JP2000128852A - 淡色α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法 - Google Patents

淡色α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法

Info

Publication number
JP2000128852A
JP2000128852A JP30019198A JP30019198A JP2000128852A JP 2000128852 A JP2000128852 A JP 2000128852A JP 30019198 A JP30019198 A JP 30019198A JP 30019198 A JP30019198 A JP 30019198A JP 2000128852 A JP2000128852 A JP 2000128852A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkyl ester
bleaching
acid alkyl
sulfofatty acid
ester salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP30019198A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Tano
哲雄 田野
Azusa Yamauchi
あずさ 山内
Hiroshi Nishio
拓 西尾
Seiji Matoba
誠二 的場
Yozo Miyawaki
洋三 宮脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lion Corp filed Critical Lion Corp
Priority to JP30019198A priority Critical patent/JP2000128852A/ja
Publication of JP2000128852A publication Critical patent/JP2000128852A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Detergent Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 漂白剤と未漂白のα−スルホ脂肪酸アルキル
エステル塩の混合を均一に、かつ、良好な温度制御下に
行うことができ、しかも、従来のものよりも白色に近い
α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を得ることのでき
る新規な漂白工程を備えた淡色のα−スルホ脂肪酸アル
キルエステル塩の製造方法を提供すること。 【解決手段】 漂白工程において未漂白のα−スルホ脂
肪酸アルキルエステル塩を含む中和物と漂白剤を混合す
るにあたり、該混合によって得られた混合物の一部を再
混合する。漂白剤による漂白処理の前に前記中和物を予
め80℃以上で加熱処理することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α−スルホ脂肪酸
アルキルエステル塩の製造方法に関し、特に白色に近い
淡色のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩
は、従来より界面活性剤として使用されているが、特に
洗浄力が高く、また、生分解性が良好で環境に対する影
響が少ないことから洗浄剤材料としての性能が高く評価
されている。
【0003】α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩は、
脂肪酸アルキルエステルをSO3によりスルホン化して
α−スルホ脂肪酸エステルを得た後に、アルカリによっ
て中和することによって得られる。
【0004】脂肪酸アルキルエステルのスルホン化メカ
ニズムは、Smith and Stirton: JAOCS vol.44, P.405(1
967)、Schmid, Baumann, Stein, Dolhaine: Proceeding
ofthe world surfactants congrees Munchen, vol.2,
P.105, Gelnhausen, Kurle(1984)、及び、H. Yoshimur
a: 油化学(JJOCS), 41巻, 10頁(1992)に示されるよう
に、以下の反応スキームによって説明されている。
【化1】
【0005】すなわち、まずエステルのアルコキシ基部
分にSO3が挿入され、SO3一分子付加体(以下、「一
分子付加体」という)が生成する。次に、α位にさらに
SO 3が導入されSO3二分子付加体(以下、「二分子付
加体」という)が生成する。そして、最後にアルコキシ
基部分に挿入されたSO3が脱離してα−スルホ脂肪酸
アルキルエステルが生成する。
【0006】この反応スキームにおいては、前記二分子
付加体の生成段階までは反応が速やかに進行するが、二
分子付加体からα−スルホ脂肪酸アルキルエステルを生
成する段階は反応速度が非常に遅い。このため、実際は
SO3ガスなどのスルホン化ガスを過剰に用いたり、ま
た、二分子付加体の生成段階まで反応が進んだ後に熟成
工程を設けてSO3の脱離を促進させることが行われて
いる。そして、前記熟成工程の後にアルカリで中和する
ことによって、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を
得ることができる。
【0007】しかし、このようにして得られたα−スル
ホ脂肪酸アルキルエステルは、通常、著しく着色してお
り、このため、アルカリ中和後に得られるα−スルホ脂
肪酸アルキルエステル塩も着色している。洗浄剤材料と
しての用途においては、このような着色は不都合である
