WO2005041687A1

WO2005041687A1 - 天ぷら製造方法および天ぷら製造装置

Info

Publication number: WO2005041687A1
Application number: PCT/JP2004/015607
Authority: WO
Inventors: Shigeru Takahashi
Original assignee: Nichirei Foods Co., Ltd.
Priority date: 2003-10-31
Filing date: 2004-10-21
Publication date: 2005-05-12
Also published as: JP4484824B2; JPWO2005041687A1

Abstract

【課題】　油中において具材をバラバラにすることなく所望の形状に成形することができ、衣の食感にさくさく感を有し、かつ衣の重量感がある天ぷらを製造する。【解決手段】　受け皿５内の具材４４に低粘度の衣液１９を噴霧し、この具材４４に５００～５０００ｃＰの粘度の衣液１０を滴下した後、受け皿５の上縁が油面より若干上方に位置するように受け皿５を油中に浸漬させて具材４４上から高温の油２６を注油し、次に受け皿５内に収容された具材４４の上端が油面より若干下方に位置するように受け皿５を油中に浸漬させた状態において、さらにこの具材４４上に５００～５０００ｃＰの粘度の衣液５６を滴下し、続いて高温の油２６を再度注油し、具材４４を所定時間油で揚げ、具材４４の浮力を利用して受け皿５から具材４４を剥がし、具材４４を油中に放出させる。

Description

明細書

天ぶら製造方法および天ぶら製造装置

技術分野

[0001] 本発明は、衣液を付着させた具材を油で揚げることにより、天ぶら、特にカゝき揚げ天ぶらを製造するのに好適な天ぶら製造方法および天ぶら製造装置に関する。背景技術

[0002] 従来より、連続して自動的に大量の力き揚げ天ぶら等の天ぶらを製造するための天ぶら製造装置が用いられて！/ヽる。

[0003] 前記天ぶら製造装置としては、例えば力き揚げ天ぶらを製造するために野菜ゃシ一フード等の大量の具材と衣液とを混合し、この大量の具材力一定量の具材を取り分けて油で揚げる装置が知られて、る。

[0004] しかし、このような天ぶら製造装置によると、例えば 100個以上の力き揚げ天ぶらを製造するために大量の具材と衣液とを混合する際、衣液が大量の具材に均一に付着するように前記具材と前記衣液とを何度も混合し、さらに混合の際に前記具材と前記衣液に作用させる物理的な力も混合量が多いため大きくする必要があった。このため、前述のように大量の具材と衣液とを混合する際には、具材と衣液が摩擦されることによって衣液に含まれる小麦粉等によりダルテンが生成されてしまう場合がある。

[0005] また、大量の具材と衣液とを混合すると、低粘度の衣液を用いた場合には、前記衣液を混合した後、具材すべてを油中に入れるまでに長時間放置することになり、前記衣液が具材カゝらたれ落ちて、前記具材と前記衣液とが分離してしまう。そして、具材と衣液との分離を避けるためには、具材すべてを油中に投入する間にも、具材と衣液との混合撹拌を継続しなければならず、この結果ダルテンが生成されてしまう。

[0006] そして、このような天ぶら製造装置によりダルテンが生成された衣液や高い粘度の衣液を用いて製造された力き揚げ天ぶらは、衣の食感にさくさく感が欠けたお好み焼き風の食感の仕上がりとなってしまうおそれがあった。

[0007] そこで、従来より、衣の食感にさくさく感を有する美味しいかき揚げ天ぶらを製造するための天ぶら製造装置が考えられて、る。 [0008] この天ぶら製造装置は、一定量ずつ個別に計量された具材に衣液を付着させて前記具材と前記衣液とを混合し、この具材を油中におヽて撹拌あるヽは分散形成しな力油で揚げることによりかき揚げ天ぶらを製造する装置である。（例えば、特許文献 1、特許文献 2参照)。

[0009] この天ぶら製造装置によれば、一定量ずつ個別に計量された具材と衣液とを混合するので、前記具材と前記衣液とを何度もかつ強!ヽ物理的な力を加えて混合する必要がなぐダルテンの生成を抑制することができる。また個別に計量された具材にー定量の衣液を付着させるので、前述のような粘度の高い衣液を用いる必要もない。このため、前記天ぶら製造装置によれば、衣の食感にさくさく感を有する力き揚げ天ぶらを製造することができた。

[0010] しかし、前述のような天ぶら製造装置によって力き揚げ天ぶらを製造する場合、前記衣液と混合された具材を搬送して油中に浸漬させるまでの工程にぉヽて、前記具材には衣液が付着しているので、この衣液により前記具材が天ぶら製造装置の搬送径路に付着してその一部が他の具材カも離れてしまうおそれがある。このような場合には、油中に没入されるまでに一定量に計量された具材の重量が減ってしまい、この結果、完成したかき揚げ天ぶらの重量は所望の一定量よりも減り、個々の力き揚げ天ぷらの重量にばらつきが生じるおそれがあるという問題を有していた。

[0011] また、低粘度の衣液と混合された具材は、個々の具材が不揃いな形状によって油中に入れられ、その後撹拌されるので、完成したかき揚げ天ぶらを所望の形状に成形することができず、さらに低粘度の衣液を油に入れると大量の泡が発生してしまい、この大量の泡により具材がバラバラになってしまう場合もあるという問題もあった。

[0012] また衣の食感にさくさく感を有する美味、かき揚げ天ぶらを製造するための他の天ぶら製造装置として、粉を付着させた具材に衣液を付与し、この衣液を付与した具材をコンベア上にぉ、て成形しながら搬送し、この成形された具材上に成形カップを覆!、かぶせながら、前記具材を油中に入れて油で揚げる装置も考えられて、る（例えば、特許文献 3参照)。

[0013] この天ぶら製造装置によれば、衣液が付着した具材を撹拌することなく油で揚げるので、ダルテンが生成されることがない点において、衣の食感にさくさく感を有するかき揚げ天ぶらを製造することができる。

[0014] しかし、衣液を付与した後に成形した具材をコンベアによって搬送する際に、低粘度の衣液を用いた場合、成形した具材の形状が崩れ、さらに前記具材を油に没入させたときに油中におヽて大量に発生する泡により具材の形状が壊れてしまうおそれがある。また、成形した具材の形状を壊さないように搬送して油で揚げるために、 800 OcP以上の高、粘度の衣液を具材に付着させてかき揚げ天ぶらを製造した場合、完成した力き揚げ天ぷらは、お好み焼き風の食感の仕上がりになってしまうことが多いという問題を有していた。

[0015] 特許文献 1：特開平 05— 103602号公報

特許文献 2：特開平 09— 252962号公報

特許文献 3：特開平 11-289999号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0016] 本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、油中において具材をバラバラにすることなく所望の形状に成形することができ、食感にさくさく感を有する衣が、衣自体を喫食するのに適度な分量だけ付着しているボリューム感がある天ぶらを製造することができる天ぶら製造方法および天ぶら製造装置を提供することを目的とする。課題を解決するための手段

