WO2005053998A1 - チャイルドシート - Google Patents

Abstract

　チャイルドシート（１）は、シートクッション部（６）とシートバック部（８）とを有し、車両のバックル（１０３Ｂ）に連結されるシートベルトを利用して該車両の座席に前向き姿勢で固定される。そして、バックル（１０３Ｂ）との連結点から引き上げられた車両のシートベルトの肩ベルト部分（１０４）を案内する肩ベルトガイド（１５０）が、座席（１００）の左右方向に関してバックル（１０３Ｂ）の位置と同一側であって、かつシートクッション部（６）とシートバック部（８）との境界部よりもシートバック部（８）側に偏った位置に配置されている。

Description

明 細 書

チャイルドシート

技術分野

[0001] 本発明はチャイルドシートに関する。特には、シートベルトを利用して車両の座席に 固定されるチャイルドシート、幼児を拘束するベルトの位置調整が可能なチャイルド シート、及び、リクライニング機能を有するチャイルドシートに関する。

背景技術

[0002] 車両のシートベルトを利用して座席に固定するタイプのチャイルドシートにおいては 、幼児が着席するシート部又はそのシート部を支えるベース部の後端側にベルト通し 孔が設けられて 、る。そのベルト通し孔にシートベルトの腰ベルト部分が通された上 でシートベルトのタンダがバックルに連結される。タンダにて折り返された車両のシー トベルトの肩ベルト部分は、引き上げられて所定の経路で案内される。これにより、車 両のシートベルトに一定の張力が付与されてチャイルドシートが車両の座席に取り付 けられる。

[0003] 幼児を拘束する拘束ベルトの位置調整が可能なチャイルドシートも知られている。こ の種のチャイルドシートでは、拘束ベルトをその幼児の体格に適した位置に調整する ため、一旦、拘束ベルトを連結金具等力 取り外し、再度幼児の体格に適した位置に 取り付け直すことによりベルトの位置調整を行っている。拘束ベルトを取り外さずに位 置調整を可能としたチャイルドシートも提案されて ヽる（例えば実開平 6— 42464号公 報参照)。

[0004] リクライニング機能を有したチャイルドシートも知られている。一例として、シートタツ シヨン部の後端とシートバック部の下端とを回動自在に連結し、車両の座席の前後方 向に関するシートクッション部の移動に連動してシートバック部の傾きが変化するよう に構成されたチャイルドシートが提案されて 、る（例えば実開平 5— 49470号公報参 照)。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題 [0005] シートベルトを利用して車両の座席に固定する従来のチャイルドシートにおいては 、タンダにて折り返された肩ベルト部分がチャイルドシートのシートクッション部とシー トバック部との境界よりも前方側、あるいは車両のバックルの位置よりも前方側に戻る ように案内される。このため、タンダで折り返された肩ベルト部分の腰ベルト部分に対 する傾斜角が比較的小さな鋭角となり、シートベルトとタンダとの摩擦力が増大する。 その結果、肩ベルト部分又は腰ベルト部分に張力を加え、緩んだシートベルトを再度 締め直してチャイルドシートをより強固に固定しょうとしても、タンダにて折り返された 反対側の肩ベルト部分又は腰ベルト部分にまで張力が伝わり難くなる。

[0006] 拘束ベルトの位置調整が可能な従来のチャイルドシートにおいては、ベルトの位置 を幼児の体格に適合させるためにその都度拘束ベルトを取り付け直すのは煩雑であ る。上述した実開平 6— 42464号公報に開示されたチャイルドシートは、幼児が着席 するシート部と幼児を拘束する拘束ベルトとを含んで一つのユニットを構成しており、 そのユニットを車両の座席あるいは座席に固定されたベース部に取り付けている。従 つて、シート部の部品数が増して質量増加を招き、シート部とベース部との連結部に 加わる負担が大きくなる。拘束ベルトの位置調整用の操作部がシート部の背面側に 設けられて!/、るので、シート部をベース部から取り外して前後に反転させな!/、と調整 作業が行えず、車内スペースの都合から車外作業を余儀なくされるおそれがある。

[0007] リクライニング機能を有する従来のチャイルドシートは、着席した幼児を拘束するた めの股ベルト及び肩ベルトを含んで構成されて 、る。肩ベルトはシートクッション部に 連結された股ベルトとバックルを介して連結され、連結箇所と反対側の端部はバック ルカもシートバック部の前面を貫通して当該シートバック部の背面へ回り込み、シート クッション部の前方へ引き出された後、当該シートクッション部に連結されている。従 つて、着席した幼児を拘束した後にシートクッション部を移動させてシートバック部の 傾きを変更すると、肩ベルトの長さに過不足を生じる。このため、着席した幼児に対 するベルトによる拘束が当初よりもきつくなり、又は緩くなる。

課題を解決するための手段

[0008] 本発明の第 1の目的は、車両のシートベルトの腰ベルト部分及び肩ベルト部分にバ ランスよく張力を伝えて、チャイルドシートを車両の座席に対して容易かつ強固に固 定することが可能なチャイルドシートを提供することにある。

[0009] 上述した第 1の目的を達成するため、本発明の第 1の態様に係るチャイルドシート は、シートクッション部とシートバック部とを有し、車両のバックルに連結されるシート ベルトを利用して該車両の座席に前向き姿勢で固定される。そして、前記バックルと の連結点から引き上げられた前記車両のシートベルトの肩ベルト部分を案内する肩 ベルトガイド力 前記座席の左右方向に関して前記バックルの位置と同一側であって 、かつ前記シートクッション部と前記シートバック部との境界部よりも前記シートバック 部側に偏った位置に配置されて 、る。

[0010] 第 1の態様のチャイルドシートによれば、肩ベルト部分を案内する肩ベルトガイドが 上記のように配置されて 、るので、タンダで折り返された肩ベルト部分の腰ベルト部 分に対する傾斜角を大きくすることが可能となり、それにより、シートベルトとタンダと の摩擦力の増加が抑制される。従って、シートベルトの肩ベルト部分又は腰ベルト部 分のいずれに張力を加えてもタンダにて折り返された肩ベルト部分又は腰ベルト部 分にも張力が伝わり易くなる。よって、肩ベルト部分及び腰ベルト部分のいずれにも 張力をバランスよく配分することができ、チャイルドシートを車両の座席に対して容易 かつ強固に固定することができる。

[0011] 上述した第 1の目的を達成するため、本発明の第 2の態様に係るチャイルドシート は、車両のバックルに連結されるシートベルトを利用して該車両の座席に前向き姿勢 で固定される。そして、前記バックルとの連結点から引き上げられた前記車両のシー トベルトの肩ベルト部分を案内する肩ベルトガイドが、前記座席の前後方向に関して 前記バックルの位置よりも後方に偏った位置に配置されている。

[0012] 第 2の態様のチャイルドシートによれば、タンダで折り返された肩ベルト部分の腰べ ルト部分に対する傾斜角を大きくすることが可能となり、それにより、シートベルトとタ ングとの摩擦力の増加が抑制される。従って、シートベルトの肩ベルト部分又は腰べ ルト部分のいずれに張力を加えてもタンダにて折り返された肩ベルト部分又は腰べ ルト部分にも張力が伝わり易くなる。よって、肩ベルト部分及び腰ベルト部分のいず れにも張力をバランスよく配分することができ、チャイルドシートを車両の座席に対し て容易かつ強固に固定することができる。 [0013] 第 1又は第 2の態様のチャイルドシートの好適な一形態において、前記肩ベルトガ イドは前記座席の上下方向に移動可能に設けられてもよぐ前記肩ベルトガイドの移 動の禁止及びその禁止の解除を切り替える肩ベルトガイド位置調整手段をチヤィル ドシートが具備してもよい。この様に構成された肩ベルトガイドを具備していれば、肩 ベルトガイドを上方へ引き上げて肩ベルト部分に張力をカ卩えて緩んだシートベルトを 締め直すことができる。

[0014] さらに、上記形態のチャイルドシートにおいて、前記シートクッション部及び前記シ 一トバック部はフレームにより支持されてもよぐかつそのチャイルドシートは、前記フ レームに対して前記座席の上下方向にスライド可能な操作部と、前記操作部と前記 肩ベルトガイドとを連結する連結部材とを備え、前記連結部材が前記肩ベルトガイド 寄りの前記フレーム上の支点を中心として回転可能に設けられている操作補助装置 を具備してもよい。この形態によれば、フレーム上の支点、連結部材と操作部との連 結点及び連結部材と肩ベルトガイドとの連結点をそれぞれ支点、力点及び作用点と するいわゆる梃子の装置が構成され、肩ベルトガイドを移動させるための操作力を低 減できる。

[0015] 上記形態のチャイルドシートにお!/、て、前記シートクッション部及び前記シートバッ ク部はフレームにより支持されてもよぐかつそのチャイルドシートは、前記フレームに 対して該フレームを横断する方向にスライド可能な操作部と、前記操作部と前記肩べ ルトガイドとを連結する連結部材）と、前記操作部及び前記連結部材のうちのいずれ か一方と前記フレームとの間に掛け渡され、前記操作部をその操作方向に付勢する 付勢手段とを備える操作補助装置を具備してもよい。この形態によれば、操作部がそ の操作方向に対して付勢されて ヽるので、肩ベルトガイドを少な ヽ力で移動できる。

[0016] 第 1又は第 2の態様のチャイルドシートの好適な一形態において、前記バックルとの 連結点から前記座席の左右方向に関して反対側に掛け渡される前記車両のシート ベルトの腰ベルト部分を案内する腰ベルトガイドが、前記座席の前後方向に関して前 記バックルの位置よりも前方に偏った位置に配置されていてもよい。さらに、前記バッ クルとの連結点を中心として前記肩ベルト部分と前記腰ベルト部分とにより形成され る角度が前記座席の上方に関して鈍角となるように、前記シートベルトが前記肩ベル トガイド及び前記腰ベルトガイドにて案内されて 、てもよ 、。

[0017] 従来の多くのチャイルドシートでは、肩ベルト部分の案内装置だけでなく通し孔等 の腰ベルトを案内する装置についてもシートクッション部とシートバック部との境界より も前方側、あるいは車両のバックルの位置よりも前方側に設けられている。この様な チャイルドシートでは、腰ベルト部分と肩ベルト部分とによって形成される角度が更に 小さくなり、タンダによる摩擦力の増大を助長するおそれがある。