ために、通常、アルカリ中和工程の前又は後に、過酸化
水素などの漂白剤による漂白が行われている。
【0008】すなわち、α−スルホ脂肪酸アルキルエス
テル塩は、スルホン化ガス導入によるスルホン化工程、
熟成工程、アルカリによる中和工程の後に漂白工程を経
ることによってはじめて製品とされる。
【0009】前記漂白工程としては、これまでに様々な
態様が提案されているが、例えば、特開平9−1253
3号公報には、中和工程を経て得られたα−スルホ脂肪
酸アルキルエステル塩を含む中和物を高温条件下で過酸
化水素によって処理して漂白する方法が記載されてい
る。
【0010】一方、漂白工程は中和工程の前に行われて
もよく、例えば、「油脂」vol.44,No.7, P50-53(199
1)、「安全工学」vol. 35, No. 5, P370-378には、中和
工程前に漂白剤でα−スルホ脂肪酸アルキルエステルを
漂白する方法が記載されている。
【0011】ところで、製品としてのα−スルホ脂肪酸
アルキルエステル塩には、α−スルホ脂肪酸、α−スル
ホ脂肪酸ジアルカリ塩などの副生物が含まれることがあ
る。これは、上記の各製造工程中において一部のエステ
ル結合の切断が生じるためである。これらの副生物は洗
浄剤活性成分としては洗浄力が小さく、水溶性も劣るの
で、その生成はできるだけ抑制することが望ましい。
【0012】例えば、水酸化ナトリウムなどによるアル
カリ中和工程においては、下記に示すような反応が起こ
り、洗浄力、水溶力の劣るα−スルホ脂肪酸ジソーダ
(α−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩)が生成することが知
られている。上述したように、このような副生物は洗浄
剤としての性能を低下させる。
【化2】
【0013】そこで、特開平10−53794号公報に
は、副生物であるα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩の生成
を抑制すべく、中和工程においてリサイクル中和反応物
をα−スルホ脂肪酸アルキルエステルと混合する方法が
記載されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、α−スルホ脂
肪酸ジアルカリ塩などの副生物は中和工程のみならず漂
白工程においても生成する。漂白工程における副生物の
生成原因の一つとしては、漂白剤と未漂白のα−スルホ
脂肪酸アルキルエステル塩を含む中和物の混合の際に発
生する混合熱によるエステル結合の切断が挙げられる。
また、前記混合熱は製品としてのα−スルホ脂肪酸アル
キルエステルの着色の原因ともなる。なお、漂白剤と前
記中和物との混合が均一に行われない場合には漂白むら
が発生し、不都合な濃色のα−スルホ脂肪酸アルキルエ
ステル塩が製品に混入するおそれがある。
【0015】本発明は、上記した従来の技術における問
題点を解決することをその課題とする。すなわち、本発
明の目的は、漂白剤と未漂白のα−スルホ脂肪酸アルキ
ルエステル塩を含む中和物の混合を均一に、かつ、良好
な温度制御下に行うことのできる漂白工程を備えた淡色
のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法を提
供することにある。
【0016】また、本発明の他の目的は、従来のものよ
りも白色に近いα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を
得ることのできる新規な漂白工程を備えた淡色のα−ス
ルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法を提供するこ
とにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、漂白工程において未漂白のα−スルホ脂肪酸ア
ルキルエステル塩を含む中和物と漂白剤とを混合するに
あたり、既に該混合によって得られた混合物の一部を共
に混合することにより、副生物の生成が抑制され、ま
た、製品としてのα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩
の色調が改善されること、並びに、該未漂白のα−スル
ホ脂肪酸アルキルエステル塩を漂白前に予め加熱処理す
ることにより製品としてのα−スルホ脂肪酸アルキルエ
ステル塩の色調がさらに改善されることを見出し、本発
明を完成した。
【0018】すなわち、本発明は、脂肪酸アルキルエス
テルをスルホン化ガスによりスルホン化してα−スルホ
脂肪酸アルキルエステルを得るスルホン化工程と、前記
α−スルホ脂肪酸アルキルエステルを中和することによ
ってα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含む中和物
を得る中和工程と、前記α−スルホ脂肪酸アルキルエス
テル塩中和物を漂白する漂白工程とを含む淡色α−スル
ホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法であって、前記
漂白工程が前記中和物、漂白剤及び予備混合物を混合す
る混合工程を含んでおり、該予備混合物は当該混合工程
によって得られた混合物の一部であることを特徴とす
る。
【0019】前記混合工程において混合される前記予備
混合物の重量は、前記中和物および前記漂白剤の合計重
量の5倍以上であることが好ましい。
【0020】また、前記漂白工程は、前記混合工程にお
いて混合される前記中和物を予め80℃以上に加熱する
加熱処理工程を含むことが好ましい。
【0021】そして、漂白工程において用いられる漂白
剤としては、過酸化水素又は次亜塩素酸塩が好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳し
く説明する。本発明においてスルホン化される脂肪酸ア
ルキルエステルは、下記の一般式(I)で表される化合
