WO2004091459A1 - 使い捨てのパンツ型着用物品 - Google Patents

Abstract

使い捨てのパンツ型着用物品１が体液吸収部３を有する。着用物品１の股下域８において、体液吸収部３の両側縁部分２６それぞれに折り込み部５０が形成され、折り込み部５０よりも前方に位置する非折り込み部３ａの広がりが小さく、折り込み部５０よりも後方に位置する非折り込み部３ｂの広がりが大きく形成される。

Description

明 細 書 使い捨てのパンヅ型着用物品 技術分野

この発明は、 使い捨ておむつや ト レーニングパンツ、 失禁者 用パンヅ等として使用するのに好適な使い捨てのパンツ型着用 物品に関する。 背景技術

使い捨ておむつ等の使い捨て着用物品において、 矩形の体液 吸収性パネルが使用され、 そのパネルの股下域両側部それぞれ にパネルの内側へ向かっての折り込み部が形成されているもの は公知である。

たとえば、 実開昭 4 7 - 3 6 7 3 4号公報 （特許文献 1 ) に 記載のおむつは、 矩形を成すパネル状のおむつ本体片が股下域 に折り込み部を有し、 その折り込み部は本体片の長さ方向を二 等分する中心線に関して対称となるように、 換言するとおむつ の前後方向で対称となるように形成されている。

特開昭 5 0 — 3 3 0 4 4号公報 （特許文献 2 ) に記載のおむ つも折り込み部を有し、 その折り込み部は矩形を成す体液吸収 性のパネル状材料を中央横断線と、 中央横断線の中点から放射 状に延びる線とに沿って折曲するこ とによ り形成され、 折り込 み部において向かい合うおむつの内面どう しが部分的に固定さ れている。 このおむつの折り込み部も、 中央横断線に関して対 称、 すなわちおむつの前後方向で対称となるように形成されて いる。 特開 2 0 0 3 — 1 0 2 4 4号公報 （特許文献 3 ) に記載のパ ンッ型の着用物品は、 使い捨てのパンツ型おむつ等として使用 されるものであって、 矩形を呈する体液吸収性パネルが U字状 に曲げられて股下域を中心に前後胴周り域にまで延びている。 このパネルは股下域に折り込み部を有し、 その折り込み部は、 パンツ型の着用物品の最下端部におけるパネル横断線と、 その 横断線の中点からパネルの両側縁部にまで延びる放射状の線と においてパネルを折曲することによ り形成されている。 この着 用物品の折り込み部も前記横断線に関して対称、 すなわち着用 物品の前後方向において対称となるように形成されている。

特許文献 1， 2 , 3いずれの着用物品においても、 パネルの 股下域に形成された折り込み部はパネルの幅を部分的に狭く す るように作用すると同時に、 排泄物を保持するポケッ ト として 機能する。

特許文献 1 ： 実開昭 4 7 - 3 6 7 3 4号公報

特許文献 2 ： 特開昭 5 0— 3 3 0 4 4号公報

特許文献 3 ： 特開 2 0 0 3— 1 0 2 4 4号公報

特許文献 1， 2 , 3のいずれにおいても、 体液吸収性のパネ ルに形成された折り込み部がおむつの前後方向で対称を成して おり、 その折り込み部が形成された後の体液吸収性パネルも実 質的に前後方向で対称を成している。 これらのパネルは、 折り 込み部よ り も後方の部分でおむつ着用者の背側を覆い、 折り込 み部よ り も前方の部分で着用者の腹側を覆う ものであるが、 背 側において臀部を広く覆う ことができるようにパネルの幅が広 く作られていると、 腹側ではその幅の広いパネルによって着用 者の脚の自由な動きが妨げられる。 一方、 脚の動きの妨げにな らないようにパネルの幅が狭く作られていると、 臀部の近傍に おけるパネルの体液吸収能力に不足が生じて体液が漏れ易くな るということがある。

この発明は、 体液吸収部が股下域に折り込み部を有する使い 捨てのパンヅ型着用物品を対象と して、 その物品着用者の脚の 動きを妨げることがなく、 しかも体液漏れを生じることがない ように、 前記折り込み部に対しての改良を施すことを課題にし ている。

