WO2004093397A1

WO2004093397A1 - ルーティング制御方法、ルータ装置、及び端末装置

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Publication number: WO2004093397A1
Application number: PCT/JP2004/005292
Authority: WO
Inventors: Masayuki Kumazawa; Taisuke Matsumoto; Shinkichi Ikeda; Hirokazu Kobayashi; Makoto Funabiki; Toyoki Kawahara
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2003-04-15
Filing date: 2004-04-14
Publication date: 2004-10-28
Also published as: EP1615392B1; EP1615392A4; US7764696B2; EP1615392A1; US20060248369A1; JP2004336726A; JP4385834B2

Abstract

現在のデフォルトルータ（１１）のルーティング機能の提供が不可能となった時点で、ＬＡＮ内の全端末装置（１３）、及び他のルータ装置（１２）に対して、ルーティング停止メッセージを同報配信し、他のルータ装置（１２）がルーティング機能の提供を可能であれば、ルーティング開始メッセージをＬＡＮ内の全端末装置（１３）及び他のルータ装置（１１）に対して同報配信する。これにより、ＬＡＮ内の端末装置（１３）は両メッセージに基づいて、所定のタイミングでデフォルトルータを切替えるので、デフォルトルータ切替遅延時間を小さく抑えることができ、パケットロスを低く抑えることが可能になる。

Description

ルーティング制御方法、ルータ装置、及び端末装置

技術分野

本発明は、ルータ装置に関し、特に外部網への接続機能を持つ 2台以上のル一夕装置が存在する L ANにおける明、端末装置のデフォルトルータ切り替え制御を行うルーティング制御方法、ルータ装置、及び端末装置に関する。

田背景となる技術

従来より、移動通信を行う端末装置を、携帯端末に無線アクセスインタフエ一スを追加することにより実現していた。

しかし、無線アクセスインタフェースによって接続する無線アクセス網は、力バレッジゃ帯域、通信料金等が種類によって異なるため、例えばどこに移動しても通信を継続するにはカバレッジの異なる複数の無線アクセス網に対応するィンタフエースを追加、または場所によつて交換することが必要であつた。

しかも、携帯する端末装置が複数である場合には、無線アクセスインタフエ一スを各端末装置に備える必要があり、コストゃ機器サイズの点で課題があった。これに対して、無線アクセスインタフェースよりもコス卜が低くデバイスサイズの小さい短距離無線インタフェースによって接続された携帯端末群のいずれかに無線アクセスインタフェースを追加してルータ装置とし、このル一夕装置以外の携帯端末はルータ装置を介して外部網と接続することで、各端末装置への無線アクセスインタフエ一ス搭載を不要とする技術が文献「移動ネットワークのシームレスハンドオーバに関する研究」（松本泰輔他著、信学技法、 NS2002- 323、 2003 年 3月）に開示されている。

また、移動通信においては、特に、カバレッジの異なる無線アクセスインタフエース（例えばセルラと無線 LAN) を搭載したルータ装置を場所に応じて切り替えて使用することが必要になるが、この場所に依らず通信を継続可能な技術が文献「移動ネットワークのシ一ムレスハンドオーバに関する研究」に開示されている。

このように、 I P (I n t e r n e t P r o t o c o l) ネットヮ一クにおいて、ローカルエリアネットワーク（LAN) 内の端末装置が、 LANの外部の端末装置と通信する際には、いわゆるデフォルトルータ装置を端末装置に設定する必要がある。このデフォルトルータをルータ装置から端末装置に対して自動的に設定する方法として、近隣探索プロトコル (Neighbor Discovery for IP Version 6以下 NDという。）が文献「Neighbor Discovery for IP Version 6 (IPv6) J (T.Narten、 et al.、 RFC246K IETF, December 1998) に開示されている。

Dでは、定期的に、または端末装置からの要請（Router Solicitation メッセージ、以下 RSメッセ一ジという。) に応答する形で、ルータ装置から以下のような情報を含むルータ広告 (Router Advertisement) メッセージ (以下 R Aメッセージという。) が送信される。

( 1 ) ル一夕装置の I Pアドレス

(2) 当該メッセージに含まれる情報の有効期限 (ルー夕ライフタイム Router Lifetime 以下 RLという。）

(3) 到達可能時間（Reachable Time 以下 RTという）

これらを受信した端末装置が、自己のデフォルトルータリスト及び近隣キヤッシュに上記の情報を追加する。

端末装置はデフォルトルー夕リストのエントリの中からデフォルトルータを選択し、外部との通信を行う。

また、ルータ装置は自己がシャットダウンする際には、 RL = 0の RAを送信する。そして、端末装置は RL=0の RAメッセージを受信すると、デフォルトルータリストに対応するェントリがあれば、当該ェントリを削除する。また、二重化したルータ装置のうち一方をマスタルー夕、もう一方をバックァップル一夕として、バックアツプル一夕からマスタル一夕にヘルスチェック要求を行い、マス夕ル一夕からヘルスチェック応答が返ってこなければ、バックアツプル一夕がマス夕ルータに自動的に切り替わる方法が開示されている（例えば、特開平 1 1— 2 6 1 5 6 1号公報参照）。

しかしながら、文献「Ne ighbor Di scovery for IP Vers i on 6 (IPv6) J に開示された方法を用いると、デフォルトルータが自己をシャツトダウンする時にのみ、 R L = 0の R Aメッセージを送信するため、ルータ装置の外部網への接続が過負荷の場合や、無線アクセスインタフェースにより外部網へ接続している場合の電界強度の低下等により外部網への接続が困難、または不可能な状態となつた場合にも、'通常の R Aメッセ一ジの送信が継続されてしまう。このため、端末装置が通信不能となりデフォルトルータを切り替えるには、外部端末装置との通信が不可能となったことを認識する必要がある。しかし、これには多大な時間が必要となり、通信が長時間中断されてしまうという課題を有していた。

