WO2004089126A1 - ニコチン吸引パイプ及びニコチンホルダ - Google Patents

Abstract

ニチコン吸引パイプは、棒状のニコチンホルダ（１）と、このホルダ（１）の一端に取付けられたマウスピース（２）とを含み、ホルダ（１）は、両端に複数の開口（３６）を有した透明なアウタチューブ（３）と、このアウタチューブ（３）内に充填された液体吸収粒（３４）と、液体吸収粒（３４）間の間隙及びアウタチューブ（３）の内周面と液体吸収粒（３４）との間隙により形成されたニコチン吸引経路とを有し、液体吸収粒（３４）は多孔質のシリカゲルからなり、ニコチン溶液を吸収し、且つ、ニコチン溶液からのニコチンの気化を許容する。

Description

明 細

-コチン吸引パイプ及びニコチンホルダ

本発明は、 ニコチン溶液を含むニコチン吸引パイプ及びニコチンホルダに係わ り、 より詳しくは、 ニコチン溶液から気化したニコチンを空気とともに吸引させ るためのパイプ及びニコチン溶液が収容されたホルダに関する。 背景技術

シガレットやシガー等の喫煙物品はその内部のたばこが燃焼されたとき、 ニコ チンを含んだ煙、 即ち、 主流煙を発生する。 喫煙者は主流煙を吸引することによ り、 主流煙中のニコチンを摂取することができる。 このような通常の喫煙形態に 対して、 煙の発生を伴うことなくニコチンを摂取する物品として、 ニコチンを含 有したチューィングガムや、 ニコチン含有物が塗布されたシート状の粘着性ブラ ス夕が知られている。

しかしながら、 チュ一^ rンガムや粘着性ブラスタは、 シガレットやシガーの喫 煙に伴うパフ動作を不要にすることから、 パフ動作により発生される解放感ゃ満 足感を消費者に与えることができない。

それ故、 煙を発生させることなく、 シガレットやシガー等の喫煙物品のパフ動 作と同様なパフ動作により、 ニコチンを摂取可能なニコチン吸引パイプが望まれ ている。

例えば、 特開平 6-114105号公報に開示された吸引パイプは、 シガレツ卜又は フィルタシガレツ 1、を収容可能な中空のシャンクを備え、 このシャンクはその一 端にマウスピースを有する。 シャンクの他端にはキヤップを備えたポウルが接続 されており、 キャップは通気孔を有する。 更に、 ポウル内には水を含んだ水和性 繊維及び電気ヒータがそれぞれ収容されている。 吸引パイプ内の空気が消費者によりマウスピースを通じて吸引されたとき、 外 部の空気がキヤップの通気孔からポウル内に導入される。 この導入空気は水和性 繊維を通過する際に加湿され、 更に、 加湿された空気は電気ヒータにより加熱さ れる。 この後、 高温の加湿空気はフィル夕シガレットを通過するとき、 フィルタ シガレツ卜を加熱する。 それ故、 フィルタシガレツト内の刻みたばこからニコチ ン及び香料等が気化され、 気化したニコチン及び香料等は加湿空気とともに消費 者に吸引される。

上述した公報の吸引パイプによれば、 吸引時、 外部の空気は水を含む水和性繊 維を通過し、 更に、 ボウル内に生成された加湿空気はフィルタシガレット内を通 過する。 このため、 吸引パイプの吸引抵抗はフィルタシガレットに比べて非常に 大きく、 消費者はニコチン及び香料等を容易に吸引することができない。

また、 吸引パイプはポウルを有しているので、 そのタ観形状はシガレットゃシ ガー等の棒状の喫煙物品とは大きく異なる。 それ故、 吸引パイプは棒状の喫煙物 品に比べて、 持ち運びや収納に関して取り扱いが容易ではない。 発明の開示

本発明の目的は、 シガレツトゃシガー等の棒状の喫煙物品と同様にパフ動作を 伴ってニコチンを摂取することができ、 しかも、 外観が喫煙物品と同様な棒状を なすとともに、 吸引抵抗が小さい無煙のニコチン吸引パイプ及びニコチンホルダ を提供することにある。

