JP4737896B2 - 試料濃度測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料濃度測定装置に関し、特に、免疫クロマトグラフィー試験片等を測定するための試料濃度測定装置に関する。また、試料濃度の定量性を向上させることができるものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下に、従来の試料濃度測定装置について図5を用いて説明する。
図5(a)は従来の試料濃度測定装置の概略を示す構成図である。
図5(a)において、1は光源となるランプ、2は反射板、3は回折格子、4は開口、5はガラス板、6はガラス板5で反射された参照光、7は参照光6を受光する光電子増倍管、8は免疫クロマトグラフィー試験片、9は免疫クロマトグラフィー試験片8からの散乱光、10は散乱光9を受光する光電子増倍管である。
【0003】
次に、このような構成を有する試料濃度測定装置の動作について説明する。
図5(a)において、ランプ1から出射されたビームは反射板2を介して回折格子3に入射される。そして、回折格子3により波長が決められ、開口4によりビームが絞られガラス板5に入射される。ガラス板5で反射されたビームは、参照光6として光電子増倍管7で受光される。一方、ガラス板5を透過したビームは、免疫クロマトグラフィー試験片8に入射される。免疫クロマトグラフィー試験片8からの散乱光9は光電子増倍管10で受光される。光電子増倍管7及び10からの出力はそれぞれLog変換され、これらの引き算結果が吸光度信号として出力される。
【0004】
次に、図5(b)に免疫クロマトグラフィー試験片の構成を示す。抗原抗体反応を利用した免疫クロマトグラフィー試験片8は、液体試料を添加する部分と、液体試料の浸透により移動し、流れてきた液体中に含まれる分析対象物に対して特異的に結合する物質を備えた標識試薬が保持された部分と、標識試薬と分析対象物との結合、固定化が行われる検知部11と、流れてきた試料を吸収する部分と、他のベース部12とから構成されている。このベース部12と検知部11の吸光度信号の差と、測定する試料濃度との検量線があらかじめ求められており、このベース部12と検知部11の吸光度信号の差を検出することにより、試料濃度を求めることができる。
【0005】
一般に、免疫クロマトグラフィーによる分析は定性的なものであるが、定量的な分析方法も開発されている。例えば、特開平8−240591号公報には、免疫クロマトグラフィー試験片に試料を添加し、反応が行われた後に分光光度計を用いて試験片上の呈色部分の吸光や反射等の信号を測定することにより、呈色度合を定量化する方法が開示されている。また、特開平11−142338号公報には、光源に発光ダイオードを使って、外光の影響なく呈色部の吸光度を測定する方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の試料濃度測定装置は以上のように構成されており、免疫クロマトグラフィーを用いて定性分析を行うには問題がない。しかし定量分析を行う場合、例えば、血液のような細胞成分を含む液体試料を分析する場合、液体試料の粘性や細胞成分の存在が部分的な目詰まりを発生させるため、免疫クロマトグラフィー試験片のベース部に呈色ムラが発生する。試料濃度はベース部と検知部の吸光度信号の差から求めるため、照射ビームの位置によってはベース部の呈色ムラにより誤差が生じて定量測定の妨げとなるという問題点があった。
【0007】
また、光源にランプを使用した従来の試料濃度測定装置では、装置の小型化、低コスト化が困難であるという問題点があった。
本発明は以上のような問題点を解消するためになされたものであり、免疫クロマトグラフィーの高精度な定量分析を可能にし、かつ、装置の小型化、低価格化を図ることのできる試料濃度測定装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1にかかる試料濃度測定装置は、半導体レーザを光源とし該光源から出射されたビームをコリメートレンズと開口により平行ビームとし、シリンドリカルレンズにより上記平行ビームを楕円ビームに変形して、免疫クロマトグラフィ試験片の矩形の検知部に照射し、上記免疫クロマトグラフィ試験片の矩形の検知部からの透過光もしくは反射光を光学的手段により検出して試料濃度を測定する試料濃度測定装置において、上記ビームは上記免疫クロマトグラフィ試験片表面に垂直な方向に対して上記楕円ビームの短軸方向にある角度を有して上記免疫クロマトグラフィ試験片の矩形の検知部に照射されることを特徴とするものである。