また、特開平 1 1 - 2 6 1 5 6 1号公報に開示された方法を用いるには、複数のルータ装置で同じ MA Cアドレスを共用する必要があり、 M A Cレイヤにおける認証を行うような無線ネットワークにおいては使用できない場合があるという課題を有していた。発明の開示

本発明の目的は、マスタルータのル一タ装置に障害が発生しても、所定のタイミングでマスタルー夕からバックアツプルータに切り替わることにより、長期の通信の中断を無くすと共に、パケットロスをなくして、ネットワーク資源の効率的な運用を行うルーティング制御方法、ルー夕装置、及び端末装置を提供することにある。

本発明では、ルータ装置は外部網への接続が過負荷の場合や、無線インタフエ —スにより外部網へ接続している場合の電界強度の低下等により、ルーティング機能の実行が不可能になることが予測できた時点で、ルーティング停止メッセージを L AN内の全ノ一ド（他のルー夕装置や端末装置）に同.報配信し、他のルー夕装置においてルーティング停止メッセージを受信した時点で、自己のル一ティング機能が実行可能であるか、または所定時間の後に実行可能となる場合には、ルーティング可能メッセージを L AN内の全ノード（他のルータ装置や端末装置）に同報配信することで、高速なルータ切替えを実現する。

更に、既にルーティング機能を停止したルータ装置が L ANから外部網へ向かうバケツ卜を受信した場合には、他のルー夕装置からのルーティング可能メッセ —ジを受信するまで自己のバッファに蓄積して、その後、切替後のルータ装置にパケットを転送することで、バケツト損失を抑制する。

本発明の第 1の態様に係るルーティング制御方法は、少なくとも 1つの L AN インタフェースを有する 1つ以上の端末装置と、 L A Nと外部網間のデ一夕の中継を行うルーティング機能を有する 1つ以上のル一夕装置と、前記端末装置とル一夕装置を相互接続する L A N媒体と、からなるローカルエリアネットワーク (L AN)のルーティング制御方法において、ルーティング機能の実行中に、ルーティング機能の提供が不可能かまたは不可能と予想される場合に、ルーティング機能の停止を通知するルーティング停止メッセージを同報配信し、前記ルーティング停止メッセージを受けた他のルータ装置がルーティング機能を実行可能である場合に、ルーティング可能メッセージを同報配信することでルーティング機能を切り替えるものである。

これにより、ルーティング機能の中断を防止できる。

また、本発明の第 2の態様に係るルーティング制御方法は、第 1のルータ装置が外部網との接続状態を監視し、接続を解除すべきと判断したときに、ルーティング機能の停止までの時間であるルーティング停止時間を通知するメッセージを、接続するローカルエリアネットワーク上のノードへ送信するステップと、前記ル一ティング停止メッセージを受けた第 2のルータ装置がルーティング機能を実行可能である場合に、ルーティング機能が可能となるまでの時間である移行時間を通知するルーティング可能メッセージを、接続する口一カルエリアネットワーク上のノードへ送信するステップと、前記ルーティング停止メッセージと前記ルーティング可能メッセージとを受信したノードが、第 1のルータ装置への送信を第 2のル一夕装置へ切り替えるステップとを有するものである。

これにより、端末装置及びル一ティング機能の実行が可能な他のルータ装置に対して、ルーティング切替時刻の予測を可能になり、また、端末装置に対して、ルーティング切替時刻の予測を可能になるので、ルーティング機能の中断を防止できる。

また、本発明の第 3の態様に係るルーティング制御方法は、第 1のルータ装置はルーティング機能の停止後に外部網へ向かう電文を受信した場合に、前記電文を蓄積するステップと-. 第 1のルータ装置が第 2のル一夕装置から前記ルーティング可能メッセ一ジを受信した後に、前記蓄積した電文を第 2のルータ装置へ転送するステップとを有するものである。

これにより、ルーティング機能切替中の電文の損失を防止できる。

また、本発明の第 4の態様に係るルーティング制御方法は、第 3の態様において、第 1のルータ装置が前記ルーティング可能メッセージを受信後、. 前記ルーティング可能時間が経過した後に、前記蓄積した電文を第 2のル一夕装置へ転送するものである。

これにより、第 1のルー夕装置宛の電文は第 2のルータ装置へ転送されるので、外部網宛の電文の損失を防止できる。

また、本発明の第 5の態様に係るルーティング制御方法は、第 2の態様において、第 2のル一タ装置は、第 1のルータ装置から受信したメッセージ中の前記ル —ティング停止時間が所定の閾値以下である場合に、ルーティング機能の停止と判定するものである。これにより、特定のメッセ一ジなしにル一ティングの停止を通知できる。本発明の第 6の態様に係るルータ装置は、ルーティング機能を実行中の他のル —夕装置から、ルーティング機能の停止までの時間であるルーティング停止時間を通知するル一ティング停止メッセージを受信する停止メッセージ受信部と、前記メッセージ受信部が前記ルーティング停止メッセージを受信したとき、自己のルーティング機能の実行が可能であるか否かを判定するマスター移行判定部と、前記マスタ一移行判定部によりルーティング機能の実行が可能であると判定したときに、ルーティング機能を開始するまでの所要時間を算出する移行時間算出部と、前記所要時間を通知するルーティング可能メッセージを生成するルーティング可能メッセ一ジ生成部と、前記ルーティング可能メッセージを、接続する口一カルエリアネットワーク上のノードへ送信する可能メッセ一ジ送信部とを具備している。

