明 細 書
空心菜の保存方法、野菜の保存方法、及び加工食品
技術分野
[0001] 本発明は、加熱や冷凍により顕著な変色をする空心菜 (Ipomoea aquatica)な どの農産品の新たな用途をもたらすための保存方法や加工方法、並びに変色などの 品質低下を抑制した加工食品に関する。
背景技術
[0002] Ipomoea aquaticaは空心菜、またはヨウ菜と呼ばれ、豊富なミネラルや特異な 成分を含み、また抗酸化能力にも優れた食習慣のある作物で、温暖な地域に於いて 、その優れた成長速度や再生能力に起因して周年にわたり多量かつ安価に供給さ れる極めて優れた食材である。
[0003] し力しながら収穫後の劣化速度が速ぐまた加熱や冷凍などの加工後は著しく急 速に変色し商品価値が低下するため、適切な加工による輸送、保管手段が見出せ ず、限られた時間内に消費される生産国国内での生鮮野菜としての需要や、家畜の 餌としての栽培に留まり、その多量な供給量、優れた栄養価に反して用途は限られ ていた。
[0004] この問題を解決するために、冷凍や加熱後の変色防止方法が検討されたが、後 述する遺伝的特性を異にする細分化された多種の存在、混合種の存在、混生を認 識せずに試料としたことで、加工条件、栽培条件を変えても一定の結果が得られず、 解決する有効手段が見出せずに今まで放置されてきた。すなわち、空心菜は加熱や 冷凍により例外なく変色するものとされ、これらの加工後も変色しない空心菜は存在 しな 、ものと認識されて ヽた。
[0005] このため、空心菜(Ipomoea aquatica)は食品としての加工が難しいとみなされ 、食品としての加工、流通、含有する成分、及びその機能に関する用途に関する研 究は稀で、専ら空心菜の有する水質浄化能力や土壌中の金属の吸収に研究が集中 し、食品としての利用に有効な加熱等の加工に起因する変色に関する研究は殆どな されていない、放置された状態にある。
[0006] これは空心菜が土壌栽培と水耕栽培や、 Bamboo leaf (または Bamboo— leave d、 Green stem)と Wide leaf (または Large— leavedゝ White stem)などに大別 されるものの、実際はこれらが更に細分化された複数の種類、及び細分化された同 種に於!、ても葉の形状が一部異なる混合種が混生して 、ることが認識できずに、こ れらの遺伝的差異に注意を払わずに、加熱、冷凍カ卩ェによる変色テストを繰り返して きたため、一定した結果が得られずに「空心菜」は加熱や冷凍で必ず変色してしまう ものとして研究が放置されていたためである。
[0007] もっとも、空心菜の分類は各国で、葉幅の広狭による 2分類、または水耕栽培と土 壌栽培の栽培方法による 2分類とが一般的に共通した分類ではあるものの、それ以 上の細分化は、各国での呼称や、その包括範囲が異なり不明瞭で、またその高い成 長力に起因して混生し、葉形だけを見ても様々な混合種が多く見られ、その遺伝的 差異や分類は未知の点が多ぐ未だ細分ィ匕した分類についても研究段階で、更に、 既に分類されたものであっても、空心菜はその加熱や凍結後には変色するものとの 既成概念により、その種類ごとの変色の差異に関する研究がなされていないのが現 状であつ 7こ。
[0008] また、冷凍野菜や水煮野菜を生産する場合、次亜塩素酸での原料洗浄、表皮剥 離や切断による金属イオンや酸素との接触、ブランチング水ゃ冷却水、凍結時のグ レーズ水など、加工水に含有される金属イオンや酸化促進物質との接触など、酸ィ匕 が促進されていた。
[0009] これに対し従来の技術は、ブランチングによる酵素の失活や、グレーズによる空気 との遮断など酸ィ匕抑制が主要な技術で、色調が受入れられるものに仕上がれば製品 として通用させていた。
[0010] これらの技術では、ポリフ ノール類やビタミン類などの極めて酸化されやすい物 質は容易に酸化され、本来保持している抗酸ィ匕力は低下していたが、色調など外観 上での大きな変化がな 、ためこの問題は放置されて ヽた。
[0011] ブランチングにより酵素は失活してポリフエノールの酵素的酸ィ匕は停止するものの
、熱に強いポリフエノールはブランチング後も残存し、冷凍後も金属イオンなどと反応 して酸ィ匕は進んでいた。
[0012] ブランチング中に於いてもブランチング水、保存中も長期にわたりグレーズ水ゃ注 水された水などの加工水と接触し、この加工水に含まれる酸、酸素や金属との反応 が進んでいた。
[0013] このため、ポリフエノールの酸化、または金属との反応により変色がおこるものもあ り、これらは加工不適原料として製品化されず放置されていた。
[0014] 空心菜は、加熱または凍結を行うと急速に褐色に変色したり、局部的に黒色に変 色したり、更には茎内部が空洞であるため解凍後に茎部に特異的に皺が発生し見栄 えの悪い物となるなどの性質があり、また、生鮮では急速に鮮度が低下して損傷部分 が黒変、黄色化し劣化するなどして、短時間での流通や保管にしか耐えられず、この 限られた時間内に生鮮で流通できる範囲内で、また限られた用途で消費されていた ことは前述の通りである。
[0015] 本発明が解決する課題は、この流通、加工に適さない空心菜の流通耐久時間延 長方法の開発、変色しにくい部位や変色しにくい種類の特定とその栽培方法を含め た変色しないものの集荷、変色や劣化を抑制する加工方法、変色に商品価値が影 響されない付加価値のある用途の開発の 4点を開発し、空心菜の有効利用を行うこと にあり、本発明で特に重要な点は加熱後の変色に関してのテストを行う際に、未だ研 究段階である Ipomoea aquaticaの種類の細分ィ匕を、便宜的に葉に現れる特徴的 な形状により種類を細分化し、この同形状の葉のものを用いて各テストの前提条件を 一致させた上でその効果を比較して確認することにあり、栽培地の土壌、栽培温度 や鮮度などの違 、に影響されな!ヽように、同一地域で同時期に収穫された多種が混 生したものを入手し、その都度葉の形状で選別して、これを試料として用いたことにあ り、これにより従来把握することができな力つた傾向が把握できるようになつたことにあ る。
[0016] 第 1の課題として、生鮮野菜の流通、保管方法を開発し、特に変質し易い Ipomo ea aquaticaの種類に関わらず、 Ipomoea aquatica全般に適した方法で品質低 下を抑制し、流通、保管できる許容時間を延ばし、流通可能な範囲を拡大し、従来、 生鮮で Ipomoea aquaticaを利用できなかった地域、時期に於いても利用を可能と する。
[0017] 第 2の課題として、加熱や冷凍カ卩ェによる変色がしにく!/、、加工に適した Ipomoe a aquaticaの部位、及び種類を特定し、変色しにくい Ipomoea aquaticaを選択し て栽培することを含めた選別を行い、選択的に変色しにくいものを集荷し、これを原 料とした流通に適する冷凍カ卩ェ品、水煮カ卩ェ品等の加工品の提供するとともに、調 理後に変色しにく 、と 、う付加価値のある生鮮品も提供する。
[0018] 第 3の課題として、先述の通り加熱後の変色を抑制する加工方法のテストに於い て前提条件として新たに葉の形状による便宜的な遺伝的特性の一致を加えて、分類 されたものごとの傾向や効果を確認し、これにより各種の Ipomoea aquaticaに共通 する加熱や冷凍加工による変色や変質を抑制する方法を開発し、商品価値が低下 しな 、冷凍加工品、水煮加工品等の加工品の提供する。
[0019] 第 4の課題として、優れた抗酸化力を有する、大量に供給が可能な原料であり、ま た食習慣のある栽培、流通管理が可能な安全性の高い原料であることに着眼し、色 調に商品価値が影響されにくい食品添加物や加工助剤、及び機能性食品、特定物 質抽出原料としての新たな用途を開発し、 Ipomoea aquaticaの有効利用を行う。
[0020] これらにより、大量に流通され、また莫大な潜在供給能力を有しながら限られた地 域、時期、用途にし力利用することができなかった Ipomoea aquaticaの有する、豊 富なミネラルなどの栄養、優れた抗酸化力などの機能を、常時利用することができる ようにすることを目的として、本発明は考案されたものである。
[0021] さらに、従来の冷凍野菜や水煮野菜の生産は、色調などの外観や価格に重点が 置かれ、野菜の重要な特徴である抗酸化力は商品価値として軽視され生産されてい たため、ポリフエノール類を多く含むものの中には変色することもあり、これらはその本 来の栄養価値に反して、商品価値の低 、または無 、ものとして扱われて 、た。
[0022] 加熱により破壊されないポリフエノールは、ブランチングゃ調理力卩ェの後も、生産 工程中、保管中に酸化が進み、含有するポリフエノールの種類や量と含有する金属 の種類や量、更にはこれらの組合せによって変色を引き起こし、商品価値が低いまた は無 、ものとして扱われて 、た。
[0023] 従来は、葉緑素、色素や金属イオンなどに注意がひかれ pH調整に終始して、極 めて酸ィ匕されやすいポリフエノールが関与して変色するものには有効な解決手段が
見出せないまま、水煮野菜や冷凍野菜はほとんど生産されることはなぐ結果として 十分な利用がされて ヽなかった。
