WO2005090549A1 - 細胞培養用マイクロウェル - Google Patents

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Hitoshi Kotani
Toshihiro Nakajima
Akito Maeda
Kuniko Mizuhata
Yasufumi Kaneda
Shohei Akahane
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Abstract

 本発明は、多数種類の外来物質(例えば、遺伝子)に対応可能な細胞培養技術を開発することを課題とする。  上記課題は、細胞および培養培地を保持し得る開口部を有する固相、ならびに該開口部を覆う膜を備える細胞培養用容器を開発することによって、解決された。その結果、本発明によって、多くの異なる物質を、同一の固相上の細胞に対して試験するために培養することが可能となった。本発明の細胞培養用容器は、そのまま、遺伝子導入、細胞解析に用いることができるので、多数種類の遺伝子の各々を同時に異なる細胞に導入し、そして導入された遺伝子によって生じる表現型を解析することが可能となる。

Description

明 細 書
細胞培養用マイクロウェル
技術分野
[0001] 本発明は、固相上において、多種類の細胞を同時に培養するための方法、および その方法に使用される細胞培養用容器に関する。
背景技術
[0002] ゲノムプロジェクトの成果により明ら力となるヒト遺伝子の情報を、迅速に疾患治療 や創薬に結びつけるためには、種々の疾患に対する原因遺伝子や治療用遺伝子の 同定を高速かつ高効率に行う必要がある。遺伝子や遺伝子によって産生されるタン パク質が、実際の細胞や生体の臓器でどのような機能を持つ力を高効率に同定する ことは、病因の解明や創薬を行う上で必須となっている。
[0003] 多数の遺伝子の機能解析のために、遺伝子アレイや遺伝子チップなどを利用して 遺伝子情報の集積化が行われ、疾患時に遺伝子の発現パターンがどのように変化 するのかを解析するために使用されている。しかし、それらのデバイスでは疾患時に おける遺伝子発現パターンの変化 (例えば、メッセンジャー量の決定)を測定すること は出来るが、それらの遺伝子が実際の細胞でどのような機能を持つのかを同定する ことは出来ない。
[0004] 細胞レベルでの遺伝子解析技術は、実際の細胞レベルでの機能を解析することは 可能である力 従来のマニュアル法を利用した細胞レベルでの遺伝子解析技術では 、高速化、高効率化、多数処理ィ匕を行うことは困難である。細胞レベルでの遺伝子解 析技術は、(1)遺伝子導入技術、および (2)遺伝子導入した細胞の解析技術、に大 きく分けられる。これら 2つの技術のいずれにおいても、単位面積あたりに遺伝子導 入'細胞培養 '細胞解析を行う場合には、高密度での細胞培養技術、すなわち、単 位面積あたりに培養する細胞の種類を増加する技術を確立する必要がある。
[0005] 従来技術の細胞培養技術においては、多数の細胞の解析を行うことは、困難であ つた。複数種類の細胞を同時に培養して、その特徴を検出'測定する従来技術として は、アレイ状の固相が用いられている。しかし、従来技術における、固相上で多種類 の培養細胞を培養する技術では、表面積あたりに培養が可能な細胞の種類が限定 されている。さらに、単位面積あたりに培養する細胞の種類を増加しょうとする場合に は、異なる細胞集団間での相互夾雑の問題も生じる。
[0006] 従って、多数種類の遺伝子に対応可能な遺伝子導入技術および細胞解析技術の 開発が望まれている。
特許文献 1:特開平 5-295145
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] 本発明は、多数の細胞を固相上で同時に培養する容器を開発することによって達 成された。
[0008] したがって、本発明は、以下を提供する。
1.細胞および第 1の培養培地を保持し得る開口部を有する固相、ならびに該開口 部を覆う膜を備える細胞培養用容器。
2.前記膜が、糖、塩、アミノ酸、核酸、および有機酸からなる群から選択される物質 を通過し得る膜である、項目 1に記載の細胞培養用容器。
3.項目 1に記載の細胞培養用容器であって、ここで、前記固相は少なくとも 2つの開 口部を備え、そして、該少なくとも 2つの開口部中の第 1の開口部中に保持された細 胞の、該第 1の開口部以外の開口部への移動は、前記膜によって妨げられる、容器
4.項目 1に記載の細胞培養用容器であって、ここで前記容器は、さらに、第 2の培養 培地を備え、ここで、該第 2の培養培地は、前記開口部と接していない前記膜の表面 に接する、容器。
5.前記第 2の培養培地が、ゲル化培地である、項目 4に記載の細胞培養用容器。
6.項目 4に記載の細胞培養用容器であって、ここで、前記膜は、前記第 2の培養培 地中の成分を前記開口部内に透過させる膜である、細胞培養用容器。
7.さらに、第 2の培養培地と接した板を備える、項目 4に記載の細胞培養用容器。
8.前記開口部がアレイ状に配置されている、項目 3に記載の細胞培養用容器。
9.前記膜が限界膜である、項目 1に記載の細胞培養用容器。 10.前記限界膜の孔径が 1 m以下である、項目 9に記載の細胞培養用容器。
11.前記膜が、親水性ポリカーボネート膜、ナイロン膜、およびアルミナ膜からなる群 カゝら選択される膜である、項目 1に記載の細胞培養用容器。
12.前記膜が、親水性ポリカーボネート膜である、項目 11に記載の細胞培養用容器
13.前記ゲル化培地は、コラーゲンゲル、ァガロースゲル、ゼラチンゲル、および、ァ ルギン酸カルシウムゲル、ならびにこれらの混合物からなる群力 選択されるゲルを 含有する、項目 5に記載の細胞培養用容器。
14.前記ゲルィ匕培地は、コラーゲンゲルを含有する、項目 13に記載の細胞培養用
15.前記板が、ガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、およびセルロースからなる群か ら選択される物質から形成される、項目 7に記載の細胞培養用容器。
16.前記板が、カバーガラスである、項目 15に記載の細胞培養用容器。
17.前記細胞が動物細胞である、項目 1に記載の細胞培養用容器。
18.前記細胞が哺乳動物細胞である、項目 17に記載の細胞培養用容器。
19.前記動物細胞が、付着性の動物細胞である、項目 17に記載の細胞培養用容器
20.前記動物細胞が、浮遊性の動物細胞である、項目 17に記載の細胞培養用容器
21.前記細胞が植物細胞である、項目 1に記載の細胞培養用容器。
22.フイブロネクチン、コラーゲン、ラミニン、ゼラチン、ポリオル-チン、およびポリリ ジンならびにこれらの混合物からなる群力 選択されるタンパク質を開口部内に含有 する、項目 1に記載の細胞培養用容器。
23.フイブロネクチンを開口部内に含有する、項目 22に記載の細胞培養用容器。
24.少なくとも、 96個の開口部を備える、項目 1に記載の細胞培養用容器。
25.少なくとも、 380個の開口部を備える、項目 24に記載の細胞培養用容器。
26.少なくとも、 1500個の開口部を備える、項目 25に記載の細胞培養用容器。
27.少なくとも、 3000個の開口部を備える、項目 26に記載の細胞培養用容器。 28.少なくとも、 5000個の開口部を備える、項目 27に記載の細胞培養用容器。
29.前記開口部の断面積が、 0. 2mm2以下である、項目 1に記載の細胞培養用容
30.前記開口部の断面積が、 0. 1mm2以下である、項目 29に記載の細胞培養用容
31.項目 1に記載の細胞培養用容器であって、ここで、以下:
遺伝子導入ベクター、 siRNA、アンチセンス核酸、デコイ核酸、およびオリゴヌクレオ チドからなる群力も選択される物質が前記開口部内に固定化されている、細胞培養 用容器。
32.項目 31に記載の細胞培養用容器であって、ここで、遺伝子導入ベクターが前記 開口部内に固定ィ匕されている、細胞培養用容器。
33.項目 32に記載の細胞培養用容器であって、ここで、前記固定ィ匕されている遺伝 子導入べクタ一がウィルスエンベロープベクターである、細胞培養用容器。
34.前記ウィルスエンベロープ力 野生型ウィルスまたは組換え型ウィルス由来のゥ ィルスエンベロープである、項目 33に記載の細胞培養用容器。
35.前記ウィルスエンベロープが、レトロウイルス科、トガウィルス科、コロナウィルス 科、フラビウィルス科、パラミクソウィルス科、オルトミクソウィルス科、ブニヤウィルス科 、ラブドウイノレス科、ボックスウイノレス科、へノレぺスゥイノレス科、バキュロウイノレス科、お よびへパドナウィルス科力もなる群力も選択される科に属するウィルス由来である、項 目 32に記載の細胞培養用容器。
36.前記ウィルスがパラミクソウィルス科に属するウィルス由来である、項目 35に記 載の細胞培養用容器。
37.前記ウィルスが HVJである、項目 36に記載の細胞培養用容器。
38.前記遺伝子導入ベクターが、ウィルスエンベロープタンパク質の少なくとも 1つを 含むリボソームである項目 32に記載の細胞培養用容器。
39.前記ウィルスエンベロープタンパク質が、 Fタンパク質、 HNタンパク質、 NPタン パク質、およびその組み合わせ力もなる群力も選択されるタンパク質である、項目 38 に記載の細胞培養用容器。 40.項目 32に記載の細胞培養用容器であって、ここで、前記遺伝子導入ベクターが 細胞に導入する核酸を含まない、細胞培養用容器。
41.項目 40に記載の細胞培養用容器であって、ここで、前記固定ィ匕されている遺伝 子導入べクタ一がウィルスエンベロープベクターである、細胞培養用容器。
42.前記ウィルスエンベロープ力 パラミクソウィルス科に属するウィルス由来である 、項目 41に記載の細胞培養用容器。
43.前記ウィルスが HVJである、項目 42に記載の細胞培養用容器。
44.さらに、以下の式
S— (CH ) n-CH
2 3
を有する糖を含む中性界面活性剤を前記開口部内に含む、項目 1に記載の容器で あって、ここで Sが単糖または二糖であり、 n= 7— 11である、細胞培養用容器。
45.前記 Sがダルコシド、ガラクトシドまたはマルトシドである、項目 44に記載の細胞 培養用容器。
46.前記中性界面活性剤が、ォクチルマルトシド、デシルマルトシド、ドデシルマルト シド、ォクチルダルコシド、デシルダルコシド、およびドデシルダルコシドからなる群か ら選択される界面活性剤である、項目 45に記載の細胞培養用容器。
47.前記中性界面活性剤の濃度が、 0. 0009%— 0. 005%である、項目 44に記載 の細胞培養用容器。
48.さらに、硫酸プロタミン溶液を含有する、項目 13に記載の細胞培養用容器。
49.さらに、ポリエチレンイミンを含有する、項目 13に記載の細胞培養用容器。
50.細胞培養のためのキットであって、以下:
(1)細胞および第 1の培養培地を保持し得る開口部を有する固相、および
(2)該開口部を覆うことができる膜であって、糖、塩、アミノ酸、核酸、および有機酸か らなる群から選択される物質を通過し得る膜、
を備えるキット。
51.さらに、第 2の培養培地に接することができる板を供える、項目 50に記載のキット
52.前記開口部がアレイ状に配置されている、項目 50に記載のキット。 53.前記膜が限界膜である、項目 50に記載のキット。
54.前記膜が、親水性ポリカーボネート膜である、項目 53に記載のキット。
55.前記板が、カバーガラスである、項目 51に記載のキット。
56.項目 1に記載の細胞培養用容器であって、安定化剤をさらに含む、細胞培養用 谷器。
57.項目 56に記載の細胞培養用容器であって、前記安定化剤が、トレハロース、マ ノレトース、ラフイノース、フルクトース、スクロース、グルコース、ラタトース、ポリビニノレビ 口リドン、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、グリシン、マンニトール、ジメチル スルホォキシド (DMSO)またはこれらの混合物カゝらなる群カゝら選択される、細胞培養 用谷器。
58.項目 57に記載の細胞培養用容器であって、前記安定化剤が、トレハロース、マ ルトース、ラフイノース、フルクトースまたはこれらの混合物力もなる群力も選択される、 細胞培養用容器。
59.項目 58に記載の細胞培養用容器であって、前記安定化剤が、トレハロースであ る、細胞培養用容器。
発明の効果
[0009] 本発明によって、多数の細胞を、同一の固相上で、相互に遮断された空間におい て、培養することが可能となった。本発明の細胞培養用容器は、そのまま、遺伝子導 入、細胞解析に用いることができるので、多数種類の遺伝子の各々を同時に異なる 細胞に導入し、そして導入された遺伝子によって生じる表現型を解析することが可能 となる。さらに、この技術によって、例えば、 3万一 4万種類と推定されているヒト遺伝 子や様々な生体高分子が実際の細胞中で、どのような機能を持つのかを、高速かつ 高効率に同時に解析できる高集積型デバイスが提供される。例えば、数千の開口部 (ゥエル)をアレイ状に備える本発明の培養用容器において、各開口部に遺伝子ゃタ ンパク質などの生体高分子を封入した HVJベクターを高集積で固定ィ匕し、開口部中 で細胞への導入後に多検体検出装置で解析することで、大量のヒト遺伝子の機能を 生細胞中で同時評価することが可能となる。
[0010] また、本発明の培養用容器を用いて細胞内に導入される物質としては、ヌクレオチ ドフラグメント、 DNA、 RNAのような核酸のみならず、タンパク質、糖鎖、低分子化合 物、プロテオダリカン、グリコペプチド、脂質、金属イオンなどが挙げられる。
図面の簡単な説明
[図 1]図 1は、自動化のための界面活性剤の選択を示すグラフであり、本発明の方法 に従って、種々の界面活性剤を種々の濃度で使用して遺伝子導入を行った結果を 示す。
[図 2]図 2は、自動化のための界面活性剤の選択を示すグラフであり、本発明の方法 に従って、種々の界面活性剤を種々の濃度で使用して遺伝子導入を行った結果を 示す。
[図 3]図 3は、本発明の方法に従って、 pGL3発現プラスミドを導入した場合の、高い 再現性を示す図である。 X軸は、横のゥ ル番号を示し(1一 12)、 Y軸は、横のゥェ ル番号 (A— H)を示す。
[図 4A]図 4Aは、本発明の方法に従って、 pGL3発現プラスミドを導入した場合の、高 い再現性を示す図である。 X軸は、横のゥ ル番号を示し(1一 12)、 Y軸は、横のゥ エル番号 (A— H)を示す。
[図 4B]図 4Bは、本発明の方法に従って、 pGL3発現プラスミドを導入した場合の、高 い再現性を示す図である。 X軸は、横のゥ ル番号を示し(1一 12)、 Y軸は、横のゥ エル番号 (A— H)を示す。
[図 5]図 5は、種々の物質でコートされたプレートを用いた場合の、遺伝子導入効率 の差を示す図である。
[図 6]図 6は、本願発明の細胞培養用容器を示す図である。
[図 7]図 7は、 HVJ— Eベクターをスポッティングしたマイクロウェルに細胞を添カ卩するこ とによって細胞に遺伝子導入をした結果を示す。
[図 8]図 8は、硫酸プロタミンとポリェチルイミンを用いた場合の遺伝子導入効率を示 す結果である。「ェンノヽンサ一なし」は、硫酸プロタミンもポリェチルイミンも用いない 実験の結果を示す。
[図 9]図 9は、硫酸プロタミンとポリェチルイミンを用いた場合の遺伝子導入効率を示 す結果である。 [図 10A]図 10は、種々のポリェチルイミンを用いた場合の遺伝子導入効率を示す結 果である。図 10Aは、 PEI— L 25Kを用いた場合の遺伝子導入効率を示す。 X軸は 、導入時の PEI— L 25K濃度である。
[図 10B]図 10は、種々のポリェチルイミンを用いた場合の遺伝子導入効率を示す結 果である。図 10Bは、 PEI-L 2. 5Kを用いた場合の遺伝子導入効率を示す。 X軸 は、導入時の PEI— L 2. 5K濃度である。
