JP4423809B2 - 複共振アンテナ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の周波数を使用する移動体通信機器などに用いる複共振アンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話機などの移動体通信機器では、交信チャンネルの混雑を解消するため、1台の携帯電話機で2つの周波数を切替て使用するものがあり、このような2つの周波数を使用するには、携帯電話機に搭載されるアンテナが2つの周波数の電波を送受信する機能を有することが要求される。このようなアンテナの事例には、特開平9−260934号公報に記載されている複共振アンテナが有る。このアンテナは、818MHzのディジタル信号周波数と873MHzのアナログ信号周波数との同調を取ることにより、2つの周波数帯域をカバーするものであり、図13に示すように、異なる周波数で励振される2つの励振子を備えている。
【0003】
図13に於いて、2つの周波数で励振する複共振アンテナ1は、1枚の誘電体で作られた基体2の上に、2つの放射電極3,4を間隔dを設けて平行に配設して構成されている。放射電極3,4は、一端側を板状の開放端3a,4aとすると共に他端側をミアンダ形状に形成し、ミアンダ形状部3b,4bの末端に接地部5,6を設け、この接地部5,6を接地している。また、放射電極3には、ミアンダ形状部3bの端部に給電部7を設け、この給電部7を信号源8に接続している。
【0004】
この構成により、信号源8から信号の供給を受ける放射電極3が給電励振子となり、信号を入力しない放射電極4が無給電励振子となる。放射電極4は、間隔dを介して放射電極3と電磁結合(主に電界結合)しており、給電励振子と無給電励振子を夫々異なる周波数で励振するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、誘電体からなる1枚の基体2上に、2つの放射電極3,4を間隔dを介して併設するので、高周波特性の良い且つ表面積の大きな誘電材料が必要になると共に、アンテナの電気的体積は誘電体で作られた基体2の大きさにより決定される。従って、アンテナの特性を向上させるには基体2自身を大きくする必要があるが、大きな誘電体を精度良く加工するのが難しく、必要なアンテナの電気的体積を確保するのは困難である。
【0006】
特に、誘電材料として優れたセラミックス材料を用いた場合には、焼成時の収縮のため寸法公差が大きくなり、表面積の大きな基体を寸法精度良く作製するのが困難であることに加え、セラミックス材料は回路基板に用いる樹脂材料に比べて高価であるため、基体の価格が上昇し、アンテナを安価に製造することができなく、また、セラミックス材料は回路基板に用いる樹脂材料に比べて非常に重く、アンテナを軽量に構成することができず、ひいては、アンテナを組込んだ使用機器の軽量化に資することができない。
【0007】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、アンテナの電気的体積を確保し且つ複共振特性の良好なアンテナを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決する手段としている。即ち、第1の発明の複共振アンテナは、一端に給電端子を有し他端を開放端とする第1の放射電極の中間部に電界結合端子を接続してなる給電励振子と、一端に接地端子を有し他端を開放端とする第2の放射電極の中間部に電界結合端子を接続してなる無給電励振子と、前記給電励振子と前記無給電励振子の電界結合端子を電界により結合する電界結合手段と、前記給電励振子の給電端子に信号電流を流す給電回路と、前記無給電励振子の接地端子を接地する接地回路とから構成され、前記電界結合手段は前記給電励振子及び前記無給電励振子に対して別個の独立した形態に形成され、かつ、分離して配置されており、当該電界結合手段は前記給電励振子及び無給電励振子のそれぞれの電界結合端子に接続されて、給電励振子の電界結合端子と無給電励振子の電界結合端子とを電界結合し、その電界結合の大きさに応じた複共振特性をもたせて前記給電励振子の第1の放射電極と前記無給電励振子の第2の放射電極とを複共振させることを特徴とするものである。
【0009】
上述の構成に於いて、給電励振子は、給電回路を介して信号源から信号電力である共振エネルギーの供給を受けて使用する電波の周波数で共振すると共に、このエネルギーの一部は電界結合手段を介して無給電励振子に供給され、無給電励振子を複共振させる。ここで、複共振とは、給電励振子のリターンロスと無給電励振子のリターンロスが近接しつつも共存し合い、結果として、非常に広範な周波数帯に於いてマッチングの取れた状態をいう。
【0010】
また、電界結合手段は、給電励振子及び無給電励振子とは別個に設けられており、両励振子間の結合容量を決定する。この結合容量を適切に設定することにより、給電励振子と無給電励振子の直接的な電界結合なしに、良好な複共振アンテナ特性が得られる。
【0011】
第2の発明の複共振アンテナに於いては、給電励振子及び無給電励振子は、放射電極を形成する誘電体の基体を個別に備え、電界結合手段は、回路基板に対向配置した一対の電界結合パターンで構成すると共に、給電励振子及び無給電励振子を回路基板上に載置して、給電励振子の電界結合端子を一方の電界結合パターンに接続し、無給電励振子の電界結合端子を他方の電界結合パターンに接続して構成したことを特徴とするものである。