上記の目的を達成するため、 本発明のニコチン吸引パイプは、 両端が開口した 棒状のァウタチューブと、 このァウタチューブ内に配置されたニコチン発生体で あって、 ニコチン溶液が吸収され且つニコチン溶液からのニコチンの気化を許容 する液体吸収材と、 前記ニコチン発生体内を前記ァウタチューブの軸線方向に実 質的に貫通して延び、 前記液体吸収材とは明確に区分されたニコチン吸引経路と を含む、 ニコチン発生体と、 ァウタチューブの一端に取付けられたマウスピース とを備える。

上述のニコチン吸引パイプが吸引されると、 ァウタチューブ内が負圧になると ともに、 ァゥ夕チューブ内に外部から空気が導入される。 ァウタチューブ内の負 圧は液体吸収材内のニコチン溶液からのニコチンの気化を促進し、 気化したニコ チンは導入空気とともに消費者の口内に送り込まれる。

上述したように、 消費者は吸引パイプの吸引、 つまり、 パフ動作を伴ってニコ チンを摂取するので、 フィルタシガレツトゃシガーの喫煙と同様な満足感を得る ことができる。

また、 吸引パイプ内には液体吸収材とは明瞭に区分されたニコチン吸引経路が 確保されているので、 吸引パイプの吸引抵抗は小さく、 しかも、 吸引パイプ自体 は棒状をなしているので、 消費者にフィル夕シガレツトゃシガーの喫煙感覚と同 様な感覚が与えられる。

更に、 吸引パイプは煙を発生しないので、 煙に起因した不具合の発生もなく、 禁煙場所でも、 消費者はニコチンの摂取が可能となる。

マウスピースはニコチンホルダから取外し可能であってもよいし、 また、 ニコ チンホルダに一体的に結合されていてもよい。

ニコチン溶液は、 溶媒中にニコチンのみを溶解した溶液に限らず、 ニコチン以 外の添加物を含有することができる。

具体的には、 ニコチン発生体は、 ァウタチューブ内に同心的に配置され、 ァゥ 夕チューブとの間に液体吸収材を保持し、 且つ、 その内部が二チコン吸引経路を 形成するインナチューブと、 このィンナチューブに形成され、 液体吸収材のニコ チン溶液からインナチューブ内に向けてニコチンを気化させる多数の小孔と を更に含むことができる。 この場合、 気化したニコチンはインナチューブ内を流 れる導入空気とともに消費者の口内に送り込まれる。

液体吸収材は、 ァゥ夕チューブ内を延び且つァウタチューブの内径にほぼ等し い外径の円筒形状を有していてもよく、 この場合、 ニコチン吸引経路は、 液体吸 収材内をァウタチュ一ブの軸線方向に貫通する複数の軸方向通路を含むことがで きる。 液体吸収材内のニコチン溶液は軸方向通路内にニコチンを気化させ、 気ィ匕 したニコチンは軸方向通路を流れる導入空気とともに、 消費者の口内に送り込ま れる。

吸引パイプは、 ァウタチューブの内周面と円筒形状の液体吸収材の外周面との 間に形成された外側軸方向通路を更に含むことができる。 この外側軸方向通路は、 ァウタチューブの内周面又は液体吸収材の外周面の一方に形成され、 ァウタチュ ―ブの軸線方向に延びるリブ又は溝により確保される。 この場合、 液体吸収材の 外周面から気ィ匕したニコチンは導入空気とともに、 外側軸方向通路を通じて消費 者に口内に送り込まれる。

更に、 吸入パイプのァウタチューブはその両端に開口を備えたエンド壁を有す ることができ、 この場合、 液体吸収材は、 ァウタチューブ内に充填され、 且つ、 開口よりも大径の多孔質粒状体から形成され、 そして、 ニコチン吸引経路は、 粒 状体同士の間隙ゃァウタチューブの内周面と粒状体との間の間隙により形成され ている。

上述した吸入パイプによれば、 ァウタチューブ内への多孔質粒状体の充填を容 易に行え、 そして、 ァゥ夕チューブ内にニコチン吸引経路を容易に確保できる。 多孔質粒状体としてはシリ力ゲル粒子が好適する。 シリ力ゲル粒子はニコチン 溶液を多量に吸収できるから、 吸引パイプの有効な使用期間が長くなる。

