WO2004077028A1

WO2004077028A1 - 免疫クロマト試験片の測定装置

Info

Publication number: WO2004077028A1
Application number: PCT/JP2004/001921
Authority: WO
Inventors: Takashi Koike
Original assignee: Hamamatsu Photonics K.K.
Priority date: 2003-02-26
Filing date: 2004-02-19
Publication date: 2004-09-10
Also published as: US7262857B2; KR101023578B1; CN1754091A; CN100487424C; KR20050113604A; EP1605248A4; JP4005929B2; TW200500600A; EP1605248A1; JP2004264065A; US20060197955A1

Abstract

免疫クロマト試験片５ａに測定光を照射し、免疫クロマト試験片５ａからの光を測定する免疫クロマト試験片５ａの測定装置１であって、免疫クロマト試験片５ａからの光を受光するフォトダイオード３ａと、免疫クロマト試験片５ａとフォトダイオー３ａとの間に設けられ、免疫クロマト試験片５ａからの光の一部をフォトダイオード３ａに導く複数の光通路３ｂ，３ｂ，３ｂ，３ｂを有する測定ヘッド４とを備えている。測定ヘッド４は、免疫クロマト試験片５ａで反射される不要な光を遮光する遮光部材として機能する。複数の光通路３ｂ，３ｂ，３ｂ，３ｂは、免疫クロマト試験片５ａに形成されるライン状の呈色部８が延びる方向に沿って並設されている。

Description

明糸田書

免疫クロマト試験片の測定装置

技術分野

【0 0 0 1】本発明は、免疫クロマト試験片の測定装置に関する。

背景技術

【0 0 0 2】免疫クロマト式分析について説明する。免疫クロマト試験片では、検体（試料）中の抗原（又は抗体）と抗原抗体反応を起こす抗体（又は抗原）が免疫クロマト試験片の特定の位置にあらかじめ帯状に塗布されている。.その免疫クロマト試験片に検体を適用した後、展開液により検体中の抗原（又は抗体）を溶出させて試験片に浸透させていくと、免疫クロマト試験片に塗布されている抗体（又は抗原）のところで抗原抗体反応により検体中の抗原（又は抗体）がトラップされる。このトラップされた量が検体中のその抗原（又は抗体）の総量であるので、検体中の抗原（又は抗体）を色素で標識しておけば吸光度等の光学的測定により抗原（又は抗体）の総量が測定できる。免疫クロマト分析法は、通常の呈色試験法に比べて極微量まで定量が可能な方法である。

【0 0 0 3】検体が展開し呈色した後の免疫クロマト試験片から検体中の特定物質の濃度を測定するための装置として、 L E Dから照射された測定光を免疫クロマト試験片で反射させて、免疫クロマト試験片からの反射光を案内する一本の穴を介してフォトダイォードで測定するものが知られている（例えば、特許文献 1参照。）。

【0 0 0 4】【特許文献 1】特開平 1 1一 8 3 7 4 5号公報（第 4頁）発明の開示

【0 0 0 5】ところで、免疫クロマト試験片におけるライン状の呈色は、その位置によって濃淡の差が大きく生じることがある。このため、呈色部中の色の薄い（呈色の度合いが小さい）箇所からの反射光が測定された場合には、呈色の程度が実際よりも小さく評価されてしまう。また、呈色部中の色の濃い（呈色の度合いが大きい）箇所からの反射光が測定された場合には、呈色の程度が実際よりも大きく評価されてしまう。

【0 0 0 6】このような誤りを避けるために、穴の径を大きくすると、今度は、呈色した部分以外からの反射光までも、フォトダイォードにより測定されてしまい、測定結果に大きな誤差が生じてしまう虞がある。

【0 0 0 7】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、その目的は、免疫クロマト試験片の呈色の度合いを正確に測定することが可能な免疫クロマト試験片の測定装置を提供することにある。