[0024] これらの問題が放置される原因としては、アントシァニンやクロロゲン酸など色調 変化にかかわる多種多様なポリフエノールが混在することや、ポリフエノール以外の 抗酸化物質の混在により、単純な pH調整や、特定添加物の添加では解決できない 複雑な問題であることが挙げられる。
[0025] また、ブランチング、加熱、特に凍結により細胞が破壊され、または含有成分の変 質し、生体中では本来接触することのなかった細胞内外の含有成分が接触して反応 することもこの問題を複雑にしている。
[0026] 本発明は強い抗酸化力を持つ、すなわち優れた食品でありながら、変色するため に製品化されな力つた、または商品価値が低く利用が限られていた農産品の製品化 を果たし、広く簡便に利用してもらうために発案されたもので、色調に考慮しながらも 、人の健康に多大な貢献を果たす農産品が元来有する抗酸ィ匕力をいかに低下させ ず、冷凍または常温保存して提供するかに重点を置き、発案されたものである。
[0027] まずの第 1の課題である生鮮野菜としての流通方法の開発については、葉や茎を 食する温暖地域で栽培された緑色野菜の保存方法としては考えにくかった 0°C近辺 での低温保管を、輸送保管中に不可避な遮光、密封状態を負荷し、給水、葉までの 浸水などの手法を併用して、その保存耐久時間を延長する Ipomoea aquaticaの 流通に最適な方法を考案した。
[0028] 第 2の課題である加工に適した部位、種類の特定、及び栽培方法にっ 、ては、栽 培条件による影響を排除するために同じ栽培場所で、同じ時期に収穫されたもの集 荷して、同株で異なる形状の葉を有する混合種と考えられるものは除外して、葉の形 状により便宜的に種類を細分ィ匕して分別し、これを用いて各々についてブランチング 、冷却、凍結、解凍、再凍結、再解凍を行い、各工程での種類ごとの色調の変化を 部位ごとに確認し、栽培地、集荷ロットを変えて複数のロットで実験を行い、同一条件 で栽培されながら、変色の度合いの低い部位、変色の度合いが軽度な順位を葉の 形状で比較し、最も変色の度合!、が軽度な種類を特定した。
[0029] 更に Ipomoea aquaticaは切断して収穫しても、株が残っていれば切断部分か
ら再生され、極めて短い時間で成長することを利用して、株を識別して茎部以上を切 断して採取し、その切断されたものの加熱、凍結による変色を確認し、変色しにくかつ たものの株を分離して、これを選択的に栽培し、これを繰り返して、変色の激しい種 類の排除、混合種の排除を行い、変色の少ない種類を選択的に栽培する方法を考 案した o
[0030] また、本発明により既に変色のしにくい種類は特定されているため、この種類を選 定し、葉形などの外観上に違 、が見られな 、が加熱後に異なる変色度合 、を示す 変色混合種を、上記の方法でその混合種の混生状況を確認し、排除する方法が考 案された。
[0031] 第 3の課題である加工による変色や変質を抑制する方法としては、先述の通り加 熱後の変色を抑制する加工方法のテストに於いて前提条件として新たに葉の形状に よる便宜的な遺伝的特性の一致をカ卩えて、硬度の低い中性の加工水を定めてこれを 加工水として使用し、酵素的変色を防止するため一定条件でブランチングを行い、こ の後に主に還元性を有する溶質、アルカリ性溶質、抗酸化物質、有機溶媒を添加し 、また添加する工程を変えテストを行い、分類されたものごとの傾向や効果を確認し、 これにより各種の Ipomoea aquaticaに共通する加熱や冷凍加工による変色や変 質を抑制する添加物及び添加工程を特定した。
[0032] 第 4の課題である食品添加物、加工助剤としての用途開発に関しては、その優れ た抗酸化力に着眼し、同様に酸化され易く不安定な DHA、 EPA、ァラキドン酸など 高度不飽和脂肪酸の精製工程に利用することを目的に、生鮮 Ipomoea aquatica をすり潰したもの、搾り汁、またはこれより水で抽出を行ったものなどに、酸化した魚 油を混合して密封した後、激しくゆすり、この後に静止、分離を行い、これら抽出物を 用いた洗浄による魚油の魚臭脱臭効果、酸ィ匕物除去効果を確認した。
[0033] また、機能性食品や特定物質抽出原料としての開発に関しては、凍結乾燥品より 抽出、 HPLCにより含有成分の分析、含有ポリフエノール類中の有効な成分の検出 を委託して行った。
[0034] まず第 1の課題である生鮮野菜の流通方法について述べると、無添加の水に茎 部切断面を浸水させ、遮光して 0°Cから 5°Cの温度に維持することで 10日間、 0°Cか
ら 2°Cの温度を維持することで 14日間、食品として適した保存が可能であった。
[0035] テストを行った野菜はいずれも葉部、茎部を食用とする水菜、空心菜、チンゲン菜 、春菊、小松菜、ほうれん草で、何れもできるだけ根の近くを切断したものを、土壌菌 が残らないようによく水で洗浄し、密閉容器に多めに注水して入れ、茎部に限らず葉 部も水に浸水させた状態で脱気して密閉したものと、切断した茎部のみを浸漬したも のを、双方とも遮光された 0°Cから 5°Cの環境下に維持して保管を行い、また茎部切 断面を浸水して常温で遮光したものと、遮光しな力つたものとの保管も並行して行つ た。
[0036] 従来、空心菜は 4°C以下では葉部が黄色化するため、これ以下での温度帯での 流通は不適当とされてきたが、空心菜の茎部切断面を浸水して給水しながら凍らせ ることのな!/、最低限の温度帯で遮光して生体活動を遅らせ、密閉状態での耐久保存 期間の延長テストを行い、並行して常温で給水しながらの遮光、射光環境下で密閉 した場合の耐久保存期間も確認した。
[0037] この結果、空心菜に関しては、その優れた再生能力により、茎部切断面を浸水し て常温保管を行うと茎部切断面より吸水がなされ保存性が力なり向上しこれは有効な 方法ではあるが、これを遮光した場合は 3日目で黄色化して製品としての価値が低下 し不適当であつたのに対し、茎部切断部のみ注水、 0°Cから 2°C温度に於いては 14 日間保管に於いても黄色化は認められずに耐久することが認められ、また、同温度 帯であれば、葉部まで浸水しても葉部に浸潤は認められるものの黄色化は認められ ず、 14日間の保存後でも加熱後は食用として適した食感を有していたことより保存耐 久期間の有効な延長方法であることが確認できた。
[0038] 対象試験として、同種類の野菜を 10°Cの空気中で保管したところ、ほぼ全種とも 4日以降ではしなびはじめ、 1週間以内にはすべて食用に適さない状態となり、特に 空心菜はその保管耐性が弱いことが再確認された。
[0039] この他、小松菜を除く他の野菜にっ 、ても茎切断面のみの浸水、または多量な注 水で葉部までの浸水させたものの少なくとも一方で、氷結直前の低温、遮光、密閉保 存に於いては空心菜と同様の傾向を示しており、流通保存耐久時間の短力つた葉部 、茎部を加熱調理して食用とする野菜の耐久時間が延長され、従来流通することが
できなかった地域、業態まで流通することが可能となった。
[0040] 次に第 2の課題である Ipomoea aquaticaの加工に適した部位、及び種類の特 定について記述する。
[0041] Ipomoea aquaticaの分類は各国で、葉幅の広狭による 2分類、または水耕栽 培と土壌栽培の栽培方法による 2分類とが一般的な分類ではあるものの、それ以上 の細分ィ匕は、一部に花の色などの分類も見られるものの、各国での呼称や、その包 括範囲が異なり不明瞭で、また、混生しているため混合種が多く見られ、その遺伝的 差異や分類は未知の点が多ぐ更には既に特定された種類に於いてもその加熱後 の変色の度合いを他種と比較してその傾向を把握することがなされていな力つた。
[0042] 葉幅で大別された葉幅の狭い種類とは、葉幅に対して葉長が約 3倍またはそれ以 上ある細長い形状の葉を有する種類の総称で、 Bamboo leaf (または Bamboo— le aved)、または Green stemと呼称される力 これを同一条件で栽培しても、図 1から 図 6までに示されているように葉の形状は様々に混生し、異なった複数の特徴を有す る葉や、異なった形状の葉を同じ茎に有する混合種も混生しており、これらは加熱後 に異なった変色の度合 、を示すことが確認された。
[0043] このうち、同じ茎にある葉の形状が全て図 6の形状である場合、他と異なって加熱 後、及び冷凍後に於いても変色しにくい、また冷凍後、解凍後の変色度合いも軽度 である明らかな傾向が確認された。
[0044] し力しながら、同形の葉を有するものでも加熱後に変色し易いものが見られ、葉の 形状には現れてはいないものの、混合種である可能性のあるものも一部に認められ た。
[0045] また、逆に同じ茎にある葉の形状が一部を除き図 6の形状で、一部が図 5の形状 や他の形状のものでも、加熱後に変色しにくいものも確認された。これらの図 5及び 図 6に示すような葉基力 葉頂までの葉の端部の曲線が葉基力 葉頂方向に向かつ て突起部を作らずに連続する形状とされる葉だけを 1つの茎に有する種類を選択し て栽培することが有効である。
[0046] これとは対照的に、葉幅の広い Wide leaf (または Large— leaved)、または Whit e stemと呼称されるものの変色度合いは激しぐまた、図 1から図 4までの形状の葉
を複数有するものは強弱の差はあるものの全般的に加熱後の変色は顕著であった。
