WO2005038483A1 - 近接センサ - Google Patents

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Abstract

 外パネル11~14からなる導電性部材の大きさに対し、十分波長が短い特定周波数で外パネル11~14からなる導電性部材をアンテナとして放射するマイクロ波の周波数を自動調整可能な出力発振器機能を持つマイクロ波発振部30は、車両1に一体または分離可能に取付けてなる外パネル11~14の外側に設定した検出領域11A~14Aの検出対象27の人、物を検出することができる。

Description

明 細 書
近接センサ
技術分野
[0001] 本発明は、近距離状態を検出するのに使用される特定の電磁波放射空間の変化 を検出する近接センサに関するものであり、マイクロ波を使用した近接センサに関す るものである。
背景技術
[0002] 従来の一般的な近接センサは、特許文献 1に掲載のように、発振手段と、前記発振 手段による発振周波数の高調波に共振する共振手段と、前記共振手段に接続され た検出電極と、前記検出電極と被検出物との間の静電容量変化に基づく信号変化 を検出する検出手段で構成されていた。ここで使用される前記発振手段は、予め定 まった所定の周波数で発振する回路となっている。また、 LC直列共振回路力もなる 共振手段は、発振周波数に共振するのではなぐ発振周波数の高調波等に共振す る回路構成となっている。
[0003] したがって、物体が検出電極に近接すると、物体表面と検出電極との間の静電容 量が変化し、検出信号が変化する。この検出信号の信号変化を監視することにより、 物体の接近が検出できる。
[0004] この種の近接センサにおいては、静電容量の初期値を、共振周波数に一致したと きの値力も所定量だけ増カロした値になるように設定しておくことによって、温度変化や 経年劣化に対する特性を向上させている。
[0005] 特許文献 1に掲載の従来の近接センサにおいては、物体と検出電極との間の静電 容量を検出しているから、人や物体の大きさによって検知距離が異なる結果となり、 検出精度が悪く誤動作する可能性がある。また、検出対象の周囲の雨や湿度の変化 による誤動作が多いという問題点もある。そして、当該近接センサを車両の導電性ボ ディに配設したものでは、検出電極と車両の金属ボディアースとの間の静電容量を 検出することから、当該ドアの開閉動作と当該ドアに挟み込まれた場合等の区別が 付け難くなり、現実には、車両の金属ボディに対する検出電極の設置が困難であると いう問題点がある。
[0006] 一方、アンテナから出力される 200KHz— 1MHz程度の発振周波数を使用する回 路として、テルミンの回路が公知である。このテルミンの回路は、発振器とその発振器 の一部であるアンテナに対して、人の手が近づくときの発振周波数の変化を、音の変 化に変換して電子楽器として用いるものである。このテルミンの回路は、電磁波を用 いて検出する近接センサとして使用すれば、距離の変化を周波数の変化として検出 することが可能となる。
[0007] ところが、一般のテルミンの回路においては、人体が介在したり、人体が近くに存在 すると、発振器の一部に人のコンデンサ容量の変化分が周波数の変動となり、人の 大きさの影響の方が大きぐ仮に、物体の材質を変化させても、物体の大きさが大きく なっても、近接センサとしては精度を向上させることができない。そして、人体等の近 距離の検出は、アンテナと人体との間の静電容量が大きく作用してしまい不可能とな る。
[0008] そこで、特許文献 2の技術では、広帯域の周波数変調をかけたマイクロ波を放射し 、そのマイクロ波の反射受信信号と送信信号とのミキシングを行い、マイクロ波伝搬距 離に応じた周波数と位相を持つアンテナカゝら放射したマイクロ波の反射波を検出して 、放射力 反射波を受信するまでの時間に基づき、物体までの距離を演算するビート 信号をミキサカも出力している。この信号処理としては、ビート信号と所定距離に応じ た周波数を持つ直交する 2つのリファレンス信号から、掛算'総和を求め、 2つの総和 の比を求め、その比から、ビート信号の位相に対応する信号を求め、そして、この位 相に対応する信号の時間的または空間的変化を対象距離の時間的変化量または空 間的変化量に換算している。
[0009] これによつて、マイクロ波等の電波または音波を用いて距離測定を行う場合、その ビーム幅が、反射体の孔ゃ微小な凹凸の分布に影響されることなぐ平均的な距離 を表す信号を安定に得ることができる程度に広くなり、そのため、平均化処理を別途 に行う必要がなくなる。また、受信信号の処理が高速に行えるから、検出速度を高速 化することができると 、う特徴を有して 、る。
特許文献 1:特開 2001— 55852号公報 特許文献 2:特開 2001-4741号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0010] このような、アンテナ力 放射したマイクロ波の反射を検出して、放射から反射波を 受信するまでの時間から、物体までの距離を演算する一般的な周波数変調連続波 方式 (FMCW方式)では、例えば、周波数偏移 (スイープ)幅を大きくとり、かつ、周 波数の先鋭度を確保するために高い周波数を用いなければならな力つた。
[0011] 特に、特許文献 2に掲載の周波数変調連続波方式では、掃引周波数を 1. 5GHz, 掃引周波数時間 3msにすれば、近距離のビート周期により、検出距離を推定できる 。しかし、絶対距離を測定することができないため、例えば、レーザーによる三角測量 等の方式を併用しなければならない。その結果、コスト、装置の大型化、反射面等に 制約ができ、低価格は実現し難くなるという問題点があった。
[0012] また、公知のドップラー効果を利用した 2周波連続波方式では、電磁波放射空間に ある検出対象物体が停止していると距離検出が原理的に不可能である。また、パル ス式ドップラー方式ではノ ルス幅が lps程度の幅が必要となり、低価格を実現できな いという問題点があった。
[0013] そこで、本発明は、上記従来の問題点を解消すべくなされたもので、検出対象の周 囲の雨や湿度の変化等による環境変化や経年劣化による誤動作がなぐ小型化可 能で、廉価かつ高精度で、例え、検出対象が静止していても検出可能であり、しかも 、検出速度を高速化でき、車両等の金属で構成されているものにも使用可能な近接 センサの提供を課題とするものである。
課題を解決するための手段
[0014] 請求項 1にかかる近接センサは、湿度、温度、気圧変化を伴う電磁波放射空間から なる検出領域と導電性部材で形成される空間、または前記検出領域と前記導電性部 材で形成される空間に存在する検出対象を含んでマイクロ波の回路を形成する。そ の検出領域の検出対象と導電性部材で形成される前記マイクロ波の回路は、当該検 出領域に検出対象が存在すれば、アンテナとして機能する導電性部材の伝播状態 が変化するので、その伝播状態としての各波長成分 (周波数成分)の電波伝搬の固 有値の変化によって検出対象の存在、否存在を検出することができる。即ち、検出領 域に検出対象が存在すれば、検出対象が存在していないときに比較して、共振回路 はマイクロ波の伝播状態が変化するから、それを検出することにより、検出対象の存 在、否存在が判断できる。
[0015] そして、アンテナとして機能させる導電性部材の大きさに対し、十分波長が短いマ イク口波を放射させ、前記検出領域内に存在する検出対象の存在を電波伝搬の固 有値の変化として前記導電性部材で検出するマイクロ波の回路は、前記導電性部材 に多数の共振周波数を設定でき、言い換えれば、前記導電性部材に多数の定在波 を形成できるので、検出対象の検出精度を高めることができる。
[0016] 請求項 2にかかる近接センサは、前記アンテナとして機能する導電性部材から放射 するマイクロ波のワイドバンドの周波数を UWB発振器で供給する。前記導電性部材 と前記検出領域または存在する検出対象との間に形成した共振回路を構成するマイ クロ波の回路は、 UWB発振器が供給する複数の共振周波数では共振状態となるが 、他の複数の周波数で反射または吸収を起こし、検出領域に検出対象が存在すれ ば、それによつて UWB発振器から供給された周波数の伝播状態が変化するので、 検出対象の存在、否存在を検出することができる。即ち、検出領域に検出対象が存 在すれば、共振回路は UWB発振器から供給された周波数の伝播状態が変化する から、それを検出することにより、検出対象が判断できる。
[0017] 前記 UWB発振器の給電点から供給した周波数の伝播状態の違いから、前記検出 領域の変化を検出する。前記検出領域の検出対象と前記導電性部材で形成される マイクロ波の回路は、 UWB発振器が供給する複数の共振周波数では共振状態とな るが、他の複数の周波数で反射または吸収を起こし、検出領域に検出対象が存在す れば、それによつて UWB発振器から供給された周波数の伝播状態が変化するので 、その各波長成分 (周波数成分)の電波伝搬の固有値の違いにより検出対象の存在 、否存在を検出することができる。即ち、検出領域に検出対象が存在すれば、マイク 口波の回路は UWB発振器から供給された周波数の伝播状態が変化するから、それ を検出することにより、検出対象が判断できる。ここで、上記 UWB発振器は、導電性 部材全体の大きさに対し、十分波長が短い周波数で前記導電性部材をアンテナとし て、前記導電性部材と検出領域または存在する検出対象との間で形成した共振回 路に電磁波(エネルギ)を供給し、その供給した各波長成分の電波伝搬の固有値の 違いで検出対象の存在を知るものである。
[0018] 因みに、 UWB (Ultra Wide Band)とは、搬送波を使うことなぐ非常にパルス幅の狭 いインパルス列の集まりをもって広帯域周波数として用い、変調することなく信号を伝 送する技術であり、当然、従来の通信技術で使用する周波数よりも占有する周波数 帯域は広くなる。米国 FCC (連邦通信委員会)が UWBについて定義をしており、そ れによれば、図 6に示す周波数 出力特性を呈している。
[0019] 図 6において、 AfZfc = 2 (fH— fL)Z(fH+fL)≥20%、
または、 A f=fH-fL≥ 500MHzと定義している。本発明を実施する場合の UWBと は、上記定義と同等の趣旨である。
[0020] そして、取付け対象に一体または分離可能に取付けてなる導電性部材とは、平面 的パネルに限定されるものではなぐ帯状、線状部材を加工した形状とすることがで きる。
[0021] なお、導電性部材の給電点は、シミュレーションと実測によって大まかに推定した点 として設定する。そして、基準発振器は、ミキシング周波数を決定する発振器であり、 通常のマイクロ波の発振器であればょ 、。
[0022] 請求項 3にかかる近接センサの前記電波伝搬の固有値の変化の検出は、前記導 電性部材の周波数を UWB発振器の給電点に接続された方向性結合器及びバンド パスフィルタを通過させたのち増幅手段で増幅し、かつ、ダウンコンバート用の周波 数を入力してミキシングするミキサと、前記ミキサを通過させた周波数によって前記検 出領域の変化を検出する認識回路を用いて行うものである。
[0023] 検出対象がない場合には、特定周波数の電波伝搬の固有値は殆ど変動しない。
即ち、検出領域に検出対象が存在しなければ、 UWB発振器から供給する複数の共 振周波数で共振状態となるが、その他の複数の周波数で反射または吸収を起こし、 UWB発振器から供給された周波数の伝播状態が一義的に決定される。しかし、検 出領域に検出対象が存在すれば、それによつて UWB発振器から供給された各周波 数成分の電波伝搬の固有値は変化し、検出対象の存在、否存在を検出できる。この とき、導電性部材カゝら放射されるマイクロ波は、検出対象によって影響される各波長 成分 (周波数成分)がバンドパスフィルタを介して雑音を除去した周波数として取出し 、更に、それを基準発振器の周波数とミキシングし、ダウンコンバートし、その検出さ れた各周波数の周波数パターンとなる。この検出された各周波数の周波数パターン は、既知の周波数パターンとの比較により、検出対象の距離、その大きさ等の検出を 行うことができる。
[0024] ここで、前記検出領域の変化を検出する認識回路は、伝播状態に基づく周波数成 分を、周波数解析に使用される FFT (高速フーリエ変換; Fast Fourier
Transform)を使用して、周波数解析をし、各周波数成分の分布状態を判断してもよい 。また、 F-V変翻 (周波数-電圧変翻)を使用してもよい。
[0025] また、方向性結合器は、 UWB発振器とその給電点間に接続され、導電性部材の 給電点に接続されたバンドパスフィルタ側に導入し、かつ、その逆方向の移動を遮断 する機能を有する。
[0026] 請求項 4に力かる近接センサの前記電波伝搬の固有値の変化の検出は、前記導 電性部材の周波数を 1または 2以上の個別に配置された前記受電点力 導入し、か つ、ダウンコンバート用の周波数を入力してミキシングするミキサと、前記ミキサを通 過させた周波数によって前記検出領域の変化を検出する認識回路を用いて行われ るものである。
[0027] 導電性部材の近くに人等の検出対象が近づくと、電磁波放射空間の例えば、電界 が検出対象で反射或いは吸収されて各周波数の固定値が変化する。このとき、電磁 波放射空間における検出対象が影響する各波長成分 (周波数成分)の電波伝搬の 固有値は、前記導電性部材の 1以上の個別に配置された受電点力 バンドパスフィ ルタを通して雑音を除去した周波数として取出し、それを基準発振器の周波数とミキ シングし、ダウンコンバートし、その検出された各周波数の周波数パターンを得る。こ の検出された周波数パターンは、既知の周波数パターンとの比較により、検出対象 の距離、大きさ等の検出を行うことができる。特に、導電性部材の周波数を 2以上の 個別に配置された受電点を設けたものでは、複数の電波伝搬の固有値の状態を使 用することができる。 [0028] 例えば、導電性部材の大きさが大きい場合、検出感度が低下する恐れがあるが、そ の理由は給電点から電磁波が放射されて、再び (受電点に)戻ってくるときの距離が 長くなるために、信号が減衰することがあるからである。そのため、複数の受電点を設 けることで、より感度向上が図れるとともに、 SZN比を確保できる。
[0029] 請求項 5にかかる近接センサは、前記導電性部材と前記検出領域の検出対象との 間にマイクロ波の共振回路を形成し、前記 UWB発振器の給電点力 供給した周波 数の伝播状態の変化から、例えば、前記検出対象の変化及び移動速度を周波数パ ターンの変化及び個々の周波数のドップラーシフトとして検出するものである。
[0030] 電磁波放射空間である検出領域と導電性部材との間でマイクロ波の共振回路を形 成し、そこに上記 UWB発振器力 マイクロ波が供給されると、その検出領域の検出 対象と導電性部材で形成される共振回路は、 UWB発振器が供給する複数の共振 周波数では共振状態となる。しかし、他の複数の周波数で反射または吸収を起こし、 検出領域に検出対象が存在すれば、それによつて UWB発振器から供給された周波 数の伝播状態が検出対象の存在していないときに比較して変化するので、検出対象 の存在、否存在を検出することができる。また、個々の周波数のドップラーシフトによ つても検出対象の移動速度を検出することができる。例えば、導電性部材の近くに人 等の検出対象が近づくと、電磁波の電磁波が検出対象で反射或いは吸収されて伝 播状態が変化し、検出領域の場が変化する。このとき、電磁波放射空間から検出さ れる周波数には、人等の検出対象によって影響される各波長成分を有して 、るから 、伝播状態に応じた周波数パターンの変化となって現れる。認識回路では、導電性 部材の周波数パターンの変化を基に、検出された変化速度と個々の周波数のドッブ ラーシフトを含む周波数パターンを予め既知の基準周波数パターンと比較し、その 基準周波数パターンから距離、大きさ、移動速度等の検出を行うことができる。
[0031] 即ち、マイクロ波を出力する UWB発振器は、ワイドバンドであることから、電磁波放 射空間である検出領域とアンテナとして機能する導電性部材によって決定される共 振回路では、 UWB発振器が供給する複数の各共振周波数では共振状態となり、他 の複数の周波数で反射または吸収を起こし、それらの電波伝搬の固有値が変化する 。したがって、検出領域に検出対象が存在すれば、 UWB発振器から放射された複 数の周波数の固定値は、検出対象が存在しないときに比べて変化するので、検出対 象の存在、否存在及びその動く速度を検出することができる。
[0032] なお、導電性部材の給電点は、シミュレーションと実測によって大まかに推定した点 として設定する。そして、基準発振器は、ミキシング周波数を決定する発振器であり、 通常のマイクロ波の発振器であればょ 、。
[0033] 請求項 6にかかる近接センサの前記検出対象の変化及び移動速度の認識は、前 記導電性部材の周波数を導入し、かつ、ダウンコンバート用の周波数及び前記 UW B発振器の周波数を入力してミキシングするミキサと、前記ミキサを通過させた周波数 によって前記検出対象の変化及び移動速度を周波数パターンの変化及び個々の周 波数のドップラーシフトとして検出する認識回路を用いて行うものである。