【0 0 0 8】上述した目的を達成するため、本発明に係る免疫クロマト試験片の測定装置は、免疫クロマト試験片に測定光を照射し、免疫クロマト試験片からの光を測定する免疫クロマト試験片の測定装置であって、免疫クロマト'試験片からの光を受光するフォトダイォードと、免疫クロマト試験片とフォトダイォードとの間に設けられ、免疫クロマト試験片からの光の一部をフォトダイオードに導く複数の光通路を有する遮光部材と、を備え、複数の光通路は、免疫クロマト試験片に形成されるライン状の呈色部が延びる方向に沿って並設されていることを特徴とする。

【0 0 0 9】本発明に係る免疫クロマト試験片の測定装置では、遮光部材に設けられた複数の光通路により、免疫クロマト試験片からの光がフォトダイオードに案内される。これにより、たとえ免疫クロマト試験片の呈色部に濃淡があったとしても、呈色部の複数の異なる部位から光通路により案内された光がフォトダィオードで測定されることとなる。この結果、濃淡が平均化されるので、呈色部の呈色の度合いをより正確に測定することができる。また、複数の光通路は、免疫クロマト試験片のライン状の呈色部に沿って並設されているので、確実に呈色部の呈色の度合いを測定することができる。

【0 0 1 0】各光通路の幅は、ライン状の呈色部の幅以下であることが好ましい。この場合、各光通路は、呈色部からの光をフォトダイオードに適切に案内することができる。これにより、呈色部以外の不要な光がフォトダイオードにより測定されることが抑制されるので、呈色部の呈色度合いをより一層正確に測定することができる。

【0 0 1 1】また、各光通路は、遮光部材に形成された孔部であることが好ましい。この場合、遮光部材に孔部を設けるという簡単な構成で、免疫クロマト試験片からの光をフォトダイォードに案内することができる。

【0 0 1 2】また、各孔部の内径が、ライン状の呈色部の幅以下であることが好ましい。この場合、各孔部は呈色部からの光を適切にフォトダイオードに案内することができる。

【0 0 1 3】また、フォトダイオードの数は、 1以上且つ光通路の数以下に設定されていることが好ましい。この場合、ライン状の呈色部の場所による濃淡のバラツキを、フォトダイオードの数を増やすことなく適切に評価することができる。

【0 0 1 4】また、免疫クロマト試験片からの光が、免疫クロマト試験片に照射された測定光の反射光であることが好ましい。この場合、測定光を照射する照射光学系と反射光を測定する検出光学系とを、免疫クロマト試験片のー方面側に配置することができる。

【0 0 1 5】また、免疫クロマト試験片からの光が、免疫クロマト試験片に照射された測定光の透過光であることが好ましい。この場合、測定光を照射する照射光学系と透過光を測定する検出光学系とを、免疫クロマト試験片を間に挟むように配置することができる。

【0 0 1 6】また、免疫クロマト試験片を、フォトダイォード及び光通路を含む検出光学系に対して、免疫クロマト試験片における抗原又は抗体の移動方向と平行に、相対的に移動させることが好ましい。この場合、非呈色部との比較により、呈色部の吸光度を測定することができる。

【0 0 1 7】また、フォトダイオードと光通路とを含む検出光学系が複数並設されていることが好ましい。この場合、 1以上の免疫クロマト試験片に関して呈色部の呈色の度合いを同時に評価することができ、免疫クロマト試験片の読み取りの効率を高めることができる。

【0 0 1 8】本発明に係る免疫クロマト試験片の測定装置は、免疫クロマト試験片を载置する台と、台側に向けて光を出射する発光ダイオードと、台側から入射する光を受光するフォトダイオードと、台とフォトダイオードとの間に設けられる遮光部材と、を備え、発光ダイオード及びフォトダイオードは、台に対して所定の方向に相対的に移動し、遮光部材には、台側からフォトダイオード側に貫通する光通路が所定の方向と交差する方向に複数並んで形成されていることを特徴とする。