【0012】
この発明に於いて、給電励振子及び無給電励振子は、夫々誘電体の基体を用いて構成されるので、放射電極を小さく形成でき、励振子自体が小型に構成される。この給電励振子及び無給電励振子は、樹脂材料を主体とした回路基板に載せて固定され、給電励振子と無給電励振子間の結合は、回路基板に形成した一対の電界結合パターンで行われる。
【0013】
両電界結合パターンは、所定の間隔を介して配設されており、電界結合パターン間の容量成分により電界結合している。容量成分の大きさは、電界結合パターン間の対向する部分の間隔、対向部分の長さ、対向面積等により決まり、この容量成分の大きさを調整することにより給電励振子と無給電励振子間の電界結合の大きさが調整される。
【0014】
第3の発明の複共振アンテナは、第2の発明の構成に於いて、一対の電界結合パターンを近接配設して容量成分を付与したことを特徴とするものである。
【0015】
この構成によれば、電界結合パターン間の容量成分を最適な範囲に設定することにより、給電励振子と無給電励振子間の電界結合の強さが最適に定まり、給電励振子及び無給電励振子は調整された複共振の動作をする。
【0016】
第4の発明の複共振アンテナは、第2の発明の構成に於いて、一対の電界結合パターン間にコンデンサを接続したことを特徴とするものである。
【0017】
この発明では、電界結合パターン間の結合容量はコンデンサの容量値として決まるので、給電励振子と無給電励振子間の最適結合は、コンデンサの値を選択することにより容易に得られる。
【0018】
第5の発明の複共振アンテナは、上述の何れかの発明に於いて、給電励振子と無給電励振子の間には、給電回路のインピーダンスを整合すると共に給電回路と接地回路との間に流れる電流量を調整する整合兼用電流結合手段を備えたことを特徴とするものである。
【0019】
この発明に於いて、整合兼用電流結合手段は、信号源と給電励振子間のインピーダンスを整合しエネルギーの供給が効率良く行われるように構成すると共に、給電回路と接地回路の間を電流的に結合するものであり、給電励振子と無給電励振子の間に流れる電流量を調整する働きをする。また、給電回路と接地回路を流れる電流の電流量が大きいため、整合兼用電流結合手段は、電流結合に加えて、磁界結合によっても無給電励振子に流れる電流量を調整する構成とすることができる。
【0020】
上述の構成に於いて、整合兼用電流結合手段は、インダクタンス成分を有するインダクタンス回路として構成することができる。インダクタンス成分は、インダクタンス値を適宜に設定することにより、給電回路に対するインピーダンスとなるので、確実に複共振アンテナのインピーダンスが整合される。また、インダクタンス回路が一定の長さの回路配線を有する場合には、この回路配線は磁界を発生するので、磁界結合により接地回路に流れる電流量を調整することが可能となる。
【0021】
また、整合兼用電流結合手段に接地回路の一部を給電回路に近接させた構成を含めることができる。この構成の採用により、接地回路と給電回路が強く磁界結合し、接地回路に流れる電流量が調整される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る実施形態例を図面に基いて説明する。図1は、本発明に係る複共振アンテナの基本構成を示す。給電励振子11及び無給電励振子21は、夫々、ストリップ状の放射電極12,22で構成されている。この放射電極12,22は、導電体を用いて長片12a,22aと短片12b,22bから形成されており、放射電極12,22の全長(長片12a,22aと短片12b,22bの和の長さ)Lは、使用する電波に於ける周波数の波長をλ、放射電極12,22を設けた部分の比誘電率をεとすると、ほぼ、L=n・λ/4・√ε となっている。但し、nは自然数である。
【0023】
給電励振子11と無給電励振子21の間には、電界結合手段29が形成されている。この電界結合手段29は、例えば、一定の間隔gを介して対向する一対の導電体の電界結合パターン13,23から構成される。一方の電界結合パターン13は、放射電極12に設けた給電励振子11の電界結合端子14と接続されており、また、他方の電界結合パターン23は、放射電極22に設けた無給電励振子21の電界結合端子24と接続されている。給電励振子11及び無給電励振子21は、一対の電界結合パターン13,23を介して電界結合する。
【0024】
給電励振子11及び無給電励振子21には,放射電極12,22の長片12a,22aに於ける開放端部15,25とグランドの間に、夫々コンデンサ17,27が接続されている。このコンデンサ17,27は、通常、放射電極12,22とグランド間に形成される浮遊容量として与えられる。また、給電励振子11の給電端子16は、放射電極12の短片12bの開放端側に設けられ、給電回路18の信号源20に接続されると共に、インダクタ19を介して接地されている。一方、無給電励振子21の接地端子26は、放射電極22の短片22bの開放端側に設けられ、接地回路28を介して接地されている。
【0025】