これにより.. ルーティング機能を継続不能となった他のルータ装置の代わりにルーティング機能を引継ぐことで、通信の中断を防止できる。

また、本発明の第 7の態様に係るルータ装置は、第 6の態様において、外部網との接続状態を監視し、接続を解除すべきか否かを判定する状態監視部と、前記状態監視部がルーティング機能の実行中に接続を解除すべきと判断したとき、ル —ティング停止までの時間を算出するルーティング停止時間算出部と、前記ルーティング停止時間算出部からの算出時間を記載したルーティング停止メッセージを生成するルーティング停止メッセージ生成部と、前記ル一ティング停止メッセージを、接続する口一カルエリァネットワーク上のノードへ送信する停止メッセージ送信部とをさらに有している。

これにより、ルータ機能が停止する前に、他のルータ装置や端末装置といったノードへ通知できる。

また、本発明の第 8の態様に係るルータ装置は、第 7の態様において、ルーティング機能の停止後に接続するローカルエリアネットワークから受信した外部網への電文を蓄積するバッファと、他のルータ装置からルーティング可能メッセ一ジを受信する可能メッセージ受信部とをさらに有し、前記ルーティング可能メッセージを受信したときに、送信元のルータ装置へ、前記記憶部に蓄積してある電文を送信する。

これにより、ル一ティング機能切替中の電文の損失を防止できる。

また、本発明の第 9の態様に係るルータ装置は、第 7の態様において、前記ル一ティング停止メッセージは I C M P V 6のルータ広告メッセ一ジであり、ライフタイムフィールドには前記ルーティング停止時間が設定されており、前記ルーティング停止メッセージを同報配信する。

これにより、 I C M P v 6の既存のフィールドを変更、追加することなく、ル一ティング停止メッセージを実現できる

また、本発明の第 1 0の態様に係るルー夕装置は、第 7の態様において、受信した前記ルーティング停止メッセージの前記ルーティング停止時間が所定の閾値以下である場合に、前記ルーティング停止メッセージの送信元のルータ装置がル一ティング機能停止への移行中であると判断する。

これにより.. 特定のメッセージなしにルーティングの停止を通知できる。また、本発明の第 1 1の態様に係るルータ装置は、第 7の態様において、前記ルーティング可能メッセージは I C M P v 6のル一夕広告メッセージであり、到達可能時間フィールドにはルーティング機能が実行可能となるまでの時間が設定されており、前記ルーティング可能メッセージを同報配信する。

これにより、 I C M P v 6の既存のフィールドを変更、追加することなく、ル一ティング可能メッセージを実現できる

本発明の第 1 2の態様に係る端末装置は、ルーティング機能を実行中の第 1のルータ装置からのルーティング機能の停止までの時間であるルーティング停止時間を通知するル一ティング停止メッセ一ジゃ、第 2のルータ装置からのルーティング機能の実行が可能となるまでの時間であるルーティング可能時間を通知するルーティング可能メッセージを受信する端末受信部と、前記端末受信部で受信した前記ルーティング停止メッセージ及びルーティング可能メッセージに基づいて、第 1のルータ装置から第 2のルータ装置へ外部網との通信を切り替えるルータ切替部とを備えている。

これにより、使用中のルータ装置のルーティング機能が停止しても、他のル一夕装置のルーティング機能を用いて通信を継続できる。

また、本発明の第 1 3の態様に係る端末装置は、第 1 2の態様において、前記ルータ切替手段による切替タイミングが、前記ルーティング停止時間の経過後であって、かつ前記ルーティング可能時間の経過時である。

これにより、ルー夕切替をよりスムーズに行うことが可能になる。

以上のように本発明によれば、マスタルータに障害が発生したとき、マスタル一夕からバックァップル一夕に遅延なく切り替わり、端末装置のデフオルトルータも遅延なく切り替えできる。これにより、パケット損失を低く抑えることが可能になるので、ネッ卜ワーク資源の効率的な運用ができる。図面の簡単な説明

図 1は、本発明の実施の形態 1に係るネッ卜ワーク構成を示す図である。

図 2は、本発明の実施の形態 1による端末装置の構成を示す図である。

図 3は、本発明の実施の形態 1によるルー夕装置の構成を示す図である。

図 4は、本発明の実施の形態 1に係る端末装置の第一の動作を示すフロー図である。

図 5は、本発明の実施の形態 1に係る端末装置の第二の動作を示すフロ一図である。

図 6は、本発明の実施の形態 1に係るルータ装置の第一の動作を示すフロー図である。

図 7は、本発明の実施の形態 1に係るルータ装置の第二の動作を示すフロー図である。

図 8は、本発明の実施の形態 1に係るルー夕広告メッセージの構成を示す図である。

図 9は、本発明の実施の形態 1に係るデフォルトルー夕管理テーブルの第一の構成を示す図である。

図 1 0は、本発明の実施の形態 1に係るデフォルトルー夕管理テーブルの第二の構成を示す図である。

図 1 1は、本発明の実施の形態 1に係るデフォルトルータ管理テーブルの第三の構成を示す図である。

図 1 2は、本発明の実施の形態 1に係るデフォルトルー夕管理テーブルの第四の構成を示す図である。

図 1 3は、本発明の実施の形態 1に係る近隣キヤッシュテーブルの構成を示す図である。

図 1 4は、本発明の実施の形態 1に係るデフオルトル一夕切り替えシーケンスを示す図である。発明を実施するための最良の形態

本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。

(実施例 1 )

