WO2004097415A1 - バイオチップおよびバイオチップキットならびにその製造方法および使用方法 - Google Patents

バイオチップおよびバイオチップキットならびにその製造方法および使用方法 Download PDF

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Abstract

 高効率に短時間で被検体中の標的物質とプローブが反応し、B/F分離効率が高く、高感度での定量検出が可能であるバイオチップおよびバイオチップキットならびにその製造方法、当該バイオチップキットを用いた、被検体中の標的物質とプローブとの反応方法、被検体中の標的物質の分離分画方法および検出・同定方法等を提供する。本発明のバイオチップは、均一な孔径を有するストレートな細孔が均一な孔間隔で形成されたフィルターが設けられたウエルを備えている。このウエルに、プローブ担持粒子が分散された分散液が収容され、ウエルへ被検体を投入してプローブ担持粒子と反応させる。被検体溶液などの溶液は、フィルターを通してウエルへ導入し、あるいはウエルから排出させることができる。

Description

明 細 書 パイォチップぉよぴバイォチップキットならぴ.にその製造方法および使用 方法 . 技術分野
本発明は、 均一な孔径を有するストレートな細孔からなるフィルターが 底部に設けられたゥエルを備えるバイォチップ、 および該バイォチップと 容器からなるバイオチップキット、 プローブ担持粒子と相互作用する被検 体物質中の標的物質とプローブとの反応もしくは相互作用方法、 被検体か ら標的物質を B Z F分離する方法、 標的物質を被検体から分離分画する方 法、 およぴ被検物質中の標的物質とバイォプローブとの反応相互作用の検 出 ·同定方法に関する。 背景技術
二本鎖 D N Aは、 例えば加熱により一本鎖 D NAとした場合でも、 これ らの構造が相補的であるため相互に結合するという性質を有し、 この性質 を利用して、 ノーザンハイブリダィゼーシヨン法が確立された。 そして、 従来、 適当な長さの特定の配列を有する D N Aを制限酵素などでフラグメ ント化したもの、 あるいは合成したオリゴヌクレオチドをプローブとして 使用し、 これらと相補的な配列を有する D N Aフラグメントゃオリゴヌク レオチド等を検索することが標準的な手法として行われてきた。
しかしながら、 ノーザンハイプリダイゼーシヨン法は、 操作が煩雑であ り、 少数の被検体を処理する場合であっても、 短時間にこれらを処理する ことができないという問題点があった。 このため、 ノーザンハイブリダィ ゼーシヨン法を応用した簡便な処理方法として、 スライ ドグラス等の基板 上に上記のようなオリゴヌクレオチド等を高密度に固定化し、 短時間で分 析を行うことができる D N Aチップが開発され、 現在、 汎用に使用されて いる。
この D N Aチップの代表的な例として、 シリコン等の平面基板上にオリ ゴヌクレオチドが固定されたものがある。 このチップは、 基板上に 1塩基 を固 した後、 この塩基と他の塩基とを 1塩基ずつ結合させて、 2 0〜3 0塩基程度の長さまで伸張させて作成することができ、 光照射下または酸 の存在下で所定の塩基配列をもつオリゴヌクレオチドを直接チップ上で合 成して D N Aチップを製造することができる。 例えば特開昭 6 3— 2 7 0 0 0号公報には、 シリコン等の基板上にオリゴヌクレオチド等を In Situ 合成した D N Aチップが記載されている。
あるいは、 c D N Aあるいは予め合成しておいた適当な長さのオリゴヌ クレオチド等の核酸を基板上に結合させて作成することができ、 この方法 では、 別途用意した核酸を粒子担体から分離し、 これをスポッターにより 所定位置にスポッ トする、 いわゆるブラウン法が用いられる。
しがし、 前者の方法では、 塩基配列をチップ上で合成するため、 一部の 塩基配列で合成ミスが生じると、そのチップ全体が不良品となってしまう。 この結果、 チップの歩留まりは y 4npとなる。 ここで、 yは 1回の塩基合成 工程における正合成確率、 nは塩基数、 pはプローブ数である。 したがつ て、 プローブ数が増えると歩留まりが幾何級数に低下することになる。 そ こで、 予備のプローブを設けて不良プローブの代替プローブを設けること が行われているが、 基板面積が大きくなる。 一方、 後者の方法では、 D N Aのスポット量とスポット位置は、 スポッ ターの精度などに大きく依存し、 良好な再現性を得ることが難しい。
また、 これらのマイクロアレ一あるいは D N. Aチップでは 1被検体につ いて数万項目の核酸等のプローブが搭載可能であり、 数万項目の同時他項 目検査が可能である一方、 プローブは基板に固定されており、 被検体とプ ローブとの反応は固定されたプローブと液体中の被検体との反応、 いわゆ る固液反応と称される反応となる。 一般に固液反応は反応効率が悪く、 被 検体とのいわゆるハイブリダィズ反応は数時間を要する。
また、 目的とする塩基配列を有する核酸を精度良く検出するためには、 狭いスペースに効率よく、 この核酸と相補的な配列を有する核酸 (以下、 「プローブ」 ともいう。) を固定する必要がある。 このようなプローブを基 板上に固定できる数は、 個々のプローブの占有面積と D N Aチップ自体の 大きさから定まり、 一定数以上を固定することは物理的に不可能である。 そして、 現在使用されている D N Aチップのような、 被検体に浸漬して反 応させるスタイルのチップでは、 使用可能な被検体溶液の量が非常に少な い場合もあることから、 チップ自体は小さい方がよい。
しかし、 チップの大きさを小さくしていくと、 プローブを固定できる面 積が小さくなることから、 狭いスペースのために検出信号が弱くなり、 検 出感度が低下する。
こうした点を改良すべく、 最近では、 三次元ゲル上に上記のようなプロ ーブを固定したチップが製造され、 市販されている (例えば、 Analytical Clinica Acta 第 4 4 4卷 p . 6 9— 7 8 ( 2 0 0 1年) を参照)。 これ らのチップでは、 プローブが三次元ゲル上に三次元的に固定され、 プロ一 ブ密度が高いために検出信号の強度は高くなるが、 ノイズの信号強度も高 くなるために S ZN比が上がらず、 検出精度の大幅な改善は難しい。 ここ でノイズの信号強度が上がってしまう要因としては、 三次元ゲル上に固定 されたプローブと被検体との非特異的反応によって形成された生成物の除 去が難しいことが考えられる。
一方、 中空糸を束ねて、 これらの中空糸の内面側壁にプローブを結合さ せて三次元化プローブを形成し、 これによりプローブ密度を向上させたチ ップも開発されている (特開 2 0 0 0 - 1 8 1 0 7 4号公報を参照)。 また、 垂直異方性の細孔を有する多孔質アルミナ基板を用い、 この垂直 な孔の内壁にプローブを固定して三次元構造とすることでプローブ密度を 上げ、 さらに孔が垂直に空いたフローダウン構造を利用して、 被検体とプ ローブとを反応させた後に非標的物質を洗浄除去することが可能なバイォ チップも近年開発されている (特表平 9— 5 0 4 8 6 4号公報 (国際公開 第 0 1ノ 1 2 8 4 6号公報) を参照)。
このようにプローブを中空糸の内面側壁あるいは多孔質アルミナの細孔 内壁と結合する上記したいずれの方法においても、 プローブは固定壁に固 定されているために、 被検体とプローブとが反応する際には、 被検体が固 定されたプローブへ近接あるいは接触する必要がある。 しかしながら、 こ のプローブの大きさは、 反応空間容積と比較すれば極めて微小であり、 反 応空間のスケールで見れば、 プローブは固定壁からわずかに突起として飛 ぴ出しているに過ぎず、 被検体がプローブに近接あるいは接触する確率は 極めて低い。 したがって、 これらの方法では反応のために長時間の攪拌を 必要とする。
また、 このように三次元構造の内壁にプローブを固定化した場合、 孔の 深さを深くすると、 穴内部側壁の表面張力が大きくなり検体や洗浄液など の入排出が困難となる。
上記のように固定壁へプローブを固定する代わりに、 粒子へプローブを 担持して、 このプロ一ブ担持粒子を含む溶液中.で、 プロ一ブ担持粒子と被 検体中の標的物質とを反応させる方法も行われている。 この方法は、 プロ 一ブ担持粒子が溶液中に三次元的に分散していることと、 プローブ担持粒 子と被検体とが相互に移動することができることから、 反応性が非常に高 いというメリットがある。 例えば、 ラテックス粒子表面のプローブに被検 体中の標的物質を特異的に反応させ、 何らかの B F (Bound form / Free form) 分離によって、 特異的にプローブに反応結合した標的物質の内容を 解析する検出 ·同定方法が知られている。
Nucleic Acid Research 第 1 4卷 p . 5 0 3 7 - 5 0 4 8 ( 1 9 8 6年) には、 被検体である標的核酸と、 粒子に担持された核酸プローブと を溶液中でハイブリダィズさせた後、 遠心分離して未反応の被検体を除去 する方法が記載されており、 この方法は現在でも広く使用されている。 し かしながら、 このように遠心分離を用いると、 分離に時間を要し、 また分 離性能がそれほど高くないという問題点がある。
特開昭 6 3— 2 7 0 0 0号公報、 特許第 2 9 7 5 6 0 3号公報には、 プ ローブを坦持する粒子として磁性の粒子を使用し、 磁石によりこの磁性粒 子を固定して、 未反応の被検体を洗浄除去する方法が記載されている。 こ の方法も現在広く使用されている。 しかし、 磁性粒子は一般に磁気特性を 発揮するためには 1ミクロン以上の大きさが必要であり、 フェライ ト等の 金属磁性成分を含有するため比重が大きく、 沈降や凝集し易く保存性や操 作性に注意が必要である。
特開昭 6 3— 2 7 0 0 0号公報には、 被検体である標的核酸と、 粒子に 担持された核酸プローブと'を溶液中でハイプリダイズさせた後、 濾紙で濾 過洗浄を行い、 濾紙上に濃縮された反応由来の信号を測定する方法が記載 されており、 この方法も広く使用されている。 .しかし、 この方法では粒子 として用いるラテックス粒子の量が非常に多く、 濾過に時間を要するとと もに、 濾紙が目詰まりし易い。
また、 これらの文献に記載された、 プローブ坦持粒子を使用するいずれ の方法においても、 1種類の被検体に対して、 複数のプローブによる多項 目同時検査 (Multiplex Assay) あるいは多項目同時分離分画を行うことが できない。
プローブ担持粒子を使用して多項目同時検査を行う方法として、 複数の プローブを識別する何らかの識別ラベルを付けた粒子を用いる方法が提案 されている。 例えば米国特許第 5, 7 3 6 , 3 3 0号公報、 特開昭 6 2— 8 1 5 6 6号公報、 特公平 7— 5 4 3 2 4号公報には、 蛍光着色した複数 の粒子あるいは粒子径の異なる複数の粒子を用い、 粒子毎に異なるプロ一 ブを坦持させ、 色や粒子径等でプローブの種類を特定し、 被検体とプロ一 ブ担持粒子との反応をフローサイトメーターで検出するする方法が記載さ れており、 この方法も現在広く用いられている。
しかし、 この方法では被検体と反応させたプロ一ブ坦持粒子をフィルタ 一付き 9 6孔プレートで濾過するか、 あるいは遠心分離等の方法で B / F 分離した後に、フローサイトメ一ターに分注して検出している。この場合、 被検体は一度フィルター付きプレートゃ遠心分離用遠沈管で処理されその 後フローサイトメーターに掛けられるために、 工程が増えるとともに、 プ レートや管による汚染ゃ被検体の付着による減損の可能性がある。
また、 色で識別する方法では、 識別し得る色の種類に限度があり、 一定 の波長範囲と光強度の組み合わせで分光できる光は約 1 0 0種類であり、 したがって、 約 1 0 0種類の色と強度の組み合わせ、 すなわち 1 0 0種類 のプローブの同時検査が限度といわれている。
この他、 特開平 1 1— 2 4 3 9 9 7号公報には、 粒子サイズとその形状 により粒子を識別する方法が記載されている。 また、 特開 2 0 0 0— 3 4 6 8 4 2号公報には、 粒子を一次元あるいは二次元に配列し、 種類の異な るプローブ粒子を区分するために、 サイズの異なる微粒子を分離隔壁とし て用いる方法が記載されている。
上記した各文献に記載された、 粒子を識別して多項目同時検査を行うい ずれの方法においても、 粒子の識別のためにフローサイトメーターによる 検出が行われている。 しかしながら、 このフローサイトメーターによる方 法では、 粒子を細管中に流し、 この細管の透明部分からレーザーを照射し て粒子をシークェンシャルに識別するために、 検出時間が掛かるという問 題点がある。 また、 検出時間を短縮するためには 1個の粒子識別に時間が 掛けられず、 検出精度が低下する可能性がある。 また、 フローサイトメ一 ターの細管は高価であり、 被検体を替えるごとに細管を取り替えることは コスト的に困難である。 このため、 被検体を替えるごとに細管を洗浄する 必要があり、 洗浄を充分に行うためにはさらに時間を要する。
バイオチップには、 そのプローブとして D N Aフラグメントまたはオリ ゴヌクレオチドを固定した D N Aチップの他、 抗原および抗体等のタンパ クあるいはこれらのタンパクと特異的に反応するあるいは相互作用する化 学物質を固定したプロティンチップ等があるが、上述してきた各問題点は、 これらのプロテインチップ等においても同様に存在する。
これらの D N Aチップ、 およびプロテインチップは、 基板上に固定する 各種のプローブによって、 生物の持つ遺伝子の機能解析;各種感染症等の 疾病の罹患状況を確認するための臨床検查;遺伝子多型解析;テーラーメ ード治療と称される、 患者の遺伝子配列に応じた治療医薬の選定;医薬品 開発のための化学物質あるいはたん白のスクリ一ユングあるいは化学物質 の、 毒性スクリーニング;その他の各種スクリーニング等に応用すること ができる。
しかしながら、 こうした各種の用途に応用するためには、 現在使用され ているバイオチップでは検出感度が充分ではない。 例えば、 病気を極く初 期で発見するためには、 病気の極く初期の段階において細胞から細胞外に 出てくる、極めて微量である病気由来のマーカーを検出する必要があるが、 現状のバイオチップによる検出感度では、 この極微量のマーカーを検出す るためには不充分であるといわれており、 より高感度のバイオチップが必 要とされている。
また、 患者の病気の状態に関する正確な情報を得て、 診断誤差を最小限 にするためには、 単一のプローブでは不充分であり、 複数の異なるプロ一 ブによる多項目同時検査が望ましい。 したがって、 高い検出感度で多項目 同時検查を行うことができるバイオチップが要望されている。
本発明は、 上記した従来技術の問題点を解決するために為されたもので あり、 その目的は、
·高効率に短時間で被検体中の標的物質とプローブが反応し、
• B Z F分離効率が高く、 ·高感度での検出 ·同定が可能であるバイオチッ プおよびその製造方法を提供することにある。
また、 本発明の目的は、 複数のゥエルからなるバイオチップ同士、 ある いは複数のゥエルからなるバイオチップと複数のゥエルからなる容器との 間で、 直接ゥエル間で液体め授受を行うことが可能であるバイオチップキ ットを提供することにある。
さらに、 本発明の目的は、 .
• 当該バイオチップを用いた、 一被検体からの少なくとも一種類以上の標 的物質の分離分画方法
•多数の被検体から同時並行に少なく とも一種類以上の標的物質を分離分 画する方法
•一被検体からの少なくとも一種類以上の標的物質のアツセィ方法 •多数の被検体からの同時並行に行う少なく とも一種類以上の標的物質の アツセィ方法を提供することにある。 発明の開示
( i) 本発明のバイオチップは、 均一な孔径を有するストレートな細孔が 均一な孔間隔で形成されたフィルターが底部に設けられたゥエルを備える ことを特徴としている。
( i i) 本発明のバイオチップは、 (i)のバイオチップにおいて、 前記フィ ルターの厚さが 1〜1 0 mであることを特徴としている。
( i i i ) 本発明のパイォチップは、(i )または(i i)のバイォチップにおいて、 前記フィルターの開口率が 1 5〜6 0 %であることを特徴としている。
(iv) 本発明のバイオチップは、(i)〜(iii)のいずれかのバイオチップに おいて、 前記フィルターめ表面材質がシリカ、 チタニアまたはアルミナで あることを特徴としている。
(V) 本発明のバイオチップは、 (i)〜(iv)のいずれかのバイオチップにおい て、 一体に形成された複数の前記ゥエルを備えることを特徴としている。 (vi) 本発明のバイオチップは、 (i)〜(iv)のいずれかのバイオチップに おいて、 単数の前記ゥエルを備えることを特徴としている。
(vi i) 本発明のバイォチップは、(i)〜(vi)の.いずれかのバイォチップに おいて、 前記ゥエルにおけるフィルターの上面側または下面側に補強用リ ブ部が設けられていることを特徴としている。
(vi i i) 本発明のバイオチップは、 (vi i)のバイオチップにおいて、 前記 捕強用リプ部が、 複数の貫通孔が形成された一体形状であることを特徴と している。
(xi) 本発明のバイオチップは、 (vi i)または(viii)のバイオチップにお いて、 前記捕強用リブ部が、 前記フィルターと直接に接合されていること を特徴としている。
(X) 本発明のバイオチップは、(vi i)または(vi i i)のバイオチップにおい て、 前記補強用リブ部が、 前記フィルターと同一材料で連続形成されてい ることを特徴としている。
(xi) 本発明のバイオチップは、(i)〜(x)のいずれかのバイオチップにお いて、 前記ゥエルの底部に、 その周縁から所定の幅で、 フィルターの細孔 が形成されていない無孔部が設けられていることを特徴としている。
(xi i) 本発明のバイオチップは、(i)〜(xi)のいずれかのバイオチップに おいて、 第一のフィルターが底部に設けられるとともに、 ゥエルを挟んで 第一のフィルターとは反対側に第二のフィルターが設けられていることを 特徴としている。
(xiii) 本発明のパイォチップは、 (i)〜(xii)のいずれかのパイォチップ において、 前記ゥエルに、 プローブ担持粒子が分散された分散液が収容さ れていることを特徴としている。 (xiv)本発明のバイオチップは前記粒子の粒子径とフィルターの孔径と の比率が、 粒子径 Z孔径 = 1 . 1〜2 . 5であり、 且つ粒子径く孔間隔く 粒子径 X 1 0であることを特徴としている。 .