[図 10C]図 10は、種々のポリェチルイミンを用いた場合の遺伝子導入効率を示す結 果である。図 10Cは、 PEI-B 25Kを用いた場合の遺伝子導入効率を示す。 X軸は 、導入時の PEB— L 25K濃度である。
[図 10D]図 10は、種々のポリェチルイミンを用いた場合の遺伝子導入効率を示す結 果である。図 10Dは、 PEI-B 750Kを用いた場合の遺伝子導入効率を示す。 X軸 は、導入時の PEB— L 750K濃度である。
[図 11A]図 11Aは、種々のポリェチルイミンの細胞毒性を示す結果である。
[図 11B]図 11Bは、種々のポリェチルイミンの細胞毒性を示す結果である。
[図 12]図 12は、凍結乾燥による安定性を示す結果である。
圆 13]図 13は、凍結乾燥後に長期保存した場合に、遺伝子導入効率が保持される ことを示す結果である。
[図 14]図 14は、異なる安定化剤を用いて凍結乾燥後に長期保存した場合に、遺伝 子導入効率が保持されることを示す結果である。
圆 15]図 15は、異なる安定化剤を用いて凍結乾燥後に長期保存した場合に、遺伝 子導入効率が保持されることを示す結果である。
[図 16]図 16は、各ゥエルでの保存安定性が均一であることを示す結果である。
[図 17]図 17は、 siRNAを導入する場合にも、 DNAの場合と同様に長期保存後に遺 伝子導入効率が保持されることを示す結果である。
[図 18]図 18は、 siRNAを導入する場合にも、 DNAの場合と同様に長期保存後に遺 伝子導入効率が保持されることを示す結果である。
[図 19]図 19は、凍結乾燥法が、プレートのコーティングに関係しないことを示す結果 である。 [図 20]図 20は、導入する核酸を含まな!/ヽウィルスベクターをカ卩えて凍結乾燥したプレ ートを用いた、遺伝子導入実験の結果である。
符号の説明
[0012] 1 細胞培養用容器
11 板 (カバーガラス)
12 膜 (限界膜)
13 第 1の培養培地
14 第 2の培養培地(ゲル化培地)
21 細胞
発明を実施するための最良の形態
[0013] (用語の定義)
本明細書において使用される場合、用語「開口部」とは、固相の一部であって、そ の内部に液体および Zまたは固体を保持することができる部分をいう。開口部は、代 表的にはゥエルの形状である。本発明の固相は、 96個、 380個、 1500個、 3000個 、 4000個、 5000個またはそれ以上の開口部を備え得る。また、本発明の開口部は 、 1mm2以下、 0. 5mm2以下、 0. 3mm2以下、 0. 2mm2以下、 0. 1mm2以下、 0. 0 5mm2以下、 0. 02mm2以下の断面積を有し得る。
[0014] 本明細書において使用される場合、用語「ゲル化培地」とは、細胞培養に用いるこ とができる成分を含むゲル状の物質をいう。ゲル化培地は、例えば、コラーゲン、ァガ ロース、寒天、ゼラチンゲル、アルギン酸カルシウムゲル、ならびにこれらの混合物を 含み得る。ゲル化培地はまた、細胞培養培地に添加される少なくとも 1つの成分を含 み得る。そのような成分としては、例えば、限定されることはないが、グルコース、およ びデキストロースのような糖、アミノ酸、およびクェン酸のような有機酸、ホスファチジ ルコリンのような脂質、増殖因子ようなタンパク質、ならびにアデノシン 3リン酸のような ヌクレオシドからなる群力 選択される成分が挙げられる力 これらに限定されない。
[0015] 本明細書において使用される場合、「膜」とは、水分、糖、塩、アミノ酸、核酸、およ び有機酸力 なる群力 選択される物質を通過し得る力 細胞を通過させることがで きないシート状の物質である。本発明における膜は、可撓性であっても、可撓性でな くてもよい。本発明の膜は、好ましくは 1 μ m以下の孔径を有するため、細胞が透過 できない。本発明の膜の材質は、限定されることはないが、親水性ポリカーボネート 膜、ナイロン膜、およびアルミナ膜からなる群力 選択される。好ましくは、本発明の 膜は、親水性ポリカーボネート膜である。本発明の膜は、好ましくは、固相に重層され る場合、固相と密着し、その結果、固相上の第 1の開口部と、同一固相上の第 2の開 口部は、相互に細胞が通過することができないように遮断される。しかし、水分、糖、 塩、アミノ酸、核酸、および Zまたは有機酸のような物質は、本発明の膜を通過するこ とができるので、膜によって隔たれた第 1の開口部の内部と、第 1の開口部の外部を、 これら物質は、通過することが可能である。従って、本発明の膜によって遮断すること によって、第 1の開口部内に保持された細胞は、その他の開口部に保持された細胞 と相互夾雑することなぐし力も、開口部外部力 の細胞増殖のための栄養分の補給 を受けることが可能となる。このような開口部を高密度で配置することによって、非常 に多数の細胞集団を、相互夾雑させることなぐ培養することが可能である。
[0016] 従って、本発明に従って、多数種類の分子 (例えば、限定されることはないが、核酸 分子、タンパク質分子、脂質分子、有機低分子化合物、イオン、塩)の各々を、個別 に細胞に導入し、そして異なる分子が導入された細胞を、相互に夾雑させることなぐ 培養することができる。さらに、そのような培養方法が可能となるために、多数の物質 の細胞に対する効果の観察力、高速かつ高効率で行うことが可能となる。例えば、核 酸ライブラリーを用いることによって、多数種類の核酸分子を、異なる開口部(ゥエル) 内でその細胞に対する効果 (表現型)を測定することが可能である。また、薬剤のスク リー-ングにおいては、多数種類の候補ィ匕合物の細胞に対する影響を、同時に検出 することが可能である。
[0017] また、本発明の細胞培養用容器に開口部には、少なくとも 2種類以上の物質 (例え ば、少なくとも 2種類の核酸、少なくとも 2種類の低分子化合物、少なくとも 2種類のタ ンパク質、タンパク質と核酸の混合物)を同時に適用して、細胞に対する影響を観察 することが可能である。
[0018] 本明細書において使用される「安定化剤」は、遺伝子導入ベクターを含む本発明 の細胞培養用容器を凍結乾燥によって保存した際に、その保存安定性を向上させる 薬剤をいう。本発明の安定化剤としては、トレハロース、マルトース、ラフイノース、フ ルクトース、スクロース、グルコース、ラタトース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリ コール、メチルセルロース、グリシン、マン-トール、ジメチルスルホォキシド(DMSO )またはこれらの混合物力もなる群力も選択される物質が挙げられるが、これらに限定 されない。安定化剤としては、好ましくはトレハロース、マルトース、ラフイノース、フル クトースまたはこれらの混合物が挙げられる。より好ましくは、本発明の安定化剤は、ト レハロースである。
[0019] 本発明の細胞培養容器 (アレイまたはプレートともいう)を凍結乾燥させる条件は、 当業者に周知である。
[0020] 本明細書にぉ 、て使用する場合、ポリエチレンィミン (PEIと略す)は、直鎖型およ び分岐型の両方を含む。直鎖型の PEIの構造は、—[NH— CH— CH ]一として示さ
2 2
れる。ここで、 Xは任意の整数である。直鎖型の PEIとしては、例えば、好ましい直鎖 型の PEIとしては、分子量 2. 5kDaの PEI— L (PEI— L 2. 5K)および 25kDaの PEI L (PEI— L 25K)が挙げられる。分岐型 PEIは、 [NH— CH— CH ]— [N (CH -
2 2 y 2
CH NH )— CH— CH ]—として示され。ここで、 yは任意の整数である。ここで zは
2 2 2 2 z
、 yとは独立する任意の整数である。例えば、好ましい分岐型 PEIは、分子量 25kDa (PEI— B 25K)の PEI— Bと 750kDaの PEI— B (PEI— B 750K)である。
[0021] 本明細書において使用する場合、用語「アンチセンス」とは、 mRNAの塩基配列( センス配列)に対して相補的な塩基配列を有する核酸である。アンチセンスは、 DN Aにコードされる遺伝情報が、転写 '翻訳されることを妨げ得る核酸である。アンチセ ンス核酸は、ヌクレオチドであっても、ヌクレオチドアナログであってもよい。アンチセ ンス核酸に使用されるヌクレオチドアナログとしては、代表的には、インターヌクレオ チド結合のリン酸基の(O) P-0-をチォリン酸基 (O) P-S—に置換したホスホロチォ エート DNAを用いられている。また、ヌクレオチドアナログとして、「H—ホスホネート DNA」もまた使用され得る。このヌクレオチドアナログはインターヌクレオチド結合のリ ン酸基の(O) P-O—をホスホ-ル基(O) P-Hに置換したもので、これまで報告されて V、たリン酸基を置換したアンチセンス核酸のなかで、最も立体障害の少な!/、もので、 理論的には、立体異性体がたとえできても、立体効果が小さいため、どちらの異性体 もつよく標的遺伝子に結合できる、すぐれた特徴を持つと考えられている。
[0022] 本明細書において使用する場合、用語「siRNA」は、用語「Small Interfering RNA」 と互換可能に用いられ、 RNAi(RNA干渉: RNA interference)作用を有する 21— 23塩 基の二本鎖 RNAをいう。 RNAiとは、細胞に導入された二本鎖 RNA力 それと同じ配 列を持つ遺伝子の発現 (タンパク質合成)を抑制する現象のことです。この方法は、標 的遺伝子 (mRNA)を破壊することで発現を抑制する為、遺伝子の機能解析に有効な 方法として現在注目されている。また、 RNAiは、配列のゎカゝつている遺伝子を破壊す ることができる為、遺伝子機能の解析に有効である。従って、 siRNAは、代表的には 、標的とする遺伝子由来の、 21— 23塩基の二本鎖 RNAである。 siRNAの設計法として は、代表的には以下が挙げられるがこれに限定されない:(1)スタートコドンから、 75 塩基以上下流の最初の AAを見つける(転写因子の結合部位を避けるためである); ( 2)遺伝子データバンク(例えば、 NCBI (http:〃 www.ncbi.nlm.nih.gov/ ) の BLAST search)を用いて、 AAに続く、 GC含量が 50%前後である 19塩基の合計 21塩基が標的 に対して特異的であることを確認する。
[0023] siRNAの、代表的な製造方法は以下のとおりである:(1)合成された 1本鎖 RNAを それぞれアニーリング緩衝液(lOOmM KOAc, 2mM MgOAc,30mM HEPES- KOH PH7.4)に溶解する、 (2)両方の RNA鎖 (センス鎖およびアンチセンス鎖)を等量 (等 mole数)混合する、(3) 95°Cで 5分間処理後、徐々に 25°Cまで冷却する、(4)その後、 フエノール/クロ口ホルム抽出.エタノール沈殿を行なう。使用する siRNAの量は、細 胞の種類によって異なる力 通常は、 1一 3 X 104細胞/ゥエルに対して、 0.5—
20pmoleZゥエルである。
[0024] 本明細書において使用する場合、用語「デコイ」または「デコイ化合物」とは、 DNA 結合能を有する転写制御因子が結合する染色体上の部位、あるいはそのような転写 因子に制御される遺伝子内の他の転写調節因子が結合する染色体上の部位 (以下 標的結合部位という)に結合し、転写因子と、これらの標的結合部位への結合につい て拮抗する化合物をいう。代表的には、デコイまたはデコイ化合物は、核酸およびそ の類似体である。デコイが核内に存在する場合、転写調節因子の標的結合部位へ の結合について、デコイが転写調節因子と競合し、その結果、転写調節因子の標的 結合部位への結合によってもたらされる生物学的機能が阻害される。デコイは、標的 結合配列に結合し得る核酸配列を少なくとも 1つ含む。標的結合配列への結合活性 を有する限り、デコイは、薬学的組成物の調製に用いることができる。
[0025] 本明細書で使用される場合、「ウィルスエンベロープベクター」とは、ウィルスェンべ ロープ中に外来遺伝子を封入したベクター、またはウィルスエンベロープ由来のタン パク質を含む成分中に外来遺伝子を封入したベクターを ヽぅ。ウィルスベクターの調 製のために使用されるウィルスとしては、野生型ウィルスであっても、組換え型ウィル スであってもよい。
[0026] 本発明にお 、て、ウィルスエンベロープまたはウィルスエンベロープ由来タンパク 質の調製のために使用されるウィルスとしては、レトロウイルス科、トガウィルス科、コ ロナウィルス科、フラビウィルス科、パラミクソウィルス科、オルトミクソウィルス科、ブ- ャゥイノレス科、ラブドウイノレス科、ボックスウイノレス科、へノレぺスゥイノレス科、ノ キュロウ ィルス科、およびへパドナウィルス科カゝらなる群カゝら選択される科に属するウィルスが 挙げられる力 これらに限定されない。好ましくは、ノ ミクソウィルス科に属するウイ ルスが、より好ましくは、 HVJ (センダイウィルス)力 用いられる。
[0027] ウィルスエンベロープ由来タンパク質としては、例えば、 HVJの Fタンパク質、 HNタ ンパク質、 NPタンパク質および Mタンパク質が挙げられる力 これらに限定されない
[0028] 本明細書において、「HVJ」および「センダイウィルス」は、互換可能に用いられ得る 。例えば、本明細書において「HVJのエンベロープ」と「センダイウィルスのェンベロ ープ」とは同一の意味を示す語句として用いられる。
[0029] 本明細書にぉ 、て「センダイウィルス」とは、パラミクソウィルス科パラミクソウィルス 属に属し、細胞融合作用をもつウィルスをいう。ウィルス粒子は、エンベロープをもち 、直径 150— 300nmの多形性を示す.ゲノムは、約 15500塩基長のマイナス鎖 RNAで ある。 RNAポリメラーゼを持ち、熱に不安定で、ほとんどあらゆる種類の赤血球を凝集 し、また溶血性を示す。
[0030] 本明細書において、「HAU」とは、 -ヮトリ赤血球 0. 5%を凝集可能なウィルスの活 性をいい、 1 HAUは、ほぼ 2400万ウィルス粒子に相当する(Okada, Y.ら、 Bike n Journal 4、 209— 213、 1961)。
[0031] 宿主細胞として使用される動物細胞としては、マウス'ミエローマ細胞、ラット 'ミエ口 一マ細胞、マウス'ハイプリドーマ細胞、チャイニーズ'ノ、ムスターの細胞である CHO 細胞、 BHK細胞、アフリカミドリザル腎臓細胞、ヒト白血病細胞、 HBT5637 (特開昭 63— 299)、ヒト大腸癌細胞株などを挙げることができる。マウス'ミエローマ細胞として は、 ps20、 NSOなど、ラット 'ミエローマ細胞としては YB2Z0など、ヒト胎児腎臓細胞 としては HEK293 (ATCC : CRL— 1573)など、ヒト白血病細胞としては BALL—1な ど、アフリカミドリザル腎臓細胞としては COS— 1、 COS— 7、ヒト大腸癌細胞株として は HCT-15などが例示される。
[0032] 本明細書において使用される用語「固相」「基板」および「支持体」は、本明細書に おいて、同じ意味で使用され、本発明のアレイが構築される材料 (好ましくは固体)を いう。基板の材料としては、共有結合力または非共有結合のいずれかで、本発明に おいて使用される生体分子に結合する特性を有するかまたはそのような特性を有す るように誘導体化され得る、任意の固体材料が挙げられる。