[0017] 前記目的を達成するため、本発明に係る天ぶら製造方法の特徴は、具材に粉を付着させる付着工程と、粉が付着した一定量の前記具材を受け皿に収容する収容ェ程と、前記受け皿内の具材に 500— 5000cPの粘度の衣液を滴下する第 1滴下工程と、前記具材を収容した受け皿を油中に浸漬させて前記具材を油で揚げる油揚工程と、前記油揚工程において、前記具材上に 500— 5000cPの粘度の衣液を滴下する第 2滴下工程と、前記第 2滴下工程において衣液が滴下された前記具材上に高温の油を注ぐ注油工程とを有する点にある。

[0018] この本発明に記載の天ぶら製造方法によれば、第 1滴下工程において具材同士の空隙に 500— 5000cPの粘度の衣液を入り込ませることにより各具材同士を確実に接着させることができる。また、第 2滴下工程において衣液を具材上に滴下することにより、具材の周面に衣液の層をつくることができるとともに、具材同士の空隙を埋めることができる。

[0019] このとき、衣液が滴下された具材を撹拌することなく受け皿に収容したまま油で揚げることにより天ぷらを製造するので、撹拌されることにより衣液においてダルテンが生成されてしまうのを抑制することができる。また、第 1滴下工程および第 2滴下下工程において滴下される衣液は、従来の大量の具材と衣液とを混合する場合に用いられる 8000— lOOOOcPの高い粘度の衣液と比較すれば、少なくとも 2分の 1以下の粘度である。このため、完成した天ぷらが衣の食感にさくさく感のないお好み焼き風のものになってしまうことを防止することができる。

[0020] 本発明に係る他の天ぶら製造方法の特徴は、前記収容工程と前記第 1滴下工程との間に、前記具材に 0— 300cPの粘度の衣液を噴霧する噴霧工程をさらに有する点にめる。

[0021] この本発明に記載の天ぷら製造方法によれば、各滴下工程において滴下される衣液の粘度よりも低粘度の衣液が具材上に噴霧されるので、具材の全体に低粘度の衣液を行き渡らせることができ、具材に衣液が付着せずにむき出しになってしまうことを防止することができる。

[0022] 本発明に係る他の天ぶら製造方法の特徴は、前記第 2滴下工程後の前記注油ェ程を第 2注油工程とし、前記油揚工程において前記第 2滴下工程の前に、前記具材上に高温の油を注ぐ第 1注油工程をさらに有する点にある。

[0023] この本発明に記載の天ぶら製造方法によれば、第 2滴下工程に搬送される前に第 1注油工程において具材上に油を注ぐことにより、具材に火を通すとともに噴霧工程および第 1滴下工程において噴霧および滴下された衣液の水分を蒸発させることで、火通り不足による衣のさくさく感が欠けた状態になるのを防止することができ、天ぶらの内部までさくさく感を付与した天ぶらの製造が可能となる。また、第 2滴下工程において衣液が滴下された後に再度第 2注油工程によって具材上に油を注ぐことにより、具材に確実に火を通しかつ衣液の水分を蒸発させることができるとともに、衣液が滴下されることによる油の温度の低下を防止することができる。

[0024] 本発明に係る他の天ぶら製造方法の特徴は、前記油揚工程にお!、て、前記受け皿の側壁に形成された開口力前記受け皿内に油を流入させる点にある。

[0025] この本発明に記載の天ぷら製造方法によれば、受け皿の内部には側壁の開口および上縁から徐々に油が充満されるようになっているので、これにより大量の泡が急激に発生してしまうのを抑制することができ、油中に投入された具材同士がバラバラになってしまうのを一層防止することができる。

[0026] 本発明に係る他の天ぶら製造方法の特徴は、前記油揚工程にお!、て、まず前記受け皿内に油を流入させる流入工程を経た後、前記受け皿の上縁が油面より上方に位置するように前記受け皿を油中に浸漬させて前記具材を所定時間油で揚げ、前記第 2滴下工程以降において前記受け皿内に収容された具材の上端が油面と同一面または下方に位置するように前記受け皿を油中に浸漬させてこの状態にぉ、て前記具材を所定時間油で揚げ、その後前記具材の浮力を利用して前記受け皿力前記具材を剥がし、前記具材を油中に放出させる点にある。

[0027] この本発明に記載の天ぷら製造方法によれば、油中における受け皿の高さ位置を調整することにより、受け皿内に急激に油が充填されて受け皿内の具材がバラバラになってしまうことを防止することができる。ここで、前記流入工程については、例えば前述の第 1注油工程のように受け皿の上方から油を注ぐことにより受け皿内に油を流入させるものでもよいし、また、受け皿の側壁に形成された開口力受け皿内に油を流入させるものであってもよい。さらに、前記流入工程については、油揚工程においてまずー且受け皿の上縁が油面と同一面または油面よりも若干下方に位置するように前記受け皿を油中に浸漬させ、前記受け皿によって油をすくうことにより受け皿内に油を流入させ、その後、前記受け皿の上縁が油面より上方に位置するように前記受け皿を上昇させて前記具材を所定時間油で揚げるようにしてもよい。

[0028] 本発明に係る他の天ぶら製造方法の特徴は、複数個の前記受け皿が、無端環状のコンベアの長手方向に沿って装着されている点にある。

[0029] また、本発明に係る他の天ぶら製造方法の特徴は、前記コンベアの長手方向における各受け皿の装着位置には、それぞれ複数個の受け皿が装着されている点にある

[0030] これらの天ぶら製造方法によれば、多数の天ぶらを効率よく製造することができる。 [0031] 本発明に係る他の天ぶら製造方法の特徴は、前記収容工程と前記噴霧工程との間に、前記具材上にトッピング具材をトッピングする載置工程をさらに有する点にある

[0032] 本発明に係る他の天ぶら製造方法の特徴は、前記粉が付着した具材について 1つの前記受け皿に収容される一定量を自動的に計量し、前記計量した具材を前記受け皿に収容するにある。

[0033] この天ぶら製造方法によれば、各受け皿に自動計量供給装置によって一定量の具材を供給することができるので、より容易に天ぶらを製造することができる。

[0034] 本発明に係る他の天ぶら製造方法の特徴は、前記油中に浸漬されて、た受け皿を冷却する冷却工程をさらに有し、前記冷却工程の後、前記冷却された受け皿に粉が付着した具材を収容する点にある。

[0035] ここで、加熱されたままの受け皿に具材を収容すると、具材および衣液が受け皿の熱によって加熱されてしまい、このような具材を油で揚げた場合には膨らみの悪い天ぷらとなってしまうが、この天ぷら製造方法によれば、油によって加熱された受け皿を冷却水によって冷却することにより、膨らみのよい天ぶらを製造することができる。

[0036] さらに、本発明に係る他の天ぶら製造方法の特徴は、前記冷却工程において、前記油中に浸漬されて、た受け皿を冷却水に浸漬させて冷却し、前記冷却した受け皿にエアを噴射し、前記冷却工程の後、前記エアが噴射された受け皿に粉が付着した具材を収容する点にある。