【0010】
また、本願の請求項にかかる試料濃度測定装置は、請求項1に記載の試料濃度測定装置において、上記光源と上記コリメートレンズと上記開口と上記シリンドリカルレンズがすべて同じ筐体内に配置され、該筐体を傾けることにより、上記ビーム上記免疫クロマトグラフィ試験片表面に垂直な方向に対して上記楕円ビームの短軸方向にある角度を有して上記免疫クロマトグラフィ試験片の矩形の検知部に照射されることを特徴とするものである。
【0011】
また、本願の請求項にかかる試料濃度測定装置は、請求項2に記載の試料濃度測定装置において、上記筐体から出射されたビームを反射させる光学素子を有し、該光学素子を傾けることにより、上記ビーム上記免疫クロマトグラフィ試験片表面に垂直な方向に対して上記楕円ビームの短軸方向にある角度を有して上記免疫クロマトグラフィ試験片の矩形の検知部に照射されることを特徴とするものである。
【0012】
また、本願の請求項にかかる試料濃度測定装置は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の試料濃度測定装置において、上記ビームを上記免疫クロマトグラフィ試験片表面に対して平行に上記免疫クロマトグラフィ試験片の長さ方向に走査させて定量的に試料濃度を測定することを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下に、本発明の実施の形態1による試料濃度測定装置、及び免疫クロマトグラフィー試験片について図1及び図2を用いて説明する。
【0014】
図1(a)は本実施の形態1による試料濃度測定装置の概略を示す構成図である。図において、4は開口、6は偏光ビームスプリッタ16で反射された参照光、8は免疫クロマトグラフィー試験片、9は免疫クロマトグラフィー試験片8からの散乱光、14は光源となる半導体レーザ、15は半導体レーザ14から出射されたビームを平行ビームに変換するコリメートレンズ、16は開口4を通過したビームを偏光する偏光ビームスプリッタ、17は参照光6をモニタするフォトダイオード、18は偏光ビームスプリッタ16を通過したビームを免疫クロマトグラフィー試験片8に導くシリンドリカルレンズ、19は免疫クロマトグラフィー試験片8からの散乱光9を受光するフォトダイオードである。
【0015】
また、図1(b)は本実施の形態1において用いる免疫クロマトグラフィー試験片の構成を示す図である。図において11は検知部、12はベース部、13は半導体レーザーにより照射される楕円ビームである。本実施の形態1において用いる免疫クロマトグラフィー試験片8は、長さ50mm、幅5mm程度で検知部11の長さは約1mmであり、表面には傷などから保護するために厚さ100μm程度の透明なテープが貼付されている。
【0016】
次に、以上のような構成を有する試料濃度測定装置の動作について説明する。
図1(a)において、半導体レーザ14から出射されたビームは、コリメートレンズ15を介して平行ビームにされる。半導体レーザ14の波長は635nmを使用する。この波長を選択した理由は、(1)標識試薬の金コロイドと試料の血液(赤血球)との吸光度差が十分得られる、(2)金コロイドの吸光度感度が十分得られる、及び(3)光ディスク等で使用されている、などである。コリメートレンズ15によって得られた平行ビームは、開口4(φ3mm)を介して偏光ビームスプリッタ16に入射される。ここで、偏光ビームスプリッタを用いたのはレーザの偏光特性を利用して有効に光を利用するためである。偏光ビームスプリッタ16で反射(分光)されたビームは、参照光6としてフォトダイオード17に受光される。一方、偏光ビームスプリッタ16を透過したビームはシリンドリカルレンズ18に入射される。このシリンドリカルレンズ18から約30mmの位置で免疫クロマトグラフィー試験片8に照射される。シリンドリカルレンズ18により、免疫クロマトグラフィー試験片8の長さ方向のみが結像される。
【0017】