図 1は本発明の実施例 1によるネットワークの構成を示す図である。

図 1において、ルータ装置 1 1およびルー夕装置 1 2は L AN 1と外部ネットワーク（インタ一ネット） 2の通信を中継するいわゆるルーティング機能を提供するものであり、端末装置 1 3は L A N 1に所属し、外部端末装置 1 6は外部ネットワーク 2上に存在している。アクセスポイント装置 1 4、 1 5は、それぞれルータ装置 1 1、ルータ装置 1 2のインターネット接続ポイントとして動作する。アクセスボイント装置 1 4とルータ装置 1 1間及びアクセスボイント装置 1 5とルータ装置 1 2間の接続は無線通信を行うように図示しているが、有線回線を用いて通信を行ってもよく、本発明はそれを制限するものではない。また、端末装置 1 3とルータ装置 1 1またはル一タ装置 1 2間においても、無線通信及び有線通信のいずれを用いてもよい。

次に、本発明によるルータ装置及び端末装置の構成及び動作について、説明する。なお、本実施例においては、 L AN 1内部は I P V 6を用いた通信を前提としているが、 I P v 4またはその他のプロトコルを使用することも可能である。図 3は、ルータ装置 1 1またはルータ装置 1 2の構成を示す図である。

図 3において、 L ANインタフェース 3 1は L A N 1内の端末装置 1 3及び他のル一夕装置との通信における物理層処理及びデータリンク層処理を行うものであり、外部網接続インタフェース 3 4はアクセスポイント 1 4、 1 5を介して外部網 2と接続するものであり、 I Pルーティング処理部 3 2は I P処理及びルーティング処理を行うものであり-. 上位層処理部 3 3は I P処理よりも上位の T C P、 UD P、 I C M Pのプロトコル処理や、アプリケ一ション等の処理を行うである。

また、状態監視部 3 5は外部網接続ィン夕フェース 3 4とアクセスボイント装置 1 4、 1 5間の通信が切断されるか、または符号分割多重接続 ( C D MA) 通信などでのビットエラー率の増加や、無線通信での電界強度の低下等による通信状態の悪化を検知するものである。

また、バックアップルータ移行処理部 3 6はマスタルータとして動作中に、状態監視部 3 5から通知された通信状態を基にルータ機能を停止するべきかを判定し、ルータ停止までの処理を制御するものである。

また、ルータ停止時間算出部 3 7はマスタルータとして動作中に、状態監視部

3 5から通知されるビットエラー率の増加や電界強度の低下の時間変化を計測し、予め設定した許容値までの時間を算出したり、シャットダウン処理であるときはシャットダウンまでの時間を設定するものである。なお、次に述べるバッファ 3 8がバッファリング可能な時間を加算して最終的に有効期限 8 7を設定する。また、バッファ 3 8はマスタル一夕として動作している状態からルータ機能を停止してバックアップル一夕となるときに、そのルータ機能が停止後に L ANィン夕フェース 3 1を介して受信した外部網へのパケットを一時的に蓄積したり、あるいは、バックアップル一夕からマス夕ルータへ移行するときに、ルー夕機能が開始されるまでの間に L ANインタフェース 3 1を介して受信した外部網へのパケットを一時的に蓄積したりするものである。

また、マスタ一移行判定部 3 9は、バックアップルータであるときに、次のいずれかの事項の確認によりルーティング処理の実行が可能であるか否かを予測する。

( 1 ) アクセスポイント 1 4、 1 5と外部網接続インタフェース 3 4間の接続のセッ卜ァップが所定時間の後に完了できる。

( 2 ) ルータ装置 1 2がスリープ状態であり、所定時間の後にルーティング処理のセットァップが完了できる

また、移行時間算出部 4 0は、上記（1 ) と（2 ) の所定時間を算出するものである。

上記のように構成されたルータ装置 1 1及びルータ装置 1 2の動作について以下に説明する。

図 6はルーティング機能を実行中のルー夕装置 1 1において、ル一ティング機能の実行が不可能となったときの処理手順を示すフロー図である。

まず、 I Pルーティング処理部 3 2が通常のルーティング処理を実行 (ステツプ S 6 1 ) 中に、状態監視部 3 5が、検出した通信状態からルーティング処理の実行が不可能となるか、または不可能となることが予測された場合（ステップ S 6 2 )、バックアップルータ移行処理部 3 6へその通信不能であることを通知する。次に、バックアップル一夕移行処理部 3 6がこの通知を受けた後、ルーティング停止メッセージを作成し（ステップ S 6 3 )、 L A N 1に存在する端末装置 1 3 及びルー夕装置 1 2に対してマルチキャストにより同報配信する（ステップ S 6 4

このルーティング停止メッセージは、図 8に示す R Aメッセージ 8 0のフォーマットを使用して作成することができる。 R Aメッセージ 8 0は、タイプ 8 1、コード 8 2、チェックサム 8 3、ホップ制限 8 4、予約 8 6、有効期限（Router Li fet ime) 8 7、到達残時間（Reachabl e Time) 8 8及び再送夕イマ（Retrans Timer) 8 9の各フィ一ルドより構成されている。なお、 R Aメッセージ 8 0とは異なるフォーマツトを使用することも可能である。

この R Aメッセージ 8 0においてルーティング停止メッセージで特に指定するのは、有効期限 8 7である。有効期限 8 7は通知した情報の有効時間を示す。バックアツプル一夕移行処理部 3 6はルーティング処理の実行が既に不可能となっている場合には、有効期限 8 7に 0を設定し、通信状態の悪化を検出したことによる実行が不可能となることが予測される場合には、ルータ停止時間算出部 3 7が算出したル一ティング停止予測時刻までの時間を有効期限 8 7に設定する。次に、バックアップルータ移行処理部 3 6は通知したルーティング停止予測時刻までの時間を計測し、経過した時点で I Pルーティング処理部 3 2へ通知する。 I Pルーティング処理部 3 2はこれを受けてルーティング処理を停止する (ステップ S 6 5 )。

