疼痛の予防及びノまたは治療剤
技 術 分 ' 野
本発明は、 三環式化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分と して含有する疼痛の予防及び Zまたは治療剤に関する。
背 景 技 術
疼痛は外来刺激や器質的疾患により惹起される。疼痛は身体の異常を知ら せる警告信号として機能しているが、 不快感、 機能障害等をもたらすため、 患者の生活の質 (quality of life) を著しく低下させる。 また、 疼痛その ものが生体にとって多大な侵襲になり得る。 疼痛の治療には、 非ステロイ ド 性抗炎症剤等の末梢性鎮痛薬、 オビオイ ド等の中枢性鎮痛薬、 循環改善薬、 抗うつ薬ゃ抗けいれん薬等を含む鎮痛補助薬、 漢方薬等が用いられている。 しかし、 これらの薬剤においては、 症状によっては十分な鎮痛作用が得られ なかったり、 副作用や耐性等の点で問題がある [ペイン 'クリニック (Pain Clinic) 、 第 16巻、 809頁 (1995年) ] 。
一方、 本発明で使用される化合 iと同一の構造を有する化合物群は、 膀胱 充満時に生ずる排尿間隔の延長作用を有し、 神経因性膀胱及び不安定膀胱等 をはじめとする種々の疾患または状態における頻尿、 尿失禁、 尿意切迫感及 び残尿感等の治療または改善に有用であることが知られている (W098/46587 W097/14672) 。 また該化合物群を有効成分として含有する過活動膀胱治療剤 (W002/07810) 、 膀胱知覚過敏治療剤 (W002/07811) 及び前立腺肥大症に伴 う膀胱刺激症状治療剤 (W002/07812) が知られている。
発 明 の 開 示
本発明の目的は、 三環式化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効 成分として含有する疼痛の予防及び Zまたは治療剤を提供することにある。 本発明は、 以下の (1) 〜 (27) に関する。 ' ( 1) 式 (I)
{式中、 R1は、 水素原子、 ハロゲン、 置換もしくは非置換の低級アルキルま たは置換もしくは非置換の低級アルコキシを表し、
Xし X2- X3は、 CR5=CR6-CR7=CR8 [式中、 R5ヽ β6、 R7及び R8は、 同一または異なつ て水素原子、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 ニトロ、 ァミノ、 モノ(低級アルキル) 置換アミノ、 ジ(低級アルキル)置換アミノ、 置換もしくは非置換の低級アル キル、 置換もしくは非置換の低級アルコキシまたは置換もしくは非置換の低 級アルカノィルァミノを表す] 、 N( 0)m=CR6-CR7=CR8 (式中、 R6、 R7及び R8は それそれ前記と同義であり、 mは 0または 1を表す)、 CR CR6- N(0) CR8 (式 中、 R5、 R6s R8及び mはそれそれ前記と同義である) 、 CR5=CR6-CR7=N(0 )m (式 中、 R5、 Rs、 及び mはそれそれ前記と同義である) 、 CR5=CR6- 0 (式中、 R5 及び R6はそれそれ前記と同義である) 、 CR5=CR6 - S (式中、 R5及び Rsはそれ それ前記と同義である)、 0-CR7=CR8 (式中、 R7及び R8はそれぞれ前記と同義 である) 、 S-CR7=CR8 (式中、 R7及び R8はそれそれ前記と同義である) または 0-CR7=N (式中、 は前記と同義である) を表し、
Yは- CH2S -、 - CH2S0-、 - C¾S02 -、 - CH20-、 - CH二 CH-ヽ - (C¾ )p- (式中、 pは 0〜 2の整数を表す) 、 - SCH2-ヽ - S0CH2 -、 -S02C¾-または 0C¾-を表し、
は水素原子、 ァミノ、 置換もしくは非置換の低級アルキル、 置換もしくは 非置換の低級アルケニル、 置換もしくは非置換の低級アルコキシ、 モノ C置 換もしくは非置換の低級アルキル)置換ァミノ、 ジ(置換もしくは非置換の低 級アルキル)置換アミノ、 置換もしくは非置換のァリール、 置換もしくは非 置換のへテロアリール、 置換もしくは非置換のァラルキルァミノ、 置換もし くは非置換のァリールァミノまたは置換もしくは非置換の複素璟基を表す } で表される三環式化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分と
して含有する疼痛の予防及び Zまたは治療剤 (
(2) 式 ( la)
[式中、 R1及び X'-X2-X3はそれそれ前記と同義であり、 Yaは- CH2S02-、 - SC¾ -、 - S0CH2-、 - S02CH2-または- 0C¾ -を表し、
Yaが- C¾S02-、 -SCH2-、 - S0CH2 -または - S02C¾-であるときに、