[0037] この天ぷら製造方法によれば、受け皿に付着した水滴をエアを噴霧することによつて除去することができるので、受け皿にぉ、て具材に付着した粉が水滴を吸収したり、また衣液が水滴と混合してしてしまうことを防止することができ、所望の粘度の衣液が付着した具材を油で揚げることができる。

[0038] また、本発明に係る天ぶら製造装置の特徴は、粉が付着した具材を収容する受け皿と、前記受け皿内の具材に 500— 5000cPの粘度の衣液を滴下する第 1衣液滴下器と、前記衣液が滴下された具材を油で揚げるため前記具材を収容した受け皿を油中に浸漬可能な油槽と、油中に浸漬された前記具材に 500— 5000cPの粘度の衣液を滴下する第 2衣液滴下器と、前記第 2衣液滴下器によって衣液が滴下された具材上に高温の油を注ぐ注油器とを有する点にある。

[0039] このような構成により、第 1衣液滴下器において具材同士の空隙に 500— 5000cP の粘度の衣液を入り込ませることにより各具材同士を確実に接着させることができる。また、第 2衣液滴下器において衣液を具材上に滴下することにより、具材の周面に衣液の層をつくることができるとともに、具材同士の空隙を埋めることができる。

[0040] このとき、衣液が滴下された具材を撹拌することなく受け皿に収容したまま油で揚げることにより天ぷらを製造するので、衣液におけるダルテンの生成を抑制することができる。また、第 1衣液滴下器および第 2衣液滴下器において滴下される衣液は、従来の大量の具材と衣液とを混合する場合に用いられる 8000— lOOOOcPの高い粘度の衣液と比較すれば、少なくとも 2分の 1以下の粘度である。このため、完成した天ぷらが衣の食感にさくさく感のないお好み焼き風のものになってしまうことを防止することがでさる。

[0041] 本発明に係る天ぶら製造装置の特徴は、前記受け皿の側壁に、前記受け皿の側壁力前記受け皿内部に油を流入させる開口を形成した点にある。

[0042] この本発明に記載の天ぷら製造装置によれば、受け皿の内部には、側壁の開口および上縁から徐々に油が充満されるようになっているので、これにより大量の泡が発生してしまうのを抑制することができ、油中に投入された具材同士がバラバラになってしまうのを一層防止することができる。

[0043] 本発明に係る他の天ぶら製造装置の特徴は、前記受け皿の底壁内面に、前記受け皿内に収容された具材が前記受け皿の底壁内面と具材との間に空隙を作るような複数の突起を有する点にある。

[0044] このような構成により、受け皿の内部に収容された具材は突起によって受け皿の底壁内面に貼り付くことがなく前記底壁と具材の下面との間に隙間を生じさせることができる。これにより、具材の下面に衣液の層を作ることができる。

[0045] 本発明に係る他の天ぶら製造装置の特徴は、前記受け皿の底壁内面に形成された前記各突起を、それぞれ異なる方向に不規則に向くように配置した点にある。

[0046] この本発明に記載の天ぷら製造装置によれば、完成した天ぷらの底面に不規則な凹凸を形成することができ、工業生産的ではなぐ手作りしたような外観の天ぶらを製造することができる。

[0047] 本発明に係る他の天ぶら製造装置の特徴は、前記第 1衣液滴下器によって衣液が滴下される前に、前記受け皿内の具材上に衣液を噴霧する噴霧器を有する点にある

[0048] このような構成により、各衣液滴下器において滴下される衣液の粘度よりも低粘度の衣液が具材上に噴霧されるので、具材の全体に低粘度の衣液を行き渡らせることができ、具材に衣液が付着せずにむき出しになってしまうことを防止することができる

[0049] 本発明に係る他の天ぶら製造装置の特徴は、前記第 2衣液滴下器によって衣液が滴下された具材上に油を注ぐ注油器を第 2注油器とし、前記第 2衣液滴下器によつて衣液が滴下される前に、前記油に浸漬された具材上に高温の油を注油する第 1注油器を有する点にある。

[0050] また、本発明に係る他の天ぶら製造装置の特徴は、前記第 2注油器を、複数有する；^、にある。

[0051] このような構成によれば、第 2衣液滴下器に搬送される前に第 1注油器において具材上に油を注ぐことにより、具材に火を通すとともに衣液噴霧器および第 1衣液滴下器において噴霧および滴下された衣液の水分を蒸発させることができ、かつ第 2衣液滴下器において衣液が滴下された後に再度第 2注油器によって具材上に油を注ぐことにより、具材に確実に火を通しかつ衣液の水分を蒸発させることができる。

[0052] 本発明に係る他の天ぶら製造装置の特徴は、一体形成された複数個の前記受け皿力無端環状のコンベアの長手方向における複数箇所に装着されている点にある

[0053] 前記各天ぶら製造装置の構成により、多数の天ぶらを効率よく製造することができる。

[0054] 本発明に係る他の天ぶら製造装置の特徴は、 1つの前記受け皿に収容される一定量の前記具材を自動的に計量する自動計量器をさらに有する点にある。

[0055] このような構成により、一層容易に天ぷらを製造することができる。

[0056] 本発明に係る他の天ぶら製造装置の特徴は、油中に浸漬されて!/、た前記受け皿を冷却する冷却部をさらに有する点にある。

[0057] このような構成により、油によって加熱された受け皿を冷却水によって冷却することにより、膨らみのよい天ぶらを製造することができる。

[0058] さらに、本発明に係る他の天ぶら製造装置の特徴は、前記冷却部が、前記油中に浸漬されていた受け皿を冷却水に浸漬可能な冷却水槽と、前記冷却された受け皿にエアを噴射するエア噴射器とを有する点にある。

[0059] このような構成により、水槽において受け皿に付着した水滴をエア噴霧器によって除去することができるので、受け皿において具材に付着した粉が水滴を吸収したり、また衣液が水滴と混合してしてしまうことを防止することができ、所望の粘度の衣液が付着した具材を油で揚げることができる。

発明の効果

[0060] 以上述べたように、本発明に係る天ぶら製造方法および天ぶら製造装置によれば、所望の形状に成型され、衣の食感にさくさく感を有し、かつ衣の重量感がある天ぷらを製造することがでさる。