物である。 R1CH2COOR2・・・(I) 但し、式中R1は炭素数6〜24、好ましくは炭素数1
2〜18の直鎖ないし分岐アルキル基またはアルケニル
基を表し、R2は炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜
3の直鎖ないし分岐アルキル基を示す。
【0023】前記脂肪酸アルキルエステルは好ましくは
飽和脂肪酸アルキルエステルであって、この飽和脂肪酸
アルキルエステルは、牛脂、魚油、ラノリンなどから誘
導される動物系油脂由来、ヤシ油、パーム油、大豆油な
どから誘導される植物系油脂由来、α−オレフィンのオ
キソ法から誘導される合成脂肪酸由来のアルキルエステ
ルのいずれであってもよく、特に限定されない。
【0024】このようなものとしては、例えば、ラウリ
ン酸メチル、エチルまたはプロピル、ミリスチン酸メチ
ル、エチルまたはプロピル、パルチミン酸メチル、エチ
ルまたはプロピル、ステアリン酸メチル、エチルまたは
プロピル、硬化牛脂脂肪酸メチル、エチルまたはプロピ
ル、硬化魚油脂肪酸メチル、エチルまたはプロピル、ヤ
シ油脂肪酸メチル、エチルまたはプロピル、パーム油脂
肪酸メチル、エチルまたはプロピル、パーム核油脂肪酸
メチル、エチルまたはプロピルなどを挙げることができ
る。
【0025】これらの飽和脂肪酸アルキルエステルは単
独で、また、混合物として使用してもよいが、そのヨウ
素価(IV)は1以下が好ましく、特に0.5以下がよ
り好ましい。ヨウ素価が1以下であると、スルホン化工
程における着色を効果的に低減することができる。
【0026】本発明の製造方法は、好ましくは、例えば
下記の(A)〜(D)の工程を順次行ってα−スルホ脂
肪酸アルキルエステル塩を得るものである。 (A)前記一般式(I)で表される脂肪酸アルキルエス
テルをスルホン化してα−スルホ脂肪酸アルキルエステ
ルを得る工程であるスルホン化工程 (B)副生物をさらに抑制するために低級アルコールに
てエステル化するエステル化工程 (C)アルカリで中和することによりα−スルホ脂肪酸
アルキルエステルからα−スルホ脂肪酸アルキルエステ
ル塩含有中和物を得る中和工程 (D)得られたα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を
漂白する漂白工程
【0027】前記(C)エステル化工程は必須ではない
が、この工程を経ることによって副生物の一つであるα
−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩の生成量を抑制することが
できるので、スルホン化工程(A)と中和工程(C)の
中間において(C)エステル化工程を行うことが好まし
い。なお、前記漂白工程(D)は、必要に応じて中和工
程(C)の前において実施されてもよい。
【0028】以下、各工程について詳細に説明する。 (A)スルホン化工程 スルホン化工程は、化1において示したように、脂肪酸
アルキルエステルとスルホン化ガスとを接触させて一分
子付加体、二分子付加体を得るスルホン化反応工程と、
二分子付加体からSO3を脱離させてα−スルホ脂肪酸
アルキルエステルを得る熟成工程とからなる。
【0029】前記スルホン化反応工程において使用され
るスルホン化ガスとしては、SO3ガス、発煙硫酸など
が挙げられるが、好ましくはSO3ガスが用いられる。
SO3ガスは、通常、脱湿空気または窒素などの不活性
ガスで3〜30容量%の濃度に希釈されて使用される。
SO3はスルホン化される脂肪酸アルキルエステルの
1.0モルに対して1.0〜2.0モルの割合、好まし
くは1.1〜1.5モルの割合で使用される。1.0倍
モル未満ではスルホン化反応が十分に進行せず、また、
2.0倍モルを越えると、スルホン化反応がより過激に
なるため局部熱に起因する着色が著しくなり、淡色の製
品を得るという点で好ましくない。
【0030】スルホン化反応工程における反応温度は脂
肪酸アルキルエステルが流動性を有する温度であればよ
い。一般には、脂肪酸アルキルエステルの融点以上かつ
融点から100℃高い温度範囲まで、好ましくは融点以
上かつ融点から70℃高い温度範囲とされる。
【0031】スルホン化方法としては、薄膜式スルホン
化法、回分式スルホン化法などのいずれのスルホン化法
であってもよい。回分式スルホン化法はα−スルホ脂肪
酸アルキルエステルの色調の面で優れており、薄膜式ス
ルホン化法は生産コストの面で優れている。また、スル
ホン化反応方式としては槽型反応、フィルム反応、管型
気液混相反応などの方式が用いられる。
【0032】スルホン化反応工程の反応時間は採用する
スルホン化方法により異なるが、一般に、薄膜式スルホ
ン化法では5〜120秒、回分式スルホン化法では10
〜120分程度である。
【0033】スルホン化反応工程終了後、二分子付加体
は熟成工程に移行される。熟成工程においては、二分子
付加体からのSO3脱離反応が促進される。熟成工程の
温度は70〜100℃が適当である。70℃より低いと
脱離反応が速やかに進行せず、100℃より高いと着色
が著しい。熟成工程に要する時間は、通常、1〜120
分の範囲である。
【0034】より淡色なα−スルホ脂肪酸アルキルエス
テルを得るためには、着色抑制剤の存在下において上記
スルホン化工程を行うことが好ましい。前記着色抑制剤
としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル硫酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル
塩、α−オレフィンスルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、インナーオレフィンスルホン酸塩、ポ
リスチレンスルホン酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化リチウムなどの無機水酸化物、硫酸ナト