R2aは水素原子、 ァミノ、 置換もしくは非置換の低級アルキル、 置換もしくは 非置換の低級アルケニル、 置換もしくは非置換の低級アルコキシ、 モノ(置 換もしくは非置換'の低級アルキル)置換ァミノ、 ジ(置換もしくは非置換の低 級アルキル)置換アミノ、 置換もしくは非置換のァリール、 置換もしくは非 置換のへテロアリール、 置換もしくは非置換のァラルキルアミ'ノ、 置換もし くは非置換のァリールァミノ、 置換もしくは非置換の脂璟式複素環基または 置換もしくは非置換の含窒素複素環基を表し、
Yaが- 0CH2-であるときに、
R
2aは水素原子、 ァミノ、 トリフルォロメチル、 置換もしくは非置換の低級ァ ルケニル、 置換もしくは非置換の低級アルコキシ、 モノ(置換もしくは非置 換の低級アルキル)置換アミノ、 ジ(置換もしくは非置換の低級アルキル)置 換ァミノ、 置換もしくは非置換のァリール、 置換もしくは非置換のへテロア リール、 置換もしくは非置換のァラルキルァミノ、 置換もしくは非置換のァ リールァミノ、 置換もしくは非置換の脂環式複素環基、 置換もしくは非置換 の含窒素複素璟基または式 (Π )
(H)
(式中、 nは 0または 1であり、 及び R4は、同一または異なって水素原子、 置換もしくは非置換の低級アルキル、 置換もしくは非置換の環状アルキル、 置換もしくは非置換のァリールまたは置換もしくは非置換のァラルキルを 表すか、 R3及び R4が隣接する炭素原子と一緒になつて環状アルキルを形成し てもよく、 Qはハロゲン、 ァミノ、 ヒドロキシまたは置換もしくは非置換の 低級アルコキシを表す) を表す] で表される三環式化合物またはその薬理学 的に許容される塩を有効成分として含有する疼痛の予防及び/または治療 剤。
(3) Yaが- CH2S02-、 -SC¾-、 -S0CH2 -または- S02C¾-である前記 (2) 記載の疼 痛の予防及び Zまたは治療剤。
(4) Yaが- 0C¾-である前記 (2) 記載の疼痛の予防及び Zまたは治療剤。
(5) R1が水素原子、 ハロゲンまたは置換もしくは非置換の低級アルコキシ である前記(2)〜(4)のいずれかに記載の疼痛の予防及び/または治療剤。
(6) R1が水素原子である前記 (2) 〜 (4) のいずれかに記載の疼痛の予防 及び/または治療剤。
(7) Yaが - CH2S02-、 -S02CH2-または - 0CH2-である前記 (2) 、 (5) 及び (6) のいずれかに記載の疼痛の予防及び zまたは治療剤。
(8) Yaが- CH2S02-または- S02CH2 -である前記 (2) 、 ( 5) 及び (6) のいずれ かに記載の疼痛の予防及び/または治療剤。 '
( 9) Yaが- C¾S02 -である前記 (2) 、 (5) 及び (6) のいずれかに記載の疼 痛の予防及び/または治療剤。 -
( 10) -Χ2- X3が S- CR7=CR8 (式中、 及び R8はそれそれ前記と.同義である) である前記(2)〜(9)のいずれかに記載の疼痛の予防及び/または治療剤。
( 11) X1- X2- X3が CR5=CR6- CR7=CR8 (式中、 R5 S Rs、 R7及び R8はそれそれ前記と 同義である) である前記 '(2) 〜 ( 9) のいずれかに記載の疼痛の予防及び/
または治療剤。
(12) R2aが式 (II)
(式中、 n、 R3、 R4及び Qはそれそれ前記と同義である) である前記 (2) 〜 (11) のいずれかに記載の疼痛の予防及び/または治療剤。
(13) nが 0である前記 (12) 記載の疼痛の予防及び Zまたは治療剤。
(14) R3がメチルであり、 R4がトリフルォロメチルであり、 Qがヒドロキシ である前記 (13) 記載の疼痛の予防及び/または治療剤。
(15) β1が水素原子であり、 Yaが- C¾S02-であり、 Xし X2-X3が S - CR7二 CR8 (式 中、 R7及び R8はそれそれ前記と同義である) であり、 R2aが式 (III)
である前記 (2) 記載の疼痛の予防及び Zまたは治療剤。
(16) 式 (lb)
[式中、 R
1及び X
1- X
2-X
3はそれそれ前記と同義であり、 Y
bは- CH
20-、 -CH
2S -、 - C S0-、 - CH=CH-または-(CH -(式中、 pは前記と同義である) を表し、 R 2b は式 (III)
(III) を表す]で表される三璟式化合物またはその蕖理学的に許容される塩を有効 成分として含有する疼痛の予防及びノまたは治療剤。
( 17) - -X3が CR5=CRS-CR7=CR8 (式中、 R5、 R6 R7及び R8はそれそれ前記と 同義である) または CR5=CR6- CR7=N (式中、 R5、 R6及び R7はそれそれ前記と同 義である) である前記 (16) 記載の疼痛の予防及び/または治療剤。
