WO2005016697A1

WO2005016697A1 - 車載用表示装置

Info

Publication number: WO2005016697A1
Application number: PCT/JP2004/012158
Authority: WO
Inventors: Takashi Kuwabara; Toshikazu Hattori; Susumu Ibaraki; Akihiro Morimoto; Hiroyuki Hamada; Masakazu Otsuka; Seiichi Nakagawa; Kazumasa Nagashima
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2003-08-19
Filing date: 2004-08-18
Publication date: 2005-02-24
Also published as: US20080010875A1; JPWO2005016697A1; EP1671845A1; CN1745003A; EP1671845A4

Abstract

　本発明は、自動車などの車両に搭載する車載用表示装置において、映像を表示する表示手段（４）と、表示手段（４）を支持し、車両にかかる加速度による表示手段（４）の移動または回転が可能な構造を備える支持手段（３）と、表示手段（４）の位置を支持手段（３）により制御する制御手段（２）とを備えることにより、車両にかかる左右方向の加速度の大きさに応じて表示手段の位置を移動し、乗員の目の位置の移動に対応する表示装置の実現を図る車載用表示装置を提供する。

Description

車載用表示装置技術分野

本発明は、車両に搭載され、車両の乗員に映像を提供するための車载用表示装置に関する。

明背景技術田

従来、映像視認者の目の位置を検出し、映像視認者の目の位置が移動した場合に、その移動方向に追従して映像視認者に立体画像を提供する技術がある。第 1 4図は、例えば、特開 2 0 0 1— 2 4 2 4 1 7号公報に開示されている従来の瞳孔位置移動対応型表示装置の構成を示す図である。具体的には、赤外光発光手段、赤外光力メラ、可視光力メラなどにより構成される瞳孔位置検出装置 1 0 1が視認者の目の位置を検出し、視認者の目の位置が移動した場合には、移動後の位置で視認者が立体画像を視認できるように、立体画像を生成するためのマスクパターンの発光領域を追従制御して、表示装置 1 0 2の内側にある立体画像表示領域 1 0 3に立体画像を表示する。したがって、視認者の目の位置が移動した場合でも視認者は立体画像を視認することができる。

しかしながら、自動車などの車両に表示装置を搭載する場合、車両が右左折 · 旋回、急制動、急加速などをすると、加速度により車両の乗員が左右、上下、前後に振られ、乗員と表示装置が正対しなくなり、表示装置の画面が見にくくなる。画面が見にくくなるという課題に対して、上記技術をそのまま車载用として適用すると、視認者の目の位置を検出するための構成として、赤外光発光手段、赤外光力メラ、可視光力メラなどが備えられているため、構成が複雑でかつ高価になってしまう。

発明の開示この課題を解決するために、車両が右左折 ·旋回、急制動、急加速などをして、車両に加速度がかかり、車両の乗員が左右、上下、前後に振られても、乗員が表示装置の画面を見やすく、しかも、簡単な構成でかつ安価に実現できる車載用表示装置を提供することを目的とする。

本発明の車载用表示装置は、車両に搭載される車載用表示装置であって、映像を表示する表示手段と、表示手段を支持し表示手段が静止時位置からの移動または回転可能な構造を備える支持手段と、車両にかかる加速度に応じて前記表示手段の空間的位置を制御する制御手段とを備えている。

また、制御手段は、表示手段の空間的位置を静止時位置に戻す力を加える構造を備えるものである。

あるいは、支持手段は、表示手段に直接固定または間接的に接続される第 1 の接続部と、第 1の接続部に対し移動または回転可能な構造で接続される第 2 の接続部とを備え、制御手段は、表示手段が静止時位置にある場合の第 1および第 2の接続部が接する面上または点上において弾性力を与えるばね部を備え、表示手段の空間的位置を静止時位置に戻す力を加えてもよい。

あるいは、支持手段は、表示手段に直接固定または間接的に接続される第 1 の接続部と、第 1の接続部に対し移動または回転可能な構造で接続される第 2 の接続部とを備え、制御手段は、表示装置が静止時位置にある場合の第 1および第 2の接続部が接する面上または点上において磁力により双方を引き付けるまたは押し返すための磁気部を備え、磁気部が表示装置の空間的位置を静止時位置に戻す力を加えてもよい。

あるいは、磁気部は電磁コイルであり、制御手段は、表示手段が静止時位置にある場合の第 1および第 2の接続部が接する面上または点上のうちの少なくとも一方に電磁コイルを備え、電磁コイルが表示手段の空間的位置を静止時位置に戻す力を加えてもよい。