発明の開示

前記課題解決のために、 この発明が対象とするのは、 次の使 い捨てのパンツ型着用物品である。 すなわち、 前胴周り域と後 胴周り域と股下域とを有し、 前記股下域には前記前後胴周り域 方向へ長く延びる体液吸収部が形成されており、 前記体液吸収 部は前記前後胴周り域方向へほぼ平行して延びる両側縁部を有 していて前記前胴周り域と後胴周り域とに位置する部分の内面 どう しが対向してほぼ U字状を呈するように長く延びる方向へ 折曲され、 前記股下域における前記体液吸収部が、 前記股下域 の幅方向に延びる横断線の中点および前記中点から両側へ等距 離にある前記横断線上の二点のいずれかから前記横断線に対し て交角 :を成して前記前胴周り域寄りにおける前記体液吸収部 の前記両側縁部分それそれに向かって延びる一対の第 1折曲線 と、 前記横断線に対して交角 3を成して前記後胴周り域寄りに おける前記体液吸収部の前記両側縁部分それぞれに向かつて延 びる一対の第 2折曲線とを有し、 前記股下域における前記体液 吸収部はさらに、 前記両側縁部のそれぞれにおける前記第 1折 曲線と前記第 2折曲線との間に位置する部位が前記体液吸収部 の内側へ向かう ように折曲されて成る折り込み部と、 一対の前 記第 1折曲線よ り も前記前胴周り域寄りに位置する第 1非折り 込み部と、 一対の前記第 2折曲線よ り も前記後胴周り域寄り に 位置する第 2非折り込み部とを有している使い捨てのパンツ型 着用物品、 である。

かかるパンヅ型着用物品において、 この発明が特徴とすると ころは、 前記体液吸収部が前記第 1非折り込み部の広がりを小 さ く形成され、 前記第 2非折り込み部の広がりを大き く形成さ れていること、 にある。

この発明には、 次のような実施態様がある。

( 1 ) 前記横断線が前記着用物品の上下方向における前記股下 域の最下端部に位置し、前記交角 αが前記交角 /?よ り も大きい。

( 2 ) 前記横断線が前記着用物品の上下方向における前記股下 域の最下端部から前記前胴周り域寄りに偏倚しており、 前記交 角ひが前記交角 ^と等しいか前記交角 ?よりも大きい。

( 3 ) 前記交角ひが 3 5 〜 6 0度、 前記交角 ?が 1 0〜 3 0度 の範囲にある。

( 4 ) 前記横断線が前記股下域の最下端部から前記前胴周り域 寄りに 1 0〜 5 0 m m偏倚している。 図面の簡単な説明

図 1は、 パンツ型の使い捨ておむつの斜視図。

図 2は、 図 1のおむつを部分的に破断したときの概略図。

図 3は、 図 1 の I I I 一 I I I線断面図。

図 4は、 図 1のおむつを伸展した図面。

図 5は、 図 4の V— V線切断面を示す図。

図 6は、 実施態様の一例を示す図 4と同様な図。

図 7は、 実施態様の他の一例を示す図 4 と同様な図。 発明を実施するための最良の形態

この発明に係る使い捨てのパンツ型着用物品としてパンツ型 おむつを例にと り、 添付の図面を参照してこの発明の詳細を説 明すると、 以下のとおりである。

図 1， 2， 3は、 使い捨てのパンツ型おむつ 1の斜視図と、 図 1のおむつ 1 を部分的に破断して示す図と、 図 1の I I I 一 I I I線切断面を示す図である。 I I I 一 I I I線切断面は、 図 1 におけるおむつ 1 を前胴周り域 6 と後胴周り域 7 とに二分 する面であって、 この面にはおむつ 1の最下端部 5 1の内部構 造が現れる。 おむつ 1は、 互いに直交する高さ方向と、 幅方向 と、 前後方向とを有するもので、 高さ方向は図 1の上下方向で あ り、 前後方向は図 1の矢印 P , Qで示される方向であ り、 幅 方向は図 1の I I I 一 I I I線に沿う方向、 すなわち図 3の左 右方向である。 かかるおむつ 1 は、 パンヅ型を呈する被覆部 2 と、 体液を吸収保持するための体液吸収部 3 とからなる。 被覆 部 2は、 おむつ着用者の肌と向かい合う内面 2 aと、 着衣と向 かい合う外面 2 bとを有し、 その着用者の前後胴周り部と股部 とを覆う前胴周り域 6 と後胴周り域 7 と股下域 8 とからなる。 前後胴周り域 6 , 7は、 おむつ 1の両側部で合掌状に重なり合 い、 上下方向へ間欠的に並ぶ部位 4で互いに接合され、 これら 両域 6， 7によって胴周り開口 9が画成され、 これら両域 6 , 7 と股下域 8 とによって一対の脚周り開口 1 1が画成されてい る。 胴周り開口 9 と脚周り開口 1 1 の縁部それぞれには、 複数 条の弾性部材 1 2， 1 3が伸長状態で取り付けられている。 体 液吸収部 3は、 被覆部 2の内面 2 aの側に位置し、 内面どう し が対向してほぼ U字状を呈するように股下域 8 を中心に前胴周 り域 6 と後胴周り域 7 とに向かって長く延びている。 吸収部 3 はまた、 おむつ 1の最下端部 5 1の近傍に折り込み部 5 0を有 し、 その折り込み部 5 0では、 おむつ 1の幅を二等分して高さ 方向へ延びる縦中心線 A— A (図 4を併せて参照）に向かつて、 すなわちおむつ 1の幅方向内側へ向かって体液吸収部 3の両側 縁部分 2 6が折曲されている。

