明 細 書 リソース再配置方法、 基地局及び無線網制御装置 技術分野
本発明は、無線通信を行う端末を収容する無線ネットワーク装置において、 装置内の資源を各端末に適切に割り当てるリソース管理方式に関する。 背景技術
近年携帯電話の普及は目覚ましく、 200 1年に曰本で最初に W— CDM A (W i d e b a n d C o d e D i v i s i o n Mu l t i p l e Ac c e s s , 広帯域符号分割多重アクセス) 規格の携帯電話サービスが始 まっている。 通信技術に関しても、 ディジタル携帯電話では音声と低速のパ ケット通信のみだったが、 W— CDMAの導入により、 2002年現在で 3 84 k b p sのサービスが開始されるなど、 広帯域伝送が可能になってきて いる。
W— CDMAのネットワークは交換機、 RNC (R a d i o N e t w o r k C o n t r o l l e r , 無線ネットワーク制御装置)、基地局 (B T S, B a s e T r a n s c e i v e r S t a t i o n)など力 らなる。 このうち、 基地局が携帯電話端末と無線通信を行い、 信号をネットワーク用 に変換する。
W— CDMAでは広帯域伝送を生かした様々なアプリケーションが提供さ れるため、 基地局の力パーエリア内で発生するトラヒックの種類も、 テレビ 会議、高速バケツト伝送などによる高速伝送の呼が増えている。これに伴い、 リソース管理方式の改善により基地局の収容能力を有効に用いることが求め られている。 なお、 本発明におけるリソースとは、 基本的に基地局内部のベ 一スパンド処理に要する処理能力を表し、 各チャネルの電波の強度等を表す
無線リソースとは別の概念である。
まず、 図 1にリソース再配置方式に関する従来技術の構成例を示す。
図 1において、 1 1は端末である。 以降の記述では、 端末として W— CD MA方式または MC— CDMA (Mu l t i一 C a r r i e r CDMA) の第三世代携帯電話を想定する力 G SM(G 1 o b a 1 S y s t em f o r Mo b i l e c ommu n i c a t i o n s), PHS (P e r s o n a 1 Ha n d y— p h o n e S y s t e m) , PDC (P e r s o n a 1 D i g i t a l C e 1 1 u 1 a r ) 等の携帯電話またはコードレス電 話においても適用可能である。
1 2は端末 1 1を収容し、 端末 1 1との無線信号の送受信を行い有線用の 信号に変換する基地局である。 1 3は交換機能を持つネットワークである。 ネットワーク 1 3は専用線、 ATM (A s y n c h r o n o u s T r a n s f e r Mo d e) を介して基地局 1 2と接続している。
14〜 1 9は基地局の内部構造を示す。
14は端末 1 1との無線信号の送受信を行う無線通信手段である。 無線通 信手段 14はアンテナによる無線信号の送受信、 端末 1 1の送信電力制御、 周波数の変調処理等を行う。 無線通信手段 14はアンテナ、 増幅器、 送信用 の電源、 制御プログラムを備える。
1 5はネットワーク 1 3の要求に応じて、 端末 1 1に対する通信路の接 続 ·切断制御を行う接続制御手段である。 接続制御手段 1 5は基地局 1 2の 制御カード内のプログラムとして実装される。
1 6は端末 1 1からの無線信号のベースバンド符号変調処理、 有線信号へ の変換等の信号処理を行う信号処理手段 1 6である。 基地局 1 2で同時に多 数の端末 1 1を収容するため、 信号処理手段 1 6は同形式のカードを多数準 備しており、 これらを第 1信号処理カード 1 6 a〜第 n信号処理カード 1 6 cと呼ぶ。
1 7は信号処理手段 1 6において、 発生した呼の信号処理カードへの割り
当てや解放を行う無線リソース制御手段である。
1 8はネットワーク 1 3との信号の送受信を行う有線通信手段である。 1 9は、 呼種別毎の優先度を、 呼種別毎の着信確率や通信品質から決定す る呼種別優先度決定手段である。
基地局 1 2は端末 1 1の呼を収容する。 その際に呼の信号処理を行う第 1
〜第 n信号処理カード 1 6 a〜 16 cの処理能力を収容リソース数、 呼が発 生した際に、 呼を信号処理カードに割り当てる処理をリソース割り当て処理 という。
信号処理カードの性能はハードウェアに依存し、 様々な値を取るが、 ここ では各信号処理カードに 768 k b p s分の信号処理能力があると仮定する。 また、 1リソースを 24 k b p sの信号処理能力と定義する。 よって、 各信 号処理カードは 3 2個の収容リソース数を持つことになる。 また、 基地局 1 2が以下の種類の呼をサポートすると仮定する。
(a) 音声呼 リソース 1個
(b) 非制限ディジタル呼 (64 k b p s) リソース 3個
(c) パケット A呼 (1 28 k b p s) リソース 6個
(d) ノヽ0ケット B呼 (384 k b p s) リソース 1 6個
(e) 共通チャネル リソース 8個
(e) の共通チャネルは端末すベてを制御するためのチャネルで、 BCH (B r o a d c a s t C h a n n e l ), FACH (F o r w a r d Ac c e s s Ch a n n e l ), PCH a g i n g C h a n n e l ), R ACH (R a n d om Ac c e s s C h a n n e l ) などからなる。 共 通チャネルの所要リソース数は、 基地局のカバーエリアの大きさや収容チヤ ネル数によって増減するが、 ここでは 8個と仮定する。
W— CDMAでは、 音声呼、 パケット呼、 非制限ディジタル呼などの多数 の種類の呼のサービスが可能である。 伝送速度や信号処理カードが呼を処理 するために必要なリソース数は呼の種類により異なる。
リソース割り当て処理においては、 このような所要リソース数の異なる多 くの種類の呼が発生 .消滅を繰り返す環境下において、 基地局の限られたリ ソースを有効に活用しできるだけ呼損を発生させないことと、 負荷を複数の 信号処理カードに分散させ、 各々の信号処理カードにかかる負荷を低減する こととの 2つが求められる。
リソース割り当て処理は、 以下の 2つの前提条件下で基地局に流入するト ラヒック量が大きい場合に小さい空きリソースが複数の信号処理カードに分 散し(空きリソースの断片化またはフラグメントと呼ぶ)、効率が悪くなる欠 点がある。
(A 1 ) W— C DMAのように呼の種類が多く、 呼の種類により所要リソ ース数が異なる通信方式を用いる。
(A 2 ) 1つの呼は 1個の信号処理カードに割り当てなければならないと する制約がある。
特に (A 2 ) のように、 必ず 1つの呼を 1枚の信号処理カードに割り当て なければならないという制約があると、 基地局内のカード全ての空きリソー ス数の合計は新規に発生した呼の所要リソース数より多いにもかかわらず、 各カードごとの空きリソース数が所要リソース数より小さいために、 呼の割 当ができない場合がある。
例えば基地局内の信号処理カードのうち、 2枚の信号処理カードの空きリ ソース数が 4で、 他の信号処理カードの空きリソース数が 0の場合、 各カー ドごとの空きリソース数はバケツト A呼の所要リソース数 6より小さい。 よ つて、 基地局全体では空きリソース数が 4 X 2 = 8であるにもかかわらず、 この場合はバケツト A呼を割り当てることはできない。
よって、 リ ソースの使用効率向上のためには制約条件 (A 2 ) に対する対 策が必要である。 対策としては以下の 2つが考えられる。
( C 1 ) 信号処理カード自体に複数の信号処理カード間の同期■連携機能 を追カ卩し、 制約 (A 2 ) をなくす。
(C 2) —部の呼の割り当て先の信号処理カードを変更して、 複数の小規 模空きリソースを i力所にまとめる。 (以下、 リソースの再配置と呼ぶ) まず (C 1) について述べる。 1つの呼の信号処理を複数の信号処理カー ド (LS I、 カード) で同時に行う設計をすると、 複数の信号処理カード間 の同期 ·連携機能等の実装を行う必要があるためコスト高になる。 特に本発 明の説明における信号処理力ードに当たるベースパンド処理デバイスまたは 力一ドは基地局内に多数存在し、 そのコスト上昇が基地局全体のコストへ与 える影響が大きいので、 (A 2)の制約を信号処理カードの機能向上で回避す る以外の方法が望ましい。
(C 2)の方法は特表 2002- 50 506 5号公報の 1 2ページ以降(以 下、特許文献 1と言う) に開示されている。特許文献 1は、主に FDMA (F r e q u e n c y DMA) /TDMA (T i me DMA) 方式に対する 割当方式を示しており、 サービスが複数の周波数やタイムスロットにまたが つた場合のアルゴリズムを示している。
特許文献 1では、 複数の呼の種別間の包含関係を考慮した総着信確率を用 いて呼種別毎に優先度を決定し、 割当対象のカードに十分な空きリソースが ない場合は、 新規呼よりも優先度の低い呼を切断して空きリソース数を増加 させ、 より優先度の高い呼の収容を行う。 特に特許文献 1では、 所要リソー ス数が大きい呼種は、 より所要リ ソース数が小さい呼種を含むと考え、 呼種 別毎に、その呼種別が包含する呼種別の確率を合計して総着信確率を計算し、 総着信確率が大きいほど呼の種別の優先度を高くする。 よって、 所要リソー ス数が少ない呼種は、 包含する呼種別の数が少なく、 総着信確率が低くなる ため、 優先度も低くなり、 所要リソース数の多い呼種は優先度が高くなる。 以下に、 総着信確率を用いて計算した優先度を元に割当を行うアルゴリズ ムを、 W— CDMAに適用したものを示す。
(P 1) 呼が発生する。
(P 2) 呼の種別 (発信 ·着信、 着信確率等) により呼種別優先度決定手
段 8 0 9が呼種別の優先度を決める。
( P 3 ) 発生した呼をいずれかの信号処理カード 8 0 6に割り当てる。 ( P 4 ) 割り当て終了後、 これまで発生した呼のうち最大のリソース数の 空きのエリアを検索し、 空きがない場合は、 優先度の低い呼を切断して空き を作る。
これにより、 優先度の高い呼、 また後に発生した呼を収容できるようにな る。
しかし、 特許文献 1は、 断片化が発生し再配置処理において再配置先が見 つからなかった場合に優先度の低い呼を切断するため、 端末と基地局間の電 波状態が良好な場合にも基地局側においてリソースの断片化が発生すると低 い優先度の呼の切断が発生するため利便性に欠ける問題があった。 特に、 w
— C DMAにおいては多様な通信形態が考えられるため、 長期間リソースを 占有する呼もより多ぐ発生し、呼の種別も G S Mや P D Cに比べて多いため、 断片化も発生しやすい。
また、 再配置処理では呼を切断せずに信号処理カード間を移動させるため に、 移動前と移動後のリソースを同時に確保する。 そのため、 信号処理の同 期を取る間、 呼は通常の場合に比べ倍のリソースを消費することになる。 ま た、 再配置処理では、 移動元の呼■移動先の信号処理カードを探索する処理 により動作負荷が通常の処理に比べ増える。
特許文献 1では、 呼の優先度付けを各々の種別の着信確率の合計に基づい て行っているが、 これにより、 比較的所要リソース数が大きい呼の優先度の 方が高くなる結果、 再配置処理の閾値もそのリソース数を元に決められる。 し力、し、 所要リソース数の少ない音声呼が全トラヒックに占める比率が高い 状況下では、 再配置処理を行わない場合も空きリソースの断片化による呼損 が発生しにくくなる。 このような場合においても、 特許文献 1のァルゴリズ ムでは閾値が音声呼よりも大きい値に設定されるため不要な再配置処理を行 う可能性がある。
一方、 呼の発生の仕方によっては、 トラヒック量が少ない場合でも一部の 信号処理カードに負荷が集中する可能性がある。
空きリソースのフラグメントを発生させないことでリソース使用効率を上 げるためには、 トラヒック量が低い場合でも、 できるだけ 1枚のカードに呼 を集中させる方がよい。 し力 し、 この方法を用いて割り当てを行うと、 低ト ラヒック時においても一部の信号処理カードには呼が集中し、 その信号処理 カードの処理能力がほぼ完全に使われ続けるため、 その分信号処理カードの 設計上の性能に余裕を持たせなければならない。 よって、 信号処理カード 1 枚あたりの処理量を平準化させることで、 信号処理カードの処理能力に余裕 を持たせて、 寿命の長期化を図りメンテナンスコストの低廉化及び設計上の マージンを低減させることによるカードのコストダウンにつなげることが可 能になる。
これに対して、 負荷を分散させるためのリソース割り当て処理に関する従 来の発明には、 特開 2 0 0 1— 1 1 9 7 5 2号公報 (以下、 特許文献 2と言 う) がある。 特許文献 2は 4ページ以降で複数のベースバンド信号処理用の システム L S Iを備える無線通信装置における負荷分散方式を示しているが、 ここでは信号処理カード間で負荷分散を行う方式に応用した場合を示す。 特 許文献 2では、 複数の信号処理カードに負荷を分散させることにより、 個々 の信号処理カードに対する平均的な処理量は小さくなり、 信号処理カードの 実装に要するコストを下げることが可能である。 また、 処理を 1ケ所に集中 させると、 その信号処理カードが故障した際の影響が大きいが、 負荷を分散 させることにより、 故障時の損害を小さくすることも可能となる。 以下、 特 許文献 1と同様に図 1を用いて特許文献 2の説明を行う。
特許文献 2においては、 以下の手順でリソースの割り当てを行うことによ り、 負荷の分散を実現している。
(D 1 )呼の到着後、その呼の処理に要するリソース数の見積もりを行う。 ( D 2 ) ( D 1 )で見積もったリソース数の空きを持つ信号処理カードのう