図面の簡単な説明

[0061] [図 1]本発明に係る天ぶら製造装置の一実施形態を示す概念図

[図 2]図 1の天ぶら製造装置における平板上に固定配置された受け皿を示す平面図 [図 3]図 2の平板上に固定配置された受け皿を示す側面図

[図 4]図 2の受け J1を示す拡大平面図

[図 5]図 1の天ぶら製造装置における自動計量供給装置の一実施形態を示す概略図

[図 6]図 1の天ぶら製造装置における衣液噴霧器を示す概略図

[図 7]図 1の天ぶら製造装置における衣液滴下器のうち滴下部の底面を示す概略図

[図 8]図 1の天ぶら製造装置における衣液滴下器を示す概略図

[図 9]図 1の天ぶら製造装置における注油器を示す概略図

発明を実施するための最良の形態

[0062] 以下、本発明に係る天ぶら製造装置の一実施形態を図 1から図 9を参照して説明する。

[0063] ここで、本実施形態においては、天ぷらとして力き揚げ天ぷらを製造するのに用いられる天ぶら製造装置について説明する。

[0064] 図 1は、本実施形態に係る天ぶら製造装置を示す概要図であり、図 1に示すように、前記天ぶら製造装置 1は、第 1コンベア 2を有し、第 1コンベア 2は、複数のプーリ 3 に卷回された無端環状のコンベアベルト 4を有している。この第 1コンベア 2には、 1つの力き揚げ天ぶらを構成する一定量の具材 44であって小麦粉等の粉が付着されたものが収容される受け皿 5が装着されている。そして、第 1コンベア 2におけるコンペァベルト 4の上面は、具材 44が収容された受け皿 5を搬送する具材搬送径路 2aとされている。

[0065] 前記受け皿 5は、図 2および図 3に示すように、例えば鉄等の金属材料力なる円形状の底壁 9および円筒状の側壁 7を有している。前記側壁 7には、複数の開口 7a が形成されており、開口 7aは、側壁 7の上縁から下縁に向力つて幅寸法が短くなるように切り込み形成されている。また、前記底壁 9の内面には、図 4に示すように、平面形状が細長い六角形状であって頂点が尖った複数の突起 8がそれぞれ異なる方向に不規則に向くように配置されて形成されている。なお、本実施形態において、側壁 7の開口 7aは側壁 7の上端力切り込み形成されているが、開口 7aの形状はこれに限定されるものではなぐ例えば側壁 7に貫通孔を形成することにより構成することもできる。また、突起 8の形状や配置位置等は本実施形態のものに限定されるものではなぐ様々な形状および配置位置に形成することができる。

[0066] 前記受け皿 5は、複数個（本実施形態においては 5つ）が金属材料力なる 1枚の平板 6上に並列配置して固定されることにより一体に形成されており、各受け皿 5の全体には、表面処理として表面エネルギの小さなポリ四フッ化工チレン被膜が施されている。なお、平板 6にもポリ四フッ化工チレン被膜が施されていることが好ましい。

[0067] そして、各受け皿は、その並列方向が第 1コンベア 2の搬送方向に対して直交するように配置され、複数の一体に形成された受け皿 5が第 1コンベア 2の長手方向に沿つて装着され、第 1コンベア 2によって複数の受け皿 5が同時に搬送可能とされている

[0068] 前記第 1コンベア 2の近傍には、各受け皿 5に収容するための一定量の具材 44を自動的に計量し、前記受け皿 5の上方力各受け皿 5の内部に具材 44を供給する図 5に示すような自動計量供給装置 14が設けられてヽる。

[0069] この自動計量供給装置 14は、粉が付着された具材 44を搬送する第 1具材搬送コンベア 15を有し、第 1具材搬送コンベア 15の具材搬送径路 15aにおける下流側先端部の下方には、前記受け皿 5の個数に対向する数の第 2具材搬送コンベア 16が設けられている。そして、前記第 1具材搬送コンベア 15は、搬送した具材 44をその先端部から前記各第 2具材搬送コンベア 16の具材搬送径路 16aにそれぞれ供給するようになっている。

[0070] 前記各第 2具材搬送コンベア 16の具材搬送径路 16aにおける下流側先端部の下方であって、前記受け皿 5の上方に対応する位置には、それぞれ具材供給ホッパ 18 が設けられており、前記各第 2具材搬送コンベア 16は、搬送した具材 44をその先端部から前記各具材供給ホッパ 18内にそれぞれ投入するようになっている。

[0071] 前記各具材供給ホッパ 18の底面は開閉自在に形成されており、また各具材供給ホッパ 18には、具材供給ホッパ 18に投入された具材 44の量を計測する図示しなヽ計測センサが設けられ、前記計測センサは前記自動計量供給装置 14の各部を制御する図示しな!ヽ制御部に接続されて!、る。

[0072] そして、前記制御部は、前記計量センサによって前記具材供給ホッパ 18に投入された具材 44がー定量になったことが検出されたとき、それぞれ第 1具材搬送コンベア 15および第 2具材搬送コンベア 16の搬送を中断し、第 2具材搬送コンベア 16および各具材供給ホッパ 18への具材の供給を中断するようになっている。また、前記制御部は、具材供給ホッパ 18に具材が投入されてヽるときには具材供給ホッパ 18の底面を閉鎖し、前記計量センサによって具材供給ホッパ 18に一定量の具材 44が投入されたことを検出したとき、前記底面を開放して各受け皿 5に具材 44を供給するよう〖こなっている。

[0073] 前記第 1コンベア 2の上方であって前記第 1コンベア 2の搬送方向における前記自動計量供給装置 14の配置位置よりも下流側には、前記受け皿 5に収容された具材 4 4に対して 0— 300cPの低粘度の衣液 19を噴霧する衣液噴霧器 20が設けられている。

[0074] この衣液噴霧器 20は、図 6に示すように、前記各受け皿 5の上方に対向するようにそれぞれ配置された複数の噴霧ノズル 21を有し、各噴霧ノズル 21は配管 22に接続されている。前記配管 22には、衣液 19が貯留された衣液貯留タンク 23から前記配管に衣液 19を供給するホース 24が接続されて、る。

[0075] また、前記衣液噴霧器 20は、各受け皿 5の上方にそれぞれ設けられた円筒状の複数の飛散防止枠 25を有し、各飛散防止枠 25は、その一方の開口部が具材 44に対向し他方の開口部が噴霧ノズル 21に対向するように配置され、昇降可能に設けられている。

[0076] そして、この衣液噴霧器 20は、前記受け皿 5が前記噴霧ノズル 21の下方に搬送されると、前記各飛散防止枠 25の一方の開口部が前記各受け皿 5の上縁に接触するように各飛散防止枠 25を下降させ、前記衣液貯留タンク 23からホース 24および配管 22を介して噴霧ノズル 21より具材 44上に衣液 19を噴霧するようになっている。また、衣液噴霧器 20は、衣液 19の噴霧後は各飛散防止枠 25を上昇させるようになつている。

[0077] 前記第 1コンベア 2の上方であって前記第 1コンベア 2の搬送方向における衣液噴霧器 20の配置位置よりも下流側には、前記衣液 19が噴霧された具材に対して衣液 10を滴下する第 1衣液滴下器 11が設けられている。この第 1衣液滴下器 11から滴下される衣液 10としては、粘度力 00— 5000cP、好ましくは 1200— 2000cPであって、低温度 (本実施形態においては 15°C程度）の衣液 10が用いられている。

