WO2005004535A1

WO2005004535A1 - パネル型スピーカ

Info

Publication number: WO2005004535A1
Application number: PCT/JP2004/009323
Authority: WO
Inventors: Kazuhiro Kobayashi; Yoshiro Ohkawa
Original assignee: Citizen Electronics Co., Ltd.; Authentic, Ltd.
Priority date: 2003-07-02
Filing date: 2004-07-01
Publication date: 2005-01-13
Also published as: DE112004001143T5; US20070177746A1; CN1813488A; JPWO2005004535A1

Abstract

本発明のパネル型スピーカは、圧電材料を素材として撓み振動が励振されるバイモルフ型のビーム及びこのビームを保持するビーム保持部を備えたエキサイタと、このエキサイタに結合されかつこのエキサイタから伝達される振動に基づき撓み振動を発生する表示装置の透明保護板を兼ねた振動板とを備えている。ビーム保持部の底面の面積は最大のビームの面積の１／４以上の大きさを有するとともに振動板に固定されている。このパネル型スピーカは、励振効率が高く、構造が簡易で、音響特性調整機構の付加が容易である。　

Description

明細書

パネル型スピーカ

技術分野

[0001] 本発明は、振動モード方式のパネル型スピーカに関するものであり、特に、液晶パネルやプラズマパネルなどの薄型表示装置との組合せに適したパネル型スピーカに関するものである。

^景技術

[0002] 本出願人は、すでに、振動モード方式のパネル型スピーカについて、いくつかの特許出願をしてきた（特許文献 1， 2, 3)。この振動モード型のスピーカは、周辺部を柔らかな弾性体を介して固定した平板 (パネル）の裏面に電磁型のェキサイタ（振動装置）のボイスコイルを保持するボビンの先端面を取付け、このェキサイタの磁気回路を同じく柔らかめの弾性体を介してケースなどに固定した構造を有する。

[0003] ボビンの前後方向への往復動により、このボビンの先端面に固定されているパネルに橈み振動が励振される。この種の発音方式はパネルの前後への往復動よりも、その橈み振動を発音の主体とすることから、振動モード方式、あるいは分布モード (Di stributed Mode : DM )方式と称される。この振動モード方式のパネル型スピーカの利点は、高音質と薄型の構造とを実現できる点などにある。

[0004] さらに、本出願人は、液晶パネルやプラズマ ·パネルのなどの薄型表示装置との組合せに適したパネル型スピーカについても、すでに特許出願済みである（特許文献 4 )。このパネル型スピーカは、薄型表示装置の前面に配置される保護カバーや偏光フィルタなどの透光性の平板（パネル）を振動モード方式のパネル型スピーカの振動板と兼用するように構成されている。また、文献 5， 6には本発明のパネル型スピーカの基本構造'原理が開示されている。

特許文献 1 :特開平 10-243491号公報（図卜図 3)

特許文献 2 :特開平 1卜331966号公報（図卜図 2)

特許文献 3 :特開平 1卜331969号公報（図卜図 3)

特許文献 4 :特開 2001-189978号公報（図 1-図 5) 特許文献 5：特表 2002-539699号公報

特許文献 6：特表 2003 - 520540号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] 上記特許文献 4に開示した電磁型ェキサイタを用いた振動モード方式のパネル型スピーカでは、電磁型のェキサイタの小面積の先端面で表示装置の保護板を兼ねた大面積の振動板を励振する構成であるため、励振効率の点で十分とはいえず、改善の余地がある。また、従来のパネル型スピーカでは、電磁型のェキサイタを保持する機構が必要になり、構造が複雑になるという問題もある。さらに、従来のパネル型スピ一力では、電磁型のェキサイタに音質補正のための調整機構を追加することが困難であり、音質の点での問題もある。また、文献 5， 6にパネル型スピーカの基本構造について開示されており、本発明ではさらにバイモルフ型のビームを用いたェキサイタとしての取り扱レ、や信頼性を向上させることを目的としてレ、る。

課題を解決するための手段

[0006] 本発明のパネル型スピーカは、圧電材料を素材として橈み振動が励振されるバイモルフ型のビームおよびこのビームを保持するビーム保持部を備えたェキサイタと、このェキサイタに結合され且つこのェキサイタから伝達される振動に基づき橈み振動を発生する表示装置の透明保護板を兼ねた振動板とを備えている。そして、ェキサイタのビーム保持部の底面は、ビームのうち最大のものの面積の四分の 1以上の面積を有すると共に振動板の表面に固定されることにより振動板上に保持されている。発明の効果

