WO2004067752A1 - リボザイムをコードするパラミクソウイルスベクターおよびその利用 - Google Patents

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Definitions

  • the second gene is the P gene
  • the third gene is the M gene.
  • P SeV18 + b (ya) is "pSeV18 + " Digested with Sphl / Kpnl to recover a fragment (14673 bp) Clone into 18 to give plasmid pUC18 / KS.
  • Construction of the F-deficient site is performed on this pUC18 / KS. Deletion of the F gene is performed by a combination of the PCR-ligation methods.

Abstract

 本発明は活性のあるリボザイムをコードするパラミクソウイルスベクターを提供する。本発明のベクターは、インビボまたはエクスビボにおいて、広い範囲の組織に所望のリボザイムを発現させるための遺伝子治療ベクターとして適している。本発明のベクターは、癌やその他の疾患における遺伝子治療ベクターとして有用である。

Description

リボザィムをコ一ドするパラミクソウィルスべクターおよびその利用
技術分野
本発明は、 触媒作用を持つ R Aをコードするパラミクソウィルスベクターおよび その利用に関する。 背景技術
リポザィムなどの触媒作用をもつ低分子 R Aは真核生物の遺伝子発現を押さえる ために用いられており、 近年はヒトへの遺伝子治療への適用も注目されている。 ハンマーへッド型リポザィムはおもに細胞質で活性があるとされ、 効率良く細胞 質へ輸送されるかが成功の鍵を握っている (Koseki, S. et al. (1999) J Virol 73 (3), 1868-77 ; Kuwabara, T. et al. (1999) Proc Natl Acad Sci U S A 96 (5) , 1886-91) 。 しかし既存のベクターは主に核内で発現されるものが多く、 そのた め発現したリボザィムの核外への輸送の効率が大きなハードルの一つとなってい る。 発明の開示
本宪明は、 触媒作用を持つ醒をコ一ドするパラミクソウィルスぺクターおょぴ その利用を提供することを課題とする。
本発明者らは、 ウィルスの転写おょぴ複製において DNAフェーズを持たないパラ ミクソウィルスは、 細胞質で遺伝子発現が行われるため、 潜在的にはリポザィム に適したベクターとなる可能性があると考えた。 し力 し、 これまでパラミクソゥ ィルスベクターでリポザィムを発現させた例はなく、 活性のあるリポザィムが細 胞内で転写され機能できるかは知られていない。 そこで本発明者らは、 活性のあ るリポザィムを発現できるパラミクソウィルスべクターを開発するため、 センダ ィウィルス (SeV) ベクターにリボザィムをコードする遺伝子を組み込み、 ベクタ 一を細胞に感染させてその効果を検証した。 ターゲットとして大腸ガンではおも に変異が多いとされる K- rasを選んだ。 Rasタンパク質は細胞内のシグナル伝達を 担う Gタンパク質の一つで、 12番目のアミノ酸がバリンに置き換わると細胞をガン 化させる効果を持つことが示されており、 この 12番目の変異を含む領域をターゲ ットとしたリポザィムの実験例いくつ力報告されている (Funato, T. et al. (20 00) Cancer Gene Ther 7 (3) , 495-500 ; Tsuchida, T. et al. (2000) Cancer Gen e Ther 7 (3), 373 - 83 ; Tsuchida, T. et al. (1998) Biochem Biophys Res Commu n 253 (2) , 368-73; Zhang, Y. A. et al. (2000) Gene Ther 7 (23) , 2041-50) 。 本発明においては、 既に報告例のある K- rasリボザィムの他に認識部位の長さが異 なるリポザィムをデザィンし、 効果をみた。 その結果、 リボザィムをコードする パラミクソウィルスベクターの感染により細胞内の K-rasの発現を有意に抑制する ことができた。 また、 リボザィムの鎖長を 50ヌクレオチド以上とすることにより 、 それより短いリボザィムに比べ、 ベクターから発現させたときのリポザィムの 効果を著しく高めることが可能であることを見いだした。 リボザィムの鎖長を 60 ヌクレオチド以上とすることにより、 ベクタ一導入によるリボザィムの活性はさ らに上昇し、 鎖長を 70ヌクレオチド以上とすることによりさらに高まった。
このように本発明は、 活性を持つリボザィムをパラミクソウィルスベクターか ら発現させることに初めて成功し、 ベクターに搭載するリポザィムの鎖長を調節 することにより、 パラミクソウィルスベクターから発現されるリボザィムを活性 を高めることができることを示した。 パラミクソウィルスは極めて広い組織に感 染できることから、 リポザィムをコ一ドするパラミクソウィルスべクターを用い ることにより、 これまでのベクターでは導入が困難であった組織や細胞に対して もリボザィムによる遺伝子治療が可能になる。 例えば種々のガンに対し、 本発明 のリポザィムをコードするパラミクソウィルスベクターを用いて癌遺伝子などの 発現を阻害することによる遺伝子治療が可能となる。 このように、 リポザィムを 発現するパラミクソウィルスベクターは、 様々な臨床場面での適用が想定される 本発明は、 リボザィムをコードするパラミクソウィルスべクタ一およびその利 用に関し、 より具体的には、 請求項の各項に記載の発明に関する。 なお本努明は 、 請求項の各項に記載の発明の 1つまたは複数 (または全部) の所望の組み合わ せからなる発明、 特に、 同一の独立項 (他の項に記載の発明に包含されない発明 に関する項) を引用する項 (従属項) に記載の発明の 1つまたは複数 (または全 部) の所望の組み合わせからなる発明にも関する。 各独立項に記載の発明には、 その従属項の任意の組み合わせからなる発明も意図されている。 すなわち本発明 は、
( 1 ) 触媒作用をもつ R Aをコードするパラミクソウィルスベクター、
( 2 ) 該 RNAの鎖長が 50ヌクレオチド以上であることを特徴とする、 (1 ) に記載 のパラミクソウィルスべクター、
( 3 ) 該腿の鎖長が 60ヌクレオチド以上であることを特徴とする、 (1 ) に記載 のパラミクソウィルスべクター、
( 4 ) 該 RNAがハンマーへッドリボザィムである、 ( 1 ) から ( 3 ) のいずれかに 記載のパラミクソウィルスベクター、
( 5 ) パラミクソウィルスがセンダイウィルスである、 ( 1 ) から ( 4 ) のいず れかに記載のウィルスベクター、 に関する。
本発明において組み換えウィルスとは、 組み換えポリヌクレオチドを介して生 成したウイ/レスを言う。 組み換えポリヌクレオチドとは、 人の手によってポリヌ クレオチド鎖の結合が改変 (切断または結合) されたポリヌクレオチドである。 組み換えポリヌクレオチドは、 その両端が自然の状態と同じようには連結されて いない。 組み換えポリヌクレオチドは、 ポリヌクレオチド合成、 ヌクレアーゼ処 理、 リガーゼ処理等を組み合わせて、 公知の遺伝子組み換え方法により生成させ ることができる。 組み換え蛋白質は、 蛋白質をコードする組み換えポリヌクレオ チドを発現させることにより生産することができる。 組み換えウィルスは、 遺伝 子操作により構築されたウィルスゲノムをコードするポリヌクレオチドを発現さ せ、 ウィルスを再構築することによって生成させることができる。 組み換え蛋白 質は、 組み換えポリヌクレオチドを介して生成した蛋白質および人工的に合成さ れた蛋白質が含まれる。
本発明において遺伝子とは遣伝物質を指し、 転写単位をコードする核酸を言う 。 遺伝子は RNAであっても DNAであってもよい。 本発明において蛋白質をコードす る核酸は、 該蛋白質の遗伝子と呼ぶ。 またリボザィムをコードする核酸をそのリ ボザィムの遺伝子という。 遺伝子は天然由来または人為的に設計された配列であ り得る。 また、 本宪明において 「DNA」 とは、 一本鎖 DNAおよぴニ本鎖 DNAを含む。 また蛋白質またはリボザィムをコードするとは、 ポリヌクレオチドが該蛋白質ま たはリボザィムを適当な条件下で発現できるように、 該蛋白質のアミノ酸配列を コードする核酸またはリボザィムをコードする核酸をセンスまたはアンチセンス に含むことを言う。 パラミクソウィルスにおいては、 ウィルスゲノム中の遺伝子 はアンチセンスにコードされている。
本発明のパラミクソウィルスベクターは、 触媒作用を持つ R A (リポザィム) を 発現可能にコードしている。 すなわち、 本発明のパラミクソウィルスベクターは 、 ウィルスゲノムの 3'リーダー配列と 5'テーラ一配列の間に、 リポザィム R Aのァ ンチセンス配列を含んでいる。
本発明においてパラミクソウイルスとはパラミクソウイルス科 (Paramyxovirid ae) に属するウィルスまたはその誘導体を指す。 パラミクソウィルスは、 非分節 型ネガティブ鎖 RNAをゲノムに持つゥィルスのグループの 1つで、 パラミクソウイ ルス亜科 (Paramyxovirinae) (レスピロウィルス属 (パラミクソウィルス属とも 言う) 、 ルブラウィルス属、 およびモービリウィルス属を含む) およびニューモ ウィルス亜科 (Pneumovirinae) (ニューモウィルス属およびメタニューモウィル ス属を含む) を含む。 本発明を適用可能なパラミクソウィルスとしては、 具体的 にはセンダイウィルス(Sendai virus) , ニューカッスル病ウィルス(Newcastle di sease virus)、 お 7こふくカぜ 'ノイズレス (Mumps virus)、 麻珍ウイノレス (Measles vir us)、 RSワイルス (Respiratory syncytial virus;、 牛投ゥィルス ^rinderpest vir us)、 ジステンノ ーゥイノレス (distemper virus)、 サノレノ ラインフノレェンザウイノレ ス (SV5) 、 ヒ トパラインフルエンザウイルス 1, 2, 3型等が挙げられる。 本発明 のウィルスは、 好ましくはパラミクソウイルス亜科に属するウィルスまたはその 誘導体であり、 より好ましくはレスピロウィルス属 (genus Respirovirus) に属 するウィルスまたはその誘導体である。 本発明を適用可能なレスピロウイルス属 ウィルスとしては、 例えばヒ トパラインフルエンザウイルス 1型 (HPIV- 1) 、 ヒ ス 3型 (BPIV- 3) 、 センダイウィルス(Sendai virus ; マウスパラインフルエンザ ウィルス 1型とも呼ばれる)、 およびサルパラインフルエンザウイルス 10型 (SPI V - 10) などが含まれる。 本発明においてパラミクソウィルスは、 最も好ましくは センダイウィルスである。 これらのウィルスは、 天然株、 野生株、 変異株、 ラボ 継代株、 および人為的に構築された株などに由来してもよい。
