トリサイタリック縮合環化合物およびその医薬用途 技術分野
本発明は、 2—ォキソキノリン化合物であって、 新規なトリサイクリック縮合 環化合物およびその医薬用途に関する。 また、 ある種のトリサイクリック縮合環 化合物の新規用途に関する。 より詳しくは、 カンナビノイドレセプター、 特に末 梢型レセプターに選択的に作用し、 中枢系の副作用が少なく、 抗アレルギー作用、 免疫調節作用および抗炎症作用を有する新規トリサイタリック縮合環化合物およ びその医薬用途に関する。 背景技術
従来、 大麻成分としてカンナピノイドと呼ばれる一連の C、 H、 Oからなる化 合物群が知られている。 このうちテトラヒドロカンナビノール (T H C) が幻覚 作用の主体であること、 また、 大麻草中に含有される主成分は△ 9一 T H Cであ ることが知られている。 この Δ 9— T H Cは、 運動矢調、 被刺激性の増大、 制吐、 鎮痛、 体温低下、 呼吸抑制、 力タレプシー惹起作用、 血管拡張作用、 免疫抑制作 用等の作用を有することが報告されている。
<大麻及びカンナピノイドについて >
大麻は古代から鎮痛、 解熱、 催眠等に用いられ、 薬として利用されてきた。 日 本では、 1886 - 1951年まで薬局方に印度大麻として収載され、 鎮痛 ·麻酔剤として 使用された。 また、 アメリカ合衆国では、 1850- 1942年まで薬局方でリウマチ、 喘 息、 扁桃炎などの薬として大麻のアルコール溶剤が認められていた。
一方、 大麻あるいはその精神作用発現の主要成分と考えられる Δ 9—テトラヒド 口カンナビノール (THC) は、 視覚 ·聴覚の異常、 時間 ·空間的認知の異常、 被暗
示性の增大、 思考能力 · 自発性の低下ならぴ記憶障害を誘発し、 精神機能に著明 な変化を起こすことが知られる。 その他の薬理作用も極めて多様であり運動失調、 被刺激性の増大、 体温低下、 呼吸抑制、 心拍数増大、 力タレプシー惹起作用、 血 圧上昇、 血管拡張作用、 免疫抑制作用、 ロ渴等が報告されており、 現在では、 そ の使用に制限が設けられている。
大麻に含まれる一連の幻覚発現物質はカンノビノイドと総称され、 現在、 THCを はじめとする 60種以上のカンナビノィドが見出されている。
天然のカンナビノィドよりも強力な種々の人工的リガンドが開発され、 そのレ セプターが探索された。 結果、 1988年にラット脳の膜成分にカンナピノイドレセ プターの存在が示され、 その後 1991年にはヒト cDNAがクローニングされた。 一方、 それと 44%の相同性を有する蛋白質が、 ヒト前骨髄性白血病細胞 HL60から見出さ れ、 その後、 脾臓などの末梢組織で分布することが確認された。 1993年、 脳の受 容体を CB1、 末梢組織に見出される受容体を CB2と呼ぶことが Munroらによって提唱 され、 現在はこの名称が一般に使われている。
CB1の体内分布は脳以外に、 ヒト精巣、 ヒト前立腺 ·卵巣 ·子宮 '骨髄 ·胸腺' ' 扁桃 ·下垂体 ·副腎 ·心 ·肺 ·胃 ·大腸 ·胆管 ·白血球などの多くの組織で探知 されているがそのレベルは脳よりもはるかに低い。 これに対し CB2はラット脳には 存在せずに脾の辺縁帯の単球に見出された。 ヒトの脾 ·白血球 ·扁桃 ·胸腺 ·膝 では、 CB2は CB1よりはるかに高いレベルで存在する。
受容体の 2つのサブタイプ (CB1と CB2) の実体と、 アナンダミド、 2-ァラキド ノィルグリセ口ール等の内因性リガンドの存在が確認され、 その生理的役割につ いての検討がなされた。 その結果、 CB2が T細胞及ぴ B細胞の増殖を抑えてアポト 一シスを誘導し免疫抑制作用を示すこと、 CB1欠損のノックァゥトマウスではカン ナビノィド投与で見られる中枢作用が示されないこと、 CB2欠損のノックアウトマ ウスではカンナビノィドによるヘルパー T細胞活' 14ィ匕抑制がみられないこと等 様々な知見が得られつつある。
現在、 これらの知見から CBlと CB2の分布と機能の違いを考え、 それぞれに特異 的なァゴニスト、 アンタゴニスト、 或いはインパースァゴニストの医薬品への応 用が試みられている。 CB1と関連してパーキンソン病、 アルツハイマー病、 記憶障 害、 老人性痴呆、 多発性硬化症、 食欲減退、 疼痛など、 CB2関連として免疫疾患、 リウマチ、 炎症などが、 創薬開発の対象として考えられている。 中でも、 CB2に選 択的に作用する薬剤、 すなわち末梢細胞型 (末梢型、 末梢性とも言う。 ) カンナ ビノィドレセプターに選択的な調節物質は、 中枢作用を示さない安全な薬剤とし て期待されている。 ここで、 カンナピノイドが極めて低濃度で CB1への中枢作用を 示すことから、 CB2選択的調節物質の中でも、 より CB1作用が少ないことが望まれ る。
なお、 現在、 非選択的カンナピノイドレセプターリガンドとして、 Δ 9— THC、 C P55940、 WIN55212- 2、 HU - 243、 HU-210等が、 CBl選択的リガンドとして、 SR141716 A、 LY320135、 ァラキドノィル- 2, -クロ口ェチルアミド、 CP56667等が、 CB2選択的 リガンドとして、 SR144528、 AM630、 HU- 308、 JWH - 051、 L- 768242等が知られてい る (例えば、 非特許文献 1及び非特許文献 2参照。 ) 。
<ァレノレギ一について >
ここで、 ァレルギ一疾患、 特にァレルギ一性皮膚炎及ぴァレルギ一性喘息につ いて説明をする。
ァレルギ一とは、 抗原抗体反応に基づく生体の過敏性の反応として認識され、 単球 ·マクロファージ ·好中球のなどの集積を特徴とする通常の炎症反応とは異 なり、 アレルギー反応では、 好酸球 ·好塩基球 ·肥満細胞の寄与するところが大 きい。
アレルギー反応は、 現在、 一般的に 4つの型に分類され、 生体ではこれら 4つの 反応が互いに独立して起こるのではなく、 いくつかの型の反応が同時に起こって いることもある。
抗原 (アレルゲン) が体内に侵入すると、 まずマクロファージ等の抗原提示細
胞に取り込まれる。 抗原提示細胞は、 取り込んだ抗原の情報を T細胞に伝える。 さらに T細胞は B細胞に対して抗原特異的 IgE抗体を作るように命じる。 IgE抗体 は肥満細胞と結合し、 これにより肥満細胞は感作状態となる。
再び抗原が侵入し、 肥満細胞上の IgE抗体と抗原とが結合すると、 肥満細胞から ヒスタミン、 好酸球走化因子、 ロイコトリェンなどの様々な化学伝達物質やイン ターロイキンなどのサイトカインが放出される。
例えば、 化学伝達物質が気管支に作用すれば、 気管支平滑筋が収縮し、 粘膜の 腫れ、 痰の分泌などによって気道が狭くなり喘息発作を起こす。 皮膚に作用する' と炎症や腫れ、 痒みが起き、 尊麻疹等の皮膚疾患を起こす。 鼻の粘膜に作用する と血管透過性が亢進し、 血液中の水分が集まり鼻粘膜が腫れて鼻づまりを起こし たり、 神経刺激によってクシャミ、 鼻汁が大量に出るアレルギー性鼻炎をもたら す。 消化管でこの反応が起こると腸の平滑筋が収縮して腸の動き (蠕動) が異常 に高まり、 腹痛、 嘔吐、 下痢などの消化管アレルギーをもたらす。
この反応は抗原が侵入して 30分以内におこるため、 即時型ァレルギ一反応或レヽ は I型アレルギー反応と言われる。 通常、 即時型反応は 1時間ほどで収まる。 代表 的な疾患としてはアナフィラキシー、 アレルギー性鼻炎、 花粉症、 蓴麻疹、 ァレ ルギー性胃腸症等が挙げられる。 しかし、 数時間から数日後には肥満細胞から放出された好酸球走ィヒ因子やサイ トカインに引き寄せられて、 毒性の強い化学物質を持つ好酸球がアレルギー反応 の部位に集まり、 化学物質を放出して組織障害を引き起こす。 これを 「遅発型ァ レルギ一反応」 という。 この反応が気管支で起これば粘膜上皮が剥離して、 抗原 がさらに容易に侵入できるようになり、 アレルギー反応が長引き、 気道の過敏性 が亢進し、 喘息が難治化する。 これを遅発型喘息反応という。 例えば、 この遅発 型反応は、 喘息においては主に 4— 8時間後であり、 アトピー性皮膚炎においては 主に 12— 48時間後に起こる。
II型アレルギー反応は細胞溶解型ともいわれ、 抗原に結合した IgMまたは IgG抗
体に捕体が作用し、 細胞膜に穴を開けて細胞を溶かす反応である。 これとは別に 抗体の結合をうけた細胞にマク口ファージゃキラー細胞が作用して傷害物質を放 出し、 細胞や組織を破壌する反応もある。 代表的な疾患として溶血性貧血、 血小 板減少性紫斑病、 重症筋無力症、 グッドパスチェア症候群などが挙げられる。
III型アレルギー反応は、 抗原と抗体 (IgG抗体) が結合した抗原抗体複合体が 食細胞に処理されきれずに組織に沈着し、 そこへ捕体やマクロファージ、 好中球 が集まって炎症を起こし、 糸且織を障害する。 代表的な疾患として溶連菌による急 性糸球体腎炎、 関節リウマチや膠原病、 血清病、 ウィルス性肝炎、 アレルギー性 肺胞炎などが挙げられる。
IV型アレルギー反応は、 1一 3型と異なり抗体は関与しない。 感作が成立した状 態で再度抗原が侵入すると、 T細胞はサイト力インを放出して、 リンパ球、 好中 球、 マクロファージなどの免疫細胞を遊走し抗原を破壌するが、 同時に炎症を起 こし組織破壌を引き起こす。 侵入した抗原が細胞であれば、 キラー T細胞が抗原 を破壌する。 反応が完了するのには通常 1—2日かかり、 「遅延型アレルギー反 応」 とも呼ばれる。 ッベルクリン反応、 結核病変、 臓器移植後の拒絶反応、 うる しかぶれ、 化粧品かぶれ等の皮膚炎などは IV型アレルギー反応である。
アレルギー性喘息、 アトピー性皮膚炎、 アレルギー性鼻炎およびアレルギー性 結膜炎などの一般的アレルギー疾患の急性症状は、 大部分が即時型反応であると されてきた。 しかし近年、 アレルギー性喘息は一過性の即時型過敏症ではなく、 慢性炎症に本体があるとの認識がなされてきた。
喘息にはアレルゲンにより誘発される 「アレルギー性喘息」 と、 特定アレルゲ ンによらず、 寒冷、 運動、 等に誘発される非アレルギー性喘息が知られる。
「喘息」 すなわち 「気管支喘息」 は、 かって可逆性の気流制限 (気道閉塞) と 気道の過敏性が特徴とされていたが、 喘息の気道には、 気道上皮の剥離、 基底膜 直下の繊維ィヒ (基底膜部の肥厚) 、 好酸球の集簇を特徴とする慢性の炎症が存在 することが明らかになり、 今日では慢性炎症性疾患と認識されている。 気道炎症
には、 好酸球、 T細胞、 肥満細胞など多くの炎症細胞が関与すると見られ、 即時 型反応では肥満細胞、 遅発型反応では好酸球、 遅延型反応では好酸球及び CD4陽性 ヘルパー T細胞の関与が重要と考えられる。
抗喘息薬は、 可逆的気道閉塞に対する気管支拡張薬中心の治療から、 慢性炎症 に対する抗炎症薬中心の治療へと移行してきた。 発作時の治療としては、 その症 状に応じ、 短時間作用性 i3 2刺激薬、 短時間作用性テオフィリン薬、 吸入抗コリン 薬、 注射'経口ステロイ ド剤等が用いられる。 また、 長期管理に際しては、 吸 入-経口ステロイ ド薬、 除放性テオフィリン薬、 長期作用性 2刺激薬の他、 抗ァ レルギ一剤 (メディエーター遊離抑制薬、 ヒスタミン 拮抗薬、 ロイコトリェン 拮抗薬、 トロンボキサン A2阻害'拮抗薬、 Ί¾2サイト力イン阻害薬) が用いられて いる。 し力 し、 ステロイ ド剤に見られる副腎機能抑制等の副作用、 ステロイ ド、 ロイコトリェン拮抗薬等の効果の低い症状 (抵抗性) も知られ、 更なる抗喘息薬 が期待されている。
ァトピー性喘息あるいはァトピー性皮膚炎は、 家族歴あるいは既往歴でアレル ギー疾患を認める症状である。 アトピー型の喘息、 皮膚炎は小児に多いこともあ り、 特により副作用の少ない治療薬が望まれる。
『アトピー性皮膚炎』 は、 増悪 ·寛解を繰り返す、 搔痒のある湿疹を主病変と する疾患であり、 患者の多くはアトピー素因を持つ。
アトピー素因: (1) 家族歴、 既往歴 (気管支喘息、 アレルギー性鼻炎、 結膜炎、 アトピー性皮膚炎のうちいずれか、 或いは複数の疾患) 、 または (2) IgE抗体を 産生しやすい素因」 と定義され、 他の炎症性皮膚疾患とは区別される。
症状として皮膚の過敏性おょぴ乾燥を有し、 特徴的な皮疹 (紅斑、 丘疹、 痂皮、 鱗屑、 苔癬化病変、 痒疹等) は、 慢性 ·反復性経過をたどる。 また、 力ポジ水痘 用発疹症、 ウィルス感染症 (単純へルぺスウィルス感染症等) 、 膿痂疹、 伝染性 軟属種 (白内障、 網膜剥離等) 等の合併症を引き起こす。 '
アトピー性皮膚炎でもまた、 その病変には、 IgE *肥満細胞による即時型 ·遅発
型ァレルギ一反応に加え、 ランゲルハンス細胞 · T細胞による遅延型ァレルギ一反 応が係わると考えられる。
その治療には、 食物 ·ダニ等の原因 ·増悪因子の除去、 スキンケア (皮膚を清 潔に保つ、 皮膚の乾燥を防ぐため保湿剤を用いる等) とあわせ、 症状に応じて薬 物療法が用いられる。
搔痒に対しては抗ヒスタミン剤が用いられるが、 その効果は蓴麻疹の場合とは 異なり顕著ではない。
炎症に対しては原則としてステロイド外用剤が用いられる。 補助的に抗ヒスタ ミン剤あるいは抗アレルギー剤の内服薬が用いられるが、 それらのみで皮膚炎を コントロールすることは困難とされる。 一般的にアトピー性皮膚炎は難治であ'り、 副作用からステロイド剤を忌避する声も多いため、 新薬の開発が望まれている。 近年、 免疫抑制剤のタクロリムス軟膏剤が用いられ効果を上げているものの、 こ れもその副作用が懸念され、 使用に制限が設けられている。 また、 皮膚疾患部の 損傷が激しく外用が困難である症状、 顔 ·粘膜等もともと表皮が薄く敏感な箇所 におこる症状、 表皮の内層部 ·体の広範囲に及ぶ疾患の治療等のため、 取扱いが 容易で安全な経口剤の開発も望まれている。
カンナビノイドレセプターの調節物質としては、 ピラゾール誘導体 (特許文献 1 ~ 3 ) TH C寧導体 (特許文献 4 ) 、 ベンゾォキサジン誘導体 (特許文献 5 ) 、 インドール誘導体 (特許文献 2、 及ぴ、 特許文献 6 ) 、 脂肪酸誘導体 (特 許文献 7 ) 、 インダゾール誘導体 (特許文献 2 ) 等が公知である。 し:^し、 本発 明化合物の特徴であるトリサイタリックな 2 _ォキソキノリン化合物については 知られていない。
また、 化学構造の観点から見た場合、 種々のキノリン誘導体について報告がな されている。
例えば、 中枢神経刺激剤として有用な 6, 7—ジメトキシ一 2—ォキソ一 1, 2—ジヒドロキノリン一 3—力ルボン酸 ベンジルアミド (下記化合物 A) が知
られている (非特許文献 3) 。 また、 抗炎症剤として有用な 4ーヒドロキシー 2 一ォキソ一 1, 2—ジヒドロキノリン一 3—力ルボン酸 (ピリジン一 2—ィ ル) アミド (下記化合物 B) が示され (非特許文献 4) 、 Pharmaproject等には r o q u i n i me xの名称で知られる 4ーヒドロキシー 2—ォキソ一 1一メチル — 1, 2—ジヒドロキノリン一 3—カルボン酸 N—メチルー N—フエニルアミ ド (下記化合物 C) が抗炎症剤、 免疫抑制剤、 抗リウマチ剤を含む種々疾患に用 いられ得ることが示されている。
また、 中枢神経に作用する薬剤として 3—ベンゾィルアミノー 6, 7_ジメト キシー 2— (1H) キノロン (下記化合物 D) の合成法が開示されている (特許 文献 8) 。
Me
化合物 C (roquinimex) 化合物 D また、 2—ォキソ一1, 2—ジヒドロキノリン _ 3—力ルボン酸 シクロへキ シルアミド (非特許文献 5) 、 免疫調整剤として有用なキノリン化合物 (特許文 献 9) 、 鎮痛薬として有用なキノリン化合物 (特許文献 10) 、 5— HT4受容体 作動薬として有用なキノリン化合物 (特許文献 1 1) が開示されている。
更に、 3, 4—メチレンジォキシフエ二ル基を有する 2—ォキソキノリン化合 物として、 免疫系の活性を増大する化合物として、 N— (3, 4ーメチレンジォ キシフエニル) _ 1, 2—ジヒ ドロー 4—ヒドロキシ一 1ーメチルー 2—ォキソ キノリン一 3—力ルポキサミド (下記化合物 E) が開示 (特許文献 1 2 ) されて いる。 また、 免疫調節作用、 抗炎症作用、 鎮痛作用を有する化合物として、 1一 メチルー 2—ォキソ一 3— {N- ( 1, 3—べンゾジォキソール一 5 _ィル) 一 N—メチノレカノレパモイノレ) _ 4ーヒドロキシ一 6—メチノレチォー 1, 2—ジヒド 口キノリン (下記化合物 F) が開示 (特許文献 1 3 ) されている。
しかし、 これら文献には、 本発明のトリサイクリック縮合環を有する 2—ォキ ソキノリン化合物を教示する様な記載はなく、 カンナビノィドレセプターが介在 する作用機序に基づく薬理作用について示唆もない。 ,
化合物 E 化合物 F ところで、 カンナビノィドレセプターァゴニスト及ぴアンタゴニストとして、 キノリン構造を有する化合物が、 免疫調製剤、 抗炎症剤、 抗アレルギー剤等とし て有用である旨が記載されている (特許文献 1 4 ) 。
しかし、 該文献に開示されるキノリン化合物は、 単に水酸基で置換されたキノ リンであって、 本化合物のごときトリサイクリック縮合環を有する 2—ォキソキ ノリンを示唆する記載はみられない。
また、 接着阻害作用を有するキノリン化合物として下記化合物 G等が知られて おり、 その適応症としてァレルギ一性疾患、 炎症性疾患、 自己免疫性疾患等が挙 げられている (特許文献 1 5 ) 。
化合物 G
また、 カンナビノィドレセプターァゴニスト及ぴアンタゴニストを有効成分と する免疫調製剤、 抗炎症剤、 抗アレルギー剤が記載され、 かつ、 本発明化合物の 特徴の一つである 2—ォキソキノリン構造を有する化合物として 7—メトキシ一 2—ォキソー 8—ペンチノレオキシー 1, 2—ジヒドロキノリン一 3—力ノレボン酸 ( 4一アミノフヱニル) アミ ド (化合物 H) 等が開示されている (特許文献 1 6 ) 。
化合物 H より詳しく言えば、 上記特許文献 1 6には、 例えば上記化合物 Hの他 3化合物 が具体的に開示されるに止まる。
また、 カンナビノィド調節物質である 2—ォキソキノリン構造を有する化合物 として、 下記化合物 i等が知られており、 免疫調節剤、 抗炎症剤、 抗アレルギー 剤として有用であることが記載されている (特許文献 1 7 )' 。
化合物 i その他カンナビノィド調節物質である 2—ォキソキノリン構造を有する化合物 として、 下記化合物 J等が知られており、 免疫抑制剤、 抗炎症剤として使用され ることが記載されている (特許文献 1 8 ) 。
MDU 化合物 J
し力 し、 これら特許には、 複数の 2—ォキソキノリン化合物が開示されるもの の、 本発明のごときトリサイクリック縮合環を有する 2—ォキソキノリン化合物 は開示されず、 それを示唆する記載もみられない。
また、 トリサイクリックな 2—ォキソキノリン化合物としては、 下記化合物 K が知られており抗菌剤として用いられることが示されている (特許文献 1 9 ) 。
2 -
化合物 κ
その他、 トリサイタリックな 2—ォキソキノリン化合物として、 下記化合物 L 化合物 Μ、 化合物 Ν、 化合物 0、 化合物 Ρが知られており、 タキキニン受容体拮 抗作用を有し、 炎症、 アレルギー等を含む種々疾患の治療剤として用いられ得る ことが示されている (それぞれ特許文献 2 0、 特許文献 2 1、 特許文献 2 2、 特 許文献 2 3、 特許文献 2 4 ) 。