[0018] 上記の形態によれば、タンダにて折り返される腰ベルト部分及び肩ベルト部分が形 成する角度がより大きくなるので、タンダによる摩擦力の増大を効果的に抑えることが でき、チャイルドシートの車両の座席に対する固定力を更に増加させることができる。

[0019] 本発明の第 2の目的は、幼児を拘束する拘束ベルトを取り外すことなく位置調整が 可能なチャイルドシートを提供することにある。

[0020] 上述した第 2の目的を達成するため、本発明の第 3の態様に係るチャイルドシート は、車両の座席に固定されるベース部と、前記座席に対して前向きの姿勢で前記べ ース部上に取り付け可能なシート部とを具備する。そして、前記ベース部には、前記 座席に固定されるベース本体と、前記シート部に着席した幼児を拘束するための一 対の肩ベルトを備えた拘束ベルト装置と、前記肩ベルトを案内する肩ベルトガイドと、 前記肩ベルトガイドを前記ベース本体に対して前記座席の上下方向に位置調整可 能に連結するベルトガイド位置調整機構とが設けられている。

[0021] 第 3の態様のチャイルドシートによれば、拘束ベルト装置及びベルトガイド調整機構 が車両の座席に固定されるベース部に設けられている。従って、幼児が着席するシ 一ト部は軽量ィ匕されベース部との連結部に加わる負担が少ない。

[0022] 第 3の態様のチャイルドシートの好適な一形態において、前記ベルトガイド位置調 整機構は、操作部の操作によって前記座席の上下方向への前記肩ベルトガイドの移 動の禁止及びその禁止の解除を切り替える拘束手段を具備してもよぐ前記操作部 は前記シート部の前面側力 操作可能な位置に設けられて 、てもよ 、。この場合は、 拘束ベルトの位置調整を行うベルトガイド位置調整機構がベース部に設けられて ヽ るので、シート部を取り外して前後に反転させる必要はなぐ車内にて位置調整を容 易に行うことができる。 [0023] 第 3の態様のチャイルドシートの上記形態において、前記ベース本体は一対のフレ ームを含んで構成されてもよぐ前記拘束手段は、前記一対のフレーム間に沿って上 下移動可能であり、かつ前記一対のフレームに形成された孔に対して抜き差し可能 なシャフトを含んで構成されてもょ ヽ。肩ベルトガイドの移動の禁止及びその禁止の 解除を切り替える拘束手段が、一対のフレーム間で沿って上下移動するので、十分 な強度を確保することができる。また、拘束手段はシャフトによってフレームに対して 位置決めされるので確実に肩ベルトガイドの位置調整が可能となる。

[0024] 第 3の態様のチャイルドシートの他の形態において、前記肩ベルトが、前記ベース 部に取り付けられた前記シート部と干渉しないように前記一対のフレームの背面側か ら該シート部の前面側へ案内されていてもよい。この場合は、肩ベルトがシート部と干 渉しな 、ので、シート部に着席した幼児の拘束に対する信頼性が高まる。

[0025] 上述した第 2の目的を達成するため、本発明の第 4の態様に係るチャイルドシート は車両の座席に前向きの姿勢で固定されるものであって、該チャイルドシートは、幼 児を拘束するための一対の肩ベルトと、前記肩ベルトを案内する肩ベルトガイドと、前 記肩ベルトガイドを前記座席の上下方向に位置調整可能に連結するベルトガイド位 置調整機構とを具備する。そして、前記ベルトガイド位置調整機構は、操作部の操作 によって前記座席の上下方向への前記肩ベルトガイドの移動の禁止及びその禁止 の解除を切り替える拘束手段を具備し、前記操作部が前記座席の前方側から操作 可能な位置に設けられて 、る。

[0026] 第 4の態様のチャイルドシートによれば、ベルトガイド位置調整機構の操作部が座 席の前方側力 操作可能な位置に設けられて 、るので、チャイルドシートを取り外し て前後に反転させて拘束ベルト装置の位置調整を行う必要はなぐ車内にて位置調 整を容易に行うことができる。

[0027] 本発明の第 3の目的は、シートバック部の傾きを変更しても、ベルトの緩みの変動を 抑えることが可能なチャイルドシートを提供することにある。

[0028] 上述した第 3の目的を達成するため、本発明の第 5の態様に係るチャイルドシート は、車両の座席上に配置されるベース部と、前記車両の座席に対して前向きの姿勢 で前記ベース部上に配置されるシート部とを具備する。そして、前記ベース部には、 前記座席に固定されるベース本体と、前記ベース本体に対して前記車両の座席の 前後方向に位置調整可能に連結されるスライダと、前記シート部に着席した幼児を 拘束するための一対の肩ベルト及び一端側が前記シート部の背面側にて前記肩べ ルトと連結され、他端側は前記スライダの前方に引きだされる調整ベルトを備えた拘 束ベルト装置と、前記スライダの移動に応じて前記調整ベルトの案内経路を変化させ る緩み調整機構とが設けられて 、る。

[0029] 第 5の態様のチャイルドシートによれば、スライダの移動に伴って調整ベルトの案内 経路を変化させることができるので、スライダの位置が変化しても肩ベルトの緩み量の 変化を抑えてシート部に着席した幼児を適切に拘束することができる。

[0030] 第 5の態様のチャイルドシートの好適な一形態にぉ 、て、前記緩み調整機構は、前 記案内経路に隣接して配置され、かつ該案内経路を横切る方向に関して進退可能 に設けられたガイドブロックと、前記ガイドブロックに沿って移動して該ガイドブロック を進退させる介在部材と、前記スライダと前記介在部材とを連結するリンクとを具備し てもよい。この形態によれば、シートバックが最も起立した最大起立位置からスライダ を前進させてシートバックをリクライニングさせると、案内経路に隣接して配置された ガイドブロックがスライダの前進に伴って徐々に後退し、調整ベルトが漸次後方へ案 内される。スライダを後退させてシートバックを最大起立位置へ戻すときには、上記と は反対にガイドブロックがスライダの後退に伴って徐々に前進し、調整ベルトが漸次 前方へ案内される。従って、スライダの位置が変化しても肩ベルトの緩み量の変化を 抑えることができる。

[0031] 第 5の態様のチャイルドシートの他の形態にぉ 、て、前記緩み調整機構は、前記案 内経路に隣接し前記ベース本体に対して回転可能に設けられ、その回転運動により 前記案内経路を迂回させるカム部材と、前記スライダの前後方向への運動と前記力 ム部材の回転運動とを連係させる連係手段とを具備してもよい。この場合は、スライダ の進退に連動して調整ベルトの案内経路に隣接して設けられたカム部材が回転し、 その案内経路を迂回させることができるので、スライダの位置が変化しても肩ベルトの 緩み量の変化を抑えることができる。

[0032] 第 5の態様のチャイルドシートのさらに他の形態において、前記緩み調整機構は、 前記案内経路に隣接し前記ベース本体に対して移動可能に設けられ、その運動に より前記案内経路を迂回させるガイド部材と、前記スライダの前後方向への運動と前 記ガイド部材の運動とを連係させる連係手段とを具備してもよ ヽ。この形態によれば、 調整ベルトの案内経路に隣接して設けられたガイド部材カ Sスライダの進退に連動して 移動し、調整ベルトの案内経路を迂回させることができるので、スライダの位置が変 化しても肩ベルトの緩み量の変化を抑えることができる。

[0033] 第 5の態様のチャイルドシートのさらに他の形態において、前記調整ベルト又は前 記肩ベルトは、複数のベルトが前記緩み調整機構を介して向き合うように構成される 部分を含んでもよい。この形態によれば、スライダを後退させてシートバック部を起立 させる場合において調整ベルトが余り気味になるときには、ベルトが向き合う部分を 押し広げるように緩み調整機構を動作させることができるので、調整ベルトの案内経 路をより確実に変化させることができる。肩ベルトにおいても同様である。

[0034] 上述した第 3の目的を達成するため、本発明の第 6の態様に係るチャイルドシート は、車両の座席上に配置されるベース部と、前記車両の座席に対して前向きの姿勢 で前記ベース部上に配置されるシート部とを具備する。そして、前記ベース部には、 前記座席に固定されるベース本体と、前記ベース本体に対して前記車両の座席の 前後方向に位置調整可能に連結されるスライダと、前記シート部に着席した幼児を 拘束するための一対の肩ベルト及び一端側が前記シート部の背面側にて前記肩べ ルトと連結され、他端側は前記スライダの前方に引き出される調整ベルトを備えた拘 束ベルト装置とが設けられ、前記シート部には、前記スライダに連結されるシートタツ シヨン部と、前記シートクッション部の後端部に対して前記座席の左右方向に延びる 軸線を中心として回転可能な状態で連結されるシートバック部とが設けられ、前記シ 一トバック部には、前記スライダの移動に応じて前記調整ベルトの案内経路を変化さ せる緩み調整機構とが設けられて 、る。

[0035] 第 6の態様のチャイルドシートによれば、スライダの移動に伴って傾きが変化するシ 一トバックを利用して調整ベルトの案内経路を変化させることができる。従って、スライ ダの位置が変化しても肩ベルトの緩み量の変化を抑えてシート部に着席した幼児を 適切に拘束することができる。 [0036] 上述した第 3の目的を達成するため、本発明の第 7の態様に係るチャイルドシート は、車両の座席上に配置されるベース部と、前記車両の座席に対して前向きの姿勢 で前記ベース部上に配置されるシート部とを具備する。そして、前記ベース部には、 前記座席に固定されるベース本体と、前記ベース本体に対して前記車両の座席の 前後方向に位置調整可能に連結されるスライダと、前記シート部に着席した幼児を 拘束する拘束ベルト装置とが設けられ、前記拘束ベルト装置には、一対の肩ベルト 及びこれら肩ベルトに連結される調整ベルトと、前記スライダの移動に応じて前記調 整ベルトを巻き取る卷取機構とが設けられて ヽる。

[0037] 第 7の態様のチャイルドシートによれば、シートバック部を起立させる際に余り気味と なる調整ベルトの一端が巻き取られる。他方、シートバック部をリクライニングさせる際 には卷取機構により巻き取られた調整ベルトの一部が巻き戻される。従って、スライダ が移動してリクライニング角度が変化しても肩ベルトの緩みの変化を抑えてシート部 に着席した幼児を適切に拘束することができる。

