明 細 書 ピラゾ口ピリ ミジン化合物及びその用途 技術分野
本発明は、 新規ピラゾ口ピリミジン化合物、 及び当該化合物を有効成分とする GIPの機能阻害剤、 更には、 肥満の予防又は改善剤に関する。 背景技術
グルコースディペンデント-インスリノ トロピックポリぺプチド、別名ガス トリ ックインヒビトリ一ポリぺプチド (以下 GIP と略す) は、 グルカゴン 'セクレチ ンファミ リーに属する消化管ホルモンの—つである。 GIPは、 グルカゴン様ぺプ チド l(GLP- l)とともにインクレチンと称され、 摂食時に小腸に存在する K細胞 より分泌され、 腠 ]3細胞においてグルコースによるインスリン分泌を促進するこ とによって、 摂食に伴う栄養素の体内動態を調節している。 その他には、 GIPに は胃運動の抑制、 腸液分泌刺激があるといわれている。 しかしながら、 発見当初 の胃酸分泌抑制作用は現在では疑問視されている。 GIP受容体遺伝子は、 膝 細 胞、 脂肪細胞以外にも幅広く発現しており、 GIPは他の組織での作用も有するこ とが想定されるが、 その詳細については明らかではない。
一方、 肥満は、 現代日本人の食生活の欧米化により増加しており、 脂肪肝、 糖 尿病、 痛風、 高血圧、 動脈硬化等の生活習慣病の危険因子となっている。 医学的 には、 肥満は、 遺伝的および環境的原因による相対的なカロリーの過剰摂取の結 果、 脂肪の異常蓄積を来した病態と認識され、 医療の対象とされている。 肥満の 治療は、 食事療法と運動療法を組み合わせて行われ、 食欲抑制剤を使用すること は少ない。 肥満の改善剤としては、 現在我が国で臨床使用されているものは、 マ ジンドール (サノレックス) だけであり、 そのほかには 3アドレナリン受容体
作動薬や中枢性作動薬、 消化吸収阻害薬、 脂質合成阻害薬、 レブチンなどについ て研究が展開されている。
高度肥満症の食事 ·運動療法の補助薬として市販されているマジンドールは中 枢性の食欲抑制薬であるが、 臨床効果が不十分である上に、 中枢性であるがため に依存性の問題点が指摘されている。 この他にも作用メカニズムの違う中枢性の 食欲抑制薬が開発されているが、 血圧増加、 不安、 頭痛などの中枢性の副作用が 懸念される。 脂質などの吸収抑制作用がメインであるリパーゼ阻害剤 (オルリス タツト) は重篤な副作用の報告はないものの、 脂肪便や放屁などの副作用が報告 されている。 また、 レブチンは摂食量減少とエネルギー消費亢進による体重増加 抑制作用を有するとして、 肥満の治療薬になり うると期待されたが、 臨床試験の 結舉、 治療効果に限界が認められた。 3受容体ァゴニストも抗肥満薬として期 待されているが、 高い受容体選択性が必須であり、 選択性が不十分であると心臓 などに対する副作用が懸念される。
このように、 様々な作用メカ-ズムに基づく抗肥満薬が市販■研究開発中であ るが、 十分な体重抑制作用と安全性を兼ね備えた薬剤は未だない。
GIPと肥満との関係については殆ど研究がなされていなかつたが、 最近になつ て、 その関係が明らかになりつつある。 GIPの機能を探求する過程で、 GIP受容 体遺伝子欠損マウスを用いて高脂肪食負荷試験を行い、 野生型マウスで発症する 肥満が、 GIP 受容体遺伝子欠損マウスにおいては抑制される事を見出した [K. Mi awaki り ,,,InniDition of GIP Signaling Prevents Obesity", abstract #335-PP, the 61st Scientific Sessions of American Diabetes Association (2001)]。 これら GIP 受容体遺伝子欠損マウスは、 通常食を与えた場合は野生型 マウスと体重変化の差が認められなかったことから、 GIPの機能を阻害すること による悪い影響はないと考えられる。
これらのことから、 GIPが今までに提唱されていない新しい機序で肥満の原因 となっていることが示唆され、 GIPの機能を阻害する化合物、例えば GIP受容体
拮抗剤や GIP産生抑制剤は、抗肥満作用を有し且つ安全な薬剤として有望である。 GIP の機能を阻害する化合物としては、 GIP 受容体拮抗剤として、 例えば、
GIP(6-30)-NH2 ( Regulatory Peptide 69 卷 151 頁- 154 頁, 1997 年) や、
GIP(7-30)-NH2 ( Am J Physiol 1999年 276卷 E 1049頁- 54頁)が挙げられる。 しかし、 これらは長鎖ペプチドであり、 経口吸収性や血中安定性に問題があり、 これを抗肥満剤とするのは適当ではない。