[0007] 本発明のパネル型スピーカは、橈み振動が励振されるバイモルフ型のビームとビームの長さの 1Z4よりも長い保持部とを備えたバイモルフ型のビームを備えたェキサイタによって表示装置の透明保護板を兼ねた振動板を橈み振動させる構成であるから、振動板との結合部の面積を大きくでき、高い励振効率と強い固着を実現できる。

[0008] また、ェキサイタの保持機構は電磁型のそれに比べて構造が簡単になるという利点もある。さらに、本発明のェキサイタでは、音質補正のための調整機構の追加が容易であり、この結果音質の向上を図ることが可能になる。

図面の簡単な説明

[0009] [図 1]本発明の一実施例であるパネル型スピーカと液晶表示装置とを組み合わせた斜視図である。

[図 2]図 1中のパネル型スピーカのェキサイタを拡大して示す拡大斜視図である。

[図 3]図 1中のパネル型スピーカのェキサイタを拡大して反対側から示す拡大斜視図である。

[図 4]本発明の他の実施例であるパネル型スピーカのェキサイタの構成を示す正面図である。

[図 5]図 4に示したパネル型スピーカの音圧レベル対周波数特性を、音響特性調整機構 ADをもたない他のパネル型スピーカと比較して示す実験データである。

[図 6]本発明のさらに他の実施例であるパネル型スピーカの構成を示す正面図である。

[図 7]本発明のさらに他の実施例であるパネル型スピーカのェキサイタの構成を示す正面図である。

[図 8]図 7に示したパネル型スピーカの音圧レベル対周波数特性を、スぺーサ SPをもたない他のパネル型スピーカと比較して示す実験データである。

[図 9]本発明のさらに他の実施例であるパネル型スピーカのェキサイタの構成を示す正面図である。

発明を実施するための最良の形態

[0010] 図 1は、本発明の一実施例であるパネル型スピーカと液晶表示装置とを組み合わせた斜視図である。この斜視図においては、液晶表示装置 LCDが裏側から描かれている。この液晶表示装置 LCDの正面には表示面を保護するための透明の保護板を兼ねた振動板 Pが取付けられてレ、る。この振動板 Pは液晶表示装置 LCDの一方の側において表示面の外側に延長されており、この延長部分の裏面にェキサイタ EX が接着剤によって取付けられている。

[0011] 図 2と図 3は、図 1に示したェキサイタ EXの構成を拡大して示す図であり、図 2は図 1と同じ側から見た拡大斜視図、図 3は図 1と反対の側から見た拡大斜視図である。図 1乃至図 3を参照すると、ェキサイタ EXは、異なる長さの 2本のバイモルフ型のビーム Bl , B2と、これら 2本のビームを中央部分で保持するビーム保持部 Sとを備えている。

[0012] ビーム Bl， B2は、バイモルフ型の構造を有し、矩形の断面形状を有する細長い板状の圧電素子の表裏両面に蒸着などにより金属の薄膜の電極が形成された構造を有する。ビーム保持部 Sは、コの字形状の外枠の中央部分にビーム保持壁 SWが形成された構造を有し、プラスチックなどの素材で構成されている。ビーム保持壁 SWには、ビーム Bl , B2を通過させる矩形断面の貫通孔が形成され、この貫通孔の内部にビーム Bl , B2がそれぞれの中央部分を接着剤で固定されることにより、保持されている。

[0013] 図示しない信号線と、ビーム保持部 Sに固定されている対応の信号端子 Tとを通して、ビーム Bl， B2の表裏両面の電極間に交流の信号電圧が供給される。この信号の振幅と周波数に応じて、ビーム Bl， B2のそれぞれは橈み振動を開始する。この撓み振動の周波数特性がビーム Bl , B2の長さに依存するので、振動特性の広帯域化を図るために、ビーム Bl , B2には異なる長さが設定されている。

[0014] ビーム Bl, B2に励振された橈み振動は、ビーム保持壁 SWに伝達され、ここ力らビーム保持部 Sの外枠の底面に伝達される。この結果、ビーム保持部 Sの外枠の底面は振動板 Pの法線方向に沿う振動を開始し、振動板 Pに橈み振動が励振される。ビーム保持部 Sの外枠の底面の面積を、ェキサイタ EXの出力や、液晶表示装置 LCD の保護板を兼ねた振動板 Pの大きさや厚みに応じて適宜変更することにより、橈み振動の効率の良い励振と、より大きな面積を選択することにより振動板 Pとの強い固着が実現可能となる。この励振の能率を高めると同時に強い固着を得るために、ビーム保持部 Sの外枠の底面の面積は、図示のように、大きい方のビーム B2の面積 (長さ X幅）の 1Z4以上の値に設定される。また、本発明のェキサイタは、従来の電磁型のェキサイタとは異なり、ビーム保持部 Sを液晶表示装置 LCDに取付けた保持金具や、液晶表示装置を収容するフレームなどに固定する必要がなくなり、固定構造が簡略化される。