化合物し 化合物 M
化合物 N 化合物 O
3 -
化合物 P
また、 トリサイタリックな 2—ォキソキノリン化合物として、 下記化合物 Qが 知られている (非特許文献 6 ) 。
化合物 Q
また、 トリサイクリックな 2—ォキソキノリン化合物として、 下記化合物 R、 化合物 Sが知られており、 自己抗体産生抑制作用を有し、 抗炎症剤、 免疫調節剤 として有用であることが示されている (それぞれ特許文献 2 5、 特許文献 2 6 )
化合物 R 化合物 S
また、 トリサイクリックな 2—ォキソキノリン化合物として、 下記化合物丁が 知られており、 免疫活性を増大させることが示されている (特許文献 27)。
化合物 τ
また、 トリサイクリックな 2—ォキソキノリン化合物として、 下記化合物 U、 化合物 Vが知られている (非特許文献 7、 8) 。
〔非特許文献 1〕 山本尚三ら著, 生物と化学, v o l . 39, No. 5, p p 293から 300, 2001年
〔非特許文献 2〕 E p a r t O i n i o n o n Th e r a p e u t i c P a t e n t s, Vo l . 12, No. 10, 1475— 1489, 20 02
〔非特許文献 3〕 J. Pharm. Sci. , 73, 11, 1652 - 1653 (1984)
〔非特許文献 4〕 Khim. Geterotsikl. Soedin. , 8, 1101-1104 (1993)
〔非特許文献 5〕 Synthesis, 11, 1362-1364 (1995)
〔非特許文献 6〕 J o u r n a l o f He t e r o c y c 1
i s t r y, 34, 969- 972, 1997 (971頁表 2 )
〔非特許文献 7〕 CAS Re g. No. 400631— 70— 1
〔非特許文献 8〕 CAS Re g. No. 400631— 54— 1
〔特許文献 1〕 特開平 6一 7 3 0 14号公報
〔特許文献 2〕 EP 65 6 3 5 4号
〔特許文献 3〕 EP 65 8 5 4 6号
〔特許文献 4〕 特開平 3 2 0 9 377号公:
〔特許文献 5〕 US 51 1 2 8 2 0号
〔特許文献 6〕 US 50 8 1 1 2 2号
〔特許文献 7〕 WO 94/1 2 4 66号
〔特許文献 8〕 特公昭 4 7一 1 4 107号
〔特許文献 9〕 特表平 4一 5 0 0 373号
〔特許文献 10〕 フランス国公開公報 2377400号
〔特許文献 11〕 再公表公報 WO 96/05166号
〔特許文献 12〕 特開昭 57— 171975号 (EP 59698号)
〔特許文献 13〕 特表平 6— 506925号 (WO 92Z18483号) 〔特許文献 14 ] WO 97Z29079号
〔特許文献 15〕 WO 2000/37429号 (44頁表、 5頁, 5行から 27 行)
〔特許文献 16〕 特開平 11一 80124号 (WO 99/02499号) 〔特許文献 17〕 特開 2000— 256323号 (26、 27頁、 42頁化合物 3-10) (WO00/40562号)
〔特許文献 18〕 WO02/53543号 (23頁から 24頁、 221頁) 〔特許文献 19〕 特開 2003— 12667号 (5頁、 表 1 :化合物番号 2 4) ; WO 2003/681号
6 -
〔特許文献 20〕 WO 2001/85732号 (1頁、 88頁)
〔特許文献 21〕 特開 2000— 44560号 (8頁から 9頁、 18頁) ; W O 2000/6572
〔特許文献 22〕 特開 2000— 44561号 (8頁から 9頁、 16頁) ; WO 2000/6571
〔特許文献 23〕 特開 2000— 103792号 (8頁から 9頁、 17頁) ; W O 2000/6578
〔特許文献 24〕 特開 2000— 103793号 (6頁、 19頁) ; WO20 00/6580
〔特許文献 25〕 特許 31 75164号 (23頁から 24頁、 27頁カラム 5 4、 実施例 4の化合物 (7) ) ; WO 93/1 5083
〔特許文献 26〕 特表平 6— 506925号 (24頁、 35頁実施例 10の化 合物 (10) ) ; WO 92/18483号
〔特許文献 27〕 特開昭 57— 171975号 (4頁、 20頁左下欄例 1 2) ; US4738971 発明の開示 ·
本発明は、 カンナピノイドレセプター、 特に末梢型レセプターに選択的に作用 する新規化合物、 及びその医薬組成物を提供することを課題とする。
より詳細には、 本発明の目的は、 カンナビノイドレセプター、 特に末梢細胞系 レセプターに選択的に作用する一方、 中枢神経系へ 作用 (即ち、 興奮、 幻覚、 運動矢調、 披刺激性の増大、 体温低下、 呼吸抑制、 力タレプシー惹起作用、 血圧 低下等の副作用) が少なく、 毒性が低く、 力 抗アレルギー作用、 免疫調節作用 およぴ抗炎症作用等の治療効果を有する新規化合物、 及びその医薬組成物を提供 することである。
本発明者らは、 上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、 カンナピノイドレセ
プター、 特に末梢細胞系レセプターに選択的な親和性を有し、 従ってカンナビノ ィドレセプターが関与することが知られている疾患領域、 特に末梢細胞系組織が 関与する疾患領域 (免疫疾患、 各種炎症、 アレルギー性疾患等) における医薬品 として有用なトリサイクリックな縮合環を有する 2—ォキソキノリン化合物を見 出し、 本発明を完成した。
即ち、 本発明は以下 〔1〕 〜 〔25〕 のとおりである。
〔 1〕 下記一般式 ( I ) で表されるトリサイタリック縮合環化合物又は医薬上 許容されるその塩;
〔式 (1) 中、 Aは、 一 CONR2R3、 _NR21CONR2R3、 -NR22COR30 一 NR22COOR3、 一 NR23S02R3。、 _NR2R3、 一COOR2または一 CO CH2— R2であり、
Xは、 一 CR81R82—、 _0—、 一 S—又は一 NR83—であり、
Yは、 一 CRUR12—、 一 0_、 _S—又は一NR13—であり、
ここで、 R83、 R13及び R14、 それぞれ同一若しくは異なって、 水素原子、 A 1 k又は— CO— A 1 kであり、 ここで A l kは、 下記グループ Aから選ばれる 1 乃至 3個の置換基によつて置換されてもよい C — 8アルキル基である;
R81、 R82、 R11及ぴ R12は、 それぞれ同一若しくは異なって、 水素原子、 A 1 k、 下記グループ Aから選ばれる置換基であるか、 R81と R82、 若しくは、 R11と R12が一緒になつて、 C 3 6シクロアルキル基を形成する; '
m及び nは、 それぞれ同一若しくは異なって、 0、 又は、 1乃至 4の整数で
あり、
tは、 0、 1又は 2であり、 tが 2のとき、 R14はそれぞれ同一若しくは異な つていてもよく ;
R5、 R6及び R7は、 それぞれ同一若しくは異なって、 水素原子、 水酸基、 ハロゲン原子、 Al k、 —0_Al k、 一 O—複素環基、 一 OCO— Al k、 一 OS02— Al k、 一 NRql— Al k、 _NRq2CO_A 1 k又は _ S— A 1 kで あり、
(ここで、 及ぴ R¾2は、 それぞれ同一若しくは異なって、 水素原子又は Ci― 4アルキル基である。 前記一 O—複素環基は、 下記グループ Bから選ばれる 1乃至 5の置換基によって置換されていてもよい。 )
グループ A:ハロゲン原子、 — ORal、 _OCORa2、 一 COORa3、 一 NRa4 CORa5、 一 NRa6Ra7、 一 CONRa8Ra9、 一 S Ral0、 — SORall、 一 S02Ral2、 — OS02Ral3、 一 S02NRal4Ral5、 下記グループ Bから選ばれる 1乃至 5個の 置換基によって置換されてもよい炭素環基、 及ぴ、 下記グループ Bから選ばれる 1乃至 5個の置換基によって置換されてもよい複素環基であり ;
(ここで、 Ral、 Ra3、 Ra4、 Ra6、 Ra7、 Ra8、 Ra9、 Ral0、 Ral4及び Ral5は、 そ れぞれ同一若しくは異なって、 水素原子、 C — 4アルキル基またはヒドロキシ d —4アルキル基であり、 Ra2、 Ra5、 Rall、 Ral2及ぴ Ral3は、 アルキル基であ る。 )
グループ B :ハロゲン原子、 。 4アルキル基、 一 ORbl、 — COORb2、 一
CONRb3Rb4、 アルキレンジォキシ基;
(ここで、 Rbl、 Rb2、 Rb3及ぴ Rb4は、 それぞれ同一若しくは異なって、 水素原 子又は下記グループ Cから選ばれる 1乃至 3個の置換基によって置換されてもよ い アルキル基である。 )
グループ C:水酸基及ぴフエニル基;
R2、 R21、 R22及ぴ R23は、 水素原子又は A 1 kであり、
R 3は、
1) 水素原子、
2) A 1 k、
3) 上記グループ Bから選ばれる 1乃至 5個の置換基によって置換されてもよい ァリール基、
4)
{式中、 R31、 R32及び R33は、 それぞれ同一若しくは異なって、 水素原子、 シ ァノ基、 A l k、 一 C O O R36、 一 C O N R37R38、 上記グループ Bから選ばれる 1乃至 5個の置換基によって置換されてもよい炭素環基、 または、 上記グループ Bから選ばれる 1乃至 5個の置換基によって置換されてもよい複素環基である力 (ここで、 R36、 R37及ぴ R38は、 それぞれ同一若しくは異なって、 水素原子 ■ 又は A l kである。 また、 R37及び R38は隣接する窒素原子と一緒になつてへテロ 環を形成していてもよい。 )
または、 R31と R32が一緒になつて、 シクロアルキル基、 飽和へテロ環基又は 架橋式環基を形成してもよく、 当該シクロアルキル基はベンゼン環と縮合してい てもよく、 当該シクロアルキル基、 飽和へテロ環基または架橋式環基は、 1乃至 5個の A l k、 水酸基で置換されていてもよい。
若しくは、 R31、 R32及ぴ R33が一緒になって、
ここで、 pl、 p4、 p5、 p6、 p7、 P8及び P9は、 0、 又は、 1乃至 4の整数であ り、 p2及ぴ P3は、 1乃至 4の整数であり、 当該炭素環は 1乃至 5個の A 1 kで置 換されていてもよい。 } 又は、
5) -N R34R35
(式中、 R34及ぴ R35は、 水素原子、 A l k、 上記グループ Bから選ばれる 1 乃至 5個の置換基によって置換されてもよい炭素環基であるか、 若しくは、 R34と R35が隣接する窒素原子と一緒になつて複素環を形成してもよく、 当該複素環は、 下記グループ Dから選ばれる 1乃至 5個の置換基によって置換されてもよい。 ) ■ であるか、
6) 若しくは、 R 2と R 3が隣接する窒素原子と一緒になつて複素環を形成して もよく、 当該複素環は、 ベンゼン環、 ピリジン環またはシクロアルキルと縮合し ていてもよく、 当該複素環、 ベンゼン環、 ピリジン環またはシクロアルキルは、 下記グループ Dから選ばれる 1乃至 5個の置換基によって置換されてもよい; R3°は、 水素原子を除き R 3と同じ置換基であり ;
グループ D:ハロゲン原子、 A l k、 一 O Rdl、 一 C O O Rd2、 一 C ON Rd3 Rd4、 一 N Rd5Rd6、 上記グループ Bから選ばれる 1乃至 5個の置換基によって置 換されてもよい炭素環基、 及び、 上記グループ Bから選ばれる 1乃至 5個の置換 基によって置換されてもよい複素環基;
ここで、 Rdl、 Rd2、 Rd3、 Rd4、 Rd5及ぴ Rdsは、 それぞれ同一若しくは異なって、
水素原子又は A 1 kである。 ) :] 。
〔2〕 Aが、 一 CONR2R3である 〔1〕 記載のトリサイクリック縮合環化合 物又は製薬上許容されるその塩。
〔3〕 Xが、 一CR81R82—、 一 O—又は _NR83—である 〔1〕 記載のトリサ イクリック縮合環化合物又は製薬上許容されるその塩。
〔4〕 Xが、 一 O—である 〔1〕 記載のトリサイクリック縮合環化合物又は製 薬上許容されるその塩。
〔5〕 Yが、 一 CRUR12—又は一 O—である 〔1〕 記載のトリサイクリック縮 合環化合物又は製薬上許容されるその塩。
〔6〕 m及ぴ nが、 それぞれ同一若しくは異なって、 1乃至 4の整数である請 求項 1記載のトリサイタリック縮合環化合物又は製薬上許容されるその塩。
〔7〕 m+nが、 2乃至 6の整数である 〔 1〕 記載のトリサイクリック縮合環 化合物又は製薬上許容されるその塩。
〔8〕 -X- (CH2) m-Y- (CH2) n -が、
一 O— CH2—、
-O- (CH2) 2 -、
—O - (CH2) 3 -、
-O- (CH2) 4一、
— O - (CH2) 5 -、
_0— (CH2) 6—、
一 O— CH2— CRUR12—、
一 O— CH2— CRUR12— CH2—、
-O- (CH2) 2 - CRUR1し (CH2) 2 -、
-O- (CH2) 2— O - (CH2) 2—、
_0— (CH2) 2-NR13- (CH2) 2_、
一 O— CRHR12—、
W
- 22 - 一 O— CRUR12— CH2—、
一 (CH2) 3 -、
一 (CH2) 4一、
― (CH2) 2— CR"R12 -、
一 CR81R82— (CH2) 2_、
_ C R8iR82_. (CH2) 3—、
一 NR83— (CH2) 2_または
— NR83— CRUR12— CH2—である 〔1〕 記載のトリサイクリック縮合環化合物 又は製薬上許容されるその塩。
〔9〕 1 5及ぴ1 6が、 水素原子である 〔1〕 記載のトリサイクリック縮合環化 合物又は製薬上許容されるその塩。
〔10〕 R7が、 水素原子又は一 0_A 1 kである 〔1〕 記載のトリサイクリツ ク縮合環化合物又は製薬上許容されるその塩。
〔11〕 R2が、 水素原子である 〔1〕 記載のトリサイクリック縮合環化合物又 は製薬上許容されるその塩。
〔12〕 R3が、
である 〔1〕 記載のトリサイクリック縮合環化合物又は製薬上許容されるその塩。 〔13〕 R
3Zが、 Al ¾:、 上記グループ Bから選ばれる 1乃至 5個の置換基によ つて置換されてもよい炭素環基、 及ぴ、 上記グループ Bから選ばれる 1乃至 5個 の置換基によって置換されてもよい複素環基である 〔12〕·記載のトリサイタリ ック縮合環化合物又は製薬上許容されるその塩。
〔14〕 R
31か R
33の何れか一方が水素原子であり、 他方が—COOR
36又は一 CONR
37R
38である 〔13〕 記載のトリサイクリック縮合環化合物又は製薬上許 容されるその塩。
〔15〕 R31と R32が一緒になって、 シクロアルキル基を形成する (当該シクロ アルキル基はベンゼン環と縮合していてもよく、 1乃至 5個の A 1 kで置換され ていてもよい。 ) 〔12〕 記載のトリサイクリック縮合環化合物又は製薬上許容 されるその塩。
〔16〕 R31が水素原子であり、 R32が、 A 1 k又は上記グループ Bから選ばれ る 1乃至 5個の置換基によって置換されてもよい炭素環基である 〔12〕 記載の トリサイクリック縮合環化合物又は製薬上許容されるその塩。
〔17〕 R31及び R32が、 それぞれ同一若しくは異なって、 Al k又は上記グル ープ Bから選ばれる 1乃至 5個の置換基によって置換されてもよい炭素環基であ る 〔12〕 記載のトリサイタリック縮合環化合物又は製薬上許容されるその塩。
〔18〕 R33が、 一COOR36又は一 CONR37R38である 〔12〕 記載のトリサ イクリック縮合環化合物又は製薬上許容されるその塩。
〔19〕 R33が、 一 COOR36である 〔18〕 記載のトリサイクリック縮合環化 合物又は製薬上許容されるその塩。
〔20〕 〔1〕 乃至 〔19〕 の何れかに記載のトリサイクリック縮合環化合物 又は製薬上許容されるその塩を有効成分として含有してなる医薬組成物。
〔21〕 〔 1〕 乃至 〔 19〕 の何れかに記載のトリサイタリック縮合環化合物 又は製薬上許容されるその塩を有効成分として含有してなるカンナビノィドレセ プター調節物質。
〔22〕 カンナビノィドレセプター調節物質が末梢細胞型カンナビノィドレセ プターに選択的な調節物質である 〔21〕 に記載のカンナピノイドレセプター調 節物質。
〔23〕 カンナビノィドレセプター調節物質がインバースァゴニストである
〔2 2〕 に記載のカンナピノイドレセプター調節物質。
[ 2 4 ] 〔1〕 乃至 〔1 9〕 の何れかに記載のトリサイクリック縮合環化合物 又は製薬上許容されるその塩を有効成分として含有してなるァレルギ一疾患治療 剤。
〔2 5〕 〔1〕 乃至 〔1 9〕 の何れかに記載のトリサイクリック縮合環化合物 又は製薬上許容されるその塩を有効成分として含有してなる免疫調整剤、 自己免 疫疾患治療剤及び抗炎症剤。
本明細書中で使用されてい φ用語の意味については以下の通りである。
「アルキル」 とは、 炭素数 1 〜 1 0 (。 と表記することがある。 以下同様 である。 ) の直鎖状若しくは分枝鎖状のものであり、 具体的には、 メチル、 ェチ ル、 プロピル、 イソプロピル、 ブチノレ、 イソブチノレ、 s—ブチル、 tーブチノレ、 ペンチノレ、 ィソペンチノレ、 ネオペンチノレ、 t—ペンチル、 へキシノレ、 イソへキシ ル、 ネオへキシル、 ヘプチル等が挙げられる。
好ましくは炭素数 1 〜 7のものである。 具体的には、 好ましくはメチル、 ェチ ル、 プロピル、 イソプロピル、 プチ/レ、 t—プチノレ、 ペンチ/レ、 イソペンチノレ、 t—ペンチルが挙げられる。
なお、 明細書中、 たとえば 「。^ 6アルキル基」 とは、 炭素数 1〜6のアルキ ル基を意味する。
R2においては、 好ましくは炭素数 1〜 6のものであり、 さらに好ましくは炭素 数 1〜4のものである。 具体的には、 好ましくはメチル、 ェチル、 プロピル、 ィ ソプロピル、 プチル、 イソプチル、 ペンチル、 イソペンチル、 または t一ペンチ ルである。
R3においては、 好ましくは炭素数 1〜 6のものであり、 さらに好ましくは炭素 数 1〜 4のものである。 具体的には、 好ましくはメチル、 ェチル、 プロピル、 ィ ソプロピル、 プチル、 t一プチノレ、 ペンチル、 イソペンチル、 または t一ペンチ ルであり、 さらに好ましくはェチル、 プロピル、 イソプロピル、 プチル、 t—ブ
チル、 ペンチル、 イソペンチル、 t一ペンチルであり、 特に好ましくはプチルで ある。
R31、 R32、 R33においては、 好ましくは炭素数 1〜 6のものであり、 さらに好 ましくは炭素数 1〜4のものである。 具体的には、 好ましくはメチル、 ェチル、 プロピル、 ブチル又はペンチルであり、 さらに好ましくはメチル、 ェチル、 プロ ピル又はブチルであり、 特に好ましくはメチル、 またはェチルである。