この構成に於いて、給電励振子11が信号源20から送信信号電力の投入を受けると、放射電極12に高周波の共振電流が流れ、また、無給電励振子21の放射電極22にも電界結合パターン13,23を介して信号電力が供給され、放射電極22に高周波の共振電流が流れる。給電励振子11から放射される電波の周波数f1は、無給電励振子21から放射される電波の周波数f2と異なり、通常、周波数f1は周波数f2よりも大きくなる。一対の電界結合パターン13,23は、給電励振子11と無給電励振子21間を電界結合しており、この電界結合パターン13,23の構成を変えることにより電界結合量を変化させ、アンテナの複共振特性を調整する。
【0026】
また、コンデンサ17,27は、給電励振子11及び無給電励振子21に於いて共振周波数f1、f2を決める共振回路要素となっており、コンデンサ17,27の容量値を変えることにより共振周波数が変化する。そして、インダクタ19は、信号源20に対しアンテナのインピーダンスを整合させる働きをし、同時に、グランドを介して無給電励振子21の接地端子26と結合して、給電励振子11の給電端子16と無給電励振子21の接地端子26間を流れる高周波電流量を調整する機能を有している。
【0027】
従って、上述の複共振アンテナによれば、給電励振子11及び無給電励振子21の構成を変更することなく、電界結合パターン13,23を適切に構成することにより最適な複共振特性とすることができる。
【0028】
上記複共振アンテナの基本構成の等価回路を図2に示す。図2に於いて、共振インダクタンスL1と放射抵抗R1は放射電極12を現しており、共振インダクタンスL2と放射抵抗R2は放射電極22を現している。また、装荷容量C1は、給電励振子11に接続されたコンデンサ17を現し、装荷容量C2は、無給電励振子21に接続されたコンデンサ27を現している。
【0029】
これら共振インダクタンスL1、放射抵抗R1及び装荷容量C1は、給電励振子11の共振回路を形成しており、同様に、共振インダクタンスL2、放射抵抗R2及び装荷容量C2は、無給電励振子21の共振回路を形成している。2つの共振回路間の結合容量C12は、一対の電界結合パターン13,23を現し、給電励振子11と無給電励振子21間の電界結合は、等価的には容量結合である。また、結合インダクタンスL12は、インダクタ19を現しており、2つの共振回路間を流れる電流量を調整する。
【0030】
この等価回路から明らかなように、2つの共振回路の共振周波数f1,f2を維持しながら良好な複共振を実現するためには、装荷容量C1,C2及び結合容量C12の容量値を整合させる必要がある。結合容量C12は、一対の電界結合パターン13,23の間隔g、対向面積及び対向部分の長さを適切に設定することにより、装荷容量C1,C2とバランスの取れた結合容量C12とすることが可能である。例えば、樹脂材料を主体とする回路基板に形成した電界結合パターン13,23の場合には、間隔g、対向面積及び対向部分の長さの微調整は、トリミング装置で行うことができる。
【0031】
また、装荷容量C1,C2は、主に、給電励振子11及び無給電励振子21の構成できまり、給電励振子11及び無給電励振子21に於ける放射電極12,22とグランド間の浮遊容量を集中定数として現している。
【0032】
上述の等価回路に於いて、結合容量C12を大きくすると、換言すれば、電界結合パターン13,23間の静電容量を大きくすると、給電励振子11と無給電励振子21間の電界結合が強くなり、共振周波数f1と共振周波数f2が分離せず、給電励振子11と無給電励振子21は、恰も1つの励振子の如く動作し、また、そのリターンロスは浅くなる。これとは逆に、結合容量C12が小さくなると、換言すれば、電界結合パターン13,23間の静電容量を小さくすると、給電励振子11と無給電励振子21間の電界結合が弱くなり、給電励振子11と無給電励振子21は、夫々独立した動作を強め、複共振の周波数特性が得られなくなる。
【0033】
また、装荷容量C1,C2を大きくすると、相対的に結合容量C12が小さくなり、換言すれば、電界結合パターン13,23に於ける電界結合が弱くなり、上述の如く、共振周波数f1,f2による複共振が得られなくなる。逆に、装荷容量C1,C2を小さくすると、相対的に結合容量C12が大きくなり、等価回路の容量バランスが崩れたものとなる。換言すれば、結合容量C12の増大は、電界結合パターン13,23に於ける電界結合の増大となって、上述の如く、給電励振子11及び無給電励振子21の共振周波数f1,f2が接近して複共振とならなくなる。
【0034】
図3は、本発明の複共振アンテナに係る具体的な実施形態例を示す。図3に於いて、複共振アンテナ30は、樹脂材料を主体として作られた回路基板31に2つのアンテナチップ41,51を載置して構成される。回路基板31は、表面にアンテナ形成部31aとグランド部31bが設けられており、裏面には図示しない回路配線が形成されている。グランド部31bには、絶縁基板の上に銅箔などを貼付して形成したグランド層が設けられている。回路基板31のアンテナ形成部31aには、略T字形の一対の電界結合パターン32,33がT字形状部分を一定の間隔gを介して対向し、導電体によりパターン形成されている。
【0035】