( 18) X1 - X2-X3が CR5=CR6 - 0 (式中、 R5及び R6はそれそれ前記と同義である) または CR5=CR6- S (式中、 R5及び R6はそれそれ前記と同義である) である前 記 (16) 記載の疼痛の予防及び/または治療剤。
( 19) X1- X2- X3が 0-CR7=CIi8 (式中、 R7及び R8はそれそれ前記と同義である) または S-CR7=CR8 (式中、 及び R8はそれぞれ前記と同義である) である前 記 (16) 記載の疼痛の予防及び/または治療剤。
(20) Ybが- CH20 -である前記 ( 16) 〜 ( 19) のいずれかに記載の疼痛の予防 及び/または治療剤。
(21) Ybが- (C¾ )p- (式中、 pは前記,と同義である)である前記(16) 〜 (19) のいずれかに記載の疼痛の予防及び zまたは治療剤。
(22) pが 0である前記 (21) 記載の疼痛の予防及び/または治療剤。
(23) pが 2である前記 (21) 記載の疼痛の予防及び Zまたは治療剤。
(24) Ybが- CH二 CH-である前記 (16) 〜 (19) のいずれかに記載の疼痛の予 防及び/または治療剤。
(25) Ybが- CH2S -または- CH2S0-である前記 (16) 〜 (19) のいずれかに記載 の疼痛の予防及び/または治療剤。
( 26) 疼痛の予防及び/または治療剤の製造のための、 前記 (1 ) 〜 (25) のいずれかに記載の三環式化合物またはその薬理学的に許容される塩の使 用。
(27) 前記 (1 ) 〜 (25) のいずれかに記載の三環式化合物またはその薬理
学的に許容される塩の有効量を投与する工程を含む、 疼痛の予防及びノまた は治療方法。
以下、 式 (I) で表される化合物を、 化合物 (I) という。 他の式番号で表 される化合物についても同様である。
式 (I ) の各基の定義において、 低級アルキルとしては、 例えば直鎖また は分岐している炭素数 1〜8 のアルキル、 より具体的にはメチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル、 プチル、 イソブチル、 sec-プチル、 tert-ブチル、 ペンチル、 へキシル、 1,2, 2-トリメチルプロピル、 ヘプチル、 ォクチル等が 挙げられる。
ハロゲンは、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素の各原子を意味する。
低級アルコキシ、 モノ(低級アルキル)置換アミノ及ぴジ(低級アルキル)置 換ァミノにおける低級アルキル部分は、 前記低級アルキルと同義である。 低級アルカノィルァミノにおける低級アルカノィルとしては、 例えば炭素 数 1〜6 のアルカノィル、 より具体的にはホルミル、 ァセチル、 プロパノィ ル、 ブ夕ノィル、 ペンタノィル、 2, 2-ジメチルプロパノィル、 へキサノィル 等が挙げられる。
低級アルケニルとしては、 例えば直鎖または分岐している炭素数 2〜6 の アルケニル、 より具体的にはビニル、 ァリル、 1-プロぺニル、 メ夕クリル、 1-ブテニル、 クロチル、 ペンテニル、 ヘキセニル等が挙げられる。
ァリール及びァリールアミノのァリール部分としては、 例えばフェニル、 ナ.フチル等が挙げられ、ヘテロァリールとしては、例えばビリジル、フリル、 チェニル、 キノリル、 イミダゾリル、 ベンゾイミダゾリル、 チァゾリル等が 挙げられる。 ' ァラルキルァミノのァラルキル部分としては、 例えば炭素数 7〜12のァラ ルキル、 より具体的にはベンジル、 フエネチル、 ナフチルメチル等が挙げら れる。
複素環基としては、 例えば脂璟式複素環基、 含窒素複素環基等が挙げられ る。 脂環式複素環基としては、 例えばテトラヒ ドロフリル、 テトラヒ ドロチ ェニル、 クロマニル等が挙げられる。 含窒素複素環基は、 例えば 1つまたは
2つの窒素原子をその環内に含む複素璟基であり、' さらに酸素、 硫黄等のへ テロ原子を含んでいてもよく、 例えばピロリジニル、 ピペコリニル、 ピベラ ジニル、 ピペリジル、 モルホリニル、 チオモルホリニル、 ォキサゾリル等が 挙げられる。
置換低級アルキル、 置換低級アルコキシ、 モノ(置換低級アルキル)置換ァ ミノ、 ジ(置換低級アルキル)置換アミノ、 置換低級アルカノィルァミノ及び 置換低級アルケニルにおける置換基としては、 同一または異なって、 置換数 1〜置換可能な数の (好ましくは 1〜6の、 より好ましくは 1〜4の) 、 例え ばハロゲン、 ヒドロキシ、ニトロ、ァミノ、モノ(低級アルキル)置換アミノ、 ジ(低級アルキル)置換アミノ、 環状アルキル、 置換環状アルキル [該置換環 状アルキルにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換数 1〜3 の、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 ニトロ、 ァミノ、 モノ(低級アルキル)置換アミ ノ、 ジ(低級アルキル)置換アミノ、 低級アルコキシ等が挙げられる] 、 ァリ —ル、 置換ァリール (該置換ァリールにおける置換基は、 後記の置換ァリー ルにおける置換基と同義である) 、 ァラルキル、 置換ァラルキル (該置換ァ ラルキルにおける置換基は、 後記の置換ァラルキルにおける置換基と同義で ある) 、 低級アルコキシ、 置換低級アルコキシ [該置換低級アルコキシにお ける置換基としては、同一または異なつて例えば置換数 1〜3の、ハロゲン、 ヒ ドロキシ、 ニトロ、 ァミノ、 モノ(低級アルキル)置換アミノ、 ジ(低級ァ ルキル)置換アミノ、 低級アルコキシ等が挙げられる] 等が挙げられる。 