図面の簡単な説明

[0038] [図 1]本発明の第 1の形態に係るチャイルドシートの基本構成を示す図。

[図 2]本発明の第 1の形態に係るチャイルドシートの具体的構成を示す図。

[図 3]図 2のシート部を取り外してベース部の詳細を示す斜視図。

[図 4]肩ベルトガイドの詳細を示す斜視図。

[図 5A]ガイド本体を取り外した状態の位置調整手段の一例を示す図。

[図 5B]図 5Aの位置調整手段の背面を示す斜視図。

[図 6]位置調整手段の他の例を示す図。

[図 7]肩ベルトガイドの移動操作を補助する操作補助装置を示す図。

[図 8]操作補助装置の他の例を示す図。

[図 9]本発明の第 2の形態に係るチャイルドシートの概要を示す図。

[図 10]本発明の第 2の形態に係るチャイルドシートの上部を拡大してその一部を切断 した斜視図。

[図 11]シート部を取り外してベース部の詳細を示す斜視図。

[図 12]シートバック部をベース部に連結するためにバックフレームに設けられた連結 部の詳細を示す図。

[図 13A]ベルトガイド位置調整機構の詳細を示す斜視図。

[図 13B]ベルトガイド位置調整機構の操作時の様子を示す斜視図。

圆 14]本発明の第 3の形態に係るチャイルドシートの基本構成を示す図。

[図 15A]シートバック部を起こした様子を示す図。

[図 15B]シートバック部を倒した様子を示す図。

圆 16]本発明の第 3の形態に係るチャイルドシートの具体的構成を示す図。

[図 17]図 17のシート部を取り外してベース部の詳細を示す斜視図。

[図 18]緩み調整機構の詳細を示す斜視図。

圆 19A]シートバック部を起こして幼児を拘束した状態を示す図。

圆 19B]シートバック部を倒して幼児を拘束した状態を示す図。

圆 19C]シートバック部をさらに倒して幼児を拘束した状態を示す図。

圆 20A]緩み調整機構のガイドブロックと介在部材の関係を、介在部材が下方に移 動した状態にて示す側面図。

圆 20B]緩み調整機構のガイドブロックと介在部材の関係を、介在部材が上方に移動 した状態にて示す側面図。

圆 21A]緩み調整機構としてカム部材を用いた他の形態を示す図。

圆 21B]緩み調整機構としてカム部材を用いたさらに他の形態を示す図。

圆 22A]緩み調整機構として巻き掛けピンを用いた他の形態を示す図。

[図 22B]図 22Aの緩み調整機構の変形例を示す図。

[図 22C]図 22Aの緩み調整機構の他の変形例を示す図。

圆 22D]緩み調整機構として巻き掛けピンを用いたさらに他の形態を示す図。

[図 23A]緩み調整機構及び調整ベルトの他の形態を示す図。

圆 23B]図 23Aに対して緩み調整機構を変更した他の形態を示す図。

圆 23C]図 23Aに対して緩み調整機構を変更したさらに他の形態を示す図。

圆 23D]緩み調整機構としてバルーンを設けた形態を示す図。

圆 24A]緩み調整機構のさらなる形態を示す図。

圆 24B]緩み調整機構のスライドブロックを変更した形態を示す図。 [図 24C]緩み調整機構として卷取機構を設けた形態を示す図。

[図 25A]緩み調整機構をシートバック部に設けた形態を示す図。

[図 25B]緩み調整機構をスライダに設けた形態を示す図。

[図 25C]緩み調整機構をスライダの裏面に設けた形態を示す図。

[図 26A]複数の機構を組み合わせて緩み調整機構を構成した形態を示す図。

[図 26B]複数の機構を組み合わせて緩み調整機構を構成した他の形態を示す図。 発明を実施するための最良の形態

[0039] (第 1の形態）

まず、図 1を参照して、本発明の第 1の形態に係るチャイルドシートの概要を説明す る。図 1に示すように、チャイルドシート 1は、ベース部 2と、そのベース部 2上に分離 可能に取り付けられるシート部 3とを備えている。ベース部 2は、車両のシートベルトを 利用して車両の座席 100のシートクッション 101及びシートバック 102にそれぞれ接 するように固定される。

[0040] ベース部 2には、座席 100に固定されるベース本体 2aと、幼児を拘束する拘束べ ルト装置 4と、ベース本体 2aに対して座席 100の前後方向に位置調整可能なスライ ダ 5とが設けられている。

[0041] 一方、シート部 3には、スライダ 5に対して一体に位置調整可能かつ取り外し可能な 状態で連結されるシートクッション部 6と、座席 100の左右方向に延びる支軸 7を介し てシートクッション部 6の後端部に回転可能に連結され、背面側がベース部 2に対し て取り外し可能な状態で連結されるシートバック部 8とが設けられている。

[0042] 次に、図 2—図 8を参照して第 1の形態に係るチャイルドシート 1のより具体的な構 成を説明する。なお、図 1に示したチャイルドシート 1の基本的な部品に関しては図 2 以下においても同一の参照符号を使用する。

[0043] 図 2はチャイルドシート 1の概要を示す斜視図である。上記の通り、チャイルドシート 1は、ベース部 2と、そのベース部 2に対して分離可能に装着されるシート部 3とを備 えて 、る。ベース部 2には拘束ベルト装置 4が設けられて 、る。

[0044] 図 3はシート部 3を取り外してベース部 2の詳細を示した図である。ベース部 2はべ ース本体 2aを備えている。ベース本体 2aは、底側支持部としてのサポートベース 11 と、そのサポートベース 11の後端側から上方に延びる背側支持部としてのバックフレ ーム 12とを備えている。バックフレーム 12はサポートベース 11の両側から後方に向 力つて立ち上がる一対のメインフレーム 13と、メインフレーム 13の間に配置された連 結部 14とを備えている。

[0045] また、一対のメインフレーム 13のそれぞれには、肩ベルトガイド 150と、拘束装置と してのロックオフデバイス 16とが取り付けられている。但し、図 3では、一方のメインフ レーム 13の肩ベルトガイド 150、及び他方のメインフレーム 13のロックオフデバイス 1 6のみを示している。肩ベルトガイド 150は、車両のシートベルトの肩ベルト部分 104 が通されたタンダ 103Aをバックル 103Bに装着してベース部 2を座席 100 (図 1参照 )に固定する際に、その肩ベルト部分 104をフレーム 12の背面側に導くためのもので ある。ロックオフデバイス 16はフレーム 12の背面側に導かれた肩ベルト部分 104を 一対の爪間に挟み込むことにより、肩ベルト部分 104をベース部 2に対して固定する 公知の装置である。

[0046] 車両のアンカー（不図示）とバックル 103Bによる固定位置との間に渡された肩ベル ト部分 104はベース部 2の一方のメインフレーム 13に設けられた肩ベルトガイド 150 に沿ってバックフレーム 12の背面側に案内され、反対側のメインフレーム 13に設けら れたロックオフデバイス 16に挟み込まれる。これにより、腰ベルト部分 105のアンカー 力 ロックオフデバイス 16までのベルト長さが一定値に固定されてベース部 2が座席 100に固定される。ベース部 2の前面側に肩ベルト部分 104を通さないのは、肩ベル ト部分 104と拘束ベルト装置 4の肩ベルト 30との干渉を避けるためである。なお、チヤ ィルドシート 1と肩ベルト部分 104の引き出し方向との関係が左右逆となる場合に備 えて、肩ベルトガイド 150及びロックオフデバイス 16の取り付け位置はそれぞれ反対 側のメインフレーム 13の同一高さの位置に変更可能である。

[0047] 肩ベルトガイド 150は、図 3より明らかなように、車両の座席 100の前後方向に関し てバックル 103Bの位置よりも後方に偏った位置に配置されている。チャイルドシート 1を基準とすれば、車両の座席 100の左右方向に関してバックル 103Bの位置と同一 側であって、かつシートクッション部 6と前記シートバック部 8との境界部よりもシートバ ック部 8側に偏った位置に配置されていると言い換えることができる（図 2も参照)。肩 ベルトガイド 150がこのように配置されて!、るため、肩ベルト部分 104の水平方向に 対する引き上げ角度を小さく抑えることができ、チャイルドシート 1の固定に利用され るシートベルトとタンダ 103Aとの摩擦力の増大を抑制することができる。

[0048] メインフレーム 13の前端部には、車両の腰ベルト部分 105を案内するための腰べ ルトガイド 34がスライダ 5の両側に突出するように設けられている。これらの腰ベルト ガイド 34の前後方向の位置は、スライダ 5がその可動範囲の前端に移動しても腰べ ルト部分 105が股ベルト固定部 33よりも前方に離れて 、るように定められて 、る。従 つて、腰ベルトガイド 34により腰ベルト部分 105はベース部 2とシートクッション部 6と の間であって、かつ、ベース部 2の前後方向に関して中心部よりも前端側に偏った位 置に保持される。これにより、車両のアンカー及びバックル 103Bからベース部 2に向 力つて延ばされる腰ベルト部分 105の水平方向に対する傾斜角を減少させ、腰ベル ト部分 105が前後方向に関してベース部 2を拘束する効果を増大させることができる 。しかも、腰ベルト部分 105からタンダ 103Bにて折り返される肩ベルト部分 104が、 上述のように肩ベルトガイド 150によりバックル 103Aよりも後方に偏った位置に案内 される。従って、腰ベルトガイド 34がバックル 103Aの近辺に配置される場合と比較し て、腰ベルト部分 105及び肩ベルト部分 104の座席 100の上方に対する角度がより 大きくなるので、タンダ 103Bによる摩擦力の増大を効果的に抑えることができ、チヤ ィルドシートの車両の座席に対する固定力を更に向上させることができる。なお、本 形態では、バックル 103Aとの連結点（タンダ 103Bによる折り返し点）を中心として肩 ベルト部分 104と腰ベルト部分 105とにより形成される角度が座席 100の上方に関し て純角となっている。

[0049] また、腰ベルトガイド 34は帯状の腰ベルト部分 105を上下方向に沿って立てた姿 勢、言い換えれば帯状の腰ベルト部分 105の幅方向を概ね上下方向に向けた姿勢 で保持するように形成されて 、る。このような姿勢で腰ベルト部分 105を腰ベルトガイ ド 34に通すことにより、前向きの衝撃加速度に対して腰ベルト部分 105によりベース 部 2のベース本体 2aを強固に保持することができる。