本発明においてベクターとは、 核酸を細胞に導入する担体である。 パラミクソ ウィルスベクターとは、 パラミクソウィルスに由来する、 核酸を細胞に導入する 担体である。 上記のように、 SeVなどのパラミクソウィルスは遣伝子導入ベクター として優れており、 宿主細胞の細胞質でのみ転写。複製を行い、 DNAフヱーズを持 たないため染色体への組み込み (integration) は起こらない。 このため染色体異 常による癌化や不死化などの安全面における問題が生じない。 パラミクソウィル スのこの特徴は、 ベクター化した時の安全性に大きく寄与している。 異種遺伝子 発現の結果では、 SeVを連続多代継代しても殆ど塩基の変異が認められず、 ゲノム の安定性が高く、 挿入異種遺伝子を長期間に渡って安定に発現する事が示されて いる (Yu, D. et al. , Genes Cells 2, 457-466 (1997) ) 。 また、 力プシド構造 蛋白質を持たないことによる導入遺伝子のサイズまたはパッケージングの柔軟性
(flexibility) など性質上のメリットがある。 複製能を有する SeVベクターは、 外来遺伝子を少なくとも 4kbまで導入可能であり、 転写ュニットを付加することに よって 2種類以上の遺伝子を同時に発現する事が可能である。 これにより、 2つ 以上のリポザィムを同一ベクターから発現させることができる。
また、 センダイウイルスは齧歯類にとっては病原性で肺炎を生じることが知ら れているが、 ヒ トに対しては病原性がない。 これはまた、 野生型センダイウィル スの経鼻的投与によって非ヒト霊長類において重篤な有害作用を示さないという これまでの報告によっても支持されている (Hurwitz, J. L. et al., Vaccine 15 : 533-540, 1997) 。 更に特筆すべき利点として以下の 2点、 すなわち 「高感染性 」 及び 「高発現量」 を挙げることができる。 SeVベクターは細胞膜蛋白や脂質糖鎖 のシアル酸に結合して感染するが、 このシアル酸はほとんどの細胞で発現してお り、 このことが感染スペク トルを広くする、 則ち高感染性に繋がっている。 SeVの レブリコンをベースにした複製型ベクターは放出されたウィルスが周囲の細胞に も再感染し、 感染細胞の細胞質で多コピーに複製された RNPが細胞の分裂に伴い娘 細胞にも分配されるため持続発現が期待される。 また、 SeVベクターは非常に広い 組織適用範囲を持つ。 また、 細胞質のみでの転写 ·複製という特徴的な発現機構 であることから、 搭載遺伝子の発現量が非常に高いことが示されている (Moriya, C. et al., FEBS Lett. 425 (1) 105 - 111 (1998); W000/70070) 。 更に、 ェンべ ロープ遺伝子を欠失して非伝播性にした SeVべクターの回収にも成功しており (W0 00/70070; Li, H. - 0. et al., J. Virol. 74 (14) 6564-6569 (2000) ) 、 「高感染 性」 及び 「高発現量」 を維持して、 「安全性」 をさらに高めるための改良が進行 している。
センダイウィルスのこれらの特徴は、 SeVを初めとするパラミクソウィルスべク ターは有効な遺伝子治療用および遺伝子導入用ベクターであり、 リポザィムのィ ンビボまたはェクスビポでの発現を目的とした遺伝子治療における有望な選択肢 の一^ 3となることを支持するものである。 パラミクソウイルスベクターに治療用 (または解析用) のリボザィムをコ一ドする遺伝子を搭載して局所投与すること で、 リポザィムの局所的な高い発現が可能となり、 治療効果の確実性とともに副 作用の軽減が期待される。 このような効果は、 一過的に強発現が誘導される、 SeV を初めとするパラミクソウィルスベクターだからこそ、 より有効であると考えら れる。
パラミクソウィルスべクターは、 パラミクソウィルスのゲノム RNAを含んでいる 。 ゲノム R Aとは、 パラミクソウィルスのウィルス蛋白質と共に R Pを形成し、 該 蛋白質によりゲノム中の遺伝子が発現し、 該核酸が複製して娘 RNPが形成される機 能を持つ R Aを言う。 パラミクソウィルスは一本鎖ネガティブ鎖 R Aをゲノムに持 つウィルスであるので、 このような R Aは搭載遺伝子をアンチセンスとしてコード している。 一般にパラミクソウィルスのゲノムは、 3'リーダー領域と 5' トレイラ 一領域の間に、 ウィルス遺伝子がアンチセンスとして並んだ構成をしている。 各 遺伝子の 0RFの間には、 転写終結配列 (E配列) -介在配列(I配列) -転写開始配列 (S配列) が存在し、 これにより各遺伝子が別々のシストロンとして転写される。 本発明のベクターに含まれるゲノム R Aは、 該 R Aにコードされる遺伝子群の発現 および RNA自身の自律的な複製に必要なウィルス蛋白質である N (ヌクレオキヤプ シド) 、 P (ホスホ) 、 および L (ラージ) をアンチセンスにコードしている。 ま た該 R Aは、 ウイルス粒子の形成に必要な M (マトリックス) 蛋白質をコードして いてもよい。 さらに該 RNAは、 ウィルス粒子の感染に必要なエンベロープ蛋白質を コードしていてもよい。 パラミクソウィルスのエンベロープ蛋白質としては、 細 胞膜融合を起こす蛋白質である F (フュージョン) 蛋白質および細胞への接着に必 要な HN (へマグルチニン-ノイラミニダーゼ) 蛋白質が挙げられる。 但し、 ある種 の細胞では感染に HN蛋白質は必要なく (Markwell, M. A. et al. , Proc. Natil. A cad. Sci. USA 82 (4) : 978 - 982 (1985) ) 、 F蛋白質のみで感染が成立する。 また、 F蛋白質および/または H蛋白質以外のウィルスエンベロープ蛋白質をコードさせ てもよい。
本発明のパラミクソウィルスベクターは、 例えばパラミクソウィルスのゲノム R NAとウィルス蛋白質からなる複合体、 すなわちリポヌクレオプロテイン (RNP) で あってよい。 RNPは、 例えば所望のトランスフエクシヨン試薬と組み合わせて細胞 に導入することができる。 このような R Pは、 具体的にはパラミクソウィルスのゲ ノム RNA、 N蛋白質、 P蛋白質、 およひ 1蛋白質を含む複合体である。 RNPは細胞内に 導入されると、 ウィルス蛋白質の働きによりゲノム RNAからウィルス蛋白質をコー ドするシストロンが転写されると共に、 ゲノム自身が複製され娘 RNPが形成される 。 ゲノム RNAの複製は、 該 R Aのコピー数の増加を RT- PCRまたはノーザンハイブリ ダイゼーシヨン等により検出することにより確認することができる。
また本発明のパラミクソウィルスベクターは、 好ましくはパラミクソウィルス のウィルス粒子である。 ウィルス粒子とは、 ウィルス蛋白質の働きにより細胞か ら放出される、 核酸を含む微小粒子を言う。 パラミクソウィルスのウィルス粒子 は、 ゲノム R Aとウィルス蛋白質を含む上記 R Pが細胞膜由来の脂質膜 (ェンベロ ープという) に含まれた構造をしている。 ウィルス粒子は、 感染性を示すもので あってよい。 感染性とは、 パラミクソウィルスベクターが細胞への接着能および 膜融合能を保持していることにより、 接着した細胞の内部にベタター内部の核酸 を導入することのできる能力を言う。 本発明のパラミクソウィルスべクターは、 複製能を有していてもよく、 あるいは複製能を有さない欠損型ベクターであって もよい。 「複製能を有する」 とは、 ウィルスベクターが宿主細胞に感染した場合 、 該細胞においてウィルスが複製され、 感染性ウィルス粒子が産生されることを 指す。
例えばパラミクソウィルス亜科に属する各ウィルスにおける各遺伝子は、 一般 に次のように表記される。 一般に、 N遺伝子は〃 P〃とも表記される。
レスピロウィルス属 NP P/C/V M F HN - L
ルブラウィルス属 NP P/V M F HN (SH) L モーピリウィルス属 NP P/C/V M F H - L
例えばセンダイウィルスの各遺伝子の塩基配列のデータベースのァクセッショ ン番号は、 N遺伝子については M29343、 M30202, M30203, M30204, M51331, M5556 5, M69046, X17218、 P遺伝子については M30202, M30203, M30204, M55565, M690 46, X00583, X17007, X17008、 M遺伝子については D11446, K02742, M30202, M30 203, M30204, M69046, U31956, X00584, X53056、 F遺伝子については D00152, D1 1446, D17334, D17335, M30202, M30203, M30204, M69046, X00152, X02131、 HN 遺伝子については D26475, M12397, M30202, M30203, M30204, M69046, X00586, X02808, X56131、 L遣伝子については D00053, M30202, M30203, M30204, M69040, X00587, X58886を参照のこと。