図 4， 5は、 図 1 のおむつ 1 を接合部位 4において剥離し、 前後胴周り域 6 , 7 をおむつ 1 の前方向と後方向へ延びる矢印 P , Qの方向へ伸展したものの部分破断平面図と、 その平面図 の V— V線切断面を示す図である。 伸展した状態のおむつ 1 に は、 縦中心線 A— Aに対してその中点 Mで直交し、 図の上下方 向の長さを二等分しておむつ 1の幅方向へ延びる横断線 B— B も示されている。 図 4のおむつ 1 は、 縦中心線 A— Aに関して ほぼ対称であ り、 横断線 B— Bに沿って内側へ折曲されると図 1のおむつ 1 となり、 そのおむつ 1 では横断線 B— Bがおむつ 1の最下端部 5 1 に位置する （図 3参照）。縦中心線 A— Aの中 点 Mは、 横断線 B— Bの中点でもある。 図 4において股下域 8 の範囲を規定している上下一対の線 — (3 ₁ と 0； ₂— C ₂とは. 図' 3のおむつ 1では重なって 1本となり、 脚周り開口 1 1の頂 縁部を通り横断線 B— Bに平行している線 C一 Cとなる。

被覆部 2は、 図 4， 5 に示されるように、 通気性不織布、 よ り好ま しくは疎水性の通気性不織布からなる砂時計型の内部シ ート 1 6 と、 不透液性プラスチックフィルム、 よ り好ま しく は 通気不透液性プラスチックフィルムからなり、 吸収部 3の平面 形状とほぼ同じ大きさの矩形であるかまたはその平面形状よ り も大き く、 内部シー ト 1 6の外面側に位置する中間部シー ト 1 7 と、 通気性不織布からなり内部シー ト 1 6 と同形同大で中間 部シー ト 1 7の外面側に位置する外部シー ト 1 8 とが積層され、 これらシー ト 1 6， 1 7， 1 8が接着または溶着によ り互いに 間欠的に接合することで形成されている。 被覆部 2は、 内部シ ー ト 1 6 と外部シー ト 1 8 とが不織布であることによって、 柔 軟な肌触り を有する。 内部シー ト 1 6 と外部シー ト 1 8 との間 に位置する胴周り と脚周りの弾性部材 1 2 , 1 3は、 これらシ ー ト 1 6， 1 8の少なく とも一方に接着剤 （図示せず） を介し て接合している。