R34、 R35、 R36、 R37、 R38においては、 好ましくは炭素数 1〜 6のものであり、 さらに好ましくは炭素数 1〜4のものである。 具体的には、 好ましくはメチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル、 ブチル又はペンチルであり、 さらに好ましく はメチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル又はブチルであり、 特に好ましくは メチル、 ェチルまたはイソプロピルである。
R5、 R6、 R7、 R"、 R12、 R81、 R82、 R 83においては、 好ましくは炭素数 1〜 6のものであり、 さらに好ましくは炭素数 1〜4のものである。
「アルコキシ」 とは、 そのアルキル部位が上記定義のアルキルのうち炭素数 1 〜4のものであり、 「_ O A l k」 はアルコキシを含む。 具体的には、 好ましく はメ トキシ、 エトキシ、 プロポキシ、 イソプロピルォキシ、 ブチルォキシ、 t _ ブチルォキシ等が挙げられ、 さらに好ましくはメトキシである。
R7において、 好ましくはメ トキシが挙げられる。
「シク口アルキル」 とは、 炭素数 3 ~ 1 0環式飽和の環状アルキルであり、 具 体的には、 シクロプロピル、 シクロプチル、 シクロペンチル、 シクロへキシル、 シクロへプチル、 シクロオタチル等が挙げられる。
Ru、 R12、 R81、 R82、 R31、 R 32においては、 好ましくは炭素数 3〜 9であり、 より好ましくは炭素数 3〜 8のものである。
R"、 R12においては、 好ましくは炭素数 3〜 6であり、 より好ましくは炭素数 3〜 5のものである。 具体的には、 好ましくはシクロプロピル、 シクロペンチル が挙げられる。
R31、 R32においては、 好ましくは炭素数 5〜 8である。 具体的には、 好ましく はシクロペンチル、 シクロへキシル、 シクロへプチル、 シクロォクチルが挙げら れる。
「ヒドロキシ アルキル」 とは、 前記定義中の炭素数 1一 4のアルキル基 のいずれかの水素原子を水酸基で置換した基である。
具体的には、 好ましくはヒドロキシメチル基、 2—ヒドロキシェチル基、 4一 ヒドロキシブチル基、 または 2—ヒドロキシー t一プチル基が挙げられ、 さらに 好ましくはヒドロキシメチル基が挙げられる。
「ァリール」 とは炭素数 6乃至 1 6の芳香族炭化水素であり、 具体的にはフエ -ル、 ナフチル、 ビフエニル、 アントラセニル、 インデニル、 ァズレニル、 フル ォレニル、 フエナントレ-ル、 ピレニル等が挙げられ、 好ましくはフエニル又は ナフチルであり、 特に好ましくはフエニルである。
「ァリールアルキル」 とは、 そのァリール部が上記定義のァリールであり、 そ のアルキル部が上記定義のアルキルのうち炭素数 1 〜4のものである。 具体的に は、 ベンジ/レ、 フヱネチノレ、 フエ二ノレプロピノレ、 フヱニノレブチノレ、 ナフチノレメチ ' ル、 ビフエニルメチル等が挙げられ、 好ましくはべンジルである。
「アルキレンジォキシ」 とは、 一 O— R— O— (Rは炭素原子数が好ましくは 1〜 6、 より好ましくは 1 〜4のアルキレン基) で表される 2価の基である。 ァ ルキレンジォキシ基としては、 たとえば、 好ましくは、 メチレンジォキシ、 ェチ レンジォキシ、 トリメチレンジォキシ、 テトラメチレンジォキシ、 一 O— C H (C H 3) _ 0—、 一 O— C (C H3) 2— O—が挙げられ、 さらに好ましくはメ チレンジォキシキである。
「架橋式環」 とは、 2個以上の原子を共有している 2個以上の環を有する基を 意味する。 架橋式環としては、 例えば、 下記式で表される基が挙げられる。
式中、 pll、 pl4、 pl5、 pl6、 pl7、 pl8及ぴ P19は、 0、 又は、 1乃至 4の整数で あり、 pl2及ぴ pl3は、 1乃至 4の整数であり、 当該炭素環は 1乃至 5個の A 1 k で置換されていてもよい。
このような基としては、 具体的には、 ァダマンチル、 ノルボルニル、 ポルナニ ル、 フェン力ニル、 ピナニルなどが挙げちれる。 このうち、 ァダマンチル、 2— ノルボルニル、 2 _フェン力ニルが好ましい。
「炭素環」 とは、 環を構成する原子が全て炭素原子であり、 非芳香族性の環ま たは芳香族性の環を意味する。 上記定義のシク口アルキル基、 上記定義のァリ一 ル基、 上記定義の架橋式環、 及び、 部分飽和の環を含む。
具体的には、 シクロプロピノレ、 シクロプチノレ、 シクロペンチノレ、 シクロへキシ ノレ、 シクロへプチノレ、 シクロォクチノレ、 フエ二ノレ、 シクロプロぺニノレ、 シクロブ テ-ノレ、 シクロペンテ二ノレ、 シクロペンタジェ二ノレ、 シクロへキセニゾレ、 シクロ へキサジェエル (2, 4ーシクロへキサジェンー 1一ィル、 2, 5—シクロへキ サジェン一 1—ィル等) 、 ァダマンチル、 ノルポルニル、 ノルピナニル、 ノルポ ルネニル (5一ルポルネン _ 2—ィル) 等が挙げられ、 フヱニルが好ましい。
「複素環」 とは、 環を構成する原子中に 1〜4個のへテロ原子を含有し、 環中 に二重結合を含んでいてもよく、 非芳香族性の環または芳香族性の環を意味する。 複素環としては、 具体的には例えば、 ピリミジェル、 ピラジュル、 ピロリル、 チェニル、 フリル、 ピリジル、 ィミダゾリル、 チアゾリル、 ォキサゾリル、 イソ ォキサゾリル、 トリアゾリル、 テトラゾリル、 ピロリジエル、 ィミダゾリジニル、 ピペリジル、 2, 2 , 6, 6—テトラメチルー 4ーピペリジル、 ピぺラジュル、 モルホリニル、 ァゼパエル、 ジァゼパニル ([ 1, 4ージァゼパニル] ) などが挙
げられ、 ピペリジル、 ピリジルが好ましい。
「飽和へテロ環基」 とは、 前記定義の複素環に含まれる基のうち飽和した基を 意味する。 たとえば、 ピペリジル、 ピぺラジュル、 2, 2 , 6, 6—テトラメチ ル一 4—ピペリジルなどが挙げられ、 2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4ーピぺ リジノレが好ましレ、。
R3における 「ベンゼン環と縮合したシクロアルキル」 とは、 そのシクロアルキ ル部がベンゼン環とオルソ縮合した構造を意味し、 シクロアルキルは上記定義の シクロアルキルであり、 具体的には、 テトラヒドロナフタレン、 インダン等が挙 げられ、 好ましくはテトラヒドロナフタレンである。
「ベンゼン環と縮合した複素環」 とは、 その複素環部がベンゼン環とオルソ縮 合している環状構造を意味し、 複素環部は上記定義の複素環である。
具体的には、 2, 3—ジヒ ドロインドリル、 2, 3—ジヒ ドロイソインドリル 3, 4—ジヒドロ— 1 H—イソキノリン一 2—ィル基、 3 , 4—ジヒドロー 1 , 1—ジメチノレ— 1 H—イソキノリン— 2—ィル基、 3, 4—ジヒドロ— 2 H - キ ノリンー 1ーィル基、 2, 3, 4, 5—テトラヒドロー 1 H—べンゾ [ b ]ァゼピ ニル、 2, 3, 4 , 5—テトラヒドロー 1 H—ベンゾ [ c ]ァゼピエル、 1, 2 , 3, 4—テトラヒドロキナゾリニルなどが挙げられる。
このうち、 3, 4ー ジヒドロー 1 H—イソキノリン一 2 -ィル基、 3, 4ー ジ ヒドロー 1, 1—ジメチノレー 1 H—イソキノリン— 2—ィル基、 または 3, 4一 ジヒ ドロ— 2 H- キノリン- 1—ィル基が好ましい。
「シクロアルキルと縮合した複素環」 とは、 その複素環部がシクロアルキルと オルソ縮合している環状構造を意味し、 シクロアルキルは、 上記シクロアルキル 基において任意の位置の水素原子を 1個除いて誘導される二価の基を意味し、 複 素環部は上記定義の複素環である。 具体的には、 ペルヒ ドロインドリル、 ペルヒ ドロイソインドリル、 ペルヒ ドロキノリル、 ペルヒ ドロイソキノリルなどが挙げ られる。
また、 置換されていてもよい各基は、 1個以上の置換基、 好ましくは 1若しく は 2個の置換基で置換されていてもよい。 当該置換基として使用される基につい て以下に説明する。
「ハロゲン原子」 とは、 フッ素、 塩素、 臭素及ぴヨウ素であり、 好ましくはフ ッ素及ぴ塩素である。
「アルコキシカルボニル」 とは、 そのアルキル部位が上記定義のアルキルうち 炭素数 1〜4のものである。 具体的には、 メ トキシカルボニル、 エトキシカルボ ニル、 プロポキシカルボ-ル、 ブトキシカルポニル等が挙げられ、 好ましくはメ トキシカルボ-ルまたはェトキシカルポ-ル、 さらに好ましくはメトキシカルボ 二ノレである。
「グループ C」 とは、 水酸基及びフエニル基である。
「グループ B」 とは、 上記定義のハロゲン原子、 。 上記定義のアルキル基、 一 ORbl、 一 COORb2、 一 CONRb3Rb4、 上記定義のアルキレンジォキシ基であ る。
(ここで、 Rbl、 Rb2、 Rb3及び Rb4は、 それぞれ同一若しくは異なって、 水素原子 • 又は上記グループ Cから選ばれる 1乃至 3個の置換基によって置換されてもよい Ci-4上記定義のアルキル基である。 )
「グループ A」 とは、 上記定義のハロゲン原子、 一 ORal、 一 OCORa2、 一 C OORa3、 — NRa4CORa5、 _NRa6Ra7、 — CONRa8Ra9、 一 S Ral。、 一 SORal —S02Ral2、 _OS02Ral3、 — S02NRal4Ral5、 上記グループ Bから選ばれ る 1乃至 5個の置換基によって置換されてもよい上記定義の炭素環基、 及ぴ、 下 記グループ Bから選ばれる 1乃至 5個の置換基によって置換されてもよい上記定 義の複素環基である。
(ここで、 Ral、 Ra3、 Ra4、 Ra6、 Ra7、 Ra8、 Ra9、 Ral0、 Ral4及び Ral5は、 それ ぞれ同一若しくは異なって、 水素原子、 アルキル基またはヒドロキシ 4 アルキル基であり、 Ra2、 Ra5、 Rall、 RaI2及び Ral3は、 — 4アルキル基であ
る。 )
「A l k」 とは、 上記グループ Aから選ばれる 1乃至 3個の置換基によって置 換されてもよい 上記定義のアルキル基である。
「グループ D」 とは、 上記定義のハロゲン原子、 上記定義の A l k、 一 O Rdl、 一 C O O Rd2、 _ C O NRd3Rd4、 一 N Rd5Rd6、 上記グループ: Bから選ばれる 1乃 至 5個の置換基によって置換されてもよい上記定義の炭素環基、 及び、 上記グル ープ Bから選ばれる 1乃至 5個の置換基によって置換されてもよい上記定義の複 素環基である。
(ここで、 Rdl、 Rd2、 Rd3、 Rd4、 Rd5及ぴ Rd6は、 それぞれ同一若しくは異なって、 水素原子又は上記定義の A 1 kである。 )
また、 「製薬上許容されるその塩」 とは、 上記一般式 [ I ] で示される化合物 と無毒の塩を形成するものであればいかなる塩でもよく、 例えば塩酸、 硫酸、 リ ン酸、 臭化水素酸等の無機酸;又はシユウ酸、 マロン酸、 クェン酸、 フマル酸、 乳酸、 リンゴ酸、 コハク酸、 酒石酸、 酢酸、 トリフルォロ酢酸、 ダルコン酸、 了 スコルビン酸、 メチルスルホン酸、 ベンジルスルホン酸等の有機酸;又は水酸化 ナトリゥム、 水酸化力リゥム、 水酸化カルシウム、 水酸化マグネシウム、 水酸ィ匕 アンモニゥム等の無機塩基;又は チルァミン、 ジェチルァミン、 トリェチルァ ミン、 トリエタノールァミン、 エチレンジァミン、 トリス (ヒ ドロキシメチル) メチルァミン、 グァニジン、 コリン、 シンコニン等の有機塩基;又はリジン、 ァ ルギニン、 ァラニン等のアミノ酸と反応させることにより得ることができる。 な お、 本発明においては各化合物の含水物或るいは水和物及び溶媒和物も包含され る。
また、 上記一般式 [ I ] で示される化合物においては、 種々の異性体が存在す る。 例えば、 幾何異性体として E体及び Z体が存在し、 また、 不斉炭素原子が存 在する場合は、 これらに基づく立体異性体としての鏡像異性体及ぴジァステレオ マーが存在し、 互変異性体が存在し得る。 従って、 本発明の範囲にはこれらすベ
ての異性体及びそれらの混合物が包含される。
カンナピノイドレセプターに関連する疾患として、 自己免疫疾患としては、 全 身性エリテマトーデス、 慢性関節リウマチ、 潰瘍性大腸炎等が挙げられる。 また、 炎症性疾患としては、 急性及び慢性の膝炎等が挙げられる。
「カンナビノィドレセプター調節物質」 及び 「カンナビノィドレセプター調節' 剤」 とは、 カンナピノイドレセプターの生物活性を調節する物質、 若しくはカン ナビノィドレセプターの発現を調節する物質であり、'前者としては、 ァゴニスト、 アンタゴニスト、 インバースァゴニスト、 その他カンナピノイ ドレセプターの感 受性を増強する或は低減する物質が挙げちれ、 後者としては、 カンナビノィドレ セプターの遺伝子発現を増強或は抑制する物質等が挙げられる。 インバースァゴ ニストとは、 レセプターのァゴニスト本来の作用とは逆の作用を来すものである。 例えば、 カンナピノイドレセプターにおいてサイクリック AMP (cAMP) レベルの観 点からすると、 カンナピノイドがその上昇を抑えるのに比し、 cAMPレベルを上昇 させる化合物を示す。
「アレルギー疾患」 としては、 アナフィラキシー、 消化管アレルギー、 アレル ギー性胃腸症、 アレルギー性皮膚炎、 うるしかぶれ ·化粧品かぶれ等の皮膚炎、 尊麻疹、 アトピー性皮膚炎、 喘息、 アレルギー性喘息、 アトピー性喘息、 アレル ギー性気管支肺ァスペルギルス症、 花粉症、 アレルギー性鼻炎、 アレルギー性結 膜炎、 アレルギー性肉芽腫性血管炎、 薬剤アレルギー、 血清病、 結核病変、 臓器 移植後の拒絶反応、 結核病変、 臓器移植後の拒絶反応等が挙げられるがこれに限 定されず、 アレルギーに関係する疾患であれば、 何れにも適用可能である。 より 好ましくは、 アレルギー性皮膚炎、 アトピー性皮膚炎、 喘息、 アレルギー性喘息、 ァトピー性喘息、 ァレルギ一性鼻炎及ぴァレルギ^"性結膜炎を挙げることができ る。 特に好ましくは、 皮膚若しくは呼吸器に関するアレルギー疾患を挙げること ができ、 より具体的な適応症としては、 アレルギー性皮膚炎、 アトピー性皮膚炎、 アレルギー性喘息及ぴァトピー性喘息である。
「アレルギー性皮膚炎」 とは、 アレルギー反応に関係する皮膚炎を示し、 例え ばァトピー性皮膚炎を含む。 創傷による皮膚炎の様な非ァレルギ一性皮膚炎と区 別される。 「アトピー性皮膚炎治療薬」 としては、 アトピー性皮膚炎のアレルギ 一反応に作用することにより治療効果を上げるものが好ましい。 また、 そのァレ ルギー反応の遅発型反応、 遅延型反応、 若しくは、 遅発型反応かつ遅延型反応に 効果を有することが好ましく、 更に好ましくは、 即時型反応に加え、 遅発型反応、 遅延型反応、 若しくは、 遅発型反応かつ遅延型反応に効果を有する治療剤である。
「アレルギー性喘息」 とは、 喘息症状のなかでのアレルギー的側面を示し、 例 えば混合型喘息、 アトピー性喘息を含む。 アスピリン喘息等の非アレルギー性喘 息とは区別される。 「喘息治療薬」 としては、 喘息のアレルギー反応に作用する ことにより治療効果を上げるものが好ましい。 また、 慢性気管支炎又は気道過敏 症に対し効果を有することが好ましく、 更に好ましくは慢性気管支炎かつ気道過 敏症に効果を有する治療剤である。 また、 そのアレルギー反応の遅発型反応、 遅 延型反応、 若しくは、 遅発型反応かつ遅延型反応に効果を有することが好ましく、 更に好ましくは、 即時型反応に加え、 遅発型反応、 遅延型反応、 若しくは、 遅発 型反応かつ遅延型反応に効果を有する治療剤である。
「鎮痒作用」 とは、 痒みを低減させる或いは痒みを取り除くことにより、 搔痒 反応を減少させ、 痒みからの精神的ストレスを低減させる効果をいう。 中枢作用 ではなく、 例えば抗ヒスタミン作用、 抗サブスタンス P作用の様に、 痛みの原因を 取り除くことが好ましい。 また、 上記のアレルギー疾患、 特にアトピー性皮膚炎 に対し、 鎮痒作用を有することが好ましい。
なお、 本発明においては各化合物のプロドラッグ及び代謝物も包含される。
「プロドラッグ」 とは、 化学的又は代謝的に分解し得る基を有し、 生体に投与 された後、 元の化合物に復元して本来の薬効を示す本発明化合物の誘導体であり、 共有結合によらない複合体及び塩を含む。
プロドラッグは、 例えば、 経口投与における吸収改善のため、 或いは、 標的部
位へのターゲティングのために利用される。
修飾部位としては本発明化合物中の水酸基、 カルボキシル基、 アミノ基、 チォ ール基などの反応性の高い官能基が挙げられる。
水酸基の修飾基として具体的には、 ァセチル基、 プロピオニル基、 イソブチリ ノレ基、 ビバロイル基、 ベンゾィル基、 4 _メチルベンゾィル基、 ジメチルカルバ モイル基、 スルホ基等が挙げられる。 カルボキシル基の修飾基として具体的には ェチル基、 ピパロィルォキシメチル基、 1一 (ァセチルォキシ) ェチル基、 1 - (エトキシカルボ-ルォキシ) ェチノレ基、 1一 (シクロへキシノレォキシカノレボニ ルォキシ) ェチル基、 力ルポキシルメチル基、 (5—メチルー 2—ォキソ一 1, 3—ジォキソール一4—ィル) メチル基、 フエニル基、 o—トリル基等が挙げら れる。 ァミノ基の修飾基として具体的には、 へキシルカルバモイル基、 3—メチ ルチオ一 1一 (ァセチルァミノ) プロピルカルポニル基、 1ースルホ一 1一 (3 —エトキシー 4ーヒドロキシフエニル) メチル基、 (5—メチル一2—ォキソ一 1, 3—ジォキール— 4 Tル) メチル基等が挙げられる。
本発明化合物の好ましい態様として、 薬理活性の良い化合物 (例えば、 C B 2 への結合活性が高い化合物、 C B結合活性において C B 1に対する C B 2選択性が 高い化合物、 抗アレルギー活性が高い化合物、 インバースァゴニスト活性が高い 化合物等。 ) 、 バイオアベイラビリティの良い化合物 (例えば、 経口吸収性の高 い化合物、 細胞膜透過性の高い化合物、 代謝酵素に対し安定である化合物等) 、 安全性の高い化合物 (例えば、 C B 1に対する結合活性が低い化合物、 P 4 5 0 (C Y P ) への阻害活性が低い化合物等。 ) 等が挙げられる。
C B 2選択性が高い化合物として、 CZ Sが 1 0倍以上のものが好ましく、 C / Sが 1 0 0倍以上のものが更に好ましく、 CZ Sが 3 0 0倍以上のものが更に 好ましく、 C/ Sが 1 0 0 0倍以上のものが特に好ましい。
R5、 R6としては、 好ましくは水素原子である。
R7としては、 好ましくは水素原子及ぴー O— A 1 kであり、 一O— A l kとし
て好ましくは炭素原子数 1〜4のアルキルォキシ基であり、 このうちではメ トキ シ基が特に好ましい。
式 (I) において、 Aとしては、 好ましくは一 CONR2R3、 -NR21CON R2R3、 一NR22COR3。、 一 NR22COOR3、 _NR23 S O 2 R3。または一 C O C H2— R2であり、 さらに好ましくは一 CONR2R3である。
一 CONR2R3のうちでは、 R2が水素原子であるものが好ましく、 この場合 R 3としては、
で表される基である力、 一 A l k、 または R
2と R
3が隣接する窒素原子と一緒に なって複素環を形成している場合が好ましい。
で表される基であるとき、 R
31、 R
32及び R
33は、 それぞれ同一若しくは異なって、 水素原子、 シァノ基、 A l k、 一 COOR
36、 — CONR