これらのウィルス蛋白質の 0RFは、 ゲノム RNAにおいて上記の E - 1- S配列を介して アンチセンスに配置される。 ゲノム R Aにおいて最も 3Ίこ近い 0RFは、 3,リーダー 領域と該 0RFとの間に S配列のみが必要であり、 Eおよび I配列は必要ない。 またゲ ノム醒において最も 5,に近い 0RFは、 5, トレイラ一領域と該 0RFとの間に E配列の みが必要であり、 Iおよび S配列は必要ない。 また 2つの 0RFは、 例えば IRES等の配 列を用いて同一シストロンとして転写させることも可能である。 このような場合 は、 これら 2つの 0RFの間には E-I - S配列は必要ない。 野生型のパラミクソウィルス の場合、 典型的な腿ゲノムは、 3'リーダー領域に続き、 N、 P、 M、 F、 HN、 および L蛋白質をアンチセンスにコードする 6つの 0RFが順に並んでおり、 それに続いて 5 ' トレイラ一領域を他端に有する。 本発明のゲノム RNAにおいては、 ウィルス遣伝 子の配置はこれに限定されるものではないが、 好ましくは、 野生型ウィルスと同 様に、 3'リーダー領域に続き、 N、 P、 M、 F、 HN、 および L蛋白質をコードする ORF が順に並ぴ、 それに続いて 5' トレイラ一領域が配置されることが好ましい。 ある 種のパラミクソウィルスにおいては、 ウィルス遺伝子は 6つではないが、 そのよう な場合でも上記と同様に各ウイルス遺伝子を野生型と同様の配置とすることが好 ましい。 一般に N、 P、 および L遺伝子を保持しているベクターは、 細胞内で自立 的に R Aゲノムから遺伝子が発現し、 ゲノム R Aが複製される。 さらに Fおよび HN遣 伝子等のエンベロープ蛋白質をコードする遺伝子、 および M遺伝子の働きにより、 感染性のウィルス粒子が形成され、 細胞外に放出される。 従って、 このようなべ クタ一は複製能を有するウィルスベクターとなる。 リポザィムをコードする遣伝 子は、 後述するように、 このゲノム中の 3,リーダー配列と 5'テーラー配列の間の 、 蛋白質非コード領域に挿入すればよい。
また、 本発明のパラミクソウィルスベクターは、 野生型パラミクソウィルスが 持つ遺伝子のいずれかを欠損したものであってよい。 例えば、 M、 F、 または HN遣 伝子、 あるいはそれらの組み合わせが不活化または欠失したパラミクソウィルス ベクターも、 本発明のパラミクソウィルスベクターとして好適に用いることがで きる。 このようなウィルスベクターの再構成は、 例えば、 欠損している遺伝子産 物を外来的に供給することにより行うことができる。 このようにして製造された ウィルスベクターは、 野生型ウィルスと同様に宿主細胞に接着して細胞融合を起 こすが、 細胞に導入されたベクターゲノムはウィルス遺伝子に欠損を有するため 、 最初と同じような感染力を持つ娘ウィルス粒子は形成されない。 このため、 一 回限りの遺伝子導入力を持つ安全なウィルスベクターとして有用である。 ゲノム から欠損させる遺伝子としては、 例えば F遺伝子、 HN遣伝子、 M遺伝子、 およぴそ れらの 2つまたは 3つの組み合わせが挙げられる。 例えば、 F遺伝子が欠損した組 み換えパラミクソウィルスベクターゲノムを発現するプラスミドを、 F蛋白質の発 現ベクターならびに NP、 P、 および L蛋白質の発現ベクターと共に宿主細胞にトラ ンスフエクションすることにより、 ウィルスベクターの再構成を行うことができ る (国際公開番号 W000/70055、 W000/70070、 W003/025570 ; Li, Η· - 0. et al. , J . Virol. 74 (14) 6564-6569 (2000) ) 。 また、 例えば、 F遺伝子が染色体に組み込 まれた宿主細胞を用いてウィルスを製造することもできる。 これらの蛋白質群を 外から供給する場合、 そのアミノ酸配列はウィルス由来の配列そのままでなくと も、 核酸の導入における活性が天然型のそれと同等かそれ以上ならば、 変異を導 入したり、 あるいは他のウィルスの相同遺伝子で代用してもよい。
また、 本発明のウィルスベクターとして、 ベクターゲノムが由来するウィルス のエンベロープ蛋白質とは異なる蛋白質をエンベロープに含むベクターを作製す ることもできる。 例えば、 ウィルス再構成の際に、 ベクターのベースとなるウイ ルスのゲノムが元来コードするエンベロープ蛋白質以外のエンベロープ蛋白質を 細胞で発現させることにより、 所望のエンベロープ蛋白質を有するウィルスべク ターを製造することができる。 このような蛋白質に特に制限はない。 例えば、 他 のウィルスのエンベロープ蛋白質、 例えば水疱性口内炎ウィルス (VSV) の G蛋白 質 (VSV-G) を挙げることができる。 本発明のウィルスベクターには、 VSV- G蛋白 質などのように、 ゲノムが由来するウィルス以外のウィルスに由来するェンベロ ープ蛋白質を含むシユードタイプウィルスベクターが含まれる。 ウィルスのゲノ ム RNAにはこれらのエンベロープ蛋白質をゲノムにコードされないように設計すれ ば、 ウィルス粒子が細胞に感染した後は、 ウィルスベクターからこの蛋白質が発 現されることはない。
また、 本発明のウィルスベクターは、 例えば、 エンベロープ表面に特定の細胞 に接着しうるような接着因子、 リガンド、 受容体等の蛋白質、 抗体またはその断 片、 あるいはこれらの蛋白質を細胞外領域に有し、 ウィルスエンベロープ由来の ポリぺプチドを細胞内領域に有するキメラ蛋白質などを含むものであってもよい 。 これにより、 特定の組織を標的として感染するベクターを作り出すこともでき る。 これらはウィルスゲノムにコードされていてもよいし、 ウィルスベクターの 再構成時に、 ゥィルスゲノム以外の遗伝子 (例えば別の発現ベクターまたは宿主 染色体上などにある遺伝子) の発現により供給されてもよい。
また本発明のベクターは、 例えばウィルス蛋白質による免疫原性を低下させる ために、 または RNAの転写効率や複製効率を高めるために、 ベクターに含まれる任 意のウィルス遺伝子が野生型遺伝子から改変されていてよい。 具体的には、 例え ばパラミクソウィルスベクターにおいては、 複製因子である N、 P、 および L遺伝子 の中の少なくとも一つを改変し、 転写または複製の機能を高めることが考えられ る。 また、 エンベロープ蛋白質の 1つである HN蛋白質は、 赤血球凝集素であるへ マグノレチニン (hemagglutinin) 活性とノィラミニダーゼ (neuraminidase) 活千生 との両者の活性を有するが、 例えば前者の活性を弱めることができれば、 血液中 でのウィルスの安定性を向上させることが可能であろうし、 例えば後者の活性を 改変することにより、 感染能を調節することも可能である。 また、 F蛋白質を改変 することにより膜融合能を調節することもできる。 また、 例えば、 細胞表面の抗 原分子となりうる F蛋白質や HN蛋白質の抗原提示ェピトープ等を解析し、 これを利 用してこれらの蛋白質に関する抗原提示能を弱めたウィルスベクターを作製する こともできる。
また本発明のベクターにおいては、 アクセサリー遺伝子が欠損したものであつ てよい。 例えば SeVのアクセサリー遺伝子の 1つである V遺伝子をノックァゥトす ることにより、 培養細胞における遺伝子発現や複製は障害されることなく、 マウ ス等の宿主に対する SeVの病原性が顕著に減少する (Kato, A. et al. , 1997, J. Virol. 71 : 7266-7272; Kato, A. et al., 1997, EMBO J. 16 : 578 - 587 ; Curran, J . et al., W001/04272, EP1067179) 。 このような弱毒化ベクターは、 in vivo ま たは ex vivoにおける毒性のない遺伝子導入用ウィルスベクターとして特に有用で あ 。
本発明のベクターは、 上記のパラミクソウィルスベクターのゲノム中に、 リポ ザィムをコ一ドする R Aを有する。 本発明において 「リポザィム」 とは、 触媒作用 を有する RNAを言う (T. R. Cech et al. , Cell, 1981, 27 : 487 - 496 ; 小泉誠およ び大塚栄子, 蛋白質核酸酵素, 35 : 2191, 1990) 。 触媒作用に制限はなく、 例えば RNAまたは DNA鎖の切断と連結、 铸型を使った RNA複製、 RNAのアミノアシル化、 tRN Aから 5'水酸基へのァミノ酸転移、 自己リン酸化、 ヌクレオチド合成、 ぺプチド結 合形成などが挙げられるが、 特に重要なのは RNA切断活性である。 本発明において ベクターに搭載させるリポザィムは所望のタイプであってよく、 例えば、 ハンマ 一へッドリポザィム、 ヘアピンリボザィム、 デルタ肝炎ウィルスリポザィム、 リ ポヌクレアーゼ Pの RNAサブュ-ット、 グループ I及びグループ IIィントロン、 およ ぴそれらの改変体などであってよい。 ここで改変とは、 核酸配列中の 1またはそ れ以上のヌクレオチドの置換、 欠失又は付加を意味する。 In vitro進化系を用い て天然のリポザィムを改変し、 活性の高い改変リポザィムを得る方法が知られて いる (Joyce. 1992. Selective Amplification Techniques for Optimization of Ribozyme Function, in Ant i sense R A and DNA pp. 353-372. Wiley- Liss Inc. ) 。 またリボザィムは 2量体で機能するものであってもよい。
本発明においてベクターに搭載させるのに特に好ましいリポザィムはハンマー ヘッドリポザィムおよびヘアピンリボザィムである。 ハンマーへッドリポザィム は、 天然においてはウイロイドなどから単離されており (J. M. Buzayan et al. ,
Nature, 1986, 323: 349-353; G. A. Prody et al. , Science, 1986, 231 : 1577-1 580) 、 もともとは三つのループと三つのへリックスを持つ金槌構造を有し、 シス に作用するが、 触媒活性を有する RNA部分と標的 RNAとを切り離すことにより トラ ンスで作用させることができる。 このようなリボザィムは例えば一つのループと ヘリックスをもち、 ターゲットとなる配列と擬似的にループをとる (Turner, P. C . , The Biochemistry of the Hammerhead Ribozyme. In: bcanlon, KJ. , and Kas hani-Sabet, M. ed. Ribozymes in the Gene Tarapy of Cancer (Medical Intell igence U IT4) , R. G. Landes Company, 1998 ; 3—14) 。 ハンマーヘッドリボザィ ムは構造が十分明らかになつているリボザィムであり、 タバコリングスポットゥ ィルスのリボザィムは、 匪 (N= A, G, C, または U ; H= A, C, または U) の塩 基配列の 3,側を特異的に切断する (M. Koizumiら, FEBS Lett. 228: 225, 1988) 。 従って、 標的とする所望の R A中の UC、 UUまたは UAという配列を含む部位を特異 的に切断するリポザィムを作出することが可能である (M. Koizumiら, FEBS Lett - 239 : 285, 1988; 小泉誠および大塚栄子, 蛋白質核酸酵素, 35 : 2191, 1990 ; M.