[0078] 前記第 1衣液滴下器 11は、各受け皿 5の上方に対向するように配置された複数の滴下部 12を有しており、これら各滴下部 12における受け皿 5に対向する面には、図 7 に示すように、複数の滴下ノズル 13が整列配置して形成されている。各滴下ノズル 1 3の円径は、一例として 2mm程度とされている。また、滴下部 12は、その内部に大量の衣液 10が貯留されないように内部の高さ寸法力 S小さく構成されており、さらに滴下ノズル 13の内径ならびに滴下ノズル 13の高さ寸法によって、衣液 10の自重により余分な衣液 10が滴下ノズル 13から滴下しな!、ようになって!/、る。

[0079] さらに、滴下部 12は、図 8に示すように、配管 48を介して衣液 10が貯留された第 2 衣液貯留タンク 52に接続されており、この配管 48の途中には、一定量の衣液 10を滴下部 12に供給するための定量供給部 49が設けられて、る。この定量供給部 49は、前記配管 48から分岐し、内部にピストン 51が摺動可能に設けられた分岐管 53を有している。前記分岐管 53の先端には、流体シリンダ 54が装着されており、このシリンダ 54のピストンロッド 54aの外端に前記ピストン 51が突設されている。前記配管 48と前記分岐管 53との分岐部には、導通路 50aが形成された回転弁 50が配設されている。この定量供給部 49は、回転弁 50を回転させ、導通路 50aを所定の位置に配置することにより、第 2衣液貯留タンク 52から配管 48aを介して分岐管 53への通路を開放するようになっており、さらに回転弁 50を回転させ、導通路 50aを所定の他の位置に配置することにより、分岐管 53から配管 48bを介して滴下部 12への通路を開放するようになっている。

[0080] そして、この第 1衣液滴下器 11は、シリンダ 54を駆動してピストン 51を上方に引き出すことにより、第 2衣液貯留タンク 52から配管 48aを介して分岐管 53に一定量の衣液 10を吸い上げ、逆にピストン 51を下方に押し込むことにより分岐管 53から前記一定量の衣液 10を配管 48bを介して滴下部 12に供給し、各滴下ノズル 13から具材 44 上に滴下するようになって!/、る。

[0081] 前記第 1コンベア 2の下方であって前記第 1コンベア 2の搬送方向における前記第 1衣液滴下器 11の配置位置よりも下流側には、受け皿 5に収容された具材 44を揚げるための油 26が貯留された油槽 27が設けられている。そして、前記第 1コンベア 2は、その具材搬送径路 2aが油面に対して僅かに傾斜し、前記受け皿 5を徐々に油中に浸漬させるように配置されて、る。

[0082] 前記第 1コンベア 2の搬送方向における前記第 1衣液滴下器 11の配置位置よりも下流側には、油中に浸漬された受け皿 5の具材 44上に少なくとも 100°C以上の高温の油 26を注ぐための第 1注油器 29が設けられている。

[0083] この注油器 29は、図 9に示すように、前記各受け皿 5に対向するように配置された注油口部 30を有し、注油口部 30力受け皿 5の具材上にそれぞれシャワー状の油 2 6が注がれるようになつている。

[0084] また、前記注油口部 30は、注油口部 30に油 26を供給するためのオイル管 31に接続されており、このオイル管 31は、その一端部が油槽 27の内部に接続されて、油槽 27の油を注油口部 30に供給するようになって、る。 [0085] 前記第 1コンベア 2の搬送方向における第 1注油器 29の配置位置よりも下流側には、第 1注油器 29において上方から注油された具材 44上に、再度粘度が 500— 50 OOcPであって低温度の衣液 55を滴下するための第 2衣液滴下器 56が設けられている。ここで、第 2衣液滴下器 56において滴下される衣液 55の粘度は、 500— 5000 cPの粘度の範囲であれば、第 1衣液滴下器 11にお、て滴下される衣液 10の粘度と同一でも、または粘度が低くても、さら〖こは高くてもよい。この第 2衣液滴下器 56の構造は、第 1衣液滴下器 11の構造と同一であるので説明を省略する。

[0086] 前記第 1コンベア 2の搬送方向における第 2衣液滴下器 56の配置位置よりも下流側には、第 2衣液滴下器 56において衣液 55が滴下された具材 44上に再度 100°C 以上の高温の油 26を注油するための第 2注油器 58が設けられている。この第 2注油器 58は 1つ設けてもよいし、また複数設けてもよい。この第 2注油器 58の構成については、第 1注油器 29の構成と同一であるので説明を省略する。

[0087] 前記第 1コンベア 2の下方であって第 1コンベア 2の搬送方向における前記油槽 27 の配置位置よりも下流側には、油 26に浸漬されて加熱された受け皿 5を冷却するための冷却水 33が貯留された水槽 34が設けられている。そして、第 1コンベア 2は、受け皿 5を冷却水 33に浸水させながら搬送するように設けられて、る。

[0088] さらに、前記第 1コンベア 2の近傍であって第 1コンベア 2の搬送方向における前記水槽 34の配置位置よりも下流側であり、かつ前記自動計量供給装置 14の配置位置よりも上流側には、冷却水 33に浸漬されることにより前記受け皿 5に付着した水滴を除去するために受け皿 5の表側および裏側から勢ヽよくエアを噴射するエア噴射器 3 6が設けられている。

[0089] このエア噴射器 36は、前記受け皿 5の表面および平板 6の裏面に対向するようにそれぞれ配置された複数のエアノズル 37を有しており、前記各エアノズル 37は、各ェァノズル 37にエアを供給するためのエア配管 38に接続されている。

[0090] そして、前記第 1コンベア 2は、装着された受け皿 5を前記自動計量供給装置 14の近傍カゝら前記衣液噴霧器 20の配置位置まで平行に搬送し、上昇して前記油槽 27の縁を跨いだ後、受け皿 5を油槽 27中の油 26に徐々に浸漬させるように下降して走行する。続いて、第 1コンベア 2は、油槽 27中の油内において搬送方向を反転させた後上昇して油槽 27の縁を再度跨ぎ、受け皿 5を前記水槽 34内の冷却水 33に浸漬させるように下降して走行する。その後、第 1コンベア 2は、上昇して前記エア噴射器 36の近傍を通過し自動計量供給装置 14の近傍に戻って循環走行するようになって、る。

[0091] 次に、力き揚げ天ぶらの製造方法について説明する。

[0092] まず、野菜や海産物等の力き揚げ天ぶら 45の材料を所望の大きさのダイス状に切断して具材 44を作成し、前記具材 44に小麦粉等の大量の粉を付着させる。この具材 44に粉を付着させる方法としては、大きな容器に大量の具材 44および粉を投入し、前記容器を振動または回転等させることにより機械的に前記具材 44に前記粉を付着させてもよぐまた前記具材 44と前記粉とを手で混ぜることにより人手によって前記具材 44に前記粉を付着させてもよい。このように、予め具材 44に大量の粉を付着させることにより、付着された粉が具材 44の表面の水分を吸収し、次工程である具材計量工程にぉ、て、容易かつ安定して具材 44の計量を行うことができる。