[0047] このため、図 6の形状の葉だけを有するもの、または変色度合いが軽微であった 図 6と図 5の形状の葉だけを有するものを選択的に栽培し、この後、株を識別して採 取した茎の加熱による変色の度合 、を確認して、変色しにく!/、株だけを選別して栽 培し、同形の葉を有しながらも混合種で加熱後の変色度合いに関して異なる遺伝的 特徴を有するものを排除することで、加熱や冷凍による加工を施しても変色しにく ヽ、 加工に適した Ipomoea aquaticaの原料^^荷することが可能となる。
[0048] 更に、種類により強弱はあるものの各種共通して、茎と成長した葉柄の加熱後の 変色度合いには明らかな差が認められ、また芽や芽付近にある若葉と、芽より離れた 位置にある成長した葉柄を有する葉の加熱後の変色度合!、にも明らかな差が認めら れたことで、従来冷凍ほうれん草などに見られるような単純な部位分けにより葉だけを 加工し商品特性とすることと異なった意味での、テストにより確認された変色し易い部 位を除去して加工による変色を防止する目的で、一定の条件を満たした葉とその葉 柄だけを選別して加工することで、加工後の製品の変色度合 、を抑制する新たな付 加価値を与えた製品の具現ィ匕が可能であることが判明した。
[0049] 市販の空心菜は種類により以下の構成比が変動するため、変色傾向が最も顕著 で効果の確認しにくい幅の広い種類のものを主体とする混合種を 1キログラムを分別 し、構成比が茎 30パーセント、芽と 2枚の若葉とその葉柄の合計 20パーセント、それ 以外の葉柄を有する葉とその葉柄 50パーセントであることを確認の後、各々を 1分 3 0秒、 98°Cから 100°Cでブランチングし、この後瞬時に水で冷却を行い、変色の度合 V、を比較したところ、改めて成長した葉柄とその葉は他の部位と異なった変色度合!/、 であったことが確認できた。
[0050] 特に先述の、図 6、または図 6と図 5の形状の葉だけを有するものは全体的に変色 の度合いが軽微で、成長した葉とその葉柄は、一般的に空心菜に見られるような褐 変や黒変は殆ど認められず、これらを選択的に集荷することで、変色しない Ipomoe a aquaticaカ卩ェ品の生産が可能であることも判明した。
[0051] 次に第 3の課題である加工による変色や変質を抑制する方法としては、エタノー ルの添カ卩が有効で、またグルタミン酸などのアミノ酸の添加も色調保持に若干ながら
効果があることが認められた。
[0052] 特にエタノールは、エタノールを添カ卩した溶液に、加熱直後 Ipomoea aquatica を瞬時に浸漬することで、無添加のものに比べて、葉、葉柄、茎ともに緑色が明るくな り、またエタノールを添カ卩して凍結したものは解凍後に Ipomoea aquaticaの茎に特 異的に発生していた皺が発生しなくなるなど、明らかな効果が確認された。
[0053] エタノールの変色防止効果に関しては、これもやはり Ipomoea aquaticaの種類 により強弱はあるものの、各種共通して変色防止、葉部色調の鮮緑色化の効果が見 られ、皺に関しては Ipomoea aquaticaの種類による差見られず共通して同様の効 果を示した。
[0054] またその他の変色防止、葉部色調改善に関しては、 Ipomoea aquaticaの種類 に変色度合いは影響されるものの、冷却水、グレーズ水などの加工水の硬度、 pH、 酸化還元電位、及び溶存酸素も合わせて影響して 、ることが確認されて 、る。
[0055] 更には、アミノ酸水溶液による浸漬や、コンニヤク粉末ゃシユウ酸の添カ卩は、解凍 後の色調への好影響は凍結、解凍を繰り返すことで、水だけのものと比較して徐々に 差が見られ、効果を有することが認められている。
[0056] 第 4の課題である食品添加物、加工助剤としての用途としては、魚油の精製に有 効であることが以下の簡便な方法で確認された。
[0057] 魚油は適度な魚臭や酸化した臭が付くように、内臓やえらを除去した力まや中骨 などの非可食部を単純加熱し溶出させた、ある程度酸ィ匕の進んだものを用い、この 魚油と、 Ipomoea aquaticaをすり潰して同重量の水をカ卩えてフィルタープレスして 短時間で抽出した抽出液を、魚油 1に対し抽出液 6の容積比率で加え、密封した後 に激しく振って混ぜ合わせ、これを 1日間 5°Cで水層と油層に分離させた後、開封し て臭気を確認し、またこれを密閉して激しく振り、同様の分離を行ったい後に再び臭 気を確認する作業を 4回繰り返した。
[0058] 対象として同じ魚油に、抽出液の代わりに水を魚油 1に対して水 6の容積比率で 加え、同様の確認作業を行った。
[0059] 初回の確認に於いては差異が明確ではな力つたものの、 2回目以降は徐々に差 が明確となり、 4回目の確認に於いては殆ど魚臭がなくなつていたことより、水抽出液
による脱臭効果が確認され、また脱色効果は得られなカゝつたものの、酸化物除去効 果も認められた。
[0060] また、後述の方法により、 chlorogenic acidなどのポリフエノール類の抽出が検 出されたため、ポリフエノール類の魚油の酸ィ匕防止効果が明らかなことと併せ、 Ipom oea aquaticaより水溶液で抽出、または有機溶媒で抽出された抽出物により魚油 の酸ィ匕防止効果が得られることが判明した。
[0061] また、機能性食品に関しては、上記の冷凍乾燥物より後述の実施例で示す方法 で、 caffeoylquinic acid誘導体が含有されていることが確認され、部位としては葉 部の方が茎部に比べて含有量が多 、ことが確認された。
[0062] この物質は HIVの活動を抑制する tricaffeoylquinic acidで、現時点で確認さ れている含有量は少ないが、 Ipomoea aquaticaはエイズ発症件数の多いアフリカ 、東南アジアで周年に渡り、大量に供給され容易に入手が可能で、また優れた再生 能力、極めて早い成長速度により急速に増産が可能、かつ食習慣があることより、こ れより検出されたことは、従来同物質が検出されたサツマィモの葉とは季節的、地域 的原料供給事情が明らかに異なり、有効な抽出原料となることが判明した。
[0063] また、この他にポリフエノール類で注目を集めて!/、る chlorogenic acid, dicaffe oyquinic acid (3, 5— dicaffeoyquinic acid)など抗変異原性で注目されている c affeoylquinic acid類の含有; められた。
[0064] また、抗酸化力を!、かに低下させず、冷凍または常温保存して提供するかの課題 については、ポリフエノール類の酸化によるオルトキノンの生成、ポリフエノール化合 物と鉄が反応して第 2鉄化合物ができるなどの、含有ポリフエノール類の工程中およ び製品保管中での酸ィ匕防止を行うことで、抗酸ィ匕力の低下や変色を防止することが 必要とされる。
[0065] 前述のポリフエノール類の酸ィ匕防止は、従来からの技術であるブランチングによる 酵素失活ゃグレーズによる酸素の遮断などの酸ィ匕抑制に対して、生産工程中での 酸化、金属イオンの混在などのある程度の酸化がなされることを踏まえ、能動的に還 元力を高めることが必要とされる。
[0066] ポリフエノールォキシダーゼの素早い失活や、加工機器や水に起因する金属ィォ
ンゃ溶存酸素の低減または排除とともに、工程中で常に被加工物に接触、または吸 収される水の水質が特に重要な要因となる。
[0067] 被加工物中のポリフ ノールの酸化は、硫酸や硝酸などの強酸イオン、塩素や酸 素の存在、鉄や銅の存在やイオンの価数、 pH、酸化還元電位には大きく影響するこ とが認められるため、ブランチングの工程で使用する水、冷却水が被凍結物内に吸 収される冷却工程で使用する水、凍結後に長期間接触するグレーズ水はこれらの点 を考慮して加工水の水質を選択する必要がある。
[0068] 特に、凍結保管中に変色するような、クロロゲン酸などの特異なポリフ ノールを 含むものや総ポリフエノール量の多 、もので、かつ鉄を多く含むものを加工する場合 は、加熱や凍結で細胞が破壊され、ポリフエノールと接触する金属を排除することが できないため、酸ィ匕還元電位が低い水を工程で使用し、反応を阻害する必要がある
[0069] また、硫酸や硝酸などの強酸イオン、鉄や銅などの特定金属、溶存酸素や塩素を 排除、または低減した水を使用することも有効な手段である。
[0070] ポリフエノールの酸ィ匕を抑制するには、アルカリ性を呈する水を使用することも有 効である力 被加工物の含有成分の中にはアルカリ性で変色するものや、塩基と反 応して変色するものもあり、被加工物の含有成分や加工水の含有または添加成分、 および両者の相性を以下に記す手法で事前によく検討する必要がある。
[0071] 検討方法としては、原料をよく洗浄した後に、水質調整のための添加物や使用す る水を少量添加して、無酸素下で磨り潰し、無酸素状態で密封して色調の経時変化 を確認する方法が簡便である。
[0072] 特に変色の激しい空心菜やしそなどを加工する場合は、初留を除いた蒸留水に 改めて重曹などの弱酸とナトリウム、カリウム、カルシウム塩を添加し、強酸イオンや鉄 、銅を排除した水、更に酸化還元電位を低下させた水、溶存酸素を低減した水を使 用することが好ましい。