[0033] 基板として使用するためのそのような材料としては、固体表面を形成し得る任意の 材料が使用され得るが、例えば、ガラス、シリカ、シリコン、セラミック、二酸化珪素、プ ラスチック、金属 (合金も含まれる)、天然および合成のポリマー(例えば、ポリスチレ ン、セルロース、キトサン、デキストラン、およびナイロン)以下が挙げられるがそれら に限定されない。基板は、複数の異なる材料の層から形成されていてもよい。例えば 、ガラス、石英ガラス、アルミナ、サファイア、フォルステライト、炭化珪素、酸化珪素、 窒化珪素などの無機絶縁材料を使用できる。また、ポリエチレン、エチレン、ポリプロ ピレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンテレフタレート、不飽和ポリエステル、含フッ素 榭脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩ィ匕ビユリデン、ポリ酢酸ビュル、ポリビュルアルコール、 ポリビュルァセタール、アクリル榭脂、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ァセタール 榭脂、ポリカーボネート、ポリアミド、フエノール榭脂、ユリア榭脂、エポキシ榭脂、メラ ミン榭脂、スチレン'アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重 合体、シリコーン榭脂、ポリフエ-レンオキサイド、ポリスルホン等の有機材料を用いる ことができる。本発明においてはまた、ナイロン膜、ニトロセルロース膜、 PVDF膜な ど、ブロッテイングに使用される膜を用いることもできる。ナイロン膜が好ましい。ナイ口 ン膜を用いた場合は、簡便な解析システムを用いて結果を分析することができるから である。しかし、高密度のものを解析する場合は、ガラスなど硬度のあるものを材料と して使用することが好ましい。
[0034] 本明細書にぉ 、て「チップ」または「マイクロチップ」とは、多様の機能をもち、システ ムの一部となる超小型集積回路をいう。本明細書において、「DNAチップ」とは、基 板と、 DNAとを含み、その基板には DNA (例えば、 cDNA断片)が少なくとも 1つ配 置されている。本明細書において、「プロテインチップ」とは、基板と、タンパク質とを 含み、その基板にはタンパク質 (例えば、ポリペプチドまたはオリゴペプチド)が少なく とも 1つ配置されている。「DNAチップ」および「プロテインチップ」は、本明細書では 、「マイクロチップ」または単に「チップ」に含まれる。「マイクロアレイ」とは、そのような チップ上に 1以上の生体分子 (例えば、 cDNA断片のようなオリゴヌクレオチド、また はペプチド)が整列されて配置されたものを!ヽぅ。
[0035] 本発明において使用される生体分子 (たとえば、 DNAのようなオリゴヌクレオチド、 またはペプチド)は、生体カゝら採取されたものを利用し得るほか、当業者に公知の方 法によって化学的に合成され得る。例えば、オリゴヌクレオチドは、 Applied Biosys temsなどにより市販される DNA合成機もしくはペプチド合成機の何れかを用いて、 自動化学合成により調製され得る。 自動オリゴヌクレオチドの合成のための組成物お よび方法は、例えば、米国特許第 4, 415, 732号, Caruthers et al. (1983);米 国特許第 4, 500, 707号および Caruthers (1985);米国特許第 4, 668, 777号 , Caruthers et al. (1987)に開示される。
[0036] 基板には、任意の数の生体分子 (例えば、 DNAまたはペプチド)が配置され得るが 、通常、基板 1つあたり、 108個の生体分子まで、他の実施形態において 107個の生 体分子まで、 106個の生体分子まで、 105個の生体分子まで、 104個の生体分子まで 、 103個の生体分子まで、または 102個の生体分子までの個の生体分子が配置され 得る。これらの場合において、基板の大きさはより小さいことが好ましい。特に、生体 分子(例えば、 DNAまたはペプチド)のスポットの大きさは、単一の生体分子のサイ ズと同じ小さくあり得る(これは、 1 2nmの桁であり得る)。最小限の基板の面積は、 V、くつかの場合にぉ 、て基板上の生体分子の数によって決定される。
[0037] 本発明において使用する場合、「糖部分を有する界面活性剤」とは、その分子内に 、「糖部分」を有する界面活性剤を有する。界面活性剤としては、ァ-オン界面活性 剤、カチオン界面活性剤、および非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げら れる。糖部分を有する界面活性剤の糖部分としては、単糖、二糖、三糖、四糖、五糖 、六糖、七糖、および八糖が挙げられるがこれらに限定されない。糖部分は、分岐し ても、しなくてもよい。糖部分は、好ましくは、単糖一五糖、より好ましくは、単糖、また は二糖である。糖部分としては、例えば、ダルコシド、ガラクトシド、マルトシド、チォマ ルトシド、チォダルコシドが挙げられるが、これらに限定されない。また、糖部分を有 する界面活性剤は、例えば、 A-(CH) -CHで表される化合物であり、ここで Aが糖 n 3
部分であり、 - (CH) -CHが糖部分以外の疎水性部分である。その疎水性部分は n 3
、ここで、 nは、 5以上、 6以上、 7以上、 8以上、 9以上、または 10以上、であり、かつ 1 5以下、 14以下、 13以下、 12以下、 11以下、 10以下、 9以下、 8以下、または 7以下 であり得る。好ましい nの範囲は、 7— 11である。例えば、この糖部分を有する界面活 性剤は、ォクチルマルトシド、デシルマルトシド、ドデシルマルトシド、ォクチルダルコ シド、デシルダルコシド、およびドデシルダルコシド、ならびにこれらの混合物からなる 群から選択される。好ましい糖部分を有する界面活性剤は、デシルマルトシドである
[0038] (好ま 、実施形態の説明)
(物質導入デバイスの調製)
本発明において、ウィルスベクターを固定ィ匕した物質導入デバイスの調製は、以下 の工程によって実施することができる:
(1)固相に、ウィルスベクターと、導入される物質との混合物を添加する工程;および
(2)固相に、糖部分を有する界面活性剤を含む溶液を添加する工程。
上記の方法において、導入される物質としては、核酸、タンパク質、ペプチド、ヌクレ ォチドフラグメント、ヌクレオチドフラグメント、 DNA、 RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド およびこれらの誘導体のような核酸のみならず、タンパク質、糖鎖、低分子化合物、 プロテオダリカン、グリコペプチド、脂質、金属イオンも挙げられる。導入される物質が 、遺伝子をコードする核酸である場合、導入される遺伝子は、任意の生体由来であり 得、そして、 DNA、 RNAまたはヌクレオチドアナログであり得る。導入される遺伝子 は、 1種類であっても、複数種類であってもよい。
[0039] 上記方法において、遺伝子が導入される細胞は、特に限定されることはないが、好 ましくは、動物細胞、より好ましくは、ヒト細胞を含む哺乳動物細胞である。ウィルスェ ンべロープを用いる導入法、またはウィルスエンベロープの少なくとも 1つのタンパク 質を含むリボソームを用いる導入法を用いる場合、そのウィルスエンベロープを調製 するために使用されるウィルスは、レトロウイルス科、トガウィルス科、コロナウィルス科 、フラビウィルス科、パラミクソウィルス科、オルトミクソウィルス科、ブニヤウィルス科、 ラブドウィルス科、ボックスウィルス科、ヘルぺスウィルス科、バキュロウィルス科、およ びへパドナウィルス科力もなる群力 選択される科に属するウィルス由来であり得る。 好ましくは、ウィルスは、パラミクソウィルス科のウィルス、特に HVJである。
[0040] ウィルスエンベロープの少なくとも 1つのタンパク質を含むリボソームを用いて、細胞 に候補核酸を導入する方法もまた、利用可能である。この方法において使用されるタ ンパク質としては、 Fタンパク質、 HNタンパク質、 NPタンパク質、 Mタンパク質または その組み合わせが挙げられるが、これらに限定されな 、。
[0041] ウィルスベクターと、導入される物質との混合物は、例えば、ウィルスベクターを含 む溶液を遠心分離して沈殿を生じさせ、導入される物質溶液を用いて該沈殿を懸濁 することによって調製され得る。この遠心分離の条件は、例えば、 15000 X g、 4°C、 15分間が挙げられる力 これに限定されない。例えば、大量調製の場合は、 15000 X g、 4°C、 60分間の遠心分離条件も使用可能である。
[0042] あるいは、予め、別の容器において、ウィルスベクター溶液と、導入される物質溶液 との混合物を調製し、その混合物を固相に添加してもよい。また、固相にウィルスべク ターと、導入される物質との混合物を添加する代わりに、ウィルスベクター溶液と、導 入される物質溶液とを別々に固相に添加してもよい。
[0043] 必要に応じて、ウィルスベクター、導入される物質、および糖部分を有する界面活 性剤を含む固相である物質導入デバイスを、室温にて、放置する。インキュベート時 間は、好ましくは、 5分、 7分、 10分、 12分、 15分、 17分、 20分、 25分、 30分であり 得る。
[0044] 必要に応じて、遺伝子導入効率を上昇させるために、硫酸プロタミン (PS)またはポ リエチレンィミン (PEI)を添加する。使用される硫酸プロタミンの濃度は、好ましくは、 1 μ g/ml- lmg/mUより好ましくは、 10 μ g/ml-250 μ g/m 最も好ましくは 、 100 g/mlである。使用されるポリエチレンィミンの濃度は、好ましくは、 0. 1 g /ml— 300 μ g/ml、より好ましくは、 0. 5 g/ml— 200 μ g/ml、最も好ましくは ゝ 1 μ gZ ml一 100 μ gZ mlである
さらに、必要に応じて、硫酸プロタミンおよび Zまたはポリエチレンイミンを添加した 後、物質導入デバイスを遠心分離機にかける。この遠心分離の条件は、例えば、 16 43 X g、 4°C、 30分間であるが、これに限定されない。
[0045] (本発明の物質導入デバイスを用いた細胞への遺伝子導入)
上記のようにして調製した物質導入デバイスを用いて、以下の方法によって、細胞 に外来遺伝子を導入することができる。
[0046] ウィルスベクターを固定ィ匕した物質導入デバイスに、細胞懸濁液を導入する。必要 に応じて、デバイスを遠心分離機にかける。その遠心分離機の条件は、代表的には 、 182 X g、 32°C、 30分間であるが、これに限定されない。その後、必要に応じて、デ バイスを振盪し、そして遠心分離機にかける。その遠心分離機の条件は、代表的に は、 182 X g、 32°C、 30分間であるが、これに限定されない。必要に応じて、さらに 1 82 X g、 32°C、 30分間の遠心分離をさらに 2回行うことも可能である。
[0047] (本発明の物質導入デバイスを用いた細胞への遺伝子導入法の適用)
上記の遺伝子導入方法を用いて、多数種類の遺伝子の機能解析、およびスクリー ニングなどを行うことが可能である。
[0048] (A.遺伝子機能の解析)
ゲノムプロジェクト等の進展に伴い、多数の遺伝子が単離 '同定されている。しかし
、未だ多くの遺伝子については、その機能が未知である。そのため、機能が未知であ る遺伝子の機能を同定する簡便な方法を開発することは、非常に有用である。例え ば、本発明の遺伝子導入技術を用いて、本発明の物質導入デバイスに多数種類の 遺伝子を導入した多数種類の細胞集団を作製し、その細胞集団の機能を解析する ことによって、所望の機能的性質を有する核酸が導入された細胞が選択され、その 結果、所望の機能を有する遺伝子が同定される。所望の機能としては、例えば、血管 新生を誘発する遺伝子をコードすること、癌抑制遺伝子をコードすること、骨形成増 強遺伝子をコードすること、アポトーシス誘発遺伝子をコードすること、サイト力イン分 泌遺伝子をコードすること、神経細胞榭状突起誘導遺伝子をコードすること、動脈硬 化抑制遺伝子をコードすること、糖尿病抑制遺伝子をコードすること、自己免疫疾患 抑制遺伝子をコードすること、アルツハイマー病抑制遺伝子をコードすること、パーキ ンソン病抑制遺伝子をコードすること、神経細胞保護遺伝子をコードすること、および これらの組み合わせ力 なる群力 選択される。
[0049] また、この選択は、好ましくは、候補核酸の発現によって変化する宿主細胞の形質 に基づいて行われる。例えば、候補核酸から、増殖因子をコードする遺伝子を単離 する場合、その所望の機能的性質は、特定の細胞または任意の細胞の増殖の促進 である。
[0050] 上記の解析方法は、目的とする機能的性質が認識可能である限り、任意の機能的 性質に対して適用可能である。上記解析方法において意図される機能的性質として は、細胞増殖の促進もしくは抑制、細胞の分化もしくは脱分化、マーカータンパク質 の発現もしくは発現の抑制、マーカー mRNAの発現もしくは発現の抑制、膜電位の 変化、脱分極、アポトーシス、癌化、増殖の停止、形態の変化、大きさの変化などが 挙げられるが、これらに限定されない。
[0051] 上記解析方法において、遺伝子導入した細胞から核酸を抽出する方法としては、 種々の周知の方法、および市販のキットを用いることができる。
[0052] (B.スクリーニング)
本発明の遺伝子導入法は、スクリーニングに応用することができる。例えば、(1)固 相;(2)ウィルスベクター;(3)導入される物質;および (4)糖部分を有する界面活性 剤を備える物質導入デバイスを調製する際に、(3)導入される物質として、遺伝子ラ イブラリーを用いることによって、スクリーニングへの応用が可能である。遺伝子ライブ ラリーを用いてデバイス上に、遺伝子ライブラリーを含む細胞集団を調製し、その細 胞の中から所望の機能を有する細胞を選択し、その細胞中の核酸を単離、同定する ことによって、所望の機能を有する遺伝子をスクリーニングすることができる。また、ス クリーニングで陽性であることが判明した細胞集団が、複数種類の遺伝子を含む場 合は、その物質を純ィ匕することによって、所望の機能を有する遺伝子を単離'同定す ることが可能である。
[0053] このスクリーニング方法は、プラスミド状の核酸のみならず、タンパク質、ペプチド、 低分子化合物、ヌクレオチドフラグメントなども、その対象とすることが可能である。
[0054] また、物質導入デバイスは、ウィルスベクターの固定ィ匕領域を小さくすることが可能 であるため、 96ゥエルプレートのみならず、 384ゥエルプレート、および 1536ゥエルプ レートでも、生体分子のスクリーニングを行うことが可能である。
[0055] さらに、本発明の物質導入デバイスは、自動化に適している。本発明の方法を実施 するためのキットもまた本発明にお 、て提供される。
(1. ウィルスエンベロープベクターの調製)
ウィルスエンベロープベクターとして種々の方法が公知である。例えば、本発明者 らは、ウィルスおよび非ウィルスベクターを組み合わせることにより、ハイブリッド遺伝 子移入ベクターを開発し、 日本血球凝集性ウィルス (HVJ;センダイウィルス)由来の 融合形成性エンベロープを持つ融合形成性ウィルスリボソームを構築した (Kaneda 、 Biogenic Amines, 14 : 553-572 (1998); Kanedaら、 Mol. Med. Today, 5 : 298— 303 (1999) )。この送達システムでは、 DNA充填リボソームを、 UV不活性ィ匕 HVJと融合させ、融合形成性ウィルス リボソームである HVJリボソーム(直径 400— 500nm)を形成する。融合媒介送達の利点は、 DNAをトランスフエタトすることが、受 容体細胞におけるエンドソーム分解およびリソソーム分解力も保護されることである。 lOOkbまでの DNAが HVJリボソーム中に取り込まれ、そして哺乳動物細胞に送達さ れる。 RNA、オリゴヌクレオチドおよび薬物もまた、インビトロおよび生体内で細胞中 に効率的に導入される。 HVJ リボソームは、生体内で有意な細胞損傷を誘導するこ とは示されなかった。
