WO2004051800A1

WO2004051800A1 - チップアンテナ、チップアンテナユニット及びこれらを用いた無線通信装置

Info

Publication number: WO2004051800A1
Application number: PCT/JP2003/015119
Authority: WO
Inventors: Yasumasa Harihara
Original assignee: Tdk Corporation
Priority date: 2002-11-29
Filing date: 2003-11-27
Publication date: 2004-06-17
Also published as: US7023385B2; KR20050085045A; TW200409403A; US20040119647A1; EP1569296A1; TWI247451B

Abstract

積層構造の基体の複数層に形成され、少なくともパターンの一部が積層方向に対して相互に重なり合っていないパターンアンテナＡ１，Ａ２'と、基体の表面に形成され、パターンアンテナＡ１，Ａ２'に接続される給電端子１２とを有する。パターンアンテナＡ１，Ａ２'のパターン相互間の積層方向の重なり合いをなくしたので、他方のパターンアンテナの周波数特性に影響を与えることなく、一方のパターンアンテナを任意の共振周波数に設定し得る。パターンアンテナＡ２'は、矩形形状を有する第１のエリア及び第１のエリアから連続して延びる第２のエリアを備える。第１のエリアにおける第２のエリアの延びる方向に沿った辺の長さと第２のエリアの長さとを調整すれば所望の共振波形が得られる。

Description

明細書チップアンテナ、チップアンテナュニット及ぴこれらを用いた無線通信装置

技術分野

本発明は、無線通信装置である携帯電話機や移動端末の内蔵アンテナ等として用いられるチップアンテナ及ぴ該チップアンテナが実装基板に搭載されたチップアンテナュュットに関する。背景技術

携帯電話機などの移動端末では、例えば 8 0 0 MH z帯域と 1 5 0 0 MH z帯域という複数の周波数帯域で使用可能なダイバーシチ受信用の小型チップアンテナが用いられている。かかる小型チップアンテナの一例は、例えば、特開平 1 1 - 3 1 9 1 3号公報に開示されている。当該公報では、導体と、導体の中間部に揷入されたトラップ回路を備え、チップアンテナ全体での共振と、トラップ回路までの共振との 2つの共振を得る技術が開示されている。

また、特開 2 0 0 2— 1 1 1 3 4 4号公報では、チップアンテナと基板上に構成されたパターンアンテナとで 2つの共振を得る技術が開示されている。

し力しながら、特開平 1 1— 3 1 9 1 3号公報に記載の技術によれば、 2つの共振を得ることはできるが、構造が複雑になるのみならず、トラップ回路の抵抗によりアンテナ効率が劣化する。

また、特開 2 0 0 2— 1 1 1 3 4 4号公報に記載の技術によれば、基板上に導体線路パターンでアンテナを作製するので、アンテナ部分は非常に大きくなってしまい、小型化の要請に反する。

なお、 2つの共振のそれぞれの共振周波数帯域を近づけると広い周波数帯域において共振が得られる、いわゆるワイドバンドのチップアンテナとなるが、前述した公報記載の技術でこのようなチップアンテナを作製した場合でも、同様の問題が発生する。 · .

このような状況下、簡易な構造で複数の又は広い周波数帯域において共振を得ることのできるチップアンテナの開発が切望されている。ところで、アンテナ素子を積層構造にして複数のパターンアンテナを積層配置すれば、複数の共振を有するチップアンテナを簡易な構造で小型ィ匕することができる。

しかしながら、一方のパターンアンテナの形状を変えて周波数特性を調整すると、他方のパターンアンテナの周波数特性まで変わってしまう。これでは、任意の共振周波数に設定することが困難になる。

一方、チップアンテナを実装基板に搭載したときに、線路のパターンなどの影響を受けてアンテナの周波数特性が僅かながら変化することがある。

この場合、既存のチップアンテナでは周波数特性を微調整することができないためにアンテナ自体を取り替えなければならない。そして、周波数特性が僅かに異なるアンテナ ^¾を何種類も用意しておかなくてはならない。これでは、生産性が甚だしく悪化してしまう。

そこで、本発明の目的は、簡易な構造で複数の又は広い周波数帯において共振を得ることのできるチップアンテナを提供することにある。

本発明の他の目的は、他方のパターンアンテナ周波数特性に影響を与えることなく所定のパターンァンテナを任意の共振周波数に設定することのできるチップアンテナを提供することにある。