[0073] また、消化酵素を添加して原料を消化せず、加熱や凍結で細胞を破壊の後磨り 潰すことも有効で、酵素に関連する pH調整のための酸や塩基などの添加、使用を 避けることもでき、酵素や酸化物に含まれる不純物の混入も防ぐことにもなる。
[0074] また、空心菜は原型を保った加工製品とした場合、芽や茎の局部的な変色が見ら れるが、抽出や粉砕などを行った場合は比較的安定した葉の緑色と混ざり、色調が 均一化され違和感のな 、色調の加工品に仕上がる。
[0075] 更には高濃度のエタノールで抽出したもの、浸漬した後に磨り潰したものは鮮ゃ 力な緑色を呈し、商品価値の高い抽出物が得られる。
[0076] これとは逆に、液体窒素、ドライアイスを吹きつけ、または液体窒素や低温のエタ ノールに浸漬して急速に凍結して、細胞破壊を極力低減してポリフエノール類と金属 の接触を抑制することも有効な手段で、この場合は高 、凍結率を保持して凍結保存 するか、または粉砕せず真空乾燥した後に酸素を排除した環境下で保存することも ポリフエノール類の抗酸ィ匕力を保持しながら保存する有効な手段である。
[0077] 近年では空心菜が湖沼の水質浄化で脚光を浴び、日本に於 、ても徐々に生産さ れるようになってきたが、冷凍保存ができず供給時期が限定され、生産量も未だに少 ない。
[0078] また空心菜は温暖な国で大量にかつ安価に生産されながらも、加工や保存中に 変色するため製品化がなされず、この問題を商業的に解決すべく様々なテストが行 われたが、未だに成果が得られていない。
[0079] 今回、空心菜やさつまいもの葉などに代表される極めて顕著な変色の原因を、従 来考えられていた含有金属イオンの酸化、酵素的酸化のみとせず、加熱後に残存す るポリフエノールの酸ィ匕ゃ金属イオンとの化合物の生成など、加熱後も発生するポリ フエノールの反応に着眼し、この反応を防止する手法を開発し、これにより問題が解 決した本発明は、従来加工に不適とされていたこれらの特異かつ高ポリフエノール含 有原料の加工および保存を可能とした有益なものである。
[0080] 特に空心菜は、短期間で生育し、根を残すことで再び生育する、更には水耕栽培 が可能で湖沼の水質浄化にも優れ、かつ栄養価に富み中国や台湾では当該品の摂 取による生理的効果までも公表されている、優れた食材であるにもかかわらず、変色 に起因して製品化がなされなかったものが、製品化できるようになつたことは、極めて 有益である。
[0081] また、 日本における空心菜の栽培についても、加工用途が広がることで、消費の
拡大が期待でき、生産が拡大することで、水質浄ィ匕が一層促進されることとなるなど、 本発明による効果は多岐にわたる。
[0082] 更には、同時にテストを行ったしその葉、春菊などポリフエノール含有量の多いも のも空心菜と同様の傾向を示した。
[0083] また本発明は、実際の生産工程を勘案して、地域性のある天然水に対して、地域 を問わず入手または生産可能な、蒸留水、電解水を主体にテストを行い、実用性の 高い考案とした。
[0084] 従って適合水を購買、または蒸留や電解水生産設備を備えることで、今まで果た せなかった当該冷凍製品の商品化が様々な地域で可能となり、その原料の膨大供 給量や低価格に起因して、安価で安定した、かつ健康に欠かせない抗酸ィ匕力の優 れた製品の供給が可能となる。
[0085] 今後はワインやココアなど抗酸ィ匕力が製品特性として認識されていく傾向にあり、 冷凍野菜についても同様な傾向が想定され、生産者間、ロット間での抗酸ィ匕力に起 因する製品格差が生まれていく可能性もあり、その意味でも一石を投じる有効な考案 である。特に、本発明で変色が抑制された、ポリフエノール類含量の多い優れた抗酸 化力を有する空心菜加工品および空心菜抽出物は、関心の高い食材となることが見 込まれる。
[0086] また発想の転換により、空心菜の製品化を妨げていた原因物質そのものである特 異かつ高含有量ポリフ ノール類を、逆に強 、抗酸化力や活性酸素除去能を有する 優れた商品特性ととらまえ、この特性を維持する加工方法を以つて健康に貢献する 商品を創造することで、従来加工されずにいる空心菜の加工利用を可能とした有益 な考案である。
[0087] 先述の通り空心菜は、温暖な地域では短期間で生育し、根を残すことで再び生 育する、水耕栽培が可能で湖沼の水質浄化にも優れ、かつ栄養価に富んだ優れた 食材であるにもかかわらず、変色に起因してカ卩工利用なされな力つたものを製品化 できるようになつたことは、極めて有益である。
[0088] また農産副産物、例えば豆類の葉や茎などののように、多種多様のポリフエノー ルを多く含有しながら、食習慣がなく肥料や飼料として処理され含有するポリフエノー
ル類を無駄にしている事例は多ぐこれらよりポリフエノール類を抽出した後に肥料や 飼料として利用することを可能とすべぐ本発明は極力不要な添加物を使用せず含 有するポリフエノール類の抗酸ィ匕力を保持するように考案されており、今後は本発明 を以つてこれらの農産副産物の有効な活用が期待できる。
[0089] また、多くの抽出原料は特異な品種や特異な部位を用いるため、原料集荷が困 難で不安定かつコストも高く品質も不安定になりがちであるのに対して、本発明で使 用する原料の空心菜は温暖地域での栽培コストの低さ、高い再生能力に起因した多 量の供給、生鮮で既に構築されている物流などにより高鮮度、低価格、大量供給が 可能で、農産副産物も供給時期は集中するものの安価で、抽出原料として量、価格 ともに申し分ない。
[0090] また、原料の集荷の容易性、供給量、価格や、生産工程の簡素化や加工設備の 軽減が可能であことに起因して、低価格での商品提供が可能となる。
[0091] さらには日本に於いても近年では空心菜の湖沼の水質浄ィ匕能力が脚光を浴び徐 々に生産されるようになってきた力 冷凍保存や加工利用ができず温度の高い夏場 だけの巿場供給やコストの力かる温室栽培での生鮮流通にとどまり、生産量も未だに 少ない。
[0092] 本発明により、日本における空心菜の栽培についても、加工用途が広がることで 需要の拡大が期待でき、これにより栽培が促進されることで日本での水質浄化が一 層促進されることとなるなど、本発明は環境浄ィ匕の促進にも好影響を及ぼすものであ る。
[0093] 空心菜を加工する際、シユウ酸またはシユウ酸塩を添加して加工を行うと顕著な変 色抑制効果が見られ、有効である。食品添加物であるシユウ酸を添加する場合、日 本に於いては最終食品の完成前に除去することが義務付けられている。一方、食品 の中にはシユウ酸塩を多く含むものがあり、代表的なものにホーレン草ゃコンニヤクな どがある。従って、これら食品と一緒に加工することや、これら食品の抽出液を用いて 加工することも有効な方法である。
[0094] また、空心菜をシユウ酸ゃシユウ酸塩含有水でブランチング、ブランチング後の冷 却を行うと顕著に変色が抑制された。更に、一度褐変した部分や局部的に黒色部分
のある空心菜も、再度シユウ酸ゃシユウ酸塩含有水でブランチングや、ブランチング 後の冷却を行うと、変色の程度が軽減され、シユウ酸ゃシユウ酸塩を含有する水で処 理することは空心菜の変色軽減または抑制に顕著な効果を示した。これにより、空心 菜の加工による変色は抑制され、製品価値のある商品化が可能となった。
[0095] 温暖な地域に於いて空心菜は、短期間で生育し、根を残すことで再び生育する、 更には水耕栽培が可能で湖沼の水質浄ィヒにも優れ、大量に、かつ安価に供給され ている食材で、その栽培の容易さに起因して更なる増産が可能な状態にある。
[0096] また、空心菜はポリフエノール類などを豊富に含む抗酸ィ匕力に優れたアルカリ食 品で、栄養価に優れ、中国や台湾では摂取による生理的効果までも公表されている 、優れた食材である。
[0097] 本発明により、加工による変色が抑制された保存可能な、安価で大量に安定供給 が可能な、かつ栄養価に富んだ、優れた空心菜加工品の供給が可能となることは極 めて有益である。
図面の簡単な説明
[0098] [図 l]Ipomoea aquatica Forskの葉幅の狭い種類(Bamboo leaf)のうち、葉基 付近の葉部に丸みを帯びた突起が左右の一方、または双方にあるものを示した図で ある。
[図 2]Ipomoea aquatica Forskの葉幅の狭い種類(Bamboo leaf)のうち、葉基 付近の葉部に鋭角の突起または窪みが左右の一方、または双方にあるもので、全体 的な葉の形状が三角形状であるものを示した図である。
[図 3]Ipomoea aquatica Forskの葉幅の狭い種類(Bamboo leaf)のうち、葉基 に接合する葉部が直線状であるもので、全体的な葉は鋭角の三角形状であるものを 示した図である。
瞧] Ipomoea aquatica Forskの葉幅の狭い種類(Bamboo leaf)のうち、葉基 付近の葉部に葉基を囲むような膨らみ、または葉頂と反対方向に突き出した膨らみ 力 左右の一方または双方にあるもので、全体的に矢ゃ鏃の形状をしているもの、矢 の形状をしている幅の広い Ipomoea aquatica Forskの葉幅の広い種類(Wide 1 eaf)の葉形である Arrow shapeと言われるのの葉幅が極端に狭くなつた形状のも
のを示した図である。