また、 GIPの機能を阻害する低分子化合物としては、 3—ブロモ _ 5—メチル
— 2 —フエ二ルビラゾロ [ 1,5-a]ピリミジン _ 7 —オール (BMPP) (WO 01 /
87341) が知られている。 しかしながら、 BMPPは GLP- 1およびグルカゴンに対 する阻害活性も有し、 GIP選択性が十分ではなく、 この化合物を直ちに医薬品と するのは適当ではない。 以上のように、 GIPに対する選択性が十分な低分子化合 物の機能阻害剤は未だ知られていない。
, ·発明の開示
本発明は、 低分子の GIP機能阻害剤、 更には、 GIPの選択的な機能阻害に基づ く、新しい作用メカ-ズムの肥満の予防又は改善剤を提供することを課題とする。 本発明者らは、 GIPがその受容体を発現した細胞に作用して起こる現象を阻害 する薬剤を開発するため鋭意研究し、ピラゾ口ピリミジン化合物が GIPの機能を 阻害する活性を有することを見出した。 更に、 これらの知見に基づいて研究した 結果、 本発明を完成するに至った。
(式中、 II1, R2は同時にあるいは別々に、 水素、 ハロゲン原子、 シァノ基、 トリ フルォロメチル基、 置換されていても良い Cl-6アルキル基、 置換されていても良
い Ci-6アルキルォキシ基、 または一 NH6R7を示し、 R6, R7は同時にあるいは別々 に水素または置換されていても良い Cl.6アルキル基を示し、 R3は水素、 Ci.6ァノレ キル基、 または Ci-6アルキルォキシ基を、 R4は水素、置換されていても良い Ci-io アルキル基、 置換されていても良い Ci.io ァルケエル基、 置換されていても良い フエ-ル基、 トリフルォロメチル基、 または- COOR8 を示し、 R8は水素または アルキル基を示し、 R5は水素、 置換されていても良い Ci.6アルキル基、 また は置換されていても良いフエエル基を示す。 ただし、 R1, R2,及び R5は少なく と も一つは水素ではない。)
で表される化合物、 またはその医薬的に許容される塩が提供され、 これらの化合 物は、 本明細書中で以後 "本発明化合物" と呼ぶ。 本発明はまた、 前記本発明化 合物を有効成分とする、 GIP機能阻害剤であるとともに、 肥満の予防又は改善剤 である。
本出願人会社は、 WO01/87341に詳細に示すように、 GIP機能阻害剤が肥満の 予防又は改善剤となることを明確に示している。 そのため、 本発明は、 今までに ない、 GIPの機能阻害という新しいメカニズムに基づく肥満の予防又は改善剤を 提供する。 発明を実施するための最良の形態
本発明のピラゾ口ピリミジン化合物について、 以下に詳細に説明する。 本発明 のビラゾロピリ ミジン化合物は、 次式、
(式中、 Ri,R2は同時にあるいは別々に、 水素、 ハロゲン原子、 シァノ基、 トリ フルォロメチル基、 置換されていても良い Ci.6アルキル基、 置換されていても良 い Ci.6アルキルォキシ基、 または一 NR6R7を示し、 R6,Il7は同時にあるいは別々
に水素または置換されていても良い Cl-6アルキル基を示し、 R3は水素、 Cl-6ァノレ キル基、 または d.6アルキルォキシ基を示し、 R4は水素、 置換されていても良い CHOアルキル基、 置換されていても良い Ci.10アルケニル基、 置換されていても 良いフエ-ル基、 トリフルォロメチル基、 または- COOR8を示し、 R8は水素また は Cl.6アルキル基を示し、 R5は水素、 置換されていても良い Cl.6アルキル基、 または置換されていても良いフエ-ル基を示す。 ただし、 R1, H2,及び R5は少な く とも一つは水素ではない。) で表される化合物、またはその'医薬的に許容される 塩である。 R1, R2,及び R5は少なくとも一つは水素ではないのは、 GLP_ 1、 ダル 力ゴンに比べて、 GIPに対する選択性を持たせるためである。
(式中、 Ri〜! I5は前記と同じ意味を有する。)
で示される化合物が活性面、 GIP選択性の面から好ましいと考えられる。さらに、 これらの化合物の中で、 R^R2が同時にあるいは別々に、 水素、 ハロゲン原子、 置換されていても良い Cl-6アルキル基、または置換されていても良い Cl.6アルキ ルォキシ基であり、 しかも同時には水素ではない、 また、 R3が水素であり、 R4 が置換されていても良い Ci.6アルキル基であり、R5が水素または置換されていて も良い Cl-6アルキル基である化合物がより好ましい。 ここで、 R4は特にメチル基 が最適である。 更にこれらの化合物の中で、 R^R2力 同時にあるいは別々に、 メチル基またはェトキシ基、 R5が水素またはメチル基である化合物が最適である 以下に、 置換基等について、 更に詳細に説明する。