本実施の形態1において用いる免疫クロマトグラフィー試験片8は図1(b)に示すような構成であるので、照射するビームは、免疫クロマトグラフィー試験片8の取付誤差、走査精度等を考慮して、長軸3mm、短軸0.4mmの楕円ビーム13とした。ここでビームを楕円ビームに変形するには、シリンドリカルレンズ18を用いた方が開口4によるより5倍以上光利用効率がよいため、本実施の形態1ではシリンドリカルレンズ18を用いてビームを楕円ビームに変形している。
【0018】
また、光源にレーザーを用いた場合、免疫クロマトグラフィー試験片8の表面に貼付されている透明な保護テープからの反射による戻り光により、半導体レーザ14のレーザ発振が乱れ(ノイズ)、光量の変動、波長の変動が発生し、測定に誤差が発生する。戻り光は保護テープの材質や表面状態の違いによっても差があるが照射光の数%に達する。さらに、レーザ光の光量を制御するために半導体レーザ14に内蔵されたモニタフォトダイオードを使用する場合、モニタフォトダイオードが戻り光を検知してレーザ光の光量制御に誤差が生じ測定値の誤差要因となる。そこで、免疫クロマトグラフィー試験片8の表面に貼付されている保護テープからの反射による半導体レーザ14への戻り光を回避するため、本実施の形態1による試料濃度測定装置においては、免疫クロマトグラフィー試験片8に照射するビームは、免疫クロマトグラフィー試験片8の表面に垂直な方向に対して楕円ビーム13の短軸方向に5度程度傾けた。
【0019】
次に、免疫クロマトグラフィー試験片8からの散乱光9はフォトダイオード19で受光される。フォトダイオード19は免疫クロマトグラフィー試験片8の表面に垂直な方向に対して約45°の傾きで、試料から距離30mmの位置に配置される。フォトダイオード19の受光面積は10×10mmであり、半導体レーザ14の出射パワーの約1/1000程度の散乱光9を受光することとなる。次に、参照光6、散乱光9を受光したフォトダイオード17、及び19の出力を各々Log変換して、これらの引き算を吸光度信号として出力する。
【0020】
次いで、免疫クロマトグラフィー試験片8にビームを照射しながら免疫クロマトグラフィー試験片8を長さ方向に水平に走査し、ベース部12と検知部11の吸光度の差を測定する。
ここで、あらかじめ免疫クロマトグラフィー試験片8のベース部12と検知部11の吸光度信号の差を考慮して、測定する試料濃度との検量線を求めておく。
【0021】
その後、本実施の形態1による試料濃度測定装置によりベース部12と実際に試料を搭載した検知部11との吸光度信号の差を検出し、上記検量線より試料の濃度を求める。
【0022】
次に、楕円ビームの大きさの調整について図2を用いて説明する。
図2は、本実施の形態1による試料濃度測定装置において、試料に照射されるビームを短軸方向に傾けた断面図(a)、及び長軸方向に傾けた断面図(b)である。図2(a)に示すように楕円ビーム13の短軸方向はビームが集光されているため、照射ビームの傾きによるビーム径のひずみは焦点方向に免疫クロマトグラフィー試験片の表面8aの位置を移動するだけで光量が低下することなく調整を行うことができる。一方、長軸方向では図2(b)に示すようにビームが平行光である。従って、長軸方向のビーム径を調整するには、開口4でビームを絞る必要があるため、照射光量が低下する。
【0023】
また、本実施の形態1による試料濃度測定装置をさらに小型化するためには、シリンドリカルレンズ18から免疫クロマトグラフィー試験片8までの距離を短くすればよい。しかし、シリンドリカルレンズ18から、例えば、約10mmの位置で免疫クロマトグラフィー試験片8にビームが照射されるようにすると、ビームを約30度傾ける必要があり、ビーム径も15%程度もひずむようになるため、長軸方向に傾けた場合に照射光量の低下が大きくなる。
【0024】
以上のように、本実施の形態1による試料濃度測定装置では、照射するレーザー光を楕円ビーム13としたから、免疫クロマトグラフィー試験片8の幅方向の呈色ムラを緩和することができ、測定誤差の少ない定量測定を行うことができる効果がある。
【0025】