その後、 I Pルーティング処理部 3 2は L A Nィンタフェース 3 1から外部端末装置 1 6宛のバケツトを受信したか否かをチェックし (ステップ S 6 6 )、受信した場合は、既に他のルータ装置 (ここではル一夕装置 1 2 ) からルーティング可能メッセージを受信しているか否かをチェックする (ステップ S 6 7 )。そして、受信している場合には、バケツトをルータ装置 1 2へ転送し（ステップ S 6 8 )、ステップ S 6 6へ戻る。このルーティング可能メッセージには、このメッセージの送信元であるル一夕装置の MA Cアドレスと、ルータ機能が実行可能となるまでの時間が記載されている。一方、ルーティング可能メッセージを受信していない場合には、所定量に達するまでパケットをバッファに蓄積し（ステップ S 6 9 )、ステップ S 6 6へ戻る。また、パケットがバッファに存在する状態で、他のルータ装置からルーティング可能メッセージを受信した場合には、バッファ 3 8内のパケットを新たにマスタルー夕となった他のルータ装置へ転送する（ステップ S 6 6、 S 6 7、 S 6 8 )。図 7はバックアップルータであるルータ装置 1 2が、マスタルータであるル一夕装置 1 1からルーティング停止メッセ一ジを受信した場合に実施する処理手順を示すフロー図である。

I Pルーティング処理部 3 2はルー夕装置 1 1からルーティング停止メッセ一ジを受信した (ステップ S 7 1 ) 場合に、マスタ一移行判定部 3 9へ通知する。マスター移行判定部 3 9はルーティング処理が既に実行可能か、または所定時間の後にルーティング処理の実行が可能になることが予測できるかを判定し (ステップ S 7 2 )、マス夕ルータとなることが可能であると判定した場合、ルーティング可能メッセ一ジを作成し (ステップ S 7 3 )、 L A N 1内の全端末装置 1 3及び他のルータ装置に対してマルチキャス卜により同報配信する (ステップ S 7 4 )。その後、 I Pルーティング処理部 3 2は、ルーティング機能の実行を開始する (ステップ S 7 5 )。

ここで、ルーティング可能メッセージは、ルーティング停止メッセージと同様に、図 8に示す R Aメッセ一ジ 8 0を使用する。このメッセージにおいて、タイプ 8 1フィールドにルーティング可能メッセージの種別が設定されており、有効期限 8 7フィールドにはこのメッセージの通知した情報の有効時間が示されており、到達残時間 8 8フィールドにはルーティング機能が実行可能となるまでの時間が設定されている。

I P V 4では、 R Aメッセ—ジ 8 0に到達残時間 R Tフィールド 8 8は存在しないため、ル一ティング開始予測時刻までの時間の設定は行わない。この場合には、ルーティング処理の実行が開始されたと同時に R Aメッセージ 8 0を送信する。または、ルータ装置 1 2にパケットを蓄積可能なバッファが具備されている場合には、ルーティング処理実行開始に先駆けて R Aメッセージ 8 0を送信し、受信したバケツトをルーティング処理実行開始まで蓄積しておくことも可能である。

なお、ステップ 7 1において、受信したルーティング停止メッセージは I P V 6の R Aメッセージ 8 0のフォーマットが使用されている場合には、有効期限フィ一ルド 8 7が、ある閾値以下であるときに R Aメッセージ 8 0がル一ティング停止メッセージであると判断する。これは I P v 6または I P V 4の R Aメッセージ 8 0を使用した場合であるが、本発明は R Aメッセージ 8 0のフォーマットに限定するものではなく、ルーティング停止を示すメッセージであればどのような構成でもよい。

以上のように本実施例におけるルー夕装置は、ルーティング機能が動作不能となると判断した時点で、マス夕ルー夕からルーティング停止メッセージが送信されるので、それを受けたバックアツプル一タである他のルータ装置は自己が代替できると判断した場合に、即座にルーティング機能の動作準備に掛かることができる。このためマスタルータとバックアップル一夕との切り替えの遅延を極力おさえることが可能になる。

次に、本実施例に係る端末装置 1 3の構成及び動作について以下に説明する。図 2は、端末装置 1 3の構成を示す図である。

図 2において、 L ANインタフェース 2 1は L AN 1に存在する他の端末装置及びルー夕装置との通信における物理層処理及びデータリンク層処理を行うものであり、端末受信部に相当する。 I P処理部 2 2はネットワーク層の処理である I P処理を行うものであり、上位層処理部 2 3はネットワーク層よりも上位の T C P、 UD P、 I C M Pなどのプロトコル処理や、アプリケーション等の処理を行うものである。

また、デフオルトル一タリスト 2 4はデフォルトルータとして使用可能なルー夕装置のリストを記録したテ一ブルであり、近隣キャッシュ 2 5は L A N 1に存在する端末装置及びルータ装置の I Pアドレスをキー情報として、リンクレイヤァドレスを求めるためのテーブルである。

また、ル一タ切替部 2 6は近隣キャッシュ 2 5にあるバックアップル一夕からマスタルー夕への移行時間をカウントし、切り替えのタイミングでデフオルトル —夕を切り替えるものである。なお、ルー夕切替部 2 6はパケット送信時にこのデフォルトルータリスト 2 4及び近隣キヤッシュ 2 5を参照し、外部端末装置へのパケットを送信するときのルー夕装置を決定する。

また、バッファ 2 7は送信パケットを一時的に蓄積しておく記憶装置であり、夕イマ 2 8は単位時間の経過を通知するものである。

ここで、図 9乃至図 1 2にデフオルトル一夕リスト 2 4の構成例、及び図 1 3 に近隣キヤッシュ 2 5の構成例を示す。

図 9に示すデフォルトルータリスト 2 4は、端末装置 1 3においてデフォルトルータとして使用可能なルー夕装置のリストを示すテーブルであり、登録されたルータ装置を示すエントリ 9 0 1、ェン卜リ情報の有効期限までの残り時間を示す有効期限 R L (Router L i f e t ime) 9 0 2、および対応する近隣キャッシュェントリへのポインタ 9 0 3を情報として持つ。