また、 この場合、 ァゥ夕チューブが透明な合成樹脂、 又は、 半透明の着色合成 樹脂から形成されていれば、 消費者は、 ニコチン溶液中のニコチンの気ィヒが進行 する連れ、 シリカゲル粒子の色が薄くなつていく変化の様子をァウタチューブを 通じて視認することができ、 ニコチン溶液中の残量、 つまり、 吸引パイプの使用 限度を容易に把握することができる。

本発明の目的は、 ニコチン吸引パイプに適用されるニコチンホルダによっても 達成され、 このニコチンホルダは、 前述したァゥ夕チューブ及びニコチン発生体 力 ^形成される。

ニコチン吸引パイプ又はニコチンホルダの使用前において、 二チコンの自然な 気化を防止するため、 ニコチン吸引パイプ又はニコチンホルダはァウタチューブ の両端がシールにより閉塞されるか、 又は、 その全体がフィルム包装されている。 図面の簡単な説明

第 1図は、 第 1実施例のニコチン吸引パイプを示した縦断面図、

第 2図は、 第 1図の吸引パイプをニコチンホルダとマウスピースとに分解して 示した断面図、

第 3図は、 第 2実施例のニコチン吸引パイプを示した縦断面図、

第 4図は、 第 3図中、 IV-IV線に沿う横断面図、

第 5図は、 第 3図中、 V-V線に沿う横断面図、

第 6図は、 第 3実施例のニコチン吸引パイプを示した縦断面図、

第 7図は、 第 4実施例のニコチン吸引パイプを示した図である。 発明を実施するための最良の形態

第 1図及び第 2図を参照すると、 第 1実施例のニコチン吸引パイプは棒状の二 コチンホルダ 1と、 このニコチンホルダ 1に取付け可能なマウスピース 2とを含 む。 マウスピース 2はニコチンホルダ 1のための接続端を有し、 この接続端は円 筒形状をなし、 ニコチンホルダ 1と実質的に等しい外径を有する。 従って、 吸引 パイプが組み立てられたとき、 吸引パイプの外周面はマウスピース 2からニコチ ンホルダ 1に亘つて滑らかに連続する。

ニコチンホルダ 1は、 透明なァウタチューブ 3と、 このァウタチューブ 3内に 同心的に配置されたィンナチューブ 5とを有し、 これらチューブ 3 , 5は共に合 成樹脂から形成されている。 ァウタチューブ 3とインナチューブ 5との間には液 体吸収材 4が充填されており、 この液体吸収材 4にニコチン溶液がしみ込まれて いる。

ニコチン溶液には、 水様液やアルコール等の溶媒中に化学的に合成したニコチ ンを溶解させた溶液、 又は、 溶媒中にたばこ葉のニコチンを抽出した溶液が使用 可能であるが、 たばこ本来の風味や香味を得るためには、 抽出溶液が好ましい。 また、 このような抽出溶液は、 医師及び薬剤師の管理下にて処方される薬剤とは 異なり、 特別な法規制を受けることがない利点を有する。

具体的には、 抽出溶液は、 溶媒中にたばこ葉の粉末材料を浸渍し、 この後、 溶 媒から粉末材料を濾過して得た溶液、 この濾過溶液を濃縮還元した溶液、 又は、 たばこ葉を乾留処理により抽出しタール状の物質を溶媒中に溶解させた溶液を指 "9。

抽出溶液のニコチン濃度は低く、 このため、 シガレツト 1本分に含まれるニコ チン量と同程度のニコチン量を有するニコチン溶液を得るためには、 5 0 0〜 1 5 0 O m gの抽出溶液が必要であると考えられる。 しかも、 ニコチンホルダ 1は 通常のシガレットと同程度のサイズであるのが望ましい。

それ故、 液体吸収材 4には抽出溶液の高い吸収能力が要求される。 また、 液体 吸入材 4には抽出溶液を容易に気化させる性質をも要求される。 従って、 液体吸 収材 4は上述の要求を満たすべく選定される。 具体的には、 液体吸収材 4は、 例 えば不織布やシガレットのためのフィルタ又は脱脂綿等を細かく裁断した粒状材 料から形成されている。 このような粒状材料は、 ァゥ夕チューブ 3とインナチュ ーブ 5との間に充填し易く、 液体吸収材 4を簡単に得ることができる。