37R
38、 前記グループ B 力 ら選ばれる 1乃至 5個の置換基によって置換されてもよい炭素環基、 または、 前記グループ Bから選ばれる 1乃至 5個の置換基によって置換されてもよい複素 環基である。
R32は、 好ましくは、 Al k、 前記グループ Bから選ばれる 1乃至 5個の置換基
によって置換されてもよい炭素環基、 または、 前記グループ Bから選ばれる 1乃 至 5個の置換基によって置換されてもよい複素環基である。 この場合において、 好ましくは、 R31か R33の何れか一方が水素原子であり、 他方が—COOR36又は -CON R37R38であることが好ましい。
さらに、 R31と R32が一緒になって、 シクロアルキル基、 飽和へテロ環基又は架 橋式環基を形成してもよく、 好ましくはシクロアルキル基または飽和へテ口環基、 さらに好ましくはシクロアルキル基を形成していることが望ましい。 この場合、 当該シクロアルキル基はベンゼン環と縮合していてもよく、 1乃至 5個の A 1 k で置換されていてもよい。
また、 好ましくは、 R31が水素原子であり、 R32が A 1 k又は上記グループ B力 ら選ばれる 1乃至 5個の置換基によって置換されてもよい炭素環基であってもよ い。
また、 R31及び R32が、 それぞれ同一若しくは異なって、 A l k又は上記グルー プ Bから選ばれる 1乃至 5個の置換基によつて置換されてもよい炭素環基である ことが望ましい。
また、 R33が、 一 COOR36又は一CONR37R38であることが望ましく、 このう ちでは、 一 COOR36がより好ましい。
R3 R32及ぴ R33の好ましい組合せとしては、 例えば、 以下の態様が挙げられ る。
(1) R31、 R32及び R33が全て、 それぞれ同一若しくは異なって、 A l kである 場合。 ―
(2) R31、 R32及ぴ R33のうち 2つが、 それぞれ同一若しくは異なって、 Al k であり、 残りの 1つが水素原子、 一COOR36または一 CONR37R38であ る場合
(3) R31、 R32及ぴ R33のうち 1つが A 1 kであり、 1つが水素原子であり、 1 つが一 COOR36又は _CONR37R38である場合
(4) R31、 R32及び R33のうち 1つが A 1 kであり、 2つが水素原子である場合
(5) R31と R32とが一緒になつて、 シクロアルキル基または飽和へテロ環基を形 成し、 R33が、 水素原子、 A l k、 -COOR36, 一 CONR37R38、 または 前記グループ Bから選ばれる 1乃至 5個の置換基によつて置換されてもよ い複素環基であるある場合
このような (1) 〜 (5) の態様における R31、 R32及び R33のより好ましい組 合せとしては、 例えば、 以下の態様が挙げられる。
(1) ① R31、 R32及び R33が、 それぞれ同一若しくは異なって、 より好ましくは 1または 2個の水酸基を置換基に有していてもよい Cト4アルキル基、 さ らに好ましくは 1または 2個の水酸基を置換基に有していてもよい アルキル基である場合、 または、
② R31、 R32が Ci— 4アルキル基で、 R33が HOCH2CONHCH2—である 場合。
(2) ① R31、 R32が、 それぞれ同一若しくは異なって、 C^ 4アルキル基で、 R33 がー COOR36である場合、 この場合さらに好ましくは R36は水素原子また は アルキル基である、
② R31、 R32が、 それぞれ同一若しくは異なって、 アルキル基で、 R33 が一CONHR38である場合、 この場合さらに好ましくは R38は Ci— 4アル キル基である、 または、
③ R31、 R32が、 それぞれ同一若しくは異なって、 1〜2個の水酸基を置換 基に有していてもよいじ 4アルキノレ基または 1〜2個の アルキルォ キシ基を置換基に有していてもよい C 4アルキル基であり、 R33が水素原 子である場合。
(3) R31が、 水酸基またはフエ二ル基を置換基に有していてもよい C 2— 5アル キル基であり、 R32が一COOR36であり、 この場合さらに好ましくは R36 は水素原子、 アルキル基またはべンジル基であり、 R33のが水素原子
である場合
(4) R31がグループ Aから選ばれる 1〜2個の置換基を有していてもよい d— 4 アルキル基であり、 置換基としては好ましくはフエニル基、 ハロゲン化フ ェニル基、 ピリジノレ基、 水酸基、 C 5— 8シクロへキシル基、 または、 HO CH2CONH- (ヒドロキシメチルカルポニルァミノ基) であり、 R32及
' び R33が水素原子である場合
(5) R31と R32とが一緒になつて、 1〜4個の アルキル基を置換基に有し ていてもよい C5— 8シクロアルキル基、 または 1〜4個の 2アルキル基 を置換基に有していてもよいピペリジル基を形成し、 R33が、 水素原子、 水 酸基または HOCH2CONHCH2—を置換基に有していてもよい Ci_4ァ ルキル基、 一COOR36 (さらに好ましくは R36は水素原子、 または 0 2 アルキル基) 、 -CONR37R38 (R37R38は、 それぞれ独立に、 好ましくは、 水素原子、 2アルキル基または HOC2H4—である。 ) または 1乃至 5 個の C^sアルキル基によって置換されてもよいピペリジル基である場合 このような、 R3としては、 より具体的には、 たとえば、 下記の基が挙げられる。 (1) の態様
t一プチル基、
1, 1—ジメチルー 2— ヒ ドロキシェチル基、 1, 1ージメチルー 2— (ヒドロ キシメチルカルボニルァミノ) ェチル基、 1, 1—ジメチルー 2, 2, 一ジヒド ロキシェチル基、 1, 1一ジメチルー 2, 2 ' ージメ トキシェチル基、 1ーヒド 口キシメチルー 1—ェチループ口ピル基
(2) の態様
1ーメ トキシカルポ二ルー 1—ェチルー 1—プロピル基、 1一カルボキシー 1一 ェチルー 1—プロピル基、 1—メチルー 1一 (N—ヒ ドロキシェチルーカルバモ ィル) ェチノレ基、 1ーメ トキシメチルー 2—メ トキシェチル基、 1ーヒドロキシ メチルー 2—ヒドロキシェチル基、 1—ヒドロキシメチルー 3—メチルーブチル
基
( 3 ) の態様
1ーメ トキシカルボ二/レー 3—メチル一ブチル基、 1一カルボキシルー 3—メチ ルーブチル基、 2—フエ-ルー 1一ベンジルォキシカルポ二ルーェチル基、 2— フエニル一 1一力ノレポキシルーェチル基、 2—ヒドロキシー 1ーメ トキシカノレポ 二ルーェチル基、 2—ヒ ドロキシ一 1—カルボキシルーェチル基
( 4 ) の態様
( 2— ( 4—フルオロフェニル) 一ェチル基、 2— (4一ピリジル) 一ェチル基 ベンゾ [ 1, 3 ] ジォキソールー 5—ィル基)
また、 さらに下記の基が挙げられる
ベンジル基、 4—ヒドロキシーブチル基、 2—シク口へキシルー 2— (ヒドロキ シメチルカルポニルァミノ) 一ェチル基
( 5 ) の態様
1—メ トキシカノレポ二ノレ一シク口ペンチル基、 1一力レポキシーシク口ペンチノレ 基、 1一力ルバモイルーシクロペンチル基、 1一 (N— ^ f ソプロピルカルパモイ ル) ーシクロペンチル基、 1— (N, N—ジメチルアミノメチル) ーシクロペン チル基、 1—ヒドロキシメチル一シクロペンチル基、 1一 (2—ヒドロキシェチ
ル一ァミノ一力ルポニル) ーシクロペンチル基、 1ーメ トキシカルボ二ルーシク 口へキシル基、 1一カルボキシーシク口へキシル基、 1一メチル一シク口へキシ ル基、 1—メ トキシカルポ二ルー 4, 4一ジメチルーシクロへキシル基、 1一力 ルポキシ一 4, 4一ジメチルーシクロへキシル基、 1ーヒ ドロキシメチルー 4, 4—ジメチル一シクロへキシル基、 1—ヒドロキシメチルーシクロへキシル基、 1一メチル一シクロへキシル基、 1ーメ トキシカルボ二ルーシクロへプチル基、 1一カルボキシーシクロへプチル基、 1—ヒ ドロキシメチル一シクロへプチル基、 1一 (2—ヒドロキシェチルーアミノーカルボニル) ーシクロへプチル基、 N— (ヒドロキシメチルカルポニル) アミノメチルーシクロへプチル基、 シクロォク チル基、 1ーメ トキシカルポ二ル一シクロォクチル基、 1一力ルポキシーシクロ ォクチル基、 1ーヒドロキシメチルーシクロォクチノレ基、 3—メチノレー [1, 2, 4] ォキサジァゾ一ルー 5—ィル基、 2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピぺ リジル基
また、 R2と R 3が隣接する窒素原子と一緒になつて複素環を形成している場合、 — CONR2R3の NR2R3の部分としては好ましくは下記の基が挙げられる。
(-1—ピペリジル基、 3, 4—ジヒ ドロー 1H—イソキノリン— 2—ィル基、 3, 4—ジヒドロ— 1, 1一ジメチルー 1H—イソキノリン一 2—ィル基、 3, 4一 ジヒドロ— 2H - キノリン一 1—ィル基、 4—フエ二ルー 1ーピペラジ-ル基) 一 NR21CONR2R3のうちでは、 R21、 R2が水素原子であるものが好ましく、 R 3はべンジル基が好ましい。
一 NR22COR3°のうち、 R22は、 水素原子または C — 4アルキル基が挙げられ、 。^4アルキル基のうちではィソプロピル基が好ましい。
また、 R30としては一 C (CH3) 3、 -CH2C (CH3) 3が挙げられる。
—NR22COOR3のうち、 R22が水素原子であるものが好ましい。 また、 R3と しては水素原子、 炭素原子数 1~4のアルキル基が挙げられる。 アルキル基とし てはメチル基、 ェチル基、 tブチル基が好ましく、 tプチル基がさらに好ましレ、。 — NR23S02R3°のうち、 R23は水素原子が好ましい。 R3。としては、 p—トル ィル基が挙げられる。
— NR2R3のうち、 R2としては水素原子が好ましい。 R3としては、 水素原子、 ベンジル基、 2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピベリジノレ基が挙げられる。 — COOR2のうち、 R2としては、 水素原子が好ましい。
一 COR2のうち、 R2としては、 一 CH2C (CH3) 3が挙げられる。
前記式 (I) 中、 Xとして好ましくは、 一 CR81R82—、 一 O—又は一 NR83— であり、
R81、 R82としては、 それぞれ独立に、 水素原子または C _4アルキル基が好ま しく、 水素原子またはメチル基がさらに好ましい。
R83としては、 水素原子、 C^ 4アルキル基、 または一 CO— A 1 kが好ましい このうち、 C 4アルキル基としてはメチル基、 ェチル基、 n—プロピル基、 n 一ブチル基が好ましい。 一 CO— Al kとしては、 一CO— — 4アルキル 基) が好ましく、 アルキル基のうち、 n-プロピル基が好ましい。
このような Xとしては、 具体的には、 たとえば、 一 CH2—、 -CH (CH3) 一 一 O—、 —NH—、 -N (CH3) 一、 -N (n-C4H9) ―、 一 N (COC3H7) - などが挙げられる。
前記式 (I) 中、 Yとしては、 一 CRUR12—、 一 O—、 一 NR13_が好まし く、 一 CR"R12—、 一O—がさらに好ましい。
一 CRUR12—において Ru、 R12としては、 それぞれ独立に、 水素原子、 A l k 一 COORa3が好ましい。
A 1 kとしては
アルキル基またはヒドロキシメチル基がより好ましく、
— 4アルキル基がさらに好ましい。 アルキル基のうちでは、 メチル基、 ェ チル基、 n—プロピル基、 n_ブチル基が好ましい。
一 COORa3において Ra3としては水素原子、 。^4アルキル基がより好ましい, アルキル基としては、 メチル基、 ェチル基が挙げられる。
具体的には、 たとえば、 I 11、 R12が、 好ましくはともに水素原子またはともに アルキル基、 さらに好ましくはともに水素原子、 メチル基またはェチル基 である態様が挙げられる。 また、 Ru、 R12のいずれかが水素原子であり、 残りが アルキル基または一 COORa3である態様も好ましい。
R "、 R 12が一緒になって C 3 _ 6シクロアルキル基を形成してもよい。
— NR13—において R13としては、 Al k、 一CO— A 1 kが好ましい。 Al kの うち、 アルキル基、 メトキシカルボニル — 4アルキル基、 またはカルボキ シル アルキル基がさらに好ましい。 具体的には、 n—ブチル基、 メ トキシ カルボニルメチル基、 カルポキシルメチル基などが挙げられる。
一 CO— A 1 kのうちでは、 アルキルカルボニル基、 カルボキシル
W
- 42 - アルキルカルボニル基がさらに好ましい。 具体的には、 メチルカルポニル基、 力 ルポキシルプロピル力ルポ-ル基などが挙げられる。
m、 nとしては、 それぞれ同一または異なって、 好ましくは 1乃至 4の整数で あり、 さらに好ましくは 1乃至 2の整数である。
—X— (CH2) M— Y— (CH2) N—としては、 好ましくは、
一 O— CH2—、
-0- (CH2) 2 -、
-0- (CH2) 3 -、
-0- (CH2) 4—、
-0- (CH2) 5—、
-0- (CH2) 6 -、
-0-CH2-CRNR12-,
一 O— CH2— CRUR12— CH2—、
一 O— (CH2) 2-CRNR12- (CH2) 2—、
一 O— (CH2) 2—◦一 (CH2) 2—、
-0- (CH2) 2-NR13- (CH2) 2 -、
一 O— CRUR12—、
一 O— CRUR12— CH2—、
一 (CH2) 3 -、
- (CH2) 4一、
一 (CH2) 2_CRUR12—、
_ C R8iR82_ (CH2) 2—、
_ C R8lR82_ (CH2) 3_、
— NR83— (CH2) 2—、
-NR83-CRUR12-CH2- が挙げられる。
一 O— CH2— CRUR12—のうち、 好ましくは、 R"R12のいずれかが水素原 子で、 いずれかが、 炭素原子数 1〜 6のアルキル基、 炭素原子数 1〜 3のアルキ ルカルポニル基、 または炭素原子数 1〜 3のヒドロキシアルキル基であること力 S 望ましい。 炭素原子数 1〜 3のアルキル基としては、 好ましくはメチル基、 ェチ ル基、 プロピル基が挙げられる。 炭素原子数 1〜 3のアルキルカルボニル基とし ては、 好ましくはエトキシカルボニル基が挙げられる。 炭素原子数 1〜3のヒ ド ロキシアルキル基としては、 好ましくはヒ ドロキシメチル基が挙げられる。
具体的には、 例えば、 下記の基が挙げられる。
-0-CH2-CH2- — O— CH2— CH (CH3) - -0-CH2-CH (C3H7) 一
-0-CH2-CH (COOH) - _0— CH2— CH (COOC2H5) - -0-CH2-CH (CH2OH) 一
一 O— CH2— CRUR12— CH2—としては、 好ましくは、 R"R12のうちいずれ かが水素原子でありいずれかが炭素原子数 1〜4のアルキル基、 または、 R"R12 が互いに同一または異なる炭素原子数 1〜4のアルキル基が挙げられる。 R"R12 のうちいずれかが水素原子で、 いずれかが炭素原子数 1〜 4のアルキル基の場合 たとえば、 アルキル基としては、 好ましくはメチル基、 ェチル基、 プロピル基、 ブチル基が挙げられ、 より好ましくはェチル基、 プロピル基、 またはブチル基で ある。 R 11 R 12が互レ、に同一または異なる炭素原子数 1〜 4のアルキル基の場合、 たとえば、 アルキル基としては、 好ましくはメチル基、 ェチル基、 プロピル基、 ブチル基が挙げられ、 より好ましくはェチル基、 プロピル基、 またはブチル基で ある。 また、 RUR12が同一のアルキル基であることがさらに好ましい。
また、 R"R12が互いに一緒になつて結合していてもよぐ、 たとえば、 一 CR11 R12—としては、 好ましくは炭素原子数 3〜 6のシクロアルキレン基が挙げられ、
好ましくはシクロプロピレン基、 シクロブチレン基が挙げられる。
具体的には、 例えば、 下記の基が挙げられる。
なお、 たとえば一 C (シクロプロピレン基) 一とは、 該 C原子を含んでシクロ プロピル基が形成されていることを示す (以下、 本明細書において同じであ る。 ) 。
一 O— CH2— C (シクロプロピレン基) _CH2—
-O-CH2-C (シクロブチレン基) 一 CH2_
一 O— CH2— CH2— CH2—
— O_CH2 - C (C2H5) 2-CH2- 一 0_CH2— CH (C3H7) -CH2-
-0-CH2-CH (C4H9) 一 CH2—
_0— (CH2) 2-CRnR12- (CH2) 2_のうち、 R"R12としては、 好ま しくは、 R"R12のうちいずれかが水素原子でありいずれかが炭素原子数 1〜 3の アルキル基、 または、 RUR12が互いに同一または異なる炭素原子数 1~ 3のアル キル基が挙げられる。 これらのうちでは、 R"R12が互いに同一または異なる炭素 原子数 1〜 3のアルキル基が好ましい。 たとえば、 アルキル基としては、 メチル 基、 ェチル基が好ましく、 これらのうちでは、 メチル基がより好ましい。 また、
RUR12が同一のアルキル基であることがさらに好ましい。
また、 R"R12が互いに一緒になつて結合していてもよく、 たとえば、 一 CR11 R12—としては、 好ましくは炭素原子数 3〜 6のシクロアルキレン基が挙げられ、 好ましくはシクロプロピレン基、 シクロブチレン基、 シクロペンチレン基が挙げ られる。
具体的には、 例えば、 下記の基が挙げられる。
— O— (CH2) 2-CH2- (CH2) 2—
— O - (CH2) 2— C (CH3) 2- (CH2) 2 -
-0- (CH2) 2— C (シクロペンチレン基) 一 (CH2) 2—
_ 0— C R"R12—のうち、 R"R12としては、 好ましくは、 RnR12のうちいずれ かが水素原子でありいずれかが炭素原子数 1〜 3のアルキル基、 または、 RUR12 が互いに同一または異なる炭素原子数 1〜 3のアルキル基が挙げられる。 これら のうちでは、 R"R12のうちいずれかが水素原子でありいずれかが炭素原子数 1〜 3のアルキル基であるものが好ましい。 たとえば、 アルキル基としては、 メチル 基、 ェチル基、 プロピル基が挙げられ、 これらのうちでは、 プロピル基が好まし レ、。
具体的には、 例えば、 下記の基が挙げられる。
一 O— C H2—
- 0 - C H (C3H7) -
—0— C RUR12_ C H2—のうち、 RUR12としては、 好ましくは、 R"R12のう ちいずれかが水素原子でいずれかが炭素原子数 1〜 3のアルキル基、 または、 R11 R12が互いに同一または異なる炭素原チ数 1〜 3のアルキル基が挙げられる。 これ らのうちでは、 RUR12のうちいずれかが水素原子でありいずれかが炭素原子数 1 〜 3のアルキル基であるものが好ましい。 たとえば、 アルキル基としては、 メチ ル基、 ェチル基、プロピル基が挙げられ、 これらのうちでは、 プロピル基が好ま しい。
• 具体的には、 例えば、 下記の基が挙げられる。
- O - C H (C3H7) 一 C H 2—