ここで、 R1, R2における置換されていても良い Ci-6アルキル基とは、 Ci.6アル キル基の任意の水素が- COOR9、 -NR10Ru、 -CONHR12, -OR13、 ハロゲン原子、 フエニル基等により置換されていることを意味する。 Cl.6アルキル基とは、 具体
的には、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル、 シクロプロピル、 ブチル、 イソプチ/レ、 tert-ブチノレ、 ペンチノレ、 シクロペンチノレ、 へキシノレ、 シクロへキシ ル基等の直鎖又は分枝鎖状あるいは環状アルキル基が挙げられる。 これらの中で も、 Cl.3アルキル基が好ましい。 同様に、 置換されていても良い Cl.6アルキルォ キシ基とは、 Ci.6アルキルォキシ基の任意の水素が- COOR9、 -NRioRii、-CONHIl12 -ORi3、 ハロゲン原子、 フエ-ル基等により置換されていることを意味する。 d.6 アルキルォキシ基とは、 具体的には、 メチルォキシ、 ェチルォキシ、 プロピルォ キシ、 イソプロピルォキシ、 シクロプロピルォキシ、 プチルォキシ、 イソブチル ォキシ、 tert-ブチノレオキシ、 ペンチノレオキシ、 シクロペンチノレオキシ、 へキシノレ ォキシ、 シクロへキシルォキシ基等の直鎖又は分枝鎖状あるいは環状アルキルォ キシ基が挙げられる。 これらの中でも、 Cl.3アルキルォキシ基が好ましい。 尚、
R9は水素または Ci.6アルキル基を、 R10, R11は同時にあるいは別々に水素または Ci-6 アルキル基を、 R12, R13は水素または Ci-6アルキル基を意味する。 R9〜! 13 における Cl-6アルキル基とは、 具体的には、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプ ロピノレ、 シクロプロピノレ、 プチノレ、 イソブチノレ、 tert-プチノレ、 ペンチノレ、 シクロ ペンチル、 へキシル、 シクロへキシル基等の直鎖又は分枝鎖状あるいは環状アル キル基が挙げられる。 これらの中でも、 Ci-3アルキル基が好ましい。 また、 R6, R7における Ci-6アルキル基とは、 具体的には、 メチル、 ェチル、 プロピル、 イソ プロピル、 シクロプロピル、 プチル、 イソプチル、 tert-プチル、 ペンチノレ、 シク 口ペンチル、 へキシル、 シクロへキシル基等の直鎖又は分枝鎖状あるいは環状ァ ルキル基が挙げられる。 これらの中でも、 Ci.3アルキル基が好ましい。更に、 R1,!^ にハロゲン原子を選択する場合は、 塩素が好ましい。
R3における Cl.6アルキル基としては、具体的には、メチル、ェチル、プロピル、 プチル、 イソプチノレ、 tert-ブチノレ、 ペンチノレ、 シクロペンチノレ、 へキシノレ、 シク 口へキシル基等の直鎖又は分枝鎖状あるいは環状アルキル基が挙げられる。 これ らの中でも、 Cl.3アルキル基が好ましい。 Cl.6アルキルォキシ基とは、 具体的に
は、 メチルォキシ、 ェチルォキシ、 プロピルォキシ、 イソプロピルォキシ、 シク 口プロピルォキシ、 プチルォキシ、 イソプチルォキシ、 tert-プチルォキシ、 ペン チ /レオキシ、 シクロペンチノレオキシ、 へキシノレオキシ、 シクロへキシノレオキシ基 等の直鎖又は分枝鎖状あるいは環状アルキルォキシ基が挙げられる。 これらの中 でも、 Ci.3アルキルォキシ基が好ましい。
R4 における置換されていても良い Cl- 10アルキル基、 置換されていても良い Cl.10アルケニル基とは、 Cl- 10アルキル基、 Ci. lOアルケニル基の任意の水素が、 ォキソ、 ハロゲン原子、 ニトロ、 Cl.6アルキルォキシ (好ましくは Cl.3アルキル ォキシ)、 -COOR9, -NRioR11, -CONHRi2s - 0I i3、 フエニル基により置換され ていることを意味する。 CI.IQアルキル基、 Ci.io アルケニル基としては、 具体的 には、 メチル、 ェチル、 プロピル、 ブチル、 イソプロピル、 シクロプロピル、 ビ ニル、 tert-ブチル、 2—メ トキシェチル、 2—エトキシェチル、 2—ブテニル、 2—または 3—ペンテ二ノレ、 ペンチノレ、 シクロペンチノレ、 へキシル、 シクロへキ シル、 ォクチル、 デシル基等が挙げられる。 中でも、 d.6アルキル基、 Ci.6アル ケエル基が好ましい。 アルケニル基については、 更に、 C4.5ァルケ-ル基が好ま しい。 