Koizumiら, Nucleic Acids Res. 17: 7059, 1989) 。 また、 ヘアピンリボザィムも本発明の目的のために有用である。 ヘアピンリポ ザィムは、 例えばタバコリングスポットウィルスのサテライト RNAのマイナス鎖に 見出される (J. M. Buzayan, Nature 323: 349, 1986) 。 このリポザィムも、 標的 特異的な R A切断を起こすように設計できることが示されている (Y. Kikuchi お よび N. Sasaki, Nucleic Acids Res. 19 :6751, 1992; 菊池洋, 化学と生物 30: 1 12, 1992) 。
本発明においてベクターに搭載するリポザィムの鎖長は、 好ましくは 50ヌクレ ォチド以上、 より好ましくは 55ヌクレオチド以上、 より好ましくは 60ヌクレオチ ド以上、 より好ましくは 65ヌクレオチド以上、 より好ましくは 70ヌクレオチド以 上、 より好ましくは 75ヌクレオチド以上である。 ここでリボザィムの鎖長とは、 べクターから転写されるリポザィムの RNA分子のヌクレオチド数である。 鎖長が短 いリボザィムは、 標的認識配列の長さを長くすることにより鎖長を長くすること が好ましい。 例えば 45塩基以内または 40塩基以内の長さでも活性を示すリボザィ ムにおいて、 標的認識配列の長さを調節することによりパラミクソウィルスべク ターから高活性のリポザィムを発現させることができることも本発明の特徴の 1 つである。
RNA切断活性を持つリボザィムは一般に、 触媒活性に必須の配列と、 標的 RNAの 認識に必要な標的認識配列を含んでレ、る。 ハンマーへッドリポザィムの触媒に必 要な配列は、 例えば 5' - !^^ ^ 1 ^1 9]^^2^2^ "^ (配列番号: 3 8 ) が挙げられるがこれに限定されない。 ここで Nは G, A, U, ま たは Cであり、 5' - 1(¥¾- 3, と 5' - 16N17N18N19N - 3' は互いに相補的な配列にして 塩基対を形成できるようにする。 12N13N14N15Nの 4塩基はループを形成させることが 好ましい。 ここは 4塩基でなくとも、 2〜 7塩基 (すなわち N2~7) 程度、 例えば 3〜 5塩基 (すなわち N35) 程度でもよい。 23A24Nは標的認識配列と重なっており 、 24Nは標的部位である上記の NUHの Nと相補的な塩基にする。 より具体的な配列は 実施例に示されている。 この両端に標的認識配列を付加する。 標的認識配列とは 、 具体的には標的 R Aと相補的な配列からなる部分である。 本発明においてリポザ ィムは、 標的認識部位が好ましくは 20ヌクレオチド以上、 より好ましくは 25ヌク レオチド以上、 より好ましくは 30ヌクレオチド以上、 より好ましくは 35ヌクレオ チド以上、 より好ましくは 40ヌクレオチド以上、 より好ましくは 45ヌクレオチド 以上である。 ここで標的認識部位が複数に分断されている場合は、 それらを足し あわせたヌクレオチド数で数える。 例えばハンマーへッドリポザィムでは一般に 標的認識部位がリボザィム RNAの両端に存在するので、 両端にある標的 RNAと相捕 的な塩基数の合計で数える。 それぞれの側に、 少なくとも 7塩基、 好ましくは 8塩 基以上、 より好ましくは 9塩基以上、 より好ましくは 10塩基以上、 より好ましくは 12塩基以上、 より好ましくは 15塩基以上、 標的 R Aと相補的な連続した配列を付カロ することが好ましい。
リボザィムをコ一ドする核酸の揷入位置は、 例えばゲノムの 3'リーダー配列と 5 ,テーラー配列の間の蛋白質非コード領域の所望の部位を選択することができ、 例 えば 3'リーダー領域と 3'に最も近いウィルス蛋白質 0RFとの間、 各ウィルス蛋白質 0RFの間、 および/または 5,に最も近いウィルス蛋白質 0RFと 5' トレイラ一領域の間 に揷入することができる。 また、 Fまたは H遺伝子などを欠失するゲノムでは、 そ の欠失領域にリポザィムをコ一ドする核酸を揷入することができる。 パラミクソ ウィルスに外来遺伝子を導入する場合は、 ゲノムへの揷入断片のポリヌクレオチ ドの鎖長が 6の倍数となるように揷入することが望ましい (Journal of Virology, Vol. 67, No. 8, 4822-4830, 1993) 。 揷入した外来遺伝子とウィルス蛋白質 0RF との間に 1つの E- 1- S配列が構成されるようにする。 E- 1- S配列を介してリボザィ ムをコードする 2またはそれ以上の核酸をタンデムに並べて挿入することができる 。 あるいは、 IRESを介して目的の遺伝子を挿入してもよい。
ベクターに搭載するリポザィムの発現レベルは、 その遺伝子の上流 (マイナス 鎖 (ネガティブ鎖) の 3,側) に付加する転写開始配列の種類により調節すること ができる (W001/18223) 。 また、 ゲノム上のリボザィムをコードする外来遺伝子 の揷入位置によって制御することができ、 マイナス鎖の 3'の近くに揷入するほど 発現レベルが高く、 5,の近くに挿入するほど発現レベルが低くなる。 このように
、 外来遺伝子の揷入位置は、 該遺伝子の所望の発現量を得るために、 また前後の ウィルス蛋白質をコードする遺伝子との組み合わせが最適となる様に適宜調節す ることができる。 一般に、 リボザィムの高い発現が得られることが有利と考えら れるため、 リポザィムをコードする遺伝子は、 効率の高い転写開始配列に連結し
、 マイナス鎖ゲノムの 3'端近くに揷入することが好ましい。 具体的には、 3,リー ダー領域と 3'に最も近いウィルス蛋白質 0RFとの間に挿入される。 あるいは、 3,に 一番近いウィルス蛋白質遺伝子と 2番目の遣伝子の 0RFの間、 または 3'から 2番目 と 3番目のウィルス蛋白質遺伝子の間に挿入してもよい。 典型的なパラミクソゥ ィルスにおいては、 ゲノムの 3,に最も近いウィルス蛋白質遺伝子は N遺伝子であり
、 2番目の遺伝子は P遺伝子、 3番目の遺伝子は M遺伝子である。 逆に、 導入遺伝子 の高発現が望ましくない場合は、 例えばベクターにおける外来遺伝子の揷入位置 をマイナス鎖のなるべく 5'側に設定したり、 転写開始配列を効率の低いものにす るなどして、 ウィルスベクターからの発現レベルを低く抑えることで適切な効果 が得られるようにすることも可能である。
リポザィムをコードする R Aは、 パラミクソウィルスゲノム中で S配列と E配列に 挟まれるように配置される。 ベクターからリボザィムが転写される場合、 S配列か ら転写が開始され E配列で転写が終結するため、 転写されるリボザィムは、 本来の リボザィム活性に必要な配列の両端に余分な配列が付加される。 パラミクソウイ ルスベクターにリボザィムをコードする核酸を組み込んだときに生じるこの余分 な配列をここではスぺーサ一と呼ぶ。 スぺーサ一は具体的には、 パラミクソウイ ルスベクターから転写されたリポザィムの両端に付カ卩されている、 リボザィムの 標的の認識および触媒活性には関与しない配列である (但し 3'に付加されるポリ A テールは無視する) 。 スぺーサ一は、 S配列およひ Έ配列の一部、 およぴリボザィ ムをベクターに組み込んだときのリンカ一の配列などが含まれ得る。 実施例に示 されるように、 リポザィムの両端にスぺーサ一が付加されてもリボザィムの活性 は維持されることが示された。 リポザィムの両端のスぺーサ一の鎖長は両端を合 わせて 10塩基以上、 さらには 20塩基以上、 より長くは 25塩基以上、 より長くは 30 塩基以上、 より長くは 35塩基以上含むことができる (ポリ Aは計算に入れない) 。 し力 し、 リポザィムの両端のスぺーサ一の鎖長は両端を合わせて 100塩基以下、 よ り好ましくは 80塩基以下、 より好ましくは 70塩基以下、 より好ましくは 60塩基以 下、 より好ましくは 50塩基以下にする。 両端のスぺーサ一の鎖長は、 それぞれ 50 塩基以内とすることが好ましい。
リポザィムをコ一ドする核酸をゲノムに挿入するときに付加する S配列としては 、 例えばパラミクソウィルスの所望の S配列を用いることができるが、 センダイゥ ィルスべクタ一であれば、 3' - UCCCWUUWC - 5' (W= Aまたは C ; V= A, C, または G)
(配列番号: 1 ) の配列を好適に用いることができる。 特に 3' -UCCCAGUUUC-5' ( 配列番号: 2 ) 、 3' -UCCCACUUAC - 5, (配列番号: 3 ) 、 および 3' -UCCCACUUUC-5'
(配列番号: 4 ) が好ましい。 これらの配列は、 プラス鎖をコードする DNA配列で 表すとそれぞれ 5' - AGGGTCAMG - 3' (配列番号: 5 ) 、 5' -AGGGTGMTG - 3' (配列番 号: 6 ) 、 およぴ 5, - AGGGTGAMG- 3, (配列番号: 7 ) である。 センダイウィルス ベクターの E配列としては、 例えば 3' - AUUCUUUUU- 5' (配列番号: 8 ) (プラス鎖 をコードする DNAでは 5' - TMGMAAA- 3' (配列番号: 9 ) ) が好ましい。 I配列は 、 例えば任意の 3塩基であってよく、 具体的には 3' - GM- 5' (プラス鎖 DNAでは 5 , -CTT-3' ) を用 、ればよい。
本宪-明のベクターを細胞に感染させることにより、 ベクターからリポザィムを 転写させることができる。 例えばリボザィムとして細胞で発現する遺伝子の転写 産物を切断する活性を有するリポザィムをコ一ドさせておけば、 これを細胞に感 染させる工程により標的遺伝子の発現を抑制することが可能である。 標的遺伝子 の転写産物に対する切断活性を持つリボザィムをコードする本発明のベクターは 、 該標的遺伝子を発現する細胞に moi=10で感染させた場合に、 リボザィムをコー ドしない対照ベクターを同じ moiで感染させた場合に比べ、 標的遺伝子の発現レべ ルを好ましくは 70%以下に、 より好ましくは 75%以下に、 さらに好ましくは 60%以下 に低下させる能力を有する。
本発明のベタターはインビポで投与できる治療用ウィルスべクターとして有用 である。 本発明のベクターは宿主染色体に組み込まれないため安全であり、 通常 、 リポザィムを数日〜数週間以上にわたって発現可能であるため、 種々の疾患ま たは傷害の治療のために適用される。 本発明のベクターを治療用として局所投与 すれば、 in vivo (臨床応用) での局所的な高発現を期待できる。 特に、 リポザィ ムは癌の遺伝子治療における潜在的に有用なツールである (H. Kijiraa et al. , Ρ harmac. Ther., 1995, 68: 247-267; A. Irie et al., Int. J. Urol., 1997, 4: 3 29-337) 。 また癌に対する適用以外にも、 さまざまな用途が想定される。 例えば 、 AIDSなどを含む感染症に対する予防おょぴ治療において、 リボザィムをコード する本発明のベクターを用いた遺伝子治療が想定される (Rossi, J. J. , Curr. Op in. Mol. Ther. , 1999, 1 (3) : 316—22; Lewin, A. S. and Hauswirth, W. W. , Trend s Mol. Med. , 2001, 7 (5): 221-8; Gaughan, D. J. et al. , Biochim. Biophys. Ac ta, 1999, 1445 (1) : 1—20)。