一 (C H2) 2— C RUR12—のうち、 R"R12としては、 好ましくは、 R^R12の うちいずれかが水素原子でいずれかが炭素原子数 1〜 3のアルキル基、 または、 RHR12が互いに同一または異なる炭素原子数 1〜 3のアルキル基が挙げられる。 これらのうちでは、 R"R12のうちいずれかが水素原子でありいずれかが炭素原子 数 1〜 3のアルキル基であるものが好ましい。 たとえば、 アルキル基としては、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基が挙げられ、 これらのう'ちでは、 メチル基が好 ましい。
具体的には、 例えば、 下記の基が挙げられる。
一 (CH2) 2— CH2 -
- (CH2) 2-CH (CH3) 一
_ C R8iR82_ (CH2) 2—のうち、 R81R82としては、 好ましくは、 R81R82の うちいずれかが水素原子でいずれかが炭素原子数 1〜 3のアルキル基、 または、 R81R82が互いに同一または異なる炭素原子数 1~ 3のアルキル基が挙げられる。 これらのうちでは、 R81R82のうちいずれかが水素原子でありいずれかが炭素原子 数 1〜 3のアルキル基であるものが好ましい。 たとえば、 アルキル基としては、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基が挙げられ、 これらのうちでは、 メチル基が好 ましい。
具体的には、 例えば、 下記の基が挙げられる。
-CH (CH3) 一 (CH2) 2—
_ C R8lR82_ (CH2) 3—のうち、 R81R82としては、 好ましくは、 R81R82の うちいずれかが水素原子でいずれかが炭素原子数 1〜 3のアルキル基、 または、 R81R82が互いに同一または異なる炭素原子数 1~ 3のアルキル基が挙げられる。 これらのうちでは、 R81R82のうちいずれかが水素原子でありいずれかが炭素原子 数 1〜 3のアルキル基であるものが好ましい。 たとえば、 アルキル基としては、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基が挙げられ、 これらのうちでは、 メチル基が好 ましい。
具体的には、 例えば、 下記の基が挙げられる。
— CH2 - (CH2) 3 -
-NR83- (CH2) 2—のうち、 R83としては、 好ましくは、 炭素原子数 1〜6 のアルキル (Ci-sアルキル) 基、 C 6アルキル一カルボニル基が挙げられる。 アルキル基としては、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 プチル基、 ペンチル基、 へキシル基が挙げられ、 これらのうちでは、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 ブチル基が好ましい。 C^eアルキル一カルボニル基としては、 好ましくはプロ
ピルカルボエル基などが挙げられる。
具体的には、 例えば、 下記の基が挙げられる。
— N (CH3) 一 (CH2) 2—
-N (C4H9) - (CH2) 2 - 一 N (— COC3H7) - (CH2) 2—
-0- (CH2) 2— NR13— (CH2) 2—のうち、 R13としては、 Al k、 一 CO 一 A 1 kが好ましい。
A l kのうち、 — 4アルキル基、 メ トキシカルボニル アルキル基、 また は力ルポキシル。^4アルキル基がさらに好ましい。 具体的には、 n—プチル基 メ トキシカルボニルメチル基、 カルボキシルメチル基などが挙げられる。
一 CO_Al kのうち、 C 1一 4アルキルカルボニル基、 力ルポキシル C 1— 4アルキルカルボニル基がさらに好ましい。 具体的には、 メチルカルボニル基、 カルボキシルプロピルカルボニル基などが挙げられる。
具体的には、 例えば、 下記の基が挙げられる。
-0- (CH2) 2 N (C4H9) 一 (CH2) 2—
— O - (CH2) 2-N (-COCH3) 一 (CH2) 2-
-0- (CH2) 2— N (— COC3H6COOH) - (CH2) 2—
— O— (CH2) 2-N (_CH2COOH) — (CH2) 2—
—O— (CH2) 2— N (— CH2COOCH3) — (CH2) 2- — NR83— CRUR12— CH2—のうち、 R83としては水素原子または C 4アル キル基が好ましい。 アルキル基としては、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 ブ チル基が挙げられる。
R"R12としては、 いずれかが水素原子で、 いずれかが Ci_4アルキル基である ことが好ましい。 4アルキル基としてはプロピル基が好ましい。
具体的には、 例えば、 下記の基が挙げられる。
-NH-CH (C3H7) 一 CH2—
-N (CH3) 一 CH (C3H7) 一 CH2_
-N (C4H9) 一 CH (C3H7) —CH2—
このような、 本発明に係るトリサイクリック縮合環化合物としては、 具体的に は、 たとえば、 表 1〜18に示す例示化合物を挙げることができる。
なお、 表中の構造式の炭素原子、 ヘテロ原子において、 これら原子上の水素原 子は省略して表記した。 したがって、 たとえば 「一 0」 は一 OHを示し、 たとえ ば 「一 N—」 は一 NH—を示し、 たとえば、 「C— O—」 は CH3_0—を示して いる。
表 1
本発明に係る前記一般式 (I) で表されるトリサイクリック縮合環化合物 (以
下 「化合物 I」 ということがある。 ) は、 例えば以下の製造方法 Aあるいは製造 方法 Bのようにして製造することができるが、 これらに限定されるものではない 〔製造方法 A〕
第 A 3工程 R
p10
2cA
CO RP2 AV]
第 A 4工程
第 A 5工程 H-N [AVIII]
R3
Hal-(CH2)m-Y-(CH2)n-Hal
第 A 7工程 [AXI]
{式中、 R2、 R3、 R5、 R6、 R R"、 t、 X、 Y、 m、 nは、 前記式 (I ) と同義であり、 RP1及び RP2は、 それぞれ同若しくは異なって、 水素、 Al k (例
えば、 メチル基、 ェチル基、 ベンジル基等) 又はカルボン酸保護基 (たとえば、 トシメチルシリル基等) を示し、 Zは保護基 (たとえば、 メチル基、 ェチル基、 ベンジル基、 トリメチルシリル基、 メ トキシメチル基、 ァセチル基等の水酸基保 護基、 ァセチル基、 ベンゾィル基、 t e r t一ブトキシカルボニル基等のアミン 保護基、 水酸基保護基と同様のチオール保護基等) を示し、 H a 1は塩素原子、 臭素原子等のハロゲン原子を示す。
ここで、 Yがー O—、 一 S—又は一 NR81—のとき、 m及び nは、 それぞれ同一 若しくは異なって、 1乃至 4の整数である。 } .
〔製造方法 B〕
- 7 第 B 1工
第 B 3工程
第 B4工程
R2
第 5工程 H-N [BV I I]
'R3
{式中、 R
2、 R
3、 R
5、 R
6、 R
7、 R
14、 t、 X、 Y、 m、 n、 P 1は、 前記製造 方法 Aと同義である。
〔製造方法 A〕
第 A 1工程
本工程は、 化合物 [A l l ] のベンゼン環上のホルミル基のオルト位をニトロ 化し、 化合物 [A I I I ] を得る方法である。
化合物 [A l l ] を溶媒中、 濃硫酸の存在下、 発煙硝酸を反応させることによ りニトロ化合物を得ることができる。
溶媒としては、 例えば、 ジェチルエーテル、 1, 2—ジメ トキシェタン、 テト ラヒ ドロフラン、 ジグリム等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、 クロ口ホルム 四塩化炭素、 1, 2—ジクロロェタン等のハロゲン系溶媒;酢酸ェチル、 酢酸メ チル、 酢酸プチル等のエステル系溶媒;メタノール、 エタノール、 イソプロピル アルコール、 tーブタノール等のアルコ ^ル系溶媒;酢酸、 無水酢酸等の酸溶媒 等が挙げられ、 好ましくは酢酸である。
反応温度は、 通常一 5ひ〜 2 0 0 °Cであり、 好ましくは一 1 0〜6 0 °Cである 反応時間は、 通常 1 5分間〜 4 8時間であり、 好ましくは 1〜 8時間である。 得 られたニトロ化合物を適当な溶媒中、 塩基の存在下に、 プロモペンタン等のアル キルプロマイドと反応させることにより化合物 [A I I I ] を得ることができる, 適当な塩基としては、 例えば、 炭酸ナトリウム、 炭酸カリウム、 炭酸リチウム 炭酸水素ナトリゥム、 炭酸水素力リゥム、 水酸化ナトリゥム、 水酸化力リゥム、 水酸化リチウム、 水素化ナトリウム、 n _プチルリチウム、 s _ブチルリチウム t一ブチルリチウム、 リチウムジイソプロピルアミ ド等が挙げられ、 好ましくは 炭酸カリウムである。
適当な溶媒としては、 例えば、 ベンゼン、 トルエン、 キシレン、 へキサン等の 炭化水素系溶媒;ジェチルエーテル、 1, 2—ジメ トキシェタン、 テトラヒドロ
フラン、 ジグリム等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、 クロ口ホルム、 四塩ィ匕 炭素、 1, 2—ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;酢酸ェチル、 酢酸メチル、 酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミ ド、 ジメチルスルホキシド ァセトニトリル、 アセトン等の極性溶媒;メタノール、 エタノール、 イソプロピ ルアルコール、 t—ブタノール等のアルコール系溶媒等が挙げられ、 好ましくは ジメチルホルムアミ ドである。
反応温度は、 通常一 1 0〜 2 0 0 °Cであり、 好ましくは 0〜 6 0 °Cである。 反 応時間は、 通常 1 5分間〜 4 8時間であり、 好ましくは 1〜8時間である。
第 A 2工程
化合物 [A I I I ] のニトロ基を常法によって還元し、 化合物 [A I V] を得 ることができる。
第 A 3工程
化合物 [A I V] を適当な酸あるいは塩基の存在下、 マロン酸誘導体 [AV] と縮合させ、 化合物 [AV I ] を得ることができる。 マロン酸誘導体としては、 例えばマロン酸ジェチル、 マロン酸ジメチル、 マロン酸ジベンジル、 シァノ酢酸 ■ ェチル、 シァノ酢酸メチル等が挙げられ、 好ましくはマロン酸ジメチルが用いら れる。 適当な酸としては、 例えば、 安息香酸、 p—トルエンスルホン酸、 酢酸、 メタンスルホン酸、 塩酸、 硫酸、 硝酸等が挙げられ、 好ましくは安息香酸が用い られる。 塩基としては、 例えば水素化ナトリゥム、 カリウム t一ブトキシド、 ナトリウムエトキシド、 ナトリウムメ トキシド、 酢酸アンモニゥム、 酢酸ナトリ ゥム、 ピぺリジン、 ピリジン、 ピロリジン、 n—メチルモルホリン、 モルホリン- トリェチルァミン等が挙げられ、 好ましくはピペリジンである。
溶媒としては、 例えば、 ベンゼン、 トルエン、 キシレン、 へキサン、 ヘプタン 等の炭化水素系溶媒;ジェチルエーテル、 1, 2—ジメ トキシェタン、 テトラヒ ドロフラン、 ジグリム等のエーテル系溶媒;酢酸ェチル、 酢酸メチル、 酢酸プチ ル等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、 ジメチルスルホキシド、 ァセト
二トリル、 ァセトン等の極性溶媒;メタノール、 ェタノール、 イソプロピルアル コール、 tーブタノール等のアルコール系溶媒等が挙げられ、 好ましくはトルェ ンである。
反応温度は、 通常 0 ~ 1 5 0 °Cであり、 好ましくは 1 2 0 °Cである。 反応時間 は、 通常 2時間〜 4 8時間であり、 好ましくは 2 4時間である。
第 A 4工程
化合物 [AV I ] を溶媒中、 適当な酸又は塩基の存在下、 加水分解することに より化合物 [AV I I ] を得ることができる。
溶媒としては、 メタノール、 エタノール、 イソプロピルアルコール、 tーブタ ノール等のアルコール系溶媒又は水若しくはそれらの混合溶媒である。
適当な塩基としては、 例えば、 炭酸ナトリウム、 炭酸カリウム、 炭酸リチウム、 炭酸水素ナトリウム、 炭酸水素力リゥム、 水酸化ナトリゥム、 水酸化力リウム、 水酸ィヒリチウム等が挙げられ、 好ましくは炭酸リチウムである。
適当な酸としては、 塩酸、 硫酸等が挙げられ、 好ましくは塩酸である。
第 A 5工程
化合物 [AV I I ] を活性化されたカルボン酸誘導体とし、 化合物 [AV I I I ] と反応ざせることにより化合物 [A I X] を得ることができる。
活性化されたカルボン酸誘導体としては、 例えば、 カルボン酸を、 塩化チォ- ル、 ォキシ塩化リン、 五塩化リン、 ォキザリルクロリ ド等と処理することにより 得られる酸ハロゲン化物;カルボン酸を、 1ーヒドロキシベンゾトリァゾール、 N—ヒ ドロキシスクシンイミ ド等と、 ジシクロへキシルカルポジイミ ド (D C C) 、 1ーェチルー 3— ( 3—ジメチルァミノプロピル) カルボジィミド (E D C) ハイドロクロライド等の縮合剤で縮合することにより得られる活性エステ ル;カルボン酸を、 クロ口炭酸ェチル、 ピバロイルク口リ ド、 クロ口炭酸イソブ チル等と反応させることにより得られる混合酸無水物等が挙げられる。 好ましく は E D Cハイドロクロライドを縮合剤として N—ヒドロキシベンゾトリアゾール
とから得られる活性エステルが用いられる。
また、 上記反応においては、 必要に応じて塩基を共存させることができる。
塩基としては、 例えば、 トリエチノレアミン、 t e r t一プチルァミン、 ピリジ ン、 N—メチルモルホリン等の有機ァミンが挙げられ、 好ましくは t e r t—ブ チノレアミンである。
溶媒としては、 例えば、 ベンゼン、 トルエン、 へキサン、 キシレン等の1炭化水 素系溶媒;ジェチルエーテル、 1, 2—ジメ トキシェタン、 テトラヒドロフラン、 ジグリム等のエーテル系溶媒; ジクロロメタン、 クロ口ホルム、 四塩化炭素、 1,
2—ジクロ口エタン等のハロゲン系溶媒;酢酸ェチル、 酢酸メチル、 酢酸ブチノレ 等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミ ド、 ジメチルスルホキシド、 ァセトニ トリル、 ァセトン等の極性溶媒等が挙げられ、 好ましくはジメチルホルムアミ ド である。
反応温度は、 通常 0〜1 0 0 °Cであり、 好ましくは 0〜5 0 °Cである。 反応時 間は、 通常 1 5分間〜 2 4時間であり、 好ましくは 1〜 1 2時間である。
第 A 6工程
化合物 [A I X] を溶媒中、 ルイス酸で処理することによりエーテル部分を脱 アルキルィ匕し、 化合物 [AX] を得ることができる。
ルイス酸としては、 例えば、 四塩化チタン、 塩化アルミ、 臭化アルミ、 ヨウ化 トリメチルシリノレ、 三塩化ホウ素、 三臭化ホウ素等が挙げられ、 好ましくは三臭 化ホウ素である。 また、 チオフヱノール、 ェチルメルカプタン等の硫黄化合物を 共存させてもよい。
溶媒としては、 例えば、 ベンゼン、 トルエン、 へキサン、 キシレン等の炭化水 素系溶媒;テトラヒ ドロフラン、 ジグリム等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、 クロ口ホルム、 四塩化炭素、 1, 2—ジクロロェタン等のハロゲン系溶媒等が挙 げられ、 好ましくはジクロロメタンである。
反応温度は、 通常一 1 0 0〜 1 0 0 °Cであり、 好ましくは一 8 0〜0 °Cである。
反応時間は、 通常 15分〜 24時間であるが、 好ましくは 30分〜 5時間である パラジウム一活性炭素等の触媒の存在下、 溶媒中、 接触還元を行っても良い。 溶媒としては、 テトラヒドロフラン、 ジグリム等のエーテル系溶媒;メタノー ル、 エタノール、 イソプロピルアルコール、 tープタノール等のアルコール系溶 媒、 若しくはそれらの混合溶媒が挙げられる。
第 A 7工程
化合物 [AX] にアルキルジハライド等の化合物 [AX I] を反応させて、 複 素環化して、 目的化合物 [I] を得る工程である。
化合物 [AX.I] としては、 所望の骨格、 置換基を有する、 ジ臭素化またはジ 塩素化アルキルが挙げられ、 具体的には、
Ha 1 -CH2-Ha 1、
Ha 1 - (CH2) 2— Ha 1、
Ha l - (CH2) 3— Ha 1、
Ha l - (CH2) 4一 Ha 1、
Ha l - (CH2) 5 - Ha 1、
Ha l - (CH2) 6-Ha 1、
Ha 1 -CH2-CRnR12-Ha 1、
Ha 1 -CH2-CRnR12-CH2-Ha 1、
Ha 1— (CH2) 2-CRuR12- (CH2) 2— Ha 1、 ·
Ha 1— (CH2) 2— O— (CH2) 2— Ha 1、
Ha 1 -CRnR12-Ha 1、
Ha 1 -CRnR12-CH2-Ha 1、
Ha 1— (CH2) 2— CRUR12— Ha 1、
Ha 1 -CR81R82- (CH2) 2— Ha 1、
Ha 1 -CR81R82- (CH2) 3— Ha 1が挙げられる。
反応は、 塩基の存在下、 溶媒中で行うことが好ましい。
塩基としては、 例えば、 炭酸ナトリウム、 炭酸カリウム、 炭酸リチウム、 炭酸 水素ナトリゥム、 炭酸水素力リゥム、 水酸化ナトリゥム、 水酸化力リゥム、 水酸 化リチウム等が挙げられ、 好ましくは炭酸カリウムである。
溶媒としては、 例えば、 ベンゼン、 トルエン、 へキサン、 キシレン等の炭化水 素系溶媒;ジェチルエーテル、 1, 2—ジメ トキシェタン、 テトラヒ ドロフラン ジグリム等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、 クロ口ホルム、 四塩化炭素、 1 2—ジクロロェタン等のハ口ゲン系溶媒;酢酸ェチル、 酢酸メチル、 酢酸プチル 等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミ ド、 ジメチルスルホキシド、 ァセトニ トリル、 アセトン等の極性溶媒等が挙げられ、 好ましくはジメチルホルムアミ ド である。
反応温度は、 通常 2 0〜: L 0 0 °Cであり、 好ましくは還流下の温度である。 反 応時間は、 通常 1 5分〜 2 4時間であるが、 好ましくは 3 0分〜 5時間である。
〔製造方法 B〕
第 B 1工程
本工程は、 ジサイクリック構造の化合物 [B I I ] からトリサイクリック構造 の化合物 [B I I I ] を得る方法であり、 たとえば、 J. Heterocycle Chem. 1997: 34, 969-972.に記載の方法を用いることができる。
具体的には、 化合物 [B I I ] を H C (C 02 RP 3) 3 (ここで、 R P 3は、 メチ ル基、 ェチル基などのアルキル基又はべンジル基である。 ) と、 加熱化、 反応さ せることにより トリサイタリック化合物を得ることができる。
必要に応じて、 溶媒として、 例えば、 キシレン、 メシチレン、 ニトロベンゼン. ジブェニルエーテル、 ダウサーム (ビフエ二ルとジフエニルエーテルの混合溶 液) 等が用いられる。
反応温度は、 通常 1 0 0〜 3 0 0 °Cであり、 好ましくは 1 5 0〜 2 5 0 °Cであ る。 反応時間は、 通常 5分間〜 2 4時間であり、 好ましくは 5分間〜 3時間であ る。
工程 B 2 .