ち、 最も使用中のリソース数が少ない信号処理カードに当該呼の割り当てを 行う。
たとえば、 図 1のように、 信号処理カードを 3枚以上持つ基地局において 呼が収容されていない場合に、 所要リソース数 1の音声呼が 3回連続で発生 した場合は以下のように割り当てを行う。
最初の音声呼の割り当て時は、 いずれのカードも呼を割り当てていないた め、 最も番号の小さい第 1信号処理カードに最初の音声呼を割り当てる。 次の音声呼の場合は、 第 1信号処理カード以外の信号処理カードには呼を 割り当てていないため、 これらのうち最も番号の小さい第 2信号処理カード に呼を割り当てる。
3番目の音声呼の場合は、 第 1と第 2信号処理カード以外の信号処理カー ドに呼が割り当てられていないため、 呼が割り当てられていないうち、 最も 番号の小さい信号処理カードに呼を割り当てる。
特許文献 2では以上のようにして、 新規に発生する呼 (以下、 新規呼) に 対して、 最も使用中のリソース数が少ない信号処理カードにリソース割当を 行っていく。
しかし、 特許文献 1及び特許文献 2では、 リソースが信号処理カード毎に 分かれている場合を仮定しているが、 実際にはカード内部に複数の信号処理 用ハードウェア (以降ユニットと記述) が搭載されている場合がある。 この ような場合、 信号処理カードと同様に、 複数のユニットで分担して 1つの呼 を同時に処理することができない。
この場合は、 カード毎の空きリソース数で閾値を決め、 空きリソース数に より再配置処理可否の実行を決めると、 以下 2つの不具合が生じる。
(A) 空きリソースが複数のュニットに分散している場合に再配置処理が 起動されず、 呼損が生じる。
( B ) 再配置の結果、 空きリソースが同じカードの中の複数のユニットに 分散し、 呼損が生じる可能性がある。
(A) に関する例だけを示すと、 例えばパケット B呼の収容を容易にする ために閾値を空きリソース数 1 6個にしたとする。 このとき、 空きリソース が 2つのュニットにそれぞれ 8個ずつある信号処理カードにはバケツト B呼 を割り当てられないが、 カード全体の空きリソース数は 1 6であるため再配 置処理が起動されず、 パケット B呼を収容できないままになる。
一方、 特許文献 2においては、 呼の発生時のリソースの割当方式を示して いる。 割当方式は、 基地局全体における空きリソース数が十分あるときにの み最適な割り当て位置を指定できる方式であるため、 トラヒックの量が少な い状態から増えていく場合には、 複数のカードにおける使用リソース数を平 準化させる効果がある。 しかし、 呼が切断されて解放される場合には、 解放 される呼を割当方式によって選択できない。 そのため、 トラヒックが一旦多 くなり、 信号処理カードの殆どのリソースが使用されるようになってから、 トラヒックが減少した場合には、 以下の問題があった。
•複数のカードにおける使用リソース数を平準化させることができない。 ·複数のカードに音声呼のような所要リソース数の少ない呼が残留して、 割り当て時に所要リソース数の大きい呼の割当ができなくなる可能性がある。 発明の開示
本発明は、 以上の問題を鑑みなされたもので、 既存の呼を切断せずにリソ —スの再配置処理を実行することで、 リソース割り当ての効率化を図ること を目的とするものである。
本発明の一形態によれば、 リソース再配置方法は、 リソース数の異なる複 数種の呼を複数の信号処理カードに割り当てる基地局におけるリソース再配 置方法であって、 複数の所定の時間帯の各々において最大の発生比率を有す る呼のリソース数に基づいて、 各信号処理カード内の空きリソース数に関す る閾値を各時間帯に対応づけて設定し、 前記複数の信号処理カードのうち所 定数の信号処理カード内の空きリソース数がそれぞれ前記閾値以下となった
場合に、 前記複数の信号処理カードに既に収容されている呼の再配置処理を 行う。
本発明の他の形態によれば、 基地局は、 リソース数の異なる複数種の呼を 複数の信号処理カードに割り当てる基地局であって、 複数の所定の時間帯の 各々において最大の発生比率を有する呼のリソース数に基づいて、 各信号処 理カード内の空きリソース数に関する閾値を各時間帯に対応づけて設定する 無線リソース監視手段と、 前記複数の信号処理カードのうち所定数の信号処 理カード内の空きリソース数がそれぞれ前記閾値以下となった場合に、 前記 複数の信号処理カードに既に収容されている呼の再配置処理を行う無線リソ ース制御手段と、 を有する。 図面の簡単な説明
図 1は、 従来技術における基地局の構成図、
図 2は、 本発明の第 1の実施の形態における基地局の構成図、
図 3は、 本発明の第 1の実施の形態における信号処理手段の状態図、 図 4は、 本発明の第 1の実施の形態における無線リソース制御手段内の管 理テープノレ図、
図 5は、 本発明の第 1の実施の形態における信号処理手段の処理概要図、 図 6は、 本発明の第 1の実施の形態における再配置処理のフロー図、 図 7は、本発明の第 1の実施の形態におけるトラヒック記録手段の構成図、 図 8 Aは、 本発明の第 1の実施の形態における移動呼リストの一例を示す 図、
図 8 Bは、 本発明の第 1の実施の形態における移動呼リストの他の例を示 す図、
図 9は、 本発明の第 2の実施の形態におけるシステムの構成図、
図 1 0は、本発明の第 2の実施の形態における基地局内のリソース状態図、 図 1 1は、 本発明の第 3の実施の形態における基地局の構成図、
図 1 2は、 本発明の第 3の実施の形態における信号処理手段の状態図、 図 1 3は、 本発明の第 3の実施の形態における再配置処理のフロー図、 図 1 4は、 本発明の第 3の実施の形態における移動先決定済み呼リストの フィールド図、
図 1 5は、 本発明の第 4の実施の形態における再配置処理のフロー図、 図 1 6は、本発明の第 4の実施の形態における信号処理手段の状態図(1 )、 図 1 7は、本発明の第 4の実施の形態における信号処理手段の状態図(2 ) である。 発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態 1 )
本実施の形態は、 リソースの保留時間や所要リソース数が大きく異なる W 一 C DMA方式において効率的なリソースの再配置方式である。 基地局にお いて、 所要リソース数が異なる複数種の呼を複数の信号処理カードを用いて 収容するときには、 呼が既に割り当てられた信号処理カードに、 所要リソー ス数が大きい呼を信号処理カードに収容できない場合がある。これに対して、 本発明では、 収容したい呼のリソース数に応じた閾値を決め、 信号処理カー ドのいずれにも閾値分の空きリソースが無くなったときに、 できるだけ所要 リソース数の大きい呼を収容できるように呼を再配置することで、 呼損を少 なく して信号処理カードの能力を有効に利用する。
本実施の形態においては、 基地局内部にトラヒックの記録を行う手段を設 け、 音声呼やバケツト呼の比率の時間的な変化に対応して再配置処理の起動 条件を変えることで、 時間帯毎に多く発生する呼をより確実に収容するため の再配置処理を行うことを可能にする。 例えば、 所要リソース数 1の呼が多 いときは、 断片化による呼損の割合が小さくなるため、 そのような時間帯で は、 再配置処理を起動するための空きリソース数の閾値を小さく設定するこ
とで、 再配置処理の起動回数を減少させて、 再配置処理における呼の移動処 理によるリソース数の追加消費を抑えるとともに、 基地局の動作負荷を低減 する。
以下、 本発明の第 1の実施の形態について説明する。 図 2は、 本発明のブ 口ック構成図を示す。 図 2において 1 0 1〜 108はそれぞれ従来例の 1 1 〜1 8に対応する。
図 2において、 1 0 1は端末である。 以降の記述では、 端末として W— C DMA (W i d e b a n d C o d e D i v i s i o n Mu 1 t i 1 e Ac c e s s , 広帯域符号分割多重アクセス) 方式または MC— CDM A (Mu l t i一 C a r r i e r CDMA) の第三世代携帯電話を想定す る力 S、 GSM (G l o b a l S y s t e m f o r Mo b i l e c o mm u n i c a t i o n s)、 PHS (P e r s o n a 1 Ha n d y— p h o n e S y s t em)、 PDC (P e r s o n a l D i g i t a l C e 1 1 u 1 a r ) 等の携帯電話またはコードレス電話においても適用可能であ る。
1 02は端末を収容し、 端末との無線信号の送受信を行い有線用の信号に 変換する基地局である。
103は交換機能を持つネットワークである。 ネットワーク 10 3は専用 線、 ATM (,Α s y n c h r o n o u s T r a n s f e r Mo d e) 介して基地局と接続している。
104〜 1 10は基地局の内部構造を示す。
104は端末 10 1との無線信号の送受信を行う無線通信手段である。 無 線通信手段 104はアンテナによる無線信号の送受信、端末の送信電力制御、 周波数の変調処理等を行う。 無線通信手段 1 04はアンテナ、 増幅器、 送信 用の電源、 制御プログラムを備える。
1 0 5はネットワーク 1 0 3の要求に応じて、 端末に対する通信路の接 続■切断制御を行う接続制御手段である。 接続制御手段は基地局の制御カー
ド内のプログラムとして実装される。
1 06は端末からの無線信号のベースバンド変復調処理、 有線信号への変 換等の信号処理を行う信号処理手段である。 基地局においては同時に多数の 端末を収容するため、 信号処理手段は同形式のカード、 L S Iおよびその組 合せからなるハードウユアを多数準備した構成になる。 本実施の形態では基 地局が 4個の同種のハードウエアを備えると仮定し、 おのおの第 1信号処理 カード 1 06 a〜第 4信号処理カード 1 06 dと呼ぶ。
1 07は信号処理手段 1 06において、 発生した呼を信号処理カードに割 り当てたり、 解放を行う無線リソース制御手段である。
108はネットワーク 1 0 3との信号の送受信を行う有線通信手段である。 1 09は信号処理手段の状態の監視を行い、呼の再配置の要不要を判断し、 呼の再配置が必要な場合は無線リソース制御手段に呼の再配置の指示を行う 無線リソース監視手段である。
1 10は無線リソース監視手段 10 9のデータをもとに基地局 1 02が収 容した呼の発生時刻、種別、保留時間を記録するトラヒック記録手段である。 本実施の形態においては、 トラヒック記録手段 1 10の内容に応じて呼の 再配置の内容を変更させる方法を示す。
次に図 3を説明する。 図 3は信号処理手段 1 06の呼の収容状態を示す。 ここでは、 信号処理手段 1 06内部の信号処理カード数を 4とし、 従来技術 と同様に各信号処理カードに 768 k b p sの信号の処理能力があり、 1リ ソースを 24 k b sの信号処理能力と定義し、 基地局が以下の呼の種類を サポートすると仮定する。
(a) 音声呼 (24 k b p s) リソース 1個
(b) 非制限ディジタル呼 (64 k b p s) リソース 3個
(c) パケット A呼 ( 1 28 k b p s ) リソース 6個
(d) パケット B呼 (384 k b p s ) リソース 1 6個
(e) 共通チャネル ( 1 92 k b p s ) リソース 8個
なお、 サポートする呼の種類は、 通信サービスを提供する通信事業者によ つて異なる。 また、 リソースの単位も基地局のハードウェアにより速度が增 減したり、 速度の単位も s p s (S ymb o l s P e r S e c o n d) 等となることがある。 本発明において、 信号処理手段内の信号処理カードの 数や、 信号処理カードの処理能力、 リソースの単位がカード毎に異なってい る場合でも同様の効果が得られる。
また、 本実施の形態においては、 信号処理カード内で 1つの呼に対するリ ソースが連続していなくてよいものとする。 たとえば、 図 3の状態から音声 呼 202が解放されたとき、 1個分の空きリソースが別々に 2個あるとみな してもよいし、 2個分の空きリソースが 1つあると見なしてよい。
図 3の第 1信号処理カード 106 aの状態を説明する。 第 1信号処理カー ド 1 06 aは、 共通チャネルと音声呼 2個、 非制限ディジタル呼 3個、 パケ ット A呼 2個を収容している。 各領域の名称の後にあるかつこ内の数値は領 域の大きさをリソース数に換算して表したものである。 信号処理カードの実 装リソース数は 32、 共通チャネルは 8、 音声呼は 1、 非制限ディジタル呼 は 3、 バケツト A呼は 6であるから、 空きリソース.は (3 2— 8— 1 X 2— 3 X 3 -6 X 2 =) 1である。 第 2信号処理カード 1 06 b〜第 4信号処理 カード 1 06 dに関しても同様に収容している呼を示している。
本実施の形態においては、 同一処理カード内において呼が配置される位置 はどこでもよい。 よって、 無線リソース制御手段内の管理テーブルでは空き リソース数のみを把握すればよい。
なお、カードによって処理能力が異なる場合は空きリソース数だけでなく、 各カードに実装されているリソース数も管理する必要があるが、 この場合で も本発明の効果は同様に得られる。
図 4は無線リソース制御手段 1 07が保持する信号処理手段 106の管理 テーブルの内容を示す。 管理テーブルは全部の信号処理カードの各時点の空 きリソース数を保持している。 以降、 第 1信号処理カード 1 06 aから第 4
信号処理カード 106 dまでの空きをそれぞれ V a c a n c y [1] 〜v a c a n c y [4] とする。 第 1信号処理カード 106 aを例にとると、 空き リソース数 (v a c a n c y [1]) は 1となっている。