本発明の更に他の目的は、周波数特性を簡便に調整することのできるチップァンテナを提供することにある。 ·

発明の開示

本発明の一様相によれば、誘電体又は磁性体で構成され、積層構造を有する基体と、基体の複数層に形成され、少なくともパターンの一部が積層方向に対して相互に重なり合つていない複数のパターンアンテナと、基体の表面に形成され、パターンァンテナに接続される給電端子とを有することを特徴とするチップァンテナが得られる。

このようにパターン相互間が積層方向に対して重なり合っていないことにより他方のパターンアンテナの周波数特性に影響を与えることなく、所定のパターンアンテナを任意の共振周波数に設定することが可能になる。また、本発明の他の様相によれば、実装基板と、実装基板上に搭載され、誘電体又は磁性体で構成された基体と、基体に形成されたパターンアンテナと、基体の表面に形成され、パターンアンテナに接続される給電端子と、基体の表面に形成され、パターンアンテナに接続される固定端子と、実装基板に形成され、固定端子と接続されて基体を実装基板に固定する導体からなる固定部とを有することを特徴とするチップアンテナュニットカ得られる。

これにより、固定部の面積を調整することによって共振周波数の微調整ができるので、周波数特性を簡便に調整することが可能になる。

また、本発明の更に他の様相によれば、誘電体又は磁性体で構成された基体と、基体に形成され、矩形形状を有する第 1のエリア及び第 1のエリアから連続して延びる第 2のエリアを備えたパターンアンテナと、基体の表面に形成され、パターンアンテナに接続される給電端子と、を有することを特徴とするチップアンテナが得られる。

これにより、第 1のエリァにおける第 2のェリァの延びる方向に沿った辺の長さと第 2のエリアの長さとを調整することにより、簡易な構造で複数の又は広い周波数帯域において共振を得ることが可能になる。 ' 図面の簡単な説明

図 1は、本発明の第 1の実施形態に係るチップアンテナュニットを示す斜視図であり、

図 2は、図 1のチップアンテナュニットにおけるチップアンテナを示す分斜視図であり、

図 3は、図 1のチップアンテナュ-ットにおけるチップアンテナを示す断面図であり、

図 4は、図 1のチップアンテナユニットの固定部の面積の広狭における V S WR の周波数特性を示すグラフであり、

図 5は、本発明の第 2の実施形態に係るチップアンテナュニットにおけるチップアンテナを示す分解斜視図であり、図 6は、図 5のチップアンテナに形成された第 1のパターンのパターンアンテナを示す平面図であり、

図 7は、図 5のチップアンテナに形成された第 2のパターンのパターンアンテナを示す平面図であり、

図 8は、図 5のチップアンテナを示す断面図であり、

図 9は、本発明の第 2の実施形態に係るチップアンテナュニットにおける 1〜 1 1 GH zの V S WRの周波数特性を示すグラフであり、

図 1 0は、図 5のチップアンテナにおける第 2のパターンのパターンアンテナを説明するための概念図であり、

図 1 1は、図 5のチップアンテナにおける第 2のパターンのパターンアンテナにおいて、図 1 ok示した所定箇所の長さを異ならせたときの V S WRの周波数特性を示すグラフである。

発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ更に具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。尚、発明の実施の形態は、本発 _明が実施される特に有用な形態としてのものであり、本発明がその実施の形態に限定されるものではないまず、図 1乃至図 4を参照して、本発明の第 1の実施形態を説明する。

図 1は本発明の第 1の実施形舞に係るチップアンテナュニットを示す斜視図、図 2は図 1のチップアンテナュニットにおけるチップアンテナを示す分解斜視図、図 3は、図 2のチップアンテナを示す断面図、図 4は、図 1のチップアンテナュニットの固定部の面積の広狭における V SWRの周波数特性を示すグラフである。

図 1乃至図 3に示すように、本実施の形態のチップアンテナ 1 0は、例えば比誘電率 ε r = 1 0程度の高周波用セラミック誘電体材料で形成された積層構造からなる矩形形状の基体 1 1を有している。なお、基体 1 1は磁性体で構成することもできる。 ' 基体 11の複数層にはパターンアンテナが形成されており、図 2に示すように、第 1のパターン層 10 aにはミアンダ状の第 1のパターンを有するパターンアンテナ A1が、第 2のパターン層 10 bには第 1のパターンとは異なるミアンダ状の第 2のパターンを有するパターンアンテナ A 2が、それぞれ形成されている。なお、本実施の形態では、パターンアンテナ A 1， A 2はミアンダ状のパターンとなっているが、例えば円形や矩形、あるいは複数層にわたる三次元的なヘリ力ル状のパターンなど、ミアンダ状の場合もリアクタンス容量確保のための複数層の形状にするなど、種々のパターンとすることができる。