本発明のべクターを製造するには、 哺乳動物細胞においてパラミクソウィルス のゲノム RNAを含む R Pの再構成に必要なウィルス蛋白質、 すなわち N、 P、 および L 蛋白質の存在下、 本発明のパラミクソウィルスのゲノム RNAをコ一ドする cDNAを転 写させる。 転写によりマイナス鎖ゲノム (ネガティブ鎖とも言う。 ウィルスゲノ ムと同じアンチセンス鎖) を生成させてもよく、 あるいはプラス鎖 (ポジティブ 鎖とも言う。 ウィルス蛋白質をコードするセンス鎖。 ) を生成させても、 ウィル ス RNPを再構成することができる。 ベクターの再構成効率を高めるには、 好ましく はプラス鎖を生成させる。 腿末端は、 天然のウィルスゲノムと同様に 3,リーダー 配列と 5' トレイラ一配列の末端をなるベく正確に反映させることが好ましい。 転 写産物の 5'端を正確に制御するためには、 例えば転写開始部位として T7 RNAポリ メラーゼ認識配列を利用し、 該 R Aポリメラーゼを細胞内で発現させればよい。 ま た、 転写産物の 3'端は自己切断により正確に末端が切り出されるようにすること ができる (Hasan, M. K. et al. , J. Gen. Virol. 78 : 2813 - 2820, 1997、 Kato, A. et al. , 1997, EMBO J. 16: 578 - 587及び Yu, D. et al. , 1997, Genes Cell s 2: 457-466) 。
例えばリポザィムをコードする組み換えセンダイウィルスベクターは、 Hasan, M. K. et al. , J. Gen. Virol. 78: 2813-2820, 1997、 Kato, A. et al. , 1997, EMBO J. 16: 578-587及ぴ Yu, D. et al. , 1997, Genes Cells 2: 457- 466の記 載等に準じて、 次のようにして構築することができる。
まず両端にクローユングのための制限酵素サイトを有するリポザィムをコ一ド する DNAを合成する。 ウィルスゲノム上に挿入された後のリポザィムとその両側の ウィルス遺伝子の 0RFとの間に E-I - S配列が配置されるように、 合成 DNA中に E- 1- S 配列を含めるようにする。 合成 DNAの長さは、 最終的な揷入断片の鎖長が 6の倍数 になるように塩基数を設計する (いわゆる 「6のルール (rule of six) 」 ; Kola kofski, D. et al. , J. Virol. 72 : 891-899, 1998; Calain, P. and Roux, L,, J . Virol. 67 :4822-4830, 1993 ; Calain, P. and Roux, L. , J. Virol. 67: 4822 - 4830, 1993) 。 E- 1- S配列は、 例えば揷入断片のオリゴ DNAの 3,側にセンダイウイ ルスのマイナス鎖の S配列、 I配列、 および E配列、 好ましくはそれぞれ 5,- CTTTCAC CCT-3' (配列番号: 1 0 ) 、 5,- MG- 3'、 および 5, - TTTTTCTTACTACGG - 3, (配列番 号: 1 1 ) が用いられる。 この断片をゥィルスゲノムをコードする cDNAに挿入す る。 例えばゲノム上のウィルス蛋白質をコードする 0RFとその上流の S配列の間に 挿入し、 リポザィムの両側のウィルス蛋白質遺伝子の 0RFとの間に、 それぞれ E - 1- S配列が 1つずつ配置されるようにする。
例えば、 ,袓み換えセンダイゥィルスゲノム cDNAであれば、 文献記載の方法に準 じて構築することができる (Yu, D. et al. , Genes Cells 2: 457-466, 1997; Ha san, M. K. et al. , J. Gen. Virol. 78: 2813 - 2820, 1997) 。 例えば、 リボザィ ムのセンス鎖の 3,側に E- 1 - S配列が連結した 2本鎖 DNAを合成する。 これをゲノムの センス鎖コードする cDNAの所望の S配列のすぐ 3'側に揷入する。 例えばプラス鎖ゲ ノムをコードする cDNAにおいて、 所望のウィルス蛋白質遺伝子のコード配列とこ れを転写する S配列の間に予め制限酵素部位を作っておき、 ここにリポザィム- E - I - S配列をコードする DNAを制限酵素部位を利用して揷入することができる (Tokus umi, T. et al. (2002) Virus Res 86 (1-2) , 33-8) 。 具体的には、 例えば P遺伝 子と M遺伝子の間にある S配列と M遺伝子の ORFとの間に挿入することで、 高いウイ ルス生産量を得ることが可能となる。
このようにして作製した組み換えパラミクソウィルスのゲノム RNAをコードする DNAを、 上記のウィルス蛋白質 (L、 P、 および N) 存在下で細胞内で転写させるこ とにより、 本発明のベクターを再構成することができる。 本発明は、 本発明のベ クターの製造のための、 本発明のベタターのウイノレスゲノム RNAをコードする DNA を提供する。 また本発明は、 本発明のベクターの製造に適用するための、 該べク ターのゲノム R Aをコードする DNAの使用に関する。 組み換えウィルスの再構成は 公知の方法を利用して行うことができる (W097/16539; W097/16538; Durbin, A. P. et al. , 1997, Virology 235: 323—332; Whelan, S. P. et al. , 1995, Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 92: 8388 - 8392; Schnell. M. J. et al. , 1994, EMB0 J.
13: 4195-4203; Radecke, F. et al. , 1995, EMB0 J. 14: 5773-5784; Lawson, N. D. et al. , Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92: 4477-4481; Garcin, D. et al. , 1995, EMB0 J. 14: 6087-6094; Kato, A. et al. , 1996, Genes Cells 1 : 569 - 579; Baron, M. D. and Barrett, T., 1997, J. Virol. 71 : 1265-1271; Bridgen , A. and Elliott, R. M. , 1996, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93: 15400-15404
) o これらの方法により、 パラインフルエンザ、 水疱性口内炎ウィルス、 狂犬病 ウィルス、 麻疹ゥィルス、 リンダ一ペストウィルス、 センダイゥィノレスなどを含 むマイナス鎖藤ウィルスを DNAから再構成させることができる。 これらの方法に 準じて、 本発明のベクターを再構成させることができる。 ウィルスベクター DNAに おいて、 F遺伝子、 HN遺伝子、 および/または M遺伝子を欠失させた場合には、 その ままでは感染性のウィルス粒子を形成しないが、 宿主細胞に、 これら欠失させた 遺伝子および/または他のウィルスのェンベロープ蛋白質をコードする遺伝子など を別途、 細胞に導入し発現させることにより、 感染性のウィルス粒子を形成させ ることが可能である。
具体的な手順は、 (a ) パラミクソウィルスゲノム R A (マイナス鎖 RNA) また はその相補鎖 (プラス鎖) をコードする cDNAを、 N、 P、 および L蛋白質を発現する 細胞で転写させる工程、 ( b ) 該細胞またはその培養上清から該ゲノム RNAを含む 複合体を回収する工程、 により製造することができる。 転写のために、 ゲノム RNA をコードする DNAは適当なプロモーターの下流に連結される。 転写されたゲノム R Aは N、 L、 およぴ P蛋白質の存在下で複製され RNP複合体を形成する。 そして M、 H N、 および F蛋白質の存在下でエンベロープに包まれたウィルス粒子が形成される 。 ゲノム醒をコードする DNAは、 例えば T7プロモーターの下流に連結させ、 T7 RN Aポリメラーゼにより RNAに転写させる。 プロモーターとしては、 T7ポリメラーゼ の認識配列を含むもの以外にも所望のプロモーターを利用することができる。 あ るいは、 インビトロで転写させた R Aを細胞にトランスフエクトしてもよい。
DNAからのゲノム RNAの最初の転写に必要な T7 RNAポリメラーゼ等の酵素は、 こ れを発現するプラスミドゃウィルスベクターの導入によって供給することができ るし、 または、 例えばこの遺伝子を細胞の染色体に、 発現を誘導できるように組 み込んでおき、 ウィルス再構成時に発現を誘導することにより供給することもで きる。 またゲノム RNA、 およびべクタ一再構成に必要なウィルス蛋白質は、 例えば これらを発現するプラスミドの導入によって供給する。 これらのウィルス蛋白質 の供給において、 野生型またはある種の変異パラミクソウィルスなどのヘルパー ウィルスを用いることもできるが、 これらのウィルスの混入を招くため好ましく ない。
ゲノム RNAを発現する DNAを細胞内に導入する方法には、 例えば次のような方法 、 ①目的の細胞が取り込めるような DNA沈殿物を作る方法、 ②目的の細胞による取 りこみに適し、 かつ細胞毒性の少ない陽電荷特性を持つ DNAを含む複合体を作る方 法、 ③目的の細胞膜に、 DNA分子が通り抜けられるだけに十分な穴を電気パルスに よって瞬間的に開ける方法などがある。
②としては、 種々のトランスフエクシヨン試薬が利用できる。 例えば、 D0TMA ( Roche) 、 Superfect (QIAGEN #301305) 、 D0TAP、 DOPE, DOSPER (Roche #1811169 ) などが挙げられる。 ①としては例えばリン酸カルシウムを用いたトランスフエ クシヨン法が挙げられ、 この方法によって細胞内に入った DNAは貧食小胞に取り込 まれるが、 核内にも十分な量の DNAが入ることが知られている (Graham, F. L. an d Van Der Eb, J., 1973, Virology 52: 456; Wigler, M. and Silverstein, S. ,
1977, Cell 11: 223) 。 Chenおよび Okayamaはトランスファー技術の最適化を検 討し、 1) 細胞と共沈殿物のインキュベーション条件を 2〜4% C02、 35°C、 15〜 24時間、 2) DNAは直鎖状より環状のものが活性が高く、 3) 沈殿混液中の DNA濃度 が 20〜30 μ §/πι1のとき最適な沈殿が得られると報告している (Chen, C. and Oka yama, H. , 1987, Mol. Cell. Biol. 7: 2745) 。 ②の方法は、 一過的なトランス フエクシヨンに適している。 古くは DEAE-デキストラン (Sigma #D- 9885 M. W. 5 X 105 ) 混液を所望の DNA濃度比で調製し、 トランスフヱクシヨンを行う方法が知ら れている。 複合体の多くはェンドソームの中で分解されてしまうため、 効果を高 めるためにクロ口キンを加えることもできる (Calos, M. P. , 1983, Proc. Natl.
