WO2005091195A1

WO2005091195A1 - 健康管理システム

Info

Publication number: WO2005091195A1
Application number: PCT/JP2005/005227
Authority: WO
Inventors: Takuya Harada; Ryuzo Nakamura; Satoru Hisahara
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2004-03-23
Filing date: 2005-03-23
Publication date: 2005-09-29
Also published as: JPWO2005091195A1

Abstract

　生活習慣病の疑いがある被験者や生活習慣病の被験者が、自ら自主的に選択・実行可能な複数の改善プログラムを提供し得る健康管理システムを実現する。本発明は、被験者の健康に関するデータを測定する測定手段と、測定データを転送する測定データ転送手段と、測定データを蓄積する蓄積手段と、測定データを加工して加工データを得る加工手段と、測定データまたは加工データに基づいて被験者の健康状態を検査する検査手段と、検査の結果に基づき被験者の健康管理に関する課題を解決するための少なくとも１つの解決策を作成する作成手段と、被験者が少なくとも１つの解決策を選択する選択手段と、を具備する健康管理システムを提供する。

Description

明細書

健康管理システム

技術分野

[0001] 本発明は、被験者が病院などの医療機関において治療を受ける前の段階において、当該被験者の健康を管理するための健康管理システムに関する。

背景技術

[0002] 高脂血症、高血圧、肥満および糖尿病などの生活習慣病を患、つつある人達は、完全には上記のような病気を患ってはいないものの、彼らの健康状態や症状は、日々の健康管理の在り方に左右されて良くもなったり悪くもなったりする。

従来から、このような人達の健康を管理するための技術としては、例えば特許文献 1および特許文献 2に記載されているような技術があった。

[0003] 図 7は、特許文献 1にお、て提案されて、る健康情報サービスセンターを備えたネットワークシステムの概略構成図である。図 7に示されているように、このネットワークシステムでは、顧客 (被験者) 61力自宅などで血液などの試料を採取できる検査キット 62を有しており、検査キット 62で採取した試料を健康情報サービスセンター 63を介して検査機関 64に送る。検査機関 64は送られた試料を分析評価し、その結果を評価データとして健康情報サービスセンター 63に送信する。そして、健康情報サービスセンター 63は、受け取った評価データを顧客データベース 66に格納するとともに、評価データのうちで顧客がさらに検査すべき評価項目がないかを判定手段 65により判定する。

[0004] 評価データ中に病院でさらに検査すべき評価項目がな、場合は、評価通知手段 6 7により、顧客 61に対して評価データおよびその他の生活習慣に関する一般的なァドバイスを通知する。このとき、商品推薦手段 68から健康食品に関する案内情報も同時に通知する。

また、評価データ中に病院でさらに検査する評価項目がある場合には、顧客データベース 66に蓄積された顧客の評価データを病院などの医療機関に転送し、予約仲介手段 69により病院検査の予約を行う。 [0005] つぎに、図 8は、特許文献 2において提案されているネットワークを用いた健康管理方法の構成を示すブロック図である。図 8に示されているように、この健康管理方法では、インターネットなどのネットワークにより、個人 (被験者) 71と検査機関 72と診断機関 73と健康管理センターである仲介機関 74のそれぞれの端末が接続され、仲介機関 74に提供された個人の健康管理状態情報 76に基づいて検査機関 72および診断機関 73で健康チェックおよびその分析が自動的に行われる。その分析の結果および助言などが健康管理データ 77として仲介機関 74に記録および表示され、個人 71 力 Sこれらの結果および助言を閲覧することができる。

特許文献 1：特開 2002-259571号公報

特許文献 2：特開 2002-7566号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] し力しながら、特許文献 1および 2で提案されている従来の技術においては、健康情報サービスセンター 63や健康管理センター 74から顧客 61や個人 71に一方的にアドバイスが通知されるだけであり、当該アドバイスは生活習慣に対する一般的な内容でしかなぐ顧客 61や個人 71それぞれの日常の行動、心情および嗜好などは考慮されていない。

顧客 61や個人 71は、上記アドバイスにしたがって行動すれば確かに生活習慣病などの予防を達成することができる力もしれないが、日常の行動、心情および嗜好などは考慮されていないことから、顧客 61や個人 71が上記のようなアドバイスどおりに行動することは困難であり、場合によっては不快感ゃ苦痛を感じてしまい、生活習慣病などの予防の成功を妨げる要因となっている。

[0007] そこで、本発明は、上記のような従来の問題を解決するためになされたものであり、顧客である被験者が、自らの日常の行動、心情、嗜好、突発的な事象および生活環境などを考慮した健康管理に関する的確なアドバイスを受けることができ、何ら不快感、支障や苦痛を感じることなく上記アドバイスどおりに自らの健康を容易かつ確実に管理することのできる健康管理システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 [0008] 以上のような課題を解決すベぐ本発明は、

被験者の健康に関するデータを測定する測定手段と、

前記測定手段によって得られた測定データを転送する測定データ転送手段 (第 1 の転送手段)と、

前記測定データ転送手段によって転送された前記測定データを蓄積する蓄積手段と、

前記蓄積手段に蓄積された前記測定データを加工し、加工データを得る加工手段と、

前記測定データまたは前記加工データに基づいて前記被験者の健康状態を検査する検査手段と、

前記検査の結果に基づき、前記被験者の健康管理に関する課題を解決するための少なくとも 1つ (好ましくは複数)の解決策を作成する作成手段と、

前記被験者が前記解決策を少なくとも 1つ選択する選択手段と、

を具備すること、を特徴とする健康管理システムを提供する。

[0009] このような構成により、被験者は、自己の健康状態の検査の結果に基づき、健康管理に関する課題を解決するための複数の解決策（以下、「プログラム」ともいう。）を得ることができ、そのなかから自分の納得できる解決策を選択することができる。そのため、被験者は、自らの日常の行動、心情、嗜好、突発的な事象および生活環境などを考慮した健康管理に関する的確なアドバイスを受けることができ、不快感ゃ苦痛を感じることなく上記アドバイスどおりに自らの健康を管理することできる。