あるいは、制御手段は、電磁コイルに電流を流すかどうかを切り替えるスィツチまたは電磁コイルに流す電流の電流量を調整する電流調整部のうちの少なくとも一方を備え、加速度に対する表示手段の移動量を調整可能としてもよい。あるいは、車両の進行方向に対して左右、上下、前後のうちの少なくとも 1 つの加速度を検出する加速度検出手段を備え、制御手段は、加速度検出手段からの加速度に応じて表示手段の位置を制御してもよい。

あるいは、支持手段は、車両の進行方向に対して左右、上下のうちの少なくとも 1つの方向に表示手段の表示面を回転させる機構を備えており、制御手段は支持手段の機構を回転させて車両の加速度と反対の方向に表示手段の表示方向を向けるように位置を制御してもよい。

あるいは、支持手段は、車両の進行方向に対して左右、前後のうちの少なくとも 1つの方向に表示手段を平行移動させる機構を備えており、制御手段は支持手段の機構を平行移動させて車両の加速度と反対の方向に表示手段の位置を制御してもよい。

あるいは、支持手段は表示手段の表示面の法線に平行な直線を中心軸とした回転により表示手段を左右方向に移動させる機構を備え、制御手段は支持手段の機構を回転させて車両の左右の加速度と反対の方向に表示手段の位置を制御してもよレ、。

あるいは、車両は車両の速度を検出する速度検出手段と進行方向の角度を検出する進行方向角度検出手段とを備え、加速度検出手段は、車両の速度および進行方向の角度から車両の左右の加速度を検出してもよい。

あるいは、制御手段は、加速度検出手段からの加速度に応じて動作するか、または常に表示装置を固定するかを選択するスィツチを備えてもよい。

また、表示手段は、プロジェクタと前記プロジェクタにより画像を投影されるスクリーンにより構成され、制御手段は、加速度検出手段からの加速度に応じて、プロジェクタから投影されるスクリーン上の画像の位置を制御してもよレ、。

また、表示手段は、映像視認者の左右眼に視差のついた画像を与えることで立体画像を提供する立体画像表示装置でもよい。図面の簡単な説明本発明に係る車载用表示装置の特徴および長所は、以下の図面と共に、後述される記載から明らかになる。

第 1図は、本発明の実施の形態 1における車載用表示装置の構成を示すプロック図である。

第 2図は、本発明の実施の形態 1における車載用表示装置の構成を示す斜視図である。

第 3図は、第 2図に示す車载用表示装置の支持手段の構成の一例を示す図である。

第 4図は、本発明の実施の形態 1における車載用表示装置の構成を示す斜視図である。

第 5図は、第 4図に示す車載用表示装置の支持手段の構成の一例を示す図である。

第 6図は、第 2図'に示す車載用表示装置の支持手段の一例を示す斜視図である。

第 7図は、第 2図に示す車載用表示装置の支持手段の一例を示す図である。第 8図は、第 2図に示す車载用表示装置の支持手段の一例を示す斜視図である。

第 9図は、第 2図に示す車載用表示装置の支持手段の一例を示す斜視図である。

第 1 0図は、第 4図に示す車載用表示装置の支持手段の一例を示す斜視図でめ。

第 1 1図は、第 4図に示す車载用表示装置の支持手段の一例を示す斜視図である。

第 1 2図は、車両にかかる加速度と、表示装置を移動させる量との関係を示す図である。

第 1 3図は、本発明の実施の形態 2における車载用表示装置の構成を示すブ口ック図である。

第 1 4図は、従来の瞳孔位置移動対応型表示装置の構成を示す図である。発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。

(実施の形態 1 )

第 1図および第 2図はそれぞれ、本発明の実施の形態 1における車載用表示装置の構成を示すプロック図と、車载用表示装置を搭載した車両の斜視図である。本実施の形態 1における車載用表示装置は、制御手段 2と、支持手段 3と、表示手段 4とから構成される。

制御手段 2は、車両の加速度と反対の方向に表示手段 4の位置を移動させ支持手段 3により制御する。支持手段 3は、表示手段 4を支持し、制御手段 2によって表示手段 4の位置の移動量が制御される。表示手段 4は、例えば液晶デイスプレイ、 E Lディスプレイなどから構成され、車両の乗員に映像を提供する。第 2図の場合は、表示手段 4は前座席の背面に支持手段 3を介して固定され、後部座席の乗員に映像を提供する。