図面の簡単な説明

【0 0 1 9】図 1は、第 1実施形態に係る免疫クロマト試験片の測定装置の構成を説明するための概略斜視図である。 ·

【0 0 2 0】図 2は、図 1の I I— I I線に沿った断面構成を示す概略図である。

【0 0 2 1】図 3は、免疫クロマト試験片からの反射光の吸光プロファイルを示す線図である。

【0 0 2 2】図 4は、図 1の I V— I V線に沿った断面構成を示す概略図である。

【0 0 2 3】図 5は、光案内孔の内径の設定範囲を説明するための図である。【0 0 2 4】図 6は、光案内孔の配置本数を説明するための図である。

【0 0 2 5】図 7は、第 1実施形態に係る免疫クロマト試験片の測定装置の変形例の構成を説明するための概略斜視図である。

【0 0 2 6】図 8 Aは、第 2実施形態に係る免疫クロマト試験片の測定装置の構成を説明するための概略断面図である。

【0 0 2 7】図 8 Bは、第 2実施形態に係る免疫クロマト試験片の測定装置の 2004/001921

構成を説明するための概略断面図である。

【0 0 2 8】図 9は、第 3実施形態である免疫クロマト試験片の測定装置の構成を説明するための概略断面図である。

発明を実施するための最良の形態

【0 0 2 9】以下、図面を参照しながら本発明による免疫クロマト試験片の測定装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。

【0 0 3 0】（第 1実施形態）

【0 0 3 1】図 1は、第 1実施形態に係る免疫クロマト試験片の測定装置の構成を説明するための概略斜視図である。図 2は、図 1の I I— I I線に沿った断面構成を示す概略図である。なお、図 1では、説明のため、後述する測定ヘッド 4等を一部切り欠いて示している。

【0 0 3 2】測定装置 1は、照射光学系 2と検出光学系 3とが設けられた測定ヘッド 4と、免疫クロマト試験片 5 aを固定するための試料台 6と、移動台 7とを備える。照射光学系 2は、免疫クロマト試験片 5 aに測定光を照射する。検出光学系 3は、測定光の照射による免疫クロマト試験片 5 aからの光を検出する。試料台 6は、測定ヘッド 4と所定の間隔を有して対向している。移動台 7は、試料台 6を支持するとともに、試料台 6を免疫クロマト試験片 5 aにおける抗原又は抗体の移動方向に対して平行に移動させる。移動台 7は、試料台 6との接触面に設けられたスライド機構や、モータ等（いずれも図示せず）を有する。

【0 0 3 3】照射光学系 2は、免疫クロマト試験片 5 aの表面に測定光を照射するための光源である L E D 2 aと、測定へッド 4に形成された孔 2 bとを含んでいる。孔 2 bは、 L E D 2 aから発せられた測定光を免疫クロマト試験片 5 a の表面に案内する。

【0 0 3 4】検出光学系 3は、一個のフォトダイォード 3 aと、測定へッド 4 に形成された 4本の光案内孔 3 b， 3 b， 3 b, 3 b (図 2参照）と、保護板 3 cとを含んでいる。各光案内孔 3 b， 3 b, 3 b， 3 bは、測定ヘッド 4を試料台 6の側からフォトダイオード 3 aの側に貫通するように形成されている。各光案内孔 3 b， 3 b, 3 b， 3 bは、免疫クロマト試験片 5 aの表面で反射された光の一部をフォトダイオード 3 aに案内するための光通路として機能する。保護板 3 cは、光案内孔 3 b， 3 b， 3 b, 3 bに異物等が侵入することを防ぐために、光案内孔 3 b, 3 b， 3 b， 3 bの光入射口を覆う透光性を有する板状部材である。これらの光案内孔 3 b， 3 b， 3 b, 3 bは、測定ヘッド 4に、免疫ク口マト試験片 5 aにおけるライン上の呈色部 8に対して平行に、且つ、等間隔に配置されている。