[0010] また、本発明の健康管理システムは、前記被験者が前記解決策を実行した成果を前記作成手段に伝達する伝達手段を具備し、前記作成手段は、前記成果に基づいて前記解決策を作成することが好ま U、。

このような構成により、被験者は、解決策を実行した成果を反映させた解決策を、再度選択することができ、自らの日常の行動、心情、嗜好、突発的な事象および生活環境などを考慮した健康管理に関する的確なアドバイスを受けることができ、不快感ゃ苦痛を感じることなく上記アドバイスどおりに自らの健康を管理することできる。

[0011] また、本発明の健康管理システムにおいて、前記作成手段は、前記成果が所定の段階に達するまで前記解決策を作成することが好ま、。

このような構成により、被験者は、自分の健康状態について納得できるまで前記作成手段力解決策の提供を受けることができる。

[0012] さらに、本発明の健康管理システムは、前記測定データまたは前記加工データを医療機関に転送するデータ転送手段 (第 2の転送手段)を具備することが好ましい。このような構成により、医療機関は、上記のような蓄積データまたは加工データの提供を受けることができる。

[0013] また、本発明の健康管理システムは、前記解決策を前記被験者に転送する解決策転送手段 (第 3の転送手段)を具備することが好ま、。

このような構成により、被験者は上記のような解決策を容易かつ確実に受け取ることができる。

[0014] また、本発明の健康管理システムにおいては、前記測定手段が、前記被験者の複数のデータを測定することが可能である構成を有するのが好ましい。

このような構成により、被験者は自己の健康状態をより反映して作成された健康管理のためのアドバイスを受けることができる。

[0015] また、本発明の健康管理システムにおいては、前記検査手段が、予め定められた基準値データを記憶する記憶部、ならびに前記基準値データと前記蓄積データまたは前記加工データとを比較する比較部を具備することが好ましい。

このような構成により、蓄積データや加工データを、予め記憶された閾値などの基準値データと比較して検査することができ、被験者は自己の健康状態をより反映して作成された健康管理のためのアドバイスを受けることができる。

[0016] また、本発明の健康管理システムにおいては、前記作成手段が、前記被験者の生活の満足度を表すデータに基づ、て前記解決策を作成することが好まし、。上記「満足度を表すデータ」としては、例えば QOLを数値ィ匕して得られるデータなどが挙げられる。

このような構成により、被験者は、自己の生活上の満足度を表すデータに基づいても、健康管理のためのアドバイスを受けることができる。

[0017] さらに本発明は、被験者の健康管理を行う健康管理機関と、前記被験者の健康に関するデータを測定する測定サイトと、を具備する健康管理システムであって、

前記測定サイトにぉ、て、前記被験者の健康に関するデータを前記測定する測定手段と、

前記測定サイトから前記健康管理機関に、前記測定手段によって得られた測定データを転送する測定データ転送手段と、

前記健康管理機関において、前記測定データ転送手段によって転送された前記測定データを蓄積する蓄積手段と、

前記健康管理機関において、前記蓄積手段に蓄積された前記測定データを加工し、加工データを得る加工手段と、

前記健康管理機関にお!、て前記測定データまたは前記加工データに基づ!、て前記被験者の健康状態を検査する検査手段と、

前記健康管理機関において、前記検査の結果に基づき、前記被験者の健康管理に関する課題を解決するための複数の解決策を作成する作成手段と、

前記測定サイトから、前記被験者が前記複数の前記解決策のうちの少なくとも 1つを選択する選択手段と、

を具備することを特徴とする健康管理システムを提供する。

[0018] このような構成により、被験者の健康状態の検査の結果得られた課題を解決するための解決策が、健康管理機関で被験者に応じて作成され、被験者は健康管理に関するアドバイスとして自分の納得できる解決策を選択することができる。

[0019] また、本発明の健康管理システムにおいては、前記健康管理機関が、前記検査の結果を健康関連事業機関に転送する検査結果転送手段を具備することが好ましい。このような構成により、被験者が解決策を実行する際に利用する薬局やトレーニングセンターなどの健康関連事業機関の情報が参考になる場合に、上記健康管理機関は、上記検査の結果を上記健康関連事業機関に提供することができる。そして、被験者は、上記健康関連事業機関において、上記解決策を適切に実行することができる。

発明の効果 [0020] 以上のように、本発明の健康管理システムによれば、顧客である被験者が、自らの日常の行動、心情、嗜好、突発的な事象および生活環境などを考慮した健康管理に関する的確なアドバイスを受けることができ、何ら不快感、支障や苦痛を感じることなく上記アドバイスどおりに自らの健康を容易かつ確実に管理することができる。

図面の簡単な説明

[0021] [図 1]本発明の実施の形態 1の健康管理システムの構成を示すブロック図である。

[図 2]本発明の実施の形態 1の健康管理システムにおける各ステップの説明のためのフロー図である。

[図 3]本発明の実施の形態 1の健康管理システムの被験者状況調査部 14での質疑応答の一例を示す図である。

[図 4]本発明の実施の形態 1の健康管理システムの被験者状況調査部 14での QOL を判断するための質疑応答の一例を示す図である。

[図 5]本発明の他の実施の形態の健康管理システムの構成を示すブロック図である。

[図 6]本発明における解決策データベース 17の一例を示す図である。

[図 7]従来の健康管理システムの構成を示すブロック図である。

[図 8]従来の他の健康管理システムの構成を示すブロック図である。

発明を実施するための最良の形態

[0022] 以下、本発明の健康管理システムの実施の形態について、図面を用いて説明する

[実施の形態 1]

