WO2005041349A1

WO2005041349A1 - Ｉｃタグ用アンテナ

Info

Publication number: WO2005041349A1
Application number: PCT/JP2004/015888
Authority: WO
Inventors: Kunio Hane
Original assignee: Kunio Hane
Priority date: 2003-10-27
Filing date: 2004-10-27
Publication date: 2005-05-06
Also published as: JP2005130354A

Abstract

　超小型ＩＣチップにも適用が可能で、紙や布等の柔軟な材料に組み込むことができ、しかも、送受信感度も十分に高めることができるＩＣタグ用アンテナを提供する。ＩＣタグ１１のアンテナ１３を、ＩＣタグ１１とデータを授受する外部送受信機の周波数に対応した長さで、柔軟な素材に対応した柔軟性を有する金属細線で形成するとともに、その給電点にＩＣチップ１２を接続する。金属細線は、銅、モリブデン、金、銀、タングステン、アルミニウムのような金属で形成することができる。

Description

明細書

ICタグ用アンテナ

技術分野

[0001] 本発明は、 ICタグ用アンテナに関し、詳しくは、紙や布のような柔軟性を有する素材に取り付ける ICタグに装着するのに適したアンテナに関する。

背景技術

[0002] 近年、 ICチップに記憶した多くのデータを非接触方式で送受信する非接触式 ICタグ (RFID)が、従来のバーコードに変わる次世代の個体認識技術として期待されている。この ICタグは、 ICチップとアンテナとからなるものであり、ラベル型、カード型、スティック型等、様々な形状のものが開発されている。従来の ICタグ用アンテナは、 I Cチップを取り付けた基板に導電塗料を所定形状、通常はコイル状にプリントしたり、所定形状のワイヤーを配置したりしたものが一般的であり、例えば ICカードとして繰り返し使用が可能な状態の ICタグとして使うため、全体的な強度が高ぐサイズも大きいものであった。

特許文献 1：特開平 8— 88581号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0003] 従来のように、基板上に実装した状態の ICタグは、商品に目立たないように組み込むことは難しぐまた、コイル状に形成したアンテナは、折り曲げられるとコイル特性が変化するため、特性低下が著しぐ通信距離が大幅に短くなるという問題がある。さらに、超小型 ICチップを金属箔片で挟んだ長方形のサンドイッチ 'アンテナと称する薄型構造のアンテナも提案されているが、このアンテナ形式では、紙や布等の柔軟な材料に組み込むには柔軟性が不足し、さらに、横方向の幅があるために Qが低下し、アンテナ効率が低下して通信距離が短くなるという、解決しなければならない問題がある。

[0004] そこで本発明は、超小型 ICチップにも適用が可能で、紙や布等の柔軟な素材に組み込むことができ、し力も、送受信感度も十分に高めることができる ICタグ用アンテナを提供することを目的として!ヽる。

課題を解決するための手段

[0005] 上記目的を達成するため、本発明の ICタグ用アンテナは、柔軟な素材に取り付けられる非接触式 ICタグ用のアンテナであって、前記 ICタグとデータを授受する送受信機の周波数に対応した長さで、前記柔軟な素材に対応した柔軟性を有する金属細線で形成するとともに、その給電点に ICチップを接続したことを特徴としている。

[0006] また、前記金属細線は、銅、モリブデン、金、銀、タングステン、アルミニウムの!/、ずれか一種、あるいは、伸展性の高い金属からなる細線の表面に金又は銀メツキを施したものであることを特徴とし、さらに、直径が 10— 70 mの金属細線、あるいは、一本の金属細線を編んで直径を 10— 70 mとした金属糸、あるいは、複数本の金属細線を撚つて直径を 10— 70 mとした金属糸のいずれかであることを特徴としている。

発明の効果

[0007] 本発明の ICタグ用アンテナは、柔軟性を有する金属細線で形成されているので、このアンテナを小型 ICチップに接続した ICタグは、紙や布のような柔軟性を有する素材に取り付けても違和感がなぐ紙や布を用いた紙幣や衣服に ICタグを一体的に目立たない状態で取り付けることが可能となる。また、送受信周波数に合わせて Qが高ぐ効率の良いアンテナ系を作ることができるので、 ICタグと送受信機との間の通信距離を大きくすることができ、 ICタグの利用範囲を大幅に拡大することができる。発明を実施するための最良の形態