ί00 3 5】光案内孔 3 b, 3 b, 3 b， 3 bは、免疫クロマト試験片 5 aの呈色部 8からの光の一部をフォトダイォード 3 aに案内することができれば、特に形状に制限はない。例えば、細いパイプや、光ファイバ一であっても構わない。また、本実施の形態においては、光案内孔 3 b, 3 b, 3 b, 3 bの断面形状は円形としているが、例えば、多角形状とすることも可能である。

【00 3 6】なお、測定へッド 4は、光を透過しないような遮光性の材料（例えば、金属等）で形成されており、免疫クロマト試験片 5 aで反射される不要な光を遮光する遮光部材としての機能を有する。本実施形態においては、測定へッド 4が遮光性の材料で形成され、遮光部材を兼ねる構成となっているが、測定へッド 4と遮光部材は別体であっても良く、例えば、免疫クロマト試験片 5 aからの光の光路を遮るように、板状の遮光板を設置するような構成も可能である。

【003 7】免疫クロマトユニット 5は、ニトロセルロースメンブレンや濾紙等の材質からなる長方形状である免疫クロマト試験片 5 aを備えている。この免疫クロマト試験片 5 aは、平面視長方形状のケーシング 5 b内に保持されている。ケーシング 5 bには、その長辺方向に沿って、検体点着ウィンド 5 cと、観測用ウィンド 5 dと、コントロールウィンド 5 eとが設けられている。 04 001921

【◦ 0 3 8】免疫クロマト試験片 5 aは、検体点着ウィンド 5 cに対応する位置に設けられる検体点着部 5 f と、観測用ウィンド 5 d及びコントロールウィンド 5 eに対応する位置に設けられる検出部 5 g， 5 hとを有している。

【0 0 3 9】検出部 5 gは、検体中の抗原（又は抗体）と反応するそれぞれの抗体（又は抗原）が塗布されて固定ィヒされており、ライン状（又は帯状）となつている。なお、免疫クロマトユニット ⁵は、試料台 6に設けられたケーシング 5 bのサイズに対応する凹部 6 aに嵌め込まれることで保持されている。

【0 0 4 0】検体は、検体点着ウィンド 5 cから検体点着部 5 f に滴下される。検体中の抗原（又は抗体）は標識色素と結合し、検体中の抗原（又は抗体）と標識色素との結合体や未反応の標識色素は免疫クロマト試験片 5 aの長辺方向に移動する。

【0 0 4 1】今、仮に、検体中に抗原が含まれており、抗原が検出部 5 gと抗原抗体反応するものとする。検体が移動するに伴って、検体中の抗原と検出部 5 gに固定されている抗体とが特異的に反応し、反応した検出部 5 gには、標識色素により呈色したライン状の呈色部 8が形成される。この呈色部 8は免疫クロマト試験片 5 aにおける検体中の抗原（又は抗体）の移動方向と直交する方向に延びて形成され、観測用ウィンド 5 dから観測することができる。

【0 0 4 2】試料台 6は、免疫クロマトユニット 5を凹部 6 aに保持する役割の板状の部材である。免疫クロマトュニット 5を試料台 6にセットすることにより、免疫クロマト試験片 5 aは試料台 6に載置されることとなる。また、試料台 6と測定へッド 4とは一定の間隙を有して配置されている。試料台 6と移動台 7 との接触面には、スライド機構等の移動機構が組み込まれており、図示しないモータ等の移動手段を稼動することにより、試料台 6は、免疫クロマトユニット 5 を保持したまま、免疫クロマト試験片 5 aにおける抗原又は抗体の移動方向に対して所定の速度で平行に移動することが可能である。

【0 0 4 3】続いて、この免疫クロマト試験片の測定装置 1の動作について説 TJP2004/001921

明する。

【0044】囬部 6 aに保持された免疫ク口マトユニット 5の検体点着部 5 f に検体が滴下されると、所定の反応時間を経た後に、試料台 6は、移動台 7上で所定速度でスライド移動を始め、測定が開始される。即ち、 LED 2 aから測定光が、移動する免疫クロマト試験片 5 aに対して照射され、免疫クロマト試験片 5 aからの反射光が 4本の光案内孔 3 b, 3 b, 3 b， 3 bに案内されフォトダィオード 3 aにより測定される。