[0034] ここで、電磁波放射空間である検出領域と導電性部材との間でマイクロ波の共振回 路を形成し、そこに上記 UWB発振器力 マイクロ波が供給されると、その検出領域 の検出対象と導電性部材で形成される共振回路は、 UWB発振器が供給する複数 の共振周波数では共振状態となるが、他の複数の周波数で反射または吸収を起こ すべぐそれら複数の周波数の電波伝搬の固有値が変化する。このとき、電磁波放 射空間から検出される周波数には、検出対象が影響する波長成分 (周波数成分)電 波伝搬の固有値を有して 、るから、周波数パターンの変化速度または周波数の偏移 により、その検出対象の移動速度が検出できる。認識回路では、導電性部材の周波 数パターンの変化する速度を基に、検出された周波数パターンの変化速度を予め既 知の基準周波数パターンの変化速度と比較し、その基準周波数パターンから距離、 大きさ、移動速度等の検出を行うこともできる。
[0035] この認識回路は、通常、 UWB発振器によって電磁波放射空間である検出領域へ の電波伝搬の固有値の変化を周波数パターンの変化として認識するものであり、当 該検出された周波数パターンを、既知の距離、大きさ、移動速度等に対応する基準 周波数パターンと比較することにより、距離、大きさ、移動速度等を検出するものであ り、アナログ回路またはデジタル回路で構成されるものであればよい。具体的には、 F V変翻、 FFT等とメモリ等で構成される。
[0036] 請求項 7にかかる近接センサの検出領域の検出対象を含むマイクロ波の共振回路 には、マイクロ波が発振されると前記導電性部材には幾つかの定在波が発生する。 この検出領域と前記導電性部材との関係で、前記導電性部材から幾つかの定在波 に対応して特定の周波数が放射される。そこで、発振周波数が導電性部材から電磁 波となって放射されても、検出対象がない場合には、電磁波放射空間に変化がない から、そのときの発振周波数の周波数変動は実機の施工条件によって特定される。と ころが、導電性部材の近くに検出対象が近づくと、或いは存在すると、電磁波放射空 間の電界が検出対象で反射或いは吸収され、検出領域の電磁波放射空間の場が 変化する。
[0037] 例えば、アンテナとして機能する導電性部材と検出対象との間の空間には、マイク 口波の回路が形成され、導電性部材から出力される複数の発振周波数に影響を与 え、検出対象の反射或いは吸収により、振幅を大きくする周波数、振幅を小さくする 周波数と各周波数が変化する。この個々の周波数の変化は、 2種類以上の周波数が 同時に存在するが、現実には両者の和の周波数状態になり、共振現象の周波数とし ては 1つの周波数に変化する。この周波数変化を取出すことにより検出対象の検出 を行う。
[0038] ここで、上記マイクロ波発振部は、導電性部材全体の大きさに対し、十分波長が短 い周波数で前記導電性部材をアンテナとするマイクロ波を前記導電性部材に乗せ、 前記導電性部材から当該マイクロ波の放射を行い、かつ、当該放射するマイクロ波の 周波数を電磁波放射空間の状態によって、共振回路内の発振周波数が変動するも のである。
[0039] 請求項 8にかかる近接センサは、前記導電性部材から放射する周波数の電磁波を 供給する出力発振器と、前記導電性部材から得られたマイクロ波の周波数と基準発 振器力 得られた周波数をミキシングし、所定の周波数を検出するミキサと、前記ミキ サでミキシングされた周波数力も特定の周波数のみを選択するバンドパスフィルタと、 前記バンドパスフィルタを通過させた周波数の定在波によって前記出力発振器に帰 還するフィードバック系とを具備するものである。
[0040] 前記マイクロ波発振部の共振回路の電磁波放射空間には、前記導電性部材から 得た周波数と基準発振器の周波数とがミキシングされ、バンドパスフィルタを通して変 動差分の周波数として取出され、その定在波の存在 (VSWRメータ出力)によって、 フィードバック系を介して出力発振器へ帰還された周波数が発生している。
[0041] したがって、出力発振器力 ミキサを介して導電性部材から出力されるマイクロ波は
、電磁波放射空間である検出領域と導電性部材または存在する検出対象との間で マイクロ波の共振回路を形成して、その検出領域の電磁波放射空間の状態に応じた 伝播状態の発振となる。ここで、発振しているマイクロ波が導電性部材力 放射され ても、反射または吸収を起こす検出対象がない場合には、特定の周波数の固定値が 変化しな!、から共振回路の周波数変動は生じな 、。
[0042] ところが、導電性部材の近くに検出対象が近づくと、或いは検出対象が存在すると 、導電性部材から放射された電磁波の電界 '磁界が検出対象で反射或いは吸収さ れ、伝播状態、即ち、検出領域の電磁波放射空間の場が変化する。
[0043] よって、検出領域からなる電磁波放射空間に検出対象が存在すると、それまで検 出されていた導電性部材との間で決定される特有の周波数の固定値に基づく変化 が発生することになる。検出された各周波数の固定値は、電磁波放射空間の場にお ける検出対象がないときに比較して変化する。当該変化した信号は、距離、大きさ等 に対応する信号を予め基準信号として測定し、その性質が判っておれば、その基準 信号と前記変化した信号とを比較することにより、距離、大きさ等を推定し、または所 定のパターン認識によって距離、大きさ等の検出を行うことができる。
[0044] ここで、マイクロ波を出力する出力発振器は、電磁波放射空間である検出領域とァ ンテナとして機能する導電性部材によって決定される放射周波数を持つから、他力 発振周波数を制御できる他励マイクロ波発振器である。なお、導電性部材の給電点 は、シミュレーションと実測によって大まかに推定した点とし、また、放射周波数につ いても同様に設定する。そして、基準発振器はミキシング周波数を決定する発振器 であり、通常のマイクロ波の発振器であればよい。
[0045] 更に、上記ミキサは、上記出力発振器力 得られた周波数 (f)と基準発振器から得 られた周波数 (fo)をミキシングし、ミキシング周波数 (mf+nfo ;但し、 m,nは一∞ー + ∞の整数)とするものであればよい。更に、上記バンドパスフィルタは、上記ミキシング 周波数 (mf+nfo)のうちの 1個の、例えば、周波数 (f+fo)のみを取出し、信号処理 するものであればよい。勿論、本発明を実施する場合には、上記ミキシング周波数( mf +nfo)の何れの周波数を選択してもよい。
[0046] 請求項 9にかかる近接センサの前記マイクロ波発振部は、前記バンドパスフィルタを 通過させた周波数の定在波によって、前記検出領域の伝播状態の変化を識別する ものである。
[0047] 即ち、検出領域からなる電磁波放射空間と導電性部材との間で決定される特有の 周波数の固定値に基づく定在波が、導電性部材に発生することになる。そして、この 検出されたバンドパスフィルタを通過させた周波数の VSWR (Voltage
Standing Wave Ratio;電圧定在波比)は、電磁波放射空間の場における検出対象が ないときの伝播状態に比較して変化する。当該変化した信号は、距離、大きさ等に対 応する信号を予め基準信号として測定し、その性質が判っておれば、その基準信号 と前記変化した信号とを比較することにより、距離、大きさ等を推定し、または所定の パターン認識によって距離、大きさ等の検出を行うことができる。
[0048] なお、前記 VSWRとは、特定周波数の進行波と反射波の干渉から生まれる定在波 の最大電圧の絶対値を最小電圧の絶対値で割った値で、反射のな 、ときには最小 の値で、「1」となる。
[0049] 上記認識回路は、 VSWRによって上記電磁波放射空間である検出領域の伝播状 態の変化を識別するものであり、 VSWRを既知の距離、大きさ等に対応する基準と の比較を行うことにより、距離、大きさ等を検出するものであり、アナログ回路またはデ ジタル回路で構成される。
[0050] 請求項 10にかかる近接センサは、前記導電性部材にマイクロ波を供給する出力発 振器を接続し、前記導電性部材に電磁波を供給するものである。したがって、前記導 電性部材の外側に設定した検出領域内または存在する検出対象があるとき、前記導 電性部材と前記検出領域の検出対象との間に空洞共振回路と見做される見做し回 路が形成されて、その見做し回路の駆動周波数を前記出力発振器力 得て、前記 検出領域の検出対象の存在による固定値の変化を、前記出力発振器の発振周波数 の変化として検出されるものである。
[0051] 前記導電性部材をアンテナとしてマイクロ波を放射したとき、そのマイクロ波の放射 されている領域に検出対象が近づくと、または存在すると、導電性部材と検出対象が 互いをアンテナと機能する空洞共振回路と見做される見做し回路が形成され、検出 対象からの距離に相当する波長成分 (周波数成分)は、当該検出対象がアンテナと なり、アンテナとして機能する導電性部材との間にアンテナ相互の結合が生じ、導電 性部材から出力される複数の発振周波数に影響を与え、検出対象の反射或いは吸 収により、振幅を大きくする周波数、振幅を小さくする周波数というように各周波数が 変化する。したがって、出力発振器の発振周波数の偏移 (シフト)、特定周波数の振 幅を検出することにより、検出対象を検出できる。検出対象の検出は、出力発振器の 発振周波数の偏移、当該周波数の振幅の変化等の周波数の変化として検出し、検 出対象の存在'否存在、検出対象の移動速度、検出対象の大きさ等を検出すること ができる。
[0052] ここで、上記取付け対象とは、近接センサの取付け対象物を意味し、また、上記導 電性部材は、取付け対象に一体または分離可能な導電体であればよぐ基本的構 造が一次元的構造体 (主に、長さ方向のみのもの)、二次元的構造体 (主に、面積の み有するもの)、三次元的構造体とすることができる。
[0053] 上記出力発振器は、誘電体発振器または LC発振器等の出力側の共振条件に引 き込まれ易いマイクロ波の発振器を意味する。そして、特定周波数からなる安定した マイクロ波を発振する基準発振器は、外部からの影響により、自己の発振周波数を 変更しな 、程度の安定したマイクロ波の発振器である。
[0054] また、上記検出領域とは、上記導電性部材の外側に設定した範囲で、導電性部材 及びマイクロ波の波長出力によって決定される力 通常、 50cm以内、好ましくは 30c m以内の任意の距離に設定される。
[0055] なお、前述したように、導電性部材カもマイクロ波を放射したとき、そこに検出対象 が近づくと、導電性部材と検出対象が互いをアンテナとして機能する空洞共振回路と 見做される見做し回路が形成される。ここで、本発明において、出力発振器力も出力 され導電性部材から放射された電磁波は、検出対象によって反射或いは吸収される 二次元的領域が上記検出領域であり、また、上記検出領域を三次元的に捉えたマイ クロ波の放射される三次元的空間が電磁波放射空間である。 [0056] 請求項 11にかかる近接センサは、出力発振器の出力側に、前記出力発振器から 出力される周波数を得て、基準発振器から得られた周波数をミキシングするミキサと、 前記ミキサでミキシングした周波数を選択すると共に検波した周波数の信号によって 、前記導電性部材の外側に設定した検出領域内の検出対象の変化を認識する認識 回路とを具備するものである。
[0057] 前記導電性部材をアンテナと機能させてマイクロ波を放射したとき、そこに検出対 象が近づくと、または存在すると、導電性部材と検出対象が互いをアンテナと機能す る空洞共振回路と見做される見做し回路が成り立つ。ここで、出力発振器から出力さ れ、導電性部材から放射されたマイクロ波は、検出対象で反射或いは吸収される。こ の検出対象の存在は、導電性部材から放射された電磁波の電界が検出対象で反射 或いは吸収され、その影響が出力発振器の出力周波数の変化となって現れる。その 出力発振器の出力周波数の変化は、ミキサで基準発振器力も得られた周波数とミキ シングされてダウンコンバートされ、前記ミキサを通過させた周波数の偏移、当該周 波数の振幅の変化を認識回路で確認することにより、検出対象の存在'否存在、検 出対象の移動速度、検出対象の大きさ等を検出する。
[0058] ここで、上記取付け対象、出力発振器、検出領域については請求項 10と同様であ り、また、電磁波放射空間についても同様である。上記ミキサは、得られた周波数 (f) と基準発振器力も得られた周波数 (fo)をミキシングし、ダウンコンバートしたミキシン グ周波数(mf +nfo ;但し、 m,nは 一 +∞の整数)とするものであればよい。更に 、上記バンドパスフィルタは、上記ミキサでミキシングしたミキシング周波数(|f +fo|、 |f fo|)のうちの一方の周波数(|f +fo|または |f fo|)のみを取出すものであり、検波器 の前で信号処理するもの、または検波器を通過した後で信号処理するものの何れで あってもよい。更に、上記認識回路は、通常、上記電磁波放射空間である検出領域 の変化を発振周波数の変化 (ミキサを通過させた周波数の偏移、当該周波数の振幅 の変化等)として認識するものであり、既知の距離、大きさ等に対応する基準となる周 波数の偏移、当該周波数の振幅の変化等との比較を行うことにより、検出対象の距 離、大きさ等をリニアに検出するものである。このミキサを通過させた周波数の偏移、 当該周波数の振幅の変化は、時間的要素の導入により移動速度も検出可能である。 この認識回路は、アナログ回路またはデジタル回路で構成されるものであればょ 、。 具体的には、 F— V変換器、 FFT等とメモリ等で構成され、前記ミキサを通過させた周 波数の偏移、当該周波数の振幅の変化等が記憶されているマップを有し、当該マツ プの情報と比較して判断するものである。また、ミキサを通過させた周波数は、その周 波数を限定すれば、当該周波数の通過の有無により、所定の閾値との間で 2値の出 力を得ることちでさる。
[0059] 請求項 12にかかる近接センサの前記出力発振器は、誘電体発振器 (DRO)または LC発振器としたものであるから、廉価に、マイクロ波を発生する発振器となり、かつ、 正確な動作が期待できる。
[0060] 請求項 13にかかる近接センサは、前記導電性部材に給電点及び受電点を設定し 、前記受電点から得られた周波数を増幅し、当該周波数を前記給電点に帰還させる ことによってマイクロ波を自励発振させる発振回路を具備し、前記検出領域の変化を 前記発振回路力 得られた周波数の変化として検出するものである。
[0061] したがって、導電性部材をアンテナとする発信回路が発振するとき、導電性部材か ら電磁波が検出領域に放射される。当該発信回路は、その検出領域と導電性部材と の関係で、前記導電性部材から放射される特定の周波数状態の電波伝搬の固有値 で決定される共振状態となる。発振周波数の電磁波が導電性部材から放射されても 、反射または吸収を起こす検出対象が検出領域にない場合には、発振周波数に周 波数変動は生じない。しかし、電磁波放射空間となっている検出領域に検出対象が 近づくと、導電性部材と検出対象間にそれまでの伝播状態と異にした各周波数の固 定値が変化したマイクロ波の発振回路を形成して、前記導電性部材から放射される 共振周波数状態が変化する。即ち、導電性部材の近くに検出対象が近づくと、検出 領域の電界が検出対象によって反射或いは吸収され、電磁波放射空間の場が変化 する。それを検出することによって、検出対象の接近を検出できる。ここで、検出対象 の周波数の変化とは、周波数の偏移またはその周波数の振幅の大きさ(電圧の大き さ)等を意味する。
[0062] ここで、上記導電性部材は、取付け対象に一体または分離可能な導電体であれば よぐ基本的構造が一次元的構造体 (主に、長さ方向のみのもの)、二次元的構造体( 主に、面積のみ有するもの)、三次元的構造体とすることができる。また、上記導電性 部材の外側に設定した検出領域は、導電性部材及びマイクロ波の波長の出力によつ て決定される力 通常、 50cm以内、好ましくは 30cm以内の任意の距離に設定され る。そして、上記発振回路は、導電性部材に給電点及び受電点を設定し、前記受電 点から得られた周波数を増幅し、当該周波数を前記給電点に帰還させることによって 、マイクロ波を自励発振させることができるものであればよい。更に、上記検出領域の 変化を発振回路力 得られた周波数の変化としての検出は、導電性部材の近くの人 等の検出対象 (誘電体)の変化を発振回路から得られた周波数の変化として検出す るものであり、周波数の変化をパターンとして検出してもよいし、所定の閾値との比較 で半 U断することもできる。
[0063] なお、上記導電性部材の給電点及び受電点は、シミュレーションまたはシミュレ一 シヨンと実機によって推定または修正確認した点とし、また、発振周波数及び検出領 域につ 、ても同様に設定する。