なお、 信号処理カードによって実装リソース数が異なる場合は使用リソー ス数だけでなく、 各カードに実装されているリソース数も管理すれば、 本発 明の効果が得られる。
まず、 基地局 102が、 起動直後のリソースが全く割り当てられていない 状態から図 3の状態に至るまでの呼処理を説明する。 基地局 102が起動す るとき、 端末 1 0 1の呼び出し等に用いる共通チャネルを確保する。 共通チ ャネルに対して番号の少ない順に信号処理カードに呼の割当を行うものとす ると、 無線リソース割当手段 104は共通チャネルを処理するリソースを第 1信号処理カード 106 aに割り当てる。 これが図 3の共通チャネル 20 1 の部分である。
なお、 割当先の信号処理カードを決める方法としては、 カードの番号の少 ない順の他に、番号の多い順から割り当てる方法、全信号処理カードのうち、 最も空きリソース数が少ないものから割当を行う方法、 または最も空きリソ ース数が多いものから割り当てる方法が考えられるが、 いずれの場合でも本 発明の効果を得ることが可能である。
基地局 1 02が共通チャネルの確保を終了すると、 端末 1 01がネットヮ —ク 103に対して位置登録と ATTACH (端末をネットワークから着信 可能な状態にする処理) を行う。 なお、 実際には端末の ATTACH時にも リソースが使用されるが、 その場合でも本発明の効果を得ることは可能であ る。 ただし、 記述簡略化のため本実施の形態においては ATTACH時に使 用されるリソースを考慮しない。
位置登録後、 端末 1 0 1が音声呼を発信すると、 基地局 102は端末 1 0 1とネットワーク 103間の呼に用いる通信路を確立し、 音声呼を信号処理 カード 1 06に割り当てる。 これが図 3の音声呼 202である。
詳細に端末 1 0 1が発信する際のリソース割当の手順を説明する。 リソー ス割当の手順は他の種類の呼の場合でも同様である。
まず、 端末 1 0 1が発信要求を共通チャネルを介して基地局 1 0 2経由で ネットワーク 1 0 3に出力する。 基地局 1 0 2の内部では、 まず無線通信手 段 1 0 4がこの要求を受信すると、 復調処理等を施して信号処理手段 1 0 6 内部で共通チャネルに割り当てられている第 1信号処理カード 1 0 6 aに出 力する。 第 1信号処理カード 1 0 6 aはベースパンド処理、 有線信号への変 換処理を行い発信要求を有線通信手段 1 0 8に出力する。 有線信号手段が発 信要求の信号を A TMなどへプロトコル変換を行い、 ネットワーク 1 0 3に 対して出力する。 本実施の形態では、 基地局 1 0 2は、 ネットワーク 1 0 3 によつてのみ制御され、 端末からの信号によつては制御されない。
なお、 本発明のアルゴリズムはリソース割当処理のトリガに関係しないの で、 端末の信号によってリソース割当処理が制御される場合も同様に本発明 の効果を得ることが可能である。
ネットワーク 1 0 3は発信要求に対して、 基地局 1 0 2に対して端末 1 0 1用の音声呼用のリソース確保要求を出力する。 基地局 1 0 2はリソース確 保要求に従い、 適切な信号処理カードに呼を割り当てる。
ネットワーク 1 0 3からのリソース確保要求に従い基地局 1 0 2がリソー スを割り当てる手順を詳細に説明する。 まず、 ネットワーク 1 0 3からのリ ソース確保要求が有線通信手段 1 0 8へ入力される。 このリ ソース確保要求 は基地局 1 0 2に対する制御要求なので、 接続制御手段 1 0 5が検出する。 接続制御手段 1 0 5は無線リソース制御手段 1 0 7に対して、 信号処理手段 1 0 6内において音声呼用のリソースを確保させる要求を出力する。 無線リ ソース制御手段 1 0 7は信号処理手段 1 0 6の管理テーブルを参照し、 第 1 信号処理カード 1 0 6 aに空きがあるため、 ここに音声呼を割り当てる。 こ の割り当てられた呼が図 3の音声呼 2 0 2である。 また、 無線リ ソース制御 手段 1 0 7は内部の管理テーブルの空きリソース数を割り当てたリソース数
に応じて減らす。
リソースの割当を実施した後、 接続制御手段 1 0 5は、 無線通信手段 1 0 4、 信号処理手段 1 0 6 (第 1信号処理カード 1 0 6 a ) と有線通信手段 1 0 8によって、 端末 1 0 1からの音声呼の信号をネットワーク 1 0 3に適切 に出力できるように通信路を設定し、 リソース確保要求への応答を有線信号 処理手段 1 0 8を介してネットワーク 1 0 3に対して出力する。 これにより 端末 1 0 1からネットワーク 1 0 3までの通信路が確立される。 これ以降よ り上位のレイヤの呼制御により端末 1 0 1の発信先との通信が開始されるが、 この部分は本発明と直接関係しないため省略する。
図 3には、 音声呼の他、 非制限ディジタル呼、 パケット A、 パケット Bな どのバケツト呼があるが、 これらに対しても所要リソース数が異なる以外は 同様にリソースの割当処理を行う。
また、 呼が終了する場合は、 上位レイヤの呼切断処理の後、 ネットワーク 1 0 3から解放の対象となる呼の指定を含むリソース解放要求が基地局 1 0 2に対して出力される。 この要求を接続制御手段 1 0 5が検出すると、 無線 リソース制御手段 1 0 7に対してリソースを解放させる要求を出力する。 無 線リソース制御手段 1 0 7は解放する対象となる信号処理カードを特定し、 信号処理手段 1 0 6に該当の呼を解放させる。 また、 無線リソース制御手段 1 0 7内部の管理テーブルで、 該当の信号処理カードの空きリソース数を増 やす。
本実施の形態では割り当て順番を番号の小さい信号処理カード順としたが、 図 3においては第 1信号処理カードに空きがある。 この理由は、 呼の持続時 間が呼によって大きく異なるため、 番号の大きい信号処理カードに割り当て た後に、 番号の小さい信号処理カードに割り当てられていた呼が終了し、 そ の部分のリソースが空きになったためである。
以上が図 3に至るまでの呼処理の概要である。
以降、 本発明による再配置処理の説明を行う。
本発明では、 信号処理カードのいずれかに所要リソース数の大きい呼を収 容するため、収容したい呼の所要リソースから空きリソース数の閾値(以下、 r e s o u r c e— t h r e s h o l dとも記述する) を決め、 その閾値分 のリソースの空きを確保する。
本実施の形態においては、 トラヒックを記録し、 その結果によって閾値を 決定する。
まず、 図 7に示すトラヒック記録手段のデータを説明する。 本実施の形態 では、 時間帯ごとに各呼種別の発生頻度により、 基地局が収容を優先する呼 を変更する方法を示す。
図 7において、 6 0 1は時間帯を示す。 例えば、 0 : 0 0、 6 : 0 0が指 定されている場合は、 0 : 0 0〜6 : 0 0を指す。 なお、 本実施の形態にお いては、 1日を 6時間毎に分割した例を示したが、 1週間、 1ヶ月、 1年を 分割したり、 分割する単位を 6時間ではなく 1時間、 1分、 1秒等に変更し た場合でも本実施の形態と同様の効果が得られる。
6 0 2〜6 0 5はそれぞれ、 各時間帯における音声呼、 非制限ディジタル 呼、 パケット A呼、 パケット B呼の発生比率である。 なお、 これらに加え、 セル間ハンドオーバ、 セクタ間ハンドオーバなど、 サービスに関する他の属 性を追加して分類を行った場合でも本実施の形態と同様の効果が得られる。 まず、 トラヒック記録手段 1 1 0がトラヒック情報を集める方法を示す。 無線リ ソース監視手段 1 0 9は呼の発生 '解放を毎回監視している。 本実施 の形態においては、 呼の発生、 解放ごとにトラヒック記録手段 1 1 0に記録 する。 なお、 呼の発生 '解放ではなく、 トラヒックの監視及び記録を定期的 に実施しても、 本発明の効果を得ることができる。
次に、 無線リソース監視手段 1 0 9がトラヒック記録手段 1 1 0の情報を 利用して、 リソース再配置を行う方法を示す。 トラヒック記録手段 1 1 0に は、 すでに実際の測定データが記録されていると仮定する。 これにより、 無 線リソース監視手段 1 1 0は、 各時間帯において優先する呼を決定する。 例
えば、 総務省発行の 2 0 0 2年度版情報通信白書によると夕方は携帯電話あ てにメール利用が多いが、 深夜になると音声呼が増加するので、 本実施の形 態においては各時間帯で発生比率の高い呼に合わせて再配置処理の閾値を変 化させ、 できるだけ発生頻度の高い呼を収容しやすくすると仮定する。
図 7においては、 1 2 B寺カゝら 1 8時の時間帯ではバケツト B呼の比率が高 い。 この場合、 次に発生するパケット呼を収容するためには、 信号処理カー ドのいずれかに 1 6個の空きリソースを準備する必要がある。 そこで、 本実 施の形態においては、 バケツト B呼が収容できなくなる状態を防ぐため、 無 線リソース監視手段 1 0 9は、 どのカードにも 1 6個以上の空きが無くなつ たときに、 リソース再配置処理を開始する。
そして、 1 8時から 2 4時の時間帯では、 音声呼の比率が高いので音声呼 を優先するが、 音声呼は所要リソース 1個なので、 この場合はリソースの再 配置処理は起動されない。 図 7には存在しないが、 パケット A呼を優先して 収容する場合は、空きリソース数 6以上の信号処理カードがなくなったとき、 また、 非制限ディジタル呼を優先する場合はいずれの信号処理カードにも 3 個の空きリソースがなくなったときにそれぞれリソース再配置の処理を起動 する。
以上でトラヒック記録手段による閾値の決定の説明を終わる。
本実施の形態では、 図 7におけるトラヒック状況で多くのパケット B呼が 発生した時間帯を想定し、 パケット B呼を収容するために、 閾値を 1 6とす る。 具体的には、 リソース 1 6個分の空きがあるカードが無い時に、 信号処 理手段 1 0 6のうち最も使用リソースの少ない信号処理カードに割り当てら れている呼を、 他の信号処理カードに移動させて、 パケット B呼の割り当て に要する空きリソースを作り出す処理を行う。
以降、 本実施の形態におけるリソースの再配置処理の詳細な説明を行う。 図 3で、 まず非制限ディジタル呼 2 0 3が割り当てられていない状態を仮定 する。
非制限ディジタル呼 2 0 3が発生する前には、 第 4信号処理カード 1 0 6 dに 1 6個の空き (実装リソース数 3 2から、 パケット B呼 1 6を引いた残 り) があるため、 基地局 1 0 2は通常通りリソースの割当処理が実施され、 空きリソース 1 6で唯一非制限ディジタル呼を収容できる第 4信号処理カー ド 1 0 6 dに非制限ディジタル呼 2 0 3が割り当てられる。
割り当てが行われた直後、 信号処理手段 1 0 6の管理テーブルの 3 0 1に ある第 4信号処理カード 1 0 6 dの空きリソース数 V a c a n c y [ 4 ] の 部分が 1 6個から 1 3個に書き換えられる。 そのため、 信号処理手段 1 0 6 を監視している無線リソース監視手段 1 0 9が、 閾値 (1 6個) 分の空きリ ソースを保持している信号処理カードがないことを検出する。
なお、 本実施の形態においては、 監視のタイミングを呼の割り当て終了後 としているが、 これは定期的または呼が発生するごとに各信号処理カードの 空きリソース数の監視処理を行っても本実施の形態と同様の効果が得られる。 無線リソース監視手段 1 0 9は、 閾値以上の空きリソースを持つ信号処理 カードがないことを検出すると、 最も空きのある信号処理カードの呼を他の 空きリソースがある信号処理カードに移動させることで、 いずれかの信号処 理カードに閾値の 1 6個分の空きリソースを確保する処理を開始する。 図 3 の状態におけるこの処理の概要を図 5、 フロー図を図 6に示す。
図 3では、 第 4信号処理カード 1 0 6 dの非制限ディジタル呼 2 0 3を他 の信号処理カードに移動させれば、空きリソース数は 1 3 + 3 = 1 6となり、 閾値と等しくなる。 そこで、 この呼を他の信号処理カードに移動させること とし、 以下移動元呼と記述する。
第 4信号処理カード 1 0 6 dは非制限ディジタル呼以外にもバケツト B呼 を収容しているが、 図 3において、 第 4信号処理カード 1 0 6 d以外の信号 処理カードの空きリソース数の合計が 3で、 パケット B呼の所要リソース数 より小さいので、このバケツト B呼は他の信号処理カードへ移動ができない。 よって、 移動元カードを第 4信号処理カード 1 0 6 d、 非制限ディジタル
呼 2 0 3を移動元カードの移動呼 4 0 1として選択し、 後は、 できるだけ小 さい番号の信号処理力一ドの空きリソースをなくすために、 図 5においては 以下のように処理を行う。 なお、 信号処理カードの検索順に任意のものを使 用しても、 本実施の形態と同様の効果は得られる。
まず、 移動元カードである第 4信号処理カード 1 0 6 dから移動呼 4 0 1 を移動させようとする。 しカゝし、 第 1信号処理カード 1 0 6 a〜第 3信号処 理カード 1 0 6 cの空きは全て 1であり、 どの信号処理カードにも非制限デ イジタル呼を収容できる空きリソースはない。 そこで、 第 3信号処理カード 1 0 6 cから第 1信号処理カード 1 0 6 aと第 2信号処理カード 1 0 6 に 音声呼をそれぞれ 1個ずつ移動呼 4 0 2、 4 0 3として移動させる。すると、 第 3信号処理カード 1 0 6 cに大きさ 3の空きリソースができるので、 第 4 信号処理カード 1 0 6 dから第 3信号処理カード 1 0 6 cに移動元カードの 移動呼 4 0 1である非制限ディジタル呼 2 0 3を移動する。 これにより、 第 4信号処理カード 1 0 6 dに閾値分の空きリソース 1 6個が確保され、 この 後仮にバケツト B呼が発生した場合も収容可能となる。