なお、 ァゥ夕チューブ 3は 6 mm〜 7 mmの内径及び 5 0 mm〜7 O mmの長 さを有し、 そして、 インナチューブ 5は 2 mm〜 3 mmの外径及び 4 5 mm〜 6 5 mmの長さを有する。 従って、 液体吸収材 4のための充填容積はニコチンホル ダ 1内に約 1 . 0 0 c c〜約 2 . 5 0 c c程度確保されている。

ニコチン溶液、 即ち、 抽出溶液は消費者の嗜好を考慮して種々の添加剤を含む ことができる。 添加剤としては、 たばこ、 ミント、 コーヒー、 オレンジ、 茶、 ヮ イン等を使用することができる。 そして、 ニコチンホルダ 1、 即ち、 ァウタチュ ープ 3が添加剤の種類を示すブルー、 ブラウン、 オレンジ、 グリーン、 ワインレ ッド等の色を有していれば、 二チコンホルダ 1を吸引して得られる味がニコチン ホルダ 1の色から把握されるばかりでなく、 消費者や周囲の人々はニコチンホル ダ 1を視覚的にも楽しむことができる。

第 1図に示されているように、 インナチューブ 5には多数の小孔 7が形成され、 これら小孔 7はィンナチューブ 5の全体に分布されている。 小孔 7は液体吸収材 4の一部をインナチューブ 5の内部、 即ち、 内部流路 6に部分的に露出させ、 こ れにより、 液体吸収材 4に吸収されたニコチン溶液から小孔 7を通じてニコチン の気ィ匕が可能となり、 気ィ匕したニコチンは内部流路 6に流入する。

ニコチン溶液の不所望な気化を防止するため、 第 2図に示されるように液体吸 収材 4の両方の環状端面及びインナチューブ 5の両端はフィルム状のシール 8に より覆われて.いる。 具体的には、 シール 8は容易に破くことできるアルミ箔から なる。

なお、 シール 8に代えてプラグ （図示しない） を使用することもできる。 この プラグはインナチューブ 5の端部に引き抜き可能に挿入され、 液体吸収材 4の環 状端面を覆うフランジを有する。

第 1図及び第 2図から明らかなように、 ァゥ夕チューブ 3の両端部はインナチ ユーブ 5、 即ち、 液体吸収材 4の両端からそれぞれ突出し、 ニコチンホルダ 1の 両端にリセス 3 0を形成する。

なお、 ァゥ夕チューブ 3はインナチューブ 5と同一の長さを有することもでき る。 この場合、 液体吸収材 4の各々の端はァゥ夕チューブ 3及びインナチューブ 5の対応する端と面一に位置付けられ、 シール 8はァウタチューブ 3の端部を包 み込むようにして、 液体吸収材 4の環状端面及びィンナチューブ 5の開口端を覆 うことができる。

ァゥ夕チューブ 3の両端部はその外周面に雄ねじ 9を有し、 この雄ねじ 9は二 コチンホルダ 1に前述したマウスピース 2を取付けるために使用される。

より詳しくは、 マウスピース 2はボディ 3 2を備えている。 このボディ 3 2は 合成樹脂からなり、 その一端の扁平なチップ部 1 1と、 その他端の円筒部とから 形成されている。 なお、 マウスピース 2はその全体が単なる円筒状をなしていて もよい。

円筒部はニコチンホルダ 1の外径よりも若干大きな内径を有し、 ニコチンホル ダ 1の端部を摺動自在に受け入れることができる。 円筒部 3 2の内周面にはその 一部に雌ねじ 1 5が形成され、 この雌ねじ 1 5とボディ 3 2の他端との間には所 定の間隔が確保されている。

従って、 ニコチンホルダ 1の一端部はボディ 3 2の円筒部内に前記間隔だけ挿 入可能である。 この後、 ニコチンホルダ 1がボディ 3 2に対し、 その軸線回りに 相対的に回転されると、 ァゥ夕チューブ 3の雄ねじ 9が雌ねじ 1 5内にねじ込ま れ、 ニコチンホルダ 1にマウスピース 2が取付けられる。 即ち、 円筒部の他端は 前述した接続端を形成するとともに、 ニコチンホルダ 1の端部の揷入を案内する ガイドとしても機能する。