尚、 R9〜! I1 3については、 前述のとおりである。 R4における置換されてい ても良いフエ-ル基とは、 フエ-ル基の任意の水素が、 好ましくは 1 ~ 3個の任 意の水素がそれぞれ同時にあるいは別々に、 ハロゲン原子、 ニトロ、 ァミノ、 Ci.6 アルキル (好ましくは Ci-3アルキル)、 Ci-6アルキルォキシ (好ましくは d.aァ ルキルォキシ)、 フエニル基で置換されているフエエル基を意味する。 また、 R8 の Cl.6アルキル基としては、 具体的には、 メチル、 ェチル、 プロピル、 プチル、 イソプチノレ、 tert-プチノレ、 ペンチノレ、 シクロペンチノレ、 へキシノレ、 シクロへキシ ル基等の直鎖又は分枝鎖状あるいは環状アルキル基が挙げられる。 中でも、 d-3 アルキル基が好ましい。
R5における置換されていても良い Ci.6アルキル基とは、 Ci.6アルキル基の任意 の水素が、 -COOR9または- NRi4R 等により置換されていることを意味する。 d.6
アルキル基としては、 メチル、 ェチル、 プロピル、 ブチル、 イソブチル、 tert-ブ チル、 ペンチル、 シクロペンチル、 へキシル、 シクロへキシル基等の直鎮又は分 枝鎖状あるいは環状アルキル基が挙げられる。 中でも、 d-3アルキル基が好まし い。 尚、 R9は前記と同じ意味を有し、 H R15は同時にまたは別々に水素、 アルキル基を意味し、 または R14、 R15及ぴ窒素原子とで脂環式複素環基を形成し ていても良い。 脂環式複素環基に含まれるヘテロ原子の種類及び個数は限定され ない。 例えば、 窒素原子、 酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる 1また は 2以上のへテロ原子を環構成原子として含んでいても良い。 脂環式複素環基と しては、 たとえば、 ピロリジニル基、 モルホリル基、 チオモルホリル基、 ピロリ 二ノレ基、 ピぺラジュノレ基、 ジヒ ドロイソインドリル基、 ジヒ ドロインドリノレ基、 テトラヒ ドロキノリル基、 フタリル基等が挙げられる。 R5における置換されてい ても良いフエ-ル基とは、 フエ-ル基の任意の水素が、 好ましくは 1〜 3個の任 意の水素がそれぞれ同時にあるいは別々に、 ハロゲン原子、 ニトロ、 ァミノ、 Cl-6 アルキル (好ましくは Cl.3アルキル)、 Cl.6アルキルォキシ (好ましくは d.3ァ ルキルォキシ)、 フエ-ル基等で置換されているフエエル基を意味する。
本発明の G I P機能阻害剤において含有されるピラゾ口ピリ ミジン化合物は、 特開平 7— 2 8 6 0に記載の方法、 J. Heterocyclic C em., Vol.31, 1333(1994) に記載の方法、 あるいはこれに準ずる方法で製造することができる。 以下に反応 工程式を挙げて、 本発明化合物の製造方法を説明する。
[反応工程式— 1 ]
III IV I
R' = Me or Et
(式中、 Ri〜! I5は前記と同じ意味を表す。)
上記反応工程式 _ 1において、 3—アミノビラゾール誘導体 (III) と、 β —ケ
トカルボン酸誘導体 (IV)との縮合反応は、 適当な溶媒中、 室温〜還流温度の範囲 で実施される。 ここで用いられる溶媒としては、 酢酸、 エタノール、 ベンゼン、 トルエン、 テトラヒ ドロフラン、 ΛζΛ"-ジメチルホルムアミ ド等を例示できる。 こ こでは、 3—アミノビラゾール誘導体 (III) に対して 1〜 1 0倍モル量の化合物 (IV)が使用され、 反応は 0 . 5〜 1 0時間を要して完了し、 所望の化合物 (I)を得る ことができる。 また、 官能基の保護基を脱離する必要があれば、 保護基に応じた 脱離方法により脱保護して、 所望の化合物を得ることもできる。 たとえば、 カル ボン酸エステルの加水分解は、 水酸化ナトリゥムまたは水酸化力リゥム等のアル カリと共に、 適当な溶媒中、 室温〜還流温度の範囲で実施される。 ここで用いら れる溶媒としては、 エタノール、 メタノール、 テトラヒ ドロフラン等、 またはこ れらの溶媒と水との適当な比率の混合溶媒を例示できる。 ここでエステルに対し て 1〜 1 0倍モル量のアルカリが使用され、反応は 0 . 5〜 7 2時間を要して完了 し、 所望のカルボン酸を得ることができる。
(式中、 1^〜113は前記と同じ意味を有する。)