リソース移動の際には、 まず無線リソース制御手段 1 0 7が移動先のリソ ースを予約し、 他の呼が発生しても移動先のリソースには割り当てられない ようにする。 次に接続制御手段 1 0 5が移動元 '移動先のリソースにおいて 信号処理の同期がとれたときに呼に割り当てられたリソースを移動元から移 動先へ切り替えさせる要求を信号処理手段 1 0 6に出力する。 信号処理手段 1 0 6はリソースの切り替えを行うと、 移動元のリソースを解放する。 解放 したことは直ちに無線リソース制御手段 1 0 7の管理テーブルに反映される。 以上が本実施の形態における再配置処理の概要である。
なお、 移動元呼が複数存在する場合は、 移動元呼の移動処理を繰り返すこ とで、 本実施の形態と同じ効果が得られる。
以下、 図 6のフローを使用してリソースの再配置方式を説明する。
本実施の形態では、 閾値より空きリソース数が少なくなつた場合に本実施
の形態の再配置処理を起動する。
再配置処理の実行に当たっては、 再配置処理の対象となる信号処理カード の集合 (c a r d s ) と再配置によって実現させる空きリソース数 (r e s o u r c e t h r e s h o 1 d)の 2つを r e l o c a t e (c a r d s, r e s o u r c e— t h r e s h o l d) として指定する必要がある。 再配 置処理が起動された直後の再配置処理の対象は基地局内に実装されている全 てのカードなので第 1信号処理カード 1 0 6 a〜第 4信号処理カード 1 0 6 dとする。 一方、 再配置により実現させる空きリソース数の閾値は 1 6とす る。 よって、 最初の起動の呼び出し形式は r e 1 o c a t e ( 1〜4, 1 6) となる。
処理 5 0 1において、 呼の移動元カードを決定する。 図 3の場合は対象の 信号処理カードのうち、 最大の空きリソース数を持つ第 4信号処理カード 1 0 6 dを移動元カードとする。 移動元カードの選択方法には、 最大の空きリ ソース数を持つ信号処理カード以外にも、 最も番号の大きい、 または小さい 信号処理カードを用いる方法なども考えられる。 次に、 移動元カード内にお いて、 不足空きリソース数 {(閾値) 一 (移動元カードの空きリソース数)) s h o r t a g eを^!"算丁る。 閾値 r e s o u r c e― t h r e s h o l d は 1 6、 空きリソース数は 1 3であるから、 この場合の (s h o r t a g e = 1 6— 1 3 =) 3となる。
処理 5 0 2において、 移動元カード以外の再配置処理の対象カードの総空 きリソース数と s h o r t a g eを比較し、 再配置処理によって閾値分の空 きリソースが作れるかを確認する。 s h o r t a g eの方が大きい場合は、 再配置対象カードの総空きリソース数が閾値よりも小さく、 リソースを再配 置しても閾値分の空きリソースを作れないので、 処理を終了させる。 図 3の 場合は、 第 4信号処理カード 1 0 6 dが移動元カードであるから、 移動元以 外の総空きリソ ス数は第 1〜第 3信号処理カードの空きリソース数の合計 の 3になる。 よって、 s h o r t a g eの値と等しいため、 処理 5 0 3に進
む。
処理 5 0 3において、 移動元カードから、 他の信号処理カードへ移動でき る呼 (呼の所要リソース数が、 移動元以外のいずれかの第 i信号処理カード で、 空きリソース v a c a n c y [ i ] 以下になる呼) を検索し、 結果を判 定する。 図 3の場合は第 4信号処理カード 1 0 6 dに収容されている呼は非 制限ディジタルとバケツト B呼で、 他の信号処理カードには最大でも 1個の 空きしかないので、 移動可能な呼の検索は失敗する。 よって、 次に処理 5 0 8以降を実施する。
図 6右側の処理 5 0 8以降の一連の処理では、 直ちに移動元カードからの 呼の移動が不可能なため、 移動元カード以外で再帰的に再配置処理を実施し て、 移動したい呼を収容可能な空きリソースを作成する。
処理 5 0 8において、 移動元カードで不足分の空きリソースを作るために 必要な呼の組合せを移動元カードから抽出し、 移動候補呼群とする。 図 3の 場合は、 第 4信号処理カード 1 0 6 dで不足している空きリソースは、 3と なる。 移動元カードのうち、 リソースのサイズが最も小さいのは、 所要リソ ース数 3の非制限ディジタル呼であり、 これを他の信号処理カードに移動さ せれば、 空きリソースの不足も解消できる。 よって、 ここではこの非制限デ イジタル呼を移動させることとする。
処理 5 0 9において、 移動候補呼群から、 所要リソース数に基づいて移動 先のカードを検索する移動先検索対象呼を 1つ選択する。 移動先検索対象呼 の決定には、 所要リソース数が大きい順、 所要リソース数が小さい順、 先に 収容した順、 新しく収容した順などが考えられるが、 どの方法を選択した場 合でも本発明の効果は得られる。 図 3の場合は移動候補呼の組合せに 1個だ け存在する呼である非制限ディジタル呼 2 0 3が移動先検索対象呼となる。 処理 5 1 0において呼の再配置処理を行う。 この場合、 先に選択した移動 先検索対象呼である非制限ディジタル呼 2 0 3を移動元カードから他のカー ドへ収容させるために必要となる数の空きリソースを作成する再配置処理を
行うこととなる。 ここで移動先対象となる信号処理カードは、 移動元カード である第 4信号処理カード 1 0 6 dを除いた、 第 1信号処理カード 1 0 6 a 〜第 3信号処理カード 1 0 6 cであり、 再配置処理により空けなければなら ないリソース数は検索対象呼の非制限ディジタル呼の所要リソース数 3であ る。 よって、 呼び出し形式は r e l o c a t e ( 1〜 3, 3 ) となる。
再配置処理の詳細は処理 5 0 1〜5 0 6の処理の再帰処理となる。つまり、 移動元カード以外にリソース数 3の非制限ディジタル呼 2 0 3の収容先が現 時点で無い (処理 5 0 3にて判定) ために、 処理 5 0 8に進みまず非制限デ ィジタル呼 2 0 3を他のカードに収容させるための再配置処理を行う。 処理 5 0 3から処理 5 0 4へ進む場合の処理 5 0 1から処理 5 0 6までの処理は 後述することとする。 結果、 図 5の通り、 第 3信号処理カード 1 0 6 cの 2 つの音声呼が他の信号処理カードに移動する。 よって、 第 3信号処理カード
1 0 6 cにリソース 3個分の空きができる。
処理 5 1 1にて第 3信号処理カードにおいて非制限ディジタル呼を収容す るための再配置処理が成功し、 空きリソースが作成できたかどうか判定を行 う。 図 3の場合は第 3信号処理力一ドから音声呼を 1個ずつ第 1信号処理力 一ドと第 2信号処理カードへ移動することで、 再配置処理は成功するので、 処理 5 1 2に進む。
処理 5 1 2において、検索対象呼と空きカードを移動先リストに追加する。 移動先リストは、 再配置処理で移動させる呼と各々に対する移動先カードの 番号の組合せの一覧である。 図 8 Aのように、 第 4処理カード 1 0 6 dの非 制限ディジタル呼と、 再配置処理でリソースを空けた第 3信号処理カード 1 0 6 cの組を移動呼リストに追加する。 前述の移動呼 4 0 2、 4 0 3は、 こ こで登録される。
処理 5 1 3で、 移動候補呼全てに関する終了判定を行う。 図 3の場合は、 移動先検索対象呼は移動先カードにおいて空きリソースを作った非制限ディ ジタル呼 2 0 3の 1つだけなので、 ループは直ちに終了し、 処理 5 0 7に進
む。
処理 5 0 7において移動呼リストに登録されている移動先決定済み呼全て の移動処理を実施する。 図 3の場合は、 第 4信号処理カード 1 0 6 dに 1 6 個の空きを作ることができたので、 バケツト B呼を収容することが可能にな る。
以上で再配置処理の全体処理の詳細の説明を終わる。
次に全体処理の処理 5 1 0によって再帰的に再配置処理が再帰的に呼び出 された際の、 処理 5 0 1から処理 5 0 6までの処理の詳細を以下に示す。 本処理では、 第 4信号処理カード 1 0 6 dの非制限ディジタル呼 20 3を 移動させるため、 r e l o c a t e (1〜3 , 3) で再配置処理を再帰を使 つて呼び出し、 第 1〜第 3のいずれかの信号処理カードに閾値 (r e s o u r c e_ t h r e s h o l d) 3個分の空きリソースを作る。
処理 5 0 1で、 図 3の場合は対象の信号処理カードで最大の空きリソース 数 1個を持つ信号カードは複数 (3) ある。 その中で、 できるだけ小さい番 号の空きリソースをなくすため、 空きリソースを持つ中で最も大きい番号を 持つ第 3信号処理カード 1 0 6 cを移動元カードとして決定する。 不足リソ ース数 s h o r t a g eは、 { ( r e s o u r c e― t h r e s h o i d) — (v a c a n c y [3]) = 3— 1 =} 2である。
以下、 第 3信号処理カード 1 0 6 cに 3個分の空きリソースを作るため、 2個分の呼を他のカードに移動することを試みる。
処理 5 0 2では、図 3の場合移動元以外の総空きリソース数は、 { (v a c a n c y [1]) + (v a c a n c y [2]) = 1 + 1 =} 2であり、 s h o r t a g eの値と等しい。 よって処理 5 0 3に進む。
処理 5 0 3で検索結果を判定する。 図 3の場合は第 3信号処理カード 1 0 6 cは音声呼を収容しているので、 そのうち一つを移動呼として見つけだす ことができる。 よって、 次に処理 5 04以降を実施する。
処理 5 04において、 再配置対象カード c a r d s (第 1〜第 3 ) から移
動元カードである第 3信号処理カードを除いて、 移動先を選択する。 図 3の 場合は、 第 1、 第 2信号処理カードはいずれも空きリソース数 1であり、 音 声呼の収容が可能であるが、 この場合、 できるだけ小さい番号の信号処理力 一ドに呼を収容させる方針を取っているため、 この場合は第 1信号処理カー ド 1 0 6 aを選択する。 なお、 移動先カードの順番は、 大きい番号の順でも 本実施の形態と同様の効果が得られる。
処理 5 0 5においては、 図 8 Bで示すように、 図 3で第 3信号処理カード 1 0 6 cの音声呼と、 検索した第 1信号処理カード 1 0 6 aの組を移動呼リ ストに追加する。 移動呼リストには移動先が決定した呼と移動先の組が登録 される。 前述の移動呼 4 0 1は、 ここで登録される。
処理 5 0 6で移動候補呼全てに関する処理が終了したかを判定する。 図 3 の場合は移動先決定済みの呼のリストには音声呼 1個で、 不足リソース数 s h o r t a g eは 2個には足りない。 よって、 再び処理 5 0 3に戻る。
2回目の処理 5 0 2〜処理 5 0 5に関しては、 1回目とほぼ同様に進み、 第 3信号処理カード 1 0 6 cの音声呼 1個を第 2信号処理カード 1 0 6 bに 移動する。
2回目の処理 5 0 6では、移動呼リストに含まれる呼が音声呼 2つで 2個、 不足リソース数 s h o r t a g eが 2個と同数になるため、 処理 5 0 7に進 み、 移動先決定済み呼全てのリソース移動処理を実施し、 終了する。
以上で再帰的に呼び出されたリソース再配置処理の説明を終わる。
なお、 図 3の場合はより番号の大きい信号処理カードから空きリソースを 作るアルゴリズムとしているが、 他の信号処理カードの呼を移動させて空き リソースを確保する場合でも、 同様の効果を得られる。 例えば、 本実施の形 態において、 6個の空きを作るために、 第 2信号処理カード 1 0 6 bまたは 第 3信号処理カード 1 0 6 cの音声呼 5個を、 他のリソースに移動させれば よい。
さらに、 ある信号処理カードから同時に多くの呼を移動させる場合、 当該
信号処理力一ドが過負荷になる可能性もあるので、 1回ごとに移動させる呼 の合計リソース数の上限を設けても、 本発明の効果を得られる。
なお、 本実施の形態においては各信号処理カード内において、 呼の配置位 置は任意の場所が可能であり、 無線リソース制御手段内の管理テーブルでは 空きリソース数のみを把握すればよいこととしていたが、 信号処理カード内 で呼の配置を任意の場所にできず図 3で第 1信号処理カードの音声呼 2つが 解放されたときに、 同じカードの中で空きリソースが 2個と 1個に分かれる 場合でも、 V a c a n c yの構造をカード毎ではなく、 連続した空きリソー スの位置と大きさを格納させることにより、 本実施の形態のアルゴリズムを 適用可能である。 このとき、 再配置処理の終了条件である閾値をカード内の 最大の連続空きリソース数と比較し、 また、 移動先の検出においても各カー ドの全ての連続した空きリソースの大きさと比較することで呼の移動の可否 を判定すれば、 本実施の形態に説明した内容と同様にリソースの再配置処理 を行うことが可能である。
なお、 例えばパケット A呼は前から 8番目以降のリソース以外には割り当 てられない、 というようなリソースの割り当て位置に関する制約がある場合 でも、 閾値ではなく、 閾値の決定要因である収容したい呼の割り当て可否を 監視し、 収容不可能な場合には、 本実施の形態と同様に無線リソース監視手 段 1 0 9が無線リソース制御手段 1 0 7を用いて、 制約条件を満たしながら 目的の呼を収容できるようにリソースの再配置処理を行うことで本発明と同 様の効果を得ることができる。 つまり、 各カードの前から 8番目以降のリソ ース状態から、 バケツト A呼が割り当てられる状態に最も近いカードを選択 し、 そのカードの呼を他の信号処理カードに移動させればよい。