図 1は、本発明の実施の形態 1の健康管理システムの構成を示すブロック図である。図 1に示すように、本実施の形態の健康管理システムにおいては、例えば糖尿病予備軍と言われる複数の被験者 1は、いつでもどこでも血液を採取することのできる測定手段である血液採取チップ 2と、血液採取チップ 2で採取された血液の測定データを健康管理機関である健康管理センター 4に転送することができる携帯電話などの携帯端末機 3を有している。

すなわち、携帯端末機 3は測定データ転送手段 (第 1の転送手段)としても機能する [0023] 健康管理センター 4は、携帯端末機 3から転送された血液の測定データを入出力部 5を介して受信し、蓄積手段である蓄積データベース 6に前記測定データを蓄積する。また、加工手段である演算加工部 7は、蓄積データベース 6の蓄積データを演算加工し、得られたカ卩ェデータはカ卩ェデータベース 8に蓄積される。

そして、検査手段である検査部 9が、蓄積データベース 6に蓄積された測定データまたは加工データベース 8に蓄積された加工データに基づいて、被験者 1の健康状態 (すなわち生活習慣病である糖尿病力否力またはその疑、があるか否力など)を検査する。

[0024] 検査部 9での検査の結果得られた糖尿病に関する課題を解決するための解決策は、作成手段である解決策提供部 10に送られ、解決策提供部 10において、被験者 1 の日常の行動、心情、嗜好、突発的な事象および生活環境などに応じて、かつ被験者 1が選択できるように、複数の解決策が作成される。

また、健康管理センター 4の入出力部 5は、蓄積データベース 6に蓄積された測定データまたは加工データベース 8に蓄積されたカ卩ェデータを、外部転送部 11を介して外部の病院などの医療機関 12や、フィットネスセンターや薬局などの健康関連事業機関 13などに転送する転送手段 (第 2の転送手段)としての機能も有する。

[0025] さらに入出力部 5は、被験者 1の普段の生活環境などについての被験者 1からの情報や、健康管理センター 4から提案された解決策などについての被験者 1の意見を、被験者状況調査部 14に伝達する際のインターフェースの機能も有している。

すなわち、被験者状況調査部 14では、被験者 1から、食事内容、運動内容、休養内容および環境内容などの生活習慣が聴取され、当該生活習慣に関する情報が蓄積される。なお、これら生活習慣の情報は、蓄積データベース 6に蓄積された測定データと一体となって扱われることも必要であるため、蓄積データベース 6に蓄積してもよい。

[0026] また、健康管理センター 4の検査部 9は、血液の測定データから被験者 1が糖尿病、高脂血症または肥満などの生活習慣病を患っているか否力、また患っている疑いがある力否かを判断するため、記憶部である基準値データベース 15と比較部である比較検査部 16とを有して、る。基準値データベース 15は、血液の測定データについて予め定められた閾値などの基準値データを蓄積しており、比較検査部 16は、上記基準値データと、蓄積データベース 6に蓄積された測定データまたは加工データベース 8に蓄積された加工データとを比較して、上記血液の測定データから、生活習慣病か否力またはその疑いがあるか否かを検査する。

[0027] また、健康管理センター 4の解決策提供部 10は、解決策データベース 17と解決策作成部 18を有している。解決策データベース 17は、各生活習慣病に応じて血液の測定データに基づく一般的な解決策を蓄積している。解決策作成部 18は、検査部 9 の比較検査部 16によって、血液の測定データ力例えば糖尿病の疑いがあると判断された場合に、蓄積データベース 6、加工データベース 8、被験者状況調査部 14および解決策データベース 17の内容に基づ、て、被験者 1のそれぞれの嗜好や生活環境に応じた解決策を作成する。

[0028] 解決策データベース 17には、例えば糖尿病に関して、多種多様のデータが蓄積されている。例えば、身長 Aで、体重 Bの人が 1日に摂取すべきエネルギー量、前記ェネルギー量を摂取するための多数の一般的な献立およびそれらの食材、前記食材それぞれのエネルギー量、運動の種類、前記運動に必要な器具、前記運動によるェネルギー消費量、睡眠および旅行などの休養の種類、ならびに前記休養によるエネルギー消費量などの多種多様のデータが蓄積されている。

さらには、各種演算のための式データや、被験者 1に対して提案すべき課題解決策を作成する文例および語彙、ならびに前記解決策について被験者 1に意見を求めるための多数の質問項目などのデータが蓄積されている。

[0029] なお、健康管理センター 4は、被験者 1に対して解決策としての各種のプログラムを提案するため、管理栄養士、栄養士、糖尿病療養指導士、保健士、看護士、運動トレーナ一および理学療養指導士などの、各分野における専門家を配置しておくのが好ましぐ当然のことながら、被験者 1に解決策を指導するために医師が存在していることが好ましい。

以上のように構成された本実施の形態の健康管理システムにおける各ステップの流れにつ、て、図 2に示すフローチャートを用いて説明する。 [0030] 被験者 1は、自分の好きな時間に好きな場所で、血液採取チップ 2で指先から血液を採取し (S1)、血液を採取した血液採取チップ 2を携帯端末機 3に装着しデータの測定を行う。そして、携帯端末機 3の転送ボタンを押し、血液の測定データを健康管理センター 4の入出力部 5に転送する（S2)。

血液採取チップ 2として糖尿病検査用のチップを使用するとき、要管理者の場合には、転送される血液の測定データは、血糖値およびヘモグロビン Ale (HAlc)値のみでよい。例えば被験者 1が初めての診断を受ける場合などは、上記の値のみに限らず、肝疾患の予防のための GOT値、 GPT値および γ— GTP値、高脂血症の予防のための総コレステロール値、ならびに赤血球数および白血球数などを測定して、これらを測定データとして入出力部 5に転送してもよい。また、血液採取チップ 2とは別に、検尿チップを用いて、淡白定性や糖定性などの尿の一般的な測定データを転送してちよい。