図 1に示すように、基体 1 1の底面より 1つの側面を通って上面に至り、給電端子 12が形成されている。また、基体 1 1の対向する 2つの側面及ぴその周囲の隣接面には、固定端子 16 a, 16 bが形成されている。図 2に詳しく示すように、このようにして基体 1 1の表面に形成された給電端子 12は 2つのパターンアンテナ Al， A 2の一端に、固定端子 16 aはパターンアンテナ A1の他端に、固定端子 16 bはパターンアンテナ A 2の他端に、それぞれ接続されている。図 1に示すように、チップアンテナ 10は実装板 13 搭載されており、チップアンテナ 10と実装基板 13とによってチップアンテナュニットが構成されている。実装基板 13には、接地電極 14と、回路のインピーダンスである例えば 5 ΟΩに整合して信号源（図示せず）からの信号を給電端子 12に供給する給電線路 15、及ぴ固定端子 16 a'， 16 bと接続されて基体 1 1を実装基板 1 3に固定する導体からなる固定部 17 a， 17 bとを備えている。

なお、本実施の形態においては、固定端子 16 a, 16 b及ぴ固定部 1 Ί a, 17 bはそれぞれ 2力所に形成されているが、 1力所ずつであってもよい。

パターンアンテナ Al, A2、給電端子 12、接地電極 14、給電線路 15、固定端子 16 a， 16 b及ぴ固定部 17 a, 17 bは、銅や銀などの金属導体層をパターユングして形成されている。具体的には、例えば銀等の金属ペーストをパターン印刷して焼き付ける方法、金属パターン層をメツキで形成する方法、薄、金属膜をェツチングによりパターユングする方法などにより形成されている。ここで、図 2に示すように、第 1のパターンを有するパターンアンテナ A 1と第 2のパターンを有するパターンアンテナ A 2とは、積層方向に対しては重なり合っていない。

すなわち、本実施の形態のチップアンテナ 1 0では、パターンアンテナ A 1で第 1の共振周波数が得られる。また、パターンアンテナ A 2で第 1の共振周波数とは異なる第 2の共振周波数が得られる。したがって、パターンアンテナ A 1とパターンアンテナ A 2の積層方向に対する重なり合いが避けられている。

このようにすれば、一方のパターンアンテナ (例えばパターンアンテナ A 1 ) の形状を変えて周波数特性を調整しても、他方のパターンアンテナ（例えばパターンアンテナ A 2 ) の周波数特性に対する影響が殆どなくなる。したがって、他方のパターンアンテナ（例えばパターンアンテナ A 2 ) の周波数特性に影響を与えることなく、所定のパターンアンテナ (例えばパターンアンテナ A 1 ) を任意の共振周波数に設定することが可能になる。

これにより、それぞれのパターンアンテナの共振周波数が相互に独立しているので、アンテナ設計も容易になる。，

ここで、給電端子 1 2とつながる部分や当該部分の近傍は、パターンアンテナ A 1とパターンアンテナ A 2とは構造上から不可避的に重なり合うことになる。したがって、本明細書において重なり合っていないとは、これらの箇所を除いた部分が重なり合つていないことをいう。

なお、パターンの一部が重なり合つていてもよいが、積層方向への重なり合いの割合が大きくなればなるほど、一方のパターンアンテナの共振周波数調整時における他方のパターンアンテナの周波数特性の変動が大きくなってしまう。したがって、前述した不可避的部分を除いた以外の箇所は、重なり合っていないのが望ましい。

また、本実施の形態では相互に重なり合つていない 2つのパターンアンテナ A 1 , A 2が示されているが、さらに他のパターンアンテナを形成することもできる。この場合、全てのパターンアンテナが重なり合わないようにしてもよく、一部のパターンアンテナは相互に重なり合つていてもよい。つまり、少なくとも一部のパターンアンテナが積層方向に対して相互に重なり合っていなければよい。さらに、パターンアンテナは少なくとも 2つ形成されていれば、つまり複数形成されていればよい。

さて、チップアンテナ 1 0を実装基板 1 3に搭載すると、給電線路のパターンや他の電子部品などの影響を受けてアンテナの周波数特性が僅かながら変化することがある。