なお、 本実施の形態では、 再帰によりリソース再配置を 2段階に分けて実 施したが、 リソース再配置を無瞬断で行う場合は移動前 ·移動先のリソース の両方で信号の同期をとる必要があるため、 移動処理の開始から終了まで 1 0 O m s以上の時間がかかる。 このときに新規呼が発生すると呼損になる可
能性があるため、 例えば信号処理手段全体でバケツト A呼を 2個以上収容可 能なときに、 無線リソース制御手段を起動して再配置を行うようにすると、 バケツト A呼が 1個も収容できない場合に初めてリソース再配置の処理を起 動する場合に比べて、 再配置処理実施中の呼損の発生確率を下げることが可 能である。
なお、 本フローは記述簡略化のため再帰を使用しているが、 実際にはルー プによる繰り返し処理を用いて実装しても効果が変わらない。
また、 この処理例においては、 効率化のためできるだけ移動先の信号処理 カードに空きリソースを無くすために、 移動元の呼の所要リソース数と移動 先の空きリソース数ができるだけ近い値になるように移動先の呼を選択する。 複数の移動先の候補である信号処理カードにおいて空きリソース数が同じ場 合は、 その中で最も小さい番号の信号処理カードに呼を収容させるように動 作させることとする。 なお、 番号の優先順位で大きい番号の信号処理カード に呼を優先して収容する場合でも同様の効果が得られる。
以上、 本実施の形態においては、 トラヒック記録手段を設け、 リソース監 視手段がトラヒック記録手段に格納されたデータを元に、 リソース再配置処 理を起動する条件である閾値を動的に書き換え、 閾値になるまで繰り返し再 配置を行う無線リソース制御手段と、最大の空きリソースのサイズを監視し、 閾値以下になった場合に、 無線リソース制御手段を起動する無線リソース監 視手段とを設けることにより、 既存の呼を切断せずに新規呼を収容し、 呼損 を減らしかつ基地局の収容能力を増大させる効果が得られる。
(実施の形態 2 )
以下、 本発明の第 2の実施の形態について説明する。
本実施の形態においては、端末が複数の基地局の配下にいる場合において、 端末のリソースの再配置 (ハンドオーバ) を実行することにより、 各基地局 で発生する呼損を防ぐことを目的とする。
本実施の形態のシステム構成のプロック図を図 9に示す。
図 9において、 8 0 1 , 8 0 2はそれぞれ、 第 1端末と第 2端末を示す。 8 0 3 , 8 0 4 , 8 0 5はそれぞれ第 1基地局、 第 2基地局、 第 3基地局 を示す。
本実施の形態においては、 基地局は全て小規模であり、 ビルの中や近接し た場所に多数配置されていて、 基地局同士のカバーエリアの重なりが大きい 形態を想定している。 そこで、 第 1端末 8 0 1は第 1基地局 8 0 3にのみ収 容されており、 他の基地局との通信はできないが、 第 2端末 8 0 2は第 1基 地局 8 0 3と第 2基地局 8 0 4に収容されており、 ダイパーシティハンドォ ーバを行っている状態と仮定する。 なお、 第 2端末 8 0 2に関しては、 ダイ バーシティハンドオーバをしている必要はなく、 第 1基地局 8 0 3と第 2基 地局 8 0 4の両方と通信できる状態にあればよい。
8 0 6は第 1基地局 8 0 3から第 3基地局 8 0 5に接続され、 全基地局に 対して呼の接続、 解放に関する要求を出力する無線網制御装置である。 図 9において、 基地局の内部構造を説明する。 本実施の形態における基地 局の内部構造は説明を最小限とするために簡略化している。
第 1無線通信手段 8 0 7、 第 2無線通信手段 8 1 0、 第 3無線通信手段 8 1 3は増幅、 変調等端末との無線信号の送受信処理を行う。
第 1信号処理手段 8 0 8、 第 2信号処理手段 8 1 1、 第 3信号処理手段 8 1 4は無線信号の符号変調処理、 有線信号への変換等の信号処理を行う。 こ れらはおのおの 1 6 X 8 = 1 2 8個のリソースを持つものとする。 本実施の 形態においては、 簡略化のため各信号処理手段の内部が実施の形態 1のよう に信号処理カードに分かれていないものとする。 また、 本実施の形態におい ては、 これらの空きリソース数をそれぞれ V a c a n c y [ 1 ] 〜 [ 3 ] と 記述する。
なお、 このリ ソース数が異なったり、 基地局ごとに収容リ ソース数が異なつ ていても本発明の効果を得ることは可能である。
第 1有線通信手段 8 0 9、 第 2有線通信手段 8 1 2、 第 3有線通信手段 8
1 5は無線網制御装置 803との通信を行う。
次に無線網制御装置 806の内部構造を説明する。
8 1 6は基地局との通信を行う基地局通信手段である。
8 1 7は無線網制御装置 806に接続された全ての基地局の残りリソース 数を管理する基地局リソース監視手段である。
8 1 8は無線網制御装置 806に接続された全ての基地局のリソース割り 当て、 解放を行う基地局.リソース制御手段である。
図 1 0は、 各基地局の信号処理手段の状態を示した図である。
各基地局に、 音声呼、 非制限ディジタル呼、 パケット A呼、 パケット B呼 が収容されている。 第 1信号処理手段 806には、 音声呼が 56個、 非制限 ディジタル呼が 4個、 パケット A呼が 5個、 パケット B呼が 1個収容されて いる。 残り リソース数は 1 28— 1 X 56— 3 X 4— 6 X 5— 1 6 X 1 = 1 4個となる。 他の第 2信号処理手段 809, 第 3信号処理手段 8 1 2 も同 様である。
以下、 本実施の形態の動作を説明する。
本システムにおいて、 所要リソース数が最大の呼種別はバケツト B呼であ る。 そのため、 無線網制御装置 803はパケット B呼が発生したときに必ず 収容できるよう、 全基地局に対するトラヒックが過大な場合を除き、 1 6個 の空きリソースを確保させる。 つまり空きリソース数 1 6個を閾値 (r e s o u r c e一 t h r e s h o l d) とする。
図 10の状態では、 第 1基地局 806の空きリソース数が 14個となって いるため、 基地局リソース監視手段 8 1 7がこれを検出し、 基地局リソース 制御手段 8 1 8に対して、 第 1基地局 80 6の空きリソース数を増やすよう 要求する。
まず、 第 2端末 80 2のように第 1基地局 806と他の基地局との間でダ ィバーシティハンドオーバ中の呼があれば、 その呼の第 1基地局 806側の 接続を切断する。 ダイバーシティハンドオーバ中の呼が切断されても、 別の
基地局と端末は接続しているので、 呼を切断せずに第 1基地局 8 0 6の空き リソースを 1 6個以上にできる。
一方、 ダイバーシティハンドオーバ中の呼がない場合は第 1基地局 8 0 6 から他の基地局に呼を移動 (ハンドオーバ) させて、 第 1基地局 8 0 6の空 きリソースを確保する。
移動させる呼は、 第 2端末 8 0 2のように第 1基地局 8 0 3と他の基地局 の両方の共通チャネルにアクセス可能なものとする。本実施の形態のように、 各基地局のカバーエリアが重なっている場合は、 第 1基地局 8 0 3内の呼は 第 2基地局 8 0 4や第 3基地局 8 0 5にもハンドオーバできるため、 移動先 の基地局はそれらの中から最も空きリソース数の大きいものとする。 この場 合は第 2基地局 8 0 7が空きリソース数 3 5と最大なので、 移動先を第 2基 地局 8 0 7とする。
なお、 移動先の基地局で、 呼を移動させた後も空きリソース数が 1 6以上 であれば、空きリソース数が最大でなくても本発明と同様の効果を得られる。 次に移動する呼を選択する。 移動先の基地局の空きリソースを 1 6個確保 する必要があるので、 移動する呼のリソース数は移動先の基地局の空きリソ ース数から 1 6を引いた値より小さくなければならない。 この場合は移動先 の第 2基地局 8 0 7の空きリソース数は 3 4であるから、 移動する呼のリソ ース数の上限は 1 8であるため、どのような呼でも移動可能である。よって、 所要リソース数が最大のバケツト B呼 9 0 1を第 2基地局 8 0 7へ移動させ ることとする。
無線網制御装置 8 0 6の基地局リソース制御手段は、 さらに基地局通信手 段 8 1 6を介して、 第 1基地局 8 0 6の配下の第 2端末 8 0 2によるバケツ ト B呼を第 2基地局 8 0 7へハンドオーバさせる要求を出力する。 その要求 は第 1基地局 8 0 6内の第 1有線通信手段 8 0 9、第 1信号処理手段 8 0 8、 第 1無線通信手段 8 0 7を通って、 第 2端末 8 0 2に出力する。 これに従い 第 2端末 8 0 2は第 2基地局 8 0 7へハンドオーバ処理を行うため、 第 1基
地局 806の空きリソースを確保できる。
以上、 本実施の形態においては、 無線網制御装置に基地局リソース監視手 段と基地局リソース制御手段の 2つを設け、 カバーエリアが重なっている複 数の基地局間でリソース再配置を行うことにより、 基地局の負荷分散及び端 末からの呼損を防ぎ、 リソースの使用率を向上させる効果が得られる。
(実施の形態 3)
本実施の形態は、 信号処理カード内部に複数の L S I等の信号処理を行う ハードウエアがあり、 1個の呼のリソースを複数のハードウエアにまたがつ て配置できない制約がある場合において、 効率的にリソースの再配置を行う 方式を示す。
本アルゴリズムは、 トラヒック量が多いが、 基地局が実装している信号処 理カード全体としては空きリソースがあり、 さらにその空きリソースが複数 のカードに分散している場合に特に有効である。
以下の記述では、 信号処理カード内に複数存在する信号処理を行うハード ウェアをユニットと呼ぶ。
以下、 本発明の第 3の実施の形態について説明する。 図 1 1は、 本発明の ブロック構成図を示す。 図 1 1において 1 1 0 1〜 1 1 08はそれぞれ従来 技術における 1 1〜 1 8に対応する。
図 1 1において、 1 1 0 1は端末である。 以降の記述では、 端末として W -C DMA (W i d e b a n d C o d e D i v i s i o n Mu l t i p i e Ac c e s s , 広帯域符号分割多重アクセス) 方式または MC— C DMA (Mu l t i -C a r r i e r CDMA) の第三世代携帯電話を想 定する力 G SM(G l o b a l S y s t em f o r Mo b i l e c o mm u n i c a t i o n s ) , PHS (P e r s o n a 1 Ha n d y— p h o n e S y s t em), PDC (P e r s o n a l D i g i t a l C e l 1 u 1 a r ) 等の携帯電話またはコードレス電話においても適用可能で ある。
1 10 2は端末を収容し、 端末との無線信号の送受信を行い有線用の信号 に変換する基地局である。
1 10 3は交換機能を持つネットワークである。 ネットワーク 1 1 0 3は 専用線、 ATM ^A s y n c h r o n o u s T r a n s f e r Mo d e) を介して基地局と接続している。
1 104〜 1 1 09は基地局の内部構造を示す。
1 104は端末 1 1 0 1との無線信号の送受信を行う無線通信手段である。 無線通信手段 1 104はアンテナによる信号の受信、 端末の送信電力制御、 周波数の変調処理等を行う。 無線通信手段 1 1 04はアンテナ、 増幅器、 送 信用の電源、 制御プログラムを備える。
1 105はネットワーク 1 103の要求に応じて、 端末に対する通信路の 接続 ·切断制御を行う接続制御手段である。 接続制御手段は基地局の制御力 一ド内のプログラムとして実装される。
1 106は端末からの無線信号の符号変調処理、 有線信号への変換等の信 号処理を行う信号処理手段である。 基地局においては同時に多数の端末を収 容するため、 信号処理手段は同形式のカード、 L S Iおよびその組み合わせ からなるハードゥエァを多数準備した構成になる。 本実施の形態では基地局 が 4個の同種のハードウエアを備えると仮定し、 おのおの第 1信号処理カー ド 1 106 a〜第 4信号処理力ード 1 1 06 dと呼ぶ。
1 107は信号処理手段 1 106において、 発生した呼を信号処理カード に割り当てたり、 解放を行う無線リソース制御手段である。
1 108はネットワーク 1 103との信号の送受信を行う有線通信手段で ある。
1 10 9は信号処理手段の状態の監視を行い、 リソースの再配置の要不要 を判断し、 リソース再配置が必要な場合は無線リソース制御手段にリソース の再配置の指示を行う無線リソース監視手段である。
次に図 1 2を説明する。 図 1 2は信号処理手段 1 106の状態を示す。 こ
こでは、 信号処理手段 1 106内部の信号処理カード数を 4とし、 従来技術 と同様に各信号処理カードに 768 k b p sの信号の処理能力があり、 リソ ースを 24 k b p sの信号処理能力と定義し、 基地局が以下の呼の種類をサ ポートすると仮定する。
(a) 音声呼 リソース 1個
(b) 非制限ディジタル呼 (64 k b p s) リソース 3個
( c) ノヽ。ケット A呼 ( 1 28 k b p s ) リソース 6個
(d) パケット B呼 (384 k b p s ) リソース 1 6個
(e) 共通チャネル リソース 8個
なお、 サポートする呼の種類は、 通信サービスを提供する通信事業者によ つて異なる。 また、 リソース数の単位も基地局のハードウェアにより速度が 増減したり、速度の単位も s p s (S y m b o 1 s P e r S e c o n d) となることがある。
本発明において信号処理手段内の信号処理カードの数や、 信号処理カード の処理能力、 リソース数の単位が異なっている場合でも同様の効果が得られ る。 また、 基地局から端末への (下り)通信速度と端末から基地局への (上り) 通信速度が異なり、 両者の処理に用いるリソースを別に確保する場合'におい ても、 例えば上りと下りの所要リソース数のうち、 多い方をそのサービスの 所要リソース数とみなしてリソースの割り当てを行うことにより、 本発明は 適用可能である。 '