また、免疫クロマトグラフィー試験片8に照射するビームは、免疫クロマトグラフィー試験片8の表面に垂直な方向に対して、楕円ビーム13の短軸方向に5度程度傾けるようにしたから、免疫クロマトグラフィー試験片8の表面に貼付されている保護テープからの反射による半導体レーザ14への戻り光を回避することができ、精度の良い測定を行うことができる効果がある。
【0026】
また、ビームを免疫クロマトグラフィー試験片8の長さ方向に走査させるようにしたから、一つのビームで免疫クロマトグラフィー試験片8のベース部12と検知部11との吸光度信号の差を求めることができ、効率的な測定を行うことができる効果がある。
【0027】
なお、本実施の形態1による試料濃度測定装置においては、免疫クロマトグラフィー試験片8を長さ方向に走査することにより、一つのビームでベース部12と検知部11の吸光度信号の差を測定することができるようにしたが、光学系全体を動かしビームを走査しても同様に、1つのビームでベース部12と検知部11の吸光度信号の差を求めるこができる。
【0028】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2による試料濃度測定装置について図3を用いて説明する。
図3は、本実施の形態2における試料濃度測定装置の光学部断面図である。
図において、4は開口、6は偏光ビームスプリッタ16で反射された参照光、8は免疫クロマトグラフィー試験片、14は光源となる半導体レーザー、15は半導体レーザー14から出射されたビームを平行ビームに変換するコリメートレンズ、16は開口4を通過したビームを偏光する偏光ビームスプリッタ、17は参照光6をモニタするフォトダイオード、18は偏光ビームスプリッタ16を通過したビームを免疫クロマトグラフィー試験片8に導くシリンドリカルレンズ、20は光学台である。
【0029】
次に、このような構成を有する試料濃度測定装置の動作について説明する。
半導体レーザ14から出射されたビームは、コリメートレンズ15を介して平行ビームにされる。この平行ビームは開口4を介して偏光ビームスプリッタ16に入射される。そして、偏光ビームスプリッタ16で反射されたビームは、参照光6としてフォトダイオード17に受光される。一方、偏光ビームスプリッタ16を透過したビームは、シリンドリカルレンズ18に入射される。シリンドリカルレンズ18により、免疫クロマトグラフィー試験片8の長さ方向のみが結像され免疫クロマトグラフィー試験片8に照射される。この時、半導体レーザ14、コリメートレンズ15、偏光ビームスプリッタ16、フォトダイオード17、シリンドリカルレンズ18は材質がアルミダイキャストの光学台20内にすべて配置されている。この光学台20を免疫クロマトグラフィー8の表面に垂直な方向に対して5度程度傾けて取り付ける。
【0030】
このように本実施の形態2による試料濃度測定装置によれば、半導体レーザ14、コリメートレンズ15、偏光ビームスプリッタ16、フォトダイオード17、及びシリンドリカルレンズ18を全て材質がアルミダイキャストの光学台20内に配置し、この光学台を免疫クロマトグラフィー試験片8の表面に垂直な方向に対して5度程度傾けて取り付ける構成としたから、個々の部品を傾けて取り付ける必要が無く、かつ、簡単な装置構成で免疫クロマトグラフィー試験片8の表面に貼付されている透明な保護テープからの戻り光の影響を回避することができる効果がある。
【0031】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3による試料濃度測定装置について図4を用いて説明する。
図4は、本実施の形態3における試料濃度測定装置の光学部断面図である。
図において、4は開口、6は偏光ビームスプリッタ16で反射された参照光、8は免疫クロマトグラフィー試験片、14は光源となる半導体レーザー、15は半導体レーザー14から出射されたビームを平行ビームに変換するコリメートレンズ、16は開口4を通過したビームを偏光する偏光ビームスプリッタ、17は参照光をモニタするフォトダイオード、18は偏光ビームスプリッタ16を通過したビームを免疫クロマトグラフィー試験片8に導くシリンドリカルレンズ、20は光学台、21は反射ミラーである。
【0032】
次に、このような構成を有する試料濃度測定装置の動作について説明する。