[0064] 請求項 14にかかる近接センサは、前記導電性部材の前記受電点から得られた周 波数を特定の周波数領域とするバンドパスフィルタ及び当該周波数領域の周波数を 前記給電点に増幅して帰還させる高周波増幅器力 なる発振回路は、導電性部材 の受電点力 バンドパスフィルタを通して特定の周波数領域の周波数とし、その周波 数領域の周波数を高周波増幅器で増幅して導電性部材の給電点に帰還する。それ によって、導電性部材がアンテナとする発振回路が形成され、マイクロ波を自励発振 する。導電性部材から電磁波が検出領域に放射され、その検出領域と導電性部材と の関係で、前記導電性部材から放射される特定の周波数状態、即ち、複数周波数が 共振状態となる。発振回路の発振周波数が導電性部材から放射されても、反射また は吸収を起こす検出対象が検出領域にない場合には、発振周波数の周波数変動は 生じない。
[0065] しかし、電磁波放射空間となっている検出領域に人等の検出対象 (誘電体)が近づ くと、導電性部材と検出対象との間にマイクロ波の空洞発振器を形成し、前記導電性 部材から放射される共振周波数状態が変化する。即ち、導電性部材の近くに検出対 象が近づくと、電磁波放射空間の場が変化する。方向性結合器は、各周波数の電波 伝搬の固有値の変化を検出し、その方向性結合器の出力は、ダウンコンバート用の 周波数を入力するミキサを通過させ、得た周波数によって、前記検出領域の変化を 認識する。なお、ここでは、電磁波放射空間とは、電磁波の到達距離を意味するもの ではなぐ検出可能な検出領域を意味することとする。
[0066] ここで、上記認識回路は、検出領域とした導電性部材の近くの検出対象の変化を 発振回路力 得られた周波数の変化として検出するものであり、周波数の変化をバタ ーンとして検出してもよいし、所定の閾値との比較で判断することもできる。また、上 記バンドパスフィルタは、上記導電性部材の給電点から取出す周波数の雑音 (低周 波除去を含む)を除去し、マイクロ波の所定の周波数帯域を決定するものである。ま た、上記ミキサは、導電性部材の給電点から得られた周波数 (f)と発振器から得られ た周波数 (fo)をミキシングし、ダウンコンバートしたミキシング周波数 (mf+nfo ;但し 、 m,nは ∞一" h∞の整数)とするものであればよい。
[0067] 更に、上記認識回路は、通常、上記電磁波放射空間である検出領域の変化を発 振周波数の変化として周波数パターンで認識するものであり、既知の距離、大きさ等 に対応する基準周波数パターンとの比較を行うことにより、検出対象 (誘電体)の距離 、大きさ等をリニアに検出するものであり、かつ、基準周波数パターンの変化として、 時間的要素の導入により移動速度も検出可能である。この認識回路は、アナログ回 路またはデジタル回路で構成されるものであればよい。具体的には、 F-V変翻、 F FT等とメモリ等で構成される。
[0068] 請求項 15にかかる近接センサは、前記取付け対象に一体または分離可能な導電 性部材は、車両に対して開閉自在に取付けられる開閉体としたものであるから、構造 を簡単にし、かつ、廉価に製造することができる。
発明の効果
[0069] 請求項 1にかかる近接センサにお ヽて、湿度、温度、気圧変化を伴う電磁波放射空 間からなる検出領域内の空間に存在する検出対象を、電波伝搬の固有値の変化と して前記導電性部材で検出するマイクロ波の回路は、検出領域に検出対象が存在 すれば、アンテナとして機能する導電性部材の各周波数の電波伝搬の固有値が変 化するので、その固有値の変化によって検出対象の存在、否存在を検出することが できる。即ち、検出領域に検出対象が存在すれば、前記マイクロ波の回路はマイクロ 波の伝播状態が変化するから、その伝播条件の変化を検出することにより、検出対 象の存在、否存在が判断できる。
[0070] したがって、電磁波放射空間となっている検出領域の検出対象と導電性部材との 間の空間には、電磁波の電界 '磁界の相互の影響力が大きいマイクロ波の回路を形 成し、その検出領域及びその検出対象に応じた周波数が伝播される。導電性部材の 外側に検出対象が存在しな ヽ場合は、アンテナ特性に従 ヽ電磁波が伝播する伝達 関数等の固定値が一義的に決定される。特に、導電性部材と検出対象との間には、 マイクロ波の回路が形成され、電磁波の電界'磁界の相互の影響力が大きぐ検出領 域の検出対象の静電容量に影響され難くなるから、従来の静電容量検出方式タイプ に比較して、検出領域の湿度、温度、水蒸気、圧力等の雰囲気によって影響を受け ない検出が可能となり、装置が廉価で検出精度が向上する。また、ドップラー周波数 の検出と異なり、検出領域の検出対象が移動していなくても検出可能となる。また、ァ ンテナとして機能する導電性部材には、放射できる多数の共振周波数が存在し、そ の伝播状態の変化を検出するものであるから、格別、導電性部材の特性を仔細に調 查することなく実施できる。
[0071] 故に、検出対象の周囲の雨や湿度の変化等による環境変化や経年劣化による誤 動作がなぐ小型化可能で、廉価かつ高精度で、例え、検出対象が静止していても 検出可能であり、し力も、検出速度を高速化でき、車両等の金属で構成されているも のにも使用可能な近接センサとすることができる。
[0072] 請求項 2にかかる近接センサの前記導電性部材をアンテナとして放射するマイクロ 波の周波数を持つ UWB発振器は、前記導電性部材にワイドバンドのマイクロ波を供 給する。このとき、 UWB発振器が供給する複数の各共振周波数で共振状態となり、 他の複数の周波数で反射または吸収を起こし、それらの電波伝搬の固定値が変化 する。それを検出することにより、検出対象が判断できる。
[0073] したがって、例えば、導電性部材の給電点に接続された UWB発振器は、帯域幅の 広 、マイクロ波のインノルスを放射する。その放射されたマイクロ波のインパルスは、 導電性部材をアンテナとして放射される。このとき、導電性部材の外側に検出対象が 存在しない場合は、アンテナ特性に従い伝達関数等の固定値が一義的に決定され る。即ち、発振器側から送信した信号に対してアンテナから放射された信号を比較す る固定値として考えると、アンテナ特性が決定されることになる。
[0074] このとき、マイクロ波の回路は、電磁波の電界 '磁界の相互の影響力が大きいマイク 口波の共振回路を形成しているから、その検出領域及びその検出対象に応じた UW B発振器の周波数が伝播される。特に、使用周波数が UWB発振器のマイクロ波の 使用によって、電磁波の電界'磁界の相互の影響力が大きぐ検出領域の検出対象 の静電容量に影響され難くなるから、従来の静電容量検出方式タイプに比較して、 検出領域の湿度、温度、水蒸気、圧力 (気圧)等の雰囲気によって影響を受けない 検出を可能とし、装置が廉価で検出精度が向上する。また、ドップラー周波数の検出 と異なり、検出領域の検出対象が移動していなくても検出可能となる。特に、 UWB発 振器の使用によって、導電性部材から放射できる多数の共振周波数が存在し、伝播 状態の変化を検出するものであるから、格別、導電性部材の特性を仔細に調査する ことなく実施でき、標準化も可能である。そして、導電性部材の給電点に接続された UWB発振器は、帯域幅の広いマイクロ波のインパルスを放射するから、導電性部材 には多数の共振周波数が存在し、多数の電波伝搬の固有値が得られ、それを用い て正確に検出対象を検出できる。
[0075] 請求項 3にかかる近接センサの前記電波伝搬の固有値の変化の検出は、前記導 電性部材の周波数を UWB発振器の給電点に接続された方向性結合器及びバンド パスフィルタを通過させたのち増幅手段で増幅し、かつ、ダウンコンバート用の周波 数を入力してミキシングするミキサと、前記ミキサを通過させた周波数によって前記検 出領域の変化を検出する認識回路を用いて行うものであるから、請求項 2に記載の 効果に加えて、検出領域に検出対象が存在すれば、 UWB発振器から供給された周 波数の電磁波が、給電点より放射され、給電点に戻ってくる信号が変化する。その信 号の変化は、複数の固定値の変化として検出する。このとき、検出されたバンドパス フィルタを通過させた周波数パターンは、ノイズを除去した周波数パターンとなる。ま た、方向性結合器は、 UWB発振器の出力に導電性部材の給電点からの反射、外部 力 給電点に入る外乱の影響を除去することができるため、 UWB発振器は安定した 発振が可能となる。
[0076] 請求項 4に力かる近接センサの前記電波伝搬の固有値の変化の検出は、前記導 電性部材の周波数を 1または 2以上の個別に配置された前記受電点力 導入し、か つ、ダウンコンバート用の周波数を入力してミキシングするミキサと、前記ミキサを通 過させた周波数によって前記検出領域の変化を検出する認識回路を用いて行われ るものである。したがって、請求項 2または請求項 3に記載の効果に加えて、検出され たバンドパスフィルタを通過させた周波数パターンは、既知の周波数パターンにより、 検出対象の距離、大きさ等に対応する予め基準周波数パターンとして記憶したデー タと比較し、その基準周波数パターン力も検出対象の距離、大きさ等の検出を行うこ とがでさる。
[0077] 言い換えると、受電点に戻るインパルス信号は、アンテナ特性の固定値として見做 すことができる。導電性部材と検出対象との間の空間には、マイクロ波の回路が形成 され、導電性部材と検出対象が共振周波数を有する複数の周波数の固有の伝達関 数等の固定値を持つことから、導電性部材の外側に検出対象が存在する場合と存 在しない場合とでは、 1または 2以上の個別に配置された受電点力 電波伝搬の固 定値の違いとして検出できる。このことから、 UWB発振器から供給された周波数の伝 播状態の違いが検出領域の検出対象の有無によって変化するから、個々の周波数 のドップラーシフトとして検出するものである。また、複数の受電点を設けることで、よ り検出分解能が向上すると共に、 SZN比を確保できる。
[0078] 請求項 5にかかる近接センサは、検出領域の検出対象と導電性部材との間にマイ クロ波の共振回路を形成し、マイクロ波の周波数を持つ UWB発振器カゝらアンテナと して機能する導電性部材にマイクロ波を供給する。このとき、 UWB発振器が供給す る複数の各共振周波数では共振状態となり、他の複数の周波数で反射または吸収を 起こし、検出領域に検出対象が存在するか否かによって、それらの電波伝搬の固有 値が変化する。したがって、検出領域に検出対象が存在すれば、 UWB発振器から 供給された周波数の固有値が変化する。それを電波伝搬の固有値の個々の周波数 のドップラーシフトとして検出することにより、検出対象の移動速度が判断できる。
[0079] このとき、電磁波放射空間となっている検出領域の検出対象との間は、電磁波の電 界 ·磁界の相互の影響力が大き 、マイクロ波の回路を形成し、その検出領域及びそ の検出対象に応じた UWB発振器の周波数が伝播されるものである。特に、使用周 波数がワイドバンドのマイクロ波の使用によって、電磁波の電界'磁界の相互の影響 力が大きぐ検出領域の検出対象の静電容量に影響され難くなるから、従来の静電 容量検出方式タイプに比較して、検出領域の湿度、温度、水蒸気、圧力等の雰囲気 によって影響を受けない検出を可能とし、装置が廉価で検出精度が向上する。また、 伝播状態の偏移や変化速度は、周波数パターンの偏移や変化速度等で検出され、 検出対象の距離や移動速度の検出が可能になる。特に、 UWB発振器の使用によつ て、導電性部材から放射できる多数の共振周波数が存在するから、格別、導電性部 材の特性を仔細に調査することなく実施でき、標準化も可能である。
[0080] 請求項 6にかかる近接センサは、検出領域の検出対象と導電性部材との間にマイ クロ波の回路を形成し、 UWB発振器はアンテナとして機能する導電性部材にマイク 口波を供給する。このとき、 UWB発振器が供給する複数の共振周波数では、共振状 態となり、他の複数の周波数で反射または吸収を起こし、それらの電波伝搬の固有 値が変化する。したがって、請求項 5の効果に加えて、導電性部材から検出される周 波数には、検出対象が影響する波長成分 (周波数成分)を有しているから、各周波 数に基づく周波数パターンの変化速度または周波数の偏移により、その検出対象の 移動速度が検出できる。導電性部材の周波数パターンの変化する速度或いは偏移 を基に、検出された周波数パターンの個々の周波数のドップラーシフトを予め既知の 基準周波数パターンの変化速度或いは偏移と比較し、その基準周波数パターンから 距離、大きさ、移動速度等の検出を行うこともできる。
[0081] 請求項 7にかかる近接センサは、前記導電性部材から放射する周波数を励起する マイクロ波発振部を具備するから、マイクロ波発振部の周波数が導電性部材力 マイ クロ波として放射されても、反射或いは吸収を起こす検出対象がない場合には、マイ クロ波発振部の周波数の変動は生じない。導電性部材の近くに検出対象が近づくと 、放射電磁波の電界が検出対象で反射或いは吸収され、電磁波放射空間の場が変 化し、検出対象からの距離及び大きさに相当する波長成分 (周波数)が変化する。こ の検出された変化により、距離及び大きさの検出を行うことができる。 [0082] このとき、電磁波放射空間である検出領域の検出対象と導電性部材との間でマイク 口波の共振回路を形成してなるマイクロ波発振部は、その検出領域及びその検出対 象に応じた発振状態となる。この発振状態のマイクロ波発振部は、電磁波の電界'磁 界の相互の影響力が大きぐその検出領域の検出対象と導電性部材間の電界強度 ( 磁界)の共振回路として見做すことができ、電磁波放射空間の検出対象の静電容量 に影響され難くなる。
[0083] 特に、マイクロ波発振部は、電磁波放射空間となっている検出領域の検出対象と導 電性部材との間にマイクロ波の共振回路を形成し、前記電磁波放射空間をアンテナ 間の電界強度 (磁界)の共振回路として見做すことができ、電磁波の電界 ·磁界の相 互影響の方が大きくなり、検出領域の検出対象の静電容量に影響され難くなるから、 検出精度が向上する。また、使用周波数が 300MHzから 300GHzのマイクロ波の使 用は、従来の静電容量検出方式タイプに比較して、検出領域の湿度、温度、水蒸気 、圧力等の雰囲気によって影響を受けない検出が可能となり、装置が廉価となる。よ つて、本発明にかかる近接センサは、近距離の検出が容易であり、かつ、廉価に製 造可能な状態検出を行うことができ、また、ドップラー検出と異なり、検出領域の検出 対象が移動していなくても検出できる。
[0084] 請求項 8にかかる近接センサの前記マイクロ波発振部は、出力発振器からミキサを 介して出力されるマイクロ波が、電磁波放射空間である検出領域の検出対象と導電 性部材との間で共振回路を形成して、その検出領域の電磁波放射空間の状態に応 じて発振状態となる。ここで、発振しているマイクロ波が導電性部材カゝら放射されても 、反射または吸収を起こす検出対象がない場合、特定の周波数の出力状態が変化 しな 、から共振回路の周波数変動は生じな 、。
[0085] 導電性部材の近くに人等の検出対象が近づくか、或いはそこに検出対象が存在す ると、導電性部材から放射された電磁波の電界が検出対象で反射或いは吸収され、 検出領域の電磁波放射空間の場が変化する。このとき、電磁波放射空間の場にお ける検出対象が影響した波長成分は、基準発振器の周波数とミキシングされ、バンド パスフィルタを通して変動差分の周波数として取出され、その定在波によって検出対 象の存在が識別される。 [0086] したがって、検出領域からなる電磁波放射空間に検出対象が存在すると、それまで 検出されていな力つた特有の周波数の定在波が発生することになる。即ち、検出され た定在波は、電磁波放射空間の場における検出対象がないときに比較して変化する 。当該変化した信号は、距離、大きさ等に対応する信号を予め基準信号として測定し 、その性質が判っておれば、その基準信号と前記変化した信号とを比較することによ り、距離、大きさ等を推定し、または所定のパターン認識によって距離、大きさ等の検 出を行うことができる。
[0087] このとき、本発明にかかる近接センサは、出力発振器が電磁波放射空間となってい る検出領域の検出対象との間にマイクロ波の回路を形成し、その検出領域及びその 検出対象に応じた特定の周波数で発振するから、電磁波の電界'磁界の相互の影 響力が大きくなり、検出領域の検出対象の静電容量に影響され難くなるから、検出精 度が向上する。
[0088] 請求項 9にかかる近接センサの前記マイクロ波発振部は、前記バンドパスフィルタを 通過させた周波数の定在波によって、前記検出領域の変化を識別する認識回路を 具備するものである。したがって、請求項 7または請求項 8の効果にカ卩えて、検出され たバンドパスフィルタを通過させた周波数の VSWRは、電磁波放射空間の場におけ る人等の検出対象がないときに比較して変化し、当該変化した信号は、距離、大きさ 等に対応する信号を予め基準信号として性質が判っておれば、その基準信号と前記 変化した信号とを比較することにより、距離、大きさ等を推定し、または所定のパター ン認識によって距離、大きさ等の検出を行うことができる。
[0089] 請求項 10にかかる近接センサは、前記導電性部材と前記検出領域の検出対象と の間に空洞共振回路と見做される見做し回路が形成されて、その見做し回路の周波 数を前記導電性部材の大きさに対し、十分波長が短!、周波数で前記導電性部材を アンテナとして放射するマイクロ波を供給する出力発振器から得て、前記出力発振 器の発振周波数の偏移、振幅等を検出するものである。