【0045】このように、免疫クロマト試験片 5 aを移動させながら、フォトダイオード 3 aからの出力信号を測定することにより、例えば、図 3に示すような免疫クロマト試験片 5 aからの光の吸光プロファイルを得る。得られた吸光プロフアイルの非呈色部における出力信号強度 T 0と、呈色部 8における出力信号強度 T 1 (呈色の度合い）との比率より、定法に従い吸光度を算出する。そして、この吸光度を予め準備されている検量線に当てはめることにより、検体中の抗原又は抗体の濃度を求める。

【0046】続いて、光案内孔 3 b， 3 b, 3 b, 3 bの形状について図 2、図 4、図 5を用いて詳細に説明する。

【0047】図 4は、図 1の I V— I V線に沿った断面構成を示す概略図である。図 4において、光案内孔 3 bの内径を R 1、光案内孔 3 bの長さを L 1、光案内孔 3 bの光入射口から免疫クロマト試験片 5 aまでの距離を L 2、ライン状の呈色部 8の幅を R 2とする。

【0048】このとき、光案内孔 3 bの内径 R 1が満たさなければならない条件について考察する。光案内孔 3 bには、呈色部 8により反射される光をフォトダイオード 3 aまで案内する役割がある。呈色部 8における呈色の度合いをより正確に測定するために、光案内孔 3 bに入射する光には、非呈色部で反射された光が混入しないことが求められる。このことから、光案内孔 3 bの内铎 R 1の条件として、下記の（1) 式を満足することが求められる。 TJP2004/001921

【0049】 R2≥R 1 + 2xR IxL 2ZL 1 · · · (1)

【0050】ここで、上記（1) 式における右辺は、免疫クロマト試験片 5 a からの光のうちの光案内孔 3 bに入射可能な光の幅に対応する免疫クロマト試験片 5 aの幅を示している。図 5を参照すると、光案内孔 3 bに入射する光は、免疫クロマト試験片 5 aの領域 Aからの光である。領域 A 2の幅は、図 5より R 1 であり、領域 A 1及び A 3の幅は、 L 2xt a n6、つまり、 L 2xR lZL lと求められる。よって、領域 Aの幅は、 R1 + 2XR 1XL 2ZL 1となる。非呈色部からの光が光案内孔 3 bに入射しないようにするためには、領域 Aの幅を呈色部 8の幅 R2以下とする必要があることから、上述の（1) 式が求められる。【0051】なお、（1) 式において、保護板 3 cは、充分に薄く形成されるので、保護板 3 cによる光の屈折を無視している。

【0052】（1) 式のように、光案内孔 3 bの内径 R 1を設定することにより、免疫クロマト試験片の測定装置 1は、呈色部 8からの光のみを光案内孔 3 b に取り込むことができ、呈色部 8の呈色度合いを正確に測定することができる。【0053】光案内孔 3 bの内径 R 1は、（ 1 ) 式を満足する範囲で、できるだけ大きく設定することが好ましい。このように構成することにより、呈色部 8からの光の受光量を大きくすることができ、検出感度が向上する。

【0054】続いて、 L 1と L 2との関係について考察する。 L 1と L 2との比率には特に制限はなく、（ 1 )式を満足するように R 1とともに決定すればよい。ただし、 L 1く L 2である場合、ライン状の呈色部 8の幅 R 2が lmm程度であるとして（1) 式を解くと、光案内孔 3 bの内径 R 1は、約 0. 3 mm以下となる。このため、光案内孔 3 bを加工する際の難度が高くなり、 L 1く L 2であることは好ましくない。

【0055】 L 1 L 2であり、且つ、 L 1ZL 2を大きくすればするほど、 (1) 式より、光案内孔 3 bの内径 R 1を大きく設定できるので好ましい。ところで、免疫クロマト試験片 5 aと光案内孔 3 bの光入射口までの距離 L 2は、測 P T/JP2004/001921

