(α -スルホ脂 肪酸エステルを主成分とする反応液)を得た後、(Α' )熟成工程を行うことが好ま 、 なお、本発明において「スルホン化物」とは、スルホン化反応後の反応液全部を指 す。
この例においては、(Α)工程と、(Α' )工程を連続して行う場合について説明する。
[0026] スルホン化反応工程において、スルホン化を促す物質として好適なのはスルホン化 ガスである。
スルホンィ匕ガスとしては、 SOガス、発煙硫酸などが挙げられる力 好ましくは SO
3 3 ガスが用いられる。
SOガスは、通常、脱湿空気または窒素などの不活性ガスで 1〜40容量%の濃度
3
に希釈されて使用される。 1容量%未満の場合は、スルホン化ガスの体積が大きくな り、装置容量が大きくなり、不都合である。 40容量%をこえると反応が過剰になり、副 生物が生成しやすくなつたり、色調が劣化することがある。
特に色調劣化を抑制するためには 1〜30容量%に希釈すると好ましい。 SO はス
3 ルホン化される脂肪酸アルキルエステルの 1. 0モルに対して 1. 0〜2. 0モルの割合 、好ましくは 1. 1〜1. 5モルの割合で使用される。 1. 0倍モル未満ではスルホン化 反応が十分に進行せず、また、 2. 0倍モルを越えると、スルホンィ匕反応がより過激に なるため局部熱に起因する着色が著しくなり、淡色の製品を得るという点で好ましくな い場合がある。
[0027] 脂肪酸アルキルエステルとしては、典型的には下記の一般式 (I)で表される化合物 である。
[0028] R'CH COOR2 · · · (I) (式中、 R1は炭素数 6〜24の直鎖ないし分岐アルキル基また
2
はアルケニル基を表し、 R2は炭素数 1〜6の直鎖ないし分岐アルキル基を示す。 ) 一般に脂肪酸メチルエステルがよく用いられる。
[0029] 脂肪酸アルキルエステルは、好ましくは飽和脂肪酸アルキルエステルである。
飽和脂肪酸アルキルエステルとしては、牛脂、魚油ラノリンなど力も誘導される動物 系油脂;ヤシ油、パーム油、大豆油などから誘導される植物系油脂; aーォレフイン
のォキソ法力 誘導される合成脂肪酸アルキルエステルなどの 、ずれでもよぐ特に 限定はされない。
具体的には、ラウリン酸メチル、ェチルまたはプロピル;ミリスチン酸メチル、ェチル またはプロピル;パルミチン酸メチル、ェチルまたはプロピル;ステアリン酸メチル、ェ チルまたはプロピル;硬化牛脂脂肪酸メチル、ェチルまたはプロピル;硬化魚油脂肪 酸メチル、ェチルまたはプロピル;ヤシ油脂肪酸メチル、ェチルまたはプロピル;パー ム油脂肪酸メチル、ェチルまたはプロピル;パーム核油脂肪酸メチル、ェチルまたは プロピルなどを例示することができる。
これらは単独、あるいは 2種以上混合して用いることができる。
また、ヨウ素価は好ましくは 0. 5以下、さらに好ましくは 0. 1以下とされる。
[0030] (A)スルホンィ匕工程にぉ ヽて、反応温度は、脂肪酸アルキルエステルが流動性を 有する温度であればよい。
一般には、脂肪酸アルキルエステルの融点以上かつ融点から 100°C高い温度範 囲まで、好ましくは融点以上かつ融点から 70°C高い温度範囲とされる。
[0031] スルホン化方法としては、薄膜式スルホン化法、回分式スルホン化法などのいずれ のスルホン化法であってもよい。スルホン化反応方式としては槽型反応、フィルム反 応、管型気液混相反応などの方式が用いられる。
[0032] (A)スルホンィ匕工程の反応時間は、採用するスルホンィ匕方法により異なるが、一般 に、薄膜式スルホン化法では 5〜 120秒、回分式スルホン化法では 10〜240分程度 である。
[0033] なお、(A)スルホン化工程は、着色抑制剤の存在下で行うと好ましい。
着色抑制剤としては、過去に提案されている種々のものを用いることができる。 有効な着色抑制剤について、詳細は特願平 08— 024433号、特願平 08— 3360 号、特願平 08— 340149号、特願平 08— 340148号、特願平 08— 340147号、 特願平 08— 342244号、特開平 09— 216861号公報、特開平 09— 216862号公 報、特開平 09— 216863号公報などに開示されている。
これらの中では特開平 09— 216863号公報に示されている一価の金属イオンを有 し、かつ平均粒径 250 /z m以下の無機硫酸塩を用いると好ましい。無機硫酸塩は着
色抑制効果が高ぐ安価なものが多ぐさらに洗浄剤に配合される成分なので α—ス ルホ脂肪酸アルキルエステル塩から除去する必要がない。
[0034] 無機硫酸塩は、一価の金属イオンを有する粉末状の無水塩であれば特に限定され ず、例えば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウムなどが例示される。