円筒部 3 2内には略中央に円形の仕切壁 1 3が固定され、 この仕切壁 1 3は雌 ねじ 1 5よりもチップ 1 1側に位置付けれている。 仕切壁 1 3とチップ 1 1との 間にはフィルタ 1 2が収容されており、 このフィルタ 1 2は繊維材料から形成さ れている。 仕切壁 1 3はマウスピース 2からのフィルタ 1 2の抜止めをなすスト ッパとして機能する。 なお、 フィルタ 1 2にはシガレットのためのフィルタを使 用することができる。

更に、 仕切壁 1 3はその中央に貫通孔 1 7が形成され、 この貫通孔 1 7は中空 の押込みピン 1 6に連通している。 押込みピン 1 6は仕切壁 1 3に一体に形成さ れ、 ボディ 3 2の軸線上をボディ 3 2の他端に向けて延びている。 押込みピン 1 6は二チコンホルダ 1におけるィンナチューブ 5の内径よりも若干小さい内径を 有し、 インナチュ一ブ 5内に差込み可能である。 上述した二チコンホルダ 1及びマウスピース 2によれば、 ニコチンホルダ 1に マウスピース 2を取り付ける前に、 ニコチンホルダ 1、 即ち、 シール 8の開封処 理が実施される。

より詳しくは、 マウスピース 2内にニコチンホルダ 1の一端が差し込まれ、 こ の差し込みに伴い、 マウスピース 2の押込みピン 1 6はインナチューブ 5の一端 のシール 8を押し破って挿入される。 この結果、 第 1図に示されるようにインナ チューブ 5の一端 (右端) に吸気口 1 0が形成される。

次に、 ニコチンホルダ 1の一端からマウスピース 2を引き抜きた後、 マウスピ ース 2内にニコチンホルダ 1の他端が差し込まれ、 ィンナチューブ 5の他端のシ —ル 8は押込みピン 1 6により同様にして押し破られ、 この時点で、 ニコチンホ ルダ 1の両端が開口される。

この後、 ニコチンホルダ 1がマウスピース 2に対して、 その軸線回りに相対的 に回転されると、 前述したようにァウタチューブ 3及びマウスピース 2は、 雄ね じ 9及び雌ねじ 1 5の嚙み合いにより互いに結合され、 第 1図に示されるニコチ ン吸引パイプが得られる。

上述したようにシール 8の開封処理にマウスピース 2を使用できるので、 シー ル 8の開封のために別の開封部材を必要としない。

また、 第 1図から明らかなようにニコチンホルダ 1とマウスピース 2とから二 吸引パイプが組み立てられたとき、 マウスピース 2の中空の押込みピン 1 6はィ ンナチューブ 5に挿入された状態に維持され、 ニコチン吸引パイプ内にニコチン ホルダ 1の一端からマウスピース 2のチップ 1 1内に至るニコチン吸引経路が押 込みピン 1 6を介して形成される。 即ち、 ニコチン吸引経路は、 吸気口 1 0、 ィ ンナチューブ 5の内部流路、 押込みピン 1 6の内部流路、 貫通孔 1 7及びフィル 夕 1 2から形成される。

吸引パイプが消費者により吸引されたとき、 ニコチンホルダ 1内、 即ち、 イン ナチューブ 5内は負圧になり、 それ故、 外部の空気がニコチンホルダ 1の一端側 からインナチューブ 5内に導入されるとともに、 液体吸収材 4内のニコチン溶液 からィンナチューブ 5内への二チコンの気化が促進される。

従って、 インナチューブ 5内に導入された空気は気化したニコチンを取り込み、 気化したニコチンは導入空気とともに、 二コチン吸引経路を通じて消費者の口内 に送り込まれ、 消費者に摂取される。

吸引パイプのニコチン吸引経路にはフィルタ 1 2のみが存在しているだけある ので、 吸引パイプの吸引抵抗は非常に小さい。

また、 ニコチン溶液がィンナチューブ 5内に漏出されても、 この漏出したニチ コン溶液はマウスピース 2内のフィルタ 1 2に吸収され、 ニコチン溶液が消費者 の口内に流入することはない。

ニコチンホルダ 1のァウタチューブ 3、 ィンナチューブ 5及びマウスピース 2 のボディ 3 2はそれぞれ合成樹脂から形成されているが、 この合成樹脂としては ポリ乳酸等の生物分解性樹脂が好ましい。