本工程は、 化合物 [B i l l ] の水酸基を、 脱離基 Tに変換して、 化合物 [B I V] を製造する工程である。 Tとしては、 ハロゲン原子 (塩素原子、 臭素原子 等) 、 O S 02R (ここで、 Rはメチル基、 トリフルォロメチル基、 p—トルィル 基等) などが挙げられる。
本工程は、 たとえば Tがハロゲン原子の場合、 ハロゲン化剤を溶媒の存在下ま たは非存在下に反応させて実施することができる。
ハロゲン化剤としては、 たとえば、 塩化チォニル、 ォキシ塩化リン、 五塩化リ ン、 ォキザリルクロライドなどが挙げられる。 次亜塩素酸塩、 N—クロロスクシ ンイミド等のハロゲン化剤を用いる場合、 トリプチルホスフィン、 トリフエニル ホスフィン等のホスフィン類を加えるとよい。
溶媒としては、 1, 4一ジォキサン、 ジェチルエーテル、 1, 2—ジメトキシ ェタン、 テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、 クロ口ホル ム、 四塩化炭素、 1, 2—ジクロロェタン等のハロゲン系溶媒、 ベンゼン、 トル ェン、 へキサン、 キシレン等の炭化水素系溶媒;ジメチルホルムアミド、 ァセト ■ 二トリル等の極性溶媒が好ましい。
反応温度は、 通常一 7 8 ~ 4 0 °Cであり、 好ましくは一 3 0 °C〜3 0 °Cである また、 たとえば Tが O S〇2Rの場合、 スルホン化試薬と、 塩基とを、 溶媒の存 在下に反応させて実施することができる。
スルホン化試薬としては、 たとえば、 メタンスルホニルクロライド、 p—トル エンスルホニルクロライド、 無水メタンスルホン酸、 無水トリフルォロメタンス ルホニルクロライド、 N—フエニルトリフルォロメタンスルホニルイミド等が挙 げられる。
塩基としては、 トリェチルァミン、 トリプチルァミン、 ジイソプロピルェチル ァミン、 N—メチルモルホリン、 ピリジン、 ルチジン、 コリジン、 ブチルリチウ ム、 リチウムジイソプロピルアミドなどが挙げられる。
溶媒を用いる場合、 たとえば、 ジクロロメタン、 テトラヒドロフランなどを用 いることができる。
反応温度は、 通常 _78〜100°Cであり、 好ましくは一 30〜80°Cである 工程 B 3
本工程は、 置換基 Tを脱離させる工程である。
通常の水素化を用いればよく、 例えば、 化合物 [B IV] を、 パラジウムー活 性炭素、 水酸化パラジウム、 ラネーニッケル、 酸ィ匕白金等の触媒の存在下、 溶媒 中、 水素で接触還元を行って、 化合物 [BV] を得ることができる。
溶媒としては、 テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;メタノール、 ェタノ ール、 イソプロピルアルコール、 tーブタノール等のアルコール系溶媒、 酢酸若 しくはそれらの混合溶媒が挙げられる。
水素ガスの圧力は、 たとえば、 常圧〜 10気圧程度の範囲で行うことができる 反応温度は、 通常、 0〜 50 °Cであり、 好ましくは室温程度である。 反応時間 . は、 通常 30分間〜 24時間であり、 好ましくは 1〜 10時間である。
工程 B 4
化合物 [BV] を溶媒中、 適当な酸又は塩基の存在下、 加水分解することによ り化合物 [BV I] を得ることができる。
前記工程 A 4と同様の操作により、 実施することができる。
工程 B 5
化合物 [BV I] を活性化されたカルボン酸誘導体とし、 化合物 [BV I I] と反応させることにより化合物 [I] を得ることができる。
前記工程 A 5と同様の操作により、 実施することができる。
本発明では、 前記製造方法 Aおよび製造方法 Bのいずれも採用しうるが、 たと えば、 前記式 (I) において、 Xが酸素原子で芳香環と結合している場合、 製造 方法 A、 Bのいずれも好ましく採用できる。 Xが炭素原子、 窒素原子、 ィォゥ原 子で芳香環と結合している場合、 製造方法 Bを好ましく用いることができ得る。
なお、 上記トリサイクリック化合物は、 たとえば、 特開 2000— 44561 号公報、 特開 2000— 103792号公報、 特開 2000— 103793号公 報、 特表平 7— 503248号公報などに記載の方法を適宜適用することにより 製造することもできる。
上記のようにして製造された化合物 [I] は、 例えば、 濃縮、 減圧濃縮、 溶媒 抽出、 晶析、 再結晶、 クロマトグラフィー等の公知の手段により、 分離精製する ことができる。
また、 化合物 [I] の製薬上許容される塩、 及び化合物 [I] の各種異性体は、 従来公知の方法により製造することができる。
本発明のトリサイクリック縮合環化合物及びその製薬上許容される塩は、 哺乳 動物に対し、 カンナピノイドレセプターが関与することが知られている疾患領域、 特に末梢細胞系組織が関与する疾患領域 (免疫疾患、 各種炎症、 アレルギー性疾 患等) において医薬的効果を示す。
つまり、 トリサイクリック縮合環化合物及びその製薬上許容される塩は、 カン ナビノイドレセプター、 特に末梢型レセプターに選択的に作用し、 中枢系の副作 用が少なく、 かつ優れた免疫調節作用、 抗炎症作用及ぴ抗アレルギー作用を有す る。
よって、 トリサイクリック縮合療化合物及びその製薬上許容される塩は、 カン ナビノィドレセプター (特に末梢型カンナビノィドレセプター) 調節剤、 免疫調 節剤、 自己免疫疾患治療剤、 抗炎症剤及ぴ抗アレルギー剤として有用である。
トリサイクリック縮合環化合物又はその製薬上許容される塩を医薬製剤として 用いる場合には、 通常、 それ自体公知の薬理学的に許容される担体、 賦形剤、 希 釈剤、 増量剤、 崩壊剤、 安定剤、 保存剤、 緩衝剤、 乳化剤、 芳香剤、 着色剤、 甘 味剤、 粘稠剤、 矯味剤、 溶解補助剤、 その他の添加剤、 具体的には水、 植物油、 エタノール又はべンジルアルコールのようなアルコール、 ポリエチレングリコー ル、 グリセロールトリアセテート、 ゼラチン、 ラタトース、 デンプン等のような
W
- 8 1 - 炭水化物、 ステアリン酸マグネシウム、 タルク、 ラソリン、 ワセリン等と混合し て、 常法により錠剤、 丸剤、 散剤、 顆粒剤、 坐剤、 注射剤、 点眼剤、 液剤、 カブ セル剤、 トローチ剤、 エアゾール剤、 エリキシル剤、 懸濁剤、 乳剤、 シロップ剤 等の形態となすことにより、 経口又は非経口的に投与することができる。
投与量は、 疾患の種類及び程度、 投与する化合物並びに投与経路、 患者の年齢 性別、 体重等により変わり得る。 経口投与の場合、 通常、 成人 1日当たり トリサ イクリック縮合環化合物 0 . 1 〜 1 0 0 0 m g、 好ましくは 1 〜 3 0 0 m gを、 1〜数回にわけて投与する。
なお、 本発明化合物は動物用医薬としても適応することができる。 発明を実施するための最良の形態
以下、 実施例により本発明を具体的に述べるが、 本発明はこれらによって限定 されるものではない。 なお、 実施例中、 室温とは 2 0 〜 3 0 °C程度の温度範囲を 意味する。
〔実施例 1〕
第 1一 1工程 化合物 2の DMF懸濁液の調製
窒素気流下、 化合物 1 (50. 0g, 254腿 ol) のジメチルホルムアミド (DMF ; 150 ml) 懸濁液にベンジルブロミド (53. 7g, 304匪 ol) 、 炭酸カリウム (21· 0g, 152mm ol) を順次添加し、 外温 9 0 °Cで 6 0分間加熱攪拌した。 反応終了後、 室温まで 放冷した。
窒素気流下、 化合物 2の DMF懸濁液にエタノール (50ml) 、 ハイド口サルフアイ トナトリウム (132. 5g, 761mmol) を順次添加した。 この反応液に、 水 (25ml) を 滴下し、 外温 90°Cで 3時間加熱攪拌した。 反応終了後、 室温まで放冷し、 トルエン (400ml) 、 水 (500ml) を順次注入した。 有機層を分離し、 水 (200ml) で洗浄し 化合物 3のトルエン溶液を得た。
第 1一 3工程 化合物 4の合成
第 1一 2工程で得られた化合物 3のトルエン溶液に、 マロン酸ジェチルエステ ル (42. 4ml, 279mmol) 、 酢酸 (7. 3ml, 127mmol) 、 ピぺリジン (25. 1ml, 254mmo 1) を順次添加し、 加熱下、 反応溶媒を常圧留去した。 得られた残渣に、 マロン酸 ジェチルエステル (4. 2ml, 27. 9mmol) 、 酢酸 (0. 73ml, 12. 7mmol) 、 ピぺリジン
(2. 5ml, 25. 4ramol) を順次添加し、 トルエン (200ml) を注入した後、 再度加熱 下、 反応溶媒を常圧留去した。 反応液を室温まで放冷し、 トルエン (50ml) n -へ キサン (500ml) を注入し、 得られた固体をろ取した。 ろ取した固体を n-へキサン 一トルエン (10: 1 ; 200ml) で洗浄後減圧乾燥することにより、 淡褐色固体の目的
物 4 (67. 2g, 収率 75%) を得た,
4工程 化合物 5の合成
化合物 4 (89. 77g, 254. Ommol) のイソプロパノール ( I P A ; 250ml) および 水 (250ml) の懸濁液に濃塩酸 (12N ; 32ml, 380. 4mmol) を室温で滴下した。 続 いて、 加熱還流下 3時間攪拌した後、 室温で 3時間携拌した。 析出した固体をろ取 し、 I P Aと水との 1対 1混合溶媒で洗浄後、 減圧乾燥することにより黄土色固体 の目的物 5 (60. 33g, 収率 73%) を得た。
第 1一 5工程 化合物 6の合成
6
第 1—4工程で得られた化合物 5 (5. 03 g , 15. 5mmol) をアルゴン気流下、 ジ メチルホルムァミド(DM F; 50ml)に溶解し、 室温で tert—ブチルァミン (1. 79m 1, 17. Olramol) 、 1ーヒ ドロキシベンゾトリアゾール (HO B t ; 2. 23g, 17. Ommo 1) および 1ーェチル— 3— ( 3—ジメチルァミノプロピル) カルポジィミド塩酸 塩 (W S C · H C 1 ; 3. 26g, 17. Ommol) を順次加えた後に、 室温で終夜攪拌した。 この反応液に飽和重曹水溶液、 ジイソプロピルエーテル、 および n—へキサンを加 え攪拌した後、 析出した固体をろ取した。 ろ取した固体を水おょぴ n—へキサンで 洗浄後、 減圧乾燥することにより、 目的物 6 (5. 46g, 収率 93%) を得た。
第 1一 6工程 化合物 7の合成
第 1—5工程で得られた化合物 6 (3. 81g, 10. Ommol) をアルゴン気流下、 テト ラヒドロフラン (T H F ; 25ml) およびメタノール (25ml) に懸濁し、 室温で 1 0%パラジウム一活性炭素 (0. 38g) を加えた。 常圧水素雰囲気下、 接触水素還元 を行った。 5. 5時間攪拌した後、 触媒をセライトでろ別し、 T H Fで洗浄した。 ろ 液を減圧濃縮し析出した固体をろ取した。 得られた固体をメタノールで洗浄後、 減圧乾燥することにより、 淡黄土色固体の目的物 7 (2. 34g, 収率 81%) を得た。 第 1一 7工程 化合物 8の合成
第 1 _ 6工程で得られた化合物 7 (lOOmg, 0. 34mmol) をアルゴン気流下、 DM F (3ml) に溶解し、 炭酸カリウム (105mg, 0. 76mmol) および 1 , 3—ジブロモ プロパン (42 μ 1, 0. 41腿 ol) を加え、 加熱還流下 1時間攪拌した。 放冷後、 この 反応液に水を加え酢酸ェチルで抽出し、 有機層を飽和重曹水溶液および飽和食塩 水で洗浄したのち、 硫酸ナトリウムで乾燥させた。 乾燥剤をろ過した後、 減圧濃 縮し、 残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸ェチル / n—へキサン = 1 : 2 ) により精製した。 得られたフラクションを集め濃縮した後に n—へキサン を加え、 析出した固体をろ取し、 n—へキサンで洗浄後、 減圧乾燥することにより 淡黄色固体の目的物 8 (67mg, 収率 59%) を得た。
〔実施例 2〕
第 2— 1工程
ァ /レゴン雰囲気下、 水素化ナトリゥム(60% dispersion in mineral oil, 1. 5 g: 37 mmol) 及び DM F (49 mL)の懸濁液に、 氷冷下、 化合物 9 (5 mL, 47 mmol)を 滴下し、 室温にて 5分間撹拌した。 続いて氷冷下、 臭化べンジル (3. 9 mL, 33 mmo 1)を滴下し、 室温にて 4時間撹拌した。 この反応液に水を加え酢酸ェチルで抽出 し、 有機層を飽和塩化アンモニゥム水溶液おょぴ飽和食塩水で洗浄したのち、 硫 酸ナトリウムで乾燥させた。 乾燥剤をろ過した後、 減圧濃縮し、 残さをシリカゲ ルカラムクロマトグラフィー (酢酸ェチル / n—へキサン) により精製することで 無色油状の目的物 1 0 (4. 1 g, 収率 64%)を得た。
1 0 1 1
アルゴン雰囲気下、 氷冷した 1 0 (831 mg, 4. 3 膽 ol)のクロ口ホルム(20 mL)溶 液に四臭化炭素(2. 2 g, 6. 4 顧 ol)、 トリフエニルフォスフィン(1. 4g, 5. lmmol) を加えた後、 終夜撹拌した。 氷冷下、 四臭化炭素(1. 1 g, 3. 3 mmol) , トリフエ二 ルフォスフィン(0. 68g, 2. 6讓 ol)を追加して、 1時間撹拌後、 飽和重曹水、 及ぴ、 酢酸ェチルを加えた。 生じた沈殿を濾去した後、 有機層を飽和食塩水で洗浄し、 硫酸ナトリウムで乾燥させた。 乾燥剤を濾去した後、 減圧乾燥し、 残さをシリカ ゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸ェチルん一へキサン) により精製すること
で無色油状の目的物 1 1 (1· 0 g, 収率 94%)を得た c
第 2— 3工程
1 2
アルゴン雰囲気下、 実施例 1の第 1一 6工程で製造した化合物 7 (190mg, 654 u mol)、 第 2— 2工程で得た化合物 1 1 (202mg, 784 umol)、 及び炭酸水素ナトリウ ム (165 mg, 1, 96 mmol) の DMF (2 mL) 懸濁液を 6 0 °Cで 3時間、 9 0 °Cで 2 時間、 1 2 0 °Cで 3時間撹拌した。 この反応液に水を加え、 酢酸ェチルで抽出し、 有機層を飽和食塩水で洗浄した後、 硫酸ナトリウムで乾燥させた。 乾燥剤をろ過 した後、 減圧濃縮し、 残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸ェチル / n—へキサン) により精製することで黄色油状の目的物 1 2 (97 mg, 収率 32%) を得た。
第 2— 4工程
1 2 1 3
第 2— 3工程にて得られた化合物 1 2 (56 rag, 120 umol) をアルゴン気流下、
エタノール (2 mL) に溶かし、 室温で触媒量の濃塩酸と 1 0 %パラジウム一活性 炭素 (24 mg) を加え、 常圧水素雰囲気下、 接触水素還元を行った。 1時間攪拌し た後、 触媒をセライトでろ別し、 エタノールで洗浄した。 ろ液を減圧濃縮し黄色 固体の目的物 1 3 (43 mg, 収率 95%) を得た。
第 2— 5工程
第 2— 4工程で得られた化合物 1 3 (18 mg, 48 umol) をアルゴン雰囲気下、 ピ リジン (1 mL) に溶解し、 氷冷下、 塩化メタンスルホニル (4. 4 uL, 57 umol) を 加え、 室温で 1 . 5時間撹拌した後、 塩ィ匕メタンスルホニル (4. 4 uL, 57 umol) を追加し 2時間撹拌した。 この反応液に飽和重曹水を加え、 酢酸ェチルで抽出し た。 有機層を飽和食塩水で洗浄した後、 硫酸ナトリウムで乾燥させた。 乾燥剤を ろ過した後、 減圧濃縮し、 黄色油状の目的物 1 4 (20 mg, 収率 92%) を得た。 第 2— 6工程
第 2— 5工程で得られた化合物 1 4 (17 mg, 37 umol)をアルゴン雰囲気下、 D MF (1 mL) に溶解し、 炭酸カリゥム(21 mg, 146 umol)を加え、 室温で 3 0分撹 拌した。 この反応液に水を加え酢酸ェチルで抽出し、 有機層を飽和食塩水で洗浄 した後、 硫酸ナトリウムで乾燥さ.せた。 乾燥剤をろ過した後、 減圧濃縮し、 残さ をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸ェチル / n—へキサン) により精製 することで白色固体の目的物 1 5 (12 mg, 収率 91%)を得た。
〔実施例 3〕
第 3 _ 1工程
9 1 6
アルゴン雰囲気下、 化合物 9 (4. 9 g, 47 腿 ol) 及ぴ、 ベンズアルデヒド ジメ チルァセタール (6. 5 mL, 42 膽 ol) のクロ口ホルム (50 mL) 溶液にカンファス ルホン酸 (113 mg, 486 umol) を加え、 室温で 1 . 5時間撹拌した。 この反応液 に飽和重曹水を加え、 酢酸ェチルで抽出し、 有機層を飽和食塩水で洗浄した後、 硫酸ナトリウムで乾燥させた。 乾燥剤をろ過した後、 減圧濃縮し、 無色油状の目 的物 1 6 (9· 3 g, quant. ) を得た。
第 3— 2工程
第 3— 1工程で得られた化合物 1 6 (7. 8 g, 41 mmol) をアルゴン雰囲気下、 ク
ロロホルム (80 mL) に溶解し一 7 8 °Cに冷却した。 水素化ジイソブチルアルミ二 ゥム (133 mL, 0. 93 Mへキサン溶液) を滴下し一 7 8 °Cで 2時間撹拌した。 この 反応液を 0 °Cに冷やした飽和塩化ァンモニゥム水溶液に注ぎ、 飽和口シヱル塩水 溶液を加え室温で終夜撹拌した。 酢酸ェチルで抽出し、 有機層を飽和食塩水で洗 浄後、 硫酸ナトリウムで乾燥させた。 乾燥剤をろ過した後、 減圧濃縮し、 残さを シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで、 無色油状の目的物 1 7 (4. 2 g, 収率 53%)を得た。
1 7 1 8
第 3— 2工程で得られた化合物 1 7 (4. 2 g, 21 mmol) を前記第 2— 2工程と同 様に処理し、 無色油状の目的物 1 8 (4. 3 g, 収率 77%) を得た。
第 3 _ 4工程
アルゴン雰囲気下、 実施例 1で製造した化合物 7 (167 mg, 575 umol)、 化合物 1 8 (177 mg, 690 umol)、 及び炭酸水素ナトリウム (180 mg, 2. 1 mmol) の DM F (2 mL) 懸濁液を 6 0 °Cで 1時間、 9 0 °Cで 1 2時間撹拌した。 この反応液に水 を加え、 酢酸ェチルで抽出し、 有機層を飽和食塩水で洗浄した後、 硫酸ナトリウ ムで乾燥させた。 乾燥剤をろ過した後、 減圧濃縮し、 残さをシリカゲルカラムク
口マトグラフィー (酢酸ェチル / n—へキサン) により精製することで黄色油状の 目的物 1 9 (110 mg, 収率 41%) を得た。 '
第 3— 4工程で得られた 1 9 (105 mg, 224 umol) を第 2— 4工程と同様に処理 し、 黄色固体の目的物 2 0 (74 mg, 収率 87%) を得た。
第 3— 5工程で得られた 2 0 (45 mg, 119 umol) を第 2— 5工程と同様に処理 し、 黄色油状の目的物 2 1 (59 mg, quant. ) を得た。
2 1 2 2
第 3— 6工程で得られた化合物 2 1 (59 mg, 130 umol) を第 2 _ 6工程と同様に 処理し、 白色アモルファス状の目的物 2 2 (39 mg, 収率 84%) を得た。
〔実施例 4〕
2 3 2 4