[0056] 繰り返したトランスフエクシヨン力 HVJの低 、免疫原性のため生体内で成功して!/ヽ る(Hiranoら、 Gene Ther. , 5 :459— 464 (1998) )。このベクターシステムは改良 され、そしてより効率的な遺伝子送達のためにァ-オンタイプおよびカチオンタイプ HVJ—リボソームが開発された(Saekiら、 Hum. Gene Ther. , 8 : 1965—1972 (1 997) )。この HVJ—リボソームシステムを用いて多くの遺伝子治療戦略が成功した (D zauら、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93 : 11421-11425 (1996); Kanedaら、 Mol. Med. Today, 5 : 298—303 (1999) )。また、 HVJ由来の合成ビロソーム(vir osome)を構築するために 、くつかの試みがなされて 、る (Wuら、 Neuroscience Lett. , 190 : 73-76 (1995); Ramani¾, FEBS Lett. , 404 : 164-168 (1997 ); Ramaniら、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 95 : 11886—11890 (1998) ) ベクターの調製のためにウィルスを不活ィ匕する必要がある場合、種々の公知の方 法を使用する事ができる。代表的な不活化法としては、 UVの照射、アルキル化剤で の処理、 j8—プロピオラタトンでの処理、界面活性剤での処理、酵素処理によるェン ベロープの部分的分解が挙げられる力 S、これらに限定されない。
[0057] 上記に列挙したウィルスエンベロープベクターを改良した調製方法もまた公知であ る。その代表的な例を以下に示す。以下に説明するウィルスエンベロープベクターの 調製方法は、例示であって、本発明は以下の調製方法によって調製されたベクター に限定されない。
(1. 1.ウィルスエンベロープ由来のタンパク質を含む成分中に外来遺伝子を封入し たウィルスベクターの調製)
ウィルスエンベロープ由来のタンパク質を含むウィルスベクターとしては、 HVJ (セン ダイウィルス)の F融合タンパク質および HN融合タンパク質を再構成したリボソーム からなる、ウィルスベクターであって、 RT— PCRによって検出可能な量の HVJゲノム RNAを含まない、ウィルスベクターが挙げられる。
[0058] そのようなウィルスベクターの調製に用いられる F融合タンパク質および HN融合タ ンパク質は、天然の HVJ由来のタンパク質であっても、組換え発現したタンパク質で あってもよい。組換え産生される融合タンパク質は、インビトロでプロテアーゼによつ てプロセシングされる力、または哺乳動物細胞宿主内において、内在性プロテア一 ゼによってプロセシングされる。
[0059] ウィルスエンベロープ由来のタンパク質を含むウィルスベクターは、例えば、以下の 工程を包含する方法によって調製される: •UV照射をして 、な 、HVJウィルスから、融合タンパク質を単離する工程、
•融合タンパク質を界面活性剤および脂質の存在下で再構成して、再構成粒子を調 製する工程、
•所望の核酸を充填したリボソームを調製する工程、および
'再構成粒子および該リボソームを調製する工程。
[0060] 上記方法にお ヽて使用される界面活性剤は、特定の界面活性剤に限定されな 、 力 好ましくは、ォクチルダルコシド、 Triton— X100、 CHAPSまたは NP— 40、ある いはこれらの混合物である。
[0061] 上記方法において使用される脂質は、特定の脂質に限定されず、(1)分子中に長 鎖脂肪酸または類似の炭化水素鎖を持ち、かつ(2)生体内に存在するか、または生 体に由来する分子であればよい。好ましい脂質としては、ホスファチジルコリン、ホス ファチジルセリン、コレステロール、スフインゴミエリン、およびホスファチジン酸が挙げ られる力 これらに限定されない。
[0062] リボソームの調製法は周知であり、例えば、以下の方法を使用することも可能である
(A)第 1の試験管内にリン脂質薄膜をあらかじめ作っておく。この試験管に、 55°Cの 水を飽和させた窒素ガスを導入し、十分に水和させる。水和が完了すると、薄膜は透 明になる;
(B)第 2の試験管の緩衝液を静かに試験管 Aに加え、窒素ガスを導入後、密封し (例 えば、パラフィルムによる)、 37°Cの恒温槽 (一定の温度で実験を行うための装置です )中で約 2時間放置する;
(C)静かに振り動かすことにより巨大リボソームを調製する。リボソームが生成すると 液が薄く濁る。これを用いて、次の測定を行う。
(D)試料を一滴スライドグラス上に採り、蛍光顕微鏡(1000倍)によりその形態を確認 する。
[0063] ウィルスエンベロープ由来のタンパク質を含む成分中に外来遺伝子を封入したウイ ルスベクターを作製するために必要とされるタンパク質の調製方法は周知である。
[0064] 例えば、天然の HVJを供給源として HVJのエンベロープタンパク質を精製するか、 または組換え発現した HVJのエンベロープタンパク質を精製することができる。周知 のタンパク質の精製方法としては、例えば、硫安沈殿法、等電点電気泳動、および力 ラムによる精製法が挙げられるが、これらに限定されない。カラムによるタンパク質の 精製を行う場合、所望のタンパク質の性質および夾雑物の性質に応じて、種々の力 ラムを選択する。タンパク質精製のためのカラムとしては、陰イオン交換カラム、陽ィ オン交換カラム、ゲルろ過カラム、ァフィユティーカラムが挙げられるが、これらに限定 されない。
[0065] あるいは、ウィルスエンベロープ由来のタンパク質を含むウィルスベクターは、以下 の工程を包含する方法によって調製される:
•HVJの Fタンパク質および HNタンパク質を組換え発現する工程、
• Fタンパク質をプロテアーゼでプロセシングする工程、
•Fタンパク質および HNタンパク質を単離する工程、
•Fタンパク質および HNタンパク質を界面活性剤および脂質の存在下で再構成して 、再構成粒子を調製する工程、
'核酸を充填したリボソームを調製する工程、および
'再構成粒子および該リボソームをする工程。
[0066] また、ウィルスエンベロープ由来のタンパク質を含むウィルスベクターは、以下のェ 程を包含する方法によっても調製される:
•Fタンパク質をプロセシングするプロテアーゼを発現する宿主細胞内において、 Fタ ンパク質および HNタンパク質を組換え発現する工程、
•Fタンパク質および HNタンパク質を単離する工程、
•Fタンパク質および HNタンパク質を界面活性剤および脂質の存在下で再構成して 、再構成粒子を調製する工程、
•所望の核酸を充填したリボソームを調製する工程、および
'再構成粒子および該リボソームを融合する工程。
(1. 2.ウィルスエンベロープ中に外来遺伝子を封入したウィルスベクターの調製) ウィルスエンベロープ中に外来遺伝子を封入したウィルスベクターの調製法として は、例えば、以下の工程を包含する方法が挙げられる: 1)ウィルスを外来遺伝子と混合する工程、および
2)この混合液を凍結融解するか、もしくはこの混合液を、さらに界面活性剤と混合す る工程。
[0067] あるいは、ウィルスエンベロープ由来のウィルスベクターは、以下の工程を包含する 方法によって調製される:
•ウィルスを不活性化する工程、
•不活性ィ匕ウィルスを外来遺伝子と混合する工程、および
•混合液を凍結融解する工程、
を包含する、方法が提供される。
[0068] 本発明のさらなる局面において、遺伝子導入のための不活性化ウィルスェンベロ ープベクターの調製方法であって、以下;
•ウィルスを不活性化する工程、および
•不活性化ウィルスを界面活性剤の存在下で外来遺伝子と混合する工程、 を包含する、方法が提供される。
(1. 3.リボソームベクター)
リボソームベクターは、リポフエクシヨンに一般的に用いられる脂質力 調製したリポ ソームを用いることができる。例えば、 lipofect AMINE 2000のような脂質を用い ることがでさる。
(細胞の選択)
本発明において、種々の細胞が、物質を導入される細胞として使用され得る。その ような細胞は、好ましくは、哺乳動物であり、より好ましくは、候補核酸が由来する種 由来の細胞である。
[0069] 以上、好ましい実施形態を例示して本発明を説明してきた。以下に、図面を参照し ながら、実施例に基づいて本発明を説明する力 以下の実施例は、例示の目的のみ に提供されることに留意されるべきである。従って、本発明の範囲は、説明に用いた 特定の実施形態にも下記実施例にも限定されるものではなく、特許請求の範囲によ つてのみ限定される。
実施例 [0070] (実施例 1:ウィルスエンベロープ由来のタンパク質を含む成分中に外来遺伝子を 封入したウィルスベクターの調製および使用)
(ウィルスの調製)
HVJ、 Z株を、先に記載のように(Kaneda、 Cell Biology: A Laboratory Ha ndbook, J. E. Celis (Ed. ) , Academic Press, Orlando, Florida, vol. 3, pp. 50-57 (1994) )差示的遠心分離により精製した。精製 HVJを平衡化塩溶液 (BSS: 137mM NaCl、 5. 4mM KC1、 lOmM Tris— HC1、 pH7. 5)中に再懸濁し、そ してウィルス力価を、 540nmにおける吸光度を測定することにより決定した。 540nm における光学的密度は、 15, 000血球凝集単位 (HAU)に対応し、融合活性と相関 する。
[0071] (HVJからの Fおよび HN融合タンパク質の抽出)
エタノール中に溶解した、 Nonidet P— 40 (NP— 40)およびフエ-ルメチルスルホ -ルフルオライド (PMSF)を、それぞれ 0. 5%および 2mMの最終濃度で精製 HVJ 懸淘液の 20ml(l, 750, 000 HAU)に添カロした。この混合物を、回転しな力ら、 4 °Cで 30分間インキュベートした。次いで、この懸濁液を、 100, 000g、 4°Cで 75分間 遠心分離し、不溶性タンパク質およびウィルスゲノムを除去した (Uchidaら、 1979) 。上清液を、 5mMリン酸緩衝液 (pH6. 0)に対して 3日間透析し、緩衝液を毎日交 換することにより、残存 NP— 40および PMSFを洗い流した。透析した溶液を、 100, 000g、 75分間 4°Cで遠心分離し、不溶性物質を取り除いた。上清液を、先に記載し た方法 (Yoshimaら、 J. Biol. Chem. , 256 : 5355— 5361 (1981) )に基づき 0. 3 Μ スクロースおよび ImM KC1を含む 10mM リン酸緩衝液(pH5. 2)で平衡化し 7こ CM— sepharose CL6B (Pharmacia Fine し hemicals、 Uppsala ^ Sweden )のイオン交換カラムにアプライした。素通り画分および 0. 2M NaCl溶出液を集め た。両画分を、ドデシル硫酸ナトリウム ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS— P AG E)にかけ、タンパク質成分を分析した。ゲルをクマシ一ブリリアントブルーで染色し、 そして各タンパク質の比率を、コンピューター化デンシトメトリー(NIH Image ;Appl e Computers, Cupertino, CA、 USA)を用いて評価した。
[0072] (組換え発現) HVJの融合タンパク質は、融合タンパク質をコードする遺伝子を、発現ベクターに 組み込み、適切な宿主細胞において発現することによつても、調製され得る。 タン パク質および HNタンパク質のアミノ酸配列は公知である。
[0073] 種々の宿主細胞に使用され得る発現ベクターとしては、巿販の各種のベクターを使 用し得る。
[0074] 融合タンパク質をコードする発現ベクターは、細胞に導入され得、当該分野におい て公知でありそして記載される任意の種々の方法(例えば、 Sambrookら、 Molecul ar Cloning: A Laboratoy Manual^ 2nd Ed、 Vols 1 to 3、 Cold Spring Harbor Laboratory Press、 New York (1989)、および Ausubelら、じ urren t Protocols in Molecular Biology^ John Wiley and Sons、 Baltimore、 MD (1994)、これらの各々は、本明細書において参考として援用される))によって、 本発明の融合タンパク質を産生し得る。組換え発現ベクターを原核生物または真核 生物細胞中に導入する方法として、例えば、エレクト口ポーレーシヨン法などの、形質 転換またはトランスフエクシヨン法が挙げられる。
[0075] 組換え Fタンパク質を大腸菌で発現した場合、不活性な F0形態として発現された。
大腸菌で発現された不活性な F0形態のタンパク質を活性な F1形態に変換するため には、 0. 0004—0. 001%トリプシンを用いる 37°C30分間のトリプシン処理が必要 とされた。
[0076] トリプシン処理された活性ィ匕 F1タンパク質に対応するポリペプチドは、短縮された 活性化 F1のアミノ酸配列をコードする遺伝子を含む発現ベクターを用いて、大腸菌 で発現され得る。短縮された F1タンパク質は、少なくとも、 117番目のフエ-ルァラ- ンから 142番目のァラニンまでの 26アミノ酸残基を含む必要がある。短縮型タンパク 質が封入体を形成する場合は、封入体をリフォールデイングすることにより、活性型タ ンパク質を得ることが当業者にとって容易に可能である (Robert F. Kelleyおよび Marjorie E. Winkler、 Genetic Engineerings (1990) vol. 12、 1一 19頁 参 照のこと)。
[0077] HVJが複製し得る細胞 (例えば、げっ歯類の気管上皮細胞;ニヮトリ胚;サル腎臓の 初代培養細胞;ヒト胎児肺、腎臓、羊膜の初代培養細胞)を宿主細胞として使用して Fタンパク質を発現させる場合、発現された全長 Fタンパク質が宿主細胞の内在性プ 口テアーゼにより切断され、その結果として活性ィ匕されるため、活性型 Fタンパク質を 発現および単離することが可能である。あるいは、 Triptase clara (Kidoら、 Molec ular Cells 9, 235— 244 (1999) )を、内在性の酵素として発現する宿主細胞(例 えば、ラットの気管上皮細胞)、または組換え的に発現する宿主細胞もまた使用され 得る。
[0078] これら発現ベクターの選択および構築方法、宿主細胞への導入方法、宿主細胞で の発現方法、ならびに発現タンパク質の回収方法は、当業者にとって周知である。
[0079] (HVJからの融合タンパク質の精製)
融合タンパク質の精製のために、 NP-40処理した HVJの溶解物を、超遠心によつ て明澄ィ匕した。上清のタンパク質を、さらなる精製の前に、 SDS-PAGEによって分 祈した。この上清は、 HVJ由来の多くのタンパク質を含んでいた。次に、この上清を、 イオン交換クロマトグラフィーにアプライした。 52kDaおよび 72kDaタンパク質が主に 、素通り画分に溶出された。 SDS— PAGEでの移動度によって、これら 2つのタンパク 質を、それぞれ F1および HNであると同定した(Okada、 Methods in Enzymolo gy, N. Duzgnes (Ed. ) , Academic Press, ¾an Diego, vol. 221, pp. 18— 41 (1993) )。 52kDaタンパク質の下のかすかなバンドは、融合タンパク質(F1およ び HN)の分解産物であると考えられた。なぜなら、これらのタンパク質は、異なる実 験間で再現性がなかったからである。タンパク質を、さらに 0. 2M NaClによって溶 出した。しかし、融合タンパク質は、効率よくは得られな力つた。そして HVJの NPタン ノ ク質であると推測されるさらなる 60kDaタンパク質が出現した。結果として、素通り 画分のみを、さらなる実験の融合タンパク質の供給源として使用した。デンシトメトリー は、素通り画分の F1対 HNの濃度比が 2. 3 : 1であることを示した。このことは、ウィル スエンベロープ中の両タンパク質の比と一致した。以前の論文(Nakanishiら、 Exp. Cell Res. , 142 : 95— 101 (1982) )は、この比が HVJの効率的な融合に必要であ ると報告している。