第 3図の第 2実施例のニコチンホルダ 1はインナチューブ 5を有しておらず、 円筒形状の液体吸収材 4を有する。 この場合、 液体吸収材 4はァゥ夕チューブ 3 の内径にほぼ等しい外径を有する。 液体吸収材 4内には複数の軸方向通路 1 8が 形成され、 これら軸方向通路 1 8は液体吸収材 4を貫通して延びている。 第 4図 に示されるように、 ァゥ夕チューブ 3の内周面には複数のリブ 1 9が形成されて いる。 これらリブ 1 9はァゥ夕チューブ 3の周方向に間隔を存して配置され、 ァ ウタチューブ 3の軸線方向に延びている。 ァゥ夕チューブ 3内に液体吸収材 4が 圧入されたとき、 液体吸収材 4の外周面はリブ 1 9により部分的に変形される。 それ故、 ァウタチューブ 3の周方向でみて、 リブ 1 9の両側にはァゥ夕チューブ 3と液体吸収材 4との間に隙間がそれぞれ確保される。 これら隙間は、 液体吸収 材 4の外側にも複数の軸方向通路 2 0を形成する。

第 3図のマウスピース 2は中空の押込みピン 1 6を有しておらず、 この場合、 仕切壁 1 3の貫通孔 1 7は第 1図及び第 2図の貫通孔 1 7よりも大径である。 ま た、 マウスピース 2はねじ込み式ではなく、 単なる差込み式でニコチンホルダ 1 の一端に取外し可能に取付けられる。

更に、 ニコチンホルダ 1、 即ち、 ァウタチューブ 3の他端はエンド壁 2 2を有 し、 このエンド壁 2 2の中央に入口 2 1が形成されている。 このようなエンド壁 2 2はシール 8に対する接着面積を増加させるので、 ェンド壁 2 2側のシール性 が向上する。

第 5図に示されているようにァゥ夕チューブ 3の他端部にはその内周面に複数 の突起、 即ち、 スぺ一サ 2 3が形成されている。 これらスぺ一サ 2 3はァウタチ ユーブ 3の周方向に間隔を存して配置され、 エンド壁 2 2に向かう液体吸収材 4 の移動を阻止する。 従って、 エンド壁 2 2と液体吸収材 4との間に所定の容積を 有した室 2 4が確実に確保される。

第 3図の吸引パイプは、 ニコチンホルダ 1の両端からシール 8が取り除かれた 後、 ニコチンホルダ 1の一端にマウスピース 2が取り付けられることで、 組み立 てられる。

第 3図の吸引パイプが吸引されたとき、 液体吸収材 4内の軸方向通路 1 8及び 液体吸収材 4の外側の軸方向通路 2 0が共に負圧になり、 液体吸収材 4内のニコ チン溶液から軸方向通路 1 6 , 2 0内へのニコチンの気ィヒが促進される。

また、 軸方向通路 1 8， 2 0内が負圧になることで、 外部の空気が入口 2 1か ら室 2 4を内に導入され、 導入空気は室 2 4から軸方向通路 1 8 , 2 0、 ァウタ チューブ 3の一端に位置したリセス 3 0及びマウスピース 2、 つまり、 そのフィ ル夕 1 2を通じて流れる。 それ故、 気ィヒしたニコチンは導入空気ともに消費者の 口内に送り込まれる。

第 6図の第 3実施例のニコチンホルダ 1は、 前述した液体吸収材 4の代わりに 多数の液体吸収粒 3 4を備えている。 これら液体吸収粒 3 4は透明なァウタチュ ーブ 3内に充填されている。 液体吸収粒 3 4間の間隙ゃァウタチューブ 3の内周 面と?夜体吸収粒 3 4との間の間隙は、 ァウタチューブ 3内にニコチン吸引経路 2 7 , 2 8を形成する。

ァウタチューブ 3は両端にエンド壁 2 2をそれぞれ有し、 これらエンド壁 2 2 には複数の開口 3 6が形成されている。 これら開口 3 6は液体吸収材 3 の径ょ りも十分に小さく、 液体吸収材 3 4がァウタチューブ 3から開□ 3 6を通じて排 出されることはない。