また、アンテナ形成部31aには、給電回路となる給電パターン34及び接地回路となる接地パターン35がパターン形成されている。給電パターン34は、グランド部31bのグランド層から電気絶縁されて形成され、グランド部31bにはチップインダクタ40を介して接続されている。この給電パターン34は、図示しない信号配線に接続されている。また、接地パターン35は、グランド部31bのグランド層に接続されている。
【0036】
上述した電界結合パターン32,33、給電パターン34及び接地パターン35は、グランド部31bのグランド層と同じ導電体であり、エッチング等の周知の方法により一度にパターン形成される。
【0037】
アンテナチップ41,51は、誘電体の基体43,53の表面に放射電極42,52を備えている。放射電極42と放射電極52の対向する側の端部(対向端部)には、帯状の電界結合端子44,54が設けられている。この電界結合端子44,54は、夫々基体43,53の側面を垂下し先端が基体43,53の裏面側に回り込んで形成されている。そして、一方の電界結合端子44は、電界結合パターン32のT字形状部分と反対側の端部に接続され、他方の電界結合端子54は、電界結合パターン33のT字形状部分と反対側の端部に接続されている。
【0038】
また、放射電極42の端部には、帯状の給電端子46が設けられ、この給電端子46は、基体43の表面を電界結合端子44に対して直角の方向に伸張し且つ基体43の側面を降下して基体43の裏面側に回り込んで形成されている。この給電端子46は、回路基板31の表面に設けた給電パターン34の一端に接続されている。放射電極52の端部には、帯状の接地端子56が設けられており、この接地端子56は、基体53の表面を電界結合端子54に対して直角の方向に伸張して設けられ且つ基体53の側面を降下して基体53の裏面側に回り込んで形成され、接地パターン35に接続されている。
【0039】
更に、放射電極42,52の開放端部47,57は、電界結合端子44,54の反対側に於いて、夫々基体43,53の側面の途中まで垂下して形成されている。そして、この開放端部47,57を設けた同じ側面には、これら開放端部47,57に対し一定の間隔を介して固定端子48,58が形成されている。固定端子48,58は、基体43,53の裏面まで伸張して設けられており、回路基板31に形成した固定パターン36,37に接続されている。
【0040】
上述の具体的な実施形態例に於いて、給電パターン34は、図示しない送信回路及び受信回路に接続されており、放射電極42,52から送受信される高周波電流の通路となる。例えば、送信信号電流は、給電端子46から放射電極42に流入し、共振電流を励起すると共に、電界結合端子44から電界結合パターン32,33を通って電界結合端子54に供給され、放射電極52の共振回路を励振する。このとき、接地端子56にはグランドに向け高周波電流が流れる。
【0041】
給電励振子41と無給電励振子51は、電界結合パターン32,33で電界結合しており、電界結合量を変えることにより、給電励振子41と無給電励振子51との間の結合を調整し、良好な複共振マッチングを得ることができる。電界結合パターン32,33の等価容量は、電界結合パターン32,33間の間隔g及び対向部分の長さで決まる。
【0042】
また、放射電極42,52の開放端部47,57と固定端子48,58の間には、夫々開放端容量が形成されており、放射電極42,52に於ける共振回路の回路素子として働き、放射電極42,52に流れる共振電流の周波数を決める要素となる。
【0043】
更に、給電パターン34とグランド部31bとの間に接続されたチップインダクタ40は、給電配線のインピーダンス、例えば、50Ωに対しアンテナのインピーダンスを整合させるものであり、これにより、アンテナと信号源20間のインピーダンスの整合が得られ、損失なく信号の送受信ができる。また、チップインダクタ40は、グランド部31bを介して接地パターン35と電気的に結合しており、給電励振子41と無給電励振子51間を流れる高周波電流の通路となっている。ここに、チップインダクタ40は、給電励振子41と無給電励振子51間の電流回路のインピーダンスとなり、給電励振子41と無給電励振子51間の電流結合量を決定している。
【0044】
上述したように、電界結合パターン32,33間の構成を変えることにより、給電励振子41と無給電励振子51間の電界結合量を決定し、アンテナの複共振特性を調整することができる。また、チップインダクタ40のインダクタンス値を選ぶことにより、給電ラインに対するアンテナのインピーダンスを整合すると共に給電励振子41と無給電励振子51間の電流結合量を調整することができる。
【0045】
なお、上述の実施形態例では、給電励振子41と無給電励振子51の放射電極42,52は、面対称の形状に形成したので、例えば、放射電極42,52をスクリーン印刷などで形成する際に、無給電励振子51の放射電極52には、給電励振子41の放射電極42で利用したマスクの反転パターンを使用できるので、チップアンテナ41,51の製造コストを引下げることができる。
【0046】
また、上述の実施形態例では、回路基板31のアンテナ形成部31aには、電界結合パターン32,33、給電パターン34、接地パターン35及び固定パターン36,37のみが設けられ、グランド層は存在しないが、固定パターン36,37を伸ばしてグランド部31bのグランド層に接続しても良い。これらはアンテナ複共振特性を考慮して決められる。