[0031] 健康管理センター 4の入出力部 5に転送された測定データは、健康管理センター 4 の蓄積データベース 6において、被験者 1毎に、血液採取日、被験者 1の生年月日、身長ぽよび体重などの基礎データとともに蓄積される（S3)。

そして、転送された測定データのそれぞれが、基準値データベース 15に含まれる閾値に基づいて比較検査部 16で比較され (S4)、測定データに異常があるか否かが検査される（S5)。

[0032] 例えば、年齢が 50歳、身長が 168cm、体重が 60kg、血糖値が 123、 HAlc値が 5 . 2である日本人被験者 1の場合、例えば、日本における正常域である血糖値の閾値の範囲が一般的に 70から 109であり、 HAlc値の閾値の範囲が一般的に 4. 3から 5 . 8であるとすると、被験者 1の血糖値も HAlc値も上記閾値の範囲内にある。

そのため、この場合は異常なし (N)と判断され、つぎの測定データの蓄積および比較に続く（S3)。

[0033] 一方、例えば血糖値が 108で閾値の 70から 109の範囲内である力 HAlc値が 6 . 0で閾値の 4. 3から 5. 8の範囲外であるとすれば、医師などを含む健康管理センタ一 4は、被験者 1が要管理者 (Y)であると判断する。なお、要管理者 (境界域)か、正常域か、地領域かの判断基準は、健康管理センターによって定め、判定基準値は、予めデータベースに登録しておけばよい。

被験者 1が要管理者と判断されると、被験者 1の過去の測定データがある力否かを蓄積データベース 6を検索して調べる（S6)。過去の測定データがある場合 (Y)は、その測定データを抽出する（S7)。

[0034] つぎに、被験者状況調査部 14によって得られた被験者 1の生活習慣、生活環境および嗜好などの被験者状況が登録されて!、るか否かを検索する（S8)。生活環境や嗜好が登録されている場合 (Y)には、被験者状況のデータを抽出し (S9)、血液の測定データ、過去のデータ、および生活環境や嗜好のデータに基づいて、糖尿病に関する現在までの科学的根拠に基づく解決策データを蓄積した解決策データべ一ス 17を参酌し、被験者 1に対する独自の解決策を複数個作成する。

そして、作成した複数個の解決策を入出力部 5を介して被験者 1に転送して提供し、被験者 1に選択させるとともに、蓄積データベース 6に被験者 1の情報として蓄積する（S10)。

[0035] なお、 S6で過去のデータが蓄積データベース 6に無い場合 (N)や、 S8で被験者 1 の生活習慣、生活環境および嗜好が登録されていない場合 (N)には、得られた測定データに解決策データベース 15の一般的なデータを参酌して被験者 1に対する独自の解決策を複数個作成する。

そして、作成した複数個の解決策を入出力部 5を介して被験者 1に転送して提供し、被験者 1に選択させるとともに、蓄積データベース 6に被験者の 1の情報として蓄積する（S10)。

[0036] 解決策の提供に際しては、基本的に、身長および体重などの基礎データ、携帯端末機 3から転送されたデータ、被験者 1の運動に関するデータ、ならびに食事に関するデータなどが用いられる。これらのデータと、必要な治療の段階、要管理者の段階および健常者の段階に応じた、現在までの科学的根拠に基づく解決策が作成されて提供される。

例えば、蓄積データベース 6を検索した結果、過去のデータとして徐々に HAlc値が下がってきているデータが蓄積されており、被験者状況調査部 14の検索の結果として、食生活は油物や肉類を極力食べていない、軽い運動は苦にならない、というデータがある場合を想定する。

[0037] この場合、例えば糖尿病予備軍の場合は、解決策データベース 17の中から、「今日の夕食の献立は、 a :ドリアと食後 30分のランニング、 b :オムライス、 c :寄せ鍋、 d : 鮭弁当、 e :ビールと並にぎり、のいずれ力から選んでみてはどうでしょうか？これらのエネルギー量は、 600— 800kcalです。」などのように、被験者 1の現在の食生活、生活習慣および生活環境を考慮した、選択可能ないくつかの解決策としてのプログラムを作成し、被験者 1に、携帯電話や PC (パーソナルコンピュータ)を利用して提供する。被検査者 1は、そのなかから、例えば「a:ドリアと食後 30分のランニング」を選択することができる。

[0038] その後、被験者状況調査部 14は、被験者 1が自ら選択して実行した解決策としてのプログラムに対する意見を、解決策データベース 17のなかから選んだ語彙や文章を使って、携帯電話や PCを使ったメールやファックスにより、入出力部 5を介して被験者 1に問、合わせる（S11)。

[0039] このような S11の意見聴取に際しては、その結果に基づいて、被験者 1が実行し易 Vヽプログラムを作成して提供できるような質疑応答形式とするのが好ま U、。

例えば、プログラムの内容が被験者 1にとつて実行可能性および実行容易性、実行不可能であった場合に問題点はどこにあった力 (食事の献立、材料、運動の過負荷、運動内容などに問題があつたのか？）、ならびに糖尿病の予防のための解決策として希望はないかなど、プログラムに対する被験者 1本人の意見を、携帯端末機 3を介して質疑応答をすることにより聴取し判断する。この質疑応答は、問診形式のように、ある一定時間をかけて行うのが好ましい。

[0040] すなわち、解決策作成部 18が解決策データベース 17内のデータを検索して、被験者 1への質問を作成し、これに対する被験者 1からの回答内容に応じて、再び、解決策作成部 18が解決策データベース 17の中のデータを検索して質問を作成し、被験者 1に送る。