一方、 原料として用いる 3—アミノビラゾール誘導体 (III)は、 反応工程式一 2 に示す方法で製造することができる。 まず、化合物 (V)とアルキルュトリル誘導体 との反応により、 化合物 (VI)を得ることができる。 この反応は、 エタノール、 テ トラヒ ドロフラン、 ベンゼン、 トルエン等の溶媒中、 化合物 (V)に対して等モル量 〜小過剰量の塩基、 例えば、 ナトリウムエトキシド、 水素化ナトリウム、 金属ナ トリゥム等の存在下に、化合物 (V)に対して等モル量〜小過剰量のアルキル二トリ ル誘導体を用いて、 室温〜還流温度の条件下、 0 . 5〜 2 0時間を要して実施でき る。
上記に引き続き、 化合物 (VI)を適当な溶媒、 例えば、 水、 エタノール、 テトラ ヒ ドロフラン中で、 ヒ ドラジンと反応させて実施することができる。 用いるヒ ド ラジンは水和物でもよく、 化合物 (VI)に対して、 等モル量〜小過剰量程度用いる ことができる。反応は、室温〜還流温度の条件で 0 . 5〜 2 0時間程度で終了する。 上記それぞれの工程により得られる目的化合物は、 通常の分離、 精製手段によ り容易に単離することができる。 このような単離手段としては、 一般に慣用され る各種の手段のいずれをも採用することができ、その例としては、再結晶、再沈、 溶媒抽出、 シリカゲルクロマトグラフィ一等を例示できる。
本発明化合物中には、 医薬的に許容される酸付加塩とすることができるものも あり、 これらの塩も本発明化合物に含まれる。 上記酸付加塩を形成させ得る酸と しては、 例えば、 塩酸、 臭化水素酸、 硫酸等の無機酸、 シユウ酸、 フマル酸、 マ レイン酸、 酒石酸、 クェン酸等の有機酸を例示でき、 この酸付加塩の形成反応は 常法に従うことができる。 '
本発明の化合物は、 GIPの機能阻害剤として提供されるだけでなく、 肥満の予 防又は改善剤としても提供される。 その投与形態としては、 「0本薬局方」製剤総 則記載の各種投与形態が目的に応じて選択できる。 例えば、 錠剤の形態に成形す るに際しては、 通例、 当該分野で用いられる経口摂取可能な成分を選択すればよ い。 例えば、 乳糖、 結晶セルロース、 白糖、 リン酸カリウム等の賦形剤がそれに あたる。 更に、 所望により、 結合剤、 崩壌剤、 滑沢剤、 凝集防止剤等、 通例製剤 分野で常用される種々の添加剤を配合してもよい。
本発明製剤中に含有されるべき一般式 (I) で表される有効成分化合物の量は、 特に限定されず広範囲より適宜選択される。 有効成分化合物の投与量は、 その用 法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度により適宜選択されるが、通常、 本発明化合物の量が一日、体重 1 k g当り約 0 . 0 1〜 5 0 O m g程度と考えられ る。 また、 本発明製剤は、 一日に 1〜4回に分けて投与することができる。 しか しながら、 投与量、 回数は、 治療すべき症状の程度、 投与される化合物の選択及
ぴ選択された投与経路を含む関連する状況に鑑みて決定され、 それ故、 上記の投 与量範囲及ぴ回数は、 本発明の範囲を限定するものではない。
以下に、 実施例および参考例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、 本発明 はこれらによって何ら限定されるものではない。
【実施例 1】
5 - ( 3一メチルフエニル) — 2 J—ピラゾールー 3 _ィルァミン
3—メチル安息香酸ェチル 10.9g、 プロピオ二トリル 4.10gおよぴナトリウム ェトキシド 6.80gのテトラヒ ドロフラン 10ml懸濁物を油浴上で 2 0時間還流し た。 室温に冷却した後、 水 100mlを加え濃塩酸で pH2に調整し、 ジェチルエー テル (100ml X 2) で抽出した。 ジェチルエーテルを水洗 (20ml x 2) 後、 硫酸ナ トリウムで乾燥させ減圧濃縮して、 淡褐色シロップ状物として、 3一ォキソ一 3
― ( 3—メチルフエニル) プロピオ-トリル 10. lg (収率 95.3%) を得た。
得られた 3—ォキソ一 3— (3—メチルフエニル) プロピオ二トリル 5.00g、 ヒ ドラジン水和物 3.15gの水 50ml懸濁物を油浴上で 2 0時間還流した。 室温に 冷却した後、 ジェチルエーテル (100ml X 2) で抽出した。 ジェチルエーテルを 水洗 (20ml X 2) 後、 硫酸ナトリウムで乾燥させ減圧濃縮して、 淡褐色シロップ 状物として、 目的とする 5 _ ( 3—メチルフエニル) 一 2 J—ピラゾール一 3— ィルァミン 4.10g (収率 75.4%) を得た。
ESI/MS (m/z): 174(M+H)+. iH-NMR(CDCl3) δ (ppm):2.36(3H, s, CH3), 6.52(lH, s, CH), 7.12-7.35(4H, m, aromaticH).