(XV)本発明のパイォチップは前記粒子の粒子径、 フィルターの孔径ぉよ び孔間隔が、 粒子径>孔径 +孔間隔 2の関係を満足することを特徴とし ている。
(xvi) 本発明のバイオチップは、 (xi i i)のバイオチップにおいて、 前記 ゥエルに、 プローブ識別情報を与えるための少なくとも一種の識別手段を 有するプローブ担持粒子が分散された分散液が収容されていることを特徴 としている。
(xvi i) 本発明のバイオチップは、 (xvi)のバイオチップにおいて、 前記 識別手段が、 プローブ担持粒子の色、 形状、 粒子径および遺伝子配列から 選ばれる少なくとも一種であることを特徴としている。
(xvi i i) 本発明のバイォチップは、 (xvi)または(xvi i)のバイォチップに おいて、 全ての前記識別手段におけるプローブ識別情報が同一である複数 のプローブ担持粒子が同一ゥエルに収納されるとともに、 各ゥエルに収納 された複数のプローブ担持 子について、 前記プローブ識別情報が同一で あることを特徴としている。
(xix) 本発明のパイォチップは、 (xvi)または(xvii)のパイォチップにお いて、 全ての前記識別手段におけるプローブ識別情報が同一である複数の プローブ担持粒子が同一ゥエルに収納されるとともに、 各ゥエルに収納さ れた複数のプロ一ブ担持粒子について、 前記プロ一ブ識別情報が異なって いることを特徴としている。
(xx) 本発明のバイオチップは、 (xvi)または(xvi i)のバイオチップにお いて、 少なくとも一種の前記識別手段におけるプローブ識別情報が異なつ ている複数のプローブ担持粒子が同一ゥエルに収納されるとともに、 各ゥ エルに収納された複数のプローブ担持粒子について、 その全ての識別手段 における前記プローブ識別情報の構成が同一であることを特徴としている c (xxi) 本発明のバイオチップは、(xvi)または(xvii)のバイオチップにお いて、 少なくとも一種の前記識別手段におけるプローブ識別情報が異なつ ている複数のプローブ担持粒子が同一ゥエルに収納されるとともに、 各ゥ エルに収納された複数のプローブ担持粒子について、 その少なくとも一種 の前記識別手段における前記プローブ識別情報の構成が異なっていること を特徴としている。
(xxii) 本発明のバイオチップキットは、(i)〜(xxi)のいずれかのバイオ チップにおける一体に形成された複数のゥエルもしくは単数のゥエルを収 鈉するか、 あるいは当該ゥエルと接続される容器を備えることを特徴とし ている。
(xxi i i) 本発明のバイオチップキットは、 (xxi i)のバイオチップキット において、 前記容器が、 前記ゥエルと一体に形成されていることを特徴と している。
(xxiv) 本発明のバイオチップキットは、(xxi i)のバイオチップキットに おいて、 前記容器が、 前記ゥエルと独立に形成されていることを特徴とし ている。
(XXV) 本発明のバイオチップキットは、 (xxii)〜(xxiv)のいずれかのノ ィォチップキットにおいて、 前記容器が、 前記バイオチップのゥエルに対 応するゥエルを有することを特徴としている。
( xvi) 本発明のバイオチップキットは、 (XXV)のバイオチップキットに おいて、 前記容器のゥエル底部に貫通穴が形成されていることを特徴とし ている。
(xxvi i) 本発明のバイオチップキットは、(xx.v)または(xxvi)のバイオチ ップキットにおいて、 前記バイオチップと前記容器とが、 対応するゥエル が互いに連結するように接続されていることを特徴としている。
(xxvii i) 本発明のバイオチップキットは、 (xxi i)〜(xxvi i)のバイオチ ップキットにおいて、 前記容器が、 貫通穴が形成されたプレートと、 貫通 穴が形成されていないプレートの少なくともいずれかを用いて、 複数の前 記プレートを積層することにより形成されていることを特徴としている。
(xxix) 本発明のバイオチップキットは、(i)〜(xxi)のいずれかの複数の バイオチップ同士が、 対応するゥエルが互いに連結するように接続されて いることを特徴としている。
(XXX) 本発明のバイオチップキットは、 (xxi i)〜(xxix)のいずれかのノ ィォチップキットにおいて、 前記バイオチップのゥエル側部の下端に設け られた平坦部と、 別途の前記容器または前記バイオチップのゥエル側部の 上端に設けられた平坦部とが、 ゥエルを互いに連結するように直接に接続 されていることを特徴としている。
(xxxi) 本発明のバイオチップキットは、(xxi i)〜(xxix)のいずれかのバ ィォチップキットにおいて、 前記バイオチップのゥエル側部の下端に、 別 途の前記容器または前記パィォチップのゥェル側部の上端に設けられた凸 部と嵌合する位置合わせ用の凹部、 あるいは別途の前記容器または前記バ ィォチップのゥエル側部の上端に設けられた凹部と嵌合する位置合わせ用 の凸部が設けられていることを特徴としている。
(xxxi i) 本発明のバイオチップの製造方法は、 (i)〜(xxi)のいずれかの バイオチップを製造するに際し、 組成の異なる材質で形成された少なくと も 2層からなるプレートについて、 片面側からパターンエッチングにより 2層の境界までエッチングを行いゥエル孔を形成するとともに、 他面側か らパターンエッチングにより 2層の境界までエッチングを行いフィルター 孔を形成し、 これによりゥエルとフィルタ一とが接合したバイオチップを 得ることを特徴としている。
(xxxii i) 本発明のバイォチップの製造方法は、 (i)〜(xxi)のいずれかの バイオチップを製造するに際し、 シリコンウェハーをエッチングすること によりフィルター、 リブおよびゥエルをそれぞれ作製し、 次いで、 これら を積層することを特徴としている。
(xxxiv) 本発明のバイオチップキットの操作方法は、 容器がバイオチッ プのゥエルと独立に形成されている(xxi i)〜(xxxi)のいずれかのバイォチ ップキッ トの当該容器に収容された溶液中でバイオチップのゥエルを上下 させることにより、 当該容器内の溶液と、 ゥエル内のプローブ担持粒子お よび/または溶液とを接触させることを特徴としている。
(XXXV) 本発明のバイオチップキットの操作方法は、(xxi i)〜(xxxi)のい ずれかのバイオチップキットの容器に収容された溶液の界面を上下させる ことにより、 当該容器内の溶液と、 ゥエル内のプローブ担持粒子おょぴ Z または溶液とを接触させることを特徴としている。
(xxxvi) 本発明のバイオチップキットの操作方法は、 バイオチップを収 納する容器を備える(xxi i)〜(xxxi)のいずれかのバイオチップキットの当 該容器とチップとの間、 あるいは当該チップにおける相互のゥエル間に差 圧を生じさせ、これにより、ゥエル内の液体とプロ一プ担持粒子との接触、 液体のゥエル間での移動、 あるいはこれらの両方を行うことを特徴として レヽる。
(xxxvi i) 本発明のバイオチップキットの操作方法は、バイオチップを接 続する容器を備える(xxi i)〜(xxxi)のいずれかのバイオチップキットの当 該容器とチップとの間、 あるいは当該チップにおける相互のゥエル間に差 圧を生じさせ、これにより、ゥエル内の液体とプローブ担持粒子との接触、 液体のゥエル間での移動、 あるいはこれらの両方を行うことを特徴として いる。
(xxxvi i i) 本発明のバイオチップキッ トの操作方法は、 (xxxiv)〜
(xxxvii)のいずれかの方法において、 前記容器内の溶液と、 ゥェル内のプ ローブ担持粒子おょぴ または溶液とを接触させることにより、 バイオチ ップ内の内容物の混合、 拡散、 反応、 分離または洗浄を行うことを特徴と している。
(xxxix) 本発明のバイオチップキッ トの操作方法は、 (xxxiv)〜
(xxxvi i i)のいずれかの方法において、前記パイォチップの各ゥエルに同一 の被検体を投入することを特徴としている。
(xl) 本発明のバイオチップキットの操作方法は、 (xxxiv)〜(xxxvi i i) のいずれかの方法において、 前記バイオチップの各ゥエルに異なる被検体 を投入することを特徴としている。
(xli) 本発明の被検体中の標的物質とプローブとの反応方法は、 (xxi i) 〜(xxxi)のいずれかのキットにおけるバイオチップのゥエルに、 (xvi i i) 〜(xxi)のいずれかのチップとなるように特定の粒子をゥエルに収納する 工程;
前記バイオチップのゥエル内に、 被検体を含む溶液を投入して、 当該被 検体と、 全てのゥエル内の前記粒子とが接触可能な状態とする工程;およ ぴ
バイオチップの容器に収容された前記溶液中でゥエルを上下させるか、 バイオチップの容器に収容された前記溶液の界面を上下させるか、 あるい は差圧を加えることでゥエル内外の溶液を循環することにより被検体中の 標的物質とプローブとの反応を行う工程を含むことを特徴としている。
(xli i)本発明の被検体中から標的物質を B Z F分離する方法は、 (xxi i) 〜(xxxi)のいずれかのキットにおけるバイオチップのウエノレに、 (xviii) 〜(xxii)のいずれかのチップとなるように特定の粒子をゥエルに収納する 工程;
前記バイオチップのゥエル内に、 被検体を含む溶液を投入して、 当該被 検体と、 全てのゥエル内の前記粒子とが接触可能な状態とする工程; 前記溶液の界面の高さを、 ゥエル底部のフィルターの下面未満となるま で低下させて、 前記粒子に担持したプローブと反応していない被検体を各 ゥエル内から除去する工程;および
洗浄液をバイオチップのゥエルに投入し、 前記容器を介して洗浄液を該 バイォチップのゥエルに循環させて該バイォチップのゥエル内外へ洗浄液 を出し入れさせ、 洗浄液をゥエル外へ排出することにより、 プローブ結合 標的物質以外の物質を洗浄除去する工程を含むことを特徴としている。
(xl i i i )本発明の被検体中の標的物質の分画分離方法は、 (XXX)または (xxxi)のキットにおけるバイオチップのゥエルに、 (xvi ii)〜(xxi)のいず れかのチップとなるように特定の粒子をゥエルに収納する工程;
前記バイオチップのゥエル内に、 被検体を含む溶液を投入して、 当該被 検体と、 全てのゥエル内の前記粒子とが接触可能な状態とする工程; 前記溶液の界面の高さを、 ゥエル底部のフィルターの下面未満となるま で低下させて、 前記粒子に担持したプローブと反応していなレ、被検体を各 ゥエル内から除去する工程;
洗浄液をパイォチップのゥエルに投入し、 前記容器を介して洗浄液を該 バイォチップのゥエルに循環させて該バイォチップのゥエル内外へ洗浄液 を出し入れさせ、 洗浄液をゥエル外へ排出することにより、 プローブ結合 標的物質以外の物質を洗浄除去する工程;および
前記バイォチップのゥエル側部の下端に設けられた凹部、 凸部または平 滑部と、 上端にこれと対応する凸部、 凹部または平滑部を有する容器を嵌 合させ、 次いで分離剤溶液をバイオチップのゥエルに投入し、 これにより 前記粒子から被検体中の標的物質を分離し、 前記容器のゥエルに移動させ る工程を含むことを特徴としている。
(xliv) 本発明の被検体中の標的物質とプローブの相互作用の検出'同定 方法は、 (xxii)〜(xxxi)のいずれかのキットにおけるバイオチップのゥェ ルに、 (xvi ii)〜(xxi)のいずれかのチップとなるように特定の粒子をゥェ ルに収納する工程;
前記バイオチップのゥエル内に、 被検体を含む溶液を投入して、 当該被 検体と、 全てのゥエル内の前記粒子とが接触可能な状態とする工程; 前記溶液の界面の高さを、 ゥエル底部のフィルターの下面未満となるま で低下させて、 前記粒子に担持したプローブと反応していない被検体を各 ゥエル内から除去する工程;
洗浄液をパイォチップのゥエルに投入し、 前記容器を介して洗浄液を該 パイォチップのゥエルに循環させて該パイォチップのゥエル内外へ洗浄液 を出し入れさせ、 洗浄液をゥエル外へ排出することにより、 プローブ結合 標的物質以外の物質を洗浄除去する工程; ゥエル内の粒子をフィルターの細孔に位置させる工程;および 前記粒子に担持されたプローブと被検体の標的物質との反応または相互 作用を検出 ·同定する工程を含むことを特徴と.している。
(xlv)本発明の被検体中の標的物質とプローブの相互作用の検出'同定方 法は、 (xliv)の方法において、 粒子ごとに、 粒子のプローブ識別情報と前 記粒子に担持されたプローブと被検体の標的物質との反応または相互作用 の情報の双方を検出することを特徴としている。
(xlvi)本発明の被検体中の標的物質とプローブの相互作用の検出 ·同定 方法は、 (xliv)の方法において、 各ゥエルごとの粒子について、 前記粒子 に担持されたプローブ識別情報を識別し、 次いでプローブと被検体中の標 的物質との相互作用に関する状態を計測し、 各粒子ごとに得られた相互作 用の状態情報に基づき、 ゥエル単位での相互作用情報を算出することを特 徴としている。
本発明によれば、
·高効率に短時間で被検体中の標的物質とプローブが反応し、
• B Z F分離効率が高く、
•高感度での定量検出が可能であるバイオチップおよびその製造方法が提 供される。
また、 本発明によれば、 複数のゥエルからなるバイオチップ同士、 ある レ、は複数のゥエルからなるパイォチップと複数のゥエルからなる容器との 間で、 直接ゥエル間で液体の授受を行うことが可能であるバイオチップキ ットが提供される。
さらに、 本発明によれば、 当該バイオチップを用いた、
•一被検体から少なくとも一種類以上の標的物質の分離分画方法 •多数の被検体から同時並行に少なくとも一種類以上の標的物質を分離分 画する方法
•—被検体からの少なくとも一種類以上の標的物質のアツセィ方法 •多数の被検体からの同時並行に行う少なくとも一種類以上の標的物質の アツセィ方法が提供される。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明の一実施形態によるバイオチップが備えるゥエルの底部 側を模式的に示した断面図である。
図 2は、 フィルターの細孔の一例を模式的に示した断面図である。 図 3は、 捕強用リブ部を設けたゥエルの底部側を模式的に示した断面図 である。
図 4は、 フィルタ一面上に補強用リブ部を設けた様子を模式的に示した 上面図である。
図 5は、 フィルタ一面上に補強用リブ部を設けたゥエル底部の電子顕微 写真である。
図 6は、 補強用リプ部を設けたゥエルの底部側を模式的に示した断面図 である。
図 7は、 補強用リブ部を設けたゥエルの底部側を模式的に示した断面図 である。
図 8は、 捕強用リブ部に位置合わせ用凹部を設けたゥエルの底部側を模 式的に示した断面図である。
図 9は、 補強用リブ部に位置合わせ用凹部を設けたゥエルの底部側を模 式的に示した断面図である。 図 1 0は、 ゥエルの底部上面に、 その周縁から所定の幅で無孔部を設け たゥエルの底部側を模式的に示した断面図である。
図 1 1は、 リブあるいはゥエルを光造型で作製する方法を説明する図で ある。
図 1 2は、 本発明の一実施形態によるバイオチップの上面図および A— A ' 靳面図である。
図 1 3は、 本発明の一実施形態によるバイオチップの上面図および A— A ' 断面図である。
図 1 4は、 第一のフィルターとともに第二のフィルターを備えるバイオ チップの断面図である。
図 1 5は、 バイオチップと容器を接続したバイオチップキットの作製方 法を説明する断面図である。
図 1 6は、 バイオチップキットの容器の底部あるいは蓋部となるプレー トに、 光学検出用として平滑で透明なプレートを用いた例を示した断面図 である。
図 1 7は、 プレートを用いて容器を形成したバイオチップキットの例を 示した断面図である。
図 1 8は、 チップを多段に設けたバイオチップキットの例を示した断面 図である。
図 1 9は、 複数のゥエルからなるチップを作製する方法を説明する図で ある。
図 2 0は、 本発明に係るバイオチップの操作方法を説明する図である。 図 2 1は、 本発明に係る被検体中の標的物質の分離分画方法および検出 方法の一工程を説明するチップ断面図である。 図 2 2は、 本発明に係る被検体中の標的物質の分離分画方法および検出 方法の一工程を説明するチップ断面図である。
図 2 3は、 本発明に係る被検体中の標的物質の分離分画方法の一工程を 説明するチップ断面図である。
図 2 4は、 容器のゥエル底面に微細な貫通孔を設けたバイオチップキッ トの断面図である。
図 2 5は、 本発明に係る被検体中の標的物質の検出方法の一工程を説明 するチップ断面図である。
図 2 6は、 ゥエルにプローブ担持粒子を収納した本発明のバイオチップ の一例を説明する図である。
図 2 7は、 本発明のバイオチップのゥエルに被検体を投入する方法を説 明する図である。
図 2 8は、 プローブ担持粒子をフィルタ一孔上に位置させた電子顕微写 真である。
図 2 9は、 チップの各ゥエルの底部を撮像した電子顕微鏡写真である。 図 3 0は、 牛血清希釈液を実施例 3のチップのフィルターに流し、 下容 器の下蓋から牛血清希釈液を排出した際における、 合計の吐出量と吐出時 間との関係を示したグラフである。
図 3 1は、チップの孔径と孔間隔が異なる 8種類の組み合わせについて、 差圧 1 8 g f / c m 2で実施例 3と同様の試験を行った試験結果を示した グラフである。 発明を実施するための最良の形態
以下、 図面を参照しながら本発明を具体的に説明する。 図 1は、 本発明 の一実施形態によるバイオチップが備えるゥェルの底部側を模式的に示し た断面図である。
同図に示したように、 このゥエル 1 6は、 細.孔 1 9が形成されたフィル ター 1 8が底部に設けられている。 このフィルター 1 8は、 被検体あるい は被検体を溶解もしくは分散した媒体などの液体を通過させるとともに、 ゥエル 1 6内に収納された、 被検体と相互作用するプローブ担持粒子が外 側へ排出しないように構成されている。
本発明では、 フィルター 1 8に、 均一な孔径を有するストレートな細孔 力 均一な孔間隔で形成されている。 なお、 本明細書において 「均一な孔 径」 とは、孔径の誤差が C V (Coefficient of Variation)値で 2 0 %以下、 好ましくは 1 0 %以下であることを意味する。 孔径誤差が C V値で 2 0 % 以下であるような細孔は、 後述する方法によって作製可能であり、 ゥエル 1 6内に収納されるプロ一ブ担持粒子と孔径との寸法差を僅少とすること ができる。
従来から使用されているメンブレンフィルタ一等の孔径には 1 0倍程度 のばらつきがあり、 例えば 0 . 2 m孔径のフィルターを使用する場合で は、 確実に濾過できる粒子径は 5 程度となる。 これと比較して、 上記 のように均一な孔径を有するフィルターを使用した場合には、 フィルター の細孔の孔径は非常に均一であるため、 粒子径と孔との差を小さくするこ とができ、 そのために孔径をより大きくすることができ、 フィルターの濾 過性を向上するとともに、 濾過圧力が低減される。
このように均一な孔径を有するフィルターにおいて、その細孔の孔径は、 特に限定されないが、 通常 0 . 0 1 m〜: 1 0 0 μ m、 好ましくは 0 . 1 ί πι〜 5 0 /2 111、 より好ましくは 0 . 5 μ m〜 1 5 μ mである。 また 「均一な孔間隔」 'とは、 孔間隔の誤差が C V (Coefficient of Variation)値で 1 5 %以下であることを意味する。 孔間隔には特に限定は ないが、 孔間隔があまりに狭いとフィルターの強度が弱くなり、 また孔間 隔があまりに広いと開口率が下がることから、 通常は孔径の 2倍以下であ り、 且つ 0 . 5 μ πι〜1 0 ^u mであることが好ましい。 なお、 「孔間隔」 と は隣接する各孔の間における孔が空いていない部分の最短距離のことであ る。
ま'た、 本明細書において、 「ス トレート」 な細孔とは、 細孔が途中で分岐 することなく形成されていることを意味する。 例えば、 一方のフィルター 表面に形成された開口の中心から他方のフィルター表面への垂線と、 この 他方のフィルタ一表面に形成された開口の中心から前記一方のフィルター 表面への垂線とがずれていても、 圧力損失という点ではそれほど遜色がな いため、 このような細孔であってもよい。 また、 当該垂線が実質的にずれ ていない細孔であり且つフィルターの一次側(上面側)の孔径が二次側(下 面側) の孔径と異なっているものであってもよい。 このような細孔形状と しては、 例えば図 2 ( a ) 〜 (d ) に示したような形状が挙げられる。 貫 通方向と垂直な細孔断面の形状は特に限定されず、 円柱、 四角錐、 多角錐 など ヽずれであってもよいが、 メニスカスを最小限にする点から鈍角形状 あるいは円形であることが望ましい。 但し、 ゥエルの容積が所定量以上、 例えば 0 . 1マイクロリツター以上の場合には、 メニスカスはそれほど問 題とならず、 四角柱や四角錐などであっても問題ない。
このようにストレートな細孔とすることにより、 フィルターを形成する 細孔長さが最小となるため、 細孔壁との接触面積が減少し、 濾過に伴う圧 送抵抗を最小限とすることができる。 また、 プローブ担持粒子がフィルターの一次側に堆積して目詰まりを起 こした場合であっても粒子がフィルターの内部に入り込まずにフィルター 表面に留まり (いわゆる完全閉塞モデルとなる).、 フィルター二次側からの フラッシングによつて粒子をフィルター表面から一次側へ容易に分散させ ることができる。 このため、 フィルターの目詰まりを再度解消して再生さ せることができ、 フィルターの寿命を延ばすことができる。