[0050] 図 4、図 5A及び図 5Bは、肩ベルトガイド 150の詳細を示した図である。肩ベルトガ イド 150は、メインフレーム 13に対して上下移動可能に設けられている。図 4を参照 すると、肩ベルトガイド 150は、ガイド本体 150aと肩ベルト部分 104を巻き掛けるため の凹部 150bと、肩ベルトガイド 150の移動の禁止及びその禁止の解除を切り替える 肩ベルトガイド位置調整手段 (以下、単に位置調整手段と呼ぶことがある。） 151とを 具備している。肩ベルトガイド 150がこのように構成されているため、肩ベルトガイド 1 50を座席 100に関して上方へ移動させることにより、これに巻き掛けられている肩べ ルト部分 104を上方へ引き上げて、チャイルドシートの固定に利用されている車両の シートベルトを締め直すことができる。

[0051] 図 5A及び図 5Bは、位置調整手段 151の一例を示した図である。図 5Aはガイド本 体 150aを取り外し、位置調整手段 151の詳細を示した斜視図、図 5Bは、図 5Aの背 面を示した斜視図である。図 5Aを参照すると、位置調整手段 151は、メインフレーム 13に沿ってスライドするスライド部材 153と、メインフレーム 13に取り付けられ、スライ ド部材 153の移動範囲を規制するガイドシャフト 157と、スライド部材 153に取り付け られフレーム 13に対する移動の禁止及びその解除を行うレバー 152とを具備して ヽ る。ここで、図 5Bを参照すると、レバー 152には、メインフレームに複数個設けられて いるロック孔 158に対して抜き差し可能なロックピン 154が取り付けられている。ロック ピン 154には、ロックピン 154及びレバー 152をロック孔 158へ差し込む方向へ付勢 するコイルばね 156が設けられている。図示の状態では、ロックピン 154とロック孔 15 8とが嵌り合ってフレーム 13に対する移動が禁止されている。レバー 152をコイルば ね 156の付勢力に抗して引くことにより、ロックピン 154がロック孔 158から引き抜かれ フレームに対する移動の禁止が解除される。位置調整手段 151がこのように構成さ れているため、肩ベルトガイド 150は、ロック孔 158の位置に応じて選択的に位置調 整可能となる。

[0052] 図 6は、位置調整手段 151の他の例を示したものである。この図を参照すると、ロッ クピン 154の先端に、ロック孔 158に対して傾斜する傾斜面 154aが形成されて 、る。 このため、肩ベルトガイド 150を傾斜面 154aが形成された側（図の上方)へ移動する 際にはレバー 152による解除操作が不要となる。従って、この形態においては、シー トベルトを引き上げる方向への肩ベルトガイド 30の移動が自由になる一方で、反対方 向への移動は所定の解除操作を行わない限り禁止される。 [0053] 肩ベルトガイド 150にはチャイルドシートを固定しているシートベルトが巻き掛けられ ている。このため、これを移動するにはある程度の操作力が必要となる。そこで、肩べ ルトガイド 150の移動操作を補助するために操作補助装置を設けることが好ま U、。 図 7及び図 8は、肩ベルトガイド 150のフレーム 13に対する移動操作を補助する操作 補助装置 160を示した図である。図 7を参照すると、操作補助装置 160は、メインフレ ーム 13、 13の間に配置され、車両の座席 100に対して上下方向にスライド移動可能 な操作部 161と、操作部 161と肩ベルトガイド 150とを連結する連結部材 162とを備 えている。連結部材 162は、肩ベルトガイド 150寄りのフレーム 13上の支点 Fを中心 として回転可能に設けられて 、る。

[0054] 操作部 161には、長孔 161aが形成されており、その操作部 161には長孔 161a中 を移動可能な滑り片 161bがさらに設けられている。滑り片 161bには連結部材 162 の一端が回転可能に連結されている。連結部材 162の他端には肩ベルトガイド 150 が回転可能に連結されている。従って、この例によれば、フレーム 13上の支点 F、連 結部材 162と操作部 162との連結点及び連結部材 162と肩ベルトガイド 150との連 結点をそれぞれ支点、力点及び作用点とするいわゆる梃子の装置が構成され、肩べ ルトガイド 150を移動させるための操作力を低減できる。

[0055] 図 8は、操作補助装置 160の他の例を示した図である。同図を参照すると明らかな ように、操作補助装置 160は、フレーム 13に対してこれを横断する方向にスライド可 能な操作部 163と、操作部 163と肩ベルトガイド 150とを連結する連結部材 164と、 連結部材 164とフレーム 13との間に掛け渡された付勢手段としてのコイルばね 165と を含んでいる。

[0056] 操作部 163には、操作部 163の移動方向と直交する長孔 163aが設けられている。

連結部材 164は、その一端が長孔 163aに挿入されており、長孔 163aの範囲内で回 転可能かつスライド可能な状態で連結部材 164が操作部 163と連結されている。連 結部材 164の他端は、肩ベルトガイド 150と回転可能に連結されている。連結部材 1 64とフレーム 13との間には、コイルばね 165が掛け渡されており、そのコイルばね 16 5は操作部 163を操作方向へ付勢している。従って、この例によれば、図 8の実線の 位置から想像線の位置に操作部 163を移動する際には、コイルばね 165の付勢力 が加えられることになるので、肩ベルトガイド 150を移動するために必要な操作力を 低減することができる。なお、付勢手段としてのコイルばね 165は、フレーム 13と連結 部材 164の一端との間に掛け渡す替わりに、フレーム 13と操作部 163との間に掛け 渡してちょい。

[0057] 図 3に戻って、フレーム 12の連結部 14の下方には、拘束ベルト装置 4の一対の肩 ベルト 30を案内するベルトガイド 35が設けられている。ベルトガイド 35によってフレ ーム 12の背面側に案内された肩ベルト 30は連結具 36を介して一本の調整ベルト 3 7と連結されている。調整ベルト 37は、連結軸 38に巻き掛けられてサポートベース 11 とスライダ 5との間に導かれ、さらにその先端部 37aはスライダ 5の前端部に設けられ たベルトアジヤスタ 39に通されてチャイルドシート 1の前方に引き出されている。ベル トァジャスタ 39は調整ベルト 37の前方への引き出し操作を許容し、解除操作が行わ れない限りは調整ベルト 37の後方への戻りを阻止する公知のベルト長さ調整装置で ある。肩ベルト 30に設けられたタンダ 40を股ベルト 32の先端のバックル 41に固定し た上で調整ベルト 37の先端部 37aを前方に引き出すことにより、固定部 31とベルトガ イド 35との間に繰り出されている肩ベルト 30の長さを所望の値に調整することができ る。さらに、スライダ 5の後端にはシートクッション部 6を回転可能に連結するための軸 受部 42が設けられている。

[0058] 図 2に戻って、シートクッション部 6は幼児が座るクッション 45と、そのクッション 45の 両側に設けられたサイドサポート 46とを有している。シートバック部 8は、幼児の背中 を支持するバックレスト 48と、後頭部を支持するヘッドレスト 49と、これらの側方に突 出するサイドサポート 50、 51とを備えている。拘束ベルト装置 4の肩ベルト 30はサイ ドサポート 50、 51の間の隙間からシート部 3の前面側に引き出されている。

[0059] 本発明は第 1の形態に限定されず、種々の形態にて実施してよい。例えば、ベース 上のベルトガイド 34は 2個に限らず、腰ベルト部分 105の保持に必要であればその 個数は適宜変更してょ 、。スライダ 5の全幅に亘つてベルトガイド 34を連続して設け てもよい。スライダ 5を利用したリクライニング機構の有無を問わず本発明は適用可能 であり、シート部の構成もシートクッション部とシートバック部とがー体に成形されたも のでもよい。 [0060] 第 1の形態においては、車両の座席に取り付けるベース部 2とシート部 3とが分離可 能である力 これらが一体となって構成されるいわゆるシェル構造のチャイルドシート についても本発明は適用できる。

[0061] (第 2の形態）

図 9一図 13Bは本発明の第 2の形態に係るチャイルドシートを示している。ただし、 第 1の形態と共通する部分には同一の参照符号が付されている。まず、図 9を参照し て、第 2の形態に係るチャイルドシートの概要を説明する。図 9に示すように、チヤィル ドシート 1は、ベース部 2と、そのベース部 2上に分離可能に取り付けられるシート部 3 とを備えている。ベース部 2は、車両のシートベルトを利用して車両の座席 100のシ ートクッション 101及びシートバック 102にそれぞれ接するように固定される。

[0062] ベース部 2には、座席 100に固定されるベース本体 2aと、幼児を拘束する拘束べ ルト装置 4と、ベース本体 2aに対して座席 100の前後方向に位置調整可能なスライ ダ 5とが設けられている。

[0063] 一方、シート部 3には、スライダ 5に対して一体に位置調整可能かつ取り外し可能な 状態で連結されるシートクッション部 6と、座席 100の左右方向に延びる支軸 7を介し てシートクッション部 6の後端部に回転可能に連結され、背面側がベース部 2に対し て取り外し可能な状態で連結されるシートバック部 8とが設けられている。

[0064] 次に、図 10—図 13Bを参照して第 2の形態に係るチャイルドシート 1のより具体的な 構成を説明する。

[0065] 図 10は、チャイルドシート 1の上部を拡大してその一部を切断した斜視図である。シ 一トバック部 8は、幼児の背中を支持するバックレスト 48と、幼児の後頭部を支持する ヘッドレスト 49と、これらの側方に突出する上下二段のサイドサポート 50、 51とを備え ている。拘束ベルト装置 4の肩ベルト 30はサイドサポート 50、 51の間の隙間からシー ト部 3の前面側に引き出されている。肩ベルト 30を案内するベルトガイド 35がベース 部 2に設けられている。ベルトガイド 35はカバー 10を介して、これから一部を露出す るように設けられて 、る。ベルトガイド 35を上下に位置調整可能に連結する位置調整 機構の操作部 71aがシート部 3の前面に臨むようにして、シート部 3の前面側力 操 作可能な位置に設けられて 、る。 [0066] 図 11はシート部 3を取り外してベース部 2の詳細を示した図である。ベース部 2はべ ース本体 2aを備えている。ベース本体 2aは、底側支持部としてのサポートベース 11 と、そのサポートベース 11の後端側から上方に延びる背側支持部としてのバックフレ ーム 12とを備えている。バックフレーム 12はサポートベース 11の両側から後方に向 力つて立ち上がる一対のメインフレーム 13と、メインフレーム 13の間に配置された連 結部 14とを備えている。