[0093] 続いて、前記粉が付着された具材 44は、機械的または手動によって前記自動計量供給装置 14の第 1具材搬送コンベア 15における具材搬送径路 15aの上流先端部に供給される。前記第 1具材搬送コンベア 15に供給された具材は、前記第 1具材搬送コンベア 15から前記各第 2具材搬送コンベア 16の具材搬送径路 16aにそれぞれ供給された後、前記各第 2具材搬送コンベア 16力も底面が閉鎖された各具材供給ホッノ 18に投入される。そして、計量センサにより前記各具材供給ホッパ 18において投入された具材がー定量に達したことが検出されると、制御部によって前記各第 2具材搬送コンベア 16の駆動が中断され、前記各具材供給ホッパ 18の底面が開放されて前記各受け皿 5に一定量の具材 44が供給される。

[0094] このとき、受け皿 5の底壁 9における内面には突起 8が形成されているので、具材 44 は前記底壁 9の内面に貼り付くことなぐ具材 44と受け皿 5の内部底面との間には隙間が生じることとなる。

[0095] そして、前記受け皿 5に収容された具材 44は、前記第 1コンベア 2の走行によって前記油槽 27の方向に搬送される。

[0096] 次に、前記搬送中の具材 44上に、人手によってまたは機械的にェビ等のトッピング具材 46をトッピングする。 [0097] 続いて、トッピング具材 46および具材 44が衣液噴霧器 20の下方に搬送されると、各飛散防止枠 25の一方の開口部が各受け皿 5の上縁に接触するように各飛散防止枠 25が下降する。そして、衣液貯留タンク 23からホース 24および配管 22を介して前記各噴霧ノズル 21に供給された衣液 19が、前記各噴霧ノズル 21から前記トッピング具材 46および具材 44上に噴霧された後、各飛散防止枠 25が上昇する。

[0098] このとき、前記具材 44に噴霧される衣液 19は低粘度であるため、前記具材 44同士の空隙を維持しながら前記衣液 19を前記具材 44の全体に行き渡らせることができる

[0099] また、噴霧ノズル 21から具材 44上に衣液 19を噴霧する際、前記具材 44の上部周辺は飛散防止枠 25によって囲まれるので、噴霧された衣液 19が具材 44に当たって周囲に飛散してしまうのを防止することができる。

[0100] さらに、第 1衣液滴下器 11においてはシリンダ 54が駆動されることによりピストン 51 が上方に引き出されて第 2衣液貯留タンク 52から配管 48aを介して分岐管 53に一定量の衣液 10が吸い上げられている。そして、トッピング具材 46および具材 44が第 1 衣液滴下器 11の下方に搬送されると、ピストン 51が下方に押し出され、前記一定量の衣液 10が分岐管 53から配管 48bを介して滴下部 12に供給され、滴下部 12から各滴下ノズル 13を介してトッピング具材 46および具材 44上に、受け皿 5に収容された具材 44同士を接着するのに最低限の量の 15°C程度の低温度の衣液 10が滴下される。

[0101] このとき、前記具材 44に滴下される衣液 10は衣液噴霧器 20によって噴霧される衣液 19と比較して粘度が高いので、この衣液 10の全部が底部に流れることはなぐ前記衣液 10の一部は前記具材 44同士の空隙に入り込んでこの空隙内に残留されることになる。これにより、具材 44同士を確実に接着させることができる。

[0102] また、第 1衣液滴下器 11から滴下される衣液 10は具材 44同士を接着するのに最低限の量であるので、具材 44同士に多少の空隙が残っている。

[0103] さらに、滴下部 12の内部における高さ寸法が小さく構成されていることから滴下部 1 2の内部に貯留される衣液 10は少量であるとともに、各滴下ノズル 13の内径は小径に構成されているので、衣液 10の自重により余分な衣液 10が滴下ノズル 13から滴下してしまうのを防止することができる。

[0104] 次に、前記具材 44が収容された受け皿 5は、前記第 1コンベア 2に搬送されて上昇しながら油槽 27の縁を越えた後に下降して、まず、受け皿 5内に収容された具材 44 の上端が油面より若干上方に位置する程度に油中に浸漬されて、所定時間その高さ位置を維持して搬送される。このとき、油 26は、受け皿 5の上縁および側壁 7における開口 7aから前記受け皿 5内に緩慢に流入し充満する。すると、前記具材 44および前記衣液 19は、前記具材 44同士の空隙に到達した油によって揚げられ、前記衣液 19の加熱変性によって前記具材 44同士が接着する。これにより、前記具材 44は、受け皿 5に収容されたままの形状に成形される。

[0105] ここで、具材 44同士は、衣液噴霧器 20によって噴霧された低粘度の衣液 19により全体が薄く被覆されているだけではなぐ第 1衣液滴下器 11によって滴下された前記衣液 19よりも高粘度の衣液 10が前記具材 44同士の空隙に位置されている。このため、衣液 10, 19が付着した具材 44を油中に投入した際に生じる水蒸気の泡によつて具材 44同士がバラバラになってしまうのを抑制することができる。

[0106] そして、受け皿 5は、油中に浸漬された直後に第 1注油器 29の下方に到達する。

[0107] 受け皿 5内の具材 44およびトッピング具材 46が第 1注油器 29における注油口部 3 0に対向すると、第 1注油器 29においては、油槽 27よりオイル管 31を介して供給された高温の油 26が注油口部 30から各具材 44毎にその全体に対してシャワー状に注がれる。これによつて、前記第 1注油器 29においては、上方力も注ぐ油 26によって、側壁 7の開口 7aから流入する油の熱量を補い、かつ具材 44を物理的に撹拌しながら、トッピング具材 46および具材 44を上面からも揚げることができる。

[0108] 続いて、前記受け皿 5は、油中において受け皿 5に収容された具材 44の上端が油面力も若干上方に位置する程度の高さ位置を維持しながら、第 2衣液滴下器 56の下方に到達し、受け皿 5内の具材 44等が第 2衣液滴下器 56の滴下部 12に対向すると、第 2衣液滴下器 56においては、衣液 55が具材 44上に滴下される。

[0109] このとき、第 2衣液滴下器 56においては、衣液 55が具材 44同士間に多少残っている空隙を介して具材 44と底壁 9の内面との間の隙間に到達して具材 44の下面に衣液 55の層を形成するとともに、具材 44同士の空隙を埋め、かつ具材 44の上面にも衣液 55の層を形成することができる程度の衣液 55の量が滴下される。

[0110] また、第 2衣液滴下器 56においても、滴下部 12の内部に貯留される衣液 10は少量であり、各滴下ノズル 13の内径は小径なので、余分な衣液 10が滴下ノズル 13から滴下してしまうのを防止することができる。