このようなステップを質問ごとに繰り返していくことにより、短時間で被験者 1の実情に応じた新しいプログラムを容易かつ確実に作成することができる。

[0041] ここで、図 3に、例えば糖尿病予備軍の被験者 1に対する質疑応答の内容の一構成例を示す。

図 3に示すように、質問は、「解決策をどの程度実行できたか」、実行できた程度が 50%以下なら、「実行できな力つた理由は何か」、「食生活の改善は可能か」、「酒の量はどの程度減らせるか」、「食後の運動に費やせる時間はどの程度か」、「犠牲にできな!/、ものは何か」など、択一式を含む対話形式で行う。

[0042] 被験者 1は、それぞれの質問に対して、実行できた程度が 25%なら「30%」を選択するとともに、「食後の運動は無理」、食生活の改善は「少しは可能」、「酒は少し減らせる」、食後の運動に費やせる時間は「20分」などを選択し、犠牲にできないものとして「毎日の 350mLのビール」を入力する。

携帯電話や PCを用いる場合にはキー入力で、ファックスを用いる場合には書面で回答することも可能である。

[0043] 質疑応答の判断の結果、被験者 1に意見があった場合は (S11の Y)、質疑応答の内容を反映して、再度、複数個のプログラムを作成して被験者 1に提供し、被験者 1 に選択させて蓄積し (S10)、被験者 1が納得して実行できると判断するまで、この質疑応答のステップを繰り返してもよ、。

し力も、 S10と S11の繰り返しは、解決策作成部 18から一旦提供された、被験者 1 が実行できると判断した解決策を、何らかの事情や意思によって実行できな力つた場合に行うのも好ましい。これにより、日々の健康管理において、状況が変化すれば、被験者 1はその都度その状況を健康管理センター 4に伝え、適切なプログラムが得られる。

[0044] 例えば、急に来客があって食事の接待を行ったために解決策として提供された食事メニューを摂取できな力つた場合や、急の出張のためプログラムで提供された運動を実行できな力つたという場合のように、何らかの事情により所定のプログラムを実行できないことはよくあることであると考免られる。

そのため、本実施の形態においては、被験者 1は例えば携帯端末機 3を使用して、プログラムを実行できな力つた状況を、その度ごとに、血液の測定データとともに健康管理センター 4に報告する。例えば、カメラ付の携帯端末機 3を用いて接待時の食事を映して健康管理センター 4に送信したり、出張先のホテルでは外部で運動するのが困難であったために「部屋で腕立て伏せを 10回した」などを健康管理センター 4にメールで送信したりしてもょ、。

[0045] 健康管理センター 4は、送られてきた血液測定データを検査する一方、食事の写真や運動の状況力も判断して、既に提供しているプログラムを必要に応じて部分的に修正をカ卩え、図 2に示すフローにしたがって新たなプログラムを作成および提供するなお、 S11における判断の結果、健康管理センター 4から提供されたプログラムに対して被験者 1に意見がなければ (S 11の N)、その後のこの種の質疑応答は省略すればよい。

[0046] ところで、被験者 1のプログラムに対する満足度は、人間の心の満足度を数値ィ匕した QOL (Quality Of Life)として、今日、一般に知られ始めてきた手法を用いて判断することができる。

したがって、 S11で、被験者 1が実行できるプログラムであると判断してしばらく実行しても、 1ヶ月、六ヶ月または 1年の期間で実際に経験することにより、やはり心から満足できないと判断する場合もある。このような状況にも対応できるように、本実施の形態では、 S11の後に、心の満足度を被験者 1に問い合わせる（S12)。

[0047] QOL (心の満足度）の評価は、一般に質問形式で行われることが知られているが、その質問形式の一例を、図 4に示す。図 4は、「福原俊一、鈴鴨よしみ、 SF— 36v2 日本語マ-ユアル: NPO 健康医療評価研究機構、京都、 2004」の質問内容の一部抜粋を示すものである。

図 4に示すように、上記 QOLの評価においては、被験者 1に対して本人の健康についての質問を行う。実際には、このような質問を含むさらに多くの質問が、アンケートで行われる。

なお、上記 SF— 36においては、問診表のフォーマット、質問内容およびアンケート結果について、疫学的評価がなされている。

[0048] このような質問を様々なカテゴリーで行うことにより、プログラムに対する被験者 1の心の満足度を定性的でなく数値で定量的に評価することができる。なお、心の満足度に関する判断は、例えば年 1回の健康診断の時に併せて行ってもよい。また、上記のような質問によって被験者 1が適切な満足度に達しな力つた場合 (SI 2の N)、再度、 S 10からのステップを繰り返して、被験者 1が取組むことのできるプログラムの作成および提供を、被験者 1の納得が得られるまで行うのが好ましい。一方、被験者 1の心の満足度が得られれば（S12の Y)、そこでプログラムの作成および提供を終了すればよい。

[0049] ただし、前述したように、突発の事象などで、何らかの都合で被験者 1が提供され選択したプログラムを実行できな力つた場合には、被験者 1は自ら血液採取チップ 2を用いて血液の測定データを健康管理センター 4に転送し、 S1からのステップを繰り返せばよい。

このように、質疑応答を繰り返して被験者 1が納得できるまで選択可能なようにプログラムを提供することは、従来のように、「これまでの食生活を続けるとともに、食後に少し汗を力べくらいの運動をして下さい。」、「食事のカロリーを X X Xキロカロリーに減らしなさい。」、および「食事の献立は〇〇〇と△△△· · ·にしなさい。」などのように、各生活習慣病に対応する血液データに基づく一般的な一つの解決策を一方的に被験者 1に提供するものとは異なる。したがって、被験者 1は自らの生活習慣や生活環境に合わせて、実行しやす、プログラムを自分の意思で選ぶことができる。

[0050] もちろん、本実施の形態の蓄積データベース 6には、従来力の一般的なプロダラムの表現を蓄積することも可能であるが、被験者 1にはそのまま提供することはなぐあくまでも図 2に示すフローにしたがって、被験者 1の日常の行動、心情、嗜好、突発的な事象および生活環境などを考慮して作成されたプログラムが提供される。