吸収部 3は、 芯材 2 1 と被覆シー ト 2 2 とからなり、 図 4に おいて縦に長いほぼ矩形を呈し、 縦中心線 A— Aにほぼ平行し て股下域 8 を中心に前後胴周り域 6 , 7方向へ延びる一対の側 縁部分 2 6 と、 横断線 B— Bにほぼ平行しておむつ 1の幅方向 へ延びる前後一対の端縁部分 2 7 とを有する （図 2を併せて参 照）。側縁部分 2 6が縦中心線 A— Aにほぼ平行し、 端縁部分 2 7が横断線 B— Bにほぼ平行するとは、 これら側縁部分 2 6や 端縁部分 2 7が直線的に延びる場合と、 僅かに湾曲するなどの 非直線的に延びる場合、 例えば側縁部分 2 6が股下域 8 におい て中心線 A— Aに向かって凸となう ように湾曲する場合とがあ ることを意味している。 吸収部 3の股下域部分は、 被覆部 2の 股下域 8 に位置する部分であって、 図 4では一対の平行線 — C iと C ₂— C ₂との間に位置する部分を意味し、 図 3では横 断線 B— B と線 C— Cとの間に位置する部分を意味している。 芯材 2 1 もまた全体的形状がほぼ矩形であって、 おむつ着用者 の肌側に位置する内面 2 3 と、 着衣側に位置する外面 2 4 と、 内外面 2 3 , 2 4をつないで縦方向へ延びる両側面部分 4 0 a と、 前後胴周り域 6 , 7 において幅方向へ延びる両端縁部分 4 O bとを有する。 芯材 2 1 はまた、 縦中心線 A— A上の中点 M から前胴周り域 6寄りの両側縁部分 2 6のそれそれにまでほぼ V字形を画いて延びる一対の鎖線 Sと、 中点 Mから後胴周り域 7寄りの両側縁部分 2 6それそれにまでほぼ V字形を画いて延 びる一対の鎖線 Tと、 中点 Mから鎖線 Sと鎖線 Tとの間におい て前胴周り域 6寄りの両側縁部分 2 6にまでほぼ V字形を画い て延びる一対の鎖線 Uとに沿って延びるように形成された溝 2 0 s， 2 0 t， 2 0 u (図 5を併せて参照） を有し、 これらの 溝 2 0 s , 2 0 t , 2 0 uによって芯材 2 1が芯材要素 2 1 a , 2 1 b , 2 1 c , 2 1 d , 2 1 e , 2 1 f に分けられている。 横断線 B— Bと鎖線 Sとの交角はひ であり、 横断線 B— Bと鎖 線 Tとの交角は/? であ り、 横断線 B— Bと鎖線 Uとの交角は 5₂である。 好ましい交角ひは 3 5〜 6 0度の範囲にあ り、 好 ましい交角 /? は 1 0〜 3 0度の範囲にある。 交角 5₂は、 図 4 に関連して後記するように、 側縁部分 2 6のうちで溝 2 0 s と 2 0 t との間に位置する部位を図 2 , 3の如く吸収部 3の内側 へ向く ように溝 2 0 s と 2 0 t とに沿って折曲したときに自動 的に決まる角度である。 おむつ 1の股下域 8では、 吸収部 3の 幅が被覆部 2の幅よ り も狭く、 被覆部 2の側縁部分 8 aが吸収 部 3の側縁部分 2 6の外側において脚周り開口 1 1を一周する 脚周り フラ ッ プ 1 l aを形成している。

各芯材要素 2 1 a〜 2 1 f は、 粉砕パルプや高吸水性ポリマ —粒子等の吸水性材料を適宜の力で圧縮することによ り、 また 必要ならば圧縮したものをティ シューぺーパや親水化処理され た熱可塑性合成繊維からなる不織布で覆う ことによ り形成され る。 各芯材要素 2 1 a〜 2 1 f の内面 2 3またはその内面 2 3 を覆うティ シューぺ一パ （図示せず） 等は、 被覆シー ト 2 2に 接着しておく ことができる。 また、 芯材要素 2 1 a〜 2 1 f の 外面 2 4、 またはその外面 2 4を覆うティ シュぺーパ等は、 内 部シー ト 1 6等に接着剤 2 9 a . (図 5参照） によって接着して おく ことができる。 被覆シート 2 2は、 芯材 2 1の幅方向にお いて内面 2 3を覆い、 側面部分 4 0 aを通って外面 2 4にまで 延び、 側面部分 4 0 a近傍の外面 2 4を覆っている。 外面 2 4 の下方において、 被覆シー ト 2 2 の両側縁部位 2 2 aが芯材 2 1の幅方向外側へ向かって折り返され、 その部位 2 2 aそれそ れが、 内部シー ト 1 6の内面にホヅ トメル ト接着剤 2 9 を介し て接着している。 被覆シー ト 2 2はまた、 芯材 2 1の端縁部分 4 O bを越えて延びる部分がホッ トメル ト接着剤 （図示せず） を介してそれと重な り合うシー ト 2 2 と内部シー ト 1 6 とに接 合している。 かような被覆シー ト 2 2は、 芯材 2 1の側面部分 4 0 aの近傍において、 Z字型または逆 Z字型に折り畳まれた 状態にある （図 4， 5参照）。 被覆シー ト 2 2 には、 透液性の不 織布ゃ閧孔プラスチックフ ィルム、 これら不織布とフィルムと からなる透液性の積層シ一ト等が使用される。