[0067] 一対のメインフレーム 13のそれぞれには、固定用ベルトガイド（単にベルトガイドと 呼ぶことがある。 ) 15と、拘束装置としてのロックオフデバイス 16とが取り付けられてい る。ベルトガイド 15は、車両のシートベルトの肩ベルト部分 104が通されたタンダ 103 Aをバックル 103Bに装着してベース部 2を座席 100 (図 9参照）に固定する際に、そ の肩ベルト部分 104をフレーム 12の背面側に導くためのものである。ベルトガイド 15 として、第 1の形態の肩ベルトガイド 150が使用されてもよい。ロックオフデバイス 16 はフレーム 12の背面側に導かれた肩ベルト部分 104を一対の爪間に挟み込むこと により、肩ベルト部分 104をベース部 2に対して固定する公知の装置である。

[0068] 車両のアンカー（不図示）とバックル 103Bによる固定位置との間に渡された肩ベル ト部分 104はベース部 2の一方のメインフレーム 13に設けられたベルトガイド 15に沿 つてバックフレーム 12の背面側に案内され、反対側のメインフレーム 13に設けられた ロックオフデバイス 16に挟み込まれる。これにより、腰ベルト部分 105のアンカーから ロックオフデバイス 16までのベルト長さが一定値に固定されてベース部 2が座席 100 に固定される。ベース部 2の前面側に肩ベルト部分 104を通さないのは、肩ベルト部 分 104と拘束ベルト装置 4の肩ベルト 30との干渉を避けるためである。なお、チヤィル ドシート 1と肩ベルト部分 104の引き出し方向との関係が左右逆となる場合に備えて、 ベルトガイド 15及びロックオフデバイス 16の取り付け位置はそれぞれ反対側のメ インフレーム 13の同一高さの位置に変更可能である。

[0069] スライダ 5の上面には拘束ベルト装置 4の一対の肩ベルト 30の固定部 31と、拘束べ ルト装置 4の股ベルト 32の固定部 33とが設けられている。これらの固定部 31、 33は スライダ 5に装着されたシートクッション部 6の座面とほぼ同じ高さでベルト 30、 32を 固定できるようにスライダ 5の上面力 突出して設けられて 、る。 [0070] 図 11に示すように、メインフレーム 13の前端部には、車両の腰ベルト部分 105を案 内するための腰ベルトガイド 34がスライダ 5の両側に突出するように設けられている。 これらの腰ベルトガイド 34の前後方向の位置は、スライダ 5がその可動範囲の前端に 移動しても腰ベルト部分 105が股ベルト固定部 33よりも前方に離れているように定め られている。従って、腰ベルトガイド 34により腰ベルト部分 105はベース部 2とシートク ッシヨン部 6との間であって、かつ、ベース部 2の前後方向に関して中心部よりも前端 側に偏った位置に保持される。これ〖こより、車両のアンカー及びバックル 103B力もべ ース部 2に向力つて延ばされる腰ベルト部分 105の水平方向に対する傾斜角を減少 させ、腰ベルト部分 105が前後方向に関してベース部 2を拘束する効果を増大させる ことができる。

[0071] フレーム 12の連結部 14の下方には、拘束ベルト装置 4の一対の肩ベルト 30を案内 する肩ベルトガイド 35が設けられている。肩ベルトガイド 35によってフレーム 12の背 面側に案内された肩ベルト 30は連結具 36を介して一本の調整ベルト 37と連結され ている（図 9も参照）。図 9及び図 11から明らかなように、調整ベルト 37はメインフレー ム 13の下端部間に取り付けられた支軸 7と平行な連結軸 38に巻き掛けられてサポー トベース 11とスライダ 5との間に導かれ、さらにはスライダ 5の前端部に設けられたべ ルトアジヤスタ 39に通されてチャイルドシート 1の前方に引き出されている。肩ベルト 3 0に設けられたタンダ 40を股ベルト 32の先端のバックル 41に固定した上で調整ベル ト 37の先端部 37aを前方に引き出すことにより、固定部 31と肩ベルトガイド 35との間 に繰り出されて 、る肩ベルト 30の長さを所望の値に調整することができる。

[0072] 図 12は、シートバック部 8をベース部 2に連結するためにバックフレーム 12に設けら れた連結部 14の詳細を示している。連結部 14には、メインフレーム 13の間に架け渡 された一対のクロスバー 65と、そのクロスバー 65の間に渡された上下のガイドロッド 6 6と、そのガイドロッド 66及びメインフレーム 13に案内されて上下に移動可能なスライ ダ 67とを備えている。スライダ 67の上部中央には前方に突出する中央支持部 68が 設けられ、その中央支持部 68の両側（図では片側のみ示す）にピン挿入穴 68aが形 成されている。なお、シートバック部 8の各サイドサポート 50の裏面側にはスライダ 67 のピン挿入穴 68aと嵌合する連結ピン 75が左右方向にスライド可能に取り付けられ ており（図 9参照）、これらの連結ピン 75が連結部 14のスライダ 67に設けられたピン 挿入穴 68aに挿入されることにより、シートバック部 8がスライダ 67を介してバックフレ ーム 12と連結ピン 75の回りに回転可能に連結される。

[0073] 一方、スライダ 67の下部にはメインフレーム 13に沿って滑るスライドガイド 71が設け られている。さらにそのスライドガイド 71の内側に上述したベルトガイド 35が設けられ ている。従って、ベルトガイド 35は支持部 68、 69とともに一体に上下に移動する。こ れにより、スライダ 67と連結されたシートバック部 8のサイドサポート 50、 51の隙間に 肩ベルトガイド 35を常に位置させてシート部 3に対する肩ベルト 30の引き出し位置の 変化を防ぐことができる。

[0074] スライドガイド 71は操作部 71aを備えている。その操作部 71aを操作することにより 、肩ベルトガイド 35の位置をスライダ 67に対して変更し、シート部 3に対する肩ベルト 30の引き出し位置を幼児の体格に合わせて変更することができる。スライドガイド 71 は、肩ベルトガイド 35を移動可能に連結するベルトガイド位置調整機構の一部を構 成する。以下に、ベルトガイド位置調整機構の詳細を説明する。

[0075] 図 13A及び図 13Bは、ベルトガイド位置調整機構の詳細を示した斜視図である。

説明の便宜上、図 10のカバー 10、図 12のスライダ 67及び中央支持部 68等の周辺 部材は図 13A及び図 13Bにおいて取り外されている。ベルトガイド位置調整機構は 、図 13Aに示したように、ベース 74と、肩ベルトガイド 35の移動の禁止及びその禁止 の解除を切り替える拘束手段としてのスライドガイド 71とを含んでいる。

[0076] ベース 74は、ガイドロッド 66に対して座席 100の上下方向（図 9参照）に関してスラ イド移動可能に設けられている。また、ベース 74には、肩ベルトガイド 35が取り付けら れており、更に、略 U字状に加工されたシャフト 73を受け入れてその移動範囲を規 定するシャフト押さえ 74a、 74bがそれぞれ設けられて!/、る。

[0077] スライドガイド 71は、フレーム 13の内側に沿って配置されている。スライドガイド 71 には、シャフト 73がベース 74のシャフト押さえ 74a及び 74bを介して取り付けられて いる。シャフト 73はその端部をスライドガイド 71から露出するようにして取り付けられて いる。

[0078] スライドガイド 71とシャフト押え 74aとの間には、一対のコイルばね 72がスライドガイ ド 71及びシャフト押さえ 74aのそれぞれの側部にて圧縮された状態で取り付けられて いる。これにより、スライドガイド 71は、シャフト 73とともにベース 74に対して座席 100 の左右方向へ可動しつつ、フレーム 13の内側から当該フレーム 13を押し付けるよう にコイルばね 71aにより付勢される。従って、スライドガイド 71から露出しているシャフ ト 73の端部がフレーム 13に形成された複数の挿入孔 13aに対して嵌合し、肩ベルト ガイド 35の移動が禁止される。

[0079] 一方、肩ベルトガイド 35の移動の禁止を解除して肩ベルトガイド 35の位置を変更 する場合には、図 13Bに示すように、まず、スライドガイド 71に設けられている操作部 71aをコイルばね 72の付勢力に抗して内側に引き寄せて、揷入孔 13aからシャフト 7 3の端部を抜いて肩ベルトガイド 35の移動の禁止を解除する。そして、その解除状態 を維持しつつ、肩ベルトガイド 35を二点鎖線の位置まで移動させ、その後、操作部 7 laを開放して移動先の挿入孔 13aへシャフト 73の端部を嵌合させてスライドガイド 71 を連結する。フレーム 13に形成されて!ヽる挿入孔 13aは所定の箇所に複数個設けら れて ヽるため、ベルトガイド調整機構により肩ベルトガイド 35の位置を選択的変更す ることがでさる。

[0080] 図 10に戻り、シート部 3とベース部 2とは、これらを組み合わせた際に上述した位置 調整機構の操作部 71aがサイドサポート 50、 51の隙間に位置するように構成されて いる。従って、シート部 3の前面側力も肩ベルトガイド 35の位置調整が可能となる。な お、シートバック部 8は、肩ベルトガイド 35の位置の変更に伴って、シートバック部 8の サイドサポート 50、 51の隙間も移動できるように構成されている。このため、チヤィル ドシート 1を取り付けた後においても、肩ベルト 30とシートバック部 8とが干渉すること なく肩ベルトガイド 35の位置を変更することができる。

[0081] 本発明は第 2の形態に限定されず、種々の形態にて実施してよい。例えば、第 2の 形態においては、車両の座席に固定されるベース部 2とシート部 3とに分離可能なチ ャィルドシートについて説明した力 ベース部とシート部とがー体ィ匕したいわゆるシェ ル構造のチャイルドシートにも本発明は適用可能である。また、第 2の形態において は、スライダ 5を利用したリクライニング機構を有するチャイルドシートを例として挙げ ているが、当該リクライニング機構の有無を問わず本発明は適用可能である。 [0082] (第 3の形態）

図 14一図 26Bは本発明の第 3の形態に係るチャイルドシートを示している。ただし 、第 1又は第 2の形態と共通する部分には同一の参照符号が付されている。まず、図 14及び図 15を参照して、本発明の第 3の形態に係るチャイルドシートの概要を説明 する。図 14に示すように、チャイルドシート 1は、ベース部 2と、そのベース部 2上に分 離可能に取り付けられるシート部 3とを備えている。ベース部 2は、車両のシートベル トを利用して車両の座席 100のシートクッション 101及びシートバック 102にそれぞれ 接するように固定される。