[0080] (ウィルスベクターの調製)
3. 56mgホスファチジルコリンおよび 0. 44mgコレステロールの脂質混合物を、クロ 口ホルム中に溶解し、そしてこの脂質溶液を、ロータリーエバポレーター中で蒸発さ せた(Uchidaら、 J. Cell. Biol. 80 : 10—20 (1979) )。乾燥脂質混合物を、 0. 85% NP— 40を含む 2. 0mlの上記素通り画分からのタンパク質溶液(1. 6mg)中にボル テックスにより完全に溶解した。次いで、この溶液を 0. 3M スクロースおよび ImM KC1を含む 10 mMリン酸緩衝液 (pH7. 2)に対して透析し、 NP— 40を除去した。 透析は、毎日緩衝液を交換して 6日間実施した。この透析された溶液を、 0. 3M ス クロースおよび ImM KC1を含む 10mMリン酸緩衝液(pH5. 2)で平衡化したァガ ロースビーズ(Bio— Gel A— 50m) (Bio— Rad Laboratories, Hercules, CA, U SA)にアプライした。 540nmにおける光学的密度が 1. 5を超える画分を再構成融合 粒子として集め、そして以下に記載のように 10mg脂質力も調製された核酸充填リポ ノームと融合し、ウィルスベクターを調製した。
[0081] (ヒト HEK293株由来のトランスフエタト細胞におけるルシフェラーゼ遺伝子発現) 上記の方法で調製したウィルスベクターの遺伝子導入活性を確認するために、ヒト HEK293株およびルシフェラーゼ遺伝子を、以下のように用いた。
[0082] pCMV—ルシフェラーゼ(7. 4kb)を、 pGEM— luc (Promega Corp.、 Madison 、 WI、 USA)からのルシフェラーゼ遺伝子を、 pcDNA3 (5. 4kb) (Invitrogen、 Sa n Diego, CA、 USA)中に、 Hindlllおよび BamHI部位でクロー-ングすることに より構築した。約 40 gの pCMV—ルシフェラーゼを含むウィルスベクターを、先に記 載のように構築し、そしてこのウィルスベクター(約 1. 5 X 1011粒子 Zml、 DNA濃度 は約 40 μ g/ml)の 1Z10量( 100 1)を、ヒト 293細胞株(ヒト胎児腎臓: HEK)由 来の 2 X 105細胞とインキュベートした。 HVJリボソームを用いて、また同量のルシフエ ラーゼ DNAを 2 X 10¾EK293細胞に導入した。導入 24時間後、細胞を回収し、そ して他【こ記載のよう【こ(Saekiら、 Hum. Gene Ther. , 8 : 1965—1972 (1997) )、 ルシフェラーゼ活性アツセィを確認した。
[0083] (実施例 2:凍結融解による HVJエンベロープベクターの調製および使用)
(ウィルスベクターの調製およびその使用)
(1:凍結融解による HVJエンベロープベクターの調製)
外来遺伝子としてルシフェラーゼ遺伝子を用い、組換え HVJウィルスを様々な回数 で凍結融解した後、培養細胞に遺伝子導入した。
[0084] TE500 μ 1に、 750 μ gのルシフェラーゼ発現ベクター pcOriPLuc (Saekiおよび Kanedaら、 Human Gene Therapy、 11、 471— 479 (2000) )と様々な濃度の HVJウィルスを混合した。 HVJウィルス濃度は、 10、 25、 50、 100HAUZ 1に調製 した。この溶液を 12分割し、それぞれをドライアイスによって凍結させた後、融解する ことを最大 30回まで繰り返した。所定回数の凍結融解を終えた溶液を、 BHK— 21細 胞(24ゥエルディッシュ、 4 X 104細胞 Zディッシュ、 0. 5ml DMEM, 10%FCS)の 培地に添カ卩し、 37°C、 5%COにて 20分間反応後、 PBSにより洗浄し、新たに培養
2
液を 0. 5ml加えて 24時間培養した。
[0085] 培地を除去し、 1 X Cell Culture Lysis Reagent (Promega社) 500 1を細胞 上に加えて細胞を溶解した後、マイクロチューブに移して遠心し、得られた上清 20 1力ら、 Promega Luciierase Assay Systemと Lumat LB9501 Lummopho tometerを用いてルシフェラーゼ活性を測定した。測定は各溶液にっ 、て 3回行 、、 平均値を求めた。
[0086] この結果、組換え HVJウィルスの凍結融解の回数が増加するに従ってルシフェラー ゼ活性が上昇し、 3回の凍結融解に比べ 20回の凍結融解では 10倍以上のルシフヱ ラーゼ発現が観察された。この結果から、この実施例に用いた条件では、組換え HV Jウィルスの凍結融解の回数は好ましくは 5回以上、さらに好ましくは 15— 20回程度 であることが確認された。
[0087] (2:凍結融解により調製された HVJエンベロープベクターの遺伝子導入効率) 上記 1と同様の組換え HVJウィルスを 30回凍結融解した後、宿主細胞に添加する ウィルス数を同一条件として、細胞への遺伝子導入効率を調べた。
[0088] その結果、例えば X軸が 500HAUの場合では、ウィルス濃度 10HAUZ μ 1の溶 液の添加量は 50 μ 1であり、 100HAU/ μ 1の溶液は 5 μ 1となる。ウィルス濃度が 10 0HAU/ μ 1の溶液は 10— 50HAUZ μ 1濃度の場合に比較して遺伝子発現の効 率が約 50%低下した。この結果から、この実施例の条件では、組換えウィルス濃度 は 10— 50HAUZ μ 1の範囲とすることが好ましいことが確認された。
[0089] また、組換え HVJウィルスを 29回凍結融解した後、 30回目の凍結を行!、、その凍 結状態で 1週間保存した後、融解して細胞に添加した。その結果、この 1週間冷凍保 存した組換え HVJウィルスも、 30回の凍結融解を連続で行ったウィルスと同程度の ルシフェラーゼ遺伝子発現を示した。
[0090] (実施例 3:界面活性剤を用いる不活性ィ匕 HVJエンベロープベクター (HVJ— E)の 調製および使用)
(1 :HVJの増殖)
HVJは鶏の受精卵への種ウィルスの接種により増殖されたものが一般に使用され 得るが、サル、ヒトなどの培養細胞、培養組織へのウィルスの持続感染系(トリプシン などの加水分解酵素を培養液中に添加)を利用して増殖させたもの、クローユングさ れたウィルスゲノムを培養細胞に感染させ持続感染をおこさせて増殖させたもの、全 てが利用可能である。
[0091] 本実施例において、 HVJの増殖を以下のようにおこなった。
[0092] HVJの種ウィルスを、 SPF (Specific pathogen free)の受精卵を使って増殖さ せ分離'精製した HVJ (Z種)を細胞保存用チューブに分注し、 10% DMSOを加え て液体窒素中に保存し、調製した。
[0093] 受精直後の-ヮトリ卵を入荷し、インキュベーター(SHOWA— FURANKI P— 03 型;約 300鶏卵収容)にいれ、 36. 5°C、湿度 40%以上の条件で 10— 14日飼育した 。暗室中で、検卵器 (電球の光が口径約 1. 5cmの窓を通して出るようになつているも の)を用いて、胚の生存及び気室と漿尿膜を確認し、漿尿膜の約 5mm上方に鉛筆 でウィルス注入箇所の記しをつけた (太、、血管を除 、た場所を選定する)。ポリぺプト ン溶液(1%ポリペプトン、 0. 2% NaClを混合し、 1M NaOHで pH7. 2に調整し てオートクレープ滅菌し、 4°C保存したもの)で種ウィルス (液体窒素からとりだしたも の)を 500倍に希釈し、 4°Cにおいた。卵をイソジン及びアルコールで消毒し、ウィル ス注入箇所に千枚通しで小孔をあけ、希釈した種ウィルス 0. 1mlを 26ゲージの針付 き lmlシリンジを用いて、漿尿腔内に入るように注入した。溶力したパラフィン (融点 5 0— 52°C)をパスツールピペットを用いて孔の上に置きこれをふさいだ。卵をインキュ ベータ一にいれ、 36. 5°C、湿度 40%以上の条件で 3日飼育した。次に、接種卵を 一晩 4°Cにおいた。翌日、卵の気室部分をピンセットで割り、 18ゲージの針を付けた 10mlシリンジを漿尿膜の中にいれて、漿尿液を吸引し、滅菌ボトルに集め、 4°Cに保 存した。
[0094] (2 :HVJの精製)
HVJは、遠心分離による精製方法、カラムによる精製方法、または当該分野におい て公知のその他の精製方法によって、精製され得る。
(2. 1 :遠心分離による精製方法)
手短には、増殖させたウィルス液を回収し低速遠心で培養液や漿尿液中の組織. 細胞片を除去した。その上清を高速遠心(27, 500 X g、 30分間)とショ糖密度勾配( 30— 60%wZv)を利用した超遠心(62, 800 X g、 90分間)により精製した。精製の 間にウィルスをできるだけ穏和に扱い、 4°Cで保存することに注意すべきである。
[0095] 本実施例において、具体的には、以下の方法によって HVJを精製した。
[0096] HVJ含有漿尿液 (HVJ含有の-ヮトリ卵の漿尿液を集め 4°Cにて保存)の約 100m 1を広口の駒込ピペットで 50mlの遠心チューブ 2本に入れ(Saeki, Y. ,および Kan eda, Y: Protein modinea liposomes (HVJ— liposomes) for the delivery of genes, oligonucleotides and proteins. Cell Biology ; A laboratory handbook (第 2版) J. E. Celis編(Academic Press Inc. , SanDiego)第 4卷、 1 27— 135、 1998を参照のこと)、低速遠心機で 3000rpm、 10分、 4。Cで遠心し(ブ レーキはオフ)、卵の組織片を除去した。
[0097] 遠心後、上清を 35ml遠心チューブ 4本(高速遠心用)に分注し、アングルローター で 27, OOOg, 30分遠心した(アクセル、ブレーキはオン)。上清を除き、沈殿に BSS (10mM Tris— HCl(pH7. 5)、 137mM NaCl、 5. 4mM KC1 ;オートクレーブ し、 4°C保存)(BSSのかわりに PBSでも可能)をチューブ当たり約 5mlカ卩え、そのまま 4°Cでー晚静置した。広口の駒込ピペットでゆるやかにピペッティングして沈殿をほぐ し 1本のチューブに集め、同様にアングルローターで 27, OOOg, 30分遠心した。上 清をのぞき沈殿に BSS約 10mlをカ卩え、同様に 4°Cでー晚静置した。広口の駒込ピぺ ットでゆるやかにピペッティングして沈殿をほぐし、低速遠心機で 3000rpm, 10分、 4°Cで遠心し (ブレーキはオフ)、除ききれな力つた組織片ゃウィルスの凝集塊をのぞ V、た。上清を新 、滅菌済みチューブに入れ精製ウィルスとして 4°Cで保存する。 [0098] このウィルス液 0. 1ml〖こ BSSを 0. 9ml加え、分光光度計で 540nmの吸収を測定し 、ウィルス力価を赤血球凝集活性 (HAU)に換算した。 540nmの吸収値 1がほぼ 15 , OOOHAUに相当した。 HAUは融合活性とほぼ比例すると考えられる。また実際に -ヮトリ赤血球液 (0. 5%)を用いて、赤血球凝集活性を測定してもよ!/ヽ(動物細胞利 用実用化マニュアル、 REALIZE INC. (内田、大石、古沢編集) P259— 268、 19 84を参照のこと)。
[0099] さらにショ糖密度勾配を用いた HVJの精製も必要に応じて行い得る。具体的には、 ウィルス懸濁液を 60%、 30%のショ糖溶液 (オートクレーブ滅菌)を重層した遠心チ ユーブにのせ、 62, 800 X gで 120分間密度勾配遠心を行う。遠心後、 60%ショ糖 溶液層上にみられるバンドを回収する。回収したウィルス懸濁液を BSSもしくは PBS を外液として 4°Cで透析を一晩行い、ショ糖を除去する。すぐに使用しない場合は、ゥ ィルス懸濁液にグリセロール(オートクレーブ滅菌)と 0. 5M EDTA液(オートクレー ブ滅菌)をそれぞれ最終濃度が 10%と 2— 10mMになるように加えて- 80°Cで穏ゃ かに凍結し、最終的に液体窒素中で保存する(凍結保存はグリセロールと 0. 5M E DTA液の代わりに 10mM DMSOでも可能)。
(2. 2 :カラムおよび限外濾過による精製方法)
遠心分離による精製方法に代えて、カラムによる HVJの精製も本発明に適用可能 である。
[0100] 手短には、分子量カットオフが 50, 000のフィルターによる限外濾過による濃縮 (約 10倍)とイオン交換クロマトグラフィー(0. 3M— 1M NaCl)による溶出を用いて精製 した。
[0101] 具体的には、本実施例において、以下の方法を使用して、 HVJをカラムによって精 製した。
[0102] 漿尿液を採集した後、 80 m— 10 mのメンブランフィルターにてろ過した。 0. 0 06-0. 008% BPL (最終濃度)を漿尿液に加え (4°C、 1時間)、 HVJを不活性ィ匕 した。漿尿液を 37°C、 2時間インキュベートすることによって、 BPLを不活性ィ匕した。
[0103] 500KMWCO (A/G Technology、 Needham、 Massachusetts)を用いたタ ンジェンシャルフロー限外ろ過法により約 10倍濃縮した。緩衝液として、 50mM Na Cl、 ImM MgCl、 2%マン-トール、 20mM Tris (pH 7. 5)を用いた。 HAUァ
2
ッセィにより、ほぼ 100%の HVJ回収率であり優れた結果がえられた。
[0104] QSepharoseFF (アマシャムファノレマシアバイオテク KK、 Tokyo)によるカラムクロ マトグラフィ一法(緩衝液: 20mM TrisHCl (pH7. 5)、0. 2— 1M NaCl)で HVJ を精製した。 40— 50%の回収率であり、純度は 99%以上であった。
[0105] 500KMWCO (A/G Technology)を用いたタンジェンシャルフロー限外ろ過法 により HVJの画分を濃縮した。
[0106] (3 :HVJの不活性化)
HVJの不活性ィ匕が必要な場合、以下に記載するように、紫外線照射またはアルキ ル化剤処理により行った。
[0107] (3. 1 :紫外線照射法)
HVJ懸濁液 lmlを 30mm径のシャーレにとり、 99または 198ミリジュール Zcm2を 照射した。ガンマ一線照射も利用可能である(5— 20グレイ)が完全な不活性ィ匕がお こらない。
[0108] (3. 2 :アルキル化剤による処理)
使用直前に、 10mM KH PO中に 0. 01% j8—プロピオラタトンの調製をした。
2
作業中は低温下に保ち素早く作業を行った。