図 1 3に示す近隣キャッシュ 2 5は、 L A N 1に存在する端末装置 1 3及びル一夕装置 1 1、 1 2の I Pアドレスをキ一情報として、リンクレイヤアドレスを求めるためのテーブルであり、各エントリ 1 3 0 1は、 I Pアドレス 1 3 0 2、ルー夕機能が動作可能となる時刻までの残り時間を示す移行時間 1 3 0 3、リンクレイャァドレス 1 3 0 4を情報として持つ。ただし、本実施例におけるデフォルトルータリスト 2 4及び近隣キヤッシュ 2 5の構成は、説明に必要な最低限の情報のみ含んでおり、他の情報を含んでいてもよい。なお、上記近隣キャッシュ 2 5は I P v 6を前提としたものである。 I P V 4の場合、近隣キャッシュ 2 5 に対応するのは A R Pテ一ブルである。 A R Pテーブルは、近隣キャッシュ 2 5 と以下の点で異なっている。

( 1 ) I Pアドレス 1 3 0 2の値が I P v 4アドレスである。

( 2 ) 到達残時間 R T 1 3 0 3フィールドが存在しない。

従って、到達残時間 1 3 0 3フィールドを追加するか、到達残時間 1 3 0 3の値が全て 0であると仮定することにより、同様の処理を実現できる。

上記のような構成を持つ端末装置 1 3の動作について図 4を用いて説明する。まず、 I P処理部 2 2は上位層処理部 2 3から外部端末装置 1 6宛のバケツト送信要求を受付けた（ステップ S 4 1 ) 後、ルータ切替部 2 6へパケットを送信すべきルータ装置を問い合わせる。ルータ切替部 2 6はデフォルトルータリスト 2 4にあるエントリ 9 0 1について、有効期限 9 0 2が閾値 T Hよりも大きいかどうかをチェックする（ステップ S 4 2 )。

ルー夕切替部 ₂ 6は有効期限が閾値以下の場合、エントリ 9 0 1に他のェントリがあるか否かをチェックし (ステップ S 4 3 )、ある場合はステップ S 4 2に戻る。一方、他のエントリがない場合は、全ての登録されているルー夕装置の有効期限が閾値以下と判定し、その情報を I P処理部 2 2へ応答する。 I P処理部 2 2はこれを受けて、パケットをバッファ 2 7に蓄積するか、あるいは破棄を行う (ステップ S 4 4 )。なお、バッファに蓄積する場合、デフォルトルータリスト 2 4の更新等を契機として、再度パケットの送信を行う。また、 I P v 4または I P V 6においては R Sメッセ一ジを使用して L AN 1内のル一夕装置を探索することができるので、探索して適合するルー夕装置が見つかつた場合はそのルー夕装置へ蓄積しているパケットを送信する。

ステップ S 4 2において、有効期限が閾値より大きい場合、ル一夕切替部は近隣キャッシュ 2 5を参照し、このエントリの近隣キャッシュポインタ 9 0 3からこのエントリの移行時間 1 3 0 3が満了している（0となっている）かどうかを確認し（ステップ S 4 5 )、満了でない場合、ルータ切替部 2 6は I P処理部 2 2へ送信先のルータ装置がないことを応答し、ステップ S 4 4へ移行する。一方、満了している場合には、ルータ切替部 2 6は該当エントリのル一夕装置のリンクレイヤアドレス 1 3 0 4を I P処理部 2 2へ応答する。 I P処理部 2 2 はこれを受けて、通知されたリンクレイヤアドレスを宛先として、端末装置 1 3 の L ANインタフェース 2 1からパケットを送信し、処理を終了する（ステップ S 4 6 ) ₀ .

ここで、閾値 THについてはなるべく小さい値として「0」を設定してもよいが、端末装置とルータ装置間の伝播遅延が大きい場合には、 T H= 1以上の値を設定してもよい。

次に、図 5を用いて端末装置 1 3におけるデフォルトルータリス卜維持処理の手順を説明する。

まず、ルータ切替部 2 6は夕イマ 2 8から通知される単位時間経過毎に、デフオルトルー夕リスト 2 4の全ェントリに対して、有効期限及び移行時間の更新を行う (ステップ S 5 1 )。

次に、ルータ切替部 2 6は有効期限が 0になったェン卜リがあるか否かをチェックし (ステップ S 5 2 )、該当するェントリを削除する (ステップ S 5 3 )。本発明において、上記のデフオルトル一夕リスト 2 4の更新処理のタイミングについては本実施例に限らず、バケツト送信時のみ更新を行ってもよい。ただし、パケット送信時に、有効期限及び移行時間について正確な値を使用するために、バケツト送信時であってデフオルトルータリストを参照する必要がある場合に更新を行うことも可能である。

次に、ルータ切替部 2 6はルータ装置から後述する図 8の R Aメッセ一ジ 8 0 を受信した場合（ステップ S 5 4 )、既にデフォルトルータリストにル一タ装置のエントリがあるか否かをチェックする (ステップ S 5 5 )。そして、ある場合 ( S 5 6 ) にはエントリの内容を受信した R Aメッセージ 8 0の内容に従って有効期限及び移行時間を更新（ステップ S 5 6 ) し、ステップ S 5 1に戻る。一方、ル —タ装置のェントリがない場合には、ルータ装置をデフオルトル一夕リストに追加し、処理を終了する（ステップ S 5 7 )。

これにより、端末装置は使用中のルー夕装置のル一ティング機能が停止しても、他のルータ装置をデフォルトルータへ速やかに切り替えでき、新たなルー夕装置のル一ティング機能を用いて通信を継続できる。