次いで、本発明の実施の形態 1における車載用表示装置の動作を第 1図から第 3図に基づいて説明する。例えば第 2図に示すように自動車が右折または右方向に旋回し、車両に右方向の加速度がかかった場合に、車両の乗員はその加速度に対応した慣性力を受けて体が左方向に振られる。例えば表示手段 4が前座席の座席背面に固定されていた場合には、後部座席の乗員は表示手段 4に映される映像を斜めから観ることになり、映像が観にくくなる。そこで、自動車にかかる加速度で発生する遠心力を用いて制御手段 2が支持手段 3により表示手段 4の位置を左方向に回転させる。同様に、車両が左折または左方向に旋回した場合は、制御手段 2が支持手段 3により表示手段 4の位置を右方向に回転させる。加速度の絶対値が大きいほど、その移動量は大きくなる。車両が右左折などの動作を終了して直進動作になり、左右方向の加速度がなくなると、表示手段 4は静止時位置に戻ることになる。

例えば第 3図（a ) から第 3図（d ) は、表示手段 4を回転させる機構を備えた支持手段 3の構成の一例である。第 3図に示すように、表示手段 4は、支持手段 3を構成する第 1の接続部 3 1、第 2の接続部 3 2、および第 3の接続部 3 3により支持されている。上方から見た断面図を第 3図（b ) に示す。第 1の接続部 3 1の一端は、表示手段 4の背後に固定され、もう一端は球形形状をしている。第 2の接続部 3 2の一端は、第 1の接続部 3 1の球形形状を覆う空洞を持つ球形形状をし、第 1の接続部 3 1の球形形状部分が抜け出さない構造となっている。また、第 2の接続部 3 2のもう一端は、円柱形状をしており、第 3の接続部 3 3に揷入されている。第 3の接続部 3 3の一端は、第 2の接続部 3 2の円柱形状を覆う空洞を持つ円柱形状をしている。

また、制御手段 2は、加速度に対応した慣性力に応じて表示手段 4の空間的位置を静止時位置に戻す力を加える構造を備えている。例えば、第 3図（b ) に示すように、第 1の接続部 3 1の球形形状の支持部と第 2の接続部 3 2の球形形状の先端部との間に弾性力を与える第 1のばね部 4 1を持つ。この構造により、表示手段 4の上下左右方向への回転移動が可能で、かつ回転した場合は静止時設置位置に表示手段 4が戻るように力がかかる構造となる。さらに、第 2の接続部 3 2と第 3の接続部 3 3との間に弾性力を与える第 2のばね部 4 2 を持つ。この構造により、表示手段 4の前後方向への平行移動が可能で、かつ移動した場合は、静止時設置位置に表示手段 4が戻るように力がかかる構造となる。以上の構造により、車両に加速度がかかり表示手段 4が上下左右に回転または前後に平行移動した場合でも、静止時設置位置に戻る力が働くので、表示手段 4は車両にかかる加速度に応じて動作することとなる。

なお、第 1の接続部 3 1を覆う第 2の接続部 3 2の形状は、第 1の接続部 3 1が上下のみ、または左右のみに回転するよう切り込みが入れられていてもよレ、。なお、第 1のばね部 4 1および第 2のばね部 4 2は、ばねによって構成されていてもよいが、ばねに限定されず、弾性力を与えるものであればよい。また、第 1のばね部 4 1およぴ第 2のばね部 4 2はそれぞれ複数のばねがあってもよい。

なお、第 1の接続部 3 1から第 3の接続部 3 3は、接続部間にばね部を用いるかわりに、第 3図（c ) に示すように、表示手段 4の空間的位置を静止時位置に戻す力を加える構造として、磁力により物質を引き付けるための第 1の磁気部 5 1、第 2の磁気部 5 2、第 3の磁気部 5 3、および第 4の磁気部 5 4を備えることで表示手段 4を静止時設置位置に戻す力を与えてもよい。第 1の磁気部 5 1から第 4の磁気部 5 4までは、それぞれ磁石によって構成されてもよい。また、第 2の磁気部 5 2および第 4の磁気部 5 4は、磁石ではなくても磁力に引き付けられる物質であればよく、例えば第 3図（d ) に示すように配置することにより、静止時設置位置での磁力が最も強くなるようにして、表示手段 4が上下左右前後に移動した場合でも、静止時設置位置に戻す力を働かせてもよい。また、引き付ける力のかかり方ではなく押し戻す形の力のかかり方で静止時設置位置に戻す力としてもよい。