以下、 第 3の実施の形態の信号処理手段 1 106の構成を図 1 2を用いて 説明する。
図 12の第 1信号処理カード 1 106 a〜第 4信号処理カード 1 1 06 d は各々第 1ユニット (1 20 1 a〜 1 204 a) と第 2ユニット (1 20 1 b〜 1204 b) に分かれている。 各ュニットは L S I、 D S P等、 ベース バンド処理を行うハードウェアで構成される。 通常の基地局では、 回線構成 を単純化させるために複数のュニット間で処理する信号を同期させる仕組み
がないため、 1個の呼は 1つのュュットで処理しなければならない。
図 1 2は、 基地局が動作している状態を示している。 例えば、 第 1信号処 理カード 1 1 0 6 aでは、 第 1ユエット 1 20 1 aに共通チャネル (所要リ ソース数 8)、第 2ユニット 1 2 0 1 bに非制限ディジタル呼(所要リソース 数 3) と音声呼 2個 (各所要リソース数 1 ) が割り当てられていることを示 す。
本実施の形態では、 v a c a n c y [1 ] [ 1] = 1 6— 8 = 8のように、 カード番号とュニット番号で空きリソース数を記述することとする。 また、 v a c a n c y [ i ] のように添え字が 1つだけの場合は、 第 i信号処理力 ード 1 1 0 6 dにおける空きリソース数を示すこととする。 つまり V a c a n c y [ i」 v a c a n c y L i」 [1 ] + v a c a n c y [ i」 し2] で ある。
本実施の形態においては、 各処理カード内において呼が配置される位置は どこでもよいと仮定する。 よって、 無線リソース制御手段内の管理テーブル では空きリソース数のみを把握すればよい。 例えば、 図 1 2において、 非制 限ディジタル呼 1 2 0 6が解放された場合、 第 4信号処理カードの空きリソ 一ス数は非制限ディジタル呼 1 2 06を収容していた部分の空きリソース数 3と非制限ディジタル呼 1 20 6を解放する以前からの空きリソース数 1 3 を合計した 1 6であり、 空きリソース数 3と 1 3の 2つに空きリソースが分 かれることはない。
まず、 基地局 1 1 0 2における呼処理を端末 1 1 0 1の呼び出し等に用い る共通チャネルと音声呼、 非制限ディジタル呼、 パケット呼等端末毎に割り 当てられる個別チャネルに分けて説明する。
まず共通チャネル 1 2 0 5は端末に対する呼び出し用などに用いられ、 基 地局の起動直後に確保される。
ここでは番号の少ない順に信号処理カードに呼の割当を行うものとすると、 無線リソース割当手段 1 1 04は共通チャネルを処理するリソースを第 1信
号処理カードに割り当てる。
なお、 割当先の信号処理カードを決める方法としては、 カードの番号の少 ない順の他に、番号の多い順から割り当てる方法、全信号処理カードのうち、 最も空きリソース数が少ないものから割当を行う方法、 または最も空きリソ ース数が多いものから割り当てる方法が考えられるが、 いずれの場合でも本 発明の効果を得ることが可能である。
一方、 個別チャネルの確保は以下のように行われる。 まず、 端末 1 1 0 1 が基地局 1 1 0 2のカバーエリアに進入したとき、 ネットワーク 1 1 03に 対して ATTACH (端末の位置をネットワークに登録し、 端末を着信可能 な状態にする処理) を行う。 なお、 実際には端末の ATTACH時にもリソ ースが使用されるが、 その場合でも本発明の効果を得ることは可能である。 ただし、 本発明におけるリソースの割り当て ·再配置のアルゴリズム処理上 では、 ATTACHと他の呼の扱いは同じであり、 記述簡略化のため本発明 においては ATTACH時に使用されるリソースを考慮しない。
位置登録後、 端末 1 10 1が非制限ディジタル呼を発信すると、 基地局 1 102は端末 1 1 01とネットワーク 1 1 03間の呼に用いる通信路を確立 し、 非制限ディジタル呼用のリソース 1 206を第 1信号処理カード 1 1 0 6 aの第 1ユニット 1 20 1 bに割り当てる。
以下、 詳細にリソース割当の手順を説明する。 本手順は他の種類の呼を割 り当てる場合でも同様である。
まず、 端末 1 1 01が発信要求を共通チャネルを介して基地局 1 102経 由でネットワーク 1 1 03に出力する。 基地局 1 102の内部では、 まず無 線通信手段 1 1 04がこの要求を受信すると、 復調処理等を施して信号処理 手段 1 106内部で共通チャネルに割り当てられている第 1信号処理カード 1 1 06 aに出力する。第 1信号処理カード 1 1 06 aはベースバンド処理、 有線信号への変換処理を行い発信要求を有線通信手段 1 1 08に出力する。 有線信号手段が発信要求の信号を ATMなどへプロトコル変換を行い、 ネッ
トワーク 1 1 0 3に対して出力する。本実施の形態では、基地局 1 1 0 2は、 ネットワーク 1 1 0 3によってのみ制御され、 端末からの信号によっては制 御されない。 なお、 本発明のアルゴリズムはリソース割当処理のトリガに関 係しないので、 端末の信号によってリソース割当処理が制御される場合も同 様に本発明の効果を得ることが可能である。
ネットワーク 1 1 0 3は発信要求に対して、 基地局 1 1 0 2に対して端末 1 1 0 1用の非制限ディジタル呼用のリソース確保要求を出力する。 基地局 1 1 0 2はリソース確保要求に従い、 適切な信号処理カードに呼を割り当て る。
ネットワーク 1 1 0 3からのリソース確保要求に従い基地局 1 1 0 2がリ ソースを割り当てる手順を詳細に説明する。 まず、 ネットワーク 1 1 0 3か らのリ ソース確保要求が有線通信手段 1 1 0 8へ入力される。 このリ ソース 確保要求は基地局 1 1 0 2に対する制御要求なので、 接続制御手段 1 1 0 5 が検出する。 接続制御手段 1 1 0 5は無線リソース制御手段 1 1 0 7に対し て、 信号処理手段 1 1 0 6内において非制限ディジタル呼用のリソースを確 保させる要求を出力する。 無線リソース制御手段 1 1 0 7は信号処理手段 1 1 0 6の管理テーブルを参照し、 第 1信号処理カード 1 1 0 6 aに空きがあ るため、 ここに非制限ディジタル呼を割り当てる。 この割り当てられた呼が 図 1 2の音声呼 1 2 0 2である。 また、 無線リソース制御手段 1 1 0 7は内 部の管理テーブルの空きリソース数を割り当てたリソース数に応じて減らす。 なお、 呼の割り当て時のカードの選択方法には、 空きリソースが十分ある カードのうちカードの番号の大きい順または少ない順に呼を割り当てる方法 や、 空きリソースが多い順または少ない順に割り当てる方法が考えられる。 本実施の形態は割り当て後に呼を移動させる方法を示しているため、 任意の 方法を呼の割当方式として用いた場合でも本実施の形態と同様の効果が得ら れる。
リソースの割当を実施した後、 接続制御手段 1 1 0 5は、 無線通信手段 1
1 0 3、 信号処理手段 1 1 0 6 (第 1信号処理カード 1 1 0 6 a ) と有線通 信手段 1 1 0 8によって、 端末 1 1 0 1からの非制限ディジタル呼の信号を ネットワーク 1 1 0 3に適切に出力できるように通信路を設定し、 リソース 確保要求への応答を有線信号処理手段 1 1 0 8を介してネットワーク 1 1 0 3に対して出力する。 これにより端末 1 1 0 1からネットワーク 1 1 0 3ま での通信路が確立される。 これ以降より上位のレイヤの呼制御により端末 1
1 0 1の発信先との通信が開始されるが、 この部分は本発明と直接関係しな いため省略する。
図 1 2には、 非制限ディジタル呼の他、 音声呼、 バケツ A、 バケツト などのパケット呼があるが、 これらに対しても所要リソース数が異なる以外 は同様にリソースの割当処理を行う。
なお、 ここでは端末が発信する場合を説明したが、 端末が着信側になる場 合は、 着信要求がネットワークから生起されることを除き発信の場合と同様 の手順で割当を行う。
また、 呼が終了する場合は、 上位レイヤの呼切断処理の後、 ネットワーク 1 1 0 3から解放の対象となる呼の指定を含むリソース解放要求が基地局 1 1 0 2に対して出力される。この要求を接続制御手段 1 1 0 5が検出すると、 無線リソース制御手段 1 1 0 7に対してリソースを解放させる要求を出力す る。 無線リソース制御手段 1 1 0 7は解放する対象となる信号処理カードを 特定し、 信号処理手段 1 1 0 6に該当の呼を解放させる。 また、 無線リソー ス制御手段 1 1 0 7內部の管理テーブルで、 該当の信号処理カードの空きリ ソース数を増やす。
以上が本発明の前提となる呼接続 ·切断処理とリソース割り当ての概要で ある。
次に本実施の形態のリソースの再配置処理方法を示すフロー図である図 1 3を用いて、 本実施の形態の処理を示す。
本実施の形態では、 できるだけ 3 8 4 k b p sのバケツト B呼の呼損を発
生させないために、 高トラヒック時においてもいずれかの信号処理カードに バケツト B呼を収容できるように、 リソースの移動を行うと仮定する。 なお、 再配置により収容を可能にする呼の種類は他の種類の呼でもよい。 バケツト B呼をいずれかの信号処理カードに収容できる場合は、 本実施の 形態のアルゴリズムを実行しない。 本実施の形態においては、 パケット B呼 を必ず収容可能とするために、 再配置処理を実行するタイミングを、 空ュニ ット数が 0になった時とする。 つまり、 パケット B呼を収容できる空きリソ 一ス数は 1 6であるから、 再配置処理の起動の契機となる空ュニット数の閾 値 (以下 u n i t— t h r e s h o l dとも記述) を 1とする。
本実施の形態の再配置処理は、 基地局に収容した呼が解放されるタイミン グで起動される。 なお、 呼が割り当てられた直後や定期的に起動する場合で も、 本発明の効果を得られる。
処理 1 3 0 1で、 再配置において、 呼の移動元となる可能性のあるュニッ トの一覧である、 移動元候補ユニット集合を作成する。 この集合は、 初期化 時は全部の信号処理カードに搭載されている全ユニットを要素にする。 図 1 2の場合ならカード 4枚、 ユニットは 2個の構成なので集合の要素数は、 4 X 2 = 8個となる。
処理 1 3 0 2で再配置処理において、 空ュニットを作成する対象となるュ ニットを探す。 空ュニットは再配置処理で既に収容されている呼を他の信号 処理カード ·ユニットに移動することで作られる。 本処理では、 処理 1 3 0 2の通り、 以下の優先順位に従って移動元ュニットを選択する。
1 ) ュュッ トの空きリ ソース数が多い順
2 ) カードにおける空きリソース数の合計が多い順
3 ) カード番号が小さい順
4 ) ユニット番号が小さい順
カードにおける空きリソース数の合計よりュニット内の空きリソース数の 順番を優先した理由は、 本実施の形態のアルゴリズムではバケツト B呼の収
容のために空ュニットを用意する必要があるためである。
図 1 2の場合は、 最も空きリソース数が多いュニットは、 空きリソース数 が 1 1個の第 1信号処理カード 1 1 06 aの第 2ユニット 1 20 1 bと第 3 信号処理カードの第 1ュニット 1 20 3 aである。 次にカードの空きリソー ス数で比較を行うと、 第 1信号処理カード 1 106 aは空きリソース数 1 9 個 (総実装リソース数 3 2個から共通チャネル分 8個、 非制限ディジタル呼 分 3個、音声呼分 2個を引いた分)、第 3信号処理カード 1 106 cは 1 4個
(総実装リソース数 3 2個から音声呼分 9個、 非制限ディジタル呼分 3個、 パケット A呼分 6個を引いた分) なので、 第 1信号処理カード 1 1 06 aの 方が使用中のリソース数が少ない。 よって、 図 1 2の場合は、 第 1信号処理 カード 1 106 aの第 2ュニット 1 20 1 bが移動元ュニットとなる。
処理 1 303で移動元ユニットの中で、 移動させる呼を選択する。 この呼 の所要リソース数を以下 s o u r c e— c a l lと記述する。 本実施の形態 の処理は可能な限り大きい所要リソースの呼を受け入れることを目的として いる。 よって、 できるだけ空きリソース数を大きくするために、 ここでは所 要リソース数の多い呼を選択する。
図 1 2においては、 第 1信号処理カード 1 106 aの第 2ユニット 1 20 1 bでもつとも使用リソース数が多い非制限ディジタル呼 1 206が選択さ れる。
処理 1 304で選択した呼が他の信号処理カードに移動できるかを判定す る。 比較対象となるのは、 選択した呼の所要リソース数と、 他の信号処理力 一ド全てに搭載されるュニットの空きリソース数のうち最大のものである。 信号処理カード内の空きリソース数が、選択した呼の所要リソース数以上( s o u r c e_c a 1 l ≤ v a c a n c y [ i ] [ j ]力 S ヽずれ力の i、 j で成 立する (l≤ i≤4、 1≤ j ≤ 2)) の場合は、選択した呼は他の信号処理力 一ドに移動可能であり、 処理 1 305に進む。
一方、 選択した呼の所要リソース数の方が多い場合は、 選択した呼が他の
信号処理カードに移動不可能であるため、 処理 1 30 9に進む。
なお、 移動先のュュットとして、 移動元の呼が属するカードと同じュニッ トに収容を可能とする空きリソースがあれば、 同じカードのュニットを優先 的に移動先として選択する場合も、 本発明と同様にリソースの収容効率改善 の効果がある。
図 1 2においては、 全てのユニットの空きリソース数は 3以上なので、 処 理 1 305に進む。