なお、ル一ティング停止メッセージ、およびルーティング可能メッセージで I P v 6の R Aメッセージを使用した場合は、移 fi¹時間を到達残時間フィールドに設定していること、およびルーティング停止時間を有効期限フィールドに設定していることにより、本実施例を有さない端末装置においても、 I P v 6の規格に従った動作を行うことにより、本実施例に係る端末装置と同様の機能を実現できるので、同様の効果を得ることが可能になる。

次に、本実施例におけるデフォルトルータがルー夕装置 1 1からルータ装置 1 2に切り替わる動作について図 1 4を用いて説明する。

図 1 4は、本発明によるデフォルトルータ切り替えを説明するシーケンス図である。

初めに、端末装置 1 3は、外部端末装置 1 6との通信のため、ル一夕装置 1 1 をデフオルトルータとして使用し.. 通信データ 1 0 1をル一夕装置 1 1へ送信する。

この時点における端末装置 1 3のデフォルトルータリスト 2 4は図 9である。次に、ルータ装置 1 1は外部網接続インタフェース 3 4とアクセスポイント 1 4間の通信状態が悪化し、 1秒後にルーティング機能の実行が不可能となると判断 (ステップ S 1 1 0 ) すると、ルーティング停止メッセ一ジ 1 2 0をルー夕装置 1 2及び端末装置 1 3に対して同報配信する。

ここで、ルーティング停止メッセージ 1 2 0を端末装置 1 3が受信する前に、端末装置 1 3から送信された通信デ一夕 1 0 2は、ルー夕装置 1 1において蓄積される。

ル一ティング停止メッセージ 1 2 0を受信した端末装置 1 3のデフオルトル一タリスト 1 0 0 0は図 1 0である。これは、ルータ装置 1の有効期限 9 0 2力 1 秒であることを示している。

ルータ装置 1 2はルーティング停止メッセージ 1 2 0を受信すると、自己の外部網接続インタフェース 3 4とアクセスポイント 1 5間の接続のセットアップを開始し、例えば、 3 0 O m s e c後にセットアップが完了すると予想した（ステップ S 1 1 1 )。そして、ル一夕装置 1 2はルーティング可能メッセージ 1 2 1をルータ装置 1 1及び端末装置 1 3に対して同報配信する。

端末装置 1 3は、ルーティング停止メッセージ 1 2 0を受信後は、外部端末装置 1 6への通信デ一夕 1 0 3の送信を保持し、ル一ティング停止メッセ一ジ 1 2 0に含まれるルーティング停止時間とルーティング開始メッセージ 1 2 1に含まれるルーティング開始時間により決定される、所定のタイミングでデフォルトル一夕切り替えを行い. 通信データ 1 0 3をルータ装置 1 2へ送信する。

また、端末装置 1 3は、ルータ装置 1 2からのルーティング可能メッセ一ジ 1 2 1を受信すると、デフォルトルー夕リスト 1 1 0 0を図 1 1に示すものに更新する。

その後、端末装置 1 3は 1秒間、ルータ装置 1 1をデフオルトル一夕として使用した後、デフオルトル一夕リスト 1 2 0 0を図 1 2に示すものに更新する。そして、端末装置 1 3はデフォルトルー夕リストが図 1 2のようになった後は、ル一夕装置 1 2をデフオルトル一夕として使用して外部端末装置 1 6との通信を継続する。

一方、ルータ装置 1 1はル一ティング開始メッセージ 1 2 1を受信すると、ル一夕装置 1 2がル一ティング機能を引継ぐことを判断し、蓄積しておいた通信デ —夕 1 0 2をル一夕装置 1 2へ送信する。

以上説明したように、本発明は、端末装置 1 3がルータ装置 1 1を外部ネットワーク 2との中継点、いわゆるデフォルトルータとして外部端末装置 1 6と通信を行っている場合に、ルータ装置 1 1によるルーティング機能の提供が不可能となることを予測した時点で、ルータ装置 1 1から L AN 1に存在する他の全ノード（ここでは端末装置 1 3及びルータ装置 1 2 ) に対して、ルーティング機能の提供が不可能となることを示すルーティング停止メッセージを同報配信し、ルーティング停止メッセ一ジを受信したルータ装置 1 2は、自身のルーティング機能の実行が可能であれば、 L AN 1に存在する他の全ノード（ここでは端末装置 1 3及びルータ装置 1 1 ) に対してルーティング可能メッセージを同報配信する。これにより、端末装置 1 3は前記ルーティング停止メッセージ及びルーティング可能メッセージを用いてデフォルトルータをルータ装置 1 1からルータ装置 1 2 に切り替えることができるので、デフォルトルータ切替遅延時間を小さく抑えることが可能になる。

更に、ルータ装置 1 1は、端末装置 1 3のデフォルトルータ切り替えが間に合わずに端末装置 1 3からパケットを受信したとしてもそれを蓄積し、ルーティング可能メッセ一ジを受信した時点で、新たにマスタルータとなるル一夕装置 1 2 に対してパケットを転送するので、バケツ卜損失を低く抑えることができ、ネットワーク資源の効率的な運用を行うことが可能になる。

また、本発明は各ル一夕装置に異なる M A Cアドレスを用いることができるため、 M A Cレイヤにおける認証を行うような無線ネットワークにおいても使用可能である。産業上の利用可能性

以上のように本発明は、外部網への接続機能を持つ 2台以上のルータ装置が存在する L ANにおけるルーティング制御方法、ル一夕装置および端末装置に有用であり、マスタルータとバックアップルータとの切り替えや、端末装置でのデフオルトルータの切り替えを行うのに適している。