以上のように、 フィルターに均一な孔径を有するストレートな細孔を、 均一 孔間隔で形成することによって、 プローブ担持粒子は一次側の開口 上に配列され、 必要に応じて被検体などの液体を二次側からフラッシング して粒子を一次側へ分散させることも可能であり、 被検体とプローブ担持 粒子との反応ゃ検出を容易に行うことができる。
さらに、 プローブ担持粒子がフィルターの二次側に排出されることが許 されず、 粒子を 1 0 0 %捕捉する必要がある場合には、 フィルターの孔径 を粒子の最小径よりも大きくするように粒子サイズなどを考慮することで、 透過係数と濾過効率を低下させることなく 1 0 0 %の粒子捕捉が可能であ る。
一般的な濾紙ゃメンブレンフィルタ一は孔径、 孔間隔が均一ではなく、 また、 孔自体が三次元的に入り組んだ構造をしており、 フィルター内部に フィルター表面よりもさらに細い孔が存在する。 このため、 濾液中に含ま れる粒子の一部はフィルター内部の孔に捕捉され、 中間閉塞モデルと称さ れる目詰まりを生じ、 この目詰まりを解消するために二次側から液体を送 り込みフィルターに存在する粒子をフィルター内から一次側に取り出す際 に、 フラッシングによる効果が充分ではなく全ての粒子はフィルターから 一次側に取り出せず、 フィルター内に閉じ込められて検出用に使用される 粒子が減少する。 さらに、 ブイルターの粒子捕捉効率は確率的であり、 1 0 0 %の捕捉効率とするためには 「ふるい対象となる粒子径分布の最小粒 子径>フィルター径分布の最大径」 となるフィ ターを選択する必要があ るが、 これによつて透過係数と濾過効率が低下する。
本発明では、 フィルターの厚さは好ましくは 1〜 1 0 μ m、 より好まし くは 2〜7 μ πιである。 フィルターの厚さが 1 0 μ πιよりも大きい場合、 液体の濾過時に濾過抵抗が大きくなり、 フィルターの厚さが 1 μ m未満で ある場合、 フィルターの機械的な強度が不足する。
本発明では、 フィルターの開口率は好ましくは 1 5〜 6 0 %、 より好ま しくは 2 0〜 5 0 %である。 開口率が 1 5 %未満である場合、 濾過効率が 低下し、 開口率が 6 0 %よりも大きい場合、 フィルターの機械的な強度が 不足する。
フィルタ一は、細孔を有する各種の形態のもので形成することができる。 具体的には、 金型によるプレス、 織布、 フィルムにレーザーもしくは中性 子線で穿孔して形成したフィルター、 樹脂もしくは金属薄膜に傷をつけて 張力により孔を拡大したもの、 基材をフォトエッチングにより穿孔したも の、 樹脂成型によるものなどが挙げられる。
前述したような、 均一な孔径を有し、 均一な孔間隔で形成された細孔を 有するフィルタ一は、 例えばフォトリソグラフィ一による方法で作製する ことができ、 所定の有機あるいは無機のフィルムにレジストを塗布し、 ノ ターンエッチングすることにより所定の孔を空けてフィルターを形成する。 所定の機械的強度を有する膜厚と所定の孔径を確保するためには、 高ァス ぺク トのエッチングが必要であるが、 異方性エッチングによりこれを行う ことができる。 また、 エキスパンドメタルによる方法で作製することも可能である。 例 えば、 厚さ 3 0 μ πιのステンレス箔に、 金型にて千鳥状に切れ目を入れ、 これを押し広げてひし形状の貫通孔を形成する.。 この方法によれば、 ひし 形孔の最大距離が 3 0 mであり、 開口率が 6 0 %程度のフィルターが得 られる。 次いで、 得られたエキスパンドメタルフィルターを、 さらに凸金 型でプレス処理して所定の凹面を形成することによって、 一体に形成され た複数のゥエルを得る。 あるいは、 別途に樹脂もしくは金属にて、 ハニカ ムあるいは丸型などの上下が貫通したゥエル群を作製し、 ゥエル群の底面 に熱可塑性樹脂溶液を塗布乾燥して、 加熱したフィルターとゥエルとを熱 接着することによって上記のエキスパンドメタルフィルターとゥエル群と を接着してゥエルを形成する。
また、 後述するように、 ゥエル側部とフィルターとを榭脂にて一体成型 する方法で作製することも可能である。
バイオチップの特に好ましい製造方法として、 組成の異なる複数の材質 からなるプレート、 例えばアルミ/アルミナ、 金属シリ コン Zシリカ、 あ るレ、は金属チタン/チタニアなどについて、 それぞれ両側からパターンェ ツチングを行うことにより、 フィルターとゥエルを形成する方法が挙げら れる。 具体的には、 例えばアルミナ、 シリカ、 チタニアなどの金属酸化物 層について、 この金属酸化物層と金属層との境界までをフォトエッチング してフィルターを形成し、 次いで、 アルミ、 金属シリコン、 金属チタンな どの金属層について、 この金属層と金属酸化物層との境界までフォトエツ チングすることにより、 ゥエルとフィルタ一とが接合したバイオチップを 作製できる。
この方法によれば、 予め金属と金属酸化物などが一体となった複層材料 を使用することにより、 フィルターとゥエルが一体接合したものを作製す ることができ、 フィルターとゥエル間の界面からの液漏れなどの懸念がな くなる。
また、 フィルタ一層としてアルミナ、 シリカ、 チタニアなどの透明材料 を使用することができるため、 光検出により検出を行う場合、 フィルター 層を介して直接粒子の挙動を見ることができる。
フィルターを形成する材料としては、 濾過抵抗を減少する等の点から、 ゥエルに収容される溶液と親和性の高い材料、 具体的には、 溶液が水系の 場合は親水性の材料、 溶液が油性の場合は親油性の材料を選択することが 望ましい。
親水性の有機材料としては、 例えばポリエチレンビニル樹脂、 架橋ポリ ビュルアルコール樹脂、 ポリグリコール酸樹脂、 ポリアミ ド樹脂、 ポリイ ミ ド、 セルロースアセテート樹脂、 トリァセチルセルロース、 硝酸セル口 ース榭脂、 エポキシ樹脂、 2—メタクリロイルォキシェチルホスホリルコ リンとメタクリレートとの共重合体などの各種ァクリレートの共重合体な どが挙げられる。
親油性の有機材料としては、 例えばポリエチレン、 ポリプロピレン、 ポ リスチレン、 ポリメチルメタアタリレート樹脂、 液晶ポリマー、 ポリカー ボネート、 ポリアミ ド樹脂、 ポリイミ ド、 ポリエチレンテレフタレート、 ポリエチレンナフタレート、 シクロォレフィン、 ポリメチノレペンテン、 ポ リアリレート、 ポリサルホン、 ポリエーテルサルホンなどが挙げられる。 また、 無機材料としては、 例えば鉄、 ニッケル、 銅、 亜鉛、 アルミニゥ ム、 シリコン、 チタン、 タンタル、 マグネシウム、 モリプデン、 タングス テン、 ロジウム、 パラジウム、 銀、 金、 白金、 ステンレス、 真鍮、 黄銅、 青銅、 燐青銅、 アルミ銅合金、 アルミマグネシウム合金、 アルミマグネシ ゥムシリコン合金、 アルミ亜鉛マグネシウム銅合金、 鉄ニッケル合金等の 金属; シリカ、 アルミナ、 チタニア、 ジルコニァ、 酸化タンタル等の金属 酸化物; S i N、 T i N、 T a N等の金属窒化物; S i C、 W C等の金属 炭化物; ダイヤモンド、 グラフアイ ト、 Diamond Like Carbon (D L C )等の 炭素材料; ソーダガラス、 ホウ珪酸ガラス、 パイレックス (R )、 石英ガラ ス等のガラスなどが挙げられる。
また、 親油性材料の表面に、 プラズマ処理、 コロナ処理あるいはイオン 処理などを施して、 ヒ ドロキシル基やカルボキシル基などを形成してもよ い。 また、 メツキなどにより表面に親水性の金属あるいは金属酸化物を形 成してもよく、 あるいは、 例えば 2—メタクリロイルォキシェチルホスホ リルコリンとメタタリレートとの共重合体、 ポリエチレングリコール誘導 体などの親水性材料をコーティングしてもよく、 あるいはグリシジルメタ クリレートを塗布した後にエポキシ基を開環してもよい。
これらの中でも特に、 表面材質がアルミナ、 シリカ、 チタニアであるも のがフィルターの材料として好ましい。 これらは親水性であるため、 バイ ォ検体の非特異的な吸着が低く、 またフィルター内に水系の検体や洗浄液 が容易に浸入する。 さらに、 表面だけではなく内部までこれらと同一材質 とすることにより、 フィルターが透明になるので、 検出方法として光学的 な検出方法を使用する場合、 粒子プローブと検体マーカーとの反応、 相互 作用を透明なフィルターを通して容易に検出 ·同定することができる。 表面材質がアルミナ、 シリカ、 チタニアである材料でフィルターを形成 する場合、 アルミ、 金属シリ コン、 あるいは金属チタンを用いてフィルタ 一とゥエルからなるチップを形成し、その後に酸化してアルミナ、シリカ、 チタニアにしてもよく、 あるいは、 アルミ /アルミナ、 金属シリコン //シ リカ、 金属チタン Zチタニアからなるプレートを用意して、 このプレート を用いてゥエルとフィルターとを形成してもよい。
くゥ工ル部〉
一つのバイオチップが有するゥエルの数には特に限定は無く、 収納する プローブ付き粒子の種類あるいは粒子の個数により任意に設定可能であり - 単一ゥエルからなるチップ、 あるいは一体に形成された複数のゥエルから なるチップのいずれであってもよい。 また、 プローブ付き粒子の種類が一 種類でも分離精製用など多数の粒子を収納する場合には、 複数のゥエルを 設けて各ゥエルに同一のプローブ粒子を分散収納することも可能である。
ゥエルは図 1 ( a )、 ( b ) に示したように、 フィルターと異なる材料に より形成することができ、 また図 1 ( c ) に示したように、 フィルターと 実質的に同一の材料で一体に形成することができる。また、図 1 ( a )、(b ) ではフィルター材料とゥエル材料がこれらが異なる材料で形成されている が、 同一材料でフィルターとゥエルとを別途に形成した後、 これらを接合 することも可能である。
ゥエルは、 図 1 ( b )、 ( c ) のように、 フィルタ一層におけるフィルタ 一が形成されていない部分でフィルターと連結されることが、 機械的な強 度の面では好ましい。
ゥエル部の径と高さには特に限定はなく、 必要な粒子の個数と反応容積 にしたがって任意に設定可能である。 ゥエルの径が大きくなる場合、 フィ ルター面の面積も大きくなり、 フィルターに掛かる総圧力によりフィルタ 一が撓むか、 あるいは破壌される可能性があるが、 後述のリブを設けるこ とにより、 このような撓みあるいは破壊を防止することが可能である。 また、 複数のゥエルを持つチップでは、 これらのゥエルの径は必ずしも 同一である必要はなく、 収納する粒子の数や反応容積を勘案して異なる径 のゥエルを設けることも可能である。
ゥエル側部からなるゥエル孔の形状は、 特に限定されないが、 メニスカ スを最小限にするために鈍角あるいは円型が望ましい。
<補強用リブ部 >
上述したような底部にフィルターを設けたゥエルでは、 フィルターの厚 さが薄いために、 ゥエルの孔径が大きい場合や、 あるいはフィルターの開 口率が大きい場合にはゥエル底部の強度が充分ではなく、 使用時などにフ ィルターが破損もしくは損傷し易くなる。 そこで、 このような場合には、 フィルターの上面側または下面側に、 リブ状の捕強手段を設けてゥエル底 部を補強することが望ましい。
図 3は、 このような補強用リブ部を設けたゥエルの底部側を模式的に示 した断面図である。 図 3 ( a ) では、 フィルター 1 8の下面側に突条部位 を有するリブ部 2 3が設けられている。 図 3 ( b ) では、 フィルター 1 8 の上面側にリブ部 2 3が設けられている。
図 4は、 捕強用リブ部 2 3をフィルター 1 8の面上に設けた様子を模式 的に示した上面図である。 同図に示したように、 その形状は複数の貫通孔 2 9が形成された一体形状として、 貫通孔 2 9の間を連続したリブとする ことが好ましい。貫通孔 2 9の貫通方向とほぼ垂直な断面は、円形、矩形、 六角形のような多角形など特に限定されないが、 メニスカス現象を低減す るために円形かあるいは六角形などの鈍角多角形が好ましい。 図 5に、 実 際にフィルター上に補強用リブ部を設けたゥエル底部の電子顕微写真を示 す。 補強用リブ部のリブ高さほ、 ゥエルの底面積やリブの材質にもよるが、 好ましくは 1 0 π!〜 2 0 0 0 _£ m、 より好ましくは 1 0 0 μ π!〜 1 0 0 0 μ mである。 .
このように補強用リプ部を設けることによりフィルターの機械的強度が 向上し、 チップ面積が大きいものを使用することができる。 また、 フィル ターが薄くても機械的圧力に対する耐性が得られるとともに、 フィルター の孔の深さが浅いものを使用することができるだめ、 濾過圧力をより低減 することができる。
補強用! ブ部は、 図 6 ( a ) のようにフィルターと別途に形成して接合 する力 \ あるいは図 6 ( b )、 ( c ) に示したように、 フィルター 1 8の細 孔をリブあるいはゥエル材料をアディティプ法等で潰して埋めることによ り接合するようにしてもよい。 ゥエルの側壁 2 0は、 フィルター 1 8を貫 通させてその貫通した下端部を補強用リブ 2 3の一部とすることができる。 別途に形成された捕強用リブ部もしくはゥエル側壁をフィルターと接合 する場合、接着剤を使用せずに直接接合することが好ましい。直接接合は、 フィルターと補強用リブ部もしくはゥエル側壁を積層法により積み上げて 形成する方法など、 後述する方法で行うことができる。
この方法では接着剤等を介さずに直接接合されているため、 濾過に際し て補強用リブ部もしくはゥエル側壁とフィルターとの界面が剥離したり、 あるいは界面に濾過対象液が入り込むなどの問題点が解消される。 特にゥ エルの開口径が小さく、 ゥエル数が多いチップの場合には、 ゥエル側壁と フィルターとの接合は幾何級数的に困難となり界面で液漏れし易くなるが、 接着剤を介することなくゥエルとフィルターとを直接接合することにより 液漏れの懸念が解消される。 また、 補強用リブ部はフィルターの機械的な 補強材として設置されており、 フィルターとの接着が不充分の場合には機 械的強度の向上が期待できない。
しかし、 このように接着剤を介さずに直接接合することでフィルターとリ プとが充分な強度で一体化し、 機械的強度が向上する。
また、 図 7 (a)、 (b) に示したように、 補強用リブ部をフィルターと 同一材料で連続形成することも可能であり、 一体形成されているため強度 的に望ましい態様である。 ここで同一材料とは元の素材が同一であればよ く、 列えば金属シリコンの一部を酸化して酸化シリコンとしたシリコンシ リ力材料、 金属シリコンの一部を炭化あるいは窒化して S i Cや S i Nと したシリコン ZS i C、 シリコン ZS i N材料等も、 同一材料とみなされ る。 ゥエルの側壁も同様にしてフィルターと連続形成することができる。 その製造方法としては、 あらかじめフィルターを作製するに際してゥエル やリブ部については穿孔せずに、 次いでゥエルやリブを形成する際にその 部分に位置合わせしてゥエルやリブを形成するなどして、 フィルターと補 強用リブ部もしくはゥエル側壁を同一素材から切削あるいはェツチングに て作製する方法など、 後述する方法で行うことができる。
また、 リブ 23あるいはゥエル側壁 20の部分におけるフィルター 18 の細孔は必要に応じて無くすることもできる。具体的には、図 1 (b)、(c) のようにフィルター 18の作製時に予め細孔の無い部分を形成しておき、 リブ 23あるいはゥエル側壁 20をこの細孔が無い部分の上に位置合わせ して作製するカ あるいはリブ 23とフィルター 1 8をアディティブ法に より作製する場合には、 同時に穴埋めする方法で行うことができる。
図 8 (a)、 (b) および図 9 (a)、 (b) に示したゥエルでは、 フィル ターの下面あるいは上面に前記補強用リブ部 23を設けるとともに、 この 補強用リブ部 2 3におけるゥエル側部 2 0の下端側の位置に、 別途の容器 に設けられた凸部と嵌合する位置合わせ用の凹部 2 7が形成されている。 凹部 2 7の具体的な形状は別途の容器に設けら.れた凸部に応じて適宜の形 状とすることができる。 すなわち、 ゥエルに形成された凹部 2 7は所定ゥ エル内の溶液を別の容器の所定ゥエルに移し替える際に、 容器のコネクタ 一となるメス型部分の溝であり、 容器のォス型部分と嵌合させることで、 . ゥエル内の溶液を容器の所定部分以外に漏らすことなく移動させることが 可能となる。 位置合わせ用の凹部の溝形状は、 メス型として容器に設けら れたォス型の凸部に嵌合できるものであれば特に限定されない。
また、 ゥエルの位置合わせ用の凹あるいは凸部を設けることなく、 図 8 ( c )、 図 9 ( c ) に示したように凹部 2 7を形成せずに底面を平滑とする ことによつても接合を行うことができる。 この平滑面は、 平滑であるほど 面同士の接合がより強固となる。 例えば市販の半導体用のシリコンウェハ 一、 特に超平滑シリ コンウェハーを用いることで、 きわめて強固な平滑接 合面を得ることができる。
上記のような位置合わせ用の凹部を設けたゥエルによる液体移動は、 移 動溶液を収容したゥエルと、 対応する複数のゥエルを持つ容器がそれぞれ 多数存在する場合に、 全ての対応ゥエルの溶液を同時並行で対応するゥェ ル間で移し変える際に有効である。 また、 複数のゥエルを持つ容器から対 応するゥエルを持つチップへの液体移動、 あるいは複数のチップ間での液 体移動にも適用可能である。
これらの溝を有するリブは後述する各種の製造方法により一般のリブと 同様に作製することができる。 ゥエル側部の幅や形状は、 特に限定されな いが、 ゥエル側部の幅は好ましくは 1 0 0 μ πι以上、 より好ましくは 2 0 0 μ m以上 1 0 mm以下、 さらに好ましくは 3 0 0 m以上 5 m m以下で ある。 ゥエル側部の幅が 1 0 0 μ πι未満の場合には、 位置合わせ用の凹部 を容器の凸部と嵌合させる事が困難となり、 あ.るいは平滑面同士を接合し た場合に、 接合面積が位置合わせのずれによって少なくなる。 ゥエル側部 の幅が 1 O mmを超える場合には、 所定面積中におけるゥエル部分の占め る部分が過度に小さくなり、 チップの作成効率が低下する。
上述した位置合わせ用の凹部は、 捕強用リブ 2 3の一部であるかどうか に関わらず、 ゥェルの側部 2 0の下端に形成される。 このゥエルの下端に 形成される凹部は、 逆に凸部であってもあるいは平滑であってもよく、 そ の場合は対応する容器あるいはチップに嵌合用の凹部あるいは平滑部を形 成する必要がある。
図 1 0に示したゥエルでは、 ゥエルの底部上面に、 その周縁から所定の 幅で、 フィルター 1 8の細孔 1 9が形成されていない無?し部 2 8が設けら れている。
この無孔部 2 8の所定の幅としては、 ゥエル底部の周縁から好ましくは 5 μ πι〜5 0 πι、 より好ましくは 1 0 μ m〜 3 0 μ mである。 特に、 図 1 0 ( b ) に示したように、 無孔部 2 8の面が傾斜していることが好まし い。 この無孔部が無く、 リブゃゥエルの壁際まで細孔が設けられた場合に は、 粒子が壁際に滞留したり、 あるいはさらに堆積するなどの現象を起こ す場合がある。 無孔部を設けることで、 ゥエルとフィルターとの接続部に おける機械的な強度が増し、 剥離の可能性が低減する。 また、 溶液はゥェ ルゃリブの壁際から中心部に移動する層流を起こし、 粒子がゥエルやリブ の壁際に滞留あるいは積層することが防止される。 さらに、 後述する光学 的検出に際して、 壁際に粒子が無いために、 ゥエル壁からの光反射により 壁際の粒子の検出が阻害されることを防止することができる。
この無孔部を有するゥエルは、 あらかじめ特定領域に無孔帯を設けたフ ィルターを作製し、 ゥエルあるいは補強用リブを無孔帯の部分に位置合わ せして接合する方法、 あるいは無孔帯にゥエルあるいは捕強用リブをアデ ィティブ法等で積み上げる方法などによる方法で作製することができる。 また図 1 0 ( b ) のような、 無孔部 2 8の面が傾斜している構造は、 あら かじめフィルタ一部を形成した後に、 ゥエルの高さ方向にゥエツトエッチ ングして、 エッチング残りを残すことにより形成することができる。
以下に、 上述してきたゥエルの各種製法について説明する。
第一の方法は、 フィルターなどを電気メツキにより積み上げる方法であ る。 本方法では、 あらかじめ導電性処理が為された基板を用意し、 その上 にレジスト等でパター-ングを行い、 電気メツキしない部分をレジストで 保護して、 基板とメッキ溶液との間に電流を流すことにより基板の所定部 分にのみ金属あるいはイオン性のポリマー材料を形成する。
先ず、 導電性処理が為された基板を用意し、 その上にレジス トを塗 ίϊす る。 これらのレジストを導電性基板の上に膜形成した後、 ブオトマスクを 用意して UV光にて露光現像し、 導電性シートの上にフィルターの反転パ ターンであるレジストのポストを形成する。 これらの方法によるパターン 限界はレジス トの解像度に依存する力 s、例えば Τ Η Β— 1 1 O N (商品名: J S R株式会社製) を使用することで、 パターンピッチで 5 μ ηι、 ァスぺ ク ト比で 2のレジス トポス トを作製することができる。