定光を免疫ク口マト試験片 5 a照射しなければならないこと等により、現実的には数 mm程度が必要である。したがって、 L 1/L2を大きくすると（例えば L 1/L 2 = 5)、光案内孔 3 bの長さ L 1が長くなりすぎてしまい、光案内孔 3 b を加工する際の難度が高くなるために望ましくない。

【0056】これらのことを考慮すると、 1と1^ 2との関係は、 L 1ZL 2 が 2〜 3程度であることが好ましい。

【0057】 L 1及び L 2は、 L lZL 2が 2〜3程度であって、（ 1 )式を満足する範囲で、できるだけ短くすることが好ましい。なぜなら、フォトダイォード 3 aで測定される光の光量は、距離の 2乗に反比例して小さくなるからである。 L 1及び L 2を短くすることで、フォトダイオード 3 aと免疫クロマト試験片 5 aとの距離を短くなり、呈色部 8からの光の受光量を大きくすることができ、検出感度が向上する。

【0058〗続いて、光案内孔 3 bの設置本数について、図 2、図 6を参照して詳細に説明する。

【0059】図 2において、光案内孔 3 bのピッチを P 1、光案内孔 3 bを隔てている壁の厚さを、ライン上の呈色部 8の長さを W1とする。

【0060】測定へッド 4に設けることができる光案内孔 3 bの本数 Nについて考察する。光案内孔 3 bには、呈色部 8により反射される光をフォトダイォード 3 aまで案内する役割がある。呈色部 8における呈色の度合いをより正確に測定するために、光案内孔 3 bに入射する光には、非呈色部で反射された光が混入しないことが求められる。このことから、測定ヘッド 4に設けられる光案内孔 3 bの本数 Nの条件として、下記の（？）式を満足することが求められる。

【0061】 (Wl - 2xR lxL 2/L l) / (R 1 + α) · · -

(2)

【0062】ここで、上記（2) 式における右辺の分母である " R 1 +ひ"は、光案内孔 3 bのピッチ P 1である。（2) 式における右辺の分子 " W1— 2xR 1 xL 2/L 1 " は、長さ Wlを有する呈色部 8からの光が、全て光案内孔 3 に入射するとする場合に、光案内孔 3 bを配置可能な長さ（図 6中、領域 B 2の長さに相当）を示している。

【006 3】図 6を参照すると、各光案内孔 3 bに入射する光は、免疫クロマト試験片 5 aの領域 Bからの光である。領域 Bの長さと呈色部 8の長さ W1とが等しいとすると、各光案内孔 3 bを配置可能な領域 B 2の長さは、図 6に示したように、領域 B 1及び領域 B 3の長さの分だけ領域 Bの長さよりも短くなる。ところで、領域 B 1及び領域 B 3の長さは、 L 2x t a n6 (= L 2xR 1 / L l) であるので、光案内孔 3 bを配置可能な領域 B 2の長さは、 "Wl— 2xR lxL 2/L 1"となる。

【0064】この領域 B 2の長さを光案内孔 3 bを配置するピッチ P 1で割ることにより、（2)式に示したように、測定へッド 4に設けることができる光案内孔 3 bの本数 Nを求めることができる。

【006 5】なお、（2) 式において、保護板 3 cは、充分に薄く形成されるので、保護板 3 cによる光の屈折を無視している。

【006 6】測定ヘッド 4に設ける光案内孔 3 bの本数 Nは、（2)式を満足する範囲で、できるだけ多く設定することが好ましい。このように構成することにより、呈色部 8からの光の受光量を大きくすることができ、検出感度が向上する。【006 7】また、ピッチ P 1は、光案内孔 3 bを隔てている壁の厚さ αを小さくすることにより、できるだけ小さく設定することが好ましい。このように構成することにより、光案内孔 3 bの設置本数 Νが增えるので、呈色部 8からの光の受光量を大きくすることができ、検出感度が向上する。