半導体レーザ14から出射されたビームは、コリメートレンズ15を介して平行ビームにされる。この平行ビームは開口4を介して偏光ビームスプリッタ16に入射される。そして、偏光ビームスプリッタ16で反射されたビームは、参照光6としてフォトダイオード17に受光される。一方、偏光ビームスプリッタ16を透過したビームは、シリンドリカルレンズ18に入射される。シリンドリカルレンズ18から出射されたビームは反射ミラー21で反射され、免疫クロマトグラフィー試験片8の長さ方向のみが結像され、免疫クロマトグラフィー試験片8に照射される。この時、半導体レーザ14、コリメートレンズ15、偏光ビームスプリッタ16、フォトダイオード17、及びシリンドリカルレンズ18は材質がアルミダイキャストの光学台20内に全て配置されている。また、この光学台20は免疫クロマトグラフィー試験片8の走査方向と平行に配置されている。さらに、反射ミラー21の角度を変えることにより、免疫クロマトグラフィー試験片8の表面に垂直な方向に対して5度程度傾けてビームを照射することができる。
【0033】
このように本実施の形態3による試料濃度測定装置によれば、半導体レーザ14、コリメートレンズ15、偏光ビームスプリッタ16、フォトダイオード17、及びシリンドリカルレンズ18が全て材質がアルミダイキャストの光学台20内に配置され、光学台20が免疫クロマトグラフィー試験片8の走査方向と平行に設置されるとともに反射ミラー21の角度を変えることにより免疫クロマトグラフィー試験片8の表面に垂直な方向に対して5度程度傾けてビームを照射する構成としたから、免疫クロマトグラフィー試験片8の表面に貼付されている透明な保護テープからの戻り光の影響を回避することができる効果がある。
【0034】
また、実施の形態2による試料濃度測定装置では、図3に示すように免疫クロマトグラフィー試料片8の高さ方向に光学部品を配置する必要があったが、本実施の形態3による試料濃度測定装置によれば、免疫クロマトグラフィー試料片8の高さ方向に光学部品を配置する必要がないため、装置のさらなる小型化が可能となる効果がある。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1にかかる試料濃度測定装置によれば、半導体レーザを光源とし該光源から出射されたビームをコリメートレンズと開口により平行ビームとし、シリンドリカルレンズにより上記平行ビームを楕円ビームに変形して、免疫クロマトグラフィ試験片の矩形の検知部に照射し、上記免疫クロマトグラフィ試験片の矩形の検知部からの透過光もしくは反射光を光学的手段により検出して試料濃度を測定する試料濃度測定装置において、上記ビームは上記免疫クロマトグラフィ試験片表面に垂直な方向に対して上記楕円ビームの短軸方向にある角度を有して上記免疫クロマトグラフィ試験片の矩形の検知部に照射される構成としたので、免疫クロマトグラフィー試験片の表面に貼付されている透明な保護テープからの戻り光の影響を回避することができ、光源に半導体レーザを使用しても光量損失がなく、かつ、免疫クロマトグラフィー試験片の幅方向の呈色ムラを緩和することができるため、測定誤差の少ない定量測定を行うことができる効果がある。
【0037】
また、本発明の請求項にかかる試料濃度測定装置によれば、請求項1に記載の試料濃度測定装置において、上記光源と上記コリメートレンズと上記開口と上記シリンドリカルレンズがすべて同じ筐体内に配置され、該筐体を傾けることにより、上記ビーム上記免疫クロマトグラフィ試験片表面に垂直な方向に対して上記楕円ビームの短軸方向にある角度を有して上記免疫クロマトグラフィ試験片の矩形の検知部に照射される構成としたから、個々の部品を傾けて取り付ける必要が無く、簡単な装置構成で免疫クロマトグラフィー試験片の表面に貼付されている透明な保護テープからの戻り光の影響を回避することができるため、光源に半導体レーザを使用しても光量損失がなく、かつ、免疫クロマトグラフィー試験片の幅方向の呈色ムラを緩和することができるため、測定誤差の少ない定量測定を行うことができる効果がある。
【0038】