[図 5]葉基力 葉頂までの葉の端部の曲線が葉基力 葉頂方向に向かって突起部を 作らずに連続する形状の葉の一例を示す図であって、 Ipomoea aquatica Forsk の葉幅の狭い種類 (Bamboo leaf)のうち、葉基に接合する葉部が直線状で、図 3 のものとの違いは全体的な葉の形状が三角形状ではな ヽ笹型に近 、ものを示した図 である。
[図 6]葉基力 葉頂までの葉の端部の曲線が葉基力 葉頂方向に向かって突起部を 作らずに連続する形状の葉の一例を示す図であって、 Ipomoea aquatica Forsk の葉幅の狭い種類(Bamboo leaf)のうち、葉基の付近の葉部が葉基を頂点とした 丸みを帯びた、全体的な葉が笹型であるものを示した図である。
[図 7]未加熱の Ipomoea aquatica Foreskの葉幅の広い種類(Wide leaf)の茎 、芽、若葉、葉柄、葉の一例を示した図で、加熱後の変色度合いの激しい部分を黒 塗りで示した図である。
発明を実施するための最良の形態
[0099] 第 1の課題である生鮮野菜としての流通方法については、一度でも凍ると葉部を はじめとするほぼ全ての部分に暗緑色の変色とともに細胞破壊による軟ィ匕が認めら れるため、必ず o°c以上を維持することを前提に、極めて o°cに近い温度で保存する ことが好ましい。
[0100] 葉部まで浸水させると葉部内部へ水が浸潤して暗緑色化し、加熱後の食感に差 異は認められな力つたものの外観上で商品価値が低下することも予想されるため、茎 部切断部分のみを浸水させ、葉部を浸水させずにできるだけ水平に近い状態に寝 かせて保管することが好まし 、。
[0101] 更に、野菜は良く洗浄し、土壌細菌の混入を極力避け、また、注水する水も極力 生菌数の低いものを多量に使用することや、注水する水に抗菌作用を有する物質を 添加すること、凍結寸前の温度を維持すること、完全な遮光などが保管許容時間を 延ばす重要な点となる。
[0102] また、常温保管で茎切断部分の浸水に関しては、その優れた再生能力によりかな りの期間の保存が可能ではあったが、これを遮光すると 3日目で完全に黄色化するた
め、常温給水保管の場合は射光しながら、低温給水保管の場合は遮光しながら保管 する。
[0103] 第 2の課題である変色しにくい部位に関しては、茎、芽、芽付近の若葉 2枚とその 葉柄を分離して、成長した葉とその葉柄のみとし、 1分 30秒間、 98°Cから 100°Cで葉 が重なって斑が発生しないようにブランチングし、ブランチング後は数秒のうちに冷却 水に浸漬して完全に空気と遮断して冷却を行 、、除去した部分を同様の処理したも のとの加熱後の変色度合いの差を、成長した葉と若葉や芽と、成長した葉柄と茎とで 確認すると良い。
[0104] この際、ブランチング後の冷却までの秒単位での時間が最も重要で、この他にブ ランチングの温度、時間の不足ゃ不均一さ、ブランチング後の冷却中での水面上で の空気との接触など、些細なことで変色が進むことを留意しておく必要があり、また除 去対象部位が混入すると、その混入率が高くなればそれに従って加熱後の全体的な 変色度合いの両者間格差が不明確となること、更には後述のエタノール添カ卩により 葉部、茎部ともにある程度色を明るくすることができるため、濃緑色と茶色は似てはい るものの明確に区別しておく必要がある。
[0105] 変色しにくい部位は、種類を問わず同様の傾向を示す力 特に変色の激しい後 述の幅の広い種類は、やはり特定部位は同種の他の部位に比べての変色度合いは 軽度でも、他種の同部位に比べては変色度合いが強ぐできるだけ葉幅の狭いもの の各種が混生したものなどの方が色調の良いものができ、更に、後述の図 6や、図 6 と図 5だけを同じ茎に有するものは、加熱後の変色度合いは茎でも軽度で、その葉柄 とそれに生えて 、る葉は加熱後でも殆ど変色することはな 、ことを併せて確認をする と良い。
[0106] 加熱後に変色しにくい種類、及び栽培に関して記述すると、葉幅の広い Wide le af (または Large— leaved)、または White stemと呼称されるものの加熱後の変色 は顕著であり、また、葉幅の狭い Bamboo leaf (または Bamboo— leaved)、または Green stemと呼称されるもののうち、図 1、図 2に示す葉基の近傍に突起がある葉 の形状を有するものも変色し易い。なお、図 1一図 6において、 1は成長した葉部、 2 は葉部(1)の葉柄、 3は葉基、 4は葉頂、 5は茎、 6は芽、 7は若葉、 8は若葉(7)の葉
柄、 9は葉基と葉部の接合部分から半径 3. 0センチメートルの範囲、 10は葉部の突 起、 11は葉部の窪み、 12は葉基と接合した葉部の直線状を特徴とする部分、 13は 葉基を頂点とした葉部の丸みを特徴とする部分をそれぞれ示す。
[0107] 一方、変色しにくい種類としては前述の通り、図 6の形状の葉だけを同じ茎に有す るものの変色度合 、が軽ぐこれにも葉の形状に現れて!/、な 、変色度合 、の強 、遺 伝的傾向を持つもの存在も考えら、現に他と異なる変色度合いを示すものも見受けら れるため、識別して採取した茎の加熱後の変色が最も軽微な複数の株を選択して栽 培して増やし、またそれらを同様の手法で確認を繰り返し、混合種を徐々に、または 定期的に排除していくと良い。
[0108] Ipomoea aquaticaは高温多湿の環境下では、極めて成長速度の速い植物で、 また根から上数センチの茎を残すことで再生する再生能力に優れた植物でもあること より、他の植物に比較して極めて早い速度で世代交代が可能で、この点が前述の混 合種の排除には有効であるものの、逆に外部より異種が混入する可能性も大きいた め、隔離して栽培することが好ましい。
[0109] 第 3の課題である加工による変色、変質や変質を抑制する方法にっ 、ては、先述 の通りエタノール水溶液に浸漬することが好ましい。
[0110] 浸漬方法としては、 1分 30秒、 98°Cから 100°Cで葉が重なって斑が発生しないよ うにしてブランチングを施し酵素を失活させた後、できるだけ早ぐできれば 3秒以内 でエタノール水溶液に浸漬し、水面に被浸漬物が出ないように沈めながら冷却、浸 漬することに留意する。
[0111] この際のエタノール濃度は 3から 5vol%を用いる力 エタノール濃度が高ければ 高い程、変色防止、皺の発生抑制には効果があり、極論をすれば無水エタノールが 最も好ましいが、実際の製造工程やコスト、また食用で利用する際のエタノール臭や 味を勘案し実工程では上記の 3から 5vol%とした力 効果を確認する場合は 10から 20vol%で確認すると効果が一層明瞭に確認できる。
[0112] また、加熱、凍結の後に解凍した場合の皺の発生防止、及び変色防止効果、葉 部の鮮緑色化の確認に関しては、ブランチング後すぐに外気との接触を遮断すること 、被加工物の冷却による収縮を利用してエタノールの浸透させることも兼ねて、ブラン
チング直後に冷却水にエタノール水溶液を用い、このまま注水された状態で注水ブ ロック凍結し、解凍に於いても解凍が完了した段階で開封して効果を確認すると、一 層効果が明瞭に確認できる。
[0113] 特にブランチング後に見られる変色は極めて早!、速度で発生し、一度変色してし まったものは浸漬を行っても可逆的に戻すことはできな 、ため、変色度合 、の軽 ヽ 種類の Ipomoea aquaticaでも軽微ではあるもののブランチング後は変色しやす!/ヽ 状態にあるため、変色の激しい種類の Ipomoea aquaticaはもとより、ブランチング 後はできる限り早期に空気との接触を遮断し、エタノール、シユウ酸、アミノ酸水溶液 などに浸漬し変色を抑制することが重要で、またリン酸塩、有機酸塩など保水効果の あるものとエタノールの混合溶液に浸漬して、皺の発生を防止することも有効である。
[0114] 第 4の課題である食品添加物に関しては、魚油の精製について効果が認められ、 これを簡便で最良の方法で行うと以下の通りである。
[0115] 魚油の脱臭や酸ィ匕物除去についての最良の方法は、まず使用する魚油の酸ィ匕 が軽度であるものとするため、鰊の肉を湯で煮熟して抽出し、この魚油と、すり潰した I pomoea aquaticaに対し同重量の水をカ卩えてフィルタープレスし、素早く抽出した 抽出液を、魚油 1に対し抽出液 6の容積比率で加え、密封した後に激しく振って混ぜ 合わせ、これを 1日間 5°Cで水層と油層に分離させた後、開封して臭気を確認し、ま たこれを密閉して激しく振り、同様の分離を行った!/、後に再び臭気を確認する作業を 4回繰り返す。
[0116] 使用する魚油の酸ィ匕度合いが軽度であれば、 Ipomoea aquatica抽出液が含 有するポリフエノール類の抗酸化力が一層有効性を発揮し、より臭気の少ない、酸価 、過酸ィ匕物価の低い魚油の精製が可能となる。
[0117] また当然のことながら、臭気を確認する度に、新たな抽出液に入れ替えて同様の 作業を行うと更に好結果が得られる。
[0118] 重複する力 東南アジアの缶詰工場を有する魚油産出国では、 Ipomoea aquat icaは大量かつ安価に入手が容易な作物で、また抽出は簡単に行える水抽出物であ り、低コストで大量に使用が可能なため、コスト的にも魚油精製の初期段階で加熱に より痛んだ魚油原料の水洗浄と同様に使用することもできる程で、実際の工程に於い
ては、水洗浄後にこの抽出物で再度洗浄を行う工程を組入れて魚油原料をきれいに して、この後に遠心分離、ウィンターリング、蒸留などの精製工程を行うと良い。