液体吸収粒 3 4は多孔質の球体であり、 多数の微細孔を有する。 これら微細孔 はニコチン溶液で満たされている。 液体吸収粒 3 4の径は特に限定されないが、 例えば 0 . 5〜2 mmであるのが好ましい。 また、 液体吸収粒 3 4は全て同一の 径であってもよいし、 互いに異なる径を有した粒の混合物であってもよい。

具体的には、 液体吸収粒 3 4は、 シリカゲル （例えば、 富士シリシァ化学株式 会社により製造販売されている CARiACT (登録商標） ) 、 活性炭、 ゼォライト、 シリカゲルを主成分とした多孔質セラミック又は多孔質高分子ポリマから形成さ れる。 しかしながら、 液体吸収粒 3 4に所望のサイズの微細孔を形成するために は、 液体吸収粒 3 4はシリカゲルから形成されるのが好ましい。 この場合、 液体 吸収粒 3 4が 0 . 1 m以上の平均直径を有した微細孔を有していれば、 換言す れば、 1 g当たりの液体吸収材 3 4における微細孔の総開口面積が約 3 0 m²以 上であれば、 液体吸収粒 3 4はニコチン溶液を十分な量だけ保有でき、 しかも、 ニコチン溶液 (抽出溶液） からニコチンを十分に気化させることができる。

更に、 液体吸収粒 3 4に吸収されるニコチン溶液もまた、 前述したように着色 されているのが、 この場合、 着色料にはニコチンと同様に気化可能な食品添加剤 が使用されている。

第 6図のニコチンホルダ 1もまた、 その両端に開口 3 6を閉塞するシール 8を 有し、 これらシール 8はニコチンホルダ 1が使用される前に取り除かれる。 この 後、 ニコチンホルダ 1の一端にマウスピース 2が取付けられ、 吸引パイプが組み ΛΙてられる。

このような吸引パイプが吸引されると、 ァゥ夕チューブ 3内のニコチン吸引経 W

13 路 2 7 , 2 8が負圧になり、 液体吸収粒 3 4内のニコチン溶液からニコチン吸引 経路 2 7， 2 8内へのニコチンの気化が促進される。 気化したニコチンはァウタ チューブ 3の他端の開口 3 6から導入された空気とともに、 ニコチン吸引経路 2 7 , 2 8を通じて流れ、 マウスピース 2のフィルタ 1 2を経て、 消費者の口内に 送り込まれる。

吸引パイプが繰り返して吸引され、 ニコチン溶液中のニコチンが消費されると、 液体吸収粒 3 4は白色に変化していく。 ァゥ夕チューブ 3が透明又は着色した半 透明であるので、 消費者は、 ァウタチューブ 3を通じて液体吸収粒 3 4の色彩の 変化を視認でき、 ニコチン溶液中のニコチンの残量、 即ち、 ニコチンホルダ 1の 消費限度を容易に確認することができる。

具体的には、 吸引パイプの吸引が 3 0〜5 0回繰り返されたとき、 ァゥ夕チュ ーブ 3内の液体吸収粒 3 4、 即ち、 シリカゲルの粒子は外気の導入側となるァゥ 夕チューブ 3の端側から着色が薄れていき、 シリカゲル本来の白色に変化する。 つまり、 外気の導入側に位置する液体吸収粒 3 4は新鮮な空気に常時晒されるの で、 ニコチン液中のニコチンの気化はマウスピース 2側での場合よりも促進され る。 この結果、 液体吸収粒 3 4、 即ち、 ァウタチューブ 3はその外気導入端側か らマウスピース 2に向けて徐々に白色化する。

第 7図の第 4実施例のニコチンホルダ 1は発熱シート 3 8を備えており、 この 発熱シート 3 8はマウスピース 2に挿入されるァウタチューブ 3の一端部を除き、 ァウタチューブ 3の外周面に巻付けられている。 発熱シート 3 8は例えば、 酸化 反応を利用して発熱し、 ニコチンホルダ 1の未使用時、 発熱シート 3 8の外面は 外気遮断フィルム 4 0により覆われている。