[0008] 図 1は本発明の第 1形態例を示すもので、本発明のアンテナを用いた ICタグの一例を示す斜視図である。この ICタグ 11は、 ICチップ 12と、該 ICチップ 12に接続したアンテナ 13とで形成されている。なお、 ICチップ 12は、従来から用いられている各種構造、形状のものを任意に使用することができるので、詳細な説明は省略する。

[0009] アンテナ 13は、 ICタグ 11を取り付ける紙や布、あるいは、これらを素材とした紙幣や衣服等の柔軟性に対応した柔軟性を有する金属細線で形成されて、る。このような金属細線としては、銅、モリブデン、金、銀、タングステン、アルミニウム（これらの合金も含む）のような導電性が高ぐ伸展性の高い金属を、直径が 10— 70 /z mとなるように形成した金属細線や、伸展性の高い金属、例えば、鉄等の表面に金メッキゃ銀メツキを施した金属細線を使用することができる。また、アンテナ 13は、前記金属細線を単線の状態で用いることもできる力一本の金属細線をリリアン編みのような編み方で編んだ金属糸や、複数の金属細線を撚つた金属糸も使用可能である。

[0010] アンテナ 13の太さ（直径）は、送受信機の周波数における表皮効果を考慮して電流が流れる深さ以上の太さとする必要がある。また、使用する金属によっても多少は異なるが、一般的には、アンテナ 13として使用する状態での直径が 10 m未満だと、破断ゃ抗張力等の機械的強度が不足するので、直径が 10 m未満の金属細線を使用する場合には、編んだり、撚つたりして直径を 10 m以上にすることが好ましい。逆に、直径が 70 mを超えると十分な柔軟性が得られなくなることがある。

[0011] さらに、アンテナ 13を 10— 70 mの金属細線で形成することにより、アンテナ 13が外部からの電波に強く共振して ICチップ 12に高電力を供給するとともに、 ICチップ 1 2が発する応答信号強度も高めることが可能になる。なお、編んだり、撚つたりした糸の柔軟性は、この糸を構成する細線の柔軟性のままであり、破断ゃ抗張力等の機械的強度は、糸の断面を構成する細線の本数と等しくなる。

[0012] アンテナ 13の長さ Lは、 ICチップ 12とデータの送受信を行う外部送受信機の周波数の波長の 1Z2に設定されている。例えば、アンテナの長さ Lは、周波数が 2. 45G Hzの場合は 1Z2波長の 6. 12cm弱となり、同様に、周波数が 13. 56GHzの場合は 1. 11 cm弱となる。

[0013] ICチップ 12は、アンテナ 13の中央の給電点に接続されている。 ICチップ 12とアンテナ 13との接続は、 ICチップ 12の大きさや形状、アンテナ 13の材質や構造等の条件に応じて最適なものを選択することができ、半田、圧着、導電性塗料や接着剤による接着、機械的な嵌め込み等の方法を採用することができる。

[0014] このように形成した ICタグ 11は、堅いものに取り付けて使用することもできる力柔軟な紙や布に取り付けて使用するのに最適である。このような柔軟なアンテナ 13を有する ICタグ 11を紙や布力もなる対象物に取り付けると、対象物の形状に沿うようにァンテナ 13を折り曲げることができる。また、対象物の長さが十分でない場合は、アンテナ 13をジグザグに折り曲げるなどして、アンテナ 13が電力供給用の電波に共振するようにアンテナ長を定めておけばょ、。

[0015] ICタグ 11を対象物に取り付ける方法は、主としてアンテナ 13を利用して行うが、対象物によって様々な方法を選択することができる。例えば、対象物が布の場合は、接着剤で接着してもよぐ糸を用いて縫い付けることもでき、布中に編み込むことも可能である。また、対象物が紙の場合は、接着剤での接着の他、 2枚の紙の間に挟み込んだり、紙を漉くときに同時に紙の中に漉き込んだりするなどの方法を用いることができる。さらに、紙幣等の価値が高い対象物の場合は、不透明なアンテナ 13の配置形状に特徴を持たせて紙幣の "透かじ'と同じ偽造防止効果をもたせることもできる。