Acad. Sci. USA 80: 3015) 。 ③の方法は電気穿孔法と呼ばれる方法で、 細胞選 択性がないという点で①ゃ②の方法に比べて汎用性が高い。 効率はパルス電流の 持続時間、 パルスの形、 電界 (電極間のギャップ、 電圧) の強さ、 バッファーの 導電率、 脆濃度、 細胞密度の最適条件下で良いとされている。
以上、 3つのカテゴリーの中で②の方法は操作が簡便で多量の細胞を用いて多 数の検体を検討することができるので、 ベクター再構成のための DNAの細胞への導 入には、 トランスフエクシヨン試薬が適している。 好適には Superfect Transfec tion Ragent (QIAGEN, Cat No. 301305) 、 または DOSPER Liposomal Transfecti on Reagent (Roche, Cat No. 1811169) が用いられるが、 これらに制限されなレヽ cDNAからのウィルスの再構成は具体的には例えば以下のようにして行うこと力 S できる。
24穴から 6穴程度のプラスチックプレートまたは 100mmぺトリ皿等で、 10%ゥシ 胎児血清 (FCS)および抗生物質 (100 units/ml ペニシリン Gおよび 100 μ g/ml スト レプトマイシン) を含む最少必須培地 (MEM)を用いてサル腎臓由来細胞株 LLC- MK2 をほぼ 100%コンフルェントになるまで培養し、 例えば 1 μ g/ml psoralen (ソラ レン) 存在下 UV照射処理を 20分処理で不活化した、 T7 RNAポリメラーゼを発現す る組換えワクシニアウィルス vTF7- 3 (Fuerst, T. R. et al. , Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 83: 8122-8126, 1986、 Kato, A. et al. , Genes Cells 1: 569-579, 19 96) を 2 PFU/細胞で感染させる。 ソラレンの添加量および UV照射時間は適宜調整 することができる。 感染 1時間後、 2〜60 ^ g、 より好ましくは 3〜20 §の組換えセ ンダイウィルスのゲノム RNAをコードする DNAを、 ウィルス RNPの生成に必須なトラ ンスに作用するウィルス蛋白質を発現するプラスミド (0. 5〜24 の 6£¾1-1^ 0. 2 5〜: 12 ;ί gの pGEM— P、 ぉょぴ0. 5〜24 / 3の 6£ー (Kato, A. et al. , Genes Cells
1: 569-579, 1996) と共に Superfect (QIAGEN社) を用いたリポフエクシヨン法 等により トランスフエクションする。 N、 P、 および Lをコードする発現べクタ一の 量比は 2 : 1 : 2 とすることが好ましく、 プラスミド量は、 例えば l〜4 i gの pGEM- N、 0. 5〜2 /x gの pGEM - P、 およぴ 1〜4 μ gの pGEM- L程度で適宜調整する。
トランスフエクションを行った細胞は、 所望により 100 ," g/mlのリファンピシン
(Sigma) 及ぴシトシンァラビノシド (AraC) 、 より好ましくは 40μ g/mlのシトシ ンァラビノシド (AraC) (Sigma) のみを含む血清不含の MEMで培養し、 ワクシニ ァウィルスによる細胞毒性を最少にとどめ、 ウィルスの回収率を最大にするよう に薬剤の最適濃度を設定する (Kato, A. et al. , 1996, Genes Cells 1: 569—579 ) 。 トランスフエクシヨンから 48~72時間程度培養後、 細胞を回収し、 凍結融角 を 3回繰り返して細胞を破砕した後、 RNPを含む破碎物を LLC-MK2細胞に再度トラ ンスフエクシヨンして培養する。 または、 培養上清を回収し、 LLC ΜΚ2細胞の培養 液に添加して感染させ培養する。 トランスフヱクシヨンは、 例えばリボフェクト ァミンゃポリカチォニックリボソームなどと共に複合体を形成させて細胞に導入 することが可能である。 具体的には、 種々のトランスフエクシヨン試薬が利用で きる。 例えば、 DOTMA (Roche) 、 Superfect (QIAGEN #301305) 、 D0TAP、 DOPE, D OSPER (Roche #1811169) などが挙げられる。 エンドソーム中での分解を防ぐため 、 クロロキンを加えることもできる (Calos, M. P. , 1983, Pro Natl. Acad. S ci. USA 80: 3015) 。 RNPが導入された細胞では、 RNPからのウィルス遺伝子の発 現および RNPの複製の過程が進行しベクターが増幅する。 得られたウィルス溶液 ( 培養上清) を適宜希釈して再増幅を繰り返すことにより、 ワクシニアウィルス vTF 7 - 3は完全に除去することができる。 再増幅は、 例えば 3回以上繰り返す。 得られ たベクターは - 80°Cで保存することができる。 エンベロープ蛋白質をコードする遣 伝子を欠損した複製能を持たないウィルスベクタ一を再構成させるには、 ェンべ ロープ蛋白質を発現する LLC-MK2細胞をトランスフエクションに使用するか、 また はエンベロープ発現プラスミドを共にトランスフエクシヨンすればよい。 また、 トランスフエクションを行つた細胞にェンベロープ蛋白質を発現する LLC -狐 2細胞 を重層して培養することによってェンベロープ遺伝子欠損型のウィルスベクター を増幅することもできる (国際公開番号 V/000/70055 および WO00/70070参照) 。 回収されたウイルスの力価は、 例えば CIU (Cell Infectious Unit) 測定または 赤血球凝集活性 (HA)の測定することにより決定することができる (W000/70070 ; K ato, A. et al. , 1996, Genes Cells 1: 569-579; Yonemitsu, Y. & Kaneda, Y. ,
Hemaggulut inat ing virus of Japan— liposome— mediated gene delivery to vase ular cells. Ed. by Baker AH. Molecular Biology of Vascular Diseases. Meth od in Molecular Medicine : Humana Press : pp. 295—306, 1999) 。 また、 GFP ( 緑色蛍光蛋白質) などのマーカー遺伝子を搭載したベクターについては、 マーカ 一を指標に直接的に感染細胞を力ゥントすることにより力価を定量することがで きる (例えば GFP-CIUとして) 。 このようにして測定した力価は、 CIUと同等に扱 うことができる (TO00/70070) 。
ウィルスベクターが再構成する限り、 再構成に用いる宿主細胞は特に制限され ない。 例えば、 センダイウィルスベクター等の再構成においては、 LLC - MK2細胞、 サル腎由来の CV-1細胞、 ハムスター腎由来の BHK細胞などの培養細胞、 ヒト由来細 胞等を使うことができる。 これらの細胞に適当なエンベロープ蛋白質を発現させ ることで、 そのエンベロープを有する感染性ウイルス粒子を得ることもできる。 また、 大量にセンダイウィルスベクターを得るために、 上記の宿主から得られた ウィルスベクターを発育鶏卵に感染させ、 該べクターを増幅することができる。 鶏卵を使ったウィルスベクターの製造方法は既に開発されている (中西ら編, (19 93), 「神経科学研究の先端技術プロトコール III, 分子神経細胞生理学」 , 厚生社 , 大阪, pp. 153-172) 。 具体的には、 例えば、 受精卵を培養器に入れ 9〜12日間 3 7〜38°Cで培養し、 胚を成長させる。 ウィルスベクターを尿膜腔へ接種し、 数日間 (例えば 3日間) 卵を培養してウィルスベクターを増殖させる。 培養期間等の条 件は、 使用する組み換えセンダイウィルスにより変わり得る。 その後、 ウィルス を含んだ尿液を回収する。 尿液からのセンダイウィルスベクターの分離 *精製は 常法に従って行うことができる (田代眞人, 「ウィルス実験プロトコール」 , 永井 、 石浜監修, メジカルビユー社, pp. 68-73, (1995) ) 。
例えば、 F蛋白質を欠失したセンダイウィルスベクターの構築と調製は、 以下の ように行うことができる (国際公開番号 TO00/70055および W000/70070参照) 。 <1> F欠失型センダイウィルスゲノム cDNAおよぴ F発現プラスミドの構築
センダイウィルス (SeV) 全長ゲノム cDNA、 pSeV18+ b (+) (Hasan, M. K. et al ., 1997, J. General Virology 78: 2813 - 2820) ( 「PSeV18+ b (や)」 は 「pSeV18+ 」 ともいう) の cDNAを Sphl/Kpnlで消化してフラグメント(14673bp)を回収し、 pUC 18にクローユングしてプラスミド pUC18/KSとする。 F欠損部位の構築はこの pUC18/ KS上で行う。 F遺伝子の欠損は、 PCR-ライゲーシヨン方法の組み合わせで行い、 結 果として F遺伝子の ORF (ATG- TGA=1698bp) を除いて例えば atgcatgccggcagatga ( 配列番号: 1 2 ) で連結し、 F欠失型 SeVゲノム cDNA (PSeV18+/ AF) を構築する 。 PCRは、 Fの上流には [forward: 5, -gttgagtactgcaagagcZ配列番号: 1 3, rev erse : 5 -tttgccggcatgcatgtttcccaaggggagagttttgcaacc/ @Β^ ¾ --^: 丄 4 ] 、 F 遺伝子の下流には [forward: &—atgcatgccggcagatga/酉 3歹!]番"^: 1 5 , reverse : 5, - tgggtgaatgagagaatcagc/配列番号: 1 6 ] のプライマー対を用いた PCRの産 物を EcoT22Iで連結する。 このように得られたプラスミドを Saclと Sailで消化して 、 F欠損部位を含む領域の断片 (4931bp) を回収して pUC18にクローニングし、 pUC 18/dFSSとする。 この PUC18/dFSSを Dralllで消化して、 断片を回収して pSeV18+の F 遺伝子を含む領域の Dralll断片と置き換え、 ライゲーシヨンしてプラスミド pSeVl 8V AF を得る。 外来遺伝子は、 例えば pUC18/dFSSの F欠失部位にある制限酵素 N s i Iおよび NgoMIV部位に揷入する。
<2> SeV- F蛋白を誘導発現するヘルパー細胞の作製
センダイウィルスの F遺伝子 (SeV- F) を発現する Cre/loxP誘導型発現プラスミ ドの構築は SeV- F遺伝子を PCRで增幅し、 Cre DNAリコンビナーゼにより遺伝子産物 を誘導発現されるように設計されたプラスミド pCALNdlw (Arai, T. et al., J. V irology 72, 1998, plll5-1121) のユニークサイト Swal部位に揷入し、 プラスミ ド pCALNdLw/Fを構築する。