また、第 3図（d ) に示すように、磁気部 5 2および磁気部 5 4が電磁コィル、並びに、磁気部 5 1および磁気部 5 3が磁石で構成されるように、第 1の磁気部 5 1から第 4の磁気部 5 4までのいずれかが電磁コイルであってもよレ、。第 1の磁気部 5 1から第 4の磁気部 5 4までのいずれかが電磁コイルであった場合、制御手段 2は、電磁コイルに電流を流すかどうかを切り替えるスィツチ、または、電磁コイルに流す電流の電流量を調整する電流調整部のうちの少なくとも一方を備え、スィツチまたは電流調整部によって電磁コイルに流す電流量が調整されることで、加速度に対する表示手段 4の移動量を調整可能にすることができる。なお、第 1の接続部 3 1と第 2の接続部 3 2、第 2の接続部 3 2 と第 3の接続部 3 3の 2箇所の接続について、例えば一方を第 3図（b ) に示す構造とし、他方を第 3図（c ) に示す構造としてもよく、第 3図（b ) から第 3図（d ) の構造をどのように組み合わせて構成してもよい。

なお、第 4図に示すように車両が右折または右方向に旋回し車両に右方向の加速度がかかった場合に、制御手段 2が支持手段 3により表示手段 4の位置を左方向に平行移動させる様にしてもよい。例えば第 5図（a ) から第 5図（d ) は、表示手段 4を左右方向に平行移動させる機構を備えた支持手段 3の構成の一例である。第 5図（a ) に示すように、表示手段 4は、支持手段 3を構成する第 1の接続部 3 1、第 2の接続部 3 2、および第 3の接続部 3 3により支持されている。上方から見た断面図を第 5図（b ) に示し、表示手段 4を背後から見た斜視図を第 5図（e ) に示す。第 1の接続部 3 1は、表示手段 4の背後に固定され、十字状の溝が備えられており、第 2の接続部 3 2の先端部分が抜け出さない構造となっている。第 2の接続部 3 2のもう一端と第 3の接続部 3 3の構造は、第 3図（b ) から第 3図（d ) のものと変わらない。なお、第 1 の接続部 3 1の溝は上下方向のみまたは左右方向のみでもよく、この場合はそれぞれ上下方向および左右方向にのみ平行移動する。また、第 1の接続部 3 1 の溝の形状は十字状でなくてもよい。

また、制御手段 2は、加速度に対応した慣性力に応じて表示手段 4の空間的位置を静止時位置に戻す力を加える構造を備えている。例えば、第 5図（b ) に示すように、第 1の接続部 3 1の溝内部の上下左右面と第 2の接続部 3 2の先端部分の上下左右面は、弾性力を与える 2つの第 1のばね部 4 1により接続されている。この構造により、表示手段 4の上下左右方向への平行移動が可能で、かつ平行移動した場合は静止時設置位置に表示手段 4が戻るように力がかかる構造となる。

また、第 5図（c ) に示すように、表示手段 4の空間的位置を静止時位置に戻す力を加える構造として、磁力により物質を引き付けるための第 1の磁気部 5 1およぴ第 2の磁気部 5 2を備えることで表示手段 4を静止時設置位置に戻す力を与えてもよい。第 1の磁気部 5 1および第 2の磁気部 5 2は、それぞれ、磁石または電磁コイルによって構成されてもよい。また、第 1の磁気部 5 1および第 2の磁気部 5 2は、磁石ではなくてもどちらかが磁力に引き付けられる物質であってもよく、例えば第 5図（d ) に示すように配置することにより、静止時設置位置での磁力が最も強くなるようにして、表示手段 4が上下左右前後に移動した場合でも、静止時設置位置に戻す力を働かせてもよい。以上の構造により、車両に加速度がかかり表示手段 4が上下左右前後に移動した場合でも、静止時設置位置に戻る力が働くので、表示手段 4は車両にかかる加速度に応じて動作することとなる。

なお、第 6図から第 1 1図に示す構造に本実施の形態 1で示した構造を適用してもよい。

第 6図は、第 1の接続部 3 1が第 2の接続部 3 2に対し水平に回転する構造を示した図である。重力方向に設置した第 2の接続部 3 2が表示手段 4を支持し、第 2の接続部 3 2と同一にある直線を中心軸として表示手段 4の表示面が回転するようになっている。制御手段 2は、支持手段 3の機構を回転させて車両の加速度と反対の方向に表示手段 4の表示方向を向けるように位置を制御するようになっている。