[0109] 精製直後の HVJの懸濁液に最終 0. 01%になるように β プロピオラタトンを添カロし 、氷上で 60分間でインキュベートした。その後 2時間、 37°Cでインキュベートした。ェ ッペンドルフチューブにチューブあたり 10, 000HAU分ずつ分注し、 15, 000rpm、 15分遠心し、沈殿を - 20°Cで保存する。上記の不活性化法によらず、沈殿を - 20°C で保存せず、そのまま界面活性剤処理により DNAを取り込ませ、ベクターを作成す ることち可會である。
[0110] (4 :HVJエンベロープベクターの作成)
保存してあった HVJに外来 DNA200— 800 μ gを含む溶液 92 μ 1を加えてピぺッ ティングでよく懸濁した。この溶液は、 20°Cで、少なくとも、 3ヶ月保存可能である。 HVJとの混合前に DNAに硫酸プロタミンを添加すると、発現効率が 2倍以上増強し [0111] この混合液を氷上に 1分間置き、ォクチルダルコシド(10%)を 8 μ 1加えて 15秒氷 上でチューブを振盪し、 45秒氷上に静置した。界面活性剤での処理時間は、 1一 5 分間が好ましい。ォクチルダルコシド以外に、 Triton— X100 (t—ォクチルフエノキシ ポリエトキシエタノール)、 CHAPS (3— [ (3—コラミドプロピル) ジメチルアンモ-ォ] —1 プロパンスルホン酸)、 NP— 40 (ノユルフェノキシポリエトキシエタノール)などの 界面活性剤も使用し得る。 Triton— X100、 NP— 40および CHAPSの好ましい最終 濃度は、それぞれ、 0. 24—0. 80%, 0. 04—0. 12%および 1. 2—2. 0%である。
[0112] 冷 BSSを lml添カ卩し、すぐ〖こ 15, OOOrpmで 15分遠心した。生じた沈殿に PBSま たは生理食塩水などを 300 1カ卩えて、ボルテックス、ピペッティングで懸濁した。懸 濁液は直接遺伝子導入に使用することも、 20°Cで保存後に遺伝子導入に使用す ることも可能である。この HVJエンベロープベクターは、少なくとも 2ヶ月間の保存後、 同程度の遺伝子導入効率を維持した。
[0113] (5 : HVJエンベロープベクターによる細胞内への遺伝子導入)
(遺伝子導入方法)
1, 000HAU分をエツペンドルフチューブにとり(30 μ 1)、硫酸プロタミン(lmgZm 1) 5 1を加えた。 BHK— 21細胞(前曰に、ゥエルあたり 200, 000個で、 6つのゥエル にまいたもの)の培地を交換し、 1ゥエルあたり 0. 5mlの培地(10%FCS— DMEM) を添カ卩した。各ゥエルに、上記のベクター(1, 000HAU相当)と硫酸プロタミンの混 合液を加え、プレートを前後左右にふってベクターと細胞を良く混ぜ合わせ、 37°Cで 、 5%COインキュベータ一中に 10分間放置した。
2
[0114] 培地交換し、 37°Cで、 5%COインキュベータ一中でオーバーナイト(16hr— 24hr
2
)放置し、遺伝子発現を調べた。ルシフェラーゼ (pcLuci;CMVプロモーターを有す るルシフェラーゼ遺伝子)の場合は、 Cell Lysis Buffer (Promega) O. 5mlで細 胞を溶解し、その 20 μ 1溶液中の活性をルシフェラーゼアツセィキット(Promega)を 用いて測定した。グリーン蛍光タンパク質 (pCMV— GFPE ;Promega)の場合は、そ のまま蛍光顕微鏡で観察し、 400倍率で 5— 8視野を観察し、蛍光を発する細胞の割 合を算出した。
[0115] (実施例 4 :リボソームベクターの調製および使用) (リボソームベクターの調製)
本発明のリボソームベクターを、 20— 24 ;z gの cDNAライブラリー由来の cDNAと、 24—72 μ 1の lipofect AMINE 2000 (リポフエクタミン 2000 (Invitrogen life technologies (Carlsbad, California 92008))試薬をそれぞれ 1. 2mlの無血清培地に 希釈し、速やかに混合し、 20分間常温でインキュベートすることにより、リボソームと 核酸との複合体を形成する。
[0116] (リボソームベクターによるトランスフエクシヨン)
宿主細胞を、適切な培地とともに、 96ゥエルプレートの各ゥエルに添カ卩し、培養する 。血清存在下でトランスフエクシヨンする場合、複合体 12. 5 1を 96ゥエルプレートの 各ゥエルに直接添加し混合する。血清非存在下でトランスフエクシヨンする場合は複 合体を添加する前に血清を含んだ培地を除去し、血清を含まな 、培地に交換する。
4一 12時間 COインキュベーターで培養後、培地交換を行う。所定の時間の培養
2
後、アツセィを行う。
[0117] (実施例 5:種々の界面活性剤を用いて調製した物質導入デバイスを用いる遺伝子 導入)
以下の方法を用いて、固相に所望の核酸を含む HVJ— Eベクターを固定ィ匕すること により、物質導入デバイスを調製した。
[0118] (細胞、プラスミド DNAおよび HVJ— Eの調製)
BHK- 21細胞(babyhamster kidney cell)は、アメリカンタイプカルチャーコレクション (ATCC, Rockville, MD)より購入した。細胞を、 10%FBSを添カ卩したダルベッコ改変 イーグル培地で培養した。トランスフエクシヨン効率を評価するために、ルシフェラー ゼ発現べクタ一である pGL3(Promega)を用いた。プラスミドは、 Qiagenカラム (Hilden,ド イツ)を用いて調製した。 HVJウィルスを、増幅し、そして HVJ— Eベクターを実施例 3 に記載のように調製した。
[0119] (核酸を含む HVJ- Eの調製)
16. 7HAUの HVJ— Eを、 15000g、 15分、 4。Cで遠心した。上清除去後、 1. 33 g (0. 67 μ 1)の pGL3プラスミド溶液に懸淘し、さらに、 49. 33 μ 1の PBS (—)を添カロ した。この混合物を 96ウェルマイクロタイタ一プレートの 1ゥエルに添カ卩し、図 1、 2に 示した 15 1の界面活性剤を混合物に添加した。混合物を 15分間インキュベートし、 次に、 0. 21mgZmlの硫酸プロタミン(PBS (—)中に溶解) 85 μ 1を添カ卩した。このプ レートを、 3000rpm (1643 X g)、 30分、 4°C、遠心分離機にかけ、さらに 4°C、ォー バーナイトでインキュベートした。
[0120] (トランスフエクシヨン)
トランフエクシヨンのために、上記で調製した核酸を含むベクターを添加したプレート のゥエルの中の上清 80 1を除去し、 2. 5 X 104細胞を添カ卩後、 lOOOrpmで 30分間 、 32°Cで 2回遠心分離機にかけた。細胞を、 10%FBSを補充した培地を用い、 34°C 、オーバーナイトで培養した。ルシフェラーゼ活性を、ルシフェラーゼアツセィキット(P romega)を用いて検出し、そして蛍光強度をイメージリーダー ARVOmx(Wallac)で検 出した。その結果を図 1、および図 2に示す。
[0121] 図 1に示すように、ドデシルマルトシド、ォクチルダルコシド、およびジギトニンの各 々を用いた場合、ルシフェラーゼ活性が検出された。活性の強度は、ドデシルマルト シドが最も強ぐ次にォクチルダルコシドが強ぐジギトニンが最も弱力つた。
[0122] 図 2に示すように、ォクチルダルコシド、ォクチルマルトシド、デシルマルトシド、ドデ シルマルトシド、ジギトニン、および Triton— Xを用いた。ォクチルダルコシド、ォクチ ルマルトシド、デシルマルトシド、ドデシルマルトシド、およびジギトニンを用いた場合 、ルシフェラーゼ活性が検出された。これに対して、 Triton— Xを用いた場合、ルシフ エラーゼ活性が検出されなカゝつた。この結果から、遺伝子導入のためには、界面活性 剤が糖部分を有することが必要であると考えられる。これに対して、疎水性部分は、 アルキル基であってもステロイドであっても、遺伝子導入活性が確認されたことから、 疎水性部分に必須の構造的特徴はないと考えられる。しかし、疎水性部分がアルキ ル基の場合は、ステロイドの場合よりも、高い遺伝子導入効率をもたらした。疎水性部 分力 式 (CH ) n-CHで表されるアルキル基の場合、 n= 7— 11の場合に、高い
2 3
遺伝子導入効率がもたらされた。最も遺伝子導入効率が高カゝつたのは、 n= 9の場合 であった。また、使用した個々の界面活性剤の中で、活性の強い順番は、デシルマ ルトシド、ドデシルマルトシド、ォクチルマルトシド、ォクチルダルコシド、ジギトニンで めつに。 [0123] 図 1に関して CMC以下の濃度について検討を行った。この方法において有効な界 面活性剤はドデシルマルトシドであり、 1Z4CMCにおいてピークが見られた。そこで 図 2において、図 1で設定された 1Z4CMCにおいて類以の界面活性剤を検討した 。ォクチルダルコシド、ジギトニンについては細胞毒性が観察されたのでその効果が 最小である濃度を選んだ。また、従来法との比較を行うために TritonX-100は従来 法で使用して 、た濃度を用 、た。
[0124] (実施例 6:種々の界面活性剤を用いて調製した物質導入デバイスを用いる遺伝子 導入)
全体として 4208HAUの HVJ-Eを、 15000g、 15分間、 4°Cで遠心した。上清を除去し た後、 2mg/mlの pGL3 (167.8 1)を添カ卩して、ベクターを懸濁した。 4.05mlの PBS (-)を 混合物に添カ卩し、そして 16.7 iu lのpGL3/HVJ-E/PBS混合液を、 96オートデイスペン サーマシン (ADS-384、 Biotech)を用いて、 96ゥエルプレートの各ゥエルに分注した (HVJ— E:16.7HAU/ゥエル、 pGL3:1.33ug/ゥエル)。 96ゥエルの各々に 0. 01%のドデ シルマルトシドを、 5 1/ゥエルになるように添カ卩した。プレートを 15分間インキュベー トし、次に 22.3 μ 1/ゥエルになるように PBS (-)を添カ卩し、そして 6.0 μ 1/ゥエルになるよう に、 lmg/ml硫酸プロタミン/ PBS (-)を添カ卩した。溶液をプレートに添カ卩し、そのプレー トを 3000rpm、 30分間、 4°Cで遠心分離機にかけ、さらに 4°C、オーバーナイトでイン キュペートした。
[0125] トランスフエクシヨンのために 1. 67 X 10e5 cel lsZmlの細胞溶液を調製し、 96 オートディスペンサーマシン (ADS— 384、 Biotech)を用いて、上記で調製した核酸 を含むベクターを添カ卩したプレートに 2. 5 104細胞(150 1)を添加し、 lOOOrpm で 30分間、 32°Cで 2回遠心分離機にかけた。細胞を、 10%FBSを補充した培地を 用い、 34°C、オーバーナイトで培養した。ルシフェラーゼ活性を、ルシフェラーゼアツ セィキット (Promega)を用いて検出し、そして蛍光強度をイメージリーダー
ARVOmx(Wallac)で検出した。その結果を図 3、および図 4に示す。
[0126] 図 3に示すように、本発明の遺伝子導入方法は、高い再現性を示した。蛍光強度( RU)の平均値は、 2080518、および 1667747であり、標準偏差は、 377928. 9お よび 324477であった。相対標準偏差 (C.V.%)は、 18. 2%および 19. 5%であり、 本発明の再現性の高さが数値で示されて 、る(図 4Aおよび B)。
[0127] (実施例 7 :種々のタンパク質でコートした固相を用いた場合の、遺伝子導入効率) 全体として 20995HAUの HVJ— Eを、 15000g、 15分、 4。Cで遠心した。上清除去 後、 2mgZmlの pGL3プラスミド溶液 157 1でベクターを懸濁した。 1% TritonX —100を 47. 1 μ 1添加し、 15000g、 15分、 4。Cで遠心した。上清除去後、 1662. 4 μ 1の PBS (-)でベクターを懸濁し、 lmgZmlの硫酸プロタミン(PBS (-)中に溶解) 237. 5 1を添加した。次に、 6. 1mlの PBS (—)を添カ卩し、この溶液を図 5に示した 2 4ゥエルプレートの各々に添カ卩した(200 1/ゥエル)。プレートを、 3000rpm (164 3 X g)、 30分、 4°C、遠心分離機にかけ、さらに 4°C、オーバーナイトでインキュベート した。
[0128] トランスフエクシヨンのために、上記で調製した核酸を含むベクターを添カ卩したプレ 一トのゥエル中の上清を 100 1除去し、 2. 5 X 10e5細胞(lml)を添加後、 1000r pmで 30分間、 32°Cで 2回遠心分離機にかけた。細胞を、 10%FBSを補充した培地 を用い、 34°C、オーバーナイトで培養した。ルシフェラーゼ活性を、ルシフェラーゼァ ッセィキット (Promega)を用 、て検出し、そして蛍光強度をイメージリーダー
ARVOmx(Wallac)で検出した。
[0129] 図 5に示すプレートを用いた。各プレートのコーティングは、以下のとおりである: Corning:コーティングなし(コ一-ング社製)、
SUMILON:コーティングなし(住友ベークライト社製)、
PLL:ポリ Lリシンコーティング (住友ベークライト社製)、
Gelatin:ゼラチンコーティング (住友ベークライト社製)、
C— 1:コラーゲン 1コーティング (住友ベークライト社製)、
B.D.:コーティングなし (BDバイオサイエンス社製)、
PLO/LM:ポリ Lオル-チン Zラミニンコーティング(BDバイオサイエンス社製)、
PDL/LM:ポリ Dリジン Zラミニンコーティング(BDバイオサイエンス社製)、
Laminin:コーティング(BDバイオサイエンス社製)、
C—1:コラーゲン 1コーティング(BDバイオサイエンス社製)、
C 4:コラーゲン 4コーティング(BDバイオサイエンス社製)、および Fibronectin:フイブロネクチンコーティング(BDバイオサイエンス社製)。
[0130] 図 5に示されるように、フイブロネクチンでコートしたプレートを用いた場合に、遺伝 子導入効率が最も高カゝつた。
[0131] (実施例 8 : HVJへの所望の物質の封入効率の改良)
上記実施例においては、 HVJへの従来封入ェンハンサ一には硫酸プロタミン (PS) を用いていたが、本実施例においては、 PSの代わりにポリエチレンィミン(PEI)を用 いた。その結果、 PSと比較して、(1)細胞への生体高分子導入効率の上昇、(2)細 胞汎用性の拡大、が実証された。また、 PEIは直鎖型と分岐型があるが、(1)直鎖型 の方が幅広い濃度で高い導入効率が維持される、(2)直鎖型の方が細胞毒性が低 い、ことが実証された。その結果を以下に示す。
[0132] カチォニックポリマーとして知られる PEIは直鎖型と分岐型が存在する。今回は分 子量の異なるものを直鎖型 (PEI— L)と分岐型 (PEI-B)それぞれ 2種類ずつ、計 4種 類の PEIを用いた。直鎖型の PEIの構造は、 [NH— CH— CH ]—として示され (X
2 2
は任意の整数)、本実施例においては、分子量 2. 5kDaの PEI— L (PEI— L 2. 5K) と 25kDaの PEI— L (PEI— L 25K)を使用した。分岐型 PEIは、 [NH— CH— CH
2 2
] ~[N (CH CH— NH )— CH—CH ]一として示され (yおよび zは任意の整数)、 y 2 2 2 2 2 z
本実施例においては、分子量 25kDa (PEI— B 25K)の PEI— Bと 750kDaの PEI— B (PEI-B 750K)を使用した。
[0133] BAEC細胞に対して、上記実施例 6の方法を以下のとおりに改変し、そして、 PSを 使用した代わりに、 PEIを用いた。具体的には、以下のとおりである。