[0015] 図 4は、本発明の他の実施例におけるパネル型スピーカのェキサイタの構成を示す正面図である。本図において、図 1乃至図 3と同一の参照符号を付した構成要素は、各図に関して説明したものと同一の構成要素であり、これらについては重複する説明を省略する。この実施例では、ビーム Bl， B2を保持するビーム保持部 Sの頂面に音響特性調整機構 ADを付加した構造を有する。この音響特性調整機構 ADは、ポリウレタンフォームの板 Cと金属板 Wとを接着剤でビーム保持部 Sの頂面に積層した構造を有している。

[0016] ポリウレタンフォームの板 Cでは、その厚み方向の伸縮に伴って主としてポテンシャルエネルギーが蓄積 .放出され、金属板 Wでは、上下方向への振動に伴って主として運動エネルギーが蓄積 '放出される。この結果、蓄積'放出されるポテンシャルエネルギ一と運動エネルギーとが等しくなる周波数で共振が生じる。ポリウレタンフォームの板 Cの内部での振動の減衰が大きいため、この共振の Q値は低い値になり、共振周波数で音圧レベルの過剰が軽減される。この結果、この音響特性調整機構 ADの付加によって、音圧レベル対周波数特性が平坦化される。

[0017] 図 5は、上記音響特性調整機構 ADの付加の効果を示す実験データである。点線は、音響特性調整機構 ADを付加する前の音圧レベル対周波数特性を示す実験データであり、実線は音響特性調整機構 ADを付加した後の音圧レベル対周波数特性を示す実験データである。音響特性調整機構 ADを付加することによって、特に中音域の音圧レベルが低下し、全体的に音圧レベル対周波数特性が平坦になっている。

[0018] 本発明の上記の実施例によれば、ェキサイタのビーム保持部 Sの頂面に、このパネル型スピーカの周波数帯域内に共振点をもつ音響特性調整機構 ADを付加することにより、音圧レベル対周波数特性の平坦化など特性の改善が図られる。

[0019] さらに、上記の実施例によれば、上記音響特性調整機構としてクッション層と金属板との積層構造が採用されることにより、ビームの橈み振動に対する共振の Q値を低下させ、音圧レベル対周波数特性の平坦化など音響特性の改善が図られる。

[0020] 図 6は、本発明の他の実施例におけるパネル型スピーカのェキサイタの構成を示す正面図である。本図において、図 1乃至図 4と同一の参照符号を付した構成要素は、各図に関して説明したものと同一の構成要素であり、これらについては重複する説明を省略する。この実施例では、音響特性調整機構 ADが板パネ Gで構成されている。すなわち、ビーム保持部 Sの頂面に、小径の円形ポスト POを形成し、このポスト POの頂面に燐青銅などを素材とする板パネ Gを接着剤で固定してレ、る。板パネ Gに橈み振動が励振され、振動エネルギーがこの板パネの内部で消費されることにより、図 4の場合と同様に音圧レベル対周波数特性の平坦ィヒが実現される。

[0021] 本発明の上記の実施例によれば、上記音響特性調整機構 ADとしてビームの長さ方向に沿って延長される板パネ Gなどの構造が採用されることにより、ビームの橈み振動に対する共振の Q値を低下させ、音圧レベル対周波数特性の平坦化による音響特性の改善が図られる。

[0022] 図 7は、本発明の他の実施例におけるパネル型スピーカのェキサイタの構成を示す正面図である。本図においても、既に説明した構成要素については、重複する説明を省略する。この実施例では、ビーム B1の端部に対向するビーム B2の表面にポリウレタンを素材とする直方体の形状のスぺーサ SPが接着固定された構造を有している。

[0023] このスぺーサ SPは、ビーム Bl , B2の橈み振動の振幅を一定値以下に制限する振幅制限機能を果たす。すなわち、ビーム Bl， B2の橈み振動の振幅が増大して双方の端部が有る距離以下に接近しょうとしてもスぺーサ SPによってこの接近が阻止される。