[0083] ベース部 2には、座席 100に固定されるベース本体 2aと、幼児を拘束する拘束べ ルト装置 4と、ベース本体 2aに対して座席 100の前後方向に位置調整可能なスライ ダ 5とが設けられている。拘束ベルト装置 4の両端 4a、 4bは、それぞれスライダ 5に連 結されている。ベース部 2には、スライダ 5の前後の移動に連動して、拘束ベルト装置 4の案内経路を変更する緩み調整機構 81が設けられている。

[0084] 一方、シート部 3には、スライダ 5に対して一体に連結されるシートクッション部 6と、 座席 100の左右方向に延びる支軸 7を介してシートクッション部 6の後端部に回転可 能に連結され、背面側がベース部 2に対して取り外し可能な状態で連結されるシート ノック部 8とが設けられて ヽる。

[0085] このように構成されたチャイルドシート 1は、図 15A及び図 15Bに示すように、スライ ダ 5をシートクッション部 6とともに前後に移動させることにより、シートバック部 8を支軸 7の回りに回転させてそのリクライニング角度を変化させることができる。

[0086] 一般にリクライニング機能を備えたチャイルドシートにおいて、幼児を拘束するため に必要なベルト長さは、シートバック部 8の傾きが変わることにより変動する。ベルト長 さの変動に起因して、着席した幼児に対するベルトの締り具合が当初よりもきつくなり 、あるいは緩くなる。このため、第 3の形態に係るチャイルドシート 1は、緩み調整機構 81がスライダ 5の前後移動（シートバック部 8の傾きの変更）と連動して拘束ベルト装 置 4の案内経路を変化させることにより、拘束ベルト装置 4のベルトの緩み具合の変 動に対応している。

[0087] 次に、図 16—図 19を参照して第 3の形態に係るチャイルドシート 1のより具体的な 構成を説明する。

[0088] 図 16はチャイルドシート 1の概要を示す斜視図である。チャイルドシート 1は、上述 のとおり、ベース部 2と、そのベース部 2に対して分離可能に装着されるシート部 3とを 備えて 、る。ベース部 2には拘束ベルト装置 4が設けられて 、る。

[0089] 図 17はシート部 3を取り外してベース部 2の詳細を示した図である。ベース部 2はべ ース本体 2aを備えている。ベース本体 2aは、底側支持部としてのサポートベース 11 と、そのサポートベース 11の後端側から上方に延びる背側支持部としてのバックフレ ーム 12とを備えている。バックフレーム 12はサポートベース 11の両側から後方に向 力つて立ち上がる一対のメインフレーム 13と、メインフレーム 13の間に配置された連 結部 14とを備えている。

[0090] 一対のメインフレーム 13のそれぞれには、固定用ベルトガイド（単にベルトガイドと 呼ぶことがある。 ) 15と、拘束装置としてのロックオフデバイス 16とが取り付けられてい る。ベルトガイド 15は、車両のシートベルトの肩ベルト部分 104が通されたタンダ 103 Aをバックル 103Bに装着してベース部 2を座席 100 (図 14参照）に固定する際に、 その肩ベルト部分 104をバックフレーム 12の背面側に導くためのものである。ベルト ガイド 15として、第 1の形態の肩ベルトガイド 150が使用されてもよい。ロックオフデバ イス 16はバックフレーム 12の背面側に導かれた肩ベルト部分 104を一対の爪間に 挟み込むことにより、肩ベルト部分 104をベース部 2に対して固定する公知の装置で ある。

[0091] 車両のアンカー（不図示）とバックル 103Bによる固定位置との間に渡された肩ベル ト部分 104はベース部 2の一方のメインフレーム 13に設けられたベルトガイド 15に沿 つてバックフレーム 12の背面側に案内され、反対側のメインフレーム 13に設けられた ロックオフデバイス 16に挟み込まれる。これにより、腰ベルト部分 105のアンカーから ロックオフデバイス 16までのベルト長さが一定値に固定されてベース部 2が座席 100 に固定される。メインフレーム 13の前端部には、車両の腰ベルト部分 105を案内する ための腰ベルトガイド 34がスライダ 5の両側に突出するように設けられている。

[0092] ベース部 2のスライダ 5は、ベース本体 2aのサポートベース 11の上面側に前後方向 に位置調整可能に連結されて 、る。スライダ 5の上面には拘束ベルト装置 4の一対の 肩ベルト 30の固定部 31と、拘束ベルト装置 4の股ベルト 32の固定部 33とが設けられ ている。これらの固定部 31、 33はスライダ 5に装着されたシートクッション部 6の座面 とほぼ同じ高さでベルト 30、 32を固定できるようにスライダ 5の上面力も突出して設け られている。

[0093] 図 16に戻ると、シートクッション部 6は幼児が座るクッション 45と、そのクッション 45 の両側に設けられたサイドサポート 46とを有している。シートバック部 8は、幼児の背 中を支持するバックレスト 48と、後頭部を支持するヘッドレスト 49と、これらの側方に 突出するサイドサポート 50、 51とを備えている。拘束ベルト装置 4の股ベルト 32はク ッシヨン 45に形成された貫通孔を通ってシート部 3の前面側に引き出されている。拘 束ベルト装置 4の肩ベルト 30はサイドサポート 50、 51の間に形成された隙間カもシ ート部 3の前面側に引き出されている。

[0094] シートクッション部 6の後端部には一対の支軸 7が設けられており（図 14参照）、シ ートクッション部 6はシートバック部 8の下端と支軸 7の回りに回転自在に連結されて!ヽ る。シートクッション部 6は、スライダ 5上に一体的に取り付けられ、スライダ 5とともに前 後に移動する。従って、スライダ 5の前後移動に伴い、シートクッション部 6と回転自在 に連結されているシートバック部 8の傾き（リクライニング角度）が変化する。なお、シ 一トバック部 8は連結ピン (不図示）によってベース部 2と接続されている。スライダ 5が 前後移動して支軸 7と連結ピンとの距離が変化しても、その変化がシートバック部 8の 伸縮機構にて吸収される。

[0095] 図 16及び図 17に示すように、ベース部 2には、拘束ベルト装置 4の一対の肩ベルト 30を案内するベルトガイド 35が連結部 14の下方に設けられている。シート部 2の前 面側からサイドサポート 50、 51の間の隙間を通りべノレトガイド 35によってバックフレ ーム 12の背面側に案内された肩ベルト 30は連結具 36を介して一本の調整ベルト 3 7と連結されている。

[0096] 図 18は、ベース部 2に設けられた緩み調整機構 81を示した斜視図である。緩み調 整機構 81は調整ベルト 37を所定の位置に案内するガイドブロック 82を含み、かつ連 結具 36から連結軸 38までの調整ベルト 37の案内経路に隣接して配置されている。 調整ベルト 37の案内経路は次のとおりである。調整ベルト 37は連結具 36の下方に 設けられたガイド軸 10に巻き掛けられるとともに、ガイドブロック 82の前面及びベルト アジヤスタ 39を経由して連結軸 38に巻き掛けられる。その後、調整ベルト 37はさらに サポートベース 11とスライダ 5との間に導かれ、スライダ 5の前端部に設けられた開閉 レバー 43に通されてチャイルドシート 1の前方に引き出されるような経路で案内され ている。開閉レバー 43は、ベルトアジヤスタ 39を開閉するレバーである。着席した幼 児の前面側にて、肩ベルト 30に設けられたタンダ 40を股ベルト 32の先端のバックル

41に固定し、その後に調整ベルト 37の先端部 37aを前方に引き出すことにより、固 定部 31とベルトガイド 35との間に繰り出されている肩ベルト 30の長さを所望の値に 調整することができる（図 16も参照）。なお、ベルトアジヤスタ 39は調整ベルト 37の前 方への引き出し操作を許容し、所定の解除操作が行われな 、限りは調整ベルト 37の 後方への戻りを阻止する公知のベルト長さ調整装置である。

[0097] 図 19A—図 19Cは、幼児のダミー CHを拘束ベルト装置 4にて拘束したうえで、シ ートクッション部 6を移動させてシートバック部 8の傾きを変化させた状態を示した図で ある。これらの図のうち、図 19Aは、シートバック部 8が最も起立した状態の最大起立 位置を示し、図 19Cは、シートバック部 8が最も傾けられた状態の最小起立位置を示 し、図 19Bはそれらの中間の状態の中間位置を示した図である。図 19A—図 19Cに 明らかなように、ダミー CHを拘束するために必要なベルト 32、 30の長さは、最大起 立位置から最小起立位置までの間で略不変であるものの、ベルトガイド 35にてシート バック部 8の背面側に案内された調整ベルト 37の案内経路は、緩み調整機構 81に よってそれぞれの位置において異なる。仮に、調整ベルト 37の案内経路が不変であ ると次のような問題を招く。

[0098] 即ち、調整ベルト 37に関しては、上述したベルトアジヤスタ 39によって後方への戻 りが阻止されている。このため、例えば、最大起立位置において丁度よい締め付け具 合が得られるように調整ベルト 37がシートクッション部 6の前方から引き出されて固定 されている場合には、最大起立位置からスライダ 5 (シートクッション部 6)を前方へ移 動させるとシート部 3の前面側に引き出されているベルト 30、 32の長さに不足を生じ 最大起立位置に向力 ほどベルトの緩みが徐々に減少する。従って、シートバック部 8の傾きが変化するとベルトが徐々に締まるようになる。そこで、第 3の形態のチヤィル ドシート 1では、調整ベルト 37の案内経路を変化させる緩み調整機構 81を設け、シ 一トバック部 8の傾きの変化に伴うベルトの緩み具合の変動に対処している。

[0099] 図 18に戻り、緩み調整機構 81を詳細に説明する。緩み調整機構 81は、ガイドプロ ック 82、介在部材 83及びリンク 84を含んでいる。ガイドブロック 82は、一対のメインフ レーム 13の間に掛け渡されたブリッジ部 27上に設けられている。ガイドブロック 82は 、上述した調整ベルト 37の案内経路に隣接しこの経路を横切る方向に関して進退す る。介在部材 83は、ブリッジ 27に対して座席 100の上下方向に関してスライド可能に 設けられて 、る。介在部材 83はガイドブロック 82に沿って移動してガイドブロック 82 を進退させる。リンク 84はスライダ 5と介在部材 83とを連結し、スライダ 5の前後運動と 介在部材のスライド移動とを連係させて 、る。

[0100] ブリッジ部 27は、その中央部から下方へ突出する突出部 27aを有している。座席 1 00の左右方向に関する突出部 27aの両端には、一対のガイドプレート 86が座席 10 0の前方に立ち上がるようにそれぞれ設けられている。各ガイドプレート 86には長孔 8 6aが形成され、長孔 86aの開口方向は座席 100の左右方向に向いている。