実施例 1の方法を参考に、 下記の反応式に従って化合物を製造した。 製造し た化合物とデータを表 1に示した。
62εο//oοさ ozdTdさ OAV
【実施例 2 6】
2— (3—メチルフエエル) 一 5—メチルピラゾ口 「l,5-a] ピリ ミジン一 7—ォ ^~ノレ
2— ( 3—メチルフエ-ル) 一 2 if—ピラゾールー 3—ィルァミン 100mg、 ァ セト酢酸メチル 67mgの酢酸 3ml懸濁物を 6時間環流した。 室温に冷却した後、 減圧濃縮して酢酸ェチルに懸濁し、濾取して白色粉状物として目的とする 2 _ ( 3 一メチルフエニル) 一 5—メチルピラゾ口 [ l,5_a] ピリ ミジン _ 7—オール 92.0mg (収率 66% ) を得た。
ESI/MS(m/z): 240(Μ+Η)+, 238(Μ·Η)·. iH'NMR(DMSO-d6) 8 (ppm):2.30(3H, s, CH3), 2.38(3H, s, CH3), 5.58(lH, s, aromatic H), 6.53(1H, s, aromatic H), 7.20-7.22(1H, d, J=7.7Hz, aromatic H), 7.33-7.36(lH, t, J=7.7Hz, aromatic H) 7.74-7.76(lH, d, J=7.7Hz, aromatic H), 7.80(lH, s, J=7.7Hz, aromatic H). 融 点: >300°C (分解)
【実施例 2 7】
2 - ( 3 , 5—ジメチルフエュル) 一 5 _メチルピラゾ口 [ 1,5-a] ピリ ミジン一 7一オール
2— ( 3 , 5—ジメチルフエュル)一 2 H—ピラゾール一 3—ィルァミン 100mg ァセト酢酸メチル 62mgの酢酸 3ml懸濁物を 6時間環流した。室温に冷却した後、 減圧濃縮して酢酸ェチルに懸濁し、濾取して白色粉状物として目的とする 2—(3 5—ジメチルフエニル) _ 5—メチルピラゾ口 [ l,5-a] ピリ ミジン一 7—オール 75.6mg (収率 57% ) を得た。
ESI/MS(m/z):254(M+H)+, 252(Μ·Η)·· iH-NMR(DMSO-de) δ (ppm):2.30(3H, s, CHa), 2.34(6H, s, Ph(CH3)2), 5.57(lH, s, aromatic H), 6.50(lH, s, aromatic H), 7.03(1H, s, aromatic H), 7.58(2H, s, aromatic H). 融点: 270°C (分解)
実施例 2 6の方法を参考に、下記それぞれの反応式に従って化合物を製造した。 製造した化合物とデータを表 2〜表 4に示した。
IV
実施例 R1 2 3 R4 R5 ESI/ S(m/z)
ESI+;240(M+H)+
26 3- e H H Me H
ESI;238( -H)_
ESI+;254(M+H)+
27 3- e 5-Me H Me H
ESI';252(M-H)-
ESI+;2S4(Wl+H)+
28 H H Me Me Me
ESI;252(M-H)-
29 H H Me C02 e Me ESI*;284( +H)+
30 H H H Me Me ESI+;240(M+H)+
ESl+;240(M+H)+
31 4-Me H H Me H
ESI;238(M-H)"
ESI+;254( +H)+
32 4-Me H H Me Me
ESI";252(M-H)-
ESI+;316( +H)+
33 4-Me H H Me Ph
ESr;314(M-H)-
ESI+;302( +H)+
34 4-Me H H Ph H
ESI;300(M-H)_
ESI+;294(WI+H)+
35 4-Me H H CF3 H
ES|-;292( -H)-
ESI+;256(M+H)+
36 4-Me H H C02 e Me
ES|-;254(M-H)_
ESI+;242( +H)+
37 4-MeO H H H H
ESI';240(Wl-H)_
ESI+;256( +H)+
38 4-MeO H H Me H
ESI_;254(WI-H)-
39 ESI+;270(M+H)+
4-MeO H H Me Me
ESに; 268(WI-H)-
ESI+;332( +H)+
40 4-MeO H H Me Ph
ESI;330( -H)-
【表 3】
実施例 R1 R2 R3 R4 R5 ESI/MS(m/z)
ESI+;318(M+H)+
41 4-WleO H H Ph H
ESI;316(M-H)-
ESに; 3零 +H)+
42 4-MeO H H CFs H
ESI;308(M-H)"
ESI+;332(M+H)+
43 4-PhCH20 H H Me H
ESI;330(M-H)"
ESI+;244(M+H)+
44 4-F H H Me H
ESI;242( -H)"
ESI+;274(Wl+H)+
45 4-CI H H Et H
ESI;272(IVI-H)-
ESI+;288(M+H)+
46 4-CI H H n-Pr H
ESI;286( -H)-
ESI+;302(Wl+H)+
47 4-CI H H n-Bu H
ESI";300(M-H)'
ESI+;288(M+H)+
48 4-CI H H i-Pr H
ESI;286( -H)-
ESI+;286(M+H)+
49 4-CI H H cyclopropyl H
ESI;284(M-H)-
ESI+;304(M+H)+
50 4-CI H H CH2CH2OCH3 H
ESI;302( -H)"
ESI+;314(M+H)+
51 4-CI H H CH2CH2CH二 CHCH3 H
ESr;312(IM-H)-
ESI+;274(Wl+H)+
52 4-CI H H Me Me
ESI';272( -H)-
ESに; 260(M+H)+
53 4-CI H H Me H
ESI;258( -H)-
ESI+;336(Wl+H)+
54 4-CI H H Me Ph
ESr;334(M-H)-
55 4-CI H H ESI+;314( +H)+
CFs H
ESI;312( -H)-
56 4-CI ESI+;322(M+H)+
H H Ph H
ESI-;320(M-H)-
57 4-CI H ESI+;332(M+H)+
H C02Et Me
ESI;330(M-H)-
58 4-CN H H Me ESI+;251( +H)+
H ESI;249(M-H)-
59 3-CF3 H H ESI+;294(M+H)+
Me H
ESI';292(M-H)-
【表 4】
N>Pht:フタルイミド基
【実施例 7 8】
( 2 - ( 3 , 5—ジメチルフエニル) 一 7—ヒ ドロキシ _ 5—メチルーピラゾロ 「l,5-a1 ピリ ミジン一 6 _ィル) 酢酸
( 2— ( 3, 5—ジメチルフエエル) 一 7—ヒ ドロキシー 5—メチルーピラゾ 口 [ 1,5-a] ピリ ミジン一 6—ィル) 酢酸メチルエステル (実施例 7 5 ) 150mg のメタノール 5.0ml懸濁物に 5N NaOHl.Omlを加え、 室温にて 4 8時間撹拌し た。 6N HC1を加えて pH 2に調整した後、 水 10mlを加え、 生成した結晶を濾取 し乾燥して、 白色粉末状物として目的とする 129mg (収率 9 0 °/0 ) を得た。
ESI/MS(m/z) :310(M-H)-. iH-NMR(DMSO-de) δ (ppm):2.30(3H, s, CH3), 2.34(6H, s, CHs), 3.47(2H, s, CH2), 6.52(lH, s, aromatic H), 7.03(lH, s, aromatic H),7.60(2H, s, aromatic H), 12.3(lH, s, OH).