上述したニコチンホルダ 1によれば、 発熱シート 3 8から外気遮断フィルム 4 0が剥がされると、 発熱シート 3 8からの発熱により、 ァウタチューブ 3内での ニコチンの気ィ匕が促進され、 単位時間当たりに消費者が摂取するニコチン量を増 加させることができる。 上述した第 1図〜第 7図のニコチンホルダ 1は全て、 その使用時に、 マウスピ ース 2と組み合わされてニコチン吸引パイプを形成する。 しかしながら、 ニコチ ンホルダ 1及びマウスピース 2は吸引パイプとして、 予め一体的に結合されてい てもよい。 この場合、 ニコチンホルダ 1からのニコチンの気化を防止するため、 第 3図中に 2点鎖線で示されるように、 マウスピース 2のチップ開口及び二コチ ンホルダ 1の外端は共にシール 8により閉塞されている。

また、 吸引パイプ又はニコチンホルダの全体がフィルム包装されていれば、 シ —ル 8は不要である。

Claims

請求の範囲

1 . ニコチン吸引パイプは、

両端が開口した棒状のァゥ夕チューブと、

前記ァゥ夕チューブ内に配置されたニコチン発生体であって、 ニコチン溶液が 吸収され且つニコチン溶液からのニコチンの気化を許容する液体吸収材と、 前記 ニコチン発生体内を前記ァウタチューブの軸線方向に実質的に貫通して延び、 前 記液体吸収材とは明確に区分されたニコチン吸引経路とを含む、 ニコチン発生体 と、

前記ァウタチューブの一端に取付けられたマウスピースと

を備える。

2 . 請求項 1のニコチン吸引パイプにおいて、

前記ニコチン発生体は、

前記ァウタチューブ内に同心的に配置され、 前記ァウタチューブとの間に前記 液体吸収材を保持し、 且つ、 その内部が前記二チコン吸引経路を形成するインナ チューブと、

前記ィンナチューブに形成され、 前記液体吸収材のニコチン溶液から前記ィン ナチューブ内に向けてニコチンを気化させる多数の小孔と

を更に含む。

3 . 請求項 1のニコチン吸引パイプにおいて、

前記液体吸収材は前記ァウタチューブ内を延びる円筒形状を有し、

前記ニコチン吸引経路は、 前記液体吸収材内を前記ァウタチューブの軸線方向 に貫通する複数の軸方向通路を有する。

4. 請求項 3のニコチン吸引パイプにおいて、

前記二チコン発生体は、 前記液体吸収材の外周面と前記ァウタチューブの内周 面との間に確保された外側軸方向通路を更に含む。

5 . 請求項 1のニコチン吸引パイプにおいて、

前記ァウタチューブはその両端に開口を備えたエンド壁を有し、

液体吸収材は、 前記ァウタチューブ内に充填され、 且つ、 前記開口よりも大径 の多孔質粒状体から形成され、

前記ニコチン吸引経路は、 前記粒状体同士の間隙及び前記ァウタチューブの内 周面と前記粒状体との間の間隙により形成されている。

6 . 請求項 5のニコチン吸引パイプにおいて、

前記粒状体はシリ力ゲルから形成されている。

7 . 請求項 6のニコチン吸引パイプにおいて、

前記ァウタチューブは透明な合成樹脂又は半透明の着色合成樹脂から形成され ている。

8 . ニコチンホルダは、

両端が開口した棒状のァゥ夕チューブと、

前記ァウタチューブ内に配置されたニコチン発生体であって、 ニコチン溶液が 吸収され且つニコチン溶液からのニコチンの気ィヒを許容する液体吸収材と、 前記 ニコチン発生体内を前記ァゥ夕チューブの軸線方向に実質的に貫通して延び、 前 記液体吸収材とは明確に区分されたニコチン吸引経路とを含む、 ニコチン発生体 と

を備える。

9 . 請求項 8のニコチンホルダにおいて、

前記ァウタチューブはその両端に開口を備えたエンド壁を有し、

液体吸収材は、 前記ァゥ夕チューブ内に充填され、 前記開口よりも大径の多孔 質の粒状体から形成され、

前記ニコチン吸引経路は、 前記粒状体同士の間隙及び前記ァゥ夕チューブの内 周面と前記粒状体との間の間隙により形成されている。

1 0 . 請求項 9のニコチンホルダにおいて、 1フ 前記粒状体はシリ力ゲルから形成されている。

1 1 . 請求項 1 0のニコチンホルダにおいて、

前記ァウタチューブは透明な合成樹脂又は半透明の着色合成樹脂から形成され ている。