吸収部 3がこのように形成されている図 4の状態のおむつ 1 は、 吸収部 3 を内側にして横断線 B— Bに沿って折り重ね、 前 後胴周り域 6 ， 7を接合域 4で一体となるように接合して図 1 のおむつ 1 とするときに、 縦中心線 A— Aによって左右に二等 分される吸収部 3の両側それそれにおける股下域部分が、図 2 ， 3 に示されているように縦中心線 A— Aに向かうように吸収部 3の内側へ折曲される。 よ り具体的にいえば、 吸収部 3は、 芯 材要素 2 1 c と 2 1 eの外面 2 4 (図 5参照） どう しが向かい 合い、 芯材要素 2 1 dと 2 1 f の外面 2 4 どう しが向かい合う ように内側へ折り込まれ、 それと同時に、 芯材要素 2 1 aの内 面 2 3 と芯材要素 2 1 c , 2 I dの内面 2 3 とが向かい合い、 芯材要素 2 1 bの内面 2 3 と芯材要素 2 1 e， 2 1 f の内面 2 3 (図 4参照） とが向かい合う よう に第 1 , 第 2折曲線である 一対の溝 2 0 s と一対の溝 2 0 t とに沿って折曲される。 かく して吸収部 3には一対の折り込み部 5 0が形成される。 U字状 を呈し、 さらに溝 2 0 s , 2 0 t に沿って折曲されている矩形 の吸収部 3は、 吸収部 3の内面どう しが重なる程度にまで平ら に折り重ねられると、 既に折り込まれている芯材要素 2 1 c と 2 1 e とが重なり合う ように、 また芯材要素 2 1 d と 2 1 f と が重なり合うように位置が決められている溝 2 0 uに沿って折 曲線を形成する。このよう に折曲される吸収部 3は、溝 2 0 s , 2 0 t , 2 0 uにおいて芯材 2 1が全く存在しないか、 僅かに 存在する程度の状態にあ り、 これら溝 2 0 s , 2 0 t ₃ 2 0 u ではそれらの周辺域よ り も剛性が低く、 溝 2 0 s ， 2 0 t ， 2 0 uを案内として図 2の如く折曲することが容易である。

吸収部 3は、 折り込み部 5 0 よ り も前方に非折り込み部であ る腹側吸収域 3 aを形成し、 折り込み部 5 0 よ り も後方に非折 り込み部である背側吸収域 3 bを形成している（図 2 , 4参照）。 吸収部 3では、 腹側吸収域 3 aにおける股下域部分、 すなわち 図 4 において一対の溝 2 0 s と線 C 一 C i との間に位置する 部分 3 cがおむつ着用者の脚の前方への動き、 例えば着用者が 歩く ときとか両脚を前に延ばして座るときとかの脚の動きの妨 げとなることがないように、 交角ひを大き く して鎖線 S と鎖線 S との間の開角ァを小さ く し、 好ま しくは開角 yを 6 0 〜 1 1 0度の範囲におさめる。 また、 吸収部 3では、 背側吸収域 3 b における股下域部分、 すなわち一対の溝 2 0 t と線 C ₂ - C ₂と の間に位置する部分 3 dがおむつ着用者の臀部を広く覆うこと ができるように、 交角 iを小さ く して鎖線 Tと鎖線 T との間 の開角 5を大き く し、 好ましく は開角（5を 1 2 0 〜 1 6 0度の 範囲におさめる。 このようにして、 おむつ 1では、 吸収部 3が 図 4に示されるよう に矩形に形成されて、 股下域 8を中心に前 後胴周り域 6， 7へ長く延びるのものであっても、 腹側では着 用者の脚の動きを妨げることがなく、 背側では臀部近傍からの 体液漏れを防ぐことができる。

図 2， 3から明らかなように、 おむつ 1の吸収部 3 には折り 込み部 5 0の内側に内側ポケッ ト 3 0 aが形成され、 被覆部 2 の側縁部分 8 aと吸収部 3 との間には外側ポケッ ト 3 0 bが形 成されている。