【0047】
更に、上述の実施形態例では、チップアンテナ41,51は、その長手方向を直線状に配列しているが、その配列は設計のとき自由に定めることができる。例えば、チップアンテナ41,51は、長手方向が平行となるように配置したり、チップアンテナ41,51の長手方向が一方を他方に対して直角状に配列したり、また、チップアンテナ41,51を相互に傾けて、例えば、ハの字に配置しても良い。
【0048】
このようなチップアンテナ41,51の自由な配置は、電界結合パターン32,33を回路基板31に設け、この電界結合パターン32,33を利用して2つのチップアンテナ41,51を電界結合する構成により初めて実現可能となるものであり、これにより、無線機器の筐体に合わせたチップアンテナ41,51の配置が可能となるので、複共振アンテナ設計の自由度が増大する。
【0049】
更にまた、上述の実施形態例では、チップアンテナ41,51は、複共振状態に於いて、独自の共振周波数f1、f2を持っているので、チップアンテナ41,51は、寸法が相互に相違していても良く、また、基体43,53の比誘電率も相互に相違させることができ、基体43,53の形状も放射電極42,52の形成表面が長方形のみならず、正方形であっても良い。
【0050】
更にまた、上述の実施形態例では、2つのチップアンテナ41,51は、放射電極42,52の形状を面対称としたが、これは非対称であっても良く、例えば、一方の放射電極を板状に形成し、他方の放射電極をミアンダ形状に形成しても良い。また、2つのチップアンテナ41,51の放射電極42,52をミアンダ形状に形成するときには、つづら折れ状の放射電極を、一方は基体表面の長手方向に伸張し、他方は基体表面の短手方向に伸張する構成とすることができ、また、一方をつづら折れ状の放射電極とし、他方を渦巻き状の放射電極とするなど、自由に設計することができる。従って、2つのチップアンテナ41,51の放射電極42,52を形成する際にも設計の自由度が大きくなる。
【0051】
上記何れの実施形態例の場合でも、回路基板を利用することにより、給電励振子及び無給電励振子は小さく構成しても、複共振アンテナとしての領域を広く取れるので、アンテナの電気的体積が増大し、周波数帯域幅の広い高利得の複共振アンテナを安価に製造することができる。
【0052】
図4乃至図6に示す実施形態例は、給電励振子と無給電励振子を電気的に結合する他の構成を示すもので、図3の実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0053】
図4に於いて、給電励振子41を接続する電界結合パターン61は、回路基板31に於けるアンテナ形成部31aの表面に形成され、無給電励振子51を接続する電界結合パターン62は、回路基板31の裏面に形成されている。電界結合パターン61,62の先端部分は、回路基板31を介して上下に重なっており、電界結合パターン61,62間には、回路基板31の厚みと対向面積に応じた結合容量が発生し、給電励振子41と無給電励振子51間を容量結合する。
【0054】
この結合容量は、電界結合パターン61,62の対向面積を変えることにより変更することができる。また、無給電励振子51の電界結合端子54は、回路基板31の表面側に設けた中継パターン63に接続され、この中継パターン63は、スルーホール64を通して電界結合パターン62に接続される。
【0055】
図5に示す実施形態例は、無給電励振子51を回路基板31の裏面側に配置した点で図4の実施形態例と相違する。無給電励振子51の電界結合端子は、図3と同様に、直接電界結合パターン62に接続されている。回路基板31の裏面には固定パターン66が設けられ、この固定パターン66に無給電励振子51の固定端子58が接続されている。この構成により、回路基板31に於けるアンテナ形成部31aの表裏面の空間が有効に利用される。
【0056】
また、図6の実施形態例は、電界結合手段29として、2つの電界結合パターン68,69を結合容量が形成される間隔を介して配置する代りに、2つの電界結合パターン68,69がコンデンサ70で結合されている。コンデンサ70には、チップコンデンサが使用される。この構成により、給電励振子41と無給電励振子51間は、コンデンサ70で結合され、コンデンサ70の容量値を変えることにより、給電励振子41と無給電励振子51間の結合度を変えることができる。
【0057】
図7乃至図11に示す実施形態例は、信号源に対し複共振アンテナのインピーダンスを整合すると共に給電励振子と無給電励振子との間の電流結合量を調整する他の構成を示すもので、図3の実施形態例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0058】
図7及び図8に於いて、給電励振子41の基体43の側面には、図3のチップインダクタ40を用いたインダクタンス回路に代えて、一端を給電端子46に接続した電極パターン71が形成されている。この電極パターン71の他端は、回路基板31のアンテナ形成部31aに形成した連結パターン72を介してグランド部31bのグランド層に接続されている。電極パターン71は、ミアンダ形状に形成されてインダクタンス成分が付与される。
【0059】