また、本発明の請求項にかかる試料濃度測定装置によれば、請求項2に記載の試料濃度測定装置において、上記筐体から出射されたビームを反射させる光学素子を有し、該光学素子を傾けることにより、上記ビーム上記免疫クロマトグラフィ試験片表面に垂直な方向に対して上記楕円ビームの短軸方向にある角度を有して上記免疫クロマトグラフィ試験片の矩形の検知部に照射される構成としたから、免疫クロマトグラフィー試験片の表面に貼付されている透明な保護テープからの戻り光の影響を回避することができ、光源に半導体レーザを使用しても光量損失がなく、かつ、免疫クロマトグラフィー試験片の幅方向の呈色ムラを緩和することができるため、測定誤差の少ない定量測定を行うことができる効果がある。また、免疫クロマトグラフィー試料片の高さ方向に光学部品を配置する必要がないため、装置のさらなる小型化が可能となる効果がある。
【0039】
また、本発明の請求項にかかる試料濃度測定装置によれば、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の試料濃度測定装置において、上記ビームを上記免疫クロマトグラフィ試験片表面に対して平行に上記免疫クロマトグラフィ試験片の長さ方向に走査させて定量的に試料濃度を測定する構成としたから、検知部とベース部の吸光度信号の差を測定する操作が簡略化され、効率のよい測定が行える効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による試料濃度測定装置の概略を示す構成図(a)、及び免疫クロマトグラフィー試験片の構成を示す図(b)である。
【図2】本発明の実施の形態1による試料濃度測定装置のビームを短軸方向に傾けた断面図(a)、及び長軸方向に傾けた断面図(b)である。
【図3】本発明の実施の形態2による試料濃度測定装置を構成する光学系の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態3による試料濃度測定装置を構成する光学系の断面図である。
【図5】従来の試料濃度測定装置の概略を示す構成図(a)、及び免疫クロマトグラフィー試験片の構成を示す図(b)である。
【符号の説明】
1 ランプ
2 反射板
3 回折格子
4 開口
5 ガラス板
6 参照光
7 光電子増倍管
8、8a 免疫クロマトグラフィー試験片
9 散乱光
10 光電子増倍管
11 検知部
12 ベース部
13 照射ビーム
14 半導体レーザ
15 コリメートレンズ
16 偏光ビームスプリッタ
17 フォトダイオード
18 シリンドリカルレンズ
19 フォトダイオード
20 光学台
21 反射ミラー

Claims (4)

  1. 半導体レーザを光源とし該光源から出射されたビームをコリメートレンズと開口により平行ビームとし、シリンドリカルレンズにより上記平行ビームを楕円ビームに変形して、免疫クロマトグラフィ試験片の矩形の検知部に照射し、上記免疫クロマトグラフィ試験片の矩形の検知部からの透過光もしくは反射光を光学的手段により検出して試料濃度を測定する試料濃度測定装置において、上記ビームは上記免疫クロマトグラフィ試験片表面に垂直な方向に対して上記楕円ビームの短軸方向にある角度を有して上記免疫クロマトグラフィ試験片の矩形の検知部に照射される、ことを特徴とする、試料濃度測定装置。
  2. 請求項1に記載の試料濃度測定装置において、上記光源と上記コリメートレンズと上記開口と上記シリンドリカルレンズがすべて同じ筐体内に配置され、該筐体を傾けることにより、上記ビーム上記免疫クロマトグラフィ試験片表面に垂直な方向に対して上記楕円ビームの短軸方向にある角度を有して上記免疫クロマトグラフィ試験片の矩形の検知部に照射される、ことを特徴とする、試料濃度測定装置。
  3. 請求項2に記載の試料濃度測定装置において、上記筐体から出射されたビームを反射させる光学素子を有し、該光学素子を傾けることにより、上記ビーム上記免疫クロマトグラフィ試験片表面に垂直な方向に対して上記楕円ビームの短軸方向にある角度を有して上記免疫クロマトグラフィ試験片の矩形の検知部に照射される、ことを特徴とする、試料濃度測定装置。
  4. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載の試料濃度測定装置において、上記ビームを上記免疫クロマトグラフィ試験片表面に対して平行に上記免疫クロマトグラフィ試験片の長さ方向に走査させて定量的に試料濃度を測定する、ことを特徴とする、試料濃度測定装置。
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