[0119] また、この Ipomoea aquatica抽出液の抗酸化力を維持しながら精製して水溶 液とし、蒸留前の段階でも、再度、脱臭、酸ィ匕物除去の洗浄工程に使用して、より魚 臭の低減を図ることも有効と考えられる。
[0120] また、機能食品として有効成分の含有の有無に関する確認については、以下の 方法で抽出、テストを行い検出がなされたため、これと同様、または同等の方法で含 有を確認すると良い。
[0121] 試料は Ipomoea aquatica混合種の凍結乾燥品、分析条件は、 Columnは iner tsilODSd(,4. 5x250mm)o μ Mobile pnase Αίま water : acetonitrile : aceti c acid= 90 : 10 : 0. 1、 Bは water : acetonitrile : acetic acid= 55 : 45 : 0. 1、 Fir st stage A : B = isocrtic 100 : 0 (1 Omin hold) ^ Second stage A: B=linear gradient 100 : 0 to 0 : 100 (40min hold)、 Third stage A : B=isocrtic0 : 100 (10min hold)、 Velosity lml/min、 UVdetection at 320nmであった 実施例 1
[0122] まず、第 1の課題である Ipomoea aquaticaを含む生鮮野菜の保存耐久期間の 延長について述べる。
[0123] できるだけ新鮮な空心菜を傷つけな 、ように留意しながら、土壌菌が残らな 、よう によく水で洗浄を行い、茎部切断面を再度きれいに切断し直し、菌数の少ない水を 注水してこの切断部分が必ず浸水された状態を保ち、暗所で遮光して 0°Cから 2°Cの 環境下でできるだけ水平に近い状態に維持して保管を行う。
[0124] これにより、従来鮮度低下が著しぐ数日間しか保存ができな力つた Ipomoea aq uaticaの保存耐久期間が 10日間を超える期間まで延長できることが確認できる。
[0125] 次に、第 2の課題である Ipomoea aquaticaの加工に適した部位、及び種類の 特定について記述する。
[0126] 部位については、 Ipomoea aquaticaの Bamboo leafが主体の混合種を、茎、 芽と芽付近の若葉 2枚とその葉柄、それ以外の成長した葉とその葉柄とに 3分割し、
各々を 1分 30秒間 100°Cで正確に斑の無いようにブランチングを行い、瞬時に水で 冷却し、 3者間での茎と葉柄、葉の変色度合いを確認し、これを複数の検体で行うと 一定した傾向が確認できる。
[0127] この際、従来この問題を複雑化させ、結果を惑わせて問題解決を阻害した要因で ある、葉幅の違い、図 1から図 6に示した葉の形状の違い、栽培環境の違いで効果の 有効性に差が生じることが予想されるため、比較する場合は同一栽培地で同時期に 収穫したものを葉の形状により選別して用い、異なる種類のものでテストを行い、複数 種を、複数回テストして、変色度合いと部位の間に一定の傾向が確かに存在すること を確認することが好ましい。
[0128] またこの際、芽近くの若葉は、変色度合いの強いものと、他の成長した葉と同程度 のものとが混在するが、出来上がる製品の色調を考慮して若葉は 2枚分別することと し、また 6枚以上の葉柄を有する葉が同じ茎にあるものについては 3枚目の若い葉に も変色の強いものも見られる力 頻度が少ないため、これは除去対象とはしない。
[0129] 更に、これらを踏まえて、各部位を切り離さずにそのまま上記のブランチング等の 加工を行!、、異なる葉の形状を有する複数の検体で部位ごとの変色度合!、の違 、を ½認することちできる。
[0130] 併せて、混合種の中から図 6の葉の形状だけを有するものを複数選び出し、他の 葉の形状を有するものとの上記のブランチング等の加工後の変色度合いについても 違 、を確認することができる。
[0131] この際も、図 6の葉の形状だけを有するものを複数回テストし、混合種の例外が存 在することを留意する。
[0132] 次に第 3の課題である加工による変色、変質を抑制する方法としては、効果を一 層明瞭にするためエタノール濃度を 10から 20vol%とし、このエタノール水溶液と対 象試験として水冷却を用いて、先述の通り、葉の形状による種類の差や産地、鮮度、 ブランチングゃ冷却までの時間など細心の注意を払 、、対象テストと同等の条件で テストを行う。
[0133] 更に、この確認テストに於いては、使用した冷却水ごと密閉して、被凍結物が水面 で空気と接触しな 、ように脱気して、被テスト品の一部でも空気と接触して 、な 、状
態にすることに留意してそのまま凍結を行い、 48時間後に解凍して、両者の違いを 葉や葉柄の色調、茎の皺について確認する。
[0134] これも、異なる葉の形状のものを準備して、テスト品、ブランク品ともに同じ条件と なるように検体の選定に細心注意を払わな 、と、正確な傾向が得られな 、ことか想定 されるため、この点に留意する。
[0135] 第 4の課題である食品添加物、加工助剤としての用途に関して、魚油の洗浄、精 製のための用途を記述する。
[0136] 魚油の脱臭や酸ィ匕物除去についての方法は、まず国内魚油精製メーカー使用 する魚油が品質の良いものを集荷していることを考慮し、酸ィ匕が軽度であるものとす るために鰊の肉を煮熟して抽出し、この魚油と、すり潰した Ipomoea aquaticaに対 し同重量の水をカ卩えてフィルタープレスし、素早く抽出した抽出液を、魚油 1に対し抽 出液 6の容積比率で加え、密封した後に激しく振って混ぜ合わせ、これを 1日間 5°C で水層と油層に分離させた後、開封して臭気を確認し、またこれを密閉して激しく振り 、同様の分離を行ったい後に再び臭気を確認する作業を 4回繰り返す。
[0137] 対象として同じ魚油に、抽出液の代わりに水を魚油 1に対して水 6の容積比率で 加え、同様の確認作業を行う。
[0138] これにより洗浄された魚油の臭気に関しては官能テストで、また過酸ィ匕物価は測 定値で判定する。
[0139] また、機能性食品に関しては、以下の条件で分析を行い、 caffeoylquinic acid 誘導体、 chlorogenic acid標準品の HPLCチャートでその含有を確認する。
[0140] 試料は Ipomoea aquatica混合種の凍結乾燥品、分析条件は、 Columnは iner tsilODSd(,4. 5x250mm)o μ Mobile pnase Αίま water : acetonitrile : aceti c acid= 90 : 10 : 0. 1、 Bは water : acetonitrile : acetic acid= 55 : 45 : 0. 1、 Fir st stage A : B = isocrtic 100 : 0 (1 Omin hold) ^ Second stage A: B=linear gradient 100 : 0 to 0 : 100 (40min hold)、 Third stage A : B=isocrticO : 100 (10min hold)、 Velosity lml/min、 UVdetection at 320nmであった
[0141] 次に、最も変色の激しい空心菜を例にとって説明すると、原料を収穫する際はセ
ラミックスなどの非金属で切断をした後、素早く切り口の土や付着物を洗い落として溶 存酸素の低い蒸留水に切り口を浸す。
[0142] 生産機器は鉄や銅の鲭の混入を避けるため、不動態皮膜を有するステンレス、ま たはプラスチックやセラミックスで代用可能なものはこれを用いる。
[0143] ブランチングする際、水がアルカリ性のであると、被加工物つまり空心菜の葉が軟 ィ匕させ不適当なため、溶存酸素の低い蒸留水で行うことが好ましい。
[0144] 吸収されたり、長時間接触するブランチング後の冷却水、注水の水、ブロック凍結 水、グレーズ水はコストとの見合いとなる力 できるだけ不純物、特に強酸、鉄、銅の 少ない、酸化還元電位の低い、溶存酸素の低い水で、 pH9. 0前後を呈する水が好 ましい。また、ブランチングで細胞組織が破壊された後の工程では、上記の水に少量 のエタノールを加えて使用することも有効である。
[0145] 特に空心菜の加工食品としては、使用直前または使用中における、 pHが 8. 0以 上であり硬度 100以下でかつ溶存酸素が 5. OmgZL以下の水、酸化還元電位が + 200mV以下であり硬度 100以下でかつ溶存酸素が 5. OmgZL以下の水、溶存酸 素が 4. OmgZL以下の水、酸化還元電位が OmV以下の水、若しくはアルコール類を 添加した水力 選ばれる水を用いてブランチング後の冷却、浸漬、注水ブロック凍結 、グレーズのいずれかを被カ卩ェ物に対して行なうことでカ卩ェされることが好ましい。酸 化還元電位 200mV以下の水を冷却及び浸漬に使用する場合については、連続し て又は一定の頻度で水を補う必要がある。
実施例 2
[0146] 以下は、今まで保存中に顕著な変色を引き起こし製品化が果たされな力つた冷凍 空心菜の生産を例に説明する。