無機硫酸塩は、その平均粒径が 250 μ m以下、好ましくは 50 μ m以下のものが用 いられる。無機硫酸塩は、反応中、反応液にはその表面がわずかに溶解する程度で ほとんど溶解せず、反応液中に分散している。
したがって、このように粒径の小さい無機硫酸塩を用いることにより、接触面積が大 きぐ分散性が向上し、より効果を高めることができる。
着色抑制剤は 1種または 2種以上混合して用いることができる。
着色抑制剤の添加量は、原料の脂肪酸アルキルエステルに対して 0. 1〜20質量 %、好ましくは 2〜10質量%である。 0. 1質量%未満の場合は添加効果が得られな いことがある。
[0035] ついで、 (A)スルホンィ匕工程終了後、(Α' )熟成工程を行う。
(Α' )熟成工程の温度は 70〜: LOO°Cが適当である。 70°Cより低いと脱離反応が速 やかに進行せず、 100°Cより高いと着色が著しいことがある。熟成工程に要する時間 は、通常、 1〜120分の範囲である。
[0036] (B)芳香族化合物添加工程
(B)芳香族化合物添加工程は、少なくとも (A)工程を経て得られるスルホンィ匕物に 、芳香族化合物を添加する工程である。
芳香族化合物を添加すると、スルホン化物中に残存する余剰 SO I 芳香族化合
3
物と反応して、芳香族系スルホンィ匕物に転ィ匕する。そのため、余剰の SO量を低減
3 することができる。
その結果、その後の工程において、例えば系内に存在するメタノールと soが反応
3 してメチルサルフェート等の副生物が生成することを抑制できるため、臭気低減に寄 与するものと推測される。
なお、本発明においてはメタノールを用いたエステルイ匕工程は行わないが、原料と して脂肪酸メチルエステルを用いる場合等にぉ 、ては、系内に微量のメタノールが
存在することがある。この様な場合においても、(B)工程を行って、(A)スルホン化反 応工程後に余剰 SOを低減して、メチルサルフェートの生成を抑制できる。
3
また、芳香族系スルホンィ匕物は、 SO量を低減してメチルサルフェート量を低減す
3
るだけでなぐ後述する炭素数 2以上のアルキルサルフェートとともに、臭気のマスキ ング作用をも奏するものと推測される。
[0037] 本発明にお ヽて、芳香族化合物とは、スルホン化反応を生じる芳香族化合物、す なわちベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等の芳香族環式構造を有するもの であれば、特に限定するものではない。好ましくは芳香族環に少なくとも 1つのアルキ ル基が結合して ヽるものである。
アルキル基は直鎖、分岐鎖のいずれでもよぐ炭素数は 1〜24、好ましくは 3〜16 であることが好ましい。
[0038] 中でも好ましくはベンゼン環を 1つ、または 2つ以上有するものが好ましぐ特に好ま しくは 1つのベンゼン環を有するものである。
好ま 、芳香族化合物は、下記一般式 (Π)で表される。
[0039] [化 3]
式中、 R〜Rは Hもしくは炭素数 1〜24の直鎖または分岐のアルキル基を表す。
1 6
一般式 (Π)で表される化合物において、好ましくは R〜Rが H、 Rが炭素数 1〜2
1 5 6
4 (好ましくは 3〜16)の直鎖または分岐のアルキル基であるものである。
[0040] 具体的に好ましいものとしては、タメン、直鎖アルキルベンゼン等が挙げられる。
芳香族化合物は 1種または 2種以上用いることができる。
なお、スルホンィ匕された芳香族化合物を中和したィ匕合物(芳香族系スルホンィ匕物 塩)は、例えば直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩等、ァ-オン界面活性剤として洗 浄剤組成物に用いられて!/、るものであり、洗浄効果等にお!、て好ま 、。
[0041] 芳香族化合物の添カ卩量は、スルホンィ匕物 100質量部に対して 0. 5〜20質量部が
好ましぐ望ましくは 0. 7〜15質量部であり、さらにさらに好ましくは 1〜: LO質量部で ある。添加量が 0. 5質量部に満たない場合は十分な効果が得られず、また、 20質量 部を越えると添加芳香族化合物が未反応のまま多量に残存するため好ましくないこと がある。
なお、ここで、スルホンィ匕物 100質量部とは、スルホン化反応直後の反応液 100質 量部を基準とする。
[0042] (B)工程に ヽては、芳香族化合物を添加した後、所定の温度に加熱して反応させ る。
反応温度は 40〜90°Cが好まし!/、。
温度力 0°Cに満たないと a スルホ脂肪酸アルキルエステルを含む混合物が凝 固するため取扱いが困難となり、一方、 90°Cを越えると色調劣化を助長するため好ま しくな ヽ場合があることがある。