[0134] HVJ— Eを 96ゥエルプレートの 1ゥエルあたり 4. 5HAUを添カ卩するために、 15000g 、 15分間、 4°Cにて遠心した。上清を除去した後、適量の HBSS (Hank' s Balance d Salt Solution;ハンクス平衡塩溶液)中に懸濁し、 5 1(4. 5HAU)の HVJ— Ε ZHBSS混合液を 96オートディスペンサーマシンで 96ゥエルプレートの各ゥエルに 分注した。 96ゥエルの各々に DNA溶液(0. 25mg/mL pEGFP— C1を 5 lZゥ エル)添カ卩して、混合した。その後、 96ゥエルの各々に 0. 01%ドデシルマルトシドを 3 1/ゥエル添カ卩し、混合してプレートを 15分間インキュベートした。次に、 PEIを 12 ΐΖゥエル (使用する細胞、生体高分子により、濃度 ·種類が異なる)で添加し、混合 後に、 HBSSを 25 μ 1Ζゥエル添加し、混合した。そのプレートを 3000rpm、 30分間 、 4°Cで遠心分離機にかけ、さらに、 4°C、オーバーナイトでインキュベートした。
[0135] トランスフエクシヨンのために、 6. 7 X 104細胞 Zmlの BACE細胞溶液を調製し、 9 6オートディスペンサーマシンを用いて、上記で調製した核酸を含むベクターを添カロ したプレートに I X 104細胞(150 1)を添カ卩し、 lOOOrpmで 30分間、 32°Cで 2回遠 心分離機にかけた。細胞を、 10%FBSを補充した培地を用い、 34°C、 50時間で培 養した。ルシフェラーゼ活性を、ルシフェラーゼアツセィキット(Promega)を用いて検 出し、そして蛍光強度をイメージリーダー ARVOmx(Wallac)で検出した。その結果を 図 8、および図 9に示す。
[0136] 図 8に示されるように、今回使用した全ての PEIにおいて PSを用いた場合よりも細胞 に対するプラスミド DNAの導入効率が向上した。さらに、図 9に示されるように、 PSを 用いた場合には検出可能な遺伝子導入ができなカゝつた GB— 1細胞および SK— BR— 3細胞に対する遺伝子導入も実証された。また、 PEIを用いると、浮遊細胞への遺伝 子導入も同様に高効率である。
[0137] 次に、上記条件において 4種類の PEIを用いた遺伝子導入効率を比較した。その 結果を図 10に示す。 PEIを HVJ— Eと用いる場合、 BAEC細胞では PEI— L 25Kが 最も適することが実証された。細胞によって最適な PEIの種類は異なる。 PEI— L (直 鎖型)を用いた場合、高い導入効率を示す PEI濃度の幅が広ぐ PEI— B (分岐型)を 用いた場合は高い導入効率を示す濃度範囲の幅が狭力つた。他の細胞でも同様の 傾向が見られる。
[0138] 次に、 PEI 4種類を用いた細胞毒性を比較した。具体的には、 BAEC細胞を 76時 間培養した際の、細胞増殖に対する各種 PEIの影響を測定した。その結果、図 11に 示されるように、 HVJ— Eと用いる場合、 PEI— Lと比較して PEI— Bの方が細胞に対す る毒性が強力つた。 PEIの分子量が大きくなるに従って細胞毒性が強くなつた。 PEI- Lも PEI— Bも細胞毒性が表れる限界の濃度付近において最も導入効率が高くなつた 。このことは他の細胞でも同様の傾向が見られる。
[0139] (実施例 9 :凍結乾燥プロトコール)
様々な物質を細胞に導入することのできるウィルスベクターは、病因の解明、創薬 を行う上で非常に有効である。そのため、特に、導入物質を封入したウィルスベクタ 一を長期にわたり保存した後、安定に効率良く細胞に導入する必要がある。長期保 存によって、効率を保持する技術が必要となる。そこで、本発明により、以下のように 、長期保存による活性保持を達成する。
(凍結乾燥プロトコール)
遺伝子(レポーター遺伝子)等を封入したウィルスベクター (HVJ-E)を 96穴プレー トの各ゥ ル中で凍結乾燥し、各条件に従い保存を行った。その後、保存していたプ レートの各ゥエルに細胞を分注することで、細胞に遺伝子等を導入した。細胞内で発 現されたレポーター遺伝子を指標に、凍結乾燥を施した HVJ— Eの安定試験をレポ 一ターアツセィ (ルシフェラーゼアツセィ)によって測定した。例示的なプロトコールは 、以下のとおりである。
1、ウィルスベクターを蒸留水で懸濁する。
2、 自動封入装置(ADS384 (装置名: Multistage Dispense Station ADS— 3 84-8、製造業者:バイオテック株式会社 (東京)))にて DNAまたは siRNA (他に、 R NA、抗体、ペプチド、機能性タンパク質、糖鎖、脂質、半導体もしくはその複合体) を界面活性剤ドデシルマルトシド (他にトライトン X— 100等)と共にウィルスベクター懸 濁液をプレート上(プレートコーティングの種類:フイブロネクチン、コラーゲン I、コラ 一ゲン IV、組織培養処置、ゼラチン、ポリ Dリシン、ラミニン、ポリ Lオル-チン)で混合 する。
3、安定化剤(トレハロース、マルトース、ラフイノース、フルクトース、スクロース、グル コース、ラタトース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、メチノレセルロース、 グリシン、マン-トール、ジメチルスルホォキシド(DMSO)またはこれらの混合物から なる群力も選択される物質が挙げられるが、これらに限定されない。安定化剤として は、好ましくはトレハロース、マルトース、ラフイノース、フルクトースまたはこれらの混 合物が挙げられる。)を添加し、 3000回転で遠心を行う。
4、凍結乾燥プログラムに従!、真空凍結乾燥装置 (FTS社)を用いて凍結乾燥を行う
5、凍結乾燥済みのプレートを脱酸素剤と乾燥剤 (近江化学)と共にポリエチレン製の 袋に密封し、さらにアルミパックに密封し、各温度で保存を行う。
6、保存後、レポーターアツセィ (ルシフェラーゼアツセィ(プロメガ社))により活性 (R LU)をプレートリーダー(パーキンエルマ一社)で測定することで評価を行った。
[0141] その際、安定化剤の種類と濃度、保存温度、保存期間の条件を設定し評価を行つ た。
[0142] (凍結乾燥プレートの作製)
ゥエルあたり 14. 4HAUの HVJ— E、および 0. 25 gのプラスミドを含有する凍結 乾燥プレートを、以下の手順で作製した。
[0143] 15000g、 15分間、 4°Cにて HVJ— Eを遠心し、上清を除去した。蒸留水にて懸濁し て、 HVJ— E懸濁液とした。そして、以後の操作を、 ADS384装置を用いて、自動化 にて行った。
[0144] HVJ— E懸濁液(14. 4HAU)を 96ゥエルのマイクロタイタープレートの各ゥエルに、 添カ卩した(5 μ 1 /ウエノレ;)。そして、 0. 25 μ g( DNA (0. 05mg/mlの濃度で、 5 μ 1 )を含む溶液を添加し、混合した。ドデシルマルトシド (0. 01%を 3Z10倍量;本実施 例では、 3 1)を添加し、混合した。次に、硫酸プロタミン (0. 125mgZml濃度で 12 1;本実施例では、 1. 5 gZゥエル)を添加し、混合した。次に、種々の安定化剤 を示された濃度で添加し、混合した。本実施例では、実際には、 5 1添加した。トレ ハロースの場合には、 3%溶液を 5 1添加して、最終濃度を 0. 5%とした。真空凍結 乾燥装置 FTS (FTS Systems, Inc. 3538 Main Street, P. O. Boxl58 Sto neRidge, NY 12484 USA)にて、プレートを凍結乾燥した。
[0145] (1.凍結乾燥化による安定性)
安定化剤であるトレハロース (濃度: 0. 5%)を用いて、 pGL3プラスミドの BHK細胞 への導入効率を、凍結乾燥しない場合と、凍結乾燥した後とで、比較した。その結果 、図 12に示すように、凍結乾燥未処理の標本と凍結乾燥で処理された標本を、ルシ フェラーゼ活性 (RLU)によって比較すると、凍結乾燥 ·保存処理によってほとんど劣 化してな力つた。このことから、凍結乾燥は長期保存の安定性に有効であることが示 された。
[0146] (2.保存温度と期間についての試験) 2. 5 gのプラスミド pGL3、 14. 4HAUの HVJ— E :JP49、および 0. 5%のトレハロ ースを用い、種々の保存温度および保存期間の後、 2. 5 X 104個の BHK細胞への 遺伝子導入を行い 24時間、 34°Cで培養し、遺伝子導入効率を測定した。保存温度 を、—80度、—20度、 4度、 25度(60%Rh)とし、保存期間を 1ヶ月、および 6ヶ月とし た。その結果、図 13に示されるように、 6ヶ月間各温度で保存しても、ルシフェラーゼ 活性 (RLU)が全く劣化しな力つた。このことから、凍結乾燥によって保存温度に関わ らず長期に渡り安定に保存できることが示された。
[0147] (3.安定化剤と保存期間についての試験)
安定化剤の種類として、トレハロース、およびマルトースを用いた。その結果、図 14 に示されるように、 6ヶ月保存した場合であっても、安定化剤添加していれば十分導 入活性を保持していることが実証された。 6ヶ月の— 20度保存で 0. 5%安定剤を用い ることで、活性を 70倍以上保持できた。
[0148] (4.安定化剤についての試験)
種々の安定化剤(トレハロース、マルトース、ラフイノース、フルクトース)を、種々の 濃度 (0. 03%から 1. 5%)で用いて、 20°Cでの 1ヶ月保存での保存安定性を評価 した。その安定化剤についての評価は、凍結乾燥前の標本濃度を 0. 03%から 1. 5 %で行った。その結果を、図 15に示す。
[0149] それぞれの安定化剤において、 0. 001%から 3%の濃度が好ましいが、特に以下 の濃度が好ましかった。
[0150] 濃度 (%)
卜レノヽロース 0. 1 - 0. 25
マルトース 0. 1 — 0. 25
ラフイノース 0. 03 0. 13
フノレクトース 0. 1 — 0. 5
(5.本発明の安定ィ匕によって提供される均一な安定性)
96ゥエル全てに同じ標本を分注したプレートに対し凍結乾燥を行 、、細胞に導入し 、各プレート内の標本全てに対しグラフを作成し、その結果を図 16に示した。図 16に 示されるように、 20°Cでの 1ヶ月保存であっても、 80°Cでの 1ヶ月保存であっても、 96ゥエルの標本にぉ 、てほぼ等し 、ルシフェラーゼ活性を得た。この結果に示され るように、ゥエル間における凍結乾燥による差はほとんどなぐ創薬や臨床開発に問 題なく使用できることが実証された。
[0151] (6. DNA以外の導入物質例)
siRNAを用い、凍結乾燥'保存したプレートでの遺伝子導入の活性の保持を検討 した。 siRNA(lOpmol)を封入したウィルスベクター(14. 4HAU)をフイブロネクチ ンプレート(Human Fibronectin Cellware 96— well Plate (ベタトンデッキンソ ン社))上で凍結乾燥し、 1力月保存後、レポーターアツセィを行った。細胞として、 2. 5 X 104個の BHK細胞を用いた。
[0152] この実験では、 siRNA(pGL2に対する siRNA)および pGL2 (ホタルルシフェラー ゼ遺伝子をコードするプラスミド、プロメガ社)を用いた。レポーターアツセィは、 Dual — Glo Luciferase Assay System (プロメガ社)を用いた。その結果、図 17に示さ れるように、—20度一 25度での保存において発現抑制活性が保持された。図 18は、 図 17の実験と同様の条件を用いて、プレート調製直後と- 20°Cでの 1ヶ月保存後の 各々について、遺伝子抑制活性を Y軸に示したグラフである。 siRNAのターゲット遺 伝子に対する抑制効果そのものに対して、凍結乾燥による劣化はみられな力つた。こ の結果から、 siRNAを含む HVJ— Eを長期保存できることが実証された。
[0153] (7.固相化用プレートの種類)
ルシフェラーゼ遺伝子を封入したウィルスベクター(14. 4HAU)を各種プレートに 凍結乾燥し、レポーターアツセィを行った。プレートとして、コラーゲン処理 96ゥエル プレート(ベタトンデッキンソン社製)、フイブロネクチン処理 96ゥエルプレート(ベタトン デッキンソン社製)、組織培養処理 96ゥエルプレート(ベタトンデッキンソン社製)の 3 種類を用いた。細胞として、 2. 5 X 104個の BHK細胞を用いた。その結果、図 19に 示されるように、いずれのプレートでもルシフェラーゼ活性が得られた。保存後の活性 は、コラーゲン処理 96ゥエルプレート、フイブロネクチン処理 96ゥエルプレート、組織 培養処理 96ゥエルプレートの順に高かった。
[0154] (実施例 10 :凍結乾燥法の応用)
遺伝子を細胞に導入することのできる従来の遺伝子導入剤は、幾つかのステップを 踏み、細胞に遺伝子を導入するものであった。さらに、遺伝子を混ぜた遺伝子導入 剤は、長期にわたる保存が効力な力つた。そのため、長期にわたり保存した後、安定 に効率良く簡便に細胞に導入することが可能な遺伝子導入用アレイ ·装置の開発が 望まれる。本発明はウィルスベクターを固相化したプレート上に所望の遺伝子を滴下 し、細胞を播種することで細胞導入を行う、今までには無い画期的な簡単明瞭な操 作のみで遺伝導入を行うことを可能にする。
[0155] (1.本実施例のプレートの調製および使用)
本実施例のプレートは、好ましくは、以下の手順 (A)によって、調製される。このプ レートは、好ましくは、以下の手順 (B)のように使用される。また、その評価は、例えば 、手順 (C)のように行われる。
[0156] (A.プレートの調製)
本実施例のプレートを以下のように調製する。
1、ウィルスベクターを蒸留水で懸濁する。
2、 自動封入装置 (ADS384)にて硫酸プロタミンと共にウィルスベクター懸濁液を、プ レート上(プレートコーティングの種類:フイブロネクチン、コラーゲン I、コラーゲン IV、 組織培養処理、ゼラチン、ポリ Dリシン、ラミニン、ポリ Lオル二チンのうちの一つまた は、これらを混合したもの。好ましくは、フイブロネクチン)で混合する。次に、安定ィ匕 剤(トレハロース、マノレトース、ラフイノース、フノレクトース、スクロース、グノレコース、ラタ トース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、メチノレセルロース、グリシン、マ ン-トール、ジメチルスルホォキシド(DMSO)またはこれらの混合物からなる群から 選択される物質が挙げられるが、これらに限定されない。安定化剤としては、好ましく はトレハロース、マルトース、ラフイノース、フルクトースまたはこれらの混合物が挙げら れる)を混合する。
3、 3000回転で遠心を行いプレートに固相化を行う。
4、凍結乾燥プログラムに従!、真空凍結乾燥装置 (FTS社)を用いて凍結乾燥を行う
5、凍結乾燥済みのプレートを脱酸素剤と乾燥剤 (近江化学)と共にポリエチレン製の 袋に密封し、さらにアルミパックに密封し、各温度で保存を行う。 [0157] (B.プレートの使用方法)
上記のように調製された本発明のプレートを以下のように使用する。
6、保存したプレートに対して、(細胞への遺伝子導入直前に)自動封入装置( ADS384)にて DNAまたは siRNA (他に、 RNA、抗体、ペプチド、機能性タンパク質、糖 鎖、脂質、半導体)を各ゥエルに滴下し、遺伝子をウィルスベクターに封入したのち、 細胞を播種することで、細胞への遺伝子導入を行う。
[0158] (C.遺伝子導入効率の評価)
本発明のプレートを以下のように評価する。
7、レポーターアツセィ (ルシフェラーゼアツセィ(プロメガ社))により活性をプレートリ ーダー (パーキンエルマ一社)で測定することで評価を行う。
[0159] (2.本実施例のプレートの調製および使用)
ゥエルあたり 14. 4HAUの HVJ— Eを含有する凍結乾燥プレートを、以下の手順で 作製した。
[0160] 自動封入装置(ADS384)を用いて、 96ゥエルのマイクロタイタープレートに、 14.