この構成に於いて、図3のチップインダクタ40と同様に、電極パターン71のインダクタンス値により、信号源に対し複共振アンテナのインピーダンスが整合される。また、連結パターン72は、グランド部31bを介して接地パターン35と電気的に結合しており、給電励振子41と無給電励振子51間は、電極パターン71のインピーダンスを介して電流結合し、給電励振子41と無給電励振子51間を流れる電流量が調整される。この場合、連結パターン72と接地パターン35が近接して設けられたときには、磁界結合によっても接地パターン35を流れる電流量を決めることができる。
【0060】
上述の構成によれば、電極パターン71は、給電励振子41に於ける基体43の表面に形成されるから、給電励振子41を作製するとき、放射電極42の形成と同じ製造方法で形成することができ、また、連結パターン72は、給電パターン34及び接地パターン35の形成と同時に回路基板31に形成することができる。
【0061】
図9の実施形態例は、インダクタンス成分を有するパターンをアンテナチップ41の基体43に設ける代りに回路基板31に設けた点で図7の実施形態例と相違している。なお、発明の構成を明確に示すため、チップアンテナ41,51を点線で示している。回路基板31のアンテナ形成部31aの表面には、インダクタンス回路として給電パターン34に連結したミアンダ形状のインダクタンスパターン73が形成されている。
【0062】
インダクタンスパターン73のインダクタンス値は、複共振アンテナからの送受信信号電力が最大となる値に設定される。また、インダクタンスパターン73は、接地パターン35の近くでグランド部31bのグランド層に接続されており、インダクタンスパターン73と接地パターン35は、電流結合と共に磁界結合をする。
【0063】
即ち、インダクタンスパターン73及び接地パターン35を流れる電流量が大きいので、これらのパターン35,73から発生する磁界強度が大きくなる。この場合にも、インダクタンスパターン73は、上述同様に、インピーダンスを整合すると共に、2つのチップアンテナ41,51間の電流結合量を決める他、磁界結合量によっても2つのチップアンテナ41,51間を流れる電流量を調整する。
【0064】
図10実施形態例は、図3に示す実施形態例に、チップアンテナ41,51間に磁界結合の手段を付与したものである。なお、チップアンテナ41,51を点線で示している。チップアンテナ51の接地端子56を接続する接地パターン74には、湾曲部74aが設けられ、給電パターン34に接近してグランド部31bのグランド層に接続されている。
【0065】
この構成によれば、給電パターン34に流れる電流量が多いことから、上述したチップインダクタ40による整合機能に加えて、給電パターン34と接地パターン74には磁界結合が生じ、チップアンテナ41,51間を流れる電流量を調整することができる。また、湾曲部74aの形態を変えることにより、接地パターン74と給電パターン34間の結合度合いを変えることができる。
【0066】
また、図11は、2つのチップアンテナ41,51間にインダクタを設けて直接電流結合した実施形態例である。なお、チップアンテナ41,51を点線で示している。回路基板31に形成した給電パターン34には、給電引出パターン75を連設し、接地パターン35からは接地引出パターン76を引出して、この給電引出パターン75と接地引出パターン76の間にインダクタ77が接続されている。また、チップアンテナ41,51間を電界結合する電界結合パターン78,79は、略L字形に構成して対向している。
【0067】
この構成では、インダクタ77により、信号源に対する複共振アンテナのインピーダンス整合と2つのチップアンテナ41,51間を流れる電流量を、インダクタ77のインダクタンス値を選定することにより、直接的に調整することができ、複共振アンテナの設計が容易になる。また、電界結合パターン78,79による電界結合は、図3に示す実施形態例の略T字形の電界結合パターン32,33に比べて弱くなるが、電界結合パターン78,79の形状は、インダクタ77による直接的な電流結合との整合を考慮して決められる。
【0068】
上述の構成の採用により、給電パターン34と接地パターン35は、インダクタ77を介して直接的に電流結合する。インダクタ77は、そのインダクタンス値により、複共振アンテナと信号源の間のインピーダンスを整合すると共に、給電パターン34と接地パターン35の間を流れる電流量を決定する。
【0069】
図12実施形態例は、1つの回路基板上に、図3に示した実施形態例の複共振アンテナを2つ併設した2連式複共振アンテナの構成を示す。チップアンテナ81,82は、複共振を生じる対のチップアンテナであり、チップアンテナ91,92も複共振を生じる対となるチップアンテナである。チップアンテナ81,82は、電界結合パターン83,84を介して電界結合されており、チップアンテナ91,92も電界結合パターン93,94を介して電界結合されている。
【0070】
チップアンテナ81,91は、共通給電パターン85に接続されて、信号源から同時に信号電力が投入される。共通給電パターン85とグランド部31bのグランド層間にはインダクタ86が接続されており、信号源に対して2つの複共振アンテナのインピーダンスを整合している。また、2つのチップアンテナ82,92は、接地パターン87,88を介して夫々グランド部31bのグランド層に接続されている。