ま た、 上記の置換低級アルキルにおいては、 該低級アルキルにおける同一炭素 原子上に 2つの置換基を有し、 該 2つの置換基が該炭素原子と一緒になつて 脂肪族環を形成していてもよい。 なお置換低級アルキルが置換メチルまたは 置換ェチルである場合は、 その置換基は、 さらに同一または異な tつて、 例え ば置換数 1〜3 の、 低級アルキルまたは置換低級アルキル [該置換低級アル キルにおける置換基としては、 同一または異なって例えば置換数 1〜3 の、 ハロゲン、 ヒ ドロキシ、 ニトロ、 ァミノ、 モノ(低級アルキル)置換アミノ、 ジ(低級アルキル)置換アミソ、 低級アルコキシ等が挙げられる] であっても よい。
置換低級アルキル、 置換低級アルコキシ、.モノ(置換低級アルキル)置換ァ ミノ、 ジ(置換低級アルキル)置換アミノ、 置換低級アルカノィルァミノ及び 置換低級アルケニルにおける置換基の定義において、 ハロゲンは前記と同義 であり、 低級アルキル、 モノ(低級アルキル)置換アミノ、 ジ(低級アルキル) 置換アミノ及び低級アルコキシにおける低級アルキル部分は、 前記低級アル キルと同義であり、 ァリールは前記と同義である。 環状アルキル及び脂肪族 環の環状アルキル部分としては、 例えば炭素数 3〜8の環状アルキル、 より 具体的にはシクロプロピル、 シクロブチル、 シクロペンチル、 シクロへキシ ル、シクロヘプ ル、シクロォクチル等が挙げられる。ァラルキルとしては、 例えば炭素数 7〜12 のァラルキル、 より具体的にはベンジル、 フエネチル、 ナフチルメチル等が挙げられる。
置換ァリール、 置換へテロアリール、 置換ァラルキルァミノ及び置換ァリ ールァミノにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換数 1〜3 の、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 ァミノ、 低級アルキル等が挙げられる。
置換ァリール、 置換へテロアリール、 置換ァラルキルァミノ及び置換ァリ —ルアミノにおける置換基の定義において、 ハロゲン及び低級アルキルはそ れそれ前記と同義である。
置換複素璟基における置換基とし は、 同一または異なって例えば置換数 1〜3の、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 低級アルキル等が挙げられる。
置換複素環基における置換基の定義において、 ハロゲン及び低級アルキル はそれそれ前記と同義である。
式 (la) 及び式 (lb) の各基の定義において、 低級アルキルとしては、 例 えば直鎖または分岐している炭素数 1〜6 のアルキル、 より具体的にはメチ ル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル、 ブチル、 イソブチル、 sec-ブチル、 tert -プチル、 ペンチル、 へキシル、 1, 2,2-トリメチルプロピル等が挙げら れる
ハロゲンは、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素の各原子を意味する。 . 低級アルコキシ、 モノ(低級アルキル)置換アミノ及びジ(低級アルキル)置 換ァミノにおける低級アルキル部分は、 前記低級アルキルと同義である。
低級アルケニルとしては、 例えば直鎖または分岐している炭素数 2〜6 の アルケニル、 より具体的にはビニル、 ァリル、 1-プロぺニル、 メ夕クリル、 卜ブテニル、 クロチル、 ペンテニル、 へキセニル等が挙げられる。
ァリール及びァリールァミノのァリ一ル部分としては、 例えばフヱニル、 ナフチル等が挙げられ、ヘテロァリールとしては、例えばピリジル'、フリル、 チェニル、 キノリル、 イミダゾリル、 ペンゾィミダゾリル、 チアゾリル等が 挙げられる。
ァラルキル及びァラルキルアミノのァラルキル部分としては、 例えば炭素 数 7~12のァラルキル、 より具体的にはベンジル、 フエネチル、 ナフチルメ チル等が挙げられる。