処理 1 305では選択した呼の移動先を検索する。 移動先の信号処理カー ドでできるだけ空きリソース数を大きくしないようにするため、 空きリソー ス数が選択した呼の所要リソース数と近いものを選択する。
図 1 2の場合ならば、 移動する呼は所要リソース数 3の非制限ディジタル 呼なので、 移動元ユニットを除く全部のユニットのうち、 空きリソース数が 3と選択した非制限ディジタル呼 1 206の所要リソース数に最も近い第 3 信号処理カード 1 106 cの第 2ユニット 1 203 bを移動先として選択す る。
処理 1 306では、 移動する呼と移動先のュニットを移動呼先決定済みリ ス トに追加する。 この移動呼先決定済みリス トは、 図 14に示される。 本実 施の形態では呼の移動先決定済みリストに移動する対象の非制限ディジタル 呼 1 206と移動先の信号処理カードの番号と信号処理ュニット番号が格納 されている。
処理 1 307で、 再配置処理により、 選択したカードに閾値 u n i t„t h r e s h o 1 d以上の空ュニット数ができたかどうかを確認する。 具体的 には、 移動元カードの現時点の空ュニット数にこれから空ュニットになる数 を足した値が閾値以上になれば、これ以上の呼を移動させる必要はなくなる。 よって、 処理 1 307では移動呼リストに入っている呼を移動したときの空 ュニット数が閾値 u n i t_t h r e s h o l dを超えたかどうかを判定す る。
図 1 2の場合は、 第 1信号処理カード 1 1 06 aの第 2ュニット 1 20 1 bの空きリソース数 (v a c a n c y [ l] [2]) 力 1 1、 選択した呼の所 要リソース数が 3の合計 14で 1ユニットのリソース数 1 6より小さいので、 新たに空くユニット数は 0である。 現時点の空ユニット数も 0であり、 閾値 u n i t— t h r e s h o l d (= 1) 分の空ュニット数の確保はできない ため処理 1 304に戻る。
以上の処理 1 303〜処理 1 307の繰り返しにより、 リソースの再配置 を行う呼を選択する。 2回目、 3回目の繰り返しでは、 最終的に第 2信号処 理カードの音声呼 2個が選択される。 この場合は、 空きリソース数が最も少 ない第 2信号処理カード 1 1 06 bの第 2ユニット 1 202 bへ第 1信号処 理カード 1 1 06 aの第 2ュニット 1 20 1 bの 2個の音声呼を移動する。 これにより移動呼リストには第 1信号処理カード 1 1 06 aで収容した全て の呼が格納されるため、処理 1 307における判定でも、 V a c a n c y [ 1] [2] +移動呼リストの呼の総和 (音声呼 X 2 +非制限ディジタル呼 X 1 = 5) = 1 1 + 5= 1 6となり、 このユニットが空ユニットになることが分か る。 この移動により空ュュット数;^ 1になり、 閾値 u n i t— t h r e s h o l d (= 1) と一致するので、 処理 1 308に進む。
処理 1 308ではこれまでの処理でリストアップされた移動先決定済み呼 を全てそれぞれに対して選択したュニットに移動させる。 図 1 2の処理は以 上で終了する。
ところで、 処理 1 304において、 他の信号処理カードの空きリソース数 が選択した呼よりも小さかった場合は、 選択した呼が移動できないため、 移 動元ユニットを変更しなければならない。 よって、 処理 1 309に進む。 処理 1 309では、移動元として検索する対象のュ-ットを変更するため、 現在選択したュニットを移動元候補ュニット集合から削除する。
処理 1 3 1 0で、 移動元候補ュニット集合にュニットが残っているかを判 定する。 まだ残っていれば、 処理 1 302に戻り、 ユニットが残っていなけ
れば、 処理を終了する。 ここで終了する場合は、 呼の移動ができず空きリソ ースが作れないケースである。
なお、 本実施の形態では全てのカードの処理能力を同等と仮定したが、 力 一ドによって処理能力が異なる場合は空きリソース数だけでなく、 各カード に実装されているリソース数も管理するようにすれば、 本発明の効果は同様 に得られる。
なお、バケツト A呼等の収容を行うために、閾値を空ュニット数ではなく、 空きリソース数とすることも可能である。
その場合は、 以下のように変更を行うことにより、 本実施の形態と同様の 効果が得られる。
■処理 1 3 0 3において、 閾値から選択したュニットの使用リソース数を 引いて、 閾値を満たすために不足しているリソース数を算出する。 そして、 不足しているリソース数以上になるように呼を選択し、 その中から使用リソ ース数が大きいものから選択して、 移動先リソース数を探す。
■処理 1 3 0 7で空ユニット数ではなく、 空きリソース数を用いて再配置 の実行を行うかどうかを判定する。
さらに、 リソース数による動作の判定を入れた後、 リソース数の大きい呼 が移動できない処理 1 3 ひ 9以降の場合に、 現在の移動元ユニット以外のュ ニットにおいて移動させたい呼分の空きリソース数を作成させて、 そのュニ ットに移動できなかった呼を移動させることで呼損を減らすことが可能であ る。 具体的には、 処理 1 3 0 9以降において、 移動できなかった呼の所要リ ソース数を新たな仮の閾値として、 処理 1 3 0 2以降を実施すれば、 上記の アルゴリズムにより空きリソ^-ス数を閾値として再配置が行われ、 仮の閾値 分の空きリソースを作成できる。
以上、 本実施の形態では、 信号処理カード内部に信号処理を行うユニット が複数存在し、 ユニットにまたがった呼の割当ができない場合に、 あるュニ ットの使用リソース数を 0にするように再配置を行うことによって、 呼損を
減らしリソースの使用を効率的に行うことを可能とする効果が得られる。 (実施の形態 4 )
以下、 本発明の第 4の実施の形態について説明する。 本実施の形態におい ては、 複数の信号処理カードの使用リソース数を平準化させるアルゴリズム を説明する。
単純に負荷を分散させることだけを考えて複数の信号処理カードで使用さ れるリソース数を平準化する場合、 高トラヒック時に呼損が発生しやすくな る。 例えば実施の形態 3と同様に信号処理カードが 4枚あり、 各信号処理力 一ドにリソース 1 6個を収容できるュニットが 2個ずつある場合に、 1 0 8 個の音声呼が発生した場合、 各カード毎に 2 7個の音声呼が割り当てられる ので、 各カードの空きリソース数は 1 6 X 2— 2 7 = 5個となる。 よって、 全体として 1 6 X 4 X 2— 1 0 8 = 2 0個の空きリソースがあるにもかかわ らず所要リ ソース数 6以上の呼 (パケット A呼、 パケット B呼) の割当がで きない。
そこで、 本実施の形態では、 実施の形態 3に加えて、 さらにトラヒック量 に応じた処理を行う。 つまり、 トラヒック量が大きい時 (高トラヒック) と トラヒック量が比較的小さい場合(低トラヒック時)で再配置の処理を分け、 低トラヒック時には複数カードに空きリソースを分散させるような再配置方 式、 高トラヒック時には呼損を発生させないようにするために空きリソース を一部のュュットに集中させる再配置方式を実施する。
以下、 本実施の形態のアルゴリズムを図 1 5, 図 1 6, 図 1 7を用いて説 明を行う。
図 1 5は本実施の形態のアルゴリズムの動作を示すフロー図である。 図 1 6はそれぞれ呼の量が少なく リソースが空いている低トラヒック時と、 逆に 呼の量が図 1 6よりも多い比較的高トラヒックの場合の信号処理カードの状 態を示す構成図である。
図 1 5の処理は、 実施の形態 3と同様に呼の解放時に起動される。 なお、
本実施の形態は呼の発生時、 定期起動など、 起動タイミングによらず効果が 得られる。
第 1に処理 1 501で、 基地局のカバーエリアで発生しているトラヒック 量を判定する。 低トラヒック時は処理 1 502以降の負荷分散処理に進み、 高トラヒック時は処理 1 509以降の、 基地局内の最大空きリソース数を大 きくする処理に進む。 具体的にトラヒック量を判定する方式は全力一ドで使 用しているリソース数の他、 ユニット数を用いることができる。 本実施の形 態では、 「全部の信号処理カードにそれぞれ空ュニットが 1個ずつある」とい うように閾値を 1ユニットとし、これより低い場合を低トラヒックと判断し、 処理 1 5 02以降の負荷分散の処理を起動する。
なお、 「全部の信号処理カードで合計 64個の空きリソースがある状態(∑ v a c a n c y [ i ] ≥ 64)」 とリソース数で閾値を定義することも可能で あり、 その場合でも本発明の効果が得られる。
図 1 6の場合、 全部の信号処理カードにおいて空ユニットがあるので、 低 トラヒック時に分類する。 よって、 図 1 6の場合は処理 1 502に進む。 一 方、 図 1 7の場合は、 空ユニットのあるカードがないため高トラヒック時に 分類され、 処理 1 509に進む。
本実施の形態では、 低トラヒック時をまず説明する。 低トラヒック時は図 1 6に対応する。
第 2に処理 1 502では、 全信号処理カードの空きリソース数の平均と、 各カードの空きリソース数と平均の差(偏差)を全力一ドに関して算出する。 図 1 5の場合は、 第 1信号処理カード 1 1 06 a〜第 4信号処理カード 1 106 dでそれぞれ、 24個、 23個、 27個、 26個となっているので、 各信号処理カードの平均空きリソース数 (以下 m e a n_v a c a n c yと も記述する) は 2 5個である。
一方、 各信号処理カードの空きリソース数の偏差は以下のようになる。 第 1信号処理力ード 1 106 a : 24— 25=— 1
第 2信号処理力ード 1 106 b : 23— 25 =— 2
第 3信号処理力ード 1 106 c : 2 7— 25 = 2
第 4信号処理力ード 1 1 06 d : 26— 25 = 1
第 3に、 処理 1 50 3で空きリソース数を各信号処理カード間で平準化さ せるため、 他の信号処理カードより比較的負荷の高い (空きリソース数が少 ない) カードを移動元カードとして選択し、 選択した信号処理カードから呼 を他の信号処理カードに移動させる。 具体的には、 まず移動元のカードとし て、 全信号処理カードのうち、 最も空きリソース数の少ない信号処理カード を選択する。 次に、 移動先のカードとして、 呼を収容しているユニットのう ち、 空きリソース数が最も多いユニットを選択する。 これは、 空きリソース 数が多いュニットから呼を他のカードに移動させた方が、 より大きい空きが でき、 所要リソース数の多い呼を収容しやすくなるためである。
図 1 6の場合は、 空きリソース数が最も少ない第 2信号処理カード 1 1 0
6 b力、ら、 第 1ュニット 1 602 aを選択する。 第 1ュニット 1 602 aを 選択する理由は、 第 2信号処理カード 1 1 06 bで使用されている唯一のュ ニットであるからである。
第 4に、 処理 1 504で移動元の呼を選択する。 カード間で使用されてい るリソース数を平準化するためには、 使用リソース数を各カード間の平均に 近づけなければならない。 よって、 呼を他の信号処理カードに移動した場合 に、 移動元カードで偏差の 2乗が減少する場合にのみ呼を移動させることと する。 なお、 平均以上の使用リソース数の信号処理カードに検索対象を限定 しても効果は同じである。
図 1 6の場合は、 バケツト A呼 16 05を移動対象として選択したと仮定 すると、 移動前は空きリソース数 23個 (偏差が一 2 (v a c a n c y [2] — me a n一 v a c a n c y = 2 3— 25 =— 2)なので、偏差の 2乗は 4)、 移動後は空きリソース数が 29 (偏差の 2乗は (29— 25) の 2乗で 1 6) となるので、 偏差の 2乗は増加する。 よってパケット A呼は選択されない。
非制限ディジタル呼 1 6 0 6を選択した場合、 移動後の使用リソース数は 6 (偏差の 2乗は (2 3 + 3— 2 5) の 2乗で 1 ) となるので偏差の 2乗が最 も小さくなる。よって、非制限ディジタル呼 1 6 06を移動対象の呼とする。 第 5に、 処理 1 5 0 5で移動対象の呼が選択できなかった場合には、 ルー プの終点である処理 1 5 0 8に進み、 他のユニットを検索する。 移動対象の 呼を選択できた場合は処理 1 5 0 6に進む。
図 1 6の場合は、 移動対象の呼が見つかっているので、 処理 1 5 0 6に進 む。
第 6に、 処理 1 5 0 6で移動先のユニットを検索する。 移動先のユニット は、 使用リソース数が 1以上で、 移動前と移動後で使用リソース数の偏差の 2乗が最も減少するュニットを選択する。
図 1 6の場合は、 使用中のュニットである、 第 1信号処理カード 1 1 0 6 a、 第 3信号処理カード 1 1 0 6 c、 第 4信号処理カード 1 1 0 6 dの第 1 ュニット 1 6 0 1 a、 1 6 0 3 a、 1 6 0 4 aが移動先の候捕となる。 非制 限ディジタル呼 1 6 0 6を移動させたとすると、 移動先によつて以下のよう に使用リソース数が変わる。 -
( 1) 第 1信号処理カード 1 1 06 aでは、 使用リソース数が共通チヤネ ル 8 +非制限ディジタル呼 3 = 1 1→空きリソース数は 2 1 (偏差の 2乗は 1 6)
(2) 第 3信号処理カード 1 1 0 6 cでは、 使用リソース数が共通チヤネ ル 5 +非制限ディジタル呼 3 = 8→空きリソース数は 24 (偏差の 2乗は 1 ) (3) 第 4信号処理カード 1 1 0 6 dでは、 使用リソース数が共通チヤネ ル 6 +非制限ディジタル呼 3 = 9→空きリソース数は 2 3 (偏差の 2乗は 4) よって、 空きリソース数の偏差の 2乗が最も少ない第 3信号処理カード 1 1 0 6 cの第 1ュニット 1 6 0 3 aが非制限ディジタル呼 1 6 06の移動先と なる。