反応時間は芳香族化合物が余剰 SOと十分に反応するに必要な時間が保持され
3
ることが望ましぐ 1〜120分程度が好適である。 1分未満では添加した芳香族化合 物が系内の余剰 SOと十分に反応することができず、効果が得られないことがある。 1
3
20分を越えると効果が飽和し、色調劣化を助長するため好ましくないことがある。
[0043] (C)エステル化工程
ついで、エステル化工程を行う。
エステルイ匕工程を行うことにより、二分子付加体等の副生物を抑制することができ、 α—スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の純度を向上させることができる。
そして、炭素数 2以上のアルコールを用いることにより、前記 )工程の効果と相ま つて効果が向上する。
これは、エステルイ匕工程におけるメチルサルフェートの生成を低減できると!ヽぅ効果 に加えて、炭素数 2以上のアルキルサルフェートが芳香族スルホンィ匕物と相乗してマ スキング効果を発揮して 、るためであると推測される。
[0044] 炭素数 2以上のアルキルアルコールにおいて、アルキル基は直鎖または分岐鎖の いずれでもよい。好ましくは炭素数 2〜4のアルコールである。そして、特に好ましくは ェチルアルコール、イソプロピルアルコールである。
炭素数 2以上のアルキルアルコールは 1種または 2種以上混合して用いることがで きる。
炭素数 2以上アルキルアルコールの添カ卩量は、スルホン化物 100質量に対して、 1 〜15質量部、好ましくは 1. 5〜10質量部、特に 2〜6質量部であることが好ましい。 ここで、 「スルホン化物 100質量部」は、上記 (B)工程の芳香族化合物の添加量の 基準と同様である。
反応温度は 50〜100°C、好ましくは 50〜90°C、反応時間は 5〜 120分とされる。 なお、エステルイ匕工程は、当然ながらアルコール存在下で行う漂白工程は含まず、 これと区別される。
[0045] (D)中和工程
中和工程には、例えば、アルカリとしてアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモ- ァ、エタノールァミンの水溶液が用いられる。これにより、 ひ一スルホ脂肪酸アルキル エステル塩を含むァ-オン界面活性剤のペーストが得られる。
なお、(B)工程で得られる芳香族系スルホンィ匕物もここで中和され、芳香族系スル ホンィ匕物塩が得られる。
[0046] 中和工程においては、 α—スルホ脂肪酸アルキルエステル塩は強アルカリ性でェ ステル結合が切断されやすくなる可能性があるため、スルホンィ匕物とアルカリとの中 和液の ρΗは、酸性あるいは弱いアルカリ性の範囲(ρΗ4〜9さらに好ましくは ρΗ5〜 8)に調整すると好ましい。
さらに好ましくはアルカリ性でのエステル結合切断を避けるため、予め得られた中和 物と中和前の反応物をプレミックスした後、酸性サイドからアルカリにより中和を行なう と、ジ塩の副生を抑えることができる。
アルカリ水溶液の濃度は 2〜50質量%、中和温度は 30〜140°C、中和時間は 10 〜60分間とされる。
[0047] また、 (D)中和工程は、固体の炭酸塩または炭酸水素塩と反応させて行うこともで きる。
特に固体の炭酸塩 (濃厚ソーダ灰)による中和は、他の塩基よりも安価であり、好ま しい。また、固体の炭酸塩で中和を行うと、反応混合物中の水分が少なくなり、強ァ
ルカリとならない。また、中和時の中和熱が金属水酸ィ匕物の場合よりも低いため、有 利である。
炭酸塩または炭酸水素塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモ-ゥム 、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニゥムなどを例示すること ができ、無水塩、水和塩、またはこれらの混合物などを用いることができる。
[0048] その他の工程
なお、必要に応じて (D)中和工程の前あるいは後に、色調をさらに白色に近い色 に改善するための処理を行うことができる。
色調を改善する処理とは、例えば過酸化水素などの漂白剤を用いた漂白処理など があげられ、好ましくは中和工程後に行われる。
そして、この後、必要に応じて常法によってァ-オン界面活性剤ペーストからフレー ク状、ヌードル状、粉状、粒子状などに成形する。
[0049] この様に、本発明のァ-オン界面活性剤の製造方法においては、(B)芳香族化合 物の添加工程、 (C)炭素数 2以上のアルコールによるエステルイ匕工程との相乗効果 によって、臭気が改善され、長期保存安定性が良好で、特に高温保存条件下におい ても臭気劣化が生じにくい α—スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含むァ-オン界 面活性剤を提供することができる。そして、これを用いた洗浄剤組成物においても同 様の効果が得られる。