【実施例 7 9】
2 - ( 2 - ( 3, 5—ジメチルフエ-ル) 一 7—ヒ ドロキシ一 5—メチルーピラ ゾロ [ 1,5-a] ピリ ミジン一 6—ィル) プロピオン酸
実施例 7 8における (2— (3, 5—ジメチルフエニル) 一 7—ヒ ドロキシー 5—メチルーピラゾロ [ 1,5-a] ピリミジン一 6—ィル) 酢酸メチルエステルの代 わりに、 ( 2— ( 3, 5—ジメチルフエュル) 一 7—ヒ ドロキシ一 5—メチルーピ ラゾロ [ 1,5-a] ピリ ミジン一 6—ィル) プロピオン酸ェチルエステル (実施例 7 6 ) を用いる他は、 実施例 7 8と同じ処理を行うことによって、 目的とする 2— ( 2— (3, 5—ジメチルフエニル) 一 7—ヒ ドロキシー 5—メチルーピラゾロ [ 1,5-a] ピリ ミジン一 6—ィル) プロピオン酸 136mg (収率 9 8 % ) を得た。 ESI/MS(m/z) :324(M-H)-. iH-NMR(DMSO-d6) δ (ppm) :2.34(6H, s, CH3), 2.36(3H, s, CH3), 2.42(2H, t, J=7.2Hz, CH2), 2.67(2H, t, J=7.2Hz, CH2), 6.47(1H, s, aromatic H), 7.03(lH, s, aromatic H),7.59(2H, s, aromatic H), 12.2(1H, s, OH).
【実施例 8 0】
6— ( 3—ァミノプロピル) 一2— (3 . 5—ジメチルフエ-ル) 一5—メチル ピラゾ口 [ l,5-a] ピリ ミジン一 7—オール
2— (3— ( 2— (3 , 5—ジメチノレフェェノレ) 一 7—ヒ ドロキシー 5—メチ ルーピラゾロ [ 1,5-a] ピリ ミジン一 6—ィル) プロピル) イソインドール一 1 , 3—ジオン (実施例 7 7 ) 150mgの D M F l.Oml溶液に無水ヒ ドラジン 12mgを 加え、 油浴上 1 0 0 °Cにて 1 6時間撹拌した。 減圧濃縮した後、 シリカゲルカラ ムクロマト (クロ口ホルム/メタノール系) にて精製して、 目的とする 6— ( 3 —ァミノプロピル) 一 2— ( 3 , 5ージメチルフエニル) 一 5—メチルピラゾ口 [ 1,5-a] ピリミジン一 7—オール 53.4mg (収率 5 1 % ) を得た。
ESI/MS(m/z):31l(M+H)+. !H-NMRiDMSO-de) δ (ppm):1.5-1.6(2H, m, CH2), 1.74(6H, s, CH3), 2.34(3H, s, CH3), 2.4-2.5(2H, m, CH2), 3.0-3. l(2H, m, CH2), 6.45(1H, s, aromatic H), 7.03(lH, s, aromatic H),7.59(2H, s, aromatic H).