[0051] ところで、糖尿病を改善するためのプログラムの作成に際し、運動や休養の観点から、他の健康関連事業者の情報提供が必要な場合には、被験者 1の各種データを、被験者 1の了解を得て、他の健康関連事業者に提供してもよい。これにより、例えば糖尿病の改善のための情報 (例えば運動器具情報、低カロリー食材情報、献立情報および温泉情報など)を、健康関連事業者カゝら被験者 1に提供させることが可能である。また、健康管理センター 4が自らこれら健康関連事業者力も情報を入手し、被験者 1に対して作成および提供するプログラムに当該情報を反映させることも可能である。 [0052] 他の健康関連事業者としては、例えば運動を提供するフィットネスクラブおよびカルチヤ一スクール、家庭での運動を推進するための運動器具メーカーおよびスポーツ用品メーカー、サプリメントおよび健康食品を提供する食品業者、糖尿病の食事に合わせた食材を提供できる食材宅配業者および弁当宅配業者、休養を提供する温泉協会および旅行代理店、ならびにそのための旅行業者などが挙げられる。

[0053] 以上のように、本実施の形態によれば、多くの種類のデータベースを有する解決策データベース 17に基づいて解決策作成部 18で作成される複数個のプログラムから、被験者 1が所望するプログラムを主体的に選択することができる。

し力も、選択したプログラムを実行できるものであると被験者 1が確信を持てるようになるまで、被験者状況調査部 14と被験者 1との間で質疑応答が繰り返し行われ、また、選択したプログラムが被験者 1の心の満足度を向上させるものである。そのため、従来とは異なり、本実施の形態によって提供されるプログラムは一般的なものでも一方的なものでもなぐ被験者 1は例えば糖尿病予防のためのプログラムを、自ら選択して苦にすることなく実行することができ、糖尿病予防の達成が容易に可能となる。

[0054] また、選択したプログラムを実行できな力つたとしても、即座に新、プログラムの提供を受けることができる。すなわち、被験者 1は自分の健康管理を健康管理センター 4に全面的に安心して委ねることができる。

なお、被験者 1の満足するプログラムを提供することができても、海外転勤や不慮の事故などにより、被験者 1がどうしても実行できない場合もある。また、被験者 1は解決策を実行しているつもりでもそれが十分でない場合もあり得る。このような場合には、血液の測定データを改善することができずに悪ィ匕することも考えられるが、測定データが閾値を超えて医者による治療の必要な範囲に及んだならば、健康管理センター 4は、入出力部 5および携帯端末機 3を介して、被験者 1のデータが要治療範囲になつた事実や適切な病院 12の紹介を被験者 1に通知することができる。

[0055] 測定データが閾値を超えて医者による治療の必要な範囲に及んだ場合、健康管理センター 4の蓄積データベース 6に蓄積されたその被験者 1の過去のデータは、被験者 1に紹介した病院としての医療機関 12に入出力部 5を介して外部転送部（第 2の転送手段） 11から転送してもよい。このような構成によれば、被験者 1は紹介された病院に出向いても新たに検査をすることなぐ専門的に医者の治療を即座に受けることができる。

[0056] また、被験者 1が医者による治療を受けるまでもなぐ補助薬で治癒すると健康管理センター 4で考えられる場合は、その情報を被験者 1に伝えるとともに、適切な補助薬を購入できる健康関連事業機関 13としての薬局の情報も知らせ、薬局にはその被験者 1の処方箋も転送することができる。

[0057] なお、以上の実施の形態では、解決策作成部 18でプログラムを作成するのに、蓄積データベース 6の血液の測定データのみを利用した力必要に応じて、この測定データを演算加工部 7でカ卩ェして加工データベース 8に蓄積し、得られたカ卩ェデータをも用いてプログラムを作成して提供することもできる。

例えば、加工データベース 8に、当該被験者 1の血液の測定データ全てについて毎年の平均値を演算して蓄積しておけば、被験者 1の血糖値の過去 1年間の平均値を考慮する必要がある場合には、加工データベース 8の加工データを考慮してプログラムを作成することができる。

[0058] また、糖尿病予備軍の被験者 1全員の血液の測定データを、年齢、性別および生活習慣などの条件に基づいて、演算加工部 7で演算、加工および分析し、得られた加工データを加工データベース 8に蓄積しておくことも可能である。

これにより、外部の医療機関である病院 12にその加工データを一般データとして提供し、例えば糖尿病などの日本人の生活習慣病予備軍の傾向を分析し予防対策をするのに役立てることができる。

[0059] ところで、上記実施の形態では、健康管理センター 4が被験者 1の健康管理の代行をするような機能を有しており、この代行機関が被験者を数多く集めることによって、いろんな生活習慣病についての多くのデータを 1ケ所に集中することができ、その結果これら生活習慣病の分析データも多く得られ、生活習慣病に対する有効な治療や予防の方法も見出せる可能性がある。

また、測定手段として、血液採取チップ 2以外に、血圧計、歩数計および脈派計などを用いることができる。また、測定データ転送手段としては、携帯端末機 3以外に、 PC、 PDA (情報携帯端末)およびファックスなどが利用することができる。ただし、測定手段と測定データ転送手段とは、非接触でデータの相互に伝送できる構成を有するのが好ましい。

[0060] さらに、各種データの転送、プログラムの提供および被験者 1の状況調査などの、健康管理機関と測定データ転送手段との伝達は、例えば通信キャリアやインターネットを利用して実現することができる。

なお、本実施の形態では、糖尿病予備軍である被験者 1の血液のデータを測定する場合について説明したが、例えば骨粗鬆症の予防が必要な被験者の場合にも適用することができる。骨粗鬆症の場合には、腕の周囲の長さや体重などを測定データとして用いることによって、同様に被験者 1が選択できる複数のプログラムを作成および提供することができる。