[0016] 図 2は、本発明の第 2形態例を示す ICタグの斜視図である。本形態例は、 ICタグ 1 1のアンテナ 13と平行に補助アンテナ 14を付加してアンテナ 13の集電能力を高くした例を示している。この補助アンテナ 14は、前記アンテナ（主アンテナ） 13と同様の金属細線や金属糸を使用することもできるが、導電性塗料を所定位置にプリントして形成したり、繊維に銅等の金属をメツキした導電性糸を使用することもできる。また、補助アンテナ 14の長さは、主アンテナ 13の長さに対して 90— 110%の範囲が適当である。

[0017] このような補助アンテナ 14を適宜配置することにより、 ICタグ 11におけるアンテナ効率を改善することができ、送受信電力を増加させて検知距離を長くすることができる。また、この ICタグ 11と送受信を行う外部送受信機は、導波器となる一方の補助ァンテナ 14から ICタグ 11及び反射器となる他方の補助アンテナ 14を含む平面に対して、偏波面が合えば、いかなる方向にでも設置することができる。さらに、 ICタグ 11とアンテナ 13、補助アンテナ 14を含む面と平行で、外部送受信機の反対側に、アンテナ 13, 14と絶縁された金属面を設置することにより、アンテナ効率を大幅に増加させることがでさる。

[0018] 図 3は、本発明の第 3形態例を示す ICタグの斜視図である。本形態例は、外部送受信機と ICタグのアンテナとの相対的な向きが定まらず、偏波面が一致させることができな、場合にも対応可能な状態としたものであって、前述のような直線偏波方式に対して、円偏波送受信方式を採用することにより、アンテナと外部送受信機との偏波面の不一致を解消するようにして、る。 [0019] すなわち、 ICチップ 12の出力端子を 2組で 4個とし、対向する一組、 2個の出力端子には、前記同様のアンテナ 13a, 13aを接続するとともに、他の一組の出力端子には、前記アンテナ 13a, 13aに対して位相を 90度ずらした状態のアンテナ 13b, 13b を接続している。このとき、直交するアンテナ 13a, 13bのどちら側に給電するかで、右回転あるいは左回転が決まる。

[0020] 図 4は、本発明の第 4形態例を示す ICタグの斜視図である。本形態例は、 ICチップ 12の出力端子が一組しかない ICチップ 12に、前記同様の直交するアンテナ 13a, 1 3bを接続する例を示している。すなわち、主となるアンテナ 13aに対して、従となるァンテナ 13bは、アンテナ 13aに、 1/4波長の遅延線路 15を介して接続することにより、位相を 90度遅らせるようにしている。このように形成しても、前記第 3形態例と同様の作用効果が得られる。

産業上の利用可能性

[0021] 本発明の ICタグ用アンテナは、紙や布のような柔軟性を有するものにも、 ICタグを違和感なく取り付けることができる。また、 ICタグの送受信感度が高くなつて外部送受信機との距離を大きくとれるので、様々な物品に取り付けて各種データの送受信を確実に行うことができる。

図面の簡単な説明

[0022] [図 1]本発明の第 1形態例を示すもので、本発明のアンテナを用いた ICタグの一例を示す斜視図である。

[図 2]本発明の第 2形態例を示す ICタグの斜視図である。

[図 3]本発明の第 3形態例を示す ICタグの斜視図である。

[図 4]本発明の第 4形態例を示す ICタグの斜視図である。

符号の説明

[0023] 11 ICタグ

12 ICチップ

13 アンテナ（主アンテナ）

13a, 13b アンテナ

14…補助アンテナ — 1/4波長の遅延線路

Claims

請求の範囲

[1] 柔軟な素材に取り付けられる非接触式 ICタグ用のアンテナであって、前記 ICタグとデータを授受する送受信機の周波数に対応した長さで、前記柔軟な素材に対応した柔軟性を有する金属細線で形成するとともに、その給電点に ICチップを接続したことを特徴とする ICタグ用アンテナ。

[2] 前記金属細線は、銅、モリブデン、金、銀、タングステン、アルミニウムの!/、ずれか一種、あるいは、伸展性の高い金属力なる細線の表面に金又は銀メツキを施したものであることを特徴とする請求項 1記載の ICタグ用アンテナ。

[3] 前記金属細線は、直径が 10— 70 mの金属細線、あるいは、一本の金属細線を編んで直径を 10— 70 mとした金属糸、あるいは、複数本の金属細線を撚つて直径を 10— 70 mとした金属糸のいずれかであることを特徴とする請求項 1記載の IC タグ用アンテナ。