【薬理試験例 1】
GIP機能阻害剤 (GIP受容体拮抗剤等) のスクリーニングには、 GIP刺激時の 細胞内情報伝達物質である cAMPの産生阻害活性を指標とした以下の方法を用い た。
久保田らの方法(Diabetes 45: 1701-1705, 1996)に従い、 GIP cDNAを CHO 細胞に導入したヒ ト GIPレセプター発現細胞を用いた。 ImMイソプチルメチル キサンチン、 5.6mM グルコース、 0,5%牛血清アルブミンを含むリン酸緩衝生理 食塩液 pH7.4中で、 3 7 °C、 3 0分間、 薬剤存在下あるいは非存在下で 100 pM GIPの刺激により cAMPを産生させた。その後、 cAMPアツセィシステム(PE バ ィォシステムズ) を用い、 添付の Lysis Bufferにて細胞を溶解し、 細胞内に蓄積 した cAMP量の測定を行い、 検体による GIP機能阻害活性を求めた。 また、 GIP 受容体とは全く無関係な作用についても検証するために、 GIP受容体遺伝子を導 入しない CHO細胞を用いて、 5 // M forskolinで刺激した際の cAMP生成に対す る検体の阻害作用も確認した。 阻害活性はそれらの IC50値 (GIPによる cAMP
の産生を 50%阻害するために必要な化合物の濃度) によって表した。 GIP受容体 遺伝子を導入しない CHO細胞においては、 cAMP生成に対して阻害活性を示さ ないが、 GIP受容体発現細胞において、 GIP刺激による cAMP生成を阻害する化 合物を活性化合物とした。 結果を表 5に示す。 表中の実施例番号が施された化合 物は、 GIP受容体遺伝子を導入しない CHO細胞においては cAMP生成に対して 阻害活性を示さないが、 GIP受容体発現細胞において GIP刺激による cAMP生 成を阻害した。 すなわち GIPの機能を阻害したことを表す。
【表 5】
本発明化合物の受容体選択性を確認するために、 GIPと同様にグルカゴン■セ クレチンファミリーに属する GLP-1及び glucagonの受容体を発現させた CHO 細胞を用いて、 それぞれ GLP-1 (60 pM) 又は glucagon (300 pM) で刺激した 際の cAMP生成に対する検体の阻害活性を確認した。陽性対照としては、 500 nM GlP(7-30)-NH2 (tGIP) 及び WO 01/87341記載の BMPPを使用した。 表 3に示
した活性を有する化合物の内、 いく つかの化合物は、 GLP- 1 受容体または glucagon受容体を発現させた細胞において、それぞれ GLP- 1又は glucagonで刺 激した際の cAMP生成に対して阻害活性を示さなかった。 結果を表 6に示す。 化 合物 2 7はグルカゴンに対する阻害活性は IC50=90 μ Mである。 GIPの阻害活性 は IC50=7.7 /i Mであるので、 比較すると 10倍以上の開きがあり、 高い選択性が 認められる。 また、化合物 2 7以外の化合物は GPL-1及びグルカゴンに対して全 く阻害活性が認められない。
【表 6】
一:阻害活性を示さない 【薬理試験例 3】
本発明化合物について、 3T3-L1細胞を用いた、 GIPによる cAMP生成の阻害 試験を行った。 3T3-L1の継代培養には 10% CS含有 D-MEM(4.5g/liter glucose) を用いた。脂肪細胞への分化誘導は、 24 ウェルマイク口プレート上で行った。 ま ず細胞をコンフルェントの状態にした後、 100nM デキサメタゾン, 500 Μ ィ ソブチルメチルキサンチン, 170ηΜ インスリンを含む 10% KBS含有 D-MEM で 2 S間処理を行ない、 続いて 2 0間 170ιιΜ インスリンを含む 10% FBS 含有 D-MEM中で培養することで分化誘導を行った。 5日目以降は 10% FBS含有
D-MEMのみで培養した。 インスリンのみの培地に換えた分化 3日目前後より、 細胞内に脂肪滴が形成され、 以後経日的に脂肪滴が成長する模様が光顕レベルで 確認された。
細胞内 cAMPのアツセィは脂肪蓄積過程にある分化 5〜 8日目の細胞を用いて 行なった。 測定は、 基本的には GIP受容体発現細胞を用いた GIP受容体拮抗剤 のスクリーユング法に準じて実施した。即ち、ハンクス平衡塩溶液 (HBSS)で 2回 洗浄後、 ImM イソプチルメチルキサンチンを含む 0.5%BSA添加 HBSS (assay buffer) 中で、 2 5 °C、 1 5分間のプレインキュベーションを行なった。 その後 assay bufferに GIP等の刺激物および被検物質を加え、 3 7 °C、 3 0分間の本ィ ンキュベーションを行なった。反応終了後、細胞内に産生蓄積した cAMP 量の測 定を cAMPアツセィシステム 0PE バイオシステムズ) を用いて実施した。 阻害 活性はそれらの IC50値 (GIPによる cAMPの産生を 50%阻害するために必要な 化合物の濃度)によって表した。尚、比較対照として、 WO 01/87341記載の BMPP を用いた。
実施例番号 2 7及び 7 0の化合物は、 3T3-L1細胞において、 GIPによる cAMP 生成を阻害し、 その活性はそれぞれ Ιϋ50=1.9 ^α Μ及び 4.1 μ Μであった。 結果を 表 7に示す。
【表 7】
化合物
ΙΟδθ(μΜ)
(実施例 No.)
27 1.9
70 4.1
BMPP 12.5