次いで、 これらのポストの間に、 電気メツキ法によって金属あるいはィ オン性の樹脂を交流あるいは直流の電流を流して電気的に充填する。 電気 メツキ法により充填される金属材料としては、 金、 ニッケル、 銅、 鉄、 鉄 ニッケル合金等が挙げられる。 ニッケル電鎳のためのメツキ液としては、 スルファミン酸ニッケル浴(スルファミン酸 60%液 700g/l、 臭化ニッケル 5g/l、 硼酸 35g/lの混合液、 浴温 50°C)などが用いられ、 銅電気メツキ液 としては、 硫酸銅浴(硫酸銅 200g/l、 硫酸 60g/l、 塩素イオン 30mg/lの混 合液、 浴温 30°C)などが用いられ、 鉄電気メツキ液としては、 スルフアミ ン酸鉄浴(スルフアミン酸鉄 400g/l、 スルファミン酸アンモニゥム 30g/l、 ホルマリン 100mg/lの混合液、 浴温 46°C)などが用いられる。 例えば、 ス ルファミン酸ニッケル浴の場合、 電圧 6 V、 電流密度 3 A/ d m2で 1 0か ら 2 0分程度直流を流すことによって厚さ 5 i mの電気メツキ物を得るこ とができる。
また、電気メツキ法により充填される榭脂材料としては、エポキシ樹脂、 アクリル樹脂、 ポリイミ ド樹脂等が挙げられる。 これらの樹脂としては、 例えば株式会社 シミズ ェコート社のもの、 日本ペイント株式会社のパヮ 一トップ Uなどのァクリル樹脂などが使用可能である。
また金属、 樹脂何れの場合も各種の添加剤を添加することができ、 例え ばシリカ、 チタニア、 アルミナ等の金属酸化物微粒子、 フッ素樹脂微粒子 などを添加することで、 形成された膜の化学的な性質を変化させることが できる。
次いで、 樹脂電铸の場合には、 最後に約 2 0 0 °Cの加熱により樹脂をキ ユア一すると同時にレジス トを焼成除去する。 電気メツキ法の場合には、 例えばレジス トス トリ ッパー T H B— S 1 (商品名 : J S R株式会社製) によりレジストを除去する。
このようにしてフィルターを作製した後、 ゥエルあるいは補強用リブ部 を、 フィルターの形成方法と同様に、 さらに電気メツキ法により形成する ことができる。 すなわち、 上記と同様にフィルターの上にレジス ト膜を形 成し、 フォ トエッチング、 電気メツキ法材料の充填を行う。 この場合、 一 般にゥエルの高さはフィルターの厚さ以上であ.るためにレジスト膜も厚く なり、 このためレジストはドライフィルムレジストを積層して使用するこ とが好ましい。 一般に、 線幅と厚さのァスぺク トが 2を超えるメツキ物の 形成は 1回では困難であり、 このような場合にはフォトエッチングと電気 メツキ法によるメツキ物の形成を数回繰り返すことで所定の高さのゥエル とする。
第二の方法では、 フィルター、 ゥエル、 補強用リブ部の少なく ともいず れかをエッチング方法により作製する。 エッチングの対象物は、 フィルタ 一を形成できるものであれば、 金属、 金属酸化物、 有機物など特に限定さ れないが、特に好ましいのは、機械的強度が高い材料であり、具体的には、 例えば液晶ポリマー、 ポリカーボネート、 ポリアミ ド樹脂、 ポリイミ ド、 ポリエチレンテレフタレート、 ポリエチレンナフタレート、 ポリアリ レー ト、 ポリサルホン、 ポリエーテルサルホンなどのエンジニアリングプラス チック ;鉄、 ニッケル、 銅、 亜鉛、 アルミニウム、 シリコン、 チタン、 タ ンタル、 マグネシウム、 モリブテン、 タングステン、 ロジウム、 パラジゥ ム、 銀、 金、 白金、 ステンレス、 真鍮、 黄銅、 青銅、 燐青銅、 アルミ銅合 金、 アルミマグネシウム合金、 アルミマグネシウムシリコン合金、 アルミ 亜鉛マグネシウム銅合金、鉄ニッケル合金などの金属;シリカ、アルミナ、 チタニア、 ジルコユア、酸化タンタルなどの金属酸化物; S i N、 T i N、 T a Nなどの金属窒化物; S i C、W Cなどの金属炭化物;ダイヤモンド、 グラフアイ ト、 Diamond Like Carbon (D L C )などの炭素材料; ソーダーガ ラス、 ホウ珪酸ガラス、 パイレックス (商標)、 石英ガラスなどのガラスが 挙けられる。
エッチングは通常の方法によって行うことができる。 但し、 アスペク ト 比が余りに大きいエッチングはその孔径ゃ形状.が不均一になる可能性があ り、 実質的には、 通常の化学エッチングで得られるァスぺク ト比としては 5以下、 好ましくは 3以下である。 但し、 このアスペク トの範囲で積極的 に逆テーパー形状が形成されたフィルターを使用することで濾過性の良好 なフィルターを得ることもできる。
また、 ゥエルやリブ形状をエッチングで作製する場合には、 アスペク ト 比が 5以上となることが望ましく、 材料の異方性エッチングによりァスぺ ク ト 5以上のエッチングを行うことができる。 例えば、 シリコンなどの単 結晶材料で K O H水溶液ゃェチレンジアミン'ピロカテコール(EDP)、 4メ チル水酸化アンモニゥム(TMAH)などのェッチング液に対して大きな結晶依 存性を示すことを利用する。 シリコンの場合は (1 1 1 ) 面のエッチング 速度が他の結晶面に対して極端に遅く、 (1 1 0 )面を表面としたシリコン ウェハを用いてマスク材の開口のある辺を (1 1 1 ) 面方向と揃えて化学 的エッチングを行うことでァスぺク ト 1 0 0程度のエッチングを行うこと が可能である。 これらの方法は、 精密工学会、 編著:「ナノスケール加工技 術」、 日刊工業新聞社(1993)に記載されている。
また、 必要に応じて、 プラズマを用いた反応性イオンエッチング (R I E ) を行うことができる。 例えば、 S F 6にフレオン系の塩素ガスを含むガ スによって基板に垂直な異方性エッチングを行うことができる。 これらの 方法は、 「' 0 2最新半導体プロセス技術」、 プレスジャーナル社 (2001)に 記載されている。
特に、 組成の異なる複数の材質からなるプレート、 例えばアルミノアル ミナ、 金属シリコン zシリカ、 あるいは金属チタン/チタニァなどについ て、 それぞれ両側からパターンエッチングを行うことによりフィルターと ゥエルを形成する方法が好ましレ、。具体的には、.例えばアルミナ、シリカ、 チタニアなどの金属酸化物層について、 この金属酸化物層と金属層との境 界までをフォトエッチングしてフィルターを形成し、 次いで、 アルミ、 金 属シリコン、 金属チタンなどの金属層について、 この金属層と金属酸化物 層との境界までフォトエッチングすることにより、 ゥエルとフィルターと が接合したバイオチップを作製できる。
この方法によれば、 予め金属と金属酸化物などが一体となつた複層材料 を使用することにより、 フィルターとゥエルが一体接合したものを作製す ることができ、 フィルターとゥエル間の界面からの液漏れなどの懸念がな くなる。
また、 フィルタ一層としてアルミナ、 シリカ、 チタニアなどの透明材料 を使用することができるため、 光検出により検出を行う場合、 フィルター 層を介して直接粒子の挙動を見ることができる。
このような複層材料としては、 例えばアルミ板の表面を所定の厚さまで 酸化してアルミナとしたアルミ Zアルミナ板、 金属チタンを同様に酸化し た金属チタンノチタニア、 酸化膜付きシリコンウェハー、 あるいは s o I
(Silicone On Insulator)ウェハーなどが挙げられる。
また、 エッチング法によりシリコンウェハーをエッチングしてフィルタ 一、 リブおょぴゥエルを個別に形成し、 シリコンウェハーの平滑性を利用 してこれらを積層してチップとすることも可能である。 この場合、 フィル ター、 リブおよぴゥエル用のシリコンウェハーの厚さはそれぞれに適宜設 定され、 エッチング方法もドライエッチングとゥエツトエッチングをそれ ぞれフィルター、 リブおよ ゥエル毎に使い分けることも可能である。 この方法では、 フィルターとリブもしくはゥエルとを同一材料でエッチ ングする方法に比べて、 段差のある穴を開ける必要が無く、 フィルター、 リブおよびゥエル毎に設定された径の貫通穴を開けた後、 これらを積層し て組み立てるだけであるため作製が簡便である。 また、 シリコンの平滑性 により接合を行う、接着剤を使用しない界面接合により接合しているので、 界面からの液漏れが無く、 且つ剥離強度の高いチップを作製することが可 能である。
フィルター、 リブおよぴゥエルを所定の位置間隔で積層するためには、 あらかじめこれらに位置合わせマークを設けてこのマークにより位置合わ せすることが好ましい。 また、 液中で積層する場合、 積層プレートの横ず れによる積層面の剥離を防止するために、 積層面をクランプすることが望 ましい。
第三の方法では、 フィルターを金属の陽極酸化により作製する。 対象金 属としては、 アルミニウム、 シリコンなどが挙げられる。 以下、 アルミ二 ゥムを例として具体例を示す。 先ず、 アルミニウムの板を用意する。 アル ミニゥム板は場合により片側にゥエルの深さよりも約 1 0 0 μ πι程度の浅 い凹面をあらかじめ形成しておくが好ましい。 例えばゥエルの深さを 5 m m、 フィルターの厚さを 2 0 mとする場合は、 アルミ板の厚さが 5 . 0 mmであり 4 . 9 mmの凹面を持つアルミ板を用意する。 凹面内部に、 陽 極酸化工程中の機械的な強度維持を目的として、 モンタン酸ワックス、 ポ リエチレンワックス (クラリエント株式会社製) などのワックスなどの充 填物を充填しておき、 フィルター形成の後に熱溶融除去することも可能で ある。 次いで、 これらの凹面とほ反対側に、 フィルターの孔を空けるための先 導孔を形成する。 この先導孔はピッチが 1 μπι以下、 好ましくは 0. 5 μ m以下であり、 深さが 0. 1 m以上であることが好ましい。 これらの先 導孔は、 金型を用いたスタンビングによる方法の他に、 レジストによるフ オトエッチングでも得ることができる。
次いで、 これらのアルミをシュゥ酸あるいは硫酸溶液中で電圧を掛けな がら陽極酸化する。 その具体的な方法は、 特開 2003— 1 1 09 9号公 報に記載されている。 陽極酸化によりフィルターを作製した後、 アルミに 形成された凹面の底面と、 フィルタ一孔とを貫通させるために、 アルミゥ エルの凹面に燐酸、 フッ酸、 硝酸などの強酸あるいはこれらの混酸あるい は塩化第二鉄を滴下する。 例えば塩化第二鉄の場合は 50°C、 20時間ェ ツチングすることによりゥエル底面をフィルタ一孔面まで貫通させること が可能である。 これらの方法は応用物理 第 6 9卷 第 5号 (2.000)、 特開 2000— 258650号公報などに記載されている。 この陽極酸化 による方法によれば、 孔径が 5〜450 nm、 アスペク ト比約 1 00、 大 きさが 5〜 1 Omm程度のフィルターを作製することが可能である。
第四の方法では、 フィルターを樹脂のナノプリントで作製する。 先ず、 ナノプリントによるフィルターを形成するためのベース板を用意する。 ベ 一ス板は平滑な板か、 あるいはゥエル孔とするためにあらかじめ約 1 00 μ m程度の底部厚さを残した凹面を有する板でもよい。 この凹面も上記と 同様にワックスなどを充填してもよレ、。
あらかじめナノプリント用の型を用意しておく。 型の製造方法は特に限 定はないが、 孔径が数十 μπι以下である孔を設けた型は製造方法が限定さ れ、 一般にはシリコンの結晶異方性を利用した異方性ェツチングゃ X線リ ソグラフィ一による方法によるいわゆる M E M S ( Micro Electro Mechanical System ) 技術により得られる。 あるいは M E M S技術により 作成された型を元に金属メツキをした反転型を使用することも可能である c この様にして用意された型は、 プレス装置に装着される。 このナノプリン ト装置としては、 株式会社テクトリアの N P H T— 1、 株式会社日立製作 所のナノプリント装置、 明昌機ェ株式会社のナノプリント装置などを使用 できる。
ナノプリントによって成型する樹脂としては、 流動性の良好な樹脂が好 ましく、 液晶ポリマーや結晶性のナイロン樹脂などが好適である。 あるい はエポキシ樹脂やウレタンァクリレートなどのオリゴマーをプレスと同時 に光硬化あるいは熱硬化させてもよい。 エポキシ樹脂やウレタンアタリレ ートは液状の樹脂の他にプリプレダフィルム状のものも使用可能である。 これらのナノプリントによりプレス成型されたフィルタ一は型抜きせず に底面に皮状の樹脂を残す方が成型の失敗が少なく、 型が抜きやすい。 ま た型抜きの容易性や型の損傷を考慮すると形成する孔はァスぺクト比で 1 0以下が好ましく、 より好ましくは 5以下である。
また、 成型時に積極的に皮部分をゥエル部分として残し、 別途にこの皮 部分を掘削あるいはエッチングにてゥエル形成することが可能である。 フ イルム残渣をゥエルとして利用する場合は、 具体的にはベース板より樹脂 残渣シートを剥離した後、 剥離部分をドリル穿孔するか、 あるいはフォ ト エッチングを行うことによりフィルター部分まで貫通孔を空けることが可 能である。 あるいは途中までを機械的に穿孔した後、 最後の数 H ^〜数百 mを酸やアル力リなどによりエッチング除去することも可能である。
第五の方法では、 リブあるいはゥエルを光造型で作製する。 先ず、 上述 した電鍚、 エッチング、 金属の陽極酸化、 樹脂のナノプリントのいずれか の方法によりフィルターを作成する。 あるいはプレス加工、 エキスパンド メタル法により作製されたフィルターなどを使.用することも可能である。 これらのフィルターをベース板として、 あるいはフィルターを別のペース 板の上に固定してその上にゥエルあるいはリブを形成する。
具体的には、 図 1 1 ( a ) に示したようにベース板 7 1にフィルター 1 8を固定して、 光造形機バス 7 2へ設置し、 ベース板 7 1を支持するエレ ベータ一 7 3を下降させ、 フィルター 1 8側に U V硬化樹脂を 1層分流し 込み、 U V光を照射して 1層分の樹脂層のリブ部 2 3 (あるいはゥエル部 分) を硬ィ匕させる。 エレベーター 7 3の移動と U V照射を繰り返して所定 の層まで積層硬化させた後、 ベース板 7 1を含む積層体を U V樹脂液から 取り出し、 未硬化部分を洗浄してベース板 7 1を外しポストキユア一して リブあるいはゥエル付きフィルターを得る。
この光造型による方法において、 フィルター 1 8を下にしてその上に閉 じられた形状のリブ部 2 3あるいはゥエルを光造形で形成する場合、 これ らの内部における未硬化の樹脂の排出が困難であり、 内部の樹脂が表面張 力で盛り上がるためにリブあるいはゥエルの形状が乱れる可能性がある。 このため、 図 1 1 ( b ) に示したように、 フィルター 1 8を上にしてその 下側に光造形によりリブ部 2 3あるいはゥエルを形成成長させる方法が好 ましい。 この方法を行うための光造型装置は株式会社デンケンより S L P 一 4 0 0 0として装置が市販されており、 また造型の製造受託を行ってい る。 また、 現在の光造型は主としてレーザー照射により光硬化性樹脂の硬 化を行っているが、 上記の場合には照射パターンは一律であり、 フォトマ スクを通して光照射を行い U V樹脂を積層することも可能であり、 造型時 間を短縮することができる。
第六の方法では、 ゥエルあるいはリブとフィルターとを熱接着で接合す る。 例えば、 フィルタ一部分を加熱してゥエル.あるいはリプを非加熱の状 態で接合させ熱接着させる。 フィルタ一部分は熱伝導率の良い金属あるい はセラミックスで作製し、 リブは熱可塑性の材料を成型加工で作製する。 フィルターの端面を加熱材料と接合させ、 熱導電性を利用してフィルター を加熱しゥエルとリブを熱接着する。
あるいは、 電磁誘導加熱または誘電加熱を利用する。 ここで使用される ゥエルあるいはリブは、 電磁誘導加熱あるいは誘電加熱で発熱しなレ、低誘 電率の材料である熱可塑性の樹脂で作製する。 ここで使用される材料の誘 電率は 3 . 5以下であることが好ましい。 具体的な樹脂材料としては、 例 えばポリエチレン、 ポリプロピレン、 ポリスチレン、 ポリメチルメタァク リレート樹脂、 液晶ポリマー、 ポリカーボネート、 ポリアミ ド樹脂、 ポリ エチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、シクロォレフィン、 ポリメチルペンテン、 ポリアリ レート、 ポリサルホン、 ポリエーテルサル ホンなどが挙げられる。
上記のような樹脂材料を何らかの方法で成型してあらかじめゥエルある いはリブ形状にする。 ゥエルは、 フィルターに載置する複数のゥエルを一 体に全て作製しておくことが望ましく、 その方法としては射出成型、 プレ ス成型または異型押し出し成型によって複数のゥエル孔の空いた連続パイ プを作製してパイプを輪切りにする方法、 板にドリルなどの方法で孔を空 ける方法などが挙げられる。
また、 ここで使用されるフィルター材料は誘電加熱で加熱される材料が 好ましく、 誘電率が 3 . 8以上であるものが好ましい。 具体的には、 例え ば金、 銀、 ニッケル、 銅、 鉄、 アルミニウム、 チタン、 シリ コン、 ステン レス、 タングステン、 モリプデンなどの金属;シリカ、 アルミナ、 チタ二 ァなどの金属酸化物; S i Nなどの金属窒化物.; ソーダ一ガラス、 ホウ珪 酸ガラス、 パイレックス (商標)、 石英ガラスなどのガラスが挙げられる。 あるいは、樹脂材料に無機材料のフィラーを混合したものを用いてもよレ、。 ゥエルとリブとの間にフィルターを挟むなど、 ゥエルとリブとの少なく ともいずれかとフィルターとを重ね、 固定治具で固定し、 あるいは樹脂口 一ラーなどで挟み込んで加圧して電磁誘導加熱あるいは誘電加熱させ、 フ ィルター部分を発熱させてその熱によってゥエルとリブとをフィルターに 熱溶着する。 電磁誘導あるいは誘電加熱の周波数としては、 3 0 k H zか ら 3 0 O MH zが利用可能であり、 好ましくは 1〜 1 0 O MH zである。 第七の方法では、 フィルターとゥエルを接着剤で接着する。 予め接着剤 をゥエルの片側端面に塗布しておき、 フィルターに貼り付け、 必要に応じ て加熱して接着する。 あるいは、 クラリアントジャパン L I C OWA X L Pなどのワックスをゥエルに塗布し、 フィルターを加熱して塗布冷却す る方法で接着する。
第八の方法では、 フィルターのィンサート成型によりゥエルあるいはリ ブを作製する。 ィンサート成型ではあらかじめ作成したフィルターを金型 に揷入して、 榭脂成型を行うことでフィルターと樹脂とを一体成型するこ とが可能である。
第九の方法では、 フィルターとゥエルとをそれぞれ磁性材料を用いて磁 力により結合させる。 例えば、 フィルターかゥエルのいずれかに強磁性体 を用い、 対応するゥエルあるいはフィルターを磁石で構成し、 磁石で結合 することによりフィルター付きのゥエルとすることができる。 強磁性体と してば、 ニッケル、 鉄などが挙げられ、 磁石としてはフェライ ト、 サマリ ゥムコバルト磁石、 ネオジゥム系磁石、 アルミニウムコバルト系磁石など が挙げられる。
フィルターを磁石とする場合には、 例えば平滑な鲖、 ニッケル、 クロム などの金と接着性の良い金属板の表面に、 数十オングストロームの厚さで 金蒸着を行い、 次いでフォ トレジストを塗布した後にフィルターの細孔を 形成する部分にレジストを残したパターユングを行う。 次いで無電解フヱ ライ トメツキを行い厚さ 1〜2 0 μ πιのフェライ ト層を形成した後、 レジ スト剥離液にてレジストを剥離し、 最後に金蒸着層からフェライ ト層を剥 がす。 このフェライ トメツキは、 例えば日本応用磁気学会誌 Vol22, No9, 1998 1225-1232, 日本応用磁気学会誌 Vol 24, No4 - 2, 2000, 515-517 の条件に準じて行うことができる。
このようにフィルターを磁石として、 例えば上述した電铸ニッケルメツキ によりゥエルを作製し、 両者を磁力により結合することでフィルター付き ゥエルが作製される。
また、 リブを磁石とする場合には、 例えばフェライ ト、 サマリウム系あ るいはネオジゥム系の磁性粉を樹脂パインダ一にて混合してシートとした プラマグシート (例えば株式会社マグエックス社製のもの) などにレーザ 一にて厚さ 0 . 3 m m〜 1 m m程度の孔を空けた後、 上述したニッケルフ ィルターと磁石により結合してフィルター付きゥエルとすることができる。 第十の方法では、 機械的な嵌合によりゥエルとフィルターとを結合させ る。 例えば、 上述したニッケルの電気メツキ法により作製されたゥエルの レジストを剥離する前に、 さらにレジス トを塗布パターニングし、 ゥエル 壁上面中心にゥエルの幅より ち 5 0 μ m〜 1 0 0 ^ mだけ幅が狭いテーパ 状のレジスト溝を設ける。この溝に、すずもしくは金などの軟らかい金属、 あるいは樹脂によるメツキを行い溝を充填する。 次いで、 レジス トを剥離 液にて剥離して、 ニッケルのゥエルの上に高さが幅とほぼ同等のすず、 金 あるいは樹脂などの櫛形の凸部が形成された凸構造のゥエルを形成する。 同時に、 フィルター側にもレジス トで同じ位置に、 メス型となるような、 上記の凸型と高さと幅が同等でゥエルの凸部よりも硬いニッケル、 ポリイ ミ ド樹脂などの凹型形状を形成する。 次いで、 両者をロールなどで加圧す ることで機械的に嵌合して結合させてフィルター付きゥエルを得る。また、 逆にゥエル壁上面に凹形状を設け、 フィルター側に凸形状を設けるように してもよい。