[0090] したがって、空洞共振回路と見做される見做し回路を形成する導電性部材力 放 射された電磁波は、検出対象で反射或いは吸収され、その影響が出力発振器の出 力周波数の変化となって現れるから、その出力発振器の発振周波数の周波数の偏 移、当該周波数の振幅の変化を検出することにより、検出対象の存在'否存在、検出 対象の移動速度、検出対象の大きさ等を検出することができる。
[0091] 仮に、公知のテルミンの回路を利用して近接センサを構成したとしても、その波長 力もみて検出対象までの距離が短いものでは、検出対象をアンテナとして機能する 導電性部材とアース間のコンデンサ容量として検出し、当該コンデンサ容量の大きさ によって距離精度誤差が大きくなる。しかし、本発明は、検出対象とアンテナと機能 する導電性部材の間の相対距離に相当するマイクロ波の空洞共振回路と見做される 見做し回路が形成されて、電磁波の電界 ·磁界の相互影響の方が大きくなり、電磁 波放射空間の検出対象の静電容量に影響され難くなるから、検出精度が向上する。 また、使用周波数が 300MHzから 300GHzのマイクロ波の使用によって、電磁波放 射空間の湿度、温度、水蒸気、圧力等の雰囲気によって影響を受けない検出を可能 とするため、装置が廉価となる。
[0092] よって、本発明にかかる近接センサは、近距離の検出が容易であり、かつ、廉価に 製造可能な近距離状態の検出が可能となる。
[0093] 請求項 11にかかる近接センサは、前記導電性部材と前記検出領域の検出対象と の間に空洞共振回路と見做される見做し回路が形成されて、その見做し回路の周波 数を前記導電性部材に供給する出力発振器から得て、基準発振器から得られた周 波数とをミキサでミキシングし、そのミキシングした周波数力も特定の周波数を選択す ると共に検波し、認識回路はその検波した周波数の信号によって、前記導電性部材 の外側に設定した検出領域内の検出対象の変化を検出するものである。
[0094] したがって、空洞共振回路と見做される見做し回路を形成する導電性部材力 放 射された電磁波が、検出対象で反射或いは吸収され、その影響が出力発振器の出 力周波数の変化となって現れるから、認識回路でその出力発振器の発振周波数の 周波数の偏移、当該周波数の振幅の変化を検出することにより、検出対象の存在, 否存在、検出対象の移動速度、検出対象の大きさ等を検出することができる。
[0095] 仮に、公知のテルミンの回路を利用して近接センサを構成した場合には、検出対象 をアンテナとして機能する導電性部材とアース間のコンデンサ容量として検出し、距 離精度誤差が大きくなる。しかし、本発明は、検出対象とアンテナと機能する導電性 部材の間の相対距離に相当するマイクロ波の空洞共振回路と見做される見做し回路 を形成し、電磁波の電界'磁界の相互影響の方が大きくなり、電磁波放射空間の検 出対象の静電容量に影響され難くなるから、検出精度が向上する。また、使用周波 数が 300MHzから 300GHzのマイクロ波の使用によって、電磁波放射空間の湿度、 温度、水蒸気、圧力等の雰囲気によって影響を受けない検出を可能とするため、装 置が廉価となる。
[0096] よって、本発明は、近距離の検出が容易であり、かつ、廉価に製造可能な近距離 状態の検出が可能となる。
[0097] 請求項 12の近接センサは、上記請求項 10または請求項 11の前記出力発振器を 誘電体発振器または LC発振器としたものであるから、発振器自体が廉価となり、結 果的に装置を廉価にすることができる。
[0098] 請求項 13にかかる近接センサは、取付け対象に一体または分離可能な導電性部 材に給電点及び受電点を設定し、前記受電点力 得られた周波数を増幅し、当該周 波数を前記給電点に帰還させることによって、前記導電性部材の大きさに対し、十分 波長が短い周波数で前記導電性部材をアンテナとしてマイクロ波を発振させる発振 回路と、前記導電性部材の外側に設定した検出領域の変化を前記発振回路力 得 られた周波数の変化として検出するものである。
[0099] したがって、電磁波放射空間となっている検出領域の検出対象と導電性部材の間 に、検出対象と導電性部材とが互いにアンテナとして機能し、それらがマイクロ波の 空洞共振器と見做され、その検出領域及びその検出対象に応じてマイクロ波発振周 波数が変化するから、電磁波の電界'磁界の相互の影響力が大きく導電性部材間の 電界強度 (磁界)の空洞共振器は、電磁波放射空間の検出対象の静電容量に影響さ れ難くなる。
[0100] 特に、マイクロ波の発振回路が電磁波放射空間となっている検出領域の検出対象 と導電性部材の間は、両者がアンテナとして機能し、それをアンテナ間の電界強度( 磁界)の空洞共振器として見做すことができ、電磁波の電界'磁界の相互影響の方が 大きくなり、検出領域の検出対象の静電容量に影響され難くなるから、検出精度が向 上する。また、使用周波数が 300MHzから 300GHzのマイクロ波の使用によって、 従来の静電容量検出方式タイプに比較して、検出領域の湿度、温度、水蒸気、圧力 等の雰囲気によって影響を受けない検出を可能とするため、装置が廉価となる。そし て、マイクロ波の使用のドップラー検出と異なり、検出領域の検出対象が移動してい なくても検出できる。
[0101] よって、本発明は、近距離の検出が容易であり、かつ、廉価に製造可能な状態検 出を行うことができる。
[0102] 請求項 14にかかる近接センサは、取付け対象に一体または分離可能な導電性部 材に給電点及び受電点を設定し、前記受電点力 得られた周波数を増幅し、当該周 波数を前記給電点に帰還させることによって、前記導電性部材の大きさに対し、十分 波長が短!、周波数で前記導電性部材をアンテナとしてマイクロ波を発振させる。この とき、マイクロ波の発振回路を構成する電磁波放射空間は、導電性部材の受電点か ら得られた周波数を特定の周波数領域とするバンドパスフィルタ及び当該周波数領 域の周波数を前記給電点に増幅して帰還させる高周波増幅器によって、特定の発 振状態となる。前記受電点力 給電点の間の経路に接続され、前記発振回路の発 振状態を取り出す方向性結合器は、導電性部材の外側に設定した検出領域の変化 を検出し、それを認識回路で識別する。このマイクロ波の発振周波数は、方向性結 合器によって生じている帰還状態をダウンコンバート用の周波数を入力したミキサで ミキシングし、前記ミキサを通過させた周波数によって、検出領域の変化を認識回路 で判断するものである。
[0103] 即ち、認識回路は、方向性結合器を通してマイクロ波の発振周波数を取出し、その 発振周波数のパターンを判断する。この検出された発振周波数のパターンは、検出 対象の距離、大きさ等に対応する基準周波数パターンとして記憶しておき、方向性 結合器を通して検出したデータと比較し、その基準周波数パターン力 検出対象の 距離、大きさ等の検出を行う。
[0104] このとき、検出領域に検出対象が存在しないとき、単純に、導電性部材から放射さ れた発振周波数を特定の閾値しておけば、検出した周波数が当該閾値力 の変化 によって、検出領域の場の変化として検出対象の検出が" 1"、〃0"で可能となる。
[0105] 請求項 15にかかる近接センサは、前記車両に一体または分離可能に取付けてな る導電性部材を車両に対して開閉自在に取付けられる開閉体としたものであるから、 請求項 1または請求項 2に記載の効果に加えて、構造を簡単にし、かつ、廉価に製 造することができる。
図面の簡単な説明
[0106] [図 1]図 1は本発明の実施の形態 1及び 2の近接センサを搭載した車両の全体構成 概念図である。
[図 2]図 2は本発明の実施の形態 1の近接センサの機能ブロック図である。
[図 3]図 3は本発明の実施の形態 2の近接センサの機能ブロック図である。
[図 4]図 4は本発明の実施の形態 3の近接センサの機能ブロック図である。
[図 5]図 5は本発明の実施の形態 4の近接センサの機能ブロック図である。
[図 6]図 6は米国 FCC (連邦通信委員会)が UWBについて定義する周波数 出力特
'性図である。
[図 7]図 7は本発明の実施の形態 5の近接センサの機能ブロック図である。
[図 8]図 8は本発明の実施の形態 6の近接センサの機能ブロック図である。
[図 9]図 9は本発明の実施の形態 7の近接センサの機能ブロック図である。
符号の説明
[0107] 1 車両
11-14 外パネル (導電性部材)
11A-14A 検出領域
121 出力発振器
21 UWB発振器
22 基準発振器
221 出力発振器
23 ミキサ
24 バンドパスフィルタ
26 F— V変
27 認識回路
28 フィードバック系 29 VSWRメータ
31 検出対象
32 検波器
33 Sメータ
50 空洞共振回路と見做される見做し回路
60 発振器
発明を実施するための最良の形態
[0108] 本発明の実施の形態に力かる近接センサは、以下に図を用いて説明するとおりで ある。
[0109] なお、本発明の実施の形態 2以降において、実施の形態 1と同一記号または同一 符号は、上記実施の形態 1と同一または相当する構成部分を示すものであり、共通 する機能についてはできるだけ重複する説明を省略する。
[0110] [実施の形態 1]
図 1は本発明の実施の形態の近接センサを搭載した車両の全体構成概念図であり 、図 2は本発明の実施の形態 1の近接センサの機能ブロック図である。また、図 6は米 国 FCC (連邦通信委員会)が UWBにつ 、て定義する周波数-出力特性図である。
[0111] 図 1乃至図 2において、車両 1の各ドアの金属板 (導電性)からなる外パネル 11一 1 4には、 UWB発振器 21のアンテナ端子が電気的に接続され、そこが外パネル 11一 14の給電点 aとなっている。各ドアの外パネル 11一 14は、給電点 aからマイクロ波の 供給を受け、その表面力 マイクロ波を放射するアンテナと機能しており、各ドアの外 パネル 11一 14は本実施の形態の導電性部材を構成して 、る。
[0112] 本実施の形態においては、各ドアの外パネル 11一 14がアンテナとなっている事例 で説明するが、車両 1の前後のバンパー、トランクリツド、エンジンフード、フロントドア 、バックドア、スライドドア、スイングドア、その他の可動式フード、サンルーフ等につい ても、外パネル 11一 14と同様に本実施の形態の導電性部材として使用することがで きる。これらのうち、フロントドア、バックドア、スライドドア、スイングドア等は、共に車両 に対して開閉自在に取付けられる開閉体とみることができる。
[0113] この UWB発振器 21は、各ドアの外パネル 11一 14の大きさに対し、十分波長が短 い周波数で外パネル 11一 14をアンテナとして放射できるマイクロ波のワイドバンドの 周波数を出力する。なお、 UWB (Ultra
Wide Band)とは、図 6を用いて前述したように、搬送波を使うことなぐ非常にパルス 幅の狭いインノ ルス列の集まりをもって広帯域周波数として用い、変調することなく信 号を伝送する発振器であり、米国 FCC (連邦通信委員会)が周波数 -出力特性図で 定義している。
[0114] また、各ドアの外パネル 11一 14の給電点 aは、シミュレーションまたはシミュレーショ ンと実機によって推定または修正確認した点に設定される。同様に、各ドアの外パネ ル 11一 14から放射したマイクロ波を受け、伝播状態、即ち、各周波数の電波伝搬の 固有値を検出するための受電点 bについても、シミュレーションまたはシミュレーション と実機によって推定または修正確認した点に設定される。本発明の実施の形態 2以 降においても、同様に設定される。
[0115] 周波数力ワイドバンドのマイクロ波を発振する UWB発振器 21は、アンテナとして機 能する外パネル 11一 14と外パネル 11一 14の周囲の湿度、温度、気圧変化を伴う電 磁波放射空間からなる検出領域 11A— 14Aが形成する共振回路の伝達関数等の 電波伝搬の固有値の変化によって、その外パネル 11一 14のマイクロ波の伝播状態 を知るものである。具体的に言えば、 UWB発振器 21は、電磁波放射空間からなる 検出領域 11 A— 14Aと外パネル 11一 14によって決定される複数の周波数を共振 周波数として持つことができる。
[0116] なお、検出領域 11A— 14Aは、外パネル 11一 14に対し、放射するマイクロ波の周 波数の半波長分の距離の外側に設定される。
[0117] また、基準発振器 22は、電磁波放射空間である検出領域 11A— 14Aの伝播状態 の変化に基づいて変化する周波数を検出するのに使用される特定周波数 (fo)から なるマイクロ波の発振器で、通常、 UWB発振器 21と同一またはその近傍の周波数 であるマイクロ波を発振する発振器である。この基準発振器 22は、発振周波数 (fo) が比較的安定した発振器が使用される。
[0118] バンドパスフィルタ 24は、雑音を除去した特定の周波数のみ選択するフィルタであ る。また、高周波増幅器 25はバンドパスフィルタ 24の出力を増幅するアンプである。 そして、ミキサ 23は、外パネル 11一 14をアンテナとして機能させて、外パネル 11一 1 4の大きさに対し十分波長が短 、マイクロ波を放射し、検出領域 11 A— 14A内に存 在する検出対象 31の存在を電波伝搬の固有値の変化として外パネル 11一 14で検 出した周波数 (f)と基準発振器 22から得られた周波数 (fo)をミキシングし、ミキシング 周波数 (mf+nfo ;但し、 m,nは ∞一 +∞の整数)とするものである。また、周波数を 電圧として変換する F-V変翻 26は、バンドパスフィルタ 24を通過した周波数パタ ーンを電圧として検出するものである。ミキサ 23と F-V変翻 26は、結果的に、周波 数パターンの変化を基準発振器 22から得られた周波数 (f 0)によってミキシングし、 取出した周波数パターンを F-V変翻26によって検出し、各周波数周波数パター ンに対応する電圧値の変化または各周波数パターンのパターンマッチングを取るよう にしている。
[0119] 車両 1の外パネル 11一 14をアンテナとして放射するマイクロ波の周波数を持つ U WB発振器 21は、電磁波放射空間となっている検出領域 11A— 14Aの検出対象 31 と、外パネル 11一 14との間でマイクロ波の共振回路を形成し、その電磁波放射空間 の伝播状態で決定される複数の各共振周波数に共振エネルギを供給する。即ち、 U WB発振器 21が供給する複数の共振周波数では共振状態となり、それ以外の他の 複数の周波数で反射または吸収を起こし、それらの固定値は各周波数に対応したも のとなる。検出領域 11A— 14Aに検出対象 31が存在すると、当該検出対象 31がァ ンテナとなり、アンテナとして機能する外パネル 11一 14と対応し、アンテナ相互の結 合が生ずる。
[0120] このとき、検出対象 31からの距離に相当する波長成分 (周波数成分)は、検出対象 31がアンテナとなり、アンテナとして機能する外パネル 11一 14との間にアンテナ相 互の結合が生じ、外パネル 11一 14から出力される複数の発振周波数に影響を与え 、検出対象 31の反射或いは吸収により、振幅を大きくする周波数、振幅を小さくする 周波数と!/、うように各周波数が変化する。
[0121] 例えば、外パネル 11一 14によって決定される固定値は、検出対象 31が存在しな いとき、 F— V変 26は各周波数に対応する電圧値の変化とした特定の周波数パ ターンとなる。しかし、検出対象 31が存在すると、電磁波放射空間である検出領域 1 1 A— 14Aの状態変化によって電波伝搬の固有値の変化し、 F— V変換器 26の出力 は検出対象 31が存在しないときとは、異なる周波数パターンとなる。
[0122] このように、 UWB発振器 21の周波数帯域が広いから、外パネル 11一 14力 放射 されるマイクロ波は、多数の共振周波数を有することになる。外パネル 11一 14には、 電磁波放射空間の伝播状態によって定在波が形成されるが、検出対象 31の存在に より電波伝搬の固有値が変化すると、それまで外パネル 11一 14に形成されていた定 在波が変化することになる。
[0123] ミキサ 23は、 UWB発振器 21から得られた周波数 (f)と基準発振器 22から得られた 周波数 (fo)をミキシングしてダウンコンバートし、 F-V変翻 26によって周波数パタ ーンを得ている。また、認識回路 27は、バンドパスフィルタ 24を通過した周波数を F— V変 を通過させた信号とし、電磁波放射空間である検出領域 11A— 14Aの 状態変化をマイクロ波の電波伝搬の固有値の違いとして検出するものである。この検 出された周波数パターンの変化は、距離、大きさ等に相当する状態を予め基準周波 数パターンとして測定しておき、その基準周波数パターン力も距離、大きさ等を推定 することで、距離、大きさ等の検出を行うことができる。
[0124] したがって、人などが近接すると人及び外パネル 11一 14をアンテナとみなしたアン テナ相互の結合が生じ、それまでの人等力 ^、ない場合の各周波数の固有値の変化 とは、異なる各周波数の電波伝搬の固有値となるから、それを周波数パターンの変 ィ匕として検出できる。