第 7図は、第 1の接続部 3 1が第 2の接続部 3 2に対し前後方向に水平に平行移動する構造を示した図である。制御手段 2は、第 1の接続部 3 1によって揷入される第 2の接続部 3 2と同一にある直線と平行方向に移動させて車両の加速度と反対の方向に表示手段 4の位置を制御するようになっている。

第 8図は、第 1の接続部 3 1が第 2の接続部 3 2に対し表示手段 4の表示面中央の水平線を中心として前後に回転する構造を示した図である。重力方向と直交する直線上に第 1の接続部 3 1を設置し、第 1の接続部 3 1と同一にある直線を中心軸として表示手段 4の表示面が回転するようになっている。制御手段 2は、支持手段 3の機構を回転させて車両の加速度と反対の方向に表示手段 4の表示方向を向けるように位置を制御するようになっている。

第 9図は、第 1の接続部 3 1が第 2の接続部 3 2に対し表示手段 4の表示面中央の水平線を中心として前後に回転し、第 2の接続部 3 2が第 3の接続部 3 3に対し水平に回転し、第 3の接続部 3 3が第 4の接続部 3 4に対し前後方向に水平に平行移動する構造を示した図である。

第 1 0図は、第 1の接続部 3 1が第 2の接続部 3 2に対し左右方向に水平に平行移動する構造を示した図である。なお、支持手段 3は、表示手段 4の左右方向への摺動をガイドする第 1の接続部 3 1と、第 1の接続部 3 1を下方から支持する第 2の接続部 3 2とにより構成される。制御手段 2は、支持手段 3の機構を平行移動させて車両の加速度と反対の方向に表示手段 4の位置を制御するようになっている。

第 1 1図は、表示手段 4の表示面の法線に平行な直線を中心に左右方向に回転する構造を示した図である。表示手段 4の表示面の法線に平行になるように第 2の接続部 3 2を設置し、重力方向に設置した第 1の接続部 3 1が表示手段 4を支持し、第 2の接続部 3 2と同一にある直線を中心軸として表示手段 4が回転するようになっている。制御手段 2は、支持手段 3の機構を回転させて車両の左右の加速度と反対の方向に表示手段 4の位置を制御するようになっている。

第 6図から第 1 1図までに示した表示手段 4を回転または平行移動させる構造についてはこれらに限定されない。

なお、車両に加速度がかかることによる乗員の目の位置の移動量は、乗員の身長、座高、筋力などにより異なるため、右左折時にかかる左右方向への加速度の大きさに応じて表示手段 4の位置の移動量を変更できる様に、乗員が設定できる構成を備えていてもよい。また、車両にかかる加速度が小さい場合は、表示手段 4の位置が移動しないよう、第 1のばね部 4 1および第 2のばね部 4 2の張力、または、第 1の磁気部 5 1から第 4の磁気部 5 4までの磁力を乗員が調整できる構成を備えていてもよい。すなわち、第 1 2図に示すように、車両にかかる加速度がある一定値 aに至るまでは表示手段 4の位置を移動させず、一定値 aを超えれば加速度の大きさに応じて表示手段 4の位置を移動させるようにしてもよレ、。

また、表示手段 4は、液晶ディスプレイ、 E Lディスプレイとして説明した力それに限定されることはなく、プロジェクタとそれにより投影された画像を映し出すスクリーンにより構成されたものでもよい。この場合は、車両の左右方向に加速度がかかったときにプロジェクタおよびスクリーンを左右方向に回転や平行移動させることにより、画像の表示位置を変更する。なお、面積の大きいスクリーンを平面状または球面状に固定し、プロジェクタ自体もしくは光学系の制御により、投影される画像のみを回転や平行移動させる構成であつてもよい。

また、表示手段 4は、映像視認者の左右眼に視差のついた画像を与えることで立体画像を提供する立体画像表示装置であってもよく（例えば特開平 1 0— 2 6 8 2 3 0号公報参照）、パララックスパリァまたはレンチキュラーレンズなどを用いて実現される。本実施の形態 1は、表示手段 4が例えばパララックスバリアを用いた立体画像表示装置のように映像視認者の位置が厳しく限定される表示装置である場合に適している。なお、表示の種類はこれらに限定されなレ、。