脂環式複素環 Sとしては、 例えばテトラヒ ドロフリル、 テトラヒ ドロチェ ニル、 クロマニル等が挙げられる。 含窒素複素璟基は、 例えば 1つまたは 2 つの窒素原子をその璟内に含む複素環基であり、 さらに酸素、 硫黄等のへテ 口原子を含んでいてもよく、 且つその環内の窒素原子が隣接するカルボニル 基と結合している複素環基を表し、 より具体的にはピロリジニル、 ピペコリ ニル、 ピペラジニル、 ピペリジル、 モルホリニル、 チオモルホリニル、 ォキ サゾリル等が挙げられる。
環状アルキルとしては、 例えば炭素数 3〜8 の環状アルキル、 より具体的 にはシクロプロピル、 シクロプチル、 シクロペンチル、 シクロへキシル、 シ クロへプチル、 シクロォクチル等が挙げられる。
置換低級アルキル、 置換低級アルコキシ、 モノ(置換低級アルキル)置換ァ ミノ、 ジ(置換低級アルキル)置換アミノ、 置換低敏アルケニル及び置換環状 アルキルにおける置換基としては、 同一または異なって例えば置換数 1〜3 の、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 ニトロ、 ァミノ、 モノ(低級アルキル)置換アミ ノ、 ジ(低級アルキル)置換ァミノ、 低級アルコキシ等が挙げられる。 また置 換低級アルキルが、 置換メチルまたは置換ェチルである-場合は、 その置換基 は、 さらに同一または異なって、 .例えば置換数 1〜3 の、 低級アルキル、 置 換低級アルキル [該置換低級アルキルにおける置換基としては、 同一または 異なって例えば置換数 1〜3 の、 ハロゲン、 ヒ ドロキシ、 ニトロ、 ァミノ、
モノ(低級アルキル)置換アミソ、 ジ(低級アルキル)置換アミノ、 低級アルコ キシ等が挙げられる] 、 璟状アルキル、 置換環状アルキル [該置換環状アル キルにおける置換基としては、 同一または異なって例えば置換数 1〜3 の、 ハロゲン、 ヒ ドロキシ、 ニトロ、 ァミノ、 モノ(低級アルキル)置換アミノ、 ジ(低級アルキル)置換ァミノ、低級アルコキシ等が挙げられる]、ァリール、 置換ァリール [該置換ァリールにおける置換基としては、 同一または異なつ て例えば釐換数 1〜3の、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 ニトロ、 ァミノ、 モノ(低 級アルキル)置換アミノ、 ジ(低級アルキル)置換アミノ、 低級アルコキシ等 が挙げられる] 、 ァラルキル、 置換ァラルキル [該置換ァラルキルにおける 置換基としては、 同一または異なって例えば置換数 1〜3 の、 ハロゲン、 ヒ ドロキシ、 ニトロ、 ァミノ、 モノ(低級アルキル)置換ァミノ、 ジ(低級アル キル)置換アミノ、 低級アルコキシ等が挙げられる] 、 置換低級アルコキシ
[該置換低級アルコキシにおける置換基としては、 同一または異なって例え ば置換数 1〜3の、 ハロゲン、 ヒ ドロキシ、 ニトロ、 ァミノ、 モノ(低級アル キル)置換アミノ、 ジ(低級アルキル)置換アミノ、 低級アルコキシ等が挙げ られる] 等であってもよい。 さらに置換メチルまたは置換ェチルの、 メチル またはェチルにおける同一炭素原子上に 2つの置換基を有し、 該 2つの置換 基が該炭素原子と一緒になつて脂肪族環を形成していてもよい。
置換低級アルキル、 置換低級アルコキシ、 モノ(置換低級アルキル)置換ァ ミノ、 ジ(置換低級アルキル)置換アミノ、 置換低級アルケニル及び置換環状 アルキルにおける置換基の定義において、 ハロゲン、 環状アルキル、 ァリ一 ル及びァラルキルはそれそれ前記と同義であり、 低級アルキル、 モノ(低級 アルキル)置換アミノ、 ジ(低級アルキル)置換ァミノ及び低級アルコキシに おける低級アルキル部分は、 前記低級アルキルと同義であり、 脂肪族環の環 状アルキル部分は前記環状アルキルと同義である。
置換ァリール、 置換へテロアリール、 置換ァラルキル、 置換ァラルキルァ ミノ及び置換ァリールァミノにおける置換基としては、 同一または異なって 例えば置換数 1〜3 の、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 ァミノ、 低級アルキル等が 挙げられる。
置換ァリール、 置換へテロアリール、 置換ァラルキル、 置換ァラルキルァ ミノ及び置換ァリールァミノにおける置換基の定義において、 ハロゲン及び 低級アルキルはそれそれ前記と同義である。
置換脂璟式複素璟基及ぴ置換含窒素複素璟基における置換基としては、 同
—または異なって例えば置換数 1〜3 の、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 低級アル キル等が挙げられる。
置換脂璟式複素環基及び置換含窒素複素環基における置換基の定義にお いて、 ハロゲン及び低級アルキルはそれそれ前記と同義である。