[0125] 即ち、このとき、人、物、大きさ等の検出対象 31の情報は、それらの特性を認識回 路 27内部でマッピングした基準周波数パターンと比較して判断する。この方法は、ド ァの自動開閉操作時の変化と、人や物等の検出対象 31との接近も区別することがで きる。
[0126] また、認識回路 27はその出力を電子制御回路 2に入力している。この実施の形態 の電子制御回路 2は、ドア開閉システムの障害物検知を実行するマイクロコンピュー タからなり、ドアを開閉するときに、安全にドアを開閉できるか、障害物が存在しない か否かを判定し、人または構造物を検知するとドアの開閉を停止させたり、車両 1内 に警報音を発生させるものである。 [0127] なお、本実施の形態の近接センサ 10を構成する UWB発振器 21、基準発振器 22 、ミキサ 23、バンドパスフィルタ 24、 F— V変換器 26は、車両 1の各ドアの外パネル 11 一 14と内パネル(図示しない)との間に内蔵されている。そして、 F-V変翻 26の出 力は、認識回路 27及び電子制御回路 2に入力されている。電子制御回路 2は、この 実施の形態ではドア開閉システムの障害物検知装置を実行するマイクロコンピュータ となっている。
[0128] このように、本実施の形態の近接センサ 10は、車両 1に一体または分離可能に取 付けてなる外パネル 11一 14カゝらなる導電性部材と、外パネル 11一 14の外側に設定 した検出領域 11A— 14Aと、外パネル 11一 14にマイクロ波を供給するワイドバンド の周波数を出力する UWB発振器 21と、外パネル 11一 14からなる導電性部材の U WB発振器 21の給電点 aとは別の受電点 bにバンドパスフィルタ 24を介して雑音を除 去し、ダウンコンバート用の基準発振器 22の周波数を入力してミキシングするミキサ 2 3と、ミキサ 23を通過させた周波数パターンによって、検出領域 11A— 14Aの変化を 認識する認識回路 27を具備するものである。
[0129] このように構成した本実施の形態の近接センサ 10は、次のように動作する。
[0130] まず、 UWB発振器 21は、共振回路を形成する車両 1の各ドアの外パネル 11一 14 と検出領域 11A— 14Aに対し、ワイドバンドのマイクロ波を供給する。電波伝搬の固 有値は、検出領域 11A— 14Aと外パネル 11一 14と検出対象 31の関係で決定され る値である。この外パネル 11一 14から放射される各周波数の電波伝搬の固有値が、 検出対象 31の存在、否存在によって変化する。
[0131] 即ち、外パネル 11一 14と検出領域 11A— 14Aの検出対象 31とから構成される共 振回路は、 UWB発振器 21から与えたマイクロ波によって共振され、反射または吸収 を起こす検出対象 31が検出領域 11A— 14A内にない場合には、特定の複数周波 数の電波伝搬の固有値となる。ところが、検出対象 31が外パネル 11一 14の近くに 近づくと、マイクロ波が検出対象 31で反射或いは吸収される。すると、外パネル 11一 14と検出領域 11A— 14Aの検出対象 31とから構成される共振回路は、検出対象 3 1が存在しないときと異なったマイクロ波の電波伝搬の固有値となって現れる。例えば 、検出領域 11A— 14Aに検出対象 31が存在すれば、 UWB発振器 21から供給され た周波数の伝播状態は、検出対象 31が存在しないときと異なる。この違いは、バンド パスフィルタ 24を通して雑音除去して、所定の帯域の周波数のみを取出し、この取 出した周波数を基準発振器 22の出力周波数 (fo)と共にミキサ 23に導入し、このミキ サ 23によってミキシングし、ダウンコンバートし、ミキシング周波数 (f+fo)となる。ミキ サ 23からのミキシング周波数 (f+fo)は、 F-V変翻 26に入力され、そこで、固定値 に基づく周波数パターンとして検出される。
[0132] ミキシング周波数 (f+fo)の検出は、認識回路 27によってバンドパスフィルタ 24を 通過した周波数を F-V変翻 26を通過させた周波数パターンの違いを、検出領域 11 A— 14Aの状態変化として認識するものである。この検出された周波数パターン の変化は、距離、大きさ等に相当する予め基準周波数パターンを測定しておき、そ の基準周波数パターンから距離、大きさ等を推定することで、距離、大きさ等の検出 を行うことができる。また、基準周波数パターンは、その変化速度力も検出対象 31の 移動速度と距離を検出できる。
[0133] UWB発振器 21は、使用周波数がワイドバンドのマイクロ波を発振する発振器とし たものであるから、廉価に、外パネル 11一 14カゝら複数放射することのできる周波数を 選択でき、装置全体を廉価にすることができる。また、本実施の形態のアンテナは、 車両 1のドアの外パネル 11一 14としたものである。このドアの開閉は、外パネル 11一 14の外側の湿度、温度、気圧変化を伴う電磁波放射空間からなる検出領域 11A— 14Aの状態変化をもたらす。この場合にも、ワイドバンドのマイクロ波を発振する UW B発振器 21は、複数の周波数を放射できるから、検出領域 11A— 14Aの検出対象 3 1を正確に検出することができる。特に、車両 1のドアをアンテナとしたものでは、防犯 システム、キーレスエントリーシステム等のセンサとして使用でき、し力も、 UWB発振 器 21の周波数帯域を選ぶことにより、車両 1のドアの外パネル 11一 14から 30cm程 度以内に検出領域 11A— 14Aを設定することもできる。したがって、電磁波放射空 間の場を車両 1のドアの外パネル 11一 14から 30cm程度以内に設定することもでき る。
[0134] 実施の形態 1の近接センサは、外パネル 11一 14と検出領域 11A— 14Aの検出対 象 31との間にマイクロ波の共振回路を形成するから、電磁波の電界 ·磁界の相互影 響の方が大きくなり、検出領域 11A— 14Aの検出対象の静電容量に影響され難くな るから、検出精度が向上する。特に、本実施の形態の近接センサは、従来の静電容 量検出方式タイプに比較して、検出領域の湿度、温度、水蒸気、圧力等の雰囲気に よって影響を受けない検出を可能とするため、装置が廉価となる。また、 UWB発振 器 21は、複数の周波数を放射するから、シミュレーションの結果を生力せて給電点 a 、受電点 bを設定すれば、外パネル 11一 14からなる導電性部材からの放射波を確 実に捉えることができる。よって、近距離の検出が容易であり、かつ、廉価に製造可 能な状態検出を行うことができる。
[0135] [実施の形態 2]
上記実施の形態 1では、給電点 a、受電点 bを一対有するものである。しかし、本発 明を実施する場合には、給電点 a、受電点 bの対に給受電点に拘束されるものではな ぐ本実施の形態のように、受電点 bを複数にすることもできる。
[0136] 図 3は本発明の実施の形態 2の近接センサの機能ブロック図である。
[0137] 本実施の形態 2の近接センサ 10は、実施の形態 1の回路構成に、外パネル 11一 1 4力 なる導電性部材に 2箇所の受電点 bを設けたものである。これらの給電点 bには 、夫々、バンドパスフィルタ 124を介して雑音を除去し、高周波増幅器 125で増幅し、 ダウンコンバート用の基準発振器 122の周波数を入力してミキシングするミキサ 123 と、ミキサ 123を通過させた周波数パターンによって、検出領域 11A— 14Aの変化を 認識する認識回路 27とを持っている。実施の形態 2で追加した基本的回路構成は、 実施の形態 1の回路構成、即ち、基準発振器 22、ミキサ 23、バンドパスフィルタ 24、 高周波増幅器 25、 F— V変 26、認識回路 27と同一である。
[0138] 図 3の実施の形態は、外パネル 11一 14力もなる導電性部材に受電点 bを複数(2 個)設けた事例を示す。このように外パネル 11一 14に複数(2個以上)の受電点 bを 設けることは、より検出分解能を向上させると共に、 S/N比を確保できる。この実施 の形態では、受電点 bを 2個とするものである力 2個の固定値の違いを検出でき、検 出分解能が受電点 bを 1個とするときよりも向上する。勿論、受電点 bは、 2個以上とす れば、それだけ検出分解能も向上する。
[0139] この実施の形態のように、外パネル 11一 14の大きさが大きい場合、例えば、実施 の形態 1のように、一対の給電点 a、受電点 bでは、給電点 aから電磁波が放射されて 、再び (受電点 bに)戻ってくるときの距離が長くなり、信号が減衰することがあるから、 複数の受電点 bを設けることで、より感度の向上が図れるとともに、 SZN比を良好に できる。
[0140] [実施の形態 3]
上記実施の形態 1では、給電点 a、受電点 bを一対有するものであるが、本発明を 実施する場合には、給電点 aと受電点 bを共通にすることもできる。また、上記実施の 形態 1の近接センサ 10は、検出対象 31の存在を検出するものであるが、検出対象 3 1の動きを検出することもできる。
[0141] 図 4は本発明の実施の形態 3の近接センサの機能ブロック図である。
[0142] この実施の形態 3は、方向性結合器 28を用いることによって、給電点 aと受電点 bを 持って 、た構成を、単一の給電点 a (b)のみとすることができる。
[0143] 図 4において、方向性結合器 28は、 UWB発振器 21の出力を外パネル 11一 14に 供給するものの、外パネル 11一 14に重畳する周波数を UWB発振器 21に伝えな!/ヽ で、バンドパスフィルタ 24に伝える回路である。即ち、方向性結合器 28は、給電点 a 力も反射するか或いは受電点 bを兼ねる給電点 aに供給されて外パネル 11一 14に 重畳している UWB発振器 21の出力によってその出力周波数が変動するのを防止 する回路である。
[0144] 本実施の形態 3にかかる近接センサ 10は、外パネル 11一 14の大きさに対し十分 波長が短い周波数で外パネル 11一 14をアンテナとしてマイクロ波のワイドバンドの 周波数を供給する UWB発振器 21と、外パネル 11一 14の UWB発振器 21の給電点 aと同一給電点 aから方向性結合器 28、バンドパスフィルタ 24を介して雑音を除去し 、ダウンコンバート用の周波数を発振する基準発振器 22の出力する周波数を入力し てミキシングすると共にドプラ周波数を検出するミキサ 23と、ミキサ 23を通過した各周 波数パターンによって、検出領域 11A— 14Aの変化を認識する認識回路 27を具備 する実施の形態として構成できる。
[0145] したがって、上記実施の形態 3の近接センサ 10は、 UWB発振器 21からマイクロ波 を外パネル 11一 14に供給すると、検出領域 11A— 14Aの検出対象 31と外パネル 1 1一 14からなる導電性部材との間でマイクロ波の共振回路を形成し、その検出領域 1 1 A— 14Aと外パネル 11一 14で設定される各周波数に対応する電波伝搬の固有値 に基づき複数の各周波数で共振する。まず、認識回路 27には、このときの、検出領 域 11 A— 14Aに反射の起こす検出対象 31が存在しな 、場合の電波伝搬の固有値 に基づく外パネル 11一 14から得られる周波数パターンを記録する。人等の検出対 象 31が外パネル 11一 14に近づくと、電磁波放射空間からなる検出領域 11A— 14 Aにおける各周波数に対応する電波伝搬の固有値の違いにより、外パネル 11一 14 と検出領域 11A— 14Aの検出対象 31とで形成される共振回路の共振周波数が変 化する。このとき、外パネル 11一 14には、人等の検出対象 31が影響する電波伝搬 の固有値の違!、に基づく各周波数 (波長)成分による定在波が発生して!/、る。
[0146] 外パネル 11一 14に重畳している複数の周波数は、バンドパスフィルタ 24を通して 取出し、高周波増幅器 25で増幅し、その取り出した周波数と基準発振器 22の出力 周波数とをミキシングし、基準発振器 22の周波数でダウンコンバートし、その周波数 の変化を F-V変翻26の出力とする。認識回路 27は、 F-V変翻26の出力として 検出された周波数パターンは、予め既知の基準周波数パターンと比較し、その基準 信号から距離、大きさ等の判断を行う。また、認識回路 27は、基準周波数パターンの 変化の個々の周波数のドップラーシフトから検出対象 31の動く速度を検出することも できる。
[0147] [実施の形態 4]
上記実施の形態 1乃至実施の形態 3の近接センサ 10は、検出対象 31の存在を検 出するものである力 検出対象 31の動きを検出することもできる。
[0148] 図 5は本発明の実施の形態 4の近接センサの機能ブロック図である。
[0149] 本実施の形態 4にかかる近接センサ 10は、外パネル 11一 14の大きさに対し十分 波長が短い周波数で外パネル 11一 14をアンテナとしてマイクロ波のワイドバンドの 周波数を供給する UWB発振器 21と、外パネル 11一 14の UWB発振器 21の給電点 aとは、別の給電点 bにバンドパスフィルタ 24を介して雑音を除去し、ダウンコンバート 用の周波数を発振する基準発振器 22及び方向性結合器 28を介して UWB発振器 2 1の出力周波数を入力してミキシングすると共に、ドプラ周波数を検出するミキサ 23と 、ミキサ 23を通過した所定の帯域の周波数によって、検出領域 11A— 14Aの伝播 状態の変化を認識する認識回路 27を具備する実施の形態として構成できる。
[0150] したがって、上記実施の形態 4の近接センサ 10は、 UWB発振器 21からマイクロ波 を外パネル 11一 14に供給すると、検出領域 11A— 14Aの検出対象 31と外パネル 1 1一 14との間でマイクロ波の共振回路を形成し、その検出領域 11A— 14Aと外パネ ル 11一 14で設定される複数の各周波数で共振する。認識回路 27は、検出領域 11 A— 14Aに反射の起こす検出対象 31がない場合の各周波数に対応する固定値に 基づぐ外パネル 11一 14から得られる周波数パターンを記録する。外パネル 11一 1 4の近くに検出対象 31が近づくと、電磁波放射空間の各周波数の電波伝搬の固有 値の違いが生じ、外パネル 11一 14と検出領域 11A— 14Aの検出対象 31とで形成 される共振回路の周波数パターンが変化する。このとき、外パネル 11一 14には、人 等の検出対象 31が影響する電波伝搬の固有値の違いに基づく周波数 (波長)成分 の定在波が発生して 、る。このときの外パネル 11一 14に重畳されて!、る周波数は、 バンドパスフィルタ 24を通して取出し、かつ、取り出した周波数に UWB発振器 31の 出力周波数とをミキシングし、両者間でドップラー周波数成分を取出し、また、基準発 振器 22の周波数によってダウンコンバートする。得られた周波数の変化は、 F— V変 翻 26の出力の各周波数に対応する周波数パターンで判断する。認識回路 27は、 検出された周波数パターンを予め既知の基準周波数パターンと比較し、その基準信 号から距離、大きさ等の検出を行う。また、認識回路 27は、ドップラー周波数によって 検出対象 31の動く速度を検出することができる。
[0151] 認識回路 27は、電波伝搬の固有値の変化の違いに基づく周波数パターンによつ て上記電磁波放射空間である検出領域 11 A— 14Aの変化をパターン認識するもの であり、周波数パターンを既知の距離、大きさ等に対応する基準周波数パターンとの 比較を行うことにより、距離、大きさ等を検出するものであり、また、その周波数パター ンの個々の周波数のドップラーシフトにより、検出対象 31の移動速度を検出するアナ ログ回路またはデジタル回路で構成されるものであればよい。
[0152] ここで、本実施の形態 1乃至 4の近接センサ 10は、外パネル 11一 14の大きさに対 し、十分波長が短い周波数で外パネル 11一 14をアンテナとして放射するマイクロ波 のワイドバンドの周波数を出力する UWB発振器 21とを具備し、外パネル 11一 14と 検出領域 11A— 14Aの検出対象 31との間に共振回路を形成し、 UWB発振器 21の 給電点から供給した周波数の伝播状態の違いに基づぐ検出領域 11A— 14Aの変 化を周波数パターンの変化として検出するものである。
[0153] したがって、車両 1の外パネル 11一 14をアンテナとして供給するマイクロ波の周波 数を持つ UWB発振器 21は、電磁波放射空間となっている検出領域 11A— 14Aの 検出対象 31と外パネル 11一 14との間にマイクロ波の共振回路を形成して、外パネ ル 11一 14からマイクロ波を放射する。そこで、反射または吸収を起こす検出対象 31 がない場合とある場合には、特定周波数に対応する電波伝搬の固有値の違いが生 ずる。また、外パネル 11一 14に人等の検出対象 31が近づくと、放射電磁波の電界' 磁界が検出対象 31で反射或いは吸収される。即ち、人等の検出対象 31が離れて静 止していたときに比較して、電磁波放射空間の電波伝搬の固有値が変化するから、 周波数パターンの個々の周波数のドップラーシフトの違いとして捉えられ、その周波 数パターンを判断することにより、検出対象 31の近接速度及び距離が判断できる。