Claims

請求の範囲

1 . 少なくとも 1つの L ANインタフェースを有する 1つ以上の端末装置と、 L ANと外部網間のデータの中継を行うルーティング機能を有する 1つ以上のルー夕装置と、前記端末装置とルー夕装置を相互接続する L AN媒体と、からなる口 —カルエリアネットワーク（L A N)のルーティング制御方法において、ルー夕装置がルーティング機能の実行中に、ルーティング機能の提供が不可能かまたは不可能と予想される場合に、ルーティング機能の停止を通知するルーティング停止メッセージを同報配信し、前記ルーティング停止メッセージを受けた他のルータ装置がルーティング機能を実行可能である場合に、ルーティング可能メッセージを同報配信することでルーティング機能を切り替えることを特徴とするルーティング制御方法。

2 . 第 1のル一夕装置が外部網との接続状態を監視し、接続を解除すべきと判断したときに、ルーティング機能の停止までの時間であるルーティング停止時間を通知するメッセージを、接続するローカルエリアネットワーク上のノードへ送信するステップと、

前記ルーティング停止メッセージを受けた第 2のルー夕装置がルーティング機能を実行可能である場合に、ルーティング機能が可能となるまでの時間である移行時間を通知するルーティング可能メッセージを、接続するローカルエリアネッ卜ワーク上のノードへ送信するステップと、

前記ルーティング停止メッセージと前記ル一ティング可能メッセージとを受信したノードが、第 1のルータ装置への送信を第 2のルータ装置へ切り替えるステツプと

を有するルーティング制御方法。

3 . 第 1のル一タ装置はルーティング機能の停止後に外部網へ向かう電文を受信した場合に、前記電文を蓄積するステップと、

第 1のルータ装置が第 2のルータ装置から前記ルーティング可能メッセージを受信した後に、前記蓄積した電文を第 2のルータ装置へ転送するステップとを有する請求の範囲第 2項に記載のルーティング制御方法。

4 . 第 1のルータ装置は前記ルーティング可能メッセージを受信後、前記ルーティング可能時間が経過した後に、前記蓄積した電文を第 2のルー夕装置へ転送する請求の範囲第 3項に記載のルーティング制御方法。

5 . 第 2のル一夕装置は、第 1のル一夕装置から受信したメッセージ中の前記ル —ティング停止時間が所定の閾値以下である場合に、ルーティング機能の停止と判定する請求の範囲第 2項に記載のルーティング制御方法。

6 . ルーティング機能を実行中の他のルータ装置から、ルーティング機能の停止までの時間であるル一ティング停止時間を通知するルーティング停止メッセージを受信する停止メッセージ受信部と、

前記メッセ一ジ受信部が前記ルーティング停止メッセージを受信したとき、自己のルーティング機能の実行が可能であるか否かを判定するマス夕一移行判定部と、前記マス夕一移行判定部によりルーティング機能の実行が可能であると判定したときに、ルーティング機能を開始するまでの所要時間を算出する移行時間算出部と

前記所要時間を通知するルーティング可能メッセージを生成するルーティング可能メッセ一ジ生成部と、

前記ルーティング可能メッセージを、接続するローカルエリアネッ卜ワーク上のノードへ送信する可能メッセ一ジ送信部と

を具備するルータ装置。

7 . 外部網との接続状態を監視し、接続を解除すべきか否かを判定する状態監視部と、

前記状態監視部がルーティング機能の実行中に接続を解除すべきと判断したとき、ルーティング停止までの時間を算出するルーティング停止時間算出部と、前記ルーティング停止時間算出部からの算出時間を記載したルーティング停止メッセージを生成するルーティング停止メッセージ生成部と、

前記ルーティング停止メッセージを、接続するローカルエリアネットワーク上のノードへ送信する停止メッセージ送信部と

をさらに有する請求の範囲第 6項に記載のルータ装置。

8 . ルーティング機能の停止後に接続するローカルエリアネットワークから受信した外部網への電文を蓄積するバッファと、

他のルータ装置からルーティング可能メッセージを受信する可能メッセージ受信部と、

をさらに有し、

前記ルーティング可能メッセージを受信したときに、送信元のル一夕装置へ、前記記憶部に蓄積してある電文を送信する請求の範囲第 7項に記載のルータ装置。

9 . 前記ルーティング停止メッセージは I C M P y 6のル一夕広告メッセージであり、ライフタイムフィールドには前記ルーティング停止時間が設定されており、前記ル一ティング停止メッセ一ジを同報配信する請求の範囲第 7項に記載のルータ装置。

1 0 . 受信した前記ルーティング停止メッセージの前記ルーティング停止時間が所定の閾値以下である場合に、前記ルーティング停止メッセージの送信元のルータ装置がルーティング機能停止への移行中であると判断する請求の範囲第 7項に記載のルータ装置。

1 1 . 前記ルーティング可能メッセージは I C M P V 6のルータ広告メッセ一ジであり、到達可能時間フィールドにはルーティング機能が実行可能となるまでの時間が設定されており、前記ルーティング可能メッセージを同報配信する請求の範囲第 7項に記載のルー夕装置。

1 2 . ルーティング機能を実行中の第 1のルータ装置からのル一ティング機能の停止までの時間であるルーティング停止時間を通知するルーティング停止メッセージや、第 2のル一夕装置からのル一ティング機能の実行が可能となるまでの時間であるル一ティング可能時間を通知するルーティング可能メッセージを受信する端末受信部と、

前記端末受信部で受信した前記ルーティング停止メッセージ及びルーティング可能メッセージに基づいて、第 1のルータ装置から第 2のルータ装置へ外部網との通信を切り替えるルータ切替部と

を備える端末装置。

1 3 . 前記ルータ切替手段による切替タイミングは、前記ル一ティング停止時間の経過後であって、かつ前記ルーティング可能時間の経過時である請求の範囲第 1 2項に記載の端末装置。