リウム、硫酸カリウムなどの無機硫酸塩、酢酸塩などの
カルボン酸塩が挙げられる。着色抑制剤の添加量は、脂
肪酸アルキルエステルに対して0.1〜10重量%、よ
り好ましくは、1〜5重量%とされる。
【0035】(B)エステル化工程 エステル化工程は熟成工程を経て得られたα−スルホ脂
肪酸アルキルエステルに少量の低級アルコールを添加
し、エステル反応を進行させるものであり、必要に応じ
て設けられる。
【0036】ここで用いられる低級アルコールとして
は、通常、脂肪酸アルキルエステル(I)のR2の炭素
数と等しい炭素数を有するものが好ましいが、特に限定
されるものではない。低級アルコールは、反応液中の二
分子付加体に対して0.5〜5.0倍モル、好ましくは
0.8〜2.0倍モル用いられる。エステル化工程の反
応温度は50〜100℃、好ましくは50〜90℃とさ
れ、また、反応時間は5〜120分とされる。
【0037】このエステル化工程においては、熟成工程
後に残留している二分子付加体のアルコキシ基部分のエ
ステル化が進行することにより、該部分に挿入されてい
たSO3の脱離がさらに促進され、結果として副生物の
生成が抑制される。
【0038】(C)中和工程 中和工程は、アルカリとα−スルホ脂肪酸アルキルエス
テルとの反応混合液が酸性或いは弱いアルカリ性の範
囲、すなわちpH4〜9の範囲となるような条件で行う
ことが好ましい。反応混合液が強アルカリ性となる条件
下で中和を行うと、エステル結合が切断されやすくなる
可能性がある。
【0039】ここで使用されるアルカリとしては、例え
ばアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、エタ
ノールアミンが挙げられる。これらのアルカリは通常、
水溶液として用いられ、その濃度は2〜50重量%程度
とされる。また、前記反応混合液中のα−スルホ脂肪酸
アルカリエステル塩の濃度は10〜80重量%とされ
る。なお、中和温度は、通常、30〜140℃、中和時
間は10〜60分である。
【0040】中和工程によって得られるα−スルホ脂肪
酸アルキルエステル塩含有中和物は通常、水性スラリー
の形態を有しており、該水性スラリー中の活性剤濃度は
60〜80重量%、好ましくは65〜75重量%とされ
る。ここで活性剤濃度とは、α−スルホ脂肪酸アルキル
エステル塩と、副生物であるα−スルホ脂肪酸ジアルカ
リ塩との合計濃度である。活性剤濃度が上記範囲以外で
あると、前記中和物としてのスラリーの粘度が著しく上
昇し、ポンプ輸送などのハンドリングが困難となる。
【0041】(D)漂白工程 この実施の形態における漂白工程においては、中和工程
を経て得られたα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を
含む中和物が、過酸化水素又は次亜塩素酸塩などの漂白
剤によって漂白処理される。図1に本発明の漂白工程を
実施するための漂白装置の一例の概略を示す。
【0042】図1に示す漂白装置においては、図示しな
い中和工程(C)より供給される未漂白のα−スルホ脂
肪酸アルキルエステル塩含有中和物である水性スラリー
と漂白剤とが漂白ミキシングポンプ1において混合され
る。漂白ミキシングポンプ1による混合は本発明の漂白
工程の一部である混合工程を構成する。漂白ミキシング
ポンプ1としては、混合室を備えた混合吐出装置が好ま
しく、具体的には、渦巻きポンプ、パイプラインミキサ
ー、マイルダー、ホモミックラインミル、スタティック
ミキサーを挙げることができる。
【0043】漂白ミキシングポンプ1から排出された混
合物はリサイクルポンプ2によって適度な流速を与えら
れ、漂白熟成管3を経て図示しない次工程へと送出され
る。リサイクルポンプ2としては前記混合物を次工程へ
と送出するポンプとしての機能を有するものであればい
ずれの装置をも使用可能であり、例えば、ギアポンプ、
バイキングポンプ、モノーポンプなどを好適に使用でき
る。なお、図1に示される漂白装置においては、α−ス
ルホ脂肪酸アルキルエステル塩の漂白は漂白ミキシング
ポンプ1における漂白剤との混合時点から始まるが、実
質的な漂白は漂白熟成管3の管路内にて行われる。
【0044】本実施の形態においては、リサイクルポン
プ2から送出された混合物の一部が予備混合物として漂
白ループ管4を介して漂白ミキシングポンプ1へと導入
される。したがって、漂白処理が安定した定常状態で
は、漂白ミキシングポンプ1内において漂白剤、未漂白
の水性スラリー及び前記予備混合物とが共に混合され
る。これにより、漂白剤と未漂白のα−スルホ脂肪酸ア
ルキルエステル塩の急激な混合が回避され、副生物の生
成及び着色の原因となる混合初期の過度の発熱が抑制さ
れる。また、既に漂白剤とα−スルホ脂肪酸アルキルエ
ステル塩が混合状態にある予備混合物が混合工程の初期
段階から存在することにより、漂白剤と未漂白のα−ス
ルホ脂肪酸アルキルエステル塩との均一な混合が促進さ
れる。
【0045】なお、図1に示す漂白装置を用いて連続的
に円滑な漂白を行うためには、少なくとも漂白ループ管
4内に漂白済みの淡色α−スルホ脂肪酸アルキルエステ
ル塩含有水性スラリーを予め充填した状態で装置の稼働
を開始することが好ましく、また、装置停止時には未漂
白の水性スラリー及び漂白剤の装置への供給を中止し
て、リサイクルポンプ2を一定時間稼働することにより
漂白ループ管4内に漂白済みの淡色α−スルホ脂肪酸ア
ルキルエステル塩含有水性スラリーを次の稼働に備えて
充填しておくことが好ましい。
【0046】漂白ミキシングポンプ1において混合され
る前記予備混合物の重量は、混合熱の良好な制御、着色
の抑制及び均一混合性の点からみて漂白ミキシングポン
プ1に供給される未漂白の水性スラリーおよび漂白剤の
合計重量の5倍以上であることが好ましい。
【0047】漂白剤としては過酸化水素又は次亜塩素酸