本発明のバイオチップでは、 第一のフィルターをゥエルの底部に設ける とともに、 その上側 (ゥエルを介して反対側) に第二のフィルターを設け る構成であってもよい。 第二のフィルタ一は、 上述した方法により得られ た底部にフィルターを有するゥエル内にプローブ担持粒子を収納し、 さら に上述した方法により得られたフィルターを接着剤、磁力、機械的な嵌合、 平滑面同士の平面接合、 機'械的なクランプにより接合する方法などにより 設けることができ、 これにより上下にフィルターを有するバイオチップを 得ることができる。
また、 フィルターが各ゥエルの底部に形成されたバイオチップは、 例え ば次の方法で作製することができる。
( 1 ) 図 1 9 ( a ) に示したように、 フィルター 1 8をコルゲート状に して、 その凸頂部 3 2と凹頂部 3 4とを、 側壁 2 0を構成する適当なフィ ルムあるいはフィルターで接着して各ゥエル 1 6、 1 6 · · .を形成する 方法 ( 2) 図 1 9 (b) に示したように、 金属、 あるいは樹脂製のフィルタ 一を、 プレス金型を用いて、 所定の間隔に凹部を有する形状に成型してこ の凹部をゥエル 1 6、 1 6 · · · とする方法、 .あるいはさらにその片側を
' 別のフィルターあるいはフィルムを粘着剤、 磁石や機械的な嵌合などの方 法で接合して閉ざされた空間を有するゥエルを形成する方法
(3) 図 1 9 (c ) に示したように、 ゥエル 1 6、 1 6 · · · の底壁 2 2に、 レーザー、 プレス、 フォ トエッチング等で貫通孔を穿設してフィル ター 1 8とする方法、 あるいはさらにゥエルの上をフィルターで粘着剤、 磁石や機械的な嵌合により接合する方法
(4) 図 1 9 (d) に示したように、 底壁 2 2の無い、 側壁 2 0で形成 されたものを作成し、 その底部にフィルター 1 8を接着する方法、 あるい はさらにゥエルの上をフィルターで粘着剤、 磁石や機械的な嵌合により接 合して覆う方法
(5) 金属、 金属酸化物、 金属 Z金属酸化物あるいは樹脂等をレーザー による穿孔、 機械プレスまたはフォ トエッチングする方法
本発明のバイオチップは、 一体に形成された複数のゥエルもしくは単一 のゥエルを有しており、 このゥエルにプローブ担持粒子が分散された分散 液が収容される。 ゥエルに収納する粒子はフィルター細孔よりも大きい粒 子径で、チップの粒子をフィルターの孔に静置させ光学検出する場合には、 プローブ担持粒子の粒子径とフィルターの細孔の孔径は、 粒子径/孔径 = 1. 1〜2. 5であり、 且つ、 粒子径く孔間隔く粒子径 X 1 0、 より好ま しくは粒子径<孔間隔く粒子径 X 4である関係を有している。 ここで、 「孔 間隔」 とは隣接する各孔の間における孔が空いていない部分の最短距離の ことである。 粒子径 /孔径が 1 . 1未満である場合、 粒子が細孔に入り込み、 細孔か ら粒子が脱離できない確率が高くなる。 粒子径 孔径が 2 . 5を超える場 合、 粒子を含む溶液をフィルターを介して濾過.し、 粒子をフィルター上に 残した際に、 粒子が孔上に位置せず、 ランダムに、 あるいは粒子同士が重 なり合ってフィルター上に配列される確率が高くなる。 粒子が細孔に入り 込み脱離できなくなることをさらに防止するためには、 上記の関係が、 粒 子径 Z孔径 = 1 . 1 5〜2 . 0であることがより好ましく、 さらに好まし くは粒子径ノ孔径 = 1 . 2〜1 . 6である。
また、 チップを分離精製用に使用する場合には、 粒子の粒子径、 フィル ターの孔径および孔間隔は、 粒子径>孔径 +孔間隔 Z 2である関係を満足 するように設定される。 この関係を満たしていると、 粒子を含む溶液をフ ィルターを介して濾過し、 粒子をフィルター上に静置させた際に、 粒子が すべてのフィルタ一孔上に静置せず少なくとも 1つおきの孔間隔で粒子が 静置するために、 少なくとも 5 0 %以上の間隔で粒子により塞がれないフ ィルタ一孔が存在し、 この結果、 濾過抵抗の上昇が防止される。
1ゥエルに収納する全粒子数は用途により異なり、 分離分画用途の場合 はフィルター細孔数の 1 0 0倍〜 1 / 1 0 0倍、 好ましくはフィルター細 孔数の 1 0〜1 / 1 0倍の範囲内であり、 検出 ·同定の場合は各プローブ ごとに粒子の絶対数で 1〜1 0 0 0個、 より好ましくは 1〜5 0 0個、 さ らに好ましくは 1〜 2 0 0個である。 1ゥエル内の粒子数が多いと、 濾過 に際して濾過抵抗が大きくなり濾過性能を低下させ、 あるいはフィルター が破壊される。 検出 ·同定に際して有意となる粒子数は 1 0 0 0個でも充 分であり、 それ以上は意味がなくむしろ濾過性を困難にする。
各ゥエルへ収納するプロ一プ担持粒子の絶対数は、 次の方法で制御する ことができる。
すなわち、 粒子溶液の投入時にフローサイ トメ一ターで粒子を個別に制御 しながら C C Dカメラなどで個々の粒子を実際にカウントしながら投入す ることにより制御することができる。 あるいは、 あらかじめ粒子溶液の粒 子濃度を測定しておき、 当該溶液内の粒子濃度と粒子の比重から粒子数を 計算して、 この結果から逆算した粒子溶液量をスポッタ一等で投入するこ とで、 近似の粒子数をセル部屋に投入することができる。 また、 複数回に 分けて所定数の粒子をスポットし、 スポットした粒子数をその都度カウン トして不足量を算出し、 不足量がゼロ近似になるまでスポットを行う方法 も可能である。
ここで、 粒子数は、 ある程度の近似的な同一性があればよいが、 その誤 差範囲は C V値で 2 0 %以内であることが好ましく、 より好ましくは 1 0 %以内である。
プローブを担持する粒子としては、 フィルターの細孔径ょりも大きな径 をもつ粒子であれば特に限定されず、有機粒子、無機粒子、有機無機粒子、 相転移ゲルなどのいずれも使用可能である。
有機粒子としては、 具体的には、 ブタジエン系、 スチレン系、 ジビエル ベンゼン系、 アクリロニトリル系、 アタリレート系、 メタタリレート系、 アクリルアミ ド系、 ベンゾグアナミン系、 ナイロン系、 ポリビニ ァ コ ール系おょぴフッ素系等のモノマーを、 単独であるいは 2種以上を組み合 わせて用いたモノマー原料から、 乳化重合あるいはサスペンション重合に より得られた粒子を使用することができる。 あるいは多孔質の均一孔を持 つプレートから樹脂を押し出して粒子を作成する膜乳化などによる方法も 可能である。 これらの粒子は必要に応じて分級機にて粒子径を揃えること も可能である。
また、 重合時にあるいは重合後にフェライ ト等の磁性体を添加して得ら れたもの、 あるいは特開平 1 0— 8 3 902などの方法にて粒子をフェラ ィ トメツキしたもの、 あるいはセルロース、 デンプン、 ァガロース、 ガラ クトース等の天然物架橋ゲル、 アクリルアミ ド等の合成架橋ゲルも使用す ることができる。
これらの粒子径の粒子径分布は、 CV値で 1 0%以内とすることが好ま しく、 より好ましくは 5%以内である。 CV値が 1 0%を超える場合、 粒 子がフィルターの孔に入り込む確率が高くなる。
スチレン系の粒子については、 例えば特開昭 57- 1 68 1 6 3号公報 に記載の方法により得ることが可能である。
また、 磁性粒子は、 例えば特開平 1 1一 1 766 22号公報に記載の方 法により得ることが可能である。
無機系の粒子としては、 金属酸化物粒子、 金属硫化物粒子、 金属粒子を 使用することができる。
金属酸化物粒子として最も好ましいのは、 シリカ粒子であり、 市販の各 種シリカ粒子を使用することができる。
また、 市販されている各粒子が使用可能であり、 例えば、 ィムテックス (商品名 : J SR)、 MC Iゲル (商品名 :三菱化学)、 トヨパール (商品 名 :東ソ一)、 ダイソーゲル (商品名 : ダイソ一)、 ショーデッタス (商品 名 :昭和電工), サンスフエアー (商品名 :旭硝子)、 PL- P EGA (商品 名: Polymer Laboratories)、 P L - CM b> ^品名: Polymer Laboratories)、 P L-P B S (商品名 : Polymer Laboratories) , P L- DMA (商品名 : Polymer Laboratories)、 AM resin (商品名 : Novabiochem) N P 500 (商 品名 :東レ)、 トレパール '(商品名 :東レ)、 テクポリマー (商品名 :積水 化成品工業)、 M P , MRシリーズ (商品名 :綜研化学)、 ベルパール (商 品名 :鐘紡)、 ェポスター (商品名 : 日本触媒工業)、 セルロースパウダー (チッソ、旭化成)、セファセル(商品名:アマ一シャムフオルマシア社)、 セファロース (商品名 : アマ一シャムフオルマシア社) などが使用可能で ある。
前記粒子表面を、 アミノ基、 カルボキシル基、 カルポジイミ ド基、 ェポ キシ基、 トシル基、 N—サクシイミ ド基、 マレイミ ド基、 チオール基、 ス ルフィ ド基、 ヒ ドロキシル基、 トリメ トキキシリル基、二トリル三酢酸基、 ベンゾスルホアミ ド基、 ポリエチレンイミン基, 四級アンモニゥム基, ォ クタデシル基等の各種官能基、 あるいは γ—ダリシドォキシプロピルトリ メ トキシシランなどにより表面修飾して、 プローブ結合サイ トとすること ができる。
また、 これらの表面修飾に際して、 粒子担持プローブと被検体との反応 の際の立体障害を低下させるために、 炭素数 1 0〜 1 0 0のアルキレン基 の両端に官能基が結合した構造の化合物、 例えば、 エチレングリコールジ グリシジルエーテル誘導体、 N—k—マレイミ ドウンデカニック酸、 メル カプトプロビルトリメ トキシシラン、 力リックスアレン誘導体、 液晶をス ぺーサ一として使用することができる。また、アミノ基、カルボキシル基、 チオール基などで修飾されたオリゴヌクレオチドもスぺーサーあるいはス ぺーサ一兼結合サイ トとして使用可能である。
プローブを担持する粒子として、 有機粒子を使用する場合、 その粒子径 は、 0 . 0 2 μ m〜: 1 2 0 μ mが好ましく、 より好ましくは 0 . 1 m 6 0 mである。 粒子径が小さい場合にはハンドリング性に難点が生じ、 これらの粒子を捕捉するフィルターの作成が困難となり、 またフィルター 孔が小さいために被検体が目詰まりしゃすくなる。 また粒子径が大きい場 合には、 立体障害のために反応性が低下するこ.とがある。
また、 必要に応じて粒子を多孔質または中空状にすることが好ましい。 これによつて、 粒子径が大きい場合であっても、 重量による粒子の沈降に 起因する被検体との反応性の低下を防ぐことができる。
プローブを担持する粒子として、 無機粒子を使用する場合、 その粒子径 は、 0 . 1 μ πι〜0 . 1 mmが好ましく、 より好ましくは 1 m〜 0 . 0 5 mmである。 粒子径が小さい場合にはハンドリング性に難点が生じ、 特 にフィルターの細孔による粒子の捕捉が困難となる。 また粒子径が大きい 場合には、 沈降するために反応性が低下することがある。
また、必要に応じて粒子を多孔質にすることが好ましい。これによつて、 粒子径が大きい場合であっても、 重量による粒子の沈降などを防止するこ とができる。
プローブ担持粒子を各ゥエルへ収納する方法としては、 粒子にあらかじ め各ゥエルに対応した各種のプローブを別途固定化しておき、 これをスポ ッタ一等で対応するセル内に投入する方法が挙げられる。 あるいは、 プロ 一プ結合サイトを表面に有する粒子をスポッター等で各ゥエルに投入し、 次いで、 所定のゥエルに対応した、 種類の異なるプローブをスポッターな どで対応するゥエルに投入する方法を用いることも可能である。
前者の方法では、 粒子にプローブを結合する方法として、 市販されてい る各社の固相合成機を使用することができ、 例えば、 オリゴヌクレオチド の合成機、 ぺフチドの合成機、 糖鎖合成機、 コンビナトリアルケミス トリ 一による各種低分子化合物合成機などを使用することができる。 固相法で は反応と分離のために担体としてシリカビーズゃポリスチレンジビエルべ ンゼン粒子が使用されており、 これらの固相合成担体ビーズとチップ 1 0 に収納する粒子担体を兼用することで、 合成機で合成したプローブ担持ビ ーズをそのままチップ 1 0にスポットして収納することが可能である。 こ れらの合成機、 特にオリゴヌクレオチドの合成機は汎用に普及使用されて おり、 現在では、 例えば夕方に合成機をセットすれば、 翌朝にはォリ ゴフ クレオトチドを固定化した粒子を作成することもできるようになり、 これ をスポットするだけで任意のヌクレオチドをもつオーダーメードチップを 極めて短時間に作成することができる。
粒子に担持するプローブとしては、 例えば、 核酸、 分子量 5 0 0〜1 0 0万のタンパク質、脂質、糠鎖、細胞、 タンパク質発現細胞、 ァプタマ一、 ウィルス、 酵素、 分子量 5 0〜 1 0 0万の、 薬理活性を有するリード化合 物、 あるいは特定の生理活性作用を持つか、 これを持つ可能性のある化学 物質などを使用することができる。
このうち、 分子量 5 0〜 1 0 0万のタンパク質としては、 具体的には、 合成ペプチド、 膜タンパク質、 酵素、 輸送蛋白、 サイ ト力イン、 リンフォ 力イン、 I g Aおよび I g Eなどの抗体、 各種抗原、 あるいはルシフェリ ン、 ルシフヱラーゼ、 ェクオリン、 グリーン蛍光タンパク質等の生物発光 機能を有するものなどが挙げられる。
脂質としては、 具体的には、 ホスファチジン酸、 ホスファチジルイノシ トーマンノシド、ウルシオール、各種のガングリオシドなどが挙げられる。 ァプタマ一は、 タンパク質、 酵素、 色素、 アミノ酸、 ヌクレオチド、 成 長因子、 遺伝子発現調節因子、 細胞接着分子、 生物個体などと結合能力の ある機能性核酸であり、 具体的には、 トランビンアブタマ一、 エラスター ゼァプタマ一、 活性化プティン C, C型肝炎ウィルスの N S 3プロテア一 ゼァプタマ一などが挙げられる。
分子量 5 0〜 1 0 0万の、 低分子リード化合^としては、 具体的には、 基質、 補酵素、 調節因子、 レクチン、 ホルモン、 神経伝達物質、 アンチセ ンスオリゴヌクレオチド、 リボザィム、 ァプタマ一等のリガンド、 フエ二 ルビペリジン誘導体、 スルホンアミ ド/スルホン酸誘導体、 ステロイ ド、 プロスタグランディン誘導体などの医薬候捕物質が挙げられる。
プロ一ブ担持粒子は、 プローブの種類を識別するためのプロ一ブ識別情 報を与えるための少なくとも一種の識別手段を有することが可能である。 このような識別手段としては、 プローブ担持粒子の色、 形状および粒子径 が挙げられる。
これらの識別手段は複数を組み合わせてもよく、 例えば色と粒子径、 色 と形状、 色と遺伝子配列などの組み合わせが可能である。 識別手段を色と するためには、 粒子を染料、 顔料、 蛍光染料などで含浸着色させる。 これ らの染料、 顔料、 蛍光体、 燐光体について、 異なる吸収、 発光波長を持つ ものとその色濃度とを組み合わせることで、 さらに多数のプローブ識別情 報を得ることが可能である。 例えば、 色の種類として 2色、 色濃度として 3濃度を用いることで 9種類の識別情報を得ることが可能である。 染色粒 子としては、 例えば、 J S Rの I MMU T E Xなどが使用可能である。 ま ,こ、 光粒子は、 Molecular Prooes, Inc.の FluoSpheres fluorescent microspheres として販売されているカルボキシル変性、 スルホン酸変性、 アルデヒ ドースルホン酸変性、 ァミン変性粒子などが使用可能である。 これらの色識別情報は次のようにして検出される。 先ず、 色標識された 粒子に光源を照射する。 色素標識が蛍光体、 憐光体である場合は、 対応す る蛍光あるいは燐光励起波長光源である必要がある。次いで C C Dカメラ、 光電子増幅管などで粒子からの蛍光あるいは燐光などを光学的に検出し、 得られた検出情報を統計的に処理してプローブ譁別情報を得る。
また、 粒子径を識別情報とする場合には、 あらかじめ粒子径の大きさを 各プローブに対応して変えたものを用意する。 これらの粒子径としては、 検出感度の問題から、 粒子径の差を 0 . 3 // m単位以上とすることが好ま しく、 より好ましくは 0 . 5 μ πι以上である。
このように、 ゥエル内に複数の識別可能なプローブ担持粒子を収納する ことで、 1ゥエルで同時多項目検出が可能となり、 反応時間と操作工程が 短縮する。 また、 複数のゥエルを有するチップを用いてヴエルの位置情報 と複数の識別可能なプローブ担持粒子を組み合わせることで、 例えばゥェ ル数を 1 0 0ゥエル、 識別可能なプローブ担持粒子の種類を 1 0 0とする ことで 1 0 0 X 1 0 0 = 1 0 , 0 0 0種類のプローブを収納するバイオチ ップを得ることが可能となる。
上述したような識別手段を有するプローブ担持粒子は、 以下のように各 ゥエルへ収納される。
(i) 全ての識別手段における識別情報が同一である複数のプローブ担持 粒子が同一ゥエルに収納されるとともに、 各ゥエルに収容された複数のプ ローブ粒子について、 識別情報が同一である。 すなわち、 一つのゥエルに 色、 粒子径などのプローブ識別手段が同じであり、 色の種類、 粒子径のサ ィズなどの識別情報も同一である複数の粒子が収納され、 各ゥエル間につ いても同じ粒子が収納されている。 なお、 識別情報が同一であることが予 め判明している場合は、 プロ一ブ識別情報とプロ一プ識別工程は無視する ことも可能である。 (i i) 全ての識別手段における識別情報が同一である複数のプロ一ブ担 持粒子が同一ゥエルに収納されるとともに、 各ゥエルに収納された複数の プローブ粒子について、 識別情報が異なっている。 すなわち、 つのゥェ ルに色、 粒子径などのプローブ識別手段が同じであり、 色の種類、 粒子径 のサイズなどの識別情報も同一である複数の粒子が収納され、 各ゥエル間 については、 識別手段は同一であるが色の種類、 粒子径のサイズなどの識 別情報が異なる粒子が収納されている。
(i i i) 少なくとも一種の識別手段における識別情報が異なっている複数 のプローブ粒子が同一ゥエルに収納されるとともに、 各ゥエルに収納され た複数のプローブ粒子について、 その全ての識別手段における前記識別情 報の構成が同一である。 すなわち、 一つのゥエルに、 色、 粒子径などのプ ローブ識別手段の少なくとも一つについて、 色の種類、 粒子径のサイズな どの識別情報が異なっている複数のプロ一プ担持粒子が収納され、 各ゥェ ル間については、 この識別情報の構成は同一である。
(iv) 少なくとも一種の識別手段における識別情報が異なっている複数 のプローブ担持粒子が同一ゥエルに収納されるとともに、 各ゥエルに収納 された複数のプローブ粒子について、 その少なくとも一種の前記識別手段 における前記識別情報の構成が異なっている。すなわち、一つのゥエルに、 色、粒子径などのプローブ識別手段の少なくとも一つについて、色の種類、 粒子径のサイズなどの識別情報が異なっている複数のプロ一ブ担持粒子が 収納され、 各ゥエル間について、 この識別情報の構成が異なっている。 アツセィの内容に応じて、 ゥエルの数およびゥエルに収納されるプロ一 ブ担持粒子の構成が適宜選択される。 例えば、 図 2 6 ( a ) に示したよう に単一のゥエルに同一のプローブ担持粒子を収納する態様;図 2 6 ( b ) に示したように単一のゥエルに識別情報が異なるプローブ担持粒子を収納 する態様;図 2 6 ( c ) に示したように複数のゥエルに同一のプローブ担 持粒子を収納する態様;図 2 6 ( d ) に示した,ように複数のゥエルに識別 情報が異なるプローブ担持粒子を収納するとともに、 各ゥエル間での識別 情報の構成が同一である態様;図 2 6 ( e ) に示したように複数のゥエル に識別情報が異なるプローブ担持粒子を収納するとともに、 各ゥエル間で の識別情報の構成が異なる態様などを挙げることができる。
例^ば、 上述したプローブ担持粒子を収納したゥエルに被検体を投入す る際には、 図 2 7 ( a ) のようにゥエル 1 6の上部開口から投入する他、 図 2 7 ( b ) のように容器 1 2に収容した一被検体と各ゥエル 1 6の底部 を接触するようにしてもよく、 あるいは、 図 2 7 ( c ) のように各ゥエル 1 6に対応する区画を有する容器 1 2に区画ごとに異なる被検体を収容し、 これに各ゥエル 1 6の底部を接触させることにより、 各ゥエル 1 6ごとに 異なる被検体を収容することも可能である。
<バイオチップキット >
本発明のバイオチップキットは、 バイオチップと、 バイオチップのゥェ ルを収納し、 あるいはバイオチップと接続する容器とを備えている。