このような場合、本チップアンテナ 1 0では、アンテナ実装時に、固定部 1 7 a , 1 7 bの面積を変化させることにより、つまり固定部 1 7 a , 1 7 bの一部を削ったり広げたりすることにより、周波数特性が調整できるようになっている。つまり、図 4に示すように、固定部 1 7 a， 1 7 bの面積が広いと共振周波数が低域側に移行し、逆に、固定部 1 7 a , 1 7 bの面積が狭いと共振周波数は高域側に移行する。そこで、実装状態においてチップアンテナ 1 0の共振周波数が予定した数値よりも低い場合には、固定部 1 7 a , 1 7 bを削ってこれを高域側に移行させる。逆に、チップアンテナ 1 0の共振周波数が予定した数値よりも高い場合には、固定部 1 7 a , 1 7 bの面積を広げて低域側に移行させる。

このように、固定部 1 7 a， 1 7 bの面積を調整するこによって共振周波数の微調整ができるので、周波数特性を簡便に調整することが可能になる。これにより、実装基板 1 3に実装してチップアンテナ 1 0の周波数特性が変わってもァンテナ自体を取り替える必要がなくなる。

そして、このようにアンテナ自体を取り替えなくてもよいことから、チップァンテナ 1 0は所定の周波数特性を有する 1種類だけで足り、周波数特性が僅かに異なるチップアンテナを何種類も用意しておく必要がなくなる。

本実施の形態では、複数のパターンアンテナのパターン相互間の積層方向の重なり合いをなくした構造と、固定部 1 7 a， 1 7 bの面積を調整して共振周波数の微調整を行う構造の、 2つの構造が採用されているが、それぞれ独立して揉用することもできる。そして、固定部 1 7 a , 1 7 bの面積を調整する構造を揉用した場合、パターンアンテナは基体の表面あるいは内部、又は表面及び内部の何れにも形成されていても、つまりパターンアンテナは 1つであっても複数であつてもよく、したがって基体は積層構造でなくてもよい。以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、パターン相互間が積層方向に対して重なり合っていないことにより、他方のパターンアンテナの周波数特性に影響を与えることなく、所定のパターンアンテナを任意の共振周波数に設定することが可能になる。

また、固定部の面積を調整することによって共振周波数の微調整ができるので、周波数特性を簡便に調整することが可能になる。

次に、図 5乃至図 1 1を参照して、本発明の第 2の実施形態を説明する。

図 5は、本発明の第 2の実施形態に係るチ'ップアンテナュエツトにおけるチップアンテナを示す分解斜視図、図 6は、図 5のチップアンテナに形成された第 1 のパターンのパターンアンテナを示す平面図、図 7は、図 5のチップアンテナに形成された第 2のパターンのパターンアンテナを示す平面図、図 8は、本発明の第 2の実施形態に係るチップァンテナュニットにおけるチップァンテナを示す断面図、図 9は、本発明の第 2の実施形態に係るチップアンテナユエットにおける 1〜1 1 G H zの V S WRの周波数特性を示すグラフ、図 1 0は、図 5のチップアンテナにおける第 2のパターンのパターンアンテナを説明するための概念図、図 1 1は、図 5のチップアンテナにおける第 2のパターンのパターンアンテナにおいて、図 1 0に示した所定箇所の長さを異ならせたときの V S WRの周波数特性を示すグラフである。

なお、本実施形態のチップアンテナユニットの全体構成は、図 1に示した第 1 の実施形態のチップアンテナユニットと同様であるので、図示を省略する。

第 1の実施形態と同様に、基体 1 1の複数層にはパターンアンテナが形成されており、図 5に示すように、第 1のパターン層 1 0 aにはミアンダ状の第 1のパターンを有するパターンアンテナ A 1 (図 6も参照）力第 2のパターン層 1 0 bには第 1のパターンとは異なる面状の第 2のパターンを有するパターンアンテナ A 2 ' (図 7も参照）、それぞれ形成されている。なお、本実施の形態では、パターンアンテナ A 1はミァンダ状のパターンとなっているが、例えば円形ゃ矩形、あるいは複数層にわたる三次元的なヘリカル状のパターンなど、種々のパターンとすることができる。図 1を参照して本実施形態の場合も前逑した第 1の実施形態と同様に、基体 1 1の底面より 1つの側面を通って上面に至り、給電端子 12が形成されている。また、基体 1 1の対向する 2つの側面及びその周囲の隣接面には、固定端子 16 a, 16 bが形成されている。図 5に詳しく示すように、このようにして基体 1 1の表面に形成された給電端子 12は 2つのパターンアンテナ A 1, Α2' の一端に、固定端子 16 aはパターンアンテナ A 1の他端に、固定端子 16 bはパターンアンテナ A 2，の他端に、それぞれ接続されている。