塩のような水性漂白剤が取り扱いの容易性の点で好まし
い。漂白剤として過酸化水素又は次亜塩素酸塩を使用す
る場合は、過酸化水素又は次亜塩素酸塩の配合量は未漂
白のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩に対し、それ
ぞれ、純分として0.2〜10重量%又は0.5〜5重
量%の範囲とされる。
【0048】漂白温度、漂白時間は漂白剤の種類によっ
て適宜調節されるが、漂白剤として過酸化水素を用いた
場合は、0.1〜0.4MPaの圧力下で、80〜14
0℃、30〜360分とされ、次亜塩素酸塩を用いた場
合は、30〜80℃、30〜360分とされる。なお、
図1に示す漂白装置においては、漂白ループ管4の途中
において予備混合物を加熱する加熱器5が設けられてお
り、漂白ループ管4の管壁からの放熱によって温度低下
した予備混合物を加熱して上記漂白温度を維持してい
る。このように、予備混合物を適宜加熱することによ
り、その温度を漂白に適した温度範囲に保つことが好ま
しい。
【0049】本実施の形態においては、漂白剤による漂
白処理に先立ち、未漂白のα−スルホ脂肪酸アルキルエ
ステル含有中和物を予め80℃以上に加熱してもよい。
漂白処理前に予めα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩
含有中和物を加熱処理することにより、製品としてのα
−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の色調がさらに改善
される。
【0050】例えば、図1に示す漂白装置を用いて漂白
を行う場合には、漂白ミキシングポンプ1による混合工
程の前に、図示しない中和工程から供給される未漂白の
水性スラリーを予め80℃以上に加熱処理することが好
ましい。この場合は、未漂白の水性スラリーに80℃以
上の加熱を行う加熱処理工程、及び、該加熱処理工程に
よって処理された未漂白の水性スラリーに図1の漂白装
置を用いて漂白を行う漂白処理工程によって本発明の漂
白工程が構成される。
【0051】前記加熱処理工程における未漂白のα−ス
ルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有中和物の加熱温度は
少なくとも80℃以上である必要があるが、80〜17
0℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは80〜130
℃とされる。80℃未満の場合は、色調改善効果が不十
分となる。一方、170℃を超えると色調改善効果が得
られなかったり副生物の発生が誘引される。加熱温度が
100℃未満の場合は、通常、還流させながら常圧で行
う。100℃を超える場合にはオートクレーブなどを用
いることが好ましい。加熱時間は1時間〜7日間の範囲
で適宜決定される。なお、加熱時間が比較的短い場合
は、パイプラインなどを用いた連続加熱方式を採用する
ことが製造効率の点で好ましい。なお、既述した着色抑
制剤の存在下において加熱処理を行うことにより、さら
に優れた色調改善効果を得ることができる。
【0052】本発明を構成する漂白工程についていくつ
かの実施の態様をまとめると以下のようになる。 (1)本発明の漂白工程を構成する混合工程において使用
される混合手段としては、渦巻きポンプ、パイプライン
ミキサー、マイルダー、ホモミックラインミル、スタテ
ィックミキサーなどの多成分混合装置を使用することが
できる。 (2)漂白を効果的に行うために、漂白剤とα−スルホ脂
肪酸アルキルエステル塩含有中和物の混合物を熟成させ
ることが好ましい。漂白剤としては過酸化水素又は次亜
塩素酸塩を用いることができる。 (3)漂白剤と未漂白のα−スルホ脂肪酸アルキルエステ
ル塩含有中和物に混合される予備混合物の重量は該漂白
剤と該中和物の合計重量の少なくとも5倍が必要であ
る。また、前記予備混合物は、漂白温度条件を維持する
ために適宜加熱することが好ましい。 (4)漂白温度及び漂白時間は、漂白剤として過酸化水素
を用いた場合は0.1〜0.4MPaの圧力下で、80
〜140℃、30〜360分、次亜塩素酸塩を用いた場
合は、30〜80℃、30〜360分とされる。 (5)漂白処理を行う前にα−スルホ脂肪酸アルキルエス
テル塩中和物を加熱する場合の加熱温度は80〜170
℃の範囲が好ましく、80〜130℃の範囲がより好ま
しい。また、加熱時間は1時間〜7日間の範囲で適宜決
定される。
【0053】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、この実施例の記載により本発明はなんら制限
されるものではない。
【0054】[実施例1〜5]C14:C16=3:7の飽
和脂肪酸メチルエステル(平均分子量=262、ヨウ素
価0.07)に硫酸ナトリウム(平均粒径40〜60
μ)を該飽和脂肪酸メチルエステルに対して5重量%添
加し、槽型反応器を用いて反応温度を80℃に保ちなが
らN2ガスで8容量%に希釈したSO3ガス1.2モル
(対飽和脂肪酸メチルエステル)を60分間、等速で導
入した。SO3ガスの導入後、温度を80℃に保ちなが
ら30分間熟成反応を行い、脂肪酸メチルエステルのス
ルホン化物を得た。次に、このスルホン化物100重量
部に対し4重量部のメタノールを添加し、80℃の温度
下で攪拌しながら20分間エステル化反応を行った。そ
して、このエステル化後のスルホン化物を水酸化ナトリ
ウム水溶液でpH=5〜8の条件下で中和し、α−スル
ホ脂肪酸アルキルエステル塩を約70重量%含む水性ス
ラリーを得た。この塩の色調を測定したところ、400
であった(色調の測定は、α−スルホ脂肪酸アルキルエ
ステル塩の5重量%水溶液を40mm光路長、No.4
2ブルーフィルターを用いクレット光電光度計により行
った。以下同じ。)。
【0055】次に、上記水性スラリーを35%過酸化水
素水を用いて漂白した。漂白装置としては図1に示した