ァノレゴン雰囲気下、 水素化リチウムアルミニウム (2. 0 g, 53 mmol) の T H F (50 mL) 懸濁液に、 氷冷下化合物 2 3 (5. 2 g, 27 mmol) を滴下した。 室温で 1時 間撹拌した後、 2時間還流させた。 氷冷下、 水 (2 mL)、 4規定水酸化ナトリウム 水溶液 (2 mL) , 水 (6 mL) を順次加え、 生じた沈殿物をろ過した。 ろ液を減圧濃 縮し、 残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸ェチル / n—へキサン) により精製することで無色油状の目的物 2 4 (3. 0 g, quant. ) を得た。
2 4 2 5
アルゴン雰囲気下、 化合物 2 4 (1· 1 g, 9. 7 mmol) , トリフヱニルホスフィン (7. 7 g, 27 mmol) のクロ口ホルム (32 mL) 溶液に、 氷冷下、 N—臭化コハク酸ィ ミド (3. 8 g, 21 mmol) を加え室温で終夜撹拌した後、 さらに N—臭化コハク酸ィ ミド (1. 0 g, 5. 6 mmol) を加え 8時間撹拌した。 この反応液を減圧濃縮後、 へキ サン、 ジェチルエーテルを加え、 沈殿物をろ過した。 ろ液を減圧濃縮し残さをシ リカゲルカラムクロマトグラフィー (n—へキサン) により精製することで無色 油状の目的物 2 5 (865 mg, 収率 39%) を得た。
第 4一 3工程
アルゴン雰囲気下、 実施例 1で製造した化合物 7 (86 mg, 373 umol) , 化合物 2 5 (117 mg, 404 umol) の DMF (9 mL) 溶液に炭酸力リウム (155 mg, 1. 1 讓 ol) を加え、 9 0 °Cで 1時間撹拌した。 この反応液に水を加え酢酸ェチルで抽出した。 有機層を飽和食塩水で洗浄した後、 硫酸ナトリウムで乾燥させた。 乾燥剤をろ過 したのち、 減圧濃縮し、 残さをプレパラ精製 (酢酸ェチル /n-へキサン = 1/1、 2 回展開) し、 抽出、 減圧濃縮し、 残さに n—へキサンを加え、 析出した固体をろ取 し、 n—へキサンで洗浄後、 減圧乾燥することにより白色固体の目的物 2 6 (45 mg, 収率 34%) を得た。
〔調製例 1〕 中間体の合成
Kotha, S. , Kuki, A.; Tetrahedron Lett. 33 (12), 1565 - 1568, 1992に記載の方 法と同様にして、 1一アミノシクロペンタンカルボン酸メチルエステル、 1ーァ ミノシクロへキサンカルボン酸メチルエステル、 1一アミノシクロへキサンカル
ボン酸ェチノレエステノレ、 1ーァミノシク口ペンタンカノレボン酸メチノレエステノレ 1一アミノシクロオクタンカルボン酸メチルエステル等を得ることができる。
a - 2 a - 3
塩化チォニル (3· 63πι1, 50. Ommol) をアルゴン気流下、 0。Cでメタノール (17m 1) に滴下し、 続いて市販若しくは調製例 1と同様にして得られる化合物 a- 2 (4. 3 0g, 30. Ommol) を分割して加えた後、 室温で終夜攪拌し、 さらに加熱還流下 4時間 攪拌した。 放冷後、 反応液を減圧濃縮し、 残渣にメタノールを加えて再度減圧濃 縮した。 析出した固体にメタノール (5ml) とジェチルエーテル (40ml) を加え攪 拌した後に、 固体をろ取した。 ろ取した固体をメタノールとジェチルエーテルの 1対 2 0の混合溶媒で洗浄後、 減圧乾燥することにより白色固体の目的物 a - 3 (4. 86g, 収率 84%) を得た。
〔調製例 3〕
調製例 1及び調製例 2と同様にして下記化合物 a-4〜a - 6を製造した。
a-4 a— 5 a— 6
〔調製例 4〕
下記化合物 a- 7〜a- 9を、 調製例 2の化合物 a- 3の合成工程と同様にして合成した。
a— 10 a— 11 アルゴン雰囲気下、 上記化合物 a-10(0.98 g, 4.3 mmol)と炭酸カリウム (2.2 g, 15.7 mmol) の DMF懸濁液に臭化べンジル (0.6 mL, 5.0 mmol) を加え、 1. 5時間撹拌した。 氷冷下、 この反応液に水を加え、 酢酸ェチルで抽出した。 有機 層を水、 飽和食塩水で洗浄後、 硫酸ナトリウムで乾燥した。 乾燥剤を除去した後、 減圧濃縮し、 無色油状の目的物 a- 11(1.2 g, 収率 84%) を得た。
a - 11 a - 12 次に、 前記工程にて得られた化合物 a- 11 (1.2 g, 3.7 mmol) にアルゴン雰囲気 下、 4規定塩酸一酢酸ェチル溶液 (19 mL) を加え 15分間撹拌した。 溶媒及ぴ過 剰の塩酸を減圧下除去し、 白色固体の目的物 a- 12(887 mg, 収率 95%) を得た。
〔調製例 6〕
a - 13
Synth. Commun. 1984, 14, 1221- 1228.に記載の方法と同様の操作で上記化合物 a- 13を合成した。
〔調製例 7〕
アルゴン雰囲気下 a - 14(270 mg, 1. 5 腿 ol)のメタノール (7. 5 mL) 溶液に、 氷 冷下水素化ホウ素ナトリウム (113 mg, 3. 0 mmol) を加え室温で終夜撹拌した。 減圧下除媒し、 残さを酢酸ェチルで希釈し、 飽和重曹水、 及び飽和食塩水で洗浄 し、 硫酸ナトリウムで乾燥した。 乾燥剤をろ過し、 減圧濃縮して無色油状の目的 物 a- 15 (178 mg, 収率 81%) を得た。
〔調製例 8〕
a-22 a-23 a- 24 a- 25
WO 9 5 / 5 0 3 6 3号に記載の方法にしたがって、 表記化合物 a-19〜a- 25を合 成した。
〔調製例 1 0〕
(a - 26) (a - 27)
J- Med. Chem. 1973, 16, 151- 156.に記載の方法に従って、 上記化合物
a - 26 a - 27を合成した。
〔調製例 1 1〕
a - 28 a— 29 a-30
Tetrahedron, 1993, 1807に記載の方法に従って、 上記化合物 a - 30を合成した
c 〔調製例 1 2〕
. HC I a— 31 a - 32 a - 33
a - 31 (5. 0g, 35mmol) 、 トリェチルァミン (4. 9ml, 35讓 ol) 、 トルエン (30m 1) の混合液にアジ化ジフエニルホスホリル (7. 6ml, 35匪 ol) を加え、 室温で 1 晚撹拌した。 反応液に t-ブタノール (6. 7ml, 70譲 ol) を加えた後 8 0 °Cで 9時間 撹拌した。 放冷後反応液に 1 0 %クェン酸水溶液を加え酢酸ェチルで抽出し、 有 機層を飽和食塩水で洗浄し、 硫酸ナトリウムで乾燥した。 ろ過後、 減圧濃縮して シリカゲルカラム精製 (酢酸ェチルーへキサン) することにより油状の化合物 a - 3 2 (4. 8g) を得た。 化合物 a- 32、 酢酸ェチル (8ml) の混合液に 4 N塩酸一酢酸ェ チル溶液 (8ml, 32讓 ol) を加え、 室温で 6日撹拌した。 反応液にジェチルエーテ ルを加え、 析出した固体をろ取し、 ジェチルエーテルで洗浄後減圧乾燥すること により、 白色固体の目的物 a- 33 (0. 78g, 2工程収率 15%) を得た。
〔実施例 5〕
第 5二 1工程
2 7 2 8
J. Heterocycl. Chem. 1997, 34, 969- 972.に記載の方法と同様の操作を行い黄 土色固体の目的物 2 8 (収率 61%)を合成した。
2 8 2 9
アルゴン雰囲気下、 化合物 2 8 (97 mg, 319 umol) とトリェチルァミン (40 uL: 287 umol) の混合物にォキシ塩化りん (1 mL) を加え 6 0 °Cで 3 0分撹拌した。 この反応液を水に注ぎ込み、 酢酸ェチルで抽出し、 有機層を飽和食塩水で洗浄し た後、 硫酸ナトリウムで乾燥した。 乾燥剤をろ過した後、 減圧濃縮して、 オレン ジ色油状の目的物 2 9 (77 mg, 収率 75%) を得た。
2 9 3 0 第 5— 2工程にて得られた化合物 2 9 (77 mg, 238 umol) と酢酸ナトリウム (2 4 mg, 290 umol)をアルゴン気流下、 酢酸 (1. 5 mL) に懸濁し、 室温で 1 0 %パラ ジゥム一活性炭素 (62 mg) を加え、 常圧水素雰囲気下、 接触水素還元を行った。 7時間攪拌した後、 触媒をセライトでろ別し、 エタノールで洗浄した。 ろ液を減 圧濃縮した後、 シリカゲル力ラムクロマトグラフィー (酢酸ェチル /n-へキサン) で精製し、 目的物 3 0 (33 mg, 収率 46%) を得た。
第 5— 4工程
第 5— 3工程にて得られた化合物 3 0 (33 mg, 113 umol) をメタノール (1 m L) に懸濁し、 2 N水酸ィ匕ナトリウム水溶液 (0. 57 mL, 1. 1 mmol) を加え 6 0 °C で 4時間加熱した。 放冷後、 反応液に塩酸を加え析出した固体をろ取し、 水で洗 浄後減圧乾燥することにより白色固体の目的物 3 1 (27 mg, 収率 91%) を得た。
第 5— 5工程
アルゴン雰囲気下化合物 3 1 (27 mg, 103 umol)と t-プチルァミン (20 uL, 19 0 umol) の DMF (1 mL) 溶液に WS C ·塩酸塩 (34 mg, 174 umol) N HO B t · 1水和物 (22 mg, 163 umol) を加え、 室温で終夜撹拌した。 この反応液に水 及び重曹水を加え、 析出した固体をろ取したのち減圧乾燥して、 白色固体の目的 物 3 2 (22 mg, 収率 68%) を得た。
〔実施例 6〕
上記 5— 1〜5— 5と同様の方法で、 下記化合物 3 3〜 3 5を合成した。
〔実施例 7〕
7 3 6 実施例 1で得られた化合物 7 (lOOmg, 0. 34讓 ol) をアルゴン気流下、 ジメチル ホルムアミド (DMF ; 5ml) に溶解し、 炭酸カリウム (105mg, 0. 76mmol) 及ぴ 1, 4—ジブロモブタン (45 μ 1, 0. 38mmol) を順次加え、 9 0 °Cで 5時間攪拌し た。 放冷後、 この反応液に水を加え酢酸 チルで抽出し、 有機層を飽和食塩水で 洗浄した後、 硫酸ナトリウムで乾燥した。 乾燥剤をろ過した後、 減圧濃縮し、 残 渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸ェチル /クロ口ホルム / n—へキ サン = 1 : 1 : 2 ) により精製した。 得られたフラクションを集め濃縮し、 n—へ キサンを加え析出した固体をろ取し、 n—へキサンで洗浄後、 減圧乾燥することに より淡黄色固体の目的物 3 6 (50mg, 収率 42°/。) を得た。
〔実施例 8〕
工程 8—一 1 ―
3 6 3 7
実施例 7で得られた化合物 3 6 (I77mg, 0. 51mmol) を濃塩酸(12N; 3. 6ml)に 溶解し、 加熱還流下 4時間攪拌した。 放冷後、 この反応液をゆつくりと水にあけ 2 時間攪拌した後、 析出した固体をろ取した。 ろ取した固体を水及ぴジイソプロピ ルエーテルで洗浄後、 減圧乾燥することにより白色固体の目的物 3 7 (125mg, 収
率 84%) を得た。
37 38 次に上記工程で得られた 37 (lOOmg, 0.35ramol) を、 ジメチルホルムアミド (DMF; 2ml) に溶解し、 調製例 2で得られた化合物 a - 3 (80mg, 0.41mmol) 、 1 —ヒドロキシベンゾトリアゾール (HOB t ; 56mg, 0.41膽 ol) および 1—ェチ ル一 3— ( 3—ジメチルァミノプロピル) カルボジィミ ド塩酸塩 (WSC - HC 1; 79mg, 0.41mmol) 、 トリェチルァミン (110μ1, 0.83讓 ol) を順次加えた後 室温で終夜攪拌した。 この反応液に水及び飽和重曹水溶液を加え攪拌した後、 析 出した固体をろ取した。 ろ取した固体を水で洗浄後、 減圧乾燥することにより、 目的物 38 (116mg, 収率 78%) を得た。
〔実施例 9〕
38 39 実施例 8で得られた化合物 38 (80mg, 0.19匪 ol) を、 テトラヒドロフラン (THF ; 0.4ml) に溶解し、 メタノール (0.4ml) 、 4 Ν·水酸化リチウム水溶液 (0.14ml, 0.56腿 ol) 、 水 (0.26ml) を加え、 60°Cで 1.5時間、 続いて 85°Cで 1.25
時間攪拌した。 放冷後、 この反応液に 2N塩酸 (0. 8ml) を加え中和した。 この溶 液を減圧濃縮し、 残渣にメタノール (1ml) を加えて溶解した後、 水 (1ml) を加 え攪拌した。 析出した固体をろ取し、 メタノールと水の 1対 1の混合溶媒で洗浄 後、 減圧乾燥することにより淡青白色固体の目的物 3 9 (72mg, 収率 93%) を得た。 〔実施例 1 0〕
第 1 0— 1工程
5 4 0 実施例 1で得られた化合物 5 (7. 8 g, 24 mmol) を DMF (108 mL) に懸濁し、 ヨウ化イソプロピル (9. 8 mL, 98 mmol)、 炭酸カリゥム (16. 6 g, 120 mmol) を 加え、 9 0 °Cで 5時間撹拌した後、 ヨウ化イソプロピル (4 mL, 40 mmol) を追カロ しさらに 4時間撹拌した。 この反応液を放冷後、 酢酸ェチルで希釈した。 有機層 を水及ぴ飽和食塩水で洗浄し、 硫酸ナトリウムで乾燥した。 乾燥剤をろ過した後 濃縮し、 析出した結晶をろ別した。 ろ液を減圧濃縮し、 残さをシリカゲルカラム クロマトグラフィー (酢酸ェチルん-へキサン) により精製することで茶色油状の 目的物 4 0 (8. 6g, 収率 87%) を得た。
第 1 0— 2工程
0 4 -
4 0 4 1 第 1 0— 1工程にて合成した化合物 4 0 (7. 3 g, 18 mmol) を第 2— 4工程と同 様に処理し、 茶色油状の目的物 4 1 (5. 6 g, 収率 98%) を得た
第 1 0— 3工程
4 2
アルゴン雰囲気下、 化合物 4 1 (3. 3 g, 10 mmol) と実施例 3で合成した化合物 1 8 (3. 2g, 12 mmol) の DMF (20 mL) 溶液に、 炭酸力リゥム (4. 3 g, 31 mmol) を加え 9 0 °Cで 1 . 5時間撹拌した。 放冷後、 この反応液に水を加え酢酸ェチル で抽出した。 有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、 硫酸ナトリウムで乾燥した。 乾燥剤をろ過し、 減圧濃縮後残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸 ェチル /n -へキサン) で精製することで黄色油状の目的物 4 2 (4. 8g, 収率 94%) を得た。
4 3
第 1 0— 3工程で合成した化合物 4 2 (4. 8 g, 9. 7 mmol) のトルエン (42 mL) 溶液に p-トルエンスルホン酸' 1水和物 (2. 1 g, 10. 8 mmol) を加え 1時間還流 した。 放冷後、 この反応液に水を加え、 酢酸ェチルで抽出し、 有機層を飽和食塩 水で洗浄した後、 硫酸ナトリウムで乾燥した。 乾燥剤を除去後、 減圧濃縮し、 残 さをピリジン (32 mL) とイソプロパノール (17 mL) に溶かした。 この溶液に、 DMA P (1. 2 g, 9. 7 mmol) と W S C '塩酸塩 (2. 0 g, 10. 2 mmol) を加え終夜 撹拌した。 この反応液を酢酸ェチルで希釈し、 水、 及ぴ飽和食塩水で洗浄した後、 硫酸ナトリウムで乾燥した。 乾燥剤を除去後、 減圧濃縮し、 残さをシリカゲル力 ラムクロマトグラフィー (酢酸ェチル /n-へキサン) で精製することで黄色油状の 目的物 4 3 (4. 0 g, 収率 92%) を得た。 - 第 1 0— 5工程
4 3 4 4 第 1 0— 4工程で得られた化合物 4 3 (4. 0 g, 8. 9 mmol) を第 2— 4工程と同
0 6 - 様に処理し、 黄色固体の目的物 4 4 (2. 6 g, 収率 80%) を得た,
第 1 0— 6工程
4 4 第 1 0— 5工程にて得られた化合物 4 4 (2. 6 g, 7. 0 mmol) を前記第 2— 5ェ 程、 続いて前記第 2— 6工程と同様に処理してオレンジ色油状の目的物 4 5 (2. 4 g, 収率 99%) を得た。
第 1 0— 7工程
4 5 4 6 第 1 0— 6工程にて得られた化合物 4 5 (2. 4 g, 7. 0 mmol) を第 5— 4工程と 同様に処理し、 黄色固体の目的物 4 6 (2. 0 g, 収率 93%) を得た。
第 1 0— 8工程
0 7 -
実施例 1の工程 1 _ 5と同様にして、 第 1 0— 7工程で得られた化合物 4 6に 調製例 2で得られた化合物 a- 3を反応させて、 目的化合物 4 7を得た。
〔実施例 1 1〕
実施例 9と同様にして、 実施例 1 0で得られた化合物 4 7から、 下記目的化合 物 4 8を合成した。
〔実施例 1 2〕
実施例 1 0と同様にして、 化合物 4 6に、 調製例 1 0で得られた化合物 a - 26を 反応させて、 下記目的化合物 4 9を得た。
〔実施例 1 3〕
実施例 1 0と同様にして、 化合物 4 6に、 下記化合物
0 8
を反応させて、 下記目的化合物 5 1を得た。
〔実施例 1 4〕
実施例 5の工程 5 _ 1〜 5— 4と同様の方法を適用してカルボン酸メチルエス テルを製造し、 さらに、 調製例 2で得られた化合物 a- 3を用いて実施例 1の工程 1 一 5と同様にして下記化合物 5 2を製造した。
〔実施例 1 5〕
実施例 9と同様にして、 実施例 1 4で得られた化合物 5 2から、 下記目的化合 物 5 3を合成した。
〔実施例 1 6〕
実施例 5の工程 5— 1〜 4と同様の方法を適用してカルボン酸メチルエステル を製造した。 さらに、 調製例 1 0で得られた化合物を用いて実施例 8の工程 8— 2と同様にして下記化合物 5 4を、 実施例 1 3と同様の方法で化合物 5 5をそれ ぞれ合成した。
化合物 5 6 (2. 0g, 6. 6nimol) の t一 BuOH (40ml) 、 ジォキサン (40ml) 混合溶 液に、 ジフヱニルリン酸アジド (142ml, 6. 6mmol) 、 トリェチルァミン (1. 0ml, 7. 3mmol) を添加し、 外温 1 1 0 °Cで 5時間攪拌した。 反応終了後、 室温まで冷却 し、 t—BuOHを減圧留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (展 開溶媒; へキサン:酢酸ェチル = 5 : 1 ) で精製し、 目的物 5 7 (0. 90g, 収率
36. 5%) を単黄色ァモルファス晶として得た。
57 58 化合物 5 7 (890mg, 2. 38mmol) を酢酸ェチル (2ml) に溶解させ、 室温で 4 NHC 1 /酢酸ェチル溶液 (3ml, 12. Ommol) を添加した。 30分攪拌させた後、 析出して くる固体を濾取し、 目的物 5 8 (0. 60g, 収率 80. 8%) を白色結晶として得た。 〔実施例 1 8〕
実施例 1 7で得られた化合物 5 8 (93. 6mg, 0. 30腕 ol) をピリジン (1ml) に溶 解させ、 氷冷下、 ピパロイルクロリ ド (44. 6ul, 0. 36mmol) を滴下し、 更に、 室 温で 1時間攪拌した。 反応終了後、 溶媒を減圧留去して、 メタノール、 希塩酸を 順次注入し、 得られた結晶をろ過し、 メタノール一水で洗浄して、 目的物 5 9 (1 04. 3mg, 収率 96. 4%) を白色結晶として得た。
〔実施例 1 9〕
第 1 9一 1工程