この発明のおむつ 1 を乳幼児に着用させるときには、 母親が 胴周り開口 9の縁部内側に手を入れてその開口 9 を大き く広げ ている間に乳幼児の脚を脚周り開口 1 1 に通す。 このおむつ 1 では、 そのように開口 9 を広げるおむつ 1の変形が、 開口 9か ら遠く離れた股下域 8 における被覆部 2 とは別体の吸収部 3に は及ばないし、 脚周 り開口 1 1 を広げて股下域 8の側縁部分 8 aが動いても、 吸収部 3の側縁部分 2 6は側縁部分 8 aに接合 していないから、 吸収部 3は殆ど動く ことがない。 それゆえ、 吸収部 3の折り込み部 5 0は、 その形状が崩れない。 吸収部 3 は、 それに含まれる芯材 2 1の鎖線 S , T , Uに沿う部位を吸 水性材料で満たしておき、 その材料をエンボス加工用ロール等 によって局部的に加圧または加熱加圧してそれらの部位を周辺 域よ り も高剛性にしておき、 それらの部位に並行して折曲して もよい。 また、 吸収部 3は、 鎖線 Uに沿う部位を吸収性材料で 満たしておく一方、 鎖線 S， Tに沿う部位では吸収性材料を除 いて溝 2 0 s、 2 0 t を形成しておき、 その後に折り込み部 5 0 を形成することもできる。 吸収部 3は、 稜線がシャープな折 曲線を鎖線 S , Tに沿って形成しているものであることが好ま しいが、 鎖線 Uに沿う折曲線は、 必ずしも稜線がシャープでな くてもよいからである。

図 6は、 この発明の実施態様の一例を示す図 4 と同様の図で ある。 このおむつ 1では、 図 4においておむつ 1の長さを二等 分している横断線 B— Bよ り も前胴周り域 6寄り に距離 Fだけ 偏倚している第 2の横断線 D— Dを基準にして各一対の溝 2 0 s , 2 0 t , 2 0 uが形成されている。 その距離 Fは、 好ま し く は 1 0〜 5 0 m mの範囲にある。 横断線 D— Dは、 縦方向中 心線 A— A上の基点 Nから各側縁部分 2 6へ向かって一直線状 に延びており、 その基点 Nからはまた一対の鎖線 Sが前胴周り 域 6方向へ延び、 一対の鎖線 Tが後胴周り域 7方向へ延び、 鎖 線 S と鎖線 Tとの間において鎖線 Uが前胴周り域方向 6へ延び ている。 それそれの鎖線 S , T , Uと横断線 D— Dとの交角は a , 5 い ? ₂である。 このようなおむつ 1では、 折り込み部 5 0が図 4の例に比べて前胴周り域 6寄らに形成されるので、 横 断線 D— Dと鎖線 S との交角 αを横断線 D— Dと鎖線 T との交 角 ? と同じにするか、 または交角 ^ iよ り も大き くすることが できる。 交角ひ と交角 ? i とが同じであっても、 吸収部 3はお むつ 1 を前後に二等分する横断線 B— Bよ り も前方で幅が狭く なるので、 おむつ着用者の脚の前方へ向かっての動きを妨げる ことが少ない。 したがって、 交角ひを交角 ?と等しく して、 1 0〜 3 0度にすることができる。 但し、 この実施態様において も、 開角ァが小さ く なるように交角ひを 3 5〜 6 0度にする一 方、開角（5が大き く なるよう に交角 /?を 1 0〜 3 0度にする と、 おむつ 1 は脚の動きを妨げることが一層少なくなる。 このおむ つ 1 においても、 吸収部 3の股下域部分では、 前方の非折り込 み部分のうちで線 C i— C ， と一対の鎖線 S との間に位置する 部分 3 cの広がりが小さ く、 後方の非折り込み部分のう ちで線 C ₂— C ₂ と一対の鎖線 T との間に位置する部分 3 dの広がり が大き く なる。

図 7は、 この発明の実施態様の他の一例を示す図 4 と同様な 図である。 このおむつ 1の吸収部 3では、 横断線 B— Bの中点 Mから左右方向へ等距離にある横断線 B— B上の二点 G ， Hの それそれから鎖線 S ， T , Uと溝 2 ◦ s , 2 0 t , 2 0 uとが 側縁部分 2 6 に向かつて延びている。 吸収部 3は、 溝 2 0 s ， 2 0 t , 2 0 uにおいて図 4のおむつ 1 と同様に折曲されて折 曲部 5 0を形成する。 また、 吸収部 3では、 横断線 B— B上に おける点 Gと点 Hとの間の部分 Lが腹側吸収域 3 aと背側吸収 域 3 bとの境界線になっている。 部分 Lは、 有効な折り込み部 5 0が形成されるように、 おむつ 1の大きさに応じて O m m以 上の適宜の長さにすることができる。 部分 Lの長さが O m mで あるときには、 二点 G ， Hが中点 Mと一致して図 4のおむつ 1 となる。