また、(C)エステルイ匕工程を行うことによって二分子付加体を低減でき、かつアルキ ルサルフェートを除去する操作を行わずに製造できるため、二分子付加体の低減と、 臭気の低減とを、簡便なプロセス、装置で実現可能な技術を提供できる。
[0050] 本発明の製造方法における大きな特徴は、(Β)芳香族化合物の添加工程と、 (C) 炭素数 2以上のアルコールを用いて生じるエステルイ匕工程の両方を行うことにより、 前記特許文献 5に記載の様に、従来は臭気の原因であると信じられており、臭気低 減の点からはできるだけ少な 、量になる様に除去すべきとされて ヽたアルキルサル フェートであっても、炭素数 2以上のアルキルサルフェートであれば、製品中に存在し ていても臭気を劣化させることがなぐむしろ、芳香族スルホンィ匕化合物塩とともに存 在していた方が、臭気を改善し、特に長期安定性 (特に高温保存下での長期安定性
)の点からは好ましいことを見出した点にある。
この作用機構は明確ではないが、本発明の製造方法においては、例えば原料とし て脂肪酸メチルエステルを用いたとしても、メチルサルフェートの含有量が比較的小 さぐ芳香族スルホンィ匕物塩と炭素数 2以上アルキルサルフェートを含むァ-オン界 面活性剤が得られるため、高温下、長期保存により生成する、メチルサルフェートに 起因する臭気成分の原因物質の生成を抑制でき、芳香族スルホンィ匕物塩と炭素数 2 以上アルキルサルフェートとが相乗して臭気のマスキングして 、るのではな!/、かと推 測される。
[0051] [ a スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含むァ-オン界面活性剤]第 1の形態 第 1の形態は、 a スルホ脂肪酸アルキルエステル塩 50〜 95質量%、メチルサル フェート 3質量%以下、炭素数 2以上のアルキルサルフェート 0. 5〜8質量%、芳香 族系スルホンィ匕物塩 0. 1〜20質量%であることを特徴とするァ-オン界面活性剤で ある。
この構成により、臭気が改善されたァ-オン界面活性剤が得られる。そして、長期 保存安定性が良好で、特に高温保存条件下においても臭気劣化が生じにくいという 効果も得られる。
[0052] a スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の含有量を 50〜 95質量0 /0、好ましくは 60 〜70質量%とすることにより、ァ-オン界面活性剤ペーストとして好ましい特性が得ら れ、また 80〜95質量%とすることにより、粉状のァ-オン界面活性剤として好ましい 特性が得られる。
メチルサルフェートの含有量を 3質量%以下、好ましくは 2質量%以下とすることに より、臭気の改善効果を高めることができる。メチルサルフェートは少ない方が好まし いので、その下限値を規定する技術的意義はないが、本発明においてはメチルサル フェートが存在していても、例えば 3質量%以上であっても、効果を得ることができる。 例えば原料の脂肪酸アルキルエステルとしてメチルエステルを用いると、必然的にメ チルサルフェートが生成する力 この場合であっても効果を得ることができる。
[0053] 炭素数 2以上のアルキルサルフェートの含有量を 0. 5〜8質量%、好ましくは 1〜
5質量%とすることにより、臭気の改善効果を高めることができる。また、長期保存安
定性が良好で、特に高温保存条件下においても臭気劣化が生じにくいという効果も 得られる。下限値以上とすることにより充分な効果が得られる。上限値を超えるとァ- オン界面活性剤の物性面力 好ましくないことがある。
芳香族系スルホン化物塩の含有量を 0. 1〜20質量%、好ましくは 0. 5〜15質量 %とすることにより、臭気の改善効果を高めることができる。また、長期保存安定性が 良好で、特に高温保存条件下にお 、ても臭気劣化が生じにく!、と 、う効果も得られる 。下限値以上とすることにより充分な効果が得られる。上限値を超えるとそれ以上効 果が得られないことがあり、上限値以下とすることが経済的に好ましい。
[0054] この様なァ-オン界面活性剤の製造方法は特に限定するものではなぐ例えば α スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を多く含む反応生成物に対してメチルサルフエ ートを低減する操作や、芳香族系スルホンィ匕物塩や炭素数 2以上のアルキルサルフ エートを添加する操作等を行って組成を調整することにより得ることもできるが、本発 明の製造方法により製造すると簡便である。