第 7に処理 1 5 0 7で呼の移動可否を判定する。 呼が移動できる場合は処
理 1 5 1 5の移動処理に進み、 ループを抜ける。 呼が移動できない場合は処 理を終了し、 ループを続行する。 具体的には、 移動先でも空きリソース数の 偏差の 2乗が減少するュニットの有無で決める。
図 1 6の場合は、 呼が移動できるので、 処理 1 5 1 5に進む。
第 8に処理 1 5 1 5で、 移動元の呼を移動先のユニットへ移動し、 再配置 処理を終了する。
なお、 処理 1 5 0 7で呼の移動ができない場合は、 処理 1 5 0 8でュニッ トが残っていればループを続行するので処理 1 5 0 3に戻り、 全ての移動元 検索の対象となった呼を選択済みであればループを終了して、 一連のリソー スの再配置に関する処理を終了させる。
以上で低トラヒック時のリソースの再配置処理の説明を終わる。
図 1 6の説明の次に、 処理 1 5 0 9以降の高トラヒック時の処理を図 1 7 を例として、 説明する。
ここでは、 低トラヒック時と同様に、 各信号処理カードの空ユニット数の 閾値を 1とする。 高トラヒック時は、 できるだけ各カードが閾値以上のュニ ットを確保できるように呼の再配置を実施する。
以下、 具体的な高トラヒック時のリソース再配置処理を説明する。
第 1に処理 1 5 0 9で、 移動元のユニットを検索する。 この検索は、 閾値 以下の空ュニットがあるカードのうち、 最も使用リソース数の少ない順に検 索を行う。
図 1 7の場合、 空ュニット数の閾値 1より空ュニット数が少ないカードは 第 2信号処理カード 1 1 0 6 bと第 4信号処理カード 1 1 0 6 dである。 こ れらの信号処理カードが持つュニットのうち、 最も使用リソース数が少ない ュニットは第 2信号処理カード 1 1 0 6 bの第 2ュニット 1 7 0 2 bである。 第 2に処理 1 5 1 0で、 選択したユニットから所要リソース数の多い順に 呼を順次選択して、 移動元の呼を検索するループを開始する。
図 1 7の場合、 選択した呼の所要リソース数と最も空きリソース数が近い
ュニットである第 2ュニット 1 7 0 2 bを移動先のュニットとして選択する。 第 2ユニット 1 7 0 2 bには非制限ディジタル呼 1 7 0 5だけが収容されて いるので、 この非制限ディジタル呼 1 7 0 5を移動元の呼として選択する。 第 3に処理 1 5 1 1で移動元の呼が移動可能か判断する。 選択した呼の他 のユニットへの移動可否を決める条件は、 以下の 2つである。
( c 1 ) 移動先侯捕のュニットが属するカードの空きリソース数が平均以 上である。
( c 2 ) 移動先候補のュニットの空きリソース数が選択した呼の所要リソ ース数より多い。
移動可能な場合は処理 1 5 1 4に進みループを抜ける。 移動が不可能な場 合は処理 1 5 1 2に進んで、 ループを続行する。
図 1 7の場合、 非制限ディジタル呼 1 7 0 5は他のどの信号処理カードに も移動可能なので、 処理 1 5 1 4に進む。
第 4に処理 1 5 1 4で移動先のュュットを選択する。 処理 1 5 1 4では、 できるだけ大きい空きを残して所要リソース数の大きい呼を収容可能とする ため、 移動先の候補となるュニットのうちで、 最も空きリソース数と選択し た呼の所要リソース数が近いュニットを移動先のュニットとして選択する。 図 1 7の場合なら、 非制限ディジタル呼の移動先の候補として、 第 1信号 処理カード 1 1 0 6 a、 第 3信号処理カード 1 1 0 6 c、 第 4信号処理カー ド 1 1 0 6 dの 3つがある。 それぞれ第 1ュニットの空きリソース数は 8、 4、 5であるため、 最も非制限ディジタル呼 1 7 0 5の使用リソース数 3に 近い第 3信号処理カード 1 1 0 6 cの第 1ユニット 1 7 0 3 aが移動先ュニ ットとして選択される。
第 5に処理 1 5 1 5で移動元の呼を移動先のュニットへ移動する。
図 1 7の場合は、 非制限ディジタル呼 1 7 0 5を第 3信号処理カード 1 1 0 6 cの第 1ュニット 1 7 0 3 aに移動させる。
ところで、 空きリソース数が 0の場合などは、 処理 1 5 1 1で移動可能ュ
ニットが無いと判定され続けて処理 1 5 1 2 , 処理 1 5 1 3のループが終了 し、 再配置を実施せずに一連の処理が終了する。
なお、 本実施の形態では移動元の呼と移動先のュニットを選択するときに 両方のュニットで使用リソース数の偏差の 2乗が減少することを条件とした 力 以下の方法を用いても本実施の形態と同様の効果が得られる。
( a ) 移動前 ·移動後の全力一ドの分散または標準偏差を全ての収容中の 呼と行き先のュニットの組合せに関して計算し、 最も分散が減る移動元の呼 と移動先のユニットの組合せを選択して呼の移動を行う方法
( b )移動前のュニットの偏差の増減と移動先のュュットの偏差の増減を、 移動前と移動した後の両方で計算して移動後の方が偏差が最も少なくなる組 合せの呼の移動を行う方法
( a ) は最も確実な方法だが、 基地局で収容されている全ての呼に対して 移動先の候補は複数考えられるので、 全ての移動元の呼と移動先のュニット の組合せについて分散を計算すると、 再配置先を決定する無線リソース制御 手段の計算負荷が大きくなるので、 1秒間に多くの呼が発生する可能性があ り、それらを短時間で処理しなければならない基地局で用いることは難しい。 また、 基地局においては必ずしも厳密なカード間の負荷分散を行う必要はな レ、。 本実施の形態のような簡便な処理で十分である。
以上、 本実施の形態においては、 トラヒックの量を判断し、 低トラヒック 時は各カードのリソース数を平準化して負荷を分散させるように再配置を行 うこと、 高トラヒック時にはできるだけュニットにリソースを詰め込むこと で空きリソースを大きく取って所要リソース数が大きい呼の収容を可能にす るように再配置を行うことにより、 呼損をできるだけ発生させずに低トラヒ ック時に各カード間の負荷分散を可能とする効果が得られる。
以上説明したように、 本願発明は、 リソースを割り当てた後に、 収容した い呼が使用するュニット単位で閾値を決め、 信号処理カードのいずれにも閾 値分の空ュニットが無くなったときに、 閾値分の空ュニットを作るようにリ
ソースを再配置することで、 呼損を少なくして信号処理カードの能力をより 有効に利用することができる。
また、 リソースを割り当てた後に、 トラヒックの高低を分けるための空ュ ニット数の閾値をュニット単位で決定し、 空ュニット数が閾値より少ない場 合は高トラヒックなので、 1枚のカードに占有リソース数の大きい呼を収容 できるようにし、 低トラヒック時は信号処理カード間の使用リソース数を平 準化させるように再配置を行うことで、 割当時のリソースの分散配置方式だ けでは改善できない呼損をより効果的に回避することができる。
また、 本願発明によれば、 トラヒック記録手段を設け、 リソース監視手段 がトラヒック記録手段に格納されたデータを元に、 リソース再配置処理を起 動する条件である閾値を動的に書き換え、 閾値になるまで繰り返し再配置を 行う無線リソース制御手段と、 最大の空きリソースのサイズを監視し、 閾値 以下になった場合に、 無線リソース制御手段を起動する無線リソース監視手 段とを設けることにより、 既存の呼を切断せずに新規呼を収容し、 呼損を減 らしかつ基地局の収容能力を増大させる効果が得られる。
さらに本願発明によれば、 無線網制御装置に基地局リソース監視手段と基 地局リソース制御手段の 2つを設け、 カバーエリアが重なっている複数の基 地局間でリソース再配置を行うことにより、 基地局の負荷分散及び端末から の呼損を防ぎ、 リソースの使用率を向上させることができる。
また、 本願発明は、 無線通信に関するリソース数の異なる複数種の呼を複 数の信号処理カードに割り当てる基地局のリソース割り当て方法であって、 時間帯ごとに発生する呼の種類と数を記録し、 前記時間帯毎に最も発生する 比率が高い種類の呼のリソース数を元にその時間帯の空きリソース数閾値を 決定し、 前記閾値に基づき、 前記複数の処理カードに収容されている呼の再 配置処理を行うことを特徴とする、 リソース割り当て方法である。 これによ り、 リソースの位置や時間に適応して、 リソースの再配置ができる。
さらに、 前記閾値に基づき呼の再配置が必要だと判断されたときに、 既に
収容されている呼を他の信号処理カードに移動させて前記閾値以上の空きリ ソース数を確保する移動元カードを選択し、 前記移動元カードに既に収容さ れている呼のうち、 他の信号処理カードに収容先があるかどうかを判定し、 他の処理カードに収容先があるとき、 移動させる呼である第 1の移動呼を収 容先となる移動先カードに再配置する第 1の再配置処理を前記移動元カード に前記閾値以上の空きリソース数を確保するまで繰り返し、 他の処理カード に収容先がないとき、 前記移動元カードに収容されている移動呼を収容させ るために、 前記移動元カード以外に収容されている移動呼を第 2の移動呼と して再配置する第二の再配置処理を、 前記移動元カードに収容されている移 動呼を移動可能にするまで繰り返すことにより、 既存の呼を切断せずに新規 呼を収容し、 呼損を減らしかつ基地局の収容能力を最大限に活用できる効果 が得られる。
さらに、 本願発明は、 前記閾値に基づき呼の再配置が必要だと判断された ときに、 既に収容されている呼を移動させて前記閾値以上の空きリソース数 を確保する移動元カードを選択し、 前記移動元カードに既に収容されている 呼のうち、 他の処理カードに収容先があるかどうかを判定し、 他の処理カー ドに収容先があるとき、 移動させる呼である移動呼と収容先となる移動先力 一ドとを移動呼リストに登録し、 前記移動呼リスト内の所要リソース数と、 前記移動元カード内で前記閾値のリソース数に不足している不足リソース数 との大きさを比較し、 前記所要リソース数が前記不足リソース数以上のとき には、 前記移動呼を全て移動させて処理を終了し、 前記所要リソース数が前 記不足リソース数以下のときには、 再ぴ移動呼及ぴ移動先カードを決定する 処理を実行し、 他の処理カードに収容先がないとき、 前記不足リソース数以 上となる、移動候補呼の組合せを前記移動元カード以外のカードカゝら選択し、 前記移動候補呼のうち一つの移動呼を選択し、 再配置処理を行った場合に再 配置処理により空きができる処理カードを前記移動呼リストに追力 Βし、 全移 動候補呼について再配置処理が終了したときに、 前記移動呼リスト内の移動
呼を全て移動させて処理を終了することにより、 既存の呼を切断せずに新規 呼を収容し、 呼損を減らしかつ基地局の収容,能力を最大限に活用できる効果 が得られる。
さらに、 複数の基地局のカバーエリアを監視し、 前記カバーエリアが重な る 2以上の基地局間で移動呼と移動先カードを決定し再配置処理を行うこと により、 カバーエリアが重なっている複数の基地局間でリソース再配置を行 うことにより、 基地局の負荷分散及び端末からの呼損を防ぎ、 リ ソースの使 用率を向上させることができる。
また、 本願発明は、 複数種の呼を複数の信号処理カードに収容する基地局 であって、 時間帯ごとに発生する呼の種類と数を記録するトラヒック記録手 段と、 前記トラヒック記録手段に記録された、 前記時間帯毎に最も発生する 比率が高い種類の呼のリソース数を元にその時間帯の閾値を決定する無線リ ソース監視手段と、 前記閾値を元に既に前記信号処理カードの呼の再配置処 理制御を行う無線リソース制御手段とを具備することを特徴とする基地局で ある。 これにより、 リソースの位置や時間に適応して、 リソースの再配置が できる基地局を提供する。
さらに、 無線リソース制御手段は、 再配置によって移動される移動呼と前 記移動される呼を収容する移動先カードとを管理する管理テーブルを備え、 前記管理テーブルには、 前記閾値のリソース数を確保するための再配置処理 に対応する前記移動呼と前記移動先カードの組合せリストが記録されている ことにより、 既存の呼を切断せずに新規呼を収容し、 呼損を減らしかつ基地 局の収容能力を最大限に活用できる基地局を提供できる。
さらに、 本願発明は、 トラヒック記録に応じた閾値に基づき再配置を行う 複数の基地局のリソースを管理する基地局リソース管理手段と、 前記複数の 基地局と通信する通信手段と、 前記閾値に基づく再配置処理を、 カバーエリ ァの重なる基地局間で行わせる基地局リソース制御手段と、 を具備すること を特徴とする無線網制御装置である。 これにより、 リソースの再配置を行い
カバーェリァの重なる基地局同士のリソースを有効に活用させることができ る無線網制御装置を提供することができる。
さらに、 本願発明は、 リソースを割り当てた後に、 収容したい呼が使用す るュニット単位で閾値を決め、 信号処理カードのいずれにも閾値分の空ュニ ットが無くなったときに、 閾値分の空ユニットを作るようにリソースを再配 置することで、 呼損を少なく して信号処理カードの能力を有効に利用する。 また、上記課題を解決する為に、本願発明は、 リソースを割り当てた後に、 トラヒックの高低を分けるための空ュニット数 (空ュ-ットは、 使用リソー ス数が 0のユニッ トを示す。 以下同) の閾値をユニッ ト単位で決定し、 空ュ ニット数が閾値より少ない場合は高トラヒックなので、 1枚のカードに占有 リソース数の大きい呼を収容できるようにし、 低トラヒック時は信号処理力 一ド間の使用リソース数を平準化させるように再配置を行うことで、 割当時 のリソースの分散配置方式だけでは改善できない呼損を回避する。
本明細書は、 2 0 0 3年 5月 1 4日出願の特願 2 0 0 3— 1 3 5 8 1 8お ょぴ 2 0 0 3年 6月 2 7日出願の特願 2 0 0 3— 1 8 4 1 6 0に基づく。 こ れらの内容はすべてここに含めておく。 産業上の利用可能性
本発明は、 無線通信を行う端末を収容する無線ネットワーク装置において 装置内の資源を各端末に適切に割り当てるリソース管理方式に適用すること ができる。