4HAUの HVJ— Eを添カ卩し、 15000g、 15分間、 4°Cにて遠心し、上清を除去した。 蒸留水にて懸濁して、 HVJ— E懸濁液とした。次に、硫酸プロタミン(0. 125mg/ml 濃度で 12 1)と共に、 HVJ— E懸濁液をフイブロネクチンコートしたプレート上で混合 した。次に、安定化剤(トレハロース、濃度: 0. 5%)を、混合した。プレートを、 3000回 転、 30分間、 4°Cにて遠心して、固定ィ匕した。真空凍結乾燥装置 FTSにて、プレート を凍結乾燥した。
[0161] 凍結乾燥したプレート(HVJ- Eを含む)にプラスミド pGL3- CMV(0.05mg/mL)を 5 μ 1(0.25)、 10 1(0.5)滴下した。また、コントロールとして、 HVJ- Εを含まないプレート上 のゥエルに対して、プラスミド pGL3- CMV(0.05mg/mL)を 5 μ 1(0.25)、 10 μ 1(0.5)滴下し た。その結果を、図 20に示す。横軸はプラスミド量 ( g)、縦軸はルシフェラーゼ活性 (RLU)を示す。
[0162] ウィルスベクターが無い場合、遺伝子を滴下してもルシフェラーゼ活性は全くみられ な 、が、ウィルスベクターを固相化した凍結乾燥プレートにプラスミド溶液を滴下した 場合、最大で約 40倍のルシフェラーゼ活性が、確認された。このことは、導入される 核酸を含まないプレートを保存し、核酸を導入する直前に、 HVJ - Eを含む凍結乾燥 プレートに核酸溶液を添加するだけで、高効率な遺伝子導入が可能になったことを 実証する。本発明によって、プラスミド溶液を加えるだけで行える簡便な遺伝子導入 プレートが作製され得る。
[0163] 上記方法によって作製された遺伝子導入プレートを、実施例 11一 13に記載される 方法に従って遺伝子導入に使用することができる。
[0164] (実施例 11:細胞培養用容器の固相の作製)
マイクロウェル(開口部)を備える固相としては、例えば、ガラスおよびプラスチック、 ならびに穴あき樹脂でコートしたガラスを用いることができる。マイクロウェルは、ブラ スチックまたはガラスをコートする榭脂を、金型によって作製する際に、固相に所望の 大きさおよび深さを有するマイクロウェルを形成することによって作製した。本実施例 で用いた固相の大きさは、 25.4 X 76.2mm、厚さ lmmであった。また、マイクロウェルの 深さは、 50 mであった。直径 0.4mmのゥエルを 0.1mm間隔で作製し、スポットしゃす いようにした。スライド 1枚あたり 3000— 5000のゥエルを作製した。
[0165] (実施例 12 :マイクロウェルへのサンプルの注入)
予備実験として、 LucideaArray Spotter 高集積アレイスポッター(アマシャムバイオ サイエンス社製)を用いて、 Cy3色素で標識したオリゴヌクレオチド (Cy3Zolig— 50 %DMSO Spotting Solution (カタログ # 0365—915)アマシャムバイオサイェン ス社製)を、 0.5mm間隔でスポットし、アレイスキャナで導入された Cy5を検出した。そ の結果、全ての分注が、所定のマイクロウェルに対して行われていたことが確認され た。
[0166] (実施例 13 :本願発明の細胞培養用容器内での、遺伝子導入、細胞培養、および 細胞解析)
上記の結果に基づき、多数のマイクロウェルを有する固相における遺伝子導入およ びその解析を行った。
[0167] (アレイのスポッティング)
分注装置としては、 ADS-384 (自動分注装置バイオテック製)を 96ゥエルのタイター プレートに用いて、実施例 3で調製した HVJ-Eベクターへの pEGFP- Cl(Clontech社) の封入を以下のように行った。
[0168] 4208HAUの HVJ- Eを、 15000 X g、 15分、 4°Cで遠心し、上清を除いた後、 167.8 μ 1 の 2mg/mlpEGFP- C1を添カ卩し、ベクターともに懸濁した。 4.05mlの PBS (-)を添カロし、 16.7 μ 1の pEGFP- Cl/HVJ- E/PBSを、 96自動分注装置 (ADS- 384,Biotech社)を用い て、 96ゥエルの各々に分注した (HVJ- E: 16.7HAU/ゥエル、 pEGFP- Cl:1.33 μ g/ゥェ ル)、 5 μ 1/ゥエルの量で 0.01%ドデシルマルトシドを添カ卩した。この混合物を、 15分間ィ ンキュペートし、次に 22.3 μ 1/ゥエルの PBS (-)および 6.0 μ 1/ゥエルの lmg/ml硫酸プロ タミン/ PBS (-)を添カ卩した。プレートに 96ヘッドを備えた自動分注装置 (ADS- 384, Biotech社)で、 96ゥエルプレートから 384ゥエルプレートに溶液を分注した。
Luciaeaarray spotter (Amersham Bioscience千土)を用 ヽ飞、 HVJ— Eベグタ ~~ 、 384ゥ エルプレートから 3072ゥエルを有するスライドのマイクロウェルの底部に ΙΟΟρΐΖゥェ ルずつ分注した。分注は、湿度 65%の環境下で、 0. 5mm間隔で行った。
[0169] (マイクロウエノレスライドを用いるアレイでのトランスフエクシヨン)
25.4mm X 76.2mm, 1mm厚のスライドガラス上に実施例 11のように、 3072個のマイ クロウエルを、 50 μ mの深さで作製した (8 X 16個のゥエルのクラスターを 24個)。
Lucideaァレイスポッターを用いた。 HVJ-E/プラスミド混合物をスポッティングした後。 培養培地を含む細胞懸濁液を、マイクロウェルに分注し、トランスフエクシヨンした。マ イクロウェルをサイクロポア膜 (Whatman,76mm x 25mm)で覆い、細胞培養中の交差 夾雑を防いだ。ゲルマトリクスを含むゲル化培地、カバーガラス(松浪、 60mm X 24mm )をさらに膜に重ね、膜が動かないようにした。ゲルィ匕培地は、 IA型コラーゲン (二ッタ ゼラチン)または 0. 8%ァガロースゲルを用いて調製した(図 6)。
[0170] (トランスフエクシヨン)
トランスフエクシヨンのために、 10— 100/ゥエル程度の細胞(細胞種によって異なる )を、 HVJ— Eベクターをスポッティングしたマイクロウェルに添カ卩し、サイクロポア膜お よびゲル化培地で覆った。細胞培養容器を培養培地を含む培養皿に配置した。細 胞を 24-48時間、 34°C、 5% CO存在下 (加湿)で培養した。細胞を、蛍光顕微鏡で観
2
察して、遺伝子導入および発現を確認した (IX71-22FL/PH,OLYMPUS)。その結果を 図 7に示す。図 7の左の図は、 1512個のゥエルを有する固相の写真である。その各ゥ エル内には、 HVJ— Eベクターがスポッティングされている。図の右側は、左側に示し た固相の 1ゥエルを拡大した写真である。右側上段は、可視光線にて観察した細胞 の写真である。光って見える部分は、固相開口部の底部に付着した細胞である。右 側下段は、細胞を蛍光観察した写真である。光って見える細胞は、 HVJ-Eベクター に封入された GFP発現ベクター力 発現された GFPに由来する蛍光である。図 7に 示された結果は、限界膜遮断したマイクロゥヱル内において、細胞がトランスフエクシ ヨンされ、そして外来遺伝子を発現したことが示されて!/、る。
[0171] (実施例 14 :複数種類の細胞の培養)
上記実施例で示した結果は、単一の種類の細胞を用いた結果である。本発明は、 単一種類の細胞に限定されることはなぐ複数種類の細胞にも適用可能である。例え ば、細胞を傷つけることなく分注する分注装置を用い、所望の種類の細胞を、固相上 の所望のゥ ル(開口部)に分注し、そして、さらに別の種類の細胞を、固相上の所 望のゥエルに分注することによって、複数種類の細胞に適用することが可能である。
[0172] 以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきた力 本発 明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求 の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、 本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に 基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引 用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載さ れているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであるこ とが理解される。
産業上の利用可能性
[0173] 本発明は、多数種類の細胞培養を同時にすることが可能な細胞培養用容器を提 供する。この細胞培養用容器は、遺伝子導入、細胞レベルでの導入遺伝子の解析 に用いることができる。また、本発明の容器によって、遺伝子のみならず、多種類の 所望の物質 (例えば、ペプチド、化合物、ヌクレオチドフラグメントなど)の各々を異な る細胞集団へ導入し、そして各細胞集団を培養'解析する技術も提供される。

Claims

請求の範囲
[I] 細胞および第 1の培養培地を保持し得る開口部を有する固相、ならびに該開口部を 覆う膜を備える細胞培養用容器。
[2] 前記膜が、糖、塩、アミノ酸、核酸、および有機酸からなる群から選択される物質を通 過し得る膜である、請求項 1に記載の細胞培養用容器。
[3] 請求項 1に記載の細胞培養用容器であって、ここで、前記固相は少なくとも 2つの開 口部を備え、そして、該少なくとも 2つの開口部中の第 1の開口部中に保持された細 胞の、該第 1の開口部以外の開口部への移動は、前記膜によって妨げられる、容器
[4] 請求項 1に記載の細胞培養用容器であって、ここで前記容器は、さらに、第 2の培養 培地を備え、ここで、該第 2の培養培地は、前記開口部と接していない前記膜の表面 に接する、容器。
[5] 前記第 2の培養培地が、ゲル化培地である、請求項 4に記載の細胞培養用容器。
[6] 請求項 4に記載の細胞培養用容器であって、ここで、前記膜は、前記第 2の培養培 地中の成分を前記開口部内に透過させる膜である、細胞培養用容器。
[7] さらに、第 2の培養培地と接した板を備える、請求項 4に記載の細胞培養用容器。
[8] 前記開口部がアレイ状に配置されて 、る、請求項 3に記載の細胞培養用容器。
[9] 前記膜が限界膜である、請求項 1に記載の細胞培養用容器。
[10] 前記限界膜の孔径が 1 μ m以下である、請求項 9に記載の細胞培養用容器。
[II] 前記膜が、親水性ポリカーボネート膜、ナイロン膜、およびアルミナ膜からなる群から 選択される膜である、請求項 1に記載の細胞培養用容器。
[12] 前記膜が、親水性ポリカーボネート膜である、請求項 11に記載の細胞培養用容器。
[13] 前記ゲル化培地は、コラーゲンゲル、ァガロースゲル、ゼラチンゲル、および、アルギ ン酸カルシウムゲル、ならびにこれらの混合物からなる群カゝら選択されるゲルを含有 する、請求項 5に記載の細胞培養用容器。
[14] 前記ゲルィ匕培地は、コラーゲンゲルを含有する、請求項 13に記載の細胞培養用容
[15] 前記板が、ガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、およびセルロースからなる群から選 択される物質から形成される、請求項 7に記載の細胞培養用容器。
[16] 前記板が、カバーガラスである、請求項 15に記載の細胞培養用容器。
[17] 前記細胞が動物細胞である、請求項 1に記載の細胞培養用容器。
[18] 前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項 17に記載の細胞培養用容器。
[19] 前記動物細胞が、付着性の動物細胞である、請求項 17に記載の細胞培養用容器。
[20] 前記動物細胞が、浮遊性の動物細胞である、請求項 17に記載の細胞培養用容器。
[21] 前記細胞が植物細胞である、請求項 1に記載の細胞培養用容器。
[22] フイブロネクチン、コラーゲン、ラミニン、ゼラチン、ポリオル-チン、およびポリリジンな らびにこれらの混合物からなる群から選択されるタンパク質を開口部内に含有する、 請求項 1に記載の細胞培養用容器。
[23] フイブロネクチンを開口部内に含有する、請求項 22に記載の細胞培養用容器。
[24] 少なくとも、 96個の開口部を備える、請求項 1に記載の細胞培養用容器。
[25] 少なくとも、 380個の開口部を備える、請求項 24に記載の細胞培養用容器。
[26] 少なくとも、 1500個の開口部を備える、請求項 25に記載の細胞培養用容器。
[27] 少なくとも、 3000個の開口部を備える、請求項 26に記載の細胞培養用容器。
[28] 少なくとも、 5000個の開口部を備える、請求項 27に記載の細胞培養用容器。
[29] 前記開口部の断面積が、 0. 2mm2以下である、請求項 1に記載の細胞培養用容器
[30] 前記開口部の断面積が、 0. 1mm2以下である、請求項 29に記載の細胞培養用容
[31] 請求項 1に記載の細胞培養用容器であって、ここで、以下:
遺伝子導入ベクター、 siRNA、アンチセンス核酸、デコイ核酸、およびオリゴヌクレオ チドからなる群力も選択される物質が前記開口部内に固定化されている、細胞培養 用谷器。
[32] 請求項 31に記載の細胞培養用容器であって、ここで、遺伝子導入ベクターが前記 開口部内に固定ィ匕されている、細胞培養用容器。
[33] 請求項 32に記載の細胞培養用容器であって、ここで、前記固定化されて!/ヽる遺伝子 導入ベクターがウィルスエンベロープベクターである、細胞培養用容器。
[34] 前記ウィルスエンベロープ力 野生型ウィルスまたは組換え型ウィルス由来のウィル スエンベロープである、請求項 33に記載の細胞培養用容器。
[35] 前記ウイノレスエンベロープが、レトロウイノレス科、トガウイノレス科、コロナウイノレス科、フ ラビウィルス科、パラミクソウィルス科、オルトミクソウィルス科、ブニヤウィルス科、ラブ ドウィルス科、ボックスウィルス科、ヘルぺスウィルス科、バキュロウィルス科、および へパドナウィルス科力もなる群力も選択される科に属するウィルス由来である、請求 項 32に記載の細胞培養用容器。
[36] 前記ウィルスがパラミクソウィルス科に属するウィルス由来である、請求項 35に記載 の細胞培養用容器。
[37] 前記ウィルスが HVJである、請求項 36に記載の細胞培養用容器。
[38] 前記遺伝子導入ベクターが、ウィルスエンベロープタンパク質の少なくとも 1つを含む リボソームである請求項 32に記載の細胞培養用容器。
[39] 前記ウィルスエンベロープタンパク質力 Fタンパク質、 HNタンパク質、 NPタンパク 質、およびその組み合わせ力もなる群力も選択されるタンパク質である、請求項 38に 記載の細胞培養用容器。
[40] 請求項 32に記載の細胞培養用容器であって、ここで、前記遺伝子導入ベクターが 細胞に導入する核酸を含まない、細胞培養用容器。
[41] 請求項 40に記載の細胞培養用容器であって、ここで、前記固定化されて!/ヽる遺伝子 導入ベクターがウィルスエンベロープベクターである、細胞培養用容器。
[42] 前記ウィルスエンベロープ力 パラミクソウィルス科に属するウィルス由来である、請 求項 41に記載の細胞培養用容器。
[43] 前記ウィルスが HVJである、請求項 42に記載の細胞培養用容器。
[44] さらに、以下の式
S— (CH ) n-CH
2 3
を有する糖を含む中性界面活性剤を前記開口部内に含む、請求項 1に記載の容器 であって、ここで Sが単糖または二糖であり、 n= 7— 11である、細胞培養用容器。
[45] 前記 Sがダルコシド、ガラクトシドまたはマルトシドである、請求項 44に記載の細胞培 養用容 。
[46] 前記中性界面活性剤が、ォクチルマルトシド、デシルマルトシド、ドデシルマルトシド 、ォクチルダルコシド、デシルダルコシド、およびドデシルダルコシドからなる群から選 択される界面活性剤である、請求項 45に記載の細胞培養用容器。
[47] 前記中性界面活性剤の濃度が、 0. 0009%— 0. 005%である、請求項 44に記載の 細胞培養用容器。
[48] さらに、硫酸プロタミン溶液を含有する、請求項 13に記載の細胞培養用容器。
[49] さらに、ポリエチレンイミンを含有する、請求項 13に記載の細胞培養用容器。
[50] 細胞培養のためのキットであって、以下:
(1)細胞および第 1の培養培地を保持し得る開口部を有する固相、および
(2)該開口部を覆うことができる膜であって、糖、塩、アミノ酸、核酸、および有機酸か らなる群から選択される物質を通過し得る膜、
を備えるキット。
[51] さらに、第 2の培養培地に接することができる板を供える、請求項 50に記載のキット。
[52] 前記開口部がアレイ状に配置されている、請求項 50に記載のキット。
[53] 前記膜が限界膜である、請求項 50に記載のキット。
[54] 前記膜が、親水性ポリカーボネート膜である、請求項 53に記載のキット。
[55] 前記板が、カバーガラスである、請求項 51に記載のキット。
[56] 請求項 1に記載の細胞培養用容器であって、安定化剤をさらに含む、細胞培養用容
[57] 請求項 56に記載の細胞培養用容器であって、前記安定化剤が、トレハロース、マル トース、ラフイノース、フルクトース、スクロース、グルコース、ラタトース、ポリビニノレピロ リドン、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、グリシン、マンニトール、ジメチルス ルホォキシド (DMSO)またはこれらの混合物カゝらなる群カゝら選択される、細胞培養 用谷器。
[58] 請求項 57に記載の細胞培養用容器であって、前記安定化剤が、トレハロース、マル トース、ラフイノース、フルクトースまたはこれらの混合物力もなる群力も選択される、 細胞培養用容器。
[59] 請求項 58に記載の細胞培養用容器であって、前記安定化剤が、トレハロースである 、細胞培養用容器。
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