そして、芳香族系スルホンィ匕物塩の含有量は、本発明の製造方法において、 (Β) 工程の反応条件を調整することにより変更することができる。
炭素数 2以上のアルキルサルフェートの含有量は、本発明の製造方法において、( C)工程の反応条件を調整することにより変更することができる。
また、メチルサルフェートの含有量は、メタノールを用いたエステル交換反応を行わ ないことによって調整できる。
[0055] 本実施形態において、 α スルホ脂肪酸アルキルエステル塩、炭素数 2以上のァ ルキルサルフェート、芳香族系スルホン化物塩について、好ましい態様は、上述の本 発明の製造方法で説明した好ましい原料、添加剤等を用いて得られるものと同様で ある。
[0056] 第 2の形態
第 2の形態は、本発明のァ-オン界面活性剤の製造方法によって得られるァ-ォ ン界面活性剤である。本形態においても第 1の形態と同様の効果が得られる。
第 2の形態においても、第 1の形態の各成分の配合量の条件を満たすと、さらに効 果を向上させることができる。
[0057] [洗浄剤組成物]
本発明のひ—スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含むァ-オン界面活性剤は、常 法により、洗浄剤組成物とすることができる。当該洗浄剤組成物は衣料用等として好 適である。
洗浄剤組成物には、キレートビルダー、アルカリ剤、再汚染防止剤、漂白剤、蛍光 剤、酵素、他の界面活性剤等の通常の洗浄成分を配合することができる。
配合可能な材料としては、例えば以下の様なものが挙げられる。なお、下記に例示 する以外の洗剤常用成分も必要に応じて用いることができることは言うまでもない。
[0058] 界面活性剤'ァ-オン性界面活性剤:平均炭素数 10〜16のアルキル基を有する直 鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、平均炭素数 10〜20の直鎖または分岐鎖のアル キル基を有し 1分子内に平均 0. 5〜 10モルのエチレンオキサイドを付カ卩したアルキ ルエトキシ硫酸塩、平均炭素数 10〜20のアルキル基を有するアルキル硫酸塩、平 均 10〜20の炭素原子を 1分子中に有するォレフインスルホン酸塩、平均炭素数 10 〜20の脂肪酸塩などが挙げられる。
'非イオン性界面活性剤:平均炭素数 10〜20のアルキル基を有し 1〜20モルのェ チレンオキサイドを付カ卩したポリオキシエチレンアルキルエーテル、高級脂肪酸アル 力ノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
•その他の界面活性剤:ベタイン型両性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤 、リン酸エステル系界面活性剤、カチオン性界面活性剤などが挙げられる。
なお、ここでの「アルキル」は、不飽和結合を含むァルケ-ルをも含む概念である。
[0059] キレートビノレダー
キレートビルダーは、 2価金属イオン捕捉剤である。
具体的にはゼオライト、オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、二トリ口三酢 酸塩、エチレンジァミン四酢酸塩、クェン酸塩、イソクェン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポ リアセタールカルボン酸塩などが挙げられる。
[0060] アルカリ剤
ケィ塩、炭酸塩、セスキ塩炭酸塩などが挙げられる。
[0061] 再汚染防止剤
ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメ チルセルロースなどが挙げられる。
[0062] 漂白剤、蛍光増白剤、酵素等の添加剤
漂白剤としては、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩ィ匕ナトリウ ム過酸ィ匕水素付加物などが挙げられる。
蛍光増白剤としては、市販蛍光染料が配合可能である。
また、酵素としては、プロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ等が挙げられ る。
その他の添加剤としては、香料等が挙げられる。また、青味付剤なども必要に応じ て配合することができる。
実施例
[0063] 以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実 施例に制限されるものではな 、。
なお、当該実施例において、「%」は「質量%」を示す。