F欠損ゲノムから感染ゥィルス粒子を回収するため、 SeV-F蛋白を発現するヘル パー細胞株を樹立する。 細胞は、 例えば SeVの増殖によく用いられているサル腎臓 由来細胞株 LLC - MK2細胞を用いることができる。 LLC-MK2細胞は、 10%の熱処理し た非働化ゥシ胎児血清 (FBS;)、 ペニシリン Gナトリウム 50単位/ ml、 およびストレ プトマイシン SO g/mlを添加した MEMで 37°C、 5% C02で培養する。 SeV- F遺伝子 産物は細胞傷害性を有するため、 Cre DNAリコンビナーゼにより F遣伝子産物を誘 導発現されるように設計された上記プラスミド pCALNdLw/Fを、 リン酸カルシゥム 法 (mammalian transfection kit (Stratagene) ) により、 周知のプロトコールに 従つて LLC- MK2細胞に遺伝子導入を行う。
10cmプレートを用い、 40%コンフルェントまで生育した LLC-MK2細胞に 10 の プラスミ ド pCALNdLw/Fを導入後、 10mlの 10% FBSを含む MEM培地にて、 37。Cの 5 %C 02 インキュベータ一中で 24時間培養する。 24時間後に細胞をはがし、 10ml培地に 懸濁後、 10cmシャーレ 5枚を用い、 5ml 1枚、 2ml 2枚、 0. 2ml 2枚に蒔き、 G418 ( GIBC0-BRL)を 1200 i g/mlを含む 10mlの 10%FBSを含む MEM培地にて培養を行い、 2日 毎に培地交換しながら、 14日間培養し、 遺伝子の安定導入株の選択を行う。 該培 地により生育してきた G418に耐性を示す細胞はクローニングリングを用いて回収 する。 回収した各クローンは 10cmプレートでコンフルェントになるまで拡大培養 を続ける。
F蛋白質の発現誘導は、 細胞を 6cmシャーレにてコンフルェントまで生育させた 後、 アデノウイルス AxCANCreを斉藤らの方法 (Saito et al. , Nucl. Acids Res. 23: 3816 - 3821 (1995) ; Arai, T. et al. , J. Virol 72, 1115— 1121 (1998) ) によ り例えば moi=3 で感染させて行う。
<3> F欠失 SeVウィルスの再構築及び増幅
上記 SeV18V AF に外来遗伝子が挿入されたプラスミ ドを以下のようにして LL C - MK2細胞にトランスフエクションする。 LLC-MK2 細胞を 5 X 106 cells/dish で 100 mmのシャーレに播く。 T7 RNAポリメラーゼによりゲノム腿の転写を行わせる場合 には、 細胞培養 24時間後、 ソラレン (psoralen) と長波長紫外線 (365nm) で 20 分間処理した T7脆ポリメラーゼを発現するリコンビナントワクシニアウィルス
(PL而 V— VacT7: Fuerst, T. R. et al. , Pro Natl. Acad. Sci. USA 83, 8122 - 8 126 (1986) ) を M0I 2程度で室温で 1時間感染させる。 ワクシニアウィルスへの紫 外線照射には、 例えば 15ヮットバルブを 5本が装備された UV Stratal inker 2400
(カタログ番号 400676 (100V) , ストラタジーン社, La Jolla, CA, USA) を用い 0944
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ることができる。 細胞を無血清の MEMで洗浄した後、 ゲノム R Aを発現するプラス ミド、 およびパラミクソウィルスのそれぞれ N、 P、 L、 F、 および HN蛋白質を発現 する発現プラスミドを、 適当なリポフエクシヨン試薬を用いてこの細胞にトラン スフエタトする。 プラスミドの量比は、 これに限定されないが、 好適には順に 6 : 2 : 1 : 2 : 2 : 2 とすることができる。 例えば、 ゲノム RNAを発現するプラスミド 、 並びに N、 P、 L、 および Fプラス HN蛋白質を発現する発現プラスミド (pGEM/NP , pGEM/P, pGEM/L及び pGEM/F- HN ; W000/70070, Kato, A. et al. , Genes Cells 1 , 569-579 (1996) ) を、 それぞれ 12 , u g, 4 ju g, 2 μ g, 4 g及ぴ 4 μ gZdishの量比 トランスフエクトする。 数時間培養後、 血清を含まなレ、 MEMで細胞を 2回洗浄し、 40 μ g/mLの Cytosme β -D-arabmofuranoside (AraC: Sigma, bt. Louis, MO) 及ぴ 7. 5 μ g/mLの Trypsin (Gibco - BRL, Rockvi lle, MD) を含む MEMで培養する。 こ れらの細胞を回収し、 ペレットを OptiMEMに懸濁する (107 cells/ml) 。 凍結融 解を 3回繰り返して lipofection reagent DOSPER (Boehringer mannheim)と混合 し (106cells/25 /z l DOSPER) 室温で 15分放置した後、 上記でクローユングした F 発現ヘルパー細胞にトランスフエクシヨン (106cells /Veil 12iell- plate) し 、 血清を含まない MEM (40 μ g/ml AraC, 7. 5 μ § トリプシンを含む)で培養し、 上清を回収する。 F以外の遺伝子、 例えば ΗΝまたは Μ遺伝子を欠損したウィルスも 、 これと同様の方法で調製することができる。
ウィルス遺伝子欠損型ベクターを調製する場合、 例えば、 ベクターに含まれる ゥィルスゲノム上で欠損しているウイルス遺伝子が異なる 2種またはそれ以上の ベクターを同じ細胞に導入すれば、 それぞれで欠損するウィルス蛋白質が、 他の ベクターからの発現により供給されるため、 互いに相補しあって感染力のあるゥ ィルス粒子が形成され、 複製サイクルがまわりウィルスベクターが増幅される。 すなわち、 2種またはそれ以上の本発明のベクターを、 ウィルス蛋白質を相補す る組み合わせで接種すれば、 それぞれのゥィルス遺伝子欠損型ウイルスベクター の混合物を大量かつ低コストで生産することができる。 これらのウィルスは、 ゥ ィルス遺伝子が欠損しているため、 ウイ"^ ^!伝子を欠損していないウィルスに 比べゲノムサイズが小さくなりサイズの大きい外来遺伝子を保持することができ る。 また、 ウィルス遺伝子の欠損により増殖性がないこれらのウィルスは細胞外 で希釈され共感染の維持が困難であることから、 不稳化するため、 環境放出管理 上の利点がある。
なお、 複製性のパラミクソウィルスベクターを個体や細胞に投与後、 治療が完 了するなどウィルスベクターの増殖を抑止する必要が生じた際には、 舰依存性 RN Aポリメラーゼ阻害剤を投与すれば、 宿主に障害を与えずにウィルスベクターの增 殖だけを特異的に抑止することもできる。
本発明の方法によれば、 本発明のウィルスベクターは、 例えば 1 X 105 CIU/mL 以上、 好ましくは 1 X 106 CIU/mL以上、 より好ましくは 5 X 106 CIU/mL以上、 より 好ましくは I X 107 CIU/mL以上、 より好ましくは 5 X 107 CIU/mL以上、 より好まし くは 1 X 108 CIU/mL以上、 より好ましくは 5 X 108 CIU/mL以上の力価でウィルス産 生細胞の細胞外液中に放出させることが可能である。 ウィルスの力価は、 本明細 書おょぴ他に記載の方法により測定することができる (Kiyotani, K. et al. , Vi rology 177 (1) , 65-74 (1990); W000/70070)
回収したパラミクソウィルスベクターは実質的に純粋になるよう精製すること ができる。 精製方法はフィルトレーシヨン (濾過) 遠心分離、 およびカラム精 製等を含む公知の精製 ·分離方法またはその組み合わせにより行うことができる 。 「実質的に純粋」 とは、 ウィルスベクターが、 それが存在する試料中の成分と して主要な割合を占めることを言う。 典型的には、 実質的に純粋なゥィルスべク ターは、 試料中に含まれる全蛋白質 (但しキャリアーや安定剤などとして添加し た蛋白質などは除く) のうち、 ウィルスベクター由来の蛋白質の割合が例えば 10 %以上、 好ましくは 20%以上、 好ましくは 50%以上、 好ましくは 70%以上、 より 好ましくは 80%以上、 さらに好ましくは 90%以上を占めることにより確認するこ とができる。 パラミクソウィルスの具体的な精製方法としては、 例えばセルロー ス硫酸エステルまたは架橋ポリサッカライド硫酸エステルを用いる方法 (特公昭 6 2- 30752号公報、 特公昭 62- 33879号公報、 および特公昭 62- 30753号公報) 、 および フコース硫酸含有多糖および/またはその分解物に吸着させる方法 (TO97/32010) 等を例示することができる。
ベクターを含む組成物の製造においては、 ベクターは必要に応じて薬理学的に 許容される所望の担体または媒体と組み合わせることができる。 「薬学的に許容 される担体または媒体」 とは、 ベクターと共に投与することが可能であり、 べク ターによる遺伝子導入を有意に阻害しなレ、材料である。 例えばベクターを生理食 塩水やリン酸緩衝生理食塩水 (PBS) などで適宜希釈して組成物とすることができ る。 ベクターを鶏卵で増殖させた場合等においては尿液を含んでよい。 またべク ターを含む組成物は、 脱イオン水、 5%デキストロース水溶液等の担体または媒体 を含んでいてもよい。 さらに、 その他にも、 植物油、 懸濁剤、 界面活性剤、 安定 剤、 殺生物剤等が含有されていてもよい。 また保存剤やその他の添加剤を添加す ることができる。 本発明のベクターを含む組成物は試薬として、 および医薬とし て有用である。
ベクターの投与量は、 疾患、 患者の体重、 年齢、 性別、 症状、 投与目的、 投与 組成物の形態、 投与方法、 導入遺伝子等により異なるが、 当業者であれば適宜決 定することが可能である。 投与経路は適宜選択することができるが、 例えば経皮 的、 鼻腔内的、 経気管支的、 筋内的、 腹腔内、 静脈内、 関節内、 脊髄腔内、 また は皮下等に行われうるがそれらに限定されない。 また局所あるいは全身に投与し 得る。 投与されるべクター量は好ましくは約 105 CIU/mlから約 10" CIU/ml、 より好 ましくは約 107 CIU/mlから約 10g CIU/ml 最も好ましくは約 1 X 10s CIU/mlから約 5 X 108 CIU/mlの範囲内の量を薬学上容認可能な担体中で投与することが好ましい。 ヒトにおいては 1回当たりの投与量は 2 X 105 CIU〜 2 X 101Q CIUが好ましく、 投 与回数は、 1回または臨床上容認可能な副作用の範囲で複数回可能であり、 1日 の投与回数についても同様である。 ヒト以外の動物についても、 例えば目的の動 物とヒトとの体重比または投与標的部位の容積比 (例えば平均値) で上記の投与 量を換算した量を投与することができる。 本発明のベクターを含む組成物の投与 対象としては、 ヒト、 サル、 マウス、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ゥシ、 ィヌなど 全ての哺乳動物が含まれる。 図面の簡単な説明
図 1は、 K-rasを特異的に切断するリボザィムの構造 (A) および活性 (B) を示 す図おょぴ写真である。 標的部位の塩基配列およびコードされるアミノ酸配列を それぞれ配列番号: 3 1および 3 2、 リポザィムの塩基配列を配列番号: 3 3に 示した。