[0147] 原料を収穫する際はセラミックスなどの非金属で切断をした後、素早く切り口の土 や付着物を洗い落として溶存酸素の低い蒸留水に切り口を浸した状態で、温度管理 に留意して素早く工場に搬入する。
[0148] 工場での搬入原料洗浄は次亜塩素酸を使用せず、不純物ゃ溶存酸素の少ない 中性の水で念入りに行い、再度茎の下部 2cm程度をセラミックス製の刃物で切り落と す。
[0149] ブランチングは不純物ゃ溶存酸素の少な 、、 pHが中性近辺でかつ酸ィヒ還元電 位の低!、電解水を注水しながら行!、、多めの水で行うか原料の投入量を少なくして 若干高めの温度に設定し、殺菌も兼ねる。
[0150] 電解水を使用する場合、絶縁体の水槽を用い、水の酸ィ匕還元電位は定期的に確 認することが重要である。
[0151] この後冷却をする力 この際に使用する水槽も同様の水槽を用い、不純物ゃ溶存 酸素の少な 、アルカリ性を呈する酸ィ匕還元電位の低 ヽ電解水を注水しながら行う。
[0152] 冷却の際は被カ卩ェ物の容積が収縮し、冷却水が被冷却物の中に吸収されるため
、ここでの金属イオンや、酸化促進物質の混入を避ける必要があり、冷却水に酸化還 元電位の低い天然水を使用する場合は、水の含有成分をよく調べて、水を選定する 必要がある。
[0153] この後に凍結する力 ブロック凍結をする場合、注水される水は長期にわたり被凍 結物と接触するため、長期に還元性を有するアルカリ性を呈する水を使用することが 好ましぐ初留を除いた蒸留水に重曹などの、弱酸とカリウム、カルシウム、またはナト リウムの化合物を添加したものが適当で、溶存酸素は極力低いものが好ましい。
[0154] IQF凍結をする場合のグレーズ水に関しても同様の点に注意する。
[0155] また、空心菜は、特に変色の度合いが顕著であるため、ブランチングなどの加熱 処理後に高濃度エタノールに浸漬したり、ブロック注水には上記の水にエタノールを 添加した水を使用することも有効である。
[0156] 凍結後は光が当たらないように、黒または、同様の光を遮断する色調や材質で酸 素透過性の低いもので選び、内容物を入れてこの後に脱気したり、窒素置換をして 密閉し、箱詰めする。
[0157] 全工程に於いて、酸化した金属や特に鉄や銅のイオン混入には特に注意を払い 、直接または水を介して間接的に接触する機器は、不動態皮膜 を有するステンレ スなどや非金属製を使用する。
[0158] 続いて、空心菜の抽出物を例にとって説明すると、原料を収穫する際はセラミック スなどの非金属で切断をした後、素早く切り口の土や付着物を洗い落とす。
[0159] 収穫後は素早く工場に搬入し、次亜塩素酸での洗浄は行わず、不純物の少ない
中性の水でよく洗浄する。
[0160] 収穫後、品温管理がなされていれば、細胞が破壊されるまでは顕著な変色は現 れないが、逆に加熱などにより細胞破壊がなされた後は急速に変色が起こるため、加 ェ水の pH、溶存酸素、金属や強酸の混入、特に酸化還元電位および電気伝導には 注意を払う必要がある。
[0161] 実用的な加工手順は後述の実施例に記述することとし、以下は最良の形態を記 述することとする。
[0162] 洗浄された原料を絶縁体でできた水槽で酸ィ匕還元電位 OmV以下、溶存酸素 Om gZL、 pH9. 0から 11. 0の水で加熱し、酵素を失活させるとともに植物繊維を軟ィ匕さ せる。
[0163] この後、無酸素下で、絶縁体でできた器具を用いて、加熱した水とともに静かに磨 り潰す。
[0164] さらに酸ィ匕還元電位 OmV以下の水をカ卩え、または加えながら絶縁体製の機器で 圧搾、またはろ過し、得られた液体を絶縁体でできた容器に入れ低温の窒素などを 用いて無酸素下で凍結する。
[0165] 更にこれを真空凍結乾燥する。乾燥後、内面が絶縁体の層になっているラミネー トなどの酸素透過性の低い袋に入れて窒素置換し密封する。
実施例 3
[0166] 実施例の工程は前述の最良の形態と同様である力 各工程で多量に規制に合致 した天然水や調整水を使用するとコストがかかりすぎるため、通常の生産では空心菜 を水蒸気で加熱し水を加えず磨り潰したり、各工程で使用する水は蒸留水や入手可 能な金属や強酸などの不純物の少な 、水を煮沸したものを少量用いるなど、酸素や 酸ィ匕を促進する不純物の混入を低減することに留意した少量の水を用いて生産する
[0167] この後、これを、またはこれに少量の蒸留水をカ卩えて圧搾して得た絞り汁または抽 出液を、絶縁体でできている容器に入れ、酸ィ匕還元電位力 SOmV以下でかつ pH9. 0 以上を目安とした還元性の高 、アルカリ還元水を添加して、真空凍結乾燥し無酸素 下で粉枠する。
[0168] ポリフエノール類の酸ィ匕は可逆的でもあるため、酸ィ匕還元電位が低い環境下では 素早いが短期的に、弱酸と標準単極電位の低いカリウム、カルシウム、ナトリウムの化 合物で調整された PHが高い環境下では長期に渡り、抽出されたポリフ ノール類は 還元性を保ち、再び活性酸素除去能を示すことが認められる。
[0169] この乾燥物を、内面が絶縁体の層になっているラミネートなどの酸素透過性の低 Vヽ袋に入れて窒素置換して密封、または絶縁体でできた袋に入れ袋内の空気窒素 置換した後に缶に入れ、缶と袋の間の空気も窒素置換して密封し保存する。
[0170] この後は打錠品、カプセル充填品、糖衣錠として製品化し、 SODやビタミン類同 様に摂取する。
[0171] 空心菜の変色は鉄およびポリフエノール類の関与が認められるため、これらの酸 化を抑制する環境下で加工することが好まし 、。
[0172] このため、金属、溶存酸素、酸など、酸化促進物質の含有の少ない水や酸化還 元電位の低!ヽ水を用いて加工する。
[0173] 特に、加工工程中での鉄イオンや鉄鲭の混入は極力避ける必要がある。
[0174] これにカ卩え、ブランチング、加熱調理、ブランチング後の冷却、浸漬、調味、注水
、注水ブロック凍結、グレーズのいずれかの工程、できれば複数の工程に於いて、シ ユウ酸またはシユウ酸塩を含む水を用いて行う。
[0175] 食品添加物としてのシユウ酸を添加した場合、 日本国内で生産、販売を行うため には、最終食品の完成前に除去することが義務付けられているため除去工程を加え る必要がある。
[0176] 一方、シユウ酸塩を含有する食品を副原料して一緒に加工した場合、シユウ酸の 除去工程は不要と考えられるため、各工程に於 ヽて適した副原料を用いると良 ヽ。
[0177] 日本国外での生産、販売を行う場合、各国の法規に合致した方法でシユウ酸、シ ユウ酸塩、またはこれらを含有する副原料を使用する必要がある。
実施例 4
[0178] 以下は冷凍空心菜の生産に於ける実施例を記述する。
[0179] コンニヤクの乾燥粉末を水に、苦味を感じない程度の少量だけ加え、よくかき混ぜ る。
[0180] この際、コンニヤクの乾燥粉末が多いと、苦い、粘性の強い溶液となり、加工水とし ては不適当となる。
[0181] この水を用いてブランチングを行う。
[0182] ブランチング後の冷却に用いる水も、コンニヤクの乾燥粉末を少量添加してよくか き混ぜながら加熱した後に、よくかき混ぜながら冷却したものを用いる。
[0183] この後、注水ブロック凍結を行うが、この際に注水する水は、冷却水に用いた水を 更に希釈したもの、または不純物の少ない中性の水を用いる。
[0184] また、同じ工場でホーレン草をカ卩ェしている場合は、ホーレン草のブランチングを 行った水、いわゆるホーレン草温水抽出液をコンニヤク乾燥粉末水溶液の代用として 用いてもよい。
[0185] この後は凍結、梱包して冷凍保存する。
産業上の利用可能性
[0186] 本発明に於ける産業上の利用の可能性で特に強調しておくべきことは、 Ipomoe a aquaticaは優れた再生能力や成長速度を有し、大量に生産されながら、また短 期間で莫大な増産が可能である栄養価の高い有望かつ優れた食材でありながら、そ の保存性の悪さより流通範囲が限定され、また適切な流通保管方法や加工方法が 見出せずに、生鮮や家畜の餌としての限られた用途での利用に留まり、十分な利用 がなされずにいたものが、本発明により遠隔地、即ち世界的に利用することが可能と なったこと〖こある。
[0187] また、流通保管に対する耐性が弱く遠隔地への流通が困難であったため、生産 地、食品業界などの一部を除き一般的に認知度が低ぐ糖尿病などの疾病改善効果 が言及されながら、ポリフエノール類に留まらずこの食材が有する多糖類と思われる 粘性物質などのこの食材が有する、優れた成分や機能の有効な利用方法が十分に 研究されてこなカゝつたが、本発明により食品に留まらず、新たな有効利用法が提案さ れたことも極めて有意義である。
[0188] 当然のことながら、この食感の良い優れた、かつ有望な食材に着眼して過去に於 いて冷凍食品メーカーなどを中心にこの加工による変色の防止に関するテストが行 われて、未だに高い関心を寄せているが、中国残留農薬問題を抱えて冷凍緑葉野
菜が不足して困窮する現在に於いても、未だにこの問題は解決されずに製品化に至 れていな力つた現状より、既に需要は存在しており、本発明によりこの問題が解決さ れた今、早期に事業化され製品化されることが必至である。