以上のように、本実施の形態 1における車載用表示装置を用いると、車両の右左折や旋回により車両において左右方向の加速度が生じ、乗員の目の位置が左右方向に移動した場合でも、乗員は車載用表示装置の映像を略正面で視認することができる。このため、車両が右左折 ·旋回、急制動、急加速などをして車両に加速度がかかり、遠心力などによる加速度で車両の乗員が左右、上下、前後に振られても、乗員が車载用表示装置の画面を見やすく、しかも、簡単な構成でかつ安価に実現できる。特に、乗員が車载用表示装置に表示される映像に意識を集中させ車外の景色を見ていない場合は、車両の左右方向への加速度による影響の度合いが大きいため、本実施の形態 1の実用性は極めて高い。

(実施の形態 2 )

本発明の実施の形態 2に係る車載用表示装置について、図面を用いて詳細に説明する。第 1 3図は、本発明の実施の形態 2における車載用表示装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態 2における車載用表示装置は、加速度検出手段 1と、制御手段 2と、支持手段 3と、表示手段 4とから構成される。加速度検出手段 1は、例えば加速度センサなどから構成され、車両の左右、上下、前後の少なくとも 1つの方向の加速度を検出し、制御手段 2に出力する。制御手段 2は、加速度検出手段 1により検出された車両の加速度に基づいて、車両の加速度と反対の方向に表示手段 4の位置を移動させ支持手段 3により制御する。支持手段 3は、表示手段 4を支持し、制御手段 2によってその移動量が制御される。表示手段 4は、例えば液晶ディスプレイ、 E Lディスプレイなどから構成され、車両の乗員に映像を提供する。

次いで、本発明の実施の形態 2における車載用表示装置の動作を第 1 3図に基づいて説明する。車両が直進している場合には、車両に左右方向の加速度はかからないため、車両の乗員は正面に設置された表示手段 4に正対した状態で、表示手段 4に映し出される映像を観ることができる。しかしながら、自動車が右折または右方向に旋回し、車両に右方向の加速度がかかった場合に、車両の乗員はその加速度に対応した慣性力を受けて体が左方向に振られる。例えば表示手段 4が前座席の座席背面に固定されていた場合には、後部座席の乗員は表示手段 4に映される映像を斜めから観ることになり、映像が観にくくなる。そのため、加速度検出手段 1により検出された右方向の加速度に基づき、制御手段 2が支持手段 3により表示手段 4の位置を左方向に移動させる。同様に、車両が左折または左方向に旋回した場合は、加速度検出手段 1により検出された左方向の加速度に基づき、制御手段 2が支持手段 3により表示手段 4の位置を右方向に移動させる。加速度の絶対値が大きいほど、その移動量は大きくなる。車両が右左折などの動作を終了して直進動作になり、左右方向の加速度がなくなると、表示手段 4は静止時位置に戻ることになる。

支持手段 3により表示手段 4の位置を移動させるためには、支持手段 3として様々な構造が考えられる。支持手段 3の構造の例を第 6図から第 1 1図に示す。これらの構造は、実施の形態 1で説明したとおりである。また、これらの -構造は、第 6図から第 1 1図に示した構造に限定されるものではない。支持手段 3の構造の各部をモータとギアによって構成し、制御手段 2が、加速度検出手段 1により検出された左方向の加速度に基づきモータとギアを駆動することにより表示手段 4の回転角や移動量を制御することもできる。

この場合、支持手段 3の左右方向に回転する角度は、車両の左右方向にかかる加速度に対する乗員の目の位置の移動量によって変えることができる。その場合、乗員の目の位置の移動量を車両走行実験などにより測定することで決定する。例えば普通自動車で走行中、時速 1 0 k m、回転半径 7 . 7 mで右左折すると車両の左右方向に 1 . 0 m/ s ² 前後の加速度がかかる。このとき乗員の目の位置が車両に対し左右方向に約 1 0 c m変位すると仮定し、表示手段 4 から乗員の目の位置までの距離を 6 0 c mと仮定すると、表示手段 4から見た乗員の目の位置の左右方向への変位角は約 1 0度となる。したがって、この場合は、支持手段 3の左右方向への回転角の大きさを 1 0度とする。