化合物 ( I ) 、 化合物 ( la) 及び化合物 ( lb) の薬理学的に許容される塩 としては、 薬理学的に許容される酸付加塩が挙げられ、 例えば塩酸塩、 臭化 水素酸塩、 ヨウ化水素酸塩、 硝酸塩、 硫酸塩、 リン酸塩等の無機酸塩、 ギ酸 塩、 酢酸塩、 安息香酸塩、 マレ'イン酸塩、 フマル酸塩、 コハク酸塩、 酒石酸 塩、 クェン酸塩、 シユウ酸塩、 グリオキシル酸塩、 ァスパラギン酸塩、 メ夕 ンスルホン酸塩、 エタンスルホン酸塩、 ベンゼンスルホン酸塩等の有機酸塩 が挙げられる。
本発明で用いられる三環式化合物は、 前記刊行物に開示された方法、 また はそれらに準じて製造することができ、 有機合成化学で常用される精製法、 例えば中和、 濾過、 抽出、 洗浄、 乾燥、 濃縮、 再結晶、 各種クロマトグラフ ィ一等に付して単離 ·精製することができる。
本発明で用いられる三環式化合物の塩を取得したいとき、 当該三環式化合 物が塩の形で得.られる場合には、 そのまま精製すればよく、 また、 遊離塩基 の形で得られる場合には、 当該遊離塩基を適当な溶媒に溶解または懸濁し、 酸を加え塩を形成させれば良い。
なお、 本発明で用いられる三環式化合物の中には光学異性体が存在し得る ものもあるが、 全ての可能な立体異性体及びそれらの混合物も、 本発明の疼 痛の予防及び/または治療剤の有効成分として用いることができる。
また、.本発明で用いられる三璟式化合物またはその薬理学的に許容される 塩は、 水、 または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、 これら 付加物も本発明の疼痛の予防及び/または治療剤の有効成分として用いる
ことができる。
鎮痛作用の評価には、 化学的または物理的な疼痛刺激を動物に与え、 その 疼痛刺激に対する反応の変化をとらえる方法が用いられる。疼痛の予防及び /または治療剤の鎮痛作用の評価法として最も多く使われている方法の一 つがライジング抑制法である。 これはマウスの腹腔内に刺激物質を注射して、 そのあとに生じる、 腹部を収縮させる、 または、 体をひねり後肢を進展させ る特有の苦悶症状 (writhing syndrome) に対する試験化合物の抑制効果を みる方法である [医薬品開発基礎講座、第 5 、第 6号、 283頁(1971年) ]。 —方、 ホルマリンテストは炎症性疼痛モデルの一つで, ホルマリンを後肢に 皮下投与することにより作製するものであり、 二相性の疼痛行動を示す。 こ の疼痛行動は, 皮下投与した後肢をなめたり (l icking) 振り回したり ( flinching) する行動である。 第 1相は局所神経への直接刺激による急性 痛、 第 2相は第 1相の刺激と炎症反応による持続的疼痛刺激により誘導され る痛覚過敏と考えられている [ペイン ' クリニック (Pain Cl inic) 、 第 15 卷、 498頁 (1994年) ] 。 この疼痛行動の抑制を観察することで、 試験化合 物による鎮痛作用が評価できる。
次に、 化合物 (I ) の代表的化合物の薬理作用を試験例により説明する。 試験例において試験化合物としては、 ( -( + )- 3,3, 3-トリフルォロ- 2-ヒ ド ロキシ -2-メチル - -(5,5, 10-ト リォキソ -4, 10-ジヒ ドロチェノ [3, 2-c] [ l] ペンゾチェピン- 9-ィル)プロパンアミ ド
[ ( -( + )- 3,3,3- trii'luoro- 2-hydroxy- 2- methyl- -(5,5,10-trioxo - 4, 10- dihydrothi eno [ 3 , 2- c] [l ]benzothiepin-9-yl )propanamiae]を用いた。以下、 上記化合物を本明細書において、 化合物 1 という。 なお、 化合物 1 は、 W098/46587記載の化合物 (1-25) と同一化合物である。
試験例 1:マウスのライジング抑制法による化合物 1の鎮痛作用の評価
試験にはマウス (ddY系、 雄性、 体重 19〜24 g、 日本 SLC) を使用した。 マウスを観察用プラスチヅクビ一カー (サンプラスチック製、 直径 10.5cm X高さ 14.5cm)内に入れ、 0.7%酢酸一生理食塩水溶液を体重 20 gあたり 0.2 mL腹腔内に投与した。 疼痛反応の指標として投与後 10〜15分に発現するラ
ィジング回数を測定し、溶媒投与群と比較した。化合物 1は >濃度が 2 5 mg/niL となるように 0. 5 w/v%メチルセルロース 400 cP (和光純薬工業) に懸濁し、 酢酸投与の 1時間前に経口投与した。 また別途溶媒投与群を設け、 各群マウ ス 4匹を使用した。 酢酸によるライジング回数は、 溶媒投与群では 15. 75士 1 .25回であり、 化合物 1 ( 25 mg/kg) 投与群では 7.25 ± 2. 39回であった。 化合物 1投与群では、 溶媒投与群と比較して有意な苦悶症状の抑制作用が認 められた (図 1) 。 縦軸は酢酸の腹腔内投与により発現したライジング回数 を示し、 値は平均値士標準誤差を意味する。 なお、 化合物 1の 5〜; L00 mg/kg 投与による検討結果から算出された、 化合物 1の経口投与での 50%有効用量