[0061] [実施の形態 2]

図 5は、本発明の実施の形態 2の健康管理システムの構成を示すブロック図である。図 1と同じ構成要素には同一番号を付し、その説明を省略する。

図 5に示すように、本実施の形態の健康管理システムは、医療支援部門、健康増進エージェントおよび要管理者支援部門が連携して、被験者 1の健康管理を実現するものである。

[0062] 健康管理センター 4の日常健康データベース 51は、上記実施の形態 1における蓄積データベース 6、加工データベース 8および解決策データベース 17を含み、ここに被験者 1の各種データが蓄積されている。

病院や診療所などの医療機関 12の医療データベース 52には、医療機関 12が採取した生活習慣病患者 53のデータが蓄積されており、健康関連事業機関 13の健診データベース 54には、健康関連事業機関 13が定期的な健康診断で測定した生活習慣病の要管理者 55のデータが蓄積されて、る。

なお、本実施の形態は、健康関連事業機関 13が保険者 56からなる健康保険組合であるとして説明する。

[0063] このような本発明の健康管理システムにおいては、健康管理センター 4は被験者 1 カゝら日常の健康管理サービスを委託され、被験者 1は、上記実施の形態 1で説明したように、日々の健康管理に関するデータに基づぐ被験者 1が選択可能で満足できるきめ細かな生活習慣病の改善サービス (解決策としてのプログラムの一種） 57の提供を受けることができる。

そして、被験者 1はそのような改善サービス 57の提供に対して対価 58を支払うことになる。また、これによつて、健康管理センター 4は各種生活習慣病に関する多くのデータを蓄積することができる。

[0064] また、健康管理センター 4は、医療機関 12からの依頼を受けて、医者による治療が必要な生活習慣病患者 53に対する療養計画書などの療養に関する支援 59を行うとともに、生活習慣病患者 53に対して、上記実施の形態 1で説明したように、日々の生活習慣データに基いて、生活習慣病患者 53が選択可能で満足できるきめ細力な療養のためのプログラムに関する指導サービス (解決策としてのプログラム） 60の提供を行うことができる。

この場合、医療機関 12は、療養計画書などの療養に関する医療機関 12への支援 59および生活習慣病患者 53に対する療養に関するサービス提供 60に関して、健康管理センター 4に対して対価 61を支払い、生活習慣病患者 53は医療機関 12に治療費 62を支払うことになる。

また、これによつて、健康管理センター 4は、医療機関 12が独自で行った生活習慣病患者 53の医療データ 63や、健康管理センター 4が行った生活習慣に関する多くのデータ 64を蓄積することができる。

[0065] さらに、健康管理センター 4は、保険者 56から依頼を受けて、被保険者である要管理者 55に対して、上記実施の形態 1で説明したように、日々の生活習慣データに基いて、要管理者 55が選択可能で満足できるきめ細力な生活習慣病改善に関する指導サービス 65の提供を行うことができる。これにカ卩えて、要管理者 55への指導サービス 65の結果のフィードバック 66を保険者 56に対して行う。

この場合、健康関連事業機関 13は、要管理者 55に対する生活習慣病改善に関する指導サービス 65の提供と、この結果のフィードバック 66に関して、健康管理センタ一 4に対して対価 67を支払い、一方、要管理者 55は保険者 56にこの指導サービス 65に対する対価を含む保険料 68を支払うことになる。

また、これによつても、健康管理センター 4は、健康関連事業機関 13が法律で実施を義務付けられている、独自で行った要管理者 55の定期的な健診データ 69や、健康管理センター 4が行った生活習慣に関する多くのデータ 70を蓄積することができる

[0066] さらにまた、健康管理センター 4は、このような被験者 1や生活習慣病患者 53、要管理者 55に対するデータに基づいた選択可能できめ細力な生活習慣病改善に関するサービス提供のノウハウを対価を得て他地域に展開することにより、他地域の生活習慣病の改善を図ることができる。

健康管理センター 4が電気会社などと提携して血液採取チップ 2や携帯端末機 3の製造を委託し、健康管理センター 4自らが中心となって被験者 1や生活習慣病患者 5 3や要管理者 55の多くの人にこれら機器を販売することにより、被験者 1などもこれら機器の安定購入や製造業者の安定販売を実現することも可能である。

[0067] 以上のように、本実施の形態の健康管理システムによれば、 PC、携帯電話およびインターネットなどを利用して、被験者 1という個人に対して、満足できる健康管理の解決策を選択できる状態で自ら提供できるだけでなぐ生活習慣病患者 53や要管理者 55に対しても満足できる健康管理の解決策を提供でき、また医療機関 12や健康関連事業機関 13に対しては、それぞれが生活習慣病患者や要管理者に対するサ一ビスを行う専門家を多く抱えることないように、自ら療養計画書の作成、指導などで支援するとともに、専門家の育成、派遣、測定データの蓄積および分析などの支援も行うことができる。

[0068] さらに、その結果、日常健康データベース 51には非常に多くのデータが集まり、それを加工することにより、各種生活習慣病についての傾向をきめ細力べ分析できるデータを医療機関 12や健康関連事業機関 13へ提供でき、さらなる社会の生活習慣病の改善に役立てることができる。

すなわち、健康管理センター 4は、本発明を適用することにより、医療機関 12や健康関連事業機関 13に対して、生活習慣病指導や要管理者指導のフォローアップのように、医療支援や要管理者支援といったサービス提供の機能を有するとともに、測定データの蓄積、分析、生活習慣病の研究支援、専門家の ITによる育成、派遣のための管理といったエージェントのような機能も有して、広く社会の生活習慣病改善に貢献することができる。