[0154] なお、本実施の形態の近接センサ 10は、車両 1に用いているから、ドアの外パネル 11一 14のように導電性部材として使用できる構成部品が多く存在し、他の構成部品 の使用も可能であるから、車両用として使用するのが好適である。
[0155] [実施の形態 5]
上記実施の形態 1乃至実施の形態 4の近接センサ 10は、 UWB発振器 21を使用 するものであった力 300MHz— 300GHzのマイクロ波を発振する出力発振器に置 き換えることもできる。このとき、検出領域 11A— 14Aと検出領域 11A— 14Aの検出 対象 31を含んだマイクロ波の共振回路は、マイクロ波発振部 30となる。
[0156] 図 7は本発明の実施の形態 5の近接センサの機能ブロック図である。
[0157] 図 7において、周波数が 300MHz— 300GHzのマイクロ波を発振する出力発振器 121は、アンテナとして機能する外パネル 11一 14からマイクロ波を放射し、外パネル 11一 14の周囲の電磁波放射空間である検出領域 11 A— 14Aの伝播状態の変化を 検出するものである。検出領域 11A— 14Aと外パネル 11一 14によって決定される電 磁波放射空間は、複数の周波数に対応した電波伝搬の固有値に基づく特定の共振 周波数を持つから、出力発振器 121には他力ゝら発振周波数を制御できる他励マイク 口波発生器が使用される。
[0158] 本発明を実施する場合の出力発振器 121は、電磁波放射空間である検出領域 11 A— 14Aの変化によって、発振周波数 (f)の反射'吸収に対応できるものである。この 出力発振器 121の出力は、ミキサ 23を介して外パネル 11一 14の給電点 aに電気的 に接続されている。なお、検出領域 11A— 14Aは、外パネル 11一 14に対し、放射 するマイクロ波の周波数の半波長分の距離の外側に設定される。
[0159] バンドパスフィルタ 24は、 1個のミキシング周波数 (f+fo)のみ選択するフィルタで あり、また、 VSWRメータ 29は、バンドパスフィルタ 24を通過した周波数の VSWRを 検出している。結果的に、ミキサ 23は、出力発振器 121から得られた周波数 (f)と外 パネル 11一 14に重畳された周波数とを基準発振器 22から得られた周波数 (fo)でミ キシングしてダウンコンバートし、出力発振器 121の周波数変化をバンドパスフィルタ 24を介して変動差分の周波数として取出し、当該取出した周波数の定在波を VSW Rメータ 29によって検出している。
[0160] このとき、通常、出力発振器 121からの外パネル 11一 14に供給される周波数は、 外パネル 11一 14から効率よく放射されると全体の定在波比が小さくなる周波数に設 定される。念のために記載すると、通常、検出対象 31がない場合のバンドパスフィル タ 24を通過させた周波数の VSWRは、外パネル 11一 14力 放射されるマイクロ波 の放射効率を良くする意味で最小に設定される。しかし、本発明を実施する場合に は、前記 VSWRを最小にすることが前提条件になるものではない。
[0161] ところが、電磁波放射空間である検出領域 11A— 14Aの状態変化は、外パネル 1 1一 14と検出領域 11A— 14Aとの間の周波数マッチングにずれとなって現れる。こ のマッチングの検出は、検出対象 31が存在しないとき、 VSWRメータ 29をモニタして VSWRが最小になるようにして!/、る。
[0162] 即ち、外パネル 11一 14と検出領域 11A— 14Aは、外パネル 11一 14の大きさに対 し、十分波長が短 、特定周波数で外パネル 11一 14をアンテナとして検出領域 11A 一 14Aの検出対象 31を含んでマイクロ波の共振回路を形成するマイクロ波発振部 3 0を構成していることになる。 [0163] このように、外パネル 11一 14力も放射されるマイクロ波の周波数は、多数存在する 。出力発振器 121の周波数帯域は、それらの放射されるマイクロ波の周波数の一部 または全部を含むものである。ミキサ 23は、出力発振器 121から得られた周波数 (f) と基準発振器 22から得られた周波数 (fo)をミキシングしてダウンコンバートし、 VSW Rメータ 29によってその VSWRを測定している。 VSWRメータ 29をモニタして VSW Rが最小になるようにした状態を初期設定した状態では、人等が近接すると、人及び 外パネル 11一 14をアンテナとみなしたアンテナ相互の結合が生じ、それが特定周波 数の変化として検出される。
[0164] 更に、認識回路 27は、バンドパスフィルタ 24を通過した周波数の VSWRを検波す る VSWRメータ 29を通過させた信号によって、電磁波放射空間である検出領域 11 A— 14Aの状態変化を識別するものである。この検出された信号変化は、距離、大き さ等に相当する信号状態を予め基準情報を測定しておき、その基準情報力 距離、 大きさ等を推定することで、距離、大きさ等の検出を行うものである。
[0165] 即ち、このとき、検出対象 31としての人、物、大きさ等の情報は、それらの特性を認 識回路 27内部でマッピングしたデータと比較参照して検知する。この方法は、ドアの 自動開閉操作時の変化と、人や物との接近を区別することができる。また、認識回路 27はその出力を電子制御回路 2に入力している。
[0166] このとき、本実施の形態の近接センサを構成する出力発振器 121、基準発振器 22 、ミキサ 23、バンドパスフィルタ 24、 VSWRメータ 29は、車両 1の各ドアの外パネル 1 1一 14と内パネル(図示しない)との間に内蔵されている。そして、 VSWRメータ 29の 出力は、認識回路 27及び電子制御回路 2に入力されている。電子制御回路 2は、こ の実施の形態ではドア開閉システムの障害物検知装置を実行するマイクロコンピュ ータとなっている。
[0167] 本実施の形態の近接センサ 10は、外パネル 11一 14の大きさに対し、十分波長が 短い周波数で外パネル 11一 14及び検出領域 11A— 14Aの検出対象 31を共振回 路とするマイクロ波を発振する出力発振器 121と、ミキシング周波数を得るマイクロ波 を発振する基準発振器 22と、出力発振器 121から得られたマイクロ波を外パネル 11 一 14及び検出領域 11A— 14Aによって得られた出力周波数を、基準発振器 22から 得られた周波数にミキシングして所定の周波数を検出するミキサ 23と、ミキサ 23で検 出した周波数力も特定の周波数のみを選択するバンドパスフィルタ 24と、バンドパス フィルタ 24を通過させた周波数の定在波によって、外パネル 11一 14力 放射を行う 特定の出力周波数を決定する出力発振器 121へのフィードバック系 28と、バンドパ スフィルタ 24を通過させた周波数の定在波によって、検出領域 11A— 14Aの変化を 識別する認識回路 27とを具備するものである。
[0168] ここで、本実施の形態の近接センサ 10は、出力発振器 121と、基準発振器 22と、ミ キサ 23と、バンドパスフィルタ 24と、 VSWRメータ 29と、フィードバック系 28は、バン ドパスフィルタ 24を通過させた周波数の定在波によって、電磁波放射空間である検 出領域 11 A— 14Aと外パネル 11一 14からなる導電性パネルの共振を得るマイクロ 波発振部 30を構成している。マイクロ波発振部 30は、電磁波放射空間である検出領 域 11 A— 14Aの検出対象 31と外パネル 11一 14からなる導電性パネルの大きさに 対し、十分波長が短い周波数を供給する。
[0169] してみれば、本実施の形態の近接センサ 10は、外パネル 11一 14からなる導電性 パネルの大きさに対し、十分波長が短 、特定周波数で外パネル 11一 14からなる導 電性パネルをアンテナとして検出領域 11A— 14Aの検出対象 31を含んでマイクロ 波の共振回路を形成するマイクロ波発振部 30とを具備するものである。
[0170] このように構成した本実施の形態の近接センサ 10は、次のように動作する。
[0171] 本実施の形態の近接センサ 10は、外パネル 11一 14の大きさに対し、十分波長が 短い特定周波数で外パネル 11一 14をアンテナとし、検出領域 11A— 14Aの検出対 象 31を含んでマイクロ波の回路を形成する。マイクロ波が発振すると外パネル 11一 1 4には、各周波数に対応する電波伝搬の固有値に基づき幾つかの定在波が発生す る。発振周波数が外パネル 11一 14から電磁波となって放射されても、検出対象 31 がない場合には、電磁波放射空間に変化がないから、そのときの発振周波数の周波 数変動は施工条件によって決定される。ところが、外パネル 11一 14の近くに人等の 検出対象 31が近づくと、或いは存在する場合は、電磁波放射空間の電界が検出対 象 31で反射或いは吸収され、検出領域 11A— 14Aの電磁波放射空間の場が変化 する。 [0172] このように、検出領域 11A— 14Aと外パネル 11一 14と人等の検出対象 27の関係 は、空洞発振回路を形成する外パネル 11一 14から放射される特定の周波数で出力 発振器 121の出力が変化する。このように、検出対象 31と外パネル 11一 14との間の 相対距離に相当するマイクロ波の共振回路を形成できる回路構成は、マイクロ波の 電界'磁界の相互影響の方が検出対象 31の静電容量の影響よりも大きぐ外パネル 11一 14間の電界強度 (磁界)の共振回路としてみなすことができ、電磁波放射空間 の検出対象 31の静電容量に影響され難くなる。
[0173] 出力発振器 121の周波数力 外パネル 11一 14力もマイクロ波として放射されても、 反射または吸収を起こす検出対象 31が検出領域 11A— 14A内にない場合には、 出力発振器 121の周波数変動は生じない。ところが、外パネル 11一 14に人等の検 出対象 31が近づいたり、検出対象 31が存在したりすると、マイクロ波が検出対象 31 で反射或いは吸収され、電磁波放射空間の場が変化する。このとき、外パネル 11一 14に戻った反射波の検出対象 31からの距離に相当する波長成分 (周波数)が、外 パネル 11一 14から出力される出力発振器 121の周波数に近い周波数であると、多 数の種類の周波数成分が存在する状態になるが、現実には、共振現象の周波数とし ては 1つの周波数 (f)に変化する。この周波数変化を基準発振器 22の出力周波数 (f 0)をミキサ 23に導入し、このミキサ 23によってミキシングによりダウンコンバートした周 波数は、ミキシング周波数 (mf+nfo)となる。ミキサ 23からのミキシング周波数 (mf+ nfo)は、バンドパスフィルタ 24を通して変動差分の周波数、即ち、ミキシング周波数( f + f 0)を取出し、当該取出したミキシング周波数 (f + f 0)の定在波を VSWRメータ 29 によって検出している。
[0174] ミキシング周波数 (f+fo)の VSWRメータ 29の検出は、認識回路 27によってバンド パスフィルタ 24を通過した周波数の VSWRを検波する VSWRメータ 29を通過させ た信号の大小により、検出領域 11A— 14Aの状態変化によって識別するものである 。この検出された信号変化は、距離、大きさ等に相当する信号状態を予め基準情報 を測定しておき、その基準情報力も距離、大きさ等を推定することで、距離、大きさ等 の検出を行う。
[0175] 特に、出力発振器 121は、使用周波数が 300MHzから 300GHzのマイクロ波を発 振する発振器としたものであるから、廉価に、マイクロ波を発生することができ、装置 全体を廉価にすることができる。また、本実施の形態のアンテナは、車両 1のドアの外 パネル 11一 14としたものである。
[0176] なお、本実施の形態の近接センサ 10は、車両に用いているから、ドアの外パネル 1 1一 14のように導電性部材として使用できる構成部品が多く存在し、他の構成部品 の使用も可能であるから、車両用として使用するのが好適である。
[0177] [実施の形態 6]
上記実施の形態 1乃至実施の形態 5の近接センサ 10は、 UWB発振器 21のよう〖こ 出力周波数のバンド幅が広いもの、または出力発振器 121のように積極的に発振周 波数に帰還させ、発振周波数変化を生じさせる事例を説明したが、 300MHz— 300 GHzのマイクロ波を発振する出力発振器を負荷側に影響されやすい発振器としても 実施することができる。
[0178] 図 8は本発明の実施の形態 6の近接センサの機能ブロック図である。
[0179] 出力発振器 221は、周波数が 300MHz— 300GHzのマイクロ波を発振する発振 器で、アンテナとして機能する外パネル 11一 14からマイクロ波を放射し、外パネル 1 1一 14の外周囲に設定した検出領域 11A— 14Aに、検出しょうとする人、物体等の 検出対象 31が存在するカゝ否かを判断できる程度に周波数の偏移が可能なものであ る。
[0180] この出力発振器 221は、具体的には、外的要因で発振周波数が変化し易い、換言 すれば、 PLL回路等を有しな 、外的要因に同調しやす!/、誘電体発振器 (DRO)また は LC発振器を用いたものである。この出力発振器 221のアンテナ端子は、外パネル 11一 14の給受電点に電気的に接続されている。したがって、この出力発振器 221 は、検出領域 11A— 14Aの状態変化によって、その波長の変化、即ち、出力発振器 221の発振周波数の偏移、当該周波数の振幅の変化等を得ることができる。
[0181] 次に、電磁波放射空間の状態変化が、出力発振器 221の発振周波数の偏移、当 該周波数の振幅の変化等の周波数の変化に及ぼす影響について説明する。
[0182] 外パネル 11一 14は、出力発振器 221からマイクロ波の供給を受けて、外パネル 11 一 14の外方向にマイクロ波を放射する。電磁波放射空間の検出領域 11A— 14Aに 検出対象 31が存在する場合は、外パネル 11一 14から放射された電磁波が検出対 象 31で反射或いは吸収され、その反射或いは吸収された電磁波の影響が出力発振 器 221の出力周波数の変化となって現れる。即ち、外パネル 11一 14によって検出 対象 31を検出する領域は、共振回路 51として機能し、検出対象 31が存在するか否 かによつて異なる無数の共振周波数を持つことになる。出力発振器 221は、その具 現化された構造的装置、即ち、マイクロ波発生装置 52としてみると、 2— 3程度の複 数の共振周波数を有する。
[0183] ここで、共振回路 51とマイクロ波発生装置 52とを一体に接続した発振周波数は、 互いに近似した周波数であるために、共振回路 51の発振周波数が出力発振器 221 の発振周波数と引合って、両者は共通する 1つの特定の共振周波数で発振すること になる。
[0184] 即ち、外パネル 11一 14をアンテナとしてマイクロ波を放射する共振回路 51と、外パ ネル 11一 14の大きさに対し十分波長が短い周波数を出力する出力発振器 221から なるマイクロ波発生装置 52とは、共通する 1つの特定の共振周波数となる見做し回 路 50が形成される。
[0185] 出力発振器 221から出力され、外パネル 11一 14から放射されたマイクロ波は、検 出対象 31で反射或いは吸収される。この見做し回路 50における検出対象 31の存在 は、外パネル 11一 14から放射された電磁波が検出対象 31で反射或いは吸収され、 その結果が出力発振器 221の出力周波数の変化となって現れる。検出対象 31の検 出は、出力発振器 221の発振周波数の偏移、周波数の振幅の変化等の変化を検出 することにより、検出対象 31の存在'否存在、移動速度、大きさ等を得ることができる
[0186] 前述したように、外パネル 11一 14力もマイクロ波を放射しているとき、そこに検出対 象 31が近づくと、外パネル 11一 14と検出対象 31が互 、をアンテナと機能する空洞 共振回路と見做される見做し回路 50を形成する。この見做し回路 50において、検出 領域 11A— 14Aは、出力発振器 221から出力され、外パネル 11一 14から放射され たマイクロ波が、検出対象 31で反射或いは吸収され、出力発振器 221の発振周波 数の偏移、特定周波数の振幅となって反応する二次元領域となる。同様に、電磁波 放射空間とは、検出領域 11A— 14Aを三次元的に捉えたマイクロ波の放射される三 次元空間ともなる。したがって、本発明の実施の形態を説明する検出領域 11A— 14 Aの電磁波放射空間は、何れも検出対象 31を検出可能な領域を意味することになる
[0187] 一方、基準発振器 22は、 PLL回路等による出力周波数が変化し難い (安定した周 波数を出力する)回路で、電磁波放射空間の状態変化に影響されることのない特定 の周波数 (fo)からなる安定したマイクロ波を発振する発振器で、通常、出力発振器 2 21の出力周波数をミキサ 23でダウンコンバートするものである。