( ED5Q) は 33. 1 mg/kgであった。
試験例 2:ラットのホルマリンテストによる化合物 1の鎮痛作用の評価 試験にはラット (SD系、 雄性、 体重 290〜320g、 セアツク吉富) を使用し た。 ホルマリンによる疼痛行動の誘発は山本らの方法 [ペイン ·クリニック
(Pain Cl inic) 、 第 15巻、 498頁 (1994年) ] に準じて実施した。 ラヅ ト をボールマンケージ(夏目製作所)に入れて保定し、 10〜; 15分間馴化させた。 その後、両側後肢をケージから出して運動を妨げない状態にし、 30ゲージの 眼内注射針 (二プロ医ェ) を用いて左後足皮下に 5%ホルマリン 50 ju lを投 与した。 疼痛反応の指標と して、 ホルマリ ン投与側後肢を振る行動
( f l inching)の回数を測定した。ホルマリン投与後 1〜6分までの 5分間は、 1〜2分、 2〜3分、 3〜4分、 4〜5分、 5〜6分のように 1分毎に合計 5分間 測定した。 ホルマリン投与後 10〜60分は、 10〜; L1分、 11〜12分の 1分間ず つの測定数の平均を 10分の測定値とし、同様にして 5分毎に、 15分、 20分、 25分、 30分、 35分、 40分、 45分、 50分、 55分、 60分の測定値を算出し、 11個の測定値の合計を算出した。測定前及び測定中に強いストレス症状が認 められた場合、 測定を中止した。 化合物 1は、 濃度が 0. 3 mg/mLとなるよう に 0. 5 w/v%メチルセルロース 400 cP (和光純薬工業) に懸濁し、 ホルマリ ン投与の 30分前に経口投与した。 また別途溶媒投与群を設け、各群ラッ ト 4 匹を使用した。 溶媒投与群及び化合物 1投与群について、 投与後 1〜10分ま でを第 1相、 投与後 10〜60分までを第 2相として、 それぞれの測定回数の
合計を比較した。 ホルマリン投与による flinchingの回数は、 溶媒投与群で は第 1相 58.3±2.1回、 第 2相 94.0±8.8回であり、 化合物 1 (3 mg/kg) 投 与群では第 1相 42.3±4.2回、 第 2祖 69.9± 13.8回であった。 第 1相の反 応では、 溶媒投与群と比較して化合物 1投与群で有意な疼痛行動の抑制作用 が認められた (図 2) 。 縦軸は第 1相及び第 2相におけるホルマリン投与側 後肢を振る行動の回数 [フリンチング (flinching) 回数] を示し.、 値は平 均値士標準誤差を意味する。
試験例 3:マウスのホルマリンテストによる化合物 1の鎮痛作用の評価 試験にはマウス (ICR系、雄性、体重 25〜27 g、 日本クレア) を使用した。 ホルマリンによる疼痛行動の誘発は Mooreらの方法 [プリティッシュ ·ジャ ——ナゾレ ·ォ'ブ' - ファ——マコロジ—— (British Journal of Pharmacology) 、 第 110卷、 219頁 (1993年) ] に準じて実施した。 マウスを観察用プラスチ ヅクビーカー (サンプラスチック) 内に入れて馴化させた後に、 30ゲージの 眼内注射針 (二プロ医ェ) を用いて、 左後足皮下に 5%ホルマリン 10 を 投与した。 疼痛反応の指標として、 左後足を舐める行動 ( licking) を示し た時間 (秒) を測定した。 第 1相としてホルマリン投与後 0分か 5分、 第 2相としてホルマリン投与後 15分から 30分に示した licking'の合計時間を それそれ測定した。 化合物 1 は、 濃度が 1.0 mg/mL となるように 0.5 w/v% メチルセルロース 400 cP (和光純薬工業) に懸濁し、 ホルマリン投与の 30 分前に経口投与した。 また別途溶媒投与群を設け、 各群マウス 10 匹を使用 した。 ホルマリン投与による licking時間は、 溶媒投与群では第 1相 85.0 ± 10.3秒、 第 2相 168.0±30.4秒であり、 化合物 1 ( 10 mg/kg) 投与群では 第 1相 39.5±5.3秒、 第 2相 135.2±21.3秒であった。 第 1相の反応では、 溶媒投与群と比較して化合物 1投与群で有意な疼痛行動の抑制作用が認めら れた (図 3) 。 縦軸は第 1相及び第 2相における左後足を舐める行動の時間 [リツキング (licking) 時間、 単位:秒] を示し、 値は平均値士標準誤差 を意味する。
上記試験例 1〜3において、 化合物 1は有意な鎮痛作用を示し、 これらの 結果から化合物 (I) は疼痛の予防及び/または治療剤として有用であると
考えられる。