[0069] 上述した本発明の実施の形態では、外部機関として医療機関 12や健康関連事業機関 13を例に説明したが、その他に、フィットネスクラブ、食事宅配業者および保険会社などと連携して、体力づくりのプログラムを提案したり、解決策で提案した食事プログラムを宅配させたり、病状に応じた保険の勧誘などを可能にする態様にも展開することが可能である。

[0070] また、上記実施の形態 1における解決策作成部 18によって作成される解決策としてのプログラムは、上述したように作成することができる力例えば以下のような手順によっても作成することができる。

[0071] (1)被験者 1の IDを入力して、蓄積データベース 6を検索し、氏名、性別、年齢、体重および身長を表示し、本人確認を行う。

(2)被験者 1の生活習慣、運動習慣および QOLを被験者状況調査部 14から取り込む。

(3)被験者 1の嗜好、制約、健康に関する志向および願望を被験者状況調査部 14 から取り込む。

(4)取り込んだデータから、解決策データベース 17を検索して、運動メニューおよび栄養メニューの行動目標データを検索して抽出する。この行動目標データはメタデータ (数値が変数のままである行動目標)であってよい。したがってこの場合、解決策データベース 17には予め運動メニューおよび栄養メニューの行動目標データが蓄積されている。

(5)抽出された行動目標データのうち、メタ分析に基づく解決策 (プログラム)の作成方針に該当しないデータを削除する。

(6)残りのデータのうち、被験者 1に勧めるプログラムを作成するために、被験者 1の蓄積データから、性別、年齢、体重および身長などからプログラムの内容を決定する

(7)作成したプログラムを入出力部 5により被験者 1に提供する。

[0072] ここで、メタデータとは、氏名、性別、年齢、体重および身長などの被験者 1の属性に対して、被験者 1の生活習慣、運動習慣および QOLの結果と、被験者 1の嗜好、制約、健康に関する志向および願望の結果 (行動目標)と、解決手段 (行動目標)とを、構成要素として配列して構成するデータのことをいう。また、当業者が適宜選択した構成要素がさらに含まれていてもよい。

また、メタ分析とは、メタデータの構成要素と解決手段との組合せから、解決手段の選択に際しての行動目標の選択や、選択後の健康管理の評価をすることをいう

[0073] 上記のようなプログラム作成において用いられる解決データベース 17の一例を図 6 に示した。図 6に示すように、この解決策データベース 17は、目標分類、評価目標設定値、行動分類、行動目標、目標設定定量化ノウハウなどからなる。被験者 1のメタデータ配列には、目標設定の結果データも含まれて、てもよ、。

このような解決策データベース 17を用いることにより、メタデータの一部を入力することで、関連するデータを抽出することができる。また、解決策データベースのデータが増加し、披検者データが蓄積されていくことで、メタデータの組み合わせが増加し、行動目標の選択に際して、過去のデータの参照が容易になる。

産業上の利用可能性

[0074] 以上のように、本発明の健康管理システムによれば、顧客である被験者が、日常の行動、心情、嗜好、突発的な事象および生活環境などを考慮した健康管理に関するアドバイスを受けることができ、何ら不快感、支障や苦痛を感じることなく上記アドバイスどおりに自らの健康を管理することができる。そのため、本発明は健康管理システムとして有用である。

Claims

請求の範囲

[1] 被験者の健康に関するデータを測定する測定手段と、

前記測定手段によって得られた測定データを転送する測定データ転送手段と、前記測定データ転送手段によって転送された前記測定データを蓄積する蓄積手段と、

前記検査の結果に基づき、前記被験者の健康管理に関する課題を解決するための少なくとも 1つの解決策を作成する作成手段と、

前記被験者が前記解決策を選択する選択手段と、

を具備すること、を特徴とする健康管理システム。

[2] 前記被験者が前記解決策を実行した成果を前記作成手段に伝達する伝達手段を具備し、

前記作成手段は、前記成果に基づ!ヽて前記解決策を作成すること、

を特徴とする請求項 1記載の健康管理システム。

[3] 前記作成手段は、前記成果が所定の段階に達するまで前記解決策を作成することを特徴とする請求項 2記載の健康管理システム。

[4] 前記測定データまたは前記加工データを医療機関に転送するデータ転送手段を具備すること、を特徴とする請求項 1一 3のうちのいずれかに記載の健康管理システム。

[5] 前記解決策を前記被験者に転送する解決策転送手段を具備すること、を特徴とする請求項 1一 4のうちのいずれかに記載の健康管理システム。

[6] 前記測定手段が、前記被験者の複数のデータを測定すること、を特徴とする請求項 1一 5のうちのいずれかに記載の健康管理システム。

[7] 前記検査手段が、予め定められた基準値データを記憶する記憶部、ならびに前記基準値データと前記蓄積データまたは前記加工データとを比較する比較部を具備すること、を特徴とする請求項 1一 6のうちのいずれかに記載の健康管理システム。

[8] 前記作成手段が、前記被験者の生活の満足度を表すデータに基づ!、て前記解決策を作成すること、を特徴とする請求項 1一 7のうちのいずれかに記載の健康管理システム。

[9] 被験者の健康管理を行う健康管理機関と、前記被験者の健康に関するデータを測定する測定サイトと、を具備する健康管理システムであって、

前記健康管理機関において、前記検査の結果に基づき、前記被験者の健康管理に関する課題を解決するための少なくとも 1つの解決策を作成する作成手段と、前記測定サイトから、前記被験者が前記解決策を選択する選択手段と、を具備することを特徴とする健康管理システム。

[10] 前記健康管理機関は、前記検査の結果を健康関連事業機関に転送する検査結果転送手段を具備すること、を特徴とする請求項 9記載の健康管理システム。

[11] 前記蓄積データまたは前記加工データを医療機関に転送するデータ転送手段を具備すること、を特徴とする請求項 9または 10記載の健康管理システム。