ものを用いた。具体的には、まず漂白ミキシングポンプ
1からリサイクルポンプ2までの管路及び漂白ループ4
内に活性剤濃度70重量%の漂白済み水性スラリーを予
め充填しておき、次いで、リサイクルポンプ2を稼働し
て該漂白済み水性スラリーが漂白ループ管4を循環する
ような定常状態とした。次に、漂白ミキシングポンプ1
としての渦巻きポンプに上記水性スラリー、及び、35
%の過酸化水素水を導入して混合し、この混合物の一部
を漂白ループ4を介して循環させながら予備混合物とし
て、中和工程から続いて供給される水性スラリー及び過
酸化水素水に対して渦巻きポンプにおいて混合した。こ
のようにして得られた混合物の一部は再び漂白ループ管
4に導入して予備混合物とし、残部は漂白熟成管3に供
給して未漂白のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の
漂白を進行させた。前記未漂白のα−スルホ脂肪酸アル
キルエステル塩に対する過酸化水素の配合量は純分とし
て0.5〜5重量%とした。水性スラリーの漂白温度は
120℃とし、該水性スラリーが漂白ミキシングポンプ
1である渦巻きポンプに投入され、漂白熟成管3から排
出されるまでの滞留時間は60分とした。前記過酸化水
素及び前記予備混合物の混合比を様々に変化させ漂白処
理を行い、実施例1〜5とした。漂白後のα−スルホ脂
肪酸アルキルエステル塩の色調、α−スルホ脂肪酸ジア
ルカリ塩の生成割合、漂白剤混合時の温度コントロール
性、均一混合性の結果を表1に示す。
【0056】[比較例1]漂白ミキシングポンプ1にお
いて予備混合物を混合しない点を除いては実施例2と同
じ条件で上記中和物の漂白を行った。漂白後のα−スル
ホ脂肪酸アルキルエステル塩の色調、α−スルホ脂肪酸
ジアルカリ塩の生成割合、漂白剤混合時の温度コントロ
ール性、均一混合性の結果を表1に示す。
【表1】
【0057】表1の結果から、未漂白のα−スルホ脂肪
酸アルキルエステル塩含有水性スラリーと漂白剤とを混
合するにあたり、既に得られた混合物の一部を再混合す
ることにより、良好な温度コントロール下において均一
な混合が可能となることが確認できる。その結果、不都
合なα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩の生成を抑制でき、
しかも、最終的に白色度の高いα−スルホ脂肪酸アルキ
ルエステル塩を得ることができた。
【0058】[実施例6]ミリスチン酸メチルとパルミ
チン酸メチルの割合が重量比で2:8の混合脂肪酸メチ
ルエステル(ヨウ素価0.40)を、ジャケット冷却、
撹拌器付き槽型反応器を用いて、温度を80℃に保ちな
がら、N2ガスで8容量%に希釈したSO3ガス1.2倍
モル(対混合脂肪酸メチルエステル)を60分間、等速
で導入してスルホン化反応を行った。SO3ガス導入
後、85℃に保ちながら30分間撹拌して熟成を行い、
α−スルホ脂肪酸メチルエステルを製造した。次に、こ
のα−スルホ脂肪酸メチルエステルに2重量%(対α−
スルホ脂肪酸メチルエステル)のメタノールを添加し、
80℃で20分間撹拌しエステル化反応を行った後、水
酸化ナトリウム水溶液でpH=5〜8となるように中和
し、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩含有中和物を得
た。この中和物におけるα−スルホ脂肪酸メチルエステ
ル塩の濃度は68.5重量%であり、反応率97.8
%、色調は4000であった。
【0059】次にこの中和物をジャケット及び撹拌器付
き槽型反応器に入れ還流管をつけて95℃で9時間加熱
した。色調は1600に改善された。加熱処理後、35
%過酸化水素水を3重量%(純分として対未漂白α−ス
ルホ脂肪酸メチルエステル塩)添加し、漂白温度80℃
で5時間反応させる点以外は実施例1と同様にして漂白
を行ったところ、色調は250にさらに改善されてい
た。
【0060】[実施例7]ヨウ素価0.13を示すミリ
スチン酸メチルに着色抑制剤として硫酸ナトリウム(平
均粒径40〜60μm)を5重量%(対ミリスチン酸メ
チル)添加し、実施例6と同様にスルホン化反応を行っ
た。SO3ガス導入後、80℃に保ちながら60分間撹
拌して熟成を行い、α−スルホ脂肪酸メチルエステルを
製造した。次に、このα−スルホ脂肪酸メチルエステル
に4重量%(対α−スルホ脂肪酸メチルエステル)のメ
タノールを添加し、80℃で30分間撹拌しエステル化
反応を行った後、水酸化ナトリウム水溶液でpH=5〜
8となるように中和し、α−スルホ脂肪酸メチルエステ
ル塩含有中和物を得た。この中和物におけるα−スルホ
脂肪酸メチルエステル塩の濃度は67.8重量%であ
り、反応率98.0%、色調は870であった。
【0061】次にこの中和物をジャケット及び撹拌器付
き槽型反応器に入れ還流管をつけて80℃で5時間加熱
した。色調は200に改善された。加熱処理後、35%
の過酸化水素水溶液を0.5重量%(純分として対未漂
白α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩)添加し、漂白温
度80℃で6時間反応させる点以外は実施例1と同様に
漂白を行ったところ、色調は67にさらに改善されてい
た。
【0062】[実施例8〜13]脂肪酸アルキルエステ
ル、着色抑制剤の有無、中和物中のα−スルホ脂肪酸ア
ルキルエステル塩濃度、加熱条件、過酸化水素添加量を
様々に変えて、実施例7と同様に漂白を行った。結果を
表2に示す。なお加熱温度が100℃以上の場合はオー
トクレーブを使って加熱処理を行った。
【表2】
【0063】[実施例14]ミリスチン酸メチルとパル
ミチン酸メチルの割合が重量比で3:7の混合脂肪酸メ
チルエステル(ヨウ素価0.40)を、ジャケット冷
却、撹拌器付き槽型反応器を用いて、温度を80℃に保
ちながら、N2ガスで8容量%に希釈したSO3ガス1.