[0064] 表 1〜4に示した条件で α—スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有ァ-オン界面 活性剤を下記の方法により調製し、下記評価方法により、臭いの経時変化を試験し た。
[0065] [実施例 1〜9]
原料脂肪酸メチルエステルはコグニス社製 Endenor ME PA MY (製品名、 C16 [炭 素数 16の脂肪酸のメチルエステル]: C18 [炭素数 18の脂肪酸のメチルエステル] = 45 : 55 [質量比])を水添処理することにより、ヨウ素価を 0. 02まで低減したものを用 いた。
[0066] スルホンィ匕反応は、槽型反応器(200L容量、ジャケット冷却 ·撹拌機付きの SUS3 16L製)にて、以下の様にして行った。
まず、上記の原料脂肪酸メチルエステル 92kgを反応槽に仕込み、良く撹拌しなが ら着色抑制剤として微粉芒硝を、脂肪酸メチルエステルに対して 5%添加した。 さらに撹拌を続けながら、除熱コントロールにより反応温度 80°C、窒素ガスで 8容量 %に希釈した SOガス(スルホン化ガス) 112m3 (原料メチルエステルに対して 1. 2倍
モル)をリングスパージヤーにて 1時間かけて等速で吹き込み、スルホンィ匕反応を行 つた o
さらに 80°Cに保ちながら 40分間、熟成工程を行った。
[0067] ついで、芳香族化合物として炭素数 10〜 14のアルキル基を有する直鎖アルキル ベンゼンを表中に示す所定量を添加し、 80°Cに保ちながら 30分間撹拌して反応を 行った。
なお、芳香族化合物の添加量は、スルホン化物 100質量部に対する添加量 (質量 部)で示す。
[0068] 反応後、表中に示す所定量の炭素数 2以上アルキルアルコールを添加して、 80°C 、 120分間エステルイ匕反応を行い、 ひ一スルホ脂肪酸メチルエステルを製造した。 なお、エステル化反応に用いるアルコールの添カ卩量は、スルホン化物 100質量部 に対する添加量 (質量部)で示す。
[0069] 次いで、エステルイ匕した反応液を水酸ィ匕ナトリウム水溶液で連続的に中和し (特開 2001— 64248号公報記載の中和方式により)、 pH = 5〜7、 a スルホ脂肪酸ァ ルキルエステル塩 = 50〜70質量%の中和物を得た。中和温度は 70〜80°Cに制御 し、中和物の滞留時間は 15〜30分であった。
なお、特開 2001— 64248号公報記載の中和方式とは、中和前の反応液を、当該 反応液を循環させることができるライン力 形成されたループ内に供給し、循環させる とともに、アルカリを供給しながら徐々に中和する方式である。ループ内は、はじめは 中和前の反応液が循環している力 アルカリを供給して循環させるにつれて、中和前 の反応液と、その中和物との混合物が循環する様になる。そして、この混合物にさら に徐々にアルカリを供給する。この様な操作によりマイルドな条件で中和を行うことが できる。
[0070] 次!、で、この中和物を 200Lジャケット付き撹拌槽へ仕込み、 35%過酸化水素水を 用いて α スルホ脂肪酸アルキルエステル塩に対して純分で 1〜 2質量%を十分に 混合しながら添加し、漂白温度 80°C、漂白時間は 6〜24時間で漂白反応を行い、 ひ スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含むァ-オン界面活性剤ペーストを得た。 実施例 1〜8ではこの段階で臭気試験に供した。
[0071] 実施例 9においては、その後、 a スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有ァ-オン 界面活性剤ペーストを、回転数 1060rpm、羽根先端速度約 l lmZsecで回転して いる真空薄膜蒸発機エタセバ (製品名、伝熱面: 0. 5m2、内径 : 205mm、伝熱面と 羽根先端とのクリアランス: 2〜4mm、神鋼パンテック (株)製)に 50〜90kgZhrで導 入し、内壁加熱温度 120〜140°C、真空度 0. 007〜0. 014MPaにて濃縮を行い、 次いで、この濃縮品をドラムフレーカー((株)楠木機械製作所製)を用いて、 20-30 °Cまで冷却し、フィッツミル (製品名、ホソカワミクロン (株)製、 DKA— 3型、 1段目スク リーン径 8mm φ、 2段目スクリーン径: 3. 5mm φ、ブレード回転数 1段目: 4700rpm 、 2段目: 2820rpm)により粉砕し、高濃度 oc—スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含 有ァ-オン界面活性剤パウダーを得た。
得られた実施例 1〜8のペースト及び実施例 9のパウダーについて、以下の様に臭 気試験を行って評価した。
[0072] <臭気の経時変化試験法 >