【006 8】ここで、保護板 3 cとしてマイクロブラインド構造のシートを用いると、指向性を向上させることができ、光案内孔 3 bの内径 R 1を大きく、もしくは光案内孔 3 bの長さ L 1を短く設定することが可能となる。

【006 9】以上説明したように、本第 1実施形態の測定装置 1においては、 T JP2004/001921

光案内孔 3 b， 3 b， 3 b , 3 bが、免疫クロマト試験片 5 aにおけるライン状の呈色部 8に沿って、複数設けられているので、たとえ、呈色部 8に色の濃淡があつたとしても、呈色部 8の異なる部位から案内された光を平均化することができるので、呈色部 8の呈色の度合いをより正確に測定することができる。

【0 0 7 0】また、本第 1実施形態の測定装置 1においては、検出光学系 3に結像レンズ等を用いていないので、検出光学系 3を小型化することができる。

【0 0 7 1】なお、本第 1実施形態の変形例として、図 7に示すように、照射光学系 2 0を試料台 6の下側、つまり、免疫ク口マト試験片 5 aの裏面側に設けることも可能である。この場合、 L E D 2 0 aから照射される測定光は柱状のガラス等からなるミキシング口ッド 2 0 b等で均一化され、免疫クロマト試験片 5 aの裏面側から照射され、免疫クロマト試験片 5 aを透過した透過光が検出光学系 3で測定されることとなる。なお、図 7では、説明のため、測定ヘッド 4等を一部切り欠いて示している。

【0 0 7 2】（第 2実施形態）

【0 0 7 3】次に、図 8 A及び図 8 Bを参照して第 2実施形態について説明する。図 8 A及び図 8 Bは、第 2実施形態に係る免疫クロマト試験片の測定装置の構成を説明するための概略断面図である。本第 2実施形態は、フォトダイオード 3 aの数の点で第 1実施形態と相違する。

【0 0 7 4】第 2実施形態の測定装置では、図 8 Aに示されるように、フォトダイオードの数が 2個に設定されている。光案内孔 3 b 3 b ₂により案内される光がフォトダイォード 3 _{& 1}で測定され、光案内孔 3 b ₃, 3 b ₄により案内される光がフォトダイオード 3 a ₂で測定される。それぞれのフォトダイオード 3 aい 3 a ₂に入射した光は、フォトダイオード 3 3ぃ 3 a ₂により電気的な出力信号へと変換される。それぞれの出力信号は、演算手段 9により平均化され、呈色部 8 の呈色の度合いが算出される。

【0 0 7 5】また、第 2実施形態の測定装置では、図 8 Bに示されるように、 4 001921

フォトダイオードの数が⁴個に設定されている。光案内孔 3！？ぃ 3 b ₂, 3 b ₃, 3 b ₄により案内される光がそれぞれ異なるフォトダイオード 3 _{a i}， 3 a ₂, 3 a 3, 3 a ₄で測定される。それぞれのフォトダイオード 3 a _{1 ;} 3 a ₂， 3 a ₃， 3 a ₄ に入射した光は、フォトダイオード 3 a 3 a ₂, 3 a ₃， 3 a ₄により電気的な出力信号へと変換される。それぞれの出力信号は、演算手段 9により平均化され、呈色部 8の呈色の度合いが算出される。

【0 0 7 6】以上のように、本第 2実施形態の測定装置によれば、複数のフォトダイオード 3 aい 3 a ₂， 3 a ₃, 3 a ₄により、免疫クロマト試験片 5 a力、らの光を測定するので、呈色部 8の呈色度合いの場所によるバラツキという新たな指標により、免疫クロマト試験片 5 aの評価を行うことができる。

【0 0 7 7】（第 3実施形態）

【0 0 7 8】次に、図 9を参照して第 3実施形態に係る免疫クロマト試験片の測定装置について説明する。図 9は、第 3実施形態である免疫クロマト試験片の測定装置の構成を説明するための概略断面図である。本第 3実施形態は、検出光学系が複数設けられている点で第 1実施形態と相違する。