2倍モル(対混合脂肪酸メチルエステル)を60分間、
等速で導入してスルホン化反応を行った。SO3ガス導
入後、85℃に保ちながら30分間撹拌して熟成を行
い、α−スルホ脂肪酸メチルエステルを製造した。次
に、このα−スルホ脂肪酸メチルエステルに2重量%
(対α−スルホ脂肪酸メチルエステル)のメタノールを
添加し、80℃で20分間撹拌しエステル化反応を行っ
た後、水酸化ナトリウム水溶液でpH=5〜8となるよ
うに中和し、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩含有中
和物を得た。この中和物におけるα−スルホ脂肪酸メチ
ルエステル塩の濃度は70.5重量%であり、反応率9
7.8%、色調は4200であった。
【0064】次にこの中和物をジャケット及び撹拌器付
き槽型反応器に入れ還流管をつけて95℃で9時間加熱
した。色調は2100に改善された。加熱処理後、12
%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を2重量%(純分として
対α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩)を添加し、漂白
温度50℃で5時間反応させる点以外は実施例1と同様
に漂白を行ったところ、色調は90にさらに改善されて
いた。
【0065】[実施例15]ヨウ素価0.13を示すミ
リスチン酸メチルに着色抑制剤として硫酸ナトリウム
(平均粒径100〜300μm)を5重量%(対混合脂
肪酸メチルエステル)添加し、実施例14と同様にスル
ホン化反応を行った。SO3ガス導入後80℃に保ちな
がら60分間撹拌して熟成を行い、α−スルホ脂肪酸メ
チルエステルを製造した。次に、このα−スルホ脂肪酸
メチルエステルに4重量%(対α−スルホ脂肪酸メチル
エステル)のメタノールを添加し、80℃で30分間撹
拌してエステル化反応を行った後、水酸化ナトリウム水
溶液でpH=5〜8となるように中和し、α−スルホ脂
肪酸メチルエステル塩含有中和物を得た。この中和物に
おけるα−スルホ脂肪酸メチルエステル塩の濃度は7
1.6重量%であり、反応率98.0%、色調は950
であった。
【0066】次にこの中和物をジャケット及び撹拌器付
き300mL槽型反応器に入れ還流管をつけて95℃で9
時間加熱した。色調は550に改善された。 加熱処理
後、12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を0.5重量%
(純分として対α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩)添
加し、漂白温度50℃で2時間反応させる点以外は実施
例1と同様に漂白を行ったところ、色調は55にさらに
改善されていた。
【0067】[実施例16〜21]脂肪酸アルキルエス
テル、着色抑制剤の有無、エステル化工程の有無、中和
物中のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩濃度、加熱
条件、次亜塩素酸塩の添加量を様々に変えて実施例15
と同様に漂白を行った。結果を表3に示す。なお加熱温
度が100℃以上の場合はオートクレーブを使って加熱
処理を行った。
【表3】
【0068】
【発明の効果】本発明においては、未漂白のα−スルホ
脂肪酸アルキルエステル塩に漂白剤を混合して漂白する
にあたって、既に該混合によって得られた混合物の一部
を予備混合物として共に混合するので、未漂白のα−ス
ルホ脂肪酸アルキルエステル塩と漂白剤とのマイルドな
混合を実現することができる。したがって、漂白剤混合
時の過度の発熱を抑制することができ、副生物の生成と
共に製品としてのα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩
の着色を抑制することができる。しかも、漂白剤との均
一な混合が可能であるので、製品に漂白むらが生じるこ
とがない。
【0069】また、本発明においては、漂白剤による漂
白処理前に被漂白物であるα−スルホ脂肪酸アルキルエ
ステル塩を加熱処理することとしているので、従来のも
のに比べてより白色に近い製品を得ることができる。
【0070】そして、未漂白のα−スルホ脂肪酸アルキ
ルエステル塩に加熱処理を行った上で漂白剤により漂白
する際に、該漂白剤と該α−スルホ脂肪酸アルキルエス
テル塩の混合物の一部を予備混合物として共に混合する
こととした場合には、製品としてのα−スルホ脂肪酸ア
ルキルエステル塩の色調のさらなる改善を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の漂白工程を実施するための漂白装置
の一例を示す概略図。
【符号の説明】
1 漂白ミキシングポンプ 2 リサイクルポンプ 3 漂白熟成管 4 漂白ループ管 5 加熱器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西尾 拓 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 的場 誠二 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 宮脇 洋三 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4H003 AB14 FA03 FA08 4H006 AA02 AC61 AD30 BB31 BC37 BC51 BD10 BD21 BD70 BE03 BE10 BE11 BE14 BE21 BE32 BE36 BE43

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪酸アルキルエステルをスルホン化ガ
    スによりスルホン化してα−スルホ脂肪酸アルキルエス
    テルを得るスルホン化工程と、 前記α−スルホ脂肪酸アルキルエステルを中和すること
    によってα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含む中
    和物を得る中和工程と、 前記α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を漂白する漂
    白工程とを含む淡色α−スルホ脂肪酸アルキルエステル
    塩の製造方法であって、 前記漂白工程が前記中和物、漂白剤及び予備混合物を混
    合する混合工程を含んでおり、該予備混合物は当該混合
    工程によって得られた混合物の一部であることを特徴と
    する淡色α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記混合工程において混合される前記予
    備混合物の重量が、前記中和物および前記漂白剤の合計
    重量の5倍以上であることを特徴とする請求項1記載の
    淡色スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記漂白工程が前記混合工程において混
    合される前記中和物を予め80℃以上に加熱する加熱処
    理工程を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の淡
    色α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記漂白剤が過酸化水素又は次亜塩素酸
    塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の淡色α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方
    法。
JP30019198A 1998-10-21 1998-10-21 淡色α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法 Withdrawn JP2000128852A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30019198A JP2000128852A (ja) 1998-10-21 1998-10-21 淡色α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30019198A JP2000128852A (ja) 1998-10-21 1998-10-21 淡色α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000128852A true JP2000128852A (ja) 2000-05-09