【0071】
この構成に於いて、チップアンテナ81,82による複共振とチップアンテナ91,92による複共振の周波数帯は離して設定される。例えば、チップアンテナ81,82が800〜900MHzの周波数帯で複共振する場合には、チップアンテナ91,92は1700〜2100MHz帯で複共振するように設定される。換言すれば、相互に干渉を生じない程度に離れた周波数帯に於ける複数の複共振アンテナを共通の回路基板を用いて設計することができる。
【0072】
【発明の効果】
請求項1の複共振アンテナによれば、給電励振子及び無給電励振子とは別に両励振子間を結合する電界結合手段を設けたので、両励振子間の電界結合を最適化することにより、反射損失に於ける周波数特性の優れた複共振アンテナを得ることができる。そして、電界結合手段の構成を適宜に設定することにより、アンテナ全体の寸法の拡大に柔軟に対応することができ、給電励振子及び無給電励振子の構成を変えることなくアンテナの電気的体積を増大することができる。
【0073】
また、電界結合手段は、給電励振子及び無給電励振子から独立して形成されるため、アンテナの設計の自由度が増し、大電力送受信の用途に十分耐え得るアンテナを提供することができる。更に、給電励振子、無給電励振子及び電界結合手段を含んだ空間をアンテナ全体の電気的体積として利用できるので、広帯域且つ高利得のアンテナを実現することができる。
【0074】
請求項2の複共振アンテナによれば、給電励振子及び無給電励振子から独立して一対の電界結合パターンを設けたので、電界結合パターン間の容量を調整することにより給電励振子と無給電励振子間の電界結合量を調整することができる。
【0075】
従来に於いては、給電励振子と無給電励振子の構成を変更することにより両励振子間の電磁結合を調整しているが、この発明では、回路基板に形成された一対の電界結合パターン間の容量結合により給電励振子と無給電励振子間の電界結合量を調整するので、給電励振子及び無給電励振子の配置形態を自由に選択できると共に、励振子を構成する基体の形状、寸法及び誘電率も相互に同じでも異なっていても良く、放射電極の形状及び配置方向も何ら制限を受けない。
【0076】
従って、複共振アンテナの周波数及び周波数差の調整は、電界結合パターンで行うことが可能であるから、複共振アンテナ設計の自由度が増し、複共振アンテナの設計が容易になる。特に、電界結合の度合いを回路基板上に形成した電界結合パターンで行うので、大電力で電波を送受信する用途の複共振アンテナを作製することができる。
【0077】
また、給電励振子と無給電励振子の部分にのみ誘電体の基体が使用され、給電励振子と無給電励振子を電界結合する電界結合パターンは回路基板上に構成したから、従来のように、複共振アンテナ全体が誘電体の基体で構成されるアンテナとは異なり、複共振アンテナの寸法を柔軟に変更した設計をすることができる。
【0078】
特に、複共振アンテナの誘電体をセラミックス材料で構成した場合には、給電励振子と無給電励振子の部分にのみセラミックス材料の基体が使用され、複共振アンテナ全体に誘電体として大きな寸法のセラミックス材料の基体を用いる必要がないので、給電励振子と無給電励振子を加工精度良く作製し、また、複共振アンテナを安価に且つ軽量に作ることができる。
【0079】
更に、給電励振子及び無給電励振子の個々の配置に自由度があるので、複共振アンテナが組込まれる移動体通信機器の筐体に合せて柔軟に給電励振子及び無給電励振子の配置を決定することができる。このような場合でも、給電励振子、無給電励振子及び電界結合パターンを含んだ領域全体を複共振アンテナの電気的体積として利用するので、周波数帯域幅の広い高利得の複共振アンテナを実現することができる。
【0080】
請求項3の複共振アンテナによれば、電界結合パターンは、給電励振子及び無給電励振子から独立して回路基板に設けられるため、給電励振子及び無給電励振子の構成を考慮することなく種々のパターン構成とすることができ、複共振に於ける給電励振子と無給電励振子の共振周波数の設定及び給電励振子と無給電励振子間の周波数差の調整が容易となる。
【0081】
請求項4の複共振アンテナによれば、電界結合パターン間をコンデンサで結合するので、コンデンサの値を選択することにより最適な複共振アンテナとすることができる。
【0082】
請求項5の複共振アンテナによれば、整合兼用電流結合手段を給電励振子と無給電励振子の間に設けたので、信号源とのインピーダンス整合が容易であり、また、給電励振子と無給電励振子間を電流結合及び磁界結合させることができ、給電励振子及び無給電励振子の配置関係を考慮することなく、アンテナの電気的体積を増加する場合にも柔軟な設計が可能になる。
【0083】
また、整合兼用電流結合手段は、給電励振子及び無給電励振子とは別個に設計することができるので、給電励振子及び無給電励振子の形状を変形することなく複共振アンテナの寸法を自由に設定し、大電力送信の用途に適した複共振アンテナを得ることができる。
【0084】
更に、整合兼用電流結合手段をインダクタンス回路で構成したときには、このインダクタンス回路のインピーダンスにより、給電回路に対する複共振アンテナのインピーダンスを整合させることができると共に、インダクタンス回路と接地回路間に流れる電流量が大きくても確実に電流量を調整することができる。また、インダクタンス回路の回路配線を接地回路に近接して配設することにより、磁界結合によっても接地回路に流れる電流量を調整することができる。