容器の材質は特に限定されず、 有機材料および無機材料のいずれも使用 することができる。 有機材料としては、 具体的には、 ポリエチレン、 ポリ エチレン酢酸ビュル樹脂、 ポリエチレンビニル樹脂、 ポリプロピレン、 ポ リスチレン、 ポリブタジエン、 ポリアクリロニトリル樹脂、 ポリメチルメ タァクリレート榭脂、 A S樹脂(ァクリロニトリルとスチレンの共重合体)、 A B S樹脂 (アクリロニトリル、 ブタジエンおよびスチレンの共重合体)、 AA S樹脂 (アクリロニトリル、 アクリル酸エステルおよびスチレンの共 重合体)、 ポリカーボネート'、 ポリアミ ド樹脂、 ポリエチレンテレフタレー ト、 ポリエチレンナフタレート、 脂肪族ポリエステル、 ポリ乳酸、 ポリグ リコール酸、 脂肪族ポリアミ ド、 脂環式ポリアミ ド、 シクロォレフイン、 ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビエル、ポリ酢酸ビュル、ポリアリ レート、 ポリサルホン、 ポリエーテルサルホン、 ポリイミ ド、 トリァセチルセル口 ース、 セルロースアセテート樹脂、 硝酸セルロース樹脂、 エポキシ樹脂、 ポリテトラフノレオ口エチレン、フツイ匕エチレンポリプロピレンコポリマー、 テトラフ/レオ口エチレンパーフロォロアノレコキシビニノレエーテノレコポリマ 一、 ポリクロロ トリフ /レオ口エチレン、 エチレンテトラフノレォロエチレン コポリマー、 ポリフッ化ビ-リデン、 ポリフッ化ビニル、 シリコーン榭脂 などが挙げられる。
これらの有機材料の成形方法としては、 例えば、 射出成形、 プレスレス 成形、 射出圧縮成形、 射出プレス成形、 圧縮成形、 トランスファー成形、 切削成型、 光造形等が可能である。
無機林料としては、 具体的には、 ニッケル、 銅、 鉄、 アルミニウム、 チ タン、 シリコーン等の金属;シリカ、アルミナ、チタニア等の金属酸化物、 ソーダ一ガラス、 ホウ珪酸ガラス、 パイレックス (商標)、 石英ガラス等の ガラスなどが挙げられる。
これらの無機材料は、 プレス成型、 板のエッチング、 レーザー穴あけ、 サンドブラス ト、 樹脂もしくは金属容器への表面塗布などに例示される、 成型あるいは表面処理加工などの各種方法により容器形状とすることがで さる。
また孔が形成されたプレート、 あるいは孔が形成されていないプレート を用い、 これらのいずれか一方または両方を複数積層して所定の容器とす ることができる。 これらのプレートは、 積層部分からの液体の漏れを防ぐ ために、 積層する部分のプレート面同士が平滑である必要がある。 そのた めに、 プレートを研磨して平滑にする力、 ある!/、はシリコンウェハーなど のように予め平滑であるプレートを使用する。 これらの平滑なプレート同 士を接合した場合は、 接着剤などを使用しなくても非常に強固な接合を得 ることができる。
プレートとしてシリコンウェハーを使用する場合、 必要に応じて酸化膜 を形成したものであってもよく、 あるいは、 プレートを積層した後に酸化 このようなプレートを用いた容器は、例えば次のように作製する。まず、 容器の底部用に、 微小な空気入排出孔を有するプレートを用意する。 空気 入排出孔の深さを深くしたい場合は、 必要に応じて最下層のプレートを複 数枚積層する。 その上に、 容器を水平に切断したのと同等の形状を持つ平 滑なプレートを、容器の穴が所定深さとなるように任意の数だけ積層する。 容器の穴の深さは、 同等の形状であるプレートを複数枚積層することで任 意に制御できる。 容器の形状を深さ方向に制御したい場合、 例えば段差の ある穴形状としたい場合は、 形状の異なるプレートを積層することで任意 の穴形状とすることができる。
最上部に配置される容器の蓋には、 液体あるいは空気圧の入排出用とし てプレートに垂直に孔を空けたものを使用する力 \ あるいはプレート面に 溝を切ったものなどを用意してプレート積層体の最上部に蓋をしてもよい。 また、 積層体の最上部あるいは底部に位置するプレートには、 光学的な検 出を可能とするために透明なガラスなどの材料を使用することができる。 一般に、 孔径が微小で孔の深さが深い、 いわゆる高ァスぺクト比の孔の 作成は困難であるが、 上記め方法により任意のァスぺクトの孔を有する容 器を作成することが可能となる。
上記の方法により、 チップのゥエルに対応した孔を有する容器とすること も可能であるし、 複数のゥエルに対して 1つの穴を共有する容器とするこ とも可能である。
チップのゥエルに対応するゥエルを持つ容器とするためには、 ゥエル水 平断面と同等の孔形状である断面を持つプレートを容器の孔の深さだけ積 層する。
複数のゥエルに対して 1つの穴を有する容器とするためには、 複数のゥ エルによる水平断面積を力パーする面積以上の孔径を有するプレートを、 容器の孔の深さだけ積層する。
また、 容器底部に孔を持つ容器は、 前記したように、 容器底部となるプ レートとして、 あらかじめ孔を空けたプレートを用いることにより得るこ とができる。 容器底部に孔を設けることにより、 例えば、 バイオチップの ゥエルと容器とを接続した際に、 バイオチップのゥエルに圧力を掛け、 容 器底部の孔から容器の空気を排出することで、 バイオチップのゥエル内の 液体を容器に移動させることができる。
容器底部の孔径は、 孔径が大きい場合は容器の液が漏洩するため一定以 下の孔径することが必要であり、 その孔径は孔の深さあるいは孔と液体と の親和性により決まるが、 一般には 5 0 ^ πι〜 l mm、 好ましくは 0 . 1 mm〜0 . 5 mmである。 孔径が 5 0 μ m以下の場合、 目詰まりおよぴ濾 過抵抗が大きくなり、 孔径が 1 mm以上の場合は液体が漏洩する可能性が ある。
バイオチップと容器とにより、 相互に対応する同一径のゥエル同士を連 結したバイオチップキットを構成することができる。 この場合、 ゥエル同 士を連結する接続部において、 液体の移動上流側のゥエルよりも下流側の ゥエルの断面積を大きくすることにより、 接続部におけるゥエルの位置合 わせ誤差を最小にすることができる。
バイオチップと容器とは、 接続部において凹 /凸、 凸 凹あるいは超平 滑面同士の接合により接合することができる。 これらのいずれかの接合方 法により、 液体が接合部から隣のゥエルに漏洩することを防止することが できる。
また、バイオチップ同士を、上記と同様にして、接続部において凹/ /凸、 凸 /凹あるいは超平滑面同士の接合により接合することもできる。
バイオチップと容器、 あるいはバイオチップ同士の連結により、 相互の ゥエル間同士の溶液移動、 いわゆる溶液の直接ゥエル間フローダウン移動 が可能となり、 移動にシリンジなどの移動手段を要しないため、 シリンジ 壁への付着に伴う溶液の減少、 汚染などを生じることがなく、 また溶液移 動に要する時間を短縮できる。
バイオチップと容器を接続したバイオチップキットは、 例えば以下の方 法で作製することができる。 ここで例示する方法では、 容器を、 貫通穴を 有するプレートと、 穴が形成されていないプレートのいずれかを用いた複 数のプレートの積層により形成する。
図 1 5 ( a ) に示したバイオチップキットは、 次のようにして作製され る。 まず、 シリ コンウェハーのエッチングにより貫通穴が形成された、 ノく ィォチップ 1 0と同等の厚さのプレート 8 7 aと、 任意の厚さのプレート 8 7 bと、 シリコンウェハーをエッチングして気体もしくは液体の入排出 口、あるいは液体入排出溝を形成したプレート 8 7 cを用意する。次いで、 プレート 8 7 c ' の上にプレート 8 7 b ' を、 さらにプレート 8 7 a ' を 位置合わせしながら積層することによって、 二段の段差を持つ穴が設けら れた積層プレートを作製する。 この積層プレー.トのプレート 8 7 a ' の穴 に、 バイオチップ 1 0の張り合わせ前の片側チップを挿入してバイオチッ プと容器が複合された片半分バイオチップキットを作製する。 同様に、 8
7 a , 8 7 b , 8 7 cを同様に積層して積層プレートを作製し、 さらにバ ィォチップ 1 0の張り合わせ前の片側チップを挿入して、 同様な片半分バ ィォチップキットを作成する。
次いで、 プローブを結合した粒子を上記の片半分キット中のゥエルに、 ゥエルの開放面からスポッ トなどの方法で収納する。 この粒子の収納され た片半分キットを下に、 もう一方の片半分キットを上にして、 ゥエル同士 が相対するように接合する。 これにより、 容器とチップとがー体となった バイオチップキットが作製される。 この際、 あらかじめ設けられた位置合 わせマークによって上下のキットの位置合わせすることにより、 正確に位 置合わせすることができる。 '
また、 図 1 5 ( b ) に示したバイオチップキットのように、 最外側の上 下端面を広く形成したチップを用意してノ ィォチップ 1 0の上下端面と、 シリコンウェハーをエッチングして貫通穴を形成したプレート 8 7 b ( 8 7 b ' ) の一端面とを張り合わせて積層してもよい。
図 1 6 ( a ) に示したように、 容器の底部あるいは蓋部となるプレート に、 光学検出用として、 例えば石英ガラスなどで形成した平滑で透明なプ レート 9 4を用いることも可能である。 光学検出は、 フィルターに充填し た粒子の反応を見るために行うが、 同図のように構成することにより、 底 部あるいは蓋部からフィルターへの距離を最小限にすることができ、 光学 系の開口率を向上することができる。 但し、 この場合、 液体を収容する容 器の容積が少なくなり、 検体や洗浄液が収容不足となる可能性がある。 そ の場合には、 図 1 6 (b) に示したように、 液体の入排出口 8 8に、 ポン プ 9 0に接続されたチューブ 8 9を取り付け、 チューブ 8 9を通して液体 を循環させるか、 あるいはキット内と上下のチューブ取り付け口の一定部 分のみに液体を上下させ、 チューブの一部をキット容器バッファーとして 使用することで、 容器の容積不足を解消することができる。
図 1 7 (a ) に示したように、 プレート 8 7 b (8 7 b ') を複数枚積層 することにより、 容器容積を拡大することができる。 また、 図 1 7 (b) に示したように、 プレート 8 7 b (8 7 b ') の穴径を漸次変えて、 容器内 面に傾斜を付与することも可能である。 この場合、 入排出口 8 8から容器 内方へ向かって次第に容器径が大きくなるように、 階段状に容器内面に傾 斜を付与することで、 バイオチップの各ゥエルへ溶液を均等に入排出させ ることができる。
図 1 7 (c) に示したように、 バイオチップ 1 0のゥエル 1 6に対応す る独立したゥエル 9 1を有し、 これらのゥエルに対応する孔 9 2が底部に 形成された容器を接続させることも可能である。 この容器底部の孔 9 2の 直径は、 孔の高さにもよるが、 好ましくは 1 0 0〜5 0 0 μ πι、 より好ま しくは 1 5 0〜 3 0 0 μπιである。 孔径が 5 0 0 t mを超える場合、 液体 が容器底面から流出する可能性があり、孔径が 1 0 Ο μπι未満である場合、 加減圧時における抵抗が大きくなる。
このように容器にゥエルを設けたバイオチップキットでは、 粒子結合プ ローブにより検体中のターゲットを BZF分離した後に、 何らかの分離方 法により粒子からターゲットを分離させ、 次いで、 上容器と下容器に差圧 を掛け、 バイオチップ 1 0めゥエル 1 6中のターゲットを下容器のゥエル 9 1に移動させることができる。差圧を各ゥエルに均等に掛けるためには、 上容器、 下容器のいずれかは、 バイオチップの各ゥエルに共通した収容空 間を有する容器とすることが望ましい。
容器の容積は、 前述したように、 穴を開けたプレートを任意の枚数だけ 積層することで任意の容積に調整可能である。 また、 容器の底部あるいは 蓋部の少なくともいずれかを透明プレートとして、 検出の際に透明プレー トを下部にして粒子をフィルタ一孔に充填させ、 透明プレートを通して光 学検出し、 一方バイオチップのゥエルに対応した容器のゥエルへ、 粒子に トラップしたターゲット液を分離して移動させることも可能である。
図 1 8 ( a ) に示したように、 バイオチップ 1 0同士を、 ゥエルが対応 するように接続することも可能である。 また、 図 1 8 ( b ) に示したよう に、 各バイオチップ 1 0の間に、 これらのゥエルに対応する孔 9 3を有す る容器を設けることも可能である。
容器内に多段に配置された各バイオチップの各ゥエルに同一のプローブ を有する粒子を入れて使用する場合、 多段チップに収納されたプロ一ブ付 き粒子による B Z F分離により B / F分離能力を向上させることができる。 また、 多段チップの一段目と二段目のそれぞれに異なるプローブを有する 粒子を入れる場合は、 いわゆる Two Step In Vitro Selection用ツールな どに使用することが可能である。
図 1 2および図 1 3は、 本発明のバイオチップキットの一実施形態を示 した上面図おょぴ A— A ' 断面図である。 図 1 2およぴ図 1 3に示したよ うに、 バイオチップキット 1 4は、 容器 1 2とバイオチップ 1 0とを有し ている。 バイォチップ 1 0は、側壁 2 0で仕切られた複数のゥエル 1 6、 1 6 · · · からなり、 これらのゥエル 1 6、 1 6 · · ·には、 例えば、 担持するプロ ーブの種類が各ゥエル 1 6ごとに異なるプローブ担持粒子が収納される。
ゥエル 1 6の底壁 2 2は、 フィルター 1 8で形成されている。 このフィ ルター 1 8は、 ゥエル 1 6に収納されたプローブ担持粒子を遮断するとと もに、 このバイオチップ 1 0を用いて分離、 検出等を行う被検体、 各種の 緩衝液、洗浄液、分離剤、 ラベル剤、 二次抗体、增感剤、蛋白質分解酵素、 ィォン化剤などを有する各種溶液を通過させる。
容器 1 2の内部に導入されたこれらの各種溶液は、 フィルター 1 8を介 して全てのセルへ入出できるようになつている。 すなわち、 これらの各種 溶液は、 フィルター 1 8を介してゥエル 1 6と隣接する、 チップ 1 0と容 器 1 2との間隙で構成されるこれらの各種溶液の収納室 2 6を介して、 フ ィルター 1 8から任意のゥエル 1 6へ入出できるようになっている。
あるいは、 側壁 2 0も同様にフィルター 1 8で形成されていてもよく、 この側壁に形成されたフィルター 1 8を介して、 隣接するゥエル 1 6、 1 6間でこれらの各種溶液を行き来させることも可能である。 この場合、 底 壁 2 2を形成するフィルターと、 側壁 2 0を形成するフィルターとは互い に同質のもので連続して形成されていてもよく、 それぞれ異質のフィルタ 一で構成して構成した複合フィルターとしてもよい。
容器 1 2とチップ 1 0は、 図 1 2 (a)、 (b) に示したように、 両者を 同一材料から一体に形成するか、 あるいは両者を接着して固定することに より、 容器 1 2の内部において、 チップ 1 0と容器 1 2とを一体化しても よい。
あるいは、 図 1 3 ( a)、 (b) に示したように、 バイオチップキット 1 4を、 それぞれ独立した容器 1 2とチップ 1 0の二体から構成して、 チッ プ 1 0が、 容器 1 2の内部に収納されるようにしてもよレ、。 この場合、 容 器 1 2は各操作時において常に同一である必要は無く、 その単位操作に応 じて当該容器および溶液収容容器を変更することも可能である。
上記のように構成されたバイオチップキット 1 4では、 各ゥエル 1 6に 収納されたプローブ担持粒子は、 そのゥエル位置によりプローブの内容が 特定され、 複数のプローブをチップ上にコンタミすることなく収納するこ とができる。
これらのバイオチップ中に収容されたプロ一ブ担持粒子溶液と被検体、 各種の緩衝液、 洗浄液、 分離剤、 ラベル剤、 二次抗体、 増感剤、 蛋白分解 酵素、 イオン化剤などを有する溶液は、 プローブ担持粒子が収納されたゥ エル 1 6、 1 6 · · ·間を自由に行き来することができ、 チップ 1 0の構 造、 あるいは前記溶液の攪拌条件を適宜選択することにより、 全てのゥェ ル 1 6、 1 6 · · ·へ前記溶液を循環させることができ、 前記溶液と、 複 数の種類の粒子坦持プローブとの接触あるいは反応の機会が与えられる。 チップ 1 0と容器 1 2との間隙で構成される溶液の収納室 2 6へ、 全て のゥエル 1 6、 1 6 · · ·が、 底壁 2 2または側壁 2 0を形成するフィル ター 1 8を介して直接に隣接していることが好ましい。
この溶液収納室 2 6は、 例えば図 1 2 (a)、 (b) のようにチップ 1 0 の底部下面と容器 1 2の底部上面との間隙で構成される他、 図 1 3 (a)、 (b) のように、 それぞれ独立したチップ 1 0と容器 1 2との間隙で構成 される。
このように構成することによって、 前記溶液は、 これを共通に収納する 溶液収納室 2 6から、 攪拌と必要に応じて加減圧を行うことにより、 1層 のフィルター 1 8を通過して、 それぞれ異種のプローブを担持した粒子を 収納する複数のゥエル 1 6、 1 6 · · ·に並列的に到達して、 並列的に接 触、 反応が行われる。 .
さらに、 特定のゥエル 1 6内で反応しなかった未反応の被検体は、 さら に攪拌あるいは加減圧により他のゥエル 1 6内に到達して接触、 反応が試 みられる。 このように各ゥエル 1 6、 1 6 · · '間で逐次的に未反応の前 記溶液とプロープ担持粒子との接触、 反応が試みられる。
そして、 溶液収納室 26と各ゥエル 1 6、 16 · · ' とが 1層のみのフ ィルター 1 8を介して隣接しているため、圧力損失は最低限で済み、また、 溶液収納室 26への到達と、 各ゥエル 1 6におけるプローブ担持粒子との 反応が並列で行われるために接触、 反応時間を最短にすることが可能とな る。
さらに、 フィルター 1 8の細孔径と、 その深さを適当な条件に設定する ことで、 圧力損失を極めて低減することが可能であり、 前記溶液は、 あた かもフィルター 1 8が無い一つのスペースを移動するかのように、 プロ一 ブ担持粒子を収納した全てのゥエル 1 6、 1 6 · · · と、 前記溶液の共通 部屋を構成する溶液収納室 26との間を自由に移動することが可能となる。 あるいは、 第一のフィルターが底部に設けられるとともに、 ゥエルを挟 んで第一のフィルターとは反対側に第二のフィルターが設けられている構 造とすることも可能である。 この例を図 14 (a) に示す。 同図に示した ように、 このバイオチップの上部には第二のフィルターとして上側フィル ター 1 8' が設けられている。 この上側フィルター 1 8' は、 プローブ担 持粒子をゥエル 1 6内へ収納した後に取り付けられる。 その取り付け方法 としては、 前述したように接着剤、 磁力、 機械的な嵌合、 平滑部同士の面 接合、機械的な加圧などが挙げられる。また図 1 4 ( b ) に示したように、 予め上容器 8 1と下容器 8 2のそれぞれにフィルター 1 8 ' と底面フィル ター 1 8を有するゥエル 1 6のいずれかを取り付け、 上容器 8 1と下容器 8 2を接合した後に、 粘着剤、 磁石、 クランプなどの機械的な加圧力によ り取り付ける方法も可能である。 本方法では、 機械的な加圧力のセット Z リセットにより上側フィルター 1 8 ' と底面側フィルター 1 8とを任意に 切り離すことが可能である。 あるいは、 図 1 4 ( c ) に示したように、 上 容器 8 1に底面フィルター 1 8を有するゥエル 1 6を下容器 8 2とは上下 逆さに取り付け、 上容器 8 1と下容器 8 2とをゥエル 1 6同士が接合する ように前記方法のいずれかで取り付けることも可能である。
また、 図 1 6 ( a ) に示したように、 ゥエルの外周部と同一形状の貫通 穴を有する平滑なプレート 8 7 aと、 それよりも小さい径の貫通穴を有す るプレート 8 7 bとを積層し、 穴の段差部分にチップを挿入し、 さらにプ レート 8 7 bの穴を塞ぐように、 液体の入出孔を持つ透明プレート 9 4で 蓋をした構造のキットも形成可能である。 この場合、 プレート 8 7 a、 8 7 bは、 例えばシリ コンウェハーで形成し、 また透明プレート 9 4は、 研 磨石英ガラスで形成することにより、 平滑性を利用した界面接合で接着剤 を用いずにキットを形成することができる。
<バイオチップキットの操作方法 >
本発明のバイオチップキットの操作方法では、 バイオチップのゥエルに 収容されているプローブ担持粒子が分散された溶液と、 容器内に収容され ている、 例えば被検体、 各種の緩衝液、 洗浄液、 分離剤、 ラベル剤、 二次 抗体、 増感剤、 蛋白分解酵素、 イオン化剤などを有する各種溶液とを接触 可能な状態にしてゥエル内の溶液と容器内の溶液を循環させることによつ て、 両溶液を高効率に混合、 拡散、 反応、 洗浄または分離することができ る。
これらの両者の溶液を接触可能な状態にする方法としては、 バイオチッ プを容器内の溶液中を上下に移動させて容器内の溶液と接触させる方法 (図 2 0 (a - 1 ) → (a— 3)、 図 2 0 (c— 1) → ( c一 3))、 容器内 の溶液を、 ノズル 8 6を介した加圧/減圧や、 溶液の外部からの注入排出 などによる方法で溶液界面を上下させることにより、 ゥエル内へ移動させ て当該ゥエル内の溶液と接触させる方法 (図 2 0 (b— 1 ) → (b— 2)、 図 2 0 (d— 1 ) → (d- 2)) 方法が可能である。
このように容器内の溶液を、 加圧/減圧や、 溶液の外部からの注入排出 などの方法で増減して容器内溶液の界面を上下させることで、 プローブ付 き粒子をバイオチップ内に残留させた状態で、 ゥエル内の溶液が容器内の 溶液と一体化され、 ゥエル内の溶液をゥエル内外に移動させることが可能 となる。 この方法を繰り返すことにより、 容器内の溶液とゥエル内の溶液 とを高効率に混合、 拡散、 反応、 洗浄または分離することができる。