また、本実施形態においても、図 1に示したように、チップアンテナ 10は実装基板 13に搭載されており、チップアンテナ 10と実装基板 13とによってチップアンテナユニットが構成されているのは、第 1の実施形態の場合と同様である。また、実装基板 13には、接地電極 14と、回路のインピーダンスである例えば 50Ωに整合して信号源（図示せず）からの信号を給電端子 12に供給する給電線路 15、及び固定端子 16 a, 16 bと接続されて基体 1 1を実装基板 13に固定する導体からなる固定部 17 a, 17 bとを備えている。

本実施の形態においても、パターンアンテナ Al, A2' 、給電端子 12、接地電極 14、給電線路 15、固定端子 16 a, 16 b及ぴ固定部 17 a, 1 7 b は、銅や銀などの金属導体層をパターユングして形成されている。具体的なパタ一二ングの形成方法も第 1の実施形態の場合と同様である。

さて、本実施の形態においても、'図 5に示すように、第 1のパターンであるパターンアンテナ A1と第 2のパターンであるパターンアンテナ A2' とは積層方向に対してその大部分が重なり合っていない。そして、パターンアンテナ A 1により第 1の共振 F 1 (後述する図 9参照）が得られ、パターンアンテナ A 2，で第 2の共振 F 2が得られる（後述する図 9参照）。

ここで、パターンアンテナ A2' を形成する第 2のパターンについて図 10及び図 1 1を用いて詳細に説明する。

パターンアンテナ A 2，は、矩形形状を有する第 1のエリア S 1と、この第 1 のエリア S 1から連続して延びる第 2のエリア S 2から構成されている.。そして, 第 1のエリア S 1と第 2のエリア S 2との間にはスリツト Tが形成されている。なお、このスリット Tは形成されていなくてもよい。ここで、第 1のエリア S 1を形成する矩形形状とは、例えば角が丸くなっていてもよい。また、第 1のエリア S 1及ぴ第 2のエリア S 2以外の部分（例えば図 10における網点で示す部分）があってもよい。なお、図 10に示す場合には、第 2のエリア S 2は網点で示す部分を介して第 1のエリア S 1から連続して延びている。

ここで、図 10において、第 1のエリア S 1における第 2のエリア S 2の延ぴる方向に沿った辺の長さを L 1、第 2のエリア S 2の長さを L 2としたとき、 L 1と L 2との長さの関係によって得られる共振波形が異なってくる。なお、共振波形は、各ェ'リア S l， S 2の面積や幅、給電点の位置など、他の要素によっても異なってくる力 S、本実施の形態においては、前述した L 1, L 2を調整して所望の共振を得ている。

つまり、図 1 1 (a) に示すように、 L 2より L 1が長いときには第 1のエリァ S 1での共振周波数の方が第 2のエリア S 2での共振周波数よりも低くなる。また、図 1 1 (b) に示すように、 L 1より L 2が長いときには第 2のエリア S 2での共振周波数の方が第 1のエリア S 1での共振周波数よりも低くなる。

したがって、 L 1と L2との長さをこのように設定することにより 2つの共振が得られ、このようなパターンアンテナ A 2，をチップアンテナに用いることにより、一つのパターンアンテナ（つまり、パターンアンテナ A1を用いることなくパターンアンテナ A 2，のみ）で、複数の周波数帯域で使用可能なマルチパンドの無線通信装置が得られる。

また、図 1 1 (c) に示すように、 L 1と L 2との長さが接近して両者が僅かに異なるときには、 2つの共振の各共振点が接近することから、結果として広い周波数帯域において共振が得られる。したがって、このようなパターンアンテナ A 2' をチップアンテナに用いれば、広帯域で使用可能なワイドパンドの無線通信装置が得られる。なお、図 9に示す第 2の共振 F 2の波形はこの L 1と L 2とが接近した長さの場合であり、第 2の共振 F 2の波形における VSWR (Vo 1 t a g e/S t a n d i n g Wa v e Ra t i o〜電圧/定在波比）が 2以下の帯域が第 1の共振 F 1の波形における V SWRが 2以下の帯域に比較して広くなつている、つまりワイドパンドになっているのが分かる。このように、本実施の形態によれば、パターンアンテナ A 2 ' 力矩形形状を有する第 1のエリア S 1と、この第 1のエリア S 1から連続して延びる第 2のェリア S 2から構成されているので、第 1のエリア S 1における第 2のエリア S 2 の延びる方向に沿った辺の長さ L 1と第 2のエリア S 2の長さ L 2とを調整することにより、簡易な構造で複数の又は広い周波数帯域において共振を得ることが可能になる。