図 2は、 K-rasを特異的に切断するリボザィムをコ一ドするセンダイウィルスべ クタ一の構築スキームを示す図である。 ベクターにおいてリポザィムの両端に付 加される塩基の配列をそれぞれ配列番号: 3 5および 3 6、 EIS配列を配列番号: 3 4、 pSeV (+)PMのクローニング部位周辺の塩基配列を配列番号: 3 7に示した。 図 3は、 K - rasを特異的に切断するリボザィムをコ一ドするセンダイウィルスべ クタ一の活性を示す写真および図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、 本発明はこれら実施例 に制限されるものではない。 なお、 本明細書中に引用された文献は、 本明細書の 一部として組み込まれる。
[実施例 1 ] プラスミドの構築
リポザィムをコードした合成オリゴヌクレオチドを表 1に示した。 ターゲット は V12変異 K - rasの 1 2番目の変異したパリン部位とした。 この部位をターゲット したリポザィムはすでに幾例カゝ報告されており、 今回表 1で示した KRZaは Tokunag aらと Zhangら (Tokunaga, T. et al. (2000) Br J Cancer 83 (6) , 833 - 9 ; Zhang, Y. A. et al. (2000) Gene Ther 7 (23) , 2041-50) 、 KRZb (図 1 A上段) は Funato ら (Funato, T. et al. (2000) Cancer Gene Ther 7 (3) , 495-500) のデザインし たものを参考に作製した。 今回はさらに認識部位の長さの異なる KRZc、 KRZdをデ ザインした。 それぞれの配列は KRZa (sense: 5' -CTAGCTACGCCCTGATGAGTCCGTGAGGAC GAMCAGCTGGTAC- 3, ,配列番号: 1 7, antisense: 5' -CAGCTGTTTCGTCCTCACGGACTCA TCAGGGCGTAG- 3, Z配列番号: 1 8 ) 、 KRZb (sense: 5' -TGCCTACGCCCTGATGAGTCCGTG AGGACGAAACAGCTCCMCTAGG- 3' /配列番号: 1 9、 antisense: 5' -CTAGTTGGAGCTGTTT CGTCCTCACGGACTCATCAGGGCGTAGGCAGG-3' Z配列番号 : 2 0 ) 、 KRZc (5, -CTAGCCCAC TCTTGCCTACGCCCTGATGAGTCCGTGAGGACGAAACAGCTCC CTACCAC GGTAC- 3' /配列番号
: 2 1、 sntisense: 5' -CTTGTGGTAGTTGGAGCTGTTTCGTCCTCACGGACTCATCAGGGCGTAGGCA AGAGTGGG— 3, /配列番号: 2 2 )、 KRZd (sense: 5' -CTAGCCTCAAGGCACTCTTGCCTACGCC CTGATGAGTCCGTGAGGACGAAACAGCTCCAACTACCACAAGTTTATGGTAC-3' ,配列番号: 2 3、 antisense: 5, -CATAAACTTGTGGTAGTTGGAGCTGTTTCGTCCTCACGGACTCATCAGGGCGTAGGCAAG AGTGCCTTGAGG- 3' /配列番号: 2 4 ) の配列である。 それぞれの両端には Nhel部位 および Kpnl部位を付加した。 センス鎖およびァンチセンス鎖をそれぞれ等量混合 してアニーリングさせ、 pcDNA3. 1 - hygro (+)、 センダイウィルスのミニゲノムを搭 載した PAG270と pSeV (+) PM (Tokusumi, T. et al. (2002) Virus Res 86 (1-2) , 3 3-8) にサブクローニングした (図 1 A中段) 。 リポザィムを組み込んだ pAG270は 、 5' -GGCCGCGCTAGCTTGCTCGAGCAAGGCGCGCCTCCGTAAGAAAAACTTAGGGTGAAAGTTCATCGC-3 ' (配列番号: 2 5 ) および 5,- GGCCGCGATGMCTTTCACCCTMGTTTTTCTTACGGAGGCGCG CCTTGCTCGAGCAAGCTAGCGC-3' (配列番号: 2 6 ) をアニーリングさせたものを pSeV 18+ (Hasan, M. K. et al. , 1997, J. General Virology 78 : 2813 - 2820) の Notl 部位にライゲーションし、 その後 Nhel - Kpnlで消化してウィルスゲノムの中央部の 大半を除去し、 その部位にリポザィムをコードする合成 DNAをライゲーシヨンして 構築した。 In vitroでリポザィムの活性をみるための基質として K - ras cDNAの 1 - 1 71bpの領域を PCRで増幅し、 pCRII (イビトロジヱン) へ TA cloningした (図 1 A下 段) 。 プライマーの配列は以下の通り : 5' - ATGAGGGACCAGTACATGAGGA - 3' (配列番 号: 2 7 ) および 5' - GTCGAGMTATCCMGAGACAGGTTTCTCC- 3, (配列番号: 2 8 ) 。
5'- GTAGC TACGCCCTGATGAGTCCGTGAGGACGAMCAGCT GGTAC-3'
KZa: 3' -G ATGC6G6AGTACTCAGGCAGTCCTGGTTTGTGGA C-5'
, 5'-GTAGC CTGGCTAC6CCCTGATGAGTCCGTGA6GACGAAACAGCTCCAAGTA 6GTAG-3'
mm 3'-G GAC6GAT6CGGGACTACTCAGGCAGTCCTGGTTTGTCGAGGTT6AT C-5'
KRZ 5'-CTAGC CCACTCTTGCCTACGCCCT6AT6A6TCCGTGAGGACGAAACAGGTCC CTACCACM GGTAG-3'
• 3' -6 GGTGAGAACGGATGCGGGACTACTGAGGCAGTCCTGCTTTGTC6AGGTTGATGGTGTT C-5'
KRZd- 5' -GTAGC CTCAAGGGACTGTTGCGTAG6CCCT6ATGAGTCCGTGAGGACGAAACAGCTGCAACTAGCACAAGTTTAT GGTAC-3' ' 3' -G GAGTTGCGTGA6AAC6GAT6C6G6ACTACTCAG6CACTCCTGCTTT6TC6AGGTT6AT66T6TTCAAATA C-5'
(表中の塩基配列は、 上から順に配列番号: 1 7〜2 4である)
[実施例 2 ] In vitro切断アツセィ
SeVなどパラミクソウイルスに特有な配列である転写終結配列、 介在配列と転写 開始配列がリポザィムの活性に影響するかを調べた。 32Pラベルされた RNA基質を 調製するため、 pCRII/K- rasl71を直鎖状にし、 SP6 RNA polymeraseで [ o; -32P]UTP 存在下で転写し、 これを 8 Μ尿素を含む 6%ポリアクリルアミド電気泳動で精製し た。 —方リボザィムは直鎖状にしたプラスミドから Τ7 RNA polymeraseで転写した 。 約 5000cpm の32 Pラベルされた R A基質と 10 i g リボザィムを cleavage用のバッフ ァー (40 mM Tris-HCl (pH7. 5), 20 mM MgCl2, 2 mM spermidine, および 10 raM DTT) 存在下で混合し、 37°Cでー晚反応させた。 これらを 8 M尿素入りの 6%ポリ アクリルアミドゲルで電気泳動し、 BAS2000で解析した。 その結果を図 1 Bに示す 。 パラミクソウィルス特有の配列を含まないリポザィムに比べて少し活性は落ち るものの、 ほとんど影響がないと判断した。 また KRZaはパラミクソウィルス特有 の配列を含むものおょぴ含まないもの共に活性が低いため、 SeVベタターには搭載 しないことにした。
[実施例 3 ] 組み換え SeVべクターの作製
SeVベクターは基本的に文献 (Tokusumi, T. et al. (2002) Virus Res 86 (1-2) , 33-8) に記した方法で作製した。 pAC116のマルチクロー-ングサイトを改変し N hel - Kpnlサイトを導入した。 5,-クロー-ングサイトは、 Notl部位に挟まれた 72me rの断片 (5, -GGCCGCACTCGAGTTCGCTAGCTTGGCGCGCCGGTACCTCCGTAAGAAAAACTTAGGGTCA MGTTCATCGC- 3 'ノ配列番号: 2 9 ) からなり、 Nhel部位、 Kpnl部位、 および EIS配 列を含む。 この hel-Kpnl部位にリポザィムをコードした DNAをサブクローニング した。 これを Notlで切り出し、 SeV (+) PM (Tokusumi, T. et al. (2002) Virus R es 86 (1-2) , 33-8) の Notl サイトにサブクローニングした (図 2 ) 。 pSeV (+) PM の Notl サイト周辺の配列は、 5,- AGGGTGAMGAMTTTCACCTMGCGGCCGCMTG- 3, (下 線部は順に S配列、 Notl部位、 および開始コドン) (配列番号: 3 0 ) である。 こ れを LLC-MK2に T7 RNA polymerase を発現するワクシニアウィルス VacT7感染下で トランスフエクシヨンした。 三日後、 細胞を回収し、 凍結-融解を三回繰り返し、 ライセートを作製し、 これを 10日鶏卵に接種し増幅した。
[実施例 4 ] ウェスタンプロット
ヒト大腸ガン細胞株である SW480に組み換え SeVを moi=10で感染させ、 二日後細 胞を回収した。 回収した細胞を SDS-PAGEサンプルバッファに溶解させ、 100。Cで '処理した後 10〜20% SDS - PAGEを行い、 その後、 PVDF膜 (ミリボア) に転写し、 ヒ 卜 K - ras抗体 (Oncogene) 、 抗 GAPDH抗体 (TREVIGEN) でウェスタンプロットを行 つた。 検出は ECL- plus- (アマシャム) で行い、 イメージアナライザー LAS1000で 解析、 定量した (図 3 ) 。 パンドの濃さをイメージアナライザーで定量し、 抗 GAP DH抗体で定量した値で補正を行つた。 その結果、 、ずれのリポザィムをコードす るセンダイウィルスも、 内因性の K- rasの発現を抑制することが判明した。 このこ とから SeVで活性のあるリボザィムの発現が可能であることが分かった。 最も短い リボザィムでは効果は少ないが、 鎖長の長いリポザィムを搭載するべクターを用 いるほど効果が高く、 もっとも長い認識部位をもつ KRZcを組み込んだ SeVでもつと も効果が高かった。 産業上の利用の可能性
本発明により、 リポザィムを発現するパラミクソウィルスベクタ一が提供され た。 本宪明のベクターは、 細胞内の所望の標的遺伝子の発現を抑制することがで きる。 パラミクソウィルスベクターは広い細胞種に遺伝子を導入することができ るため、 インビポまたはェクスビポにより生体内に投与するための遺伝子治療べ クタ一として適している。 特に疾患の原因となる遺伝子の発現を抑制するリボザ ィムをコードするベクターは、 その疾患に対する遺伝子治療に有用である。

Claims

請求の範囲
1. 触媒作用をもつ腿をコードするパラミクソウィルスベクター。
2. 該 R Aの鎖長が 50ヌクレオチド以上であることを特徴とする、 請求項 1に記載 のパラミクソウイノレスベクター。
3. 該 R Aの鎖長が 60ヌクレオチド以上であることを特徴とする、 請求項 1に記載 のパラミクソウイノレスベタター。
4. 該 R Aがハンマーヘッドリポザィムである、 請求項 1に記載のパラミクソウイ ノレスベタター。
5. パラミクソウィルスがセンダイウィルスである、 請求項 1に記載のウィルス ^々タ、 ~" ·
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