[0101] 上述したガイドブロック 82は、一対のガイドプレート 86の間に配置されている。ガイ ドブロック 82に設けられた一対のピン 82aはガイドプレート 86の長孔 86aに挿入され ている（図 20も参照）。これによりガイドブロック 82は、ピン 82aと長孔 86aとを嵌め合 わせながら長孔 86aの範囲内を移動できる。

[0102] ブリッジ部 27の突出部 27aの両端には一対のピン 27bがそれぞれ設けられている。

ピン 27bと、ガイドブロック 82のピン 82aとの間には、ばね手段 85が掛け渡されている 。これにより、ガイドブロック 82は座席 100の後方（シートバック部 8から遠ざ力る方向 )へ付勢されている。

[0103] 介在部材 83は、ブリッジ部 27に形成された長孔 27cに沿って、座席 100の上下方 向に関して移動可能な状態でブリッジ部 27の突出部 27a上に設けられている。介在 部材 83はガイドブロック 82と接触し、座席 100の上方に関して鋭角的に傾く接触面 8 3aを有している。図 20A及び図 20Bに示したように、介在部材 83が座席 100の上方 (図の上方）に移動すると、介在部材 83は突出部 27aとガイドブロック 82の間に滑り 込み、ばね手段 85の引張力に抗してガイドブロック 82を座席 100の前方（シートバッ ク部 8へ接近する方向）へ移動させる。また、介在部材 83が座席 100の下方へ移動 する際には、ガイドブロック 82は座席 100の後方へ付勢されているため、接触面 83a に沿って座席 100の後方へ移動する。

[0104] 図 18に示したように、介在部材 83とスライダ 5とは一対のリンク 84にて連結されてい る。リンク 84はスライダ 5の前後運動と介在部材 83の上下運動とを連係する。リンク 8 4は、その一端を介在部材 83に形成された長孔 83bに挿入され、座席 100の上下方 向へ長孔 83bの範囲内で移動可能かつ回転可能に連結されている（図 20A及び図 20Bも参照)。また、リンク 84の他端は、スライダ 5に設けられた連結部 5aの孔に挿入 され、孔に対して回転可能に連結されている。

[0105] 上記のように構成された緩み調整機構 81においては、スライダ 5が座席 100に対し て後方へ移動すると、リンク 84を介してスライダ部材 83が突出部 27aに沿って移動 する。すると、スライダ部材の接触面 83aと接触するガイドブロック 82は座席 100の前 方へ突出し、ガイド軸 10及び連結軸 38との間でガイドブロック 82に巻き掛けられて いる調整ベルト 37を座席 100の前方へ徐々に押し退ける。従って、シートバック部 8 の起立に伴って余り気味となる調整ベルトの緩みを適切な量に調整できる。また、反 対にスライダ 5が座席 100に対して前方へ移動するときは、調整ベルト 37は後方へそ の案内経路を徐々に変化させながらガイドブロック 82にて案内されるので、シートバ ック部 8の傾き（リクライニング角度）が大きくなるにつれ不足気味となる調整ベルト 37 の緩みを適切な量に調整できる。よって、スライダ 5の位置が変化しても肩ベルト 30 の緩み量の変化を抑えてシート部に着席した幼児を適切に拘束することができる。

[0106] 本発明の実施に際し、緩み調整機構 81は上記の形態に制限されるものではない。

図 21A—図 25Cは緩み調整機構の他の形態を示す図である。

[0107] 図 21A及び図 21Bはカム部材を用いて緩み調整機構 81を構成した図である。図 2 1Aを参照すると、カム部材 89は調整ベルト 37の案内経路に隣接して配置されてい る。カム部材 89の回転軸はベース本体 2aに取り付けられている。そして、カム部材 8 9及びスライダ 5は連係手段としてのリンク 90を介して連結されている。従って、スライ ダ 5が後退すると、リンク 90を介してカム部材 89が反時計回りに回転し、ガイド軸 10と スライダ 5との間に引き回されている調整ベルト 37を後方へ押し退けて調整ベルトの 案内経路を迂回させる。これにより、調整ベルト 37の緩みを調整することができる。ま た、図 21Bは、上記のリンク 90の代わりに、連係手段としてカム部材 89に設けられた ピ-オン 97とスライダ 5に設けられたラック 96と用いた例を示した図である。ピ-オン 9 7とラック 96とを嚙み合わせることにより、図 21Aに示した例と同様の機能が実現され る。

[0108] 図 22A—図 22Dは、ガイド部材としての巻き掛けピン 91を用いた緩み調整機構 81 の構成を示した図である。図 22Aを参照すると、巻き掛けピン 91は調整ベルト 37を 巻き掛けながらリンク 90上に設けられている。リンク 90の一端はスライダ 5に回転可能 に連結されている。リンク 90の他端は、ベース本体 2a上に設けられた湾曲している溝 95に挿入され、かつ溝 95内を移動可能な状態でベース本体 2aと連結されている。リ ンク 90及び溝 95はスライダ 5の前後運動と巻き掛けピン 91の運動とを連係させる連 係手段として機能する。従って、スライダ 5が後退すると、リンク 90を介してリンク 90の 他端が溝 95に沿って座席 100の上方に移動し、巻き掛けピン 91に巻き掛けられた 調整ベルト 37が上方へ案内されて案内経路が迂回される。これにより、調整ベルト 3 7の緩みをスライダ 5の移動に応じて調整することができる。なお、スライダ 5を座席 10 0の後方へ移動させるとリンク 90の他端が座席 100の下方へ移動するように、溝 95を 配置してもよい。図 22Bのように、巻き掛けピン 91を移動させる手段として 2本のリン ク 90を用いてもよい。図 22Cに示したように、リンク 90をベース本体 2a上に固定され た支点 98を中心として回転可能に設けることもできる。この構成によれば、巻き掛け ピン 91の操作力を低減することができる。図 22Dに示したようにスライダ 5の前後運 動と巻き掛けピン 91の運動とを連係させる連係手段として、巻き掛けピン 91が設けら れたピユオン 97とスライダ 5に設けられたラック 96とを嚙み合わせて構成してもよい。

[0109] 図 23A—図 23Dは、緩み調整機構 81及び調整ベルト 37の他の形態を示したもの である。図 23A—図 23Dに示したように、この形態では、調整ベルト 37をベルトが互 V、に向き合う部分を有するように構成し、その間に緩み調整機構 81力配置されるよう に構成している。これによれば、一方向で調整ベルト 37の案内経路を変化させるより もより確実な動作が可能となる。なお、ベルトが互いに向き合う部分は、調整ベルト 37 を 2本重ねて構成してもよいし、 1本のベルトを 2つに割って構成してもよい。また、図 23A—図 23Dに示した構成のうち上述した構成と同一の構成については同一の符 号を付して詳しい説明は省略する。なお、図 23Dは、緩み調整機構 81としてスライダ 5の移動に伴い膨張又は収縮を行うバルーン 88を用いたものである。スライダ 5には ピストンが連結されており、シリンダ内をピストンが移動することにより、バルーン 88を 膨張又は収縮させることができる。バルーン 88の膨張及び収縮を利用して、調整べ ルト 37の案内経路を変化させることができる。調整ベルト 37の代わりに肩ベルト 30を 上記のように構成してもよ 、。

[0110] 図 24A—図 24Cに緩み調整機構 81の更に他の形態を示す。図 24Aは、カム部材 89の変形例として、円盤 89aを用いたものである。この図を参照すると、円盤 89aは ベース本体 2a上に固定された中心軸回りに回転し、リンク 90を介してスライダ 5と連 結される。円盤 89aにはベルトアジヤスタ 39が設けられており、調整ベルト 37の上方 への移動を拘束している。従って、スライダ 5が後方へ移動すると円盤 89aが反時計 回りに回転し、調整ベルト 37を下方へ引き下げて調整ベルト 37の緩みを調整できる 。なお、ベルトアジヤスタ 39の代わりに円盤 89aに調整ベルト 37の端部を固定しても よい。

[0111] 図 24Bは、上述したスライドブロック 82の他の形態を示したものである。スライドブロ ックを 82A、 82B、 82C- · ·と分割することにより、調整ベルト 37の移動量を連続的で はなく間欠的に変化させることができる。

[0112] 図 24Cは、ベルトの緩みを調整する手段として卷取機構 92を用いた構成を示した 図である。この図から明らかなように、調整ベルト 37を巻き取るドラム 93が設けられた ピ-オン 97とスライダ 5に設けられたラック 96とを嚙み合わせて構成されている。スラ イダ 5が後方へ移動するとラック 96と嚙み合っているピ-オン 97が回転し、その回転 に伴ってピ-オン 97に設けられたドラム 93が回転して調整ベルト 37を所定量巻き取 ることができる。このため、調整ベルト 37の緩みの調整が可能となる。スライダ 5が前 方へ移動するとドラム 93に巻き取られていた調整ベルト 37は所定量巻き戻される。 従って、この構成によれば、スライダ 5の移動に応じて調整ベルト 37の緩みを調整す ることがでさる。

[0113] 図 25A—図 25Cは、緩み調整機構 81の配置箇所を変更した形態を示す図である 。図 25Aに示した形態は、緩み調整機構 81がシートバック部 8に設けられているもの である。シートバック部 8とシートクッション部 6 (スライダ 5)とは支軸 7を中心として回転 可能に連結されている。シートクッション部 8には、調整ベルト 37を巻き掛ける卷き掛 けピン 91が設けられている。シートクッション部 8 (スライダ 5)を後方に移動すると、シ 一トバック部 8は起立して行くので、この動きを利用して巻き掛けピン 91に巻き掛けら れた調整ベルト 37を上方へ引き上げることができる。

[0114] 図 25Bは、スライダ 5に緩み調整機構 81を設けた態様を示したものである。この図 の形態では、拘束ベルト装置 4を構成する股ベルト 31の一端を、スライダ 5を貫通さ せてベース本体 2aに設けるとともに、スライダ 5の上面力も股ベルト 31の固定点まで の股ベルト 32の案内経路の途中に巻き掛けピン 91を設けている。従って、スライダ 5 が後方へ移動すると、巻き掛けピン 91がスライダ 5とともに後方へ移動するので、これ に卷きかけられた股ベルト 32は後方へ押し退けられシート部 3の前面に繰り出された ベルト 30、 32の緩みがスライダ 5の移動に連動して調整される。本形態においては、 股ベルト 32の一部が調整ベルト 37として機能する。