本発明の化合物を含有する医薬製剤は、 活性成分として該化合物を単独で、 または任意の他の治療のための有効成分との混合物として含有することが できる。 また、 それら医薬製剤は、 活性成分を薬理学的に許容される一種も しくはそれ以上の担体と一緒に混合し、 製剤学の技術分野においてよく知ら れている任意の方法により製造される。
投与経路は、 治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、 その 投与経路としては経口または例えば経皮、 静脈内等の非経口を挙げることが できる。
投与形態としては、 例えば錠剤、 カプセル剤、 注射剤等がある。
経口投与に適当な、 例えば錠剤等は、 乳糖、 ブドウ糖、 蔗糖、 マンニッ ト 等の賦形剤、 澱粉、 アルギン酸ソ一ダ等の崩壊剤、 ステアリン酸マグネシゥ ム、 タルク等の滑沢剤、 ポリビニルアルコール、 ヒドロキシプロピルセル口 ース、 ゼラチン等の結合剤、 脂肪酸エステル等の界面活性剤、 グリセリン等 の可塑剤等を用いて製造できる。
また、 注射剤は、 例えば蒸留水、 塩溶液、 グルコース溶液または塩溶液と グルコース溶液の混合物からなる担体を用いて調製することができる。 この 際、 常法に従い適当な助剤を用いて、 溶液、 懸濁液または分散液として調製 される。
本発明の化合物の投与量及び投与回数は、 投与形態、 患者の年齢、 体重、 治療すべき症状の性質または重篤度等により異なるが、 通常経口の場合、 成 人一人当り 0. 01 mg〜l g、 好ましくは 0. 05〜50 mgを一日一回ないし数回投 与する。 静脈内投与等の非経口投与の場合、 成人一人当り 0. 001〜; 100 mg、 好ましくは 0. 01〜; 10 mgを一日一回ないし数回投与する。 しかしながら、 こ れら投与量及び投与回数に関しては、 前述の種々の条件により変動する。 図面の簡単な説明
図 1は、 マウスの酢酸誘発疼痛行動に対する化合物 1 ( 25 mg/kg、 経口投 与) の作用を示す図である。
* : Pく 0. 05 (溶媒投与群対比の Student t -検定)
図 2は、 ラッ トのホルマリン誘発疼痛行動に対する化合物 1 ( 3 mg/kg、 経 口投与) の作用を示す図である。
* : Pく 0.05 (溶媒投与群対比の Student έ -検定)
図 3は、 マウスのホルマリン誘発疼痛行動に対する化合物 1 ( 10 mg/kg 経口投与) の作用を示す図である。 ,
* : Pく 0.05 (溶媒投与群対比の Student έ -検定)
発明を実施するための最良の形態
実施例 1:錠剤 '
常法により、 次の組成からなる錠剤を調製した。
■ 250 gの化合物 1、 マンニトール 1598.5 g、 でん粉グリコール酸ナトリゥ ム 100 g、 軽質無水ケィ酸 10 g、 ステアリン酸マグネシウム 40 g及び黄色 三二酸化鉄 1.5 を常法により混合した。' この混合物を用い、 径 8 mmの杵 を有する打錠機 (菊水社製 Purepress Correct- 12型) で打錠を行って、 錠 剤 (1錠あたり活性成分 25 mgを含有する) を得た。
処方 化合物 1 25 mg
マンニト一ル 159.85 mg
でん粉グリコ一ル酸ナトリウム 10 mg
軽質無水ケィ酸 1 mg
ステアリン酸マグネシゥム 4 mg
黄色三二酸化鉄 0^15 g_
200 mg
実施例 2: プセル剤 .
常法により、 次の組成からなるカプセル剤を調製した。
500 gの化合物 1、 ラクトース 300 g、 軽質無水ケィ酸 100 g及びラウリル 硫酸ナトリゥム 100 gを常法により混合した。 この混合物をカプセル充填機 ( Zanasi社製、 LZ- 64型) により、 ハードカプセル 1号 (1カプセルあたり lOO mg容量) に充填し、 カプセル剤 (1カプセルあたり活性成分 50 mgを含 有する) を得た。
処方 化合物 1 50 mg
ラクトース 30 mg
軽質無水ケィ酸 10 mg
ラウリル硫酸ナトリウム 10 _1£
100 mg
実施例 3:注射剤 ,
常法により、 次の組成からなる注射剤を調製する。
l gの化合物 1及び D-マンニトール 5 gを注射用蒸留水に添加して混合し、 さらに塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液を添加して pHを 6 に調整した後、 注射用蒸留水で全量を 1000 mLとする。 得られた混合液をガラスバイアルに 2 mLずつ無菌的に充填して、 注射剤 (1バイアルあたり活性成分 2 mgを含 有する) を得る。
処方 化合物 1 2 mg
D-マンニトール 10 fflg
塩酸酸
水酸化ナトリゥム水溶液
注射用蒸留水
2. 00 mL
産業上の利用可能性
本発明により、 三環式化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成 分として含有する疼痛の予防及び/または治療剤が提供される。