[0189] あわせて、この問題の主要因とされてきた栽培時の土壌成分との関連性とは別の 角度よりこの問題を検討し、 Ipomoea aquatica Forskの現時点で認識されている 分類を更に葉の形状により細分化し、また混合種、雑種の混生に惑わされず、この細 分化された系統により、加熱や凍結などの細胞破壊がなされた後の変色度合いが異 なる傾向があること、また部位により異なる傾向があること、更には系統により差が生 じるものの共通して効果の得られる処理方法を見出したことも極めて有意義である。
[0190] 今後は本発明で提議した各系統の遺伝的な違いを認識することが極めて有効で 、これにより従来の研究で得られな力つた一定の傾向を示すテスト結果が得られるよ うになり、土壌成分や環境の色調に及ぼす影響や栽培方法、有効成分の含有量の 多い系統の研究、効率的な抽出原料系統の確認に好結果をもたらすことが期待でき るもので、具体的に述べると、本件考案時に調査した環境などに対する Ipomoea a quaticaの研究の写真や図などでは混合種や混生を分別することなく同一種の試料 として取扱!/、、研究結果報告をして 、るものば力りであった。
[0191] これにより、前述の通り安価で大量に供給され、急速に増産が可能な、また食習 慣があり食品として流通されている安全性を確保して集荷されるこの資源を十分に活 用することができるようになることは、極めて有意義な貢献であることが明白である。
[0192] 本発明で考案された個々の製品について産業上の利用の可能性について述べ ると、まず、生鮮については近年日本国内でも夏期に販売されるようになった空心菜 は、鮮度低下が激しく流通段階で既に劣化が進み、量販店の店頭では短時間で劣 化し、粗悪な状態になっても売られていることが頻繁に見受けられ、この点を改善し た流通は、小売業、また国内栽培者にとっても有効で、すぐに実施が可能なものであ る。
[0193] 次に冷凍カ卩ェ品については、言及するまでも無ぐ食品メーカー各社ともにこの 食材の開発には興味を示しており、特に中国残留農薬問題に直面している現在、冷 凍緑葉野菜が不足しており、優れた栄養価を有しながら安価に供給可能で、虫が好
まないポリフエノールを含むことより防虫剤などの農薬が軽減できる本食材は、まさに 時流を得た、また将来性のあるもので、早期かつ多量の需要が存在しているため、産 地での栽培管理生産体制が整い次第、すぐにも事業化がなされることは必至である
[0194] 次に食品添加物または加工助剤としての魚油精製に関する用途について産業上 の利用の可能性について述べると、 日本、欧米向けに鮪の缶詰を多量に生産するた めに加熱により痛んだ魚油を副産物として多く生産する東南アジア地域に於いて、 日常的に容易にかつ安価で大量に、また強い抗酸化力を維持した状態で容易に入 手が可能な Ipomoea aquatica抽出物は、極めて有効で、魚油洗浄などの工程も 実機生産工程を前提に考案されており、新たな設備を必要としないため、実用性の 高いものである。
[0195] 特に機能性食品、いわゆる健康食品として、魚油より DHA、 EPA、ァラキドン酸 などの高度不飽和脂肪酸を生産するメーカーは国際的にも多ぐ各メーカーともその 品質の評価の一つは酸化臭の脱臭、魚臭の残存の程度であり、魚臭低減の方法とし ては品質の良い魚油の集荷、蒸留温度や方法、ビタミン類などの酸ィ匕防止剤の添カロ などが主たる手法であった。
[0196] 今回、 Ipomoea aquatica抽出物力 不飽和脂肪酸の脱臭や酸抑制に効果を 有することが確認されたことで、容易に低コストで多量に入手可能であること、また水 溶性で水溶液とすると魚油と分離が容易なことで歩留まり低下が少ないこと、魚油加 ェの初期段階で工程を洗浄の際の水に添加するだけで従来の洗浄より脱臭効果、 酸化物除去効果が向上すること、また機能性食品の生産に於いて重要視される添カロ 物、助剤などの食習慣の有無では食習慣があることなどを背景に、これも早期に利用 されることは必至である。
[0197] また、この水溶性抽出物を精製して、更に進んだ不飽和脂肪酸精製工程での脱 臭工程に使用すること、または Ipomoea aquaticaに含まれる脂溶性ポリフエノール 類を精製して直接不飽和脂肪酸に添加し抗酸化剤として添加して酸ィ匕抑制、または 活性酸素除去を行うことも有効な手段である。
[0198] 最後に機能性食品及び特定物質抽出原料としての有用性について述べると、健
康志向の傾向にある現在、抗酸化能力に優れ、活性酸素除去能を有するポリフエノ 一ル類は脚光を浴びており、安全性の高い、安定供給、低コスト生産が可能な、 chl orogenic acidなどの特定のポリフエノール及び抗変異原性を有する caffeoylquin ic acid類を含有する食品は、原料コストの低さに反して、高い付加価値を有する、 時流を得た、早期に需要の見込まれる商材である。
[0199] また、現時点で確認されている tricaffeoylquinic acidの含有量は少ないものの 、抽出した試料は数種類の Ipomoea aquaticaが混合したものであったため、今後 は含有量の多い Ipomoea aquaticaの細分化された品種を特定し、また適切な抽 出方法を選択することで、含有量の増加、抽出の効率化必至で、これも極めて有効 なものである。
[0200] 加えて前述の通り、 Ipomoea aquaticaはエイズ発症件数の多いアフリカ、東南 アジアで周年、大量に供給され入手も容易で、また優れた再生能力、極めて早い成 長速度により食品、及び抽出原料としても急速に増産が可能で、更には水質浄化な ど環境対策としても増産傾向にあり、その供給量は飛躍的に拡大することが可能で、 有効な抽出原料となることも必至である。
[0201] 特に機能性食品や特定物質抽出の原料は供給が希少であったり、不安定で季 節性があったり、集荷に時間を要する、不良品の混入、特殊な入手経路であるなど 安定供給や安定価格での供給面で問題を抱え、需要の急激な変化に応じきれずに 製品不足、不当な価格、粗悪品など原料に由来する問題を抱える製品が多く見受け られる力 本発明で原料とする Ipomoea aquaticaはこの点での問題が全く無いこと 力 利用者にとって最も大きな利点をもたらすものである。
[0202] 以上の通り、本発明は今後の食料需給面や健康増進に於いても大きな役割を果 たすことが見込まれる貢献度の高い、また大きな将来性を有する、優れた発明である
[0203] 前述の通り空心菜だけをとつても、優れた原料特性に起因し各社とも試作を繰り 返してきたこと、今まで問題が解決されずにいたことなどより明らかな通り、既に需要 は存在しているため、早期の利用が見込まれる。
[0204] 重複するが、以下にその根拠を列記する。
[0205] 空心菜は生産、供給面では、温暖な地域では生育が早ぐ根を残して収穫するこ とで再び同じ株力 芽が出る。
[0206] 生命力が強ぐ水耕栽培が可能で栽培が極めて容易なため生産量も多い。
[0207] 商品特性としては、独特の歯ざわりが特徴で食感も良ぐ癖のない味のため用途 も広く、本発明で変色しないものの開発がなされたため、緑色を呈する有効な食材と なる。
[0208] ポリフエノール含有量が多く、優れた抗酸化作用があること、鉄やカルシウム含有 量が多いことなど、栄養価に富み、中国や台湾などでは摂取による効能なども言わ れて 、る有益な食材である。
[0209] 健康に対する関心が高まってきている現在、特に抗酸化作用として注目されてい るポリフエノール含有量が多ぐこのポリフエノールの抗酸ィ匕作用が損なわれずに製 品化された、保存可能な高ポリフエノール含有食品が提供されることは有益なことで ある。
[0210] 更には、最大の利点として、生産が容易なことに起因する原料の低価格が挙げら れる。
[0211] 現在流通されている冷凍ホーレン草、冷凍小松菜などよりも容易に、高温の南ァ ジァでは季節を問わず生産することができるため、加工水調整に経費が力かってもな お十分な価格競争力もあり、かつ優れた商品特徴を有するもので、急速な需要の拡 大が見込まれる。
[0212] また、水質浄ィ匕に有効な植物でもあり日本に於いても注目され始めていることより 今後一層の生産拡大が見込まれる現在、加工により冷凍または常温保存を可能とし 用途の拡大、 L ヽては需要を拡大することは極めて重要である。
[0213] またこの他にも、本発明によりしその葉や春菊などの変色しやすい野菜 の加工 原料としての利用または需要が期待できる。
[0214] 更には、現時点では多量に流通している冷凍ホーレン草や小松菜の品質向上に も有効な考案で、ワインやココアなどのポリフエノールに関心が高まってきて 、る現在 、極めて有効かつ、関心の高い考案である。
[0215] 加工された製品の特性は、健康に対する関心が高まってきている現在、特に抗酸
化作用として注目されているポリフエノール類の含有量が多ぐこのポリフエノール類 の抗酸化力が損なわれずに加工され、かつ保存を可能とした本発明は、関心の高い 、有益なものである。
[0216] 商品特性としては、独特の歯ざわりが特徴の食感、癖のない味のため用途も広く 、本発明で変色しないものの開発がなされたため、緑色を呈する使い勝手の良い有 効な食材となる。
[0217] 更に前述の通り空心菜は、水質浄ィ匕に有効な植物でもあり日本に於いても注目さ れ始めていることより、今後一層の生産拡大が見込まれ、この空心菜の冷凍または常 温保存を可能とした加工品原料としての用途の拡大を可能とした本発明は極めて重 要である。