[0115] 図 25Cは、緩み調整機構 81をスライダ 5の裏面側に設けた例を示したものである。

この図から明らかなように、カム部材 89はスライダ 5の下方のベース本体 2aに回転可 能に設けられている。また、カム部材 89とスライダ 5とはリンク 90を介して回転可能設 けられている。従って、スライダ 5を後方に移動させると、リンク 90によってカム部材 89 が時計回りに回転しガイド軸 10、 10の間に巻き掛けられている調整ベルト 37を押し 退けることになるので、スライダ 5の移動に連動して調整ベルト 37の緩みの調整が可 能となる。

[0116] 以上に述べた緩み調整機構 81の形態は単独で用いなくてもよぐこれらを組み合 わせて構成してもよい。その一例を図 26A及び図 26Bに示す。図 26Aを参照すると 、この形態では、巻き掛けピン 91が設けられベース本体 2aに対して回転可能なピ- オン 97とスライダ 5に設けられたラック 97とが嚙み合わされている。そして、スライダ 5 の後端部が、その移動に伴って調整ベルト 37の案内経路と干渉するように設けられ ている。従って、スライダ 5が後方へ移動すると、巻き掛けピン 91が調整ベルト 37を 巻き掛けつつ前方へ移動し、それと同時にスライダ 5の後端部が調整ベルト 37を後 方へ押し退ける。このため、スライダ 5の移動に連動して調整ベルト 37の緩みを調整 することが可能になる。図 26Bは、図 21Aで説明したカム部材 89を利用した機構と 図 25Bで示した機構とを組み合わせて緩み調整機構 81を構成した形態を示す図で ある。この形態では、カム部材 89による調整ベルト 37を後方へ押し退ける作用と、ス ライダ 5を貫通した股ベルト 32を後方へ引き下げる作用とが同時に働くことになり、ス ライダ 5の移動に連動して調整ベルト 37の緩みを調整することが可能になる。

本発明は第 3の形態に限定されず、種々の形態にて実施してよい。例えば、第 3の 形態では、チャイルドシートを車両のシートベルトを利用して固定している力 ISOFI X方式に準拠した固定装置等、車両のシートベルト以外の固定手段を利用してベー ス部 2を座席 100に固定してもよい。

Claims

請求の範囲

[1] シートクッション部とシートバック部とを有し、車両のバックルに連結されるシートべ ルトを利用して該車両の座席に前向き姿勢で固定されるチャイルドシートにおいて、 前記バックルとの連結点から引き上げられた前記車両のシートベルトの肩ベルト部分 を案内する肩ベルトガイドが、前記座席の左右方向に関して前記バックルの位置と同 一側であって、かつ前記シートクッション部と前記シートバック部との境界部よりも前 記シートバック部側に偏った位置に配置されているチャイルドシート。

[2] 車両のバックルに連結されるシートベルトを利用して該車両の座席に前向き姿勢で 固定されるチャイルドシートにおいて、前記バックルとの連結点から引き上げられた前 記車両のシートベルトの肩ベルト部分を案内する肩ベルトガイド力 前記座席の前後 方向に関して前記バックルの位置よりも後方に偏った位置に配置されているチヤィル ドシート。

[3] 前記肩ベルトガイドは前記座席の上下方向に移動可能に設けられており、

前記肩ベルトガイドの移動の禁止及びその禁止の解除を切り替える肩ベルトガイド 位置調整手段を具備する請求項 1又は 2に記載のチャイルドシート。

[4] 前記シートクッション部及び前記シートバック部はフレームにより支持されており、 前記フレームに対して前記座席の上下方向にスライド可能な操作部と、前記操作 部と前記肩ベルトガイドとを連結する連結部材とを備え、前記連結部材が前記肩べ ルトガイド寄りの前記フレーム上の支点を中心として回転可能に設けられている操作 補助装置を具備する請求項 3に記載のチャイルドシート。

[5] 前記シートクッション部及び前記シートバック部はフレームにより支持されており、 前記フレームに対して該フレームを横断する方向にスライド可能な操作部と、前記 操作部と前記肩ベルトガイドとを連結する連結部材と、前記操作部及び前記連結部 材のうちのいずれか一方と前記フレームとの間に掛け渡され、前記操作部をその操 作方向に付勢する付勢手段とを備える操作補助装置を具備する請求項 3に記載の チヤイノレドシート。

[6] 前記バックルとの連結点から前記座席の左右方向に関して反対側に掛け渡される 前記車両のシートベルトの腰ベルト部分を案内する腰ベルトガイド力 S、前記座席の前 後方向に関して前記バックルの位置よりも前方に偏った位置に配置されている請求 項 1一 5のいずれか一項に記載のチャイルドシート。

[7] 前記バックルとの連結点を中心として前記肩ベルト部分と前記腰ベルト部分とにより 形成される角度が前記座席の上方に関して鈍角となるように、前記シートベルトが前 記肩ベルトガイド及び前記腰ベルトガイドにて案内されている請求項 6に記載のチヤ ィルドシート。

[8] 車両の座席に固定されるベース部と、前記座席に対して前向きの姿勢で前記べ一 ス部上に取り付け可能なシート部とを具備し、

前記ベース部には、前記座席に固定されるベース本体と、前記シート部に着席した 幼児を拘束するための一対の肩ベルトを備えた拘束ベルト装置と、前記肩ベルトを 案内する肩ベルトガイドと、前記肩ベルトガイドを前記ベース本体に対して前記座席 の上下方向に位置調整可能に連結するベルトガイド位置調整機構とが設けられて!/、 るチャイルドシート。

[9] 前記ベルトガイド位置調整機構は、操作部の操作によって前記座席の上下方向へ の前記肩ベルトガイドの移動の禁止及びその禁止の解除を切り替える拘束手段を具 備し、前記操作部が前記シート部の前面側力 操作可能な位置に設けられて 、る請 求項 8に記載のチャイルドシート。

[10] 前記ベース本体は一対のフレームを含んで構成され、前記拘束手段は、前記一対 のフレーム間に沿って上下移動可能であり、前記一対のフレームに形成された孔に 対して抜き差し可能なシャフトを含んで構成されている請求項 9に記載のチャイルド シート。

[11] 前記肩ベルトが、前記ベース部に取り付けられた前記シート部と干渉しないように 前記一対のフレームの背面側から該シート部の前面側へ案内されている請求項 8— 10の!、ずれか一項に記載のチャイルドシート。

[12] 車両の座席に前向きの姿勢で固定されるとともに、幼児を拘束するための一対の肩 ベルトと、前記肩ベルトを案内する肩ベルトガイドと、前記肩ベルトガイドを前記座席 の上下方向に位置調整可能に連結するベルトガイド位置調整機構とを具備するチヤ ィルドシートにおいて、 前記ベルトガイド位置調整機構は、操作部の操作によって前記座席の上下方向へ の前記肩ベルトガイドの移動の禁止及びその禁止の解除を切り替える拘束手段を具 備し、前記操作部が前記座席の前方側から操作可能な位置に設けられて！/ヽるチヤィ ルドシート。

[13] 車両の座席上に配置されるベース部と、前記車両の座席に対して前向きの姿勢で 前記ベース部上に配置されるシート部とを具備し、

前記ベース部には、前記座席に固定されるベース本体と、前記ベース本体に対し て前記車両の座席の前後方向に位置調整可能に連結されるスライダと、前記シート 部に着席した幼児を拘束するための一対の肩ベルト及び一端側が前記シート部の 背面側にて前記肩ベルトと連結され、他端側は前記スライダの前方に引き出される 調整ベルトを備えた拘束ベルト装置と、前記スライダの移動に応じて前記調整ベルト の案内経路を変化させる緩み調整機構とが設けられている、チャイルドシート。

[14] 前記緩み調整機構は、前記案内経路に隣接して配置され、該案内経路を横切る 方向に関して進退可能に設けられたガイドブロックと、前記ガイドブロックに沿って移 動して該ガイドブロックを進退させる介在部材と、前記スライダと前記介在部材とを連 結するリンクとを具備する請求項 13に記載のチャイルドシート。

[15] 前記緩み調整機構は、前記案内経路に隣接し前記ベース本体に対して回転可能 に設けられ、その回転運動により前記案内経路を迂回させるカム部材と、前記スライ ダの前後方向への運動と前記カム部材の回転運動とを連係させる連係手段とを具備 する請求項 13に記載のチャイルドシート。

[16] 前記緩み調整機構は、前記案内経路に隣接し前記ベース本体に対して移動可能 に設けられ、その運動により前記案内経路を迂回させるガイド部材と、前記スライダの 前後方向への運動と前記ガイド部材の運動とを連係させる連係手段とを具備する請 求項 13に記載のチャイルドシート。

[17] 前記調整ベルト又は前記肩ベルトは、複数のベルトが前記緩み調整機構を介して 向き合うように構成される部分を含む請求項 13— 16のいずれか一項に記載のチヤィ ルドシート。

[18] 車両の座席上に配置されるベース部と、前記車両の座席に対して前向きの姿勢で 前記ベース部上に配置されるシート部とを具備し、

前記ベース部には、前記座席に固定されるベース本体と、前記ベース本体に対し て前記車両の座席の前後方向に位置調整可能に連結されるスライダと、前記シート 部に着席した幼児を拘束するための一対の肩ベルト及び一端側が前記シート部の 背面側にて前記肩ベルトと連結され、他端側は前記スライダの前方に引き出される 調整ベルトを備えた拘束ベルト装置とが設けられ、

前記シート部には、前記スライダに連結されるシートクッション部と、前記シートタツ シヨン部の後端部に対して前記座席の左右方向に延びる軸線を中心として回転可能 な状態で連結されるシートバック部とが設けられ、

前記シートバック部には、前記スライダの移動に応じて前記調整ベルトの案内経路 を変化させる緩み調整機構が設けられて 、る、チャイルドシート。

車両の座席上に配置されるベース部と、前記車両の座席に対して前向きの姿勢で 前記ベース部上に配置されるシート部とを具備し、

前記ベース部には、前記座席に固定されるベース本体と、前記ベース本体に対し て前記車両の座席の前後方向に位置調整可能に連結されるスライダと、前記シート 部に着席した幼児を拘束する拘束ベルト装置とが設けられ、

前記拘束ベルト装置には、一対の肩ベルト及びこれら肩ベルトに一端側が連結さ れる調整ベルトと、前記スライダの移動に応じて前記調整ベルトの他端側を巻き取る 卷取機構とが設けられている、チャイルドシート。