[0111] なお、本実施形態においては第 2衣液滴下器 56において衣液 55が滴下される際、具材 44は油中にお、てその上端が油面力も若干上方に位置するようになっており、これにより衣液 55は、具材 44上において滑らかに広がるようになつている。しかし、本発明にお、てはこれに限定されず、例えば第 2衣液滴下器 56にお、て衣液 55が滴下される際、具材 44が油中においてその上端が油面と同一または若干下方に位置するようになっていてもよい。これにより、第 2衣液滴下器 56において具材 44上に衣液 55が滴下される際に前記衣液 55が油 26に触れながら具材 44上に滴下されるので、前記衣液 55は具材 44において天かす状となって付着されることとなる。

[0112] その後、受け皿 5は、受け皿 5に収容された具材 44の上端が油面と同一面または若干下方に位置する程度に浸漬され、第 2注油器 58の下方に到達し、受け皿 5内の具材 44等が第 2注油器 58の注油口部 30に対向すると、第 2注油器 58においては、第 1注油器 29の時と同様に高温の油 26が具材 44の上面全体にシャワー状に注がれる。これにより、第 2注油器 58においても、上方力も注ぐ油 26によって、受け皿 5における側壁 7の開口 7aから流入する油の熱量を補い、かつ具材 44を物理的に撹拌しながら、具材 44の上面からも具材 44に完全に火を通し、かつ衣液 10, 19, 55の水分を完全に蒸発させることができる。

[0113] そして、完全に油中に入れられた具材 44は、浮力によって受け皿 5から剥がれて油面付近に浮上する。これにより、力き揚げ天ぶら 45が完成する。

[0114] 一方、前記具材 44が剥がれた受け皿 5は、油中において搬送方向を反転された後油外に搬送されて、冷却水 33槽の冷却水 33に浸水するように搬送される。この冷却水 33により、油 26によって加熱された受け皿 5は、冷却水 33によって冷却される。

[0115] 続いて、前記冷却された受け皿 5は、エア噴射器 36の近傍に搬送され、エア配管 3 8によって供給されたエアがエアノズル 37から前記受け皿 5に対して勢いよく噴射される。このエアによって、前記受け皿 5においては、前記受け皿 5に付着した水滴が除去される。

[0116] そして、前記水滴が除去された受け皿 5は、前記自動計量供給装置 14の近傍に搬送され、具材供給ホッパ 18から一定量の具材 44が供給される。

[0117] 本実施形態によれば、粉が付着した具材 44上に低粘度の衣液 19を噴霧して、具材 44の全体に衣液 19を行き渡らせた後、前記衣液 19よりも高粘度の衣液 10を滴下して具材 44同士の空隙に入り込ませることにより、具材 44を確実に接着させることができる。ここで、具材 44として例えば短冊上に切断されたものと比較してダイス状に切断されたものは個々の具材 44の接着面積が狭く具材 44同士が接着しにくいが、本実施形態によれば、具材 44としてダイス状に切断されたものを用いた場合であっても、具材 44同士の空隙に衣液 10を入り込ませることにより各具材 44同士を確実に接着させることができる。

[0118] また、第 2衣液滴下器 56において衣液 55を具材 44上に滴下することにより、具材 4 4の下面に衣液 55の層を形成し、具材 44同士の空隙を埋め、かつ具材 44の上面にも衣液 55の層を形成することができる。

[0119] このとき、衣液 10, 19, 55が噴霧および滴下された具材 44を撹拌することなく受け皿 5に収容したまま油 26で揚げることによりかき揚げ天ぷら 45を製造するので、衣液 10, 19, 55におけるダルテンの生成を抑制することができる。また、第 1衣液滴下器 11および第 2衣液滴下器 56において滴下される衣液 10, 56は、衣液噴霧器 20において噴霧される衣液 19と比較して高粘度である力従来の大量の具材と衣液とを混合する場合に用いられる 8000— lOOOOcPの高い粘度の衣液と比較すれば、少なくとも 2分の 1以下の粘度である。このため、完成した力き揚げ天ぷら 45が衣の食感にさくさく感のないお好み焼き状になってしまうことを防止することができる。

[0120] さらに、第 2衣液滴下器 56に搬送される前に第 1注油器 29によって具材 44上に油 26を注ぐこと〖こより、具材 44に火を通すとともに衣液 10, 19の水分を蒸発させることができ、かつ第 2衣液滴下器 56において衣液 55が滴下された後に再度第 2注油器 58〖こよって具材 44上〖こ油 26を注ぐこと〖こより、具材 44に確実に火を通しかつ衣液 5 6の水分を蒸発させることができる。また、第 2注油器 58から注がれた油 26による物理的な力によって衣液 10, 19, 55を撹拌し、きれいな衣の花を形成することができる [0121] さらにまた、油中に投入される際、具材 44同士の空隙には 500— 5000cPの粘度の衣液 10が入り込んでいるので、具材 44が油中に投入される際に衣液 10, 19によつて水蒸気の泡が発生した場合であっても、具材 44同士がバラバラになってしまうことを防止することがでさる。

[0122] また、受け皿 5が油中に浸漬される際、具材 44が急激に油中に入れられると低粘度の衣液 19から大量の泡が発生してしまうが、本実施形態において前記受け皿 5の内部には、側壁 7の開口 7aおよび上縁から徐々に油 26が充満されるようになっているので、これにより大量の泡が発生してしまうのを抑制することができ、油中に投入された具材 44同士がバラバラになってしまうのを一層防止することができる。

[0123] したがって、本実施形態に係る天ぷら製造装置 1によれば、油中において具材 44 をバラバラにすることなく所望の形状に成形することができ、衣の食感にさくさく感を有し、かつ衣の重量感がある力き揚げ天ぶら 45を製造することができる。

[0124] また、衣液噴霧器 20によって各衣液滴下器 11, 56において滴下される衣液 10, 5 5の粘度よりも低粘度の衣液 19が具材 44上に噴霧されることにより、具材 44の全体に低粘度の衣液 19を行き渡らせることができ、この結果具材 44に衣液 10, 55が付着せずに具材 44がむき出しになってしまうことを防止することができる。

[0125] さらに、受け皿 5の底壁 9における内面に形成された突起 8は、それぞれ異なる方向に不規則に向くように配置されているので、完成した天ぶらの底面に不規則な凹凸を形成することができ、見た目上、機械的ではない天ぶらを製造することができる。

[0126] さらにまた、各受け皿 5に自動計量供給装置 14によって一定量の具材 44を供給することができるので、より容易に力き揚げ天ぶら 45を製造することができる。

[0127] また、加熱されたままの受け皿 5に具材 44を収容して衣液 19を噴霧しこの具材 44 を油で揚げた場合、膨らみの悪いかき揚げ天ぷらとなってしまうので、油 26によって加熱された受け皿 5を冷却水 33によって冷却することにより、膨らみのよいかき揚げ天ぶらを製造することができる。