また、加速度検出手段 1において、車両の左右方向の加速度を加速度センサにより直接検出したが、車両が、車両の速度を検出する速度検出手段と、進行方向の角度を検出する進行方向角度検出手段とを備え、加速度検出手段 1は、車両の速度おょぴ進行方向の角度から車両の左右の加速度を検出するようにしてもよい。例えば、車両の速度 Vと、進行方向角度 Θを検出して車両の回転半径 rを求めることにより、加速度を V 2 Z r として求めてもよい。この場合、車両の速度 Vは、例えば車輪に設置された車輪速センサから出力される車速パルスの信号から求めることができる。また、進行方向角度 0は、例えばステアリング舵角センサにより、車両のステアリングの角度から検出することができる。ここで、加速度の方向は進行方向角度 0から知ることができる。さらに、車輪速センサの代わりに、角速度センサにより車両のョー方向の角速度 c を検出して、加速度を r ω 2として求めてもよい。ここで、加速度の方向は角速度 ωの正負から知ることができる。

また、加速度検出手段 1の代わりに、車両乗員の動作を検出する動作検出手段を備えていてもよい。動作検出手段は、例えば車両シート内部に埋め込まれた圧電センサにより、乗員の体勢を検出する。また、例えば車載カメラを通じて車両乗員の顔または目の位置を検出する。車両乗員の動作の検出方法はこれに限定されない。検出した情報をもとに制御手段 2が支持手段 3の制御を行う。車両の左右方向の加速度を検出するためのその他の方法としては、例えば車両に設置されたナビゲーシヨン装置から、求めることができる。この場合、ナビゲーション装置の自車位置情報および設定経路情報から、車両の回転半径 r が求まり、自車位置情報の時間変化から車両の速度 Vを求めれば、同様に左右方向の加速度を V 2 Z r として求めることができる。この場合、車両の回転半径 rについては、精度の点から、先に述べたステアリング舵角センサなどから進行方向角度 0を検出して求めてもよい。

さらに、車両に加速度がかかることによる乗員の目の位置の移動量は、乗員の身長、座高、筋力などにより異なるため、右左折時にかかる左右方向への加速度の大きさに応じて表示手段 4の位置の移動量を変更できるように、乗員が設定できる構成を備えていてもよい。また、車両にかかる加速度が小さい場合は、表示手段 4の位置を移動しないようにしてもよい。すなわち、第 1 2図に示すように、車両にかかる加速度がある一定値 aに至るまでは表示手段 4の位置を移動させず、一定値 aを超えれば加速度の大きさに応じて表示手段 4の位置を移動させるようにしてもよい。

また、制御手段 2は、加速度検出手段 1からの加速度に応じて動作するか、または常に表示手段 4を固定するかを選択するスィツチを備えるようにしてもよい。

また、表示手段 4は、液晶ディスプレイ、 E Lディスプレイとして説明した

1 それに限定されることはなく、プロジェクタとそれにより投影された画像を映し出すスクリーンにより構成されたものでもよい。この場合は、車両の左右方向に加速度がかかったときにプロジェクタおよびスクリーンを左右方向に回転や平行移動させることにより、画像の表示位置を変更する。なお、面積の大きいスクリーンを平面状または球面状に固定し、プロジェクタ自体もしくは光学系の制御により、投影される画像のみを回転や平行移動させる構成であつてもよい。

また、表示手段 4は、映像視認者の左右眼に視差のついた画像を与えることで立体画像を提供する立体画像表示装置であってもよく（例えば特開平 1 0— 2 6 8 2 3 0号公報参照）、パララックスパリァまたはレンチキュラーレンズなどを用いて実現される。本実施の形態は、表示手段 4が例えばパララックスバリアを用いた立体画像表示装置のように映像視認者の位置が厳しく限定される表示装置である場合に適している。なお、表示の種類はこれらに限定されない。以上のように、本実施の形態 2における車載用表示装置を用いると、車両の右左折や旋回により車両において左右方向の加速度が生じ、乗員の目の位置が左右方向に移動した場合でも、乗員は車载用表示装置の映像を略正面で視認することができる。特に、乗員が車載用表示装置に表示される映像に意識を集中させ車外の景色を見ていない場合は、車両の左右方向への加速度による影響の度合いが大きいため、本実施の形態 2の実用性は極めて高い。産業上の利用可能性

本発明にかかる車载用表示装置は、車両において左右方向の加速度が生じた場合でも、車両の乗員は表示装置の映像を略正面で視認することができ、自動車などの車両に搭載され、車両の乗員に映像を提供する車载用表示装置等として利用することができる。

Claims

請求の範囲

1 . 車両に搭載される車载用表示装置であって、映像を表示する表示手段と、前記表示手段を支持し前記表示手段が静止時位置からの移動または回転可能な構造を備える支持手段と、車両にかかる加速度に応じて前記表示手段の空間的位置を制御する制御手段とを備えることを特徴とする車載用表示装置。