【0085】
更にまた、整合兼用電流結合手段が、接地回路の一部を給電回路に近接させた構成を含むときには、磁界結合により接地回路に流れる電流量を調節することができると共に、整合兼用電流結合手段を調整することにより、接地回路と給電回路間の結合度合いを変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複共振アンテナの基本構成を示す構成図である。
【図2】図1に示す複共振アンテナの等価回路図である。
【図3】本発明に係る複共振アンテナの具体的構成を示し、(A)は平面図、(B)は(A)の一点鎖線X−Xに於ける一部断面側面図である。
【図4】本発明に係る複共振アンテナの他の構成を示す一部断面側面図である。
【図5】本発明に係る複共振アンテナの更に他の構成を示す一部断面側面図である。
【図6】本発明に係る複共振アンテナの他の構成を示す部分平面図である。
【図7】本発明に係る複共振アンテナの他の構成を示す部分平面図である。
【図8】本発明に係る複共振アンテナに用いるチップアンテナの斜視図である。
【図9】本発明に係る複共振アンテナの更に他の構成を示す部分平面図である。
【図10】本発明に係る複共振アンテナの更に他の構成を示す部分平面図である。
【図11】本発明に係る複共振アンテナの更に他の構成を示す部分平面図である。
【図12】本発明に係る2連式複共振アンテナの構成を示す平面図である。
【図13】従来の複共振アンテナを示す斜視図である。
【符号の説明】
10,30 複共振アンテナ
11 給電励振子
12,22,42,52 放射電極
13,23,32,33,61,62,68,69 電界結合パターン
14,24,44,54 電界結合端子
15,25,47,57 開放端部
16,46 給電端子
17,27 開放端容量
18 給電回路
19,77 インダクタ
20 信号源
21 無給電励振子
26,56 接地端子
28 接地回路
31 回路基板
31a アンテナ形成部
31b グランド部
34 給電パターン
35,74 接地パターン
36,37,66 固定パターン
40 チップインダクタ
41,51 チップアンテナ
43,53 基体
42a 平面部
42b ミアンダ形状部
48,58 固定端子
63 中継パターン
64 スルーホール
70 コンデンサ
71 電極パターン
72 連結パターン
73 インダクタンスパターン
74a 湾曲部
75 給電引出パターン
76 接地引出パターン

Claims (5)

  1. 一端に給電端子を有し他端を開放端とする第1の放射電極の中間部に電界結合端子を接続してなる給電励振子と、一端に接地端子を有し他端を開放端とする第2の放射電極の中間部に電界結合端子を接続してなる無給電励振子と、前記給電励振子と前記無給電励振子の電界結合端子を電界により結合する電界結合手段と、前記給電励振子の給電端子に信号電流を流す給電回路と、前記無給電励振子の接地端子を接地する接地回路とから構成され、前記電界結合手段は前記給電励振子及び前記無給電励振子に対して別個の独立した形態に形成され、かつ、分離して配置されており、当該電界結合手段は前記給電励振子及び無給電励振子のそれぞれの電界結合端子に接続されて、給電励振子の電界結合端子と無給電励振子の電界結合端子とを電界結合し、その電界結合の大きさに応じた複共振特性をもたせて前記給電励振子の第1の放射電極と前記無給電励振子の第2の放射電極とを複共振させることを特徴とする複共振アンテナ。
  2. 一端に給電端子を有する第1の放射電極の中間部に電界結合端子を接続してなる給電励振子と、一端に接地端子を有する第2の放射電極の中間部に電界結合端子を接続してなる無給電励振子と、前記給電励振子及び前記無給電励振子とは別に設けられて、前記給電励振子と前記無給電励振子の電界結合端子を電界により結合する電界結合手段と、前記給電励振子の給電端子に信号電流を流す給電回路と、前記無給電励振子の接地端子を接地する接地回路とから構成され、前記給電励振子及び前記無給電励振子は、放射電極を形成する誘電体の基体を個別に備え、前記電界結合手段は、回路基板に対向配置した一対の電界結合パターンで構成すると共に、前記給電励振子及び前記無給電励振子を前記回路基板上に載置して、前記給電励振子の電界結合端子を前記一方の電界結合パターンに接続し、前記無給電励振子の電界結合端子を前記他方の電界結合パターンに接続して構成したことを特徴とする複共振アンテナ。
  3. 前記一対の電界結合パターンを近接配置して容量成分を付与したことを特徴とする請求項2に記載の複共振アンテナ。
  4. 前記一対の電界結合パターン間にコンデンサを接続したことを特徴とする請求項2に記載の複共振アンテナ。
  5. 前記給電励振子と前記無給電励振子の間には、前記給電回路のインピーダンスを整合すると共に前記給電回路と前記接地回路との間に流れる電流量を調整する整合兼用電流結合手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の複共振アンテナ。
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