あるいは、 図 2 0 ( e - 1 ) 〜 (e _ 5) に示したように、 フィルター 1 8 ' を取り付けた上容器 8 1と、 底部にフィルター 1 8を有するゥエル 1 6を取り付けた下容器 8 2とを接合し、 上容器 8 1と下容器 8 2に加減 圧おょぴ溶液の投入排出を行うノズル 8 3、 8 4を設けたものを用意し(図 2 0 (e— 1))、 ノズル 8 3を介して加減圧を行うことにより、 この加圧 力あるいは減圧力により上容器 8 1内の溶液をゥエル 1 6内の溶液と接触 させ、上容器 8 1の溶液をゥエル 1 6内の溶液と混合させ図 2 0 (e— 2)、 さらに下容器 8 2に移動させる (図 2 0 (e— 3)。 さらにノズル 84を介 して加減圧により溶液を容器外に排出する ((図 2 0 (e— 4))。 また、 ゥ エル内を別の溶液 8 5で充填する((図 2 0 ( e— 5 ) )ことも可能である。 この場合、 上容器 8 1と下容器 8 2の容積を同量とし、 投入溶液量を上 下の各容器容積より僅かに多くすることが好ましく、 これにより下容器 8 2に溶液を移動した場合に上容器 8 1にも溶液を残すことができ、 フィル ター内に空気を嚙ませることが無く加減圧力を最小とすることができる。 また上述したゥエルの上下、 溶液の移動に際して、 移動は連続的に行な わず、 ^中に所定の時間停止するように、 間欠的に移動させることが好ま しく、 あるいは、 正方向の移動の途中、 短時間負方向の移動を入れること が好ましい。 この方法によりゥエル内の粒子はフィルターに張り付かず、 移動の停止あるいは負方向の移動によりゥエル内を循環して、 バイオチッ プ内の溶液と粒子との接触効率を最大限にすることができる。
<被検体の投入方法 >
バイオチップの各ゥエルには、 同一または異なる被検体を投入すること ができる。 各ゥエルに同一の被検体を投入する場合、 各ゥエル上から各ゥ エルに同一の被検体をスポッターなどでスポット投入するか、 あるいは容 器内溶液を被検体として、 前述した方法によりゥエル内溶液と接触させ、 ゥエル内溶液と循環、 混合、 拡散、 反応させることができる。
チップのゥエル数が多い場合は、 容器内の被検体を介する方法が好まし い。 スポットによる逐次スポットではスポット時間が掛かり、 並列スポッ トは多数のスポッターが必要となる。
また、 各ゥエルにそれぞれ異なる被検体を投入する場合、 各ゥエルから 異なる被検体をスポッターなどでスポット投入するか、 あるいはゥエルご とに独立した容器に収容されたそれぞれ異なる被検体を、 前述した方法に よりゥエル内溶液と接触させ、 ゥエル内溶液と循環、 混合、 拡散、 反応さ せることができる。
ここに用いられる被検体としては、各種の培養液、組織、菌、 ウィルス、 細胞、 リンパ球、 脂質、 糖鎖、 核酸、 尿、 血液.、 血清、 血球、 ヒ ト Zマウ スサイ トカイン、 セリンノスレオニン、 キナーゼ、 分子量 5 0〜 1 0 0万 のタンパク質である合成ペプチド、 膜タンパク質、 酵素、 シグナル伝達蛋 白、 輸送蛋白、 リン酸化タンパク質等の各種タンパク質、 サイ ト力イン、 リンフォカイン、 I g Aおよび I g E等の抗体、 各種抗原、 転写因子、 分 子量 5 0〜1 0 0万の低分子リード化合物、 基質、 補酵素、 調節因子、 レ クチン、 ホルモン、 神経伝達物質、 アンチセンスオリゴヌクレオチド、 リ ボザィム、 アブタマ一等のリガンド、 各種の医薬候補物質、 生理活性を有 する力 \ あるいは生理活性を有する可能性がある各種の化学物質などを挙 げることができるがこれらに限定されるものではない。
また、 競合的ハイブリダィゼーションあるいは競合的ィムノアツセィ反 応を使用する場合には、 標的物質を含む被検体と共に標準物質を含む標識 被検体を同時に併用して用いる。
また、 被検体以外に、 各ゥエルに対応して異なる材料、 例えば各種の緩 衝液、 洗浄液、 ラベル剤、 二次抗体、 増感剤なども上述した方法により投 入可能である。
ぐ被検体中の標的物質とプローブとの反応方法 >
本発明のバイオチップキットを用いた被検体中の標的物質とプローブと の反応方法では、 以下の (1 ) 〜 (3 ) の工程により反応を行う。
( 1 ) バイオチップのゥエルに、 前述したいずれかの方法により特定の 粒子をゥエルに収納する工程。 なお、 この工程は、 予めチップ作成時にチ ップ製造者にて調整されていても構わない。 (2) バイオチップのゥエル内に、 被検体を含む溶液を投入して、 上述 した操作方法に基づき、 当該被検体と、 全てのゥエル内の前記粒子とが接 触可能な状態とする工程。 この工程では、 例えばゥエルを容器内溶液中で 上下させるか、 あるいは容器内溶液の界面を移動させることにより、 容器 内溶液とゥエル内溶液とを一体化させ、 被検体中の標的物質とプローブと の拡散 (および反応) を行う。
(3) バイオチップの容器に収容された前記溶液中でゥエルを上下させ るか'、 あるいはバイォチップの容器に収容された前記溶液の界面を上下さ せることにより被検体中の標的物質とプローブとの反応を行う工程。 この 工程では、 上述した操作方法に基づき、 被検体とプローブとの反応を進行 させる。
<BZF分離方法 >
本発明のバイオチップキットを用いた BZF分離方法は、 上記の反応方 法における (1 ) 〜 (3) の工程と、 以下の (4)、 (5) の工程により行 なう。
(4) 前記溶液の界面の高さを、 ゥエル底部のフィルターの下面未満と なるまで低下させて、 前記粒子に担持したプローブと反応していな 、被検 体を各ゥエル内から除去する工程。
(5) 洗浄液をバイオチップのゥエルに投入し、 前記容器を介して洗浄 液を該バイォチップのゥエルに循環させて該バイォチップのゥエル内外へ 洗浄液を出し入れさせ、 洗浄液をゥエル外へ排出することにより、 プロ一 ブ結合標的物質以外の物質を洗浄除去する工程。
ぐ分画分離方法 >
本発明のバイオチップを用いた被検体中の標的物質の分画分離方法は、 上記の反応方法における ('1) 〜 (3) の工程と、 以下の (4) 〜 (6) の工程により行なう。
(4) 前記溶液の界面の高さを、 ゥエル底部.のフィルターの下面未満と なるまで低下させて、 前記粒子に担持したプローブと反応していない被検 体を各ゥエル内から除去する工程。
(5) 洗浄液をバイオチップのゥエルに投入し、 前記容器を介して洗浄 液を該パイォチップのゥエルに循環させて、 該パイォチップのゥエル内外 へ洗 液を出し入れすることにより、 プローブ結合標的物質以外の非標的 物質を除去する工程。
(6) 前記バイオチップのゥエル側部の下端に設けられた凹部、 凸部ま たは平滑部と、 上端にこれと対応する凸部、 凹部または平滑部を有する容 器を嵌合させ、 次いで分離剤溶液をバイオチップのゥエルに投入し、 これ により前記粒子から被検体中の標的物質を分離し、 前記容器のゥエルに移 動させる工程。
以下、 本発明の被検体の分画分離方法の一例について、 図 21〜23に 基づき具体的に説明する。 最初に、 バイオチップの各ゥエル 16ごとに、 それぞれ異種のプローブを担持した粒子を収納する。
次いで、 図 21 (a)、 (b) に示したように、 バイオチップ 1 0の容器
1 2内に、 被検物質 25を含む被検体溶液を投入して、 被検体と、 全ての ゥエル 1 6内のプローブ担持粒子 24とが接触可能な状態とする。この際、 ゥェル 1 6内における溶液界面の高さは、 側壁 20の高さを超えないこと が必要である。
このように所定の界面高さとなるまで被検体を含む溶液を投入する方法 としては、 例えば以下の方法が挙げられる。 第一の方法は、 図 1 3に示し たバイオチップキット 1 4めように、 チップ 1 0と容器 1 2が独立したも のを用いて、 予め容器 1 2に被検体溶液を入れておき、 そこにチップ 1 0 を下に移動させて浸漬して、 フィルター 1 8を介して各ゥエル 1 6内に被 検体溶液を進入させる方法である。 この際に、 フィルター 1 8の圧力損失 がある場合は、 チップ 1 0と容器 1 2とが相互に接する部分をシールして フィルター 1 8に加圧力あるいは減圧力が掛かるようにすることで、 被検 体溶液をフィルター 1 8を通過させて各ゥエル 1 6内に導くことができる。 第二の方法は、 図 1 2に示したバイオチップキット 1 4のように、 あら かじめ容器 1 2の底面と、 フィルター 1 8との距離を一定としたチップを 用いて、 容器 1 2の低壁もしくは側壁に形成した導入口から溶液収納室 2 6を介して被検体溶液を投入する方法である。
被検体溶液はゥエル開口部 1 7から投入してもよく、 この場合には、 ス ポッター等で各ゥエル 1 6ごとに均等量を投入することが好ましい。また、 被検体溶液を、 例えば図 2 1における 4 2のような導入口を通して投入す る場合は、 当該導入口から加圧して被検体溶液を送り込むか、 あるいは溶 液収納室 2 6側を減圧にして被検体溶液を送り込む方法のいずれの方法も 可能である。
これらの方法により、 被検体と、 全てのゥエル 1 6内のプローブ担持粒 子 2 4とを接触させることができる (図 2 1 ( a ) )。 ゥエル 1 6内のプロ 一プ担持粒子と被検体溶液を混合、 拡散、 反応させる方法としては、 例え ば図 1 2 ( b ) およぴ図 1 3 ( b ) のように側壁 2 0がフィルター 1 8で 形成されて隣接する各ゥエルがフィルター 1 8で仕切られている場合は、 被検体溶液を攪拌することで、 各ゥエル 1 6内の溶液を入れ替えることが できる。 この攪拌方法としては、 攪拌羽根の付いた攪拌機、 音波あるいは 超音波による振動、 空気や常磁性体の移動による攪拌など、 既存の方法に よる攪拌が可能である。 これらのうちで特に好ましいのは音波あるいは超 音波による振動であり、 容器 1 2またはチップ.1 0を振動させるカ ある V、は振動子をチップ 1 0内の被検体溶液中に入れる方法などいずれも可能 である。 この場合、 振動の適用周波数は、 プローブや被検体の種類により 適宜調節することができ、 1 0 0 H z〜l G H zが使用可能であり、 好ま しくは 1 k H z〜 3 0 O MH zである。 この範囲の周波数では、 インピー ダンスが低く、 対象物の損傷を最低限に抑えることができる。 適用周波数 が 1 0 0 H z未満では、 攪拌能力が低く、 適用周波数が 1 G H zを超える と、 被検体あるいはプローブを損傷する可能性がある。 また、 図 1 3のよ うに容器 1 2とチップ 1 0が独立している場合には、 チップ 1 0を容器 1 2内の溶液の界面から引き上げた後に容器 1 2内の当該溶液を上述した方 法のいずれかで攪拌し、 次いでチップ 1 0を容器 1 2内の溶液に再度浸漬 させる方法、 あるいはチップ 1 0を水平面で回転するか、 あるいは上下移 動することにより容器 1 2とチップ 1 0とを相対移動させる方法によって 各ゥエル 1 6内の溶液を入れ替えることができる。 ゥェル 1 6同士がフィ ルター 1 8ではない側壁で仕切られている場合は、 底壁 2 2のフィルター 1 8から溶液を溶液収納室 2 6に導き、 次にフィルター 1 8を通して他の ゥエル 1 6内に溶液を導くことにより溶液の入れ替えをすることができる。 あるいは、 図 1 2、 1 3の何れのチップの場合も、 導入孔 4 2から加圧 空気を導入して容器 1 2内における被検体溶液の界面を押し上げることに よりゥエル 1 6内に被検体溶液を導入することが可能である。
次いで、 図 2 2 ( a ) に示したように、 被検体溶液の界面の高さを、 ゥ エル 1 6の底壁 2 2の下面未満となるまで低下させて、 プローブ担持粒子 2 4に担持したプローブと反応していない非標的物質を除去する。ここで、 溶液界面の高さをフィルター 1 8の底面以下にする方法としては、 被検体 溶液を、 底壁 2 2のフィルター 1 8を介してポンプあるいは加減圧等によ り排出口 4 4から容器 1 2外へ、 あるいは溶液収納室 2 6へ移す方法が挙 げられる。 また、 容器 1 2とチップ 1 0とが独立している場合には、 容器
1 2とチップ 1 0とを相対移動させてフィルター 1 8を上下させる方法、 あるいはチップ 1 0を、 バイオチップ 1 0と隣接する容器、 あるいは独立 した別の容器に移す方法が挙げられる。
上記では、 片側が開放されたゥエルを用いているが、 図 1 4のようなフ ィルターが対面したチップの場合には、 ゥエルからの粒子の漏れを懸念す る必要が無いため、 液体面はゥエルの高さを超えて任意に移動させること ができる。
さらに、 本操作の前後において、 必要に応じて、 各種の洗浄剤や各種の 緩衝液、 あるいは二次抗体などの薬液を投入しても良い。 これらの投入方 法は被検体の投入方法と同様に行うことができる。
次いで、 図 2 3に示したように、 各ゥエル 1 6に対応する複数の収納ゥ エル 5 2を備えた容器 5 4を用意し、 各ゥエル 1 6へ、 上部の開口 1 7か ら分離剤溶液を投入して、 被検体の標的物質と反応したプローブ担持粒子 からこの標的物質を分離して、 容器 5 4へ標的物質を移動させる。
この容器 5 4は、 図 2 4に示したように、 ゥエル 5 2の底面に微細な貫 通孔 5 3を設けた容器であってもよい。 このように貫通孔を設けることに より、 チップのゥエル 1 6と容器のゥエル 5 2との間に差圧を生成するこ とができ、 チップのゥエル 1 6内の液体を一括してフローダウン移動する ことができる。 この一括したフローダウン移動によれば、 各チップのゥェ ルから容器のゥエルへの液体移動を、 シリンジなどを介してゥエルの数と 同一回数行う方法と比べて、少ない移動回数で行うことができるとともに、 シリンジなどによる汚染あるいは被検体物質のシリンジへの付着による減 耗を防止できる。
この容器底面に形成した貫通孔の直径は、 孔の高さにもよるが、 好まし くは 1 0 0〜5 0 0 μ πι、 より好ましくは 1 5 0〜3 0 0 μ πιである。 孔 径が 5 0 0 mを超える場合、 液体が底面から流出する可能性があり、 孔 径が 1 0 0 μ πι未満である場合、 加減圧時における抵抗が大きくなる。 分離剤溶液は、 スポッター等を用いてゥエル開口 1 7から、 各ゥエル 1 6ごとに個別にあるいは各ゥエル 1 6へ一度に投入することができる。 標的物質を分離した溶液を移動させる容器 54は、 各ゥエル 1 6とそれ ぞれ対応した複数の標的物質収納ゥエル 5 2、 5 2 · , ♦を設けた容器 5 4であれば特に限定されない。 例えば、 ゥエル 1 6、 1 6 · · · と略同一 のサイズを有する標的物質収納ゥエル 5 2、 5 2 · · 'を設けた容器 5 4 を、 チップ 1 0の直下に位置させて、 分離剤溶液をゥエル開口 1 7から投 入して標的物質を当該ゥエル 1 6内のプローブ担持粒子から分離し、 その 直下に位置する標的物質収納ゥェル 5 2へ収容することができる。
'ゥエル底部と上部にフィルターが存在する図 1 4 (a)、 (b)、 ( c) の 場合においても上述した方法に準じた工程にて行なうことができる。 例え ば図 1 4 (b) のチップの場合では、 図 2 0 (e— 2)、 ( e - 3) に示し たように、 ノズル 8 3、 8 4を介して加減圧空気を出し入れすることによ り、 上容器 8 1内の溶液をゥエル 1 6内の溶液と一体化させて、 上容器 8 1 , 下容器 8 2に漸次移動させることができる。
上記の方法により分離分画された被検体は、 次の反応工程の出発物質あ るいはアツセィのための精製体として使用することができる。 特に質量分 析計、 ラマン分析計、 表面プラズモン分析計、 X線分析計、 電気化学検出 装置、 水晶発信子マイクロバランス検出装置などの各検出装置に、 分離分 画された被検体を投入して、 いわゆるラベル剤を必要としない分析方法に より、 被検体の内容を解析 ·同定することも可能である。
これらの手段により解析するに際して、 温度等の反応条件を変える力 \ あるいは複数回の経時検出を行うことにより、いわゆる力イネティック(K i n e t i c ) 解析を行うことが可能である。 さらに、 単に被検体の内容 やプローブと反応したリガンドが存在するかどうかを解析するのみならず, ゥエル 1 6内の各粒子ごとに内容を解析することにより、 被検体に含まれ る標的物質の濃度あるいは量を求めることができる。
ぐ被検体の検出方法 >
本発明の被検体中の標的物質の光学的な検出 ·同定方法では、 前述した 被検体中の標的物質とプローブとの反応方法、 または B / F分離方法と同 様の工程を行った後、 以下の (1 ) 〜 (3 ) の工程を行う。
( 1 ) ラベル剤を投入し、 プローブと標的物質にラベル剤を結合させ、 その後未結合のラベル剤を洗浄除去する。
( 2 ) ゥエル内の溶液を底部のフィルターを介してゥエル内からゥエル 外に排出し、 ゥエル内の粒子をフィルターの細孔に位置させる。
( 3 ) 粒子に担持されたプローブと被検体の標的物質との反応または相 互作用を検出する。
なお、 B / F分離工程は、 いわゆるホモジ-ァス系のアツセィ方法の場 合は省略することができる。
工程 (1 ) のラベル剤としては、 例えばラジオアイソトープ、 有機蛍光 体、 希土類などの錯体系の蛍光体、 蛍光蛋白、 燐光体、 量子効果による発 光ナノ粒子、 化学発光剤、 酵素発光剤、 金、 銀のナノ粒子等が使用可能で あ <ο。
さらにこれらのラベル剤を結合した二次抗などの二次プローブ、 あるい はモレキュラービーコン法のための蛍光分子ノ消光分子、 F R E T (Fluorescent Resonance Energy Transfer) 法のためのド、ナー、 ァクセプ ター分子なども使用可能である。
工程 (3 ) では、 粒子ごとに、 粒子のプローブ識別情報と、 粒子に担持 されたプローブと被検体の標的物質との反応または相互作用の情報の双方 を検出することができる。 また、 各ゥエルごとの粒子について、 粒子に担 持されたプローブ識別情報を識別し、 次いでプローブと被検体中の標的物 質との相互作用に関する状態を計測し、 各粒子ごとに得られた相互作用の 状態情報に基づき、ゥエル単位での相互作用情報を算出することができる。 以下、 本発明の被検体の検出方法の一例について、 具体的に説明する。 最初に、 各ゥエルごとに、 それぞれ異種のプローブを担持した粒子を収納 する。 本発明のバイオチップを被検体の検出に用いる場合、 各ゥエルにお ける各プローブごとの粒子数は、 好ましくは 1〜1 0 0 0個、 より好まし くは 1〜& 0 0個、 さらに好ましくは 1〜 2 0 0個である。
次いで、 バイオチップ 1 0の容器 1 2内に、 被検体を含む溶液を投入し て、当該被検体と、各ゥエル 1 6内のプローブ担持粒子とを接触させる(図 2 1 ( a )、 (b ) )。
次いで、 被検体溶液の界面の高さを、 ゥエル 1 6のフィルター 1 8の下 面以下となるまで低下させて、 プローブ担持粒子 2 4に担持したプローブ と反応していない被検体を除去する (図 2 2 ( a ) )。 これらの工程は、 前述した被検体の分離分画方法での操作に準じて行わ れる。 なお、 未反応の被検体を除去する工程において、 図 2 2 ( b ) に示 したように洗浄液を導入して粒子の洗浄を行い.、 必要に応じて洗浄液の導 入、 攪拌、 排出を繰り返して、 プローブ担持粒子から未反応の被検体を除 去することができる。
次いで、 図 2 5に示したように、 バイオチップ内の溶液を、 底面フィル ターを通して排出し、 ゥエル 1 6内の粒子を底面フィルター 1 8の孔部分 に位置させた後、 各ゥエル 1 6ごとに、 プローブ担持粒子と被検体との反 応または相互作用を検出する。 なお、 実際にプローブ担持粒子をフィルタ 一孔上に位置させた電子顕微写真を図 2 8に示した。
従来のように溶液中でプローブ担持粒子と被検体の反応を検出する場合 では、 反応に寄与した粒子の一部あるいは全部を 1つの被検体として検 出 ·同定していたが、 このように、 溶液の界面の高さをフィルター 1 8の 下面未満となるまで低下させ、 プローブ付き粒子をフィルタ一孔上に位置 させた状態で検出を行うことにより、 反応に寄与した粒子の全てを粒子 1 個ごとに検出 .同定の対象とすることが可能であり、 検出感度の向上を図 ることができる。 図 2 8は、 プローブ担持粒子をフィルタ一孔上に位置さ せた電子顕微写真である。
被検体の検出方法としては、 通常行われている各種の方法が適用可能で あり、 例えば、 ラジオアイソトープ検出、 蛍光検出、 化学発光検出、 酵素 発光検出、 ラマン検出等が挙げられるがこれらに限定されない。
上記した検出方法により検出を行うに際して、 温度を変えるか、 あるい は複数回の経時検出を行うことにより、 いわゆる力イネティック (K i n e t i c ) 解析を行うことが可能である。 さらに、 単に被検体の内容ゃプ ローブと反応したリガンドが存在するかどうかを解析するのみならず、 ゥ エル内の各粒子ごとに内容を解析することにより、 被検体に含まれるリガ ンドの濃度あるいは量を求める とができる。 .