以上の説明では、チップアンテナ 1 0には 2つのパターンアンテナ、つまりパターンアンテナ A 1及ぴパターンアンテナ A 2 ' が形成されているが、パターンアンテナ A 1によって得られる周波数帯が必要なければ、このパターンアンテナ A 1はなくてもよい。この場合には、パターンアンテナ A 2 ' は、基体 1 1の内部及ぴ表面の何れにも形成することができる。さらに、パターンアンテナ A 2，に加えて他の形状のパターンアンテナを形成する場合には、様々なパターン形状にすることもできる。また、本実施の形態のようにパターンアンテナは 2つではなく、 3つ以上形成することもできる。

以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、第 1のエリアにおける第 2のエリアの延びる方向に沿った辺の長さと第 2のエリアの長さとを調整することにより、簡易な構造で複数の又は広い周波数帯域において共振を得ることが可能になる。

また、図 5に示したように、本実施の形態においても、第 1のパターンであるパターンアンテナ A 1と第 2のパターンであるパターンアンテナ A 2，とは積層方向に対してその大部分が重なり合っていない。このように、複数のパターンァンテナのパターン相互間の積層方向の重なり合いをなくした構造が採用されているので、他方のパターンアンテナの周波数特性に影響を与えることなく、所定のパターンアンテナを任意の共振周波数に設定し得るという第 1の実施形態と同様の効果が得られる。

また、第 1の実施形態と同様に、固定部の面積を調整することによって共振周波数の微調整ができるのは勿論である。 . . 以上、本発明を第 1及び第 2の実施形態について説明したが、本発明のチップアンテナ及びチップアンテナユニットは、例えば、携帯電話機、移動端末、無線 L ANカードの内蔵ァンテナ等、様々な無線通信装置に用いることができる。

Claims

請求の範囲

1 . 誘電体又は磁性体で構成され、積層構造を有する基体と、前記基体の複数層に形成され、少なくともパターンの一部が積層方向に対して相互に重なり合つていない複数のパターンアンテナと、

前記基体の表面に形成され、前記パターンァンテナに接続される給電端子と、を有することを特徴とするチップアンテナ。

2 . 実装基板と、

前記実装基板上に搭載され、誘電体又は磁性体で構成された基体と、前記基体に形成されたパターンアンテナと、

前記基体の表面に形成され、前記パターンァンテナに接続される給電端子と、前記基体の表面に形成され、前記パターンァンテナに接続される固定端子と、前記実装基板に形成され、前記固定端子と接続されて前記基体を前記実装基板に固定する導体からなる固定部とを有し、

前記固定部の面積で周波数特性を調整すること特徴とするチップアンテナュニット。

3 . 実装基板と、

前記実装基板上に搭載され、誘電体又は磁性体で構成されて積層構造を有する基体と、 ·

前記基体の複数層に形成され、少なくともパターンの一部が積層方向に対して相互に重なり合つていない複数のパターンァンテナと、

前記固定部の面積で周波数特性を調整することを特徴とするチップアンテナュエツ卜。 - .

4 . 請求項 1に記载のチップアンテナ又は請求項 2又は 3の何れ力、一項に記載のチップアンテナユニットが用いられていることを特徴とする無線通信装置。

5 . 誘電体又は磁性体で構成された基体と、

前記基体に形成され、矩形形状を有する第 1のェリァ及び前記第 1のェリァから連続して延びる'第 2のエリアを備えたパターンアンテナと、

前記基体の表面に形成され、前記パターンアンテナに接続される給電端子と、を有することを特徴とするチップアンテナ。

6 . 前記パターンァンテナの前記第 1のェリァと前記第 2のエリアとの間にはスリットが形成されていることを特徴とする請求項 5に記載のチップアンテナ。

7 . 前記パターンアンテナ以外の形状を有する他のパターンアンテナを有することを特徴とする請求項 5又は 6の何れか一項に記載のチップアンテナ。

8 . 請求項 5乃至 7の何れか一項に記載のチップアンテナが用いられていることを特徴とする無線通信装置。