[0188] また、検波器 32は、バンドパスフィルタ 24を通過した信号を検波して所定の周波数 の振幅とする。このバンドパスフィルタ 24と検波器 32は、特定のミキシング周波数 (f +fo)のみ復調すればよいことであるから、本発明を実施する場合には、ノ ンドパスフ ィルタ 24と検波器 32の信号処理の順序を問うものではなぐ周波数変化を基準発振 器 (fo)によってミキシングし、バンドパスフィルタ 24を通して特定の周波数を取出し、 当該取出した周波数を検波器 32によって検波し、振幅変化に変換するものであれ ばよい。
[0189] 更に、認識回路 27は、バンドパスフィルタ 24を通過した周波数の信号を検波する 検波器 32を通過させた周波数の偏移及びその特定周波数の振幅 (電圧)変化として 認識し、識別するものである。検出された周波数の偏移及びその特定周波数の振幅 変化は、検出対象 31の距離、大きさに相当する周波数偏移、特定周波数の振幅を 予め基準電圧として測定しておき、その周波数偏移、基準電圧から距離、大きさ、移 動速度を推定するものである。このため、具体的には、 F— V変^^、 FFT等とメモリ 等で構成され、ミキサ 23を通過させた周波数の偏移、当該周波数の振幅の変化等 が記憶されて 、るメモリマップを有しており、当該メモリマップの情報と比較して電磁 波放射空間の変化を判断する。しかし、バンドパスフィルタ 24の帯域を狭くしたときに は、検出領域 11A— 14Aに検出対象 31が存在しないときと、存在するときに、バンド パスフィルタ 24を通過する検出対象 31の有無を 2値(ON, OFF)で検出することが できる。
[0190] そして、方向性結合器 28は、出力発振器 221の出力が電磁波放射空間である検 出領域 11A— 14Aの状態変化に左右され、その出力周波数が変化するから、その 変化する周波数成分のみミキサ 23に入力し、基準発振器 22の出力にまで影響を及 ぼさな 、ようにするものである。
[0191] 即ち、このとき、人、物、それらの大きさ等の周波数の偏移及び周波数の振幅情報 は、それらの情報を認識回路 27の内部で基準とする周波数の偏移及び振幅情報と 比較参照して、検出対象 31までの距離、検出対象 31の大きさ、検出対象 31の移動 速度を推定判断する。この方法は、車両 1のドアの自動開閉操作時の変化と、人や 物との接近をも区別することができる。
[0192] このように構成した本実施の形態の近接センサは、次のように動作する。
[0193] 出力発振器 21の出力は、車両 1の各ドアの外パネル 11一 14をアンテナとして、外 パネル 11一 14から電磁波放射空間にマイクロ波を放射する。このとき、外パネル 11 一 14と検出対象 31が互いをアンテナと機能する空洞共振回路と見做される見做し 回路 50を形成することになる。この空洞共振回路と見做される見做し回路 50の出力 は、 1つの周波数の変化として出力発振器 221の出力から得られた周波数 (f)に現 れる。得られた周波数 (f)と基準発振器 22から得られた周波数 (fo)は、ミキサ 23で基 準発振器 22から得られた周波数とミキシングされてダウンコンバートされ、ミキサ 23を 通過させた周波数の偏移、当該周波数の振幅の変化を認識回路 27で確認し、検出 対象 31の存在'否存在、移動速度、大きさ等を検出する。
[0194] このように、検出対象 31と外パネル 11一 14との間の相対距離に相当するマイクロ 波の空洞共振回路と見做される見做し回路 50は、マイクロ波の電界'磁界の相互影 響の方が検出対象 31の静電容量の影響よりも大きぐ外パネル 11一 14間の電界強 度 (磁界)の共振回路 51として見做すことができ、電磁波放射空間の検出対象 31の 静電容量に影響され難くなる。
[0195] 出力発振器 221の周波数が外パネル 11一 14カゝらマイクロ波として放射されても、 反射または吸収を起こす検出対象 31が電磁波放射空間内にない場合には、出力発 振器 221の周波数変動は生じない。
[0196] ところが、外パネル 11一 14の近くに検出対象 31が近づくと、マイクロ波が検出対象 31で反射或いは吸収され、電磁波放射空間の状態が変化する。このとき、外パネル 11一 14に戻った反射波の検出対象 31からの距離に相当する周波数成分 (波長成 分)は、外パネル 11一 14から出力される出力発振器 221の周波数に近い周波数で あり、形式的には、 2種類の周波数が存在する状態になる。しかし、現実には、互い に結合し、共振現象の周波数としては 1つの周波数 (f)に変化する。この周波数変化 を基準発振器 22の出力周波数 (fo)をミキサ 23に導入し、このミキサ 23によってミキ シングした周波数は、ミキシング周波数(|f +fo|)とミキシング周波数(|f fo|)となる。ミ キサ 23からのミキシング周波数(|f +fo|、 |f-fo|)は、バンドパスフィルタ 24を通して変 動差分の周波数、即ち、ミキシング周波数 (f+fo)またはミキシング周波数 (f fo)を 取出し、当該取出したミキシング周波数 (f+fo)またはミキシング周波数 (f fo)を検 波器 (Sカーブ特性器) 32によって検波し、ミキシング周波数 (f+fo)またはミキシング 周波数 (f fo)の振幅を検出する。ミキサ 23を通過させたミキシング周波数 (f +fo)ま たはミキシング周波数 (f fo)の偏移、当該周波数の振幅の変化を認識回路 27で確 認することにより、検出対象 31の存在,否存在、移動速度、大きさ等を検出する。
[0197] 本実施の形態で使用する出力発振器 221は、使用周波数が 300MHzから 300G Hzのマイクロ波を発振する誘電体発振器としたものであるから、廉価に、マイクロ波 を発生することができ、装置全体を廉価にすることができる。
[0198] したがって、公知のスマートキーと組み合わせると、車両 1の運転手が車両 1に近づ くことにより、ドアの開放を行うことができる。このとき、電子制御回路 2は、例えば、運 転手側のドアの反対側に人が隠れていることが検出できるから、運転手にそれを警 告することができる。また、電子制御回路 2は、必要に応じて、運転手側のドアを開放 しないようにし、異常を警報することもできる。勿論、電子制御回路 2は、運転手側の ドアのみを開放し、運転手の乗り込みを急がせ、全ドアをロック状態とすることもできる 。即ち、車両 1付近に第三者がいることを、スマートキーの持ち主と区別することで判 定し、運転者にそれを警告することができる。カロえて、電子制御回路 2は、スマートキ 一との区別により、人が近づくとキー操作なしてドアを開放し、人が離れると閉鎖する ことちでさる。
[0199] [実施の形態 7]
上記実施の形態 1乃至実施の形態 6の近接センサ 10は、出力周波数のバンド幅が 広い UWB発振器 21、積極的に発振周波数に帰還させ、発振周波数変化を生じさ せる出力発振器 121を用いる事例を説明したが、アンテナとして機能する外パネル 1 1一 14と、その外パネル 11一 14の外周囲に設定した検出領域 11A— 14Aと、検出 しょうとする検出対象 31が存在するか否かの空間を発振器とすることによつても、この 発明は実施できる。
[0200] 図 9は本発明の実施の形態 7の近接センサの機能ブロック図である。
[0201] 車両 1の各ドアの金属板等の導電性からなる外パネル 11一 14には、その受電点 b 力もバンドパスフィルタ 24と高周波増幅器 25と方向性結合器 28を直列接続し、給電 点 aに接続されている。
[0202] 外パネル 11一 14の受電点 bからバンドパスフィルタ 24を通過したマイクロ波の特定 の周波数領域の周波数は、高周波増幅器 25で増幅され、給電点 aに供給され、外 パネル 11一 14の受電点 bで受波した特定の周波数は高周波増幅器 25で増幅され 、給電点 aに帰還され、発振状態となる。
[0203] つまり、受電点 bには、外部環境等力 のノイズや高周波増幅器 25の熱雑音によつ て、ホワイトノイズが存在している。そのため、このノイズを元に利得が 1より大きぐ力 つ、信号の位相が 360度になる条件で帰還すれば発振状態になる。
[0204] ここで、方向性結合器 28は、バンドパスフィルタ 24から高周波増幅器 25を通して 給電点 aに出力するのを可能とし、外パネル 11一 14の受電点 bで受波された周波数 を検出する。ミキサ 23は、方向性結合器 28によって生じている帰還状態の周波数 (f )と発振器 22から得られた周波数 (fo)をミキシングするもので、具体的には、ミキシン グにより、ミキシング周波数 (mf+nfo)を得るものである。また、 Sメータ(シグナルメー タ) 33は、方向性結合器 28によって生じている帰還状態の周波数 (f)とのミキシング 周波数 (f +fo)の出力(特定周波数の振幅、周波数の推移)を検出している。結果的 に、方向性結合器 28によって生じている帰還状態の周波数 (f)の変化を発振器 (fo) によってミキシングし、当該取出した周波数の変化或いは波の変化を Sメータ 33によ つて検出している。
[0205] ここで、本実施の形態の近接センサ 10は、外パネル 11一 14に給電点 a及び受電 点 bを設定し、受電点 bから得られた周波数を増幅し、周波数を給電点 aに帰還させ ることによって、外パネル 11一 14の大きさに対し、十分波長が短い周波数で外パネ ル 11一 14をアンテナとしてマイクロ波を発振させる発振回路 60を構成し、アンテナと して機能する外パネル 11一 14とそれらの外パネル 11一 14の周囲の電磁波放射空 間である検出領域 11A— 14Aによって共振器が構成される。
[0206] 本発明を実施する場合の発振器 22は、外パネル 11一 14をアンテナとしてマイクロ 波を発振させる発振回路 60の周波数 (f)の変化を検出するもので、外パネル 11一 1 4から放射する発振周波数の周波数 (f)をダウンコンバートするものである。
[0207] また、 Sメータ(シグナルメータ) 33は、方向性結合器 28によって生じている帰還状 態の周波数 (f)とのミキシング周波数 (f +fo)の発振周波数の変化を検出して 、る。 結果的に、方向性結合器 28によって生じている帰還状態の周波数 (f)の変化は、発 振器 (fo)によってミキシングし、当該取出した周波数を Sメータ 33によって検出して いる。
[0208] このとき、アンテナとして機能する外パネル 11一 14とそれらの周囲の電磁波放射空 間である検出領域 11A— 14Aによって形成される共振器の周波数は、検出対象 31 が存在しないとき、 Sメータ 33をモニタして所定の閾値以上になるようにしている。し かし、検出対象 31が存在すると、電磁波放射空間である検出領域 11A— 14Aの状 態変化によって、外パネル 11一 14と検出領域 11A— 14Aとの間の発振周波数が変 化するから、 Sメータ 33の出力は所定の閾値未満となる。
[0209] このように、ミキサ 23は、方向性結合器 28によって生じている帰還状態の周波数 (f )と発振器 22から得られた周波数 (fo)をミキシングしてダウンコンバートし、 Sメータ 3 3によって特定周波数の出力を測定している。 Sメータ 33をモニタして特定周波数の 出力(周波数の偏移、特定周波数の振幅)の変化は、検出対象 31が近接或いは存 在すると、検出対象 31及び外パネル 11一 14をアンテナと見做したアンテナ相互の 結合が生じ、周波数変化として検出される。
[0210] 更に、認識回路 27は、バンドパスフィルタ 24を通過した周波数の偏移、特定周波 数または各周波数の振幅等の出力を Sメータ 33を通過させた信号によって、電磁波 放射空間である検出領域 11A— 14Aの状態変化として認識するものである。この検 出された周波数の変化は、距離、大きさ等に相当する状態を予め基準周波数パター ン情報として測定しておき、その基準周波数パターン力も距離、大きさ等を推定する ことで、距離、大きさ等の検出を行う。また、この検出内容は、基準周波数パターンの 時間的変化をもって、移動速度とすることもできる。このとき、人、物、大きさ等の基準 周波数パターンは、それらの特性を認識回路 27内部で周波数、振幅の大きさ、それ らの変化速度等をマッピングした基準周波数パターンのデータと比較参照して判断 する。この判断方法は、ドアの自動開閉操作時の変化と、静止または移動中の人や 物との接近状態も区別することができる。
[0211] このとき、本実施の形態の近接センサを構成する発振器 22、ミキサ 23、バンドパス フィルタ 24、高周波増幅器 25、方向性結合器 28、 Sメータ 33は、車両 1の各ドアの 外パネル 11一 14と内パネル(図示しない)との間に内蔵されている。そして、 Sメータ 33の出力は、認識回路 27及び電子制御回路 2に入力されている。電子制御回路 2 は、この実施の形態ではドア開閉システムの障害物検知装置を実行するマイクロコン ピュータとなっている。
[0212] このように、本実施の形態の近接センサ 10は、外パネル 11一 14に給電点 a及び受 電点 bを設定し、受電点 bから得られた周波数を増幅し、当該周波数を給電点 aに増 幅して帰還させることによって、外パネル 11一 14の大きさに対し、十分波長が短い 周波数で外パネル 11一 14をアンテナとしてマイクロ波を発振させる受電点 bから得ら れた周波数を特定の周波数領域とするバンドパスフィルタ 24及び周波数領域の周 波数を給電点 aに増幅して帰還させる高周波増幅器 25からなる発振回路 60と、受電 点 bから給電点 aの間の経路に接続され、発振回路 60の発振状態を検出する方向性 結合器 28と、方向性結合器 28によって生じている帰還状態をダウンコンバート用の 周波数を入力してミキシング検出するミキサ 23と、ミキサ 23を通過させた周波数によ つて、検出領域 11A— 14Aの変化を認識する認識回路 27とを具備するものである。
[0213] したがって、外パネル 11一 14がアンテナとする発振回路 60は、外パネル 11一 14 の受電点 bからバンドパスフィルタ 24を介して特定の周波数領域の周波数とし、その 周波数領域の周波数を高周波増幅器 25で増幅し、外パネル 11一 14の給電点 aに 供給され、マイクロ波を発振する。外パネル 11一 14から電磁波が検出領域 11A— 1 4A に放射され、その検出領域 11A— 14Aと外パネル 11一 14との関係で、外パネル 11 一 14から放射される特定の周波数状態、即ち、複数の周波数で共振状態となる。発 振回路 10の発振周波数が外パネル 11一 14から放射されても、反射または吸収を起 こす検出対象 31が検出領域 11A— 14Aにない場合には、発振周波数の周波数変 動は生じない。
[0214] しかし、電磁波放射空間となっている検出領域 11A— 14Aに人等の検出対象 31 が近づくと、外パネル 11一 14との間にマイクロ波の共振器を形成して、外パネル 11 一 14から放射される共振周波数状態が変化する。即ち、外パネル 11一 14の近く〖こ 人等の検出対象 31が近づくと、検出領域 11A— 14Aの電界が検出対象 31によって 反射或いは吸収され、電磁波放射空間の場が変化する。電磁波放射空間の場の変 化は、方向性結合器 28によって周波数の変化として検出し、それをミキサ 23にダウ ンコンバート用の周波数と共に入力し、ミキサ 23を通過させた周波数によって、検出 領域 11 A— 14Aの変化を認識する。
[0215] この発振回路 60の発振周波数は、方向性結合器 28によって生じている帰還状態 をダウンコンバート用の周波数を入力したミキサ 23でミキシングし、ミキサ 23を通過さ せた周波数によって、検出領域 11A— 14Aの変化を認識回路 27で判断するもので ある。即ち、方向性結合器 28を通して発振回路 60の周波数を取出し、その発振周 波数の存在 (シグナルメータ出力)のパターンを判断する。この検出された周波数パ ターンは、検出対象 11A— 14Aの距離、大きさ等に対応する周波数の変化を予め 基準周波数パターンとして記憶しておき、その既知の基準周波数パターンと検出し ている周波数とを比較し、その基準周波数パターン力も検出対象 31の距離、大きさ 等の検出を行う。
[0216] 検出領域 11A— 14Aの場に検出対象 31が存在しないとき、外パネル 11一 14から 放射された特定の発振周波数の閾値以上に設定しておけば、外パネル 11一 14から 放射された特定の発振周波数の閾値未満となったとき、検出領域 11A— 14Aの場 の変化として検出対象 31が検出できる。
[0217] 更に、認識回路 27は、通常、電磁波放射空間である検出領域 11A— 14Aの変化 を発振周波数の変化として認識するものであり、既知の距離、大きさ等に対応する基 準周波数パターンとの比較を行うことにより、距離、大きさ等を検出するもので、アナ ログ回路またはデジタル回路で構成されるものであればよい。