[0128] さらに、水槽 34において受け皿 5に付着した水滴をエア噴射器 36によって除去することができるので、受け皿 5において具材 44に付着した粉が水滴を吸収したり、また衣液 19が水滴と混合してしてしまうことを防止することができ、所望の粘度の衣液 1 9が付着した具材 44を油で揚げることにより、衣の食感にさくさく感を有する力き揚げ天ぶら 45を製造することができる。

[0129] なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなぐ必要に応じて種々変更することが可能である。

[0130] 例えば、本実施形態において衣液 10の温度は 15°C程度とされている力これに限定されるものではない。但し、衣液 10, 19, 55の温度が低過ぎると、この衣液 10、 19 , 55が付着された具材 44が収容された受け皿 5の内部の油 26の温度が急激に低下してしまう。このため、衣液 10、 19, 55の温度は、油 26の温度が急激に低下しないように考慮して設定されることが好ま、。

Claims

請求の範囲

[1] 具材に粉を付着させる付着工程と、

粉が付着した一定量の前記具材を受け皿に収容する収容工程と、

前記受け皿内の具材に 500— 5000cPの粘度の衣液を滴下する第 1滴下工程と、前記具材を収容した受け皿を油中に浸漬させて前記具材を油で揚げる油揚工程と前記油揚工程において、前記具材上に 500— 5000cPの粘度の衣液を滴下する第 2滴下工程と、

前記第 2滴下工程において衣液が滴下された前記具材上に高温の油を注ぐ注油工程とを有することを特徴とする天ぶら製造方法。

[2] 前記収容工程と前記第 1滴下工程との間に、前記具材に 0— 300cPの粘度の衣液を噴霧する噴霧工程をさらに有することを特徴とする請求項 1に記載の天ぶら製造方法。

[3] 前記第 2滴下工程後の前記注油工程を第 2注油工程とし、

前記油揚工程において前記第 2滴下工程の前に、前記具材上に高温の油を注ぐ第 1注油工程をさらに有することを特徴とする請求項 1または請求項 2に記載の天ぶら製造方法。

[4] 前記油揚工程にお!、て、前記受け皿の側壁に形成された開口から前記受け皿内に油を流入させることを特徴とする請求項 1から請求項 3のいずれか 1項に記載の天ぶら製造方法。

[5] 前記油揚工程において、まず前記受け皿内に油を流入させる流入工程を経た後、前記受け皿の上縁が油面より上方に位置するように前記受け皿を油中に浸漬させて前記具材を所定時間油で揚げ、前記第 2滴下工程以降において前記受け皿内に収容された具材の上端が油面と同一面または下方に位置するように前記受け皿を油中に浸漬させてこの状態において前記具材を所定時間油で揚げ、その後前記具材の浮力を利用して前記受け皿から前記具材を剥がし、前記具材を油中に放出させることを特徴とする請求項 1から請求項 4のいずれか 1項に記載の天ぶら製造方法。

[6] 複数個の前記受け皿が、無端環状のコンベアの長手方向に沿って装着されていることを特徴とする請求項 1から請求項 5のいずれか 1項に記載の天ぶら製造方法。

[7] 前記コンベアの長手方向における各受け皿の装着位置には、それぞれ複数個の受け皿が装着されていることを特徴とする請求項 6に記載の天ぶら製造方法。

[8] 前記収容工程と前記噴霧工程との間に、前記具材上にトッピング具材をトッピングする載置工程をさらに有することを特徴とする請求項 1から請求項 7のいずれか 1項に記載の天ぶら製造方法。

[9] 前記粉が付着した具材について 1つの前記受け皿に収容される一定量を自動的に計量し、前記計量した具材を前記受け皿に収容することを特徴とする請求項 1から請求項 8の、ずれか 1項に記載の天ぷら製造方法。

[10] 前記油中に浸漬されて、た受け皿を冷却する冷却工程をさらに有し、前記冷却ェ程の後、前記冷却された受け皿に粉が付着した具材を収容することを特徴とする請求項 1から請求項 9のいずれか 1項に記載の天ぶら製造方法。

[11] 前記冷却工程において、前記油中に浸漬されていた受け皿を冷却水に浸漬させて冷却し、前記冷却した受け皿にエアを噴射し、前記冷却工程の後、前記エアが噴射された受け皿に粉が付着した具材を収容することを特徴とする請求項 10に記載の天ぶら製造方法。

[12] 粉が付着した具材を収容する受け皿と、前記受け皿内の具材に 500— 5000cPの粘度の衣液を滴下する第 1衣液滴下器と、前記衣液が滴下された具材を油で揚げるため前記具材を収容した受け皿を油中に浸漬可能な油槽と、油中に浸漬された前記具材に 500— 5000cPの粘度の衣液を滴下する第 2衣液滴下器と、前記第 2衣液滴下器によって衣液が滴下された具材上に高温の油を注ぐ注油器とを有することを特徴とする天ぶら製造装置。

[13] 前記受け皿の側壁に、前記受け皿の側壁から前記受け皿内に油を流入させる開口を形成したことを特徴とする請求項 12に記載の天ぶら製造装置。

[14] 前記受け皿の底壁内面に、前記受け皿内に収容された具材が前記受け皿の底壁内面と具材との間に空隙を作るような複数の突起を有することを特徴とする請求項 11 または請求項 12に記載の天ぶら製造装置。

[15] 前記受け皿の底壁内面に形成された前記各突起を、それぞれ異なる方向に不規則に向くように配置したことを特徴とする請求項 14に記載の天ぶら製造装置。

[16] 前記第 1衣液滴下器によって衣液が滴下される前に、前記受け皿内の具材上に 0 一 300cPの粘度の衣液を噴霧する噴霧器を有することを特徴とする請求項 12から請求項 15のいずれか 1項に記載の天ぷら製造装置。

[17] 前記第 2衣液滴下器によって衣液が滴下された具材上に油を注ぐ前記注油器を第

2注油器とし、

前記第 2衣液滴下器によって衣液が滴下される前に、前記油中に浸漬されて!/、る受け皿内の具材上に高温の油を注油する第 1注油器を有することを特徴とする請求項 12から請求項 16のいずれか 1項に記載の天ぷら製造装置。

[18] 前記第 2注油器を、複数有することを特徴とする請求項 17に記載の天ぶら製造装置。

[19] 一体形成された複数個の前記受け皿が、無端環状のコンベアの長手方向における複数箇所に装着されていることを特徴とする請求項 12から請求項 18のいずれか 1項に記載の天ぶら製造装置。

[20] 1つの前記受け皿に収容される一定量の前記具材を自動的に計量する自動計量器をさらに有することを特徴とする請求項 12から請求項 19のいずれか 1項に記載の天ぶら製造装置。

[21] 油中に浸漬されていた前記受け皿を冷却する冷却部をさらに有することを特徴とする請求項 12から請求項 20のいずれか 1項に記載の天ぶら製造装置。

[22] 前記冷却部が、前記油中に浸漬されて!/、た受け皿を冷却水に浸漬可能な冷却水槽と、前記冷却された受け皿にエアを噴射するエア噴射器とを有することを特徴とする請求項 21に記載の天ぶら製造装置。