【0 0 7 9】第 3実施形態の測定装置においては、測定へッド 4に複数（本実施形態においては、 2つ）の検出光学系 3い 3 ₂が並列に設けられている。なお、夫々の検出光学系 3い 3 ₂は、第 1実施形態の検出光学系 3と同等の構成を有している。

【0 0 8 0】以上のように、本第 3実施形態の測定装置は、 2つの免疫クロマトユニット 5ぃ 5 ₂の評価を同時に並行して行うことが可能となるために、免疫クロマト試験片の処理速度が向上する。なお、測定ヘッド 4に設けられる検出光学系の数は 2つに限定されるものではなく、所望に応じて 3つ以上設けることも可能である。

産業上の利用可能性

【0 0 8 1】本発明は、妊娠検査、便潜血検査等に用いられる免疫クロマト（ィムノクロマト）試験片の測定装置に利用できる,

Claims

請求の範囲

1 . 免疫クロマト試験片に測定光を照射し、前記免疫クロマト試験片からの光を測定する免疫クロマト試験片の測定装置であって、

前記免疫クロマト試験片からの光を受光するフォトダイオードと、

前記免疫クロマト試験片と前記フォトダイオードとの間に設けられ、前記免疫クロマト試験片からの光の一部を前記フォトダイォードに導く複数の光通路を有する遮光部材と、を備え、

前記複数の光通路は、前記免疫クロマト試験片に形成されるライン状の呈色部が延びる方向に沿つて並設されていることを特徴とする免疫クロマト試験片の測定装置。

2 . 前記光通路の幅は、前記ライン状の呈色部の幅以下であることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の免疫クロマト試験片の測定装置。

3 . 前記光通路は、前記遮光部材に形成された孔部であることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の免疫クロマト試験片の測定装置。

4 . 前記孔部の内径が、前記ライン状の呈色部の幅以下であることを特徴とする請求の範囲第 3項に記載の免疫クロマト試験片の測定装置。

5 . 前記フォトダイオードの数は、 1以上且つ前記光通路の数以下に設定されていることを特徴とする請求の範囲第 1項〜第 4項のいずれか一項に記載の免疫クロマト試験片の測定装置。

6 . 前記免疫クロマト試験片からの光が、前記免疫クロマト試験片に照射された前記測定光の反射光であることを特徴とする請求の範囲第 1項〜第 5項のいずれか一項に記載の免疫クロマト試験片の測定装置。

7 . 前記免疫クロマト試験片からの光が、前記免疫クロマト試験片に照射された前記測定光の透過光であることを特徴とする請求の範囲第 1項〜第 5項のいずれか一項に記載の免疫ク口マト試験片の測定装置。

8 . 前記免疫クロマト試験片を、前記フォトダイォード及び前記光通路を含む検出光学系に対して、前記免疫クロマト試験片における抗原又は抗体の移動方向と平行に、相対的に移動させることを特徴とする請求の範囲第 1項〜第 7項のいずれか一項に記載の免疫クロマト試験片の測定装置。

9 . 前記フォトダイオードと前記光通路とを含む検出光学系が複数並設されていることを特徴とする請求の範囲第 1項〜第 8項のいずれか一項に記載の免疫クロマト試験片の測定装置。

1 0 . 免疫クロマト試験片を载置する台と、

前記台側に向けて光を出射する発光ダイオードと、

前記台側から入射する光を受光するフォトダイォードと、

前記台と前記フォトダイオードとの間に設けられる遮光部材と、を備え、前記発光ダイォード及び前記フォトダイォードは、前記台に対して所定の方向に相対的に移動し、

前記遮光部材には、前記台側から前記フォトダイオード側に貫通する光通路が前記所定の方向と交差する方向に複数並んで形成されていることを特徴とする免疫クロマト試験片の測定装置。