2 . 前記制御手段は、前記表示手段の空間的位置を静止時位置に戻す力を加える構造を備えることを特徴とする請求項 1に記載の車载用表示装置。

3 . '前記支持手段は、前記表示手段に直接固定または間接的に接続される第 1の接続部と、前記第 1の接続部に対し移動または回転可能な構造で接続される第 2の接続部とを備え、前記制御手段は、前記表示手段が静止時位置にある場合の前記第 1および第 2の接続部が接する面上または点上において弾性力を与えるばね部を備え、前記ばね部が前記表示手段の空間的位置を静止時位置に戻す力を加えることを特徴とする請求項 2に記載の車載用表示装置。

4 . 前記支持手段は、前記表示手段に直接固定または間接的に接続される第 1の接続部と、前記第 1の接続部に対し移動または回転可能な構造で接続される第 2の接続部とを備え、前記制御手段は、前記表示手段が静止時位置にある場合の前記第 1および第 2の接続部が接する面上または点上において磁力により双方を引き付けるまたは押し返すための磁気部を備え、前記磁気部が前記表示手段の空間的位置を静止時位置に戻す力を加えることを特徴とする請求項 2 に記載の車载用表示装置。

5 . 前記磁気部は電磁コイルであり、前記制御手段は、前記表示手段が静止時位置にある場合の前記第 1および第 2の接続部が接する面上または点上のうちの少なくとも一方に前記電磁コイルを備え、前記電磁コイルが前記表示手段の空間的位置を静止時位置に戻す力を加えることを特徴とする請求項 4に記載の車载用表示装置。

6 . 前記制御手段は、前記電磁コイルに電流を流すかどうかを切り替えるスイッチ、または、前記電磁コイルに流す電流の電流量を調整する電流調整部のうちの少なくとも一方を備え、前記加速度に対する前記表示手段の移動量を調整可能とすることを特徴とする請求項 5に記載の車載用表示装置。

7 . さらに、前記車両の進行方向に対して左右、上下、前後のうちの少なくとも 1つの加速度を検出する加速度検出手段を備え、前記制御手段は、前記加速度検出手段からの加速度に応じて前記表示手段の位置を制御することを特徴とする請求項 1に記載の車載用表示装置。

8 . 前記支持手段は、前記車両の進行方向に対して左右、上下のうちの少なくとも 1つの方向に前記表示手段の表示面を回転させる機構を備えており、前記制御手段は前記支持手段の機構を回転させて前記車両の加速度と反対の方向に前記表示手段の表示方向を向けるように位置を制御することを特徴とする請求項 1に記載の車載用表示装置。

9 . 前記支持手段は、前記車両の進行方向に対して左右、前後のうちの少なくとも 1つの方向に前記表示手段を平行移動させる機構を備えており、前記制御手段は前記支持手段の機構を平行移動させて前記車両の加速度と反対の方向に前記表示手段の位置を制御することを特徴とする請求項 1に記載の車载用表示装置。前記支持手段は前記表示手段の表示面の法線に平行な直線を中心軸と転により前記表示手段を左右方向に移動させる機構を備え、前記制御手段は前記支持手段の機構を回転させて前記車両の左右の加速度と反対の方向に前記表示手段の位置を制御することを特徴とする請求項 1に記載の車載用表示装置。 1 1 . 前記車両は車両の速度を検出する速度検出手段と、進行方向の角度を検出する進行方向角度検出手段とを備え、前記加速度検出手段は、前記車両の速度および進行方向の角度から前記車両の左右の加速度を検出することを特徴とする請求項 7に記載の車載用表示装置。 1 2 . 前記制御手段は、前記加速度検出手段からの加速度に応じて動作する力、または常に前記表示手段を固定するかを選択するスィツチを備えることを特徴とする請求項 7に記載の車載用表示装置。

1 3 . 前記表示手段はプロジェクタと前記プロジェクタにより画像を投影されるスクリーンにより構成され、

前記制御手段は、前記加速度検出手段からの加速度に応じて、前記プロジクタから投影される前記スクリーン上の画像の位置を制御することを特徴とする請求項 1に記載の車載用表示装置。 1 4 . 前記表示手段は、映像視認者の左右眼に視差のついた画像を与えることで立体画像を提供する立体画像表示装置であることを特徴とする請求項 1に記載の車載用表示装置。