[0024] 図 8は、上記スぺーサ SPを付加した時の効果を示す実験データである。点線は、スぺーサ SPを付加する前の音圧レベル対周波数特性を示す実験データであり、実線はスぺーサ SPを付加した後の音圧レベル対周波数特性を示す実験データである。スぺーサ SPを付加することによって、中低音域における周波数に対する音圧レベルの変化幅が小さくなり、音圧レベルが平坦化されている。

[0025] 本発明の上記の実施例によれば、上記ビームは長さの異なる 2本のビーム Bl , B2 で構成され、ビームの一方に他方のビームとの間隔を一定値以上に保っための弾性体のスぺーサ SPが固定されることにより、音圧レベル対周波数特性の平坦化が図られる。

[0026] 図 9は、本発明の他の実施例におけるパネル型スピーカのェキサイタの構成を示す正面図である。この実施例では、ビーム保持部 Sの内部にビーム Bl , B2を完全に収容可能となるように、ビーム保持部 Sがビーム Bl, B2の長手方向に延長され、ケースを兼ねる構造となっている。そして、このケースを兼ねるビーム保持部 Sの長手方向に橈み振動が励振されるのを防止するために、ビーム保持部 Sの端部に結合部 L が形成され、剛性が増大せしめられる。

[0027] このように、ェキサイタのビーム保持部 Sがビーム Bl， B2の長さ方向に延長されてビームを内部に収容すると共に、箱型構造を呈することによりビームの保護機能を兼ねる。また、表示装置の前面に配置され、表示装置の保護を兼ねた振動板への両面テープ又は接着剤等による固着の強度を高くするように構成されている。

[0028] 本発明の上記の実施例によれば、薄くて脆弱な構造のビーム Bl， B2がケースを兼ねるェキサイタのビーム保持部 Sの内部に収容されているため、組み立て時に、作業者の手の接触などにより、ビームが破損するおそれを完全に除くことができる。また、落下時などに発生する大きな衝撃力によってビームが過大に振れようとしても、これを収容するケースによって阻止されるので、過大な振れによる破壊が防止される。また、過大な電気信号によってビームの振れが過大になる場合でもケースによって保護される。

[0029] 以上、ェキサイタのビーム保持部 Sの底面を矩形状の場合を例示した。しかしながら、この底面の形状としては、必要に応じて、円形、楕円形など適宜な形状に選択すること力 Sできる。

符号の説明

[0030] LCD 液晶表示装置

P 液晶表示装置の透明の保護板を兼ねた振動板

EX バイモルフ型のビームを用いたェキサイタ

Bl , B2 バイモノレフ型ビーム

S ビーム保持部

SW ビーム保持壁

AD 音響特性調整機構

C ポリウレタンフォームの板

w 金属板 G 板バネ

SP ポリウレタンフォームのスぺーサ L 結合部

Claims

請求の範囲

[1] 圧電材料を素材として橈み振動が励振されるバイモルフ型のビームおよびこのビームを保持するビーム保持部を備えたェキサイタと、このェキサイタに結合されかっこのェキサイタから伝達される振動に基づいて橈み振動を発生する表示装置の透明保護板を兼ねた振動板とを備えたパネル型スピーカにおレ、て、

前記ェキサイタのビーム保持部の底面は、前記ビームのうち最大のものの面積の四分の 1以上の面積を有すると共に前記振動板の表面に固定されることにより、このェキサイタがこの振動板上に保持されることを特徴とするパネル型スピーカ。

[2] 請求項 1において、

前記ェキサイタのビーム保持部の頂面にこのスピーカの周波数帯域内に共振点を持つ音響特性調整機構が形成されたことを特徴とするパネル型スピーカ。

[3] 請求項 2において、

前記音響特性調整機構は、前記ェキサイタのビーム保持部の平坦な頂面に固定された弾性層と、この弾性層の上に固定された錘体とから構成されることを特徴とするパネル型スピーカ。

[4] 請求項 2において、

前記音響特性調整機構は、前記ェキサイタのビーム保持部の頂面に固定され前記ビームの長さ方向に沿って延長される板パネから構成されることを特徴とするパネル型スピーカ。

[5] 請求項 1乃至 4のそれぞれにおいて、

前記ェキサイタのビームは長さの異なる 2本のビームで構成され、ビームの一方に他方のビームとの間隔を一定値以上に保っための弾性体のスぺーサが固定されたことを特徴とするパネル型スピーカ。

[6] 請求項 1乃至 5のそれぞれにおいて、

前記ビーム保持部は、前記ェキサイタのビームの長さ方向に延長されて前記ビームを内部に収容すると共に、箱型構造を有することを特徴とするパネル型スピーカ。