Family

ID=17881840

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30019198A Withdrawn JP2000128852A (ja) 1998-10-21 1998-10-21 淡色α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000128852A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001000572A1 (en) * 1999-06-25 2001-01-04 Lion Corporation PROCESS FOR PRODUCING α-SULFO-FATTY ACID ALKYL ESTER SALT
WO2005111183A1 (ja) * 2004-05-19 2005-11-24 Lion Corporation α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含むアニオン界面活性剤の製造方法、アニオン界面活性剤及びこれを含む洗浄剤組成物
WO2008013174A1 (fr) * 2006-07-24 2008-01-31 Lion Corporation PROCÉDÉ DE PRODUCTION DE SEL D'ESTER ALKYLIQUE D'ACIDE α-SULFO-GRAS
JP2009191065A (ja) * 2008-01-18 2009-08-27 Lion Corp α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法
JP2009534431A (ja) * 2006-04-27 2009-09-24 リー,ホォンツァイ α−スルホ脂肪酸エステル塩界面活性剤の製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001000572A1 (en) * 1999-06-25 2001-01-04 Lion Corporation PROCESS FOR PRODUCING α-SULFO-FATTY ACID ALKYL ESTER SALT
US6657071B1 (en) 1999-06-25 2003-12-02 Lion Corporation Process for producing α-sulfo-fatty acid alkyl ester salt
WO2005111183A1 (ja) * 2004-05-19 2005-11-24 Lion Corporation α-スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含むアニオン界面活性剤の製造方法、アニオン界面活性剤及びこれを含む洗浄剤組成物
JP2009534431A (ja) * 2006-04-27 2009-09-24 リー,ホォンツァイ α−スルホ脂肪酸エステル塩界面活性剤の製造方法
WO2008013174A1 (fr) * 2006-07-24 2008-01-31 Lion Corporation PROCÉDÉ DE PRODUCTION DE SEL D'ESTER ALKYLIQUE D'ACIDE α-SULFO-GRAS
JP5193865B2 (ja) * 2006-07-24 2013-05-08 ライオン株式会社 α―スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法
JP2009191065A (ja) * 2008-01-18 2009-08-27 Lion Corp α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3316212B2 (ja) α―スルホ脂肪酸アルキルエステルアルカリ金属塩の高濃厚化ペーストの製造方法
KR100202472B1 (ko) 알파-술폰지방산알킬에스테르알칼리금속염의담색페이스트의제조방법
US6657071B1 (en) Process for producing α-sulfo-fatty acid alkyl ester salt
US4547318A (en) Preparation of color-stable, light-colored, aqueous salt pastes of wash-active, α-sulfofatty acid esters
JP2000128852A (ja) 淡色α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法
JPS62298570A (ja) α−スルホ脂肪酸アルキルエステルの固体アルカリ金属塩の製法
JP2000128855A (ja) α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩およびその製造方法
KR100200545B1 (ko) 알파-술포지방산 알킬 에스테르 알칼리 금속 염의 고농축 페이스트의 제조방법
JP3425247B2 (ja) 界面活性剤溶液の濃縮方法
JPH0577666B2 (ja)
JP3929585B2 (ja) 淡色α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩およびその製造法
JP2000119243A (ja) α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法と中和装置
JP3895065B2 (ja) α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法および装置
JPH10175940A (ja) 淡色α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩とその製造方法
JPH026346B2 (ja)
JP2008133209A (ja) α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法
JPWO2005111183A1 (ja) α―スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を含むアニオン界面活性剤の製造方法、アニオン界面活性剤及びこれを含む洗浄剤組成物
JP2001011040A (ja) α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法
JP2001064248A (ja) α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法
JPH10175942A (ja) 淡色α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩およびその製造法
JPH09278740A (ja) 淡色α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩およびその製造法
JP5193865B2 (ja) α―スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法
JP2000119244A (ja) α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法
JP2000191626A (ja) α―スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法
JP2000095750A (ja) 臭気を改善したα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060110