また、 蛍光発光、 化学発光検出、 などのいわゆる光学的な検出において は、 ゥエルからなるチップを収納する容器から、 このチップを取り出して チップ単独で励起光の照射、 検出光の検出をすることが好ましい。 チップ を容器から取り出した場合は、 励起光はチップ上面、 下面のいずれからも 照射可能である。 また、 検出光もチップ上面、 下面のいずれからも検出可 能となる。
容器からチップを取り出すことで容器のゆがみや容器に由来する自家蛍 光発光の影響を無くすことが可能であり、 また物体との距離が近くなるた め、 光学検出の際の開口数 N A (Nume r i c a l Ap a r t u r e) を大きくできる。
また、 図 1 6のように容器を透明とすることで、 容器からチップを取り 出さずに励起光、 検出光のいずれもチップの上下から取り出すことができ る。 この場合、 図 1 6の透明プレート 94の厚さと、 プレート 8 7 bの厚 さをできるだけ薄くすることにより、 NAを大きくできる。
また、 図 14 (b) または (c) のチップでは、 反応後検出のために上 フィルター付きの上容器 8 1を取り外し、 下フィルターに粒子が配列され た下フィルター付きの下容器 8 2について、 上側開放面から光照射して検 出を行うことも可能である。
上記の検出工程において、 各ゥエルごとに、 粒子に担持されたプローブ と被検体との相互作用に関する状態を計測し、 各粒子ごとに得られた相互 作用の状態情報に基づきゥエル単位での相互作用情報を算出する場合につ いて説明する。まず、各ゥエルに収納されているプローブ担持粒子ごとに、 プローブと被検体との相互作用に関する情報を計測する。 この計測を行う 手段としては、 上記に記載した各種の方法が使.用可能である。 例えば、 蛍 光検出の場合は、 同一ゥエル内に配列した各粒子に検出のための U V光あ るいは可視光などの励起光を照射して、 その結果得られる検出光などの信 号を C C Dカメラ、 蛍光管などで検出する。 この方法を粒子ごとに個別に 行ない、 さらにこの検出操作を他のゥエル内の粒子についても同様に逐次 行う。 次にこれらの得られたデーターを各ゥエルごとに累積処理して、 ゥ エル内の粒子数 Nの各データーについて統計的な標準化処理を行なう。 ま た必要に応じてすでに存在する各種のデーターベースのデーターとの比較 参照を行い、 当該データーの修正処理あるいは判定処理を行うことが可能 である。
この方法により、 例えば従来のバイオチップにおけるゥエルあるいはセ ル単位での光学的な検出方法のように、 1つのゥエルあるいはセルが発す る蛍光強度、 蛍光スぺトクルを測定する方法に比して、 ゥエル内の粒子プ ロープの個数 N個ごとの情報が得られるために情報量が多くなり感度が向 上し、 あるいは N個の粒子プローブの情報の分布を統計的に処理すること により、 定量的な検出 ·同定が可能となる。
また、 温度等の反応条件を変化させるか、 あるいは複数回の経時検出を 行う、 いわゆる力イネティック (K i n e t i c ) 解析において、 ゥエル 内粒子ごとに、 あるいは粒子の検出パターンを経時的にトレースすること により、母数 Nが多く信頼性の高レ、解析データーを得ることが可能となる。 本発明のバイオチップには、 そのプローブとして核酸を粒子へ担持した
D N Aチップの他、 抗原および抗体等のタンパクあるいはこれらのタンパ クと反応する化学物質を粒子へ担持したプロテインチップ、 低分子化合物 を担持し蛋白などとの相互作用をスクリーニングするチップ、 糖鎖を粒子 へ担持した糖鎖チップ、 細胞を粒子へ担持した.細胞チップ等も含まれる。 これらの D N Aチップ、 プロテインチップ、 糖鎖チップおよび細胞チッ プは、 担体上に固定する各種のプローブによって、 遺伝子機能解析;遺伝 子発現解析;機能プロテオミクスあるいは構造プロテオミクス ;機能セロ ーム、 構造セローム、 疾病解析、 各種感染症等の疾病の罹患状況を確認す るための臨床検查;遺伝子多型の検出 ;テーラーメード医療あるいはケモ セラピーと称される患者の遺伝子配列に応じた治療医薬の選定;核酸、 タ ンパク質、 細胞、 あるいは糖鎖と化学物質の相互作用研究、 ォーファン受 容体リガンド探索; トキシコゲノミックスと称される、 医薬品開発のため の薬理スクリ一ユングあるいは化学物質の安全性および毒性のスクリ一二 ング;その他の各種スクリーニング等に応用することができる。 また、 特 定の被検体と特定のプローブの組み合わせにより、 免疫アツセィ、 タンパ ク質一 D N A、 タンパク質一タンパク質等の相互作用アツセィ、 蛋白、 糖 鎖、 細胞一リガンドアッセィ、 リセプターリガンドアッセィ、 キナーゼ等 の酵素アツセィなどの各種ァッセィ系を組むことができる。
以下、 本発明を実施例に基づき説明するが、 本発明はこれらの実施例に 何ら限定されるものではない。
[実施例 1 ]
電錶によるフィルターとリブの作製
1 . フイノレターの作製
ステンレス基板 (SUS304、 寸法 1 2 O mmX 1 2 O mm X厚さ 1 mm) 上に レジスト THB- 110N (商品名 : JSR株式会社製) をスピンコーターにて膜厚 5 μ πιとなるように塗布し; ホットプレート上にて 120°C、 5分間プレベー クを行った。 プレベータ後、 マスクァライナー M- 3LDF (商品名 : ミカサ株 式会社製)を用いて 4 0 O mJ/ c m2の露光量 電気メツキしない部分を残 すように所定のパターンを焼き付けた。 現像液には PD523 (商品名 : JSR 株式会社製) を用いて現像を行った後、 ホットプレート上にて 90°C、 5分 間ポストベータを行った。
次いで、 pHを 4. 0から 4. 5に保ち、浴温度 50°Cに維持したスルフアミン 酸二ッケル浴 (浴組成: スルファミン酸ニッケル 60%液 700g/l、 臭化二 ッケル 5g/l、 硼酸 35g/l、 応力調整剤 1. 5g/l、 ピット防止剤 2. 5ml/l) 中にレジスト THB- 110Nでパターエングした SUS基板を投入し、 7Vの電圧 で lA/dm2の電流密度となるように電圧電流を制御し、 3 0分間直流を印加 して厚さ 5 μ m、 最小孔径 3 μ m、 最小孔間距離 7 μ mのニッケル膜を得 た。
電気メツキ後、 電铸試料をレジストストリッパー THB- S1 (商品名 : JSR 株式会社製) に 3 0分間攪拌浸漬することによって、 全てのレジストを剥 離してフィルターを得た。
2 . リブの作製
電铸法によって得たニッケルフィルター上に、 上記と同じ工程でリブを 積み上げることによってリブ付きのフィルターが得られた。 装置およぴ電 铸条件は上記のフィルター作製条件とほぼ同じであるが、 フィルターの厚 さ 5 μ mに対してリブの厚さは 5 0 が得られるように、 レジス トを THB-220N (商品名 : JSR 株式会社製) を用いてスピンコーターで塗布し、 6 5 O mJ/cm2の露光量で露光した。 また、厚さ 5 0 μ mのニッケルメツキ 膜を得るためにニッケルメツキを 5時間行った。 [実施例 2 ]
酸化膜付きシリコンウェハーのエッチングによるフィルターとリプの作製
1. フィルターの作製
レジス ト 1X1 1 7 0G (商品名 : JSR株式会社製) を、 スピンナー (クリ ーントラック MARK8 (商品名) :東京エレク トロン社製) を用いて 6イン チ酸化膜付きシリコンウェハー (厚さ 2 ^ m) 上に 3 3 0 0 r p mで 3 0 秒間スピンコートし、 ホッ トプレート (クリーントラック MARK 8 (商品 名) :東京エレク ト口ン社製) で 9 ◦ °C、 6 0秒間乾燥して膜厚 0. 8 6 μ mのレジスト膜を得た。 このレジスト膜に縮小投影露光装置 NSR- 2205il2D (商品名 :ニコン社製、 NA= 0. 5 7、 シグマ = 0. 6 0) を用いて 0. 4 umC/H 1000msec, 0. 8 umC/H 580msec の露光量で露光した後、 現像液 PD523AD (商品名 : JSR株式会社製) を用い、 2 3 °Cで 1分間パドル現像し た。 次いで 2 0秒間水洗し、 乾燥してレジストパターンを得た。
レジス トパターンを施した厚さ 2 μ mの酸化膜付きシリコンウェハーに、 プラズマエツチング装置を用いて CF4プラズマを RIEモードで照射した後、 02プラズマでレジストを除去して酸化膜にフィルタ一孔径の直径と孔間の スペースが 0. 4Z0. 8 μ πι、 0. 8/0. 8 , 2. 8 / 1. 0, 2. 8 2. 0 , 2. 8/2. 8 , 2. 8 /4. 0, 4. 0/ 1. 0, 4. 0 / 2. 0, 4. 0/4. 0, 4. 0/6. 0, 4. 0/ 8. 0 , 8. 0 / 2. 0, 8. 0/4. 0, 8. 0/6. 0 μ mで、 高さ 2 /z mの孔が形成 されたフィルターを得だ。
2. リブの作製
フィルター加工を施した面とは逆側の面に、 レジスト (THB- 151N) をス ピンナー (スピンコーター 1H- DX2 (商品名) : ミカサ株式会社製) を用い て、 1 7 0 0 r pmで 2 0秒間スピンコートし、ホッ トプレートで 1 2 0°C、 5分間乾燥して膜厚 4 0 i mのレジスト膜を得た。 このレジスト膜に等倍 投影露光装置 MA - 150CC (商品名:ズースマイクロテック社製)を用いて露光 した後、 現像液 PD523AD (商品名: JSR株式会社製) を用い、 2 3°Cで 9 0 秒間パドル現像した。 ついで 3 0秒間水洗し、 乾燥してレジス トパターン を得た。
レジストパターンを施した酸化膜付き厚さ 44 0 μ mのシリコンウェハ 一に、 プラズマエッチング装置を用いて SF6プラズマを RIEモードで照射 した後、 02プラズマでレジス トを除去してシリコンに高さ 440 μ m, 直 径 5 0 0 μπιの孔が形成されたゥエルを持つシリコンウェハーを得た。 こ れをダイシングソ一にて切断し、 1 Omm角にゥエルが 2 8個存在するチ ップを作成した。
[実施例 3 ]
牛血清を P B S (Phosphate Buffered Saline) で 1 0倍希釈した溶液を 用意した。 実施例 2で得られたフィルタ一孔径 4. O ^mで孔間隔が 2. Ο μ πιのチップを用い、 図 1 6 (b) の容器にチップをセットし、 上側蓋 にチューブをセットして、 チューブの別の端面に牛血清希釈液を入れたタ ンクを接続し、 タンクの高さを差圧 4 g f Zcm2と 1 8 g f /cm2にな るようにセットして、 牛血清希釈液をチップ容器のフィルタ一部に流し、 下容器の下蓋から牛血清希釈液を排出した。 各時間における合計の吐出量 と吐出時間との関係を図 3 0に示した。
同図に示されるように、 フィルターからの吐出量はほぼ一定であり、 評 価時間中は目詰まりを起こすことがなく、 また破壊することもなかった。
[実施例 4] 実施例 3とはチップの孔径と孔間隔が異なる 8種類の組み合わせについ て、 差圧 1 8 g f Zc m2で実施例 3と同様の試験を行った。 その結果を 図 3 1に示した。 なお、 同図において、 a Z r.はフィルターの開口率を示 す。 試験の結果、 同図の領域 A (開口率が 1 0%未満) ではフィルターが まり易く、 領域 B (開口率が 60%超) ではフィルターが破壌された c このように、 開口率が 1 0%〜60%のものでは目詰まりと破壌が生じな かった。

Claims

請求の範囲
1 . 均一な孔径を有するストレートな細孔が: t匀一な孔間隔で形成された フィルターが底部に設けられたゥエルを備えることを特徴とするバイオチ ップ。
2 . 前記フィルターの厚さが 1〜1 0 At mであることを特徴とする請求 項 1に記載のバイオチップ。
3 . ' 前記フィルターの開口率が 1 5〜6 0 %であることを特徴とする請 求項 1または 2に記載のバイオチップ。
4 . 前記フィルターの表面材質がシリカ、 チタニアまたはアルミナであ ることを特徴とする請求項 1〜 3のいずれかに記載のバイォチップ。
5 . 一体に形成された複数の前記ゥエルを備えることを特徴とする請求項 1 〜 4のいずれかに記載のバイオチップ。
6 . 単数の前記ゥエルを備えることを特徴とする請求項 1〜4のいずれ かに記載のバイオチップ。
7 . 前記ゥエルにおけるフィルターの上面側または下面側に補強用リブ 部が設けられていることを特徴とする請求項 1〜 6のいずれかに記載のバ ィォチップ。
8 . 前記補強用リブ部が、 複数の貫通孔が形成された一体形状であるこ とを特徴とする請求項 7に記載のバイオチップ。
9 . 前記補強用リブ部が、 前記フィルターと直接に接合されていること を特徴とする請求項 7または 8に記載のパイォチップ。
1 0 . 前記捕強用リブ部が、 前記フィルターと同一材料で連続形成され ていることを特徴とする請求項 7または 8に記載のバイオチップ。
1 1 . 前記ゥエルの底部に、 その周縁から所定の幅で、 フィルターの細 孔が形成されていない無孔部が設けられていることを特徴とする請求項 1 〜 1 0のいずれかに記載のバイオチップ。 .
1 2 . 第一のフィルターが底部に設けられるとともに、 ゥエルを挟んで 第一のフィルターとは反対側に第二のフィルターが設けられていることを 特徴とする請求項 1〜 1 1のいずれかに記載のバイオチップ。
1 3 . 前記ゥエルに、 プローブ担持粒子が分散された分散液が収容され ていることを特徴とする請求項 1〜 1 2のいずれかに記載のバイオチップ。
1 4 . 前記粒子の粒子径とフィルターの孔径との比率が、 粒子径 Z孔径 = 1 . 1〜2 . 5であり、 且つ粒子径く孔間隔く粒子径 X 1 0であること を特徴とする請求項 1 3に記載のバイオチップ。
1 5 . 前記粒子の粒子径、 フィルターの孔径および孔間隔が、 粒子径〉 孔径 +孔間隔ノ 2の関係を満足することを特徴とする請求項 1 3に記載の バイオチップ。
1 6 . 前記ゥエルに、 プローブ識別情報を与えるための少なくとも一種 の識別手段を有するプローブ担持粒子が分散された分散液が収容されてい ることを特 ί敷とする請求項 1 3に記載のバイオチップ。
1 7 . 前記識別手段が、 プローブ担持粒子の色、 形状、 粒子径および遺 伝子配列から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項 1 6 に記載のバイオチップ。
1 8 . 全ての前記識別手段におけるプローブ識別情報が同一である複数 のプローブ担持粒子が同一ゥエルに収納されるとともに、 各ゥエルに収納 された複数のプ口一ブ担持粒子'について、 前記プ口ーブ識別情報が同一で あるこ.とを特徴とする請求項 1 6または 1 7に記載のバイオチップ。
1 9 . 全ての前記識別手段におけるプローブ識別情報が同一である複数 のプローブ担持粒子が同一ゥエルに収納されるとともに、 各ゥエルに収納 された複数のプロ一ブ担持粒子について、 前記.プローブ識別情報が異なつ ていることを特徴とする請求 1 6または 1 7に記載のバイオチップ。
2 0 . 少なくとも一種の前記識別手段におけるプローブ識別情報が異な つている複数のプロープ担持粒子が同一ゥエルに収納されるとともに、 各 ゥエルに収納された複数のプロ一プ担持粒子について、 その全ての識別手 段における前記プローブ識別情報の構成が同一であることを特徴とする請 求項 1 6または 1 7に記載のバイオチップ。
2 1 . 少なくとも一種の前記識別手段におけるプローブ識別情報が異な つている複数のプローブ担持粒子が同一ゥエルに収納されるとともに、 各 ゥエルに収納された複数のプローブ担持粒子について、 その少なくとも一 種の前記識別手段における前記プロ一ブ識別情報の構成が異なっているこ とを特徴とする請求項 1 6または 1 7に記載のバイオチップ。
2 2 . 請求項 1〜 2 1のいずれかに記載のバイオチップにおける一体に 形成された複数のゥエルもしくは単数のゥエルを収納するか、 あるいは当 該ゥエルと接続される容器を備えることを特徴とするバイオチップキット。
2 3 . 前記容器が、 前記ゥエルと一体に形成されていることを特徴とす る請求項 2 2に記載のバイオチップキット。
2 4 . 前記容器が、 前記ゥエルと独立に形成されていることを特徴とす る請求項 2 2に記載のバイオチップキット。
2 5 . 前記容器が、 前記バイオチップのゥエルに対応するゥエルを有す ることを特徴とする請求項 2 2〜2 4のいずれかに記載のバイオチップキ ッ卜。
2 6 . 前記容器のゥエル底部に貫通穴が形成されていることを特徴とす る請求項 2 5に記載のバイオチップキット。
2 7 . 前記バイオチップと前記容器とが、 対 するゥエルが互いに連結 するように接続されていることを特徴とする請求項 2 5または 2 6に記載 のバイオチップキット。
2 8 . 前記容器が、 貫通穴が形成されたプレートと、 貫通穴が形成され ていないプレートの少なくともいずれかを用いて、 複数の前記プレートを 積層することにより形成されていることを特徴とする請求項 2 2〜2 7の いずれかに記載のバイオチップキット。
2 9 . 請求項 1〜 2 1のいずれかに記載の複数のバイオチップ同士が、 対応するゥエルが互いに連結するように接続されていることを特徴とする バイオチップキット。
3 0 . 前記バイオチップのゥエル側部の下端に設けられた平坦部と、 另リ 途の前記容器または前記バイオチップのゥエル側部の上端に設けられた平 坦部とが、 ゥエルを互いに連結するように直接に接続されていることを特 徴とする請求項 2 2〜2 9のいずれかに記載のバイオチップキット。
3 1 . 前記バイオチップのゥエル側部の下端に、 別途の前記容器または 前記バイオチップのゥエル側部の上端に設けられた凸部と嵌合する位置合 わせ用の凹部、 あるいは別途の前記容器または前記パイォチップのゥエル 側部の上端に設けられた凹部と嵌合する位置合わせ用の凸部が設けられて いることを特徴とする請求項 2 2〜2 9のいずれかに記載のバイオチップ キット。
3 2 . 請求項 1〜2 1のいずれかに記載のバイオチップを製造するに際 し、 組成の異なる材質で形成された少なくとも 2層からなるプレートにつ いて、 片面側からパターンエッチングにより 2層の境界までエッチングを 行いゥエル孔を形成するとともに、 他面側からパターンエッチングにより 2層の境界までエッチングを行いフィルタ一孔を形成し、 これによりゥェ ルとフィルターとが接合したパイォチップを得ることを特徴とするバイオ チップの製造方法。
3 3 . 請求項 1〜2 1のいずれかに記載のバイオチップを製造するに際 し、 シリコンウェハーをエッチングすることによりフィルター、 リブおよ ぴゥエルをそれぞれ作製し、 次いで、 これらを積層することを特徴とする バイオチップの製造方法。
3 4 . 容器がバイオチップのゥエルと独立に形成されている請求項 2 2 〜3 1のいずれかに記載のバイオチップキットの当該容器に収容された溶 液中でバイオチップのゥエルを上下させることにより、 当該容器内の溶液 と、 ゥエル内のプロ一ブ担持粒子およびノまたは溶液とを接触させること を特徴とするバイオチップキットの操作方法。
3 5 . 請求項 2 2〜 3 1のいずれかに記載のバイオチップキットの容器 に収容された溶液の界面を上下させることにより、 当該容器内の溶液と、 ゥエル内のプロ一ブ担持粒子および Zまたは溶液とを接触させることを特 徴とするパイォチップキットの操作方法。
3 6 . バイオチップを収納する容器を備える請求項 2 2〜 3 1のいずれ かに記載のバイオチップキットの当該容器とチップとの間、 あるいは当該 チップにおける相互のゥエル間に差圧を生じさせ、 これにより、 ゥエル内 の液体とプローブ担持粒子との接触、 液体のゥエル間での移動、 あるいは これらの両方を行うことを特徴とするバイオチップキットの操作方法。
3 7 . バイオチップを接続する容器を備える請求項 2 2〜3 1のいずれ かに記載のバイオチップキットの当該容器とチップとの間、 あるいは当該 チップにおける相互のゥエル間に差圧を生じさせ、 これにより、 ゥエル内 の液体とプローブ担持粒子との接触、 液体のゥエル間での移動、 あるいは これらの両方を行うことを特徴とするバイオチップキットの操作方法。
3 8 . 前記容器内の溶液と、 ゥエル内のプローブ担持粒子および Zまた は溶液とを接触させることによりノ ィォチップ内の内容物の混合、拡散、 反応、 分離または洗浄を行うことを特徴とする請求項 3 4〜3 7のいずれ かに記載のバイオチップキットの操作方法。
3 9 . 前記バイオチップの各ゥエルに同一の被検体を投入することを特 徴とする請求項 3 4〜3 8のいずれかに記載のバイオチップキットの操作 方法。
4 0 . 前記バイオチップの各ゥエルに異なる被検体を投入することを特 徴とする請求項 3 4〜 3 8のいずれかに記載のバイオチップキットの操作 方法。 .
4 1 . 請求項 2 2〜3 1のいずれかに記載のキットにおけるバイオチッ プのゥエルに、 請求項 1 8〜2 1のいずれかに記載のチップとなるように 特定の粒子をゥエルに収納する工程;
前記バイオチップのゥエル内に、 被検体を含む溶液を投入して、 当該被 検体と、 全てのゥエル内の前記粒子とが接触可能な状態とする工程;およ ぴ
パイォチップの容器に収容された前記溶液中でゥエルを上下させるか、 パイォチップの容器に収容された前記溶液の界面を上下させるか、 あるい は差圧を加えることでゥエル内外の溶液を循環することにより被検体中の 標的物質とプローブとの反応を行う工程を含むことを特徴とする被検体中 の標的物質とプローブとの反応方法。
4 2 . 請求項 2 2〜3 1のいずれかに記載のキットにおけるバイオチッ プのゥエルに、 請求項 1 8〜2 1のいずれかに.記載のチップとなるように 特定の粒子をゥエルに収納する工程;
前記バイオチップのゥエル内に、 被検体を含む溶液を投入して、 当該被 検体と、 全てのゥエル内の前記粒子とが接触可能な状態とする工程; 前記溶液の界面の高さを、 ゥエル底部のフィルターの下面未満となるま で低下させて、 前記粒子に担持したプローブと反応していない被検体を各 ゥエル内から除去する工程;および
洗浄液をバイオチップのゥエルに投入し、 前記容器を介して洗浄液を該 バイォチップのゥエルに循環させて該バイォチップのゥエル内外へ洗浄液 を出し入れさせ、 洗浄液をゥエル外へ排出することにより、 プローブ結合 標的物質以外の物質を洗浄除去する工程を含むことを特徴とする被検体中 から標的物質を B / F分離する方法。
4 3 . 請求項 3 0または 3 1に記載のキットにおけるバイオチップのゥ エルに、 請求項 1 8〜2 1のいずれかに記載のチップとなるように特定の 粒子をゥエルに収納する工程;
前記バイオチップのゥエル内に、 被検体を含む溶液を投入して、 当該被 検体と、 全てのゥエル内の前記粒子とが接触可能な状態とする工程; 前記溶液の界面の高さを、 ゥエル底部のフィルターの下面未満となるま で低下させて、 前記粒子に担持したプローブと反応していな 、被検体を各 ゥエル内から除去する工程;
洗浄液をバイオチップのゥエルに投入し、 前記容器を介して洗浄液を該 パイォチップのゥエルに循環させて該パイォチップのゥエル内外へ洗浄液 を出し入れさせ、 洗浄液をゥエル外へ排出することにより、 プローブ結合 標的物質以外の物質を洗浄除去する工程;および
前記バイォチップのゥエル側部の下端に設け.られた囬部、 凸部または平 滑部と、 上端にこれと対応する凸部、 凹部または平滑部を有する容器を嵌 合させ、 次いで分離剤溶液をバイオチップのゥエルに投入し、 これにより 前記粒子から被検体中の標的物質を分離し、 前記容器のゥエルに移動させ る工程を含むことを特徴とする被検体中の標的物質の分画分離方法。
4 4 . 請求項 2 2〜3 1のいずれかに記載のキットにおけるバイオチッ プのゥエルに、 請求項 1 8〜2 1のいずれかに記載のチップとなるように 特定の粒子をゥエルに収納する工程;
前記バイオチップのゥエル内に、 被検体を含む溶液を投入して、 当該被 検体と、 全てのゥエル内の前記粒子とが接触可能な状態とする工程; 前記溶液の界面の高さを、 ゥエル底部のフィルターの下面未満となるま で低下させて、 前記粒子に担持したプローブと反応していなレ、被検体を各 ゥエル内から除去する工程;
洗浄液をバイオチップのゥエルに投入し、 前記容器を介して洗浄液を該 パイォチップのゥエルに循環させて該パイォチップのゥエル内外へ洗浄液 を出し入れさせ、 洗浄液をゥエル外へ排出することにより、 プローブ結合 標的物質以外の物質を洗浄除去する工程;
ゥエル内の粒子をフィルターの細孔に位置させる工程;および 前記粒子に担持されたプローブと被検体の標的物質との反応または相互 作用を検出 ·同定する工程を含むことを特徴とする被検体中の標的物質と プローブの相互作用の検出 ·同定方法。
4 5 . 粒子ごとに、 粒子のプローブ識別情報と前記粒子に担持されたプ ローブと被検体の標的物質との反応または相互作用の情報の双方を検出す ることを特徴とする請求項 4 4に記載の被検体中の標的物質の検出 ·同定 方法。
4 6 . 各ゥエルごとの粒子について、 前記粒子に担持されたプローブ識 別情報を識別し、 次いでプローブと被検体中の標的物質との相互作用に関 する状態を計測し、 各粒子ごとに得られた相互作用の状態情報に基づき、 ゥエル単位での相互作用情報を算出することを特徴とする請求項 4 4に記 载のネ皮検体中の標的物質の検出 '同定方法。
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