[0218] 特に、電磁波放射空間となっている検出領域 11A— 14Aには、検出対象 31が存 在するとき、外パネル 11一 14及び検出対象 31をアンテナとするアンテナ相互間の 空洞共振器として見做す構成により、電磁波の電界'磁界の相互影響の方が大きく なり、検出領域 11A— 14Aの検出対象 31の静電容量に影響され難くなるから、検出 精度が向上する。
[0219] また、本実施の形態のアンテナは、車両 1のドアの外パネル 11一 14としたものであ る力 ドアの開閉によって、外パネル 11一 14の条件が変化し、検出領域 11A— 14A の状態変化が発生するが、その場合にも、発振器 22の放射する周波数により、如何 なる条件でも、検出領域 11A— 14Aを設定することができる。
[0220] このように、上記実施の形態の近接センサ 10は、外パネル 11一 14に給電点 a及び 受電点 bを設定し、受電点 bから得られた周波数を増幅し、当該周波数を給電点 bに 帰還させることによって、外パネル 11一 14の大きさに対し、十分波長が短い周波数 で外パネル 11一 14をアンテナとしてマイクロ波を発振させる発振回路 60とを具備し 、検出領域 11A— 14Aの変化を発振回路 60から得られた周波数の変化として検出 するものである。
[0221] したがって、外パネル 11一 14をアンテナとする発振回路 60が発振し、外パネル 11 一 14力も電磁波が検出領域 11 A— 14Aに放射され、その検出領域 11 A— 14Aと 外パネル 11一 14との関係で、外パネル 11一 14から放射される特定の周波数状態 の共振状態となる。発振回路 60の発振周波数が外パネル 11一 14から放射されても 、反射または吸収を起こす検出対象 31が検出領域にない場合は、発振周波数の周 波数変動が生じない。しかし、電磁波放射空間となっている検出領域 11 A— 14Aに 人等の検出対象 31が近づくと、検出対象 31をアンテナとし、外パネル 11一 14との 間にマイクロ波の空洞発振器を形成して、外パネル 11一 14から放射される共振周波 数状態が変化する。即ち、外パネル 11一 14の近くに人等の検出対象 31が近づくと 、検出領域 11A— 14Aの電界が検出対象によって反射或いは吸収され、電磁波放 射空間の場が変化する。それを検出することによって、検出対象 31の接近を検出で きる。
[0222] ここで、外パネル 11一 14は、取付け対象に一体または分離可能な導電体であれ ばよい。また、外パネル 11一 14の外側に設定した検出領域 11A— 14Aは、外パネ ル 11一 14及びマイクロ波の波長等によって決定される力 通常、 lm以内の任意の 距離に設定される。そして、発振回路 60は、外パネル 11一 14に給電点 a及び受電 点 bを設定し、受電点 bから得られた周波数を増幅し、当該周波数を給電点 aに増幅 して帰還させることによって、マイクロ波を発振させることができるものであればよい。 更に、上記検出領域 11A— 14Aの変化を発振回路 60から得られた周波数の変化と しての検出は、外パネル 11一 14の近くの人等の検出対象 31の変化を発振回路 60 力も得られた周波数の変化として検出するものであり、周波数の変化をパターンとし て検出してもよいし、所定の閾値との比較で判断することもできる。
[0223] したがって、検出領域 11A— 14A及びその検出対象 31に応じてマイクロ波の発振 周波数が変化するから、電磁波の電界'磁界の相互の影響力が大きぐ電磁波放射 空間の検出対象 11A— 14Aの静電容量に影響され難くなる。
[0224] 特に、本実施の形態の近接センサ 10は、マイクロ波の発振回路 60が電磁波放射 空間となっている検出領域 11A— 14Aの検出対象 31との間の空洞共振器として見 做すことができ、電磁波の電界'磁界の相互影響の方が大きくなり、検出領域 11A— 14Aの検出対象 31の静電容量に影響され難くなるから、検出精度が向上する。また 、本実施の形態の近接センサ 10は、使用周波数が 300MHzから 300GHzのマイク 口波の使用によって、従来の静電容量検出方式タイプに比較して、検出領域 11A— 14Aの湿度、温度、水蒸気、圧力等の雰囲気によって影響を受けない検出を可能と するため、装置が廉価となる。そして、本実施の形態の近接センサ 10は、マイクロ波 の使用のドップラー検出と異なり、検出領域 11A— 14Aの検出対象 31が移動してい なくても検出できる。よって、本実施の形態の近接センサ 10は、近距離の検出が容 易であり、かつ、廉価に製造可能な状態検出を行うことができる。
[0225] 即ち、本実施の形態の近接センサ 10は、方向性結合器 28を通してマイクロ波の発 振周波数を取出し、その発振周波数のパターンを判断する。この検出された発振周 波数のパターンは、検出対象の距離、大きさ等に対応する基準周波数パターンとし て記憶しておき、方向性結合器 28を通して検出したデータと比較し、その基準周波 数パターンから検出対象の距離、大きさ等、必要に応じて、その速度の検出を行う。
[0226] このとき、検出領域 11A— 14Aに検出対象 31が存在しないとき、単純に、外パネ ル 11一 14から放射された特定の発振周波数を特定した閾値しておけば、検出した 周波数が当該閾値からの変化によって、検出領域の場の変化として検出対象の検 出がオン、オフで検出できる。
[0227] そして、使用周波数が 300MHzから 300GHzのマイクロ波であれば、検出領域 11 A— 14Aの湿度、温度、水蒸気、圧力等の雰囲気によって影響を受けない検出を可 能とし、装置が廉価となる。よって、本実施の形態の近接センサ 10は、近距離の検出 が容易であり、かつ、廉価に製造可能な状態検出を行うことができる。
[0228] 上記実施の形態に力かる近接センサは、湿度、温度、気圧変化を伴う電磁波放射 空間からなる検出領域 11A— 14Aと導電性部材としての外パネル 11一 14または存 在する検出対象 31と共にマイクロ波の回路を形成する。その検出領域 11A— 14A の検出対象 31と導電性部材としての外パネル 11一 14で形成される前記マイクロ波 の回路は、検出領域 11A— 14Aに検出対象 31が存在すれば、アンテナとして機能 する導電性部材としての外パネル 11一 14の伝播状態が変化するので、その伝播状 態としての各波長成分 (周波数成分)の電波伝搬の固有値の変化によって検出対象 31の存在、否存在を検出できるものである。ここで、検出領域の検出対象を検出する マイクロ波の回路は、その振動を増幅して導電性部材に帰還をかけることにより、自 励発振させることができる。また、このマイクロ波の回路は、特定周波数のマイクロ波 を用いて導電性部材を励振させることによって他励発振させられた回路とすることが できる。そして、このマイクロ波の回路は、アンテナとして機能する導電性部材の電波 伝搬の固有値の変化を求めるものであるから、外部からのエネルギの供給をワイドバ ンドの周波数を供給する UWB発振器を具備する回路構成とすることができる。
[0229] 即ち、本発明の実施の形態は、取付け対象に一体または分離可能に取付けてなる 導電性部材としての外パネル 11一 14と、外パネル 11一 14の外側に設定した湿度、 温度、気圧変化を伴う電磁波放射空間からなる検出領域 11A— 14Aと、外パネル 1 1一 14をアンテナとして機能させて、外パネル 11一 14の大きさに対し十分波長が短 いマイクロ波を放射し、検出領域 11A— 14A内の空間に存在する検出対象 31の存 在を電波伝搬の固有値の変化として外パネル 11一 14で検出するマイクロ波の回路 とを具備し、前記マイクロ波の回路による電波伝搬の固有値の変化を、前記検出領 域の変化として検出する構成とすることができる。
[0230] したがって、電磁波放射空間となっている検出領域 11A— 14Aの検出対象 31と外 パネル 11一 14との間には、電磁波の電界'磁界の相互の影響力が大きいマイクロ波 の回路を形成し、その検出領域 11A— 14A及びその検出対象 31に応じた周波数が 伝播される。外パネル 11一 14の外側に検出対象 31が存在しない場合は、アンテナ 特性に従い伝達関数等の電波伝搬の固定値が一義的に決定される。特に、使用周 波数がマイクロ波の回路とすることにより、電磁波の電界 ·磁界の相互の影響力が大 きぐ検出領域 11A— 14Aの検出対象 31の静電容量に影響され難くなるから、従来 の静電容量検出方式タイプに比較して、検出領域 11A— 14Aの湿度、温度、水蒸 気、圧力等の雰囲気によって影響を受けない検出が可能となり、装置が廉価で検出 精度が向上する。また、ドップラー周波数の検出と異なり、検出領域 11A— 14Aの検 出対象が移動していなくても検出可能となる。また、アンテナとして機能する外パネル 11一 14には、放射できる多数の共振周波数が存在し、その伝播状態の変化を検出 するものである力ら、格別、外パネル 11一 14の特性を仔細に調査することなく実施 できる。
[0231] よって、本発明の実施の形態は、検出対象の周囲の雨や湿度の変化等による環境 変化や経年劣化による誤動作がなぐ小型化可能で、廉価かつ高精度で、例え、検 出対象が静止していても検出可能であり、し力も、検出速度を高速化でき、車両等の 金属で構成されているものにも使用可能な近接センサとすることができる。
産業上の利用可能性
[0232] 本発明は、電磁波放射空間の湿度、温度、水蒸気、圧力等の雰囲気の影響を受け ないで検出対象 31の近距離の検出を可能とするから、ドア開閉システムの障害物検 知装置、防犯システム、キーレスエントリーシステム等のセンサのみでなぐ従来の静 電容量検出方式タイプに比較して、自然界の空気中の湿度変化等の気象条件が変 化しても、それに影響されなくなるから、各種の近距離を検出するセンサとして使用 できる。
[0233] なお、この種の本発明の実施の形態の近接センサ 10は、車両以外にも、人体の移 動、存在を検出するシャワートイレのセンサ等にも使用でき、その使途は車両に限定 されるものではない。例えば、人体の移動、存在を検出するシャワートイレのセンサの よう〖こ汎用ィ匕させることもできる。このとき、例えば、外パネル 11一 14はアンテナと機 能させればよい。他の構成は上記実施の形態と相違するものはない。また、取付け 対象に一体または分離可能に取付けてなる外パネル 11一 14は、平面的パネルに限 定されるものではなぐ帯状、線状部材を加工した形状とすることができる。
[0234] このとき、本発明の実施の形態の近接センサ 10は、取付け対象に一体または分離 可能に外パネル 11一 14等の導電性部材を取付け対象に配設すればよ!/ヽ。
[0235] なお、汎用化された近接センサ 10においても、上記実施の形態と同様の構成とす ることができ、かつ、同様の作用効果を奏するので、その詳細な説明は割愛する。
[0236] また、車両 1に取付ける場合でも、走行中に前方バンパーで検出対象 31を跳ねた とき、それを本実施の形態の近接センサ 10で検出し、ボンネットの上に検出対象 31 が載る可能性が高いので、ボンネットを浮き上がらせ、ボンネット状に軟着陸させるよ うにすることができる。または、ボンネットにエアバックを作動させることができる。
[0237] そして、本実施の形態の近接センサ 10を後方バンパーに取付けることにより、バッ クソナ一としても使用できる。
[0238] 更に、本実施の形態の近接センサ 10は、車両のシートに配設することにより、着座 の有無、着座の姿勢を検出し、ヘッドレストの昇降、起倒等の制御にも使用できる。

Claims

請求の範囲
[1] 取付け対象に一体または分離可能に取付けてなる導電性部材と、前記導電性部 材の外側に設定した湿度、温度、気圧変化を伴う電磁波放射空間からなる検出領域 と、前記導電性部材をアンテナとして機能させて、前記導電性部材の大きさに対し十 分波長が短いマイクロ波を放射し、前記検出領域内の空間に存在する検出対象の 存在を電波伝搬の固有値の変化として検出するマイクロ波の回路とを具備し、前記 マイクロ波の回路による前記固有値の変化を、前記検出領域の変化として検出する ことを特徴とする近接センサ。
[2] 前記マイクロ波の回路には、前記導電性部材カも放射するマイクロ波のワイドバンド の周波数を供給する UWB (Ultra Wide Band)発振器を具備し、前記導電性部材と 前記検出領域との間に共振回路を形成し、前記 UWB発振器の給電点から供給した 周波数の伝播状態の違いから、前記検出領域の変化を検出することを特徴とする請 求項 1に記載の近接センサ。
[3] 前記電波伝搬の固有値の変化の検出は、前記導電性部材の周波数を UWB発振 器の給電点に接続された方向性結合器と、バンドパスフィルタを通過させた後、増幅 手段で増幅し、かつ、ダウンコンバート用の周波数を入力してミキシングするミキサと 、前記ミキサを通過させた周波数によって前記検出領域の変化を検出する認識回路 とを用いて行うことを特徴とする請求項 2に記載の近接センサ。
[4] 前記電波伝搬の固有値の変化の検出は、前記導電性部材の周波数を 1または 2以 上の個別に配置された前記受電点力も導入し、かつ、ダウンコンバート用の周波数を 入力してミキシングするミキサと、前記ミキサを通過させた周波数によって前記検出領 域の変化を検出する認識回路を用いて行うことを特徴とする請求項 2に記載の近接 センサ。
[5] 前記電波伝搬の固有値の変化の検出は、前記導電性部材と前記検出領域との間 に共振回路を形成し、前記 UWB発振器の給電点から供給した周波数の伝播状態 の変化から、前記検出対象の変化及び移動速度として検出を行うことを特徴とする請 求項 2乃至請求項 4のいずれか 1つに記載の近接センサ。
[6] 前記検出対象の変化及び移動速度の認識は、前記導電性部材の周波数を導入し 、かつ、ダウンコンバート用の周波数及び前記 UWB発振器の周波数を入力してミキ シングするミキサと、前記ミキサを通過させた周波数によって前記検出対象の変化及 び移動速度を検出する認識回路を用いて行うことを特徴とする請求項 5に記載の近 接センサ。
[7] 前記マイクロ波の回路は、前記検出領域を含んでマイクロ波の共振回路を形成す るマイクロ波発振部を具備することを特徴とする請求項 1に記載の近接センサ。
[8] 前記マイクロ波発振部は、前記導電性部材から放射するマイクロ波を生成する周波 数を供給する出力発振器と、前記導電性部材から得られたマイクロ波の周波数と基 準発振器力 得られた周波数をミキシングし、所定の周波数を検出するミキサと、前 記ミキサでミキシングされた周波数力も特定の周波数のみを選択するバンドパスフィ ルタと、前記バンドパスフィルタを通過させた周波数によって前記出力発振器に帰還 するフィードバック系とを具備することを特徴とする請求項 7に記載の近接センサ。
[9] 前記マイクロ波発振部は、前記バンドパスフィルタを通過させた周波数の定在波に よって、前記検出領域の変化を識別する認識回路を具備することを特徴とする請求 項 7または請求項 8に記載の近接センサ。
[10] 前記マイクロ波の回路は、前記導電性部材にマイクロ波を出力する出力発信器を 具備し、前記導電性部材の外側に設定した検出領域内に検出対象があるとき、前記 導電性部材と前記検出領域の検出対象との間に空洞共振回路と見做される見做し 回路が形成されて、当該見做し回路の周波数を前記出力発振器力 得て、前記検 出領域の検出対象を前記出力発振器の発振周波数の変化として検出されることを特 徴とする請求項 1に記載の近接センサ。
[11] 前記出力発振器の出力側には、前記出力発振器力 出力された周波数と基準発 振器力 得られた周波数とをミキシングするミキサと、前記ミキサでミキシングした周波 数を選択すると共に検波した周波数の信号によって、前記導電性部材の外側に設 定した検出領域内の検出対象を認識する認識回路とが具備されることを特徴とする 請求項 10に記載の近接センサ。
[12] 前記出力発振器は、誘電体発振器または LC発振器としたことを特徴とする請求項 10または請求項 11に記載の近接センサ。
[13] 前記マイクロ波の回路の前記導電性部材に給電点及び受電点を設定し、前記受 電点から得られた周波数を増幅し、当該周波数を前記給電点に帰還させることによ つて、マイクロ波を発振させる発振回路とし、前記検出領域の変化を前記発振回路か ら得られた周波数の変化として検出することを特徴とする請求項 1に記載の近接セン サ。
[14] 前記導電性部材の前記受電点力 得られた周波数を特定の周波数領域とするバ ンドパスフィルタ及び当該周波数領域の周波数を前記給電点に増幅して帰還させる 高周波増幅器力 なる発振回路と、前記受電点力 給電点の間の経路に接続され、 前記発振回路の発振状態を検出する方向性結合器と、前記方向性結合器によって 生じている帰還状態をダウンコンバート用の周波数を入力してミキシング検出するミ キサと、前記ミキサを通過させた周波数によって、前記検出領域の変化を認識する認 識回路とを具備することを特徴とする請求項 13に記載の近接センサ。
[15] 前記導電性部材は、車両に対して開閉自在に取付けられてなる開閉体であること を特徴とする請求項 1乃至請求項 14の何れか 1つに記載の近接センサ。
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