この発明は、 図 1〜 7 に例示のおむつ 1 の他に、 被覆部 2 に おける股下域 8の幅を図 4に示された状態の吸収部 3の幅と同 じであるかまたは吸収部 3の幅よ り も小さ く して実施すること ができる。 この場合の吸収部 3 (ま、 芯材 2 1の外面 2 4を不透 液性シー 卜で覆い、 その不透液性シー トを被覆部 2 に対して接 合することができる。 その接合では、 吸収部 3を被覆部 2 にお ける前胴周り域 6 と後胴周り域 7 とに接合して股下域 8 には接 合しないでおく ことができる。 そのように接合するときのおむ つ 1では、 被覆部 2 を股下域 8が切除されて前胴周り域 6 と後 胴周り域 7 とのみを有するものに代えることができる。 おむつ 1 を例にとって説明したこの発明は、 ト レーニングパンツ、 失 禁患者用パンツ、 生理用パンヅ等の着用物品において実施する ことができる。 この発明に係る使い捨てのパンツ型着用物品の体液吸収部は それが股下域に折り込み部を有するものであっても、 股下域に おいて折り込み部よ り も前方に位置する非折り込み部の広がり が小さ く、 また折り込み部よ り も後方に位置する非折り込み部 の広がりが大きいから、 腹側においては物品着用者の脚の自由 な動きを妨げることがなく、 また背側においては体液の漏れが ない。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 前胴周り域と後胴周り域と股下域とを有し、 前記股下域に は前記前後胴周り域方向へ長く延びる体液吸収部が形成されて おり、 前記体液吸収部は前記前後胴周り域方向へほぼ平行して 延びる両側縁部を有していて前記前胴周り域と後胴周り域とに 位置する部分の内面どう しが対向してほぼ U字状を呈するよう に長く延びる方向へ折曲されており、 前記股下域における前記 体液吸収部が、 前記股下域の幅方向に延びる横断線の中点およ び前記中点から両側へ等距離にある前記横断線上の二点のいず れかから前記横断線に対して交角ひを成して前記前胴周り域寄 りにおける前記体液吸収部の前記両側縁部分それぞれに向かつ て延びる一対の第 1折曲線と、 前記横断線に対して交角 ?を成 して前記後胴周り域寄りにおける前記体液吸収部の前記両側縁 部分それそれに向かって延びる一対の第 2折曲線とを有し、 前 記股下域における前記体液吸収部はさらに、 前記両側縁部のそ れそれにおける前記第 1折曲線と前記第 2折曲線との間に位置 する部位が前記体液吸収部の内側へ向かう ように折曲されて成 る折り込み部と、 一対の前記第 1折曲線よ り も前記前胴周り域 寄り に位置する第 1非折り込み部と、 一対の前記第 2折曲線よ り も前記後胴周り域寄りに位置する第 2非折り込み部とを有し ている使い捨てのパンツ型着用物品であって、

前記体液吸収部は、 前記第 1非折り込み部の広がりが小さ く 形成され、 前記第 2非折り込み部の広がりが大き く形成されて いることを特徴とする前記パンツ型着用物品。

2 . 前記横断線が前記着用物品の上下方向における前記股下域 の最下端部に位置し、 前記交角 αが前記交角 /?よ り も大きい請 求項 1記載のパンツ型着用物品。

3. 前記横断線が前記着用物品の上下方向における前記股下域 の最下端部から前記前胴周り域寄り に偏倚しており、 前記交角 αが前記交角 ^と等しいか前記交角 /?よ り も大きい請求項 1記 載のパンヅ型着用物品。

4. 前記交角ひが 3 5〜 6 0度、 前記交角 /?が 1 0〜 3 0度の 範囲にある請求項 2または 3記載のパンヅ型着用物品。

5 . 前記横断線が前記股下域の最下端部から前記前胴周り域寄 り に 1 0〜 5 0 mm偏倚している請求項 3 または 4記載のパン ヅ型着用物品。