80°Cの恒温室に保存し、 1力月後に 5人のパネラーにより、それぞれの試料の臭気 について官能評価を行い、以下の基準で評価した。
◎:ほぼ無臭
〇:やや臭 、があるが実用上問題な 、
△:かなり臭気が感じられる
X:強い臭気あり
[0073] [実施例 10〜: L 1]
芳香族化合物としてクメンを用いた以外は、実施例 1〜8と同様な方法で、 ひースル ホ脂肪酸アルキルエステル塩を含むァ-オン界面活性剤ペーストを得て、同様に臭 気試験を行なった。
[0074] [実施例 12〜13]
実施例 12、 13においては、原料脂肪酸メチルエステルとして、それぞれ、 C14 (炭 素数 14の脂肪酸のメチルエステル): C16 (炭素数 16の脂肪酸のメチルエステル) = 2 : 8 (質量比)(ライオンォレオケミカル (株)製、ヨウ素価: 0. 02)と、 C16 (炭素数 16の 脂肪酸のメチルエステル): C18 (炭素数 18の脂肪酸のメチルエステル) = 6 : 4 (質量
比)(ライオンォレオケミカル (株)製、ヨウ素価: 0. 02)を用いた以外は、実施例 1〜8 と同様な方法で OC スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含むァ-オン界面活性剤 ペーストを得て、同様に臭気試験を行なった。
[0075] [比較例 1]
芳香族化合物を添加せず、エステルイ匕反応にメタノールを用いた以外は、実施例 1 〜8と同様な方法で a スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含むァ-オン界面活性 剤ペーストを得て、同様に臭気試験を行なった。
[0076] [比較例 2]
エステルイ匕工程を行わなカゝつた以外は、表中に示す芳香族化合物添加工程、エス テルィ匕工程の条件で、実施例 1〜8と同様な方法にて α スルホ脂肪酸アルキルェ ステル塩を含むァ-オン界面活性剤ペーストを得て、同様に臭気試験を行なった。
[0077] [比較例 3]
エステル工程後に、 50Torr、 180°Cの条件で蒸留を行い、メチルサルフェートの留 去を行った以外は、比較例 1と同様の方法で a -スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を 含むァ-オン界面活性剤ペーストを得て、同様に臭気試験を行った。
[0078] [比較例 4]
芳香族化合物を添加しない以外は、表中に示す条件で、実施例 1〜8と同様な方 法にて α スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含むァ-オン界面活性剤ペーストを 得て、同様に臭気試験を行なった。
[0079] 実験条件、得られたァニオン界面活性剤の組成、及び臭気評価の結果を表にまと めて示す。
なお、表中に示した主な組成以外のものは、ジ塩、芒硝、脂肪酸アルキルエステル 、アルキルベンゼンあるいはタメン、水分等である。
また、「α— SF'Na」は「α -スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩」であり、「LA S -NaJは「炭素数 10〜 14のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンナトリウム( 芳香族系スルホンィ匕物塩)」である。
また、使用原料については、例えば「C16ZC18 =45Z55メチルエステル」とは、 炭素数 16の脂肪酸のメチルエステルと、炭素数 18の脂肪酸のメチルエステルとの、
質量比 45: 55の混合物を表す。これ以外もこの表記に準ずる。
[0080] [表 1]
[0081] [表 2]
[0084] [実施例 14〜17、比較例 5〜6]
実施例、比較例の各 OC—スルホ脂肪酸アルキルエステルナトリウム塩含有ァ-オン 界面活性剤を用いて、以下の方法で粒状洗浄剤組成物を製造し、臭気変化を試験 した。表 5に組成と評価結果を示した。
[0085] 活性剤濃縮
α—スルホ脂肪酸アルキルエステルナトリウム塩含有ァ-オン界面活性剤のペース トにノユオン界面活性剤の一部(純粋な a—スルホ脂肪酸エステルナトリウム塩に対 して 25質量%)を添加し、フラッシュ濃縮機 (加熱管 製品名 SFC— 300 (伝熱面積 0. 5m2) (株)佐久間製作所製)を用いて、加熱管温度 130°C (加熱媒体として加圧 スチームを使用)の条件で水分を 10%になるまでリサイクルフラッシュ濃縮して oc スルホ脂肪酸アルキルエステルナトリウム塩とノ-オン界面活性剤の混合濃縮物を得 た。
[0086] 噴霧乾燥
ノ-オン界面活性剤、一部のゼォライトを除く任意成分を水道水 (東京都江戸川区 )に溶解若しくは分散させ、下記条件でスラリー(固形分濃度 60質量%)を調製した 後、このスラリーを以下の噴霧乾燥条件で噴霧乾燥し、乾燥粒子を得た。