実施例 1で得られた化合物 4 (1. 34g, 3. 81mmol) をアルゴン気流下、 テトラヒ ドロフラン (T H F ; 30ml) およびエタノール (20ml) に懸濁し、 室温で 1 0 % パラジウム一活性炭素 (0. 13g) を加えた後、 常圧水素雰囲気下、 接触水素還元を 行った。 1 . 7時間攪拌した後、 触媒をセライトでろ別し、 T H Fおよぴメタノ ールで洗浄した。 ろ液を減圧濃縮し析出した固体にエタノールと水を加え溶解さ せた後、 再び減圧濃縮し、 その途中で析出した固体をろ取した。 ろ取した固体を エタノールと水の 1対 1の混合溶媒で洗浄後、 減圧乾燥することにより淡黄土色 固体の目的物 6 0 (996mg, 収率 99°/。) を得た。
第 1 9一 1工程で得られた化合物 6 0 (2. 20g, 8. 35mmol) をアルゴン気流下、 DMF (220ml) に溶解し、 炭酸カリウム (3. 46g, 25. Ommol) 及ぴビス (2—ブ ロモェチル) エーテル (1. 21ml, 9. 62mmol) を順次加え、 9 0。Cで 2 . 5時間攪 拌した。 放冷後、 この反応液に水とエタノールを加え攪拌した後、 減圧濃縮した。 残渣を酢酸ェチルに溶解し、 2 N塩酸およぴ飽和食塩水で洗浄した後、 硫酸ナト リウムで乾燥した。 乾燥剤をろ過した後、 減圧濃縮し、 残渣をシリカゲルカラム クロマトグラフィー (酢酸ェチル /クロ口ホルム = 1 : 1 ) により精製した。 得ら
れたフラタションを集め濃縮した後、 ジェチルエーテルを加え析出した固体をろ 取し、 ジェチルエーテルで洗浄後、 減圧乾燥することにより白色固体の目的物 6 1 (1. 76g, 収率 63%) を得た。
第 1 9一 3工程
第 1 9一 2工程で得られた化合物 6 1 (1. 76g, 5. 28 mmol) をテトラヒドロフ ラン (T H F ; 22ml) 及びメタノール (22ml) に溶解し、 2N 水酸化ナトリウム 水溶液 (5. 30ml, 10. 6mmol) を加え、 室温で 0 . 7時間攪拌した。 この反応液に 2 N塩酸を加え中和した後、 水を加え攪拌した。 析出した固体をろ取し、 メタノ ールと水の 1対 2の混合溶媒で洗浄後、 減圧乾燥することにより白色固体の目的 物 6 2 (1. 57g, 収率 97%) を得た。
〔実施例, 2 0〕
化合物 7 8 (1. 5g, 13. 9mmol) のエタノール (15ml) 懸濁液に、 炭酸水素カリ ゥム (4. 16g, 41. 6mmol) 及びブロモ酢酸メチル (1. 44ml, 15. 3mmol) を室温で加 えた後、 加熱還流下 8時間攪拌した。 放冷後、 この反応液に食塩水を加え酢酸ェチ ルで抽出し、 有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。 乾燥剤をろ過し、 減圧濃縮す ることで析出した固体に、 t—プチルメチルエーテルを加え攪拌した後に固体を
ろ取し、 1; 一プチルメチルエーテルで洗浄後、 減圧乾燥することにより白色固体 の目的物 7 9 (972mg, 収率 47%) を得た。
第 2 0 _ 1工程で得られた化合物 7 9 (485mg, 3. 27贿 ol) をェタノール (7. 5 ml) に懸濁し、 炭酸ナトリウム (1. 04g, 9. 81mmol) 及ぴ塩化べンジル (565 1, 4. 91mmol) を室温で順次加えた後、 加熱還流下終夜攪拌した。 放冷後、 この反応 液に水を加え酢酸ェチルで抽出し、 有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。 乾燥剤 をろ過し、 減圧濃縮することで析出した固体に、 t _ブチルメチルエーテルを加 え攪拌した後に固体をろ取し、 t一ブチルメチルエーテルで洗浄後、 減圧乾燥す ることにより淡桃色固体の目的物 8 0 (598mg, 収率 76%) を得た。
第 2 0 _ 3工程
第 2 0— 2工程で得られた化合物 8 0 (598mg, 2. 47讓 ol) をアルゴン気流下、 水素化アルミユウムリチウム (141mg, 3. 70mmol) のテトラヒドロフラン (T H F ; 6ml) 懸濁液に 0°Cで少量ずつ分割して加えた後、 加熱還流下 2. 5時間攪拌した 放冷後、 この反応液に 0°Cで酢酸ェチル (1ml) を加え、 続いて水 (0. 37ml) 及び 4 N水酸化ナトリウム水溶液 (0. 37ml) を順次加えた後、 室温で 10分攪拌した。 さら に水 (1. 11ml) を加え 15分攪拌した後に、 析出した固体をセライトでろ別し、 酢 酸ェチルで洗浄した。 ろ液を減圧濃縮し、 残さをシリカゲルカラムクロマトダラ フィ— (酢酸ェチル /クロ口ホルム = 1 : 9 ) により精製した。 得られたブラクシ ヨンを集め濃縮し、 減圧乾燥することにより茶色い油状の目的物 8 1 (508mg, 収
1 4 - 率 92%) を得た。
81 82 第 2 0— 3工程で得られた化合物 8 1 (508mg, 2. 26mmol) に室温でトリェチル メタントリカルボキシレート (960 1, 4. 53mmol) を加え、 220°Cで 45分間攪拌し た。 放冷後、 反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸ェチル / n —へ キサン = 1 : 1 ) により精製した。 得られたフラクションを集め濃縮し、 析出し た固体を t—ブチルメチルエーテル及び n —へキサンで洗浄後、 減圧乾燥するこ とにより黄色固体の目的物 8 2 (678mg, 収率 82%) を得た。
82 83
第 2 0— 4工程で得られた化合物 8 2 (678mg, 1. 86腿 ol) にアルゴン気流下、 室温でトリェチルァミン (280 μ 1, 2. Olmmol) 及ぴォキシ塩化リン (2· 22ml, 23. 8mmol) を順次加え、 60°Cで 3· 5時間攪拌した。 放冷後、 この反応液を氷にあけ攪 拌した。 1N水酸化ナトリウム水溶液を加え中和した後に酢酸ェチルで抽出し、 有 機層を飽和食塩水で洗浄し、 硫酸ナトリウムで乾燥した。 乾燥剤をろ過後、 減圧 濃縮し、 残さを反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸ェチル / n— へキサン = 1 : 2 ) により精製した。 得られたフラクションを集め濃縮し、 減圧 乾燥することにより黄色固体の目的物 8 3 (678mg, 収率 95%) を得た。
第 2 0— 6工程
第 2 0— 5工程で得られた化合物 8 3 (190mg, 0. 50nimol) をアルゴン気流下、 酢酸 (3ml) に溶解し、 室温で酢酸ナトリウム (49mg, 0. 60mmol) 及ぴ 10%パラ ジゥム一活性炭素 (95mg) を加えた後、 常圧水素雰囲気下、 接触水素還元を行つ た。 5時間攪拌した後、 触媒をセライトでろ別し、 酢酸ェチルで洗浄した。 ろ液を 減圧濃縮し、 残渣を酢酸ェチルに溶解し、 飽和重曹水溶液及び飽和食塩水で洗浄 した後、 硫酸ナトリウムで乾燥した。 乾燥剤をろ過後、 減圧濃縮し、 残渣をシリ 力ゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸ェチルのみ) により精製した。 得られた フラクションを集め濃縮し、 減圧乾燥することにより黄色固体の目的物 8 4 (62m g, 収率 48%) を得た。
第 2 0— 6工程で得られた化合物 8 4 (62mg, 0. 24mmol) をアルゴン気流下、 クロ口ホルム (4ml) に溶解し、 室温でトリェチルァミン (50 μ ΐ, 0. 36讓 ol) 及 ぴ塩化プチリル (30 μ ΐ, 0. 29mraol) を順次加え、 2時間攪拌した。 この反応液に 飽和重曹水溶液を加え酢酸ェチルで抽出し、 有機層を飽和食塩水で洗浄した後、 硫酸ナトリウムで乾燥した。 乾燥剤をろ過し、 減圧濃縮後 t一プチルメチルエー テルを加えて析出した固体をろ取し、 t一ブチルメチルエーテルで洗浄後、 減圧 乾燥することにより黄色固体の目的物 8 5 (56mg, 収率 72%) を得た。
第 2 0 _ 7工程で得られた化合物 8 5 (56mg, 0. 17mmol) をメタノール (2ml
) に溶解し、 室温で 2N水酸化ナトリウム水溶液 (0. 13ml, 0. 26mmol) を加え終夜 攪拌した。 放冷後、 この反応液に 1N塩酸を加え中和し、 続いて水を加え攪拌した。 析出した固体をろ取し、 メタノールと水の 1対 1混合液で洗浄後、 減圧乾燥する ことにより淡黄色固体の目的物 8 6 (33mg, 収率 65%) を得た。
第 2 0— 9工程
第 2 0— 8工程で得られた化合物 8 6 (33mg, 0. 11腿 ol) をジメチルホルムァ ミド (DMF ; lml) に溶解し、 室温で tーブチルァミン (17 μ ΐ, 0. 16膽 ol) 、 1 —ヒドロキシベンゾトリアゾール (H O B t ; 22mg, 0. 16雇 ol) 及び 1一ェチル - 3 - ( 3—ジメチルァミノプロピル) カルポジィミ ド塩酸塩 (W S C · H C 1 ; 32mg, 0. 16讓 ol) を順次加え 7時間攪拌した。 この反応液に水を加え酢酸ェチル で抽出し、 有機層を飽和食塩水で洗浄した後、 硫酸ナトリウムで乾燥した。 乾燥 剤をろ過し、 減圧濃縮後メタノール及び水を加え攪拌することで析出した固体を ろ取した。 ろ取した固体を水で洗浄後、 減圧乾燥することにより淡黄土色固体の 目的物 8 7 (21mg, 収率54%) を得た。
〔実施例 2 1 〕
第 2 1— 1工程
実施例 20の第 20— 6工程で得られた化合物 84 (13mg, 0.050mmol) をアル ゴン気流下、 DMF (lml ) に溶解し、 室温で炭酸カリウム (14m
g, 0. OlOmmol) 及ぴョードメタン (5 1, 0.075腹 ol) を加えた後、 40°Cで 1.5時間攪拌した。 放 冷後、 この反応液に水を加え酢酸ェチルで抽出し、 有機層を飽和食塩水で洗浄し た後、 硫酸ナトリウムで乾燥した。 乾燥剤をろ過後、 減圧濃縮し、 減圧乾燥する ことにより黄色固体の目的物 88 (I2mg, 収率 85%) を得た。
第 21— 1工程で得られた化合物 88 (llmg, 0.040讓 ol) をメタノール (lml ) に溶解し、 室温で 2N水酸化ナトリウム水溶液 (80μ1, 0.160腿 ol) を加え 1時 間攪拌した後、 加熱還流下 0.5時間攪拌した。 放冷後、 この反応液に 2N塩酸を加え 中和し、 続いて水を加え攪拌した。 析出した固体をろ取し、 メタノールと水の 1 対 1混合液で洗浄後、 減圧乾燥することにより黄色固体の目的物 89 (6.7mg, 収 率 69%) を得た。
第 21— 3工程
第 21— 2工程で得られた化合物 89 (6.7mg, 0.027mmol) を DMF (2. lml) に溶解し、 室温で t一プチルァミン (15 1, 0.121譲 ol) 、 HOB t (I8mg, 0.1 21mmol) 及ぴ WSC ' HC l (24mg, 0.121mmol) を順次加え 4時間攪拌した後、 4
18 -
5°Cで 2時間攪拌した。 放冷後、 この反応液に水及び飽和重曹水溶液を加え攪拌し た後、 析出した固体をろ取した。 ろ取した固体を水で洗浄後、 減圧乾燥すること により黄色固体の目的物 90 (2.5mg, 収率 31%) を得た。
〔参考例 1〕
第 B 1 _ 1工程 .
63 64
水素化アルミニウムリチウム (LAH ; 0.40g, 10.5mmol) のテトラヒドロフラ ン (THF ; 10ml) の懸濁液に、 アルゴン気流下、 0でで化合物63 (1.0ml, 5. 24mmol) を滴下した後、 室温で 1時間攪拌し、 さらに加熱還流下 3時間攪拌した 放冷後、 酢酸ェチルを滴下し 5分間攪拌した後、 水 (1.1ml) 及び 4N 水酸化ナ トリウム水溶液 (1- 1ml) を順次カ卩え、 10分間攪拌した。 さらに水 (3.2ml) を 加え、 10分間攪拌した後、 析出した固体をセライトでろ別し、 酢酸ェチルで洗 浄した。 ろ液を減圧濃縮し、 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸 ェチル /クロ口ホルム =1 : 1) により精製した。 得られたフラクションを集め濃 縮し、 減圧乾燥することにより透明な液体の目的物 64 (0.40g, 収率 66%) を得 た。
第 B 1— 2工程
第 2 0— 1工程で得られた化合物 6 4 (0. 40g, 3. 44mmol) をアルゴン気流下、 クロ口ホルム (8ml) に溶解し、 トリフエニルホスフィン (1. 99g, 7. 57譲 ol) を 加え、 続いて N—ブロモスクシンイミド (N B S ; 1. 35g, 7. 57mmol) を 0 °Cで加 えた後、 室温で 6時間携拌した。 この反応液に飽和重曹水溶液を加え n —へキサ ンで抽出し、 有機層を飽和食塩水で洗浄した後、 硫酸ナトリウムで乾燥した。 乾 燥剤をろ過した後、 減圧濃縮し、 析出した固体をセライトでろ別し、 n —へキサ ンで洗浄した。 ろ液を減圧濃縮し、 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
( n —へキサンのみ) により精製した。 得られたフラクションを集め濃縮し、 減 圧乾燥することにより透明な液体の目的物 6 5 (405mg, 収率 49%) を得た。
〔参考例 2〕
第 B 2—1工程
参考例 1の第 B 1 - 1工程と同様に表記ジオールを合成した
c
第 B 2— 2工程
参考例 1の第 B 一 2工程と同様に、 ジブロマイドを合成し、 化合物 7 0を合 成した。
〔参考例 3〕
第 B 3— 1工程
W
71 72 化合物 71 (l.Og, 6.24mmol) をアルゴン気流下、 THF (10ml) に溶解し、 0°Cでポラン一 THF錯体(1.15M THF溶液; 10.9ml, 12.5讓 ol)を加えた後、 室温で 3時間攪拌した。 2N塩酸 (15ml) を滴下した後、 酢酸ェチルで抽出し、 有 機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。 乾燥剤をろ過した後、 減圧濃縮し、 残渣をシ リカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸ェチルのみ) により精製した。 得られ たフラクションを集め濃縮し、 減圧乾燥することにより透明な液体の目的物 72
(367mg, 収率 44%) を得た。
第 B 3— 2工程
参考例 1の第 B 1— 2工程と同様にジプロマイドを合成し、 化合物 74を合成 した。
上記ジブ口マイドを原料にさらに下記化合物 75-77を合成した。
^
ί/ιζ/-001/00ζ1:£i oi OiAV.
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13〇
32 -
[1] B i n d i n g a s s a y 、 i n v i t r o)
下記の方法と同様にして、 得られた表 1〜18記載の発明化合物の K i値を求 めた。 結果として、 1 μΜ以下の値を示す化合物が得られた。
標本として CHO細胞に発現させたヒト中枢細胞型カンナビノィドレセプター (huma n CB 1- CHO、 以下 hCB l) 及びヒ ト末梢細胞型カンナビノィ ドレセプター (huma n CB 2- CHO、 以下 hCB 2) の膜分画を用いた。 丸底 96穴プレートに標本 (hCB l : 120/ g/mL、 hCB 2 :l5/ig/mL) 、 標識 リガンド ( [3H] CP55940、 InM) 及ぴ非標識 CP55940又は披検物質を加え、 3 0°Cで 90分インキュベーションした。 Assay bufferは、 50 mM Tris - HC1, 1 mM EDTA-4Na, 3 mM MgCl2, 0.2 % Alubumin Bovine, 0.2 % ethanol, H 7.4を用い た。 インキュベーション終了後、 フィルター (Packard, Unifilter 96GF/ B) でろ過し、 乾燥させた後 scintilation solution (Packard, Microsint-20) を加え、 サンプルの放射能を測定した (Packard, Top count A9912V) 。 非特異 的結合は過剰量の CPS5940 ( 10 M) を加えることにより得、 標識リガンドのみ を加えて得た全結合から非特異的結合を差し引くことにより、 特異的結合を算出 した。 被検物質は DM SOに溶解し、 DMSOの最終濃度が 0. 1%になるよう にした。 結合した被検物質の、 特異的結合に占める割合から I C 50値を求め、 これと [3H] CP55940の Kd値から被検物質の K i値を算出した。 また、 被検物 質の末梢細胞型レセプターへの選択性を示す指標として、 中枢細胞型レセプター に対する κ i値 末梢細胞型レセプターに対する κ i値 (czs) を求めた。 結果を、 表 20に示す。
表 20
Ki 値(πΜ)
化合物番号 末梢細胞型 中枢細胞型
C/S レセプター (S) レセプター (G)
1 0.54 > 3333 > 6172
2 0.52 > 3333 > 6410
3 0.15 255 1701
4 0.15 > 3333 > 22220
5 0.3 1378 4593
6 0.3 820 2733
7 0.32 1482 4631
8 0.36 457 1268
9 0.71 35 49
10 0.86 > 3333 > 3876
11 1 1040 1040
12 1 94 94
13 1.2 > 3333 > 2778
14 1.2 228 190
15 1.7 > 3333 > 1961
16 6.6 > 2941 446
17 18.1 > 2941 > 162
18 8.3 > 3333 > 402
19 21.8 > 2941 > 135
20 12.7 > 2941 > 232
21 12.8 > 2941 230
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152 96.4 > 2941 > 31
153 75.3 > 2941 > 39
155 21.7 > 2941 > 136
156 7.5 > 2941 > 392
158 94.2 > 2941 > 31
159 1.3 2582 1986
160 5.8 > 2941 507
163 95.5 > 2941 > 31
164 88 > 2941 > 33
166 4 > 2941 > 735
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169 1.5 51 34
170 20.1 > 2941 > 146
171 3.4 2710 797
172 0.48 973 2027
173 3.9 > 2941 > 754
174 0.65 930 1431
175 4.6 856 186
177 1.2 909 758
178 1.1 762 693 産業上の利用の可能性
本発明のトリサイタリック縮合環化合物及びその製薬上許容される塩は、 カン
ナビノイドレセプター、 特に末梢型レセプターに選択的に作用し、 中枢系の副作 用が少なく、 かつ優れた免疫調節作用、 抗炎症作用及ぴ抗アレルギー作用を有す る。 よって、 カンナピノイド、レセプター (特に末梢型カンナビノィドレセプタ 一) 調節剤、 アレルギー疾患治療剤、 免疫調整剤、 自己免疫疾患治療剤又は抗炎 症剤として有用である。 更にインバースァゴニストとして作用する調節物質は、 既存のァレルギ一疾患治療剤では効果の低い、 慢性 ·難治性のァレルギ一疾患に 有効であり、 かつ安全な薬剤となり得る。