[0087] <スラリー調製条件 > ·固形分濃度: 60%、温度 : 60°C、 ·不純物:廃粉を水に再溶 解し、これをスラリーに一部配合する操作があり、洗剤の常用成分が微量混入した。
[0088] <噴霧乾燥条件 > ·噴霧乾燥装置:向流式、塔径 2. 0m、有効長 5. 0m、微粒化方 式:加圧ノズル方式、噴霧圧力: 30kgZcm2、熱風入口温度: 260°C、熱風出口温 度 : 90°C、排出方法:塔底部にゼォライト(1. 5質量%対乾燥粒子)を冷風とともに導
入し、冷却 +流動性改善を施した後に排出した。
[0089] 捏和 ·破砕造粒
次いで、得られた活性剤濃縮物、噴霧乾燥粒子とともに、ノ-オン界面活性剤 (水 分 10質量%)と少量の水道水 (東京都江戸川区)を連続ニーダー (栗本鉄工所製、 KRC— S4型)に投入し、温度 50〜65°Cで連続的に混練し、ドウ状物を得た。ニー ダージャケット上記混練温度を保つように、温水または冷水、あるいはエチレングリコ ール水溶液を流した。
このあと、ペレツター(不二パゥダル製、ダイス孔径 10mm φ )で、温度 45〜60°Cで 押出した後、回転式のカッターで、 5〜30mmのペレット状の固形洗剤を形成した。 次いで、フィッツミル (製品名、ホソカワミクロン (株)製、 DKASO— 6型)を 3段直列 に配置し (スクリーン径'回転数は、 1段目; 12mm、 1880rpm、 2段目; 6mm、 4700 rpm、 3段目; 3mm、 4700rpm)、得られた固形洗剤と粉砕助剤としてのゼォライトを (4. 3質量%対固形洗剤) 15°Cの冷風とともに導入し、粉砕した。このときの粉砕品の 温度は 20〜30°Cであった。
最後に、転動ドラム(直径 0. 6m、長さ 0. 48m、厚さ Imm X幅 12cm X長さ 48cm の邪魔板 4枚付き、回転数 20rpm)内でゼォライト(2. 0質量%対粉砕粒子)を加え 得られた洗剤粒子を被覆し、ノ-オン界面活性剤 (0. 5質量%対粉砕粒子:発塵防 止のために添加)、酵素(1. 0質量%対粉砕粒子)、香料 (0. 1質量%対粉砕粒子) 、色素 (0. 01質量%対粉砕粒子)を加えて高嵩密度粒状洗剤組成物とした。
得られた洗剤組成物の臭気試験は次の試験方法にて行なった。
[0090] <臭気の経時変化試験法 >
80°Cの恒温室に保存し、 1力月後に 5人のパネラーにより、それぞれの試料の臭気 について官能評価を行い、以下の基準で評価した。
◎:ほぼ無臭
〇:やや臭いがある
△:かなり臭気が感じられる
X:強い臭気あり
[0091] 尚、表中の略語の説明は下記の通りである。
く表中の略号の説明 > α - SF-Na : a スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩 LAS 'Na :炭素数 10〜 14のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸 ナトリウム塩(活性剤濃度 = 70%、残部は未反応アルキルベンゼン、硫酸ナトリウム、 水など)。
石鹼:炭素数 16の脂肪酸:炭素数 18の脂肪酸: TMD (炭素数 10〜20の脂肪酸ェ ステル系混合物) = 1 : 3 : 1 (質量比)の混合物力 なる脂肪酸に由来する脂肪酸ナト リウム (活性剤濃度 = 67%)。
ノニオン活性剤:炭素数 12〜 13のアルコールに平均 13モルのエチレンオキサイドを 付加したアルコールエトキシレート (活性剤濃度 = 90%、残部は未反応アルコール、 PEG (ポリエチレングリコール)、水など)。
炭酸カリウム:旭硝子 (株)製、食添グレード。
炭酸ナトリウム:旭硝子 (株)製、食添グレード。
亜硫酸ナトリウム:神洲化学 (株)製、無水亜硫酸曹達。
A型ゼオライト:水沢化学 (株)製、製品名シルトン B (微粉、有効成分 = 80%)。 過酸化水素:三菱ガス化学 (株)製 (有効成分 = 35%)ポリマー:マレイン酸、アタリ ル酸の共重合体(日本触媒 (株)製、製品名アクアリック TL 400)。
蛍光剤:チバスべシャリティケミカルズ製、製品名チノパール CBS— X。
その他成分:酵素、香料、色素、有機過酸前駆体等の漂白成分。
[表 5]
[0093] 以上の実施例から明らかな様に、本発明に係る実施例では、高温、長期保存にお ける臭気低減効果が確認できた。
産業上の利用可能性
[0094] 本発明は、 α—スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含むァニオン界面活性剤、及 びこれを含む洗浄剤組成物の製造に適用できる。